JP6626629B2 - 門扉制御システム - Google Patents
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Description
(1)本発明は、陸閘を通過する全ての幅員構造の道路に適用可能な、移動体4種類の特徴的幅寸法とその通行特性に基づいた通行帯の概念の創出方法。
(2)本発明は、門扉閉鎖の変速閉鎖制御を提供することにある。
(3)本発明は、自動車通行帯を門扉の開口幅6狭隘化と同期して遮断する新遮断方式(遮断具23閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式と称す)を提供することにある。
(4)本発明は、移動体4、門扉保護に力点を置く門扉閉鎖における補助門扉5方式を提供することにある。
(5)本発明は、補助門扉5方式を発展させて、門扉の自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式を提供することにある。
(6)本発明は、接触検知方式だけでは閉鎖阻害回復できないであろう、特に自動車に対する連続通過防止モードを提供することにある。
(7)本発明は、非接触で移動体4とその動態を把握し、閉鎖制御を行う監視検知方式を提供することにある。これには、封鎖通行帯検知方式、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式、通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式などがある。
(8)本発明は、上記の全体あるいは個別の組み合わせ方式による課題解決を提供することにある。
(9)本発明は、上記の全体あるいは個別の組み合わせ方式から発生する情報に基づき、センタBの負荷低減を目指すセンタB監視・操作のための情報処理を提供することにある。
以上は、門扉閉鎖中も移動体4の通行・避難を許容する方式であるが、新遮断方式(遮断具23(桿)閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式)との組合せの場合でも、フリー通行帯を遮断せず移動体4の通行・避難を許容し、門扉の閉鎖と遮断具23の閉鎖を一体化して自動車通行帯を遮断することにより、遮断具23の破壊を防止し、且つ、最大の門扉閉鎖阻害要因である自動車の通行を効果的に遮断することが可能となり、自動車と門扉の接触・衝突防止、即ち、門扉の保護、及び門扉の迅速閉鎖を図ることができる。遮断具23が自動車通行帯を遮断中である場合は、必要に応じてその閉鎖区間を遮断通行帯制御モードでフリー通行帯並みの速度で閉鎖して、閉鎖遅延回復、あるいは閉鎖時間短縮を図ることも可能となる。仮に、自動車の強行進入によって遮断具23が破壊された場合には、最も移動体4及び門扉の安全性を考慮して閉鎖速度を編成した基本的変速閉鎖制御モードに戻すことにより安全閉鎖をバックアップすることができる。
この様に、門扉閉鎖の変速閉鎖制御方式は、通行帯の再々設計結果に基づいて通行帯ごとに順次閉鎖速度を変化させる基本的変速閉鎖制御モードを基本とし、再設計結果に着眼して、フリー通行帯を高速閉鎖する再設計後フリー通行帯制御モード、又、監視検知方式、新遮断方式での封鎖通行帯制御モード、遮断通行帯制御モードなど刻々と変化する門部A装置の状態、移動体4の状態を捉えて当該区間を変速して閉鎖することなど、閉鎖遅延回復、閉鎖促進などにも臨機に応用して、迅速・安全閉鎖を実現することができる。
遮断具23破壊防止策は、(a)フリー通行帯を遮断しないこと。(b)強行進入制止後遮断方式による自動車通行帯の遮断。(c)より精緻には、進入する個別の車幅を捉えての強行進入制止後遮断方式の適用がある。
又、遮断具23の遮断状況については、遮断開始、遮断中、遮断完了などの情報を、遮断具23破壊については、上述の様に遮断具23破壊情報を把握、監視することができる。
(a)門扉閉鎖開始、あるいは閉鎖中にあっては、通行・避難する移動体4に対し、警報を発しつつ閉鎖するが、特に門扉閉鎖開始直後の移動体4と門扉との接触・衝突回避のために、門扉側に門扉側フリー通行帯の一部を遮断する遮断機21を設置して、移動体4に対する門扉閉鎖開始の見える化を図っても良い。
(b)監視検知方式との組み合わせでは、監視検知方式における通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知する方式の封鎖通行帯と、新遮断方式の遮断具23による遮断通行帯は相当部分重複する。新遮断方式と監視検知方式の組合せ方式の場合で、封鎖通行帯と遮断通行帯が重複した場合には、遮断通行帯の方が一般に広範囲となるので、遮断、あるいは封鎖した通行帯を対象に、遮断通行帯制御モードでの運用が望ましい。本場合で、遮断具23が破壊された場合には、基本的変速閉鎖制御モードでの運用に転換し、その後、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知すれば、封鎖通行帯制御モードでの運用とすべきである。
(4)移動体4、門扉保護に力点を置く門扉閉鎖における擬似門扉、補助門扉5付加方式について説明する。
(ア)接触検知機能を付加しない場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(イ)接触検知機能を付加した場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合
―接触検知機能を付加しない場合―
(1)-1〔門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合〕
(ア)門扉本体3端に擬似門扉を設置し、視覚的に開口幅6の狭隘化を図ることにより、移動体4の開口幅のスペース300への進入躊躇を促し、主に外的障害、転倒への強度の弱い2輪車、歩行者の進入躊躇をさせることにより、門扉の閉鎖完遂を図る。
(イ)又、擬似門扉にスィング機構を取付けることにより、移動体4と擬似門扉の接触時、擬似門扉が逃げて、門扉本体3との直接接触・衝突を回避、移動体4の挟み込み防止、通過促進を図るとともに、移動体4の保護を図ることができる。
(ウ)但し、門扉本体3端に擬似門扉を設置する場合には、衝突回避がスィング径の範囲となるので、接触検知機能のない本方式では、門扉本体3は閉鎖継続せざるを得ず、門扉本体3との衝突前に衝突回避を完了させることが必要となる。これは通過方向に長い自動車向けの衝突回避策としては期待できない。従って、検知機能なしの擬似門扉は接触・衝突回避機能よりも、衝突緩和機能、視覚的開口幅6狭隘化機能、及び門扉本体3との衝突までに移動体4が退避可能とする前提で挟み込み防止機能に重点を置いた機構と位置付けられる。
(エ)門扉本体3端に擬似門扉を設置する場合には、閉鎖完了時、擬似門扉が門扉本体3と戸当り側堤防2との間に挟まれることを避けるために擬似門扉の格納あるいは退避機構が必要となる。
(オ)以上の門扉本体3と擬似門扉との構成で、接触検知機能が付加されていない場合には、門扉本体3は閉鎖動作のみを前提として適用せざるを得ず、移動体4と擬似門扉の瞬間的接触・衝突を緩和する機能を付加した形態であるといえる。具体的には、通過に当たって、移動体4の奥行き405方向に長く、接触時間を長く必要とするであろう自動車の通過するような陸閘ではなく、2輪車、歩行者だけが通行・避難するような小規模の陸閘に適しているといえる。
(1)-2〔補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合〕
(ア)補助門扉5と補助門扉5端に擬似門扉設置の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合、補助門扉5は、擬似門扉のスィング機構と組合せて適用し、門扉閉鎖時には、門扉本体3の閉鎖に先行して閉鎖し、開口幅6の狭隘化を促進、移動体4及び門扉本体3保護、挟み込み防止を図り、又、補助門扉5は、閉鎖完了時には門扉本体3と同速度で後退させて、擬似門扉が開口幅6の閉鎖状態を維持することにより、移動体4の新規進入防止を図り、且つ、補助門扉5、及び擬似門扉を格納する機能を発揮するなど、門扉本体3の閉鎖機能を補助する機構とすることができる。
(イ)ここで、補助門扉5と門扉本体3との閉鎖開始時期は同時期であっても良い。
(ウ)補助門扉5は、門扉本体3の側面に取付ける事が望ましい。
(エ)擬似門扉のスィング機構は移動体4との接触・衝突の緩和・回避を図り、移動体4、門扉本体3保護を行うことができる。
(オ)以上の補助門扉5と擬似門扉との構成で、接触検知機能がない場合には、門扉本体3は閉鎖動作のみ、補助門扉5も閉鎖完了時の後退以外は閉鎖動作だけという柔軟性ある動作ができない前提となるので、強行進入の可能性があり、奥行き405方向に長い自動車が殆ど通行しない、主に2輪車、歩行者が通行・避難する小規模陸閘に適しているといえる。
―接触検知機能を付加した場合―
(2)-1〔門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合〕
(ア)門扉本体3端に擬似門扉を設置し、スィング機構に加えて接触検知装置12を設置した場合、例えば、第1擬似門扉、第2擬似門扉の曲がり角度などによる門扉制御信号(停止、後退、閉鎖)によって、門扉本体3を動作させる場合には、接触検知装置12なしの項で述べた特徴、即ち、視覚的開口幅6の狭隘化、移動体4への進入躊躇促進、スイング機構による移動体4と門扉本体3との直接接触・衝突の緩和・回避、移動体4の挟み込み防止、などの特徴に加えて、自動車など移動体4奥行き405方向の長い移動体4との接触にも対応して、門扉本体3を停止させるなどして通過待ちした後閉鎖することができる。
(イ)門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合の弱点は、閉鎖完了時の擬似門扉の格納である。又、これに接触検知機能を付加した場合、門扉制御信号に応じて門扉本体3を動作させることは、動作負荷が大きく、且つ、動きも鈍重となる。従って、擬似門扉の格納機能、及び門扉本体3に代替・先行して軽快に動作する補助門扉5が必要となってくる。
(ウ)更に、接触検知機能により門扉本体3を停止させて移動体4の通過待ちをさせる場合、同サイズの移動体4が連続通過を試みると門扉本体3を閉鎖できず、閉鎖遅延が発生する可能性がある。この様な場合には当該門でアラームを発する他、閉鎖遅延発令時間などを基準にセンタB介入を要請し、センタBからの進入禁止などの警告を措置する必要も発生する。
(2)-2〔補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合〕
(ア)本方式は、前述した補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合の特徴をそのまま生かし、且つ接触検知機能が付加された方式である。
(イ)接触検知の門扉制御信号(閉鎖、停止、後退)に基づき、補助門扉5制御を行わせることにより、門部Aの自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式である。
(ウ)補助門扉5は門扉本体3に比較して圧倒的に軽量化が可能であるため、補助門扉5を門扉本体3に先行動作させることにより、補助門扉5の先行できるストローク(補助門扉5の閉鎖ストローク)を活用して上述の効果をより柔軟且つ強力に発揮することができる。
(エ)一方、門扉本体3は、津波の押し波、引き波の衝撃に耐えるため、堅牢であることを要し、従って、非常に重い構造物であることが想定される。又、地震津波の場合には、地震によって主電源が断絶し、蓄電池など限られたバックアップ動力源でこの重量構造物を稼動させるなど最悪の状況を想定しておく必要がある。
(オ)従って、以下では、接触検知時、門扉本体3を停止させない場合、停止させる場合、停止、後退させる場合を考える。尚、閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、下記のように共通であると考える。
(a)閉鎖開始時
i.補助門扉5は、門扉本体3閉鎖に先行して閉鎖開始し、移動体4との接触・衝突から門扉本体3を保護する。
ii.補助門扉5がその閉鎖ストロークに伸びきるタイミングで門扉本体3が閉鎖開始する。門扉本体3の定められた閉鎖速度に滑らかに移行するためには門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を減速して、補助門扉5と門扉本体3の速度の和を一定にすることが望ましい。
iii.門扉本体3が閉鎖開始する前に、接触検知した場合には、門扉本体3はまだ閉鎖開始していないので、門扉制御信号に従って、補助門扉5を停止、後退させる。
iv.尚、閉鎖開始時の補助門扉5の閉鎖は、門扉本体3閉鎖開始に先行して閉鎖開始することが望ましいが、閉鎖開始直後は、通行帯の概念を持ち出すまでもなく、移動体4と門扉との接触・衝突は殆ど発生しないので、閉鎖開始時期は同時期であっても良い。この時の補助門扉5が閉鎖ストロークまで伸びきるまでの動作制御は、閉鎖中の制御に準じる。
(b)閉鎖完了時
i.擬似門扉端が堤防2(戸当たり側)に到着時、門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を後退させて、開口幅6の閉鎖状態を維持しながら門扉本体3の閉鎖を完了させることが望ましい。これにより、移動体4の新規侵入を防止し、同時に補助門扉5、及び擬似門扉を格納させることができる。
ii.補助門扉5、及び擬似門扉によって、開口幅6がゼロ、即ち閉鎖状態となっている時、門扉本体3も閉鎖完了間際の位置を閉鎖中であり、移動体4もそれを視覚、移動音、振動などで察知することができる。このような状態の中においては、移動体4が疑似門扉1をこじ開けるなどして進入することは極めて稀であると考えられる。(避難階段も傍に設置されている)
iii.よって、閉鎖完了時においては、接触検知せずにせず閉鎖する方式であってもよいし、以下に示す閉鎖中の接触検知による門扉制御の方式を採用しても良い。
(2)-2(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、前述に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5の動作については、
(a)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が停止なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を停止させ、移動体4と同一接触状態を維持する必要がある。このために、門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(b)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が後退なら、地上基点の補助門扉5の位置を後退させるために、門扉本体3の閉鎖速度以上の速度で補助門扉5を後退させる。門扉制御信号が停止となれば、上記(a)項の制御を行う。
(c)移動体4が通過などして、門扉制御信号が閉鎖となれば、補助門扉5を閉鎖させる。この時、門扉本体3も閉鎖中であるので、門扉全体の閉鎖速度を定められた閉鎖速度に保つ為に、補助門扉5閉鎖速度+門扉本体3の閉鎖速度=定められた閉鎖速度 等に調整して補助門扉5が閉鎖ストロークに伸びきるタイミングで門扉本体3の閉鎖速度=定められた閉鎖速度とするなど、門扉全体の閉鎖速度をスムーズ化することが望ましい。
(ウ)本方式の効果
(a)本方式は、門扉本体3を停止させないので、門扉本体3を停止あるいは後退させる方式よりも動力エネルギーが節約できる。
(b)しかしながら、補助門扉5が後退できるストロークに限界がある。又、補助門扉5が後退している間に移動体4が通過するなどして門扉制御信号が閉鎖となるか不確定のため、門扉制御信号が停止、あるいは後退となったときに門扉本体3の閉鎖速度を減速して、補助門扉5が後退できる時間を長引かせるなど工夫も必要となる。
(c)又、補助門扉5が後退する一方、門扉本体3の閉鎖が進み、補助門扉5の後退代がなくなってしまう可能性があり、後退代がなくなる前に<後退代残少警告>などのトリガーによって、センタBの介入による門扉本体3の閉鎖停止、あるいは移動体4排除措置をおこなう必要がある。
(d)移動体4、特に類似幅の自動車の連続通過強行などの発生を想定すると、門扉本体3を停止しない仕組みが、後退できるストロークを狭め、センタB介入のポテンシャルを高めるので、多数の門部Aを限られた人員で対応するセンタB側の能力を、対処能力不足とする可能性があり、自律的門閉鎖を目指すシステムとしては、不安定な要素を内包しているシステムであるといえる。又、センタB操作であれ、門扉を何度も停止、再閉鎖指示するなら表題の門扉本体3を停止させない方式の区分そのものが成立たないことになる。
(2)-2(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、上記に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5、及び門扉本体3の一連の動作を下記する。
(a)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が停止なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を停止させ、移動体4と同一接触状態を維持する必要がある。このためには、門扉本体3の制動から停止の速度変化に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(b)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が後退なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を後退させる必要がある。このため、門扉本体3を制動、停止させる一方、補助門扉5は門扉本体3の制動・停止速度以上の速度で後退させる必要がある。
(c)補助門扉5が後退して、門扉制御信号が停止となれば、補助門扉5を停止する。
(d)門扉本体3が既に停止していて門扉制御信号が後退なら、門扉制御信号が停止となるまで補助門扉5を後退させる。
(e)ここで、補助門扉5の後退できる距離は後退代の範囲となる。
(f)移動体4が通過するなどして、門扉制御信号が閉鎖となれば、閉鎖開始時の動作で閉鎖開始する。
(ウ)本方式の効果
(a)本方式は、門扉制御信号の停止、後退の信号に基づいて門扉本体3を停止させる方式であるので、停止させない方式に加えて、門扉本体3が停止後、門扉制御信号が停止となった段階で、補助門扉5の更なる後退が不要となるので、門扉本体3の制動・停止距離分だけが補助門扉5の後退距離となり、後退距離を短縮することができる。
(b)又、門扉制御信号が停止である限り、補助門扉5は停止状態を保つことができるので、時間的に移動体4の通過をいつまでも待つことができる。移動体4の通過後、門扉制御信号が閉鎖となれば、閉鎖開始時の動作で補助門扉5を先行させて閉鎖を開始することができる。又、門扉制御信号が後退の場合、補助門扉5の後退代の範囲で、門扉制御信号が停止状態となるまで補助門扉5を後退させて、移動体4の通過をやり過ごすことができる。
(c)ここで、補助門扉5の後退代には限界があるので、後退代がなくなる前に<後退代残少警告>などを発して、センタB介入操作に頼らざるを得ない。
(d)これらの動きは、類似の幅の移動体4が連続して接触通過する場合を想定すると分かりやすい。即ち、門扉本体3が停止し、類似幅の移動体4が連続通過する状態の中で、門扉制御信号に従って補助門扉5だけが閉鎖、停止、後退の動作を行なうので、移動体4との接触に、後退代の範囲で、より柔軟で迅速な自律的な対応を行うと共に、移動体4、および門扉保護を実現することができるのである。
(e)強行進入する可能性の高い自動車の進入を考える時、軽4輪車がどうやら通過し、次に大型自動車の順で強行進入するような最悪の場合にも、門扉本体3との接触・衝突などの影響を与えずに、擬似門扉だけのスイング機構でやり過ごすことを可能とするためには、擬似門扉のスイング径は、少なくとも大型自動車と軽4輪車の幅の差(約1m)を確保する必要がある。
