JP6626629B2 - 門扉制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、津波及び/または高潮警報時の陸閘の門扉制御システムに関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1がある。この公報には、「門部Aに設置する異物検知装置の異物なしの信号に応じて当該検知された異物の状況をセンタBに送信し、当該センタBからの門閉鎖信号を受信することにより水門及び陸閘を閉鎖するものであって、この異物検知動作は、閉門動作開始から完了までの間繰り返し実行することを特徴とする津波または高潮警報時の閉門システム』と記載されている。
特開2003-278122号公報
東日本大震災では、水門・陸閘等の閉鎖に向かった現地操作員の多数が亡くなった反省を踏まえて、水門・陸閘等の遠隔操作化が提唱・推進されている。この遠隔操作化に当たっては、突然発生する地震と地震発生から津波到達までの短時間に、避難者は水門・陸閘等を経由して陸側402に避難行動を起こす。そして、遠隔操作を行うセンタBでは、限られたセンタB員で、避難者を誘導し、多数の水門・陸閘等の閉鎖に当たらなければならない状況が現出する。即ち、突然、短時間で来襲する津波に対し、管掌門部Aの閉鎖完遂を最終目的として、門扉、避難する移動体4を保護しつつ、具体的には、門扉、移動体4の接触・衝突をできるだけ避けながら、迅速・スムーズ・安全な自律的門扉閉鎖が必要となる。ここで、特許文献1には、門部Aの異物検知の有無による門部A独自の、あるいは、センタB指示による閉門方法が記載されている。しかし、前記必要性を満足しつつ、門扉閉鎖開始から閉鎖完了までの門扉閉鎖途上における移動体4種類とその避難する通行特性に基づいた閉門方法、即ち閉鎖速度のあり方、移動体4通行遮断のあり方、移動体4検知とその閉門方法などについて更に創意工夫を加える必要がある。
上記課題を解決するために、本発明は下記の構成を備える。
(1)本発明は、陸閘を通過する全ての幅員構造の道路に適用可能な、移動体4種類の特徴的幅寸法とその通行特性に基づいた通行帯の概念の創出方法。
(2)本発明は、門扉閉鎖の変速閉鎖制御を提供することにある。
(3)本発明は、自動車通行帯を門扉の開口幅6狭隘化と同期して遮断する新遮断方式(遮断具23閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式と称す)を提供することにある。
(4)本発明は、移動体4、門扉保護に力点を置く門扉閉鎖における補助門扉5方式を提供することにある。
(5)本発明は、補助門扉5方式を発展させて、門扉の自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式を提供することにある。
(6)本発明は、接触検知方式だけでは閉鎖阻害回復できないであろう、特に自動車に対する連続通過防止モードを提供することにある。
(7)本発明は、非接触で移動体4とその動態を把握し、閉鎖制御を行う監視検知方式を提供することにある。これには、封鎖通行帯検知方式、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式、通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式などがある。
(8)本発明は、上記の全体あるいは個別の組み合わせ方式による課題解決を提供することにある。
(9)本発明は、上記の全体あるいは個別の組み合わせ方式から発生する情報に基づき、センタBの負荷低減を目指すセンタB監視・操作のための情報処理を提供することにある。
本発明によれば、突然発生し、当該地域一斉に短時間で来襲する津波発生時に、遠隔監視するセンタ員が、管轄下の全陸閘を閉鎖(指示)して、防御ラインを形成し、後背地の生命・財産を守ることできる。
図1は、本発明の構造である。 図2は、擬似門扉と接触検知SWである。 図3は、移動体である。 図4は、全体システム構成図である。 図5は、道路幅員のモデルである。 図6は、接触検知方式における門扉制御信号と門扉の動作である。 図7は、移動体監視概念図である。 図8は、センタ介入要請時刻と閉鎖遅延時刻である。 図9は、閉鎖開始から津波到着までのタイムチャートである。 図10は、諸方式の特徴的発生情報とセンタ向け出力情報である。 図11は、センタ監視画面全体構成である。 図12は、陸閘の閉鎖状態表示画面〔陸閘閉鎖状況一覧画面の一部〕である。 図13(a)は、陸閘閉鎖状況一覧画面である。 図13(b)は、陸閘閉鎖状況一覧画面である。 図13(c)は、陸閘閉鎖状況一覧画面である。 図14は、通行帯進度表示エリアの表示例である。 図15は、通過可否判断支援補助線である。 図16は、門部Aの門扉制御概略処理フローである。 図17は、センタBの門扉制御概略処理フローである。 図18は、門部Aの門扉制御概略処理フロー〔再定義した通過ゾーンAの実施例〕である。
以下、本発明の陸閘を通過する全ての幅員構造の道路に適用可能な、移動体4種類の特徴的幅寸法とその通行特性に基づいた通行帯の概念の創出を説明する。
本発明では、津波発生時の海側401からの避難など、最も設置数の多い1方向から閉鎖する引き戸式門において、避難する移動体4種類は、自動車、2輪車、歩行者である。これら移動体4種類の特徴的幅寸法は、歩行者は人間の身体寸法、2輪車はハンドルを握り操作する人間工学的寸法、自動車は道路構造法など法的規制によって規定できる。又、これら移動体4種類は、門扉との接触・衝突に対する外的障害、転倒への強度などから、自動車は強く、2輪車、歩行者は弱いといえる。従って、門扉の全開放時から門扉の閉鎖進行に伴い、門扉の開口幅6が、当該移動体4種類が「どうやら通過できる」開口幅6となった際には、移動体4種類ごとに、自動車は強行進入する可能性があり、即ち最大の閉鎖阻害要因となり、2輪車、歩行者は進入躊躇する、即ち、大きな閉鎖阻害要因とはならない通行特性を持つ。
「どうやら通過できる」開口幅6区分を当該移動体4種類幅+α(αは側方余裕的寸法)とし、これに当該移動体4種類名称を付与して自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯と称し、移動体4の中で最大幅を持つ自動車よりも広い開口幅6の状態の時には、どの移動体4も悠々通行・避難できるので、フリー通行帯と称する。又、歩行者通行帯よりも狭い開口幅6に移動体4らしきものがある場合には、それは移動体4あるいはその一部であるので残置物通行帯と称するものとする。以下、前段では車道部だけの道路が存在する前提で論述する。
当然のことながら、同一移動体4種類の中でも個々の移動体4の幅寸法は異なるので、当該名称通行帯を閉鎖中は、当該名称移動体4は一般に通過できないか、どうやら通過できる。自動車通行帯の場合は、特にその幅寸法の範囲が広いので、大型車が通過できなくとも、軽4輪車は余裕を持って通過できることがある。しかしながら、当該名称通行帯以下の名称の移動体4は、例えば、自動車通行帯閉鎖時の2輪車、歩行者は余裕を持って通過可能である。即ち、門部Aを通過する道路幅員はフリー通行帯、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯で区分することができ、門扉はこの順でこれら通行帯を閉鎖しながら閉鎖完了することが分かる。
この考え方を、一般の歩道部付道路に当て嵌めて、歩道部にもフリー通行帯、2輪車(自転車)通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯の通行帯を設定した通行帯の設定方法を通行帯の基本設計と称す。門扉が徐々に閉鎖される中、通行帯の基本設計結果を移動体4種類ごとの通行特性に合わせて編成し直した通行帯の設定方法を通行帯の再設計、再設計結果に安全増しを付加した通行帯の設定方法を通行帯の再々設計として、歩道部、車道部全ての幅員構造を持つ引き戸式門に当て嵌めると、普遍的に適用可能な通行帯の概念を創出することができた。
通行帯の概念とは、主に1方向から閉鎖する引き戸式門に適用し、その道路幅員を移動体4種類ごとのどうやら通過できる開口幅6区分をベースに通行帯を設定し、夫々の通行帯に当該移動体4種類名称などを付与して通行帯名称とし、更に、移動体4種類ごとの通行特性から通行帯の再設計を行い、安全増しを志向して再々設計を行ったプロセス、及び結果である。
通行帯の概念は、引き戸式の全門部Aの道路幅員に普遍的に容易に適用できる。と同時に、後述する他の閉門方式、閉門システムとの組合せにおいて多用するように、適用の方法、区分、問題点などを明確に整理することができ、これら閉門方式、閉門システムの効果を更に発揮させることができる。
センタBの監視システムにおいては、通行帯絵文字ボタン表示による一覧性効果を発揮させる他、門扉による閉鎖位置を通行帯絵文字ボタンのON/OFFなどで表示して見易い画面の提供、上述通行帯ごとの閉鎖阻害要因の軽重を踏まえて、緩急を付けた監視など、センタB監視負荷軽減の効果も得ることができる。
変速閉鎖制御との組合せでは、フリー通行帯の最高速閉鎖、2輪車、歩行者通行帯の低速閉鎖などの通行帯ごとの変速閉鎖制御を基本として、移動体4と門扉との接触・衝突回避、即ち、移動体4と門扉の保護、津波到達前の迅速閉鎖など門扉閉鎖の迅速化、安全化を図ることができ、又、管掌防御ライン全体を見渡しての津波防御計画立案を図ることができる。
以上は、門扉閉鎖中も移動体4の通行・避難を許容する方式であるが、新遮断方式(遮断具23(桿)閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式)との組合せの場合でも、フリー通行帯を遮断せず移動体4の通行・避難を許容し、門扉の閉鎖と遮断具23の閉鎖を一体化して自動車通行帯を遮断することにより、遮断具23の破壊を防止し、且つ、最大の門扉閉鎖阻害要因である自動車の通行を効果的に遮断することが可能となり、自動車と門扉の接触・衝突防止、即ち、門扉の保護、及び門扉の迅速閉鎖を図ることができる。遮断具23が自動車通行帯を遮断中である場合は、必要に応じてその閉鎖区間を遮断通行帯制御モードでフリー通行帯並みの速度で閉鎖して、閉鎖遅延回復、あるいは閉鎖時間短縮を図ることも可能となる。仮に、自動車の強行進入によって遮断具23が破壊された場合には、最も移動体4及び門扉の安全性を考慮して閉鎖速度を編成した基本的変速閉鎖制御モードに戻すことにより安全閉鎖をバックアップすることができる。
接触検知方式、あるいは、非接触の監視検知方式との組合せでは、移動体4が存在してはならない残置物通行帯の残置物をいち早く検知することにより、門扉の閉鎖完遂をより確実に目指すことなどが可能となる。
このように通行帯の概念は、単独での効果だけでなく、他の方式との組合せ方式として効果を発揮することができる、今回提案する方式の根幹となる概念である。
以下、門扉閉鎖の変速閉鎖制御について説明する。
地震発生から2〜3分で来襲する南海トラフ巨大地震や関東地震津波の場合、20分後などやや時間をおいて到達する三陸沖地震津波などの場合でも、門の閉鎖開始からはできるだけ短時間で閉鎖完了させたい。そのためには、門の閉鎖速度を迅速化、と共に避難する移動体4と門扉との接触・衝突を回避する安全性の両立が必要となる。ここでは、引き戸式門に適用し、移動体4と門扉との接触・衝突の可能性の少ない開口幅6を閉鎖中の時には、最高速度で閉鎖し、移動体4種類ごととの接触・衝突の可能性のある開口幅6のときには、当該移動体4種類の通行特性に合わせて低速閉鎖など、門扉の変速閉鎖制御による門扉の迅速・安全閉鎖を特徴とする閉門方式、あるいはそのシステムを提案する。
門扉閉鎖の変速閉鎖制御は、基本的に通行帯の概念を活用する。通行帯の再々設計結果は、移動体4に対して閉鎖途中で増速しない安全増しの閉鎖方式である。これは、閉鎖制御面では、門部Aの閉鎖障害の発生を、あるいは、センタBの介在を出来るだけ少なくして自律的に閉鎖できる自律的閉鎖制御方式の基本的変速閉鎖制御方式(基本的変速閉鎖制御モードと称す)となる。上記の歩道部付きの一般的道路への通行帯の再々設計結果を活用して、前記「発明が解決しようとする課題」で述べた必要性を満足する閉門方法の一事例を示すと、フリー通行帯はどの移動体4も門扉との接触・衝突の可能性なしで通行・避難できるから、閉鎖速度を最高速度で閉鎖することができる。自動車通行帯では、自動車は外的障害、転倒への強度が高いので、強行進入して門扉と接触・衝突する可能性がある。自動車の運転者、同乗者は、接触・衝突しても障害を受ける可能性が低いからである。よって、自動車通行帯は、門扉保護のため門扉の制動能力を踏まえつつ、フリー通行帯に準じた速度で閉鎖することができる。2輪車通行帯の2輪車や、歩行者通行帯の歩行者は外的障害、転倒への強度が低いので移動体4保護を考慮して低速閉鎖となる。残置物通行帯では、閉鎖完遂のために更に慎重を期した閉鎖速度で閉鎖すべきとなる。この閉鎖速度の関係を式で表すと、フリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯となる。このように、基本的変速閉鎖制御モードは、通行帯ごとの途中増速をしない変速閉鎖制御を行なうことにより、閉鎖のスムーズ化、迅速化を図ると共に、移動体4、及び門扉の保護・安全を図って門扉閉鎖制御を行なうことができる。
これらを満足した上で、特に、最高速度で閉鎖できるフリー通行帯の閉鎖速度を調整することなどにより、迅速な閉鎖計画を立案し、実現させることが可能となる。
ここで、通行帯の再々設計結果のフリー通行帯の道路全幅に占める比率は、図5の例-1では、56%、例-2-3では60%であり、フリー通行帯の高速閉鎖の迅速閉鎖への有効性は明確である。更に、フリー通行帯の内部に位置するセンタBライン、あるいは陸側402に向かう残り1車線までなど移動体4側、センタB側共に判り易い位置まで、更に高速閉鎖することで迅速閉鎖の有効性向上を図ることができる。
一方、通行帯の再設計結果は、門扉制御の原点となる通行帯の配置である。迅速・安全閉鎖のため、移動体4との接触・衝突の危険のないフリー通行帯の活用に着眼し、上述のように道路幅員の半分以上を占める歩道部(門扉側)〜車道部のフリー通行帯の最高速度閉鎖により、迅速・安全閉鎖を図る。と共に、車道部後半〜歩道部(戸当り側)に掛けてのフリー通行帯を活用して、遠隔手動、あるいは、遠隔半自動でセンタBが介在して、又、場合によっては遠隔自動でセンタBが介在することなく、増速して閉鎖遅延回復、あるいは、閉鎖時間短縮を図る閉鎖制御方式(以下、遠隔半自動、遠隔自動の本閉鎖制御方式を再設計後フリー通行帯制御モードと称す)とすることができる。
同様に、監視検知方式との組合せで、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知した場合、停滞する自動車に対向する通行帯(対抗する通行帯は、別途定義する)を封鎖通行帯として封鎖通行帯制御モードで高速閉鎖して門扉閉鎖遅延回復策、あるいは閉鎖時間短縮策として活用することができる。(封鎖通行帯検知方式という)
この様に、門扉閉鎖の変速閉鎖制御方式は、通行帯の再々設計結果に基づいて通行帯ごとに順次閉鎖速度を変化させる基本的変速閉鎖制御モードを基本とし、再設計結果に着眼して、フリー通行帯を高速閉鎖する再設計後フリー通行帯制御モード、又、監視検知方式、新遮断方式での封鎖通行帯制御モード、遮断通行帯制御モードなど刻々と変化する門部A装置の状態、移動体4の状態を捉えて当該区間を変速して閉鎖することなど、閉鎖遅延回復、閉鎖促進などにも臨機に応用して、迅速・安全閉鎖を実現することができる。
センタB監視では、現在の閉鎖速度、及び変速閉鎖制御モード名称、基本的変速閉鎖制御モードの閉鎖速度を踏まえた閉鎖完了予定時刻、あるいは、再設計後フリー通行帯制御モード、封鎖通行帯制御モード、遮断通行帯制御モード、手動制御モード等を踏まえた閉鎖完了予定時刻、津波到達予定時刻との差異に基づく遅延回復策、及びその採用を促すアラームなどに反映して活用することができる。
自動車通行帯を門扉閉鎖と同期して遮断する新遮断方式(遮断具23閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式)について説明する。
遮断機21は、所謂鉄道踏切に設置される片持ち腕木(これを遮断桿というが、一般化して、以下、遮断具23という)式を想定すると分かり易い。現状の陸閘における遮断機21は、遮断具23で通行を遮断後、門扉閉鎖を行なう、通行遮断後門扉閉鎖方式である。遮断範囲は、道路全面一括の場合、門扉の閉鎖開始に先行して半分ずつの場合の2通りである。但し、歩道部がある場合は、歩道部を遮断しない例が多い。何れの場合も通行帯の概念がないので、移動体4、特に自動車が避難できるフリー通行帯を早々と閉鎖してしまうことになる。
遮断具23による通行遮断の目的は、門扉閉鎖の前に自動車など移動体4の通行を遮断することにより、門扉を保護し、門扉閉鎖をスムーズ化させることにある。しかしながら、東日本大震災時のアンケートに依れば、避難者は、自動車と共に避難したい強い意志を持っているので、自動車が余裕を持って通行・避難できる通行帯のフリー通行帯を遮断することは、遮断具23破壊を誘っていることと同等の措置となる。即ち、フリー通行帯遮断は、遮断具23破壊の可能性を高める従来方式の最大の欠陥である。
新遮断方式では、フリー通行帯を遮断しないことにより、当該通行帯の移動体4の通過・避難を許容するほか、自動車による遮断具23破壊の回避を図り、本来の通行遮断の目的、即ち、門扉の保護、門扉閉鎖のスムーズ化を図ることができる。
自動車は、外的障害、転倒への強度が高く、且つ、運転者には自動車を使って避難する強い意志がある。従って、自動車運転者にとって、閉鎖しつつある門扉への通過可否判断は、容易に破壊可能な遮断具23による通行遮断に依るよりも、破壊不可能な門扉の開口幅6を自車が通過可能か否か(強行進入可否感)であり、その判断の境界は当該自動車の「どうやら通過の開口幅6」であると言える。
ここで、新遮断方式は、遮断具23破壊、及び、強行進入の元凶は自動車として、フリー通行帯非遮断で、自動車通行帯を遮断する方式である。
自動車通行帯遮断に当っては、自動車通行帯に至る時/又は至った後で遮断する方式が望ましく、頑丈、重厚な門扉の圧迫感を伴った開口幅6の狭まり、及び、それに同期して遮断具23で遮断すること、これら門扉の開口幅6狭隘化(自動車操作者にとっては、強行進入可否感)と遮断具23遮断(同、法的規制感)の2重の効果により、自動車操作者に進入断念を促す自動車通行帯の遮断方式(強行進入制止後遮断方式という)である。
自動車幅は、軽4輪車(1.5m)から大型車(2.5m)まで1mの差があり、自動車通行帯の遮断方式でも尚、車幅の狭い軽4輪車などの強行進入、及び遮断具23破壊の可能性が残る。対策は、監視検知方式などの組合せ方式で、進入する個別の車幅を捉えて、開口幅6が「当該自動車の幅+α(どうやら通過の開口幅6)」に至る時/又は至った後で強行進入制止後遮断方式の適用が考えられる。(当該車が停止すれば、後続車は停止せざるを得ない)
遮断具23破壊防止策は、(a)フリー通行帯を遮断しないこと。(b)強行進入制止後遮断方式による自動車通行帯の遮断。(c)より精緻には、進入する個別の車幅を捉えての強行進入制止後遮断方式の適用がある。
遮断具23の適寸化とは、自動車通行帯の全部あるいは一部を遮断する長さを確保することであり、少なくとも、フリー通行帯を遮断する長さを不要とする考え方である。
このように、新遮断方式は、通行帯設計、及び移動体4の通行特性の知見に基づき、自動車が遮断具23破壊の元凶として、遮断具23閉鎖の適時、適寸化方式を採る。
遮断具23が破壊されない場合には、基本的変速閉鎖制御モードに基づかず、遮断された遮断通行帯を減速せず、場合によっては増速した変速閉鎖制御(遮断通行帯制御モードと称す)で閉鎖することにより、門扉閉鎖遅延回復策、あるいは閉鎖時間短縮策として活用することができる。
因みに遮断具23が遮断する通行帯は、遮断具駆動装置22が歩道部(戸当り側)の車道部端に設置の場合、当該設置位置から自動車通行帯までの通行帯となる。
新遮断方式で遮断中の場合は、遮断通行帯制御モード(当該通行帯を減速せず場合によっては増速)で閉鎖することにより、閉鎖遅延回復策、あるいは閉鎖時間短縮策として活用することができる。遮断具23破壊を検知した場合には、変速閉鎖制御方式の基本的変速閉鎖制御モードで閉鎖することにより、遮断具23なしでも所期の安全・迅速閉鎖を実現することができる、など適用条件により対応モードを切替えてより迅速・安全な門扉閉鎖を実現することができる。
又、遮断具23破壊に対応して、遮断具23設置を前提せず稼動できる接触検知方式、あるいは監視検知方式などによるバックアップ方式を組合せて適用することが望ましい。
センタB監視として、遮断具23破壊は、遮断具23動態検知装置で検知して、センタB介入要請が発報され、センタBでは、当該門扉の閉鎖進度、特に最も大きな閉鎖阻害要因となる自動車通行帯への閉鎖進度を即座に把握できる様に通行帯絵文字ボタンなどで表示して、メリハリの付いた監視ができる仕組みとする。
又、遮断具23の遮断状況については、遮断開始、遮断中、遮断完了などの情報を、遮断具23破壊については、上述の様に遮断具23破壊情報を把握、監視することができる。
その他
(a)門扉閉鎖開始、あるいは閉鎖中にあっては、通行・避難する移動体4に対し、警報を発しつつ閉鎖するが、特に門扉閉鎖開始直後の移動体4と門扉との接触・衝突回避のために、門扉側に門扉側フリー通行帯の一部を遮断する遮断機21を設置して、移動体4に対する門扉閉鎖開始の見える化を図っても良い。
(b)監視検知方式との組み合わせでは、監視検知方式における通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知する方式の封鎖通行帯と、新遮断方式の遮断具23による遮断通行帯は相当部分重複する。新遮断方式と監視検知方式の組合せ方式の場合で、封鎖通行帯と遮断通行帯が重複した場合には、遮断通行帯の方が一般に広範囲となるので、遮断、あるいは封鎖した通行帯を対象に、遮断通行帯制御モードでの運用が望ましい。本場合で、遮断具23が破壊された場合には、基本的変速閉鎖制御モードでの運用に転換し、その後、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知すれば、封鎖通行帯制御モードでの運用とすべきである。

(4)移動体4、門扉保護に力点を置く門扉閉鎖における擬似門扉、補助門扉5付加方式について説明する。
以下、門扉本体3に擬似門扉、補助門扉5を付加する閉門方式について述べる。擬似門扉、補助門扉5の有無、接触検知機能付加の有無、その時の門扉本体3の停止、後退など組合せがあるので、以下の順序で述べる。
(ア)接触検知機能を付加しない場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(イ)接触検知機能を付加した場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合

―接触検知機能を付加しない場合―
(1)-1〔門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合〕
(ア)門扉本体3端に擬似門扉を設置し、視覚的に開口幅6の狭隘化を図ることにより、移動体4の開口幅のスペース300への進入躊躇を促し、主に外的障害、転倒への強度の弱い2輪車、歩行者の進入躊躇をさせることにより、門扉の閉鎖完遂を図る。
(イ)又、擬似門扉にスィング機構を取付けることにより、移動体4と擬似門扉の接触時、擬似門扉が逃げて、門扉本体3との直接接触・衝突を回避、移動体4の挟み込み防止、通過促進を図るとともに、移動体4の保護を図ることができる。
(ウ)但し、門扉本体3端に擬似門扉を設置する場合には、衝突回避がスィング径の範囲となるので、接触検知機能のない本方式では、門扉本体3は閉鎖継続せざるを得ず、門扉本体3との衝突前に衝突回避を完了させることが必要となる。これは通過方向に長い自動車向けの衝突回避策としては期待できない。従って、検知機能なしの擬似門扉は接触・衝突回避機能よりも、衝突緩和機能、視覚的開口幅6狭隘化機能、及び門扉本体3との衝突までに移動体4が退避可能とする前提で挟み込み防止機能に重点を置いた機構と位置付けられる。
(エ)門扉本体3端に擬似門扉を設置する場合には、閉鎖完了時、擬似門扉が門扉本体3と戸当り側堤防2との間に挟まれることを避けるために擬似門扉の格納あるいは退避機構が必要となる。
(オ)以上の門扉本体3と擬似門扉との構成で、接触検知機能が付加されていない場合には、門扉本体3は閉鎖動作のみを前提として適用せざるを得ず、移動体4と擬似門扉の瞬間的接触・衝突を緩和する機能を付加した形態であるといえる。具体的には、通過に当たって、移動体4の奥行き405方向に長く、接触時間を長く必要とするであろう自動車の通過するような陸閘ではなく、2輪車、歩行者だけが通行・避難するような小規模の陸閘に適しているといえる。

(1)-2〔補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合〕
(ア)補助門扉5と補助門扉5端に擬似門扉設置の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合、補助門扉5は、擬似門扉のスィング機構と組合せて適用し、門扉閉鎖時には、門扉本体3の閉鎖に先行して閉鎖し、開口幅6の狭隘化を促進、移動体4及び門扉本体3保護、挟み込み防止を図り、又、補助門扉5は、閉鎖完了時には門扉本体3と同速度で後退させて、擬似門扉が開口幅6の閉鎖状態を維持することにより、移動体4の新規進入防止を図り、且つ、補助門扉5、及び擬似門扉を格納する機能を発揮するなど、門扉本体3の閉鎖機能を補助する機構とすることができる。
(イ)ここで、補助門扉5と門扉本体3との閉鎖開始時期は同時期であっても良い。
(ウ)補助門扉5は、門扉本体3の側面に取付ける事が望ましい。
(エ)擬似門扉のスィング機構は移動体4との接触・衝突の緩和・回避を図り、移動体4、門扉本体3保護を行うことができる。
(オ)以上の補助門扉5と擬似門扉との構成で、接触検知機能がない場合には、門扉本体3は閉鎖動作のみ、補助門扉5も閉鎖完了時の後退以外は閉鎖動作だけという柔軟性ある動作ができない前提となるので、強行進入の可能性があり、奥行き405方向に長い自動車が殆ど通行しない、主に2輪車、歩行者が通行・避難する小規模陸閘に適しているといえる。

―接触検知機能を付加した場合―
(2)-1〔門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合〕
(ア)門扉本体3端に擬似門扉を設置し、スィング機構に加えて接触検知装置12を設置した場合、例えば、第1擬似門扉、第2擬似門扉の曲がり角度などによる門扉制御信号(停止、後退、閉鎖)によって、門扉本体3を動作させる場合には、接触検知装置12なしの項で述べた特徴、即ち、視覚的開口幅6の狭隘化、移動体4への進入躊躇促進、スイング機構による移動体4と門扉本体3との直接接触・衝突の緩和・回避、移動体4の挟み込み防止、などの特徴に加えて、自動車など移動体4奥行き405方向の長い移動体4との接触にも対応して、門扉本体3を停止させるなどして通過待ちした後閉鎖することができる。
(イ)門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合の弱点は、閉鎖完了時の擬似門扉の格納である。又、これに接触検知機能を付加した場合、門扉制御信号に応じて門扉本体3を動作させることは、動作負荷が大きく、且つ、動きも鈍重となる。従って、擬似門扉の格納機能、及び門扉本体3に代替・先行して軽快に動作する補助門扉5が必要となってくる。
(ウ)更に、接触検知機能により門扉本体3を停止させて移動体4の通過待ちをさせる場合、同サイズの移動体4が連続通過を試みると門扉本体3を閉鎖できず、閉鎖遅延が発生する可能性がある。この様な場合には当該門でアラームを発する他、閉鎖遅延発令時間などを基準にセンタB介入を要請し、センタBからの進入禁止などの警告を措置する必要も発生する。

(2)-2〔補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合〕
(ア)本方式は、前述した補助門扉5と擬似門扉との構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合の特徴をそのまま生かし、且つ接触検知機能が付加された方式である。
(イ)接触検知の門扉制御信号(閉鎖、停止、後退)に基づき、補助門扉5制御を行わせることにより、門部Aの自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式である。
(ウ)補助門扉5は門扉本体3に比較して圧倒的に軽量化が可能であるため、補助門扉5を門扉本体3に先行動作させることにより、補助門扉5の先行できるストローク(補助門扉5の閉鎖ストローク)を活用して上述の効果をより柔軟且つ強力に発揮することができる。
(エ)一方、門扉本体3は、津波の押し波、引き波の衝撃に耐えるため、堅牢であることを要し、従って、非常に重い構造物であることが想定される。又、地震津波の場合には、地震によって主電源が断絶し、蓄電池など限られたバックアップ動力源でこの重量構造物を稼動させるなど最悪の状況を想定しておく必要がある。
(オ)従って、以下では、接触検知時、門扉本体3を停止させない場合、停止させる場合、停止、後退させる場合を考える。尚、閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、下記のように共通であると考える。

(a)閉鎖開始時
i.補助門扉5は、門扉本体3閉鎖に先行して閉鎖開始し、移動体4との接触・衝突から門扉本体3を保護する。
ii.補助門扉5がその閉鎖ストロークに伸びきるタイミングで門扉本体3が閉鎖開始する。門扉本体3の定められた閉鎖速度に滑らかに移行するためには門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を減速して、補助門扉5と門扉本体3の速度の和を一定にすることが望ましい。
iii.門扉本体3が閉鎖開始する前に、接触検知した場合には、門扉本体3はまだ閉鎖開始していないので、門扉制御信号に従って、補助門扉5を停止、後退させる。
iv.尚、閉鎖開始時の補助門扉5の閉鎖は、門扉本体3閉鎖開始に先行して閉鎖開始することが望ましいが、閉鎖開始直後は、通行帯の概念を持ち出すまでもなく、移動体4と門扉との接触・衝突は殆ど発生しないので、閉鎖開始時期は同時期であっても良い。この時の補助門扉5が閉鎖ストロークまで伸びきるまでの動作制御は、閉鎖中の制御に準じる。
(b)閉鎖完了時
i.擬似門扉端が堤防2(戸当たり側)に到着時、門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を後退させて、開口幅6の閉鎖状態を維持しながら門扉本体3の閉鎖を完了させることが望ましい。これにより、移動体4の新規侵入を防止し、同時に補助門扉5、及び擬似門扉を格納させることができる。
ii.補助門扉5、及び擬似門扉によって、開口幅6がゼロ、即ち閉鎖状態となっている時、門扉本体3も閉鎖完了間際の位置を閉鎖中であり、移動体4もそれを視覚、移動音、振動などで察知することができる。このような状態の中においては、移動体4が疑似門扉1をこじ開けるなどして進入することは極めて稀であると考えられる。(避難階段も傍に設置されている)
iii.よって、閉鎖完了時においては、接触検知せずにせず閉鎖する方式であってもよいし、以下に示す閉鎖中の接触検知による門扉制御の方式を採用しても良い。

(2)-2(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、前述に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5の動作については、
(a)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が停止なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を停止させ、移動体4と同一接触状態を維持する必要がある。このために、門扉本体3の閉鎖速度に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(b)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が後退なら、地上基点の補助門扉5の位置を後退させるために、門扉本体3の閉鎖速度以上の速度で補助門扉5を後退させる。門扉制御信号が停止となれば、上記(a)項の制御を行う。
(c)移動体4が通過などして、門扉制御信号が閉鎖となれば、補助門扉5を閉鎖させる。この時、門扉本体3も閉鎖中であるので、門扉全体の閉鎖速度を定められた閉鎖速度に保つ為に、補助門扉5閉鎖速度+門扉本体3の閉鎖速度=定められた閉鎖速度 等に調整して補助門扉5が閉鎖ストロークに伸びきるタイミングで門扉本体3の閉鎖速度=定められた閉鎖速度とするなど、門扉全体の閉鎖速度をスムーズ化することが望ましい。
(ウ)本方式の効果
(a)本方式は、門扉本体3を停止させないので、門扉本体3を停止あるいは後退させる方式よりも動力エネルギーが節約できる。
(b)しかしながら、補助門扉5が後退できるストロークに限界がある。又、補助門扉5が後退している間に移動体4が通過するなどして門扉制御信号が閉鎖となるか不確定のため、門扉制御信号が停止、あるいは後退となったときに門扉本体3の閉鎖速度を減速して、補助門扉5が後退できる時間を長引かせるなど工夫も必要となる。
(c)又、補助門扉5が後退する一方、門扉本体3の閉鎖が進み、補助門扉5の後退代がなくなってしまう可能性があり、後退代がなくなる前に<後退代残少警告>などのトリガーによって、センタBの介入による門扉本体3の閉鎖停止、あるいは移動体4排除措置をおこなう必要がある。
(d)移動体4、特に類似幅の自動車の連続通過強行などの発生を想定すると、門扉本体3を停止しない仕組みが、後退できるストロークを狭め、センタB介入のポテンシャルを高めるので、多数の門部Aを限られた人員で対応するセンタB側の能力を、対処能力不足とする可能性があり、自律的門閉鎖を目指すシステムとしては、不安定な要素を内包しているシステムであるといえる。又、センタB操作であれ、門扉を何度も停止、再閉鎖指示するなら表題の門扉本体3を停止させない方式の区分そのものが成立たないことになる。

(2)-2(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、上記に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5、及び門扉本体3の一連の動作を下記する。
(a)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が停止なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を停止させ、移動体4と同一接触状態を維持する必要がある。このためには、門扉本体3の制動から停止の速度変化に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(b)移動体4と擬似門扉が接触して、門扉制御信号が後退なら、地上を基点とした補助門扉5の位置を後退させる必要がある。このため、門扉本体3を制動、停止させる一方、補助門扉5は門扉本体3の制動・停止速度以上の速度で後退させる必要がある。
(c)補助門扉5が後退して、門扉制御信号が停止となれば、補助門扉5を停止する。
(d)門扉本体3が既に停止していて門扉制御信号が後退なら、門扉制御信号が停止となるまで補助門扉5を後退させる。
(e)ここで、補助門扉5の後退できる距離は後退代の範囲となる。
(f)移動体4が通過するなどして、門扉制御信号が閉鎖となれば、閉鎖開始時の動作で閉鎖開始する。
(ウ)本方式の効果
(a)本方式は、門扉制御信号の停止、後退の信号に基づいて門扉本体3を停止させる方式であるので、停止させない方式に加えて、門扉本体3が停止後、門扉制御信号が停止となった段階で、補助門扉5の更なる後退が不要となるので、門扉本体3の制動・停止距離分だけが補助門扉5の後退距離となり、後退距離を短縮することができる。
(b)又、門扉制御信号が停止である限り、補助門扉5は停止状態を保つことができるので、時間的に移動体4の通過をいつまでも待つことができる。移動体4の通過後、門扉制御信号が閉鎖となれば、閉鎖開始時の動作で補助門扉5を先行させて閉鎖を開始することができる。又、門扉制御信号が後退の場合、補助門扉5の後退代の範囲で、門扉制御信号が停止状態となるまで補助門扉5を後退させて、移動体4の通過をやり過ごすことができる。
(c)ここで、補助門扉5の後退代には限界があるので、後退代がなくなる前に<後退代残少警告>などを発して、センタB介入操作に頼らざるを得ない。
(d)これらの動きは、類似の幅の移動体4が連続して接触通過する場合を想定すると分かりやすい。即ち、門扉本体3が停止し、類似幅の移動体4が連続通過する状態の中で、門扉制御信号に従って補助門扉5だけが閉鎖、停止、後退の動作を行なうので、移動体4との接触に、後退代の範囲で、より柔軟で迅速な自律的な対応を行うと共に、移動体4、および門扉保護を実現することができるのである。
(e)強行進入する可能性の高い自動車の進入を考える時、軽4輪車がどうやら通過し、次に大型自動車の順で強行進入するような最悪の場合にも、門扉本体3との接触・衝突などの影響を与えずに、擬似門扉だけのスイング機構でやり過ごすことを可能とするためには、擬似門扉のスイング径は、少なくとも大型自動車と軽4輪車の幅の差(約1m)を確保する必要がある。
(f)この時、移動体4の通過、連続通過などによる閉鎖遅延は、閉鎖時間の遅延を計測してセンタB介入を要請する「閉鎖遅延時刻(経過)」などにより、センタB介入を促すことができる。
(g)門扉本体3に停止、再閉鎖を動作させるためには、地震障害に強い主動力源の採用、あるいは、強力なバックアップ動力源の確保、あるいは同時に、炭素繊維など強度が高く軽量な素材などにより門扉本体3の軽量化が必要となる。

(2)-2(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合
門扉本体3を後退させることは、後退距離分だけの往復の動作、及びその時間が必要となる。この為に、最悪の事態として、バックアップ動力源だけでの稼動も考慮せざるを得ない本設備環境の中で、使用エネルギーが更に多く必要となる門扉本体3の後退はできるだけ避けたい。
従って、疑似門扉1の長さや、後退代設定の工夫など、門扉本体3の停止までの段階で処理し、<後退代残少警告>に代替する補助門扉5のそれ以上の後退が出来ない補助門扉5後退完了の信号が発信された時初めて門扉本体3が後退するなど、門扉本体3の後退は最後の手段の仕組みとしたい。
従って、
(ア)閉鎖開始時、閉鎖完了時の動作は、上記に示す。
(イ)閉鎖中の補助門扉5、及び門扉本体3の一連の動作は、
(a)「接触検知時、門扉本体3を停止させる場合」と同じ動作を行い、
(b)門扉制御信号が後退となった時にだけ、補助門扉5後退完了信号の発信があった場合に門扉本体3を後退させる仕組みとする。
(c)門扉本体3後退の終了は、補助門扉5後退完了信号の発信が無くなった時、あるいは、門扉制御信号が門扉閉鎖、門扉停止、となったときとする。

