JP6622596B2 - 部品実装装置、及び、表面実装機 - Google Patents

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Description

本明細書で開示される技術は部品実装装置、及び、表面実装機に関する。
従来、リニアモータの一つとして相殺型のリニアモータが知られている。相殺型のリニアモータは互いに平行に延伸している一対の固定子の間に可動子を配置したものであり、一方の固定子が可動子を吸引する磁気吸引力と他方の固定子が可動子を吸引する磁気吸引力とが相殺されるようにしたものである。例えば可動子の片側だけに固定子が配置されている所謂対向型(あるいはF型)のリニアモータでは固定子が片側だけであるので同じサイズであれば推力が低いという問題がある。これに対し、相殺型のリニアモータは可動子の両側に固定子が配置されているので高い推力を得られるという利点がある。
そして、従来、基板に部品を実装する部品実装装置において、実装ヘッドを第1の方向に往復移動可能に支持しているヘッド支持体を、相殺型のリニアモータを用いて第1の方向と直交する第2の方向に往復移動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、特許文献1に記載の電子部品装着装置(チップマウンタ)は、チップ実装機構をX軸方向に往復移動可能に支持しているビームと、X軸方向と直交するY軸方向に延伸しているY軸用リニアガイドレールに摺動自在に支持されているスライダと、ビームとスライダとを接続する接続部材と、ビームをY軸方向に往復移動させる相殺型のY軸用リニアモータであって、Y軸方向に延伸している一対のリニアモータ固定子、及び、それら一対のリニアモータ固定子の間に配置されている状態で接続部材に固定されているリニアモータ可動子を有するY軸用リニアモータとを備えている。
特開2010−258248号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載の電子部品装着装置によると、Y軸用リニアモータの一対のリニアモータ固定子とリニアモータ可動子とがX軸方向に配列されているためY軸用リニアモータのX軸方向の幅が広くなってしまっている。そして、当該電子部品装着装置によると、そのY軸用リニアモータとスライダとビームとがX軸方向に並んで配置されているため、電子部品装着装置のX軸方向の幅が広くなってしまうという問題がある。言い換えると、当該電子部品装着装置では、電子部品装着装置のX軸方向の幅が制約されている場合はビームのX軸方向の幅を狭くしなければならず、実装可能な基板のサイズが小さくなってしまうという問題がある。
本明細書では、実装可能な基板のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のリニアモータを用いてヘッド支持体を往復移動させる技術を開示する。
本明細書で開示する部品実装装置は、基板に部品を実装する部品実装装置であって、前記部品を保持及び解放する部品保持部を有する実装ヘッドと、前記実装ヘッドを前記基板の板面に平行な第1の方向、及び、前記基板の板面に平行で前記第1の方向と直交する第2の方向に搬送するヘッド搬送機構と、を備え、前記ヘッド搬送機構は、前記実装ヘッドを前記第1の方向に往復移動可能に支持しているヘッド支持体と、前記第2の方向に延伸しているガイドレールと、前記ガイドレールに摺動可能に支持されているスライダと、前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端部と前記スライダとを接続している接続部材と、前記基板の板面に垂直な第3の方向に互いに離間して前記第2の方向に延伸している一対の固定子、及び、前記一対の固定子の間に配置されている状態で前記接続部材に固定されている可動子を有する相殺型のリニアモータと、を有し、前記第3の方向において前記リニアモータと前記スライダとが重なっておらず、前記第1の方向において前記リニアモータの少なくとも一部が前記スライダと重なっている。
上記の部品実装装置によると、相殺型のリニアモータの一対の固定子と可動子とが第3の方向、すなわち第1の方向と直交する方向に配列されているので、それらが第1の方向に配列されている場合に比べ、リニアモータの第1の方向の幅を狭くすることができる。そして、上記の部品実装装置によると、上述したようにリニアモータの第1の方向の幅を狭くした上で更に第1の方向においてリニアモータの少なくとも一部をスライダと重ねて配置している。このため上記の部品実装装置によると、部品実装装置の第1の方向の幅が制約されている場合に、ヘッド支持体の第1の方向の幅が狭くなってしまうことを抑制することができる。
