JP6624127B2 - 表面改質装置および表面改質方法、ならびに金属材の製造方法 - Google Patents

表面改質装置および表面改質方法、ならびに金属材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属素材の表面性状を改質する表面改質装置および表面改質方法、ならびに金属材の製造方法に関する。
従来、摩擦熱を利用して金属材の表面を改質する技術が知られている。例えば、特許文献1には、材料に垂直な軸で摩擦攪拌工具を回転させて、工具先端と材料との摩擦熱で材料表面を軟化させ、金属材料の塑性流動温度に達したところで材料表面上を移動させることで、工具が材料表面を摩擦撹拌させる技術が記載されている。また、特許文献2には、材料に垂直な軸を持つ摩擦撹拌工具を板幅方向にシフトして、加工面を重なり合わせながら平面全体を摩擦撹拌させる技術が記載されている。
特開平10−183316号公報 特表2016−516583号公報
しかしながら、特許文献1のように、材料に垂直な軸で工具を回転させる場合は、材料と摩擦撹拌工具の先端との接触面が小さいので、大面積を処理する場合には能率が低い。また、大面積を処理するため、工具径を大きくするほど、回転軸の中心と外周で周速に速度差が生じ、特に中心は周速がゼロとなるため、塑性流動が直径の外周側と内周側で異なることにより表面改質の品質が不均一となる。また、摩擦撹拌工具の先端の直径が材料の幅よりも狭い場合は、特許文献2のように、材料の幅方向へシフトしながら繰り返し往復させる必要があるため、板全面を短時間では処理できず、隣接する往復パス間の段差や処理ムラなどの品質低下も生じる。
したがって、本発明は、金属材の表面を能率良く均一に改質することができる技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の(1)〜(16)を提供する。
(1)金属素材の表面性状を改質する表面改質装置であって、
金属素材の表面に平行に配置される回転軸と、
前記回転軸で回転され、かつその表面が前記金属素材に接触される摩擦攪拌工具と
を有し、
前記摩擦攪拌工具は、その周面が前記金属素材の表面部分に接触した状態で回転され、その際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分が摩擦攪拌されて塑性流動し、前記金属素材の表面に改質層が形成されることを特徴とする表面改質装置。
(2)前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする(1)に記載の表面改質装置。
(3)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側に設けられた、前記摩擦攪拌工具を加熱する加熱手段をさらに有することを特徴とする(1)または(2)に記載の表面改質装置。
(4)前記加熱手段は、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように設けられた摩擦板を有し、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱し、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(3)に記載の表面改質装置。
(5)前記加熱手段は、前記摩擦板を前記摩擦攪拌工具に押圧する押圧部材をさらに有することを特徴とする(4)に記載の表面改質装置。
(6)前記加熱手段は、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態で設けられたヒータまたはバーナを有することを特徴とする(3)に記載の表面改質装置。
(7)金属素材の表面性状を改質する表面改質方法であって、
金属素材の表面に平行に回転軸を配置し、前記回転軸で摩擦攪拌工具を回転させるとともに、前記摩擦攪拌工具の周面を前記金属素材の表面部分に接触した状態とし、その際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌させて塑性流動させ、前記金属素材の表面に改質層を形成することを特徴とする表面改質方法。
(8)前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする(7)に記載の表面改質方法。
(9)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側で前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(7)または(8)に記載の表面改質方法。
(10)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように摩擦板を設け、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱させ、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(9)に記載の表面改質方法。
(11)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態でヒータまたはバーナを設けて前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(9)に記載の表面改質方法。
(12)金属素材の表面に平行に回転軸を配置し、前記回転軸で摩擦攪拌工具を回転させるとともに、前記摩擦攪拌工具の周面を前記金属素材の表面部分に接触した状態とし、その際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌させて塑性流動させ、前記金属素材の表面に改質層を形成し、表面に改質層が形成された金属材を製造することを特徴とする金属材の製造方法。
(13)前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする(12)に記載の金属材の製造方法。