(ウ)本方式の効果
(a)接触検知時、「門扉本体3を停止させない場合」、「門扉本体3を停止させる場合」の効果に加えて、後退できることのメリットが付加され、開口幅6の狭隘化、スィング機能による直接接触・衝突回避・衝突緩和機能、挟み込み防止、移動体4・門扉本体3保護、及び後退代の制限なく、門扉制御信号に従って補助門扉5だけが閉鎖、停止、後退の動作を行なうことにより、移動体4との接触を更に強化、且つ柔軟に運用することができ、門閉鎖の自律的対応がより可能となる。
(b)門扉本体3を停止、後退させるために、主、あるいはバックアップ動力源の確保、門扉本体3の軽量化などが必要であるが、門扉本体3を後退させる本方式は、遠隔制御の動力化門を前提としているので、前項で述べた門扉本体3停止への機構追加は殆ど不要であり、主にエネルギー、及び、時間の要素の問題であるため、津波来襲までこれらの要素が許せば本方式の採用を推奨したい。
(c) 接触検知方式と他方式との組合せ方式の効果
補助門扉5、疑似門扉1構成の接触検知方式と他の方式との組み合わせを考えると、接触検知方式だけでも十分自律的門閉鎖機能を発揮できることは、上記説明の通りである。更に他の方式との組み合わせで発揮できる効果について述べる。
変速閉鎖制御方式との組み合わせでは、変速閉鎖制御方式は単独では、移動体4種類の通行特性に合わせた変速閉鎖制御を行うだけであるが、接触検知方式の柔軟な移動体4との接触・衝突回避機能により、安全性、迅速性を増した、より積極的な変速閉鎖制御方式の導入を図ることが可能となる。
より積極的なとは、フリー通行帯では門扉と移動体4との接触は殆ど起こらないので、接触検知方式が作動すると想定するのは、門扉端が自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯にある時である。しかしながら、接触検知方式との組み合わせでは、これらの通行帯はもちろんのこと、仮にフリー通行帯の高速閉鎖時に移動体4との接触があったとしても、接触検知方式で検知し、衝突回避するという補完機能として機能するので、全通行帯を通じて双方のメリットを存分に発揮することができるということである。
又、門閉鎖で重点監視しなければならないのは自動車通行帯、残置物通行帯である。一方、他の通行帯では、監視の力点を他の門部Aに移すことができる。このようなセンタB監視の緩急、即ち現在の門扉の通行帯位置を通行帯絵文字ボタンなどでセンタBの監視画面に反映させることができるが、更に、接触検知方式では柔軟な自律的門閉鎖を実現できるので、重点監視通行帯に対するセンタB負荷を軽減することができ、センタB員は本当に対応の必要な門部Aに集中することができる。
これは、センタB員1人当たりの担当門部A数拡大を見込めるということであり、突然の地震津波発生直後の不確実で、少人数の職員参集状況下でも対応の可能性の展望が開けるということでもある。
新遮断方式、監視検知方式との組み合わせでは、遮断通行帯、封鎖通行帯の増速閉鎖、全体としての迅速閉鎖に効果があり、相互のバックアップ方式としても役立つことができる。

(5)接触検知方式だけでは閉鎖阻害回復できないであろう、自動車に対する連続通過防止モードについて説明する。
補助門扉5、疑似門扉1構成の接触検知方式は、疑似門扉1と移動体4との接触(非接触含む)で生成される門扉制御信号に基づいて、門扉を閉鎖、停止、後退させて、門扉閉鎖を図る方式である。本方式単独で十分柔軟性を持つ自律的門閉鎖方式であるといえる。しかしながら、その柔軟性ゆえに自動車などの強行進入の連続通過があた場合、門扉閉鎖が進行せず、閉鎖遅延、引いては門閉鎖未完の原因となる可能性がある。
その解決策として、連続通化防止モードは、軽量で軽快に動作する補助門扉5(疑似門扉1)を使って、速い閉鎖速度、短い時間間隔など一定のルールで開閉させることにより、物理的に自動車を突付いて通過促進、後続自動車との空隙に補助門扉5(疑似門扉1)を差し込んで後続自動車の進入禁止を図る方式である。
連続通過発生の検知は、門扉閉鎖遅延(経過)などで検知し、センタB介入要請発報により、センタB員が当該門部Aを監視して、その原因が自動車の連続通過である場合には、当該自動車の通過促進や後続自動車の進入禁止の警告を発報すると共に、連続通過防止モードを発動する。
津波からの避難という異常事態の中で、単なる警報装置10からの光、(人工)音声では効力に疑問があり、センタB員の肉声警告、及び補助門扉5(疑似門扉1)の動きで、切迫感を伝達し、物理的に連続通過を区切り、閉鎖遅延の拡大を防止するものである。
連続通過モードは、センタB員から、半自動で発動されることが望ましい。
連続通過モード効果は、閉鎖遅延防止、引いては門閉鎖未完の防止、及びセンタB操作の負荷軽減にある。

(6)非接触で移動体4その他の動態を把握し、閉鎖制御を行う監視検知方式について説明する。
監視検知方式の特徴は、単独あるいは複数のセンサ28により非接触で門扉や、移動体4の位置403、形状、動態を検知し、検知結果から移動体4種類の種別を予測し、且つ、追跡できることにある。検知範囲は門扉周辺だけでなく、門扉の開口幅のスペース300に向かう海側401の道路、必要に応じて陸側402の道路など広く確保することが可能で、検知範囲内に通過ゾーン、通行帯などの情報処理用の仮想の区分、線、エリアを設定することにより、門閉鎖の危機的状況判別に活用することができる。特徴的な監視検知方式として下記がある。
i.センタB介入を要請する情報提供(センタB介入要請情報)
ii.封鎖通行帯検知方式
iii.移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
iv.通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式
v.上記に関連した状況をセンタBに報告する情報提供(状況報告)
(ア)センタB介入要請情報
下記事象を検知したときには、門閉鎖に重大な影響を及ぼす(前兆)情報として、センタB介入の要請を発報する。このセンタB介入要請情報の発報により門閉鎖の遅延発生、閉鎖不可状況の発生を未然防止、あるいは早期発見に繋げて門閉鎖のスムーズ化、全門閉鎖完遂を目指す。監視検知方式でのセンタB介入要請情報には下記がある。
(a)通過ゾーンC409に移動体4の停滞を検知したとき。
(b)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4を検知したとき。
(以下、門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時、通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4を検知した状態を、門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時を省略して、通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4を検知したとき、あるいは通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有などと略称する。)
(イ)封鎖通行帯検知方式
門扉が徐々に閉鎖して開口幅6が狭くなる中、移動体4、特に自動車が通過できずに門の前(通過ゾーンA410 )で停止・停滞する事象が発生する可能性がある。本事象発生以降、後続の自動車は同門の通過が不可能となる。従って、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知した場合には、当該自動車に対向する通行帯(封鎖通行帯という)が封鎖され、当該通行帯では自動車による閉鎖上の障害は発生しないと看做すことができ、従って、その通行帯はより高速化して封鎖通行帯制御モードで門閉鎖が可能となる。これは恰も遮断具23で通行遮断した範囲を高速閉鎖することと同じである。
変速閉鎖制御方式との組合せでは、変速閉鎖速度マスターの基本的変速閉鎖制御モードの自動車通行帯の閉鎖速度から、封鎖通行帯制御モードに切替えてより高速閉鎖し、閉鎖遅延の回復や閉鎖時間の短縮を行うことができる。封鎖通行帯閉鎖後は、基本的変速閉鎖制御モードに戻して、より安全性を高めた閉鎖を継続することが望ましい。
このように、封鎖通行帯検知方式は、通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知することにより、当該通行帯の閉鎖中、センタBの監視重点を他の門部A監視に振り向けることも可能となるだけでなく、封鎖通行帯制御モードで高速閉鎖することなどにより、当該門扉の閉鎖遅延の回復や閉鎖時間の短縮の効果を狙うことができる。
尚、移動体4の種別予測による自動車の判別は、車輪数、投影面積、及びその軌跡、などで行うことができる。
(ウ)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
門扉の機能を破壊する元凶として、自動車の接触・衝突が挙げられる。移動体4、特に自動車が遠方より高速で門部Aに接近して、門扉に接触・衝突すると、閉鎖遅延の原因となるばかりでなく、門扉の機能を破壊すれば、門扉の閉鎖不可に繋がり、最悪の場合、津波の侵入を許すことになる。
本方式は、移動体監視対象範囲43にある移動体4の位置403、幅、速度、方向、及び移動体から通過ゾーンC409までの距離408をセンサ28で計測し、当該移動体4の通過ゾーンC409への到達時間を計算して、(門は、堤防2の一角に設置されているので、堤防2に沿う道路が門に向かう道路と門の近傍で交差している可能性がある。この堤防2に沿う道路を走行する自動車も本方式の対象とする場合には、当該自動車がその速度を門まで道に沿って走行するなど想定して到達時間を予測しても良い。同様に、門に向かい道路では、自動車が遠方からくる場合は必ずしも通過ゾーンC409方向に直線的に向かっているとは限らない。その場合も通過ゾーンC409方向に直線的に向かっていると想定するなどして到達時間を予測しても良い。)同時に門扉の門扉端の現在位置を測定/算定し、門閉鎖が変速閉鎖制御であるならば、変速閉鎖速度マスターの閉鎖速度に基づき、移動体4の通過ゾーンC409到達時間時の開口幅6を計算する。この結果、移動体幅404+β≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧移動体幅404+αなどの判定基準を用いて、非該当であれば、門扉制御信号の閉鎖を継続し、該当であれば移動体幅404+β≧開口幅6≧移動体幅404+αなどを満足するまで門扉制御信号の閉鎖を継続し、満足した場合には門扉閉鎖を停止させることにより、門扉と自動車との接触・衝突を未然に回避し、門閉鎖完遂を目指す非接触による閉門制御方式である。ここで、門扉は閉鎖途中停止可能であることが前提であり、対象移動体4は自動車に絞っても良い。
通過ゾーンA410や通過ゾーンC409直前に至った移動体4は、進入するか否かの判断を行わなければならない。移動体4の強行進入に伴う門扉の保護を幾重にも図る場合には、補助門扉5方式、接触検知方式との組合せ方式などにより、門扉と移動体4とが重篤な接触・衝突に至らない工夫が必要である。
通過ゾーンC409は、移動体4の開口幅のスペース300への到着時間を計測する基準であるので、通過ゾーンC409近傍に設定する線や点などであっても良い。

(エ) 通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式
本方式は、通過ゾーンC409に停滞する移動体4の停滞解消後に向けて、開口幅6を移動体4の近傍まで縮小し、(周辺避難者の協力などによる)移動体4の停滞解消後、門扉の閉鎖距離、閉鎖時間をできるだけ縮小する方式である。
通過ゾーンC409に停滞する移動体4があった場合に、移動体4から門扉端までの最短距離を計測し、例えば(最短距離−β/2)などの計算を行い、(最短距離−β/2≧0が成立するなら門扉閉鎖信号を発して門閉鎖を進めることにより、開口幅6をできるだけ縮小し、その後の閉鎖時間を短縮する方式である。
通過ゾーンC409に停滞する移動体4があった場合には、門部Aの音声警報器18からは、通過促進、及び周辺避難者に移動体4撤去協力要請の警報を発し、センタBには、通過ゾーンC409に停滞する移動体4有としてセンタB介入要請することが必要である。

(オ)本方式によるセンタBへの状況報告情報
監視検知方式で把握したセンタBへの状況報告情報には、下記などがある。
(a)移動体4個々の位置403・動態などの情報
個々の移動体4の位置403、形状(幅、奥行き405、車輪数など)、動態(速度、方向など)
(b)移動体4の動作不審アラーム;通過ゾーンC409の移動体4動作が停止、後退など
(c)移動体4種別予測情報;移動体4の特徴を元に移動体4種別を予測した結果情報
(d)封鎖通行帯情報 ;通過ゾーンA410に停滞する移動体4の位置403、形状、封鎖通行帯検知方式適用中情報、及び封鎖通行帯情報など
(e)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式適用中情報
(f)門扉端の位置情報など

以下、本発明提案への理解の一助とするため、図1を用いて説明する。
尚、東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋地震に伴う大津波が現実となり、南海トラフ巨大地震による津波の発生も現実味を帯びている現在、地震発生から津波到達までの間に、現在のように閉鎖担当者が命がけで門に駆けつけて手動で閉鎖するのではなくて、当該地域の100〜200の全門が自動あるいは遠隔操作で閉鎖完了する仕組作り、即ち現在の遠隔閉鎖門に対する大幅な拡張性が必要であるという考え方が本提案の根底にあることを付記したい。
本発明は、(1)通行帯、(2)新遮断方式、(3)変速閉鎖制御、(4)補助門扉5、(5)接触検知方式、(6)連続通過防止モード、(7)監視検知方式、(8)(以上の)全体、あるいは、個別の組合せ方式、(9)((1)〜(8)の諸方式で発信する)情報、(10)センタB監視・操作で構成され、全体、あるいは、組合せて、津波警報発令などの際に陸閘の門扉閉鎖完遂を目指す。
用語等の定義は後述するとして、夫々の概略は以下の通りである。

(1)〔通行帯〕
(ア)通行帯の概念は引き戸式門の全ての道路幅員に適用できる。
(イ)通行帯とは、津波等発生時、陸閘を通行・避難する移動体4種類(自動車、2輪車、歩行者)がどうやら通過できる開口幅6区分を通行帯と称し、これを基本設計、再設計、再々設計(以下、再設計、再々設計を再(々)設計という)することにより、全ての道路幅員構造に普遍的に適用可能とした開口幅6区分の概念である。
(ウ)通行帯の概念の適用で(a)通行帯ごとの門部A閉鎖の安全/危機を明確化。以下の諸方式の全部あるいは個別の組み合わせ方式で、(b)通行帯毎に「緩急」を付けた門部Aの自律的閉鎖制御対応、センタB監視対応を可能化する。(c)通行帯には、フリー通行帯、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯がある。

(2)〔変速閉鎖制御〕
(ア)通行帯ごとの迅速・安全閉鎖;変速閉鎖制御は、通行帯設計の知見に基づき、安全増しした通行帯の再々設計結果を適用した基本的変速閉鎖制御モードを基本とし、その閉鎖速度はフリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯とし、通行帯ごとの変速閉鎖制御で門扉の迅速・安全閉鎖を図る。特に、閉鎖障害の起こらないフリー通行帯の高速閉鎖、2輪車、歩行者向け低速安全閉鎖などを図る。
(イ)閉鎖速度設計による津波到達前門扉閉鎖計画の立案;当該地域の津波到達予想時間前に安全余裕時間その他の時間を確保して、フリー通行帯の高速閉鎖など通行帯の特性ごとに閉鎖速度(閉鎖時間)を割振って津波到達に間に合う門扉閉鎖計画を立案する。
(ウ)閉鎖の安全を踏まえた通行帯の変速閉鎖制御
(a)閉鎖遅延発生時などの回復策として、再々設計時安全増しのために2輪車通行帯とした通行帯の高速閉鎖(再設計後フリー通行帯制御モード)により、安全に閉鎖遅延回復、閉鎖時間短縮を図ることができる。
(b)監視検知方式との組合せで、通過ゾーンA410に自動車停滞時、当該自動車が封鎖した通行帯の高速閉鎖(封鎖通行帯制御モード)により、閉鎖遅延回復、閉鎖時間短縮を図ることができる。

(3)〔新遮断方式〕
(ア)新遮断方式は、通行帯設計、及び移動体4の通行特性の知見に基づき、自動車が遮断具23破壊の元凶として、フリー通行帯非遮断で自動車の強行進入制止後遮断方式を採ることにより、迅速・安全閉鎖を目指す。
(イ)即ち、従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯の遮断にあるため、フリー通行帯は遮断せず、遮断具23破壊の回避を図り、自動車通行帯の遮断を確実化させ、同時に、フリー通行帯の移動体4の通行、避難を可能とする。
(ウ)自動車通行帯遮断では、門扉の開口幅6狭隘化(自動車操作者にとっては、強行進入可否感)と遮断具23遮断(同、法的規制感)の2重の効果によって、自動車の進入を自制させ、遮断具23破壊の回避を狙う強行進入制止後遮断方式をとる。又、遮断具23破壊の検知でセンタB介入要請する。(従来方式を通行遮断後門扉閉鎖方式と呼ぶ)
(エ)遮断具23破壊の有無により変速閉鎖制御モードを切替え、破壊なしなら、遮断通行帯制御モードで遮断通行帯を高速閉鎖、破壊有りなら、基本的変速閉鎖制御モードの安全閉鎖に戻して、センタB介入要請する。バックアップとして、接触検知方式、監視検知方式などとの組合せ方式で対処する。

(4)〔補助門扉5(単独)方式〕
(ア)補助門扉5(単独)方式は、重厚な門扉本体3に先行して、軽量・軽快な動作で閉鎖制御することにより、開口幅6を早期狭隘化して移動体4の進入躊躇・断念を促進する。
(イ)閉鎖完了時には先行する補助門扉5が新たな移動体4の進入を防止しつつ、後退することにより、門扉本体3閉鎖の確実化を図る。
(ウ)擬似門扉のスィング機構は、移動体4との接触・衝突の緩和、あるいは回避を図り、閉鎖完了時には挟み込み防止を図ることにより、門扉、移動体4を保護し、門扉の閉鎖完遂を目指すことができる。

(5)〔接触検知方式〕
(ア)接触検知方式は、補助門扉5方式の発展形で、移動体4を検知して、接触検知SWの門扉制御信号により、軽量な補助門扉5を主体に閉鎖、停止、後退の軽快な開閉制御を行うことにより、移動体4、特に自動車との衝突回避を図りつつ柔軟な自律的門扉閉鎖を目指すことができる。
(イ)各門部Aが本方式で自律的門扉閉鎖することにより、センタB監視人員数、あるいはセンタB負荷の大幅削減を図ることができる。
(ウ)通行帯との組合せで、例えばセンタBでは、門扉が自動車通行帯に至る/あるいはある時、移動体4、特に自動車との衝突の危機が高まるので、監視緩急度を上げたセンタB監視を準備できる。又自動車通行帯閉鎖後は残置物通行帯まで大きな閉鎖阻害要因が無くなるので、当該門部Aの監視緩急度を低くして、他の門部Aに監視の集中を移すことができる。
(エ)残置物通行帯では、残置物を接触検知して門扉停止、センタB介入要請、挟み込み防止し、門の閉鎖完遂を目指すことができる。
(オ)変速閉鎖制御との組合せでは、全通行帯にわたって接触検知できるので、フリー通行帯高速閉鎖のメリット、歩行者通行帯での接触検知即停止などによる歩行者保護など、積極的、相乗的に両方式のメリットを生かすことができる。
(カ)新遮断方式との組合せでは、遮断具23破壊時のバックアップ方式として活用できる。
(キ)監視検知方式との組み合わせでは、通過ゾーンC409 は接触検知対応、門周辺、あるいは遠方の非接触領域は、監視検知方式対応と対応領域を住み分けて全方位的対応を実現できる。
(6)〔連続通過防止モード〕
(ア)連続通過防止モードは、自動車の連続強行進入という、接触検知方式の柔軟な自律的閉鎖制御の弱点をセンタB発動の半自動操作でセンタB負荷を抑えながら対応することができる。

(7)〔監視検知方式〕
(ア)監視検知方式の特徴は非接触で移動体4を検知して自律的門扉閉鎖を目指すところにある。単独では、移動体4の動態把握、通過ゾーンC409での移動体4の停滞検知によるセンタB介入要請、及び開口幅6縮小方式、遠方より高速・強行進入する移動体4と門扉との接触・衝突防止を図る移動体4到着時同幅閉鎖停止方式などがある。
(イ)通行帯の概念、あるいは、通行帯ごとの変速閉鎖制御と組合せて、残置物通行帯での移動体4の監視検知による挟み込み防止、センタB介入要請。自動車の通過ゾーンA410での進入路封鎖停滞を捉えた封鎖通行帯検知方式による閉鎖速度切替(封鎖通行帯制御モード)などを実現する。
(ウ)接触検知方式との組合せでは、移動体監視対象範囲43の接触、非接触に関らず全ての移動体4を門部Aの自律的制御の対象とできるので、より高度な門部Aの自律的制御が可能となる。
(エ)新遮断方式との組合せでは、遮断具23破壊時のバックアップ方式として活用できる。

〔全体、あるいは、組合せ方式〕
(ア)以上のべた種々の方式の全体、あるいは、個別の組合せで、門扉閉鎖に関る種々の課題、即ち、津波到達前に余裕時間などを確保しながら門扉閉鎖完遂を行なうための計画立案から実施に関る課題解決を行うことが出来る。

(8)〔情報〕
諸方式で発信する情報は、自律的閉鎖などのために門制御装置7で処理されて門部A内部で活用される他、センタBの監視・操作向けに「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などとして発信される。又、センタBからは、津波警報発令(門閉鎖指示)情報や連続通過防止モード含む門扉操作等の情報が、門部Aへ発信される。

(9)〔センタB監視・操作〕
(ア)センタB監視・操作では、全体、あるいは、組合せ方式で作成する各門部Aからの「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などを各種センタB監視画面で監視し、必要に応じて、門部A別遠隔監視・操作画面などを通じて当該門部Aへの対応操作を実施する。
(イ)「センタB介入要請情報」、「センタB向け状況報告情報」などの情報は、センタB画面上、光、音などの警報発報に反映することにより、センタB員の監視・操作を支援する。センタB介入要請情報には、(a)機器・装置に関して、門扉故障、遮断具23破壊、(b)移動体4の動態に関して、通過ゾーンC409に移動体4の停滞、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有、(c)閉鎖遅延等時間軸に関して、閉鎖遅延時刻、センタB介入要請時刻、津波到達時刻などがある。
(ウ)24時間365日、常時監視を必要とされるセンタBでは、センタB員参集の不確実性、少数人員によるセンタB監視の負荷軽減を狙って、特徴的には下記が挙げられる。
(a)センタB監視・操作等センタB員に大きく依存しない各門部Aの自律的自動閉鎖化(遠隔自動閉鎖化)を目指す、上記提案した種々方式の全体あるいは個別組合せによる門扉閉鎖方式の適用。
(b)センタB監視でセンタB介入等必要な場合に、センタB員の監視負荷低減を目指す一覧表示効果を高めた下記方式
i.1門部Aの1ブロック表示。ブロック内各項目の同一位置配置による一覧性向上。
ii.センタB員監視の閉鎖クリティカル度、監視緩急度ごとの集中化促進
・閉鎖クリテイカル度ごとの並べ替え、当センタB員対応外門のフェードアウトなど
・変速閉鎖制御方式、新遮断方式、封鎖通行帯方式ほか適用中表示による監視緩急度低下表示、監視集中化門からの力点移動支援

iii.視認性、危機認識(緩急監視)の向上、センタB対応の効率化;
・通行帯の象徴的絵文字ボタン表示による現時点の閉鎖進度と監視緩急度の視認性向上、容易識別化。
・大小ある道路幅員、大小ある通行帯の実距離を5個の絵文字ボタン化表示による緩急度高低の凝縮化、障害発生位置の容易特定化、一定幅内の一覧表示可能化
・管掌門全体を地震津波発生から津波到達まで同一幅内の時間軸で把握できることに着目した、変速閉鎖制御を踏まえた閉鎖進度の時間軸表示による進度表示の同一枠内、同一基準表示による閉鎖進度の一元、一覧管理化、優先対応門部A抽出の効率化。
・同、変速閉鎖制御を踏まえた閉鎖完了予定時刻表示、及び当時刻からの閉鎖完了リミット時刻など閉鎖クリティカル項目時刻までの残り(余裕)時間図示、表示による将来の危機告知化。
iv.門扉閉鎖完遂に対する危険因子順序付け表示。危険因子順序付けから派生して、自動車通行帯、残置物通行帯など通行帯ごとのセンタB監視担当者配置運用提案など
以下、本発明の一実施例を図面で説明する。
図2の擬似門扉と接触検知SWを説明する。図2は、引き戸式陸閘を上から見た模式図である。
本発明での陸閘は、遠隔自動で開閉できる動力化門を対象とする。
疑似門扉1は、接触検知方式での主役となる。
陸閘は、津波・高潮対策の防御ラインとして、堤防2の一部に組み込まれ、大半の陸閘は、平常時は全開状態で堤防2(門扉側)と堤防2(戸当り側)の間は、人や自動車などが行き交う道路となっている。
堤防2(門扉側)には、門扉本体3が組み込まれ、門閉鎖時には図面上左から右へ動いて閉鎖する。
門扉本体3には補助門扉5が組み込まれ、補助門扉5の先には疑似門扉1が設置されている。(疑似門扉1は堤防2(戸当り側)にあっても良い。
門扉100は、門扉本体3、補助門扉5、疑似門扉1の総称で、門扉100が全開状態から閉鎖完了まで移動する軌跡が、門扉軌道302であり、門扉軌道302の幅が、門扉軌道幅301である。
津波警報発令時、移動体4(自動車、2輪車、歩行者)は、疑似門扉1と疑似門扉1の間、堤防2(戸当り側)に疑似門扉1がない場合は、疑似門扉1と堤防2(戸当り側)の開口幅6を目指して避難する。開口幅6については、別途再定義する。
開口幅のスペース300は、開口幅6が作る隙間、空間、即ち移動体4の通過空間を示す。
疑似門扉1は、1段あるいは多段(以下N段という)の擬似門扉で構成され、本図例は疑似門扉1の先端から、第1擬似門扉、第2擬似門扉と称し、設置した例である。
第1疑似門扉101、第2疑似門扉102には、夫々第1関節103、第2関節105が設置され、ここが次段の疑似門扉1、あるいは補助門扉5と接続されている。関節はスィング機構となっており、移動体4との接触後は直ちに復元するものとする。接触検知方式では、第1関節103には接触検知SW(1)104、第2関節105には接触検知SW(2)106が設置されている。(以下、スィッチをSWという)
接触検知SW(1)104,接触検知SW(2)106は、関節の一定の屈曲角度によってon/off動作するものとする。
堤防2(戸当り側)の疑似門扉1は、第1疑似門扉101だけであるが、この第1関節103には、接触検知SW(1)104の機能、あるいは屈曲の程度などに応じて接触検知SW(1)104、接触検知SW(2)1062つの機能があっても良い。この第1疑似門扉101を門扉本体3に直接設置する場合も同様とする。
疑似門扉1全体の上面から見た長さを疑似門扉幅107という。
尚、堤防2(門扉側)、堤防2(戸当り側)は、門扉の開閉を支える構造体であるので、門柱と称すべきかもしれない。
<対象とする門扉の開閉方式>
本発明では、現在の陸閘の大半を占める引き戸式陸閘の例で説明する。開口幅6が水平方向に閉じると言う意味では開き戸式の陸閘にも適用可能である。
<門扉の構成>
門扉は、門扉本体3だけで構成される場合、門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉から構成される場合(補助門扉5設置の場合には、疑似門扉1が付設される)、門扉本体3に擬似門扉が直接付設される場合がある。以下、必要に応じ門扉の構成を明確化して説明する。
<補助門扉5方式の分類>
詳細は後述するが、補助門扉5(擬似門扉)を活用した門扉の閉鎖方式を接触検知機能の有無によって下記に分類する。
(1)接触検知機能を付加しない場合。
(ア)門扉本体3に疑似門扉1を設置した場合
(イ)補助門扉5と疑似門扉1の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(2)接触検知機能を付加した場合
(ア)門扉本体3に疑似門扉1を設置した場合
(イ)補助門扉5と疑似門扉1の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合

図2は、門扉が門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉から構成される場合である。
門扉本体3は、津波の押し波の衝撃波に耐え、引き波の圧力にも耐える構造と剛性を備えているものとする。
従って、現行技術、経済レベルでは、門扉本体3は重厚な設備となり、その動作には大きな動力、エネルギーが必要となると想定される。
補助門扉5は、重厚な門扉本体3に先行して、軽量な補助門扉5が閉鎖、停止、後退など軽快に開閉動作することにより、(a)電源等動力エネルギー遮断の可能性が高い地震津波発生の状況下においてエネルギー消費を削減しつつ、(b)擬似門扉と共に門扉本体3の保護、あるいは移動体4の安全を確保し、(c)移動体4に対して開口幅6を狭隘化させて通過不可に見せて迅速閉鎖を目指す。
従って、本例での補助門扉5は、門扉本体3の側面に取り付け、擬似門扉と移動体4との接触圧力に耐えるために、又、門扉本体3側面を迅速にスライド動作させるために、剛性が高く、できるだけ軽量であり、移動体4から見ても破壊・突破不可と見える材質、色彩、構造であることが望ましい。移動体4に対しては、補助門扉5の突出程度、及び開口幅6の狭隘化による通行不可を移動体4が明確に認識できるよう、上記彩色等で区分するとともに、移動体4の進行方向から良く見える部分に一定面積の表示盤を取り付け、文字、マークあるいは光警報器20などで「進入禁止」「閉鎖中」などの警告を示しても良い。
補助門扉5の高さは、移動体4特に強引に進入する可能性のある自動車の通行を考慮して、通過可否を判断する開口幅のスペース300に視線・注意を集中させるために、上下方向の視界を遮る高さを有することが望ましい。又、下端高さに付いては、擬似門扉も含め、少なくとも動作中に地面の砂利等障害物に接触しない高さを有し、又、転倒自転車を引き出せる高さを確保しても良い。転倒自転車引出し高さは、擬似門扉部分だけであっても良い。
具体的参考値として、何れも地上高寸法で、門扉本体3天端高≧補助門扉5天端高さ>大型車の運転者視点高さ(約2.5m)但し、門扉本体3天端高が2.5m以下の場合は門扉本体3天端高=補助門扉5天端高さが望ましい。自転車が転倒した場合も引き出せる下端高さは、自転車ハンドル最大幅(0.6m)である。
擬似門扉の関節は、移動体4が擬似門扉に接触・衝突した場合に接触圧力を逃がす機能を持たせ、擬似門扉1が設置される補助門扉5、門扉本体3あるいは堤防2など門閉鎖機構の破壊防止も合わせて図るものとする。
第1擬似門扉101は、閉鎖する門扉の先端にあって、最も移動体4と接触する可能性があり、又、移動体4が開口幅のスペース300を通過中にあっては移動体4を挟み込む危険性があるため、軽量、堅牢であることを要す、と共に、第1関節103は子供の力でも容易に屈曲する程度の弾性を持たせ、接触が解放されたときには速やかに復元するものとする。
第2擬似門扉102(N段の場合は第N 擬似門扉)は、補助門扉5への移動体4の接触を防護する最後の擬似門扉1であるため、堅牢であることを要すと共に、第2関節105(N段の場合は第N 関節)は大人の力で漸く屈曲する弾性を有し、接触力が解放されたときには、速やかに復元するものとする。また、少なくとも弾性は、第2関節105>第1関節103の関係にあるものとする。又、第1疑似門扉101だけ接続する場合の第1関節103の屈曲弾性も上記第1関節103、第2関節105と同様の2段階あっても良い。
門扉本体3閉鎖完了時、門の水密状態を確保するため、補助門扉5、及び擬似門扉1は門扉本体3側に後退させ格納するなどして戸当り側堤防2との間に挟まれない構造とすることが望ましい。又、その一部は門扉本体3と戸当り側堤防2とのロック機構を兼ねても良い
擬似門扉1により狭まったように見える開口幅6は、移動体4に対し門部A通過可否の判断を支援し、開口幅6を狭める、あるいは狭まったようにみせる構造から、特に自動車の無理な通過を躊躇・断念させると共に、スィング機構により補助門扉5、門扉本体3あるいは堤防2など門閉鎖機構の破壊防止を図り、門閉鎖の早期達成を図ることができる。

<挟み込み防止>
移動体4、特に人の挟み込み防止は、下記で図る。
(1)補助門扉5、擬似門扉が門扉本体3に先行して閉鎖し、上述開口幅のスペース300狭隘化により移動体4に進入躊躇・断念を促し、それでも進入する移動体4に対しては、擬似門扉の関節(スィング機構)で挟み込みを防止する。
(2)閉鎖完了時、先行した補助門扉5、疑似門扉1が堤防2(戸当り側)との閉鎖状態を(補助門扉5を後退させるなどして)維持しながら、門扉本体3の閉鎖を完了させることにより、新たな移動体4の進入を防止する。
(3)移動体4との接触を検知して門扉の閉鎖制御する(接触検知方式;後述)、監視検知方式で閉鎖間際の残置物を検知(監視検知方式;後述)する。など。
図3の移動体を説明する。
津波警報発令時、移動体4は、一般に海側401から陸側402へ避難するので、以降、移動体4が避難してくる方向を海側401、反対側を陸側402という。但し、海岸付近の河川に設置される陸閘については、河川側を海側401、反対側を陸側402とする。
移動体4は、それぞれ位置403、移動体幅404、奥行き405、移動体の外郭406、速度407、移動体から通過ゾーンC409までの距離408を持つ。
外郭は、移動体4全体の上から見た外側の輪郭で、自動車による封鎖通行帯方式で使用する。移動体から通過ゾーンC409までの距離408は、移動体の外郭406と通過ゾーンC409の最短距離である。
通過ゾーンは、通過ゾーンC409と通過ゾーンA410で構成され、通過ゾーンC409の範囲は、開口幅6を1辺とし、門扉軌道幅301を他辺として門扉軌道302内に構成する長方形とする。通過ゾーンA410は、通過ゾーンC409から海側401に張り出した開口幅6を1辺とし他辺を任意に設定する長方形などのエリアとする。これらの形状、寸法は、移動体4の動態把握を目的とする関係から、開口幅6の変化に伴って変化させても良い。又、同目的で、開口幅6の1辺は、左右に拡張されていても良い。
従って、移動体4が通過ゾーンC409にあるときは、移動体4が門部Aを通過中であるか又は停止中であることを示し、通過ゾーンA410にあるときは、通過する前段階として、通過ゾーンC409に進入しようとしているか、停止している状態を示す。
移動体4は、人、あるいは人が操作する自転車、バイク、歩行者などである。移動体4は津波来襲から逃れるため夫々の速度で開口幅のスペース300を目指して避難して来る。
自動車による避難は、障害ある人、及びその介助者の避難を除き原則禁止と定める自治体が多いが、東日本大震災の津波発生の際にも、自動車を使っての避難が多々行われた。又、その後のアンケートでも避難に自動車を使用するとの回答が多かった。従って、現実的システムとしては、自動車、バイク、自転車などを使用しての避難が発生することを想定しておく必要がある。
又、一般論として、津波に対応する防波堤などの防御ラインは、最も海側401に設置されており、防御ラインの海側401には、下記施設が設置されている。
(1)港湾;荷役施設、倉庫、港湾管理施設、造船所など
(2)漁港;魚河岸、漁協施設、水産加工施設
(3)海岸;観光施設、季節により海水浴場、及び海水浴客のための駐車場など
(4)河川敷;公園、遊歩道など……海岸と同じに取り扱う
従って、(1)(2)の避難者は生産年齢の成人が多いが、(3)(4)では性別年齢は多種多様である。
よって、システム的には多種多様な人たちが自動車、2輪車(バイク、自転車)、歩行で、尚且つ、津波からの避難という、ある種異常な心理状態の中で避難してくることを前提とせざるを得ない。
図4「全体システム構成図」は、今回提案するスペックの構成図である。
門部Aは、当該地区に単数あるいは複数あり、門部Aには門制御装置7があり、一方、センタBには中央制御装置8があって、門制御装置7と中央制御装置8は通信回線9で繋がっている。この回線は例えばインターネットでも良く、有線に限らず無線であることもある。又、中央制御装置8含む門部A間は中継機能を有したアドホッフ通信など自律分散的にネットワークを構築し通信を行う形態であってもよい。
単数、あるいは数ある門部Aにおいて、門制御装置7には警報装置10、移動体監視装置11、接触検知装置12、門扉駆動装置13、津波センサなどオプション14、並びに操作卓が通信手段で或いは電気的に接続されている。更に外部にある津波・高潮警報16システムにも接続されている。
警報装置10には、マイク17が接続し、スピーカ、サイレンなど音声警報器18は直接、あるいは音声合成装置19を介して接続され、信号灯、パトライト(登録商標)、表示盤など光警報器20が接続している。
遮断機21がある場合には、遮断機21も警報装置10に接続され、遮断機21は、遮断具駆動装置22、遮断具23で構成され、遮断具駆動装置22には遮断具23が接続されている。遮断具駆動装置22には遮断具23の閉鎖開始、完了、あるいは、破壊を検知する遮断具23動態検知装置が内蔵されているものとする。
移動体監視装置11は、カメラ制御装置24、及び監視カメラ25を接続するほか、移動体検知他演算処理装置26、センサ制御装置27、センサ28で構成され、移動体検知他演算処理装置26にはセンサ制御装置27、センサ制御装置27にはセンサ28が繋がっている。接触検知装置12には、接触検知SW(1)104、接触検知SW(2)106が繋がっている。
門扉駆動装置13には門扉が繋がり、門扉は門扉本体3、補助門扉5、擬似門扉1から構成される。門扉本体3には補助門扉5が設置され、補助門扉5には擬似門扉1が設置されている。
門扉は、先に述べたように、
・門扉本体3、補助門扉5、擬似門扉1から構成される場合、
・門扉本体3だけで構成される場合、
・門扉本体3に擬似門扉5が直接設置される場合、があり、
これらの構成、設置状態は、各説明の単位ごとに定義するものとする。
尚、門制御装置7は、当門部Aのマスター情報を持ち、演算処理などを行って、門部Aの制御を司るほか、センタBとの情報授受を行う。又、開口幅6計測装置が内蔵されており、門扉駆動装置13には、移動体4との衝突などによる補助門扉5あるいは門扉本体3の不稼動など故障検知装置が内蔵されているものとする。
津波センサなどオプション14には、津波センサ、自動車のナンバープレート識別装置などが考えられる。
(1)津波センサは、複数であっても良く、門部Aあるいはその周辺に設置され、津波の来襲及び浸水深を検知する。
(2)同様に、監視カメラ25映像を活用し、既存技術の自動車のナンバープレート識別装置によって移動体4のナンバープレートのナンバーを警告に付加する事も効果を高めると思われる。
門部Aの門制御装置7に接続される操作卓は、機側操作盤とも呼ばれ、センタBからの遠隔操作によらず、操作者が機側にて直接門の開閉操作を行うための装置である。門部Aの操作卓15は、モニタ29、システム監視装置30、操作SW31、マイク32、スピーカ33から構成されている。
門制御装置7には、門部Aの閉鎖等制御に関る門部A機器の稼動情報、監視カメラ25、センサ28の監視情報などを蓄積する記録装置を付設している。
センタBは中央制御装置8、大型モニタその他34、及び操作卓按分装置35で構成され、外部にある津波・高潮警報16システムにも接続されている。
操作卓按分装置35には複数の操作卓36が付設され、各操作卓36にはモニタ37、システム監視装置38、操作SW39、マイク40、スピーカ41が含まれている。
中央制御装置8は、データベース(D/B)を備えており、門部Aとの各種情報の授受を行い、又、情報加工、センタBのシステム監視装置38への情報提供などセンタB全体の情報を統括する。システム監視装置38は、中央制御装置8データベースにアクセスして、門部Aの状況把握を行うほか、操作SW39などと合わせて門部Aの遠隔監視・操作を行う装置である。
センタBは、複数あっても良く、操作優先順位などを調整して、センタB間の相互補完、バックアップを行っても良い。
センタBには操作卓36が複数あるが、これは、複数のセンタB員が同時に夫々担当する門部Aの監視・操作を行うためであり、操作卓按分装置35は、突然の地震・津波発生後、操作のために集合するセンタB員が徐々に増加、又は減少する際に短時間の中で分担する門を按分して割り振る仕組みが必要であることによる。
地震・津波・高潮警報16システムは一般に気象庁あるいは気象台に備えられている。従ってセンタB、門部Aの外にある。しかしながら、震源域が近く、津波対応が気象庁等情報では間に合わない地域では、一定レベルの地震発生で津波警報を発するような独自の自家警報を必要とする場合もあり、このような自家警報システムを併設する地域ではセンタBや門部Aの中などに設置する場合もある。これら地震情報には近年整備された緊急地震速報の受信システムも含めて考えることができる。
表1の「移動体の種類と特徴、及び通行帯と門扉閉鎖速度」を説明する。
表1は、移動体4と開口幅6の関係を注意深く観察し、通行帯の概念を創出すると共に、門扉の閉鎖制御のあるべき姿に発展させる。
単純化のために、本項で述べる門扉は門扉本体3だけの門扉、及び門部Aを通行する道路は、車道部だけの道路とする。
移動体4には、自動車、バイク、自転車、人などがある。門扉の閉鎖に当っては、音声警報器18、表示盤などの光警報器20などで通行しようとする移動体4に対し、充分な警報を発しながら閉鎖動作を行うこととなる。更に、門扉の保護、移動体4の安全性の確保を考慮しつつ、門扉を最短時間で閉鎖するためには、移動体4の種類ごとの特徴を捉えて、その特徴に合わせた種々の制御、監視などを行う必要がある。
以下、表1の縦軸No.順に説明する。
(No.1 移動体4種類の幅、法規制や実態に即して)
門部Aを経由して避難する最大幅の移動体4は自動車で、その車幅は車両制限令、道路運送車両法などで法的に規定されており、最大幅の大型車は現在2.5m以下となっている。従って、一般に通行する2.5mを超える幅の移動体4は存在しない。同様に、軽4輪自動車(以下、軽4輪車ともいう)の車幅は1.5mとなっているので、自動車の車幅は2.5m〜1.5mと定義できる。又、1.5mは最大車幅であるので、世の中にはそれ以下の軽4輪自動車が存在する。尚、正確には、軽4輪自動車の最大車幅は1.48m以下と規定されているが、ここでは1.5mと丸めた寸法で表現する。
バイクの車幅は1m以下程度であり、自転車の幅は0.6m以下である。人は肩幅60cm、胸厚30cm程度である。
尚、肩幅は、鉄道車両の座席幅(約47cm〜60cm)から60cm、胸厚は、頭幅(約16cm)の約2倍から30cmとしてやや大きめに推定した。
又、大型車、小型車、バイク、自転車などの車幅基準あるいは車両区分名称は現行の基準であるため今後種々の改正などにより寸法あるいは名称変更の発生が考えられる。しかしながら、その意味するところは、一般道路の通常走行を認可された最大の自動車、あるいは最小と規定される自動車、2輪車などの車幅のことを示しており、又、それらの流通量を考慮して決められるべきである。
(No.2,3 移動体4の種類と特徴;転倒への強度、外的障害への強度)
これらの特徴的幅を持つ移動体4を転倒への強度及び外的障害への強度で分類すると、
(1)自動車は一般に4本以上の車輪で支えられており、容易に転倒せず、転倒への強度は強い。又、全体が車体構造に覆われているので、即ち外的甲装を持ち、乗員は外的障害に対し強く、相当程度安全である。特に自動車の中でもトラックなど車幅の大きい自動車は、転倒、外的障害への強度が大きい傾向がある。一方、その外的甲装および大きな推進力を持つことから強く衝突した場合、門扉の破壊などを発生させる可能性がある。
(2)バイク、自転車など2輪車は自立せず、余震、瓦礫中の走行は不安定で、門扉と接触すると容易に転倒し、転倒への強度は最も弱い。又、外的甲装を持たず、速度が速いだけに歩行者よりもさらに外的障害に弱いといえる。
(3)歩行者は、2輪車と比較して前後左右に機敏に動くことができ、転倒しないといえる。又、仮に転倒した場合であっても津波避難の環境下周囲の人達の介助が期待できる。歩行者は外的甲装は持たないが門扉との関係では挟み込み防止装置など各種の安全装置の作動が期待できる。
(4)残置物は、もし存在するとすれば、移動体4あるいはその一部である。2輪車や人と異なり、自ら動かないと言う意味で既に転倒状態にあるものといえる。

