JP6629764B2 - 組織処理及び撮像の新規な方法 - Google Patents

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Description

[連邦政府により支援された研究又は開発に関する声明] 本発明は、米国国立科学財団により授賞されたDBI‐0953902号の補助金のもと、米国政府の支援によりなされた。米国政府は、本発明に関して複数の特定の権利を有する。 [関連出願の相互参照]
本出願は、2014年7月3日に出願された米国特許出願番号第14/324,019号に基づく優先権を主張する法的権利を有し、当該出願はここにその全体が参照により、本明細書に組み込まれる。
自動組織学実験室計測により、複数の組織試料、特に複数の生検試料を、比較的高速かつ整合した方式で処理する病理学実験室の能力が著しく向上されている。これらの努力はまた、いくぶん、熟練した組織学職員への依存度を減少させ、診断材料の品質を向上させている。同様に、その制限の全てに応じ、スライドスキャニング技術の現在の発展は、組織試料の遠隔観察及びデジタル保存を実現し始めている。しかし、定期的な病理的評価用の従来の、パラフィン包埋され、ミクロトーム切断され、ヘマトキシリン(hematoxylin)‐エオシン(eosin)(H&E)染色された薄片の、組織生検評価の速度、品質、及び完全性においてより著しい進歩をさせる能力を制限する複数の側面が存在する。
組織試料の目視検査が、組織診断分析の主軸のままであるが、遺伝学及びプロテオミクスのデータに由来するような補助的な研究が、高まる役割を果たしている。この傾向は、より小さい試料及びより速い結果に対する関心と競い合う、十分かつ適切に保存された組織の利用可能性に依存する。加えて、不完全な試料評価、調製のアーティファクト、非定量的解釈、限定された増殖パターン情報、及び延長された手作業の調製処理が、病理学における進歩を制限する、ヒト試料の従来の薄片ベースの組織学的分析の複数の側面のうちの一部である。これらは特に、多くの場合はコア生検又は穿刺吸引である病理診断における通常の初期診断段階に関連する。
多くの代替の組織処理及び撮像手法が、従来の処理技術の制限に対処するよう提案されている。より最近のものは、高解像度X線コンピュータ断層撮影(Zehbe氏ほか、2010年、J.R.Soc.Interface 7:49‐59;Ritman氏、2011年、Annu.Rev.Biomed.Eng.13:531‐552)及び光干渉断層撮影(Zysk氏ほか、2007年、J.Biomed.Opt.12:051403‐051403‐21、Bizheva氏ほか、2005年、J.Biomed.Opt.:10:11006‐11006‐07)を含む。これらの手法は、未処理の加工されていない組織に適用可能であり、組織を変更のないままでさらなる特性評価に適合する状態にする一方、完全な3次元目視検査を可能にするという複数の利点を有する。現時点では、どの技術も、適切な定期的病理評価用に十分な解像度及びコントラストを有する画像を生成することができない。
一方、多光子顕微鏡法(MPM)は、優れた細胞詳細を有する画像を提供する能力を有し、研究試料の分析のためのポピュラーで有力な方法である。短パルスレーザ光の使用はまた、第2高調波発生(SHG)の同時マッピングを可能にし、コラーゲン及びアミロイドなどの反復非対称タンパク質構造の定量化可能な画像を同時に生成することを可能にする。MPMにおいて用いられる複数の長い波長は、共焦点顕微鏡検査より深く組織内で撮像することができるが、残念ながら、複数の従来の方法は、ホルマリン定着した供試体に対して、多くとも50μmの深度でしか鮮明な画像を取得することができない。定着した組織を撮像するためにMPMを用いる先の試みは、連続切片(Ragan氏ほか、2007年、J.Biomed.Opt.12:014015‐014015‐9)又は連続組織アブレーション(Dechet氏ほか、1999年、J.Urol.162:1282‐1284)を用い、それらは、非常に労働力を必要とするか、あるいは、撮像の過程の間に組織供試体の破損をもたらし、組織供試体が定期的な臨床使用が実行できなくなる。
手術は、大きな割合で術中の微視的な診察を伴う。診察は主に、腫瘍の種類の特性評価、あるいはマージンにおける悪性腫瘍の存在に基づき、追加の切除又は手順の変更の必要性を判断するためのものである。例えば、繰り返される手術、不要な処置による永久的な物理的傷害、さらに死亡など、誤りのリスクが、非常に重大である。しかしながら、一般的に凍結切片を用いて行う、術中の顕微鏡法の複数の現在の標準的な方法に対して、多くの周知の制限が存在する。これらのうち、特定の組織種類の凍結に対する耐性、及び、非常に低い画像品質をもたらす瞬間凍結処理に関連する形態学的歪みが主であり、多くの場合においては、これらの使用を完全に排除している。
上述の複数の点は、未切断、未包埋の試料を撮像するための組織処理の複数の新規な方法が望ましいことを示している。組織の透明化が、光学切片顕微鏡法の様々な仕様での撮像の到達可能な深度を実用的にかつ著しく増加する有用手法を提示している。透明化を用いて深く高解像度の画像を取得するための過去の努力が、狭い応用に限定されている。これらの過去の手法は、定期的な病理学及び多くの種類の調査作業における適切な実装に必要な速度を達成することができる処理方法の開発に失敗している。それらは、形態学的評価において熟練した専門家が解釈に慣れたカラレーションの複数の種類を正確に再現することもできていない。
従って、比較的短い期間において深く高解像度の組織画像を取得することができる実用的な新しい処理方法の必要性が残っている。加えて、これらの深度のある画像について、これらを病理学者及び微細解剖学研究者により即座に認識可能にする方式で取得される必要性が存在している。本発明は、この未だ対処されていない必要性に対処する。
組織試料を処理する方法が説明される。方法は、組織試料を取得する段階と、当該組織試料を、少なくとも1つの定着剤と、少なくとも1つの蛍光染料とを含有する定着液に接触させる段階とを備える。1つの実施形態において、方法は、組織試料を透明化液に接触させる段階をさらに備える。別の実施形態において、方法は、組織試料の視覚画像を生成するべく、組織試料を撮像する段階をさらに備える。別の実施形態において、少なくとも1つの蛍光染料は、エオシン(eosin)、DAPI、SYTOX緑、アクリジンオレンジ(acridine orange)、ローダミンB(rhodamine B)、ヨウ化プロピジウム(propidium iodide)、及びヘキスト染料(Hoechst dye)を含む群から選択される。別の実施形態において、少なくとも1つの定着剤はメタカン(methacarn)である。別の実施形態において、定着液は浸透促進剤をさらに含む。別の実施形態において、組織試料を定着液に接触させる段階は、約45℃で実行される。別の実施形態において、定着液は赤血球溶解剤をさらに含む。別の実施形態において、組織試料を定着液に接触させる段階は、約1時間の期間にわたって実行される。別の実施形態において、組織試料を定着液に接触させる段階は、15分より短い期間にわたって実行される。別の実施形態において、透明化液はベンジルアルコール(benzyl alcohol)と安息香酸ベンジル(benzyl benzoate)とを含む。別の実施形態において、ベンジルアルコール対安息香酸ベンジルの比率が、約1対2である。別の実施形態において、組織試料を透明化液に接触させる段階は、約10分の期間にわたって実行される。別の実施形態において、部分的に定着され、部分的に透明化された組織が、撮像後に定着剤に配置される。別の実施形態において、組織試料を定着液に接触させ、組織試料を透明化液に接触させる複数の段階は、約1.5時間の期間にわたって実行される。別の実施形態において、組織試料は、組織試料を取得する前に定着されている。
また、組織試料を撮像する方法が説明される。方法は、組織試料を取得する段階と、組織試料を、少なくとも1つの蛍光染料を含有する定着液に接触させる段階と、組織試料を透明化液に接触させる段階と、組織試料の蛍光の複数の強度値を測定し、複数の強度値を効果的な複数の光学密度に変換することによって、組織試料画像を生成する段階であって、これにより、複数の光学密度が組織試料の生成された画像において染色のカラレーションを再現する、段階とを備える。1つの実施形態において、組織試料画像は、光学切片断層顕微鏡を用いて生成される。様々な実施形態において、光学切片断層顕微鏡は、多光子顕微鏡(MPM)、共焦点顕微鏡、構造化照明顕微鏡、超解像度顕微鏡、選択的平面照明顕微鏡(SPIM)、側面照明顕微鏡、回転盤共焦点顕微鏡、及びデコンボリューション顕微鏡を含む群から選択される。別の実施形態において、組織試料画像を生成する段階は、第2高調波発生(SHG)の段階をさらに含む。別の実施形態において、試料画像は、3次元(3‐D)試料画像である。別の実施形態において、試料画像は、50μmより大きい試料深度で取得される。別の実施形態において、複数の強度値は、指数の擬似カラレーション処理を用いて効果的な複数の光学密度に変換される。
本発明はまた、供試体保持デバイスに関する。供試体保持デバイスは、圧縮性材料を有する第1プレートと、窓を有する第2プレートとを備え、窓は、透明材料を含む。1つの実施形態において、圧縮性材料は、閉じられた外縁の形態を有する。別の実施形態において、圧縮性材料は、固形ブロックの形態を有する。1つの実施形態において、第1プレートと第2プレートとは、載物台上にフィットするように寸法づけられる。1つの実施形態において、第1プレートと第2プレートとは、タブ及び相反のスロットを介して、互いに係合する。1つの実施形態において、圧縮性材料は多孔性である。様々な実施形態において、圧縮性材料は、複数のスポンジ、泡状物質、メッシュ、ゴム、ポリマ、及びコルクを含む群から選択される。
本発明はまた、供試体を撮像するためのシステムに関する。システムは、本発明の供試体保持デバイスと顕微鏡とを備える。顕微鏡は、レーザの光源と、走査機構と、走査レンズと、チューブレンズと、顕微鏡対物レンズと、移動ステージとを含み、顕微鏡の移動ステージは、顕微鏡対物レンズの下に本発明の供試体保持デバイスにより保持される供試体を提示するために適する。1つの実施形態において、顕微鏡は、ビームシェーパをさらに含む。1つの実施形態において、顕微鏡は、少なくとも1つの、蛍光光線を反射するためのダイクロイックミラーをさらに含む。1つの実施形態において、顕微鏡は、少なくとも1つの、複数の透過光信号を検出するための検出器をさらに含む。1つの実施形態において、顕微鏡は、少なくとも1つの吸収フィルタをさらに含む。様々な実施形態において、顕微鏡のレーザの光源は、フェムト秒レーザ、ピコ秒レーザ、パルスファイバレーザ、及び整調不可なレーザを含む群から選択される。1つの実施形態において、顕微鏡のレーザは、800nmの中心波長を有する。様々な実施形態において、顕微鏡の走査機構は、共振検流計と、複数のミラー付きファセットを有するスピンポリゴンとを含む群から選択される。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズは、少なくとも0.8の開口数をする。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズは、少なくとも500μmの実視野を有する。
本発明はまた、組織試料を処理するためのキットに関する。キットは、少なくとも1つの定着剤、少なくとも1つの蛍光染料、及び本発明の方法を実行するための指導材料を含有する少なくとも1つの定着液を備える。1つの実施形態において、少なくとも1つの定着液はメタカンである。1つの実施形態において、少なくとも1つの蛍光染料は、エオシン、DAPI、SYTOX緑、アクリジンオレンジ、ローダミンB、ヨウ化プロピジウム、及びヘキスト染料を含む群から選択される。1つの実施形態において、キットは、少なくとも1つの透明化液をさらに備える。1つの実施形態において、少なくとも1つの透明化液は、ベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとを含有する。1つの実施形態において、キットは、圧縮性材料を含む第1プレートと、窓を含む第2プレートとを有する供試体保持デバイスをさらに備え、窓は、透明材料を含む。1つの実施形態において、キットは、本明細書の他の箇所において説明されているような本発明のシステムをさらに備える。
複数の添付の図面と共に閲覧すれば、本発明の複数の好ましい実施形態の以下の詳述される説明がより良く理解されるであろう。本発明を図示する目的のために、複数の図面において現在好ましい複数の実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、複数の図面に示されている複数の実施形態の正確な配置及び手段に限定されないことが理解されるべきである。 特許又は出願提出は、少なくとも1つの、カラーで作成されている図面を含有する。カラー図面を伴う本特許又は特許出願公報のコピーは、請求されて必要な手数料の納付を行えば、事務局により提供される。
