JP6628537B2 - 通信異常検出システム及び通信異常検出方法 - Google Patents

通信異常検出システム及び通信異常検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6628537B2
JP6628537B2 JP2015196495A JP2015196495A JP6628537B2 JP 6628537 B2 JP6628537 B2 JP 6628537B2 JP 2015196495 A JP2015196495 A JP 2015196495A JP 2015196495 A JP2015196495 A JP 2015196495A JP 6628537 B2 JP6628537 B2 JP 6628537B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
abnormality detection
impedance
communication
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015196495A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017069891A (ja
Inventor
恒明 橋本
恒明 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Signal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Signal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Signal Co Ltd filed Critical Nippon Signal Co Ltd
Priority to JP2015196495A priority Critical patent/JP6628537B2/ja
Publication of JP2017069891A publication Critical patent/JP2017069891A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6628537B2 publication Critical patent/JP6628537B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Description

本発明は、通信異常検出システム及び通信異常検出方法に係り、特に、送信機及び受信機を用いた通信や電力送受信において、送信機から受信機に情報或いは電力が異常なく伝達されたか否かを検出する通信異常検出システム及び通信異常検出方法に関する。
送信機及び受信機を用いた通信や電力送受信において、送信機から受信機に情報或いは電力が異常なく伝達されたか否かを検出する様々な通信異常検出手法が考案されている。
特許文献1には、自動列車停止装置の地上装置において送信機から受信機に伝達された出力信号を、受信機から送信機にフィードバックすることで通信の異常を検出する通信異常検出手法が開示されている。この手法は、断線や短絡といった種々な故障が原因で伝送不良になった異常状態を検出する手法の一つである。
ここでは、地上子は、変調器、整合トランス、アンテナ、カレントトランス、断線検出回路を有している。変調器は、制御電文を変調して制御信号を得て、その制御信号を整合トランスに伝送する。整合トランスは、アンテナに接続されている。アンテナは、電磁結合により、車上装置に制御信号を伝送する。そして、カレントトランスは、アンテナに接続され、アンテナに伝送された制御信号に基づく電流検出信号を断線検出回路に供給する。断線検出回路は、制御電文と電流検出信号とに基づき断線の有無を判定し、断線検出信号を出力する。断線検出回路はアンド回路で構成され、制御電文が「有」、かつ、電流検出信号が「有」であるときに、地上子に断線や短絡がないと判定して断線検知信号を出力する。
また、特許文献2には、伝送不良を引き起こす原因の一つである断線に着目した通信異常検出手法が開示されている。ここでは、断線を検出するためにトランスを加工し、集信号ラインに直流信号を追加により重畳し、直流信号の有無により断線による通信異常を検出することが記載されている。
さらに、特許文献3には、特許文献2と同様に断線に着目した通信異常検出手法が開示されている。ここでは、電流検出用のカレントトランスを信号線に挿入するか、或いはクランプし、電流信号の有無により断線による通信異常を検出する通信異常検出手法が記載されている。
特許第3410229号 特開2009−173214号公報 特開2015−13575号公報
特許文献1に記載された通信異常検出手法は、断線や短絡といった故障を幅広く検出できるが、装置内部にフィードバックのシステムを設置しなければならず大がかりな設備の更新が必要となる。そのため簡易な構成により通信の異常を検出することはできないという問題がある。