(f)この時、移動体4の通過、連続通過などによる閉鎖遅延は、閉鎖時間の遅延を計測してセンタB介入を要請する「閉鎖遅延時刻(経過)」などにより、センタB介入を促すことができる。
(g)門扉本体3に停止、再閉鎖を動作させるためには、地震障害に強い主動力源の採用、あるいは、強力なバックアップ動力源の確保、あるいは同時に、炭素繊維など強度が高く軽量な素材などにより門扉本体3の軽量化が必要となる。
(2)-2(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合
門扉本体3を後退させることは、後退距離分だけの往復の動作、及びその時間が必要となる。この為に、最悪の事態として、バックアップ動力源だけでの稼動も考慮せざるを得ない本設備環境の中で、使用エネルギーが更に多く必要となる門扉本体3の後退はできるだけ避けたい。
従って、疑似門扉1の長さや、後退代設定の工夫など、門扉本体3の停止までの段階で処理し、<後退代残少警告>に代替する補助門扉5のそれ以上の後退が出来ない補助門扉5後退完了の信号が発信された時初めて門扉本体3が後退するなど、門扉本体3の後退は最後の手段の仕組みとしたい。
従って、
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、上記に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5、及び門扉本体3の一連の動作は、
(a)「接触検知時、門扉本体3を停止させる場合」と同じ動作を行い、
(b)門扉制御信号が後退となった時にだけ、補助門扉5後退完了信号の発信があった場合に門扉本体3を後退させる仕組みとする。
(c)門扉本体3後退の終了は、補助門扉5後退完了信号の発信が無くなった時、あるいは、門扉制御信号が門扉閉鎖、門扉停止、となったときとする。
(ウ)本方式の効果
(a)接触検知時、「門扉本体3を停止させない場合」、「門扉本体3を停止させる場合」の効果に加えて、後退できることのメリットが付加され、開口幅6の狭隘化、スィング機能による直接接触・衝突回避・衝突緩和機能、挟み込み防止、移動体4・門扉本体3保護、及び後退代の制限なく、門扉制御信号に従って補助門扉5だけが閉鎖、停止、後退の動作を行なうことにより、移動体4との接触を更に強化、且つ柔軟に運用することができ、門閉鎖の自律的対応がより可能となる。
(b)門扉本体3を停止、後退させるために、主、あるいはバックアップ動力源の確保、門扉本体3の軽量化などが必要であるが、門扉本体3を後退させる本方式は、遠隔制御の動力化門を前提としているので、前項で述べた門扉本体3停止への機構追加は殆ど不要であり、主にエネルギー、及び、時間の要素の問題であるため、津波来襲までこれらの要素が許せば本方式の採用を推奨したい。
(c) 接触検知方式と他方式との組合せ方式の効果
補助門扉5、疑似門扉1構成の接触検知方式と他の方式との組み合わせを考えると、接触検知方式だけでも十分自律的門閉鎖機能を発揮できることは、上記説明の通りである。更に他の方式との組み合わせで発揮できる効果について述べる。
(5)接触検知方式だけでは閉鎖阻害回復できないであろう、自動車に対する連続通過防止モードについて説明する。
(6)非接触で移動体4その他の動態を把握し、閉鎖制御を行う監視検知方式について説明する。
i.センタB介入を要請する情報提供(センタB介入要請情報)
ii.封鎖通行帯検知方式
iii.移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
iv.通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式
v.上記に関連した状況をセンタBに報告する情報提供(状況報告)
(ア)センタB介入要請情報
下記事象を検知したときには、門閉鎖に重大な影響を及ぼす(前兆)情報として、センタB介入の要請を発報する。このセンタB介入要請情報の発報により門閉鎖の遅延発生、閉鎖不可状況の発生を未然防止、あるいは早期発見に繋げて門閉鎖のスムーズ化、全門閉鎖完遂を目指す。監視検知方式でのセンタB介入要請情報には下記がある。
(a)通過ゾーンC409に移動体4の停滞を検知したとき。
(b)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4を検知したとき。
(イ)封鎖通行帯検知方式
門扉が徐々に閉鎖して開口幅6が狭くなる中、移動体4、特に自動車が通過できずに門の前(通過ゾーンA410 )で停止・停滞する事象が発生する可能性がある。本事象発生以降、後続の自動車は同門の通過が不可能となる。従って、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知した場合には、当該自動車に対向する通行帯(封鎖通行帯という)が封鎖され、当該通行帯では自動車による閉鎖上の障害は発生しないと看做すことができ、従って、その通行帯はより高速化して封鎖通行帯制御モードで門閉鎖が可能となる。これは恰も遮断具23で通行遮断した範囲を高速閉鎖することと同じである。
(ウ)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
門扉の機能を破壊する元凶として、自動車の接触・衝突が挙げられる。移動体4、特に自動車が遠方より高速で門部Aに接近して、門扉に接触・衝突すると、閉鎖遅延の原因となるばかりでなく、門扉の機能を破壊すれば、門扉の閉鎖不可に繋がり、最悪の場合、津波の侵入を許すことになる。
(エ) 通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式
本方式は、通過ゾーンC409に停滞する移動体4の停滞解消後に向けて、開口幅6を移動体4の近傍まで縮小し、(周辺避難者の協力などによる)移動体4の停滞解消後、門扉の閉鎖距離、閉鎖時間をできるだけ縮小する方式である。
(オ)本方式によるセンタBへの状況報告情報
監視検知方式で把握したセンタBへの状況報告情報には、下記などがある。
(a)移動体4個々の位置403・動態などの情報
個々の移動体4の位置403、形状(幅、奥行き405、車輪数など)、動態(速度、方向など)
(b)移動体4の動作不審アラーム;通過ゾーンC409の移動体4動作が停止、後退など
(c)移動体4種別予測情報;移動体4の特徴を元に移動体4種別を予測した結果情報
(d)封鎖通行帯情報 ;通過ゾーンA410に停滞する移動体4の位置403、形状、封鎖通行帯検知方式適用中情報、及び封鎖通行帯情報など
(e)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式適用中情報
(f)門扉端の位置情報など
以下、本発明提案への理解の一助とするため、図1を用いて説明する。
(1)〔通行帯〕
(ア)通行帯の概念は引き戸式門の全ての道路幅員に適用できる。
(イ)通行帯とは、津波等発生時、陸閘を通行・避難する移動体4種類(自動車、2輪車、歩行者)がどうやら通過できる開口幅6区分を通行帯と称し、これを基本設計、再設計、再々設計(以下、再設計、再々設計を再(々)設計という)することにより、全ての道路幅員構造に普遍的に適用可能とした開口幅6区分の概念である。
(ウ)通行帯の概念の適用で(a)通行帯ごとの門部A閉鎖の安全/危機を明確化。以下の諸方式の全部あるいは個別の組み合わせ方式で、(b)通行帯毎に「緩急」を付けた門部Aの自律的閉鎖制御対応、センタB監視対応を可能化する。(c)通行帯には、フリー通行帯、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯がある。
(2)〔変速閉鎖制御〕
(ア)通行帯ごとの迅速・安全閉鎖;変速閉鎖制御は、通行帯設計の知見に基づき、安全増しした通行帯の再々設計結果を適用した基本的変速閉鎖制御モードを基本とし、その閉鎖速度はフリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯とし、通行帯ごとの変速閉鎖制御で門扉の迅速・安全閉鎖を図る。特に、閉鎖障害の起こらないフリー通行帯の高速閉鎖、2輪車、歩行者向け低速安全閉鎖などを図る。
(イ)閉鎖速度設計による津波到達前門扉閉鎖計画の立案;当該地域の津波到達予想時間前に安全余裕時間その他の時間を確保して、フリー通行帯の高速閉鎖など通行帯の特性ごとに閉鎖速度(閉鎖時間)を割振って津波到達に間に合う門扉閉鎖計画を立案する。
(ウ)閉鎖の安全を踏まえた通行帯の変速閉鎖制御
(a)閉鎖遅延発生時などの回復策として、再々設計時安全増しのために2輪車通行帯とした通行帯の高速閉鎖(再設計後フリー通行帯制御モード)により、安全に閉鎖遅延回復、閉鎖時間短縮を図ることができる。
(b)監視検知方式との組合せで、通過ゾーンA410に自動車停滞時、当該自動車が封鎖した通行帯の高速閉鎖(封鎖通行帯制御モード)により、閉鎖遅延回復、閉鎖時間短縮を図ることができる。
(3)〔新遮断方式〕
(ア)新遮断方式は、通行帯設計、及び移動体4の通行特性の知見に基づき、自動車が遮断具23破壊の元凶として、フリー通行帯非遮断で自動車の強行進入制止後遮断方式を採ることにより、迅速・安全閉鎖を目指す。
(イ)即ち、従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯の遮断にあるため、フリー通行帯は遮断せず、遮断具23破壊の回避を図り、自動車通行帯の遮断を確実化させ、同時に、フリー通行帯の移動体4の通行、避難を可能とする。
(ウ)自動車通行帯遮断では、門扉の開口幅6狭隘化(自動車操作者にとっては、強行進入可否感)と遮断具23遮断(同、法的規制感)の2重の効果によって、自動車の進入を自制させ、遮断具23破壊の回避を狙う強行進入制止後遮断方式をとる。又、遮断具23破壊の検知でセンタB介入要請する。(従来方式を通行遮断後門扉閉鎖方式と呼ぶ)
(エ)遮断具23破壊の有無により変速閉鎖制御モードを切替え、破壊なしなら、遮断通行帯制御モードで遮断通行帯を高速閉鎖、破壊有りなら、基本的変速閉鎖制御モードの安全閉鎖に戻して、センタB介入要請する。バックアップとして、接触検知方式、監視検知方式などとの組合せ方式で対処する。
(4)〔補助門扉5(単独)方式〕
(ア)補助門扉5(単独)方式は、重厚な門扉本体3に先行して、軽量・軽快な動作で閉鎖制御することにより、開口幅6を早期狭隘化して移動体4の進入躊躇・断念を促進する。
(イ)閉鎖完了時には先行する補助門扉5が新たな移動体4の進入を防止しつつ、後退することにより、門扉本体3閉鎖の確実化を図る。
(ウ)擬似門扉のスィング機構は、移動体4との接触・衝突の緩和、あるいは回避を図り、閉鎖完了時には挟み込み防止を図ることにより、門扉、移動体4を保護し、門扉の閉鎖完遂を目指すことができる。
(5)〔接触検知方式〕
(ア)接触検知方式は、補助門扉5方式の発展形で、移動体4を検知して、接触検知SWの門扉制御信号により、軽量な補助門扉5を主体に閉鎖、停止、後退の軽快な開閉制御を行うことにより、移動体4、特に自動車との衝突回避を図りつつ柔軟な自律的門扉閉鎖を目指すことができる。
(イ)各門部Aが本方式で自律的門扉閉鎖することにより、センタB監視人員数、あるいはセンタB負荷の大幅削減を図ることができる。
(ウ)通行帯との組合せで、例えばセンタBでは、門扉が自動車通行帯に至る/あるいはある時、移動体4、特に自動車との衝突の危機が高まるので、監視緩急度を上げたセンタB監視を準備できる。又自動車通行帯閉鎖後は残置物通行帯まで大きな閉鎖阻害要因が無くなるので、当該門部Aの監視緩急度を低くして、他の門部Aに監視の集中を移すことができる。
(エ)残置物通行帯では、残置物を接触検知して門扉停止、センタB介入要請、挟み込み防止し、門の閉鎖完遂を目指すことができる。
(オ)変速閉鎖制御との組合せでは、全通行帯にわたって接触検知できるので、フリー通行帯高速閉鎖のメリット、歩行者通行帯での接触検知即停止などによる歩行者保護など、積極的、相乗的に両方式のメリットを生かすことができる。
(カ)新遮断方式との組合せでは、遮断具23破壊時のバックアップ方式として活用できる。
(キ)監視検知方式との組み合わせでは、通過ゾーンC409 は接触検知対応、門周辺、あるいは遠方の非接触領域は、監視検知方式対応と対応領域を住み分けて全方位的対応を実現できる。
(6)〔連続通過防止モード〕
(ア)連続通過防止モードは、自動車の連続強行進入という、接触検知方式の柔軟な自律的閉鎖制御の弱点をセンタB発動の半自動操作でセンタB負荷を抑えながら対応することができる。
(7)〔監視検知方式〕
(ア)監視検知方式の特徴は非接触で移動体4を検知して自律的門扉閉鎖を目指すところにある。単独では、移動体4の動態把握、通過ゾーンC409での移動体4の停滞検知によるセンタB介入要請、及び開口幅6縮小方式、遠方より高速・強行進入する移動体4と門扉との接触・衝突防止を図る移動体4到着時同幅閉鎖停止方式などがある。
(イ)通行帯の概念、あるいは、通行帯ごとの変速閉鎖制御と組合せて、残置物通行帯での移動体4の監視検知による挟み込み防止、センタB介入要請。自動車の通過ゾーンA410での進入路封鎖停滞を捉えた封鎖通行帯検知方式による閉鎖速度切替(封鎖通行帯制御モード)などを実現する。
(ウ)接触検知方式との組合せでは、移動体監視対象範囲43の接触、非接触に関らず全ての移動体4を門部Aの自律的制御の対象とできるので、より高度な門部Aの自律的制御が可能となる。
(エ)新遮断方式との組合せでは、遮断具23破壊時のバックアップ方式として活用できる。
〔全体、あるいは、組合せ方式〕
(ア)以上のべた種々の方式の全体、あるいは、個別の組合せで、門扉閉鎖に関る種々の課題、即ち、津波到達前に余裕時間などを確保しながら門扉閉鎖完遂を行なうための計画立案から実施に関る課題解決を行うことが出来る。
(8)〔情報〕
諸方式で発信する情報は、自律的閉鎖などのために門制御装置7で処理されて門部A内部で活用される他、センタBの監視・操作向けに「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などとして発信される。又、センタBからは、津波警報発令(門閉鎖指示)情報や連続通過防止モード含む門扉操作等の情報が、門部Aへ発信される。
(9)〔センタB監視・操作〕
(ア)センタB監視・操作では、全体、あるいは、組合せ方式で作成する各門部Aからの「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などを各種センタB監視画面で監視し、必要に応じて、門部A別遠隔監視・操作画面などを通じて当該門部Aへの対応操作を実施する。
(イ)「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などの情報は、センタB画面上、光、音などの警報発報に反映することにより、センタB員の監視・操作を支援する。センタB介入要請情報には、(a)機器・装置に関して、門扉故障、遮断具23破壊、(b)移動体4の動態に関して、通過ゾーンC409に移動体4の停滞、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有、(c)閉鎖遅延等時間軸に関して、閉鎖遅延時刻、センタB介入要請時刻、津波到達時刻などがある。
(ウ)24時間365日、常時監視を必要とされるセンタBでは、センタB員参集の不確実性、少数人員によるセンタB監視の負荷軽減を狙って、特徴的には下記が挙げられる。
(a)センタB監視・操作等センタB員に大きく依存しない各門部Aの自律的自動閉鎖化(遠隔自動閉鎖化)を目指す、上記提案した種々方式の全体あるいは個別組合せによる門扉閉鎖方式の適用。
(b)センタB監視でセンタB介入等必要な場合に、センタB員の監視負荷低減を目指す一覧表示効果を高めた下記方式
i.1門部Aの1ブロック表示。ブロック内各項目の同一位置配置による一覧性向上。
ii.センタB員監視の閉鎖クリティカル度、監視緩急度ごとの集中化促進
・閉鎖クリテイカル度ごとの並べ替え、当センタB員対応外門のフェードアウトなど
・変速閉鎖制御方式、新遮断方式、封鎖通行帯方式ほか適用中表示による監視緩急度低下表示、監視集中化門からの力点移動支援
iii.視認性、危機認識(緩急監視)の向上、センタB対応の効率化;
・通行帯の象徴的絵文字ボタン表示による現時点の閉鎖進度と監視緩急度の視認性向上、容易識別化。
・管掌門全体を地震津波発生から津波到達まで同一幅内の時間軸で把握できることに着目した、変速閉鎖制御を踏まえた閉鎖進度の時間軸表示による進度表示の同一枠内、同一基準表示による閉鎖進度の一元、一覧管理化、優先対応門部A抽出の効率化。
iv.門扉閉鎖完遂に対する危険因子順序付け表示。危険因子順序付けから派生して、自動車通行帯、残置物通行帯など通行帯ごとのセンタB監視担当者配置運用提案など
開口幅のスペース300は、開口幅6が作る隙間、空間、即ち移動体4の通過空間を示す。
接触検知SW(1)104,接触検知SW(2)106は、関節の一定の屈曲角度によってon/off動作するものとする。
本発明では、現在の陸閘の大半を占める引き戸式陸閘の例で説明する。開口幅6が水平方向に閉じると言う意味では開き戸式の陸閘にも適用可能である。
門扉は、門扉本体3だけで構成される場合、門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉から構成される場合(補助門扉5設置の場合には、疑似門扉1が付設される)、門扉本体3に擬似門扉が直接付設される場合がある。以下、必要に応じ門扉の構成を明確化して説明する。
詳細は後述するが、補助門扉5(擬似門扉)を活用した門扉の閉鎖方式を接触検知機能の有無によって下記に分類する。
(1)接触検知機能を付加しない場合。
(ア)門扉本体3に疑似門扉1を設置した場合
(イ)補助門扉5と疑似門扉1の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(2)接触検知機能を付加した場合
(ア)門扉本体3に疑似門扉1を設置した場合
(イ)補助門扉5と疑似門扉1の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
図2は、門扉が門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉から構成される場合である。
擬似門扉1により狭まったように見える開口幅6は、移動体4に対し門部A通過可否の判断を支援し、開口幅6を狭める、あるいは狭まったようにみせる構造から、特に自動車の無理な通過を躊躇・断念させると共に、スィング機構により補助門扉5、門扉本体3あるいは堤防2など門閉鎖機構の破壊防止を図り、門閉鎖の早期達成を図ることができる。
<挟み込み防止>
移動体4、特に人の挟み込み防止は、下記で図る。
(1)補助門扉5、擬似門扉が門扉本体3に先行して閉鎖し、上述開口幅のスペース300狭隘化により移動体4に進入躊躇・断念を促し、それでも進入する移動体4に対しては、擬似門扉の関節(スィング機構)で挟み込みを防止する。
(2)閉鎖完了時、先行した補助門扉5、疑似門扉1が堤防2(戸当り側)との閉鎖状態を(補助門扉5を後退させるなどして)維持しながら、門扉本体3の閉鎖を完了させることにより、新たな移動体4の進入を防止する。
(3)移動体4との接触を検知して門扉の閉鎖制御する(接触検知方式;後述)、監視検知方式で閉鎖間際の残置物を検知(監視検知方式;後述)する。など。
津波警報発令時、移動体4は、一般に海側401から陸側402へ避難するので、以降、移動体4が避難してくる方向を海側401、反対側を陸側402という。但し、海岸付近の河川に設置される陸閘については、河川側を海側401、反対側を陸側402とする。
(1)港湾;荷役施設、倉庫、港湾管理施設、造船所など
(2)漁港;魚河岸、漁協施設、水産加工施設
(3)海岸;観光施設、季節により海水浴場、及び海水浴客のための駐車場など
(4)河川敷;公園、遊歩道など……海岸と同じに取り扱う
従って、(1)(2)の避難者は生産年齢の成人が多いが、(3)(4)では性別年齢は多種多様である。
・門扉本体3、補助門扉5、擬似門扉1から構成される場合、
・門扉本体3だけで構成される場合、
・門扉本体3に擬似門扉5が直接設置される場合、があり、
これらの構成、設置状態は、各説明の単位ごとに定義するものとする。