(14)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側で前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(12)または(13)に記載の金属材の製造方法。
(15)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように摩擦板を設け、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱させ、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(14)に記載の金属材の製造方法。
(16)前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態でヒータまたはバーナを設けて前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする(15)に記載の金属材の製造方法。
本発明によれば、摩擦攪拌工具を回転した状態で金属素材に接触させ、その際の摩擦熱により摩擦攪拌して塑性流動させて表面に改質層を形成するので、幅方向に均一に表面改質処理を行うことができるとともに、摩擦攪拌工具の幅の分を一度に改質でき能率が良い。また、金属素材と摩擦攪拌工具とを相対移動させることにより、連続的に処理することができるので、長く大面積の金属素材に対し極めて能率良くかつ均一に表面改質処理を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す断面図である。 本発明の実施例の効果を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る金属材の表面改質装置を示す斜視図、図2はその断面図である。
本実施形態の表面改質装置1は、表面を改質するための金属素材10の表面に略平行な回転軸2と、回転軸2で回転される摩擦攪拌工具3とを有している。回転軸2は構造体4(図2)に支持されており、金属素材10は下ロール5(図2)に支持され、矢印A方向に送ることが可能となっている。
摩擦攪拌工具3は、その周面が金属素材10の表面部分に接触した状態で回転され、その際の摩擦熱で金属素材10の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させて金属素材10の表面に表面改質層11を形成する。これにより、表面改質層を有する金属材が製造される。摩擦攪拌工具3は位置決め装置(図示せず)により座標制御を行えるようになっている。
金属素材10としては、摩擦熱により摩擦攪拌され塑性流動を生じる金属であればよく、特に限定されないが、鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等を挙げることができる。塑性流動を生じる温度は、金属素材の融点より30%程度低い温度である。
摩擦攪拌工具3としては図示するようにロール状のものが好ましく、その表面が所定の接触幅Wで金属素材10に接触し、金属素材が押圧され、摩擦熱による摩擦攪拌が生じる。摩擦攪拌工具3としては、例えば超硬(タングステンカーバイド(WC))やセラミックス等の硬度が高い材料を用いることが好ましい。
表面改質層11は、金属素材10の表面が摩擦攪拌により塑性流動した後、冷却固化して形成され、耐食性、耐摩耗性、靱性、強度、耐食性、および疲れ強さ等のいずれかの特性が向上する。また、表面改質層11は、金属素材10の重量をほとんど変化させることなく特性の向上を図ることができる。
表面改質層11の厚さは、摩擦攪拌工具3の金属素材10への押し込み深さで決定され、1〜5mm程度であることが好ましい。これよりも薄い場合は特性向上効果が得難く、これよりも厚い厚さは製造上の困難性をともない、また特性向上効果も飽和する。
摩擦攪拌の際の摩擦攪拌工具3の周速は、小さすぎると摩擦攪拌が生じず、高すぎると素材の飛散が生じるため、金属素材によって異なるが、20〜100m/minの範囲であることが好ましい。
なお、このように表面を摩擦攪拌することにより、金属素材10の表面に疵などがある場合に、塑性流動させることで疵を無害化することができる。
また、本例では、金属素材10の幅より摩擦攪拌工具3の幅を長くして、圧延ロールのように金属素材10に接触させながら矢印A方向に送るので、長い材料でも能率良くかつ均一に表面改質層を形成することができる。
この場合、送り機構は、圧延装置のようにロールにより金属素材10を搬送するものであってもよいし、表面改質装置1が金属素材10の送り機構を有していてもよい。また、金属素材10を送るのでなく、摩擦攪拌工具3を送り機構により送ってもよい。つまり、金属素材10と摩擦攪拌工具3とが相対的に移動されればよい。
本例のように、摩擦攪拌工具3を圧延ロールのように金属素材10の幅よりも広くする場合、金属素材10の幅が一定以上広いと、摩擦攪拌工具3の長さが長くなり、相対的に細くなるため、強度上の問題が生じるおそれがある。摩擦攪拌工具3を長くする必要がある場合、特に摩擦攪拌工具3の長さLと直径Dの比率L/Dが5以上では曲げによる影響が大きいため、摩擦攪拌工具が曲がらないように、押圧部材を用いることが好ましい。また、摩擦攪拌工具3の径が大きい場合は、回転させるための駆動トルクが増大するなどの設備的な制約も生じる。このため、最適な装置設計をすることが好ましい。
回転している摩擦攪拌工具3が金属素材10と接触しているのは、下面側の一部の金属素材幅方向の帯状部分だけであるため、金属素材10と接触していない摩擦攪拌工具3の上面側は冷えてしまい摩擦攪拌に必要な温度を維持することが困難となるため、摩擦攪拌工具3を加熱する加熱手段を設けることが好ましい。
図1および図2の例では、加熱手段として摩擦攪拌工具3の金属素材10と接触している面と反対側の円筒面に接触するように設けられた半円筒形の摩擦板6が設けられている。摩擦板6は摩擦攪拌工具3に押し付けられて摩擦により発熱し、摩擦攪拌工具3を加熱する。摩擦板6は、金属素材10に直接接する耐摩耗性を有する内側板6aと、その外側に形状を保持するための剛性を有する外側板6bとを有する。これにより摩擦熱により摩擦攪拌工具3を加熱することができる。