(No.4 移動体4の種類と特徴;避難量の推定)
津波の防御ラインの海側401から避難する移動体4の種類と量に付いて調査し、避難量を推定した。表2で新車販売台数に数値の根拠を示す。
(1)自動車、バイク
(ア)登録車(=普通、小型乗用車、普通、小型貨物車、バス)+軽4輪車+バイクの国内販売台数は4.6M台/年で、登録車、軽4輪車が91%を占め多い。
(イ)これらは、要援護者を乗せての避難に使用される他、東日本大震災のアンケートでは、自動車を使って避難したいという強い意思が見られた。
(ウ)ここで、自動車、バイクの数量は、本来ストック台数で論議すべきだが、関連資料が確認できず、新車販売台数で代替した。
(エ)又、津波発生時、防御ラインの海側401に居る人、即ち移動体4は、海側401の施設の性質に依存するので全国平均値と必ずしも一致するわけではないが、次善の策として採用した。
(2)バイク
バイク構成比は、9%と少なく自転車と合せても移動体4の絶対数が最小と想定できる。
(3)人(歩行者)
自動車による避難は、渋滞発生の可能性があり、歩行避難の奨励、及び、避難途中で自動車を放棄して歩行避難に切替た人も含め、最多数が歩行避難すると思われる。

(No.5 移動体4の種類と特徴;開口幅6との関係)
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない)の特徴は、
(1-1)開口幅6が圧倒的に広いため、移動体4と門扉との接触・衝突は殆ど起こらない。
(1-2)門扉が徐々に閉鎖する中、門扉側を避難する2輪車(自転車)、歩行者は門扉が障害物となって、車道部にはみ出さざるをえず、自動車、2輪車、歩行者が混在避難する。
(1-3)当該門部Aを通行する大型車が無い場合などの運用では、当該門部Aを通行する最大車幅の自動車幅を移動体幅404とするなどの交通実態で運用した方が迅速閉鎖できる。
(2)自動車の特徴は、
(2-1)転倒、外的障害に対し、非常に強いため強行進入・通過を行う可能性がある。
(2-2)自動車の開口幅6で2輪車、歩行者が混在避難し、2輪車、歩行者は悠々通過できる。
(2-3)自動車が通過ゾーンA410 に停滞すると、他の自動車、2輪車、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(2-4)当該門部Aを通行する大型車が無い場合などの運用では、当該門部Aを通行する最大車幅の自動車幅を移動体幅404とするなどの交通実態で運用した方が迅速閉鎖できる。
(3)2輪車の特徴は、
(3-1)2輪車は、門扉と接触時転倒しやすく、又、外的甲装を持たないため、2輪車と同程度の開口幅6の狭隘部への進入を躊躇する。
(3-2)2輪車の開口幅6で歩行者が混在避難する。自動車は進入できない。
(3-3)自動車が通過ゾーンA410 で停滞すると、2輪車、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(4)歩行者の特徴は、
(4-1)歩行者は、外的甲装を持たないため、歩行者と同程度の開口幅6の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。
(4-2)歩行者の開口幅6では、自動車、2輪車は進入できない。
(4-3)自動車が通過ゾーンA410 で停滞すると、歩行者の進入路を封鎖する可能性がある。
(5)残置物の特徴は、
(5-1)新たに進入する移動体4は殆ど存在しない。
(5-2)仮に、移動体4あるいは移動体4の一部など残置物が存在すると閉鎖不可となる。
である。
表に整理した移動体4と開口幅6の関係を文章にすると、
「東日本大震災での津波来襲の映像記憶の残る人、特に自動車で避難しようとする人は、開口幅6が自車の車幅に近づいた際、背後に迫り来る津波と、門扉と衝突するかもしれない、挟まれるかもしれない恐怖との狭間で、自動車が転倒や外的障害に強いことから多少ムリしても通過しようと考えるであろうし、外的障害に対して無防備な2輪車や歩行者は、重量音を発しながら、厚さ1m高さ3〜4mにも達する鉄風の壁が身体近辺に迫ってきたら、幾ら人の動きが門扉に対し10倍速い(仮に閉鎖速度10cm/秒、人の歩行速度110cm/秒(4Km/時) とする)としても恐怖を感じてその狭隘部に進入することには尻込みするに違いない。」と記述できるであろう。

(No.6 どうやら通過の開口幅6区分)
移動体4が通過可否を認知する開口幅6には、それを判断する個人的にかなりのばらつきがあり、また、津波からの避難という異常状態の中での行動は判断の冷静さにも欠けることが考えられる。ここで、以上述べた移動体4種類ごとの特徴的通行特性を踏まえ「どうやら通過できる」と判断し、進入・通過を試みる可能性のある開口幅6区分を推定する。ここで移動体4通過のための余裕幅を移動体幅404の両側で合計αmとする。
又、門扉制御的見地からより移動体幅404の広い移動体4種類が通過不可となる下限値の後は、次の移動体4種類の上限値とした。更に、自動車と2輪車のようにその範囲が重なる場合は、世の中に存在する量的大小、及び、当該移動体4の挙動が門扉閉鎖に与える影響度の高さを勘案して基準値を考察した。
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない);全開放時の開口幅6≧開口幅6>大型車幅+α
当該道路部を全移動体4が余裕を持って通過できるので、「どうやら通過」の範疇から外れるが、自動車を超える開口幅6の定義として設定した。下限値は大型車幅+αとした。
(2)自動車;大型車幅+α≧開口幅6>軽4輪車幅+α
開口幅6の上限値は、大型車幅+αと設定できる。
下限値は、軽4輪車幅+αとしても良い。しかしながら、下記要素、即ち、自動車としてのf要素、軽4輪車の量的要素、及び次の移動体4種類の最大幅の2輪車の台数的要素などを反映させ、且つ、門扉制御の為に移動体4種類間の境界値の連続性を採って軽4輪車幅(1.5m)と設定した。
(ア)自動車(軽4輪車)は、転倒、外的障害に強く、門扉との接触を省みず強行進入の可能性がある。中でも、別途説明する擬似門扉付設の門扉の場合、軽4輪車は、開口幅6=軽4輪車幅であった場合でも、強行進入してスィング機構を持つ擬似門扉と接触しつつ通過することができる。
(イ)軽4輪車は乗用車販売台数の約30%を占め、量的に多いので、上記強行進入の可能性を無視できない。。
(ウ)一方、2輪車幅+αが1.5mを越える2輪車は殆ど存在しない。従って、2輪車の上限値を軽4輪車幅まで下げても、実務上問題ない。
(エ)よって、自動車の通行できる開口幅6の下限値は、軽4輪車幅+αよりも、少し下げて軽4輪車幅とした方が実務的、且つ、安全サイドの管理ができであろうと判断した。
自動車の下限値について、開口幅6>軽4輪車幅+αとした場合は、その時の2輪車の上限値は、軽4輪車幅+α≧開口幅6となる。
ここで、軽4輪車は軽3輪車を含むものとする。但し、軽3輪車の走行台数はほぼ0であり、無視することができる。
(3)2輪車;バイク車幅+α≧開口幅6>自転車幅+α
以下に述べる数値的根拠を表3を用いて、主なバイクの販売台数比率と車幅に示す。
1m以下程度と前述したバイクの車幅は、(a)2輪車の車幅分布が0.7m程度に集中し偏っていること(バイクの販売台数費60%を占める50cc以下の原付第1種自転車の代表をホンダスーパーカブ50とすれば、その車幅は0.66〜0.7m。同25%は51〜125ccであり車幅は約0.7mである)(b)126cc以上クラスのバイクの販売台数は14%で、中でも車幅1.0m相当の2輪車は排気量1,300cc以上車の更にその一部であり、極めて稀である。人間工学的にも1m以上の車幅は無理がある。よって、上限値のバイク車幅+αは軽4輪車の車幅とした。
又、下限値は自転車幅(0.6m)+αとする。
尚、自動車、2輪車(バイク)の法的車幅には、サイドミラー、ドアミラーなどの突出する可動部分が含まれていない。サイドミラーなども含めた車幅を採用しても良い。
(1)歩行者;肩幅+α≧開口幅6>胸厚+α
上限値に肩幅+αは、2輪車幅下限値自転車幅(0.6m)+αと同じである。下限値に胸厚+αを使用した。
(2)残置物;胸厚+α≧開口幅6≧0m
上限値に胸厚+α、下限値は、閉鎖完了状態を示すので、開口幅6を「0」とした。
(No.7_α=0.6mの当て嵌め)
上記開口幅6区分の定義に、移動体幅404の寸法、及び、余裕幅α=0.6mを仮定的に当て嵌め、より具体的なイメージを提示する。
因みに、道路構造令により最大幅2.5mの大型車が通行する普通道路の車線の幅員は3.0m(+路肩0.5m)であるから、法的に交通の安全性と快適性に寄与する最低の側方余裕は片側0.5m、両側で1.0mとして設定されているといえる。この側方余裕をβとし、β=1mとする。
移動体4の幅、及び、移動速度が自動車、2輪車、歩行者と小さくなる中で、一律に余裕幅=0.6m(片側0.3m)と設定することに若干の論理的乱暴さがあるかもしれない。これは現時点では、津波来襲からの避難と言う異常事態の中で、夫々の移動体4種類に対する余裕幅設定に科学的、統計的根拠を持ち得ないことなどによる。従って、ここでは、自動車を門扉閉鎖障害の中心的存在と捉えて、自動車がどうやら通過できる側方余裕を基準とし、その他の2輪車、歩行者は避難弱者と捉えて側方余裕をやや広く安全サイドに設定するとの考え方で一律の幅を設定したものである。
同様に、どうやら通過の開口幅6区分の区切りを(3.1m≧開口幅6>1.5m)などと数値で、又、連続性を持って設定したが、これは門扉制御を意識したためである。自動車、2輪車は工業製品であるから規定される一定の数値基準で押さえる事はできるが、その操作を行う運転者は人間であり、あるいはその所持する通行可否等の感覚は人夫々の部分があり、カチッと決められるものでもない。
要は以下で述べる通行帯の概念を活用して、迅速・安全な門扉閉鎖を実現させることであるから、当該門部Aを通過・避難する、移動体4の種類、量、その通行特性等、現地の実情に合わせて適宜議論し、ややアバウトであっても納得のいく側方余裕の数値が選択されていくことが望ましい。
(No.8_移動体幅404を基準とした開口幅6区分名称(=通行帯と称す))
以上のような開口幅6区分に付いて、移動体4名称を使って夫々、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯と名付け、それ以下の移動体4は残置物と認識できるので残置物通行帯、大型車を含む全移動体4が余裕を持って通過できるという意味で、大型車幅を超える移動体4部分をフリー通行帯と名付けた。当然のことながら、大型車幅を超える移動体4は一般的に存在しない。
又、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯の具体的移動体4の実態のある通行帯を具象通行帯、フリー通行帯、及び残置物通行帯を非具象通行帯と称するものとする。
通行帯名称を使って(No.7_どうやら通過の開口幅6区分)を書き換えれば、下記となり、これは、門部Aの道路幅員を通行帯の概念で定義したことになる。
(1)フリー通行帯 ;(当該門部A)全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>大型車幅+α、
あるいは、(当該門部A)全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>全ての移動体幅404
(2)自動車通行帯;大型車幅+α≧自動車通行帯>軽4輪車幅
(3)2輪車通行帯;軽4輪車幅≧2輪車通行帯>自転車幅+α
(4)歩行車通行帯;肩幅+α(=自転車幅+α)≧歩行者通行帯>胸厚+α
(5)残置物通行帯;胸厚+α≧残置物通行帯≧0

フリー通行帯について;上式のフリー通行帯は、当該門部Aを通行できる全ての移動体4種類が、(開口幅6が十分広いので)門扉との接触・衝突の危険なく通過できる開口幅6区分、と言い換えることができる。又、門扉制御の視点からは、フリー通行帯は、門扉を移動体4との接触・衝突の危険なく高速・安全に閉鎖することができる開口幅6区分ということができる。尚、フリー通行帯は、通行帯の再設計の項で再定義する。
αは、側方余裕的寸法で、本例では、α=0.6mとした。例えば、歩行者通行帯は、歩行者の肩幅0.6m、胸厚0.3mとして、0.6m+α≧歩行者通行帯>0.3m+αである。
尚、通行帯寸法の表現方法として、開口幅6の範囲寸法(差分)を取って、本例では、歩行者通行帯0.3mと表現することもある。

(No.9門扉閉鎖の速度制御)
各通行帯ごとに門扉閉鎖の速度制御としてあるべき姿を整理した。
(1)フリー通行帯は、全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>全ての移動体幅404である。従って、通常、移動体4と門扉との接触・衝突が起こらないので、門扉の閉鎖時間を短縮するため、門扉閉鎖の速度制御は最高速度で閉鎖すべきである。
片側1車線以上の幅の広い道路の場合は、上記と同様、少なくとも海側401に向かう全開放時の開口幅6からセンタBラインまで、あるいは陸側402に向かう1車線だけ残して、更に速い速度で閉鎖することができる。
(理由)
(ア)津波の来襲する海側401へ向かう移動体4は殆ど考えられない。
(イ)センタBラインまで、あるいは1車線残して閉鎖でも、最大幅の大型車でも側方余裕を確保でき、移動体4との接触・衝突は殆ど発生しない。
(ウ)センタBラインまで、あるいは残り1車線までという管理の方が、移動体4、センタB管理者ほか具体的に理解し易く、周知し易い。

(2)自動車通行帯では、自動車は2輪車、歩行者より転倒あるいは外的障害への強度が遥かに高いので高速閉鎖可能、但し、門扉保護の観点から門扉の制動力を勘案した閉鎖速度の設定が必要である。
又、門扉が徐々に閉鎖される中、自動車通行帯で自動車、2輪車、歩行者は混在避難する。自動車が通過ゾーンA410で停滞すると、自動車が進入路を封鎖する。進入路封鎖を確認した場合には、当該通行帯を増速し閉鎖しても良い。
(3)2輪車は外的甲装を持たず、門扉との接触などで容易に転倒する。又速度があり、転倒すると障害を受けやすいため、閉鎖中の同程度の幅の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。一方、無理に通過しようとした2輪車が転倒し、門扉軌道302上に放置されると、門扉閉鎖が不可能という最悪の事態を引き起こす。従って、2輪車通行帯の門扉閉鎖の速度制御は、接触転倒、あるいは転倒後放置の事態を避けるため、移動体4に通過可否の判断を進入前に充分行わせる様、自動車通行帯の閉鎖速度と同等かそれ以下の低速度で閉鎖することが必要である。
又、移動体4、特に自動車が通過ゾーンA410で停滞して、2輪車の進入路封鎖を確認できれば、当該通行帯を増速し閉鎖しても良い。
(4)歩行者も外的甲装を持たないので閉鎖中の同程度の幅の狭隘部への進入を躊躇すると思われる。人の場合は、前後左右に比較的機敏に行動でき、又複数で避難することが多いので仮に転倒した場合も他からの介助が期待できる。その他挟み込み防止など各種の生命防御機構の作動が期待できる。しかしながら、人命の最終的な安全を確保するため歩行者通行帯の閉鎖速度は2輪車通行帯の閉鎖速度と同等かそれ以下の低速度で運用することが望ましい。
又、移動体4、特に自動車が通過ゾーンA410で停滞して、歩行者の進入路封鎖を確認できれば、当該通行帯を増速し閉鎖しても良い。
(5)残置物通行帯では、新たに進入する移動体4は殆ど考えられないが、通過中の2輪車、歩行者あるいは移動体4の一部が残っている可能性がある。門扉閉鎖は閉鎖完了の段階であり、残置物があると閉鎖不可となる。残置物の確認、挟み込み防止のため歩行者通行帯の速度あるいはそれ以下の最低速度で運用することが望ましい。
又、残置物がなければ、増速して閉鎖しても良い。
以上、門部Aを最短時間で閉鎖するために、移動体4種類の幅と転倒への強度、外的障害への強度の観点その他、移動体4種類ごとの通行特性に応じて、通行帯ごと閉鎖速度を設定し運用することが望ましく、その速度は、基本的にフリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯とすることによって、閉鎖の迅速性、安全性を確保できることを整理した。
即ち、
(1)特に道路幅員中で最も広い幅を占めるフリー通行帯では、安全且つ最高速度の門扉閉鎖が可能であり、津波到達前の迅速閉鎖の観点からフリー通行帯の高速閉鎖が有効であることが分かる。
(2)自動車通行帯では、自動車は2輪車、歩行者より転倒あるいは外的障害への強度が遥かに高いので高速閉鎖が可能である。但し、門扉保護の観点から門扉の制動力を勘案した閉鎖速度の設定が必要となる。
(3)2輪車通行帯では、進入前判断や放置防止のための時間確保できる閉鎖速度の設定など。
(4)歩行者通行帯では、人命尊重。残置物通行帯では、閉鎖完遂のために残置物の最終確認と挟み込み防止の観点から、順次、より低めの閉鎖速度を採用するなど。
通行帯ごとの閉鎖速度で変速閉鎖制御することにより、迅速、且つ安全に門部A閉鎖が出来ることがわかった。
一方、移動体4、特に自動車が通過ゾーンA410で停滞・放置され、他の移動体4の進入路を封鎖したことが確認できれば、当該封鎖通行帯を増速閉鎖することも可能であることを提案した。
以上は、閉鎖開始から、完了まで、連続して閉鎖を行う変速閉鎖制御方式であったが、当地への津波到達に余裕がある場合には、例えば、フリー通行帯まで一旦閉鎖し、自動車ほか避難者通過を一定時間許容してから、残りの通行帯を封鎖するなど、多段階の変速閉鎖制御方式であってもよい。
No.10(〔付記〕後述する検知方式などシステムとの組合せ対策例)では、門部A周辺の監視検知、あるいは門扉と移動体4との接触検知など更に安全増しの仕組を付加した場合の対応に付いて略記している。詳細については後述する。
以上、移動体4の種類ごとに特徴を整理し「どうやら通過できる」開口幅6区分を定義し、これを通行帯と名付けた。そして、門扉を最短時間で閉鎖できる変速制御閉鎖方式の有効性を提案し、安全性的には、フリー通行帯は最高速で、2輪車、歩行者通行帯へは低めの閉鎖制御採用を望ましいとした。以上の整理に基づき、これまで触れなかった、一般的な道路構造を考慮し、適用することにより、より汎用的な提案に繋げていく。
図5「道路幅員モデル」を説明する。
門部Aにおける堤防2(門扉側)と堤防2(戸当り側)の間、門扉の全開放時における幅員部分はいわゆる道路である。
道路の最も単純な形態である図5「道路幅員のモデル」(例-1)は、2車線の車道部だけ(歩道部なし)の道路である。
以下、本形態の道路で論考を進め、より一般的な歩道部ありの道路については、図5「道路幅員のモデル」(例-2)を代表例として、後段で取り上げる。

