JP6620636B2 - 眼底画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼底画像の処理技術に関し、特に、動脈硬化や高血圧の指標の1つである動静脈径比を、眼底画像を処理することにより解析するための技術に関する。
生活習慣病として代表的な高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化などいわゆるメタボリックシンドロームにおいて、血圧・脂質・血糖は簡便に計測でき自己検診も可能である。しかし、動脈硬化の計測(通称:血管年齢検査)については、現状ではPWV検査(脈波伝播速度)、ABI検査(足関節上腕血圧比)、頚動脈エコー検査など、検査設備を備えた循環器専門のクリニックでないと計測ができない。これに対して、眼科クリニックが保有する眼底カメラを用いて眼底血管口径を計測することにより、高血圧や動脈硬化を簡便に計測する手法も知られている。眼底は人体の中で唯一血管を直接観察できる箇所であり、眼底動脈の硬化が全身の動脈と同様に進行すると仮定すれば、眼底写真の撮影により動脈硬化の計測が可能になる。眼底カメラは小型化・低価格化が進み、海外では既にスマートフォンでも撮影できる特殊なレンズが販売されており、眼底写真の自己撮影のインフラも整いつつある。
眼底写真を用いた高血圧や動脈硬化の計測手法として、Scheie分類が提案されており、動静脈径比、動静脈交叉部の静脈径比、動脈の血柱反射比の3者が主要な計測項目であり、これらに対応した計測支援手法も提案されている(特許文献1参照)。また、動静脈径比の計測を完全自動で行う手法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2007−319403号公報 特開平10−243924号公報
特許文献1に記載の技術では、血管幅の計測について、ユーザにより円形で指示された中心から、隣接画素との画素値の差が大きい箇所を境界とみなし、最近傍の境界点までの距離をもとに、血管の半径を算出している。しかし、眼底の病態により血管境界がぼけている場合、境界点を特定できず、血管幅が小さ目に計測される問題がある。特許文献2に記載の技術では、動脈と静脈では輝度に差があり(背景に比べ双方とも輝度が低いが、静脈は動脈より顕著に低い)、同一のしきい値で二値化して血管抽出すると、動脈幅は小さ目に静脈幅は大き目になる。そのため、動静脈径比が正しく計測できない。また、動静脈判別を自動で行う手法を提案し、誤判定箇所を血管の連続性により自動修正する機能も提案されているが、血管の分岐箇所では連続性の判定も誤る可能性がある。
上記のような問題により、現状では眼科医が眼底写真の上にゲージを当てて目視で計測する手法が一般的である。そのため、動静脈径比は1/2、1/3といった大まかな数値になり、進行度を定量的に比較できないという問題がある。一方、読み取り精度を上げても、計測者の主観によるバラツキ、計測箇所によるバラツキが多くなり、多くの計測箇所をサンプリングする必要があるが、眼科医の作業負荷が大きく現実的ではない。
そこで、本発明は、計測者の主観や計測箇所によるバラツキの問題を解消しながら、動静脈径比を客観的に計測することが可能な眼底画像処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、
眼底画像に対して処理を行う装置であって、
前記眼底画像に対して、動脈を含む範囲、静脈を含む範囲を各々計測範囲として設定する計測範囲設定手段と、
前記計測範囲から血流に相当する領域である血流領域を特定する血流領域特定手段と、
前記血流領域の内部に基準点を設定し、前記基準点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を、当該基準点を挟むようにして2つ探索し、当該2つのエッジ点を結ぶ線分の中点から、当該線分に直交する2方向にそれぞれ所定の距離だけ移動した位置に参照点を2つ設定し、前記各参照点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ探索して新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)とし、4つの新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)と前記2つの参照点を基に血流の幅方向の値を算出し、動脈と静脈についての当該血流の幅方向の値に基づいて血流幅比率を算出する血流幅比率算出手段と、
を備えることを特徴とする眼底画像処理装置を提供する。
本発明第1の態様によれば、眼底画像に対して、動脈を含む範囲、静脈を含む範囲を各々計測範囲として設定し、計測範囲から血流に相当する領域である血流領域を特定し、血流領域の内部に基準点を設定し、基準点より血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を、基準点を挟むようにして2つ探索し、2つのエッジ点を結ぶ線分の中点から、その線分に直交する2方向にそれぞれ所定の距離だけ移動した位置に参照点を2つ設定し、各参照点より血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ探索して新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)とし、4つの新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)と2つの参照点を基に血流の幅方向の値を算出し、動脈と静脈についての血流の幅方向の値に基づいて血流幅比率を算出するようにしたので、計測者の主観や計測箇所によるバラツキの問題を解消しながら、動静脈径比を客観的に計測することが可能となる。
また、本発明第2の態様では、前記眼底画像が所定の画素数になるように拡大処理を行う画像拡大手段を更に備え、拡大された眼底画像に対して前記計測範囲設定手段が計測範囲を設定することを特徴とする。
本発明第2の態様によれば、眼底画像が所定の画素数になるように拡大処理を行い、拡大された眼底画像に対して計測範囲を設定するようにしたので、画素数の単位で算出される動脈と静脈の2種類の血流の幅が大きな整数値になり、これらの比率である動静脈径比を算出する際に、整数値どうしの割り算による丸め誤差を小さくすることが可能となる。
また、本発明第3の態様では、前記血流領域特定手段は、計測範囲の画像が所定の画素数になるように拡大処理を行った後、血流領域を特定することを特徴とする。
本発明第3の態様によれば、計測範囲の画像が所定の画素数になるように拡大処理を行った後、血流領域を特定するようにしたので、画素数の単位で算出される動脈と静脈の2種類の血流の幅が大きな整数値になり、これらの比率である動静脈径比を算出する際に、整数値どうしの割り算による丸め誤差を小さくすることが可能となる。
また、本発明第4の態様では、前記血流領域特定手段は、前記眼底画像がRGB各256階調をもつフルカラー画像の場合、前記眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根により256階調をもつグレースケール画像に変換した上で、判別分析法に基づいて二値化のしきい値を算出し、前記グレースケール画像を前記しきい値で二値化した二値画像を用いて血流領域を特定することを特徴とする。