また、特許文献2及び特許文献3に記載された通信異常検出手法は、通信故障のうち「断線」のみの検出に限定されるため、漏れのない通信異常検出手法とは言えない。また、追加のトランスが必要となり、クランプする場合にはさらに追加の配線が必要なるためコストアップするという問題がある。
本願の目的は、係る課題を解決し、簡易な構成により的確にかつ漏れなく通信回線の異常状態を検出できる通信異常検出システム及び通信異常検出方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る通信異常検出システムは、インピーダンスマッチングされた一組の送信機及び受信機と、送信機又は受信機に設けられるインピーダンス整合部と、前記インピーダンス整合部に対して並列に接続され、インピーダンス不整合状態を検知することで送信機及び受信機の間の通信異常状態を検出するインピーダンス不整合検出器と、を備えることを特徴とする。
上記構成により、「通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機及び受信機の間でインピーダンスが不整合になる」という現象を利用し、送信機及び受信機の間の通信異常状態を検出することができる。すなわち、通信システムにおける一組の送信機及び受信機は、設置された段階で、例えば、インピーダンス整合部などによりインピーダンスマッチングがされている。しかし、通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機及び受信機の間においてインピーダンスが不整合となる。そこで、送信機側に設けられたインピーダンス整合部にインピーダンス不整合検出器を接続させることで通信回線に発生した断線や短絡などの故障を的確に検出することができる。
このインピーダンス不整合検出器は、インピーダンス整合部に対して並列に設けられた検出回路である。従って、既存の回路構成に影響を与えることなく低コストで機能拡張ができる。
このインピーダンス不整合検出器は、インピーダンス整合部とペアで設けられるため、送信機ではなく、受信機にインピーダンス整合部が設けられる場合には、インピーダンス不整合検出器も受信機側に設けられても良い。さらに、送信機と受信機の双方にインピーダンス整合部とインピーダンス不整合検出器がペアで設けられても良い。
また、通信異常検出システムは、インピーダンス不整合検出器が、インピーダンス整合部の両端の電圧を検出し、両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成する電流値出力部を備えることが好ましい。つまり、「送信機及び受信機の間でインピーダンスが不整合になると、負荷の電圧信号及び電流信号のレベルや位相がインピーダンス整合時の値に対して変動する」という現象を利用し、通信回線に発生した断線や短絡などの故障を簡易に検出することができる。すなわち、後述するように、インピーダンス整合部の両端の電圧を検出するという簡易な手段により、負荷の電圧信号及び電流信号のレベルや位相のインピーダンス整合時の値に対する変動が簡明な数値により検出できる。また、電流値出力部が両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成することで、後述するように、負荷の電圧信号及び電流信号の「レベル」及び「位相」の変動を共に検知でき、通信回線の故障を漏れなく検出することができる。
また、通信異常検出システムは、インピーダンス不整合検出器が、電圧信号とインピーダンス整合部の一端の電圧との差分処理により異常検出信号を生成する電流・電圧差分出力部を備えることが好ましい。つまり、電流・電圧差分出力部は、電流の位相成分を有し、電圧のディメンジョンを有する電圧信号、及びインピーダンス整合部の一端の電圧の差分を算出することでスカラー値でありかつ位相成分を保持した差分を得ることができる。これにより、負荷の電圧信号及び電流信号の「レベル」及び「位相」の変動を共に同時に評価することができる。
また、通信異常検出システムは、前記インピーダンス不整合検出器の内部に故障診断信号生成部を備え、前記故障診断信号生成部は、前記インピーダンス不整合検出器の検出出力が異常値となるような制御信号を生成して電圧信号の信号線に挿入し、前記制御信号と異常検出信号とが連動するか否かでインピーダンス不整合検出器自体の故障を検出することが好ましい。これにより、検知センサであるインピーダンス不整合検出器自体の故障を診断することができる。すなわち、故障診断信号生成部において異常検出信号出力が異常値となるような信号を生成してインピーダンス不整合検出器の内部の電圧信号の信号線に挿入する。そして、検知センサが故障診断信号生成部に対する信号と異常検出信号とが連動するか否かを診断する。そして、これらの信号が連動する場合には、インピーダンス不整合検出器自体の故障は無く、連動しない場合には故障が存在すると判断できる。