試料を処理及び撮像するための例示的な方法を図示するフローチャートを示す。 図2のaから2のdを含み、透明化の複数の例の複数の画像を示す。ベンジルアルコール/安息香酸ベンジル透明化プロトコルの前の、乳房(図2のa)及び肝臓(図2のb)の、及びその後(それぞれ、図2のc及び図2のd)のホルマリン定着組織の複数の切片である。乳房の組織供試体がほぼ完全に透明で、いくつか残った色素を有する肝臓の供試体が半透明であることに留意されたい。グリッド線の間隔が0.9cmである。 図3のaから3のdを含み、透明化した正常ヒト組織の多光子顕微鏡法の複数の画像を示す。複数の供試体は、複数の脱水段階の間に、SYTOX緑又はアクリジンオレンジの核酸染料のうちの何れかにより染色されている。図3のaは、中出力で取得された前立腺組織試料の画像である。図3のbは、高出力で取得された肝臓組織試料の画像である。図3のcは、中出力で取得された乳房組織試料の画像である。図3のdは、中出力で取得された腎臓組織試料の画像である。複数の画像は、200から500μmにわたる深度からのものである。形態学的詳細は、1mmの深度と同等である。 図4のaから4のcを含み、腎臓の切片のマルチチャネルデータを示す。図4のaは、細胞の細胞質からの信号により支配される自家蛍光の画像である。図4のbは、核DNA及びいくつかの細胞質RNAを主に強調する、反転された核酸蛍光チャネルの画像である。図4のcは、赤色の第2高調波発生チャネルが正常な糸球体の周りの複数のコラーゲン繊維の分布を示す状態で、組み合わされた自家蛍光及び核蛍光(グレースケール)の画像である。 擬似着色化を示す画像である。(図4に示されているように)およそ500μmの深度でSYTOX緑を用いて透明化された組織に対して多光子顕微鏡法で取得された前立腺の切片が、ヘマトキシリン‐エオシンの切片を模倣するように処理されている。 図6のaから6のdを含み、透明化された組織の多光子顕微鏡法(MPM)後のヘマトキシリン‐エオシン(H&E)染色された複数の画像を示す。前立腺(図6のa)、肝臓(図6のb)、乳房(図6のc)、及び腎臓(図6のd)を含む、図3に示されている複数の同じ供試体からの複数の試料切片は、組織の透明化及びMPM撮像(もとの倍率の20倍(図6のa、6のc、及び6のd)、及び50倍(図6のb))の後に、従来のワックス包埋、切断、及びH&E染色を用いて認識できる劣化又は他の視覚変化がないことを示す。 図7のaから7のbを含み、ヒトの腎組織に対して、ベンジルアルコール/安息香酸ベンジル透明化及びSYTOX緑染色と、従来の免疫組織化学的検査との互換性の複数の例を示す複数の画像を示す。図7のaは、下行する複数の髄索上において陽性染色への遷移の予期パターンを示す正常な腎臓のサイトケラチン(cytokeratin)(CK)7染色を示す画像である。図7のbは、CK20を用いた同じ腎組織の適切な染色の欠如を示す画像(もとの倍率の4倍(図5のa及び5のb))である。 図8のaから8のcを含み、正常ヒト組織の代表的な大きいブロックの3‐D再構成を示す。図8のaは、染色せずに(自家蛍光のみ、低出力)透明化された組織に対して多光子顕微鏡法により取得された正常ヒト肝臓のおよそ1‐mmの立方体の切片を示す画像である。図8のbは、定着され、透明化され、核酸染料SYTOX緑(低出力)で染色された正常ヒト乳房組織の同様に寸法づけられたブロックを示す画像である。図8のcは、正常ヒト腎臓からのコラーゲンの3‐D再構成の透視像(およそ200x200x40μm)である。 図9のaから9cを含み、様々な組織試料を示す。図9のaは、未透明化試料の画像である。図9のbは、ヘキサンにおける液浸が続き、1対2の比率のベンジルアルコール対安息香酸ベンジルにおける液浸が続き、1.25時間の期間において実行された、エタノールの濃度勾配の増加(50%、75%、100%)を伴う組織透明化の従来の方法を用いて生成された試料の画像である。図9のcは、同じく1.25時間の期間にわたって本発明の複数の方法を用いて処理された試料を示す画像である。1.25時間(うち15分、透明化後処理)の時間では、本発明の方法を用いる透明化は、従来の処理と比較して、より深い透明化(未透明化体積のより小さいコア)を示す。従来の方法はまた、(液体に薄い赤をつける)BABB内の蛍光染料のリーチングを示す。 1.5時間における深度を有する正規化された平均染料染色を示すグラフである。1.5時間の時間では、本発明の複数の方法を用いる組織処理は、図9について説明されているなエタノール/ヘキサン/BABBでの従来の処理よりも良好な染料浸透を著しく表している。 図11のaから11のbを含み、複数の従来の処理方法及び本発明の複数の方法を用いて処理された複数の組織の複数の画像を示す。図11のaは、複数の従来の処理方法を用いて処理された複数の組織の一連の画像である。図11のbは、本発明の複数の方法を用いて処理された複数の組織の一連の画像である。本発明の複数の方法は、安価な染料の組み合わせを用いて、核及びタンパク質蛍光信号のより良好な分離をもたらし、500μmの深度で著しく低い細胞収縮を有する向上した詳細を表している。 メタカン又はメタノールを用いて処理され、加熱有り又は加熱なしで処置された複数の組織試料の複数の画像を示す一連の画像である。 メタカンで、メタノールのみで、及び熱なしで処理された複数の試料についての正規化された染色強度対深度を示すグラフである。 図14のaから14のcを含み、擬似H&Eを用いて処理された複数の組織の複数の画像を示す。図14のaは、核染色を用いて処理された組織の画像である。図14のbは、タンパク質蛍光を用いて処理された組織の画像である。図14のcは、図14のa及び図14のbに示されている画像を用いて、対数のマトリックス変換の反転を用いて撮像された組織の画像である。 本発明の複数の方法を用いて調製された複数の組織試料の一連の画像を示す。 本発明の例示的な供試体保持デバイスを示す図である。 本発明の例示的な顕微鏡システムの光学レイアウトを示す概略図である。
本発明の複数の図及び説明は、本発明をより明白に理解するために関連する複数の要素を示すように簡略化されている一方、明瞭性の目的のために、組織学、組織処理、及び同様のものに関する当技術分野において発見された多くの他の要素を取り除いていることが理解されたい。当業者は、本発明を実装するために、複数の他の要素及び/又は段階が望ましい及び/又は必要とされていることを認識し得る。しかしながら、そのような要素及び段階は、当技術分野においては周知であり、本発明に対してより良い理解を促進していないので、そのような要素及び段階の説明は、本明細書においては提供されない。本明細書における開示は、当業者に知られているそのような要素及び方法の全てのそのような変形及び変更を対象とする。本明細書において説明されているそれらと同様又は等価の任意の方法、材料、及び組成が本発明の実施又は試験に用いられることができるが、複数の好ましい方法及び材料が説明される。
[定義] 別段の定めがない限り、本明細書において用いられる全ての技術的、科学的な用語は、本発明が属する技術分野の当業者により一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書において説明されているそれらと同様又は等価の任意の方法及び材料が本発明の実施又は試験に用いられることができるが、複数の好ましい方法及び材料が説明される。本明細書において用いられているように、以下の用語のそれぞれは、そのセクションにおけるその用語に関連する意味を有する。
「一」(a)及び「一」(an)という冠詞が、本明細書において用いられ、1つ又は1つより多い(すなわち、少なくとも1つの)その冠詞の文法上の目的語を指す。例として、「一要素」は、1つの要素又は1つより多くの要素を意味する。
量、時間的な持続期間、及び同様のものなどの測定可能な値を指す場合に本明細書において用いられているような「約」及び「およそ」は、特定された値から±20%又は±10%、より好ましくは±5%、さらにより好ましくは±1%、またより好ましくは±0.1%の偏差を包含することを意味し、そのような偏差は、開示されている複数の方法を実行するのに適切なものである。
複数の生物、組織、細胞又はその成分の文脈において用いられている場合の「異常」という用語は、少なくとも1つの観察可能又は検出可能な特性(例えば、年齢、処置、時刻など)において、「正常」な(予期される)それぞれの特性を表示するそれらの生物、組織、細胞又はその成分とは異なるそれらの生物、組織、細胞又はその成分を指す。1つの細胞又は組織種類について正常又は予期される複数の特性は、異なる細胞又は組織種類については異常であり得る。
「疾病」とは、動物の健康状態であり、その動物が恒常性を維持することができず、その疾病が治癒されない場合、その動物の健康が次に悪化し続ける。
反対に、動物における「障害」とは、その動物が恒常性を維持することができるが、その動物の健康状態が、その障害が存在しない場合と比べて好ましくないという健康状態である。治療しないままでは、障害は、必ずしもその動物の健康状態をさらに悪化させるわけではない。
「患者」、「被験者」、「個体」という用語及び同様のものは、本明細書において交互に用いられ、本明細書において説明されている複数の方法に適合する任意の動物、又はその動物の、生体外あるいは生体内原位置の細胞を指す。複数の特定の非限定的な実施形態において、患者、被験者又は個体はヒトである。
本明細書において用いられているように、「定着」という用語は、タンパク質の架橋又は脱水を介して酵素機能を阻止するなどのことによって、細胞の退化を停止させる任意の処理を指す。
本明細書において用いられているように、「脱水」という用語は、撮像のための調製に補助するように、酵素機能を阻止し、及び/又は、少なくとも部分的に疎水性流体と混和性のある溶媒環境を生成することでそのような効果により、試料から水分を取り除くことを指す。
本明細書において用いられているように、「BABB」という用語は、ベンジルアルコール及び安息香酸ベンジルの溶液を指す。例えば、BABBは、ベンジルアルコール及び安息香酸ベンジルの溶液であって、ベンジルアルコール対安息香酸ベンジルの比率が約1対2の溶液を指し得る。
本明細書において用いられているように、「組織」という用語は、生物に由来する任意の構造を意味する。当該用語はまた、生物から切除され又は取り除かれた任意の構造を包含する。本明細書において用いられているように、「組織」が由来する生物は、排他的に人間である必要がないが、むしろ、用語は、任意の生物に由来する組織を包含する。人間に関して、用語は、生きている人間あるいは死体に由来する構造を含む。複数の特定の実施形態において、組織は、人間、ラット、ネズミ及び羊を含む哺乳類に由来するが、これらに限定されない。
本明細書において用いられているように、「深い撮像」という用語は、従来の方法に従って薄切りした組織の薄片に関連するコントラスト及び解像度のレベルに一般的に到達可能なものよりも大きい、表面からの距離で撮像することを指す。この到達可能な深度は、組織種類と定着の存在及び種類とにより異なる。複数の実用的な目的のために及び本テキストにおいては、「深い」は、およそ50μmより大きい複数の深度を指す。
範囲:本開示全体にわたって、本発明の様々な態様が、範囲フォーマットにおいて提示され得る。範囲フォーマットにおける説明が単に、便宜上及び簡潔さのためのものであり、本発明の範囲を変更できない限定として解釈されるべきではないことが、理解されるべきである。従って、範囲の説明は、全ての可能な部分範囲、並びにその範囲内の複数の個々の数値を具体的に開示されているとみなされるべきである。例えば、1から6などの範囲の説明は、例えば、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などの具体的に開示している部分範囲、並びに、例えば、1、2、2.7、3、4、5、5.3、及び6などのその範囲内の複数の個々の数字を有するとみなされるべきである。このことは、範囲の広がりにかかわらず適用する。
[説明] 本発明は、複数の組織供試体の深い撮像の実用的な実装を可能にする、組織調製及び画像分析の複数の方法に関する。本明細書において説明されている複数の方法は、組織処理の段階の数を減少させ、組織を処理するのに必要とされる時間を短縮し、複数の試料の透明さとコントラストを向上させ、それにより、試料の深い組織撮像を可能にする。本明細書において示されているように、本発明の複数の方法は、時間がかかって手作業の集約的な、透明化後の段階を必要としない、生検向けサイズの供試体の完全な可視化を提供し、それにより、形態学的診断中の生検間の時間を短縮する。複数の非限定的な例において、透明化された生検供試体は、直接可視化のために病理学者に提供され、又は画像分布用に走査され得る。別の非限定的な例において、一次的な診断が、必要に応じて順序付けられた、後の研究を用いて、複数の画像に基づき行われてよい。別の非限定的な例において、複数の供試体は、手術中の評価のために、又は、迅速な目視検査が望ましい任意の他の臨床シナリオのために、部分的に定着され、部分的に透明化され得る。複数のさらなる例において、部分的に定着された供試体は、その後に完全に定着されてよく、部分的に透明化された供試体は、その後に完全に透明化されてよい。
一部分において、本発明は、複数の従来の組織学染色とは本質的に区別がつかない画像の再現を可能にする、画像分析のための方法を提供する。この方法は、一般的な病理学的染色を模倣する複数の試料の画像を提供し、画像の正確、かつ、効率的な解釈をもたらす。現在用いられている複数の色分離アルゴリズムに反して、本明細書において説明されている複数の方法は、ヘマトキシリン/エオシン及びライト/ギムザ(wright/giemsa)などの一般的な染色から生じる組織の予期される着色を含む画像を正確に再現するよう、試料の蛍光が固有であるか、あるいは蛍光染料から生じるかにかかわらず、試料のその蛍光を用いて、これらの色分離技術を転化し、病理学者により容易に解釈される画像を可能にする。擬似着色化の過去の努力に反して、本明細書において説明されている複数の方法は、指数の変換式を用いて、蛍光放射の光学的品質を、薄い切片の従来の照度での光吸収のそれらにより近くマッチングする。本明細書において示されているように、本発明の複数の方法は、複数の現存の組織学的方法を用いて生成されたそれらと同様の解像度及び実視野を有する画像の生成をもたらし、一般に用いられている組織学的染色を用いて取得されたものと同様のコントラストを提供し、明らかな悪影響なしで、後の従来の処理を可能にする。本明細書において説明されているマルチチャネル法は、従来の染色に類似した方法における形態を表す直接的な擬似着色を提供し、病理学者が顕著な組織学的特徴を容易に認識することを可能にする。
生検では、多くの場合において、追加の染色又は分子分析のための十分な組織の維持と、適切なヘマトキシリンとエオシン(H&E)組織像との間にトレードオフが存在する。従来の物理的ワックス包埋及び切断の組織学的技術の必然的なスパースサンプリングは、重要な特徴を見落とし得る。例えば、大腸ポリープが見落とされる場合があり、前立腺癌の小さい病巣が非診断となる場合があり、病巣の腎臓障害が明らかでない場合がある。この課題は、特に不完全に包埋された供試体において、完全な切片のために最初のブロックシェービングを破棄する必要性により生じる。本明細書において説明されている複数の方法は、複数の現存の組織学的方法を用いるときに発生するこれらの問題を除去する一方、生検供試体の全体又は深い部分の画像再構成を可能にする。