本発明第4の態様によれば、眼底画像がRGB各256階調をもつフルカラー画像の場合、眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根により256階調をもつグレースケール画像に変換した上で、判別分析法に基づいて二値化のしきい値を算出し、グレースケール画像をしきい値で二値化した二値画像を用いて血流領域を特定するようにしたので、血流領域の背景に対するコントラストを向上させ、血流領域の境界部を精度よく特定することが可能となる。
また、本発明第5の態様では、前記血流領域特定手段は、前記二値画像に対して領域抽出処理を行い、孤立領域が複数個抽出された場合、前記二値画像の中心に最も近い画素を含む領域を除く孤立領域を血流領域外の画素に設定することを特徴とする。
本発明第5の態様によれば、二値画像に対して領域抽出処理を行い、孤立領域が複数個抽出された場合、二値画像の中心に最も近い画素を含む領域を除く孤立領域を血流領域外の画素に設定するようにしたので、血流領域を的確に特定することが可能となる。
また、本発明第6の態様では、前記血流領域特定手段は、判別分析法に基づいて、前記グレースケール画像に対してヒストグラムを作成し、前記グレースケール画像に対して、所定の階調値sで2分割した際、低階調側の画素個数をN1(s)、階調平均値をV1(s)、高階調側の画素個数をN2(s)、階調平均値をV2(s)とし、判別式D(s)=N1(s)・N2(s)・(V1(s)−V2(s))2において、s=smaxのとき最大値D(smax)=Dmaxをとるとき、所定の係数をα(0.9<α<1.0)とすると、D(s)=Dmax・αを満たす階調値sを前記二値化のしきい値に設定することを特徴とする。
本発明第6の態様によれば、判別分析法に基づいて、グレースケール画像に対してヒストグラムを作成し、グレースケール画像に対して、所定の階調値sで2分割した際、低階調側の画素個数をN1(s)、階調平均値をV1(s)、高階調側の画素個数をN2(s)、階調平均値をV2(s)とし、判別式D(s)=N1(s)・N2(s)・(V1(s)−V2(s))2において、s=smaxのとき最大値D(smax)=Dmaxをとるとき、所定の係数をα(0.9<α<1.0)とすると、D(s)=Dmax・αを満たす階調値sを二値化のしきい値に設定するようにしたので、動脈、静脈に応じた的確なしきい値による二値画像を得ることが可能となる。
また、本発明第7の態様では、前記血流幅比率算出手段は、前記2つの参照点(C1、C2)の各々より探索された2つのエッジ点の中点を中点O1および中点O2とすると、中点O1と中点O2の中点Oより、中点O1および中点O2を結ぶ直線の2方向に、前記所定の距離(Off1)より大きい所定の距離(Off2>Off1)だけ移動した参照点(C1、C2)を2つ再設定し、前記再設定された各参照点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ再探索し、再探索された4つのエッジ点(E11、E12、E21、E22)と前記再設定された2つの参照点(C1、C2)を基に前記血流の幅方向の値を算出することを特徴とする。
本発明第7の態様によれば、2つの参照点(C1、C2)の各々より探索された2つのエッジ点の中点を中点O1および中点O2とすると、中点O1と中点O2の中点Oより、中点O1および中点O2を結ぶ直線の2方向に、所定の距離(Off1)より大きい所定の距離(Off2>Off1)だけ移動した参照点(C1、C2)を2つ再設定し、再設定された各参照点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ再探索し、再探索された4つのエッジ点(E11、E12、E21、E22)と再設定された2つの参照点(C1、C2)を基に血流の幅方向の値を算出するようにしたので、血流の幅方向の値を算出するための点をより的確に設定することが可能となる。
また、本発明第8の態様では、前記血流幅比率算出手段は、再探索された4つのエッジ点のうち対向する輪郭線上の2つのエッジ点間を結ぶ線分の中点をそれぞれ端点とし、端点とエッジ点の距離に基づいて前記血流の幅方向の値を算出することを特徴とする。
本発明第8の態様によれば、再探索された4つのエッジ点のうち対向する輪郭線上の2つのエッジ点間を結ぶ線分の中点をそれぞれ端点とし、端点とエッジ点の距離に基づいて血流の幅方向の値を算出するようにしたので、血管の口径が大きく変化する箇所においても、血流の幅方向の値を算出するための点をより的確に設定することが可能となる。
また、本発明第9の態様では、前記血流幅比率算出手段は、動脈の1以上の箇所に対する前記血流の幅方向の値の平均値を、静脈の1以上の箇所に対する前記血流の幅方向の値の平均値で除した値を前記血流幅比率として算出することを特徴とする。
本発明第9の態様によれば、動脈の1以上の箇所に対する血流の幅方向の値の平均値を、静脈の1以上の箇所に対する血流の幅方向の値の平均値で除した値を血流幅比率として算出するようにしたので、血流幅比率をより的確に算出することが可能となる。
また、本発明第10の態様では、コンピュータを、上記眼底画像処理装置として機能させるためのプログラムを提供する。コンピュータとしては、同一の筐体に内蔵される画像入力装置で撮影された眼底画像に対して画像処理をするものも含まれる。
本発明第10の態様によれば、プログラムを組み込むことにより、眼底画像処理装置を汎用のコンピュータにより実現することが可能となる。タブレットやスマートフォンなどの携帯型コンピュータに、アプリと呼ばれるプログラムを組み込んだ場合には、内蔵されるカメラで撮影された眼底画像に対して画像処理を実現でき、眼底画像入力装置および眼底画像処理装置の双方の機能を単一のコンピュータにより実現することが可能となる。
本発明によれば、計測者の主観や計測箇所によるバラツキの問題を解消しながら、動静脈径比を客観的に計測することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置100のハードウェア構成図である。 本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の処理概要を示すフローチャートである。 拡大処理後の眼底画像と解析範囲を示す図である。 解析範囲、計測範囲、計測範囲設定画面を示す図である。 ステップS400における血流領域の特定の処理を示すフローチャートである。 判別値D(s)の値としきい値sl、srとの関係を示す図である。 中心領域抽出と周辺領域除去の様子を示す図である。 ステップS500の血流幅の算出の詳細を示すフローチャートである。 基準点の算出および補正の様子を示す図である。 エッジ点と参照点の設定の様子を示す図である。 エッジ点と中点の設定の様子を示す図である。 参照点とエッジ点の設定の様子を示す図である。 エッジ点の再設定と計測ゲージの表示の様子を示す図である。 