JP6625448B2 - 幕保持部材 - Google Patents
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Description
特に最近では、図10(B)へ示す上記の横断幕oを張った枠bを取り付けるための受け部となる治具aが当初よりコンビニエンスストアの建物c側へ設置されていることが珍しくない。
上記横断幕oを張った枠bは、当該治具aを利用して建物cへ取り付けられるものであり、上記治具aは、上下方向について建物cの出入り口c1の上方に設けられたものである。上記治具aは、上記枠bを取り付けた状態において、上記枠bの後方から枠bの上端b1及び下端b2を越えて枠bの前面側へ先端を配置する上下の鉤部a1,a2を備える。
治具aの上鉤部a1は、治具aと別体に形成されている。枠bを治具aの下鉤部a2の内側へ配置した後、治具aの上鉤部a1は、ネジa3にて治具aへ取り付けられて、上記の通り枠bの上端b1を越えて枠bの上部前面側へ位置するものとなる。上記上鉤部a1の治具aへの装着により、枠bは上記建物へ固定される。
このため上記治具aの設置の他それまでも、横断幕oの枠bへの取り付け・取り外しの手間やコストを低減しようと、種々の提案がなされている(特許文献1〜5)
特に、本願に添付の図10(A)(B)へ示すものも更に特許文献1〜4へ示すものも、横断幕を建物へ設置した後の横断幕交換の際には、横断幕oの張られた枠bをいちいち建物から下ろす即ち治具aから横断幕oを張った枠bを外したり(図10(B))、或いは高所での横断幕の交換を行うといった必要がある(特許文献1〜4)。
従って、上記何れの場合も、脚立を立てて作業を行う必要や2名以上で当該作業を行う必要があり、安全性や作業の習熟の必要性やその手間、人員に要するコストを無視できるものではないのである。
本発明は、上記枠への幕のセットをより簡単なものとして上記問題の解決を図る。
上記の広告等の表示というのは、広告は勿論、幕にて表示することが可能な他の内容のものも含む。例えば上記の広告等の表示には、講堂や会議室で催される集会について、集会を行う建物の出入り口にて集会の会場であることを示す表示を含むものである。
また本発明では、前記屈伸部材は、前記基体の左右の夫々に備えられ、前記左右の両屈伸部材は夫々、前記基体に対し先端側を下方へ屈した状態から回転にて先端側を左右横方向へ向けることにて前記幕保持部材を前記基体よりも左右に伸ばした状態とすることができ、前記左屈曲部材が前記第1保持部を備え、前記右屈曲部材が前記第2保持部を備える幕保持部材を提供できた。
更に本発明では、前記屈伸部材の基端は、ヒンジにて前記基体の前面へ軸止され、前記屈伸部材は前記回動により前記基体の前面に対し開閉することができ、前記屈伸部材の前記基端は、前記幕を張る方向に対し斜めに交差する斜辺であり、前記斜辺の一端は、前記屈伸部材を伸ばした状態において前記斜辺の他の一端よりも前記屈伸部材の先端側に位置し、前記屈伸部材は、閉じることにて前記基体に対し先端側を屈した状態にでき開くことにて前記先端側を伸ばすことができる幕保持部材を提供できた。
また更に本発明では、コンビニエンスストア等の店舗の建物に既設の幕保持部材の受け部を利用して、前記基体が前記建物へ取り付けられるものであり、前記受け部は、上下方向について前記建物の出入り口の上方に設けられたものであり、前記受け部は、前記基体の後方から前記基体の上端及び下端を越えて前記基体の前面側へ先端を配置する上下の鉤部を備えた治具であり、幕保持部材の正面視において、前記左屈伸部材の基部は右上から左下の方向へ斜めに伸びる斜辺でありヒンジを介して前記基体の前面へ固定され、前記右屈伸部材の基部は左上から右下の方向へ斜めに伸びる斜辺でありヒンジを介して前記基体の前面へ固定され、左右の両屈伸部材の先端側を閉じることにて左右の両屈伸部材の先端を上下方向について少なくとも前記出入り口の上縁よりも下方に配置させることができ、左右の前記屈伸部材と前記基体の少なくとも一方には、伸ばした状態に前記屈伸部材を留める留具が設けられた幕保持部材を提供できた。