高速な分析の場合において、提示されている処理を用いて未凍結、未切断の組織を可視化することによって、組織の凍結及び切片に関連する多くのアーティファクト及び困難が克服できる。光学切片断層顕微鏡を用いて未凍結、未切断の加工されていない組織を可視化するための他の関連努力とは対照的に、ここで説明されている処理は、任意の他の既知技術を用いて実用的な診断のための適切な解像度及び深度の撮像を妨げる不十分な屈折率マッチング及び遅い染料浸透に由来する難題に完全に対処する。
[方法] 1つの態様において、本発明は、組織学的試料を処理及び撮像する複数の方法を提供する。1つの実施形態において、方法は、試料を取得する段階を備える。試料は、概して、任意の種類の試料であってよい。例えば、試料は、細胞又は細胞群、生物、組織、複数の細胞溶解質、細胞培養液、バイオリアクタ試料などであってよい。好ましい例において、試料は、組織試料である。別の実施形態において、試料は、細胞成分が遠心分離又はフィルタリングなどによって、濃縮されている流体試料である。複数の組織の非限定的な例としては、皮膚、筋肉、腸、乳房、心臓、腎臓、肺、肝臓、胎盤、前立腺、膵臓、子宮、骨、骨髄、脳、胃、軟骨、リンパ節、脂肪組織、扁桃、胆嚢、及び脾臓、並びに、脳脊髄液の、胸膜液の、腹水の、又は滑液の細胞成分を含む。1つの実施形態において、組織は、肝臓組織である。別の実施形態において、組織は、腎臓組織である。別の実施形態において、組織は、乳房組織である。別の実施形態において、組織は、前立腺組織である。試料は、当業者により理解され得るように、当技術分野において既知の任意の方法を介して取得され得る。いくつかの実施形態において、試料は、手術、生検、穿刺吸引、培養、又は剖検中に取得される。1つの実施形態において、試料は、加工されていない試料である。別の実施形態において、試料は、定着した試料である。1つの実施形態において、組織試料は、組織試料を取得する前に定着される。
図1は、試料を処理及び撮像するための例示的な方法1000を図示するフローチャートを示す。方法1000は、試料を取得する段階1010と、試料を定着液に接触させる段階1020とを備える。好ましい実施形態において、試料は組織試料である。特定の実施形態において、定着液は、少なくとも1つの脱水剤及び少なくとも1つの蛍光染料を含む。1つの実施形態において、方法1000は、試料を撮像する段階1040のために増加された深度及び透明さを提供するよう、試料を透明化液に接触させることよって、試料を透明化する段階1030を備える。1つの実施形態において、試料は、定着剤又は脱水剤、及び少なくとも1つの蛍光染料を含む溶液に接触される前に、定着される。別の実施形態において、加工されていない組織は、染料又は複数の染料と組み合わされた定着/脱水流体に直接に配置される。いくつかの実施形態において、試料を撮像する段階は、第2高調波発生(SHG)などの追加の撮像方法と組み合わせて実行される。(図1)1つの実施形態において、複数の供試体は、手術中の評価のため、又は迅速な目視検査が望ましい任意の他の臨床シナリオのために、部分的に定着され得る。部分的に定着された複数の供試体は、その後に完全に定着され得る。別の実施形態において、複数の供試体は、手術中の評価のため、又は迅速な目視検査が望ましい任意の他の臨床シナリオのために、部分的に透明化され得る。部分的に透明化された複数の供試体は、その後に完全に透明化され得る。
1つの態様において、本発明の方法は、試料を脱水する段階をさらに備える。脱水は、試料から水分の取り除きを促進し、これにより、低水溶性の透明化剤が次に用いられ得る。脱水剤又は脱水液はまた、定着剤として、又は試料を定着するために、用いられ得ることが、理解されるべきである。本明細書において用いられているように、「脱水剤」という用語は、水混和性の無水流体を指す。複数の脱水剤の複数の非限定的な例としては、メタノール、エタノール、及びプロパノールなどの複数のアルコールを含む。1つの実施形態において、脱水剤はメタカンである。別の実施形態において、脱水剤はメタノールである。1つの実施形態において、脱水段階は、定着剤として機能し、先の試料定着なしで行われる。複数の他の実施形態において、脱水段階は、試料の定着後に実行される。1つの実施形態において、脱水段階は、ホルマリンを含む定着液を用いて試料の定着後に実行される。
脱水段階は、任意の適した時間において実行され得る。時間は概して、試料又は試料の一部分を透明化剤と混和するための任意の適した時間であり得る。時間はまた概して、試料の保存又は試料の一部分の保存に任意の適した時間であり得る。複数の特定の実施形態において、期間は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、又は約24時間からであり得る。1つの実施形態において、脱水段階は、約1時間の期間にわたって実行される。別の実施形態において、脱水段階は、約12から16時間にわたって実行される。
1つの態様において、本発明の方法は、試料を定着する段階を備える。組織試料は、当業者により理解されているように、当技術分野において既知の任意の方法を用いて定着され得る。1つの実施形態において、試料は、試料を定着剤に接触させることによって定着される。別の実施形態において、試料は、試料を定着液に接触させることによって定着される。1つの実施形態において、定着液は、少なくとも1つの定着剤を含有する。1つの実施形態において、定着剤は脱水剤である。別の実施形態において、定着液は脱水剤である。別の実施形態において、定着液は、少なくとも1つの定着剤と少なくとも1つの浸透性物質とを含有する。複数の定着剤の複数の非限定的な例としては、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド(パラホルムアルデヒド、ホルマリン)、グルタルアルデヒド、アクロレイン(アクリル アルデヒド)、グリオキサール(エタンジアール、ジホルミル)、マロンアルデヒド(マロン酸ジアルデヒド)、ジアセチル(2,3‐ブタンジオン)、及びポリアルデヒド)、アルコール(すなわち、タンパク質変性剤、例えば、酢酸、メタノール、エタノール)、ポリビニルアルコール、重金属酸化剤(すなわち、金属イオン及び錯体、例えば、四酸化オスミウム、クロム酸)、クロロ‐s‐トリアジン、シアヌル塩化物、カルボジイミド、ジイソシアネート、ジイミドエステル、ジエチルピロカルボネート(ジエチルピロカーボネート、エトキシギ酸無水物)、ピクリン酸、塩化第二水銀(昇汞、2塩化水銀)、及び水銀の他の塩類などの未知のメカニズムの薬剤、及びアセトンを含む。1つの実施形態において、定着剤の組み合わせが用いられる。そのような組み合わせは、カルノア定着液(Carnoy's fixatives)、メタカン、ウォルマン液(Wolman's solution)、ロスマン液(Rossman's fluid)、ジャンドル液(Gendre's fluid)、ブアン液(Bouin's fluid)、ツェンカー液(Zenker's fluid)、ヘリー液(Helly's fluid)、B5定着剤、スサ液(Susa fluid)、エルフマン定着剤(Elftman's fixative)、スワンク・ダベンポート定着剤(Swank and Davenport's fixative)、リリーアルコール性硝酸鉛(Lillie's alcoholic lead nitrate)、及びセチルピリジニウム塩化物(C.P.C.)など、当業者に知られている通称製剤のもとである。複数の添加剤は、タンニン酸、フェノール、遷移金属塩類(亜鉛)、ランタン、リチウム、カリウムなどのエンティティを含み得るが、これらに限定されない。1つの実施形態において、定着剤は、メタカンである。別の実施形態において、定着剤は、ホルマリンである。別の実施形態において、定着剤は、アルコールである。別の実施形態において、定着剤は、メタノールである。別の実施形態において、定着剤は、ポリビニルアルコールである。別の実施形態において、定着剤は、ホルムアルデヒドである。別の実施形態において、試料の定着は、生体外で発生する。
いくつかの実施形態において、定着段階の間において、少なくとも1つの蛍光染料が試料に追加され、試料の同時定着及び染色をもたらす。複数の他の実施形態において、脱水段階の間において、少なくとも1つの蛍光染料が試料に追加され、試料の同時脱水及び染色をもたらす。蛍光染料の取り込みは、従来の試料調製の時間がかかる段階である後処理の染色の必要性をなくす。蛍光染料は、定着段階の間に試料に直接に追加され得る。例えば、蛍光染料は、定着液に追加され得る。別の実施形態において、蛍光染料は、定着段階の完了後に、試料に追加される。1つの実施形態において、定着液は、定着剤と蛍光染料とを含有する。別の実施形態において、定着液は、少なくとも1つの脱水剤及び少なくとも1つの蛍光染料を含有する。1つの実施形態において、蛍光染料は、脱水段階の間に、試料に直接に追加される。1つの実施形態において、組織試料を処理する方法は、組織試料を取得する段階と、組織試料を、少なくとも1つの脱水剤及び少なくとも1つの蛍光染料を含有する定着液に接触させる段階とを備える。
当業者は、本発明は、定着段階に対応する任意の蛍光染料の使用を考慮していることを理解するであろう。複数の蛍光染料の複数の例としては、POPO‐1、TOTO‐3、TAMRA、BOXTO、BEBO、SYBR DX、SYTOX染料、SYTO染料、アレクサ(Alexa)染料、フルオレセイン、ローダミン、プロピジウムヨウ化物、ヘキスト染料、テトラメチルローダミン、R‐フィコエリスリン、Cy‐3、Cy‐5、Cy‐7、テキサスレッド、ファーレッド、アロフィコシアニン(APC)、フルオレセインアミン、エオシン、ダンシル、ウンベリフェロン、5‐カルボキシフルオセイン(FAM)、2'7'‐ジメトキシ‐4'5'‐ジクロロ‐6‐カルボキシフルオレセイン(JOE)、6カルボキシローダミン(R6G)、N,N,N',N'‐テトラメチル‐6‐カルボキシローダミン(TAMRA)、6‐カルボキシ‐X‐ローダミン(ROX)、4‐(4'‐ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸(DABCYL)、5‐(2'‐アミノエチル)アミノナフタレン‐1‐スルホン酸(EDANS)、8‐アニリノ‐1‐ナフタリンスルホン酸アンモニウム塩(ANS)、4‐アセタミド‐4'‐イソチオシアン酸スチルベン‐2,2'ジスルホン酸、アクリジン、アクリジン イソチオシアン酸、アクリジンオレンジ(N,N,N',N'‐テトラメチルアクリジン‐3,6‐ジアミン)、R‐アミノ‐N‐(3‐ビニルスルホニル)フェニルナフタルイミド‐3,5、ジスルホン酸塩(ルシファーイエローVS)、N‐(4‐アニリノ‐1‐ナフチル)マレインイミド、アントラニルアミド、ブリリアントイエロー、クマリン、7‐アミノ‐4‐メチルクマリン、7‐アミノ‐4‐トリフルオロメチルベンゼン(クマリン151)、シアノサイン、2‐(4‐アミジノフェニル)‐1H‐インドール‐6‐カルボキサミジン(DAPI)、5',5''‐ジブロモピロガロール‐スルホンフタレイン(ブロモピロガロールレッド)、7‐ジエチルアミノ‐3‐(4'‐イソチオシアナトフェニル)‐4‐メチルクマリン ジエチレントリアミン ペンタアセテート、4,4'‐ジイソチオシアナートジヒドロ‐スチルベン‐2,2'‐ジスルホン酸、4,4'‐ジイソチオシアナートスチルベン‐2,2'‐ジスルホン酸、4‐ジメチルアミノフェニルアゾフェニル‐4'‐イソチオシアネート(DABITC)、エオシン イソチオシアナート、エリスロシンB、エリスロシン イソチオシアネート、エチジウム、5‐(4,6‐ジクロロトリアジン‐2‐イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、QFITC(XRITC)、フルオレスカミン、IR144、IR1446、マラカイトグリーン イソチオシアネート、4‐メチルウムベリフェロン、オルソ クレゾールフタレイン、ニトロチロシン、パラローザニリン、フェノールレッド、B‐フィコエリトリン、オルトフタルアルデヒド、ビレン、ビレン酪酸塩、サクシニミジル1‐ビレン酪酸塩、リアクティブレッド4(シバクロン.RTM.ブリリアントレッド3B‐A)、リサミン ローダミンB スルホニルクロリド、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンX、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101のスルホニル塩化物誘導体、テトラメチルローダミン、チアゾールオレンジ、リボフラビン、ロゾール酸、及びテルビウム キレート誘導体を含むが、これらに限定されない。1つの実施形態において、蛍光染料は、エオシンである。別の実施形態において、蛍光染料は、DAPIである。別の実施形態において、蛍光染料は、SYTOX緑である。別の実施形態において、蛍光染料は、アクリジンオレンジである。別の実施形態において、蛍光染料は、ローダミンBである。別の実施形態において、蛍光染料は、SYTO染料である。別の実施形態において、蛍光染料は、ヨウ化プロピジウムである。別の実施形態において、蛍光染料は、ヘキスト染料である。
複数の特定の実施形態において、蛍光染料は、特定の小器官又は細胞の成分を選択的に染色し得る。1つの実施形態において、蛍光染料は、核染料である。複数の核染料の複数の非限定的な例としては、DAPI、SYTOX染料、SYTO染料、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びヘキスト染料を含む。1つの実施形態において、核染料は、DAPIである。別の実施形態において、蛍光染料は、タンパク質染料である。複数のタンパク質染料の複数の例としては、エオシン、ローダミンB(RhB)、及びANSを含むが、これらに限定されない。別の実施形態において、細胞の自家蛍光が細胞のタンパク質を撮像するために用いられる。別の実施形態において、蛍光は、少なくとも1つの核染料と少なくとも1つのタンパク質染料との組み合わせから生成される。別の実施形態において、蛍光は、核染料及び自家蛍光から生成される。1つの実施形態において、少なくとも1つのタンパク質染料は、エオシンである。