実際の画像に計測ゲージを重ねて表示させた例を示す図である。 解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測範囲が設定された例を示す図である。 解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測範囲が設定された例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.装置構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置のハードウェア構成図である。本実施形態に係る眼底画像処理装置100は、タブレットやスマートフォンなどカメラや無線通信機能を備えた携帯型の汎用のコンピュータで実現することができ、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)1と、コンピュータのメインメモリであるRAM(Random Access Memory)2と、CPU1が実行するプログラムやデータを記憶するためのフラッシュメモリ等の大容量の記憶装置3と、解析対象の血流領域を指示したり操作メニューを指示したりするためのタッチパネル入力I/F(インターフェース)4と、無線通信等により外部の眼底カメラから画像入力したり、解析結果を外部のサーバーコンピュータやプリンターに出力するためのデータ入出力I/F(インターフェース)5と、画像データ等を表示するための液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスである表示部6と本体内蔵のカメラ(眼底部を撮影するための光源とマクロレンズを装着して眼底カメラとしても使用できる)である画像入力部7と、を備え、互いにバスを介して接続されている。
図2は、本実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図2において、10は画像拡大手段、20は計測範囲設定手段、30は血流領域特定手段、40は血流幅比率算出手段、50は眼底画像記憶手段、60は算出値記憶手段である。
画像拡大手段10は、眼底画像記憶手段50から読み込まれた眼底画像に対し、所定の画素数になるように拡大処理を行う。これは、血流幅の計測が画素単位に行われるが、原画の画素数のままでは値が小さ過ぎて、2種の血流幅どうしで割り算を行うと、丸め誤差により高血圧や動脈硬化の度合を判定するのに十分な精度が得られないためである。計測範囲設定手段20は、眼底画像に対して、動脈を含む範囲、静脈を含む範囲を各々計測範囲として設定する。血流領域特定手段30は、計測範囲から血流に相当する領域である血流領域を特定する。血流幅比率算出手段40は、血流領域の内部に基準点を設定し、基準点より血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点(E1、E2)を、基準点を挟むようにして2つ探索し、2つのエッジ点を結ぶ線分の中点から、線分に直交する2方向にそれぞれ所定の距離だけ移動した位置に参照点(C1、C2)を2つ設定し、各参照点より血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ探索して新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)とすると、探索された4つの新たなエッジ点(E11、E12、E21、E22)と2つの参照点を基に血流の幅方向の値を算出できる。しかし、エッジ点E1とエッジ点E2を結ぶ直線は血管走行方向と必ずしも直交せず、2つの参照点C1とC2を結ぶ直線は血管走行方向と必ずしも並行にならないため、この段階では血流の幅方向の値を正確に算出できない。そこで、探索された4つのエッジ点(E11、E12、E21、E22)の中点を改めて基準点とし、再設定した基準点より、エッジ点E11とE12の中点からエッジ点E21とE22の中点を結ぶ直線の方向に2つの参照点(C1、C2)を再設定し、再設定された2つの参照点(C1、C2)をもとに、4つのエッジ点(E11、E12、E21、E22)を再探索するようにした。このようにして、再探索された4つのエッジ点(E11、E12、E21、E22)と再設定された2つの参照点を基に血流の幅方向の値を正確に算出し、動脈と静脈についての当該血流の幅方向の値に基づいて血流幅比率を算出する。なお、本発明において「血流」領域を特定し、「血流」幅比率を算出しているのは、血管の幅が透明であることから、血管壁の特定、血管幅比率の算出が難しいためである。しかし、動脈硬化により一般に血管壁は厚くなり、血流幅は狭くなるが、血管の幅はあまり変化しない。そのため、むしろ血管幅比率を算出するよりも血流領域を特定し、血流幅比率を算出する方法の方が、高血圧や動脈硬化の度合を判定するのには有用である。
画像拡大手段10、計測範囲設定手段20、血流領域特定手段30、血流幅比率算出手段40は、CPU1が、記憶装置3に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。眼底画像記憶手段50は、データ入出力I/F5または画像入力部7により可視光または赤外線・光源方式の眼底カメラを用いてフルカラー(可視光の場合)・モノクロ(赤外光の場合)で撮影された、血流領域の抽出対象となるフルカラー眼底画像を記憶した記憶手段であり、記憶装置3により実現される。尚、赤外線光源方式の眼底カメラで撮影された眼底画像は、通常モノクロで撮影されるが、RGBに同一の値をもたせたフルカラー画像として記憶装置3には記憶される。また、赤外線光源方式の眼底カメラは、コンピュータとは外付けになり、データ入力I/F5を介して記憶装置3に取り込まれる形態になるが、可視光光源方式の眼底カメラは、コンピュータに内蔵する画像入力部7に眼底撮影用の光源とマクロレンズを装着して眼底カメラとして使用することもできる。眼底画像処理装置にフルカラーの眼底画像を読み込ませて、そのまま処理を行う場合は、RAM2が眼底画像記憶手段50としての役割を果たす。フルカラーの眼底画像とは、RGBの3成分により記録された画像データであり、被験者の眼底が撮影されたものである。本実施形態では、RGB各色8ビット256階調で記録されたものを用いている。算出値記憶手段60は、血流幅比率算出手段40により算出された血流幅、血流幅比率等を記憶する記憶手段であり、記憶装置3により実現される。
図2に示した各構成手段は、現実には図1に示したように、コンピュータおよびその周辺機器等のハードウェアに専用のプログラムを搭載することにより実現される。すなわち、コンピュータが、専用のプログラムに従って各手段の内容を実行することになる。コンピュータに内蔵するカメラに眼底撮影用の光源やマクロレンズを装着すれば眼底カメラの機能を代替でき(現状、日本国内では認可されていないが)、眼底撮影から眼底画像処理まで一貫して単一の携帯型コンピュータで実現できる。なお、本明細書において、コンピュータとは、CPU等の演算処理部を有し、データ処理が可能な装置を意味し、カメラや無線通信機能を備えたタブレット・スマートフォン等の携帯型端末だけでなく、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータも含む。