上記目的を達成するため、本発明に係る通信異常検出方法は、インピーダンスマッチングされた一組の送信機及び受信機の送信機側インピーダンス整合部に対して並列に接続されインピーダンス不整合検出器を用い、インピーダンス整合部の両端の電圧を検出し、両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成するステップと、電圧信号とインピーダンス整合部の一端の電圧との差分処理により異常検出信号を生成するステップと、異常検出信号からインピーダンス不整合状態を検知し、送信機及び受信機の間の通信に関する異常状態を検出するステップと、を備えることを特徴とする。
上記構成により、「通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機及び受信機間でインピーダンスが不整合になる」という現象を利用し、送信機及び受信機の間の通信異常状態を検出することができる。すなわち、通信システムにおける一組の送信機及び受信機は、設置された段階で、例えばインピーダンス整合部などによりインピーダンスマッチングがされている。しかし、通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機及び受信機間においてインピーダンスが不整合となる。そこで、送信機側に設けられたインピーダンス整合部にインピーダンス不整合検出器を接続させることで通信回線に発生した断線や短絡などの故障を的確に検出できる。
さらに、通信異常検出方法は、インピーダンス不整合検出器の出力が異常値となるよう電圧信号の信号線に挿入された信号と、異常検出信号とが連動するか否かでインピーダンス不整合検出器自体の故障を検出するステップを備えることが好ましい。これにより、検知センサであるインピーダンス不整合検出器自体の故障を診断することができる。すなわち、故障診断信号生成部により異常検出信号の出力が異常値となるような信号が生成され、この信号がインピーダンス不整合検出器の内部の電圧信号の信号線に挿入される。そして、故障診断信号生成部に対する信号と異常検出信号とが連動するか否かが診断される。そして、これらの信号が連動する場合には、インピーダンス不整合検出器自体の故障は無く、連動しない場合には故障が存在すると判断できる。
以上のように、本発明に係る通信異常検出システム及び通信異常検出方法によれば、簡易な構成により的確にかつ漏れなく通信回線の異常状態を検出することができる。
本発明に係る通信異常検出システムの一つの実施形態の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係るインピーダンス不整合検出器の一つの実施例を示すブロック図である。 電圧信号(V)と電流信号(I)とを示すベクトル図である。 電圧信号(V2)及び電流の位相成分を有する電圧信号(Iv)の差分(Iv−V2)を示すベクトル図である。 本発明に係る通信異常検出方法を示すフローチャートである。 インピーダンス不整合検出器自体の故障検知方法を示すフローチャートである。
(通信異常検出システムの構成)
以下に、図面を用いて本発明に係る通信異常検出システム1につき、詳細に説明する。図1に通信異常検出システム1の一つの実施形態の概略構成をブロック図で示す。また、図2に、本発明に係るインピーダンス不整合検出器6aの一つの実施例をブロック図で示す。
図1に示すように、本発明に係る通信異常検出システム1は、通信や電力送受信を行う一組の送信機2及び受信機3と、送信機2及び受信機3を接続して電気信号を伝送する伝送路である通信ケーブル4とから構成される。送信機2側では、制御部10が信号発生器11に受信機3に伝送する信号を発生させる。そして、インピーダンス整合部5aにて伝送する信号のインピーダンス整合が行われ、整合された信号は、送信側トランス12を経由して通信ケーブル4にて受信側トランス13へと伝送される。
通常、一組の送信機2及び受信機3は、最も効率良く信号のエネルギを伝達させるためにインピーダンスマッチングされている。本実施形態では、インピーダンス整合部5aにてこのインピーダンスマッチングが行われる。ここで、図1に示すように、送信機2側の出力インピーダンスを符号Zで表わし、受信機側の入力インピーダンスをZIで表わし、通信ケーブル4の特性インピーダンスをZcで表わす。このとき、送信機2側からみたインピーダンスマッチングとは、ZとZc,及びZcとZIを整合させることである。ここで、受信機の入力インピーダンスZIと通信ケーブル4の特性インピーダンスZcとは、実数値kを用いてZI=k×Zcの関係があるものとする。この実数値kの値により理論上は伝送路における故障の発生状況が判定できる。例えば、実数値k=1のときは、インピーダンスマッチングされている。また、実数値k=0のときは、伝送路において短絡による故障が発生し、実数値k=∞のときは、伝送路において断線による故障が発生している。