複数の特定の実施形態において、形態学的安定剤が、定着段階及び/又は脱水段階の間において、試料に追加される。形態学的安定剤は、細胞の核構造の維持を増進させ、それが次の細胞学的染色のための細胞膜の無傷を維持し、及び/又は、定着又は脱水の間における収縮又は膨張を低減させる。当業者により理解され得るように、定着段階に対応する任意の形態学的安定剤は、本発明に用いられ得る。複数の形態学的安定剤の複数の非限定的な例としては、酢酸、トリクロロ酢酸、ホルムアルデヒド、ジオキサン、クロロホルム、及び同様のものを含む。好ましい実施形態において、形態学的安定剤は、クロロホルムである。形態学的安定剤は、定着段階の間において、試料に直接に追加され得る。代替的に、形態学的安定剤は、定着液に追加され得る。1つの実施形態において、定着液は、約0%から約50%の形態学的安定剤を含有する。別の実施形態において、定着液は、約5%から約15%の形態学的安定剤を含有する。別の実施形態において、定着液は、約10%の形態学的安定剤を含有する。別の実施形態において、定着液は、約20%から約40%の形態学的安定剤を含有する。好ましい実施形態において、定着液は、約30%の形態学的安定剤を含有する。
いくつかの実施形態において、浸透促進剤が、定着段階及び/又は脱水段階の間において、試料に追加される。浸透促進剤は、染料の、試料のより深い部分への浸透を加速する一方、全体的に染色処理を向上させる。浸透促進剤はまた、定着剤、脱水剤、及び/又は透明化剤の浸透を加速する。複数の浸透促進剤の複数の非限定的な例としては、酢酸などの複数の酸、酢酸を含むメタカン、ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド、アゾン、ピロリドン、プロピレングリコール、脂肪酸、芳香油、リン脂質、s‐コリジン、及びTweenなどの界面活性剤を含む。1つの実施形態において、定着液は、約0%から約75%の浸透促進剤を含有する。別の実施形態において、定着液は、約0%から約25%の浸透促進剤を含有する。別の実施形態において、定着液は、約5%から約15%の浸透促進剤を含有する。好ましい実施形態において、定着液は、約10%の浸透促進剤を含有する。
いくつかの実施形態において、浸透促進剤は、少なくとも1つの酸である。いくつかの実施形態において、その酸は、有機酸である。複数の有機酸の複数の非限定的な例としては、酢酸、氷酢酸、乳酸、プロピオン酸、酪酸、コハク酸、クエン酸、3‐ヒドロキシプロピオン酸、グリコール酸、又は蟻酸を含む。1つの実施形態において、その酸は、酢酸である。酢酸は、高速な試料処理にとって重要な定着の速度を促進させるために有用である一方、画像モダリティの任意の種類の切片を用いて透明化された試料からの画像の品質及び深度も著しく向上させる。酢酸は、赤血球細胞を溶解するためにも有用であり、ヘム色素の除去を可能にする。ヘム色素は、定期的な蛍光撮像の一般的な実行可能な波長範囲において、その広範囲の光吸収の特性に起因し、試料の透明さに対して大きな妨害である。1つの実施形態において、試料を定着する段階は、溶解剤を試料に追加する段階をさらに含む。特定の実施形態において、試料を定着する段階は、赤血球溶解剤を試料に追加する段階をさらに含む。別の実施形態において、試料を脱水する段階は、溶解剤を試料に追加する段階をさらに含む。別の実施形態において、定着液は、赤血球溶解剤をさらに含有する。好ましい実施形態において、赤血球溶解剤は酢酸である。複数の他の実施形態において、その酸は、無機酸である。溶液は、少なくとも1つの有機溶媒をさらに含み得る。複数の有機溶媒の複数の非限定的な例としては、メタノール、無水エタノール、クロロホルム、ジクロロメタン、エタノール、イソプロパノール、アセトン、エチル 酢酸塩、アセトニトリル、ヘキサン、ヘキセン、オクタン、ペンタン、シクロヘキサン、イソオクタン、キシレン(オルト、メタ、又はパラ)、及び1‐ヘキセンを含む。1つの実施形態において、有機溶媒は、無水エタノールである。メタノールは、酵素機能及び退化を阻止することによって、組織処理のために有用である一方、遺伝学上の及びプロテオミクス上の情報を最大限に保存する。別の実施形態において、有機溶媒は、クロロホルムである。1つの実施形態において、溶液は、2つの有機溶媒と一の酸を含有する。非限定的な実施形態として、定着液は、約60%の無水エタノール、約30%のクロロホルム、及びメタカンとしても既知の約10%の氷酢酸を含有する。蛍光染料と透明化とを組み合わせる場合、メタカンは、組織学的評価のためのヒト試料の深い蛍光組織切片撮像、及び、正確な組織学的評価に必要とされるコントラストを生成するために有用であり得る。
当業者により理解され得るように、定着段階は、化学反応率及び拡散率を増加する複数の条件など、高速な組織処理を促進する任意の条件の下、実行され得る。いくつかの実施形態において、定着段階は、高められた温度で実行される。本明細書において用いられているように、「高められた温度」という用語は、地球の雰囲気において経験されるそれらより高く、好ましくは30℃より高い温度を指す。1つの実施形態において、高められた温度は、約20℃から約75℃に及んでいる。別の実施形態において、高められた温度は、約35℃から約50℃に及んでいる。別の実施形態において、高められた温度は、約45℃である。非限定的な例において、定着、脱水、及び/又は染色は、拡散、化学反応、又は温度を加速する目的のために、マイクロ波照射の下、実行される。
定着段階は、任意の適した時間において実行され得る。時間は概して、試料を保存するために適した時間の任意の長さであり得る。複数の特定の実施形態において、その期間は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、又は約24時間からであり得る。1つの実施形態において、定着段階は、約1時間の期間にわたって実行される。別の実施形態において、定着段階は、約12から16時間にわたって実行される。別の実施形態において、定着段階は、数週から数年の過程にわたって実行される。
1つの実施形態において、本発明の方法は、試料を、少なくとも1つの脱水剤及び少なくとも1つの蛍光染料を含有する脱水液に接触させることによって、試料を同時に定着、脱水、及び染色する段階を備える。別の実施形態において、本発明の方法は、試料を、少なくとも1つの脱水剤及び少なくとも1つの蛍光染料を含有する脱水液に接触させることによって、試料を同時に脱水及び染色する段階を備える。
別の態様において、本発明の方法は、試料を透明化する段階をさらに備える。試料を透明化する段階は、試料の撮像の増加された深度及び透明さを提供する。1つの実施形態において、透明化する段階は、定着段階なしで実行される。いくつかの実施形態において、段階は、試料を透明化液に接触させることによって、試料を透明化する段階を含む。非限定的な実施形態として、水を、水より高い屈折率を有する、タンパク質及び小器官のものによりよく似ている透明化液に置換することによって、試料が透明化され、それにより、光散乱を大幅に低減させ、マイクロメートルの代わりに、ミリメートルの撮像深度を可能にする。1つの実施形態において、透明化液は、少なくとも1つの溶媒を含有する。透明化液の全体の屈折率が水の屈折率より高く、かつ、溶媒が試料の細胞成分の形態を損傷しないということであれば、任意の溶媒が透明化液に用いられ得る。1つの実施形態において、透明化液の屈折率は、約1.4から約1.6に及んでいる。別の実施形態において、透明化液の屈折率は、約1.33から約1.49に及んでいる。別の実施形態において、透明化液の屈折率は、約1.4より大きい。別の実施形態において、透明化液の屈折率は、約1.5より大きい。1つの実施形態において、透明化液は、水溶性であり、高屈折率を有する薬剤をさらに含有する。
いくつかの実施形態において、溶媒は、有機溶媒である。透明化剤として有用な複数の有機溶媒の複数の非限定的な例としては、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、キシレン、リモネン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム、石油エーテル、二硫化炭素、四塩化炭素、ジオキサン、グリセロール、糖溶液、ジベンジルエーテル、チョウジ油、及びセダー油を含む。1つの実施形態において、溶媒は、ベンジルアルコールである。別の実施形態において、溶媒は、安息香酸ベンジルである。別の実施形態において、溶媒は、キシレンである。別の実施形態において、溶媒は、グリセロールである。別の実施形態において、溶媒は、糖溶液である。別の実施形態において、溶媒は、ジベンジルエーテルである。別の実施形態において、溶媒は、ヘキサンである。
いくつかの実施形態において、透明化液は、第1溶媒と第2溶媒とを含有する。1つの実施形態において、第1溶媒対第2溶媒の比率は、約100対1から約1対100に及んでいる。別の実施形態において、第1溶媒対第2溶媒の比率は、約10対1から約1対10に及んでいる。別の実施形態において、第1溶媒対第2溶媒の比率は、約5対1から約1対5に及んでいる。好ましい実施形態いおいて、第1溶媒対第2溶媒の比率は、約1対2である。いくつかの実施形態において、溶媒は、有機溶媒である。特定の実施形態において、透明化液は、ベンジルアルコールと安息香酸ベンジルとを含有する。1つの実施形態において、ベンジルアルコール対安息香酸ベンジルの比率は、約1対2である。
当業者により理解され得るように、透明化する段階は、試料の高速な透明化を促進する任意の条件の下、実行され得る。いくつかの実施形態において、透明化する段階は、高められた温度で実行される。1つの実施形態において、高められた温度は、約20℃から約75℃に及んでいる。別の実施形態において、高められた温度は、約35℃から約50℃に及んでいる。別の実施形態において、温度は、約22℃である。
透明化する段階は、任意の適した時間において実行され得る。時間は概して、試料における所望の深度での撮像を可能にするように、光散乱を十分に低減させることを達成するために適した任意の時間であり得る。複数の特定の実施形態において、期間は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、又は約24時間からである。1つの実施形態において、透明化する段階は、約2分から約1時間において実行される。1つの実施形態において、透明化する段階は、約2分間実行される。1つの実施形態において、透明化する段階は、約30分間実行される。1つの実施形態において、透明化する段階は、約12時間において実行される。
1つの実施形態において、透明化する段階は、透明化液を追加する前に、溶媒を試料に追加する段階をさらに含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、有機溶媒である。1つの実施形態において、溶媒は、アルコールである。アルコールは、試料を脱水するために有用である。複数のアルコールの複数の非限定的な例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、エチル ブタノール、t‐ブタノール、ジオキサン、エチレン グリコール、アセトン、及びアミル アルコールを含む。好ましい実施形態において、溶媒は、メタノールである。1つの実施形態において、溶媒は、浸透促進剤と組み合わせて追加される。複数の浸透促進剤の複数の非限定的な例としては、酢酸、ポリエチレングルコール(PEG)、モノメチレングルコール、ジメチレングルコール、プロピレングリコール、ポリビニル ピロリドン、又は同様のもの、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの界面活性剤、ポリオキシエチレン ソルビタン エステル(例えば、TWEEN80などのTWEEN)、ナトリウム ジメチル スルホサクシネート、低刺激性家庭用洗剤、又は同様のものを含む。1つの実施形態において、浸透促進剤は、酢酸、DMSO、及びTWEENを含む群から選択される。浸透促進剤と組み合わせる溶媒の追加は、混和性と浸透性とを向上させることによって、BABBでの透明化率を増加し、アルコールの濃度を減少させる複数のゆるやかな濃度勾配段階の必要性も除去する。
一部分において、本発明は、組織試料を高速に処理する方法を提供する。時間は概して、試料を定着し、試料を透明化するために適した任意の時間であり得る。時間はまた概して、試料の一部分を定着し、試料の一部分を透明化するために適した任意の時間であり得る。複数の特定の実施形態において、期間は、約1分、約5分、約10分、約15分、約30分、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、又は約6時間からである。1つの実施形態においtれ、試料を定着する段階及び試料を透明化する段階は、約1時間から約2時間において実行される。1つの実施形態において、試料を定着する段階及び試料を透明化する段階は、約1.5時間の期間にわたって実行される。