(1)津波センサは、複数であっても良く、門部Aあるいはその周辺に設置され、津波の来襲及び浸水深を検知する。
(2)同様に、監視カメラ25映像を活用し、既存技術の自動車のナンバープレート識別装置によって移動体4のナンバープレートのナンバーを警告に付加する事も効果を高めると思われる。
(No.1 移動体4種類の幅、法規制や実態に即して)
門部Aを経由して避難する最大幅の移動体4は自動車で、その車幅は車両制限令、道路運送車両法などで法的に規定されており、最大幅の大型車は現在2.5m以下となっている。従って、一般に通行する2.5mを超える幅の移動体4は存在しない。同様に、軽4輪自動車(以下、軽4輪車ともいう)の車幅は1.5mとなっているので、自動車の車幅は2.5m〜1.5mと定義できる。又、1.5mは最大車幅であるので、世の中にはそれ以下の軽4輪自動車が存在する。尚、正確には、軽4輪自動車の最大車幅は1.48m以下と規定されているが、ここでは1.5mと丸めた寸法で表現する。
(No.2,3 移動体4の種類と特徴;転倒への強度、外的障害への強度)
これらの特徴的幅を持つ移動体4を転倒への強度及び外的障害への強度で分類すると、
(1)自動車は一般に4本以上の車輪で支えられており、容易に転倒せず、転倒への強度は強い。又、全体が車体構造に覆われているので、即ち外的甲装を持ち、乗員は外的障害に対し強く、相当程度安全である。特に自動車の中でもトラックなど車幅の大きい自動車は、転倒、外的障害への強度が大きい傾向がある。一方、その外的甲装および大きな推進力を持つことから強く衝突した場合、門扉の破壊などを発生させる可能性がある。
(2)バイク、自転車など2輪車は自立せず、余震、瓦礫中の走行は不安定で、門扉と接触すると容易に転倒し、転倒への強度は最も弱い。又、外的甲装を持たず、速度が速いだけに歩行者よりもさらに外的障害に弱いといえる。
(3)歩行者は、2輪車と比較して前後左右に機敏に動くことができ、転倒しないといえる。又、仮に転倒した場合であっても津波避難の環境下周囲の人達の介助が期待できる。歩行者は外的甲装は持たないが門扉との関係では挟み込み防止装置など各種の安全装置の作動が期待できる。
(4)残置物は、もし存在するとすれば、移動体4あるいはその一部である。2輪車や人と異なり、自ら動かないと言う意味で既に転倒状態にあるものといえる。
(No.4 移動体4の種類と特徴;避難量の推定)
津波の防御ラインの海側401から避難する移動体4の種類と量に付いて調査し、避難量を推定した。表2で新車販売台数に数値の根拠を示す。
(1)自動車、バイク
(ア)登録車(=普通、小型乗用車、普通、小型貨物車、バス)+軽4輪車+バイクの国内販売台数は4.6M台/年で、登録車、軽4輪車が91%を占め多い。
(イ)これらは、要援護者を乗せての避難に使用される他、東日本大震災のアンケートでは、自動車を使って避難したいという強い意思が見られた。
(ウ)ここで、自動車、バイクの数量は、本来ストック台数で論議すべきだが、関連資料が確認できず、新車販売台数で代替した。
(エ)又、津波発生時、防御ラインの海側401に居る人、即ち移動体4は、海側401の施設の性質に依存するので全国平均値と必ずしも一致するわけではないが、次善の策として採用した。
(2)バイク
バイク構成比は、9%と少なく自転車と合せても移動体4の絶対数が最小と想定できる。
(3)人(歩行者)
自動車による避難は、渋滞発生の可能性があり、歩行避難の奨励、及び、避難途中で自動車を放棄して歩行避難に切替た人も含め、最多数が歩行避難すると思われる。
(No.5 移動体4の種類と特徴;開口幅6との関係)
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない)の特徴は、
(1-1)開口幅6が圧倒的に広いため、移動体4と門扉との接触・衝突は殆ど起こらない。
(1-2)門扉が徐々に閉鎖する中、門扉側を避難する2輪車(自転車)、歩行者は門扉が障害物となって、車道部にはみ出さざるをえず、自動車、2輪車、歩行者が混在避難する。
(1-3)当該門部Aを通行する大型車が無い場合などの運用では、当該門部Aを通行する最大車幅の自動車幅を移動体幅404とするなどの交通実態で運用した方が迅速閉鎖できる。
(2)自動車の特徴は、
(2-1)転倒、外的障害に対し、非常に強いため強行進入・通過を行う可能性がある。
(2-2)自動車の開口幅6で2輪車、歩行者が混在避難し、2輪車、歩行者は悠々通過できる。
(2-3)自動車が通過ゾーンA410 に停滞すると、他の自動車、2輪車、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(2-4)当該門部Aを通行する大型車が無い場合などの運用では、当該門部Aを通行する最大車幅の自動車幅を移動体幅404とするなどの交通実態で運用した方が迅速閉鎖できる。
(3)2輪車の特徴は、
(3-1)2輪車は、門扉と接触時転倒しやすく、又、外的甲装を持たないため、2輪車と同程度の開口幅6の狭隘部への進入を躊躇する。
(3-2)2輪車の開口幅6で歩行者が混在避難する。自動車は進入できない。
(3-3)自動車が通過ゾーンA410 で停滞すると、2輪車、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(4)歩行者の特徴は、
(4-1)歩行者は、外的甲装を持たないため、歩行者と同程度の開口幅6の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。
(4-2)歩行者の開口幅6では、自動車、2輪車は進入できない。
(4-3)自動車が通過ゾーンA410 で停滞すると、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(5)残置物の特徴は、
(5-1)新たに進入する移動体4は殆ど存在しない。
(5-2)仮に、移動体4あるいは移動体4の一部など残置物が存在すると閉鎖不可となる。
である。
「東日本大震災での津波来襲の映像記憶の残る人、特に自動車で避難しようとする人は、開口幅6が自車の車幅に近づいた際、背後に迫り来る津波と、門扉と衝突するかもしれない、挟まれるかもしれない恐怖との狭間で、自動車が転倒や外的障害に強いことから多少ムリしても通過しようと考えるであろうし、外的障害に対して無防備な2輪車や歩行者は、重量音を発しながら、厚さ1m高さ3〜4mにも達する鉄風の壁が身体近辺に迫ってきたら、幾ら人の動きが門扉に対し10倍速い(仮に閉鎖速度10cm/秒、人の歩行速度110cm/秒(4Km/時) とする)としても恐怖を感じてその狭隘部に進入することには尻込みするに違いない。」と記述できるであろう。
(No.6 どうやら通過の開口幅6区分)
移動体4が通過可否を認知する開口幅6には、それを判断する個人的にかなりのばらつきがあり、また、津波からの避難という異常状態の中での行動は判断の冷静さにも欠けることが考えられる。ここで、以上述べた移動体4種類ごとの特徴的通行特性を踏まえ「どうやら通過できる」と判断し、進入・通過を試みる可能性のある開口幅6区分を推定する。ここで移動体4通過のための余裕幅を移動体幅404の両側で合計αmとする。
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない);全開放時の開口幅6≧開口幅6>大型車幅+α
当該道路部を全移動体4が余裕を持って通過できるので、「どうやら通過」の範疇から外れるが、自動車を超える開口幅6の定義として設定した。下限値は大型車幅+αとした。
(2)自動車;大型車幅+α≧開口幅6>軽4輪車幅+α
開口幅6の上限値は、大型車幅+αと設定できる。
下限値は、軽4輪車幅+αとしても良い。しかしながら、下記要素、即ち、自動車としてのf要素、軽4輪車の量的要素、及び次の移動体4種類の最大幅の2輪車の台数的要素などを反映させ、且つ、門扉制御の為に移動体4種類間の境界値の連続性を採って軽4輪車幅(1.5m)と設定した。
(ア)自動車(軽4輪車)は、転倒、外的障害に強く、門扉との接触を省みず強行進入の可能性がある。中でも、別途説明する擬似門扉付設の門扉の場合、軽4輪車は、開口幅6=軽4輪車幅であった場合でも、強行進入してスィング機構を持つ擬似門扉と接触しつつ通過することができる。
(イ)軽4輪車は乗用車販売台数の約30%を占め、量的に多いので、上記強行進入の可能性を無視できない。。
(ウ)一方、2輪車幅+αが1.5mを越える2輪車は殆ど存在しない。従って、2輪車の上限値を軽4輪車幅まで下げても、実務上問題ない。
(エ)よって、自動車の通行できる開口幅6の下限値は、軽4輪車幅+αよりも、少し下げて軽4輪車幅とした方が実務的、且つ、安全サイドの管理ができであろうと判断した。
自動車の下限値について、開口幅6>軽4輪車幅+αとした場合は、その時の2輪車の上限値は、軽4輪車幅+α≧開口幅6となる。
ここで、軽4輪車は軽3輪車を含むものとする。但し、軽3輪車の走行台数はほぼ0であり、無視することができる。
(3)2輪車;バイク車幅+α≧開口幅6>自転車幅+α
以下に述べる数値的根拠を表3を用いて、主なバイクの販売台数比率と車幅に示す。
(1)歩行者;肩幅+α≧開口幅6>胸厚+α
上限値に肩幅+αは、2輪車幅下限値自転車幅(0.6m)+αと同じである。下限値に胸厚+αを使用した。
(2)残置物;胸厚+α≧開口幅6≧0m
上限値に胸厚+α、下限値は、閉鎖完了状態を示すので、開口幅6を「0」とした。
上記開口幅6区分の定義に、移動体幅404の寸法、及び、余裕幅α=0.6mを仮定的に当て嵌め、より具体的なイメージを提示する。
(No.8_移動体幅404を基準とした開口幅6区分名称(=通行帯と称す))
以上のような開口幅6区分に付いて、移動体4名称を使って夫々、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯と名付け、それ以下の移動体4は残置物と認識できるので残置物通行帯、大型車を含む全移動体4が余裕を持って通過できるという意味で、大型車幅を超える移動体4部分をフリー通行帯と名付けた。当然のことながら、大型車幅を超える移動体4は一般的に存在しない。
(1)フリー通行帯 ;(当該門部A)全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>大型車幅+α、
あるいは、(当該門部A)全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>全ての移動体幅404
(2)自動車通行帯;大型車幅+α≧自動車通行帯>軽4輪車幅
(3)2輪車通行帯;軽4輪車幅≧2輪車通行帯>自転車幅+α
(4)歩行車通行帯;肩幅+α(=自転車幅+α)≧歩行者通行帯>胸厚+α
(5)残置物通行帯;胸厚+α≧残置物通行帯≧0
フリー通行帯について;上式のフリー通行帯は、当該門部Aを通行できる全ての移動体4種類が、(開口幅6が十分広いので)門扉との接触・衝突の危険なく通過できる開口幅6区分、と言い換えることができる。又、門扉制御の視点からは、フリー通行帯は、門扉を移動体4との接触・衝突の危険なく高速・安全に閉鎖することができる開口幅6区分ということができる。尚、フリー通行帯は、通行帯の再設計の項で再定義する。
(No.9門扉閉鎖の速度制御)
各通行帯ごとに門扉閉鎖の速度制御としてあるべき姿を整理した。
(1)フリー通行帯は、全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>全ての移動体幅404である。従って、通常、移動体4と門扉との接触・衝突が起こらないので、門扉の閉鎖時間を短縮するため、門扉閉鎖の速度制御は最高速度で閉鎖すべきである。
片側1車線以上の幅の広い道路の場合は、上記と同様、少なくとも海側401に向かう全開放時の開口幅6からセンタBラインまで、あるいは陸側402に向かう1車線だけ残して、更に速い速度で閉鎖することができる。
(理由)
(ア)津波の来襲する海側401へ向かう移動体4は殆ど考えられない。
(イ)センタBラインまで、あるいは1車線残して閉鎖でも、最大幅の大型車でも側方余裕を確保でき、移動体4との接触・衝突は殆ど発生しない。
(ウ)センタBラインまで、あるいは残り1車線までという管理の方が、移動体4、センタB管理者ほか具体的に理解し易く、周知し易い。
(2)自動車通行帯では、自動車は2輪車、歩行者より転倒あるいは外的障害への強度が遥かに高いので高速閉鎖可能、但し、門扉保護の観点から門扉の制動力を勘案した閉鎖速度の設定が必要である。
又、門扉が徐々に閉鎖される中、自動車通行帯で自動車、2輪車、歩行者は混在避難する。自動車が通過ゾーンA410で停滞すると、自動車が進入路を封鎖する。進入路封鎖を確認した場合には、当該通行帯を増速し閉鎖しても良い。
(3)2輪車は外的甲装を持たず、門扉との接触などで容易に転倒する。又速度があり、転倒すると障害を受けやすいため、閉鎖中の同程度の幅の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。一方、無理に通過しようとした2輪車が転倒し、門扉軌道302上に放置されると、門扉閉鎖が不可能という最悪の事態を引き起こす。従って、2輪車通行帯の門扉閉鎖の速度制御は、接触転倒、あるいは転倒後放置の事態を避けるため、移動体4に通過可否の判断を進入前に充分行わせる様、自動車通行帯の閉鎖速度と同等かそれ以下の低速度で閉鎖することが必要である。
(4)歩行者も外的甲装を持たないので閉鎖中の同程度の幅の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。人の場合は、前後左右に比較的機敏に行動でき、又複数で避難することが多いので仮に転倒した場合も他からの介助が期待できる。その他挟み込み防止など各種の生命防御機構の作動が期待できる。しかしながら、人命の最終的な安全を確保するため歩行者通行帯の閉鎖速度は2輪車通行帯の閉鎖速度と同等かそれ以下の低速度で運用することが望ましい。
又、移動体4、特に自動車が通過ゾーンA410で停滞して、歩行者の進入路封鎖を確認できれば、当該通行帯を増速し閉鎖しても良い。
(5)残置物通行帯では、新たに進入する移動体4は殆ど考えられないが、通過中の2輪車、歩行者あるいは移動体4の一部が残っている可能性がある。門扉閉鎖は閉鎖完了の段階であり、残置物があると閉鎖不可となる。残置物の確認、挟み込み防止のため歩行者通行帯の速度あるいはそれ以下の最低速度で運用することが望ましい。
又、残置物がなければ、増速して閉鎖しても良い。
(1)特に道路幅員中で最も広い幅を占めるフリー通行帯では、安全且つ最高速度の門扉閉鎖が可能であり、津波到達前の迅速閉鎖の観点からフリー通行帯の高速閉鎖が有効であることが分かる。
(2)自動車通行帯では、自動車は2輪車、歩行者より転倒あるいは外的障害への強度が遥かに高いので高速閉鎖が可能である。但し、門扉保護の観点から門扉の制動力を勘案した閉鎖速度の設定が必要となる。
(3)2輪車通行帯では、進入前判断や放置防止のための時間確保できる閉鎖速度の設定など。
(4)歩行者通行帯では、人命尊重。残置物通行帯では、閉鎖完遂のために残置物の最終確認と挟み込み防止の観点から、順次、より低めの閉鎖速度を採用するなど。
通行帯ごとの閉鎖速度で変速閉鎖制御することにより、迅速、且つ安全に門部A閉鎖が出来ることがわかった。
道路幅員(横断面)の基本的構成要素は、道路構造令によって、
(ア)車道(車線によって構成される道路の部分)
(イ)中央帯(以下センタBラインという)
(ウ)路肩
(エ)停車帯(車道の一部)
(オ)自転車道
(カ)自転車歩行車道路
(キ)歩道
(ク)植樹帯
(ヶ)その他(副道、軌道敷など)
から構成されている。夫々の要素が更に区分・規定され、これらの組合せによって道路が成り立っている。
(例-2-1)<通行帯の基本設計(道路部ごとの通行帯)>
以上の状況を踏まえて、通行帯を道路部上に設計することを考える。
(1)歩道部(門扉側)(4.5m)の最初がフリー通行帯3m、次に2輪車(自転車)通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mと続く。
(2)車道部(10m)では最初がフリー通行帯6.9m、次に自動車通行帯1.6m、2輪車通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mとなる。
(3)歩道部(戸当り側)(4.5m)では、最初がフリー通行帯3m、次に2輪車(自転車)通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mとなる。
(4)ここで、歩道部(戸当り側)の2輪車は、自転車だけが通行するとすれば、自転車の車幅は60cm以下であり、歩行者の肩幅60cmとほぼ同じ幅となるため、2輪車(自転車)通行帯を歩行者通行帯の中に含めても良い。尚、後述通行帯の再設計、再々設計に2輪車(自転車)通行帯として記述を残したのは、違法ではあるがバイクが歩道部(戸当り側)に乗り入れてくる可能性を否定できず、安全サイドに通行帯設計を可能とするためである。
(例-2-2)<通行帯の再設計>
一方、前述のように、門扉軌道302近辺では車道部、歩道部の区画がないので、2輪車(自転車)、歩行者が容易に歩道部から車道部へ、車道部から歩道部へと横方向に移動できること、及び現在の門扉の一般的な閉鎖速度が6cm〜10cm/秒ほどであるのに対し、歩行者でも100cm/秒(3.6Km/時)と10倍の速度差で移動できることを考慮すると、門扉が歩道部(門扉側)を閉鎖してきても2輪車(自転車)、歩行者は、門扉との接触はもちろん、何の制約も受けずに歩道部から車道部側へ回りこんで通行・避難可能である。そこで歩道部(門扉側)全体4.5mをフリー通行帯と看做し、フリー通行帯の速度で閉鎖するよう再設計できる。
車道部の基本設計では、最初の6.9mをフリー通行帯、次に自動車通行帯1.6m、2輪車通行帯0.3mと設定した。
(1)当該道路部内だけを通行する移動体4は当該道路部で通行帯を形成する(例;車道部の自動車、2輪車(バイク)通行帯、歩道部(戸当り側)の2輪車(自転車)、歩行者通行帯)。 と共に、
(2)当該道路部を越えて通行できる移動体4は、当該道路部では通行帯を形成しない。即ち、当該通行帯部分はフリー通行帯となる。(例;歩道部(門扉側)の2輪車(自転車)、歩行者通行帯、及び車道部の2輪車(自転車)、歩行者通行帯)。
(3)尚、残置物は、閉鎖完了する道路部のみに残置物通行帯を形成する。
という考え方で行ったことが分かる。
(ア)迅速・安全閉鎖のため、移動体4との接触・衝突の危険のないフリー通行帯を活用する。
(イ)移動体4及び門扉への安全性あるいは保護を考慮して、2輪車通行帯、歩行者通行帯の閉鎖速度を遅くして、自動車通行帯の閉鎖速度をその中間程度の速度で閉鎖すると設定しても移動体4、門扉の安全性が確保でき、道路幅員の半分以上を占める歩道部(門扉側)から車道部のフリー通行帯を最高速度で閉鎖することにより、全体として閉鎖の迅速性、安全性を向上することが出来る。
(ウ)更に迅速閉鎖が必要な場合は、歩道部(門扉側)からセンタBラインまで、あるいは、陸側402に向かう残り1車線までなどと判り易い区切り線まで更に高速閉鎖しても良い。
(エ)閉鎖遅延回復策、あるいは、閉鎖時間短縮策などとして、一定の条件下で車道部後半から歩道部(戸当り側)前半のフリー通行帯を活用することもできる(後出)。
(1)開口幅6の再定義
開口幅6は、通行帯の再設計結果の通行帯において、門扉端が具象通行帯に至る/あるいは、ある時には、門扉端から当該具象通行帯のある道路部端(戸当り側)とする。
従って、
(ア)車道部だけの道路の場合(図5(例-1))は、開口幅6は門扉端から車道部端(戸当り側)が開口幅6となり、
(イ)それ以外の一般的な車道部、歩道部からなる道路の場合(図5「道路幅員のモデル」(例-2))は、
(ウ)門扉端が歩道部(門扉側)から車道部の2輪車通行帯までにあるときは、開口幅6は門扉端から車道部端(戸当り側)、
(エ)門扉端が車道部(戸当り側)のフリー通行帯から歩道部(戸当り側)までにある時は、門扉端から歩道部端(戸当り側)となる。
(2)通行帯の寸法は、統廃合された再設計の結果の通行帯の寸法となる。
<通行帯の再々設計(例-2-3)>
再設計後の通行帯(例-2-2)では、基本設計における車道部の歩行者通行帯、残置物通行帯を歩道部(戸当り側)のフリー通行帯と繋げてフリー通行帯とした。表1の門扉閉鎖の速度制御に依れば、フリー通行帯は最高速度で閉鎖すべきであるとした。従って、再設計後の通行帯(例-2-2)では、車道部の2輪車(バイク)通行帯からこのフリー通行帯に門扉閉鎖を進行させるに当り、閉鎖速度を加速する方向で設定したことになる。