道路幅員(横断面)の基本的構成要素は、道路構造令によって、
(ア)車道(車線によって構成される道路の部分)
(イ)中央帯(以下センタBラインという)
(ウ)路肩
(エ)停車帯(車道の一部)
(オ)自転車道
(カ)自転車歩行車道路
(キ)歩道
(ク)植樹帯
(ヶ)その他(副道、軌道敷など)
から構成されている。夫々の要素が更に区分・規定され、これらの組合せによって道路が成り立っている。
本項では、門扉閉鎖の関連要素として、(ア)車道((イ)センタBライン、(エ)停車帯含む)、(ウ)路肩、(キ)歩道((カ)自転車歩行者道路を含む)、(ク)植樹帯の構成で考え、(ア)車道、(ウ)路肩を車道部、(キ)歩道、(ク)植樹帯を歩道部と称し、車道部、歩道部を総称して道路部と称す。又、歩道は自転車も通行できる自転車歩行者道路とし、歩道部のない道路を車道部だけの道路と称する。尚、(オ)自転車道、(ケ)その他(副道、軌道敷など)は、一般的道路として多数でないので除外して考える。
図5の(例-1)は、歩道、植樹帯などの設置がない歩道部なしで車道部だけの2車線道路を示している。比較的狭い道路の例である。即ち、自動車、2輪車、歩行者全てがこの車道部の中を通行・避難する。本例は車線3m、路肩0.5mの構成で道路幅員7mの場合である。以下、より具体的なイメージ創出のために、例として寸法(m)を付記している。
図5の(例-1)は、これまで説明してきた内容の背景にあった道路モデルであり、下段に通行帯の模式図を示す。門扉の閉鎖方向に、堤防2(門扉側)端、あるいは全開放時の門扉端からフリー通行帯(3.9m)、自動車通行帯(1.6m)、2輪車通行帯(0.3m)、歩行者通行帯(0.3m)、残置物通行帯(0.9m)で構成する。
尚、数値例は、(当該道路部の)全開放時の開口幅6≧フリー通行帯>3.1m、3.1m≧自動車通行帯>1.5m、1.5m≧2輪車通行帯>1.2m、1.2m≧歩行者通行帯>0.9m、0.9m≧残置物通行帯≧0、及びα=0.6mの例で計算している(以下同じ)。
尚、図5では、門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉は区別する必要がないので、一体として門扉とした。即ち、一体としてとは、本項の説明では、後述する補助門扉5、擬似門扉がその機能、動作を発揮する必要がないということであり、門扉には門扉本体3だけが存在すると考えて良い、ということである。
(例-2)は、車道部が3m*3車線、内右折車線1車線、路肩0.5m、植樹帯1.5m、歩道(自転車歩行車道)3mで構成される車道部の両側に歩道部の付いた道路幅員19mの道路の例である。(例-1)は車道部だけの単路部であったが、本例は植樹帯や歩道の歩道部がある交差点部の道路の場合である。比較的広い道路の例である。
現在自動化されているような比較的大きな陸閘は、数多く設置できないので、防潮ラインに並行する海側401、陸側402の道路が陸閘で“キ”の字型に交差するという形となっている。即ち、陸閘の道路幅員構造は海側401、山側で夫々交差点を形成し、陸閘部には右折車線が付加されていることが多い。よって、(例-2)では、右折車線を含む3車線道路を想定した。
歩道部付き道路の場合、車道部と歩道部との間は縁石、柵その他で区画されているので、一般的には、物理的にも、法的にも自動車、2輪車(バイク)はそれらを越えて植樹帯や歩道の歩道部を通行することができない。即ち自動車、2輪車(バイク)は車道部だけを通行する。又、2輪車(自転車)は、車道部を通行する他、自転車歩行車道などでは歩道も通行できる。歩行者は、歩道部だけでなく、閉鎖する門扉が歩道部を塞ぐ中、車道部を横切って避難することがありうることを考慮する必要がある。
但し、門扉は構造上、水平に設置・動作させざるを得ず、その軌道上では車道部と歩道部の区画が途切れたり、車道部が盛り上がって歩道部と同一高さになっており、少なくとも軌道上及びその近辺には車道部、歩道部を隔てる区画を設置できない。従って、自動車及び2輪車(バイク)は車道部きり通行できない一方、2輪車(自転車)、歩行者は、歩道部から車道部へ、車道部から歩道部へと門扉閉鎖を避けて通行を試みる可能性がある。
(例-2-1)<通行帯の基本設計(道路部ごとの通行帯)>
以上の状況を踏まえて、通行帯を道路部上に設計することを考える。
通行帯の基本設計とは、道路部を越えて移動体4が横移動しないとする前提で、道路部ごとに移動体4の通行帯を形成させることをいい、以下、このような通行帯の形成方法、あるいはその結果を通行帯の基本設計という。
(例-1)は、車道部だけの道路であり、移動体4は横移動できないから、ここで形成された通行帯は基本設計の結果と言える。ここでその開口幅6は、門扉端から当該道路(戸当り側)端となる。
歩道部ありの道路の場合の通行帯の基本設計は、(例-2-1)のようになる。歩道部、車道部の夫々の道路に対し、
(1)歩道部(門扉側)(4.5m)の最初がフリー通行帯3m、次に2輪車(自転車)通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mと続く。
(2)車道部(10m)では最初がフリー通行帯6.9m、次に自動車通行帯1.6m、2輪車通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mとなる。
(3)歩道部(戸当り側)(4.5m)では、最初がフリー通行帯3m、次に2輪車(自転車)通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mとなる。
(4)ここで、歩道部(戸当り側)の2輪車は、自転車だけが通行するとすれば、自転車の車幅は60cm以下であり、歩行者の肩幅60cmとほぼ同じ幅となるため、2輪車(自転車)通行帯を歩行者通行帯の中に含めても良い。尚、後述通行帯の再設計、再々設計に2輪車(自転車)通行帯として記述を残したのは、違法ではあるがバイクが歩道部(戸当り側)に乗り入れてくる可能性を否定できず、安全サイドに通行帯設計を可能とするためである。
(例-2-2)<通行帯の再設計>
一方、前述のように、門扉軌道302近辺では車道部、歩道部の区画がないので、2輪車(自転車)、歩行者が容易に歩道部から車道部へ、車道部から歩道部へと横方向に移動できること、及び現在の門扉の一般的な閉鎖速度が6cm〜10cm/秒ほどであるのに対し、歩行者でも100cm/秒(3.6Km/時)と10倍の速度差で移動できることを考慮すると、門扉が歩道部(門扉側)を閉鎖してきても2輪車(自転車)、歩行者は、門扉との接触はもちろん、何の制約も受けずに歩道部から車道部側へ回りこんで通行・避難可能である。そこで歩道部(門扉側)全体4.5mをフリー通行帯と看做し、フリー通行帯の速度で閉鎖するよう再設計できる。
車道部の基本設計では、最初の6.9mをフリー通行帯、次に自動車通行帯1.6m、2輪車通行帯0.3mと設定した。
自転車や歩行者は、歩道部を通行できるほか、歩道部や車道部に障害物(ここでは門扉の突出を指す)があって通行できない場合、他の道路部を使った通行が禁じられていない。一方、自動車やバイクは、車道部を通行すると定められており、歩道部を通行することは基本的に禁じられている。
従って、自動車、2輪車(バイク)は車道部から歩道部へ乗り入れられないが、車道部の2輪車(自転車)、歩行者は歩道部(戸当り側)へ横移動可能なので、基本設計で設定した車道部の歩行者通行帯、残置物通行帯はフリー通行帯とし再設計できる。
車道部の次にある歩道部(戸当り側)は、閉鎖完了させる道路部であり、2輪車(自転車)、歩行者だけが通行する。(例-2-1)の基本設計で設定した歩道部(戸当り側)のフリー通行帯をそのまま車道部最後のフリー通行帯に繋げて門扉閉鎖できる。即ち、車道部最後のフリー通行帯、歩道部(戸当り側)のフリー通行帯合計4.2m、2輪車(自転車)通行帯0.3m、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mとなる。
以上を纏めると、再設計は、
(1)当該道路部内だけを通行する移動体4は当該道路部で通行帯を形成する(例;車道部の自動車、2輪車(バイク)通行帯、歩道部(戸当り側)の2輪車(自転車)、歩行者通行帯)。 と共に、
(2)当該道路部を越えて通行できる移動体4は、当該道路部では通行帯を形成しない。即ち、当該通行帯部分はフリー通行帯となる。(例;歩道部(門扉側)の2輪車(自転車)、歩行者通行帯、及び車道部の2輪車(自転車)、歩行者通行帯)。
(3)尚、残置物は、閉鎖完了する道路部のみに残置物通行帯を形成する。
という考え方で行ったことが分かる。
又、表1で定義した、どうやら通過の開口幅6区分の移動体4種類ごとの幅寸法を正しいものと仮定すれば、再設計結果は、車道部と歩道部から構成されるどの様な幅員構造の道路にあっても、変化する寸法は、フリー通行帯だけであり、変化しない寸法は、自動車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯である。但し、2輪車通行帯は出現度数が1度又は2度の場合がある、と言える。
2輪車通行帯は、一般に、車道部だけの道路では1度出現し、戸当り側に向かって車道部、歩道部と続く道路にあっては、2度出現すると言える。しかしながら、H5年の道路構造令改正以前では、歩行者の交通量が少ない箇所の縮小値として、歩道の幅員1.0mが認められている。よって、車道部、歩道部続きの道路でも、20年以上前の古い道路の歩道部では、2輪車通行帯は2度出現し得ないことがある。
更に、再設計の結果は、門扉制御(速度制御、開口幅6、通行帯寸法)の原点となる通行帯の配置であるといる。
(ア)迅速・安全閉鎖のため、移動体4との接触・衝突の危険のないフリー通行帯を活用する。
(イ)移動体4及び門扉への安全性あるいは保護を考慮して、2輪車通行帯、歩行者通行帯の閉鎖速度を遅くして、自動車通行帯の閉鎖速度をその中間程度の速度で閉鎖すると設定しても移動体4、門扉の安全性が確保でき、道路幅員の半分以上を占める歩道部(門扉側)から車道部のフリー通行帯を最高速度で閉鎖することにより、全体として閉鎖の迅速性、安全性を向上することが出来る。
(ウ)更に迅速閉鎖が必要な場合は、歩道部(門扉側)からセンタBラインまで、あるいは、陸側402に向かう残り1車線までなどと判り易い区切り線まで更に高速閉鎖しても良い。
(エ)閉鎖遅延回復策、あるいは、閉鎖時間短縮策などとして、一定の条件下で車道部後半から歩道部(戸当り側)前半のフリー通行帯を活用することもできる(後出)。
通行帯再構成に伴って、開口幅6、及び、通行帯寸法を再構成する。
(1)開口幅6の再定義
開口幅6は、通行帯の再設計結果の通行帯において、門扉端が具象通行帯に至る/あるいは、ある時には、門扉端から当該具象通行帯のある道路部端(戸当り側)とする。
従って、
(ア)車道部だけの道路の場合(図5(例-1))は、開口幅6は門扉端から車道部端(戸当り側)が開口幅6となり、
(イ)それ以外の一般的な車道部、歩道部からなる道路の場合(図5「道路幅員のモデル」(例-2))は、
(ウ)門扉端が歩道部(門扉側)から車道部の2輪車通行帯までにあるときは、開口幅6は門扉端から車道部端(戸当り側)、
(エ)門扉端が車道部(戸当り側)のフリー通行帯から歩道部(戸当り側)までにある時は、門扉端から歩道部端(戸当り側)となる。
(2)通行帯の寸法は、統廃合された再設計の結果の通行帯の寸法となる。
再設計後の通行帯を例2-2に示す。
<通行帯の再々設計(例-2-3)>
再設計後の通行帯(例-2-2)では、基本設計における車道部の歩行者通行帯、残置物通行帯を歩道部(戸当り側)のフリー通行帯と繋げてフリー通行帯とした。表1の門扉閉鎖の速度制御に依れば、フリー通行帯は最高速度で閉鎖すべきであるとした。従って、再設計後の通行帯(例-2-2)では、車道部の2輪車(バイク)通行帯からこのフリー通行帯に門扉閉鎖を進行させるに当り、閉鎖速度を加速する方向で設定したことになる。
しかしながら、センタBが介入して、センタB員が監視・警告しつつ遠隔操作する場合や、通過ゾーンA410に自動車が停滞し、後続移動体4の進入路を塞いだ場合のような場合を除いて、自動制御で門扉の制御を行う場合に、途中で門扉閉鎖速度を増速させることは、移動体4(2輪車(自転車)、歩行者)に与える影響として下記不測事態発生の懸念が考えらる。従って、安全性の観点から、基本的に車道部で最後に設定した2輪車(バイク)通行帯の閉鎖速度をこのフリー通行帯部分にも延長して、2輪車通行帯として再々設計し、閉鎖速度を一定にした運用が望ましいと考える。
即ち、再設計結果に基づき、門扉の自動速度制御時の安全増しのために、閉鎖速度を閉鎖途中で増速させない方針で通行帯を再構成し、移動体4への安全性、閉鎖のスムーズ性を付加した。
〔不測事態発生懸念の例〕
移動体4(2輪車(自転車)、歩行者)は、門扉の開口幅6、閉鎖速度を見て通過可能か否か判断しながら行動すると思われる。従って、設定した門扉閉鎖速度が一定か減速している場合には自らの移動体4速度との比較で通過可否を冷静に判断することができるが、門扉閉鎖速度が途中で加速された場合には、必ずしも冷静に対応できるとは限らず、慌てて強行進入を図るなどの行動を誘発することが考えられる。その結果、転倒、2輪車の放置、移動体4の挟み込みなどの事故、門扉閉鎖不能化など不測の事態を引き起こす可能性が懸念されるのである。
2輪車通行帯として自動速度制御の安全増し化した通行帯は、元々フリー通行帯であった。従って、下記のような場合には、再設計後のフリー通行帯の閉鎖速度について、閉鎖遅延の回復策、閉鎖時間短縮策などとして、フリー通行帯と同等かそれに準じた速度での閉鎖運用があっても良いと考える。
(1)それまでの閉鎖障害などで一定以上の閉鎖遅延発生を検知し回復策をとる場合。対応は、センタB員操作、又は、門扉の自動制御での対応の場合が考えられる。
(2)通過ゾーンA410に停滞する自動車が、元々のフリー通行帯に繋がる自動車通行帯、2輪車通行帯の進入路封鎖を行った場合
(3)閉鎖計画立案上、当該門部Aの閉鎖能力(時間)的に閉鎖時間短縮を必要とする場合など
再々設計は、安全増しした自律的門扉閉鎖の速度制御のための、理想的な通行帯の配置であるといえる。
再々設計後の通行帯を(例-2-3)に示し、説明する。
通行帯は、堤防2 (門扉側) 端あるいは全開放時の門扉端から車道部の自動車通行帯までフリー通行帯11.4mがあり、次に自動車通行帯1.6m、2輪車通行帯が車道部1.5m、歩道部3.3m(=3m+0.3m)と計4.8mと設定され、歩行者通行帯0.3m、残置物通行帯0.9mと続いて、閉鎖途中で加速されずに夫々の通行帯の閉鎖速度で閉鎖されることになる。
これは、門扉の自動閉鎖制御に向けて、移動体4、特に2輪車、歩行者など外的障害、あるいは転倒への強度の低い移動体4の安全を確保するため閉鎖速度を途中で増速しないとの安全増し方針で通行帯を設定したためであり、フリー通行帯、自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯の順に通行帯が並び、閉鎖速度もこの順で同速あるいは減速して変速制御することを基本に運用されることを示している。
これらの通行帯の長さを比率(%)で捉えると、本例では、フリー通行帯(60%)、自動車通行帯(8%)、2輪車通行帯(25%)、歩行者通行帯(2%)、残置物通行帯(5%)となり、
(ア)フリー通行帯だけで(60%)
(イ)フリー通行帯(60%)+自動車通行帯(8%)=68%
(ウ)フリー通行帯(60%)+自動車通行帯(8%)+2輪車通行帯(25%)=93%
であるので、
(1)まず、フリー通行帯の60%を最高速度で閉鎖することの有効性が明確にわかる。更に、片側1車線以上の道路の場合、海側401に向かう全開放時の開口幅6〜センタBラインまでを、あるいは陸側402に向かう1車線だけを残してフリー通行帯の内訳として更に高速で閉鎖すれば、より迅速閉鎖できる。
(2)迅速閉鎖の次善の策として、フリー通行帯と自動車通行帯を高速で閉鎖できれば、68%
(3)又、可能であれば、安全性を確保しつつ自動車通行帯から2輪車通行帯まで93%を最高速度に近い速度で閉鎖できれば、全体の閉鎖時間を効果的に短縮できることが分かる。
(4)又、閉鎖遅延回復策などの視点で、再設計ではフリー通行帯であった2輪車通行帯(25%弱)部分に着目することも有用である。
(5)以上のことから、当該門部A閉鎖の全体設計、特に閉鎖速度の設計を行うことが出来る。(図9 閉鎖開始から津波到達までのタイムチャート参照)
(ア)当地の地震(津波)発生に伴う当該門部Aの閉鎖開始時刻から津波到達時刻までの間で、安全余裕時間、センタB介入作業時間、余裕時間などを差引くと、閉鎖障害が何もなかった場合の閉鎖完了予定時間が算出できる。これを目標閉鎖時間として、
(イ)この時間内で当該門部Aを閉鎖するためには、当該門部Aの道路幅員に通行帯を設定し、
(ウ)門部Aの設備能力、及び閉鎖の安全を考慮しつつ
(エ)夫々の通行帯の閉鎖速度を設定・調整すれば、実現可能な解が設計できることになる。
(オ)尚、フリー通行帯を除く夫々の通行帯の閉鎖速度を管掌の門部A全体で統一しようとすれば、閉鎖速度を上げても一定の安全性が確保できるフリー通行帯の閉鎖速度で調節して門扉閉の迅速性、安全性を確保することになる。
尚、(例-2-3)は、車道部3車線の幅員構造であったが、車道部4車線の道路(図的な例示なし。道路幅員22m、歩道2m、植樹帯1.5m、路肩0.5m、車道6.5m(3.25m*2)、センタBライン(中央帯)1.0m、車道6.5m(3.25m*2)、路肩0.5m、植樹帯1.5m、歩道2m)を想定すると、夫々の通行帯の長さ及び構成比率は、フリー通行帯15.4m(70%)、自動車通行帯1.6m(7%)、2輪車通行帯3.8m(17%)、歩行者通行帯0.3m(1%)、残置物通行帯0.9m(4%)となる。この様に車線が増えるほどフリー通行帯の比率が高まることは通行帯の構成上自明であり、又、閉鎖しなければならない道路幅員も大きくなるので、フリー通行帯の高速閉鎖による閉鎖時間短縮の必要性が如実に分かる。
(例-2-3)において、歩道部は自転車乗り入れ可の歩道を想定していたが、自転車乗り入れ不可の場合に付いて、即ち歩行者専用道の場合に付いて、上述再々設計と同一思考で運用を設計すると、歩道部(門扉側)、車道部、歩道部(戸当り側)全て(例-2-3)と同じ通行帯の並び順になった。面白いことに、歩道部(戸当り側)は、2輪車が通行しないにも拘らず、避難する歩行者に冷静な判断をさせると言う前述の安全増し思考を適用した結果、(例-2-2)でフリー通行帯とした車道部最後の通行帯と歩道部(戸当り側)の最初の通行帯は、(例-2-3)と同じく、車道部の2輪車通行帯を延長して2輪車通行帯が設定されたことである。これは、片側に1本だけ歩道部(戸当り側)が付く道路の場合も同じ並びになることは当然である。
上記のように、通行帯の設計は引戸式の全ての門部Aの道路幅員に対して普遍的に適用可能であることが分かった。
表4の通行帯の設計まとめについて説明する。
以上、車道部だけの道路に付いて、表1で通行帯を一旦定義した。しかし、現実には歩道付き道路などもあり、当該道路部を通行避難できる移動体4種類、道路部間の横移動制約の有無、避難時の移動体4の挙動などの要素を取り入れ、図5 例-2-2、例-2-3に示す具体例で通行帯を再設計、再々設計した。
表4は、歩道部と車道部からなる一般的道路の門部Aの道路幅員情報を基本情報として、通行帯の基本設計、再設計、再々設計によって、通行帯の配置を確定したものである。又、重複を省みず、夫々の設計の考え方や特徴を再掲した。
以下、通行帯設計の成果を適用して新遮断方式を提案する。
従来の陸閘閉鎖における遮断方式は、表5で「従来方式と新遮断方式(遮断具閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式)の比較」における従来方式の項に示す、
従来の遮断方式は、門部A全面を一度にあるいは海側401向け通行、陸側402向け通行に2分割し順次閉鎖する方式であり、いわば通行を遮断後閉鎖する「通行遮断後門扉閉鎖方式」である。
以下論ずる遮断機21は、鉄道踏切で多用され、従来方式で使用されている腕木式の遮断機21を想定し、遮断に用いる腕木は遮断桿と呼ばれるが、ここではより一般化して遮断具23と呼称する。
表6の「遮断具が通行を遮断している場合と否の場合の通行帯別移動体の挙動」を説明する。
表6は、No.1〜5遮断具23が通行を遮断して破壊されない場合と、No.6〜10(遮断具23が通行を遮断して)遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断具23が全く無い場合について、門扉が徐々に閉鎖し開口幅6が各通行帯に至った場合の移動体4の挙動を想定したものである。遮断具23が破壊されて部分的に残った場合については残った部分に付いてNo.1〜5を当て嵌めて考察できる。
図5の道路幅員モデルの(例-2-3)の場合には、遮断具駆動装置22は歩道部の車道部端に設置されることが多く、この場合、遮断具23は歩道部を遮断しないので、本例における歩道部の移動体4の挙動は遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断具23が全く無い場合の2輪車通行帯、歩行者通行帯の項を参照頂きたい。
ここで、遮断具23を破壊する、あるいは破壊できる元凶は、外的甲装を持ち、転倒にも強く、推進力も強い自動車と特定できる。
No.1〜5遮断具23が通行を遮断して破壊されない場合は、どの移動体4も遮断具23の前で停止するので、表5の従来方式No.7効果で述べる効果を発揮できる。
即ち、遮断具23が破壊されず、「移動体4の通行を遮断すれば、移動体4は門部Aに進入しない」を前提とした通行遮断後門扉閉鎖方式であるため、
(1)移動体4の進入防止策、進入後の対応策などが不要となり、シンプルなシステム設計となる。
(2)門扉と移動体4の接触・衝突など門扉閉鎖阻害要因が発生せず、閉鎖遅延は発生しない。
(3)閉鎖遅延が発生しないことから、対応するセンタBの人的負荷削減。又、センタB員参集の不確実性、負荷集中による対応遅れなどセンタB対応能力の不確実性を解消し、より確実に門扉閉鎖を完了させることができる。
(4)同様に、遮断範囲では、初期の閉鎖速度で閉鎖できる、などが可能となる。
より詳細に見れば、開口幅6が2輪車通行帯における自動車、歩行者通行帯における自動車、2輪車は、開口幅6≪移動体幅404であるので、遮断具23の有無に関らず進入不可で、停止せざるを得ない。
2輪車、歩行者の一部で開口幅6がフリー通行帯、あるいは自動車通行帯における2輪車、歩行者、2輪車通行帯における歩行者は、遮断具23を潜って通過の可能性があるが、それが門扉閉鎖阻害要因とはならないであろうことから、遮断具23による遮断効果の発揮を損なうものではないと考える。
次にNo.6〜10(遮断具23が通行を遮断して)遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断具23が全く無い場合に付いて以下想定する。
遮断具23の破壊は、自動車と特定できるが、遮断具23が破壊される場合の理由を整理すると、
(1)外的甲装を持ち、転倒にも強く、推進力のある自動車は、開口幅6≫自動車幅の場合、あるいは開口幅6ニアリーイコール(以下、(NE)という)自動車幅の状態の場合でも、遮断具23を破壊しても、進入・通過して、海岸から離れ津波の脅威から出来るだけ遠くへ、より高い場所へ、より速く逃れようとする。
(2)これはより具体的に、東日本大震災後の避難した被災者アンケートでも、下記のように現れている。
(ア)海岸から速く遠くへ避難する手段は、自動車しかない。
(イ)家族・職場の仲間、あるいは高齢者や子供など災害弱者を同乗させている場合は、特にそうであり、そこでの停止が家族・仲間などの喪失と強く繋がって想起される。
(ウ)貴重な財産である自動車を失いたくない。
(3)又、門部Aは1度閉まると災害後まで2度と開かない知識があれば、通過できそうな段階では、是が非でも通過しようとするであろう。
など、自動車で、場合によっては強引に、避難することに対する強い意志が存在することに留意する必要がある。
(4)この様な背景を背負って避難する自動車にとって、門扉はその構造、重量からも突破不可能な障害物と認識されるが、一方、遮断具23は突破不可能な障害物ではなく、もし門扉の開口幅6が通過出来そうなら、多少の躊躇はするものの通過、突破を図る可能性がある。
(5)従って、開口幅6≫自動車幅、開口幅6(NE)自動車幅の場合に遮断具23破壊が発生する可能性が非常に高いことが分かる。即ち、フリー通行帯、自動車通行帯で遮断具23破壊が発生するといえる。
(6)尚、遮断具23破壊は、遮断具23動態検知装置で検知するほか、別途提案する監視検知装置で検知しても良い。
このように、現在の車社会の中で、自動車を使っての避難者が多数出現する可能性は高く、且つ、自動車が遮断具23を破壊する動機はかなり強力である。従って、現在設置の陸閘の遮断具23が、先のNo.1〜5遮断具23が通行を遮断して破壊されない場合を前提とした開口幅6全面遮断型を採用しているにも拘らず、この前提の成立根拠が相当脆弱であり、No.6〜10(遮断具23が通行を遮断して)遮断具23が破壊された場合での検討がより現実的であることが分かる。
No.6〜10遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断具23が全く無い場合は、そもそも遮断具23が初めから無かった場合と同じである。これは表1「移動体の種類と特徴、及び通行帯と門扉閉鎖速度」に整理した開口幅6と移動体4との関係である。
即ち、No.6〜10遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断具23が全く無い場合は、総体として
(1)開口幅6≫移動体幅404の場合は、移動体4は悠々通過。
(2)開口幅6≪移動体幅404の場合は、門扉に進入を阻まれて門扉前に停止せざるを得ない。
(3)開口幅6(NE)移動体4の場合は、移動体4が進入する可能性があり、閉鎖阻害要因となる可能性がある(ハッチング部で示す)。
(ア)特に、自動車通行帯(NE)自動車幅の場合は、上述理由で自動車が進入する可能性が高い。
(イ)2輪車通行帯(NE)2輪車幅、歩行者通行帯(NE)歩行者幅の場合は、2輪車、歩行者とも外的障害への強度が弱く、転倒への強度も強いとは言えないので躊躇しムリな進入を図らないと考えられる。
上記の結果、No.6〜10遮断具23が破壊された場合、即ち、遮断が全く無い場合をベースに、新遮断方式を構想し、開口幅6を示す通行帯と移動体幅404との関係で下記に整理した。
(1)フリー通行帯;フリー通行帯>全ての移動体幅404であり、移動体4は悠々通過できるので、門扉と移動体4との接触・衝突は殆ど無く、遮断しなくても閉鎖阻害要因とはならない。従って、遮断しないことが必要であり、逆に、遮断すると自動車による遮断具23破壊を招くことになる。
(2)自動車通行帯;、
(ア)2輪車、歩行者は、自動車通行帯≫2輪車、歩行者であるので悠々通過できる。
(イ)自動車は、自動車通行帯(NE)自動車幅では強行進入する可能性があり、閉鎖阻害要因となる可能性がある。
(ウ)従って、開口幅6が自動車通行帯に至る時/又は至った後、即ち、自動車側が真に進入可否を判断するタイミングで遮断具23が開口幅6を遮断することによって、自動車の進入を断念させ、遮断効果を発揮できる可能性がある。
(3)2輪車通行帯;
(ア)自動車は、2輪車通行帯≪自動車幅であり、進入不可、門扉前で停止。
(イ)歩行者は、2輪車通行帯≫歩行車幅であり、通過の可能性がある。
(ウ)2輪車は、2輪車通行帯(NE)2輪車幅では門扉との接触・転倒の危険性があり、進入を躊躇する。
(エ)従って、2輪車は、開口幅6が2輪車通行帯の場合には、2輪車通行帯が遮断されていない時も進入を躊躇し、まして、遮断されている場合は進入しようとしないであろうと思われる。
(4)歩行車通行帯;
(ア)自動車、2輪車は、歩行車通行帯≪自動車幅、あるいは2輪車幅であり、進入不可、門扉前で停止する。
(イ)歩行者は、歩行者通行帯(NE)歩行車幅では、進入躊躇し、避難階段へ向かうであろうと思われる。
(ウ)従って、2輪車同様、歩行者は、開口幅6が歩行者通行帯の場合には、歩行者通行帯が遮断されていると否とに関らず、進入躊躇すると思われる。
以上から、新遮断方式の特徴を表5「従来方式と新遮断方式(遮断具閉鎖の適時、適寸化、あるいは、フリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式)の比較」において、新遮断方式の項に整理し、説明する。
(1)遮断の範囲
(ア)全移動体4が悠々避難通行できるフリー通行帯(図5道路幅員モデル例-1、例2-3参照。通行帯に付いて以下同じ)は遮断しない。
(イ)自動車通行帯を遮断する。(自動車通行帯遮断に際し、遮断具駆動装置22設置場所により2輪車通行帯ほかを遮断する場合がある。)
(ウ)門扉閉鎖開始直後、門扉側フリー通行帯の一部を遮断して、移動体4に対し門扉閉鎖開始のシグナルとしても良い。
(2)遮断対象の移動体4
(ア)遮断の範囲がカバーする全ての移動体4。但し、特に自動車。(自動車は、外的障害、転倒への強度が高く、強行進入する可能性が高く、遮断具23破壊の元凶である。)
(3)遮断のタイミング
(ア)門扉端が自動車通行帯に至る時/又は至った後に、即ち自動車操作者側から、真に通過可否判断が必要となる時期に自動車通行帯を遮断する。
(イ)より精緻には、監視検知方式などとの組合せ方式で、当該車幅を把握し、開口幅6が「当該自動車幅+α(どうやら通過の開口幅6)」に至る時/又は至った後で遮断開始など。遮断具23破壊を回避し、より新遮断方式の効果を確実化させる。
(自動車は、外的障害、転倒への強度が高く、且つ、自動車を使って避難する強い意志もあるため、自動車操作者にとっての通過可否判断の第1要素は、容易に破壊可能な遮断具23による通行遮断ではなく、破壊不可能な門扉の開口幅6を自車が通過可能か否か(強行進入可否感)であり、この判断の境界は、自車幅と門扉の開口幅6の関係、即ち「どうやら通過の開口幅6」辺にある。)
(4)遮断具23の長さ
(ア)自動車通行帯の全部あるいは一部を遮断する長さ。又、遮断具23が90°から60°あるいは45°へ降下すれば、視覚的な遮断開始効果が発揮される。
(5)移動体4進入・通行を遮断する工夫、及び、遮断具23破壊を防止する工夫
(ア)遮断具23破壊、及び、強行進入の元凶は自動車として、自動車通行帯を遮断する方式とする。
(イ)自動車通行帯遮断に当っては、自動車通行帯に至る時/又は至った後で遮断する方式が望ましく、重量ある門扉の圧迫感を伴った開口幅6の狭まり、及び、それに同期して遮断具23で遮断すること、これら門扉の開口幅6狭隘化(自動車操作者にとっては、強行進入可否感)と遮断具23遮断(同、法的規制感)の2重の効果により、自動車操作者に進入断念を促す自動車通行帯の遮断方式(強行進入制止後遮断方式という)とする。
(ウ)自動車幅は、軽4輪車(1.5m)から大型車(2.5m)まで1mの差があり、自動車通行帯を遮断方式でも尚、車幅の狭い軽4輪車などの強行進入、及び遮断具23破壊の可能性が残る。対策は、監視検知方式などの組合せ方式で、進入する個別の車幅を捉えて、開口幅6が「当該自動車の幅+α(どうやら通過の開口幅6)」に至る時/又は至った後で強行進入制止後遮断方式の適用が考えられる。(当該車が停止すれば、後続車は停止せざるを得ない)
(エ)遮断具23破壊防止策は、(a)フリー通行帯を遮断しないこと。(b)強行進入制止後遮断方式による自動車通行帯の遮断。(c)より精緻には、進入する個別の車幅を捉えての強行進入制止後遮断方式の適用がある。
(6)移動体4が強行進入し、遮断具23を破壊した後の対応策
(ア)遮断具23破壊は遮断具23動態検知装置で検知してセンタB介入要請する他、限られたセンタB員で多数の門部Aの監視を可能とするため、門扉閉鎖の進度を通行帯ごとに示す通行帯絵文字ボタン等の採用により、明確化し、緩急(メリハリ)を付けたセンタB監視が行える仕組みとする。
(イ)遮断具23を破壊した後の、移動体4と門扉との接触・衝突回避策などは、遮断具23設置を前提とせず稼動できる接触検知方式、監視検知方式などとの組合せ方式で対応できる。
(ウ)新遮断方式で遮断中の場合は、遮断通行帯制御モード(当該遮断通行帯を減速せず(場合によっては増速))で閉鎖する。遮断具23破壊を検知した場合には、(遮断具23が喪失されたので)基本的変速閉鎖制御モードなど、適用条件で切替えることにより、より迅速・安全な門扉閉鎖を実現する。
(7)効果
(ア)新遮断方式は、通行帯設計及び移動体4の通行特性の知見に基づき、自動車が遮断具23破壊の元凶として、遮断具23閉鎖の適時・適寸化方式を採る。即ち、従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯の遮断にあるため、フリー通行帯は遮断せず、遮断具23破壊の回避を図り、自動車通行帯の遮断を確実化させ、同時に、フリー通行帯の移動体4の通行、避難を可能とする。自動車通行帯遮断では、自動車の進入を自制させ、遮断具23破壊の回避を狙うフリー通行帯非遮断の強行進入制止後遮断方式をとる。又、遮断具23破壊の検知でセンタB介入要請し、下記効果を得る。
(従来方式と同等の効果)
自動車通行帯を遮断すること、及び、自動車通行帯遮断以降は、遮断具23の遮断範囲の移動体4の通行・避難を遮断するで、従来方式と同等の効果を得ることができる。
(付加効果)
(a)従来方式の最大の欠陥は、遮断具23破壊の可能性を高めるフリー通行帯遮断であるため、フリー通行帯を遮断しないことで、遮断具23の破壊を防止し、自動車通行帯の遮断を確実化させる。同時にフリー通行帯で移動体4の通行、避難を許容する。
(b)自動車通行帯の遮断では、強行進入制止後遮断方式による強行進入可否感と法的規制感の2重の効果により、自動車の進入を自制させ、避難具破壊を回避する。
(c)より精緻な自動車通行帯の遮断には、監視検知方式との組合せで、進入する個別の車幅を捉えて、強行進入制止後遮断方式を適用する。
(d)遮断具23破壊検知の場合にはセンタB介入要請し、センタBでは、通行帯絵文字ボタン等認知しやすい表示を使って、自動車通行帯を即座に特定し、対応する。
(e)遮断具23を破壊して強行進入する自動車と門扉との接触・衝突回避策は、遮断具23設置を前提とせずに稼動できる接触検知方式、あるいは、監視検知方式などとの組合せで対処することができる。(夫々の方式参照)
(f)門扉閉鎖の変速閉鎖制御方式を、新遮断方式で遮断中(遮断通行帯制御モード)、あるいは遮断具23破壊(基本的変速閉鎖制御モード)など、適用条件に応じて切替適用することにより、より迅速・安全な門扉閉鎖を実現することができる。
(f)接触検知方式との組合せ事例
(ア)自動車通行帯遮断に際し、自動車の強行進入による遮断具23破壊を減ずる新遮断方式と接触検知方式だけの組合せ方式では、移動体4との接触を検知することができるので、開口幅6が自動車通行帯に到るにつれ、門扉で開口幅6の狭隘化(強行進入制止)を図り、自動車との接触を一度検知し、当該検知終了(接触移動体4が通過済み)を遮断タイミングとすることもできる。
尚、新遮断方式は、遮断具23閉鎖の適時・適寸化と書いたように、自動車通行帯を遮断する遮断具23寸法の採用と、同遮断タイミングの調整を行って、既設の遮断具23有の門部Aに対し即実現可能である。
今回提案の、強行進入制止後遮断方式の場合は、門扉が「どうやら通過できる開口幅6」近辺に十分狭まった状況に同期して、遮断具23を遮断する方式である。
門扉が「どうやら通過できる開口幅6」に狭まりつつある状態は、重量があり、衝突した場合には突破不可能にも見える門扉が圧迫感を持って開口幅6を狭めつつある中で、移動体4が強行進入可否を判断しなければならない状況を指す。
遮断具23による遮断の意義は、移動体4にとって、光警報機、音声警報機による間接的な警告等と明らかに異なって、遮断具23が移動体4と衝突すれば破壊可能な程度の強度ではあっても、物理的に立ちはだかって移動体4の通行を遮断するので、移動体4にとっては、一種の法的規制の執行、即ち強制力、あるいは拘束力の顕示を伴う装置の作動となる。
因みに、このような状態の中で、強行進入しようとする移動体4は、先に考察したように、外的障害、転倒への強度の高い自動車だけであり、2輪車、歩行者は進入躊躇すると思われる。
これら、門扉開口幅6の狭隘化によって、自動車操作者が抱く強行進入可否感(進入通過できないかもしれない判断の迷いの噴出)、及び顕示される物理的な法的規制感の2重の効果によって、自動車操作者に進入断念を促すことができる。またこれは、進入しようとする自動車操作者本人、同乗者、及び、後続車にも門前で停止することに理解を得る明確な理由付けともなる。
従来の遮断方式は、門扉の閉鎖、及び移動体4の通行・避難に何の支障もないフリー通行帯を遮断具23で遮断してしまうので、遮断の妥当性が希薄となり、津波からの避難という緊急事態の状況下、ある意味で、遮断具23を破壊し、強行進入する理由付けになってしまう一面がある。
従来の遮断方式が継続している理由には、そもそも津波被害の発生頻度が低く研究開発資源が投入され辛い事を背景として、自動車の普及、及び東日本大震災アンケートに見られる自動車避難の強い意思の未反映がある他、技術的には、移動体幅404の把握やそれと同期させての遮断など進化した要素技術、自動化技術の未反映があると思われる。
補助門扉5(擬似門扉)方式、及び接触検知方式について
(1)門部A道路幅員への通行帯の設定と適用
(2)通行帯ごとの閉鎖速度で変速閉鎖することによる迅速、安全閉鎖方式
(3)新遮断方式では、フリー通行帯は遮断せず、自動車通行体は強行進入制止後遮断方式による、自動車進入自制と遮断具23破壊の回避などを狙った迅速、安全閉鎖方式
(4)あるいは、変速閉鎖と新遮断方式とを組合せて閉鎖速度を切替える方式など
を提案した。
しかしながら、何れの方策においても最大の閉鎖阻害要因として自動車の強行進入、及び、移動体4と門扉との接触・衝突時の移動体4と門扉の保護の問題が残った。
そこで、以下、補助門扉5(擬似門扉)方式、及び、その発展形の擬似門扉接触検知方式(以下、接触検知方式という)を提案し、これらの組合せ方式により、移動体4特に自動車と門扉との接触・衝突緩和・回避策を述べ、より確実性を高めた門扉閉鎖制御方式を提案する。
ここで、取上げる門扉は、門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉、あるいはその組合せで構成し、接触検知機能を付加しない場合、付加した場合について以下の項目に準じて述べる。
(ア)接触検知機能を付加しない場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(イ)接触検知機能を付加した場合
i.門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合
ii.補助門扉5と擬似門扉の構成で門扉本体3に補助門扉5を設置した場合
(その1)接触検知時、門扉本体3を停止させない場合
(その2)接触検知時、門扉本体3を停止させる場合
(その3)接触検知時、門扉本体3を停止、後退させる場合
この内容について、表7_「補助門扉方式及び接触検知方式」でNoごとに(概要)、(門扉全体の動き((閉鎖開始)、(閉鎖完了)、(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など)、(最閉鎖))及び、(課題)で説明する。
但し、表内の記述の関係から、「接触検知機能を付加した場合」の「門扉本体3端に擬似門扉を設置した場合」の項は、N0.4に記述した。以下、Noに沿って、概要と課題を記す。
No.1は、接触検知方式なしの、疑似門扉1、門扉本体3の構成である。疑似門扉1はスィング機構のみ作動する。補助門扉5はなく、門扉本体3は閉鎖動作のみである。
(概要)門扉本体3に擬似門扉を直接設置し、門扉本体3と一体動作させる場合である。擬似門扉で開口幅6を狭隘化し移動体4の進入断念を促す。又、スィング機構で移動体4と門扉本体3の衝突回避・緩和により、移動体4、門扉保護を行う。但し、閉鎖完了時擬似門扉の退避機構が必要となる。
(閉鎖開始) 擬似門扉、門扉本体3を所定の速度で閉鎖開始する。
(閉鎖完了) 閉鎖完了時、擬似門扉の退避機構が必要となる。
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など) 擬似門扉のスィング機構の振れ幅分が衝突回避と見掛け上の門扉停止として活用できる。接触検知装置12がないので門扉本体3は、終始閉動作せざるを得ない。
(再閉鎖)移動体4が通過など、衝突状態解除で、擬似門扉が復元する。接触検知装置12がないので門扉本体3は、終始閉動作せざるを得ない。
(課題など)移動体4との衝突回避はスィング径の範囲だけであるので、移動体4と門扉本体3との衝突前に上記回避策の奏功が必要である。又、閉鎖完了時、擬似門扉の退避機構が必要となる。既設門扉に設置の場合、門扉全体が長くなるため、門扉門扉本体3の設置レール、動力線などの拡張要となる。通行量の少ない2輪車、歩行者向け小規模陸閘に適用可能である。
No.2は、接触検知方式なしの、疑似門扉1(スィング機構)、補助門扉5(閉鎖開始、完了時のみ閉鎖、停止、後退)、門扉本体3(閉鎖動作のみ)の構成である。
(概要) N0.1に加え、門扉本体3に補助門扉5を設置し、閉鎖開始時に補助門扉5を先行動作し、大きく擬似門扉を突出させて開口幅6の狭隘化、門扉本体3保護を図る。閉鎖完了時の門扉本体3に同期した補助門扉5後退で、開口幅6の閉鎖状態維持、移動体4の新規進入・挟み込みを防止、擬似門扉を格納することができる。
(閉鎖開始) 補助門扉5は、門扉本体3閉鎖開始に先行して閉鎖開始し、門扉本体3保護。補助門扉5の閉鎖ストロークに伸切るタイミングで門扉本体3が閉鎖開始する。門扉本体3の閉鎖速度に滑らかに移行するために、補助門扉5と門扉本体3の速度の和を一定とすることが望ましい。
(閉鎖完了) 開口幅6の閉鎖状態を維持しながら、補助門扉5を門扉本体3と同速度で後退させて、門扉本体3閉鎖を完了させることできる。これにより、移動体4の新規進入を防止し、擬似門扉を格納させる
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など)No.1と同じ。補助門扉5は、閉鎖開始、完了時のみ動作する。
(再閉鎖)No.1と同じ。
(課題など)移動体4との衝突回避はスィング径の範囲だけであり、移動体4と門扉本体3との衝突前に上記回避策の奏功を必要とする。補助門扉5は、閉鎖開始時に擬似門扉の突出、完了時に格納機構として機能。それ以外はNo.1と同様動作である。閉鎖完了時には、移動体4の進入、挟み込み防止に有効である。既設門扉に設置の場合には、門扉本体3側面に設置できる。通行量の少ない2輪車、歩行者向け小規模陸閘に適用可能である。
尚、No.1,2共、接触検知装置12がないので、門扉本体3は常時所定の速度で閉鎖中であり、上述のように、スィング機構、スィング径で移動体4との衝突回避している間に移動体4が進入中止、あるいは通過完了する必要がある。従って、移動体4と同等幅の開口幅6への進入を躊躇する2輪車、歩行者が主体であり、自動車の通行は殆どない小規模陸閘に適用可能である。
No.3は、接触検知方式有で、疑似門扉1(スィング機構)、補助門扉5(門扉制御信号による閉鎖、停止、後退)、門扉本体3(閉鎖、減速、停止、後退動作)の構成である。
(概要) No.2に加え、擬似門扉に接触検知機能を付加し、接触検知の門扉制御信号(停止、後退、閉鎖)に基づく補助門扉5制御を行う。門扉制御信号が停止なら、地上基点で補助門扉5端を停止させ、同一接触状態維持。後退なら、補助門扉5をより高速後退で衝突回避する。擬似門扉、補助門扉5で開口幅6の狭隘化を図り。スィング機構、接触検知で移動体4と門扉本体3との衝突をより回避・緩和でき、移動体4、門扉保護を図る。門扉制御信号などと同期して門扉本体3を停止、後退させれば、衝突回避効果大化、補助門扉5の後退代を削減可能となる。但し、動力負荷大化の可能性がある。
(閉鎖開始)No.2に加え、門扉本体3が閉鎖開始前に接触検知の場合には、門扉制御信号(停止、後退、閉鎖)に基づく補助門扉5制御を行う。
(閉鎖完了) No.2に同じ。
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など) 擬似門扉のスィング機構の振れ幅で衝突回避する他、擬似門扉の接触検知で門扉制御信号が停止の場合、補助門扉5を門扉本体3の制動速度と同期して後退させて、地上基点で補助門扉5端を停止させ、擬似門扉で同一接触状態保持し、衝突回避する。門扉制御信号が後退の場合、補助門扉5をより高速で後退させて地上基点で後退させる。この時、補助門扉5の後退代制約回避のため、門扉本体3を減速、停止、後退させても良い。但し、門扉本体3の停止、後退には、動力負荷が課題となる。
(再閉鎖)衝突状態解除で、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が閉鎖となって、再閉鎖開始する。但し、門扉本体3が終始閉動作の(停止後退できない)場合は、補助門扉5の設置効果を発揮させるために、及び門扉全体のスムーズな閉鎖のために門扉本体3を減速して閉鎖させることが必要である。
(課題など)衝突回避はスィング径と補助門扉5の後退代の範囲である。但し、門扉本体3の減速、停止、後退を付加した場合には衝突回避範囲大きく拡大する。門扉本体3に停止、後退をさせる場合には、動力大化が必要である。補助門扉5は、閉鎖開始時に擬似門扉の突出、完了時に格納機構として機能する。閉鎖完了時、移動体4進入防止、挟み込み防止に有効である。既設門扉に設置の場合、門扉本体3側面に設置できる。門扉本体3に門扉制御信号による動力制御改修が必要である。門扉本体3との衝突回避のために補助門扉5の後退代の適切な設定が必要となる。補助門扉5、あるいは疑似門扉1が最も衝突危険度の高い自動車通行帯を閉鎖した後で、門扉本体3が同通行帯を閉鎖する仕組があっても良い。これを拡張すると、疑似門扉1が閉鎖完了してから、門扉本体3閉鎖を開始などの方式があっても良い。通行量の多い大規模陸閘の自律制御に適用可能である。
尚、No.3は、接触検知装置12が有り、補助門扉5も門扉制御信号で先行動作するので、門扉本体3も減速、停止、後退させることができ、移動体4との衝突回避範囲を拡大し、自律的閉鎖制御を実現できる方式といえる。大規模陸閘に適用可能である。本方式については、次項で詳述する。
No.4は、接触検知方式有で、疑似門扉1(スィング機構)、但し、補助門扉5無し、門扉本体3(閉鎖、減速、停止、後退動作)の構成である。
(概要) 補助門扉5無しで、疑似門扉1の接触検知(門扉制御信号)により直接門扉本体3を動作させる。門扉本体3が直接動作に耐える軽量(小規模)であることが必要となる。
(閉鎖開始) No.1に同じ
(閉鎖完了) No.1に同じ
(閉鎖中の移動体4との接触・衝突、門扉本体3の閉鎖停止、後退など) 擬似門扉のスィング機構の振れ幅で衝突回避する他、擬似門扉の接触検知(門扉制御信号)により門扉本体3を停止、後退などさせて衝突回避を行う。
(再閉鎖)衝突状態解除で、擬似門扉が復元すると、接触検知(門扉制御信号)が閉鎖なら門扉本体3を再閉鎖する。
(課題など)衝突回避はスィング径と門扉本体3の停止、後退の範囲となる。本体動作の俊敏性確保が必要であり、動力大化が必要となる。閉鎖完了時、擬似門扉の退避機構が必要である。又、既設門扉付設は、No.1に加えて、門扉本体3に門扉制御信号による動力制御改修が必要となる。通行量の少ない小規模陸閘の自律的制御に適用可能である。
尚、No.4には、接触検知装置12があるが、補助門扉5がないので、接触検知結果で重厚な門扉本体3動作させざるを得ず、挟み込み防止の門扉本体3停止以上に俊敏な動きは期待できない。従って、移動体4と同等幅の開口幅6への進入を躊躇する2輪車、歩行者が主体であり、自動車の通行は殆どない小規模陸閘に適用可能である。
表8の「接触検知装置と門扉制御信号(1)」を説明する。
接触検知装置12は、接触検知SW(1)104及び接触検知SW(2)106の状態を常に監視し、表8に示す接触検知SW(1)104及び接触検知SW(2)106のon/off状態により、門制御装置7を介して門扉駆動装置13に門扉動作のための門扉制御信号を発するものとする。
門扉制御信号は、補助門扉5側の接触検知装置12(接触検知SW(1)104、接触検知SW(2)106)の状態により決定する。
門扉制御信号決定の考え方は、
(1)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がoffなら、門扉閉鎖する。
(2)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がonなら、門扉停止する。
(3)補助門扉5側の接触検知SW(2)106がonなら、門扉後退する。
というものである。
表9の接触検知装置と門扉制御信号(2)について説明する。
戸当り側に擬似門扉を設置する場合は、戸当り側堤防2の保護を目的として、戸当り側接触検知SW(2)106がoffの場合には、上記と同じ。戸当り側接触検知SW(2)106がonの場合には、門扉制御信号は下記とした。
(1)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がoffなら、門扉停止する。
(2)補助門扉5側の接触検知SW(1)104がonなら、門扉後退する。
(3)補助門扉5側の接触検知SW(2)106がonなら、門扉後退する。
この考え方は、戸当り側接触検知SW(2)106がonの場合には、移動体4が補助門扉5側より緩衝性のない堤防2側に接近しており、移動体4と堤防2との接触、あるいは、それを避けようとして、門扉側に方向転換して門扉との接触など、門扉と移動体4との接触・衝突の可能性が高まることへの危険回避策として、より強い門扉制御信号を採用したものである。
表10「移動体の判断・行動」について説明する。
表10は、津波警報発令時に門扉閉鎖を行う際の開口幅6と避難する移動体幅404をケースに分けて、その時に考えられる移動体4の主な判断と行動を整理したものである。
No.1 開口幅6≫移動体幅404、あるいは、No.7開口幅6≪移動体幅404の場合、即ち開口幅6と移動体幅404に圧倒的な差があるので移動体4と門扉との接触は起こらない。
No.2,3,4,5,6の場合、開口幅6(NE)移動体幅404と総称することができ、移動体4と門扉との接触が発生する可能性がある。
即ち、門扉の閉鎖を制御するに当たって、No.1,7のように明らかに開口幅6と移動体幅404の差が大きければ、閉鎖を継続できる。一方、開口幅6(NE)移動体幅404の場合は、移動体4と接触の可能性が発生し、開口幅6(NE)移動体幅404の場合における移動体4の判断と行動を接触検知装置12で検知し門扉制御を行うものとする。
表11擬似門扉接触検知方式について説明する。
表11は、表8と表10を統合し、接触検知方式での門扉制御を纏めたものである。
移動体4が通過している状況を想定して表11を見ると、No.1〜4の場合は、接触検知装置12は、移動体4が接触検知できないので、門扉制御信号が門扉停止、門扉後退となるまで門扉閉鎖する。
No.5の場合は、接触検知SW(1)104で移動体4を検知し、門扉制御信号は門扉停止。その時警報装置10では当該移動体4に通過促進する。
No.6の場合は、接触検知SW(2)106で移動体4を検知し、門扉制御信号は門扉後退。門扉制御信号が門扉停止の状態となるまで後退させる。その後は、No.5で処理する。
当該移動体4の通過後は、接触検知装置12と門扉制御信号との関係でNo.1〜6を繰り返す。
このように接触検知方式は、擬似門扉の接触検知機能を使って、移動体4の接触通過を許容し、門扉の保護、移動体4の安全を確保しながら、自律的に門扉閉鎖の方向に制御を進めていく方式である。
表7「補助門扉方式及び接触検知方式」No.3の実施例を図6「接触検知方式における門扉制御信号と門扉の動作」で説明する。
図6は、移動体4が第1擬似門扉や第2擬似門扉に接触している変化の状態を門扉制御信号として捉え、門扉制御信号が(1)門扉閉鎖、(2)門扉停止、(3)門扉後退の場合の門扉動作を、補助門扉5、擬似門扉、門扉本体3の動きと共に示している。
(ア)擬似門扉に掛かるハッチング部は、図中、移動体4が上から下へ通過した場合の同一門扉制御信号を発信する範囲を示す。移動体4と擬似門扉が接触し、この接触の仕方によって門扉制御信号が決定する。
(イ)又、説明及び図の簡略化のため、第1擬似門扉、第2擬似門扉の長さを同じとし、夫々の関節、即ち、接触検知SW(1)104及び接触検知SW(2)106は夫々45°以上屈曲するとSWがonするものとする。
尚、第1擬似門扉、第2擬似門扉の関節の屈曲による接触検知SW(1)104,(2)のSWonは、0°〜90°などの範囲から任意に設定できる。
補助門扉5は、門扉制御信号の門扉閉鎖、門扉停止、門扉後退信号に従って、門扉本体3に先行、あるいは同期して門扉閉鎖、門扉停止、門扉後退の動作を行う。
(1)門扉閉鎖(門扉制御信号が門扉閉鎖の場合)
(1-1)擬似門扉と移動体4が接触なしの場合も門扉制御信号は門扉閉鎖とするため、擬似門扉幅の右側にもハッチング部を拡張している。
(1-2)第1疑似門扉101の関節が0°〜45°未満まで屈曲の場合も門扉制御信号は門扉閉鎖とする。
(1-3) 図6(1)門扉閉鎖のハッチング部が、門扉制御信号が門扉閉鎖となる範囲を示す。(1-4)図の動作説明
図6の(1)門扉閉鎖の図は補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで延び切って門扉本体3が閉鎖動作中の状態を示す。
門扉が全開放状態からの最初の門扉閉鎖開始は、門制御装置7からの閉鎖信号にて行う。
閉鎖開始直後は、(通行帯を意識するしないに関らずフリー通行帯であり)門扉に接触する移動体4は考えられず、門扉閉鎖への障害は殆ど発生しない状況下で閉鎖する。
門扉閉鎖に当っては、補助門扉5を門扉本体3に先行して閉鎖させる。しかしながら、門扉本体3側面に設置される補助門扉5、及び擬似門扉のスライドできる長さ(閉鎖ストローク)には限界があるので、補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで突出するタイミングで門扉本体3が閉鎖開始するものとする。
補助門扉5から門扉本体3への速度変化移行期では、移動体4視点で、門扉閉鎖をスムーズ化させるため、補助門扉5の減速と門扉本体3の加速の和を一定とすることが望ましい。
疑似門扉1先端が堤防2(戸当り側)に到達した時には、門制御装置7などでこれを検知し、補助門扉5を門扉本体3の閉鎖速度に同期して後退させて、疑似門扉1端の閉鎖状態を保って、新たな移動体4の進入を防止するとともに、補助門扉5を門扉本体3側面に格納することが望ましい。
図6の(2)門扉停止、あるいは(3)門扉閉鎖の状態から門扉制御信号が門扉閉鎖となった場合には、門扉本体3に先行して補助門扉5が突出し、補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで突出するタイミングで門扉本体3が閉鎖開始するなど、上述の通りである。
門扉本体3が閉鎖開始前に疑似門扉1先端が堤防2(戸当り側)に到達した時には、門制御装置7などでこれを検知し、門扉本体3を閉鎖開始させて、補助門扉5を門扉本体3の閉鎖速度に同期して後退させるものとする。