別の態様において、本発明の方法は、試料を撮像する段階をさらに備える。1つの実施形態において、試料を撮像する段階は、組織試料の視覚画像を生成する段階をさらに含む。試料は、本明細書において説明されている複数の試料処理方法に対応する任意の撮像方法を用いて撮像され得る。複数の好ましい撮像方法は、複数の蛍光ベースの切片撮像方法を含む。着色プラスチック包埋システム及びホールスライドイメージング(WSI)などの破壊的な3‐D組織学手法に反して、これらの蛍光ベースの方法は、非破壊的であり、免疫染色及び分子研究などの補助的な研究のために試料の保存を可能にする。複数の蛍光ベースの切片撮像方法の複数の例としては、多光子顕微鏡法(MPM)、側面照明顕微鏡法、従来の共焦点顕微鏡検査、回転盤共焦点顕微鏡法、構造化照明顕微鏡法、及び同様のものを含むが、これらに限定されない。動物組織において(Parra氏ほか、2010年、J.Biomed.Opt.15:036017‐036017‐5、Vesuna氏ほか、2011年、J.Biomed.Opt.16:106009‐106009‐6、Fu氏ほか、2009年、消化器病学137:453‐465)、撮像の深度は、MPMを光学的透明化と組み合わせることによってホルマリン定着などのより多くの従来の方法を用いて調製された試料にわたって増加され得る。1つの実施形態において、試料は、多光子顕微鏡法(MPM)を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、共焦点顕微鏡検査を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、構造化照明顕微鏡法を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、選択的な平面照度顕微鏡法を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、デコンボリューション顕微鏡法を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、超解像度の顕微鏡法を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、側面照明顕微鏡法を用いて撮像される。別の実施形態において、試料は、回転盤共焦点顕微鏡法を用いて撮像される。1つの実施形態において、組織試料を撮像する方法は、組織試料を取得する段階と、組織試料を、少なくとも1つの蛍光染料を含有する定着液に接触させる段階と、組織試料を透明化液に接触させる段階と、組織試料の蛍光の複数の強度値を測定し、その複数の強度値を効果的な複数の光学密度に変換することによって、組織試料画像を生成する段階であって、これにより、その複数の光学密度が組織試料の生成された画像において染色のカラレーションを再現する、段階とを備える。
本発明の撮像方法は、従来の組織学染色とは本質的に区別がつかない画像の再現を可能にする画像分析のための方法を提供する。1つの実施形態において、方法は、マルチチャネル手法を伴い、試料からの蛍光の複数の強度値が、指数の擬似着色処理を用いて複数の光学密度に変換され、このことは対数の擬似着色処理の反転であり、蛍光の複数の強度値は、赤、緑、及び青チャネルにおける複数の光学密度に変換される。1つの実施形態において、試料を撮像する段階は、試料の蛍光の複数の強度値を測定する段階と、その複数の強度値を、効果的な複数の光学密度に変換する段階であって、これにより、その複数の光学密度が試料画像において染色のカラレーションを再現する、段階をさらに含む。1つの実施形態において、当業者により理解され得るように、1つ又は複数の蛍光チャネルの複数の強度値は、指数の擬似着色処理を用いて、1つ又は複数の擬似色表示チャネルにおける効果的な複数の光学密度に変換され、その複数の光学密度をもたらす数式が、蛍光からのその複数の強度値のべき乗に対する定数を含む。
数値的には、
Ch1 = C^(aN +bP)
Ch2 = C^(aN +bP)
Ch3 = C^(aN +bP) ここで、Ch1、Ch2、Ch3は、赤、緑、及び青などの色表示チャネルであり、C、C、Cは、正の定数であり、a、a、a、b、b、bは、正又は負であり得る定数であり、N及びPは、複数の異なる蛍光チャネルから記録された複数の蛍光強度である。1つの実施形態において、複数の強度値は、指数の擬似カラレーション処理を用いて、効果的な複数の光学密度に変換される。
対数の色デコンボリューション処理の例については、Ruifrok氏及びJohnston氏、2001年、Anal.Quant.Cytol.Histol.23:291‐299を参照し、その全体が参照により、本明細書に組み込まれている。
1つの実施形態において、蛍光は、試料からの自家蛍光である。別の実施形態において、蛍光は、蛍光染料からの蛍光である。1つの実施形態において、蛍光染料は、核染料である。別の実施形態において、蛍光染料は、タンパク質染料である。当業者により理解され得るように、用いられているチャネル数は、所望の画像を達成するために必要とされているように異なる。1つの実施形態において、チャネル数は、2つのチャネルである。具体的な実施形態において、2つのチャネルは、自家蛍光チャネル及び蛍光核酸染料チャネルである。別の実施形態において、2つのチャネルは、蛍光核酸染料チャネル及び蛍光タンパク質染色チャネルである。非限定的な例において、主に複数の架橋されたタンパク質から発散し、一般的にエオシンなどのタンパク質染色により達成された染色に対応する自家蛍光は、定着剤としてのホルマリンの使用により増強され得、このチャネルのノイズへの信号を向上させ、核酸蛍光からの分離を促進することによって、正常なカラレーションの再現を促進する特徴である。
本発明の撮像方法はまた、一般的な病理学的染色を模倣する複数の試料画像を提供し、複数の画像の正確、かつ、効率的な解釈をもたらす。本発明の複数の方法を用いて再現され得る複数の病理学的染色の複数の例は、ヘマトキシリン、エオシン、ライト、ギムザ、マッソントリクローム(Masson's trichrome)、ジョンズ(Jones)、トリクローム、過ヨウ素酸シッフ(PAS)、及びレチクリン(reticulin)染色を含むが、これらに限定されない。複数の病理学的染色の組み合わせがまた、本発明の複数の方法を用いて再現され得る。1つの実施形態において、病理学的染色の組み合わせは、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)である。別の実施形態において、病理学的染色の組み合わせは、ライト及びギムザである。
いくつかの実施形態において、試料を撮像する段階は、追加の撮像方法と組み合わせて実行され、多様式の撮像をもたらす。1つの実施形態において、追加の撮像方法は、上位高調波発生である。上位高調波発生は、トリクロームのようなコラーゲン染色とジョンズ染色のような銀染色などの追加の特定された組織学的染色の再生成を可能にする。1つの実施形態において、上位高調波発生は、第2高調波発生(SHG)である。SHGは、コラーゲンなどの非対称反復タンパク質の多光子励起に起因し、コラーゲン線維症及びアミロイドの簡易識別及び定量化のために、MPMなどの撮像方法と組み合わせて用いられ得る。1つの実施形態において、追加の撮像方法は蛍光寿命撮像である。蛍光寿命撮像は、異なる寿命特性を有する複数の蛍光体間を区別することによって、MPMにおける追加のコントラストを提供するために用いられ得る。別の実施形態において、追加の撮像方法は、複数の蛍光抗体を用いる。複数の蛍光抗体は、複数の同じ細胞に対して検出可能な複数の抗原で複数の未切断の試料における免疫組織化学的検査を実行する可能性を提供するために用いられ得る。別の実施形態において、撮像方法は、複数のダイオードレーザと組み合わせて用いられる。Dechet氏ほか、2003年、J.Urol.169:71‐74及びDurfee氏ほか、2012年、Opt.Express 20:13677‐13683を参照し、それぞれのその全体は参照により、本明細書に組み込まれている。当業者により理解され得るように、当技術分野において既知の他の、試料画像の走査率を増加する技術は、撮像段階において用いられ得る。複数の非限定的な例としては、マルチビーム走査システム、時空多重化、及び時間的集束を含む。Bewersdorf氏ほか、1998年、Opt.Lett.23:655‐657、Amir氏ほか、2007年、Opt.Lett.32‐1731‐1733、Oron氏ほか、2005年、Opt.Express 13:1468‐1476、及びZhu氏ほか、2005年、Opt.Express 13:2153‐2159を参照し、それぞれのその全体は参照により、本明細書に組み込まれている。別の実施形態において、撮像段階は、ビデオ撮像を用いてリアルタイムに実行される。
本発明の複数の方法は、ホルマリン定着のみで処置された試料など、より多くの従来の組織学的方法と比較してより深い試料深度で取得された試料の鮮明で高品質の画像を提供する。1つの実施形態において、試料画像は、約100nmから約2cmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約100nmから約500μmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約100nmから約1cmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約50μmから約500μmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約100nmから約100μmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約200μmの試料深度で取得される。別の実施形態において、試料画像は、約100μmの試料深度で取得される。
1つの実施形態において、試料の撮像は、デジタル試料データを提供する。このデジタルデータは次に、診察及び健康記録などの後の配分のために保存され得、それにより、さらなる評価又は再評価のために画像の利用可能性を向上させる。加えて、デジタル試料データは、減少又は損傷される場合があり、かつデジタル方式で保存できない物理的試料とは対照的に、データの完全性を維持することができる。
1つの実施形態において、試料画像は、3次元(3‐D)試料画像である。3‐D試料画像は、当業者により理解され得るように、当技術分野において既知の任意の方法を用いて生成され得る。1つの実施形態において、3‐D試料画像は、生検全体から生成される。別の実施形態において、生検全体から生成された3‐D試料画像は、疾病を診断する定量的な手法を提供する。別の実施形態において、本発明の3‐D試料画像は、撮像試料において微細な形態学的発見の容易な識別を提供する。例えば、3‐D試料画像は、当技術分野において現在既知の他の2次元(2‐D)組織学的方法以上に、肝硬変、高血圧性腎疾患、問質性肺炎、及び卵巣癌などの様々な状況において観察される定量的、定性的な線維症の分析を向上させる。別の実施形態において、本発明の3‐D試料画像は、悪性増殖を診断するために用いられる。1つの実施形態において、本発明の複数の方法は、3‐D試料画像の完全な回転制御を提供する。多くの場合において、悪性増殖の診断は、特に前立腺及び乳癌などの腺関連障害における増殖パターンの可視化に依存する。そのような分析は、主に2次元方位に基づいており、診断するために(おそらく)連続的な部分を病理学者が前後に観察することを必要とし得る。これらの2D方法において、目視検査は、試料の不十分な包埋及び方位の差異によって、さらに複雑となり得る。複数の非限定的な例において、本発明の3‐D試料画像は、肝臓における転移性大腸癌を診断するために、及び、子宮内膜の異常な診断のために、用いられる。別の非限定的な例において、透明化された組織からのMPM撮像の3‐D再構成が、完全な生検向けサイズの組織供試体に対して用いられ得、コラーゲン線維症の定量化可能な特性評価を生成するためにも用いられ得る。3‐D試料画像の使用の複数の他の非限定的な例としては、前立腺及び乳房腫瘍を伴うなどの腺細胞増殖における低度な異常識別、膀胱生検における筋肉侵入の深度を判断するためなどの腫瘍侵入の深度の評価、及び、腎臓及び肝臓生検における特定の重要度の、線維症のより完全な定量的な評価を含む。
[供試体保持デバイス] 別の態様において、本発明は、供試体保持デバイスに関する。デバイスは、組織学的試料を保持するのに有用であり、組織学的試料の処理及び撮像を促進する。1つの実施形態において、デバイスは、本明細書の他の箇所において説明されているような本発明の複数の方法に用いられるのに適合する。
ここで、図16を参照すると、例示的な供試体保持デバイス10が示されている。供試体保持デバイス10は、第1プレート12と第2プレート18とを備える。第1プレート12は、窓14と、圧縮性材料16と、複数のタブ20とを含む。第2プレート18は、窓14と複数のスロット22とを含む。
第1プレート12及び第2プレート18は、任意の適した材料を含み得る。例えば、第1プレート12及び第2プレート18は、ガラス、金属、プラスチック、及び同様のものなどの実質的に剛性のある材料を含む。第1プレート12及び第2プレート18は、任意の適した寸法を有し得る。1つの実施形態において、第1プレート12及び第2プレート18は、同じ長さ11と幅13を有する。1つの実施形態において、第1プレート12及び第2プレート18は、それらが任意の載物台にフィットするように寸法づけられる。例えば、1つの実施形態において、長さ11は40mmから100mmの間であり得る。別の実施形態において、幅13は、20mmから80mmの間であり得る。1つの実施形態において、長さ11は、75mmであり、幅13は、25mmである。
供試体保持デバイス10は、複数の供試体を保持及び観察するための窓14を含む。窓14は、任意の適した材料を含み得る。例えば、窓14は、ガラス又は透明なプラスチックなどの透明材料を含み得る。複数の特定の実施形態において、窓14は、金属又は不透明なプラスチックなどの任意の他の実質的に剛性のある材料を含み得る。1つの実施形態において、第1プレート12及び第2プレート18の両方は、透明な窓14を含む。別の実施形態において、第1プレート12のみが透明な窓14を含む。更なる実施形態において、第2プレート18のみが透明な窓14を含む。
第1プレート12は、圧縮性材料16を含む。圧縮性材料16は、第1プレート12の頂部に配置される。1つの実施形態において、圧縮性材料16は、第1プレート12に、接着され、又はそうでなければ、定着される。1つの実施形態において、圧縮性材料16は、外縁を形成するように寸法づけられる。例えば、圧縮性材料16は、窓14の形状の外縁を形成し得る。別の実施形態において、圧縮性材料16は、自体が固形ブロックであるように寸法づけられる。例えば、圧縮性材料16は、窓14の形状を有する固形ブロックであり得る。圧縮性材料16は、複数の泡状物質、ゴム、スポンジ、ポリマ、コルク、及び同様のものを含む任意の適した材料を含み得るが、これらに限定されない。1つの実施形態において、圧縮性材料16は、流体が通過することができるように、複数の間隙又はスリットを含む。別の実施形態において、圧縮性材料16は、流体が通過することを可能にする多孔質材料を含む。複数の多孔質材料の複数の非限定的な例としては、複数の固形泡状物質、スポンジ、プラスチック メッシュ、及び同様のものを含むが、これらに限定されない。多孔質材料の孔径は、体液移送率を制御するように選択され得る。例えば、孔径の直径は、10μmから1mmの間であり得る。