本発明は、上述したインピーダンスマッチングが行われた一組の送信機2及び受信機3において、送信機2側に設けられたインピーダンス整合部5aにインピーダンス不整合検出器6aを接続する。そして、インピーダンス不整合検出器6aにインピーダンス不整合状態を検知させることで送信機2及び受信機3の間の通信異常状態を検出する。これは、「通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機2及び受信機3の間でインピーダンスが不整合になる」という現象を利用したものである。すなわち、通信回線に断線や短絡などの故障が発生すると送信機2及び受信機3の間においてインピーダンスが不整合となる。そこで、送信機2側に設けられたインピーダンス整合部5aにインピーダンス不整合検出器6aを接続させることで通信回線に発生した断線や短絡などの故障を検出する。
このインピーダンス不整合検出器6aは、インピーダンス整合部5aに対して並列に設けられた検出回路である。従って、既存の回路構成に影響を与えることなく低コストで機能を拡張することができる。また、インピーダンス不整合検出器6aは、送信機2内部の機能拡張により、送信機2内部だけではなく、さらに外部も含めた故障検出ができる。
また、インピーダンス不整合検出器6aは、インピーダンス整合部5aとペアで設けられるため、送信機2ではなく、受信機3にインピーダンス整合部5bが設けられる場合には、インピーダンス不整合検出器6bも受信機3側に設けられても良い。さらに、送信機2と受信機3の双方にインピーダンス整合部5a,5bとインピーダンス不整合検出器6a,6bをペアで設けても良い。
図2に示すように、通信異常検出システム1は電流値出力部7を有する。この電流値出力部7は、インピーダンス整合部5aの両端の電圧(V1,V2)を検出し、両端の電圧(V1,V2)の差分ΔVから電流の位相成分を有する電圧信号(Iv)を生成する。すなわち、インピーダンス整合部5aの両端の電圧差(V1−V2)を抵抗(R)で割ると電流(I)のディメンジョンを有する値が得られる。交流の場合には、電流と電圧との間に位相差が発生するが、ここでは、電圧信号Iv=(V1−V2)とし、電流の位相状態を維持した、言い換えると、電流の位相成分を有する電圧信号(Iv)とする。
図3に、電圧信号(V)と電流信号(I)とをベクトル表示で説明する。これらの電圧信号(V)及び電流信号(I)のなす角度が位相(Θ)を表し、電圧信号(V)及び電流信号(I)のベクトルの大きさがそれぞれのレベルを表す。電圧信号(V)及び電流信号(I)は、それぞれ下式により表わされる。又、これらの数式をそれぞれ第1項と第2項とに分解して表記する。
V=E/2(1+(k−1/k+1)×eσ)
=E/2+E/2(k−1/k+1)×eσ
I=[E/2(1−(k−1/k+1)×eσ)]/R
=E/2R−E/2(k−1/k+1)×eσ/R
ここに、Vは電圧信号であり、Iは電流信号であり、Eの絶対値である|E|は送信機 2の電源出力の実効値とする。また、σは−2β×Lであり、Lは伝送路の長さであり、βは、伝搬定数g(=α+jβ)で示される位相定数である。なお、減衰定数αは計算の簡略化のため省略している。
上述した数式を図3に示す原点を「O」とした極座標で表わしてみる。電圧信号(V)はベクトルOAとなり、電流信号(I)はベクトルOBとなる。電圧信号(V)であるベクトルOAは、C点を用いてベクトルOC+ベクトルCAで表わされる。ここに、ベクトルOCは、上記数式の第1項であるE/2を示し、伝送路の特性インピーダンス値(Zc)や伝送路の長さ(L)に拘わらず一定値となる。一方、ベクトルCAは上記数式の第2項であるE/2(k−1/k+1)×eαとなり伝送路の特性インピーダンス(Zc)や伝送路の長さ(L)に依存する値となる。
同様に、電流信号(I)であるベクトルOBは、C点を用いてベクトルOC+ベクトルCBで表わされる。ここに、ベクトルOCは、上記数式の第1項であるE/2Rを示し、伝送路の特性インピーダンス値や伝送路の長さに拘わらず一定値となる。そして、このベクトルOCは、電圧信号(V)と共有する。一方、ベクトルCBは上記数式の第2項であるE/2(k−1/k+1)×eα/Rとなり伝送路の特性インピーダンス値や伝送路の長さLに依存する。そして、ベクトルCBはベクトルCAと大きさが等しくC点を中心に180°回転したベクトルとなる。
図4に、電圧信号(V2)及び電流の位相成分を有する電圧信号(Iv)の差分(Iv−V2)をベクトル表示により説明する。図4(a)に電圧信号(V2)をベクトル表示し、図4(b)に電圧信号(Iv)をベクトル表示する。ここで、図3と同様に、図4(a)では電圧信号(V2)のベクトルOAはベクトルOC+ベクトルCAとなる。また、図4(a)では電圧信号(Iv)のベクトルOBはベクトルOC+ベクトルCBとなる。電圧信号(V2)及び電圧信号(Iv)の差分(Iv−V2)は、ベクトルOB−ベクトルOAとなるが、共にベクトルOCを共有するため相殺される。その結果、ベクトルCB−ベクトルCAとなり、図4(b)に示されるような原点を中心としたベクトルとなる。図4(b)において、“m”は、|E/2(k−1/k+1)|であり、ベクトルCA及びベクトルCBの長さを表す。従って、ベクトルCB−ベクトルCAの長さは、“2m”となる。