図3および図4に示すように、摩擦板6は押圧部材7により摩擦攪拌工具3に押し付けることが好ましい。本例では、回転軸2を支持する構造体4を摩擦攪拌工具3の上方に伸ばし、構造体4の延ばした部分に支持されるように押圧部材7を設けている。押圧部材7により摩擦板6を摩擦攪拌工具3に押し付ける際には、シリンダ機構等を設けて荷重制御を行う手法や、押圧部材7にボールねじ等を設けて位置制御を行う手法をとることが好ましい。
このような押圧部材7の押圧力を、摩擦攪拌工具3を金属素材10に押し付ける力として用いてもよい。これにより金属素材10の幅方向に材料の形状を矯正する作用を生じる。また、押圧部材7を摩擦攪拌工具3が長い場合に摩擦攪拌工具が曲がらないように用いる押圧部材として用いてもよい。
摩擦攪拌工具3の加熱手段としては、図5に示すように、摩擦攪拌工具3の金属素材10と接触している面と反対側の円筒面の上方に半円筒形状の非接触状態でヒータ21を設けてもよい。本例では、ヒータ21は、摩擦攪拌工具3の上部を覆うように半円筒状をなす断熱材からなるカバー22の内側に設けられ、加熱器23を構成している。ヒータの代わりにバーナを設けて非接触加熱を行ってもよい。このような非接触加熱の場合は、摩擦板6が不要であり、摩擦板6を押圧する押圧部材7も不要である。加熱器23は昇降部材24により昇降される。このような昇降部材24は加熱器23と摩擦攪拌工具3との間の距離を調整するために設けることが好ましい。このような非接触加熱による加熱手段を設けることにより、摩擦攪拌の開始前に摩擦攪拌工具3を予熱しておくことができる。
また、金属素材10を加熱しながら摩擦攪拌による表面改質を行ってもよい。これにより、金属素材10の温度をより早く塑性流動が生じる温度まで到達させることができる。このときの加熱温度は、組織が粗大化しないように再結晶が生じる温度よりも100℃以上低いことが好ましい。
加熱手段により摩擦攪拌工具3を加熱する際には、金属素材10が塑性流動する温度まで加熱できることが好ましい。例えば鋼材の場合は、塑性流動する温度が800〜1000℃程度であるから、加熱せず摩擦攪拌工具3が500〜700℃の温度に低下する場合は300℃程度加熱すればよい。
摩擦攪拌工具3を効率良く加熱するためには、加熱手段の外側に保温カバーを設けて熱が逃げないようにすることが好ましい。
このように構成される表面改質装置1においては、金属素材10の表面に略平行な回転軸2と、回転軸2で回転される好ましくはロール状の摩擦攪拌工具3とを有し、摩擦攪拌工具3を回転した状態で金属素材10に接触させ、その際の摩擦熱により摩擦攪拌して塑性流動させて表面に改質層を形成する。このため、幅方向に均一に表面改質処理を行うことができる。また、摩擦攪拌工具3の幅の分を一度に改質でき能率が良い。また、金属素材10を送ることにより(金属素材10と摩擦攪拌工具3とを相対移動させることにより)、連続的に処理することができるので、長く大面積の金属素材に対し極めて能率良くかつ均一に表面改質処理を行うことができる。形成された改質層は、耐食性、耐摩耗性、靱性、強度、耐食性、および疲れ強さ等のいずれかの特性を向上させることができる。また、金属素材の表面に疵などがある場合にも、塑性流動させることにより疵を無害化することができる。
また、摩擦攪拌工具3は、そのままでは金属素材10と接触していない期間は冷却されるので、金属素材10に接触した際に摩擦攪拌を生じさせることが困難となるおそれがあるが、金属素材10と接触していない期間、加熱手段で摩擦攪拌工具3を加熱することにより、摩擦攪拌工具3を必要以上に冷却させることなく、摩擦攪拌を適度に生じさせることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の思想の範囲内で種々変形することが可能である。例えば、上記実施の形態では金属素材の上面に表面改質層を形成する場合について示したが、金属素材の下面に上記表面改質装置を設ければ、金属素材の下面の表面改質を行うことができ、両方に表面改質装置を設けることにより、両面の表面改質を行うことができる。
また、上記実施形態では、ロール状の摩擦攪拌工具が金属素材よりも幅が広いものとして、幅方向全体を一括して表面改質処理した場合について示したが、金属素材の幅よりも狭い摩擦攪拌工具であってもよく、例えば、大面積の金属素材に対し、摩擦攪拌工具をローラのように移動させながら、全面の表面改質を行ってもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
ここでは、金属素材として板状の炭素鋼S45Cを用い、素材の表面に平行となるように工作機械の回転軸を設けた。回転軸には、摩擦撹拌工具として、WC製のロール状をなす超硬工具を取り付けた。工具を高速で回転させながら素材に押し込み、発生する摩擦熱により塑性流動させた。
このときの条件は、以下の通りとした。
工具直径:25mm
工具長:100mm
工具回転数:900rpm(周速:70m/min)
工具発熱温度:900℃
工具送り速度:60mm/min
材料表面からの押し込み深さ:3mm
ここでは、摩擦撹拌工具を押し付けるため、加工機の工具座標制御により工具の高さを下降させた。工具を押し下げる方向の軸電流値をモニタリングし、発熱により素材の表面が軟化してから押し下げた。その後、回転方向の軸負荷が上昇せずに安定した塑性流動の状態となったことを確認してから、水平方向(材料の表面方向)へ工具を送り摩擦撹拌を行った。塑性流動の判断としては、上記のように工具押し下げ方向のモーター軸電流や、工具回転軸の加工負荷電流を用いることが可能である。
本実施例では,材料表面からの深さや送り速度によって、適正な加工条件を選定することで、周速70m/minで工具発熱900℃まで上昇し摩擦攪拌により塑性流動が生じ、素材表面に表面改質層が形成された。
