JP6621891B1 - 直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラム - Google Patents

直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被試験装置および試験装置の破壊、故障などの事故を防止して、安全確実な直流電圧試験を実現する。【解決手段】時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加する可変直流電源と、前記可変直流電源に並列接続された電圧計と、前記電圧計の測定する電圧値を定期的に読み取り、電圧上昇率を求め、前記電圧上昇率に基づいて前記可変直流電源を制御する制御部を備えたことを特徴とする直流電圧試験器。【選択図】図3

Description

本発明は、電気機器の耐電圧試験や絶縁抵抗試験などの直流電圧試験に用いられる直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラムに関する。
従来、電気機器の感電、火災などに対する安全性確保のために行われる試験には、交流電源を用いた交流耐電圧試験と直流電源を用いた直流耐電圧試験がある。電気機器の電源系統の一次回路には電磁障害除去用のフィルタなどがあるため、交流耐電圧試験では電源系統のインピーダンスを介して流れる交流電流によって、絶縁破壊などによる漏洩電流と区別が困難となる場合があり、規定の交流電圧の尖頭値に等しい直流電圧で試験する直流耐電圧試験が推奨される場合がある。また、電気機器や部品の絶縁性能評価として行われる絶縁抵抗試験も、500Vや1000Vなど規定の直流電圧で試験するよう安全規格等で定められている。
このような直流で行う耐電圧試験や絶縁抵抗試験などの直流電圧試験においては、所定の直流試験電圧を発生する試験器を試験対象の電気機器等に接続して、耐電圧や絶縁抵抗などの測定、試験が行われていた。
図1は、直流電圧試験の一例として絶縁抵抗試験を行う場合の、試験器と試験対象の電気製品の概略を示す原理図である。図1において、左側の絶縁抵抗試験器1の内部の直流電源2の一方の極からは、右側の被試験物である電気製品4(被試験装置)の例えば電源入力であるコンセント3に、DC直流電圧が供給されている。絶縁抵抗試験においては、被試験物である電気製品に駆動電源を供給するわけではないので、電気製品4のコンセント3の2つの端子はショートした状態で直流電圧が供給されている。
図1において電気製品4の内部回路は例示的なものであるが、電気製品の内部回路においては絶縁抵抗試験器1から直流電圧が供給された電源系統の配線各部と、例えば電気製品の筐体のような人体が接触可能な導電部5との間に、等価的な絶縁抵抗R1、R2が存在している。この電気製品4の導電部5は、絶縁抵抗試験器1の内部の電流計(A)6を介して直流電源2の他方の極に接続されて、絶縁抵抗測定のための電流経路(図の点線で表示)を構成している。
このような構成により、被試験物である電気製品4の内部の絶縁抵抗(図1に例示の構成では、R1とR2の並列合成抵抗)を、絶縁抵抗試験器1の直流電源2の供給する直流電圧と電流計(A)6の測定する電流値の比として求めることができる。絶縁抵抗試験器1の直流電源2の供給する直流電圧は、直流電源2に並列接続された電圧計(V)7の測定する電圧値から求めることができる。
求められた絶縁抵抗の値が所定の値(例えば電気用品安全法の別表によれば、基礎絶縁で1MΩ、強化絶縁で3MΩとされる)より大きければ、絶縁抵抗試験に合格ということになる。
また、耐電圧試験であれば、同様にして印加した試験電圧を規定の時間保持して、電流が限度値を超えなければ、絶縁破壊が生じなかったとして合格とされる。
米国特許第5828222号明細書
このような直流電圧試験において、被試験物である電気製品などの試料に印加される直流電圧(試験電圧)は、対象となる電気製品の種類にもよるが、数十ボルトの程度から、高電圧設備に使用される機器であれば1000ボルトを越える電圧となる。
従来の直流電圧試験器、直流電圧試験方法では、このような高電圧をいきなり被試験物に印加するのではなく、過剰なストレスを被試験物に加えないように電源投入時刻から所定の電圧上昇時間(RISE TIME)をかけて、直線的に電圧を徐々に上昇させる電圧印加方式を採用している。この様な電圧印加方式の場合、電圧上昇中は被試験物の容量成分に充電電流が流れるため、この充電電流が判定基準となる電流値を超える(又は基準となる抵抗値を下回る)場合、良品を不良品と誤判定してしまう。この誤判定を防ぐため電圧上昇期間中は判定を行わない期間(WAIT TIME)を設ける設計となっていた。
図2は、このような従来の絶縁抵抗試験における試験器の電圧と電流を示す波形図である。図2では、横軸を電圧と電流の共通の時間軸tとして、上の図2(a)に図1の電圧計(V)7で測定される電圧Vを、下の図2(b)に図1の電流計(A)6で測定される電流Iの波形を示す。WAIT TIMEとしては、0.3〜10秒程度が設定可能とされる。