(2)門扉停止(門扉制御信号が門扉停止の場合)
(2-1)第1疑似門扉101の関節が45°以上屈曲の場合、あるいは、
(2-2)第2疑似門扉102の関節が0°〜45°未満屈曲の場合に門扉制御信号が門扉停止となる。
(2-3)図6 (2)門扉停止のハッチング部が、門扉制御信号が門扉停止となる範囲である。移動体4通過後は、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となる。
(2-4)図の動作説明
(ア)補助門扉5が閉鎖ストロークの限界まで突出した状態で停止させる場合
(a)図6 (2)門扉停止の図は、上記(1)門扉閉鎖で、補助門扉5が既に閉鎖ストロークの限界まで突出して門扉本体3が閉鎖動作している状態の中で、門扉制御信号が門扉停止となり、門扉本体3及び補助門扉5が、制動距離を使って夫々停止、後退などして門扉本体3、及び補助門扉5が停止した状態を示す。
出来るだけ門扉停止信号発信、即停止とするため、補助門扉5を後退させ、その間に門扉本体3を制動停止させて、地上基点で補助門扉5先端を停止状態としたい。即ち、門扉本体3の制動速度に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
i.門扉制御信号が門扉停止となって、門扉本体3が停止するまでの制動距離、その間補助門扉5を後退させる距離を閉鎖ストロークの中に制動距離として確保しておくことが必要である。
尚、制動距離とは、門扉本体3が駆動状態から、門扉制御信号の門扉停止信号で停止するまでの距離を言い、その間の速度を制動速度という。
ii.門扉停止は、次に門扉後退の局面が来る可能性に備えて、補助門扉5は門扉本体3よりも突出して、即ち補助門扉5の後退代を確保して停止する必要がある。
iii.補助門扉5の後退代確保により、圧倒的な重量物である門扉本体3の後退動作をさせることなく、あるいは後退動作を最小化して、補助門扉5だけの動作で移動体4との接触・衝突を吸収することを可能化することができる。
iv.閉鎖ストロークは、(1)門扉閉鎖の図のように、少なくとも(制動距離+後退代+擬似門扉幅107)を確保する必要があり、平常時の門扉格納時には、擬似門扉先端が門扉本体3先端と面位置とするか、又は凹んだ位置に設置できるものとする。
(イ)補助門扉5を突出途中の段階で停止させる場合
(a)門扉本体3は補助門扉5が閉鎖ストロークの限界に突出するタイミングまで閉鎖開始しないので、門扉制御信号の門扉停止信号があれば、補助門扉5の突出を即停止させることが必要である。
(b)門扉本体3と補助門扉5の速度変化移行期で門扉本体3が閉鎖開始している場合には、門扉本体3の制動速度に同期して補助門扉5を後退させることが必要である。
(ウ)図6(3)門扉後退の状態から停止させる場合。
門扉制御信号が門扉後退から門扉停止となった場合は、補助門扉5をその場で停止させる。
後退代の残りが少なくなったことを検知して、後退代を大きくするために門扉本体3を後退させることがあっても良い。
(エ)門扉制御信号の門扉停止の終了は、門扉制御信号が門扉閉鎖、又は門扉後退となった場合である。

(3)門扉後退(門扉制御信号が門扉後退の場合)
(3-1)第1疑似門扉101の関節の角度に関わらず、第2疑似門扉102の関節が45°以上屈曲の場合。
(3-2)第2疑似門扉102の関節が90°など限界まで屈曲の場合、門扉制御信号が門扉後退となる。
(3-3)図6(3)門扉後退のハッチング部は、門扉制御信号が門扉後退信号となる範囲を示す。移動体4通過後は、擬似門扉が復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となる。
(3-4)図の動作説明
(ア)図6(3)門扉後退の図は、上記の(2)門扉停止の図の状態から門扉制御信号が門扉後退となり、後退代を使って補助門扉5が後退を開始する直前の状態、あるいは、上記(1)門扉閉鎖の図の状態から、門扉制御信号が門扉後退となり、補助門扉5が後退し、丁度制動距離を使い切り、後退代を使い始める直前の状態を示している。
門扉制御信号の門扉後退は、門扉制御信号の門扉停止よりも移動体4と疑似門扉1が深く接触した場合であるので、門扉保護のために、出来るだけ速く補助門扉5を後退させたい。その為には、門扉本体3の制動速度よりも更に速い速度で補助門扉5を後退させる必要がある。
(イ)補助門扉5が突出途中の段階で後退させる場合
(a)門扉本体3は、補助門扉5が閉鎖ストロークの限界に突出するタイミングまで閉鎖開始しないので、門扉制御信号が門扉後退となれば、即、補助門扉5の突出を停止、後退させることが必要である。
(b)門扉本体3と補助門扉5の速度変化移行期で門扉本体3が閉鎖開始している場合には、門扉本体3を停止させ、門扉本体3の制動速度よりも更に速い速度で補助門扉5を後退させることが必要である。
(ウ)門扉制御信号の門扉後退の終了は、門扉制御信号が門扉閉鎖、あるいは門扉停止となるか、補助門扉5後退完了の信号で終了する。門扉制御信号の門扉閉鎖は、移動体4が通過したこと、門扉停止は、門扉制御信号が門扉停止となるまで、移動体4が離れたか、又は、補助門扉5が後退代を使って後退したことなどによる。
ここで、補助門扉5後退完了信号とは、補助門扉5が後退代を後退し切って、門扉制御信号が門扉後退でも、それ以上の補助門扉5の後退が出来なくなったことを示す信号である。
補助門扉5後退完了信号をトリガーとして、門扉本体3を後退させても良い。又、突然の補助門扉5後退完了信号発信を避ける為に、後退代の残りが少なくなったことを警告する後退代残少警告信号があっても良く、これを門扉本体3の後退のトリガーとしても良い。
図6は、門扉制御信号に基づいて門扉本体3を閉鎖や停止させる場合について記述したが、門扉本体3を駆動するためのエネルギー面、及び津波来襲までの時間的要素に問題が無ければ、即ち、門扉本体3を後退させることが可能であれば、補助門扉5後退完了信号などをトリガーとして、門扉本体3を後退させることが望ましい。遠隔自動化の対象門は、門閉鎖だけでなく、門開放動作も動力化されているため、門扉本体3の後退機能追加は容易である。
補助門扉5は、門扉本体3側面にレールなどを設置して取り付け、擬似門扉の突き出しや閉鎖ストロークの閉鎖、停止、後退の駆動機構は、ギア機構をモータや油圧モータ使用によるクランク機構などで駆動するものとする。
従って、補助門扉5は、門扉本体3の側面に独立して設置するため、既設陸閘の付加設備としても設置することが可能である。
上記のように接触検知方式と連動した門部Aの自律的な閉鎖制御は、移動体4と接触しつつ門扉閉鎖を推進する方法であるが、一旦進入し接触した移動体4は必ず通過できるということでもある。従って、これまで自動車の強行進入に対する門扉、移動体4の保護を中心に論じてきたが、2輪車や歩行者が開口幅のスペース300進入し、挟まれた場合でも、挟み込み防止機構として機能することが可能である。
一方、移動体4の接触通過を許容することにより、移動体4の連続進入・通過を制止できない可能性がある。この状況と2つの対策を述べる。
(1)移動体4の連続進入・通過を制止できない状況について
自動車が前後に密接して連続進入するような事態が起こった場合、最初の移動体4が門扉制御信号を門扉停止にして通過後、後続自動車が進入する前に擬似門扉1が速やかに復元し、門扉制御信号が門扉閉鎖となり、この擬似門扉1が次の移動体4の前に立ちはだかる状況を現出すると共に、門扉は門扉閉鎖状態に入る。ここで後続する自動車が進入を断念すれば、門扉閉鎖は継続されることになる。
一方、後続する自動車が強行進入する場合には、門扉制御情報を再び門扉停止、あるいは門扉後退にして、門扉閉鎖が進行出来ない状況となる。後続自動車がこれを繰返すと、本提案の自律的な接触検知方式では閉鎖完了することが難しくなる。
(2)〔2つの対策〕
多数の門部Aを監視するセンタBでは、センタB員が必ずしも当該門部Aを監視しているとは限らない。自動車が連続して強行進入を図る場合は、門扉制御信号が何度も変化(この変化回数をセンタB向け警告のトリガーとすることもできる)し、あるいは、当該門部Aの閉鎖時間遅れとして現れる。後者を、例えば、閉鎖遅延時刻(経過)(後述)として把握して、センタB介入要請を行い、センタB員の判断・対応を促す契機とすることができる。
センタBが介入しての連続通過防止策は、
(ア)センタB員の手動操作による門扉の開閉
(イ)「自動車の連続通過を防止する方式(以下、連続通過防止モードという)(後述)」が考えられる。
センタB員の手動操作であるセンタBから監視カメラ25による遠隔監視、音声光などによる警告・誘導、及び遠隔手動操作により門扉制御を行うことは従来技術の範疇である。
尚、この時、接触検知方式での門扉制御、センタBからの遠隔手動、半自動、自動制御、門部Aの操作卓からの機側制御、あるいはそれらの制御からの接触検知方式復帰など、適切な操作優先権の授受は予め定めておくものとする。
自動車の連続通過を防止する連続通過防止モードについて
表12の門部の閉鎖制御とセンタ操作による「連続通過防止モード」を説明する。
門扉(門扉本体3、補助門扉5、及び擬似門扉)の閉鎖、停止、後退の閉鎖制御に付いては、図6接触検知方式における門扉制御信号と門扉の動作で述べた通りである。ここでは、補助門扉5の堅牢さ、軽量性を生かして、門扉の自律的閉鎖制御では対応しきれない自動車の連続通過を防止するためのセンタB操作による連続通過防止(以下、連続通過防止モードという)を述べる。
No1概要
〔接触検知方式による門扉の自律的閉鎖制御〕
(1)本閉鎖制御は、擬似門扉と移動体4との接触(非接触含む)で生成される門扉制御信号に基づき、門扉を閉鎖、停止、後退させて、門扉閉鎖を図る方式である。
(2)本方式は、門部Aごとに閉鎖開始と共に行われる自律的制御であり、門扉、移動体4の保護、及びセンタB負荷の大幅削減を狙う。
(3)しかしながら、その柔軟さゆえに自動車などの連続通過があった場合、門扉閉鎖が進行せず、閉鎖遅延の原因となる可能性がある。
〔センタB員の操作切替えによる連続通過防止モード〕
本モードは、接触検知方式による門扉の自律的閉鎖制御の欠点を補い、自動車などの連続通過による閉鎖遅延防止を狙っている。
(1)速い閉鎖速度、短い時間間隔で、「門扉閉鎖」から「門扉後退」の門扉制御信号で、門扉を自動的に往復させることにより、
(2)物理的に移動体4を突付いて通過促進。後続移動体4との空隙に門扉を差し込んで後続移動体4の進入禁止を図る方式である。
(3)本方式は、
(ア)連続通過発生は、門扉閉鎖遅延(経過)などで検知し、センタB介入要請が発報される。本検知は、門扉制御信号の停止、後退発生回数をカウントしても良い。
(イ)センタBでは、センタB員が当該門部Aを監視し、その原因が自動車の連続通過である場合には、当該自動車の通過促進や後続自動車の進入禁止の警告を発報すると共に、連続通過防止モードを発動する。
(ウ)連続通過モードの発動により、連続通過の連鎖を区切り、閉鎖遅延の拡大を防止する。と共に、連続通過防止モードは、繰返し動作を自動的に行わせるのでセンタB操作の負荷軽減も図ることができる。従って、遠隔半自動モードでの作動が望ましい。
尚、センタBからの遠隔監視・遠隔操作でできることは、各門部Aからの受信情報や、監視カメラ25映像を監視して、
(a)音、光等の警報装置10を介して当該移動体4に対して警報の発報。
(b)周辺移動体4に対して、残置物除去などの協力要請。
(c)門扉などを遠隔手動モードで開閉するような操作である。
本提案は、津波からの避難といった異常な環境の中で想定される自動車などの連続通過を区切るために、軽快に動作する補助門扉5を一定のルールで自動的に開閉させて、一定の強制力を持たせた閉鎖支援方法として考案した。
連続通過を区切るために、音、光等の警報では、効力に疑問があり、又、門扉本体3を動作させることは、動作速度的、エネルギー的にロスが多く、更に門扉本体3機能の喪失などがあっては本末転倒であるので、補助門扉5に着目したものである。
以下、〔センタB員の操作切替えによる連続通過防止モード〕No.2門扉制御信号と門扉閉鎖制御欄の説明をする。
連続通過防止モードにおける門扉制御信号と門扉閉鎖制御は、下記を行う。
(1)センタB員が接触検知方式による自律的閉鎖制御からセンタB操作に切替えて、「連続通過防止モード」を発動する。
(2)門扉制御信号が「門扉閉鎖」あるいは補助門扉5後退完了なら門扉閉鎖
(3)(モード開始時のみ、門扉制御信号が「門扉停止」なら門扉閉鎖、又は門扉後退など)
(4)門扉制御信号が「門扉後退」なら、門扉制御信号が「門扉閉鎖」あるいは補助門扉5後退完了となるまで門扉を後退させる。
(5)(2)〜(4)を繰り返す。即ち門扉制御信号「門扉停止」を無効化することで、本動作を繰返してセンタB警告と共に当該自動車の通過促進、後続車の進入を断念させる。
No.3 門扉の閉鎖速度
当該門扉の自律的閉鎖制御を目指す接触検知方式が、門扉本体3と補助門扉5を連動させて、予め設定された所定の速度、方式で開閉動作させるのに対し、連続通過防止モードは、自動車の連続通過状態を打開することを目指した処置の方式であるため、
(1)補助門扉5だけを自律的閉鎖制御よりも速く、且つ、一定の短時間間隔などで繰返し開閉させるものとする。
No.4備考
連続通過防止モードにおける連続通過防止モードの解除、終了について
(1)センタB員は、随時本モードを解除して、手動モード、あるいは検知方式による門扉の自律的閉鎖制御方式に切替えることが出来る。センタBの手動モードでは、自ら手動で門扉操作をすることが出来る。
(2)閉鎖動作で閉鎖ストローク一杯に補助門扉5が伸びて、門扉本体3が閉鎖動作に入れば、連続通過状態が終了したとして、検知方式による門扉の閉鎖制御方式に戻しても良い。
(3)又、補助門扉5が自動車通行帯を閉鎖したことが確認できれば、それ以上自動車の強行進入は発生しないので、本モードを終了しても良い。
自動車への進入制止力は、単に門部Aの自動制御方式で電気的・機械的に行うのと、センタB員が一旦肉声で警告してから行うのとでは、移動体4側の受ける感情として納得の仕方が異なり、制止力は肉声の方が大きいと思われる。
地震・津波も大、小様々な規模があり、必ずしも毎回大津波とは限らないが、管掌全体の数多い門部A閉鎖の中では必ずこのような連続通過防止モードの発動が必要となると思われる。相応の訓練、人員確保などセンタB対応能力の養成、及び周辺住民への周知が必要となる。
表13「補助門扉の特徴」に補助門扉5の具備すべき実施例に付いて纏めた。接触検知方式、あるいは、連続通過防止モードの単独あるいは他方式との組合せ活用について述べる。
(1)接触検知方式、及び連続通過防止モードは、門部Aの自律的閉鎖制御方式として、あるいは自律的閉鎖制御方式を補完するセンタBからの遠隔監視・操作方式として、単独あるいは他の方式との組合せで実施することができる。
(1-1)接触検知方式は、閉鎖途中で移動体4と接触しても閉鎖制御信号と門扉の動作によって柔軟に閉鎖を進めることができるので、門部Aの自律閉鎖制御方式として、単独で実施できる。
(1-2)連続通過防止モードは、センタB側の進入禁止意思を物理的な阻止力を伴って省力化して発現することができる。
(2)通行帯の概念と接触検知方式の組合せは、
(2-1)接触検知方式が作動するのは、門扉端が自動車通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯、残置物通行帯に至る/あるいは至った時である。
(2-2)特に自動車通行帯、残置物通行帯が要注意である。よって、その通行帯では、センタB監視を強化する必要がある。
(2-3)逆に、歩道部付き道路も含め、再設計でのフリー通行帯、あるいは、通過ゾーンA410に自動車停滞で封鎖した通行帯に門扉端が至る/あるいは至った時、監視の力点を他の門部Aや自動車通行帯、残置物通行帯閉鎖中の門部Aに移すことができる。
(2-4)この様なセンタB監視の緩急をセンタB員に知らせるセンタB監視画面、光、音その他の警報装置10の工夫により、閉鎖リスクの高い門部Aの重点監視、センタB員1人当たりの担当門部A数の拡大などが見込まれる。
(3)通行帯の概念に基づく変速閉鎖制御方式と接触検知方式の組合せは、
(3-1)変速閉鎖制御方式は、基本的に閉鎖速度をフリー通行帯から残置物通行帯へ等速又は減速して制御するので、変速閉鎖制御方式単独でも迅速・安全閉鎖のメリットがあるが、門扉と移動体4との接触に備える接触検知方式と組合わせることにより、より門扉、移動体4への迅速・安全閉鎖のメリットを享受することができる。
(3-2)変速閉鎖制御方式では、2輪車通行帯、歩行者通行帯では低速閉鎖するので、接触検知方式の擬似門扉スィング機構、あるいは、門扉制御信号に基づく門扉の閉鎖、停止、後退動作により、2輪車、歩行者など外的障害、転倒への強度の弱い移動体4に対して、より安全を強化した対応が取れる仕組とすることができる。
(3-3)又、接触検知方式で発生する門扉の停止、後退などなどに伴う閉鎖遅延の情報に基づき、上述再設計でのフリー通行帯、通過ゾーンA410に自動車停滞で封鎖した通行帯などで変速閉鎖の適用モードを変更して閉鎖遅延解消を図ることもできる。

(4)新遮断方式との組合せでは、
(4-1)遮断具23が破壊されなければ新遮断方式の継続。
(4-2)破壊された場合には、接触検知方式の自律的閉鎖制御によって、センタB負荷を増大させることなく対応可能とするなど、補完関係で双方の機能を発揮できる。
(5)移動体4監視検知方式(後述)と組合せてもよりよい結果を生むことが期待出来る。
移動体4監視検知方式(監視検知方式)について
「図7移動体監視概念図」を説明する。
本図は、説明簡略化のため、門部Aは歩道部なし車道部のみの道路とした。(歩道部ありの場合は、必要に応じて説明を加える。)本図は、陸閘を上から見た模式図である。
堤防2の上側が海側401で、下側が陸側402となっている。門扉本体3は半分程度閉鎖しかかっており、門扉軌道302の開口幅6の部分が通過ゾーンC409、その上部に通過ゾーンA410がある。この通過ゾーンC409、通過ゾーンA410に向かって移動体4が海側401から避難しつつある。
移動体監視装置11は、避難する移動体4や門扉周辺が見渡せる場所、例えば堤防2上などに設置され、予め定めた移動体監視対象範囲4342を監視する。移動体監視対象範囲43は、門扉の閉鎖に伴ってその範囲が狭められても良い。
移動体監視装置11は、道路の設置状況ほか当該場所の地形、建物など構造物設置状況などを踏まえて設置し、より正確な移動体4の捕捉のために複数台の設置が望ましい。
又、通過ゾーンC409における移動体4の停止・後退・停滞、残置物検知のために通過ゾーンC409にフォーカスする移動体監視装置11が設置されても良い。
海側401を監視するための移動体監視対象範囲4343は、通過ゾーンA410,Cを含む移動体監視装置11の監視可能範囲内に設定する。建物や道路以外の部分など移動体4の通行できない部分は予め監視対象除外エリア44としても良い。
尚、通過ゾーンA410、通過ゾーンC409、監視対象除外エリア44、移動体監視対象範囲4342は移動体監視装置1142内に設定される演算上のエリアである。
陸側402から門部Aへ向かう道路部分も監視する場合は、陸側402に移動体監視対象範囲4342を設けてもよい。
移動体監視装置11では、センサ28例えばレーダーを用いて監視を行い、移動体監視対象範囲4342の中に移動体4があれば、
(1)移動体4個々の状態、即ち位置403、形状(移動体幅404、奥行き405)、動態(速度、方向)を瞬時に計測する。又、
(2)個々の移動体4を追跡する。
(3)移動体4が何であるか(人、2輪車、自動車など)の種別の予測を行い、本情報をセンタBに送ることにより、監視カメラ25だけでは移動体4が判別できない場合などに、種別をシンボル、マーク、文字などで表してセンタB監視支援の一助とする。
既存技術における移動体4種別の予測例として、例えば移動体4を地上高10〜20cmで把握して、下記で判定・予測することが出来る。
(3-1)2つの足跡を交互に動かして進行するものは1人の歩行者。
(3-2)2つの足跡の距離を変えずに距離方向に進行するのは1台の2輪車。
(3-3)少なくとも4つの足跡を持ち、4足跡間の距離を変えずに、2足跡の距離方向に進行するのは1台の自動車。
以上のような移動体監視対象範囲43にある移動体4の動態情報は、門部Aの自動制御、及びセンタB向け出力情報に活用する。
例えば、通過ゾーンとの関係から
(1)通過ゾーンC409において、本来は陸側402に通行・避難する行動をとるべきところ、移動体4の停止、後退を検知した場合は、門部Aの光警報器20、音声警報器18で警報を発して移動体4の通過促進を図るものとする。
(2)通過ゾーンC409において下記の場合、門扉閉鎖不可の原因となる可能性があり、門扉停止しセンタB介入要請を発報することにより、門扉の閉鎖完遂を目指すことができる。
(2-1)門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時に、通過ゾーンC409に残置物を検知した場合。(この場合を、以下、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物を検知した場合と略称する)
門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至った時に、移動体4あるいは移動体4の一部、即ち、残置物が残置物通行帯にある場合、それは既に自ら通行や避難ができないと考えられる。よって、門部Aの光警報器20、音声警報器18で通過促進など指示を行い、あるいはセンタBから周辺避難者に撤去協力要請を行う必要がある。
(2-2)通過ゾーンC409で移動体4の停滞を検知した場合。
通常、通過・避難行動中の移動体4が通過ゾーンC409で停滞する理由はないが、移動体4の停滞が検知された場合は、門部Aの光警報器20、音声警報器18で通過促進など指示を行い、あるいはセンタBから周辺避難者に撤去依頼する必要がある。一方、門扉は、停滞する移動体4の近辺まで閉鎖を進めて、開口幅6をできるだけ狭くしておく方式をとる必要がある。

移動体4監視の目的は、下記を瞬時に把握し対応することである。
(1)移動体4の動態把握
(1-1)移動体監視対象範囲43にある移動体4の位置403、形状(移動体幅404、奥行き405、外郭)、及び動態(速度、方向(停止、停滞))など
(1-2)又、応用として、移動体4だけではなく、移動体監視対象範囲43にある遮断具23の長さ、門扉端位置の計測など
(1-3)個々の移動体4の追跡
(1-4)これらの情報から移動体4の種別予測
(2)通過ゾーン及び通行帯との関係から
(2-1)通過ゾーンC409での移動体4の停滞
(2-2)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4の有無
(2-3) 上記データの組合せから、通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖を検知した封鎖通行帯検知方式の適用
(2-4) 通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式の適用
(3)門扉と移動体4との接触・衝突回避を図る移動体4到着時同幅閉鎖停止方式の実施
(4)上記の結果によるセンタB向け情報提供とセンタB監視画面反映

表14「通過ゾーンC又はその近傍に移動体の有無と開口幅(通行帯)毎の進入移動体の挙動」を説明する。
表14は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有無の場合の開口幅6(通行帯)毎の進入移動体4の挙動を纏めたものである。
進入移動体4は、自らの移動体幅404と開口幅6、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の有無との関連で通過可否を自己判断し挙動する。
通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4とは、避難しようとする移動体4が、先に門扉閉鎖軌道上である通過ゾーンC409、あるいは、間もなく通過ゾーンC409に入る距離に存在し、進入移動体4にとって、門部Aの通過・避難に何らかの障害になる移動体4をいう。
(1)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4無しの場合
(ア)開口幅6≫進入移動体幅404の場合は、
(a)開口幅6がフリー通行帯の場合、どの移動体4も減速せずに通過する。
(b)自動車通行帯での2輪車、歩行者、2輪車通行帯の歩行者も、減速せずに通過できる。
(イ)開口幅6(NE) 進入移動体幅404、これは開口幅6が当該通行帯にある場合において当該名称の移動体4が進入する場合である。
(a)通過ゾーンC409又はその近傍 に移動体4無しの場合の、自動車通行帯における自動車(ハッチング部で示す)は、高速で開口幅のスペース300に接近して、場合によってはそのまま強行進入・通過し、あるいは門扉と接触・衝突し、門扉の閉鎖機能破壊を引き起こす可能性がある。(自動車が進入断念し、通過ゾーンA410に停止する場合は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照。)
(b)2輪車通行帯における2輪車、歩行者通行帯における歩行者の場合は、進入躊躇するであろうことは、表1移動体4の種類と特徴、及び通行帯と門扉閉鎖速度でも見たとおりである。(2輪車が進入躊躇し、通過ゾーンA410に放棄放置された場合については、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照)。
(c)稀に、一部の2輪車が2輪車通行帯へ強行進入する場合もある。2輪車は、外的障害、転倒に弱いので、門扉との接触・衝突で門扉の機能破壊を起こす可能性は低いと想定できる。
(d)進入躊躇した歩行者は避難階段などへ迂回避難する。

(ウ)開口幅6≪進入移動体幅404の場合
(a)全ての移動体4は(通過ゾーンC409に)進入できないので、門扉前(通過ゾーンA410)で停止する。(移動体4が通過ゾーンA410で停止した場合は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合参照。)
(b)歩行者(自動車、2輪車を放棄した者含む、以下同じ)にあっては避難階段などへ迂回避難する。

(2)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合は、
(ア)開口幅6≫進入移動体幅404の場合は、
(a)開口幅6がフリー通行帯の場合は、並行通過が可能の場合もあるので、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の動向に注意しつつ進入、通過すると思われる。
(b)自動車通行帯における2輪車、歩行者、2輪車通行帯における歩行者の場合は、明らかに並行通過可能と判断できる場合には、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4に注意しつつ進入、通過。それ以外は通過待ちをして、後続して通過すると思われる。しかしながら、
(c)自動車通行帯以降では、門扉の開口幅6≫移動体幅404の場合であっても、自動車が進入断念して通過ゾーンA410に停止・停滞した場合、後続する進入移動体4の進入路を封鎖する可能性がある。(本ケースは、開口幅6≪移動体幅404の項で記述する)

(イ)開口幅6(NE)進入移動体幅404の場合
(a)開口幅6が、通過ゾーンC409又はその近傍に有る移動体4の存在により狭まって、どの移動体4も、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の通過を待たざるを得ず、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4に後続して、再度慎重に通過可否を判断し進入・通過を図ることとなる。
(b)自動車通行帯における自動車の場合では、一般に、進入する自動車は、通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4の通過を待たざるを得ず、移動体4の通過後、開口幅6の通過可否を判断し、進入、あるいは、進入断念する。その進入速度は低速であるので、進入自動車による、門扉の機能破壊に至るような接触・衝突の可能性は低いと思われる。しかしながら、一部の自動車は、クラクションなどを鳴らして通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4を排除して強行進入を図る可能性も否定できない。(ハッチング部で示す)
(c)自動車が移動体4の通過を待った場合には、後続自動車は、通過の待ちの自動車の行列を形成することが想定できる。
(d)自動車が進入断念した場合は、その自動車が他の移動体4の進入路を封鎖する可能性がある(本ケースは、開口幅6≪移動体幅404の項で記述する)。
(e)2輪車通行帯における2輪車、歩行者通行帯における歩行者の場合は、移動体4の通過待ちをせざるを得ず、その間門扉閉鎖も進行するので、進入躊躇の頻度が高まるであろう。2輪車が進入躊躇で、放棄された場合には、後続2輪車の進入路封鎖の可能性がある。
(f)稀に、一部の2輪車が2輪車通行帯へ強行進入する場合が想定されるが、先述の様に2輪車は外的障害、転倒に弱いので、門扉との接触・衝突で門扉の機能破壊を起こす可能性は低いと想定できる。
(g)進入躊躇した歩行者は、避難階段などへ迂回避難など。

(ウ)開口幅6≪進入移動体幅404の場合
(a)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4の有無に関らず、移動体4は進入できず、門扉前(通過ゾーンA410)で停止することになる。
(b)自動車の通過ゾーンA410停滞による進入路封鎖に付いて
i.自動車通行帯における自動車の進入断念、あるいは、開口幅6が自動車通行帯以降、開口幅6≪進入自動車幅となった場合の進入不可の理由で、自動車が通過ゾーンA410に停滞すると、対向する通行帯の進入路封鎖が発生する。
尚、対向する通行帯とは、移動体4、特に自動車の外郭を通過ゾーンC409の開口幅6方向に直角に投影して占める通行帯(これを封鎖通行帯という)をいう。多くの場合、門扉閉鎖に伴って開口幅6が狭まると、この開口幅6を通過しようとする自動車は、通過ゾーンC409に直角に向ってくる。この時の自動車の外郭が通過ゾーンC409の開口幅6方向に直角に投影して占める幅は、ほぼ当該自動車の移動体幅404である。当該自動車幅(NE)開口幅6となって、当該自動車が進入断念などして、通過ゾーンC409に停止・停滞した時、当該自動車の外郭が通過ゾーンC409の開口幅6方向に直角に投影して占める通行帯は、再設計後の通行帯結果で示し、概ね、自動車通行帯、2輪車通行帯が該当する。外郭としたのは、門部Aの直近に交差点があって、自動車が必ずしも通過ゾーンC409の開口幅6方向に直角に停止・停滞するとが限らないので、移動体幅404とせず外郭とした。監視検知方式によって外郭が測定され、対向する通行帯が決定される。
ii.これは、門扉の開口幅6が自動車の通行帯封鎖によって一挙に狭まったことと同じであり、その後の未封鎖の通行帯(開口幅6)と進入移動体4の挙動の関係は前述の通りである。
(c)2輪車が通過ゾーンA410に停止・停滞した場合
開口幅6(NE)進入2輪車での進入躊躇、あるいは開口幅6≪進入2輪車幅で、2輪車が通過ゾーンA410に停止・停滞すると、後続2輪車の進入路封鎖の可能性がある。但し、本提案では、自動車による進入路封鎖に比較して門扉閉鎖に関る影響が少ないので、自動車による進入路封鎖を重点的に取上げる。

以上を門扉の閉鎖機能破壊に至るような門扉・移動体4の接触・衝突の可能性の観点から纏めると、門扉閉鎖の危機的状況の可能性は、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4の有無の状況に関わらず、変わらないことが分かった。障害の元凶は自動車であり、特に、開口幅6が自動車通行帯の時、発生する。
(a)通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4無しの場合には、自動車は、より高速で開口幅のスペース300に接近し、その状態下で強行進入の挙動が行われる可能性があり、表14通過ゾーンC又はその近傍に移動体の有無と開口幅(通行帯)毎の進入移動体の挙動の中で最も門扉の閉鎖不能化に至る門扉、移動体4の接触・衝突の可能性が高いエリアとなる。又、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合においても、通過ゾーンC409又はその近傍にある移動体4をクラクション等で排除して強行進入する可能性がある。この対応策として、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式を述べる。
(b)一方、通過ゾーンC409又はその近傍に移動体4有の場合は、多くは通過ゾーンC409又はその近傍の移動体4のために、通過待ち的状況が発生するので、特に自動車が低速化するなど、門扉の閉鎖機能破壊に至る様な門扉との接触・衝突が起こる可能性が少ないであろうことは分かった。
(c)又、稀なケースとして、2輪車通行帯で2輪車が放置され、2輪車の挟み込みの可能性が考えられる。尚、本ケースでは、通過ゾーンC409での移動体4の停滞、又は、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有を検知して対処するものとする。
(d)自動車停滞による進入路封鎖後は、歩行者は避難階段などへ迂回避難することになるであろうと思われる(歩道部付き道路の場合は、2輪車(自転車)、歩行者は歩道部で通行・避難することができる)。
(e)尚、門扉の閉鎖機能破壊は、門扉駆動装置13の故障検知機能で動作不能を検知する。
移動体4と門扉との接触・衝突は門扉の閉鎖機能破壊の要因となり、門扉の閉鎖機能が破壊すると多くの場合、遠隔からの監視・操作では対処できなくなる。
監視検知方式では、移動体4と門扉との接触・衝突回避策を移動体4到着時同幅閉鎖停止方式、及び自動車の通過ゾーンA410停滞による進入路封鎖検知した封鎖通行帯検知方式として提案する。
又、通過ゾーンC409に移動体4停滞を検知した場合の閉鎖方式を提案する。
移動体4到着時同幅閉鎖停止方式は、門制御装置7、あるいは監視検知方式で把握する門扉の位置及び閉鎖速度と、監視検知方式で把握する移動体4(自動車)の位置403、形状、動態などをベースに、移動体4の通過ゾーンC409到着時の時刻及びその時の開口幅6を算出し、通過ゾーンC409到着時の開口幅6(NE)移動体幅404であるなら、同開口幅6(NE)移動体幅404まで門扉を閉鎖し停止させる門扉制御を行うことにより、移動体4と門扉の接触・衝突を避け、門扉の閉鎖機能破壊を回避し、即ち、門扉及び移動体4を保護しつつ円滑な閉鎖完了を図ることを特徴とする。
ここで個々の移動体幅404はセンサ28などで把握できているので、例えば、どうやら通過できる側方余裕的寸法α、及び、道路構造令により交通の安全性と快適性に寄与するとする最低の側方余裕(以下、これをβ(=100cm(片側50cm*2))と言う)などを使って、移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6(NE)移動体幅404は、
移動体幅404+β≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧移動体幅404+α ……(A)あるいは、
移動体幅404+α≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6>移動体幅404 ……(B)
などと定義できる。(以下,(A)で説明する)