よって上記の部品実装装置によると、実装可能な基板のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のリニアモータを用いてヘッド支持体を往復移動させることができる。
また、前記接続部材は前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端面に固定されるものであり、前記第1の方向から見て、前記ヘッド支持体に重なる位置に形成されている第1のボルト挿通穴と、前記ヘッド支持体に重ならない位置に形成されている第2のボルト挿通穴とが形成されており、前記接続部材は当該接続部材を挟んで前記ヘッド支持体とは逆側から前記第1のボルト挿通穴に挿通されたボルトによって前記端面に固定されており、前記可動子は前記接続部材を挟んで前記ヘッド支持体側から前記第2のボルト挿通穴に挿通されたボルトによって前記接続部材に固定されている。
可動子を接続部材に固定する場合、可動子の構造上の理由により、可動子を挟んで接続部材とは逆側から可動子にボルトを挿通して可動子を接続部材に固定することは一般に困難である。可動子の接続部材側の面に他の部材をボルトによって固定し、当該他の部材に接続部材とは逆側からボルトを挿通して接続部材に固定することも可能であるが、そのようにすると他の部材が必要になるため部品点数が増加してしまう。また、ヘッド支持体及び可動子まで含めた全体の部材の第1の方向の幅も当該他の部材の分だけ広くなってしまう。
上記の部品実装装置によると、接続部材をヘッド支持体の端面に固定しつつ、他の部材を介さずに可動子を接続部材に固定することができるので、他の部材を介して固定する場合に比べて部品点数を削減することができるとともに、ヘッド支持体及び可動子まで含めた全体の部材の第1の方向の幅が広くなってしまうことを抑制することができる。
また、上記の部品実装装置によると、接続部材の第1の方向の一方の側にヘッド支持体が固定され、他方の側にリニアモータの可動子が固定されるので、第3の方向においてリニアモータの中心とヘッド支持体の中心との距離を近くすることができる。このため、その距離が遠い場合に比べてリニアモータの駆動力を効率よくヘッド支持体に伝達することができる。
また、前記接続部材は、前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端面に固定されている板状部と、前記板状部の前記スライダ側の端部から前記ヘッド支持体とは逆側に張り出しており、前記スライダに固定されている固定部とを有する略L字状に形成されており、前記板状部の前記ヘッド支持体側を向く面に、前記第3の方向に延びる凹部が形成されており、 前記固定部は、前記第3の方向から見て前記凹部に重なる位置に第3のボルト挿通穴が形成されており、当該第3のボルト挿通穴にボルトが挿通されて前記スライダに固定されていてもよい。
上記の部品実装装置によると、接続部材とヘッド支持体との固定位置と、接続部材とスライダとの固定位置との第1の方向における距離を短くすることができるので、その距離が遠い場合に比べ、ヘッド支持体を第2の方向により安定して搬送することができる。
また、互いに平行な2本の前記ガイドレールと、各前記ガイドレールに摺動可能に支持されている二つの前記スライダと、を備え、前記リニアモータは一方の前記ガイドレールに沿って設けられており、前記ヘッド支持体を片側駆動してもよい。
上記の部品実装装置によると、2本のガイドレールによってヘッド支持体を支持するので、1本のガイドレールによってヘッド支持体を片持ち支持する場合に比べてヘッド支持体の姿勢が安定し易くなる。また、上記の部品実装装置によると、ヘッド支持体を片側駆動するので、ヘッド支持体の両側にリニアモータを設けて両側駆動する場合に比べて構成を簡素にすることができる。
また、本明細書で開示する表面実装機は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の部品実装装置と、前記部品実装装置に前記部品を供給する部品供給装置と、前記基板を前記部品実装装置による前記部品の実装位置まで搬送する基板搬送装置と、を備える。
上記の表面実装機によると、実装可能な基板のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のリニアモータを用いてヘッド支持体を往復移動させることができる。
本明細書で開示する技術によれば、実装可能な基板のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のリニアモータを用いてヘッド支持体を往復移動させることができる。
実施形態に係る表面実装機の斜視図 部品供給装置の斜視図 カバーを外した表面実装機の斜視図 カバーを外した表面実装機の上面図 部品実装装置の斜視図 部品保持部、部品、及び、基板を示す側面図 ヘッド支持体の断面図 左側から見た部品実装装置の正面図 表面実装機の電気的構成を示すブロック図