図1に示した記憶装置3には、CPU1を動作させ、コンピュータを、眼底画像処理装置として機能させるための専用のプログラムが実装されている。この専用のプログラムを実行することにより、CPU1は、画像拡大手段10、計測範囲設定手段20、血流領域特定手段30、血流幅比率算出手段40としての機能を実現することになる。また、記憶装置3は、眼底画像記憶手段50、算出値記憶手段60として機能するだけでなく、眼底画像処理装置としての処理に必要な様々なデータを記憶する。
<2.処理動作>
<2.1.前処理>
まず、処理対象とする眼底画像を撮影または用意する。血管計測を目的とした眼底画像としては、赤外線光源により撮影されるグレースケール(モノクロ)画像(眼底血管造影像)であることが理想であるが、撮影機器が高額なため、本実施形態では普及している可視光光源により撮影されるカラー画像を処理対象とする。グレースケール(モノクロ)画像の場合もフルカラー画像の形式に統一される。可視光光源で撮影されるカラー画像も、後述するように後にグレースケール画像に変換するが、色の特徴を活用した方が、血流領域を高精度に抽出できるためである。カラー画像としては、R,G,B各成分少なくとも8ビット256階調以上のフルカラー画像が好ましい。フルカラーの眼底画像としては、デジタル方式の眼底カメラによりフルカラーで撮影した画像ファイルがあれば、そのまま使用できる。アナログ方式の眼底カメラにより写真媒体に記録された過去のものであれば、保管されていたアナログのモノクロまたはカラーのネガ・ポジフィルム、印画紙、インスタント写真等をスキャナによりフルカラーで読み取る等してデジタルの眼底画像ファイルを取得する。この時、たとえ原画がモノクロであっても、フルカラーで読み取る。最近では、可視光・光源方式のデジタル眼底カメラを用いてフルカラーで撮影することにより眼底画像がデジタルファイルの形式で得られる。取得した眼底画像は、眼底画像処理装置の眼底画像記憶手段50に記憶させる。本実施形態では、眼底画像としてR,G,B各成分8ビット256階調のフルカラー画像を用意する。
<2.2.処理概要>
次に、図1、図2に示した眼底画像処理装置の処理動作について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の処理概要を示すフローチャートである。まず、画像拡大手段10が、眼底画像に対して、拡大処理を行う(ステップS100)。具体的には、眼底画像の画素数を増加させる。この時、見かけ上は解像度が上がるが、拡大処理に特殊な補間を加えて解像度そのものを向上させる必要はない。処理対象とする眼底画像の画素数は、縦方向が3000画素程度であることが好ましい。そのため、縦方向が3000画素以上になるように、横方向との比率を合わせて拡大する。例えば、横1280画素×縦1024画素の画像に眼底全体が収まるような場合には、血流幅が数画素程度となり、血流幅どうしで割り算をすると、まともな解析を行うことができない。したがって、元の眼底画像が横1280画素×縦1024画素である場合、縦横ともに300%拡大する。本実施形態では解像度を上げる必要はないので、拡大処理を行うためには、増加させた画素に適当な画素値を与えればよく、高度な補間手法を用いる必要はない。本実施形態では、公知のバイリニアー法を用いている。この拡大処理は、後述する計測範囲のトリミング(ステップS410)で行うこともできるため、その場合はステップS100での拡大処理を省略できる。
眼底画像の拡大処理が行われたら、次に、計測範囲設定手段20が、拡大後の眼底画像に対して、解析範囲の設定を行う(ステップS200)。具体的には、計測範囲設定手段20は、まず、拡大処理された眼底画像を表示部6に表示させ、利用者に対して解析範囲の指定を促す。利用者が、タッチパネル入力I/F4を介して眼底画像内の所定の範囲を指定すると、計測範囲設定手段20は、指定された範囲を解析範囲として設定する。所定の範囲の指定は、例えば、利用者がタッチパネル等を用いて、眼底画像上に表示される矩形に対してドラッグ等を行って解析範囲を特定することにより行うことができる。このときの眼底画像の表示例を図4に示す。図4の例では、拡大処理された横3840画素×縦3072画素となった眼底画像に、横515画素×縦515画素の解析範囲が設定された状態を示している。解析範囲は、後に設定される複数の計測範囲全てを含む範囲として設定される。すなわち、計測範囲は、設定された解析範囲の中で設定されることになる。
解析範囲の設定が行われたら、次に、計測範囲設定手段20は、解析範囲の画像に対して、計測範囲の設定を行う(ステップS300)。具体的には、計測範囲設定手段20は、まず、解析範囲の画像を表示部6に表示させ、利用者に対して計測範囲の指定を促す。利用者が、タッチパネル入力I/F4を介して眼底画像内の解析範囲の所定の範囲を指定すると、計測範囲設定手段20は、指定された範囲を計測範囲として設定する。所定の範囲の指定手法は、ステップS200の解析範囲の場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。本実施形態では、解析範囲の場合と同様、利用者がタッチパネル等を用いて、解析範囲の画像上で矩形に対してドラッグ等を行って計測範囲を特定することにより行うことができる。このときの解析範囲の表示例を図5(a)に示す。図5(a)の例では、解析範囲である横515画素×縦515画素の眼底画像に、横85画素×縦85画素の計測範囲が設定された状態を示している。後述するように、計測範囲に基準点を設定する際、最初に設定した基準点を血流領域内に移動する補正を行うことになるが、その移動量である基準点オフセットに応じて計測範囲を設定する必要がある。例えば、基準点オフセット(重心オフセット)が20画素である場合、計測範囲として横50画素×縦50画素以上が必要となる。
計測範囲が設定されたら、計測範囲設定手段20は、計測範囲設定画面を表示させ、利用者に対して計測範囲が動脈か静脈かのいずれかの選択指示を促す。図5(b)に計測範囲設定画面の一例を示す。計測範囲設定手段20は、利用者に対して複数の計測範囲の指定、それぞれに対して動脈か静脈かのいずれかの選択指示を促し、計測範囲を設定する。計測範囲の設定は、少なくとも動脈、静脈それぞれに対応する箇所に1つ以上設定されるように行う。
図5(b)に示した計測範囲設定画面では、計測範囲が動脈か静脈かのいずれかの選択指示だけでなく、計測範囲について様々な指定を行うことができるようになっている。図5(b)の例では、グレー変換・相乗平均法を用いるか否か、二値かしきい値の自動設定を行うか否か、動静脈同時解析を行うか否か、トリミング領域カラー表示を行うか否か、が設定可能になっている。ただし、動脈と静脈のいずれであるかの指定は必須となっている。
計測範囲の設定が行われたら、次に、血流領域特定手段30が、計測範囲設定画面を利用して入力された内容に従って、血流領域の特定を行う(ステップS400)。具体的には、各計測範囲の血流領域の特定を行う。