〔不測事態発生懸念の例〕
移動体4(2輪車(自転車)、歩行者)は、門扉の開口幅6、閉鎖速度を見て通過可能か否か判断しながら行動すると思われる。従って、設定した門扉閉鎖速度が一定か減速している場合には自らの移動体4速度との比較で通過可否を冷静に判断することができるが、門扉閉鎖速度が途中で加速された場合には、必ずしも冷静に対応できるとは限らず、慌てて強行進入を図るなどの行動を誘発することが考えられる。その結果、転倒、2輪車の放置、移動体4の挟み込みなどの事故、門扉閉鎖不能化など不測の事態を引き起こす可能性が懸念されるのである。
(1)それまでの閉鎖障害などで一定以上の閉鎖遅延発生を検知し回復策をとる場合。対応は、センタB員操作、又は、門扉の自動制御での対応の場合が考えられる。
(2)通過ゾーンA410に停滞する自動車が、元々のフリー通行帯に繋がる自動車通行帯、2輪車通行帯の進入路封鎖を行った場合
(3)閉鎖計画立案上、当該門部Aの閉鎖能力(時間)的に閉鎖時間短縮を必要とする場合など
再々設計は、安全増しした自律的門扉閉鎖の速度制御のための、理想的な通行帯の配置であるといえる。
(ア)フリー通行帯だけで(60%)
(イ)フリー通行帯(60%)+自動車通行帯(8%)=68%
(ウ)フリー通行帯(60%)+自動車通行帯(8%)+2輪車通行帯(25%)=93%
であるので、
(1)まず、フリー通行帯の60%を最高速度で閉鎖することの有効性が明確にわかる。更に、片側1車線以上の道路の場合、海側401に向かう全開放時の開口幅6〜センタBラインまでを、あるいは陸側402に向かう1車線だけを残してフリー通行帯の内訳として更に高速で閉鎖すれば、より迅速閉鎖できる。
(2)迅速閉鎖の次善の策として、フリー通行帯と自動車通行帯を高速で閉鎖できれば、68%
(3)又、可能であれば、安全性を確保しつつ自動車通行帯から2輪車通行帯まで93%を最高速度に近い速度で閉鎖できれば、全体の閉鎖時間を効果的に短縮できることが分かる。
(4)又、閉鎖遅延回復策などの視点で、再設計ではフリー通行帯であった2輪車通行帯(25%弱)部分に着目することも有用である。
(5)以上のことから、当該門部A閉鎖の全体設計、特に閉鎖速度の設計を行うことが出来る。(図9 閉鎖開始から津波到達までのタイムチャート参照)
(ア)当地の地震(津波)発生に伴う当該門部Aの閉鎖開始時刻から津波到達時刻までの間で、安全余裕時間、センタB介入作業時間、余裕時間などを差引くと、閉鎖障害が何もなかった場合の閉鎖完了予定時間が算出できる。これを目標閉鎖時間として、
(イ)この時間内で当該門部Aを閉鎖するためには、当該門部Aの道路幅員に通行帯を設定し、
(ウ)門部Aの設備能力、及び閉鎖の安全を考慮しつつ
(エ)夫々の通行帯の閉鎖速度を設定・調整すれば、実現可能な解が設計できることになる。
(オ)尚、フリー通行帯を除く夫々の通行帯の閉鎖速度を管掌の門部A全体で統一しようとすれば、閉鎖速度を上げても一定の安全性が確保できるフリー通行帯の閉鎖速度で調節して門扉閉の迅速性、安全性を確保することになる。
従来の遮断方式は、門部A全面を一度にあるいは海側401向け通行、陸側402向け通行に2分割し順次閉鎖する方式であり、いわば通行を遮断後閉鎖する「通行遮断後門扉閉鎖方式」である。
(1)移動体4の進入防止策、進入後の対応策などが不要となり、シンプルなシステム設計となる。
(2)門扉と移動体4の接触・衝突など門扉閉鎖阻害要因が発生せず、閉鎖遅延は発生しない。
(3)閉鎖遅延が発生しないことから、対応するセンタBの人的負荷削減。又、センタB員参集の不確実性、負荷集中による対応遅れなどセンタB対応能力の不確実性を解消し、より確実に門扉閉鎖を完了させることができる。
(4)同様に、遮断範囲では、初期の閉鎖速度で閉鎖できる、などが可能となる。
(1)外的甲装を持ち、転倒にも強く、推進力のある自動車は、開口幅6≫自動車幅の場合、あるいは開口幅6ニアリーイコール(以下、(NE)という)自動車幅の状態の場合でも、遮断具23を破壊しても、進入・通過して、海岸から離れ津波の脅威から出来るだけ遠くへ、より高い場所へ、より速く逃れようとする。
(2)これはより具体的に、東日本大震災後の避難した被災者アンケートでも、下記のように現れている。
(ア)海岸から速く遠くへ避難する手段は、自動車しかない。
(イ)家族・職場の仲間、あるいは高齢者や子供など災害弱者を同乗させている場合は、特にそうであり、そこでの停止が家族・仲間などの喪失と強く繋がって想起される。
(ウ)貴重な財産である自動車を失いたくない。
(3)又、門部Aは1度閉まると災害後まで2度と開かない知識があれば、通過できそうな段階では、是が非でも通過しようとするであろう。
など、自動車で、場合によっては強引に、避難することに対する強い意志が存在することに留意する必要がある。
(4)この様な背景を背負って避難する自動車にとって、門扉はその構造、重量からも突破不可能な障害物と認識されるが、一方、遮断具23は突破不可能な障害物ではなく、もし門扉の開口幅6が通過出来そうなら、多少の躊躇はするものの通過、突破を図る可能性がある。
(5)従って、開口幅6≫自動車幅、開口幅6(NE)自動車幅の場合に遮断具23破壊が発生する可能性が非常に高いことが分かる。即ち、フリー通行帯、自動車通行帯で遮断具23破壊が発生するといえる。
(6)尚、遮断具23破壊は、遮断具23動態検知装置で検知するほか、別途提案する監視検知装置で検知しても良い。
(1)開口幅6≫移動体幅404の場合は、移動体4は悠々通過。
(2)開口幅6≪移動体幅404の場合は、門扉に進入を阻まれて門扉前に停止せざるを得ない。
(3)開口幅6(NE)移動体4の場合は、移動体4が進入する可能性があり、閉鎖阻害要因となる可能性がある(ハッチング部で示す)。
(ア)特に、自動車通行帯(NE)自動車幅の場合は、上述理由で自動車が進入する可能性が高い。
(イ)2輪車通行帯(NE)2輪車幅、歩行者通行帯(NE)歩行者幅の場合は、2輪車、歩行者とも外的障害への強度が弱く、転倒への強度も強いとは言えないので躊躇しムリな進入を図らないと考えられる。
(1)フリー通行帯;フリー通行帯>全ての移動体幅404であり、移動体4は悠々通過できるので、門扉と移動体4との接触・衝突は殆ど無く、遮断しなくても閉鎖阻害要因とはならない。従って、遮断しないことが必要であり、逆に、遮断すると自動車による遮断具23破壊を招くことになる。
(2)自動車通行帯;、
(ア)2輪車、歩行者は、自動車通行帯≫2輪車、歩行者であるので悠々通過できる。
(イ)自動車は、自動車通行帯(NE)自動車幅では強行進入する可能性があり、閉鎖阻害要因となる可能性がある。
(ウ)従って、開口幅6が自動車通行帯に至る時/又は至った後、即ち、自動車側が真に進入可否を判断するタイミングで遮断具23が開口幅6を遮断することによって、自動車の進入を断念させ、遮断効果を発揮できる可能性がある。
(3)2輪車通行帯;
(ア)自動車は、2輪車通行帯≪自動車幅であり、進入不可、門扉前で停止。
(イ)歩行者は、2輪車通行帯≫歩行車幅であり、通過の可能性がある。
(ウ)2輪車は、2輪車通行帯(NE)2輪車幅では門扉との接触・転倒の危険性があり、進入を躊躇する。
(エ)従って、2輪車は、開口幅6が2輪車通行帯の場合には、2輪車通行帯が遮断されていない時も進入を躊躇し、まして、遮断されている場合は進入しようとしないであろうと思われる。
(4)歩行車通行帯;
(ア)自動車、2輪車は、歩行車通行帯≪自動車幅、あるいは2輪車幅であり、進入不可、門扉前で停止する。
(イ)歩行者は、歩行者通行帯(NE)歩行車幅では、進入躊躇し、避難階段へ向かうであろうと思われる。
(ウ)従って、2輪車同様、歩行者は、開口幅6が歩行者通行帯の場合には、歩行者通行帯が遮断されていると否とに関らず、進入躊躇すると思われる。
(1)遮断の範囲
(ア)全移動体4が悠々避難通行できるフリー通行帯(図5道路幅員モデル例-1、例2-3参照。通行帯に付いて以下同じ)は遮断しない。
(イ)自動車通行帯を遮断する。(自動車通行帯遮断に際し、遮断具駆動装置22設置場所により2輪車通行帯ほかを遮断する場合がある。)
(ウ)門扉閉鎖開始直後、門扉側フリー通行帯の一部を遮断して、移動体4に対し門扉閉鎖開始のシグナルとしても良い。
(2)遮断対象の移動体4
(ア)遮断の範囲がカバーする全ての移動体4。但し、特に自動車。(自動車は、外的障害、転倒への強度が高く、強行進入する可能性が高く、遮断具23破壊の元凶である。)
(3)遮断のタイミング
(ア)門扉端が自動車通行帯に至る時/又は至った後に、即ち自動車操作者側から、真に通過可否判断が必要となる時期に自動車通行帯を遮断する。
(イ)より精緻には、監視検知方式などとの組合せ方式で、当該車幅を把握し、開口幅6が「当該自動車幅+α(どうやら通過の開口幅6)」に至る時/又は至った後で遮断開始など。遮断具23破壊を回避し、より新遮断方式の効果を確実化させる。
(自動車は、外的障害、転倒への強度が高く、且つ、自動車を使って避難する強い意志もあるため、自動車操作者にとっての通過可否判断の第1要素は、容易に破壊可能な遮断具23による通行遮断ではなく、破壊不可能な門扉の開口幅6を自車が通過可能か否か(強行進入可否感)であり、この判断の境界は、自車幅と門扉の開口幅6の関係、即ち「どうやら通過の開口幅6」辺にある。)
(4)遮断具23の長さ
(ア)自動車通行帯の全部あるいは一部を遮断する長さ。又、遮断具23が90°から60°あるいは45°へ降下すれば、視覚的な遮断開始効果が発揮される。
(5)移動体4進入・通行を遮断する工夫、及び、遮断具23破壊を防止する工夫
(ア)遮断具23破壊、及び、強行進入の元凶は自動車として、自動車通行帯を遮断する方式とする。
(イ)自動車通行帯遮断に当っては、自動車通行帯に至る時/又は至った後で遮断する方式が望ましく、重量ある門扉の圧迫感を伴った開口幅6の狭まり、及び、それに同期して遮断具23で遮断すること、これら門扉の開口幅6狭隘化(自動車操作者にとっては、強行進入可否感)と遮断具23遮断(同、法的規制感)の2重の効果により、自動車操作者に進入断念を促す自動車通行帯の遮断方式(強行進入制止後遮断方式という)とする。
(ウ)自動車幅は、軽4輪車(1.5m)から大型車(2.5m)まで1mの差があり、自動車通行帯を遮断方式でも尚、車幅の狭い軽4輪車などの強行進入、及び遮断具23破壊の可能性が残る。対策は、監視検知方式などの組合せ方式で、進入する個別の車幅を捉えて、開口幅6が「当該自動車の幅+α(どうやら通過の開口幅6)」に至る時/又は至った後で強行進入制止後遮断方式の適用が考えられる。(当該車が停止すれば、後続車は停止せざるを得ない)
(エ)遮断具23破壊防止策は、(a)フリー通行帯を遮断しないこと。(b)強行進入制止後遮断方式による自動車通行帯の遮断。(c)より精緻には、進入する個別の車幅を捉えての強行進入制止後遮断方式の適用がある。
(6)移動体4が強行進入し、遮断具23を破壊した後の対応策
(ア)遮断具23破壊は遮断具23動態検知装置で検知してセンタB介入要請する他、限られたセンタB員で多数の門部Aの監視を可能とするため、門扉閉鎖の進度を通行帯ごとに示す通行帯絵文字ボタン等の採用により、明確化し、緩急(メリハリ)を付けたセンタB監視が行える仕組みとする。
(イ)遮断具23を破壊した後の、移動体4と門扉との接触・衝突回避策などは、遮断具23設置を前提とせず稼動できる接触検知方式、監視検知方式などとの組合せ方式で対応できる。
(ウ)新遮断方式で遮断中の場合は、遮断通行帯制御モード(当該遮断通行帯を減速せず(場合によっては増速))で閉鎖する。遮断具23破壊を検知した場合には、(遮断具23が喪失されたので)基本的変速閉鎖制御モードなど、適用条件で切替えることにより、より迅速・安全な門扉閉鎖を実現する。
(7)効果
(ア)新遮断方式は、通行帯設計及び移動体4の通行特性の知見に基づき、自動車が遮断具23破壊の元凶として、遮断具23閉鎖の適時・適寸化方式を採る。即ち、従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯の遮断にあるため、フリー通行帯は遮断せず、遮断具23破壊の回避を図り、自動車通行帯の遮断を確実化させ、同時に、フリー通行帯の移動体4の通行、避難を可能とする。自動車通行帯遮断では、自動車の進入を自制させ、遮断具23破壊の回避を狙うフリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式をとる。又、遮断具23破壊の検知でセンタB介入要請し、下記効果を得る。
自動車通行帯を遮断すること、及び、自動車通行帯遮断以降は、遮断具23の遮断範囲の移動体4の通行・避難を遮断するで、従来方式と同等の効果を得ることができる。
(a)従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯遮断であるため、フリー通行帯を遮断しないことで、遮断具23の破壊を防止し、自動車通行帯の遮断を確実化させる。同時にフリー通行帯で移動体4の通行、避難を許容する。
(b)自動車通行帯の遮断では、強行進入制止後遮断方式による強行進入可否感と法的規制感の2重の効果により、自動車の進入を自制させ、避難具破壊を回避する。
(c)より精緻な自動車通行帯の遮断には、監視検知方式との組合せで、進入する個別の車幅を捉えて、強行進入制止後遮断方式を適用する。
(d)遮断具23破壊検知の場合にはセンタB介入要請し、センタBでは、通行帯絵文字ボタン等認知しやすい表示を使って、自動車通行帯を即座に特定し、対応する。
(e)遮断具23を破壊して強行進入する自動車と門扉との接触・衝突回避策は、遮断具23設置を前提とせずに稼動できる接触検知方式、あるいは、監視検知方式などとの組合せで対処することができる。(夫々の方式参照)
(f)門扉閉鎖の変速閉鎖制御方式を、新遮断方式で遮断中(遮断通行帯制御モード)、あるいは遮断具23破壊(基本的変速閉鎖制御モード)など、適用条件に応じて切替適用することにより、より迅速・安全な門扉閉鎖を実現することができる。
(f)接触検知方式との組合せ事例
(ア)自動車通行帯遮断に際し、自動車の強行進入による遮断具23破壊を減ずる新遮断方式と接触検知方式だけの組合せ方式では、移動体4との接触を検知することができるので、開口幅6が自動車通行帯に到るにつれ、門扉で開口幅6の狭隘化(強行進入制止)を図り、自動車との接触を一度検知し、当該検知終了(接触移動体4が通過済み)を遮断タイミングとすることもできる。
補助門扉5(擬似門扉)方式、及び接触検知方式について
(1)門部A道路幅員への通行帯の設定と適用
(2)通行帯ごとの閉鎖速度で変速閉鎖することによる迅速、安全閉鎖方式
(3)新遮断方式では、フリー通行帯は遮断せず、自動車通行体は強行進入制止後遮断方式による、自動車進入自制と遮断具23破壊の回避などを狙った迅速、安全閉鎖方式
(4)あるいは、変速閉鎖と新遮断方式とを組合せて閉鎖速度を切替える方式など
を提案した。
しかしながら、何れの方策においても最大の閉鎖阻害要因として自動車の強行進入、及び、移動体4と門扉との接触・衝突時の移動体4と門扉の保護の問題が残った。
(ア)接触検知機能を付加しない場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(イ)接触検知機能を付加した場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合
この内容について、表7_「補助門扉方式及び接触検知方式」でNoごとに(概要)、(門扉全体の動き((閉鎖開始)、(閉鎖完了)、(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など)、(最閉鎖))及び、(課題)で説明する。
(再閉鎖)移動体4が通過など、衝突状態解除で、擬似門扉が復元する。接触検知装置12がないので門扉本体3は、終始閉動作せざるを得ない。
(課題など)移動体4との衝突回避はスィング径の範囲だけであるので、移動体4と門扉本体3との衝突前に上記回避策の奏功が必要である。又、閉鎖完了時、擬似門扉の退避機構が必要となる。既設門扉に設置の場合、門扉全体が長くなるため、門扉門扉本体3の設置レール、動力線などの拡張要となる。通行量の少ない2輪車、歩行者向け小規模陸閘に適用可能である。
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など)No.1と同じ。補助門扉5は、閉鎖開始、完了時のみ動作する。
(課題など)移動体4との衝突回避はスィング径の範囲だけであり、移動体4と門扉本体3との衝突前に上記回避策の奏功を必要とする。補助門扉5は、閉鎖開始時に擬似門扉の突出、完了時に格納機構として機能。それ以外はNo.1と同様動作である。閉鎖完了時には、移動体4の進入、挟み込み防止に有効である。既設門扉に設置の場合には、門扉本体3側面に設置できる。通行量の少ない2輪車、歩行者向け小規模陸閘に適用可能である。
(概要) No.2に加え、擬似門扉に接触検知機能を付加し、接触検知の門扉制御信号(停止、後退、閉鎖)に基づく補助門扉5制御を行う。門扉制御信号が停止なら、地上基点で補助門扉5端を停止させ、同一接触状態維持。後退なら、補助門扉5をより高速後退で衝突回避する。擬似門扉、補助門扉5で開口幅6の狭隘化を図り。スィング機構、接触検知で移動体4と門扉本体3との衝突をより回避・緩和でき、移動体4、門扉保護を図る。門扉制御信号などと同期して門扉本体3を停止、後退させれば、衝突回避効果大化、補助門扉5の後退代を削減可能となる。但し、動力負荷大化の可能性がある。
(再閉鎖)衝突状態解除で、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が閉鎖となって、再閉鎖開始する。但し、門扉本体3が終始閉動作の(停止後退できない)場合は、補助門扉5の設置効果を発揮させるために、及び門扉全体のスムーズな閉鎖のために門扉本体3を減速して閉鎖させることが必要である。
(概要) 補助門扉5無しで、疑似門扉1の接触検知(門扉制御信号)により直接門扉本体3を動作させる。門扉本体3が直接動作に耐える軽量(小規模)であることが必要となる。
(閉鎖完了) No.1に同じ
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など) 擬似門扉のスィング機構の振れ幅で衝突回避する他、擬似門扉の接触検知(門扉制御信号)により門扉本体3を停止、後退などさせて衝突回避を行う。
(再閉鎖)衝突状態解除で、擬似門扉が復元すると、接触検知(門扉制御信号)が閉鎖なら門扉本体3を再閉鎖する。
(1)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がoffなら、門扉閉鎖する。
(2)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がonなら、門扉停止する。
(3)補助門扉5側の接触検知SW(2)106がonなら、門扉後退する。
というものである。
(1)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がoffなら、門扉停止する。
(2)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がonなら、門扉後退する。
(3)補助門扉5側の接触検知SW(2)106がonなら、門扉後退する。
No.2,3,4,5,6の場合、開口幅6(NE)移動体幅404と総称することができ、移動体4と門扉との接触が発生する可能性がある。
当該移動体4の通過後は、接触検知装置12と門扉制御信号との関係でNo.1〜6を繰り返す。
(ア)擬似門扉に掛かるハッチング部は、図中、移動体4が上から下へ通過した場合の同一門扉制御信号を発信する範囲を示す。移動体4と擬似門扉が接触し、この接触の仕方によって門扉制御信号が決定する。
(イ)又、説明及び図の簡略化のため、第1擬似門扉、第2擬似門扉の長さを同じとし、夫々の関節、即ち、接触検知SW(1)104及び接触検知SW(2)106は夫々45°以上屈曲するとSWがonするものとする。
(1)門扉閉鎖(門扉制御信号が門扉閉鎖の場合)