<実施形態>
実施形態を図1ないし図9によって説明する。以降の説明においてプリント基板(基板の一例)に電子部品(部品の一例)を実装するとは、部品供給装置によって供給される電子部品を吸着(保持の一例)し、その吸着した電子部品をプリント基板上の搭載位置に搭載することをいう。
また、以降の説明では図1に示す前後方向のことをX軸方向(第1の方向の一例)、左右方向のことをY軸方向(第2の方向の一例)、上下方向のことをZ軸方向(第3の方向の一例)という。
また、以降の説明では実質的に構成が同一の複数の構成要素には一部を除いて図面の符号を省略している場合がある。
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る表面実装機1の概略について説明する。表面実装機1は略箱状に形成されており、部品供給装置50(図2参照)がセットされる凹部1Aが左右にそれぞれ設けられている。また、表面実装機1の前面には表面実装機1の内部にプリント基板P1(図6参照)を搬入するための搬入口1Bが設けられており、図示しない後面にはプリント基板P1を外に搬出するための搬出口が設けられている。
(1)表面実装機の全体構成
図3に示すように、表面実装機1は基台10、基台10の上面に固定されているレール支持部11A〜11D、プリント基板P1をX軸方向に搬送する搬送コンベア20(基板搬送装置の一例)、レール支持部11A〜11Dの上面に配置されている二つの部品実装装置30、プリント基板P1を上方に持ち上げる二つのバックアップ機構40などを備えている。また、前述したように表面実装機1は図2に示す部品供給装置50も備えている。
図4に示すように基台10は平面視長方形状をなすとともに上面が平坦とされている。図4において二点鎖線で示す矩形枠31はプリント基板P1に電子部品E1(図6参照)を実装するときにプリント基板P1が位置する実装位置を示している。
図3に示すように、レール支持部11Aは基台10の上面の前側縁部に配置されてY軸方向に延伸している。レール支持部11Bは後側縁部に配置されてY軸方向に延伸している。レール支持部11C及び11Dは基台10のX軸方向の中央においてY軸方向に離間して配置されている。レール支持部11A〜11Dの上面の高さは略一致している。
搬送コンベア20はY軸方向における基台10の略中央位置に配置されている。搬送コンベア20はX軸方向に循環駆動する一対のコンベアベルト20Aを備えており、搬入口1Bから搬入されたプリント基板P1をX軸方向に搬送する。プリント基板P1は両コンベアベルト20Aに架設する形でセットされ、実装位置31で停止して電子部品E1が実装された後、搬送コンベア20によって搬出口から外に搬出される。
二つの部品実装装置30は部品供給装置50によって供給される電子部品E1を吸着してプリント基板P1上の搭載位置に搭載するものであり、Y軸方向に延びる姿勢でX軸方向に並んで配置されている。
バックアップ機構40は基台10における搬送コンベア20の下方に設けられており、実装位置31に停止したプリント基板P1を上方に持ち上げる。
図2に示すように、部品供給装置50には複数のフィーダ50A(図2では一つのみを図示)が横並び状に整列して取り付けられている。各フィーダ50Aは、複数の電子部品E1が収容された部品供給テープが巻回されたリール(不図示)、及び、リールから部品供給テープを引き出す電動式の送出装置(不図示)等を備えており、搬送コンベア20側に位置する端部に設けられた部品供給位置から電子部品E1を一つずつ供給する。
(1−1)部品実装装置の構成
図4に示すように、二つの部品実装装置30はそれぞれ二つの実装ヘッド60、及び、それら二つの実装ヘッド60をリニアモータ駆動によってX軸方向及びY軸方向に搬送するヘッド搬送機構70を有している。二つの部品実装装置30は面対象に構成されている点を除いて実質的に同一構造であるので、以降の説明では後側の部品実装装置30を例に説明する。
先ず、実装ヘッド60について説明する。図5に示すように、実装ヘッド60は、後述するビーム72(ヘッド支持体の一例)によってX軸方向に往復移動可能に支持されているヘッド支持部61、Z軸方向に延びる回転軸線周りに回転可能にヘッド支持部61に支持されているロータリーヘッド62などを備えている。
ロータリーヘッド62には上述した回転軸線を中心とする円周上に複数本(本実施形態では18本)のノズルシャフト63が等間隔に支持されている。これらのノズルシャフト63はZ軸方向に移動可能に、且つ、ノズルシャフト63自身の軸線周りに自転可能にロータリーヘッド62に支持されている。
図6に示すように、各ノズルシャフト63の下端には吸着ノズル64(部品保持部の一例)が着脱可能に取り付けられている。吸着ノズル64は供給される負圧によって電子部品E1を吸着し、正圧が供給されることによってその吸着している電子部品E1を解放するものである。