このように、電圧信号(V2)及び電圧信号(Iv)の差分(Iv−V2)である検出信号(D)は、電圧信号(V)と電圧信号(Iv)との位相がキャンセルされる。数式Iv−数式V2を計算すると、それぞれの第1項が打ち消し合い、それぞれの第2項が加算され、Eとなる。すなわち、Iv−V2=E×(k−1/k+1)×eαとなる。このように、検出信号(D)は、実数値(k)を判定することで通信回線の故障を漏れなく検出することができる。検出信号(D)は、図2に示すように、整流回路14にて整流信号に変換され、レベル判定器15にて異常信号のレベルが判定される。そしてトリガ信号が制御部10に送信される。
また、通信異常検出システム1は、インピーダンス不整合検出器6aが、電圧信号(Iv)とインピーダンス整合部5aの一端の電圧(V2)との差分処理(Iv−V2)により異常検出信号(D)を生成する電流・電圧差分出力部8を備える。すなわち、電圧信号(Iv)とインピーダンス整合部5aの一端の電圧(V2)とは、共に同じディメンジョンであるため引算が成立し、この差分処理(Iv−V2)により電圧・電流信号の位相差だけがキャンセルされ、各信号レベルについても同時に比較した検出信号(D)が得られる。
この異常検出信号(D)は、インピーダンス整合状態が正常であれば、理論的に零となる。しかし、インピーダンス整合状態が異常となった場合には、|E|×(1−k)/(1+k)で表わされる一定振幅の検出信号(D)が得られる。ここで、Eの絶対値である|E|は送信機2の電源出力の実効値である。この検出信号(D)の値は理論値であり、減衰のない理想的な通信ケーブル4の場合を仮定し得る。この実効値(|E|)の係数(1−k)/(1+k)は、実数値k=1のとき零となり、異常検出信号(D)は発生しない。また、実数値k=0のときは1となり伝送路において短絡による故障が発生し、実数値k=∞のときは−1となり伝送路において断線による故障が発生していることを示す。
(インピーダンス不整合検出器自体の故障検知手法の構成)
上述した通信異常検出システム1は、通信ケーブル4などの信号の伝送路での断線や短絡などの故障を検出できるが、インピーダンス不整合検出器6a自体の故障については検知できない。そこで、インピーダンス不整合検出器6a自体の故障を検知する手法を以下に説明する。
通信異常検出システム1は、インピーダンス不整合検出器6aの内部に故障診断信号生成部9を設ける。この故障診断信号生成部9は、インピーダンス不整合検出器6aの出力である検出信号(D)が異常値となるような異常状態を生成する、例えば、フォトMOSスイッチなどの回路である。そして、図2に示すように、故障診断信号生成部9を電圧信号(V1)又は電圧信号(V2)の信号線に挿入する。そして、インピーダンス不整合検出器6aを取り付けた送信機2において、故障診断信号生成部9に対する制御信号(P)とインピーダンス不整合検出器6aの出力である検出信号(D)が連動しているか否かを診断する。
故障診断信号生成部9に対する制御信号(P)とインピーダンス不整合検出器6aの出力である検出信号(D)が連動している場合には、検出信号(D)が異常値となるように生成された異常状態が、そのまま検出信号(D)に反映されていると判断できる。そして、インピーダンス不整合検出器6aの内部において、断線や短絡などの故障が発生していないと診断できる。一方、制御信号(P)と検出信号(D)とが連動していない場合には、制御信号(P)が検出信号(D)に反映されていないことから、インピーダンス不整合検出器6aの内部において、断線や短絡などの故障が発生していると診断できる。
(通信異常検出方法)
図5に、インピーダンス不整合検出器6aによる通信異常検出方法をフローチャートで示す。通信異常検出方法の各ステップは、符号S1〜S5で示す。まず、インピーダンスマッチングされた一組の送信機2又は受信機3に設けられたインピーダンス整合部5aにインピーダンス不整合検出器6を取り付ける(S1)。そして、インピーダンス整合部5aの両端の電圧を検出し、両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成する(S2)。さらに、電圧信号とインピーダンス整合部5aの一端の電圧との差分処理により検出信号(D)を生成する(S3)。そして、その検出信号(D)からインピーダンス不整合状態か否かを判定する(S4)。検出信号(D)が異常である場合は、送信機2及び受信機3の間の通信に関する異常状態を検出し(S5)、検出信号(D)が異常でない場合は、送信機2及び受信機3の間の通信に関する異常状態を検出せずにステップ2に戻る。
(インピーダンス不整合検出器自体の故障検知方法の構成)
図6に、インピーダンス不整合検出器6a自体の故障検知方法をフローチャートで示す。まず、本故障検知方法の各ステップは、符号S1〜S3で示す。インピーダンス不整合検出器6aの出力が異常値となるよう電圧信号の信号線に挿入する(S1)。そして、挿入された信号と異常検出信号(D)とが連動するか否かを判定し(S2)、連動する場合は異常値を検出できるので、インピーダンス不整合検出器6a自体の故障は無く正常と判断してステップ1に戻る。一方、連動しない場合は、インピーダンス不整合検出器6a自体の故障を検出する(S3)。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさ、及び配置関係については、本発明が理解、実施できる程度に概略的に示したものにすぎない。従って、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