図6は、ステップS400における血流領域の特定の処理を示すフローチャートである。まず、血流領域特定手段30は、設定された計測範囲のトリミングを行う(ステップS410)。具体的には、解析範囲の画像から計測範囲の画像を切り出して抽出する。この際、計測範囲の画像が所定の画素数になるように上記画像拡大手段10と同様の拡大処理を行うこともできる。ここで拡大処理を行う場合は、上記画像拡大手段10が行う処理を省略することができるし、上記画像拡大手段10が行った拡大処理が不十分な場合、ここで再度拡大処理を行っても良い。
次に、血流領域特定手段30は、抽出した計測範囲の画像に対して、グレースケール変換を行う(ステップS420)。上述のように、フルカラーの眼底画像は、各色8ビット256階調の画像データである。したがって、x方向の画素数Xs、y方向の画素数Ysの眼底画像は、色成分を示す変数c=0(Red),1(Green),2(Blue)とすると、Image(x,y,c)=0〜255(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1;c=0,1,2)と定義される。
グレースケールの画像への変換の際、フルカラーの眼底画像Image(x,y,c)に対してGreen成分のみを使用する、即ち、Gr(x,y)=Image(x,y,1)により変換する方法が最良であることが知られている(特許文献1参照)。理由は、眼底カメラで使用されている3原色フィルタではGreen成分に比べRedとBlue成分の解像度が低く、これらの分色画像では血管の輪郭が不鮮明になりがちであるためである。しかし、本発明者は、多くの眼底カメラ画像を分析した結果、Green成分は照明光が十分にあたっている中央付近では鮮明であるが、照明光が弱い周辺部ではGreen成分よりむしろBlue成分の方が鮮明であり、更にBlue成分はGreen成分と異なり、血管部の輝度が周囲に比べて高くなるという反転現象を見出した(眼底画像全般に血管部の輝度は周囲に比べて低くなる)。そこで、本実施形態では、以下の〔数式1〕に従った処理を実行することによりグレースケール変換する手法を提案する。ただし、〔数式1〕は全てのフルカラーの眼底画像に適用になるわけではなく、従来から言われているGr(x,y)=Image(x,y,1)により変換する方法の方が適切な眼底画像も少なからず存在するため、これらは与えられた眼底画像ごとに適宜選択する必要がある。血流領域特定手段30は、以下の〔数式1〕に従った処理を実行することによりグレースケール変換する。
〔数式1〕
Gr(x,y)=[Image(x,y,1)・(255−Image(x,y,2))]1/2
上記〔数式1〕において、Image(x,y,1)は、フルカラーの眼底画像のうち、G(グリーン、緑)の成分を示し、Image(x,y,2)は、フルカラーの眼底画像のうち、B(ブルー、青)の成分を示している。したがって、上記〔数式1〕においては、各画素のG成分と、B成分をネガポジ反転したものの相乗平均値(積の平方根)を求め、グレースケール形式の画像Gr(x,y)を得ている。
さらに、血流領域特定手段30は、グレースケール形式の画像Gr(x,y)に対して、以下の〔数式2〕に従った処理を実行することによりネガポジ反転してグレースケールの眼底画像Gray(x,y)を得る。
〔数式2〕
Gray(x,y)=255−Gr(x,y)
上記〔数式2〕に従った処理を実行して、ネガポジ反転することにより、周囲に比べ輝度が低い血流領域の画素値が高い状態に変換される。ここで、ネガポジ反転とは、元の画素値の大きいもの程小さい値に変換する処理を意味する。
グレースケール変換が行われたら、次に、血流領域特定手段30は、計測範囲内の二値化を行う(ステップS430)。二値化の手法としては、様々なものを用いることができるが、本実施形態では、以下のような手法で二値化を行っている。まず、0〜255の値をもつグレースケールの画像Gray(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、濃度ヒストグラムHist(v)(v=0,・・・,255)を算出する。そして、ヒストグラムを2分割する境界(しきい値)をs(s=1,・・・,255)とし、以下の〔数式3〕に従った処理を実行し、判別値D(s)を算出する。
〔数式3〕
Sum1(s)=Σv=0,s-1Hist(v)・v
Sum2(s)=Σv=s,255Hist(v)・v
N1(s)=Σv=0,s-1Hist(v)
N2(s)=Σv=s,255Hist(v)
V1(s)=Sum1(s)/N1(s)
V2(s)=Sum2(s)/N2(s)
W(s)=(V1−V2)
D(s)=N1(s)・N2(s)・W(s)2
上記〔数式3〕の第1式において、Σの添え字の“v=0,s−1”は、vが0からs−1までの総和を求めることを示している。同様に、第2式〜第4式においても添え字の範囲で総和を求める。また、上記〔数式3〕において、N1(s)は階調値(画素値)sより低階調側の画素個数、N2(s)は階調値(画素値)sより高階調側の画素個数、V1(s)は階調値(画素値)sより低階調側の階調平均値、V2(s)は階調値(画素値)sより高階調側の階調平均値である。なお、“・”は乗算を示している。
上記〔数式3〕の最後の式である判別式に従ってD(s)を算出し、判別値D(s)を最大とするs=Smをしきい値として二値化を行う手法は、公知の判別分析法と実質的に同じものとなっている。本実施形態では、0.9≦α≦1.0とし、s=1,・・・,255において、D(s)がDmax・αに最も近い値をもつsの値をSl(<Sm)、Sr(>Sm)とし、SlまたはSrを二値化のしきい値Sとする。図7は、判別値D(s)の値としきい値sl、srとの関係を示す図である。本実施形態では、動脈と静脈で異なる態様でしきい値を設定している。動脈については、α=0.98としてslをしきい値とし、静脈については、α=0.96としてsrをしきい値に設定している。動脈と静脈でしきい値が異なるため、二値画像は、動脈用と静脈用の2つが得られることになる。動脈の方が静脈よりしきい値が高く設定されているのは、動脈は静脈に比べてコントラストが小さく輪郭部のぼけ幅が大きいことにより、実際より細く算出されることを防ぐためである。二値画像としては、一方の値を0、他方の値を128等に設定することができる。なお、この係数αは、図5(b)に示した計測範囲設定画面により%単位で指定することにより、任意に設定することもできる。ステップS300における計測範囲設定手段20による計測範囲の設定により、各設定範囲については、動脈か静脈のいずれであるかの情報が設定されている。したがって、血流領域特定手段30は、設定された動脈、静脈に対応したしきい値を用いて各計測範囲内の二値化を行うことになる。
計測範囲の二値化が行われたら、次に、血流領域特定手段30は、中心領域抽出と周辺領域除去を行う(ステップS440)。中心領域抽出と周辺領域除去の手法については、様々なものを用いることができるが、本実施形態では、特許第5157963号にも開示されているような以下のような手法で行っている。まず、0または128の値をもつ二値画像Bin(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、8近傍のいずれかの隣接画素が128の値をもつ領域画素群にユニークなIDを付与してラベリングする。