第1プレート12は、自体を第2プレート18から一定の距離で保持するメカニズムを含む。1つの実施形態において、メカニズムは、タブ及び相反のスロットを含む。例えば、第1プレート12は、少なくとも2つのタブ20を含み得、第2プレート18は、少なくとも2つのスロット22を含み得る。別の実施形態において、第1プレート12は、少なくとも2つのスロットを含み得、第2プレート18は、少なくとも2つのタブを含み得る。1つの実施形態において、タブ20の数は、スロット22の数に合わせる。複数のタブ20は、それらが複数のスロット22内にフィットするように寸法づけられる。1つの実施形態において、複数のタブ20は、複数の歯24を含み、これにより、タブ20がスロット22に係合する場合、複数の歯24は、タブ20をスロット22内に定着する摩擦抵抗を提供する。更なる実施形態において、複数の歯24は、タブ20をスロット22内に可逆的に定着する摩擦抵抗を提供する。
[供試体保持デバイスを用いる方法] 別の態様において、本発明は、試料処理のために供試体を確実に保持するための複数の方法に関する。本発明はまた、撮像用の供試体を確実に保持するための複数の方法に関する。
1つの実施形態において、方法は、試料処理のために供試体を確実に保持するために、供試体保持デバイス10を用いる。1つの実施形態において、供試体は、供試体が圧縮性材料16を含む外縁により囲まれるように、第1プレート12の窓14上に配置され得る。第2プレート18は、複数のタブ20を複数のスロット22に係合することによって、第1プレート12に定着され、これにより、圧縮性材料16は、第2プレート18に完全に接触する。1つの実施形態において、第1プレート12及び第2プレート18が共に定着されている場合、供試体は、どの表面に対しても圧縮されない。多孔質材料を含む圧縮性材料16は、試料処理の間に、供試体保持デバイスの内外への体液移送を可能にする。例えば、供試体保持デバイスは、流体に供試体を培養するように、試料処理液体に完全に浸かり得る。
別の実施形態において、供試体は、第1プレート12上の圧縮性材料の固形ブロック上に配置される(不図示)。第2プレート18は、複数のタブ20を複数のスロット22に係合することによって、第1プレート12に定着され、これにより、圧縮性材料の固形ブロックは、第2プレート18に押し付ける。多孔質材料を含む圧縮性材料の固形ブロックは、試料処理の間に、ブロック全体にわたる体液移送、及び流体と供試体との接触を可能にする。例えば、供試体保持デバイスは、流体に供試体を培養するように、試料処理液体に完全に浸かり得る。
1つの実施形態において、方法は、撮像用の供試体を確実に保持するために、供試体保持デバイス10を用いる。供試体は、第1プレート12の窓14上に配置され、これにより、供試体は、圧縮性材料16を含む外縁により囲まれる。第2プレート18は、複数のタブ20を複数のスロット22に係合することによって、第1プレート12に定着される。第2プレート18は、供試体が第1プレート12及び第2プレート18の両方の窓14に向けて圧縮されるように、供試体の上まで下げられ得る。両方の窓14に対して圧縮されると、供試体はそれにより、定着化される。供試体保持デバイス10は次に、任意の適した撮像システム上に配置され得、供試体は、窓14のうちの少なくとも1つを通って撮像され得る。
別の実施形態において、供試体は、第1プレート12上の圧縮性材料16の固形ブロック上に配置される(不図示)。第2プレート18は、複数のタブ20を複数のスロット22に係合することによって、第1プレート12に定着される。第2プレート18は、供試体の上まで下げられ得、これにより、供試体が第1プレート12上の圧縮性材料16の固形ブロックと第2プレート18の窓14とに対して圧縮され、それにより、供試体を定着化する。供試体保持デバイス10は次に、任意の適した撮像システム上に配置されてよく、供試体は、窓14を通って撮像され得る。
[顕微鏡システム] 別の態様において、本発明は、供試体の2‐D及び3‐D撮像のための顕微鏡システムに関する。1つの実施形態において、顕微鏡システムは、本明細書の他の箇所において説明されているような本発明の複数の方法に用いられるのに適合する。
ここで、図17を参照すると、例示的な顕微鏡システム30が示されている。顕微鏡システムは、レーザ32と、オプションのビームシェーパ34と、スピンポリゴン36と、走査レンズ38と、チューブレンズ40と、顕微鏡対物レンズ41と、ダイクロイックミラーA42と、ダイクロイックミラーB44と、複数の吸収フィルタ46と、複数の検出器48と、移動ステージ50とを備える。顕微鏡システム30は、複数のビューファインダ、電源、ステージ操作メカニズム、オートフォーカスメカニズム、自動化システム、及び同様のものなどの他の同様の顕微鏡システムに慣習的に用いられる任意の構成要素をさらに備え得る。
レーザ32は、例えば、試料のラベル付けに用いられる染料の多光子励起を提供するレーザの光源を含む。レーザ32は、フェムト秒又はピコ秒パルスファイバレーザ、又は、染料の最適な励起のために調整可能な中心波長を有する任意の他の短パルスレーザなどの任意の適したレーザを含み得る。代替的に、中心波長は、非整調可能であり得るが、試料を染色するために用いられる染料を励起するのに適した波長に対応するように選択され得る。1つの実施形態において、中心波長は800nmである。
レーザ32により放出されるレーザビームが、ビームシェーパ34を通過する。1つの実施形態において、ビームシェーパ34は、レーザビームを、顕微鏡対物レンズ41の後方開口部を照明するのに必要とされる幅まで広げる。別の実施形態において、ビームシェーパ34は、レーザビームプロファイルを変換し得る。例えば、ガウシアン(Gaussian)ビームプロファイルを有するレーザビームが、ビームシェーパ34を通過した後に、平坦な頂部プロファイルを有するように変換され得、このことは、顕微鏡対物レンズ41の後方開口部のより効率的な照度をもたらす。
ビームシェーパ34を通過するレーザビームが、複数のミラー付きファセットを有するスピンポリゴン36により、角度有りで高速に走査される。様々な実施形態において、レーザビームは、高速ビーム走査のために一般に利用可能ないくつかの共振走査機構のうちの1つにより、角度有りで高速に走査され得る。高速ビーム走査のために用いられる複数の共振走査機構の複数の非限定的な例は、複数の共振検流計と複数のデジタルマイクロミラーデバイスとを含む。
高速走査レーザビームが、走査レンズ38とチューブレンズ40とを用いて、顕微鏡対物レンズ41の後方開口部へ撮像される。1つの実施形態において、走査レンズ38はテレセントリックレンズである。1つの実施形態において、走査レンズ38は、F‐シータレンズである。様々な実施形態において、走査レンズ38は、チューブレンズ40と共に用いられている場合、スピンポリゴン36の表面から角度有りの走査ビームを、顕微鏡対物レンズ41の後方開口部へ撮像する任意の適したレンズであり得る。
1つの実施形態において、顕微鏡システム30は、ダイクロイックミラーA42を備え、これにより、対物レンズにより集光された蛍光光線が、1つ又は複数の検出器48により集光されるように、ダイクロイックミラーAにより反射され得る。代替的に、ビーム経路は、ダイクロイックミラーAが、集光される蛍光を複数の検出器48へ送るべく、励起レーザビームを顕微鏡対物レンズの後方開口部へ反射するために用いられるように、選択され得る。1つの実施形態において、蛍光又はSHGは、集光レンズ(不図示)及び複数の検出器48有り又はなしで透過光として集光され得る。複数の検出器48は、複数の適切な波長に敏感な任意の検出器であり得る。例えば、1つの実施形態において、複数の検出器48は、複数の光電子増倍管を含み得る。顕微鏡システム30は、複数の異なる検出器48へ異なる色蛍光を送る必要がある場合に、ダイクロイックミラーB44、又は、任意の数の追加のダイクロイックミラーをさらに備える。1つの実施形態において、顕微鏡システム30は、必要に応じて任意の数の吸収フィルタ46をさらに備えてよく、複数の検出器48の前面に配置される複数の吸収フィルタ46は、迷入レーザ光線及び他の光干渉を排除する。
様々な実施形態において、顕微鏡システム30は、少なくとも1つの顕微鏡対物レンズ41を備える。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、高屈折率の液浸型媒体に対応する。様々な実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、1.45から1.6の間の屈折率を有する高屈折率の液浸型媒体に対応する。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、1.54の屈折率を有する高屈折率の液浸型媒体に対応する。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、本明細書の他の箇所において開示されているようなBABB透明化剤である液浸型媒体に対応する。1つの実施形態において、反転された顕微鏡配置を有する顕微鏡システム30は、試料に面する側において比較的広範囲で平坦な態様を有する顕微鏡対物レンズ41を備え、これにより、液浸流体が、顕微鏡対物レンズ41と試料カートリッジ10との間に容易に維持されることができる。
1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、短い被写界深度での高品質の光学軸方向切片のための開口数を有する。1つの実施形態において、開口数は、少なくとも0.8である。別の実施形態において、開口数は、少なくとも1.0である。
1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、試料を撮像するための大きい実視野を有する。1つの実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、20xである実視野を有する。別の実施形態において、顕微鏡対物レンズ41は、20xより大きい実視野を有する。
複数の試料は、撮像のために移動ステージ50上に配置され得る。顕微鏡対物レンズ41に対して移動ステージ50の位置は、複数の試料の複数の異なる領域を撮像するため、及び焦点を調整するための任意の位置に調整され得る。例えば、様々な実施形態において、移動ステージ50は、顕微鏡対物レンズ41と試料との間の作業距離が100μmから2mmの間となるように、調整され得る。1つの実施形態において、作業距離は、著しい頂部と谷部を有する複数の試料において表面凹凸から完全な光学切片が取得され得るように、十分な深度を達成するべく、少なくとも100μmに調整され得る。
[顕微鏡システムを用いる方法] 別の態様において、本発明は、本発明の顕微鏡システムを用いて試料を撮像する複数の方法に関する。方法によれば、レーザビームが顕微鏡システム30を通過し、これにより、顕微鏡対物レンズ41は、レーザビームを、移動ステージ50上に配置された試料における単一の点上に集束する。いくつかの実施形態において、スピンポリゴン36は、レーザビームに、試料を横切って高速に線を走査させる。複数の他の実施形態において、共振検流計が、試料を横切って高速に線を走査するように、レーザビームを導く。
1つの実施形態ににおいて、レーザビームは、段差型線状方式(ラスタ走査)で試料を横切って高速に走査し、これにより、連続的な走査が長方形の2‐D画像を生成する。更なる実施形態において、移動ステージは、長方形の2‐D画像が取得された後に撮像面に沿って移動され得、これにより、段差型線状方式で試料を横切ってレーザビームを高速に走査することによって、第2の長方形の2‐D画像が取得され得る。移動ステージは、さらなる増加する段差において撮像面に沿って移動され得、これにより、供試体の断面が全て所与の撮像面において調べられるまで、複数の長方形の2‐D画像が取得される。複数の長方形の2‐D画像は、試料の全断面画像を生成するように、顕微鏡法のソフトウェアなどの当技術分野において既知の任意の方法を用いて、共にステッチされる。1つの実施形態において、部分的なオーバーラップを有する複数の2‐D画像は、試料の断面の自動構築を補助する。
複数の更なる実施形態において、供試体は、対物レンズ41に対して軸方向に移動され得、これにより、所与の画像平面において2‐D画像を取得する処理が繰り返され得、試料の異なる断面の画像を示す。1つの実施形態において、試料の体積が全て調べられるまで、連続的な長方形の2‐D画像の複数の断面が取得される。
[本発明の複数のキット] 本発明はまた、本発明の複数の方法において有用な構成要素と、例えば、本明細書の他の箇所において説明されているような組織試料を処理する方法を説明する指導材料とを備えるキットを含む。キットは、本発明の複数の方法を実行するために有用な複数の試薬を含み得る。例えば、キットは、複数の定着剤、染料、及び透明化液などの複数の試薬を含み得る。キットは、本発明の複数の方法を実行するために有用なデバイスをさらに含み得る。例えば、キットは、本明細書の他の箇所において説明されているような、供試体保持デバイスと本発明の顕微鏡システムとを含み得る。
1つの実施形態において、複数の試薬は、濃縮された形態で提供され、これにより、キットの重量及びサイズが減少され得、複数の溶液は、即時の使用のためにのみ希釈さえされればよい。別の実施形態において、キットは、凍結乾燥された形態の複数の試薬の(好ましくは無菌の)複数の構成要素をさらに備える。例えば、複数の構成要素は、再構成及び即時の使用に適した予め測定された量であり得る。キットは、例えば、複数の再構成容器などの1つ又は複数の追加の構成要素と、脱イオン水、ウォッシュバッファ、及び同様のもの複数の追加の試薬をさらに含み得る。