ヘッド支持部61には、ロータリーヘッド62を回転軸線周りに回転させるN軸サーボモータ35N(図9参照)、図示しない共通ギヤを介して各ノズルシャフト63を自転させるR軸サーボモータ35R(図9参照)、前述した円周上の所定の駆動位置に移動したノズルシャフト63をZ軸方向に移動させるZ軸リニアモータ35Z(図9参照)などが設けられている。
次に、ヘッド搬送機構70について説明する。図5に示すように、ヘッド搬送機構70は、実装ヘッド60のヘッド支持部61をX軸方向に往復移動可能に支持しているビーム72、ヘッド支持部61をX軸方向に搬送するX軸リニアモータ73、ビーム72をY軸方向に往復移動可能に支持している2本のガイドレール71A,71B、ビーム72をY軸方向に搬送するY軸リニアモータ74(相殺型のリニアモータの一例)などを備えている。
先ず、ビーム72について説明する。ビーム72はX軸方向と直交する断面が図7に示す形状となるように押出成形によって形成されたものであり、断面が矩形枠状の角筒部72A、角筒部72Aの左側から上下に離間して張り出している二つの張出部72B,72C、角筒部72Aの上面の左側部分から上方に延びている第1ボルト締結部72D、角筒部72Aの上面の右側部分から上方に延びている第2ボルト締結部72E、下側の張出部72Cの左側部分から下方に延びている第3ボルト締結部72F、角筒部72Aの下面の右側部分から下方に延びている第4ボルト締結部72G、上側補強部72H、下側補強部72Jなどを備えている。
二つの張出部72B,72Cは後述するX軸リニアモータ73の一対の固定子73A,73Bが固定されるものである。第1ボルト締結部72D〜第4ボルト締結部72Gはビーム72のX軸方向の端面に後述するビームブロック75B(接続部材の一例)を固定するためのボルトが締結されるものである。上側補強部72Hは第1ボルト締結部72Dと第2ボルト締結部72Eとを接続して補強するものである。また、下側補強部72Jは第3ボルト締結部72Fと第4ボルト締結部72Gとを接続して補強するものである。
また、第1ボルト締結部72Dの上面、及び、第3ボルト締結部72Fの左側を向く面には、実装ヘッド60のヘッド支持部61をX軸方向に案内するガイドレール72K及び72LがX軸方向(図7において紙面垂直方向)に延伸する姿勢で固定されている。
次に、X軸リニアモータ73について説明する。X軸リニアモータ73は所謂相殺型のリニアモータであり、図5に示すように一対の固定子73A,73B、及び、可動子73Cを備えている。
図7に示すように、固定子73Aはビーム72の上側の張出部72Bに固定されており、固定子73Bはビーム72の下側の張出部72Cに固定されている。固定子73A及び73Bはそれぞれ複数の永久磁石を極性が交互に並ぶように配列したものである。図5に示すように、可動子73Cは一対の固定子73A及び73Bの間に配置されている状態でヘッド支持部61の後側の面に固定されている。可動子73Cは鉄心(コア)に電線が巻かれてコイルが形成された電機子である。
次に、2本のガイドレール71A,71Bについて説明する。図3に示すように、2本のガイドレール71A,71Bのうち前側のガイドレール71Aはレール支持部11C、11Dに架け渡されてY軸方向に延伸している。後側のガイドレール71Bはレール支持部11Bの上面に固定されており、Y軸方向に延伸している。
ここで、図5に示すように、ビーム72は2本のガイドレール71A,71Bに直接支持されているのではなく、ビーム72の両端に固定されているビームブロック75A,75B、及び、二つのスライダ76を介して間接的に支持されている。ビームブロック75A,75B、及び、二つのスライダ76についての説明は後述する。
次に、Y軸リニアモータ74について説明する。図8に示すように、本実施形態ではY軸リニアモータ74はビーム72の後側だけに配置されており、ビーム72を片側駆動する。Y軸リニアモータ74も相殺型のリニアモータであり、一対の固定子74A,74B、及び、可動子74Cを備えている。
具体的には、図3に示すように後側のレール支持部11Bの上面にはガイドレール71Bより後側においてY軸方向に延伸している固定子保持部12が固定されている。そして、図8に示すように、一対の固定子74A,74Bは固定子保持部12の前側を向く面に固定されている。より具体的には、図8に示すように固定子保持部12の前側を向く面にはY軸方向に延びる凹部12Aが形成されており、一対の固定子74A及び74Bは凹部12Aを挟んで上下に固定されている。可動子74Cはそれら一対の固定子74A及び74Bの間に配置されている状態で、且つ、後側の先端部が凹部12Aに収容されている状態でビームブロック75Bに固定されている。固定子74A,74B、及び、可動子74Cの構成はX軸リニアモータ73と実質的に同一である。