(1-1)擬似門扉と移動体4が接触なしの場合も門扉制御信号は門扉閉鎖とするため、擬似門扉幅の右側にもハッチング部を拡張している。
(1-2)第1疑似門扉101の関節が0°〜45°未満まで屈曲の場合も門扉制御信号は門扉閉鎖とする。
(1-3) 図6(1)門扉閉鎖のハッチング部が、門扉制御信号が門扉閉鎖となる範囲を示す。(1-4)図の動作説明
図6の(1)門扉閉鎖の図は補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで延び切って門扉本体3が閉鎖動作中の状態を示す。
(2)門扉停止(門扉制御信号が門扉停止の場合)
(2-1)第1疑似門扉101の関節が45°以上屈曲の場合、あるいは、
(2-2)第2疑似門扉102の関節が0°〜45°未満屈曲の場合に門扉制御信号が門扉停止となる。
(2-3)図6 (2)門扉停止のハッチング部が、門扉制御信号が門扉停止となる範囲である。移動体4通過後は、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となる。
(2-4)図の動作説明
(ア)補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで突出した状態で停止させる場合
(a)図6 (2)門扉停止の図は、上記(1)門扉閉鎖で、補助門扉5が既に閉鎖ストロークの限界まで突出して門扉本体3が閉鎖動作している状態の中で、門扉制御信号が門扉停止となり、門扉本体3及び補助門扉5が、制動距離を使って夫々停止、後退などして門扉本体3、及び補助門扉5が停止した状態を示す。
i.門扉制御信号が門扉停止となって、門扉本体3が停止するまでの制動距離、その間補助門扉5を後退させる距離を閉鎖ストロークの中に制動距離として確保しておくことが必要である。
ii.門扉停止は、次に門扉後退の局面が来る可能性に備えて、補助門扉5は門扉本体3よりも突出して、即ち補助門扉5の後退代を確保して停止する必要がある。
iii.補助門扉5の後退代確保により、圧倒的な重量物である門扉本体3の後退動作をさせることなく、あるいは後退動作を最小化して、補助門扉5だけの動作で移動体4との接触・衝突を吸収することを可能化することができる。
iv.閉鎖ストロークは、(1)門扉閉鎖の図のように、少なくとも(制動距離+後退代+擬似門扉幅107)を確保する必要があり、平常時の門扉格納時には、擬似門扉先端が門扉本体3先端と面位置とするか、又は凹んだ位置に設置できるものとする。
(イ)補助門扉5を突出途中の段階で停止させる場合
(a)門扉本体3は補助門扉5が閉鎖ストロークの限界に突出するタイミングまで閉鎖開始しないので、門扉制御信号の門扉停止信号があれば、補助門扉5の突出を即停止させることが必要である。
(b)門扉本体3と補助門扉5の速度変化移行期で門扉本体3が閉鎖開始している場合には、門扉本体3の制動速度に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(ウ)図6(3)門扉後退の状態から停止させる場合。
(エ)門扉制御信号の門扉停止の終了は、門扉制御信号が門扉閉鎖、又は門扉後退となった場合である。
(3)門扉後退(門扉制御信号が門扉後退の場合)
(3-1)第1疑似門扉101の関節の角度に関わらず、第2疑似門扉102の関節が45°以上屈曲の場合。
(3-2)第2疑似門扉102の関節が90°など限界まで屈曲の場合、門扉制御信号が門扉後退となる。
(3-3)図6(3)門扉後退のハッチング部は、門扉制御信号が門扉後退信号となる範囲を示す。移動体4通過後は、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となる。
(3-4)図の動作説明
(ア)図6(3)門扉後退の図は、上記の(2)門扉停止の図の状態から門扉制御信号が門扉後退となり、後退代を使って補助門扉5が後退を開始する直前の状態、あるいは、上記(1)門扉閉鎖の図の状態から、門扉制御信号が門扉後退となり、補助門扉5が後退し、丁度制動距離を使い切り、後退代を使い始める直前の状態を示している。
(イ)補助門扉5が突出途中の段階で後退させる場合
(a)門扉本体3は、補助門扉5が閉鎖ストロークの限界に突出するタイミングまで閉鎖開始しないので、門扉制御信号が門扉後退となれば、即、補助門扉5の突出を停止、後退させることが必要である。
(b)門扉本体3と補助門扉5の速度変化移行期で門扉本体3が閉鎖開始している場合には、門扉本体3を停止させ、門扉本体3の制動速度よりも更に速い速度で補助門扉5を後退させることが必要である。
(ウ)門扉制御信号の門扉後退の終了は、門扉制御信号が門扉閉鎖、あるいは門扉停止となるか、補助門扉5後退完了の信号で終了する。門扉制御信号の門扉閉鎖は、移動体4が通過したこと、門扉停止は、門扉制御信号が門扉停止となるまで、移動体4が離れたか、又は、補助門扉5が後退代を使って後退したことなどによる。
(1)移動体4の連続進入・通過を制止できない状況について
自動車が前後に密接して連続進入するような事態が起こった場合、最初の移動体4が門扉制御信号を門扉停止にして通過後、後続自動車が進入する前に擬似門扉1が速やかに復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となり、この擬似門扉1が次の移動体4の前に立ちはだかる状況を現出すると共に、門扉は門扉閉鎖状態に入る。ここで後続する自動車が進入を断念すれば、門扉閉鎖は継続されることになる。
(2)〔2つの対策〕
多数の門部Aを監視するセンタBでは、センタB員が必ずしも当該門部Aを監視しているとは限らない。自動車が連続して強行進入を図る場合は、門扉制御信号が何度も変化(この変化回数をセンタB向け警告のトリガーとすることもできる)し、あるいは、当該門部Aの閉鎖時間遅れとして現れる。後者を、例えば、閉鎖遅延時刻(経過)(後述)として把握して、センタB介入要請を行い、センタB員の判断・対応を促す契機とすることができる。
センタBが介入しての連続通過防止策は、
(ア)センタB員の手動操作による門扉の開閉
(イ)「自動車の連続通過を防止する方式(以下、連続通過防止モードという)(後述)」が考えられる。
表12の門部の閉鎖制御とセンタ操作による「連続通過防止モード」を説明する。
No1概要
〔接触検知方式による門扉の自律的閉鎖制御〕
(1)本閉鎖制御は、擬似門扉と移動体4との接触(非接触含む)で生成される門扉制御信号に基づき、門扉を閉鎖、停止、後退させて、門扉閉鎖を図る方式である。
(2)本方式は、門部Aごとに閉鎖開始と共に行われる自律的制御であり、門扉、移動体4の保護、及びセンタB負荷の大幅削減を狙う。
(3)しかしながら、その柔軟さゆえに自動車などの連続通過があった場合、門扉閉鎖が進行せず、閉鎖遅延の原因となる可能性がある。
〔センタB員の操作切替えによる連続通過防止モード〕
本モードは、接触検知方式による門扉の自律的閉鎖制御の欠点を補い、自動車などの連続通過による閉鎖遅延防止を狙っている。
(1)速い閉鎖速度、短い時間間隔で、「門扉閉鎖」から「門扉後退」の門扉制御信号で、門扉を自動的に往復させることにより、
(2)物理的に移動体4を突付いて通過促進。後続移動体4との空隙に門扉を差し込んで後続移動体4の進入禁止を図る方式である。
(3)本方式は、
(ア)連続通過発生は、門扉閉鎖遅延(経過)などで検知し、センタB介入要請が発報される。本検知は、門扉制御信号の停止、後退発生回数をカウントしても良い。
(イ)センタBでは、センタB員が当該門部Aを監視し、その原因が自動車の連続通過である場合には、当該自動車の通過促進や後続自動車の進入禁止の警告を発報すると共に、連続通過防止モードを発動する。
(ウ)連続通過モードの発動により、連続通過の連鎖を区切り、閉鎖遅延の拡大を防止する。と共に、連続通過防止モードは、繰返し動作を自動的に行わせるのでセンタB操作の負荷軽減も図ることができる。従って、遠隔半自動モードでの作動が望ましい。
(a)音、光等の警報装置10を介して当該移動体4に対して警報の発報。
(b)周辺移動体4に対して、残置物除去などの協力要請。
(c)門扉などを遠隔手動モードで開閉するような操作である。
以下、〔センタB員の操作切替えによる連続通過防止モード〕No.2門扉制御信号と門扉閉鎖制御欄の説明をする。
連続通過防止モードにおける門扉制御信号と門扉閉鎖制御は、下記を行う。
(1)センタB員が接触検知方式による自律的閉鎖制御からセンタB操作に切替えて、「連続通過防止モード」を発動する。
(2)門扉制御信号が「門扉閉鎖」あるいは補助門扉5後退完了なら門扉閉鎖
(3)(モード開始時のみ、門扉制御信号が「門扉停止」なら門扉閉鎖、又は門扉後退など)
(4)門扉制御信号が「門扉後退」なら、門扉制御信号が「門扉閉鎖」あるいは補助門扉5後退完了となるまで門扉を後退させる。
(5)(2)〜(4)を繰り返す。即ち門扉制御信号「門扉停止」を無効化することで、本動作を繰返してセンタB警告と共に当該自動車の通過促進、後続車の進入を断念させる。
No.3 門扉の閉鎖速度
当該門扉の自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式が、門扉本体3と補助門扉5を連動させて、予め設定された所定の速度、方式で開閉動作させるのに対し、連続通過防止モードは、自動車の連続通過状態を打開することを目指した処置の方式であるため、
(1)補助門扉5だけを自律的閉鎖制御よりも速く、且つ、一定の短時間間隔などで繰返し開閉させるものとする。
連続通過防止モードにおける連続通過防止モードの解除、終了について
(1)センタB員は、随時本モードを解除して、手動モード、あるいは検知方式による門扉の自律的閉鎖制御方式に切替えることが出来る。センタBの手動モードでは、自ら手動で門扉操作をすることが出来る。
(2)閉鎖動作で閉鎖ストローク一杯に補助門扉5が伸びて、門扉本体3が閉鎖動作に入れば、連続通過状態が終了したとして、検知方式による門扉の閉鎖制御方式に戻しても良い。
(3)又、補助門扉5が自動車通行帯を閉鎖したことが確認できれば、それ以上自動車の強行進入は発生しないので、本モードを終了しても良い。
(1)接触検知方式、及び連続通過防止モードは、門部Aの自律的閉鎖制御方式として、あるいは自律的閉鎖制御方式を補完するセンタBからの遠隔監視・操作方式として、単独あるいは他の方式との組合せで実施することができる。
(1-1)接触検知方式は、閉鎖途中で移動体4と接触しても閉鎖制御信号と門扉の動作によって柔軟に閉鎖を進めることができるので、門部Aの自律閉鎖制御方式として、単独で実施できる。
(1-2)連続通過防止モードは、センタB側の進入禁止意思を物理的な阻止力を伴って省力化して発現することができる。
(2)通行帯の概念と接触検知方式の組合せは、
(2-1)接触検知方式が作動するのは、門扉端が自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯に至る/あるいは至った時である。
(2-2)特に自動車通行帯、残置物通行帯が要注意である。よって、その通行帯では、センタB監視を強化する必要がある。
(2-3)逆に、歩道部付き道路も含め、再設計でのフリー通行帯、あるいは、通過ゾーンA410に自動車停滞で封鎖した通行帯に門扉端が至る/あるいは至った時、監視の力点を他の門部Aや自動車通行帯、残置物通行帯閉鎖中の門部Aに移すことができる。
(2-4)この様なセンタB監視の緩急をセンタB員に知らせるセンタB監視画面、光、音その他の警報装置10の工夫により、閉鎖リスクの高い門部Aの重点監視、センタB員1人当たりの担当門部A数の拡大などが見込まれる。
(3)通行帯の概念に基づく変速閉鎖制御方式と接触検知方式の組合せは、
(3-1)変速閉鎖制御方式は、基本的に閉鎖速度をフリー通行帯から残置物通行帯へ等速又は減速して制御するので、変速閉鎖制御方式単独でも迅速・安全閉鎖のメリットがあるが、門扉と移動体4との接触に備える接触検知方式と組合わせることにより、より門扉、移動体4への迅速・安全閉鎖のメリットを享受することができる。
(3-2)変速閉鎖制御方式では、2輪車通行帯、歩行者通行帯では低速閉鎖するので、接触検知方式の擬似門扉スィング機構、あるいは、門扉制御信号に基づく門扉の閉鎖、停止、後退動作により、2輪車、歩行者など外的障害、転倒への強度の弱い移動体4に対して、より安全を強化した対応が取れる仕組とすることができる。
(3-3)又、接触検知方式で発生する門扉の停止、後退などなどに伴う閉鎖遅延の情報に基づき、上述再設計でのフリー通行帯、通過ゾーンA410に自動車停滞で封鎖した通行帯などで変速閉鎖の適用モードを変更して閉鎖遅延解消を図ることもできる。
(4)新遮断方式との組合せでは、
(4-1)遮断具23が破壊されなければ新遮断方式の継続。
(4-2)破壊された場合には、接触検知方式の自律的閉鎖制御によって、センタB負荷を増大させることなく対応可能とするなど、補完関係で双方の機能を発揮できる。
(5)移動体4監視検知方式(後述)と組合せてもよりよい結果を生むことが期待出来る。
「図7移動体監視概念図」を説明する。
移動体監視装置11では、センサ28例えばレーダーを用いて監視を行い、移動体監視対象範囲4342の中に移動体4があれば、
(1)移動体4個々の状態、即ち位置403、形状(移動体幅404、奥行き405)、動態(速度、方向)を瞬時に計測する。又、
(2)個々の移動体4を追跡する。
(3)移動体4が何であるか(人、2輪車、自動車など)の種別の予測を行い、本情報をセンタBに送ることにより、監視カメラ25だけでは移動体4が判別できない場合などに、種別をシンボル、マーク、文字などで表してセンタB監視支援の一助とする。
(3-1)2つの足跡を交互に動かして進行するものは1人の歩行者。
(3-2)2つの足跡の距離を変えずに距離方向に進行するのは1台の2輪車。
(3-3)少なくとも4つの足跡を持ち、4足跡間の距離を変えずに、2足跡の距離方向に進行するのは1台の自動車。
例えば、通過ゾーンとの関係から
(1)通過ゾーンC409において、本来は陸側402に通行・避難する行動をとるべきところ、移動体4の停止、後退を検知した場合は、門部Aの光警報器20、音声警報器18で警報を発して移動体4の通過促進を図るものとする。
(2)通過ゾーンC409において下記の場合、門扉閉鎖不可の原因となる可能性があり、門扉停止しセンタB介入要請を発報することにより、門扉の閉鎖完遂を目指すことができる。
(2-1)門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時に、通過ゾーンC409に残置物を検知した場合。(この場合を、以下、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物を検知した場合と略称する)
門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時に、移動体4あるいは移動体4の一部、即ち、残置物が残置物通行帯にある場合、それは既に自ら通行や避難ができないと考えられる。よって、門部Aの光警報器20、音声警報器18で通過促進など指示を行い、あるいはセンタBから周辺避難者に撤去協力要請を行う必要がある。
(2-2)通過ゾーンC409で移動体4の停滞を検知した場合。
移動体4監視の目的は、下記を瞬時に把握し対応することである。
(1)移動体4の動態把握
(1-1)移動体監視対象範囲43にある移動体4の位置403、形状(移動体幅404、奥行き405、外郭)、及び動態(速度、方向(停止、停滞))など
(1-2)又、応用として、移動体4だけではなく、移動体監視対象範囲43にある遮断具23の長さ、門扉端位置の計測など
(1-3)個々の移動体4の追跡
(1-4)これらの情報から移動体4の種別予測
(2)通過ゾーン及び通行帯との関係から
(2-1)通過ゾーンC409での移動体4の停滞
(2-2)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4の有無
(2-3) 上記データの組合せから、通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖を検知した封鎖通行帯検知方式の適用
(2-4) 通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式の適用
(3)門扉と移動体4との接触・衝突回避を図る移動体4到着時同幅閉鎖停止方式の実施
(4)上記の結果によるセンタB向け情報提供とセンタB監視画面反映
表14「通過ゾーンC又はその近傍に移動体の有無と開口幅(通行帯)毎の進入移動体の挙動」を説明する。
(1)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4無しの場合
(ア)開口幅6≫進入移動体幅404の場合は、
(a)開口幅6がフリー通行帯の場合、どの移動体4も減速せずに通過する。
(b)自動車通行帯での2輪車、歩行者、2輪車通行帯の歩行者も、減速せずに通過できる。
(a)通過ゾーンC409又はその近傍 に移動体4無しの場合の、自動車通行帯における自動車(ハッチング部で示す)は、高速で開口幅のスペース300に接近して、場合によってはそのまま強行進入・通過し、あるいは門扉と接触・衝突し、門扉の閉鎖機能破壊を引き起こす可能性がある。(自動車が進入断念し、通過ゾーンA410に停止する場合は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照。)
(b)2輪車通行帯における2輪車、歩行者通行帯における歩行者の場合は、進入躊躇するであろうことは、表1移動体4の種類と特徴、及び通行帯と門扉閉鎖速度でも見たとおりである。(2輪車が進入躊躇し、通過ゾーンA410に放棄放置された場合については、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照)。
(c)稀に、一部の2輪車が2輪車通行帯へ強行進入する場合もある。2輪車は、外的障害、転倒に弱いので、門扉との接触・衝突で門扉の機能破壊を起こす可能性は低いと想定できる。
(d)進入躊躇した歩行者は避難階段などへ迂回避難する。
(ウ)開口幅6≪進入移動体幅404の場合
(a)全ての移動体4は(通過ゾーンC409に)進入できないので、門扉前(通過ゾーンA410)で停止する。(移動体4が通過ゾーンA410で停止した場合は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照。)
(b)歩行者(自動車、2輪車を放棄した者含む、以下同じ)にあっては避難階段などへ迂回避難する。
(2)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合は、
(ア)開口幅6≫進入移動体幅404の場合は、
(a)開口幅6がフリー通行帯の場合は、並行通過が可能の場合もあるので、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の動向に注意しつつ進入、通過すると思われる。
(b)自動車通行帯における2輪車、歩行者、2輪車通行帯における歩行者の場合は、明らかに並行通過可能と判断できる場合には、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4に注意しつつ進入、通過。それ以外は通過待ちをして、後続して通過すると思われる。しかしながら、
(c)自動車通行帯以降では、門扉の開口幅6≫移動体幅404の場合であっても、自動車が進入断念して通過ゾーンA410に停止・停滞した場合、後続する進入移動体4の進入路を封鎖する可能性がある。(本ケースは、開口幅6≪移動体幅404の項で記述する)
(イ)開口幅6(NE)進入移動体幅404の場合
(a)開口幅6が、通過ゾーンC409又はその近傍に有る移動体4の存在により狭まって、どの移動体4も、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の通過を待たざるを得ず、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4に後続して、再度慎重に通過可否を判断し進入・通過を図ることとなる。