複数の特定の実施形態において、キットは、指導材料を備える。指導材料は、本明細書において説明されているデバイス又はキットの有用性を伝達するために用いられ得る公報、記録、図、又は、表現の任意の他の媒体を含み得る。本発明のキットの指導材料は、例えば、所望の手順に必要であり得る1つ又は複数の手段を含むパッケージに固定され得る。代替的に、指導材料は、パッケージから別個に発送され得、又は、インターネットなどの通信ネットワークを介して電子的に利用可能であり得る。
[実験例] 本発明は、以下の複数の実験例を参照することにより、さらに詳細に説明される。これらの例は、図示の目的のみに提供され、別段の定めがない限り、限定することは意図されていない。従って、本発明は、決して、以下の複数の例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、本明細書において提供されている教示の結果として明らかになる任意かつ全ての変形を包含するものとして解釈されるべきである。
例1:複数の未切断、未包埋の組織生検試料の高解像度の2次元及び3次元撮像
本明細書において説明されている複数の結果は、透明化剤と蛍光染料との組み合わせが、SHGから追加の情報性内容と共に、完全な生検供試体の多光子撮像の臨床応用に有用であることを示している。優れた細胞コントラストが、自家蛍光及び外来的な核酸染料の両方から達成され得る。マルチチャネル撮像は、従来の染色の出現を模倣した擬似着色処理を促進した。透明化された組織からのMPM撮像の3次元の再構成は、完全な生検向けサイズの組織供試体に対して用いられ得、コラーゲン線維症の定量化可能な特性評価を生成するためにも用いられ得る。 これらの実験に利用されている複数の材料及び方法はここで、説明される。
[組織透明化及び染色] ヒト組織供試体が、肝臓、腎臓、乳房、及び前立腺切除による破棄された病理的組織から取得された。複数の試料が、透明化する前に、数時間から数日にわたる変動期間において、4%のホルムアルデヒド液に定着されている。およそ1cmx5mmx2mmのランダムな組織切片が、1時間にわたって、10uMのDAPIと0.5体積%のエオシンを含有するメタカンに直接に液浸された。次に、複数の試料は、1時間にわたって、1対2の比率のベンジルアルコール/安息香酸ベンジルに液浸された。
[撮像] 自家蛍光、核蛍光染色、及びSHGを含む複数の多光子画像が、整調可能な80MHzパルスTi:サファイアレーザ(Mai Tai,スペクトル物理学、マウンテンビュー、カリフォルニア州)、3軸電動載物台(ASI撮像、ユージーン、オレゴン州)、及び、0.5の開口数を有するx5ニコン製対物レンズに適合されるオリンパス製BX51アップライト顕微鏡ヘッド(AZ‐Plan Fluor 5x,ニコン株式会社、東京、日本)に基づいたカスタムホームビルト顕微鏡を用いて取得された。
自家蛍光及び核酸染料蛍光の両方は、100fsecのパルス幅を有する740nmの入射光を用いて生成された。500nmの波長のダイクロイックミラーが自家蛍光を外来的蛍光から分離し、両方とも光電子増倍管(H7422,浜松、ブリッジウォーター、ニュージャージー州)を用いて検出された。顕微鏡ヘッドは、変更された光学集光フィルタボックスを組み込み、複数の光電子増倍管に適合する。第2高調波発生が、370/20バンドパスフィルタ(彩度技術、ロッキンガム、バーモント州)を用いて伝送において集光された。調整可能な3軸マウント(New Focus、サンタクララ、カリフォルニア州)が、手作業でSHG光電子増倍管(浜松 HC‐125‐02)を配置するように用いられた。
ScanImageソフトウェア(ハワード ヒューズ医学研究所、ジェネリア農場研究キャンパス、アッシュバーン、ヴァージニア州)(Pologruto氏ほか、2003年、Biomed.Eng.Online2:13)の使用を伴い、制御及び画像収集が実行された。毎秒およそ2フレームのフレーム率であるとした場合、集束が、512x512の解像度で、ライン走査回数毎に1ミリ秒間行われた。所望の倍率に応じて、収集における画像解像度が、1から6のズームファクタで、2056x2056、又は1024x1024であった。薄片毎に20秒の合計取得時間に対して、薄片毎に4から8フレームの間で平均された。入射レーザ強度が、励起経路において、ポッケルスセルを介して手作業で調整された。スタックが、1から5μmの段差において16ビットの深度で収集され、(米国国立衛生研究所により開発された、ベセスダ、メリーランド州)ImageJソフトウェアを用いて処理された。1mm立方体の再構成のための合計撮像時間がおよそ6時間であった。撮像後の処理は、ランダムな試料切片に対する組み込み「輝度/コントラスト」プラグインと、組み込み「スムーズ」機能のアプリケーションを用いて、8ビットの画像反転の手作業によるグローバルコントラスト調整への変換を伴った。
擬似着色が、Ruifrok氏及びJohnston氏により提示されたマトリックス変換処理(Ruifrok氏及びJohnston氏、2001年、Anal.Quant.Cytol.Histol.23:291‐299)を反転することによって、実行された。簡潔に言うと、自家蛍光及び核染色からの複数の強度値は、(MathWorks、ネイティック、マサチューセッツ州の)MATLABを用いて、H&Eの公開された複数のマトリックス値に従って、赤、緑、及び青チャネルにおける複数の光学密度に変換された。自家蛍光の強度は、エオシンチャネル(E)に割り当てられた一方、核酸染色は、ヘマトキシリンチャネル(H)に割り当てられた。適切なコントラストを達成するべく画像正規化及びスケーリングに従い、組み合わされた擬似着色画像の赤(R)、緑(G)、青(B)チャネル値が以下の通り、計算された。 R=10^(−(0.644E+0.093H))
G=10^(−(0.717E+0.954H))
B=10^(‐(0.267E+0.283H))
従来の組織診断
パラフィン包埋、切片、及びH&E染色が、Tissue‐Tek VIP ティッシュプロセッサ(Sakura、トランス、カリフォルニア州)で、複数の確立された技術を用いて実行された。サイトケラチン(CK)7及びCK20の免疫組織化学的染色は、市販の抗体を用い、標準的商業免疫組織化学的検査装置(Dako、Glostrup、デンマーク)で実行された。実験の結果はここで、説明される。
透明化が、ホルマリン定着されたヒト前立腺、肝臓、乳房、及び腎臓試料(図2から3)内において500μmより大きい深度でSYTOX緑又はアクリジンオレンジ染色された供試体の優れた細胞及び核の解像度を用いる撮像を可能にした。多光子画像は、追加の形態学的訓練なしで、目視の病理的診断に適合する、H&E染色された組織の切断された薄片に同等な複数の特定できる特徴を容易に示した。正常な前立腺の腺構造が、適切な核詳細により容易に可視化された(図3のa)。同様に、肝臓組織の高出力図が、認識可能なクロマチンパターン及び細胞質の詳細を生成した(図3のb)。乳房の可視切片は、区別可能な管及び腺の器質化を示した(図3のc)。腎臓試料は、鮮明な糸球体構造、及び隣接する尿細管における可視の核及び細胞の詳細を示した(図3のd)。透明化は、乳房及び前立腺などの細胞的により低密度の組織において最も完全であるが、BABB透明化プロトコルを用いる場合は、腎臓及び肝臓であっても十分に透明化され、ホルマリン定着組織内において1mmの深度で良好な形態学的詳細を示す。
多光子レーザ励起、及び蛍光核染料の使用はまた、供試体の細胞質、核、及びコラーゲンの成分の分離を可能にした。例えば、図4に提示されている腎臓画像で示されているように、自家蛍光は、細胞構造に対応し、糸球体の血管系及び管状細胞器質化の透明化評価を可能にした(図4のa)。核酸染色チャネルは、核の独立評価を可能にした(図4のb)。(赤に擬似着色された)コラーゲン線維を介在させることによってこれらの2つのチャネルをSHGと組み合わせ、正常ヒト腎臓に存在する低レベルのコラーゲンバンドの透明可視化を可能にした(図4のc)。MPMを用いて取得された蛍光染色された試料画像のH&E型のカラレーションを再現することも可能であった(図5)。複数のチャネルは、H&Eの効果を模倣する複数の対応する色合いに個別に合わされ得る。
透明化及び蛍光染色は、組織の後のパラフィン包埋、切片、及びH&E染色に対して任意の検出可能な効果を有さなかった。図3に示された同じ供試体は、従来の組織学的技術によりさらに処理され、特定できる形態学的悪影響を示さなかった(図6)。加えて、腎臓組織のCK7及びCK20の免疫組織化学的染色は、CK20との結合はなく、下行骨髄腎尿細管のCK7の予期された特異度を示した(図7)。従って、これらの抗体の感度及び特異度は、透明化剤としてのBABB、及び、蛍光核染色としてのSYTOX緑又はアクリジンオレンジの使用後に、明らかに維持された。
デジタル画像の取得はまた、組織の1mmの厚みのブロックの3次元の再構成を可能にした。肝臓の自家蛍光の実物大の3‐D再構成は、図8のaに提示されている肝臓の再構成に示されているように、正常な組織増殖のより完全な透視図を提供する。腫瘍増殖マージンの正確な評価の可能性が明らかである。4μm毎に行われた核蛍光走査はまた、図8のbに記載されているような乳腺の樹枝状構造の可視化を可能にした。核染料波長に対するコラーゲン繊維及び脂肪の透明性は、これらの大きいセットの再構成を促進し、これらは、標準的な64ビットのラップトップコンピュータ上で、ImageJの3‐D体積レンダリングプラグインで容易に回転され、操作され得る。加えて、肝臓及び腎臓のSHG信号の3次元再構成(図8のc)は、追加の組織処理を必要とせずに完全な供試体の定量的な線維症の分析を実行する能力を示す。予期されているように、SHGは、(検出器に最も近い)レーザ励起に遠位の組織の一部分に向けてより明るかったが、1mmの厚みの組織全体にわたって分解されたコラーゲン詳細を生成した。
組織学のための物理的ワックス包埋とミクロトーム切片とを用いる従来のホルマリンでの定着技術は、一世紀以上にわたって定期的な病理評価に問題なく用いられている。これらの成功の一部分は、単純で安価の染色技術の範囲においてワックス包埋の互換性と結合され、ホルマリン定着の使用の容易さと寛大な性質に起因し得る。ホルマリン定着され、ワックス包埋された薄片の継続した成功の他の重要要因は、ホルマリン定着がもたらす長期保存、及び解釈の精度及び一貫性を増加する病理学者の累積経験にある。
それにもかかわらず、現在の供試体の処理方法及び病理学者によるこれらの評価に関連する相当な制限が残っている。生検に対して、これらは、一般的に直接に可視化される組織の制限された量を含み、補助的な試験のために組織を保存する要望と、複数の薄片を検査するのに必要とされる時間との両方の機能である。しばしば、追加の組織評価が必要とされるが、再切断とレベルに対する要求が診断を遅延させる。また、それらは通常また、益々重要な免疫染色及び分子分析のための組織の利用可能性を低減する一方、組織の一部分のみの試料採取をもたらす。加えて、不完全な包埋は、組織の無駄をもたらし、解釈を妨害し、切断処理自体が、評価を妨げ得るアーティファクトを生成する。未包埋、未切断の組織の撮像は、これらの従来の処理の制限に対処する。このことは、不完全な試料採取に起因する、重要な特徴が失われる可能性を低減する生検供試体全体を可視化し、補助的な試験のために組織を保存する機会を提供する。
未切断、未包埋の供試体を分析する他の利点は、時間及び努力を確保することに関する。包埋、切断、及び染色は、組織処理における最も時間がかかり、複数の手作業の段階のうちのいくつかであり(Busea氏、2007年、Ann.Diagn.Pathol.11:206‐211;Hassell氏ほか、2010年、BMC Clin.Pathol.10:2;Busea、2009年、Ann.Diagn.Pathol.14:107‐124)、重要な専門的知識を有する職員を必要とする。自動化及びマイクロ波ベースの組織処理は、いくつかの現場が、いくつかの生検試料に対して当日診断を提供し始めることを可能にしている一方、脱水及び透明化の後の段階は、提供者及び患者の一部分における、形態学的評価の迅速な応答に対する高まる需要を満たすのに障害である。
調査された組織生検評価における対象の別の態様は、3次元構造の可視化である。組織から大きい3‐Dデータセットの生成に対する先の試みは、不十分なコントラスト、不十分な深度浸透を生成する方法、又は3‐D体積が撮像されると連続的に組織を除去する方法を用いている(Zysk氏ほか、2007年、J.Biomed.Opt.12:051403‐051403‐21;Bizheva氏ほか、2005年、J.Biomed.Opt.10:11006‐11006‐07;Ragan氏ほか、2007年、J.Biomed.Opt.12:014015‐014015‐9;Dechet氏ほか、1999年、J.Urol.162:1282‐1284)。従って、過去の3‐D再構成技術は、従来の組織学の最も重要な制限に対する改善に失敗している。しかしながら、MPMを用いる透明化された組織の3‐D再構成は、テストされたいくつかの抗体を用いて免疫染色能力の保存を含み、優れた細胞コントラスト、生検供試体全体が撮像され得るような十分な深度、及び後の従来の処理との互換性を示す。
新しい撮像技術の臨床採用にとって重大な障壁が、特定染色の特定セット及び確立された臨床実施との完全な互換性を維持する要望に対して長年を費やして彼らの技術を磨いてきた病理学者からの抵抗である。MPM/透明化手法は、現在の定期的な実施のそれらと同様の解像度と実視野を有し、一般に用いられている組織学的染色で取得されたものと同様のコントラストを提供する画像を生成しているが、明らかな悪影響なしで後の従来の処理を可能にする。本明細書において説明されているマルチチャネル法はまた、従来の染色と類似した方法において形態を表す直接的な擬似着色化を可能にし、病理学者が顕著な組織学的特徴を容易に認識することを可能にする。
[例2:例示的な組織染色プロトコル] コア生検向けサイズの組織供試体が、20分から4週間の期間にわたってホルマリンに定着される。供試体は次に、10μM DAPIを含有し、0.5体積%のエオシンが溶液に追加されたメタカンの溶液に直接に配置される。供試体は、45℃で60分間培養される。供試体は、100%のBABBの溶液に直接に移動され、30分間培養される。供試体は、BABB浴に撮像される。図15は、この例示的な方法に従って、調製された複数の組織試料の複数の画像を示す。