1 通信異常検出システム、2 送信機、3 受信機、4 通信ケーブル、5a,5b インピーダンス整合部、6a,6b インピーダンス不整合検出器、7 電流値出力部、8 電流・電圧差分出力部、9 故障診断信号生成部、10 制御部、11 信号発生器、12 送信側トランス、13 受信側トランス、14 整流回路、15 レベル判定部、D (異常)検出信号、E 電源出力の実効値、I 電流信号、Iv 電流の位相成分を有する電圧信号、L 伝送路の長さ、m ベクトルCAの長さ、n ベクトルCBの長さ、P 制御信号、k 実数値(ZI/Zc)、V 電圧信号、V1 (インピーダンス整合部の一端の)電圧信号、V2 (インピーダンス整合部の他端の)電圧信号、Z 送信機の出力インピーダンス、Zc 通信ケーブルの特性インピーダンス、ZI 受信機の入力インピーダンス、Θ 電圧と電流の位相。

Claims (6)

  1. インピーダンスマッチングされた一組の送信機及び受信機と、
    前記送信機又は前記受信機に設けられるインピーダンス整合部と、
    前記インピーダンス整合部に対して並列に接続され、インピーダンス不整合状態を検知することで前記送信機及び前記受信機の間の通信異常状態を検出するインピーダンス不整合検出器と、を備える、通信異常検出システム。
  2. 請求項1に記載の通信異常検出システムであって、前記インピーダンス不整合検出器は、前記インピーダンス整合部の両端の電圧を検出し、前記両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成する電流値出力部を備える、通信異常検出システム。
  3. 請求項2に記載された通信異常検出システムであって、前記インピーダンス不整合検出器は、前記電圧信号と前記インピーダンス整合部の一端の電圧との差分処理により異常検出信号を生成する電流・電圧差分出力部を備える、通信異常検出システム。
  4. 請求項2又は3に記載された通信異常検出システムであって、前記インピーダンス不整合検出器の内部に故障診断信号生成部を備え、前記故障診断信号生成部は、前記インピーダンス不整合検出器の検出出力が異常値となるような制御信号を生成して前記電圧信号の信号線に挿入し、前記制御信号と前記異常検出信号とが連動するか否かで前記インピーダンス不整合検出器自体の故障を検出する、通信異常検出システム。
  5. インピーダンスマッチングされた一組の送信機及び受信機の前記送信機側インピーダンス整合部に対して並列に接続されインピーダンス不整合検出器を用い、
    前記インピーダンス整合部の両端の電圧を検出し、前記両端の電圧の差分から電流の位相成分を有する電圧信号を生成するステップと、
    前記電圧信号と前記インピーダンス整合部の一端の電圧との差分処理により異常検出信号を生成するステップと、
    前記異常検出信号からインピーダンス不整合状態を検知し、前記送信機及び前記受信機の間の通信に関する異常状態を検出するステップと、を備える、通信異常検出方法。
  6. 請求項5に記載された通信異常検出方法であって、前記インピーダンス不整合検出器の検出出力が異常値となるよう前記電圧信号の信号線に挿入された制御信号と、前記異常検出信号とが連動するか否かで前記インピーダンス不整合検出器自体の故障を検出するステップを備える、通信異常検出方法。
JP2015196495A 2015-10-02 2015-10-02 通信異常検出システム及び通信異常検出方法 Active JP6628537B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015196495A JP6628537B2 (ja) 2015-10-02 2015-10-02 通信異常検出システム及び通信異常検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015196495A JP6628537B2 (ja) 2015-10-02 2015-10-02 通信異常検出システム及び通信異常検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017069891A JP2017069891A (ja) 2017-04-06
JP6628537B2 true JP6628537B2 (ja) 2020-01-08

Family