領域のラベリングは以下のように行う。ラベリング画像をLabel(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)とし、全画素の初期値およびIDの初期値を0にし、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2においてBin(x,y)>0の場合、以下を実行する。
近傍4画素Label(x−1,y−1)、Label(x,y−1)、Label(x+1,y−1)、Label(x−1,y)のいずれかが、0以外の値IDpをもつ場合、Label(x,y)=IDpに設定し、いずれも0である場合、ID←ID+1として、Label(x,y)=IDに設定する。
続いて、異なるIDが付与されている隣接領域を統合する処理を行う。x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2において、IDo=Label(x,y)としてIDo>0の場合で、かつ、近傍8画素Label(x−1,y−1)、Label(x,y−1)、Label(x+1,y−1)、Label(x−1,y)、Label(x+1,y)、Label(x−1,y+1)、Label(x,y+1)、Label(x+1,y+1)のいずれかが、0以外の値IDpをもち、IDpとIDoが等しくない場合、以下を実行する。
IDp<IDoの場合、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2において、Label(x,y)=IDoの画素を全てLabel(x,y)=IDpに置換する。IDp>IDoの場合、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2において、Label(x,y)=IDpの画素を全てLabel(x,y)=IDoに置換する。このような領域抽出処理により、128の値を持つ画素の集合からなる孤立領域が複数個抽出されることになる。
次に、複数の孤立領域のうち、画像の中心画素(Xs/2,Ys/2)に最も近い画素を含む中心領域のIDcを探索し、IDc以外のIDをもつ領域の画素値を全て0にして周辺領域を除去する。u=0,・・・,Xs/4−1;v=0,・・・,Ys/4−1において、Label(Xs/2+u,Ys/2+v)、Label(Xs/2−u,Ys/2+v)、Label(Xs/2+u,Ys/2−v)、Label(Xs/2−u,Ys/2−v)のいずれかが0以外の値IDcをもつまで探索する。そして、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2において、Label(x,y)がIDcとならない二値画像の画素を全てBin(x,y)=0とすることにより周辺領域を除去する。すなわち、孤立領域を血流領域外の画素に設定する。例えば、図8(a)に示したようなID0、ID1、ID2の領域が存在する画像から、周辺領域であるID0とID2が除去されることにより、図8(b)に示すように、中心領域であるID1のみが残る。ステップS440における処理の結果、抽出された中心領域が血流領域として特定される。
血流領域が特定されたら、次に、血流幅比率算出手段40が、血流幅の算出を行う(ステップS500)。図9は、ステップS500の血流幅の算出の詳細を示すフローチャートである。ステップS500の処理について、図9のフローチャートを用いて説明する。まず、血流領域の輪郭抽出を行う(ステップS510)。具体的には、まず、0または128の値をもつ二値画像Bin(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、0/255の値をもつ輪郭画像をEdge(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)とし、全ての画素の初期値Edge(x,y)=0とする。
x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2に対して、各画素Bin(x,y)と8近傍画素Bin(x−1,y−1)、Bin(x,y−1)、Bin(x+1,y−1)、Bin(x−1,y)、Bin(x+1,y)、Bin(x−1,y−2)、Bin(x,y−2)、Bin(x+1,y−2)の中で128の値をもつ画素をカウントし、カウント値が4〜6の場合、エッジ画素とみなして、Edge(x,y)=255に設定する。そして、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2に対して、Edge(x,y)=0、かつBin(x,y)=128になる画素を領域内部の画素として全てEdge(x,y)=128に置換する。
次に、基準点の算出を行う(ステップS52)。具体的には、まず、0/128/255の値をもつ三値の輪郭画像Edge(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2の範囲で、Edge(x,y)=255となる画素位置のX方向の最大値、最小値をそれぞれXmax、Xminとし、Y方向の最大値、最小値をそれぞれYmax、Yminとすると、基準点(Xg,Yg)は、Xg=(Xmin+Xmax)/2、Yg=(Ymin+Ymax)/2となる。すなわち、基準点は、初期値として、計測範囲の重心(中心)に設定されることになる。Edge(Xg,Yg)=128でない場合、すなわち、図10(a)に示すように、基準点(Xg,Yg)が血流領域内にない場合、Edge(Xg´,Yg´)=128となるように、以下のような基準点の補正を行う。
まず、x座標の補正を行う。具体的には、Edge(x,Yg)(x=0,・・・,Xs−1)に対して、x=1,・・・,Xs−2の範囲で、Edge(x,Yg)=255となる画素位置のX方向の最大値、最小値をそれぞれXmax´、Xmin´としたとき、Xg´=(Xmax´+Xmin´)/2とする。Edge(Xg´,Yg)=128でない場合、代わりに、y座標の補正を行う。具体的には、Edge(Xg,y)(y=0,・・・,Ys−1)に対して、y=1,・・・,Ys−2の範囲で、Edge(Xg,y)=255となる画素位置のY方向の最大値、最小値をそれぞれYmax´、Ymin´としたとき、Yg´=(Ymax´+Ymin´)/2とする。Edge(Xg,Yg´)=128でない場合、エラーとし、ステップS300の計測範囲の設定に戻り、再度計測範囲の設定のための指定を促す。Edge(Xg´,Yg)=128の場合またはEdge(Xg,Yg´)=128の場合、図10(b)に示すように、基準点(Xg´,Yg)または(Xg,Yg´)が血流領域内に存在することになる。符号が繁雑になるのをさけるため、以下では、補正後のXg´、Yg´をそれぞれXg、Ygとして説明する。