(b)自動車通行帯における自動車の場合では、一般に、進入する自動車は、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の通過を待たざるを得ず、移動体4の通過後、開口幅6の通過可否を判断し、進入、あるいは、進入断念する。その進入速度は低速であるので、進入自動車による、門扉の機能破壊に至るような接触・衝突の可能性は低いと思われる。しかしながら、一部の自動車は、クラクションなどを鳴らして通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4を排除して強行進入を図る可能性も否定できない。(ハッチング部で示す)
(c)自動車が移動体4の通過を待った場合には、後続自動車は、通過の待ちの自動車の行列を形成することが想定できる。
(d)自動車が進入断念した場合は、その自動車が他の移動体4の進入路を封鎖する可能性がある(本ケースは、開口幅6≪移動体幅404の項で記述する)。
(e)2輪車通行帯における2輪車、歩行者通行帯における歩行者の場合は、移動体4の通過待ちをせざるを得ず、その間門扉閉鎖も進行するので、進入躊躇の頻度が高まるであろう。2輪車が進入躊躇で、放棄された場合には、後続2輪車の進入路封鎖の可能性がある。
(f)稀に、一部の2輪車が2輪車通行帯へ強行進入する場合が想定されるが、先述の様に2輪車は外的障害、転倒に弱いので、門扉との接触・衝突で門扉の機能破壊を起こす可能性は低いと想定できる。
(g)進入躊躇した歩行者は、避難階段などへ迂回避難など。
(ウ)開口幅6≪進入移動体幅404の場合
(a)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4の有無に関らず、移動体4は進入できず、門扉前(通過ゾーンA410)で停止することになる。
(b)自動車の通過ゾーンA410停滞による進入路封鎖に付いて
i.自動車通行帯における自動車の進入断念、あるいは、開口幅6が自動車通行帯以降、開口幅6≪進入自動車幅となった場合の進入不可の理由で、自動車が通過ゾーンA410に停滞すると、対向する通行帯の進入路封鎖が発生する。
ii.これは、門扉の開口幅6が自動車の通行帯封鎖によって一挙に狭まったことと同じであり、その後の未封鎖の通行帯(開口幅6)と進入移動体4の挙動の関係は前述の通りである。
(c)2輪車が通過ゾーンA410に停止・停滞した場合
開口幅6(NE)進入2輪車での進入躊躇、あるいは開口幅6≪進入2輪車幅で、2輪車が通過ゾーンA410に停止・停滞すると、後続2輪車の進入路封鎖の可能性がある。但し、本提案では、自動車による進入路封鎖に比較して門扉閉鎖に関る影響が少ないので、自動車による進入路封鎖を重点的に取上げる。
以上を門扉の閉鎖機能破壊に至るような門扉・移動体4の接触・衝突の可能性の観点から纏めると、門扉閉鎖の危機的状況の可能性は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4の有無の状況に関わらず、変わらないことが分かった。障害の元凶は自動車であり、特に、開口幅6が自動車通行帯の時、発生する。
(a)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4無しの場合には、自動車は、より高速で開口幅のスペース300に接近し、その状態下で強行進入の挙動が行われる可能性があり、表14通過ゾーンC又はその近傍に移動体の有無と開口幅(通行帯)毎の進入移動体の挙動の中で最も門扉の閉鎖不能化に至る門扉、移動体4の接触・衝突の可能性が高いエリアとなる。又、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合においても、通過ゾーンC409又はその近傍にある移動体4をクラクション等で排除して強行進入する可能性がある。この対応策として、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式を述べる。
(b)一方、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合は、多くは通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4のために、通過待ち的状況が発生するので、特に自動車が低速化するなど、門扉の閉鎖機能破壊に至る様な門扉との接触・衝突が起こる可能性が少ないであろうことは分かった。
(c)又、稀なケースとして、2輪車通行帯で2輪車が放置され、2輪車の挟み込みの可能性が考えられる。尚、本ケースでは、通過ゾーンC409での移動体4の停滞、又は、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有を検知して対処するものとする。
(d)自動車停滞による進入路封鎖後は、歩行者は避難階段などへ迂回避難することになるであろうと思われる(歩道部付き道路の場合は、2輪車(自転車)、歩行者は歩道部で通行・避難することができる)。
(e)尚、門扉の閉鎖機能破壊は、門扉駆動装置13の故障検知機能で動作不能を検知する。
移動体幅404+β≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧移動体幅404+α ……(A)あるいは、
移動体幅404+α≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6>移動体幅404 ……(B)
などと定義できる。(以下,(A)で説明する)
移動体4の通過ゾーンC409到着時の門扉の開口幅6について
(1)移動体4の通過ゾーンC409到着予定時刻は、移動体監視対象範囲43にある自動車の中から、最も通過ゾーンC409に近い自動車を対象とする。道路に曲直ある場合は、その形状に沿って距離を算定することが望ましい。到着予想時間は、当該自動車の距離/速度で計算する。直線方向にある遠方の自動車の走行方向が通過ゾーンC409を指していない場合などについては、当該自動車は、やがて、狭まりつつある開口幅のスペース300を目指して進路変更してくるので、通過ゾーンC409に直線的に進行してくると見做して良い。
(2)開口幅6は、上記到着予想時間に閉鎖速度を乗じて算出する。閉鎖速度に変速閉鎖制御方式などを採用する場合はそこで定める閉鎖速度で算出する。
(3)移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6が、式「移動体幅404+β≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧移動体幅404+α」の範囲外である場合は、当該移動体4は開口幅6が広くて悠々通過できるか、又は、狭すぎて通過できないかのどちらかであるので、閉鎖継続する。範囲内である場合は、現在の開口幅6と式「移動体幅404+β≧開口幅6≧移動体幅404+α」を比較して、範囲外なら閉鎖継続し、範囲内なら、閉鎖を停止する。このような処理により、自動車と門扉との接触・衝突を回避しつつ、門扉閉鎖も進行させる仕組みとする。
門閉鎖し、開口幅6が徐々に狭まる中、開口幅のスペース300を通過しようとする当該自動車と開口幅6の関係を整理した。
この時に、停止した先頭自動車が大型車などで通過ゾーンC409との間が離れて停車した場合などでは、車列の後ろ側方から車幅の狭い軽4輪車などが割込んで、開口幅のスペース300の通過を試みるかもしれない。しかしながら、このような例でも、やがて、軽4輪車も開口幅のスペース300を通過できなくなり、自動車の停止・停滞車列ができることになる。
移動体4種類が自動車であることの認識方法の例は前述の通り。
上記で定める通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知することにより、後続自動車の進入路封鎖を行ったということは、前述した、遮断具23よりも更に頑丈な自動車で通行封鎖を行ったということであり、この様な動かしがたい自動車による通行封鎖は、少なくとも後続自動車運転者に対して当該門部Aの通過を断念させ、歩いて歩道部、あるいは誘導避難路での避難を促す契機となると思われる。
又、本事象は、自動車が通行・避難する門部Aでは必ず発生する事象であるので、この進入路封鎖(封鎖通行帯検知方式)を有効に活用したい。
(1)封鎖通行帯が自動車通行帯、及び2輪車通行帯ならフリー通行帯の閉鎖速度などに増速して封鎖するなど
(2)尚、再設計後の通行帯におけるフリー通行帯に掛かって封鎖している場合にも延長適用可能である。
(3)門扉が封鎖通行帯閉鎖以降は、安全を期して予め定めた閉鎖速度(基本的変速閉鎖制御モードなど)で封鎖することが望ましい。
(4)車道部だけの道路の場合には、安全を期すために、少なくとも残置物通行帯は封鎖通行帯に含めないことが望ましい。
通過ゾーンC409に移動体4停滞を検知した場合であっても、開口幅6をできるだけ縮めておきたい。監視検知方式により、移動体の外郭406は分かっており、門扉端の位置もわかっているので、例えば、門扉端から移動体4外郭までの最短距離を計測し、(最短距離−β/2)などの計算を行い、(最短距離−β/2≧0が成立するなら門扉閉鎖信号を発して閉鎖を進め、成立しないなら門扉を停止するなどして、その後に閉鎖する開口幅6を縮小し、閉鎖時間の短縮を図ることができる。
(1)(STP-1(ステップをSTPと称す。以下同じ))スタート
(2)通過ゾーンC409に移動体4の有無を判定し、移動体4有なら。
(STP-2)門扉が残置物通行帯に有無を調べる。門扉が残置物通行帯に有る場合は、残置物の挟み込み防止のために、センタB介入要請し、門扉停止停止信号を発して(STP-1)に戻る。
(3)通過ゾーンC409に移動体4無しの時、
(STP-6)通過ゾーンA410に自動車有無を判定する。
(STP-7)通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞が無しなら、基本的変速閉鎖制御モードに切替えて、門扉閉鎖信号を発して、(STP-1)に戻る。
(STP-9) 先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6が〔先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α〕の範囲外であるなら、先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6は先頭自動車が通過できる幅よりも、遥かに広いか、狭いかのどちらかであるので、門扉閉鎖信号を発し,(STP-1)に戻る。
(4)本(1)(2)(3)の処理は、瞬時に繰返し実行することにより、種々の条件変化に素早く対応するものとする。
(5)尚、本方式は、自動車幅+αが開口幅6より狭ければ、自動車は通過し、広ければ停止するという基準で自動車操作者の行動を想定している。従って、自動車幅+α(NE)開口幅6時の自動車の強行進入など、必ずしもそうではない行動に対しては、別途、スイング機構付き擬似門扉や連続通過防止モードなどの対応策、あるいは接触検知方式との組み合わせ方式をを提案している。
(1)監視検知方式は、単独、あるいは、通過ゾーンA410、通過ゾーンC409、及び、通行帯の概念との組合せで提案した。特徴的な内容を下記する。尚、その情報は門部Aの自律的制御に活用すると共に、必要に応じセンタBへ情報発信しセンタB監視・操作方式を支援する。
(1-1)移動体4の種別予測
(1-2)通過ゾーンA410、Cに移動体4の有無
(1-3)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4(残置物)が有り、門扉が門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至っている場合
(1-4)通過ゾーンC409で移動体4の停滞(開口幅6縮小方式)
(1-5)通過ゾーンC409で移動体4の停止・後退
(1-6)通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖検知(封鎖通行帯検知方式)
(1-7)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
(2)新遮断方式との組合せでは、
(2-1)遮断具23が自動車通行帯以降破壊されない時は新遮断方式の継続。
(2-2)破壊された場合には、監視検知方式による門扉の自律的制御に切替えることにより、センタB負荷を増大させることなく対応可能とするなど、補完して門扉閉鎖を完遂させることができる。
(3)変速閉鎖との組合せでは、
(3-1)変速閉鎖の持つ門扉の迅速・安全な閉鎖完遂のほかに
(3-2)通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖を検知したことに伴う封鎖通行帯制御モードの適用
(3-3)通行帯ごとの閉鎖速度を基にして、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式での移動体4到着時の正しい開口幅6算出などに生かすことができる。
(4)接触検知方式との組合せ、あるいは、接触検知方式と他の方式との組合せ方式では
(4-1)接触検知方式との組合せでは、移動体監視対象範囲43の全ての移動体4を接触、非接触方式で門部Aの自律的制御の対象とするので、より高度な門部Aの自律的制御が可能となる。
(ア)接触検知方式は、通過ゾーンC409にある移動体4と門扉との接触あるいは接触度合を通じて自律的制御を行う方式である。
(イ)監視検知方式では、接触検知方式では接触検知できない範囲、即ち、通過ゾーンA410や移動体監視対象範囲43にある移動体4、あるいは通過ゾーンC409の非接触移動体4も捉えて、門部Aに自律的制御を行わせることができる。
(4-2)通過ゾーンC409の移動体4(残置物)の検知について
(ア)残置物通行帯にある移動体4(残置物)検知については、門扉閉鎖の最終段階であるので、より安全を期して、接触検知方式、監視検知方式の2重の検知方式を採用することが望ましい。
(イ)移動体4の停滞検知については、監視検知方式であると開口幅6≫移動体幅404状態における移動体4の停滞も検知する。この場合は、門扉をβ/2など一定距離まで閉鎖進行させて、停止させるほか、門扉閉鎖阻害要因発生の予兆として捉え、センタB介入要請して対処することが望ましい。
(4-3)より高度な門部Aの自律的制御を行えることにより、センタB監視・操作は、よりセンタB負荷を少なく、あるいは、一人当たりより多数の門部Aを管轄可能とすることができる。
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない)では、
(1-1)極めて稀なケースであるが、移動体4との衝突などによる門扉の閉鎖機能破壊検知、及び通過ゾーンC409 内の移動体4停滞を検知し、センタB介入要請をする必要がある。
(1-2)新遮断方式適用では、本区間を遮断しないで通行・避難可能とする。
(2)自動車では、
(2-1)強行進入・通過を図る可能性のある自動車に対して、移動体4が遠方にあっては監視検知方式による移動体4到着時同幅閉鎖停止方式、直近の通過ゾーンC409では擬似門扉による接触検知方式、又は、停滞監視で防護し、門部Aの自動制御で自動車と門扉の衝突、門扉の機能不全化を回避する。
(2-2)自動車の通過ゾーンA410停滞は、後続移動体4の進入路封鎖に当るので、封鎖通行帯を特定し、閉鎖遅延回復策、閉鎖時間短縮策のために、当該通行帯の増速閉鎖などが可能である。
(2-3)自動車は、強行進入、連続通過、あるいは通過ゾーンC409内での停止/停滞などにより、門扉の閉鎖遅れ発生の原因となる。
(ア)強行進入防止には自動車通行帯を遮断する新遮断方式が適用できる。
(イ)連続通過は、門部Aの自律的制御に代替して、センタB介入し連続通過防止モードの発動で対応する。
(ウ)閉鎖遅れ防止のため、通過ゾーンC409内の移動体4(自動車)の停止/停滞監視、及び門扉の閉鎖遅延時刻(経過)の監視が必要となる
(3)2輪車では、
(3-1)接触時、2輪車が転倒して放置されると、2輪車の挟み込みなど、閉鎖不可の重大事故を発生させる可能性が出てくる。
(3-2)閉鎖への支障、不可を防止するため、2輪車の通過ゾーンC409内停滞(放置)監視、接触検知が必要となる。
(3-3) 転倒自転車の撤去のために、少なくとも擬似門扉、あるいは補助門扉5下端の地上高を0.6m以上確保が必要となる。
(3-4)撤去に、センタBからの音声含む、音声警報器18から周囲避難者への協力要請が必要である。
(4)歩行者では、
(4-1)外的甲装を持たない歩行者が挟み込まれた場合、接触検知方式の擬似門扉等、挟み込み防止機構の作動が期待できる。
(4-2)挟み込み防止を図るため、歩行者の通過ゾーンC409内停滞監視が必要となる。
(4-3)挟み込みからの脱出に音声警報器18から周囲避難者への介助協力要請が必要となる。
(5)残置物では
(5-1)移動体4あるいは移動体4の一部など残置物が存在すると閉鎖不可となる。
(5-2)接触検知方式、監視検知方式で通過ゾーンC409の残置物を監視し、早期発見とセンタB介入での対処が必要となる。
(5-3)これらを撤去するためには、音声警報器18から周囲避難者への撤去協力要請が必要となる。
(5-4)平常時から通過ゾーンC409周辺の残置物の監視・撤去を実施することが必要である。
(1)センタB介入要請時刻とは、「津波到達前に門扉閉鎖を完了させる」の視点から、閉鎖途中の状況に関らず、センタB介入要請を行うと定めた門部AごとのセンタB介入を要請する時間的契機である。
(2)図8の上段に示す、門扉閉鎖のスケジュール(当初)は、最新情報によって更新される当該地域、当該門部Aへの津波到達予想時刻から安全余裕時間としてn2分前倒しした時刻を閉鎖完了リミット時刻とし、この閉鎖完了リミット時刻までに閉鎖完了させるべく、想定したセンタB介入作業時間n1分を前倒しした時刻をセンタB介入要請時刻とする。次に、門閉鎖開始からセンタB介入要請時刻までの間に、門部A固有の閉鎖完了予定時間と余裕時間を配したものである。
(3)閉鎖遅延時刻とは、津波対応への最後通告的なセンタB介入要請時刻に対し、少し前段階で、対応遅れの未然防止的位置付けで、注意喚起するセンタB介入要請であり、閉鎖開始時刻から閉鎖完了予定時間後、閉鎖遅延発令時間を余裕時間の中に設定し、これを閉鎖遅延時刻とする。
(4)尚、センタB介入要請時刻が経過したことを、センタB介入要請時刻(経過)、閉鎖遅延時刻が経過したことを、閉鎖遅延時刻(経過)と表現する。又、閉鎖完了予定時間が閉鎖完了リミット時刻を超過した場合も、津波到達時刻(経過)と表現する。
(5)各種シミュレーションにより、当該地域で想定する震源域(波源域)と、そこでの地震発生から津波到達までの時間が分かっているので、上記の時刻が計画段階で設定できる。この計画において閉鎖完了リミット時刻までにセンタB介入要請時刻の設定や余裕時間の確保が十分出来ない場合には、下記諸施策を講じることが望ましい。
(5-1)津波警報の情報の早期入手可能化、あるいは一定規模の地震発生即津波発生と見切り判断するなどして早期閉鎖開始化する。
(5-2)閉鎖完了予定時間を短縮する。
(ア)閉鎖速度の高速化、又、高速化と合わせ通行帯毎の変速閉鎖化を図る。
(イ)閉鎖阻害要因の発生を防止する。
i.新遮断方式の導入により、自動車通行帯、2輪車通行帯などの移動体4の通行・避難を遮断する。
ii.避難訓練の徹底により、避難時は自動車の不使用、使用した場合でも強行進入・ムリな通過防止(門扉との衝突、遮断機21破壊、連続通過など)を図る。
iii.同様に、通過ゾーンC409上に停滞する移動体4(移動体4(自転車など)の放置、倒れた人など)の除去協力要請対応訓練を行うなど。
(5-3)余裕時間、センタB介入作業時間、安全余裕時間などを調整し、短縮設定する。
(5-4)センタB介入が発生した場合でも、センタB対応遅れが発生しないように、センタB介入要請事象の発生時期を分散させるなど管掌門部A全体の負荷バランスを考慮した閉鎖計画を立案する。などして対策する必要がある。
(6)このように確保した門扉閉鎖のスケジュール(当初)の中で、閉鎖阻害要因が何も発生せず閉鎖作業が進めば、閉鎖完了予定時間後に門扉は閉鎖完了する。一般化して定義すれば、閉鎖完了予定時間とは、現時刻の閉鎖位置から閉鎖阻害要因が何も発生しなかった場合の閉鎖完了までの閉鎖所要時間である。