上記のコンビニエンスストア等の店舗というのは、コンビニエンスストアを含む他、コンビニエンスストア以外の店舗を含む意である。例えば、上記のコンビニエンスストア等の店舗には、ファーストフード店やレストランを含む飲食店、ボーリング場やパチンコ店を含むゲームセンター、スーパーマーケット、映画館、浴場、スポーツジム、ガソリンスタンド、自動車販売店、自動車用品店、住宅展示場、ホームセンター、道の駅その他の商業施設、更には、総菜屋、菓子屋、弁当屋などの仕出しの店、スポーツ用品店、衣料品店、靴屋、袋物店、装飾品店、時計店などの身の回り品や文具店、書店などの各種販売店といった街頭の専門店の店舗や、コインランドリーの店舗、クリーニング店の店舗、携帯電話会社の店舗、保険会社の店舗、自動車会社の店舗、KIOSKその他の鉄道の駅構内や空港内の各種店舗も含む。
また、上記の屈伸部材を基体の左右の夫々に備えることによって、横断幕のセットに適した幕保持部材を提供できた。
更に上記屈伸部材について回動にて基体の前面に対し開閉することを可能とすることによって、当該開閉という、より簡便な動作にて確実に幕を張ることができる。
また更に上記幕保持部材を、コンビニエンスストア等の建物に既設の治具を利用して取り付けられるものとした。特に一旦当該治具へ幕保持部材を取り付けた後の、幕の交換作業については地上で行える簡単なものとした。従って従来の、コンビニエンスストアの軒先に脚立を立てて2人以上で幕の交換作業を行う必要性を本発明はなくした。幕交換のためた屈伸部材を屈する際には、大方の成人では手を伸ばしたり背伸びして上記留具を直接操作し、また小柄な者など手が届かない場合では留具を地上から長尺のフック(鉤棒)で引っ掛けて操作し、留具に留められていた屈伸部材の固定を解除すればよい。
ここでは、特にコンビニエンスストアの建物へ、商品広告やキャンペーンの表示を備えた幕を張るのに使用する幕保持部材について示す。勿論コンビニエンスストアの建物に使用することや幕の上記表示は単なる例示であり、他の建物に使用したり、商品広告やキャンペーン以外の表示を備えた幕を張るのに用いて実施することも可能である。
図1及び図8へ示す通り、この幕保持部材1は、基体2と、2つの屈伸部材3と、2つの保持部4と、2つの留具5と、2つの作動制御部6とを備える。この例は、図10(B)へ示すコンビニエンスストアの軒へ設けられた既設の治具aを利用して取り付ける幕保持部材1に関する。
各部の構成について具体的に説明する。
基体2は、コンビニエンスストアの軒に設けられた治具aへ着脱自在に取り付けることができる枠体である。
図1及び図3、図4へ示す通り、基体2は、横桟である上辺部21と下辺部22、更に縦桟である左辺部23と右辺部24とにて、矩形に象られた枠である。
上辺部21は、上桟として基体2の上部にて左右横方向へ伸びる棒材である。下辺部22は、下桟として基体2の下部にて左右横方向へ伸びる棒材である。左辺部23は縦桟即ち左側の立桟として基体2の左側にて上下に伸びる棒材である。右辺部24は右側の立桟として基体2の右側にて上下に伸びる棒材である。
また右辺部24の上端が上辺部21の右端寄りに設けられており、右辺部24の下端が下辺部22の右端に設けられている。特に右辺部24の上端部の前面が上辺部21の右端側の背面へ固定され、右辺部24の下端部の前面が下辺部22の右端側の背面へ固定されている。このため、右辺部24は、上辺部21と下辺部22の夫々に対して上辺部21と下辺部22の夫々の前後の厚み分、後方へ後退した位置に配置される。
上辺部21は下辺部22より長く、横方向について上辺部21は下辺部22よりも左右に突出する、突出端部21aを備える。突出端部21aには後述する閂鎹部55が設けられる。
左右横方向について、上辺部21へ固定される右中桟26の一端に対し下辺部22へ固定される右中桟26の他の一端は、右側へ位置する。即ち、右中桟26は正面視において左上から右下へ向け左右方向に対し斜めに伸びる。右中桟26は上辺部21に対して約45度の挟角をなすのが好ましい。
但し屈伸部材3の開閉を円滑に行えるものであれば、左右の中桟25.26のなす上記角度は何れも変更可能である。
また、左中桟25の下端は下辺部22の左端よりも右側へ間隔を開けて配置され、右中桟26の下端は下辺部22の右端よりも左側へ間隔を開けて配置される。