次に、エッジ点E1とエッジ点E2の探索を行う(ステップS530)。具体的には、まず、0/128/255の値をもつ三値の輪郭画像Edge(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2の範囲で、基準点(Xg,Yg)からの距離が最小(最短)となる輪郭線上の画素であるエッジ点E1(Xe1,Ye1)を探索する。すなわち、Edge(Xe1,Ye1)=255かつ(Xe1−Xg)2+(Ye1−Yg)2が最小となる。
続いて、基準点(Xg,Yg)より、エッジ点E1(Xe1,Ye1)と反対方向に(完全な反対方向ではない)、エッジ点E1(Xe1,Ye1)からの距離が最小(最短)となる輪郭線上の画素であるエッジ点E2(Xe2,Ye2)を探索する。すなわち、以下の〔数式4〕を満たすエッジ点E2(Xe2,Ye2)を探索する。
〔数式4〕
D1g=[(Xe1−Xg)2+(Ye1−Yg)2]1/2
D2g=[(Xe2−Xg)2+(Ye2−Yg)2]1/2とし、
Edge(Xe2,Ye2)=255かつ
[(Xe2−Xg)(Xe1−Xg)+(Ye2−Yg)(Ye1−Yg)]/D1g/D2g<−0.8かつ
(Xe2−Xe1)2+(Ye2−Ye1)2が最小
この結果、図11(a)に示すように血流領域の対向する各輪郭線上に、エッジ点E1、エッジ点E2が設定される。
エッジ点が探索されたら、次に、参照点C1と参照点C2の設定を行う(ステップS540)。具体的には、エッジ点E1(Xe1,Ye1)とエッジ点E2(Xe2,Ye2)の中点を(Xo,Yo)とする。すなわち、Xo=(Xe1+Xe2)/2,Yo=(Ye1+Ye2)/2である。そして、中点(Xo,Yo)よりエッジ点E1(Xe1,Ye1)とエッジ点E2(Xe2,Ye2)を結ぶ直線と直交する方向に、所定値Off1だけ2方向に移動させた参照点C1(Xc1,Yc1)と参照点C2(Xc2,Yc2)を設定する。すなわち、以下の〔数式5〕を満たす参照点C1(Xc1,Yc1)と参照点C2(Xc2,Yc2)を設定する。ここで、2つのエッジ点E1とエッジ点E2を結ぶ直線は血管走行方向と必ずしも直交しないため、算出される参照点C1と参照点C2が血流領域外にはみださないように、所定値Off1は小さ目な値(例えば、エッジ点E1とエッジ点E2の距離より小さい値)を設定する。
〔数式5〕
エッジ点E1(Xe1,Ye1)からエッジ点E2(Xe2,Ye2)への単位ベクトル(E12x,E12y)をE12x=(Xe2−Xe1)/D12,E12y=(Ye2−Ye1)/D12
D12=[(Xe2−Xe1)2+(Ye2−Ye1)2]1/2
とすると、
Xc1=E12y・Off1+Xo
Yc1=−E12x・Off1+Yo
Xc2=−E12y・Off1+Xo
Yc2=E12x・Off1+Yo
この結果、図11(b)に示すように、エッジ点E1、エッジ点E2を結ぶ線分を挟むようにして参照点C1、参照点C2が設定される。
次に、エッジ点E11・E12とエッジ点E21・E22の探索を行う(ステップS550)。具体的には、まず、0/128/255の値をもつ三値の輪郭画像Edge(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2の範囲で、参照点C1(Xc1,Yc1)からの距離が最小となる輪郭線上の画素であるエッジ点E11(Xe11,Ye11)を探索する。すなわち、Edge(Xe11,Ye11)=255かつ(Xe11−Xc1)2+(Ye11−Yc1)2が最小となる。
続いて、参照点C1(Xc1,Yc1)より、エッジ点E11(Xe11,Ye11)と反対方向に(完全な反対方向ではない)、エッジ点E11(Xe11,Ye11)からの距離が最小となる輪郭線上の画素であるエッジ点E12(Xe12,Ye12)を探索する。すなわち、以下の〔数式6〕を満たすエッジ点E12(Xe12,Ye12)を探索する。
〔数式6〕
D11c=[(Xe11−Xc1)2+(Ye11−Yc1)2]1/2
D12c=[(Xe12−Xc1)2+(Ye12−Yc1)2]1/2とし、
Edge(Xe12,Ye12)=255かつ
[(Xe12−Xc1)(Xe11−Xc1)+(Ye12−Yc1)(Ye11−Yc1)]/D11c/D12c<−0.8かつ
(Xe12−Xe11)2+(Ye12−Ye11)2が最小
続いて、同様に、三値の輪郭画像Edge(x,y)(x=0,・・・,Xs−1;y=0,・・・,Ys−1)に対して、x=1,・・・,Xs−2;y=1,・・・,Ys−2の範囲で、参照点C2(Xc2,Yc2)からの距離が最小となる輪郭線上の画素であるエッジ点E21(Xe21,Ye21)を探索する。すなわち、Edge(Xe21,Ye21)=255かつ(Xe21−Xc2)2+(Ye21−Yc2)2が最小となる。
続いて、参照点C2(Xc2,Yc2)より、エッジ点E21(Xe21,Ye21)と反対方向に(完全な反対方向ではない)、エッジ点E21(Xe21,Ye21)からの距離が最小となる輪郭線上の画素であるエッジ点E22(Xe22,Ye22)を探索する。すなわち、以下の〔数式7〕を満たすエッジ点E22(Xe22,Ye22)を探索する。
〔数式7〕
D21c=[(Xe21−Xc2)2+(Ye21−Yc2)2]1/2
D22c=[(Xe22−Xc2)2+(Ye22−Yc2)2]1/2とし、
Edge(Xe22,Ye22)=255かつ
[(Xe22−Xc2)(Xe21−Xc2)+(Ye22−Yc2)(Ye21−Yc2)]/D21c/D22c<−0.8かつ
(Xe22−Xe21)2+(Ye22−Ye21)2が最小
この結果、図12(a)に示すように血流領域の対向する各輪郭線上に、エッジ点E11、エッジ点E12、エッジ点E21、エッジ点E22が設定される。
このようにして4つのエッジ点が探索されたら、この4つのエッジ点と2つの参照点を基に血流の幅方向の値を算出することができる。具体的には、後述する参照点C1、C2を後述する端点T1、T2と同様に扱うことにより、後述する幅D1、幅D2および血流幅を算出することができる。しかし、2つの参照点C1とC2を結ぶ直線が血管走行方向と必ずしも並行にならず、エッジ点E11とエッジ点E12を結ぶ直線およびエッジ点E21とエッジ点E22を結ぶ直線が血管走行方向と必ずしも直交しないため、これらを血流幅として算出するのは正確ではない。そこで、本実施形態では、算出精度を高めるべく、ステップS560以降において、参照点、エッジ点等の再設定を行う。
エッジ点が探索されたら、次に、中点O1と中点O2の設定を行う(ステップS560)。具体的には、エッジ点E11(Xe11,Ye11)とエッジ点E12(Xe12,Ye12)の中点O1を(Xo1,Yo1)とし、エッジ点E21(Xe21,Ye21)とエッジ点E22(Xe22,Ye22)の中点O2を(Xo2,Yo2)とする。すなわち、Xo1=(Xe11+Xe12)/2,Yo1=(Ye11+Ye12)/2である。また、Xo2=(Xe21+Xe22)/2,Yo2=(Ye21+Ye22)/2である。
この結果、図12(b)に示すように、エッジ点E11とエッジ点E12を結ぶ線分の中点O1、エッジ点E21とエッジ点E22を結ぶ線分の中点O2が設定される。