移動体4の通過ゾーンC409到着時の門扉の開口幅6について
(1)移動体4の通過ゾーンC409到着予定時刻は、移動体監視対象範囲43にある自動車の中から、最も通過ゾーンC409に近い自動車を対象とする。道路に曲直ある場合は、その形状に沿って距離を算定することが望ましい。到着予想時間は、当該自動車の距離/速度で計算する。直線方向にある遠方の自動車の走行方向が通過ゾーンC409を指していない場合などについては、当該自動車は、やがて、狭まりつつある開口幅のスペース300を目指して進路変更してくるので、通過ゾーンC409に直線的に進行してくると見做して良い。
これらは、開口幅6が自動車通行帯に近づくに連れ、通過ゾーンC409に早く到着する自動車の順序がそれほど頻繁に入れ替わらないこと、及び仮に入れ替わったとしても、センサ28が非常に短サイクルで移動体監視対象範囲43をセンスし、再計算し直すことができるからでもある。従って、最も通過ゾーンC409に早く到着する自動車とは、最も通過ゾーンC409に近い自動車、即ち、先頭自動車と定義できる。
(2)開口幅6は、上記到着予想時間に閉鎖速度を乗じて算出する。閉鎖速度に変速閉鎖制御方式などを採用する場合はそこで定める閉鎖速度で算出する。
(3)移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6が、式「移動体幅404+β≧移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧移動体幅404+α」の範囲外である場合は、当該移動体4は開口幅6が広くて悠々通過できるか、又は、狭すぎて通過できないかのどちらかであるので、閉鎖継続する。範囲内である場合は、現在の開口幅6と式「移動体幅404+β≧開口幅6≧移動体幅404+α」を比較して、範囲外なら閉鎖継続し、範囲内なら、閉鎖を停止する。このような処理により、自動車と門扉との接触・衝突を回避しつつ、門扉閉鎖も進行させる仕組みとする。
通過ゾーンA410停滞による自動車の進入路封鎖について
門閉鎖し、開口幅6が徐々に狭まる中、開口幅のスペース300を通過しようとする当該自動車と開口幅6の関係を整理した。
当該自動車幅≪開口幅6なら、当該自動車は悠々通過できる。
当該自動車幅(NE)開口幅6では、自動車は車道部の戸当り側を走行し、当該自動車幅+α>開口幅6であれば通過断念するであろう。当該自動車が通過断念し、通過ゾーンA410に停止・停滞すると後続車も停止せざるを得ず、停止した自動車車列ができることになる。当該自動車の運転者は、次には、歩行者として避難しなければならないので、自動車はできるだけ門部Aの傍、車道部の戸当り側に停車することになる。
当該自動車幅≫開口幅6では、明らかに当該自動車は通過不可であるので、停止する。この停車位置も、次の避難を考えれば上記同様門部A近傍となり、一般的に運転者の習性として車道部の戸当り側停車となる。
この時に、停止した先頭自動車が大型車などで通過ゾーンC409との間が離れて停車した場合などでは、車列の後ろ側方から車幅の狭い軽4輪車などが割込んで、開口幅のスペース300の通過を試みるかもしれない。しかしながら、このような例でも、やがて、軽4輪車も開口幅のスペース300を通過できなくなり、自動車の停止・停滞車列ができることになる。
以上のように、移動体4、特に自動車が、門部A通過断念などの理由で通過ゾーンA410に停滞すると当該門部Aで後続移動体4の進入路封鎖が発生する。
最大の閉鎖阻害要因である自動車の進入路が自動車によって封鎖されれば、門扉の閉鎖時間短縮、あるいは、閉鎖遅延回復のために、その封鎖範囲を予め定めた通行帯ごとの閉鎖速度よりも高速な閉鎖速度で閉鎖することが可能となる。
従って、以下、通過ゾーンA410の他辺の長さ、続いて、封鎖範囲に付いて記す。
通過ゾーンA410の考え方について
移動体4種類が自動車であることの認識方法の例は前述の通り。
停滞については、その場所に一定時間(例えば3秒間)以上、止まっていることであり、移動体監視装置11で認識することができる。
通過ゾーンA410の設定については、通過ゾーンA410を開口幅6と他辺で作る長方形であると考えると分かり易い。即ち、開口幅6が徐々に狭くなる場合でも、他辺の長さは変化しないので停滞自動車を認識し続けることができるからである。
上記の整理により、先頭自動車は概ね門部A近傍、車道部の戸当り側に停車・停滞するが、割込みなど例外も発生することが分かった。よって、通過ゾーンA410の他辺の設定については、ここでは、移動体監視装置11の処理サイクルの速さを活用する。即ち、他辺の長さをこの範囲であれば先頭自動車は必ず停車するであろうと想定する長さ、例えば5〜10m程度の中で大らかに設定し、通過ゾーンA410とする。この範囲に掛かって自動車が停滞すれば、封鎖通行帯検知方式(封鎖通行帯制御モード)を適用し、その自動車の前に、割込みなどがあれば、(先頭自動車が入替わって)先頭自動車の停滞状態が無くなったと瞬時に検知するので、基本的変速閉鎖制御モードに切替えて処理を行う仕組みとした。
ここで、開口幅6が徐々に狭まる中、開口幅のスペース300を通過しようとする自動車は、いつか通れなくなり、通過ゾーンC409 近傍の何処か、即ち通過ゾーンA410と定義するエリアに停滞するはずだ、との前提で論を進めてきた。
しかし、移動体4監視検知装置の処理サイクルの速さを活用することによって、通過ゾーンC409に最も近い、即ち先頭自動車の停滞有無を調べれば、自動車の通過ゾーンA410停滞による進入路封鎖と同等の効能を代替できることになる。
即ち、先頭自動車が遠方に停滞した場合、この自動車が進入路封鎖を行ったと考えても良く、その間、遠方なので封鎖通行帯制御モードで門閉鎖を行っても自動車はもちろん、2輪車、歩行者にも実害はなく、しかし遠方なので後続車が割り込んで先頭自動車が入れ替わることが十分考えられる。これが繰り返されも、速いサイクルで監視検知し続けることによって、やがて、開口幅のスペース300を通過できずに停滞する最後の自動車を捕捉することができる。
即ち、他の自動車がそれ以上割り込めない先頭自動車による進入路封鎖を捕捉することができるからである。これは、これまで定義した通過ゾーンA410が長方形などでなくてよい、と言うことであり、以下この通過ゾーンA410を拡大して再定義すれば、通過ゾーンA410の範囲は移動体監視対象範囲43と言うことができる。
以上は、先頭自動車が遠方に停滞した場合の極端な例を引いて、代替案を提示したが、現実的な自動車の挙動としては、再定義前の通過ゾーンA410、即ち、通過ゾーンC409近傍に何らかのエリアがある。そして、そこに自動車が停車・停滞して後続車の進入路封鎖を行うと考える方が具体的でイメージしやすく、間違いでもない。よって、以下の説明は、再定義前の通過ゾーンA410の定義で論証し、その後に図16門部Aの門扉制御概略処理フローを再定義した通過ゾーンA410の考え方で実施例を図18に追加記述する。
<封鎖範囲に付いて>
上記で定める通過ゾーンA410に自動車の停滞を検知することにより、後続自動車の進入路封鎖を行ったということは、前述した、遮断具23よりも更に頑丈な自動車で通行封鎖を行ったということであり、この様な動かしがたい自動車による通行封鎖は、少なくとも後続自動車運転者に対して当該門部Aの通過を断念させ、歩いて歩道部、あるいは誘導避難路での避難を促す契機となると思われる。
又、本事象は、自動車が通行・避難する門部Aでは必ず発生する事象であるので、この進入路封鎖(封鎖通行帯検知方式)を有効に活用したい。
その封鎖範囲を封鎖通行帯という。
この封鎖通行帯を門扉の閉鎖時間短縮、あるいは閉鎖遅延回復のために、予め定めた閉鎖速度よりも高速閉鎖して活用することができる。(このような封鎖通行帯の変速閉鎖制御モードを封鎖通行帯制御モードという)例えば、下記である。
(1)封鎖通行帯が自動車通行帯、及び2輪車通行帯ならフリー通行帯の閉鎖速度などに増速して封鎖するなど
(2)尚、再設計後の通行帯におけるフリー通行帯に掛かって封鎖している場合にも延長適用可能である。
(3)門扉が封鎖通行帯閉鎖以降は、安全を期して予め定めた閉鎖速度(基本的変速閉鎖制御モードなど)で封鎖することが望ましい。
(4)車道部だけの道路の場合には、安全を期すために、少なくとも残置物通行帯は封鎖通行帯に含めないことが望ましい。
この様に通行帯、通過ゾーンの概念と監視検知方式を組合せて、自動車の通過ゾーンA410停滞を検知して、封鎖通行帯を定め、当該通行帯の高速閉鎖により、閉鎖時間短縮、あるいは閉鎖遅延回復を図ることができる。
尚、本項では、監視検知方式の自動車の通過ゾーンA410 停滞に関して、通行帯、通過ゾーンの概念を組み合わせて説明したが、通行帯、通過ゾーンの概念を使用せず、自動車の実寸法などに基づく処理で対応しても良い。
ここで、進入封鎖の移動体4は、2輪車であっても良いが、これを自動車に絞る理由は、2輪車通行帯で2輪車が通過ゾーンA410で停滞したとしても、歩道部付きの道路の場合ならば、他の2輪車(自転車)、歩行者は歩道部へ避難路を変更することができ、車道部だけの道路の場合、2輪車の進入路封鎖を行うだけであり、歩行者ならば、脇を擦り抜けるなどして通過できる可能性が高いので、2輪車の進入路封鎖として捉える効果が少ないと考えるためである。
通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式について
通過ゾーンC409に移動体4停滞を検知した場合であっても、開口幅6をできるだけ縮めておきたい。監視検知方式により、移動体の外郭406は分かっており、門扉端の位置もわかっているので、例えば、門扉端から移動体4外郭までの最短距離を計測し、(最短距離−β/2)などの計算を行い、(最短距離−β/2≧0が成立するなら門扉閉鎖信号を発して閉鎖を進め、成立しないなら門扉を停止するなどして、その後に閉鎖する開口幅6を縮小し、閉鎖時間の短縮を図ることができる。
以上をフロー的に整理すると、
(1)(STP-1(ステップをSTPと称す。以下同じ))スタート
(2)通過ゾーンC409に移動体4の有無を判定し、移動体4有なら。
(STP-2)門扉が残置物通行帯に有無を調べる。門扉が残置物通行帯に有る場合は、残置物の挟み込み防止のために、センタB介入要請し、門扉停止停止信号を発して(STP-1)に戻る。
(STP-2)門扉が残置物通行帯に無い場合は、(STP-3)に行く。
(STP-3)移動体4の停滞を検知し、移動体4が停滞しているなら、門部Aの光警報器20、音声警報器18で通過促進警報を発すると共に、センタB介入要請を行って、(STP-4) (最短距離−β/2)≧0の判定に行く。
(STP-4)は、出来るだけ門扉閉鎖を進めるために、門扉端〜移動体4までの最短距離を計測し、例えば、(最短距離−β/2)などの計算を行い、(最短距離−β/2)≧0が成立すれば門扉閉鎖信号を発してその後の閉鎖距離縮小を図り(開口幅6縮小方式)、(STP-1)へ戻る。
(STP-4) (最短距離−β/2)≧0の判定が成立しない場合は、門扉端が十分移動体4に近付いていると判断し、門扉停止信号を発して(STP-1)へ戻る。
(STP-3)移動体4が停滞していないなら、(STP-5)移動体4の停止、あるいは後退を調べる。(STP-5)移動体4の停止、あるいは後退がない場合は、移動体4は前進しているので、門扉閉鎖信号を発して(STP-1)へ戻る。
(STP-5)移動体4の停止、あるいは後退がある場合は、動作不審アラームを発し、門扉閉鎖信号を発して(STP-1)へ戻る。
(3)通過ゾーンC409に移動体4無しの時、
(STP-6)通過ゾーンA410に自動車有無を判定する。
(STP-6) 通過ゾーンA410に自動車有の場合、(STP-7)通過ゾーンA410に先頭自動車が停滞有なら、封鎖通行帯を設定し、封鎖通行帯制御モードに切替えて、同モード処理による増速設定などを行い、門扉閉鎖信号を発して、(STP-1)に戻る。
尚、移動体4を自動車とその他の移動体4との判別が困難な場合には、移動体幅404が一定寸法(例;1.5m)以上の移動体4などと判定基準を変えて判断しても良い(以下同じ)。
(STP-7)通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞が無しなら、基本的変速閉鎖制御モードに切替えて、門扉閉鎖信号を発して、(STP-1)に戻る。
(STP-6) 通過ゾーンA410に自動車無しの場合には、(STP-8)移動体監視対象範囲43に自動車の有無を調べる。
(STP-8)移動体監視対象範囲43に自動車なしなら、2輪車、歩行者は、開口幅6が広い場合はもちろんのこと、閉鎖しつつある狭隘部への進入に対しても、進入躊躇、慎重に通過可否判断するので、門扉との接触・衝突の可能性が殆どなく、門扉閉鎖信号を発して(STP-1)に戻る。
(STP-8)移動体監視対象範囲43に自動車有の場合には、最も通過ゾーンC409に早く到着する自動車(先頭自動車)を対象とし、当該自動車の幅、及び当該自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6を(STP-9)の判定のために設定する。
(STP-9)先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6の判定
(STP-9) 先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6が〔先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α〕の範囲外であるなら、先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6は先頭自動車が通過できる幅よりも、遥かに広いか、狭いかのどちらかであるので、門扉閉鎖信号を発し,(STP-1)に戻る。
(STP-9) 先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6が〔先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α〕の範囲内であるならば、現在の開口幅6を〔先頭自動車幅+β≧開口幅6≧先頭自動車幅+α〕で判定して、範囲外であるなら、門扉閉鎖信号を発し,(STP-1)に戻る。範囲内であるなら、門扉停止信号を発し,(STP-1)に戻る。
(4)本(1)(2)(3)の処理は、瞬時に繰返し実行することにより、種々の条件変化に素早く対応するものとする。
(5)尚、本方式は、自動車幅+αが開口幅6より狭ければ、自動車は通過し、広ければ停止するという基準で自動車操作者の行動を想定している。従って、自動車幅+α(NE)開口幅6時の自動車の強行進入など、必ずしもそうではない行動に対しては、別途、スイング機構付き擬似門扉や連続通過防止モードなどの対応策、あるいは接触検知方式との組み合わせ方式をを提案している。
監視検知方式の単独あるいは、他方式との組合せ活用
(1)監視検知方式は、単独、あるいは、通過ゾーンA410、通過ゾーンC409、及び、通行帯の概念との組合せで提案した。特徴的な内容を下記する。尚、その情報は門部Aの自律的制御に活用すると共に、必要に応じセンタBへ情報発信しセンタB監視・操作方式を支援する。
(1-1)移動体4の種別予測
(1-2)通過ゾーンA410、Cに移動体4の有無
(1-3)通過ゾーンC409の残置物通行帯に移動体4(残置物)が有り、門扉が門扉が残置物通行帯に至る/あるいは至っている場合
(1-4)通過ゾーンC409で移動体4の停滞(開口幅6縮小方式)
(1-5)通過ゾーンC409で移動体4の停止・後退
(1-6)通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖検知(封鎖通行帯検知方式)
(1-7)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式
(2)新遮断方式との組合せでは、
(2-1)遮断具23が自動車通行帯以降破壊されない時は新遮断方式の継続。
(2-2)破壊された場合には、監視検知方式による門扉の自律的制御に切替えることにより、センタB負荷を増大させることなく対応可能とするなど、補完して門扉閉鎖を完遂させることができる。
(3)変速閉鎖との組合せでは、
(3-1)変速閉鎖の持つ門扉の迅速・安全な閉鎖完遂のほかに
(3-2)通過ゾーンA410に停滞する自動車による進入路封鎖を検知したことに伴う封鎖通行帯制御モードの適用
(3-3)通行帯ごとの閉鎖速度を基にして、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式での移動体4到着時の正しい開口幅6算出などに生かすことができる。
(4)接触検知方式との組合せ、あるいは、接触検知方式と他の方式との組合せ方式では
(4-1)接触検知方式との組合せでは、移動体監視対象範囲43の全ての移動体4を接触、非接触方式で門部Aの自律的制御の対象とするので、より高度な門部Aの自律的制御が可能となる。
(ア)接触検知方式は、通過ゾーンC409にある移動体4と門扉との接触あるいは接触度合を通じて自律的制御を行う方式である。
(イ)監視検知方式では、接触検知方式では接触検知できない範囲、即ち、通過ゾーンA410や移動体監視対象範囲43にある移動体4、あるいは通過ゾーンC409の非接触移動体4も捉えて、門部Aに自律的制御を行わせることができる。
(4-2)通過ゾーンC409の移動体4(残置物)の検知について
(ア)残置物通行帯にある移動体4(残置物)検知については、門扉閉鎖の最終段階であるので、より安全を期して、接触検知方式、監視検知方式の2重の検知方式を採用することが望ましい。
(イ)移動体4の停滞検知については、監視検知方式であると開口幅6≫移動体幅404状態における移動体4の停滞も検知する。この場合は、門扉をβ/2など一定距離まで閉鎖進行させて、停止させるほか、門扉閉鎖阻害要因発生の予兆として捉え、センタB介入要請して対処することが望ましい。
(4-3)より高度な門部Aの自律的制御を行えることにより、センタB監視・操作は、よりセンタB負荷を少なく、あるいは、一人当たりより多数の門部Aを管轄可能とすることができる。
以下、表1「移動体の種類と特徴、及び通行帯と門扉閉鎖速度」のNo.10〔付記〕とした部分を説明する。本項は、No.1〜9で整理した内容に対応する接触検知方式、監視検知方式などと組合せて対応する項目を纏めたものである。
(No.10_〔付記〕検知方式などとの組合せ対策例)
(1)大型車幅を超える移動体4(存在しない)では、
(1-1)極めて稀なケースであるが、移動体4との衝突などによる門扉の閉鎖機能破壊検知、及び通過ゾーンC409 内の移動体4停滞を検知し、センタB介入要請をする必要がある。
(1-2)新遮断方式適用では、本区間を遮断しないで通行・避難可能とする。
(2)自動車では、
(2-1)強行進入・通過を図る可能性のある自動車に対して、移動体4が遠方にあっては監視検知方式による移動体4到着時同幅閉鎖停止方式、直近の通過ゾーンC409では擬似門扉による接触検知方式、又は、停滞監視で防護し、門部Aの自動制御で自動車と門扉の衝突、門扉の機能不全化を回避する。
(2-2)自動車の通過ゾーンA410停滞は、後続移動体4の進入路封鎖に当るので、封鎖通行帯を特定し、閉鎖遅延回復策、閉鎖時間短縮策のために、当該通行帯の増速閉鎖などが可能である。
(2-3)自動車は、強行進入、連続通過、あるいは通過ゾーンC409内での停止/停滞などにより、門扉の閉鎖遅れ発生の原因となる。
(ア)強行進入防止には自動車通行帯を遮断する新遮断方式が適用できる。
(イ)連続通過は、門部Aの自律的制御に代替して、センタB介入し連続通過防止モードの発動で対応する。
(ウ)閉鎖遅れ防止のため、通過ゾーンC409内の移動体4(自動車)の停止/停滞監視、及び門扉の閉鎖遅延時刻(経過)の監視が必要となる
(3)2輪車では、
(3-1)接触時、2輪車が転倒して放置されると、2輪車の挟み込みなど、閉鎖不可の重大事故を発生させる可能性が出てくる。
(3-2)閉鎖への支障、不可を防止するため、2輪車の通過ゾーンC409内停滞(放置)監視、接触検知が必要となる。
(3-3) 転倒自転車の撤去のために、少なくとも擬似門扉、あるいは補助門扉5下端の地上高を0.6m以上確保が必要となる。
(3-4)撤去に、センタBからの音声含む、音声警報器18から周囲避難者への協力要請が必要である。

(4)歩行者では、
(4-1)外的甲装を持たない歩行者が挟み込まれた場合、接触検知方式の擬似門扉等、挟み込み防止機構の作動が期待できる。
(4-2)挟み込み防止を図るため、歩行者の通過ゾーンC409内停滞監視が必要となる。
(4-3)挟み込みからの脱出に音声警報器18から周囲避難者への介助協力要請が必要となる。

(5)残置物では
(5-1)移動体4あるいは移動体4の一部など残置物が存在すると閉鎖不可となる。
(5-2)接触検知方式、監視検知方式で通過ゾーンC409の残置物を監視し、早期発見とセンタB介入での対処が必要となる。
(5-3)これらを撤去するためには、音声警報器18から周囲避難者への撤去協力要請が必要となる。
(5-4)平常時から通過ゾーンC409周辺の残置物の監視・撤去を実施することが必要である。
表15通行帯別の門扉閉鎖危機への対応を説明する。
通行帯は基本的に移動体4種類の幅寸法をベースとしているため、門扉閉鎖遅延など門扉閉鎖危機の原因は通行帯ごとに当該名称の移動体4種類と特定できる。従って、当該移動体4の通行特性や門扉閉鎖の停止や遅延を発生させる移動体4の要因など特徴に合わせて監視・対応することが門扉閉鎖の危機解消、即ち門扉の迅速・確実な閉鎖に繋がることになる。
本表での危機を検知する仕組として、これまで述べた、門扉駆動装置13の故障検知、新遮断方式、接触検知方式、監視検知方式、及び、下記で定義するタイムリミット的検知方式を夫々単独の検知方式として使用している。
実使用に当っては、これら適用される方式の特徴を生かし総合的に組み合わせて適用されることが望ましい。
以下、本表で使用する用語の定義を以下に述べる。
タイムリミット的検知方式として、「センタB介入要請時刻」、及び「閉鎖遅延時刻」を取り上げ、これを図8「センタ介入要請時刻と閉鎖遅延時刻」で説明する。
(1)センタB介入要請時刻とは、「津波到達前に門扉閉鎖を完了させる」の視点から、閉鎖途中の状況に関らず、センタB介入要請を行うと定めた門部AごとのセンタB介入を要請する時間的契機である。
(2)図8の上段に示す、門扉閉鎖のスケジュール(当初)は、最新情報によって更新される当該地域、当該門部Aへの津波到達予想時刻から安全余裕時間としてn分前倒しした時刻を閉鎖完了リミット時刻とし、この閉鎖完了リミット時刻までに閉鎖完了させるべく、想定したセンタB介入作業時間n1分を前倒しした時刻をセンタB介入要請時刻とする。次に、門閉鎖開始からセンタB介入要請時刻までの間に、門部A固有の閉鎖完了予定時間と余裕時間を配したものである。
(3)閉鎖遅延時刻とは、津波対応への最後通告的なセンタB介入要請時刻に対し、少し前段階で、対応遅れの未然防止的位置付けで、注意喚起するセンタB介入要請であり、閉鎖開始時刻から閉鎖完了予定時間後、閉鎖遅延発令時間を余裕時間の中に設定し、これを閉鎖遅延時刻とする。
(4)尚、センタB介入要請時刻が経過したことを、センタB介入要請時刻(経過)、閉鎖遅延時刻が経過したことを、閉鎖遅延時刻(経過)と表現する。又、閉鎖完了予定時間が閉鎖完了リミット時刻を超過した場合も、津波到達時刻(経過)と表現する。
(5)各種シミュレーションにより、当該地域で想定する震源域(波源域)と、そこでの地震発生から津波到達までの時間が分かっているので、上記の時刻が計画段階で設定できる。この計画において閉鎖完了リミット時刻までにセンタB介入要請時刻の設定や余裕時間の確保が十分出来ない場合には、下記諸施策を講じることが望ましい。
(5-1)津波警報の情報の早期入手可能化、あるいは一定規模の地震発生即津波発生と見切り判断するなどして早期閉鎖開始化する。
(5-2)閉鎖完了予定時間を短縮する。
(ア)閉鎖速度の高速化、又、高速化と合わせ通行帯毎の変速閉鎖化を図る。
(イ)閉鎖阻害要因の発生を防止する。
i.新遮断方式の導入により、自動車通行帯、2輪車通行帯などの移動体4の通行・避難を遮断する。
ii.避難訓練の徹底により、避難時は自動車の不使用、使用した場合でも強行進入・ムリな通過防止(門扉との衝突、遮断機21破壊、連続通過など)を図る。
iii.同様に、通過ゾーンC409上に停滞する移動体4(移動体4(自転車など)の放置、倒れた人など)の除去協力要請対応訓練を行うなど。
(5-3)余裕時間、センタB介入作業時間、安全余裕時間などを調整し、短縮設定する。
(5-4)センタB介入が発生した場合でも、センタB対応遅れが発生しないように、センタB介入要請事象の発生時期を分散させるなど管掌門部A全体の負荷バランスを考慮した閉鎖計画を立案する。などして対策する必要がある。

(6)このように確保した門扉閉鎖のスケジュール(当初)の中で、閉鎖阻害要因が何も発生せず閉鎖作業が進めば、閉鎖完了予定時間後に門扉は閉鎖完了する。一般化して定義すれば、閉鎖完了予定時間とは、現時刻の閉鎖位置から閉鎖阻害要因が何も発生しなかった場合の閉鎖完了までの閉鎖所要時間である。
(7)閉鎖途中で閉鎖阻害要因の発生があると、その対応時間分だけ閉鎖完了予定時刻が後倒しでズレることになる。図8下段の閉鎖途中を示すチャートは、閉鎖作業が進展しつつも閉鎖阻害要因が発生し、その結果、閉鎖完了予定時間がズレて、閉鎖遅延時間が発生し、余裕時間が短縮していることを示している。