しかしこのWAIT TIMEの間は、例えば容量性負荷の充電電流が流れることが想定されるため、従来の絶縁抵抗試験においてはWAIT TIMEの間は、電流値Iが絶縁破壊の検出目安となる閾値を超えていても、その検出信号をマスクして、電圧Vが試験電圧VTに達するまで電圧上昇を継続する設計となっていた。
通常の電源供給においては、絶縁破壊の判定基準値として、UPPER閾値(ITH)と呼ばれる電流閾値を設定し、電流IがこのUPPER閾値を超えるかどうかの判定(UPPER判定)を行い、超える場合には検出信号を出力して試験を停止する。
しかしながら、このように電圧上昇中の絶縁破壊判定をマスクすると、WAIT TIME期間中に被試験装置が絶縁破壊等の異常を生じていても、試験を続行してしまうという問題があった。最悪の場合、先述のWAIT TIME設定では最大10秒間放っておかれることとなり、試験器の損傷、被試験物である電気製品のアークによる発火、感電リスクが高くなる等の問題が発生する可能性があった。
また、被試験装置が容量性(コンデンサ)の場合、試験器のDC高圧電源の出力能力(短絡電流)の制限により、設定したRISE TIME中に試験電圧値まで充電できるコンデンサ容量の上限が決まってくる。近年は大容量の二次電池などを含む被試験装置も増えており、上限を超えた容量が接続された場合、通常設定されるRISE TIMEよりも実際に必要な電圧上昇時間は長くなる。試験を行うユーザは、これを見越して直流電圧試験器のWAIT TIMEの再設定をしなければならず、設定操作が大変に煩わしいこととなっていた。WAIT TIMEの設定時間が不十分であると、実際に規定の試験電圧に達していないうちに試験動作になってしまい、正しい試験を行えないという問題も発生していた。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、直流電圧試験器の電圧上昇動作中に、電圧上昇率を監視することによって、試験開始前の段階において被試験装置の異常を検出可能として、被試験装置および試験装置の破壊、故障などの事故を防止して、安全確実な直流電圧試験を実現可能とした直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラムを提供することにある。
本発明は、このような目的を達成するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(構成1)
時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加する可変直流電源と、
前記可変直流電源に並列接続された電圧計と、
前記電圧計の測定する電圧値を定期的に読み取り、電圧上昇率を求め、前記電圧上昇率に基づいて前記可変直流電源を制御する制御部と
を備えたことを特徴とする直流電圧試験器。
(構成2)
前記制御部は、前記電圧上昇率が所定の判定基準値以下の場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止する
ことを特徴とする構成1記載の直流電圧試験器。
(構成3)
前記可変直流電源に直列接続された電流計を更に備え、
前記制御部は、前記電流計の測定する電流値が所定の閾値を超えている場合、または前記電流計の測定する電流値と前記電圧計の測定する電圧値から算出された抵抗値が所定の閾値を下回る場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止する
ことを特徴とする構成1または2に記載の直流電圧試験器。
(構成4)
時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加する可変直流電源を起動するステップと、
前記可変直流電源に並列接続された電圧計の測定する電圧値を定期的に読み取るステップと、
前記読み取った電圧値より電圧上昇率を求めるステップと、
前記電圧上昇率に基づいて前記可変直流電源を制御するステップと
を備えたことを特徴とする直流電圧試験方法。
(構成5)
前記制御するステップは、前記電圧上昇率が所定の判定基準値以下の場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止するステップ
であることを特徴とする構成4記載の直流電圧試方法。
(構成6)
前記可変直流電源に直列接続された電流計の測定する電流値を定期的に読み取るステップと、
前記電流計の測定する電流値が所定の閾値を超えている場合、または前記電流計の測定する電流値と前記電圧計の測定する電圧値から算出された抵抗値が所定の閾値を下回る場合に、前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止するステップ
を更に備えたことを特徴とする構成5に記載の直流電圧試験方法。
(構成7)
電圧上昇率の前記判定基準値は、最小の出力電圧範囲の設定電圧値を最長の電圧上昇時間で割った値とする、または
実際に設定された電圧値を実際に設定された電圧上昇時間で割った値に係数を掛けた値とする
ことを特徴とする構成5または6に記載の直流電圧試験方法。
(構成8)
前記電圧計で電圧を測定する時間間隔は、前記電圧計の電圧測定分解能を前記電圧上昇率の前記判定基準値で割った値以上とする