幕保持部材1の前後方向について、上辺部21及び下辺部22夫々の正面と、左中桟25の正面とは同じ位置にあり面一となるのが好ましい。
右中桟26の端面も上辺部21の下面へ固定され、右中桟26の下端面も下辺部22の上面へ固定されている。
幕保持部材1の前後方向について、上辺部21及び下辺部22夫々の正面と、右中桟26の正面とは同じ位置にあり面一となるのが好ましい。
また図10(B)へ示す既設の治具aへの取り付けを行う幕保持部材1の基体2上下の幅と前後の厚みは、上記下鉤部a2や上鉤部a1へ収まる大きさとする。
上辺部21、下辺部22、左辺部23、右辺部24、左中桟25及び右中桟26には、軽量化の観点からアルミニウムの角棒或いはチャンネル材やL字型鋼といったアングル材などの断面L字型の長尺部材を用いるのが好ましい。但しスチールその他のアルミニウム以外の金属や合成樹脂、木材などの他の素材にて、基体1の上記各部を構成するものとしてもよい。
上記基体2の前面には、左右2つの屈伸部材3が設けられている。
屈伸部材3は、その基端側が基体2へ軸止されて基体2に対し回動することができる枠体である。当該回動にて、屈伸部材3は先端側を基体2に対し屈伸することができるものであり、両屈伸部材3は上記回動により基体2の前面に対し開閉することができる。
詳しくは、図1(B)(E)及び図3(A)(B)へ示す通り、各屈伸部材3は、基端となる基辺部31と、一端が基辺部31へ設けられた長辺部32と、一端が基辺部31へ設けられた短辺部33と、先端となる挟持部34とを備えた枠体である。
図1(B)及び図3(A)、図4(A)へ示す通り、この例では、左側の屈伸部材3(特許請求の範囲の左屈伸部材に包含される。)の基辺部31は、ヒンジ35により基体1の上記左中桟25へ軸止され左中桟25に沿って斜めに配置される。また、右側の屈伸部材3(特許請求の範囲の右屈伸部材に包含される。)の基辺部31は、ヒンジ35により基体1の上記右中桟26へ軸止され右中桟26に沿って斜めに配置される。即ち、基辺部31は、後述の幕oを張る方向に対し斜めに交差する斜辺であり、図1(B)へ示す通り、当該斜辺の下端は、屈伸部材3を伸ばした状態において前記斜辺の上端よりも屈伸部材3の先端側に位置するものである。
左側の屈伸部材3の基辺部31は、ヒンジ35(左側ヒンジ35)にて基体2の左中桟25へ上記の通り回動自在に軸止されて基体2の前面に対し屈伸部材3を開閉できる。また、右側の屈伸部材3の基端側31は、上記左側ヒンジ35とは別のヒンジ35(右側ヒンジ35)にて基体2の右中桟26へ上記の通り回動自在に軸止されて基体2の前面に対し屈伸部材3を開閉できる。ヒンジ35はこの例では蝶番であり、左右の中桟25,26へ2個づつ設けられているが、当該2個に限定するものではなく、左右夫々3個以上でも実施できるし、ピアノの鍵盤の蓋に用いられる蝶番に類する、長尺の蝶番であれば左右1個づつでも実施できる。
図1(E)及び図3(B)、図4(B)へ示す通り屈した状態にて両屈伸部材3は先端側を下方に向け、伸ばされることにて両屈伸部材3は先端側を左右に横方向に向け基体2の左右を延伸した状態とする。
屈伸部材3を伸ばしたとき、左右の屈伸部材3の基辺部31の前面が幕保持部材1の前後方向について、上辺部21及び下辺部22の前面とほぼ同じ位置に配置される。当該配置に限定するものではないが、当該配置にて幕を張った際に幕に段差が生じるのを回避することができる。
両挟み部34bの先端間に上記保持部4が配置され、保持部4は両挟み部34bへ回動自在に軸止されている。
屈伸部材3の各部材はアルミニウム製の角材又はチャンネル材やL字型鋼といったアングル材などの断面L字型の長尺部材を採用することができる。またスチールその他のアルミニウム以外の金属や合成樹脂、木材などの他の素材にて、屈伸部材3の上記各部を構成するものとしてもよい。但し、屈伸部材3は可動部として屈伸させるので軽量なアルミニウム製とするのが好ましい。
屈伸部材3の挟持部34に、上記の通り保持部4が設けられている。
以下必要に応じて、基体2前面にて、左側に配置される屈伸部材3の挟持部34が挟持する保持部4を第1保持部4aと呼び、右側に配置される屈伸部材3の挟持部34が挟持する保持部4を第2保持部4bと呼ぶ。