(1−2)ビームブロック、及び、スライダ
図8に示すように、スライダ76はY軸方向(図8において紙面垂直方向)から見て横長な長方形状に形成されている。スライダ76の下面には内周形状がガイドレール71A,71Bの外周形状と略一致するガイド溝76Aが形成されている。スライダ76はガイドレール71A,71BがY軸方向からガイド溝76Aに挿入されることによってY軸方向に摺動可能にガイドレール71A,71Bに支持されている。
図7に示すように、後側のビームブロック75BはX軸方向(図7において紙面垂直方向)から見て上に凸となる略凸形状の板状部80と、図8に示すように板状部80の下端部(スライダ76側の端部)から後側(ビーム72とは逆側)に板状に張り出している固定部81とを有する略L字状に形成されている。
図8に示すように固定部80のX軸方向の幅はスライダ76のX軸方向の幅と略同じ長さであり、X軸方向に無駄なスペースが生ぜず、しかも確実に固定されるようX軸方向にずれることなく重ね合わせられてボルト86により締結されている。後述する前側のビームブロック75Aの固定部91のX軸方向の幅もスライダ76のX軸方向の幅と略同じ長さであり、X軸方向にずれることなく重ね合わせられて固定されている。
図7に示すように、板状部80にはビームブロック75Bをビーム72に固定するためのボルトが挿通される4つのボルト挿通穴83(第1のボルト挿通穴の一例)がX軸方向に貫通している。これら4つのボルト挿通穴83はX軸方向から見てビーム72の第1ボルト締結部72D〜第4ボルト締結部72Gに重なる位置に設けられている。ビームブロック75Bは図8において後側から各ボルト挿通穴83に挿通されたボルトが対応するボルト締結部に締結されることによってビーム72の端面に固定されている。
また、図5及び図7に示すように、板状部80の前側(図7において紙面手前側、図8において右側)を向く面には上下方向に延びる複数の凹部84が形成されている。これらの凹部84は下側が固定部81の上面まで達している。固定部81には凹部84の下となる位置にビームブロック75Bをスライダ76に固定するためのボルト86が挿通されるボルト挿通穴89(第3のボルト挿通穴の一例)がZ軸方向に貫通している。また、固定部81には図8において板状部80より後側(左側)の部分にもビームブロック75Bをスライダ76に固定するためのボルト86が挿通される複数のボルト挿通穴がZ軸方向に貫通している。ビームブロック75Bはこれらのボルト挿通穴にボルト86が挿通されてスライダ76に締結されることによってスライダ76の上面に固定されている。
また、図7に示すように、板状部80にはY軸リニアモータ74の可動子74C(図8参照)をビームブロック75Bに固定するためのボルトが挿通される複数のボルト挿通穴85(第2のボルト挿通穴の一例)がX軸方向に貫通している。これらのボルト挿通穴85はX軸方向から見てビーム72に重ならない位置に配置されている。
Y軸リニアモータ74の可動子74Cはビームブロック75Bの前側(図7において紙面手前側)からこれらのボルト挿通穴85に挿通されたボルトが締結されることによってビームブロック75Bの後側を向く面に固定されている。具体的には、可動子74Cの内部の図示しない鉄心(コア)にはボルト締結用のネジ穴部が設けられており、このネジ穴部にボルトが螺合することによって可動子74Cがビームブロック75Bに締結されている。
図5に示すように、前側のビームブロック75Aは略台形の板状部90と板状部90の下側において前後両側に張り出している固定部91とを有しており、板状部90がボルト87によってビーム72の端面に固定されているとともに、固定部91がボルト88によってスライダ76の上面に固定されている。ただし、ビームブロック75AにはY軸リニアモータ74は設けられていない。
(1−3)スライダ、ビームブロック、及び、Y軸リニアモータの位置関係
図8に示すように、L字状に形成されているビームブロック75Bは板状部80がスライダ76の上面におけるX軸方向の中心位置より前側(ビーム72側)に寄った位置でスライダ76に固定されている。そして、スライダ76の上方においてビームブロック75Bの後側となる空間にY軸リニアモータ74の一部が配置されている。
具体的には、相殺型のY軸リニアモータ74は一対の固定子74A及び74Bと可動子74CとがZ軸方向に並ぶ姿勢で取り付けられている。そして、Y軸リニアモータ74とスライダ76とはZ軸方向において互いに重ならずに配置されており、X軸方向においてY軸リニアモータ74の一部とスライダ76の一部とが互いに重なっている。
(2)表面実装機の電気的構成