(7)閉鎖途中で閉鎖阻害要因の発生があると、その対応時間分だけ閉鎖完了予定時刻が後倒しでズレることになる。図8下段の閉鎖途中を示すチャートは、閉鎖作業が進展しつつも閉鎖阻害要因が発生し、その結果、閉鎖完了予定時間がズレて、閉鎖遅延時間が発生し、余裕時間が短縮していることを示している。
(8)閉鎖遅延時刻は、門扉閉鎖開始時のスケジュール(当初)の閉鎖完了予定時間の一定時間(閉鎖遅延発令時間)後、且つセンタB介入要請時刻の前に設定し、閉鎖遅延時刻 ≦ 現在時刻+閉鎖完了予定時間となった場合に閉鎖遅延時刻(経過)としてセンタB介入要請を発報する。
閉鎖遅延時刻は、下記のような設定を行っても良い。
(8-1)閉鎖遅延時刻(第1段階)、閉鎖遅延時刻(第2段階)などの様に、複数段階設定して、センタBへの注意喚起、介入による対応を促すとともに、閉鎖遅延を拡大させないようにセンタB介入要請時刻の予鈴的位置付けて活用しても良い。
(8-2)又、閉鎖遅延時刻は、大きな閉鎖阻害要因となる自動車の連続通過など自動車通行帯の閉鎖遅延対処にも適用できるので、門扉閉鎖の現在位置を常に把握していることを活用して、通行帯ごとに閉鎖遅延時間の限度を設定し、これを通行帯ごとの閉鎖遅延時刻として、センタBへの注意喚起、センタB介入要請を発報しても良い。このとき、各遅延時間の合計は余裕時間の範囲内で、当該通行帯で消費しなかった遅延時間は次の通行帯に繰り越すか否かなどのルールを決めて運用することも考えられる。
(9)一方、「センタB介入要請時刻(経過)」の発報は、現時刻の門扉の閉鎖位置から閉鎖完了までの閉鎖完了予定時間を計算して、センタB介入要請時刻 ≦ 現時刻+閉鎖完了予定時間となった場合に行う。
(9-1)センタB側の対応に余裕を持たせるために、「センタB介入要請時刻」を前倒し発動するためには、センタB介入作業時間に余裕を持たせて長く設定する方法、あるいは、予鈴方式として、センタB介入要請時刻となる一定の時間前に、予鈴時刻を設定して発報しても良い。
(9-2)個々の門部Aについては、センタB管掌の門扉が一斉に本契機に該当してセンタBの対応能力を超えないように、該当時間を閉鎖優先エリアごと、重要門部Aごとなどに分散させて設定するすることが望ましい。
表15の「通行帯別の門扉閉鎖危機への対応」を通行帯別、対応等項目別に説明する。
(1)フリー通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)当該道路を通行する全移動体4が混在通過する。
(イ)車道部だけの道路の場合、自動車、2輪車、歩行者が混在通過する。
(ウ)歩道部の場合、2輪車、歩行者が混在通過する。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀れなケースであるが、移動体4、特に自動車と門扉との衝突による門扉の閉鎖機能破壊が想定される。
No.3門部Aの対応;
(ア)本ケースでは、門扉駆動装置13の故障検知機能で動作不能を検知し、センタBへの故障連絡、センタB介入要請を行う必要がある。
No.3センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)フリー通行帯において移動体4との衝突などによる、門扉故障は殆ど発生しないと思われる。
(イ)故障連絡、センタB介入要請があれば、センタBからの遠隔操作により出来る限りの種々の解消策実施が必要である。多くの場合センタBからの遠隔監視・操作では門扉の故障回復はできないので、仮に本事象発生の場合には、門扉の閉鎖完了に致命的障害となる。
(2)自動車通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)自動車、2輪車、歩行者が混在通過する。
(イ)自動車は、外的甲装を持ち、転倒にも強く、推進力があり、強行進入する可能性がある。
(ウ)連続通過する可能性もある。
(エ)自動車が通過ゾーンA410内で停滞すると、自動車、2輪車、歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(オ)自動車は、2輪車(バイク)と比較して圧倒的に量が多く、要援護者避難の支援にも使用される可能性が高い。(登録車+軽4輪車+バイク)販売台数(2011年度4.6M台)の構成比で普通、小型乗用車51.7%、普通、小型貨物車6.3%、バス0.2%で登録車合計58.3%、軽4輪車33.0%、左記合計で91.2%を占め、要援護者支援に使用されると思われる。尚、世の中にある自動車、バイクのストックが不明なので、販売台数構成比をストック比率に敷衍した。詳細は表2_新車販売台数参照
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)自動車の強行進入、連続通過で門扉との接触発生。接触検知装置12の作動による門扉の停止・後退がある。
(イ)通過ゾーンC409で自動車が停止、後退、あるいは停滞すると門扉の閉鎖遅延の原因となる
(ウ)自動車通行帯閉鎖中の遮断具23が強行進入によって破壊されると、門扉閉鎖速度減速などで閉鎖遅延の可能性がある。
No.3門部Aの対応;
(ア)自動車を監視検知しても停滞でないなら、光、音声警報器18で通過促進等アラーム発報などをして門部Aの制御で対応することができる。
(イ)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式により門扉と自動車との接触・衝突回避を行う。
(ウ)自動車は強力な推進力を持つため停滞することは極めてまれであるが、移動体監視装置11により通過ゾーンC409で自動車の停滞を検知した場合、光、音声警報器18で通過促進を促しセンタB介入要請を行う。
(エ)強行進入、連続通過などして門扉の閉鎖遅延時刻(経過)、あるいは、センタB介入要請時刻(経過)となった場合、光、音声警報器18でアラームを発すると共に、センタB介入要請を行う。
(オ)遮断具23破壊で閉鎖速度減速、センタB介入要請を行う。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)外的甲装、転倒に強く、推進力を持つ自動車の停滞は殆ど発生しない。
(イ)しかし、遮断具23破壊、強行進入、連続通過で、最大の門閉鎖阻害要因になり、閉鎖遅延発生の可能性は高いと思われる。
(ウ)センタB介入要請があれば、移動体4への通過促進、進入禁止措置、連続通過防止モード、閉鎖速度調整などの発動でセンタBから遠隔監視・指示など対応する必要がある。
(3)2輪車通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)2輪車と歩行者が混在通過する。自動車は2輪車通行帯の開口幅6では進入できない。
(イ)2輪車は、外的甲装を持たず、且つ、余震や瓦礫の散乱する中の走行、あるいは門扉との接触など転倒に最も弱く、狭隘部への進入を躊躇すると思われる。
(ウ)自動車が通過ゾーンA410内に停滞すると2輪車、歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(エ)(登録車+軽4輪車+バイク)販売台数(2011年度4.6M台)の構成比で2輪車(バイク)は8.8%と少なく、自転車での避難と合せても2輪車での避難は絶対数が最も少ないと思われる。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀に2輪車と門扉との接触による、接触検知装置12の作動。
(イ)接触による2輪車の転倒、その後通過ゾーンC409に2輪車が放置(停滞)されると門扉閉鎖を停止・遅延させ危機となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)接触検知装置12による接触検知、移動体監視装置11による監視検知で停止・停滞監視を行い、停滞していないなら光、音声警報器18でアラーム発報など門部Aの制御で対応する。
(イ)通過ゾーンC409で2輪車の停滞(放置)検知すると光、音声警報器18で通過促進、センタB介入要請を行う。
(ウ)又、閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で、光、音声警報器18でアラーム発報と共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)2輪車での避難は絶対数も少なく、又、2輪車は狭隘部への進入を躊躇するので、2輪車の転倒・放置発生も低頻度であると思われる。
(イ)2輪車の放置(停滞)の発生は門扉閉鎖の危機となるので、センタB介入要請があれば、センタBは運転者あるいは周辺歩行者に放置2輪車の撤去協力要請を行うなど迅速な対処が必要となる。
(4)歩行者通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)歩行者通行帯では、自動車、2輪車は進入することができない。
(イ)人は、人体幅に閉鎖しつつある門扉の開口幅のスペース300(狭隘部)には危険を感じて進入を躊躇すると思われる。
(ウ)又、進入した場合でも、人は機敏性を持ち、転倒にも強く、避難者同士の相互介助などもあり多くは挟み込みなどの危険を回避できると思われるが、転倒時身動き不可発生の可能性も否定できない。
(エ)自動車が通過ゾーンA410内に停滞すると歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(オ)歩行避難奨励の教育訓練が徹底する地域では、最多数が避難する可能性もある。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀に、歩行者の強行進入、連続通過による門扉との接触、挟み込みなど接触検知装置12が作動する。
(イ)歩行者の転倒など通過ゾーンC409での身動き不可(停滞)などの状況が発生すると門扉閉鎖停止の要因となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)スィング機構による挟み込み回避含む接触検知、移動体監視装置11による停滞監視など、歩行者が非停滞なら光、音声警報器18でアラーム発報など門部Aの制御で対応する。
(イ)移動体監視装置11により通過ゾーンC409上で歩行者の停滞を検知すると、光、音声警報器18で周辺歩行者に介助協力要請を発報し、センタB介入要請を行う。
(ウ)閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で光、音声警報器18でアラーム発報すると共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)稀に人の停滞が発生する可能性がある。
(イ)センタB介入要請があれば、周辺歩行者への介助協力要請など迅速対処が必要となる。
(5)残置物通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)新たに進入する移動体4の可能性は殆ど考えられない。
(イ)本通行帯の移動体4は、移動体4、又はその一部が残置されたと考えられ、通行特性的には既に停滞していると思われる。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)残置物がなければ門扉閉鎖を停止・遅延させる要因はなく、残置物通行帯に至るまでの通行帯と移動体4に要因がある。残置物の早期の発見・対処が必要である。
(イ)一方、残置物がある場合、門扉は閉鎖完了の段階にあり、必ず門扉閉鎖停止・遅延の要因となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)本通行帯は門扉閉鎖を完了させる最終段階であるので、移動体4の接触検知、監視検知による停止/停滞検知何れの場合でも検知すれば、門扉閉鎖を停止し、光、音声警報器18で周辺歩行者に撤去協力要請を発報し、センタB介入要請を行う。尚、通過ゾーンC409の移動体4監視検知で、早期発見、早期対策を図ることができる。
(イ)又、閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で光、音声警報器18でアラーム発報すると共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)閉鎖完了させるための最終確認として、残置物無しの確認が必要である。
(イ)センタB介入要請があれば周辺歩行者に撤去協力要請が必要である。
(1)レベルAは、最優先でセンタBの対応を要す事象であり、
(ア)「センタB介入要請時刻(経過)」は、センタB介入しないと閉鎖完了不可の時間的可能性を伝達する。
(イ)「通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有」は、残置物通行帯に残置物が存在すると閉鎖完了不可となるため、残置物の撤去をセンタBに介入要請するものである。
(2)レベルAAは、レベルAの範疇を越えた最悪の危機事象であり、
(2-1)「門扉故障」は、門扉が開閉作動できなくなった、即ち当該門部Aでは津波来襲を防御できなくなった最悪の事象発生の可能性を示す。
(2-2)「津波到達時刻(経過)」は、(現時刻+閉鎖完了予定時間)が、閉鎖完了リミット時刻を越え、閉鎖完了が津波到達に間に合わなくなった可能性を示す。
(3)レベルBは、レベルAの予兆として早期対応を要し、
(3-1)「閉鎖遅延時刻(経過)」は、移動体4、特に自動車の連続通過などにより、門扉閉鎖が阻害され、遅延が発生していることを示している。放置せず、あるいは早期に先手対策して、レベルAへのレベルアップ防止を図る必要がある。。
(4)レベルCは、レベルBよりも多少の余裕を持って対応できるレベルであり、
(4-1)「通過ゾーンC409に移動体4の停滞」は、移動体4の一定時間以上の停滞が、上述「閉鎖遅延時刻(経過)」や「通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有」の原因となるため、早期チェック、及び対策を喚起する。尚、「通過ゾーンC409に移動体4の停滞」を検知し、且つ当該移動体4が残置物通行帯に有ることも合せて検知する方式を設けた場合には、レベルBランクとしても良い。
(4-2)「遮断具23破壊」は、接触検知装置12、移動体監視装置11などが設置されている場合、それらとの組合せで喪失機能を補完する。
(1)19m道路(歩道部有)の通行帯の構造
(1-1)本図は図5「例-2-3」をベースに、道路幅員19m歩道部ありの道路で作成した。
(1-2)図は19m道路中央(センタBライン)から右半分を示す。道路中央(センタBライン)から右半分には、右折車線1車線を含んでいるため、道路幅員構造は、道路中央(センタBライン)から車道部6.5m(車線3.0m*2+路肩0.5m)、歩道部4.5mで構成される。
(1-3)フリー通行帯は全体で11.4m、自動車通行帯は1.6m、再々設計後の2輪車通行帯は4.8m、歩行車通行帯と残置物通行帯の合計は1.2mとなっている。
(1-4)再々設計後の2輪車通行帯の内訳は、車道部の2輪車通行帯0.3m、再設計時フリー通行帯4.2m、歩道部の2輪車通行帯0.3mから構成されている。
(1-5)再設計時フリー通行帯4.2mの内訳は、車道部分1.2m、歩道部分3.0mである。
(2)閉鎖開始から津波到達までのタイムチャート
タイムチャートの時間軸には、図の右側から最新情報による津波到達予想時刻、n2分(ここでは1分と仮定)の安全余裕時間を前倒しした閉鎖完了リミット時刻、更にn1分(1分と仮定)のセンタB介入作業時間を前倒ししたセンタB介入要請時刻、更に余裕時間(1分と仮定)を設定して、当該門扉の閉鎖開始時閉鎖完了予定時刻となるように設定してある。これらの時間項目、及び時間の設定は、当該地の実情に合わせて柔軟に行われるべきである。
(2-1)通行帯の閉鎖速度と閉鎖時間
通行帯ごとの閉鎖速度及び閉鎖時間は図に記載の通り。
(2-2)閉鎖開始時の閉鎖完了予定時間
夫々の通行帯の閉鎖時間の合計、即ち、閉鎖開始後の閉鎖完了予定時間は125秒、2分5秒であることが分かる。
(2-3)閉鎖阻害なしで閉鎖中
(ア)閉鎖開始以降、閉鎖阻害要因が発生せずに閉鎖する場合の通行帯別時間をチャートに示す。
(イ)何も閉鎖阻害要因が発生しない場合には、門扉閉鎖と現在時刻が共に過ぎていき、閉鎖完了予定時間が門扉閉鎖分(現在時刻の経過分)だけ縮まって閉鎖完了予定時刻は変化しない。
(2-4)自動車通行帯で閉鎖遅延した例
(ア)自動車など移動体4との接触などで、門扉閉鎖が進まず、閉鎖遅延が発生すると、門扉位置が変わらないので、現時刻だけが経過する。従って、残りの通行帯を閉鎖するための閉鎖完了予定時間が変わらずに閉鎖完了予定時刻が当初の閉鎖完了予定時刻から遅れ始め、余裕時間が減少する。
(イ)閉鎖開始時刻の閉鎖完了予定時刻と現時刻の閉鎖完了予定時刻の差が閉鎖遅延時間である。
(ウ)このような段階で、閉鎖遅延時刻(経過)となればセンタB介入要請を発報することになる。
(2-5)自動車通行帯の閉鎖遅延継続/センタB介入要請時刻発報
(ア)閉鎖遅延が継続し、余裕時間を使い切って、閉鎖完了予定時刻が「センタB介入要請時刻」を経過すると、センタB介入要請時刻(経過)を発報する。
(イ)センタBでは、光、音声警報器18などで警告、その他のセンタB介入作業を行って閉鎖阻害要因の除去に務めることとなる。
(ウ)その間、センタB介入作業時間を消費するので、センタB介入作業時間が尽きて閉鎖完了リミット時刻に至ると津波到達時刻(経過)が発報することになる。
(2-6)〔ご参考〕
(ア)ご参考として、図5「例-1」7m道路(歩道なし)の場合を同上通行帯毎の閉鎖速度で閉鎖した場合の閉鎖完了予定時間をタイムチャートにした。
(イ)7m道路で19m道路と同等の閉鎖速度を適用したため、1分程度で閉鎖完了することが分かり、又、図上余裕時間が充分確保できることも見える。
(ウ)従って、狭い門部Aの場合は、経済性・設備能力を考慮して閉鎖速度設定を行う必要があることはもちろんのこと、同時に、多数門を管理するセンタB監視の視点からは、閉鎖阻害要因が発生した場合にも、全体としてセンタB介入要請時刻が集中など偏らないよう、センタB負荷バランスを考慮した設定とすること必要であることが分かる。
上記のように、通行帯の再設計、再々設計の結果、区分された通行帯に対して、変速閉鎖制御方式を適用する場合、夫々の通行帯の閉鎖速度は門部Aごとに予め設定して運用するので、当該通行帯の閉鎖時間は、閉鎖距離/閉鎖速度=閉鎖時間の式で時間換算して示すことができる。
東日本大震災を含めた最新の研究によって、震源域、振動の継続時間、当該地域への津波到達時間などが見直されている。これらの成果を踏まえ、個々の門部Aの閉鎖時間も見直すことが必要である。
当該門部Aの基本的マスター情報としては、下記がある。
(1)道路幅員構造情報(遮断具23遮断位置含む)
当該門部Aの道路幅員構造について、道路部、歩道部及びその内訳、例えば、車線、センタBライン、植樹帯など夫々の名称と寸法を記録する。これら名称及び寸法は、門扉の閉鎖状況のセンタB監視に活用する。
(2)通行帯設定情報
当該門部Aの道路幅員情報に基づき、通行帯を再(々)設計した結果を記録する。門扉の閉鎖状況を通行帯で把握する場合などで活用する。従って、監視の緩急情報も変換する。又、変速閉鎖制御方式など変速閉鎖速度マスターとマッチングして門扉の閉鎖速度切替や閉鎖完了予定時間算出などに使用する。
(3)変速閉鎖速度マスター
当該門部Aの通行帯別の閉鎖速度をモード別に設定し、適用条件が合致した時に、そのモードを選択し、閉鎖速度制御を行う。具体的な適用では、当該門部Aの閉鎖スケジュールマスター計画時に、夫々のモードの適用条件と当該モード終了時の復帰モードを予め定めておくことが望ましい。変速閉鎖速度マスターの初期モードは基本的変速閉鎖モードとする。
(ア)基本的変速閉鎖制御モード;再々設計結果の通行帯に基づき、フリー通行帯から残置物通行帯まで、予め定めた通行帯ごとの閉鎖速度で、変速閉鎖制御するモードである。基本的に本モードで閉鎖する。
(イ)遮断通行帯制御モード;遮断具駆動装置22が設置してある門部Aの場合で、遮断具23閉鎖完了時、遮断具23が遮断する通行帯(以下、遮断通行帯という))を、より迅速閉鎖のために、門扉本体3を予め定めた閉鎖速度で閉鎖する自動閉鎖制御モードである。遮断通行帯の閉鎖終了後には基本的変速閉鎖制御モードで運転することが望ましい。又、遮断具23破壊検知情報が発せられた時には、基本的変速閉鎖制御モードに復帰することが望ましい。