[例3:例示的な組織染色プロトコル] コア生検向けサイズ組織供試体が、10μMのDAPIを含有し、0.5体積%のエオシンが溶液に追加されたメタカンの溶液に直接に配置される。供試体は、45℃で60分間培養される。供試体は、100%のBABBの溶液に直接に移動され、30分間培養される。供試体は、BABB浴において撮像される。
[例4:例示的な組織染色プロトコル] 供試体は、従来の方法又はマイクロ波を用いるなど高速ホルマリン定着方法を用いて、ホルマリンと10μMのDAPIに定着される。供試体は、40℃でメタカンにおいて60分間培養される。供試体は、100%のBABBの溶液に移動され、20分間培養される。供試体は、BABB浴において撮像される。
[例5:本発明の複数の方法を用いて生成された例示的な組織試料] 図9は、未透明化試料(図9のa)の画像、及び組織処理の従来のエタノール/ヘキサン/BABB方法を用いて生成された試料(図9のb)などの様々な組織試料を示す。この従来の方法は、適切な透明化するために一般的に数日から数週間かかる代替の透明化方法よりも著しく速いと認識されるので、相対的な例として用いられた。図9のcは、本発明の複数の方法を用いて処理された試料を示す画像である。1.25時間(うちの15分が透明後処理)の時間では、本発明の方法を用いる透明化は、従来の処理と比較して、より深い透明化(未透明化体積のより小さいコア)を示す。従来の方法はまた、BABB内の蛍光染料のリーチング(液体に薄い赤をつける)を示し、減少した色素結合を示す。
1.5時間の時間では、本発明の複数の方法を用いる組織処理は、ヘキサンが続き、BABB透明化が続き、エタノール濃度を増加する標準的な試薬の組み合わせを用いる急速な処理方法よりも著しく良い染料浸透を表している。1.5時間における深度の関数として正規化された平均染料染色が図10に示されている。これらの結果は、脱水及び染色の間における浸透性物質の使用が、染料が脱水段階において組み込まれた場合、試料処理率をさらに増加し得ることを示している。
図11は、従来のエタノール/ヘキサン/BABBの処理方法を用いた場合(図11のa)、及び本発明の複数の方法を用いた場合(図11のb)の処理された組織の画像を示す。本発明の複数の方法は、安価な染料の組み合わせを用いて核及びタンパク質蛍光信号のより良い分離(図11のbにおいてより明るい核)をもたらし、同じ正常ヒト肝臓からのこれらの画像における500μmの深度において著しく低細胞収縮(図11のaにおいてより小さい平均細胞サイズ)を有する向上された詳細を表す。従来の処理により生成されたアーティファクトは、臨床解釈に受け入れられないことをもたらす。また、この図における複数の画像は、合計1.5時間のみの処理時間後に取得され、形態に不利に影響を与えることで既知のマイクロ波ベースの方法を含み、臨床組織薄片調製のための任意の定期的な方法よりも速く、現在用いられている他の同等な透明化方法よりも速かった。加えて、本発明の複数の方法を用いて処理された複数の組織は、完全なものでパラフィンには未包埋であり、こられを追加の試験にこれらの全体において利用可能にし、このことは、現在の他の利用可能な処理方法を用いては達成できないものである。
図12は、メタカン又はメタノールを単独で用いて処理され、加熱有り又は加熱なしで処置された複数の組織試料の画像を示す一連の画像である。
図13は、図12の複数の画像に由来するグラフであり、正規化された蛍光染色対メタカン、メタノールのみ、及び加熱なしで処理された試料についての深度を示している。このグラフは、浸透性物質としての氷酢酸と、より良い染料浸透のための加熱を含むメタカンを用いる複数の利点を示している。
図14は、擬似H&Eを用いて処理された複数の組織の画像を示す。図14のaは、核染色を用いて処理された組織の画像である。図14のbは、タンパク質蛍光を用いて処理された組織の画像である。図14のcは、図14のa及び14のbに示されている画像を用いて蛍光強度値の指数のマトリックス変換で撮像された組織の画像である。これは、従来のように定着され、切片され、及びヘマトキシリン及びエオシン染色された病理学的薄片の画像をほぼ完璧に再現している。
本明細書において引用されているそれぞれ及び全ての特許、特許出願、及び公報の開示はこれにより、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。本発明が、複数の具体的な実施形態を参照して開示されている一方、本発明の複数の他の実施形態及び変形は、本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、当業者により考案され得ることが明らかである。添付の特許請求の範囲は、そのような実施形態及び等価の変形の全てを含むものとして解釈されることを意図されている。
[項目1]
組織試料を処理する方法であって、上記方法は、
組織試料を取得する段階と、
上記組織試料を、少なくとも1つの定着剤と、少なくとも1つの蛍光染料とを含有する定着液に接触させる段階と
を備える
方法。
[項目2]
上記組織試料を透明化液に接触させる段階をさらに備える項目1に記載の方法。
[項目3]
上記組織試料の視覚画像を生成するべく、上記組織試料を撮像する段階をさらに備える項目1に記載の方法。
[項目4]
上記少なくとも1つの蛍光染料は、エオシン、DAPI、SYTOX緑、アクリジンオレンジ、ローダミンB、ヨウ化プロピジウム、及びヘキスト染料を含む群から選択される、項目1に記載の方法。
[項目5]
上記少なくとも1つの定着剤は、メタカンである、項目1に記載の方法。
[項目6]
上記定着液は、浸透促進剤をさらに含有する、項目1に記載の方法。
[項目7]
上記組織試料を定着液に接触させる上記段階は、約45℃で実行される、項目1に記載の方法。
[項目8]
上記定着液は、赤血球溶解剤をさらに含有する、項目1に記載の方法。
[項目9]
上記組織試料を定着液に接触させる上記段階は、約1時間の期間にわたって実行される、項目1に記載の方法。
[項目10]
上記組織試料を定着液に接触させる上記段階は、15分より短い期間にわたって実行される、項目1に記載の方法。
[項目11]
上記透明化液は、ベンジルアルコールと、安息香酸ベンジルとを含有する、項目2に記載の方法。
[項目12]
上記ベンジルアルコール対上記安息香酸ベンジルの比率が、約1対2である、項目11に記載の方法。
[項目13]
上記組織試料を透明化液に接触させる上記段階は、10分より短い期間にわたって実行される、項目2に記載の方法。
[項目14]
部分的に定着され、部分的に透明化された組織が、撮像後に定着剤に配置される、項目2に記載の方法。
[項目15]
上記組織試料を定着液に接触させ、上記組織試料を透明化液に接触させる複数の上記段階は、約1.5時間の期間にわたって実行される、項目2に記載の方法。
[項目16]
上記組織試料は、上記組織試料を取得する前に定着される、項目1に記載の方法。
[項目17]
組織試料を撮像する方法であって、
上記方法は、
組織試料を取得する段階と、
上記組織試料を、少なくとも1つの蛍光染料を含有する定着液に接触させる段階と、
上記組織試料を透明化液に接触させる段階と、
上記組織試料の蛍光の複数の強度値を測定し、上記複数の強度値を効果的な複数の光学密度に変換することによって、組織試料画像を生成する段階であって、これにより、上記複数の光学密度は、上記組織試料の、生成された画像において、染色のカラレーションを再現する、段階と
を備える
方法。
[項目18]
上記組織試料画像は、光学切片断層顕微鏡を用いて生成される、項目17に記載の方法。
[項目19]
上記光学切片断層顕微鏡は、多光子顕微鏡(MPM)、共焦点顕微鏡、構造化照明顕微鏡、超解像度顕微鏡、選択的平面照明顕微鏡(SPIM)、側面照明顕微鏡、回転盤共焦点顕微鏡、及びデコンボリューション顕微鏡を含む群から選択される、項目18に記載の方法。
[項目20]
組織試料画像を生成する上記段階は、第2高調波発生(SHG)の段階をさらに含む、項目17に記載の方法。
[項目21]
上記試料画像は、3次元(3‐D)試料画像である、項目17に記載の方法。
[項目22]
上記試料画像は、50μmより深い試料深度において取得される、項目17に記載の方法。
[項目23]
上記複数の強度値は、指数の擬似カラレーション処理を用いて、効果的な複数の光学密度に変換される、項目17に記載の方法。
[項目24]
圧縮性材料を有する第1プレートと、
窓を有する第2プレートと
を備える
供試体保持デバイスであって、
上記窓は、透明材料を含む、
供試体保持デバイス。
[項目25]
上記圧縮性材料は、閉じられた外縁の形態を有する、項目24に記載のデバイス。
[項目26]
上記圧縮性材料は、固形ブロックの形態を有する、項目24に記載のデバイス。
[項目27]
上記第1プレートは、透明な窓をさらに有する、項目24に記載のデバイス。
[項目28]
上記第1プレートと上記第2プレートとは、載物台上にフィットするように、寸法づけられる、項目24に記載のデバイス。
[項目29]
上記第1プレートと上記第2プレートとは、タブと相反のスロットとを介し、互いに係合する、項目24に記載のデバイス。
[項目30]
上記圧縮性材料は多孔性である、項目24に記載のデバイス。
[項目31]
上記圧縮性材料は、複数のスポンジ、泡状物質、メッシュ、ゴム、ポリマ、及びコルクを含む群から選択される、項目24に記載のデバイス。
[項目32]
供試体を撮像するシステムであって、
上記システムは、項目24に記載のデバイスと、顕微鏡とを備え、
上記顕微鏡は、
レーザの光源と、
走査機構と、
走査レンズと、
チューブレンズと
顕微鏡対物レンズと、
移動ステージと
を有し、
上記顕微鏡の上記移動ステージは、上記顕微鏡対物レンズの下において項目24に記載のデバイスにより保持される上記供試体を提示するために適する、
システム。
[項目33]
上記顕微鏡は、ビームシェーパをさらに有する、項目32に記載のシステム。
[項目34]
上記顕微鏡は、少なくとも1つの、蛍光光線を反射するためのダイクロイックミラーをさらに有する、項目32に記載のシステム。
[項目35]
上記顕微鏡は、少なくとも1つの、複数の透過光信号を検出するための検出器をさらに有する、項目32に記載のシステム。
[項目36]
上記顕微鏡は、少なくとも1つの吸収フィルタをさらに有する、項目32に記載のシステム。
[項目37]
上記顕微鏡の上記レーザの光源は、フェムト秒レーザ、ピコ秒レーザ、パルスファイバレーザ、及び整調不可なレーザを含む群から選択される、項目32に記載のシステム。
[項目38]
上記顕微鏡の上記レーザは、800nmの中心波長を有する、項目37に記載のシステム。
[項目39]
上記顕微鏡の上記走査機構は、共振検流計と、複数のミラー付きファセットを有するスピンポリゴンとを含む群から選択される、項目32に記載のシステム。
[項目40]
上記顕微鏡対物レンズは、少なくとも0.8の開口数を有する、項目32に記載のシステム。
[項目41]
上記顕微鏡対物レンズは、少なくとも500μmの実視野を有する、項目32に記載のシステム。
[項目42]
組織試料を処理するキットであって、
上記キットは、
少なくとも1つの定着剤、少なくとも1つの蛍光染料、及び項目1に記載の方法を実行するための指導材料とを有する少なくとも1つの定着液を
備える
キット。
[項目43]
上記少なくとも1つの定着液はメタカンである、項目42に記載のキット。
[項目44]
上記少なくとも1つの蛍光染料は、エオシン、DAPI、SYTOX緑、アクリジンオレンジ、ローダミンB、ヨウ化プロピジウム、及びヘキスト染料を含む群から選択される、項目42に記載のキット。
[項目45]
少なくとも1つの透明化液をさらに備える項目42に記載のキット。
[項目46]
上記少なくとも1つの透明化液は、ベンジルアルコールと、安息香酸ベンジルとを含有する、項目45に記載のキット。
[項目47]
圧縮性材料を含む第1プレートと、
窓を含む第2プレートとを有する供試体保持デバイスをさらに備え、
上記窓は、透明材料を含む、項目42に記載のキット。
[項目48]
項目32に記載の顕微鏡システムをさらに備える項目42に記載のキット。

Claims (10)

  1. 組織試料を処理する方法であって、
    前記方法は、
    組織試料を取得する段階と、
    前記組織試料を、メタカン、10μM DAPI、および0.5体積%のエオシンを含有する定着液に接触させることによって、前記組織試料を同時に脱水及び染色する段階と、
    BABB(ベンジルアルコールおよび安息香酸ベンジル)を有する透明化液を用いて前記組織試料を透明化する段階とを備える、
    方法。
  2. 100nmから2cm深度で前記組織試料の画像を生成するべく前記組織試料を撮像する段階をさらに備える、請求項に記載の方法。
  3. 前記組織試料を前記定着液に接触させる前記段階は、30℃以上で実行される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記定着液は、赤血球溶解剤をさらに含む、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  5. 前記組織試料を、前記定着液に接触させることによって、同時に脱水及び染色する前記段階は、約1時間の期間にわたって実行される、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  6. 透明化する前記段階は、10分から1時間の間の期間にわたって実行される、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  7. 前記定着液は、形態学的安定剤をさらに含有する、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  8. 前記組織試料は、コア針生検向けサイズである、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  9. 前記定着液は、約10%の形態学的安定剤をさらに含有する、請求項1からの何れか一項に記載の方法。
  10. 前記形態学的安定剤は、クロロホルムである、請求項に記載の方法。
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