各保持部4は、図7の各図へ示す通り、取付部41と、付勢部43とを備える。
付勢部43はバネ等の弾性部材である。この例では、図1(B)(E)及び図3(A)(B)へ示す通り、第1保持部4a及び第2保持部4bの双方が上記付勢部43を備える。付勢部43は、取付部41の向きを一定とするように付勢できるものであれば、バネ以外の弾性部材を採用して実施できる。この例では、付勢部43には、引きバネを採用する。
上述の通り取付部41の両端が挟持部34の挟み部34bの夫々に軸止され、取付部41は挟み部34bに対し回動自在である。上記の通り付勢部43は引きバネであり、付勢部43の一端が挟持部34の掌部34aに固定され付勢部43の他の一端には掛け具44が設けられる。図7(A)へ示す通り、掛け具44の基端側には上記付勢部43の他の一端が取り付けられており、掛け具44の先端側には、挿入係止部45が設けられている。掛け具44の基端側に付勢部43である引きバネの自由端が引っ掛けられているのである。
アンカー状の挿入係止部45のT字の横部分即ち上記シャフト部分45aと交差する部分は、前記アンカーの一対の引っ掛かり部分45b,45cとして縦部分であるシャフト部分45aの先端から夫々横方向へ突出する。
上記図7(A)へ示す状態において、上記溝41aの内部で上記窪み41bは溝41aの上記開口部分の上側に位置する。また掛け具44のなす上記L字の内側方向へ一方の引っ掛かり部分45bが突出する(以下、支点部45bと呼ぶ)。
上記の通り軸止された取付部41と付勢部43とを設けておけば、幕oの寸法に若干の誤差があったとしても、屈伸部材3を伸ばすことにて幕oへテンションが掛った際、取付部41が向きを修正し当該誤差を吸収することができる。即ち、上記の取付部41と付勢部43とが、張られる幕oのアジャスタとして機能する。
上記の図1〜図4、図7及び図8へ示す例では、第1保持部4aと第2保持部4bの双方が付勢部43を備えるものとした。この他第1保持部4aと第2保持部4bのうち一方の保持部4のみが付勢部43を備えるものとし、他方の保持部4は、付勢部43を備えないものとしてもよい。一方の保持部4のみが付勢部43を備える場合、付勢部43を備えない他方の保持部4については、例えば、挟み部34bに対し取付部41を回動しないように固定し、更に幕oを取付部41から脱落させないための固定具を設けておくものとすればよい。
図1(B)(E)へ示す通り、この例では留具5は、閂部51と、閂持部52と、シャフト53と、把持部54と、閂鎹部55とを備える。この例では閂部51は、各屈伸部材3の長辺部32へ固定された閂持部52から出没する突起である。当該出没により、閂部51は、長辺部32から短辺部33と反対の方向へ向けて出没するのである。シャフト53はその一端が閂部51に連結され、他の一端が把持部54へ連結されている。この例では把持部54は、環状の部材である。尚56はシャフト53を通すブッシュを示している。
閂鎹部55は、基体2の上辺部21の突出端部21aの下面に設けられている。閂鎹部55は、閂部51を受容する受容部である。
閂部51は閂持部52に設けられたバネなどの弾性部材(図示しない。)にて閂持部52から突出する方向に付勢されている。上記弾性部材の付勢に抗して把持部54を引きシャフト53を後退させて閂部51を没せしめることができる。
図8(A)へ示す通り、作業者は、第1保持部4の取付部41へ幕oを取り付け、左右の屈伸部材3を、図8(B)へ示す通り順次伸ばして基体2の左右長手方向へ添わせる。上記にて図8(B)へ示す通り、幕oを治具aに嵌められている基体3の前面へ張ることができる。
尚、上記屈伸部材3を伸ばす際に作業者の手が届かない場合、図8(A)(B)へ示す長尺で先端に鉤状部分を備えた鉤棒であるフックfにて、上記把持部54を引っ掛けた状態に把持し、屈伸部材3を伸ばせばよい。
屈伸部材3の上記幕張りの動作は、幕oを省略して見せると、図1(E)の状態から図1(B)へ示す状態へ移行させるものである。