次に、図9を参照して、表面実装機1の電気的構成について説明する。制御部110は表面実装機1の全体を制御統括するものであり、CPU等により構成される演算処理部111を備えている。演算処理部111には、モータ制御部112、記憶部113、画像処理部114、外部入出力部115、フィーダ通信部116、表示部117、及び、入力部118が接続されている。
モータ制御部112は、演算処理部111の制御の下でX軸リニアモータ73、Y軸リニアモータ74、Z軸リニアモータ35Z、N軸サーボモータ35N、R軸サーボモータ35R、搬送コンベア20などを駆動させる。
記憶部113はROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等から構成されている。ROMには演算処理部111によって実行される実装プログラム113A、各種データ113Bなどが記憶されている。
各種データ113Bには実装対象となるプリント基板P1の生産枚数に関する基板情報、プリント基板P1に実装される電子部品E1の個数や種類等を含む部品情報、プリント基板P1に電子部品E1を搭載するときの搭載位置に関する搭載位置情報、部品供給装置50の各フィーダ50Aに保持された電子部品E1の数や種類に関するデータ等が含まれている。
画像処理部114には、実装ヘッド60に設けられている基板認識カメラC1、及び、基台10に設けられている部品認識カメラC2から出力される撮像信号がそれぞれ取り込まれるようになっている。画像処理部114では、取り込まれた各カメラC1及びC2からの撮像信号に基づいて、部品画像の解析並びに基板画像の解析がそれぞれ行われるようになっている。
外部入出力部115は、いわゆるインターフェースであって、表面実装機1の本体に設けられる各種センサ類115Aから出力される検出信号が取り込まれるように構成されている。また、外部入出力部115は、演算処理部から出力される制御信号に基づいて、各種アクチュエータ類115Bに対する動作制御を行うように構成されている。
フィーダ通信部116は、部品供給装置50に取り付けられた各フィーダ50Aの制御部と接続されており、各フィーダ50Aによる部品供給テープの送出を制御する。
表示部117は表示画面を有する液晶表示装置等から構成され、表面実装機1の状態等を表示画面上に表示する。入力部118はキーボード等から構成され、手動による操作によって外部からの入力を受け付けるようになっている。
以上のような構成とされた表面実装機1では、自動運転中において、搬送コンベア20によってプリント基板P1を基台10上の実装位置31に搬送する搬送状態と、実装位置31に搬入されたプリント基板P1上に電子部品E1を実装する実装状態とが交互に実行される。実装状態では、部品供給装置50によって供給される電子部品E1を複数の吸着ノズル64にそれぞれ吸着させる吸着作業と、実装ヘッド60を搬送してそれらの電子部品E1をプリント基板P1上の搭載位置に搭載する搭載作業とが交互に繰り返される。
(3)実施形態の効果
以上説明した本実施形態に係る部品実装装置30によると、図8に示すように、相殺型のY軸リニアモータ74の一対の固定子74A,74Bと可動子74CとがZ軸方向、すなわちX軸方向と直交する方向に配列されているので、それらがX軸方向に配列されている場合に比べ、Y軸リニアモータ74のX軸方向の幅を狭くすることができる。そして、部品実装装置30によると、上述したようにY軸リニアモータ74のX軸方向の幅を狭くした上で更にX軸方向においてY軸リニアモータ74の一部をスライダ76と重ねて配置している。このため部品実装装置30によると、部品実装装置30のX軸方向の幅が制約されている場合に、ビーム72のX軸方向の幅が狭くなってしまうことを抑制することができる。
よって部品実装装置30によると、実装可能なプリント基板P1のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のY軸リニアモータ74を用いてビーム72を往復移動させることができる。
また、部品実装装置30によると、ビーム72のX軸方向の幅が狭くなってしまうことを抑制できるので、複数の部品供給位置がX軸方向に配列されている場合に、電子部品E1を吸着可能な範囲が狭くなってしまうことを抑制することもできる。
更に、部品実装装置30によると、ビームブロック75Bはボルト挿通穴83(第1のボルト挿通穴)に後側(ビームブロック75Bを挟んでビーム72とは逆側)から挿通されたボルトによってビーム72に固定されており、Y軸リニアモータ74の可動子74Cはボルト挿通穴85(第2のボルト挿通穴)に前側(ビームブロック75Bを挟んでビーム72側)から挿通されたボルトによってビームブロック75Bの後側を向く面に固定されている。