ことを特徴とする構成5ないし7のいずれか1項に記載の直流電圧試験方法。
(構成9)
構成4ないし8のいずれか1項に記載の直流電圧試験方法を、コンピュータにより実行する直流電圧試験プログラム。
(構成10)
構成9に記載の直流電圧試験プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
以上記載したように、本発明によれば、直流電圧試験器の電圧上昇動作中に、電圧上昇率も監視することによって、被試験装置の異常を検出可能とした直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラムを提供することが可能となる。
従来の絶縁抵抗試験を行う場合の試験器と試験対象の電気製品の概略を示す原理図である。 従来の絶縁抵抗試験における試験器の電圧と電流を示す波形図である。 本発明の一実施形態にかかる直流電圧試験器の概略ブロック図である。 本発明の一実施形態にかかる直流電圧試験方法のフローチャートを示す図である。 本発明の一実施形態にかかる直流電圧試験方法における電圧変化を説明する図である。 本発明の一実施形態にかかる直流電圧試験方法における別の電圧変化を説明する図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。
図3は、本発明の一実施形態にかかる直流電圧試験方法を実施する直流電圧試験器の概略ブロック図である。
図3において、直流電圧試験器300は、CPU313、メモリ(Memory)314、タイマ(TIMER)312などを備える制御部301と、制御部301によって制御される可変直流電源302、可変直流電源302の両極に並列接続される電圧計303、可変直流電源302の一方の極に直列接続される電流計304、および設定値や測定値、試験結果などを表示する表示部315を備えている。直流電圧試験器300のCPU313が実行する直流電圧試験方法は、プログラムとして実装され、メモリ314などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
電圧計303、電流計304の測定値である電圧値、電流値は、制御部301のCPU313により随時読み出すことができ、制御部301による制御に用いられる。可変直流電源302は、制御部301のCPU313の制御により所定の直流設定電圧と電圧上昇時間(RISE TIME)を設定することにより、時間とともに直線的に電圧が上昇する直流電圧(いわゆるランプ(Ramp)電圧)を発生することができる。
直流電圧試験器300の2つのプローブ端子310、311は、図1のように被試験物の電気製品4に接続されて、直流電圧試験が行われる。
本発明の直流電圧試験方法では、試験開始直後の電圧上昇中に電流のUPPER判定を行わない従来のWAIT TIME方式を改め、あるいはWAIT TIME方式に加えて、試験開始直後の電圧上昇中に電圧を測定して試料の絶縁破壊などの異常を検出する機能を追加する。
具体的には、この異常の検出は、電圧の上昇率を定期的に監視し、所定の基準値以下の場合、例えばほとんど0又はマイナス上昇率であった場合に、被試験物の電気製品や試料の異常と判断して試験を中止する機能を追加する。
試料が良品であれば、可変直流電源は、時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加するので、試料の特性が抵抗性であれ容量性であれ必ず電圧は上昇する。電圧上昇率がゼロならば試料端でショートが発生している可能性が高く、電圧上昇率がマイナスであれば電圧上昇中に絶縁破壊が発生した可能性が高い。
また、電圧が所定の設定電圧値(試験電圧)まで到達したかを合わせて監視し、電圧が設定値まで達するまでの電圧上昇期間中は電圧の上昇率の判定だけを行うようにすれば、WAIT TIMEの設定をなくすることもできる。さらに、RISE TIME終了時点で設定電圧値に到達していなかった場合には設定電圧値に達するまで電圧上昇動作を続け、設定電圧値に達してから自動的に直流電圧試験を開始する事もできる。
図4は、本発明の実施形態にかかる直流電圧試験方法の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、図3の直流電圧試験器300のCPUが実行する直流電圧試験方法のプログラムとして実装されることができる。
図4のフローチャートにおいて、DTは電圧、電流の測定を行う時間間隔を示し、前回の電圧の測定値と今回の電圧の測定値の差をDTで割れば、電圧の上昇率(変化率dV/dt)を求めることができる。DTは割り戻して上昇率に変換するので必ずしも一定値である必要は無いが、電圧測定分解能や、電圧上昇率、その判定基準値との間に後述するような条件がある。定期的な電圧、電流の測定は、タイマの時間経過をループで監視する、いわゆるダイナミックループの形式で表現しているが、割り込み等によるイベントハンドラの処理として実装することもできる。