幕oを交換する際は、指或いは上記フックfを把持部54へ掛けて引き、閂部51を後退させて閂鎹部55から閂部51を外す。そして、上記と逆に屈伸部材3を図8(B)へ示す状態から図8(A)の屈した状態に戻す。図8(A)へ示す屈伸部材3が屈伸して保持部4を下方へ移行させることによって地上で幕oの付け替え作業が行えるのである。
作動制御部6は、この例では、屈伸部材3の急激な屈伸を回避する緩衝手段として設けられている。具体的には、作動制御部6は、ダンパーを備えるものであり、図2(B)(D)、図3〜図6へ示す通り基体2の上辺部21へ軸止されたシリンダ部61と、シリンダ部61から出没するピストン部62と、ピストン部62の先端側へその基端側が軸止された第1リンク部材63と、第1リンク部材63の先端側へその基端側が軸止され且つその先端側が屈伸部材3の基辺部32へ軸止された第2リンク部材64と、その基端側の夫々が左右の中桟25,26へ設けられたガイド部65とを備える。ガイド部65は、ピストン部62の先端と当接してピストン部62の先端を案内するガイド面65aを備える。ガイド面65aは、中桟25,26の長手方向に対して斜めに伸びる傾斜面である。ピストン部62は気体圧にてピストン部62の急激な動きを緩和するエアシリンダである。但し、ピストン部62は気体圧に限らず油圧など液体圧を利用して作動するものであってもよい。
図5(A)は図8(B)(図1(B))へ示す屈伸部材3を伸ばした状態のときの作動制御部6を示している。図5(A)へ示す通り、ピストン部62に対し第1リンク部材63はくの字に折れた状態となっており更に第2リンク部材64と第1リンク部材63同士もくの字に折れた状態となっている。図5(A)へ示す通りこのとき、ピストン部62の先端は、ガイド部65の上記ガイド面65aへ当接してガイド部65の先端寄りに位置する。
更に屈伸部材3の屈する方向への回転が進行すると、図5(C)へ示す通り、第2リンク部材64に対し第1リンク部材63が直線状態を経て上記と逆方向へ山をなすくの字となるよう折れ始める。このとき図5(C)へ示す通り、ピストン部62先端は再びガイド面65aへ当接する。ピストン部62先端が再びガイド面65aへ当接することにてピストン部62が伸び切らないようにピストン部62の可動範囲が規制され円滑な屈伸部材3の回転が可能となる。
そして図6(C)へ示す通り屈伸部材3の屈する方向への回転が完了し屈伸部材3が完全に屈した状態になり、屈伸部材3の長辺部32と短辺部33とが基体2の下辺部22前面と対面し当該下辺部22と交差する(図1(E)及び図8(A))。
具体的には、上記治具aの左右の下鉤部a2間の一般的な間隔1650mmに対して、図1(B)へ示す下辺部22の左右の幅t1は約2230mmである。また、下鉤部a2と同様左右の上鉤部a1間の一般的な間隔1650mmに対して、上辺部21の左右の幅t2は約2350mmである。基体2の縦幅t3は約400mmである。各掌部34aの幅t4は約406mmである。屈伸部材3を伸ばした状態において図1(B)へ示す通り、幕保持部材1の最大縦幅t5は、約431mmである。
挟み部34bの基端から先端の幅t6は約160mmであり、左右の屈伸部材3を伸ばした幕保持部材1の左右の幅(最大幅)は、2700mmである。
但し幕保持部材1の上記各寸法は単なる例示であり、適宜変更可能である。
建物への幕保持部材1の取り付けは、図10(B)へ示す従来のものと同様である。
即ち、基体2は、コンビニエンスストアの建物cに既設の治具a(図10(B)及び図8)を利用して、幕保持部材1が交換可能に建物cへ取り付ける。このとき基体2の治具aへの取り付けは脚立を用いて行えばよい。
幕保持部材1の受け部となる上記治具aは、上下方向について建物cの出入り口c1(図10)の上方に設けられたものである。治具aは、基体1を取り付けた状態において基体1の後方から基体1の上端及び下端を越えて基体1の前面側へ先端を配置する上下の鉤部a1,a2を備える。建造物への幕保持部材1の取り付けに際しては、事前に幕oを幕保持部材1へセットして行うこともできるし、幕oのセット前の幕保持部材1を治具aへ取り付けてから、幕保持部材1へ幕oをセットすることもできる。
幕保持部材1を治具aへ取り付けた後幕oをセットする場合や、使用開始後既にセットしてある幕oを交換する場合、図8(A)へ示す通り、各屈伸部材3を屈した状態にして、幕oを保持部4へ保持させ或いは既に取り付けられている幕oを交換すればよい。この幕oの基体2への取り付け作業は地上で行え脚立は不要である。