可動子74Cをビームブロック75Bの後側を向く面に固定する場合、可動子74C内の図示しない鉄心及びその他の部材をすべて貫通させてボルトを挿通させなければならない等、可動子74Cの構造上の理由により、可動子74Cの後側(可動子74Cを挟んでビームブロック75Bとは逆側)から可動子74Cにボルトを挿通してビームブロック75Bに固定することは一般に困難である。可動子74Cの前側の面(ビームブロック75B側の面)に他の部材をボルトによって固定し、当該他の部材に後側(ビームブロック75Bとは逆側)からボルトを挿通してビームブロック75Bに固定することも可能であるが、そのようにすると他の部材が必要になるため部品点数が増加してしまう。また、ビーム72及び可動子74Cまで含めた全体の部材のX軸方向の幅も当該他の部材の分だけ広くなってしまう。
これに対し、部品実装装置30によると、ビームブロック75Bをビーム72の端面に固定しつつ、他の部材を介さずに可動子74Cをビームブロック75Bに固定することができるので、他の部材を介して固定する場合に比べて部品点数を削減することができるとともに、ビーム72及び可動子74Cまで含めた全体の部材のX軸方向の幅が広くなってしまうことを抑制することができる。
また、部品実装装置30によると、ビームブロック75BのX軸方向の一方の側にビーム72が固定され、他方の側にY軸リニアモータ74の可動子74Cが固定されるので、Z軸方向(プリント基板P1の板面に垂直な方向)においてY軸リニアモータ74の中心とビーム72の中心との距離を近くすることができる。このため、その距離が遠い場合に比べてY軸リニアモータ74の駆動力を効率よくビーム72に伝達することができる。
更に、部品実装装置30によると、ビームブロック75Bは板状部80と固定部81とを有する略L字状に形成されており、板状部80のビーム72側を向く面に、Z軸方向(プリント基板P1の板面に直交する方向)に延びる凹部84が形成されており、固定部81は、Z軸方向から見て凹部84に重なる位置にボルト挿通穴89(第3のボルト挿通穴)が形成されており、当該ボルト挿通穴89にボルトが挿通されてスライダ76に固定されている。このため、ビームブロック75Bとビーム72との固定位置と、ビームブロック75Bとスライダ76との固定位置とのX軸方向における距離を短くすることができるので、その距離が遠い場合に比べ、ビーム72をY軸方向により安定して搬送することができる。
更に、部品実装装置30によると、2本のガイドレール71A,71Bによってビーム72の両端を支持するので、1本のガイドレールによってビーム72の一端を片持ち支持する場合に比べてビーム72の姿勢が安定し易くなる。また、部品実装装置30によると、ビーム72を片側駆動するので、ビーム72の両側にY軸リニアモータ74を設けて両側駆動する場合に比べて構成を簡素にすることができる。
また、本実施形態に係る表面実装機1によると、実装可能なプリント基板P1のサイズが小さくなってしまうことを抑制しつつ相殺型のY軸リニアモータ74を用いてビーム72を往復移動させることができる。
<他の実施形態>
本明細書で開示される技術は上記既述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではX軸方向においてY軸リニアモータ74の一部とスライダ76の一部とが重なっている場合を例に説明した。これに対し、例えばY軸リニアモータ74の全部とスライダ76の一部とがX軸方向に重なっていてもよいし、Y軸リニアモータ74の一部とスライダ76の全部とがX軸方向に重なっていてもよい。
(2)上記実施形態では吸着ノズル64が円周上に配列されているロータリーヘッド62を用いる場合を例に説明したが、吸着ノズル64が直線上に配列されているインラインヘッドを用いてもよい。
(3)上記実施形態では後側のビームブロック75BがL字状である場合を例に説明した。これに対し、後側のビームブロック75Bは前側のビームブロック75Aと同様にT字状であってもよい。
(4)上記実施形態では部品保持部として吸着ノズル64を例に説明したが、部品保持部は複数の爪で電子部品E1を挟んで保持する所謂チャックであってもよい。
(5)上記実施形態ではY軸リニアモータ74がビーム72の片側だけに設けられてビーム72を片側駆動する場合を例に説明した。これに対し、ビーム72の両側にY軸リニアモータ74を設けて両側駆動する構成であってもよい。
(6)上記実施形態ではビーム72が2本のガイドレール71A,71Bによって支持されている場合を例に説明した。これに対し、1本のガイドレールによってビーム72が片持ち支持される構成であってもよい。
(7)上記実施形態ではビームブロック75Bがビーム72のX軸方向の端面に固定されている場合を例に説明したが、ビームブロック75Bはビーム72のX軸方向の端部に固定されていればよく、必ずしも端面に固定されていなくてもよい。