図4のフローチャートでは、直流電圧試験方法のプログラムの開始(START)に続く最初のステップS401において、WAIT TIME、RISE TIMEや設定電圧値(試験電圧)VTなどの設定を行い、可変直流電源302を起動して電圧上昇(ランプ電圧の発生)を開始するとともに、電圧計303、電流計304の初期値を読み取り、前回測定値としてメモリ314に記憶しておく。
続くステップS402では、測定時間間隔の管理を行うタイマ312をスタートする。
ステップS403では、タイマの経過時間を確認して所定時間DTが経過したかを確認する。NOなら、ラベルLoopへ戻り、所定時間DTが経過するまでループする。
所定時間DTが経過したらループを抜けて、ステップS404で電圧計303、電流計304の現在の測定値をCPU313が読み取る。
ステップS405では、(現在の測定値−前回測定値)/DTを計算して電圧上昇率(dV/dt)を求める。併せて、現在の測定値を前回測定値としてメモリ314に記憶して更新する。
ステップS406では、ステップS405で求めた電圧上昇率が判定基準値(説明上、フローチャートでは便宜的に0としている)以下であるかを判定し、YESなら異常と判断してループを抜けて、試験は行わず直流電圧の発生を停止するとともに、異常処置を行ったことを表示部315に出力(S411)してENDとする。
ステップS407では、電圧が試験を開始するための設定値(試験電圧)VTまで到達したかを判定し、NOならラベルNext:のループへ戻り、YESであればループを抜ける。
ステップS408では、UPPER判定を行う場合のオプションとして、電流の測定値がUPPER閾値を超えているか判定し、YESなら異常と判断して、試験は行わず直流電圧の発生を停止するとともに、異常処置を行ったことを表示部315に出力(S411)してENDとする。NOであれば、電圧試験に移行する。
ステップS409では、電圧試験(TEST)を実行する。すなわち、絶縁抵抗試験であれば、直流電圧値と電流値の比として絶縁抵抗を求め、求められた絶縁抵抗の値が所定の値より大きければ、絶縁抵抗試験に合格ということになる。また、耐電圧試験であれば、印加した試験電圧を所定時間保持して、絶縁破壊が生じなければ、すなわち漏洩電流が所定値以下であれば合格とされる。
ステップS410では、電源の昇圧には成功したが電圧試験には不合格の場合も含めてこれらの試験結果を出力し、最後に制御部301のCPUは可変直流電源302による直流電圧の発生を停止して、ENDとする。
このようなフローチャートに従って、本発明の直流電圧試験方法を図3の直流電圧試験器300のCPU313が実行する本発明のプログラムとして実行して、本発明の直流電圧試験器を実現することができる。本発明のプログラムは制御部301のメモリ314に記憶されていてもよいし、外部の記録媒体やネットワークからロードされてもよい。
このような本発明の直流電圧試験方法によれば、試験開始前の電圧上昇の段階において電圧上昇率を監視することによって、被試験装置の異常を検出可能として、被試験装置および試験装置の破壊、故障などの事故を防止して、安全確実な直流電圧試験を実現することができる。
図5に、本発明の実施形態による直流電圧試験における電圧変化の波形例を示す。この例では、RISE TIME中に設定電圧値(試験電圧)に到達した場合を示している。設定電圧値VTに到達したことの検出は、例えば設定電圧値VTの97%程度の電圧値VT2に到達したことをもって判定することができる。
この直流電圧試験の例では、電圧測定分解能(約2.5V/LSB)、電圧測定確度規格±(1.2% reading + 20V)、RISE TIME設定0.1〜10.0秒、仕様保証出力電圧範囲50V〜6.00kVとしている。
この条件から電圧上昇率(dV/dt)の判定基準値の妥当なレベルは、例えば最小の出力電圧範囲の設定電圧値50Vを最長のRISE TIME(電圧上昇時間)の10.0秒で割って、
dV/dt判定基準値=50V/10秒=5V/秒
とすることができる。
あるいは、試験開始の際に実際に設定された設定電圧値とRISE TIMEに応じて、電圧上昇率(dV/dt)の判定基準値を変えることもできる。この場合は、判定のマージンを見て実際に設定された電圧値(設定電圧値、試験電圧、VT)を実際に設定された電圧上昇時間RISE TIMEで割った電圧上昇率の値に適当な係数(<1)を掛けた値とすることもできる。
また、電圧上昇率測定の時間間隔DTは、その間に電圧計の電圧測定分解能(約2.5V/LSB)以上の電圧変化が生じる条件より、
DT=電圧測定分解能/電圧上昇率(dV/dt)の判定基準値
以上とすることができる。もちろん、実際の電圧上昇率は、通常は判定基準値より大きいから、より迅速な判定制御のために、より短い時間間隔で電圧を測定してもよい。
また、出力電圧が低い場合は、電圧測定確度に加え電圧設定確度規格±(1% setting + 20V)も考慮して、出力設定電圧が例えば100V未満で試験開始の時はdv/dt判定は行わないこととしてもよい。
電圧上昇率dV/dtの判定でFAIL(≦判定基準値)となった場合は、電流のUPPER判定もFAIL(閾値越え)とする。