屈伸部材3を屈した状態にして、第1保持部4aにて幕oの一端を保持させ第2保持部4bにて幕oの他の一端を保持させ、作業者は手で或いは前述のフックfを利用して両屈伸部材3先端側を屈した状態から伸ばすことにより、基体2に対し幕oを張った状態にセットすることができる。留具5の閂部51は斜面51aの案内にて後退した後閂鎹部55へ円滑に受容されて屈伸部材3を伸ばした状態に固定する。
幕oの交換時は前述の通り手で或いはフックfにより把持部54を引き下げ閂鎹部55から閂部51を外し、屈伸部材3の先端側を基体2の前面から下方へ下げればよい。尚上述のフックfはシャッタの開閉などに用いるものを利用することができる。
上記幕oは、コンビニエンスストア店舗入口上部へ位置する「店頭幕」と呼ばれるものであり、特にキャンペーンの告知などを行うメディアである(図10(A))。
上記幕oの素材は布で、これまで店頭幕用の矩形の枠に周囲の四辺からテンションを掛けて張っていた。
店頭幕の交換作業は従業員が脚立に乗って、店頭幕取り付け用の上述の治具aへ上下の鉤部a1,a2にて取り付けられている店頭幕を、当該幕を張っている上記枠ごと外し、店頭から降ろしたうえで幕の交換作業が行われていた。
現状の作業に必要な人員は最低2名であり、交換作業も10〜20分は要するものであり、交換作業は人員の頭数と時間を必要とするものであった。
従って、本発明は、安全で迅速な幕の交換を実現したのである。
そして、本発明において、店頭幕(幕o)へのテンションを負荷する方法は、上記の周囲四辺を引っ張るのではなく、上記サイドフレームの左右両端のみにてテンションを負荷するものした。そして本発明では、店頭幕を交換した後サイドフレームを展開する即ち屈伸部材3を伸ばすことにより店頭幕へテンションを自動的に掛けることができる構造を実現したのである。
上記において基体2は枠体としたが、一枚の矩形の板状体としてもよい。また、屈伸部材3についても上記の枠体とする他、矩形特に台形の輪郭を有する板状体としてもよい。
屈伸部材3は、基体2前面の左右夫々に設けられるものとした。この他、コンビニエンスストア店頭の横断幕の取り付け以外の場合などでは、屈伸部材3は左右の一方にのみ設けられるものとしても実施できる。例えば右側の屈伸部材3を備えないものとし基体2の右辺部24に第2保持部4bを備えるものとしたり、左側の屈伸部材3を備えないものとし基体2の左辺部23に第1保持部4aを備えるものとしても実施できる。
屈伸部材3はその長手方向について2箇所以上のヒンジ部を備え、複数のヒンジ部を中心とする回動即ち複数の間接の回動にて屈伸するものとしても実施できる。
また、屈伸部材3は、屈伸部材3の屈伸により上下に伸縮するものとし、縦長の幕を上下に張るものとしても実施できる。
保持部4は上記例に限定するものではなく、幕oの端部を幕保持部材1へ着脱自在に留めることができれば、他の形態を採用することも可能である。
ここで保持部4についての一変更例を示す。図9(A)へ示す通り、この変更例では、第1及び第2の各保持部4は、取付部41と、取付部41とは別体に形成された固定具42とを備える。付勢部43は、第1保持部4aと第2保持部4bの何れか一方にのみ設けるものとする。但し、図7に示す例と同様、第1保持部4aと第2保持部4bの双方へ付勢部43を設けるものとしてもよい。
この図9へ示す例では、棒状の取付部41の外周には長手方向に沿って複数の溝41aが形成されている。各溝41aは等間隔の間隔を開けて形成されている。この例においても棒状の取付部41の長手方向と交差する方向の断面視において、溝41aは開口部分よりも奥が広くなっている。取付部41の両端が挟持部34の挟み部34bの夫々に軸止され、取付部41は挟み部34bに対し回動自在である。上記付勢部43は引きバネであり、付勢部43の一端が挟持部34の掌部34aに固定され付勢部43の他の一端が取付部41へ固定されている。具体的には付勢部43の上記他の一端は、図7へ示す例と異なり取付部41の溝41aの一つへ外れないように固定されているのである。回動自在に軸止されている取付部41ではあっても、外周面に力が加えられない限り、付勢部43の付勢にて掌部34aに対する取付部41の外周面の向きを一定とする。