(8)閉鎖遅延時刻は、門扉閉鎖開始時のスケジュール(当初)の閉鎖完了予定時間の一定時間(閉鎖遅延発令時間)後、且つセンタB介入要請時刻の前に設定し、閉鎖遅延時刻 ≦ 現在時刻+閉鎖完了予定時間となった場合に閉鎖遅延時刻(経過)としてセンタB介入要請を発報する。
閉鎖遅延時刻は、下記のような設定を行っても良い。
(8-1)閉鎖遅延時刻(第1段階)、閉鎖遅延時刻(第2段階)などの様に、複数段階設定して、センタBへの注意喚起、介入による対応を促すとともに、閉鎖遅延を拡大させないようにセンタB介入要請時刻の予鈴的位置付けて活用しても良い。
(8-2)又、閉鎖遅延時刻は、大きな閉鎖阻害要因となる自動車の連続通過など自動車通行帯の閉鎖遅延対処にも適用できるので、門扉閉鎖の現在位置を常に把握していることを活用して、通行帯ごとに閉鎖遅延時間の限度を設定し、これを通行帯ごとの閉鎖遅延時刻として、センタBへの注意喚起、センタB介入要請を発報しても良い。このとき、各遅延時間の合計は余裕時間の範囲内で、当該通行帯で消費しなかった遅延時間は次の通行帯に繰り越すか否かなどのルールを決めて運用することも考えられる。
(9)一方、「センタB介入要請時刻(経過)」の発報は、現時刻の門扉の閉鎖位置から閉鎖完了までの閉鎖完了予定時間を計算して、センタB介入要請時刻 ≦ 現時刻+閉鎖完了予定時間となった場合に行う。
(9-1)センタB側の対応に余裕を持たせるために、「センタB介入要請時刻」を前倒し発動するためには、センタB介入作業時間に余裕を持たせて長く設定する方法、あるいは、予鈴方式として、センタB介入要請時刻となる一定の時間前に、予鈴時刻を設定して発報しても良い。
(9-2)個々の門部Aについては、センタB管掌の門扉が一斉に本契機に該当してセンタBの対応能力を超えないように、該当時間を閉鎖優先エリアごと、重要門部Aごとなどに分散させて設定するすることが望ましい。
表15の「通行帯別の門扉閉鎖危機への対応」を通行帯別、対応等項目別に説明する。
表15は、通行帯ごとに移動体4の通行特性、門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因、それに対する門部Aの対応、センタB警戒度の総合評価とセンタBの対応を整理したものである。
尚、門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因、門部Aの対応では、通行帯の概念、変速閉鎖、新遮断方式、接触検知方式、監視検知方式で述べた阻害要因、対応策を織り交ぜて記した。
(1)フリー通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)当該道路を通行する全移動体4が混在通過する。
(イ)車道部だけの道路の場合、自動車、2輪車、歩行者が混在通過する。
(ウ)歩道部の場合、2輪車、歩行者が混在通過する。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀れなケースであるが、移動体4、特に自動車と門扉との衝突による門扉の閉鎖機能破壊が想定される。
No.3門部Aの対応;
(ア)本ケースでは、門扉駆動装置13の故障検知機能で動作不能を検知し、センタBへの故障連絡、センタB介入要請を行う必要がある。
No.3センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)フリー通行帯において移動体4との衝突などによる、門扉故障は殆ど発生しないと思われる。
(イ)故障連絡、センタB介入要請があれば、センタBからの遠隔操作により出来る限りの種々の解消策実施が必要である。多くの場合センタBからの遠隔監視・操作では門扉の故障回復はできないので、仮に本事象発生の場合には、門扉の閉鎖完了に致命的障害となる。
(2)自動車通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)自動車、2輪車、歩行者が混在通過する。
(イ)自動車は、外的甲装を持ち、転倒にも強く、推進力があり、強行進入する可能性がある。
(ウ)連続通過する可能性もある。
(エ)自動車が通過ゾーンA410内で停滞すると、自動車、2輪車、歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(オ)自動車は、2輪車(バイク)と比較して圧倒的に量が多く、要援護者避難の支援にも使用される可能性が高い。(登録車+軽4輪車+バイク)販売台数(2011年度4.6M台)の構成比で普通、小型乗用車51.7%、普通、小型貨物車6.3%、バス0.2%で登録車合計58.3%、軽4輪車33.0%、左記合計で91.2%を占め、要援護者支援に使用されると思われる。尚、世の中にある自動車、バイクのストックが不明なので、販売台数構成比をストック比率に敷衍した。詳細は表2_新車販売台数参照
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)自動車の強行進入、連続通過で門扉との接触発生。接触検知装置12の作動による門扉の停止・後退がある。
(イ)通過ゾーンC409で自動車が停止、後退、あるいは停滞すると門扉の閉鎖遅延の原因となる
(ウ)自動車通行帯閉鎖中の遮断具23が強行進入によって破壊されると、門扉閉鎖速度減速などで閉鎖遅延の可能性がある。
No.3門部Aの対応;
(ア)自動車を監視検知しても停滞でないなら、光、音声警報器18で通過促進等アラーム発報などをして門部Aの制御で対応することができる。
(イ)移動体4到着時同幅閉鎖停止方式により門扉と自動車との接触・衝突回避を行う。
(ウ)自動車は強力な推進力を持つため停滞することは極めてまれであるが、移動体監視装置11により通過ゾーンC409で自動車の停滞を検知した場合、光、音声警報器18で通過促進を促しセンタB介入要請を行う。
(エ)強行進入、連続通過などして門扉の閉鎖遅延時刻(経過)、あるいは、センタB介入要請時刻(経過)となった場合、光、音声警報器18でアラームを発すると共に、センタB介入要請を行う。
(オ)遮断具23破壊で閉鎖速度減速、センタB介入要請を行う。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)外的甲装、転倒に強く、推進力を持つ自動車の停滞は殆ど発生しない。
(イ)しかし、遮断具23破壊、強行進入、連続通過で、最大の門閉鎖阻害要因になり、閉鎖遅延発生の可能性は高いと思われる。
(ウ)センタB介入要請があれば、移動体4への通過促進、進入禁止措置、連続通過防止モード、閉鎖速度調整などの発動でセンタBから遠隔監視・指示など対応する必要がある。
(3)2輪車通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)2輪車と歩行者が混在通過する。自動車は2輪車通行帯の開口幅6では進入できない。
(イ)2輪車は、外的甲装を持たず、且つ、余震や瓦礫の散乱する中の走行、あるいは門扉との接触など転倒に最も弱く、狭隘部への進入を躊躇すると思われる。
(ウ)自動車が通過ゾーンA410内に停滞すると2輪車、歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(エ)(登録車+軽4輪車+バイク)販売台数(2011年度4.6M台)の構成比で2輪車(バイク)は8.8%と少なく、自転車での避難と合せても2輪車での避難は絶対数が最も少ないと思われる。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀に2輪車と門扉との接触による、接触検知装置12の作動。
(イ)接触による2輪車の転倒、その後通過ゾーンC409に2輪車が放置(停滞)されると門扉閉鎖を停止・遅延させ危機となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)接触検知装置12による接触検知、移動体監視装置11による監視検知で停止・停滞監視を行い、停滞していないなら光、音声警報器18でアラーム発報など門部Aの制御で対応する。
(イ)通過ゾーンC409で2輪車の停滞(放置)検知すると光、音声警報器18で通過促進、センタB介入要請を行う。
(ウ)又、閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で、光、音声警報器18でアラーム発報と共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)2輪車での避難は絶対数も少なく、又、2輪車は狭隘部への進入を躊躇するので、2輪車の転倒・放置発生も低頻度であると思われる。
(イ)2輪車の放置(停滞)の発生は門扉閉鎖の危機となるので、センタB介入要請があれば、センタBは運転者あるいは周辺歩行者に放置2輪車の撤去協力要請を行うなど迅速な対処が必要となる。
(4)歩行者通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)歩行者通行帯では、自動車、2輪車は進入することができない。
(イ)人は、人体幅に閉鎖しつつある門扉の開口幅のスペース300(狭隘部)には危険を感じて進入を躊躇すると思われる。
(ウ)又、進入した場合でも、人は機敏性を持ち、転倒にも強く、避難者同士の相互介助などもあり多くは挟み込みなどの危険を回避できると思われるが、転倒時身動き不可発生の可能性も否定できない。
(エ)自動車が通過ゾーンA410内に停滞すると歩行者の進入路封鎖の可能性が発生する。
(オ)歩行避難奨励の教育訓練が徹底する地域では、最多数が避難する可能性もある。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)稀に、歩行者の強行進入、連続通過による門扉との接触、挟み込みなど接触検知装置12が作動する。
(イ)歩行者の転倒など通過ゾーンC409での身動き不可(停滞)などの状況が発生すると門扉閉鎖停止の要因となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)スィング機構による挟み込み回避含む接触検知、移動体監視装置11による停滞監視など、歩行者が非停滞なら光、音声警報器18でアラーム発報など門部Aの制御で対応する。
(イ)移動体監視装置11により通過ゾーンC409上で歩行者の停滞を検知すると、光、音声警報器18で周辺歩行者に介助協力要請を発報し、センタB介入要請を行う。
(ウ)閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で光、音声警報器18でアラーム発報すると共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)稀に人の停滞が発生する可能性がある。
(イ)センタB介入要請があれば、周辺歩行者への介助協力要請など迅速対処が必要となる。
(5)残置物通行帯
No.1移動体4の通行特性;
(ア)新たに進入する移動体4の可能性は殆ど考えられない。
(イ)本通行帯の移動体4は、移動体4、又はその一部が残置されたと考えられ、通行特性的には既に停滞していると思われる。
No.2門扉閉鎖を阻害する移動体4の要因;
(ア)残置物がなければ門扉閉鎖を停止・遅延させる要因はなく、残置物通行帯に至るまでの通行帯と移動体4に要因がある。残置物の早期の発見・対処が必要である。
(イ)一方、残置物がある場合、門扉は閉鎖完了の段階にあり、必ず門扉閉鎖停止・遅延の要因となる。
No.3門部Aの対応;
(ア)本通行帯は門扉閉鎖を完了させる最終段階であるので、移動体4の接触検知、監視検知による停止/停滞検知何れの場合でも検知すれば、門扉閉鎖を停止し、光、音声警報器18で周辺歩行者に撤去協力要請を発報し、センタB介入要請を行う。尚、通過ゾーンC409の移動体4監視検知で、早期発見、早期対策を図ることができる。
(イ)又、閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)で光、音声警報器18でアラーム発報すると共に、センタB介入要請を行なう。
No.4センタB警戒度の総合的評価とセンタBの対応;
(ア)閉鎖完了させるための最終確認として、残置物無しの確認が必要である。
(イ)センタB介入要請があれば周辺歩行者に撤去協力要請が必要である。
以上、門扉閉鎖の危機は、通行帯と発生事象の観点から検討できる。
通行帯の観点からは、門扉が自動車通行帯、あるいは、残置物通行帯にある時、最も重大な閉鎖障害が発生し易く、フリー通行帯、2輪車通行帯、歩行者通行帯では、殆ど閉鎖障害の発生がないと言っても良い。これは、特に限定された人員で多数の門部Aを担当せざるを得ない場合のセンタB監視においては、門扉が存在する通行帯によって、「緩急」を付けて監視を行える事を示している。従って、当該門扉がその通行帯に至る/又はある時に監視の「緩急」を光、音などで発して、センタB員に監視の注意喚起を促すことが必要である。
発生事象の観点からは、門扉閉鎖の危機は、門扉故障、閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)、通過ゾーンC409に移動体4の停滞、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有、遮断具23破壊などにより発生する。門部Aでは、故障検知機能、接触検知装置12、移動体監視装置11、遮断具23動態検知装置などのセンサ28、警報装置10など門部Aの自動制御機能を使用して対応するものの、最終的にはセンタB介入要請を行って、センタBの人的判断、操作などに委ねることとなる。
表16の「主なセンタ介入要請事象の整理」を説明する。
表16は、主なセンタB介入要請事象についてその原因・事象、把握方向などを整理し、夫々の事象について危険度レベルを設定し、評価したものである。
尚、表16では、No.4に津波到達時刻(経過)の項目を追加した。
津波到達時刻(経過)は、閉鎖完了予定時間が閉鎖完了リミット時刻を超過し、閉鎖完了が津波到達に間に合わない可能性が発生した場合にセンタB介入要請する。津波到達時刻(経過)は、少なくともその前段階で「センタB介入要請時刻(経過)」があるが、センタB介入作業時間内に作業完了しなかった場合などに発報する。閉鎖速度増速などで対応可能な場合がある。
危険度レベルについて。
(1)レベルAは、最優先でセンタBの対応を要す事象であり、
(ア)「センタB介入要請時刻(経過)」は、センタB介入しないと閉鎖完了不可の時間的可能性を伝達する。
(イ)「通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有」は、残置物通行帯に残置物が存在すると閉鎖完了不可となるため、残置物の撤去をセンタBに介入要請するものである。
(2)レベルAAは、レベルAの範疇を越えた最悪の危機事象であり、
(2-1)「門扉故障」は、門扉が開閉作動できなくなった、即ち当該門部Aでは津波来襲を防御できなくなった最悪の事象発生の可能性を示す。
(2-2)「津波到達時刻(経過)」は、(現時刻+閉鎖完了予定時間)が、閉鎖完了リミット時刻を越え、閉鎖完了が津波到達に間に合わなくなった可能性を示す。
(3)レベルBは、レベルAの予兆として早期対応を要し、
(3-1)「閉鎖遅延時刻(経過)」は、移動体4、特に自動車の連続通過などにより、門扉閉鎖が阻害され、遅延が発生していることを示している。放置せず、あるいは早期に先手対策して、レベルAへのレベルアップ防止を図る必要がある。。
(4)レベルCは、レベルBよりも多少の余裕を持って対応できるレベルであり、
(4-1)「通過ゾーンC409に移動体4の停滞」は、移動体4の一定時間以上の停滞が、上述「閉鎖遅延時刻(経過)」や「通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有」の原因となるため、早期チェック、及び対策を喚起する。尚、「通過ゾーンC409に移動体4の停滞」を検知し、且つ当該移動体4が残置物通行帯に有ることも合せて検知する方式を設けた場合には、レベルBランクとしても良い。
(4-2)「遮断具23破壊」は、接触検知装置12、移動体監視装置11などが設置されている場合、それらとの組合せで喪失機能を補完する。
尚、当該センタB介入要請事象、あるいは複合事象発生時には、危険度レベル及び事象をセンタB員に伝達するために、システム監視装置38、あるいはスピーカ41などを介して、文字などと共に、音声、光、色などを変化させて警報を発するものとする。
センタB介入要請事象は突然発生する。その時、多種、多数の門部Aを担当するセンタB員は、個々、全ての門部A仕様を熟知している訳ではない。従って、センタB介入事象発生の際、当該門部AへのセンタB員の関与の方法、手順などが文字、音声などで即座にガイドできる仕組みを付設することが望ましい。
図9の閉鎖開始から津波到達までのタイムチャートを説明する。
門閉鎖開始からの時間的経緯、見え方を具体的に確認するために、図5、図8をベースにして、時間的仮定を入れながら図9を作成した。自動車通行帯の閉鎖遅延を例にして門扉閉鎖のタイムチャートの変化、センタB介入要請時刻の発報を示す。本チャートは、門部Aの閉鎖進度状況を示すセンタB監視画面の一部を担うものともなる。
(1)19m道路(歩道部有)の通行帯の構造
(1-1)本図は図5「例-2-3」をベースに、道路幅員19m歩道部ありの道路で作成した。
(1-2)図は19m道路中央(センタBライン)から右半分を示す。道路中央(センタBライン)から右半分には、右折車線1車線を含んでいるため、道路幅員構造は、道路中央(センタBライン)から車道部6.5m(車線3.0m*2+路肩0.5m)、歩道部4.5mで構成される。
(1-3)フリー通行帯は全体で11.4m、自動車通行帯は1.6m、再々設計後の2輪車通行帯は4.8m、歩行車通行帯と残置物通行帯の合計は1.2mとなっている。
(1-4)再々設計後の2輪車通行帯の内訳は、車道部の2輪車通行帯0.3m、再設計時フリー通行帯4.2m、歩道部の2輪車通行帯0.3mから構成されている。
(1-5)再設計時フリー通行帯4.2mの内訳は、車道部分1.2m、歩道部分3.0mである。
(2)閉鎖開始から津波到達までのタイムチャート
タイムチャートの時間軸には、図の右側から最新情報による津波到達予想時刻、n2分(ここでは1分と仮定)の安全余裕時間を前倒しした閉鎖完了リミット時刻、更にn1分(1分と仮定)のセンタB介入作業時間を前倒ししたセンタB介入要請時刻、更に余裕時間(1分と仮定)を設定して、当該門扉の閉鎖開始時閉鎖完了予定時刻となるように設定してある。これらの時間項目、及び時間の設定は、当該地の実情に合わせて柔軟に行われるべきである。
(2-1)通行帯の閉鎖速度と閉鎖時間
通行帯ごとの閉鎖速度及び閉鎖時間は図に記載の通り。
(2-2)閉鎖開始時の閉鎖完了予定時間
夫々の通行帯の閉鎖時間の合計、即ち、閉鎖開始後の閉鎖完了予定時間は125秒、2分5秒であることが分かる。
(2-3)閉鎖阻害なしで閉鎖中
(ア)閉鎖開始以降、閉鎖阻害要因が発生せずに閉鎖する場合の通行帯別時間をチャートに示す。
(イ)何も閉鎖阻害要因が発生しない場合には、門扉閉鎖と現在時刻が共に過ぎていき、閉鎖完了予定時間が門扉閉鎖分(現在時刻の経過分)だけ縮まって閉鎖完了予定時刻は変化しない。
(2-4)自動車通行帯で閉鎖遅延した例
(ア)自動車など移動体4との接触などで、門扉閉鎖が進まず、閉鎖遅延が発生すると、門扉位置が変わらないので、現時刻だけが経過する。従って、残りの通行帯を閉鎖するための閉鎖完了予定時間が変わらずに閉鎖完了予定時刻が当初の閉鎖完了予定時刻から遅れ始め、余裕時間が減少する。
(イ)閉鎖開始時刻の閉鎖完了予定時刻と現時刻の閉鎖完了予定時刻の差が閉鎖遅延時間である。
(ウ)このような段階で、閉鎖遅延時刻(経過)となればセンタB介入要請を発報することになる。
(2-5)自動車通行帯の閉鎖遅延継続/センタB介入要請時刻発報
(ア)閉鎖遅延が継続し、余裕時間を使い切って、閉鎖完了予定時刻が「センタB介入要請時刻」を経過すると、センタB介入要請時刻(経過)を発報する。
(イ)センタBでは、光、音声警報器18などで警告、その他のセンタB介入作業を行って閉鎖阻害要因の除去に務めることとなる。
(ウ)その間、センタB介入作業時間を消費するので、センタB介入作業時間が尽きて閉鎖完了リミット時刻に至ると津波到達時刻(経過)が発報することになる。
(2-6)〔ご参考〕
(ア)ご参考として、図5「例-1」7m道路(歩道なし)の場合を同上通行帯毎の閉鎖速度で閉鎖した場合の閉鎖完了予定時間をタイムチャートにした。
(イ)7m道路で19m道路と同等の閉鎖速度を適用したため、1分程度で閉鎖完了することが分かり、又、図上余裕時間が充分確保できることも見える。
(ウ)従って、狭い門部Aの場合は、経済性・設備能力を考慮して閉鎖速度設定を行う必要があることはもちろんのこと、同時に、多数門を管理するセンタB監視の視点からは、閉鎖阻害要因が発生した場合にも、全体としてセンタB介入要請時刻が集中など偏らないよう、センタB負荷バランスを考慮した設定とすること必要であることが分かる。
通行帯の閉鎖時間換算とセンタB監視の一覧性、閉鎖完了の見通しについて
上記のように、通行帯の再設計、再々設計の結果、区分された通行帯に対して、変速閉鎖制御方式を適用する場合、夫々の通行帯の閉鎖速度は門部Aごとに予め設定して運用するので、当該通行帯の閉鎖時間は、閉鎖距離/閉鎖速度=閉鎖時間の式で時間換算して示すことができる。
詳細時間を求めるためには、適用モードや当該通行帯の閉鎖進度に伴って再計算したり、閉鎖開始、変速、停止、後退などでの速度変化を考慮することは当然である。
このように、距離を時間換算し、時間の単位で統一的に表現することにより、津波到達までの切迫度などを時間の尺度で一元管理することが可能となる。
これらの結果を時間尺度の軸上で表せば、閉鎖の進度状況、あるいはセンタB介入要請時刻の切迫など時間的危機的状況は、閉鎖開始時刻、当該門の通行帯別閉鎖所要時間、現在時刻、閉鎖完了予定時間、同予定時刻、余裕時間、センタB介入要請時刻、センタB介入作業時間、及び、閉鎖完了リミット時刻、あるいは津波到達予想時刻などの要素、あるいはその組合せで管理することができる。
又、当該地域では、津波到達予想時刻は同一であると看做せるので、上記要素、あるいはその組合せは一定幅内に収めて画面表示することができ、センタB監視の画面上一覧性ある表示を行うことができる。
又、夫々の通行帯の閉鎖時間を計算することによって、当該門の現時点の閉鎖完了予定時間は、現在時刻の閉鎖位置から、閉鎖阻害要因が何も発生しなかった場合の閉鎖完了までの所要時間と定義し、算出することができるので、この閉鎖完了予定時間により、門扉閉鎖のどの段階にあっても、閉鎖完了予定時刻(=現在時刻+閉鎖完了予定時間)を用いることで、センタB介入要請時刻や閉鎖完了リミット時刻などのリミットタイムまでに当該門扉が閉鎖完了可能か否かの見通しを得ることができる。
同様に、余裕時間の中に閉鎖遅延時刻、その最後にセンタB介入要請時刻を設定し、閉鎖遅延が拡大しないような仕組、最終的な時間的対応の歯止めなど、フェールセーフ的にセンタB介入要請のトリガーを組み込むことができる。これら時刻の設定については、図8の説明で取上げた。
東日本大震災を含めた最新の研究によって、震源域、振動の継続時間、当該地域への津波到達時間などが見直されている。これらの成果を踏まえ、個々の門部Aの閉鎖時間も見直すことが必要である。
この時に、通行帯の概念、変速閉鎖などの考え方に基づき、例えばフリー通行帯は最速閉鎖、歩行車通行帯は低速の安全閉鎖など、通行帯ごとの閉鎖速度を見直しながら津波到達までに余裕を確保して閉鎖完了する様、又、全体としては、センタB介入要請時刻等が偏らない様、センタB全体の負荷バランスを考慮して再設計できるはずであり、これらの考え方が、まずは当該地域の門部A全体の、又、個々門部Aの門閉鎖計画段階で活用されることを期待するものである。
図10の諸方式の特徴的発生情報とセンタ向け出力情報を説明する。
図10は、通行帯、変速閉鎖、新遮断方式、接触検知方式、連続通化防止モード、監視検知方式など、これまでに述べた諸方式の全体、あるいは、個別の組合せ方式の提案から発生する特徴的な情報を、発生情報、中間処理、センタB向け出力情報として概略を示したものでる。
発生情報は、門部Aの装置、センサ28で生成され、主に門部Aの門制御装置7でマスター情報の参照、演算処理など中間処理されて、門部A装置の制御に反映されるほか、センタB向け出力情報として当該門部Aの状況報告情報、センタB介入要請情報が発信されセンタB監視・操作に反映される。
<当該門部Aの基本的マスター情報>について
当該門部Aの基本的マスター情報としては、下記がある。
(1)道路幅員構造情報(遮断具23遮断位置含む)
当該門部Aの道路幅員構造について、道路部、歩道部及びその内訳、例えば、車線、センタBライン、植樹帯など夫々の名称と寸法を記録する。これら名称及び寸法は、門扉の閉鎖状況のセンタB監視に活用する。
(2)通行帯設定情報
当該門部Aの道路幅員情報に基づき、通行帯を再(々)設計した結果を記録する。門扉の閉鎖状況を通行帯で把握する場合などで活用する。従って、監視の緩急情報も変換する。又、変速閉鎖制御方式など変速閉鎖速度マスターとマッチングして門扉の閉鎖速度切替や閉鎖完了予定時間算出などに使用する。
(3)変速閉鎖速度マスター
当該門部Aの通行帯別の閉鎖速度をモード別に設定し、適用条件が合致した時に、そのモードを選択し、閉鎖速度制御を行う。具体的な適用では、当該門部Aの閉鎖スケジュールマスター計画時に、夫々のモードの適用条件と当該モード終了時の復帰モードを予め定めておくことが望ましい。変速閉鎖速度マスターの初期モードは基本的変速閉鎖モードとする。
(ア)基本的変速閉鎖制御モード;再々設計結果の通行帯に基づき、フリー通行帯から残置物通行帯まで、予め定めた通行帯ごとの閉鎖速度で、変速閉鎖制御するモードである。基本的に本モードで閉鎖する。
(イ)遮断通行帯制御モード;遮断具駆動装置22が設置してある門部Aの場合で、遮断具23閉鎖完了時、遮断具23が遮断する通行帯(以下、遮断通行帯という))を、より迅速閉鎖のために、門扉本体3を予め定めた閉鎖速度で閉鎖する自動閉鎖制御モードである。遮断通行帯の閉鎖終了後には基本的変速閉鎖制御モードで運転することが望ましい。又、遮断具23破壊検知情報が発せられた時には、基本的変速閉鎖制御モードに復帰することが望ましい。
(ウ)封鎖通行帯制御モード;自動車が通過ゾーンA410で停滞して、封鎖通行帯を作った場合に、予め定めた閉鎖速度で封鎖通行帯を閉鎖する自動閉鎖制御モードである。封鎖通行帯の閉鎖完了時には基本的変速閉鎖制御モードに復帰することが望ましい。
遮断機21付きの門部Aの場合、遮断通行帯制御モードと封鎖通行帯制御モード、再設計後フリー通行帯制御モードは適用通行帯が重複する可能性がある。遮断通行帯制御モードと封鎖通行帯制御モードの場合であれば、一般に遮断通行帯の範囲が広くなるが、その場合にどちらのモードを適用するか、センタBでの表示をどうするか等々、細かいながら予め定めておく必要がある。
(エ)再設計後フリー通行帯制御モード;再々設計で2輪車通行帯とする再設計後のフリー通行帯に対して適用する。本モードは、閉鎖遅延時刻あるいはセンタB介入要請時刻への一定率接近などをトリガーとして、あるいは、遮断通行帯制御モードや封鎖通行帯制御モードの延長として、自動で、あるいはセンタB起動による自動、半自動で、予め設定された閉鎖速度で閉鎖される制御モードである。再設計後フリー通行帯の閉鎖完了時には基本的変速閉鎖制御モードに復帰する事が望ましい。
(オ)手動制御モード;閉鎖遅延回復などで使用される本モードは、センタB監視下、センタB操作で任意の時点で起動でき、任意の閉鎖速度、任意の区間(通行帯)を閉鎖できる手動制御モードである。手動制御モード解除後は、基本的変速閉鎖制御モードに復帰するなど、予めどの制御モードに復帰するか定めておくことが望ましい。

(4)閉鎖完了予定時間;適用モードごとに閉鎖完了予定時間が異なるので、現在採用されている適用モード、及び適用モード終了の復帰ルールに基づき閉鎖完了予定時間を演算する。
(5)移動体4監視範囲設定情報;図7で示す監視対象除外エリア44、及び通過ゾーンA410、通過ゾーンC409など監視の要否を区切るエリアである。場合によっては線や点でもよい。
(6)閉鎖スケジュールマスター;当該門部Aに設定した門扉閉鎖のスケジュール(当初)で、閉鎖開始時点から、閉鎖完了予定時間、余裕時間、センタB介入作業時間、安全余裕時間で区切られ、閉鎖遅延発令時間後の閉鎖遅延時刻、余裕時間後のセンタB介入要請時刻、センタB介入作業時間後の閉鎖完了リミット時刻などの時間、時刻要素がセットされている。(図8参照)
<諸方式の発生情報、中間処理、センタB向け出力情報>について
門部Aの基本情報に関わる特徴的情報には、通行帯、及び変速閉鎖制御からの発生情報があり、門部Aの門扉閉鎖に関る特徴的発生情報である。門扉端(門扉本体3、又は疑似門扉1の戸当り側端)の現在位置、門扉の閉鎖速度、閉鎖開始時刻及び経過時間、閉鎖機能破壊情報がある。
門扉が何処まで閉鎖したかの閉鎖距離を測る門扉端の現在位置は、当該門部Aの方式によって門扉本体3、あるいは擬似門扉の戸当り側端となる(以下、夫々、門扉本体3端、擬似門扉端といい、門扉端と総称する)。
ここで補助門扉5単独方式や接触検知方式の場合には、移動体4との接触によって擬似門扉の門扉端の位置が変化するので、例えば、門扉本体3端の現在位置は門制御装置7などで捉え、補助門扉5の門扉端は、門扉本体3に対する補助門扉5の突出長さで捉え、擬似門扉端は、補助門扉5の突出長さに加えて擬似門扉の屈曲角度などで補正した長さを擬似門扉端の現在位置などと決めておくのも良い。このような区分は、門扉閉鎖完了時、門扉本体3による真の閉鎖完了と擬似門扉端による閉鎖完了とを明確化させるためである。
門扉の閉鎖速度は、基本的に門扉本体3の閉鎖速度である。閉鎖開始、あるいは再閉鎖を開始する時期においては、門扉本体3に先行する補助門扉5の速度を閉鎖速度と看做しても良い。
閉鎖開始時刻、及び経過時間は、センタBの閉鎖開始指示を受信するなど門扉が閉鎖開始した時刻、及び閉鎖開始からの経過時間である。
閉鎖機能破壊情報は、門扉駆動装置13の故障検知機能で検知し、閉鎖機能が破壊されたことを示す情報である。
尚、本図では、凡例に示すように再掲する情報は破線で示しており、状況報告番号、及びセンタB介入要請番号は、夫々センタB向け出力情報を示し、状況報告番号、及びセンタB介入要請情報番号に対応させて示している。
門扉端の現在位置情報は、門扉の閉鎖距離情報に変換し、道路幅員構造情報に当て嵌めて門扉の開口幅6情報、幅員上の所在位置情報に変換し、センタB向け出力情報の状況報告情報として出力する。
又、通行帯設定情報に当て嵌めて通行帯上の所在位置情報、及び監視「緩急」信号情報に変換・出力する。
門扉の閉鎖速度は、門扉端の位置する通行帯設定情報を変速閉鎖速度マスターの適用モードに当て嵌め、当該閉鎖速度を閉鎖速度切替情報として決定する。
門扉端の現在位置情報、通行帯設定情報、変速閉鎖速度マスター適用モード、及び、門扉の閉鎖速度情報は、状況報告情報の門扉閉鎖速度情報、及び変速閉鎖速度マスター適用モードとして出力する他、現在位置からの閉鎖完了予定時刻を算出し出力する。
閉鎖開始時刻及び経過時間情報と(当初/現在位置から)閉鎖完了予定時刻情報からは、状況報告情報の閉鎖遅延時間を算出するほか、閉鎖スケジュールマスターの閉鎖遅延時刻、センタB介入要請時刻、津波到達予想時刻に当て嵌めて、該当した場合には、夫々閉鎖遅延時刻(経過)、センタB介入要請時刻(経過)、津波到達時刻(経過)をセンタB介入要請情報として出力する。
門扉駆動装置13の故障検知機能で、閉鎖機能破壊情報を検知した場合は、そのまま門扉故障としてセンタB介入要請情報を出力する。
新遮断方式の特徴的発生情報には、門扉端の現在位置情報に基づく通行帯設定情報、遮断具23閉鎖開始/完了情報、遮断具23破壊検知情報がある。
門扉端の現在位置が、遮断通行帯に至る/至った時点で、遮断具23閉鎖信号を発して、遮断具23の閉鎖を開始する。遮断具23閉鎖の開始途中から閉鎖完了以降遮断通行帯を門扉端が閉鎖完了するまで遮断具23破壊検知情報を収集する。遮断具23破壊が無い場合には、変速閉鎖速度マスターの適用モードを遮断通行帯制御モードとして、閉鎖速度切替情報を発して、門扉の閉鎖速度を切替える。
遮断具23閉鎖信号(閉鎖開始/完了)情報は、状況報告情報の遮断開始/ 完了情報へ出力される。
遮断具23破壊検知情報があれば、変速閉鎖速度マスターの適用モードを例えば、基本的変速閉鎖制御モードに切替え、閉鎖速度切替情報を発して、門扉の閉鎖速度を切替える。同時に遮断具23破壊としてセンタB介入要請情報を出力する。
接触検知方式の特徴的発生情報には、門扉制御信号(閉鎖、停止、後退)情報、連続通過防止モード、補助門扉5後退完了信号などがある。
門扉制御信号(閉鎖、停止、後退)情報は、接触検知SWの状態、あるいはその組合せで決定され、門制御装置7から門扉駆動装置13を介して門扉、補助門扉5を駆動する。門扉制御信号(閉鎖、停止、後退)情報は、状況報告情報に出力される。
連続通過防止モードは、主に自動車の連続通過を防止するために補助門扉5をセンタB起動で発動し、閉鎖、停止、後退させる強行進入防止策であり、連続通過防止モードにおける補助門扉5の動作状態を連続通過防止モード発動情報(発動中、閉鎖、停止、後退)として状況報告情報に出力する。
補助門扉5後退完了信号は、移動体4、特に自動車との接触・衝突回避で、補助門扉5を後退させた場合、それ以上物理的に後退不可を示す信号である。補助門扉5後退完了信号としてそのまま状況報告情報に出力する。
監視検知方式の発生情報には、移動体監視対象範囲43の移動体4位置403、形状、動態(移動体4の追跡を含む)情報、及び門扉端の現在位置情報がある。
移動体監視対象範囲43の移動体4位置403、形状、動態(移動体4の追跡を含む)情報は、移動体4監視範囲設定情報を加えて、移動体監視対象範囲43にある個々の移動体4位置403、形状、動態(速度、方向、(停止、停滞))情報を捉え、又、それらの移動体4を追跡する。この情報は、通過ゾーン、通行帯などごとに区分されて状況報告情報として出力される。
ここで、通過ゾーンC409に移動体4の停滞、あるいは通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有を検知すれば、夫々通過ゾーンC409に移動体4の停滞、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有としてセンタB介入要請情報を出力する。
又、通過ゾーンC409に移動体4の停滞の場合は、門扉端から移動体4までの距離を測って、開口幅6縮小方式を適用する。
通過ゾーンC409の移動体4が停止、後退であれば、移動体4の動作不審アラームを状況報告情報として出力する。
更に、移動体監視対象範囲43の移動体4位置403、形状、動態(移動体4の追跡を含む)情報に基づき、移動体4の種別予測を行い、通過ゾーンA410に自動車が停滞した場合、その封鎖通行帯に封鎖通行帯制御モードを適用し、閉鎖速度切替情報を発して、門扉の閉鎖速度を切替える。
封鎖通行帯情報は、状況報告情報に出力する。
移動体4到着時同幅閉鎖停止方式は、移動体監視対象範囲43の移動体4位置403、形状、動態(移動体4の追跡を含む)情報、移動体4の種別予測情報、及び門扉端の現在位置情報を組合せて実現する。
即ち、移動体4の速度、及び移動体から通過ゾーンC409までの距離408により、移動体4の通過ゾーンC409到着時間を算出し、この移動体4の通過ゾーンC409到着時間に門扉の現在位置情報を変速閉鎖速度マスターの適用モードに当て嵌めて、移動体4の通過ゾーンC409到着時開口幅6を算出する。この開口幅6と移動体幅404を比較することによって、門扉の閉鎖継続か停止かを決定する。
移動体4到着時同幅閉鎖停止方式が適用されれば、移動体4到着時同幅閉鎖停止方式適用中(門扉停止中)として状況報告情報に出力する。
以上、図10で本提案で扱う特徴的情報を整理したが、津波発生時には、多数の門部AからのセンタB向け出力情報、画像情報のセンタB集中、及びセンタBからの発信など、門部AとセンタBとの多量の情報授受発生が考えられる。しかしながら、特に地震津波の場合、地震被害によって通信路が地域的に途絶する可能性もあり、この様な場合は、以下のケースが考えられる。(1)センタBとの通信路が平常どおり確保されている。(2)センタBとの通信路がバックアップ回線などによって、一定程度確保されている。(3)センタBとの通信路が確保されていない。
この様な通信能力への影響の程度に準じて、センタB向け出力情報発信頻度や、発信項目の絞込み、1単位の情報量の最小化など許容できるトラフィック量を定めて段階的に情報授受を選択、制限するなど実効的な運用計画を予め立案しておく必要がある。
同時に、センタB、門部A間の通信が途絶してしまった最悪の場合にも、当該門部Aの門扉閉鎖が遂行できるよう、センタB指示に依らない場合の閉鎖制御ルールを定めておく必要がある。
又、上記説明で、センタB監視に活用する情報を述べたが、センタB監視に関係するマスター情報は、センタBで保持して、門部A情報に基づきセンタBで展開して活用する方が、データの授受量が少なくて、情報システムとしてより良いことは言うまでもない。
(センタBの監視・制御について)
図11の「センタ監視画面全体構成」を説明する。
図11は、門部AとセンタBに分けて示している。
(1)門部A情報;
門部A情報は、各門部AからセンタBへの監視カメラ25情報、マイク17情報、センタB向け出力情報、及び、センタBから各門部Aへの警告、門扉開閉など遠隔操作情報などからなる。
(2)センタBの遠隔監視・操作画面;
(ア)遠隔監視・操作画面は、門部Aの監視カメラ25情報のモニタ37、門部Aのマイク17情報を出力するスピーカ41、センタB向け出力情報を集約する中央制御装置8のデータベース(D/B)、門部A別遠隔監視・操作画面からなっている。
(イ)モニタ37は、当該門部Aの状況を視覚的に把握する。センタB操作で監視カメラ25の監視方向変更、ズームなどができるとよい。監視カメラ25映像のモニタ37は、監視カメラ25ごとに複数台設置、あるいは個々の監視カメラ25映像を分割してモニタ37表示しても良く、スピーカ41は、現在監視する門部A周辺の音声情報がスピーカ41に反映されると良い。
(ウ)センタB向け出力情報は、各門部Aの状況報告情報、及びセンタB介入要請情報からなり、本情報はセンタBの中央制御装置8データベース(D/B)に集約され、センタBの中央制御装置8データベース(D/B)は、状況監視一覧画面の陸閘閉鎖状況一覧画面、あるいは防御ライン一覧画面などシステム監視各画面の要素情報を提供する。
(エ)門部A別遠隔監視・操作画面は、センタB介入要請、あるいはセンタB判断で、陸閘閉鎖状況一覧画面、あるいはその区分画面から、介入する門部Aを抽出する。当該門部AのセンタB向け出力情報に基づき、門部A情報を画面表示し、監視カメラ25映像などと合わせて門部A情報の詳細把握を行う。操作SW39で門扉の閉鎖操作、センタBのマイク40で通過促進、進入禁止などの警告、障害物の撤去依頼など、当該門部Aへの遠隔操作、警告発信を行う。
本項は、既存技術に付き、詳細例は省略する。
(3)状況監視一覧画面
(3-1)本画面は、中央制御装置8のデータベース(D/B)のデータを加工、編集し、「表」形式、「地図」形式の画面に表示する。
(3-2)陸閘閉鎖状況一覧画面は、「表」形式の画面の一種で、1門部Aを1画面内の1ブロックに表示するなど管理対象門部Aに表示の一覧性、一貫性を持たせて、見やすく表示する。1ブロック内の門部A状況を示す情報の構成要素を同位置に配置し、視覚的に判断し易くする一方、例えば、防御ラインに対応して北から南へ順に表示する、あるいはセンタB介入要請の危険度レベル順、センタB介入要請時刻の近接度順に表示など、センタBとしての介入優先順に並べ替えて、対応判断を容易化する。管掌門部Aの数が多い場合は、一覧性を高めるため、提示例の情報を更に絞って、極端な例では、1門部Aを示すブロックを画面1行で表示しても良い。
(3-3)陸閘閉鎖状況一覧画面の区分画面は、陸閘閉鎖状況一覧画面が管轄全門部Aを対象とするのに対し、予め分割した管理エリアごと、センタB員の担当門部Aごとなどに切り出した画面であり、センタB員の対応し易さを追及する。対応の過程でセンタB員の負荷の繁閑があれば、操作卓按分装置35を介して対象門の分担変更など負荷按分ができるものとする。本項では、陸閘閉鎖状況一覧画面と同じ表示内容とした。
(3-4) 防御ライン一覧画面は、「地図」形式の画面で、画面地図上に堤防2、陸閘、水門など防御ラインの配置を示し、各門の閉鎖完了など閉鎖進行の重要ポイントを簡略表示して俯瞰的状況把握を支援する。
(3-5)尚、上記の画面は、操作性の観点から、一覧画面から門部A別遠隔監視・操作画面へ、又その逆も容易に遷移できるものとする。
(4)関連情報画面;上記以外にセンタB監視を行うための関連情報として、現在発令されている地震、津波などの気象情報や対象地域全体を俯瞰できる展望監視カメラ画面があっても良い。
図12の陸閘の閉鎖状態表示画面〔陸閘閉鎖状況一覧画面の一部〕を説明する。
図12は、陸閘閉鎖状況一覧画面の1陸閘に関する具体的画面の例を示す。本図は、一覧画面の1門部A(これをブロックという)を表示する要素と構成例を示している。
これらブロックの構成要素の全部又は組合せで陸閘の閉鎖状態を表示することにより、センタBでは管掌門部Aの状況を一覧形式で把握することができる。
ブロックの要素と構成の詳細内容を適宜選択してブロック画面とすることが望ましい。図13の陸閘閉鎖状況一覧画面(その1)、(その2)、(その3)を説明する。図13は、一覧画面で複数ブロックを表示した例である。(その1)(その2)(その3)の表示例は、図12の要素と構成例の一部を組み合わせて画面化した例である。図12に図13の参照図を提示しているので、合わせて参照頂きたい。
地震津波の発生頻度は低い。最も頻度の高いと思われる三陸沖地震で、死者数1,500人以上と分かっている地震津波は、1896年6月明治三陸地震、1933年3月昭和三陸地震、2011年3月東北地方太平洋地震で、その間隔は、37年、78年である。
地震津波の発生頻度が低いので、その為にもセンタB員の熟練度に依存しない自律的閉鎖制御を行う必要があり、センタB監視は、熟練を必要としないシンプルな監視・操作方式の採用が必要となる。
しかしながら、その監視・操作訓練は、突然発生する地震津波に備えて、定期的に、実践的に、粘り強く実施していく必要がある。例えば、月1回1門部Aなどを巡回訓練の対象にして、現地で機側盤にセンタB環境を構築して、津波からの避難発生時の避難者(自動車、2輪車、歩行者)の動き、門部Aの動作を再現しながら、これを直に見てのセンタB操作訓練が必要と考える。同時に他の門部Aの閉鎖障害を疑似的に発生させて、センタB全体としての混乱状況空間を作っての中で行われることが最も望ましい。
平常時の訓練は、交通遮断を要すことが必須となるため、地域住民の理解、更に参加も得て実施できることが望ましい。
一覧表示効果とセンタB監視の効率化について
津波が来襲する秒を争う緊迫した情勢下、センタBの対応は、閉鎖障害発生門部Aの選択判断に迷いや遅延は許されない。従って、センタB向け出力情報を表示するシステム監視画面においては、門扉閉鎖完遂への危険因子、監視緩急度が容易に比較可能となるような並べ替え、あるいは一覧表示効果を高めてセンタB監視の効率化を図る必要がある。
この為には、管掌門部A全体の中を閉鎖障害のポテンシャルが高い門部A群と、そうでなく偶発的に閉鎖障害が発生すると思われる門部A群、その他殆ど閉鎖障害が発生しそうもない門部A群などに層別し、夫々に有効な対応策を考慮する必要がある。
何れの層においても、管掌する多数の門部Aを参集人員不確定な少数センタB員で監視するためには、閉鎖完遂への危険度の高い門部Aが一目で分かる必要があり、その為には、門部A間の危険度の相違がシステム監視画面上、文字通り縦に縦覧でき、相違を容易に比較できる必要がある。又、当該門部A障害対応中にも、更に危険度の高い他門部Aで閉鎖障害が発生したという認識や、逆にその様な閉鎖障害が発生しておらず、現在の対応順序に間違いがないと確信する認識を持ってセンタB員が対応できるような、ダイナミックに監視優先順が入れ替わる表示の仕組みが必要である。
図12の記述内容との重複を顧みず如何に記す。
(ア)1画面上、1門部Aの情報を1ブロック内で表示し、そのブロックが1画面の中に縦に並んで、且つ、各項目が同一位置に配置されて縦覧できる必要がある。その究極の縦覧の形態は1門部A1行表示となるが、多様な情報を表示する場合には1門部A1ブロック表示とならざるを得ない。
(イ)閉鎖完遂への危険度を計る門扉の閉鎖進度状況表示で一覧表示効果を高めるためには、ブロック内で閉鎖開始から閉鎖完了までが全門部A同じ位置、同じ幅内に同一尺度など同じ基準で表示される必要がある。例えば、これまで提案した例では下記である。
(a)通行帯絵文字ボタンは、通行帯全体としても、5個のボタンとして一定幅の中に表示することが可能であり、門部A間(ブロック間)を縦覧・比較することができる。又、
(b)道路幅員表示エリアを時間換算表示して門扉の閉鎖進度を表示することにより、管掌する全門部Aを津波発生から津波到達まで同一幅の時間軸上に表示することができ、縦覧することができる。
更に、一覧表示効果を高めるために、危険度の高い門部Aや閉鎖進度の遅延する門部Aを危険度の高い順に並べ替えることによって、センタB員が「見て比較判断する」時間を削減し、一覧表示効果に更に即時性を加えた効果が期待できる。
これら門扉閉鎖完遂に対する危険因子は下記に纏めることができる。
門扉閉鎖完遂への危険因子は、
(ア)閉鎖進度に関する直接的危険因子
(a)センタB介入要請の発報、及びその危険度レベル(AA>A>B>C)
AA;門扉故障、津波到達時刻(経過)
A;センタB介入要請時刻(経過)、通過ゾーンC409の残置物通行帯に残置物有
B;閉鎖遅延時刻(経過)
C;通過ゾーンC409に移動体4の停滞、遮断具23破壊
(b)センタB介入要請への時間的近接
閉鎖遅延時刻、センタB介入要請時刻、津波到達時刻
(イ)通行帯の持つ危険因子
自動車通行帯、残置物通行帯
(ウ)門部A設置環境に起因する危険因子
閉鎖進度に対する直接的な危険因子は、センタB介入要請の危険度レベル、及びセンタB介入要請への時間的近接である。よって、この順序に門部Aを並べ替えれば、最も危険度の高い門部Aが最上位に並ぶことになり、即対応・着手すべき門部Aが判明する。更に、危険度を知らせる項目、例えばセンタB介入要請理由エリアをブリンクなど注意喚起すれば、センタBの対応を更に迅速化させることができる。
又、通行帯そのものが持つ危険因子、閉鎖を阻害するポテンシャルは、自動車通行帯で特に高く、次に残置物通行帯にあるといえる。従って、当該門扉が自動車通行帯、残置物通行帯に近接、あるいは閉鎖中の場合は、通行帯絵文字ボタンの表示などで、閉鎖阻害事象の発生に注意することができる。但し、残置物通行帯の場合、残置物通行帯に残置物が存在した場合の閉鎖完遂に対する影響度は甚大でも、その発生頻度は非常に低いと想定できる。
一方、通行帯に関する危険因子については、フリー通行帯のように監視緩急度を下げて只見守れば良い通行帯や、2輪車通行帯、歩行者通行帯のように監視緩急度の高くない通行帯がある。管掌門部A全体監視の視点で見ると、門部Aの多数が自動車通行帯や残置物通行帯を閉鎖中の時には、全体の監視緩急度が高まっていると把握することができ、それ以外の通行帯が多数の場合には全体の監視緩急度が低くなっていると見ることができる。このような全体の監視緩急度変化に応じて、センタB員への対応門部Aの割付替えによる負荷平準化など、センタB員参集の不確実性に対応するセンタB体制の立て直しを図ることができる。
門部A設置環境に起因する危険因子は、海側401の人口や車両数が多いといった避難する移動体4の種類と多寡である。
閉鎖障害のポテンシャルが高い門部A群は、予め特定し、別管理し、集中的に対応することが必要となる。具体的には、当該門部A群に対しては、センタB監視画面の形態は同じとしても、閉鎖障害発生時に即時対応できるよう専任化するセンタB員を養成するなど、集中的に監視する必要があり、同時に、閉鎖障害が発生する前に、順次遠隔監視・操作画面に切り替えて遠隔手動での詳細監視・操作するなど閉鎖障害の未然防止を図るセンタB監視体制も一方策である。
この時、通行帯に関する危険因子に着目すれば、当該門部Aが自動車通行帯にあるときは、遠隔手動による監視・操作を行い、残置物通行帯で再度、遠隔での詳細監視を行う。これ以外の通行帯では、遠隔自動で門扉閉鎖センタB員の関与なしで門扉閉鎖を行うことができる。この様に同一門部Aであっても通行帯によって監視の緩急度が異なるので、自動車通行帯閉鎖中は1センタB員1門部A対応の形態(自動車通行帯を1.6mとし、10cm/sで門扉閉鎖するとすれば、自動車通行帯は16秒で閉鎖)であっても、1センタB員が複数の門部A監視を行なうことが可能となる。
又、自動車通行帯と残置物通行帯の閉鎖では、閉鎖障害、あるいは対応の人的要因が、前者は自動車(運転者)、後者は門部A周囲の避難者と異なる他、残置物通行帯の閉鎖障害頻度は非常に低いと想定できるので、センタB員の配置を、自動車通行帯と残置物通行帯を別人の分担として効率化を図ることもできる。
これら通行帯に関する危険因子を組合せて、センタB監視の効率化を図ることは他の層別した門部A群でも同様に適用できる。
その他の殆ど閉鎖障害が発生しそうもない門部A群は、避難する移動体4量が非常に少ない門部A群であり、センタB監視の注力度としては、レベルを下げて障害への都度対応をセンタB対応体制とすることもできる。
偶発的に閉鎖障害の発生する門部A群は、管掌門部A全体の中で多数を占めることが想定される。従って、多数を占めるこの門部A群に対しては、上述した一覧表示効果を発揮させて、閉鎖障害の早期発見、即時対応を図る必要がある。
表17のセンタ監視に関る絵文字ボタン枠の分割表示を説明する。
表17は、歩道部付道路である。表左側は、道路部の名称を示し、中央は、門扉の閉鎖制御視点からの通行帯の設計、再(々)設計は、迅速・安全閉鎖を実施するためにこれまで述べてきた、通行帯の基本設計、再設計、再々設計した結果とその推移の通行帯を示している。これまでのセンタB監視画面では、再々設計結果の通行帯に絵文字ボタンを当て嵌め、監視の一覧性の向上を提案した。
今回、更に、センタB監視視点で監視の緩急度をより明確化するため、再々設計結果のフリー通行帯、2輪車通行帯に対し、実際の道路幅員構造、即ち、歩道部、車道部、センタBラインを意識させる区分、あるいは、再々設計結果では2輪車通行帯としたが再設計結果ではフリー通行帯であった部分について、絵文字ボタンの背景枠を分割することによって、
監視の緩急度が異なることを識別できる方式とした。
表17の右側にセンタB監視視点の絵文字ボタン背景枠の分割例を示す。
(案-1)は、道路部、通行帯を意識した分割化である。再々設計結果のフリー通行帯を歩道部(門扉側)、センタBラインまでの海側401に向かう車道部、陸側402に向かう車道部に3分割し、2輪車通行帯を再設計結果元々2輪車通行帯部分とフリー通行帯であった部分とに3分割した。
意味合いは、歩道部(門扉側)のフリー通行帯は、門扉と移動体4との接触・衝突の危険等閉鎖阻害のポテンシャルが非常に低い。センタBラインまでの海側401に向かう車道部のフリー通行帯は、稀に海側401に向かう車両もあるが、閉鎖阻害のポテンシャルは同じく非常に低いといえる。陸側402に向かう車道部のフリー通行帯は、まだ十分開口幅6は広く、閉鎖阻害のポテンシャルは低いが、陸側402に避難してくる車両が大量に出てくるはずであるので、即ち、これから最も閉鎖阻害のポテンシャルの高い自動車通行帯に入って行く段階に位置しているので、そろそろ注意を集中していかなければならない部分、と言うことである。
再々設計結果の2輪車通行帯は、全般的に閉鎖阻害のポテンシャルは低いが、再設計結果のフリー通行帯であった部分は更に閉鎖阻害のポテンシャルが低い部分であるので、監視の緩急度を緩めても問題ない、という意味合いである。
(案−2)は、(案−1)において監視緩急度が同程度で、意味合いの相違の余りない分割案を統合し、単純化・見易さ化・直観化を図ったものである。
即ち、フリー通行帯の歩道部(門扉側)と海側401に向かう車道部を一体化した。歩道部(門扉側)の2輪車(自転車)歩行者は、門扉閉鎖と共に横移動して避難・通過できる。よって、閉鎖阻害のポテンシャルは非常に低い。海側401に向かう車道部では、稀に、海側401に向かう移動体4が通行する可能性があるが、量的に閉鎖阻害のポテンシャルは非常に低く、監視緩急度も非常に低くなる。一方、陸側402に向かう車道部では避難する移動体4の数も多く、門扉と移動体4との接触の可能性が前者より、より高くなり、自動車通行帯の前段階であり、同じフリー通行帯でも監視緩急度が若干高い、と考えたからである。
2輪車通行帯は、主にバイクが通行・避難する車道部の2輪車通行帯はそのまま。一方、再設計結果ではフリー通行帯の部分、及び歩道部(戸当り側)の2輪車(自転車)通行帯では閉鎖阻害ポテンシャルは同程度により低いと思われるため、後者を2輪車通行帯として一体化し、前者と分割した。
このような結果を反映して、門の閉鎖制御をよりきめ細かくしても良い。
図14の通行帯進度表示エリアの表示例を説明する。図14は、表17の(案-1)、(案-2)を表示した例である。「歩道部なしの道路」への拡張を図り、表示例を追加した。
尚、背景枠の分割は、背景色分割その他センタB監視のセンタB員にとって、識別し易いものであればよい。図13の画面例に (案-2)の適用例を示す。図15の通過可否判断支援補助線を説明する。
本図は、陸閘を上から見た模式図である。
堤防2の下側が海側401で、上側が陸側402となっており、堤防2の間が道路で、門扉本体3、疑似門扉1が閉鎖中である。
通過可否判断支援補助線45は、移動体4側、特に自動車側へより早期に門扉の開口幅6を認識させ、通過可否を判断させ、予め通過あるいは通過断念を準備させることにより、移動体4と門扉の接触・衝突回避を図る提案である。
通過可否判断支援補助線45は、移動体4側の通過可否認識を遠方より支援する手段として、門部Aを通過する道路上に、線、帯状に連なる識別物、あるいは線や帯状の識別物間の道路が同一色となった着色面(以下通過可否判断支援補助線45という)を門部Aの海側401に設置し、門の開口幅のスペース300へ向かう移動体4が、自らの移動体幅404を門の開口幅6に延長・類推認識可能とし、その結果、門扉の開口幅6と移動体幅404とを容易に比較可能とすることにより、通過可否を遠方から事前に判断させることを可能とするものである。
通過可否判断支援補助線45は、視覚に訴える色、光、形などを基本として、聴覚や身体に訴える振動や音を発する道路面の凹凸など、あるいはそれらの組み合わせでも良く、道路法などに定める車線区分などとは異なっていることが望ましい。。
移動体4の特に車両に対しては、バス、トラック、普通乗用車、軽4輪車など車種の車幅が道路運送車両法などの規則で定められ特徴的に偏在することを活用し、車種ごとの車幅を示す識別物46で示すことで判断支援することもできる。またこの識別物を車種を示す文字やモデル図で表示しても良い(車種ごとの車幅を示す識別物46という)。
尚、通過可否判断支援補助線45や車幅を示す識別物は、戸当り側の道路部について、車道部だけの道路であれば道路部と他の土地利用を区分する道路境界47から、歩道部付の道路であれば歩道部と車道部の境界から側方余裕を設けて設定することが望ましい。この道路境界47などからの側方余裕を路肩とすれば、現行法で、この最低幅員は0.5m、その他の道路(高速自動車道、自動車専用道路以外)である第3種(地方部)、第4種(都市部)の車線の幅員の最小は3.0mであるから、これら識別物は戸当り側車道部の1車線の中に設置することができ、自動車運転者などに対しては、視覚、聴覚、身体に訴える特殊さを意識させる線などとなり、人間は類推能力を有するので、本数は少なくても良く、一方、平常時の自動車等の通行に対しては、これを混乱させるものではないといえる。
本数を少なくするために、通過可否判断支援補助線45の本数の内1本は路側帯を示す線、あるいは車道外側線とし、1本は車線を示す線を利用することができ、通過可否判断支援補助線45の意味に不慣れな来訪者向けに量の多い普通乗用車車幅程度の通過可否判断支援補助線45が1本程度あれば十分と思われる。
門部A側では、表示盤などの光警報器20に現在の門扉の開口幅6を数値で示すことも進入・通過の判断支援となる。
この通過可否判断支援補助線45は、門部Aの前では移動体4を避難階段へ誘導するための誘導導線48を兼ねても良い。
移動体4の幅と移動体4の通過ゾーンC409到着時の開口幅6を比較した結果を、将来は移動体4個々に通過可否情報として無線媒体などを介して連絡することも考えられる。