1…表面実装機、20…搬送コンベア(基板搬送装置の一例)、30…部品実装装置、50…部品供給装置、60…実装ヘッド、64…吸着ノズル(部品保持部の一例)、70…ヘッド搬送機構、71A,71B…ガイドレール、72…ビーム(ヘッド支持体の一例)、74…Y軸リニアモータ(リニアモータの一例)、74A,74B…固定子、74C…可動子、75B…ビームブロック(接続部材の一例)、76…スライダ、80…板状部、81…固定部、83…ボルト挿通穴(第1のボルト挿通穴の一例)、84…凹部、85…ボルト挿通穴(第2のボルト挿通穴の一例)、89…ボルト挿通穴(第3のボルト挿通穴の一例)、E1…電子部品(部品の一例)、P1…プリント基板(基板の一例)

Claims (6)

  1. 基板に部品を実装する部品実装装置であって、
    前記部品を保持及び解放する部品保持部を有する実装ヘッドと、
    前記実装ヘッドを前記基板の板面に平行な第1の方向、及び、前記基板の板面に平行で前記第1の方向と直交する第2の方向に搬送するヘッド搬送機構と、
    を備え、
    前記ヘッド搬送機構は、
    前記実装ヘッドを前記第1の方向に往復移動可能に支持しているヘッド支持体と、
    前記第2の方向に延伸しているガイドレールと、
    前記ガイドレールに摺動可能に支持されているスライダと、
    前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端部と前記スライダとを接続している接続部材であって、前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端面に固定されている板状部と、前記板状部の前記スライダ側の端部から前記ヘッド支持体とは逆側に張り出しており、前記スライダに固定されている固定部とを有する略L字状に形成されている接続部材と、
    前記基板の板面に垂直な第3の方向に互いに離間して前記第2の方向に延伸している一対の固定子、及び、前記一対の固定子の間に配置されている状態で前記接続部材に固定されている可動子を有する相殺型のリニアモータと、
    を有し、
    前記リニアモータと前記スライダとは、前記第2方向側面視において、前記第3の方向に離間し、前記リニアモータの少なくとも一部が前記スライダと前記第1の方向で重なっており、
    前記固定部の前記第1の方向の幅が、前記スライダの前記第1の方向の幅と略同じ長さであり、前記固定部と前記スライダとがX軸方向にずれることなく重ね合わせられて固定されている、部品実装装置。
  2. 前記リニアモータは前記一対の固定子を基準に前記ヘッド支持体とは逆側に設けられている固定子保持部を有し、前記固定子保持部の前記ヘッド支持体側を向く面に、前記第2の方向に延びる凹部が形成されており、
    前記可動子は、前記一対の固定子の間に配置されている状態で、且つ、前記ヘッド支持体とは逆側の端部が前記凹部に収容されている状態で前記接続部材に固定されている、請求項1に記載の部品実装装置。
  3. 前記接続部材は前記ヘッド支持体の前記第1の方向の端面に固定されるものであり、前記第1の方向から見て、前記ヘッド支持体に重なる位置に形成されている第1のボルト挿通穴と、前記ヘッド支持体に重ならない位置に形成されている第2のボルト挿通穴とが形成されており、
    前記接続部材は当該接続部材を挟んで前記ヘッド支持体とは逆側から前記第1のボルト挿通穴に挿通されたボルトによって前記端面に固定されており、前記可動子は前記接続部材を挟んで前記ヘッド支持体側から前記第2のボルト挿通穴に挿通されたボルトによって前記接続部材に固定されている、請求項1又は請求項2に記載の部品実装装置。
  4. 記板状部の前記ヘッド支持体側を向く面に、前記第3の方向に延びる凹部が形成されており、
    前記固定部は、前記第3の方向から見て前記凹部に重なる位置に第3のボルト挿通穴が形成されており、当該第3のボルト挿通穴にボルトが挿通されて前記スライダに固定されている、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の部品実装装置。
  5. 互いに平行な2本の前記ガイドレールと、
    各前記ガイドレールに摺動可能に支持されている二つの前記スライダと、
    を備え、
    前記リニアモータは一方の前記ガイドレールに沿って設けられており、前記ヘッド支持体を片側駆動する、請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の部品実装装置。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の部品実装装置と、
    前記部品実装装置に前記部品を供給する部品供給装置と、
    前記基板を前記部品実装装置による前記部品の実装位置まで搬送する基板搬送装置と、
    を備える表面実装機。
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