図9(B)へ示す通り、幕oを張る者は、先ず付勢部43の上記付勢に抗し取付部41を掴んで回転させることにて上記向きを変えた状態にし、上記溝41aの1つへセットする幕oの一端を収容する。取付部41の向きを変えたまま、上記固定具42を幕oの上から取付部41へ嵌める。取付部41と固定具42の間へ幕oを挟むのである。掴んでいた取付部41を離すと、図9(C)へ示す通り、付勢部43の付勢にて取付部41の向きは元の状態に戻る。溝41aへ幕oの一端を収容して固定具42を取り付ける作業が円滑に行えるものであれば、取付部41の向きを図9(B)のように変える必要はなく、図9(A)の状態のまま上記作業を行えばよい。
固定具42は、棒状である取付部41の長手方向の複数個所へ取り付ける。但し、固定具42を取付部41の長手方向の幅に対応する長さを備えた断面C字の筒状に形成することにより、1つの固定具42で1本の取付部41へ対応するものとしてもよい。
図8(A)へ示す通り、付勢部43を備えない第1保持部4a側は、幕oの重みで取付部41の向きは定まり、屈伸部材3を伸ばして基体2へ幕oを張った際には、幕oの張力や第2保持部4bの上記付勢部43にて第1保持部4aの取付部41の向きは定まる。
上記の作動制御部6としてダンパー以外の周知の緩衝手段を採用して実施することができる。また上記緩衝手段に限定するものではなく、作動制御部6として、バネなどの付勢部材を採用することができる。例えば、当該付勢部材は基体2と屈伸部材3とに架け渡されたものとし、当該付勢部材は、屈伸部材3の先端側を屈したときには屈した状態を維持するように屈伸部材3を付勢し、当該付勢に抗して回転により屈伸部材3の先端側を伸ばしたときには当該伸ばした状態を維持するように屈伸部材3を付勢するものとすればよい。
幕保持部材1は、作動制御部6を備えるのが望ましいが、作動制御部6を備えずに実施することもできる。
幕保持部材1をコンビニエンスストアにて利用する場合も、上記既設の治具を利用するものに限定しない。
また、図10(B)へ示す治具aについても、当該図へ示すように上鉤部a1を取り外しておくのではなく、当初より治具aへ固定し或いは下鉤部a2と同様治具aと一体になったものとし、上鉤部a1の内側へ基体1上端側即ち上辺部21を差し込んだ状態において、基体2を持ち上げて下鉤部a2を乗り越えることにより、下鉤部a2の内側への基体1の下端側即ち下辺部22を収容するものとしてもよい。
更には、図示した例と異なり一旦治具aへ取り付けた後の基体2は、幕oの交換のみ可能とし治具aから取り外せないものとしても実施できる。
2 基体
3 屈伸部材
4 保持部
4a 第1保持部
4b 第2保持部
5 留具
6 作動制御部
21 (基体2の)上辺部
21a (基体2の)突出端部
22 (基体2の)下辺部
23 (基体2の)左辺部
24 (基体2の)右辺部
25 (基体2の)左中桟
26 (基体2の)右中桟
31 (屈伸部材3の)基辺部
32 (屈伸部材3の)長辺部
33 (屈伸部材3の)短辺部
34 (屈伸部材3の)挟持部
34a (挟持部34の)掌部
34b (挟持部34の)挟み部
35 ヒンジ
41 (保持部4の)取付部
41a (取付部41の)溝
41b (溝41a内の)窪み
42 (保持部4の)固定具
43 (取付部41の)付勢部
44 掛け具
45 挿入係止部
45a (挿入係止部45の)シャフト部分
45b (挿入係止部45の)引っ掛かり部分(支点部)
45c (挿入係止部45の)引っ掛かり部分
51 (留具5の)閂部
51a 斜面
52 (留具5の)閂持部
53 (留具5の)シャフト
54 (留具5の)把持部
55 (留具5の)閂鎹部
56 ブッシュ
61 (作動制御部6の)シリンダ部
62 (作動制御部6の)ピストン部
63 (作動制御部6の)第1リンク部材
64 (作動制御部6の)第2リンク部材
65 (作動制御部6の)ガイド部
65a (ガイド部65の)ガイド面
a 治具(受け部)
a1 上鉤部
a2 下鉤部
b (従来の)枠
c 建物
c1 出入り口