この実施例のシステムを用いた場合の門扉制御手順を便宜上門部AとセンタBに分けて以下説明する。
図16の門部Aの門扉制御概略処理フローを説明する。
尚、図16の記述の留意点を前段に述べる。
(留意点-1)本処理フローは、これまで述べた諸方式を織込んだ処理フローとした。尚、より判り易くするために、方式が明確な部分は枠囲みして方式名を入れた。又、処理フローの記述は、煩雑さを避けるため、主なポイントのみを記述した概略フローである。
(留意点-2)門制御装置7は光・音警報装置10を使用して、門部Aを通行・避難する移動体4に対して、門扉の閉鎖開始前後から閉鎖完了まで、避難路指示に付いては閉鎖完了後も、「津波注警報情報」、「閉鎖中」、「進入禁止」、「避難路指示」などを警報するものとする。又、センサ28等の状態に対応する警報の内容を適宜発報するものとする。(ステップ304)遮断具23閉鎖信号に基づく警告については、(ステップ303)遮断具23閉鎖完了未完の状態において、「通行遮断中」を加えても良い。更に、門扉の閉鎖速度で、基本的変速閉鎖制御モード以外の遮断通行帯制御モード、封鎖通行帯制御モードなどを適用する場合は、基本的変速閉鎖制御モードと閉鎖速度が異なる旨、警告を発しても良い。
(留意点-3)本処理フローは、遠隔自動操作方式の処理を主体に記述している。従って、(ステップ402)操作優先権の判定は、 (ステップ403)センタB操作では、センタB発信による門扉等操作情報(遠隔手動、遠隔半自動操作など)で当該門部Aの各機器を操作する。又、(ステップ404)(機側手動操作など)では、機側手動、機側半自動操作で当該門部Aの各機器を操作するが、これらは本実施例の主テーマではないので、これを省略した。
因みに、操作優先権は、一般的に、機側手動>遠隔手動>機側自動>遠隔半自動>遠隔自動操作の順となっている。
ここで、(ステップ403)センタB操作(遠隔手動、半自動操作)、(ステップ404)(機側手動操作など)の飛び先(ステップ201)関連情報更新は、操作優先権の如何に関らず各方式の情報収集・更新を実施する事を示している。
尚、門扉制御に関る当該門部Aの基本的マスター情報は、道路幅員構造情報、通行帯設定情報、変速閉鎖速度マスター、移動体4監視範囲設定情報、閉鎖スケジュールマスターなどである。
(留意点-4)(受発信、中間生成情報等の記録)
(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)、 (ステップ103)センタB発信の門閉鎖指示、門扉等操作情報、操作優先権の門部A外情報、及び、図10で示す諸情報は、当該時刻情報と共に門部Aの門制御装置7に記録されるものとする。

〔図16「門部Aの門扉制御概略処理フロー」の説明〕
門部Aの門制御装置7の制御処理は、(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)又は、(ステップ103)センタB発信の門閉鎖指示、門扉等操作情報、操作優先権を受信し、(ステップ104)津波警報又は発信指示の有無を判断し、受信がなければ(ステップ101)startに戻ることを繰り返し、常時待機状態にある。
地域の地震などを受けて津波警報17に基づく(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)あるいは、(ステップ103)センタB発信の門閉鎖指示、門扉等操作情報、操作優先権を受信し、(ステップ104) 津波警報又は発信指示の有とすると、実質的な門部Aの制御処理が始まる。センタBからの閉鎖開始指示があれば、門制御装置7を介して警報装置10その他を作動させ、閉鎖開始する。閉鎖開始指示が即閉鎖開始でなければ、門制御装置7の中で閉鎖開始時期を待たせていても良い。最初の情報では把握できない情報、例えば、警報の津波到達予想時刻などは、その初期値は当該地域の予想震源域からの津波到達予想時間などを基に予め設定しておくことが望ましい。
(ステップ201)門扉制御のための関連情報更新として、下記情報を更新する。
(1)初期値の確保(処理経緯把握の原点として)
(ア)閉鎖開始(指示)時刻
(イ)閉鎖開始(指示)時刻からの閉鎖完了予定時刻
(閉鎖完了予定時刻は、各通行帯ごとの時刻が有っても良い)

(2)変化する関連情報の更新
(ア)操作優先権(初期値は、遠隔自動操作である)
(イ)閉鎖開始時刻からの経過時間
(ウ)各方式で把握する更新値
(a)センタBからの受信関連情報;津波注警報、津波到達予想時刻など
(b)諸方式から発生する情報
図10を参照。
本図のセンタB向け出力情報は、当該門部A内でも活用更新される情報である。
(c)更新値の初期値は下記とする。
・変速閉鎖速度マスター適用の初期値は基本的変速閉鎖制御モードとする。
(ステップ202)センタB向け通信(A)は、(ステップ201)関連情報更新で述べた図10の当該門部Aの状況報告情報の全部又は一部を一定時間間隔、あるいは、発生都度などでセンタB報告する。
(ステップ203)門閉鎖が完了すると、(ステップ204)センタB向け通信(B)閉鎖完了報告として、適宜門制御装置7に記録していた監視カメラ25映像、マイク17の収録音声、及び移動体監視装置11の監視データなどの全部あるいは一部をセンタBに送信し当該門部Aの閉鎖完了報告を行い、(ステップ205)門扉制御処理を終了する。
(ステップ203)門閉鎖が完了していない場合は、(ステップ206)センタB介入要請事象チェックを行い、センタB介入要請事象に該当する事象があれば、(ステップ207)センタB向け通信(C)でセンタB介入要請事象発生をセンタBに報告する。尚、本フロー内ではセンタB介入事象が発生しても、取り上げていない。
〔新遮断方式〕
(ステップ300)代は、新遮断方式を採用した場合である。新遮断方式不採用の場合は、(ステップ401)へ行く。
(ステップ301)門扉端は遮断通行帯内か?を判断し、遮断具23遮断開始のトリガーとして、又、遮断通行帯終了を本ステップで判断する。遮断通行帯制御モードで運用するのは遮断通行帯の範囲内だけであるので、ここでは遮断通行帯の内、外を判断基準とした。遮断の主目的は自動車通行帯における自動車の進入遮断であるので、遮断開始のトリガーは、これまでの記述であれば、門扉端が自動車通行帯に至る/至った時遮断具23遮断を開始すると述べた部分である。
(ステップ301)門扉端が遮断通行帯内であるならば、(ステップ302) 遮断具23破壊検知情報を調べ、遮断具23破壊検知情報が有なら、遮断具23が破壊されてしまったので、(ステップ305) 変速閉鎖速度マスター適用モードを基本的変速閉鎖制御モードに切替えて、(ステップ401)変速閉鎖速度マスターの適用モードを基本的変速閉鎖制御モードとして門扉の閉鎖速度切替を行う。
(ステップ302) 遮断具23破壊検知情報無しなら、(ステップ303)遮断具23閉鎖完了の完/未完を調べ、未完の場合は(ステップ304)遮断具23閉鎖信号を発信し、遮断具23による遮断を行ない、(ステップ201)関連情報更新に戻る。
(ステップ303)遮断具23閉鎖完了の場合は、(ステップ305)遮断通行帯制御モードに門扉の閉鎖速度切替を行い、門扉閉鎖信号を発信して、(ステップ201)関連情報更新に戻る。
(ステップ301)門扉端が遮断通行帯の外であるなら、(ステップ401)変速閉鎖速度マスターの適用モードによる門扉の閉鎖速度切替を行う。
〔操作優先権の判定〕
(ステップ402)操作優先権の判定から、(ステップ403)センタB操作(遠隔手動、半自動操作)、(ステップ404)(機側手動操作など)へは、上記の留意事項に記述した通りである。
〔監視検知方式と接触検知方式の単独方式〕
(ステップ500)自律的閉鎖制御(遠隔自動操作)は、内側に2つの枠囲いで記述した。一つは、〔監視検知方式〕の単独方式であり、(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4の有無を判断し、(ステップ520) 以下の処理、あるいは、(ステップ502)を経由して、(ステップ201)に戻るルートである。もう一つは、〔接触検知方式〕の単独方式で、(ステップ500)から、直接(ステップ601)へ行くルートである。〔接触検知方式〕単独方式固有のルートは破線で示した。
(ステップ500)から(ステップ501)を経由して(ステップ601)へ行くルートは、〔監視検知方式〕と〔接触検知方式〕の組合せ方式の一例となる。同様に破線で示した。
以下、監視検知方式と接触検知方式の単独方式、あるいは組合せ方式を説明するが、門扉の速度制御的には、全体の処理フローを説明する関係から、顕在的、潜在的に変速閉鎖制御方式が組合されている。
〔監視検知方式の単独方式〕
(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4の有無を調べ、移動体4有なら、(ステップ502)門扉が残置物通行帯に有無の判定をする。
(ステップ502)門扉が残置物通行帯に無しなら、
(ステップ503)移動体4が停滞しているか否かを調べ、停滞しているならば、(ステップ504)通過促進警報を発して、(ステップ505) (門扉端から移動体4までの最短距離)−β/2≧0の判定に行く。
(ステップ503) 移動体4が停滞していないなら、(ステップ506) 移動体4が停止あるいは後退しているかを調べる。
(ステップ506)移動体4が停止あるいは後退している場合は、 (ステップ507) 移動体4に向けて動作不審アラームを発報し、(ステップ508)へ行く。
(ステップ506) 移動体4が停止あるいは後退していない場合は、前進しているので、(ステップ508)門扉閉鎖信号を発し、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ505)は、(門扉端から移動体4までの最短距離)−β/2≧0を判定し 、成立するなら、 (ステップ508)門扉閉鎖信号を発し、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ505) (門扉端から移動体4までの最短距離)−β/2≧0が成立しないなら、 (ステップ509)門扉停止信号を発し、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ502)門扉が残置物通行帯に有る場合、あるいは残置物通行帯に近接している場合には、移動体4を挟み込む可能性があるので、 (ステップ509)門扉停止信号を発し、挟み込みを回避して、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4が有って、(ステップ502)門扉が残置物通行帯に有る場合、あるいは残置物通行帯に近接している場合には、センタB介入を要請する。
(ステップ502) 門扉が残置物通行帯に無くて、(ステップ503)移動体4が停滞する場合は、 (ステップ504)通過促進警報を発して、(ステップ505) (門扉端から移動体4までの最短距離)−β/2≧0の判定に行く。
この処理は、通過ゾーンC409に移動体4が停滞した場合、門扉端がβ/2の距離となるまで門扉を閉鎖して開口幅6を縮小し、その後の閉鎖距離、あるいは閉鎖時間を短縮する通過ゾーンC409に移動体4停滞検知時の開口幅6縮小方式である。
ここで例としたβは、道路構造令における下記条件の道路で幅員2.5mの大型車が安全性と快適性をもって対面交通できる側方余裕幅1mを使用した。(条件;第4種道路(都市部、その他道路)、車線数2、幅員の最小値(車線の幅員3m、路肩0.5m))
又、移動体4の停滞とは、移動体4の停止状態が一定時間以上継続することであり、一定時間の例をここでは、3秒と仮定している。
(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4が無しなら、(ステップ520) 通過ゾーンA410に自動車の有無を調べる。
(通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞)
(ステップ520) 通過ゾーンA410に自動車有なら、(ステップ521)通過ゾーンA410に先頭自動車が停滞しているかを調べる。自動車の停滞無しなら、(ステップ522)変速閉鎖速度マスターの適用モードを基本的変速閉鎖制御モードに切替えて、 (ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、(ステップ201)関連情報更新に戻る。
(ステップ521) 通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞有なら、(ステップ524)変速閉鎖速度マスターの適用モードを封鎖通行帯制御モードに切替えて、(ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ521)は通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞による封鎖通行帯制御モード適用可否をチェックするステップである。(ステップ521) 通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞有の場合は、自動車の通過ゾーンA410停滞による進入路封鎖が発生したとして、封鎖通行帯制御モードに切替えている。(ステップ521) 通過ゾーンA410に先頭自動車の停滞無しの場合は、自動車が停滞なく流れている状態、もしくは、一旦自動車が停滞し進入路封鎖が発生したものの、再度動きだし、あるいは、他の自動車などの割込みなどにより先頭自動車が入れ替わり、自動車の停滞状態が解消した場合の処理である。変速閉鎖速度マスターの適用モードを基本的変速閉鎖制御モードに切替えて対応する。
(ステップ520) 通過ゾーンA410に自動車無しなら、(ステップ525)移動体監視対象範囲43に自動車有無を調べ、自動車無しなら(ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ525)移動体監視対象範囲43に自動車有なら、(ステップ526)(先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α)を 調べる。
(通過ゾーンC409到着時同幅閉鎖停止方式)
(ステップ526)(先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α)で到着時開口幅6が範囲外なら、(ステップ523)門扉閉鎖信号を発して、 (ステップ201)関連情報更新へ戻る。
到着時開口幅6が(ステップ526)(先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+α)の範囲内なら、(ステップ527)(先頭自動車幅+β≧開口幅6≧先頭自動車幅+α)の状態をチェックして、開口幅6が範囲内ならば(ステップ528)門扉停止信号を発して、門扉を停止し、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ527)(先頭自動車幅+β≧開口幅6≧先頭自動車幅+α)の開口幅6が範囲外ならば、(ステップ529)門扉閉鎖信号を発して、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ526)から (ステップ528) 、(ステップ529)の処理は、通過ゾーンC409に移動体4が無く、通過ゾーンA410に自動車無しで、移動体監視対象範囲43に自動車有りの場合において、遠方の自動車が門扉の開口幅のスペース300にある程度の高速度で向かってくる場合であり、ある速度で走行する自動車がその速度で通過ゾーンC409に到着する将来時点において、(ステップ526)が範囲外であれば閉鎖継続し、範囲内であれば(ステップ527)が範囲内となるまで門閉鎖し、範囲内となれば門扉停止する方式である。
この仕組みによって、門扉の閉鎖促進を図ると共に、自動車と門扉との衝突を避け、自動車を通過させ、自動車、及び門扉の保護を図ることができる。複数の自動車が夫々の速度で通過ゾーンA410や通過ゾーンC409に向かう場合には、その中の先頭自動車を選んで、(ステップ526)を処理することになる。
しかしながら、開口幅6が自動車通行帯に近づくに従って、自ずと1列の自動車車列ができると想定できるので、通常であれば、最も通過ゾーンC409に近い先頭自動車が最初に通過ゾーンC409に到着する。その先頭自動車が通過ゾーンA410や通過ゾーンC409の手前で停車・停滞した(速度=0)場合には、永遠に通過ゾーンC409に到着することができないので、(ステップ526)の到着時開口幅6が範囲外となり、(ステップ523)門扉閉鎖信号を発信し、門扉が閉鎖されることとなる。先頭自動車の停止・停滞に伴い、後続車が列を離れて先頭車の前に割り込んだ場合には、当該自動車が先頭自動車(ステップ526)判定の対象となる。
開口幅6が自動車通行帯近傍にある場合など、自動車が通過ゾーンA410に掛けて低速で通過を試みる場合には、自動車操作者の慎重な通過可否の判断と、(ステップ526)、及び (ステップ501) 、(ステップ520)の処理の仕組みの組合せにより、自動車及び門扉保護を図ることができると考える。その際には、(ステップ527) (ステップ528)門扉停止信号と (ステップ521)〜 (ステップ523)門扉閉鎖信号の協調制御など更に慎重に検討する必要がある。
通過可否の判断は、当該移動体4(自動車)幅に対して、β、αで規定したが、βは、βまで予め開口幅6を狭めたい意思を示し、αは、当該移動体4(自動車)がどうやら通過できる開口幅6としての側方余裕的値である。(ステップ507)のβ/2を含め、β、αの値は夫々複数あっても良いし、又、スィング機構擬似門扉付きの門扉などにあっては、αの要否を検討してもよい。
〔接触検知方式の単独方式、あるいは監視検知方式との組合せ方式〕
接触検知方式の単独方式の場合は、(ステップ500)から直接(ステップ601)へ飛ぶ。
以下、接触検知方式の単独方式で説明する。
(ステップ601)表8接触検知装置と門扉制御信号(1)に示す門扉制御信号に基づき、門扉制御信号が門扉閉鎖であれば、(ステップ602)門扉閉鎖信号を発信して、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
(ステップ601)門扉制御信号が門扉閉鎖以外であれば、(ステップ603)その信号に従って、門扉停止、又は門扉後退信号を発信して、(ステップ201)関連情報更新へ戻る。
監視検知方式と接触検知方式の組合せ方式について
監視検知方式との組合せ方式の場合には、(ステップ500)から(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4有りの場合に(ステップ601)へ飛ぶルートである。
監視検知方式をより生かす場合には、(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4有りの場合に、接触検知の有無を判定して、接触検知なしの場合には、(ステップ502)へ、接触検知有の場合には(ステップ601)飛ぶことで、非接触時における、移動体4の所在と対応、警告、開口幅6縮小方式など監視検知方式の長所を発揮させることできる。
図17のセンタBの門扉制御概略処理フローを説明する。
地震、津波はいつ発生するか分からないから、その対策のためにセンタB員は24時間365日常駐勤務が必要であり、その配備人数も限定的となる。従って、多くの場合、消防署の職員がその任務に当たることになる。
今回の提案は、まず門部Aにおいて、対象とする門が、「図16門部Aの門扉制御概略処理フロー」の(ステップ102)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)、あるいは(ステップ103)センタB発令の門閉鎖指示を受けて、自律的に門扉閉鎖(遠隔自動操作)を行なうことを特徴とする。
従って、突然の地震、津波発生時、仮にセンタB員が参集不足の初動時期であっても、遠隔自動操作方式によって門扉閉鎖を進行させることができ、移動体4、及び門部Aの安全を守り、且つ、センタB向け通信(A)、(B)、(C)による情報収集で適時、適切なセンタB介入が行えることで、後背地の生命・財産を守るという所期の目的を達成可能とするものである。尚、センタB介入要請などに基づく遠隔手動操作の介入は、(ステップ402)操作優先権で述べたように、機側操作を除き、最優先であり、随時可能である

以下、図17のフローに従って説明する。
センタBの中央制御装置8の制御処理は、地域の地震などが原因での(ステップ702)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)を受信することにより起動する。(ステップ703)津波警報受信の有無で、(ステップ702)津波警報発令、又は自家津波警報(津波到達予想時刻)がなければstart(ステップ701)に戻ることを繰り返し常時待機状態となっている。
(ステップ702)津波警報発令、又は自家津波警報17の特に津波警報17は、より精度の高い情報が順次発報される可能性があるので、津波到達時刻含む津波情報を逐次受け付ける。
(ステップ703)津波警報受信があれば、中央制御装置8は(ステップ704)各門部Aへ門閉鎖指示信号を発信する。各門部A一律に閉鎖させない場合には、(ステップ711)中央制御装置8で発信時刻を調整する。(ステップ705)はセンタB職員召集を行う。
各門部Aが門扉の閉鎖を開始すると(ステップ706)各門からのセンタB向け通信(A)(当該門部Aの状況報告)、センタB向け通信(B)(当該門部Aの閉鎖完了報告)、センタB向け通信(C)(センタB介入要請事象発生)を送ってくるので、これを受信する。
(ステップ707)では、センタB向け通信(A)、(B)、(C)により中央制御装置8のデータベース(D/B)の情報更新を行う。
(ステップ708)所轄する全門部Aの閉鎖が完了しなければ、(ステップ706)各門からのセンタB向け通信(A)(B)(C)受信に戻る。
(ステップ708)所轄する全門部Aの閉鎖が完了すれば、(ステップ709)全門閉鎖完了報告を行って、(ステップ710)endでセンタBの門扉制御処理は終了となる。
(ステップ712)センタB員の門部A監視・対策操作は、(ステップ707) センタB向け通信(A)、(B)、(C)によって時々刻々と更新されている(ステップ711)中央制御装置8のデータベース(D/B)にアクセスすることにより、実行する。
センタBのシステム監視装置38では、図11示す画面などの監視を行う。
センタB向け通信(C)のセンタB介入要請事象などが発生すると、センタB操作卓36の操作SW39、マイク40などを使用して当該門部A向け門扉等操作情報発信を門部Aの門制御装置7に発信し、当該門部Aの移動体4に警告等を発報したり、門扉の開閉、閉鎖速度などを遠隔手動、遠隔半自動操作し、センタB介入することができる。
遠隔手動、遠隔半自動操作には、変速閉鎖速度マスターで述べた、再設計後フリー通行帯制御モード、手動制御モード、及び、連続通過防止モードなどがある。
又、操作優先権は、機側手動>遠隔手動>機側自動>遠隔半自動>遠隔自動操作であるので、(津波来襲時には、機側に急行しての機側操作は殆ど考えられないから)門扉操作など遠隔手動操作は最優先で随時実行することができる。
この様な操作卓36を使用して当該門扉の操作を行う遠隔手動操作技術は既存技術であり、又、本提案の主テーマではないので詳細記述は省略する。
図18で門部Aの門扉制御概略処理フロー〔再定義した通過ゾーンAの考え方の実施例〕
を説明する。
ここでは、これまで述べてきた通過ゾーンA410を移動体監視対象範囲43に拡大して実施例を説明する。
(ステップ402) 操作優先権の判定、(ステップ502) 門扉が残置物通行帯に有の判定 、(ステップ523)門扉閉鎖信号の発信、(ステップ527) 先頭自動車幅+β≧開口幅6≧先頭自動車幅+αの判定、(ステップ601) 表8接触検知装置と門扉制御信号(1)に示す門扉制御信号の判定の以上、以下は、図16と同じであり、省略する。
(ステップ402)操作優先権の判定(以上、省略)から、(ステップ500)自律的閉鎖制御(遠隔自動操作)に入る。
(ステップ501)通過ゾーンC409に移動体4の有無を判定し、移動体4有の場合には、(ステップ502) 門扉が残置物通行帯に有の判定(以下省略)へ行く。
(ステップ501) 通過ゾーンC409に移動体4の無しの場合には、(ステップ801)移動体監視対象範囲43(通過ゾーンA410)に自動車有無を調べる。
(ステップ801)移動体監視対象範囲43(通過ゾーンA410)に自動車無しなら、(ステップ523) 門扉閉鎖信号の発信をする(以下、省略)。
(ステップ801)移動体監視対象範囲43(通過ゾーンA410)に自動車有りなら、(ステップ802) 先頭自動車の停滞を調べ、停滞有りなら、封鎖通行帯を設定し、変速閉鎖制御モードを封鎖通行帯制御モードに切り替えて、(ステップ523) 門扉閉鎖信号の発信をする(以下、省略)。
(ステップ802) 先頭自動車の停滞無しなら、(ステップ804) 変速閉鎖制御モードを基本的変速閉鎖制御モードに切り替えて、(ステップ526) 先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+αの判定に行く。
(ステップ526) 先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+αの判定では、到着時開口幅6が範囲外なら、(ステップ523) 門扉閉鎖信号の発信をする(以下、省略)。
(ステップ526) 先頭自動車幅+β≧先頭自動車の通過ゾーンC409到着時開口幅6≧先頭自動車幅+αの判定が、到着時開口幅6が範囲内なら、(ステップ527) 先頭自動車幅+β≧開口幅6≧先頭自動車幅+αの判定に行く(以下、省略)
以上、移動体監視対象範囲43に拡大した通過ゾーンA410の考え方における実施例を述べたが、海側401の道路設置形状によって、必要とするセンサ28のセンシング距離の長短が決まるので、使い分ければよい。
津波来襲を防御する新しい自律した陸閘の運用形態、及びその閉門方法。門扉制御システムは、避難する移動体4(自動車、2輪車、歩行者)の安全確保、門閉鎖の迅速・安全化。津波防御に従事するセンタB員は門部A閉鎖完遂、負荷軽減などに利用可能性がある。
1:擬似門扉
100:門扉(門扉本体、補助門扉、疑似門扉の総称)
101:第1擬似門扉
102:第2擬似門扉
103:第1関節
104:接触検知SW(1)
105:第2関節
106:接触検知SW(2)
107:疑似門扉幅
2:堤防
3:門扉本体
300:開口幅のスペース
301:門扉軌道幅
302:門扉軌道
4:移動体
401:海側
402:陸側
403:位置
404:移動体幅
405:奥行き
406:移動体の外郭
407:速度
408:移動体から通過ゾーンCまでの距離408
409:通過ゾーンC
5:補助門扉
6:開口幅
7:門制御装置
8:中央制御装置
9:通信回線
10:警報装置
11:移動体監視装置
12:接触検知装置
13:門扉駆動装置
14:津波センサなどオプション
15:操作卓
16:津波・高潮警報
17:マイク
18:スピーカ、サイレンなど音声警報器
19: 音声合成装置
20: 信号灯、パトライト(登録商標)、表示盤など光警報器
21: 遮断機
22: 遮断具駆動装置
23:遮断具
24:カメラ制御装置
25:監視カメラ
26:移動体検知他演算処理装置
27:センサ制御装置
28:センサ
29:モニタ
30:システム監視装置
31:操作SW
32:マイク
33:スピーカ
34:大型モニタその他
35:操作卓按分装置
36:操作卓
37:モニタ
38:システム監視装置
39:操作SW
40:マイク
41:スピーカ
42:移動体監視可能範囲
43:移動体監視対象範囲
44:監視対象除外エリア
45:通過可否判断支援補助線
46:車種ごとの車幅を示す識別物
47:道路境界
48:誘導導線

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Claims (15)

  1. 津波、及び、または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
    陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
    前記移動体と前記門扉とが接触、衝突の可能性の少ない開口幅を閉鎖中の時には、速い速度で閉鎖動作を行い、前記移動体の種類毎に接触、衝突の可能性のある開口幅のときには、当該移動体の通行特性に合わせて低い速度での閉鎖を行うことを特徴とする門扉制御システム。
  2. 請求項1の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体は自動車、2輪車、更には歩行者であることを特徴とする門扉制御システム。
  3. 請求項2の門扉制御システムにおいて、
    前記閉鎖速度はフリー通行帯≧自動車通行帯≧2輪車通行帯≧歩行者通行帯≧残置物通行帯として、より速い速度から低い速度へと制御されることを特徴とする門扉制御システム。
  4. 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
    陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
    自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、門扉の開口幅の狭隘化と遮断具による遮断の2重の構成によって、自動車の進入を自制させることを特徴とする強行進入制止後遮断方式を採用したことを特徴とする門扉制御システム。
  5. 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
    陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
    自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、
    前記門扉本体と比較して軽量な補助門扉を備え、
    前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、
    前記補助門扉として、擬似門扉のスィング機構を備え、
    閉鎖完了時には移動体の挟み込み防止を図ることを特徴とする門扉制御システム。
  6. 津波及び/または高潮警報時に移動体が通過する陸閘の門扉の開閉を制御する門扉制御システムにおいて、
    陸閘を通行、避難する移動体の種類に応じて、それぞれの移動体が通過できる開口幅区分を通行帯と設定して、該通行帯を基本設計単位として、全ての道路幅構造に適用し、
    自動車が通行できる自動車通行帯の遮断では、
    前記門扉本体と比較して軽量な補助門扉を備え、
    前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、
    前記補助門扉に接触検知センサを備え、
    前記門扉本体の閉鎖制御に先行して前記補助門扉が閉鎖し、前記接触検知センサが移動体を検知することを特徴とする門扉制御システム。
  7. 請求項の門扉制御システムにおいて、
    前記接触検知センサが移動体を検知した際には、監視センタに検知信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。
  8. 請求項の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体検知回数が複数回連続する時は、前記移動体の後続進入を防止する信号を発報することを特徴とする門扉制御システム。
  9. 請求項の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体の後続進入を防止するために、後続移動体の隙間に門扉を差し込んで後続移動体の進入を拒むことを特徴とする門扉制御システム。
  10. 請求項の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体の後続進入を防止するために、後続自動車の進入禁止の警告を発報することを特徴とする門扉制御システム。
  11. 請求項1、4、5の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体を非接触で検知する非接触検知センサを備え、
    強行進入する前記移動体と前記門扉との接触・衝突防止を図ることを特徴とする門扉制御システム。
  12. 請求項11の門扉制御システムにおいて、
    前記非接触検知センサが前記移動体を検知した際に、門扉の開口を縮小させることを特徴とする門扉制御システム。
  13. 請求項5、の門扉制御システムにおいて、
    前記移動体を非接触で検知する非接触検知センサ、又は、
    前記移動体を接触で検知する接触検知センサから信号が送信された際には、監視センタに向けて介入要請信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。
  14. 請求項13の門扉制御システムにおいて、
    前記監視センタは門閉鎖指示信号を送信することを特徴とする門扉制御システム。
  15. 請求項7、13に記載の門扉制御システムにおいて、
    前記監視センタは監視し、遠隔監視画面を用いて門扉の操作を行うことを特徴とする門扉制御システム。
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