この様な条件で、電圧上昇開始から設定電圧に達するまでdV/dt判定を行い、WAIT TIMEも従来通り0.1〜10.0秒まで設定可能とする。また、WAIT TIMEに“AUTO”のモード設定を新設し、電圧上昇終了後、電圧が安定するのを待って一律に0.1〜0.3秒程度(図5では0.1秒)のWAIT TIMEの延長時間を設け、その後自動的に試験に移行することもできる。
図6に、本発明の実施形態による直流電圧試験における電圧変化の別の例を示す。この例では、RISE TIMEよりも設定電圧値に到達するのが長引いた時(大容量試料の場合)を示している。この場合も、設定電圧値VTに到達したことの検出は、例えば設定電圧値VTの97%程度の電圧値VT2に到達したことをもって判定することができる。
この様な場合は、WAIT TIMEを例えば前述の“AUTO”のようなモード設定として、設定電圧値までの到達時間の上限を例えば最大30秒程度に制限し、それを超えたらUPPER判定を FAILとして異常措置をとることもできる。
以上のように本発明では、直流電圧試験の電圧上昇動作中に、電圧上昇率も監視することによって、被試験装置の異常を検出可能として、被試験装置および試験装置の破壊、故障などの事故を防止して、安全確実な直流電圧試験を実現可能とした直流電圧試験器、直流電圧試験方法および直流電圧試験プログラムを提供することができる。
1 絶縁抵抗試験器
2 直流電源
3 コンセント
4 電気製品(被試験装置)
5 導電部
6,304 電流計(A)
7,303 電圧計(V)
R1、R2 絶縁抵抗
300 直流電圧試験器
301 制御部
302 可変直流電源
310、311 プローブ端子

Claims (10)

  1. 時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加する可変直流電源と、
    前記可変直流電源に並列接続された電圧計と、
    前記電圧計の測定する電圧値を定期的に読み取り、電圧上昇率を求め、前記電圧上昇率に基づいて前記可変直流電源を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする直流電圧試験器。
  2. 前記制御部は、前記電圧上昇率が所定の判定基準値以下の場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止する
    ことを特徴とする請求項1記載の直流電圧試験器。
  3. 前記可変直流電源に直列接続された電流計を更に備え、
    前記制御部は、前記電流計の測定する電流値が所定の閾値を超えている場合、または前記電流計の測定する電流値と前記電圧計の測定する電圧値から算出された抵抗値が所定の閾値を下回る場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の直流電圧試験器。
  4. 時間とともに電圧が上昇する直流電圧を試験対象の電気製品に印加する可変直流電源を起動するステップと、
    前記可変直流電源に並列接続された電圧計の測定する電圧値を定期的に読み取るステップと、
    前記読み取った電圧値より電圧上昇率を求めるステップと、
    前記電圧上昇率に基づいて前記可変直流電源を制御するステップと
    を備えたことを特徴とする直流電圧試験方法。
  5. 前記制御するステップは、前記電圧上昇率が所定の判定基準値以下の場合に前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止するステップ
    であることを特徴とする請求項4記載の直流電圧試方法。
  6. 前記可変直流電源に直列接続された電流計の測定する電流値を定期的に読み取るステップと、
    前記電流計の測定する電流値が所定の閾値を超えている場合、または前記電流計の測定する電流値と前記電圧計の測定する電圧値から算出された抵抗値が所定の閾値を下回る場合に、前記可変直流電源を制御して直流電圧の発生を停止するステップ
    を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の直流電圧試験方法。
  7. 電圧上昇率の前記判定基準値は、最小の出力電圧範囲の設定電圧値を最長の電圧上昇時間で割った値とする、または
    実際に設定された電圧値を実際に設定された電圧上昇時間で割った値に係数を掛けた値とする
    ことを特徴とする請求項5または6に記載の直流電圧試験方法。
  8. 前記電圧計で電圧を測定する時間間隔は、前記電圧計の電圧測定分解能を前記電圧上昇率の前記判定基準値で割った値以上とする
    ことを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載の直流電圧試験方法。
  9. 請求項4ないし8のいずれか1項に記載の直流電圧試験方法を、コンピュータにより実行する直流電圧試験プログラム。
  10. 請求項9に記載の直流電圧試験プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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