(ウ)封鎖通行帯制御モード;自動車が通過ゾーンA410で停滞して、封鎖通行帯を作った場合に、予め定めた閉鎖速度で封鎖通行帯を閉鎖する自動閉鎖制御モードである。封鎖通行帯の閉鎖完了時には基本的変速閉鎖制御モードに復帰することが望ましい。
(エ)再設計後フリー通行帯制御モード;再々設計で2輪車通行帯とする再設計後のフリー通行帯に対して適用する。本モードは、閉鎖遅延時刻あるいはセンタB介入要請時刻への一定率接近などをトリガーとして、あるいは、遮断通行帯制御モードや封鎖通行帯制御モードの延長として、自動で、あるいはセンタB起動による自動、半自動で、予め設定された閉鎖速度で閉鎖される制御モードである。再設計後フリー通行帯の閉鎖完了時には基本的変速閉鎖制御モードに復帰する事が望ましい。
(オ)手動制御モード;閉鎖遅延回復などで使用される本モードは、センタB監視下、センタB操作で任意の時点で起動でき、任意の閉鎖速度、任意の区間(通行帯)を閉鎖できる手動制御モードである。手動制御モード解除後は、基本的変速閉鎖制御モードに復帰するなど、予めどの制御モードに復帰するか定めておくことが望ましい。
(4)閉鎖完了予定時間;適用モードごとに閉鎖完了予定時間が異なるので、現在採用されている適用モード、及び適用モード終了の復帰ルールに基づき閉鎖完了予定時間を演算する。
(5)移動体4監視範囲設定情報;図7で示す監視対象除外エリア44、及び通過ゾーンA410、通過ゾーンC409など監視の要否を区切るエリアである。場合によっては線や点でもよい。
(6)閉鎖スケジュールマスター;当該門部Aに設定した門扉閉鎖のスケジュール(当初)で、閉鎖開始時点から、閉鎖完了予定時間、余裕時間、センタB介入作業時間、安全余裕時間で区切られ、閉鎖遅延発令時間後の閉鎖遅延時刻、余裕時間後のセンタB介入要請時刻、センタB介入作業時間後の閉鎖完了リミット時刻などの時間、時刻要素がセットされている。(図8参照)
門部Aの基本情報に関わる特徴的情報には、通行帯、及び変速閉鎖制御からの発生情報があり、門部Aの門扉閉鎖に関る特徴的発生情報である。門扉端(門扉本体3、又は疑似門扉1の戸当り側端)の現在位置、門扉の閉鎖速度、閉鎖開始時刻及び経過時間、閉鎖機能破壊情報がある。
図11の「センタ監視画面全体構成」を説明する。
(1)門部A情報;
門部A情報は、各門部AからセンタBへの監視カメラ25情報、マイク17情報、センタB向け出力情報、及び、センタBから各門部Aへの警告、門扉開閉など遠隔操作情報などからなる。
(2)センタBの遠隔監視・操作画面;
(ア)遠隔監視・操作画面は、門部Aの監視カメラ25情報のモニタ37、門部Aのマイク17情報を出力するスピーカ41、センタB向け出力情報を集約する中央制御装置8のデータベース(D/B)、門部A別遠隔監視・操作画面からなっている。
(イ)モニタ37は、当該門部Aの状況を視覚的に把握する。センタB操作で監視カメラ25の監視方向変更、ズームなどができるとよい。監視カメラ25映像のモニタ37は、監視カメラ25ごとに複数台設置、あるいは個々の監視カメラ25映像を分割してモニタ37表示しても良く、スピーカ41は、現在監視する門部A周辺の音声情報がスピーカ41に反映されると良い。
(ウ)センタB向け出力情報は、各門部Aの状況報告情報、及びセンタB介入要請情報からなり、本情報はセンタBの中央制御装置8データベース(D/B)に集約され、センタBの中央制御装置8データベース(D/B)は、状況監視一覧画面の陸閘閉鎖状況一覧画面、あるいは防御ライン一覧画面などシステム監視各画面の要素情報を提供する。
(エ)門部A別遠隔監視・操作画面は、センタB介入要請、あるいはセンタB判断で、陸閘閉鎖状況一覧画面、あるいはその区分画面から、介入する門部Aを抽出する。当該門部AのセンタB向け出力情報に基づき、門部A情報を画面表示し、監視カメラ25映像などと合わせて門部A情報の詳細把握を行う。操作SW39で門扉の閉鎖操作、センタBのマイク40で通過促進、進入禁止などの警告、障害物の撤去依頼など、当該門部Aへの遠隔操作、警告発信を行う。
本項は、既存技術に付き、詳細例は省略する。
(3)状況監視一覧画面
(3-1)本画面は、中央制御装置8のデータベース(D/B)のデータを加工、編集し、「表」形式、「地図」形式の画面に表示する。
(3-2)陸閘閉鎖状況一覧画面は、「表」形式の画面の一種で、1門部Aを1画面内の1ブロックに表示するなど管理対象門部Aに表示の一覧性、一貫性を持たせて、見やすく表示する。1ブロック内の門部A状況を示す情報の構成要素を同位置に配置し、視覚的に判断し易くする一方、例えば、防御ラインに対応して北から南へ順に表示する、あるいはセンタB介入要請の危険度レベル順、センタB介入要請時刻の近接度順に表示など、センタBとしての介入優先順に並べ替えて、対応判断を容易化する。管掌門部Aの数が多い場合は、一覧性を高めるため、提示例の情報を更に絞って、極端な例では、1門部Aを示すブロックを画面1行で表示しても良い。
(3-3)陸閘閉鎖状況一覧画面の区分画面は、陸閘閉鎖状況一覧画面が管轄全門部Aを対象とするのに対し、予め分割した管理エリアごと、センタB員の担当門部Aごとなどに切り出した画面であり、センタB員の対応し易さを追及する。対応の過程でセンタB員の負荷の繁閑があれば、操作卓按分装置35を介して対象門の分担変更など負荷按分ができるものとする。本項では、陸閘閉鎖状況一覧画面と同じ表示内容とした。
(3-4) 防御ライン一覧画面は、「地図」形式の画面で、画面地図上に堤防2、陸閘、水門など防御ラインの配置を示し、各門の閉鎖完了など閉鎖進行の重要ポイントを簡略表示して俯瞰的状況把握を支援する。
(3-5)尚、上記の画面は、操作性の観点から、一覧画面から門部A別遠隔監視・操作画面へ、又その逆も容易に遷移できるものとする。
(4)関連情報画面;上記以外にセンタB監視を行うための関連情報として、現在発令されている地震、津波などの気象情報や対象地域全体を俯瞰できる展望監視カメラ画面があっても良い。
津波が来襲する秒を争う緊迫した情勢下、センタBの対応は、閉鎖障害発生門部Aの選択判断に迷いや遅延は許されない。従って、センタB向け出力情報を表示するシステム監視画面においては、門扉閉鎖完遂への危険因子、監視緩急度が容易に比較可能となるような並べ替え、あるいは一覧表示効果を高めてセンタB監視の効率化を図る必要がある。
(ア)1画面上、1門部Aの情報を1ブロック内で表示し、そのブロックが1画面の中に縦に並んで、且つ、各項目が同一位置に配置されて縦覧できる必要がある。その究極の縦覧の形態は1門部A1行表示となるが、多様な情報を表示する場合には1門部A1ブロック表示とならざるを得ない。
(イ)閉鎖完遂への危険度を計る門扉の閉鎖進度状況表示で一覧表示効果を高めるためには、ブロック内で閉鎖開始から閉鎖完了までが全門部A同じ位置、同じ幅内に同一尺度など同じ基準で表示される必要がある。例えば、これまで提案した例では下記である。
(a)通行帯絵文字ボタンは、通行帯全体としても、5個のボタンとして一定幅の中に表示することが可能であり、門部A間(ブロック間)を縦覧・比較することができる。又、
(b)道路幅員表示エリアを時間換算表示して門扉の閉鎖進度を表示することにより、管掌する全門部Aを津波発生から津波到達まで同一幅の時間軸上に表示することができ、縦覧することができる。
(ア)閉鎖進度に関する直接的危険因子
(a)センタB介入要請の発報、及びその危険度レベル(AA>A>B>C)
AA;門扉故障、津波到達時刻(経過)
A;センタB介入要請時刻(経過)、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有
B;閉鎖遅延時刻(経過)
C;通過ゾーンC409に移動体4の停滞、遮断具23破壊
(b)センタB介入要請への時間的近接
閉鎖遅延時刻、センタB介入要請時刻、津波到達時刻
(イ)通行帯の持つ危険因子
自動車通行帯、残置物通行帯
(ウ)門部A設置環境に起因する危険因子
閉鎖進度に対する直接的な危険因子は、センタB介入要請の危険度レベル、及びセンタB介入要請への時間的近接である。よって、この順序に門部Aを並べ替えれば、最も危険度の高い門部Aが最上位に並ぶことになり、即対応・着手すべき門部Aが判明する。更に、危険度を知らせる項目、例えばセンタB介入要請理由エリアをブリンクなど注意喚起すれば、センタBの対応を更に迅速化させることができる。
監視の緩急度が異なることを識別できる方式とした。
図14の通行帯進度表示エリアの表示例を説明する。図14は、表17の(案-1)、(案-2)を表示した例である。「歩道部なしの道路」への拡張を図り、表示例を追加した。
この実施例のシステムを用いた場合の門扉制御手順を便宜上門部AとセンタBに分けて以下説明する。
因みに、操作優先権は、一般的に、機側手動>遠隔手動>機側自動>遠隔半自動>遠隔自動操作の順となっている。
尚、門扉制御に関る当該門部Aの基本的マスター情報は、道路幅員構造情報、通行帯設定情報、変速閉鎖速度マスター、移動体4監視範囲設定情報、閉鎖スケジュールマスターなどである。
(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)、 (ステップ103)センタB発信の門閉鎖指示、門扉等操作情報、操作優先権の門部A外情報、及び、図10で示す諸情報は、当該時刻情報と共に門部Aの門制御装置7に記録されるものとする。
〔図16「門部Aの門扉制御概略処理フロー」の説明〕
門部Aの門制御装置7の制御処理は、(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)又は、(ステップ103)センタB発信の門閉鎖指示、門扉等操作情報、操作優先権を受信し、(ステップ104)津波警報又は発信指示の有無を判断し、受信がなければ(ステップ101)startに戻ることを繰り返し、常時待機状態にある。
(1)初期値の確保(処理経緯把握の原点として)
(ア)閉鎖開始(指示)時刻
(イ)閉鎖開始(指示)時刻からの閉鎖完了予定時刻
(閉鎖完了予定時刻は、各通行帯ごとの時刻が有っても良い)
(2)変化する関連情報の更新
(ア)操作優先権(初期値は、遠隔自動操作である)
(イ)閉鎖開始時刻からの経過時間
(ウ)各方式で把握する更新値
(a)センタBからの受信関連情報;津波注警報、津波到達予想時刻など
(b)諸方式から発生する情報
図10を参照。
本図のセンタB向け出力情報は、当該門部A内でも活用更新される情報である。
(c)更新値の初期値は下記とする。
・変速閉鎖速度マスター適用の初期値は基本的変速閉鎖制御モードとする。
(ステップ202)センタB向け通信(A)は、(ステップ201)関連情報更新で述べた図10の当該門部Aの状況報告情報の全部又は一部を一定時間間隔、あるいは、発生都度などでセンタB報告する。
(ステップ203)門閉鎖が完了していない場合は、(ステップ206)センタB介入要請事象チェックを行い、センタB介入要請事象に該当する事象があれば、(ステップ207)センタB向け通信(C)でセンタB介入要請事象発生をセンタBに報告する。尚、本フロー内ではセンタB介入事象が発生しても、取り上げていない。
(ステップ300)代は、新遮断方式を採用した場合である。新遮断方式不採用の場合は、(ステップ401)へ行く。
(ステップ402)操作優先権の判定から、(ステップ403)センタB操作(遠隔手動、半自動操作)、(ステップ404)(機側手動操作など)へは、上記の留意事項に記述した通りである。
(ステップ500)自律的閉鎖制御(遠隔自動操作)は、内側に2つの枠囲いで記述した。一つは、〔監視検知方式〕の単独方式であり、(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4の有無を判断し、(ステップ520) 以下の処理、あるいは、(ステップ502)を経由して、(ステップ201)に戻るルートである。もう一つは、〔接触検知方式〕の単独方式で、(ステップ500)から、直接(ステップ601)へ行くルートである。〔接触検知方式〕単独方式固有のルートは破線で示した。
(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4の有無を調べ、移動体4有なら、(ステップ502)門扉が残置物通行帯に有無の判定をする。
(ステップ503)移動体4が停滞しているか否かを調べ、停滞しているならば、(ステップ504)通過促進警報を発して、(ステップ505) (門扉端から移動体4までの最短距離)−β/2≧0の判定に行く。
又、移動体4の停滞とは、移動体4の停止状態が一定時間以上継続することであり、一定時間の例をここでは、3秒と仮定している。
(ステップ520) 通過ゾーンA410に自動車有なら、(ステップ521)通過ゾーンA410に先頭自動車が停滞しているかを調べる。自動車の停滞無しなら、(ステップ522)変速閉鎖速度マスターの適用モードを基本的変速閉鎖制御モードに切替えて、 (ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、(ステップ201)関連情報更新に戻る。
(ステップ526)(先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α)で到着時開口幅6が範囲外なら、(ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
接触検知方式の単独方式の場合は、(ステップ500)から直接(ステップ601)へ飛ぶ。
監視検知方式との組合せ方式の場合には、(ステップ500)から(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4有りの場合に(ステップ601)へ飛ぶルートである。
以下、図17のフローに従って説明する。
を説明する。
以上、移動体監視対象範囲43に拡大した通過ゾーンA410の考え方における実施例を述べたが、海側401の道路設置形状によって、必要とするセンサ28のセンシング距離の長短が決まるので、使い分ければよい。
100:門扉(門扉本体、補助門扉、疑似門扉の総称)
101:第1擬似門扉
102:第2擬似門扉
103:第1関節
104:接触検知SW(1)
105:第2関節
106:接触検知SW(2)
107:疑似門扉幅
2:堤防
3:門扉本体
300:開口幅のスペース
301:門扉軌道幅
302:門扉軌道
4:移動体
401:海側
402:陸側
403:位置
404:移動体幅
405:奥行き
406:移動体の外郭
407:速度
408:移動体から通過ゾーンCまでの距離408
409:通過ゾーンC
5:補助門扉
6:開口幅
7:門制御装置
8:中央制御装置
9:通信回線
10:警報装置
11:移動体監視装置
12:接触検知装置
13:門扉駆動装置
14:津波センサなどオプション
15:操作卓
16:津波・高潮警報
17:マイク
18:スピーカ、サイレンなど音声警報器
19: 音声合成装置
20: 信号灯、パトライト(登録商標)、表示盤など光警報器
21: 遮断機
22: 遮断具駆動装置
23:遮断具
24:カメラ制御装置
25:監視カメラ
26:移動体検知他演算処理装置
27:センサ制御装置
28:センサ
29:モニタ
30:システム監視装置
31:操作SW
32:マイク
33:スピーカ
34:大型モニタその他
35:操作卓按分装置
36:操作卓
37:モニタ
38:システム監視装置
39:操作SW
40:マイク
41:スピーカ
42:移動体監視可能範囲
43:移動体監視対象範囲
44:監視対象除外エリア
45:通過可否判断支援補助線
46:車種ごとの車幅を示す識別物
47:道路境界
48:誘導導線
Claims (15)
- 津波、及び、または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
前記移動体と前記門扉とが接触、衝突の可能性の少ない開口幅を閉鎖中の時には、速い速度で閉鎖動作を行い、前記移動体の種類毎に接触、衝突の可能性のある開口幅のときには、当該移動体の通行特性に合わせて低い速度での閉鎖を行うことを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項1の門扉制御システムにおいて、
前記移動体は自動車、2輪車、更には歩行者であることを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項2の門扉制御システムにおいて、
前記閉鎖速度はフリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯として、より速い速度から低い速度へと制御されることを特徴とする門扉制御システム。 - 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、門扉の開口幅の狭隘化と遮断具による遮断の2重の構成によって、自動車の進入を自制させることを特徴とする強行進入制止後遮断方式を採用したことを特徴とする門扉制御システム。 - 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、
前記門扉本体と比較して軽量な補助門扉を備え、
前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、
前記補助門扉として、擬似門扉のスィング機構を備え、
閉鎖完了時には移動体の挟み込み防止を図ることを特徴とする門扉制御システム。 - 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、
前記門扉本体と比較して軽量な補助門扉を備え、
前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、
前記補助門扉に接触検知センサを備え、
前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、前記接触検知センサが移動体を検知することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項6の門扉制御システムにおいて、
前記接触検知センサが移動体を検知した際には、監視センタに検知信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項6の門扉制御システムにおいて、
前記移動体検知回数が複数回連続する時は、前記移動体の後続進入を防止する信号を発報することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項8の門扉制御システムにおいて、
前記移動体の後続進入を防止するために、後続移動体の隙間に門扉を差し込んで後続移動体の進入を拒むことを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項9の門扉制御システムにおいて、
前記移動体の後続進入を防止するために、後続自動車の進入禁止の警告を発報することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項1、4、5の門扉制御システムにおいて、
前記移動体を非接触で検知する非接触検知センサを備え、
強行進入する前記移動体と前記門扉との接触・衝突防止を図ることを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項11の門扉制御システムにおいて、
前記非接触検知センサが前記移動体を検知した際に、門扉の開口を縮小させることを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項5、9の門扉制御システムにおいて、
前記移動体を非接触で検知する非接触検知センサ、又は、
前記移動体を接触で検知する接触検知センサから信号が送信された際には、監視センタに向けて介入要請信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項13の門扉制御システムにおいて、
前記監視センタは門閉鎖指示信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。 - 請求項7、13に記載の門扉制御システムにおいて、
前記監視センタは監視し、遠隔監視画面を用いて門扉の操作を行うことを特徴とする門扉制御システム。
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