f フック
o 横断幕
Claims (4)
- 広告等の表示を備えた幕について、当該幕を張った状態に建物等の建造物へ取り付ける幕保持部材であって、
前記建造物へ取り付けられる基体と、基端側が前記基体へ軸止されて前記基体に対し回動することができる屈伸部材とを備え、
前記屈伸部材は、前記回動にて先端側を前記基体に対し屈伸できるものであり、
前記幕が張られる前記基体の前面を正面として、屈伸部材の前記屈伸は、前記屈伸部材を前記基体の前面に対し開閉するものであり、屈伸部材の前記屈伸により前記基体の正面視において前記基体に対する屈伸部材の前記先端側の向きを変えることができ、
前記幕保持部材は、前記幕の一端を保持する第1保持部を備え、
前記屈伸部材は、先端側に前記幕の他の一端を保持する第2保持部を備え、
前記第2保持部にて前記幕を保持した前記屈伸部材について、前記先端側を屈した状態から伸ばすことにて、前記基体に対し前記幕を、張った状態にセットすることができるものであり、
前記屈伸部材の基端は、ヒンジにて前記基体の前面へ軸止され、前記屈伸部材は前記回動により前記基体の前面に対し開閉することができ、
前記屈伸部材の前記基端は、前記幕を張る方向に対し斜めに交差する斜辺であり、
前記斜辺の一端は、前記屈伸部材を伸ばした状態において前記斜辺の他の一端よりも前記屈伸部材の先端側に位置し、
前記屈伸部材は、閉じることにて前記基体に対し先端側を屈した状態にでき開くことにて前記先端側を伸ばすことができる幕保持部材。
- 広告等の表示を備えた幕について、当該幕を張った状態に建物等の建造物へ取り付ける幕保持部材であって、
前記建造物へ取り付けられる基体と、基端側が前記基体へ軸止されて前記基体に対し回動することができる屈伸部材とを備え、
前記屈伸部材は、前記回動にて先端側を前記基体に対し屈伸できるものであり、
前記幕保持部材は、前記幕の一端を保持する第1保持部を備え、
前記屈伸部材は、先端側に前記幕の他の一端を保持する第2保持部を備え、
前記第2保持部にて前記幕を保持した前記屈伸部材について、前記先端側を屈した状態から伸ばすことにて、前記基体に対し前記幕を、張った状態にセットすることができ、
前記幕が張られる前記基体の前面を正面として、屈伸部材の前記屈伸は、前記屈伸部材を前記基体の前面に対し開閉するか或いは前記基体の前面に沿って前記屈伸部材を回転させるものであり、屈伸部材の前記屈伸により前記基体の正面視において前記基体に対する屈伸部材の前記先端側の向きを変えることができ、
前記幕が張られる前記基体の前面を幕保持部材の正面として、前記屈伸部材を伸ばすことにより、前記幕を張る方向に対する正面視した幕保持部材全体の幅を大きくするものである幕保持部材。
- 前記屈伸部材は、前記基体の左右の夫々に備えられ、
前記左右の両屈伸部材は夫々、前記基体に対し先端側を下方へ屈した状態から回転にて先端側を左右横方向へ向けることにて前記幕保持部材を前記基体よりも左右に伸ばした状態とすることができ、
基体の前記左側の屈伸部材が前記第1保持部を備え、基体の前記右側の屈伸部材が前記第2保持部を備える請求項1又は2に記載の幕保持部材。
- コンビニエンスストア等の店舗の建物に既設の幕保持部材の受け部を利用して前記基体が前記建物へ取り付けられるものであり、前記受け部は、上下方向について前記建物の出入り口の上方に設けられたものであり、
前記受け部は、前記基体の後方から前記基体の上端及び下端を越えて前記基体の前面側へ先端を配置する上下の鉤部を備えた治具であり、
幕保持部材の正面視において、前記左屈伸部材の基部は右上から左下の方向へ斜めに伸びる斜辺でありヒンジを介して前記基体の前面へ固定され、前記右屈伸部材の基部は左上から右下の方向へ斜めに伸びる斜辺でありヒンジを介して前記基体の前面へ固定され、
左右の両屈伸部材の先端側を閉じることにて左右の両屈伸部材の先端を上下方向について少なくとも前記出入り口の上縁よりも下方に配置させることができ、
左右の前記屈伸部材と、前記基体の少なくとも一方には、伸ばした状態に前記屈伸部材を留める留具が設けられた請求項3に記載の幕保持部材。
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