このような摩擦攪拌による表面改質を行った後と摩擦攪拌前とで表面の硬度を比較した。表面硬さはとしては、摩擦攪拌前の硬さの平均値を1とした硬さ指標を用いた。その結果を図6に示す。図6に示すように、摩擦攪拌前の硬さ指標1に対し、摩擦攪拌後の硬さ指標の平均値は1.89となり、摩擦攪拌により硬さが高い表面改質層が得られたことが確認された。
また、本実施例の摩擦攪拌工具を用いることにより、金属素材に対し垂直軸を持つ従来の摩擦撹拌工具に比べ、加工時間が1/4以下になり、能率が高いことが確認された。また、表面に露出していた割れも、塑性流動により表層の組織を結合することで埋めることができた。
なお、本実施例では、工作機械の動力から使用工具サイズを選定したが、工具サイズは限定されず、素材の幅に応じた工具長さとして、使用する加工機の動力を設定すればよい。
1 表面改質装置
2 回転軸
3 摩擦攪拌工具
4 構造体
5 下ロール
6 摩擦板(加熱手段)
6a 内側板
6b 外側板
7 押圧部材
10 金属素材
11 改質層
21 ヒータ
22 カバー
23 加熱器

Claims (13)

  1. 金属素材の表面性状を改質する表面改質装置であって、
    金属素材の表面に平行に配置される回転軸と、
    前記回転軸で回転され、かつその表面が前記金属素材に接触される摩擦攪拌工具と
    前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側に設けられた、前記摩擦攪拌工具を加熱する加熱手段と
    を有し、
    前記摩擦攪拌工具は、その周面が前記金属素材の表面部分に接触した状態で回転され、その際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分が摩擦攪拌されて塑性流動し、前記金属素材の表面に改質層が形成されることを特徴とする表面改質装置。
  2. 前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする請求項1に記載の表面改質装置。
  3. 前記加熱手段は、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように設けられた摩擦板を有し、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱し、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面改質装置。
  4. 前記加熱手段は、前記摩擦板を前記摩擦攪拌工具に押圧する押圧部材をさらに有することを特徴とする請求項に記載の表面改質装置。
  5. 前記加熱手段は、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態で設けられたヒータまたはバーナを有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の表面改質装置。
  6. 金属素材の表面性状を改質する表面改質方法であって、
    金属素材の表面に平行に回転軸を配置し、前記回転軸で摩擦攪拌工具を回転させるとともに、前記摩擦攪拌工具の周面を前記金属素材の表面部分に接触した状態とし、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側で前記摩擦攪拌工具を加熱しつつ、前記摩擦攪拌工具を回転させた際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌させて塑性流動させ、前記金属素材の表面に改質層を形成することを特徴とする表面改質方法。
  7. 前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする請求項に記載の表面改質方法。
  8. 前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように摩擦板を設け、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱させ、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の表面改質方法。
  9. 前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態でヒータまたはバーナを設けて前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の表面改質方法。
  10. 金属素材の表面に平行に回転軸を配置し、前記回転軸で摩擦攪拌工具を回転させるとともに、前記摩擦攪拌工具の周面を前記金属素材の表面部分に接触した状態とし、前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側で前記摩擦攪拌工具を加熱しつつ、前記摩擦攪拌工具を回転させた際に生じる摩擦熱により前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌させて塑性流動させ、前記金属素材の表面に改質層を形成し、表面に改質層が形成された金属材を製造することを特徴とする金属材の製造方法。
  11. 前記金属素材と前記摩擦攪拌工具とを相対移動させながら、前記金属素材の表層部分を摩擦攪拌により塑性流動させることを特徴とする請求項10に記載の金属材の製造方法。
  12. 前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に接触するように摩擦板を設け、前記摩擦攪拌工具と摩擦板との摩擦により発熱させ、前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の金属材の製造方法。
  13. 前記摩擦攪拌工具の前記金属素材と接触している面と反対側の面に非接触状態でヒータまたはバーナを設けて前記摩擦攪拌工具を加熱することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の金属材の製造方法。
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