ID=58492947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015196495A Active JP6628537B2 (ja) 2015-10-02 2015-10-02 通信異常検出システム及び通信異常検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6628537B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0581993B1 (de) * 1992-08-07 1995-03-15 Siemens Aktiengesellschaft Schaltungsanordnung zum Steuern einer Last und zum Erkennen einer Leitungsunterbrechung
JP3462391B2 (ja) * 1998-06-29 2003-11-05 沖電気工業株式会社 無線装置
JP2000078209A (ja) * 1998-08-28 2000-03-14 Nec Eng Ltd デジタル信号伝送回路
JP2004112490A (ja) * 2002-09-19 2004-04-08 Ricoh Co Ltd 通信装置
JP5433357B2 (ja) * 2009-09-17 2014-03-05 新日本無線株式会社 ケーブル接続検出回路
JP5278389B2 (ja) * 2010-03-16 2013-09-04 株式会社安川電機 ケーブル断線検出装置およびケーブル断線検出方法
JP5465059B2 (ja) * 2010-03-30 2014-04-09 東日本旅客鉄道株式会社 軌道回路故障部位特定装置
JP2012004759A (ja) * 2010-06-16 2012-01-05 Mitsubishi Electric Corp 無線通信装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017069891A (ja) 2017-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372946B2 (ja) イーサネット(登録商標)PoDLシステムにおける絶縁地絡の検出
EP3029473B1 (en) System and method for detecting ground fault in a dc system
CN108603909B (zh) 用于检测电力系统中的传输线路的故障的方法和装置
JP3897046B2 (ja) 情報処理装置および情報処理方法
JP2012242338A (ja) 診断用パルス信号を備える制御システム、及びその制御装置
JP2018503288A5 (ja)
US8154305B2 (en) Systems, methods, and apparatus for connection fault self-monitoring with DC bias current
US8982968B2 (en) Apparatus for converting terminal polarity for R S communication
JP6628537B2 (ja) 通信異常検出システム及び通信異常検出方法
US8131508B2 (en) Sensor apparatus
JP5175641B2 (ja) 通信システムの断線検出装置及び通信システム
CN104808079A (zh) 用于诊断变流器的方法
JP6641502B2 (ja) 検査装置、制御システム、および、検査方法
US9841798B2 (en) Battery, battery controller, and method for the secured digital transmission of current measurement values
JP2004233255A (ja) 配電線の断線検出装置
JP5303375B2 (ja) 電圧電流受電方式の列車検知装置
US20180034568A1 (en) Method and associated apparatus for performing cable diagnostics in a network system
JP4888705B2 (ja) 通信システム
JP6287076B2 (ja) 接続検査システム、電力測定/監視システム、接続検査装置及び接続検査方法
CN114447894B (zh) 一种直流输电系统双重化配置的保护测量异常处理方法
KR101713966B1 (ko) 열차제어장치의 통신 진단 장치
JPH05204692A (ja) 情報処理装置の故障検出・切離方式
JP2017175477A (ja) 集合住宅用インターホンシステム
JP2021044759A (ja) 劣化検出装置
JPH04142139A (ja) 監視装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190625

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191203

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6628537

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150