中点O1と中点O2が設定されたら、次に、参照点C1と参照点C2の再設定を行う(ステップS570)。具体的には、まず、中点O1(Xo1,Yo1)および中点O2(Xo2,Yo2)の中点を改めて中点O(Xo,Yo)とする。すなわち、Xo=(Xo1+Xo2)/2,Yo=(Yo1+Yo2)/2である。同一の符号を用いているが、エッジ点E1(Xe1,Ye1)とエッジ点E2(Xe2,Ye2)の中点とは異なる。
そして、中点(Xo,Yo)より中点O1(Xo1,Yo1)と中点O2(Xo2,Yo2)を結ぶ直線と平行な方向に、所定値Off2(>Off1)だけ各々2方向に移動させた参照点C1(Xc1,Yc1)と参照点C2(Xc2,Yc2)を設定する。すなわち、以下の〔数式8〕を満たす参照点C1(Xc1,Yc1)と参照点C2(Xc2,Yc2)を改めて設定する。すなわち、以下の〔数式8〕を満たす参照点C1(Xc1,Yc1)と参照点C2(Xc2,Yc2)を再設定する。ここで、中点O1と中点O2を結ぶ直線は血管走行方向にほぼ平行するため、所定値Off2は所定値Off1より大きい値を設定する。
〔数式8〕
中点O1(Xo1,Yo1)から中点O2(Xo2,Yo2)への単位ベクトル(E12x,E12y)をE12x=(Xo2−Xo1)/D12,E12y=(Yo2−Yo1)/D12
D12=[(Xo2−Xo1)2+(Yo2−Yo1)2]1/2
とすると、
Xc1=E12x・Off2+Xo
Yc1=−E12y・Off2+Yo
Xc2=−E12x・Off2+Xo
Yc2=E12y・Off2+Yo
この結果、図13(a)に示すように、両点を結ぶ線分上に中点Oが位置するようにして参照点C1、参照点C2が再設定される。
次に、エッジ点E11・E12とエッジ点E21・E22の再探索を行う(ステップS580)。具体的には、ステップS550のエッジ点E11・E12とエッジ点E21・E22の探索と同様にして、参照点C1(Xc1,Yc1)を用いて、エッジ点E11(Xe11,Ye11)、エッジ点E12(Xe12,Ye12)を探索し、参照点C2(Xc2,Yc2)を用いて、エッジ点E21(Xe21,Ye21)、エッジ点E22(Xe22,Ye22)を再探索する。
この結果、図13(b)に示すように血流領域の対向する各輪郭線上に、エッジ点E11、エッジ点E12、エッジ点E21、エッジ点E22が再設定される。
このようにして4つのエッジ点が再探索された段階で、エッジ点E11とエッジ点E12を結ぶ直線およびエッジ点E21とエッジ点E22を結ぶ直線が血管走行方向とほぼ直交し、これらを血流幅として算出できる。本実施形態では、参照点C1、C2を後述する端点T1、T2に変換し、後述する幅D1、幅D2および血流幅を算出する。具体的には、参照点に代えて端点の設定を行う(ステップS590)。具体的には、エッジ点E11(Xe11,Ye11)とエッジ点E12(Xe12,Ye12)の中点を端点T1(Xo1,Xo1)とし、エッジ点E21(Xe21,Ye21)とエッジ点E22(Xe22,Ye22)の中点を端点T2(Xo2,Xo2)とする。したがって、Xo1=(Xe11+Xe12)/2,Yo1=(Ye11+Ye12)/2,Xo2=(Xe21+Xe22)/2,Yo2=(Ye21+Ye22)/2となる。
この結果、図14(a)に示すように、再設定されたエッジ点E11とエッジ点E12を結ぶ線分、再設定されたエッジ点E21とエッジ点E22を結ぶ線分それぞれの中点として端点T1、端点T2が設定される。
次に、血流幅の算出を行う(ステップS600)。具体的には、計測ゲージの幅D1と幅D2の算出を行うことにより血流幅を算出する。端点T1からエッジ点E11(Xe11,Ye11)またはエッジ点E12(Xe12,Ye12)までの距離を幅D1として算出し、端点T2からエッジ点E21(Xe21,Ye21)またはエッジ点E22(Xe22,Ye22)までの距離を幅D2として算出する。具体的には、以下の〔数式9〕に従った処理を実行して、幅D1および幅D2を算出する。
〔数式9〕
D1=[(Xe11−Xo1)2+(Ye11−Yo1)2]1/2
D2=[(Xe21−Xo2)2+(Ye21−Yo2)2]1/2
端点T1は、エッジ点E11(Xe11,Ye11)とエッジ点E12(Xe12,Ye12)の中点であり、端点T2は、エッジ点E21(Xe21,Ye21)とエッジ点E22(Xe22,Ye22)の中点である。そのため、端点T1からエッジ点E11との距離またはエッジ点E12との距離、および端点T2からエッジ点E21との距離またはエッジ点E12との距離は同じである。上記〔数式9〕では、エッジ点E11(Xe11,Ye11)との距離により幅D1を算出し、エッジ点E21(Xe21,Ye21)との距離により幅D2を算出している。幅D1、幅D2はともに血流の中央から端までの距離を示しているので、血流幅は、これらを2倍したものとなる。したがって、血流幅比率算出手段40は、幅D1、幅D2をそれぞれ2倍したものの平均値を求めることにより血流幅を算出する。幅D1、幅D2および血流幅は、いずれも血流の幅方向の値を示す。
さらに、血流幅比率算出手段40は、血流幅比率の算出を行う。具体的には、動脈として設定された計測範囲について算出された幅D1を、静脈として設定された計測範囲について算出された幅D2で除算することにより動静脈比である血流幅比率を算出する。計測範囲が動脈、静脈それぞれについて複数設定されている場合は、動脈ごと、静脈ごとの幅の平均値を算出した後、動脈の幅の平均値を、静脈の幅の平均値で除算することにより動静脈比である血流幅比率を算出する。
端点T1、T2が設定されたら、血流幅比率算出手段40は、血流幅比率の算出と並行して、4つのエッジ点からなる四角形の輪郭となる線分と2つの端点を結ぶ線分により構成される計測ゲージを表示部6に表示させる処理を行う。この結果、利用者には、血流のどの位置において、血流の幅方向の値が算出されたかを把握することが可能となる。図14(b)に、作成された計測ゲージの一例を示す。
図15は、実際の眼底画像の解析範囲の静脈上に計測ゲージを重ねて表示させた例を示す図である。図15(a)は、計測範囲に計測ゲージを重ねて表示させた例であり、図15(b)は、解析範囲に計測ゲージを重ねて表示させた例である。
図16は、解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測範囲が設定された例を示す図である。このうち、図16(a)は、解析範囲の画像を示し、図16(b)は、複数の計測範囲による動静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。一般に、動脈の方が静脈よりも細いため(健常者の中には動脈の方が太い場合もある)、動静脈径比は、0.5〜0.8程度が正常である。図16の例では、動静脈径比が0.67であるため正常となっている。
図17は、解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測範囲が設定された例を示す図である。このうち、図17(a)は、眼底画像全体を示し、図17(b)は、解析範囲の画像を示し、図17(c)は、複数の計測範囲による動静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。図17の例では、動静脈径比が0.37であり、0.5未満であるため動脈硬化進行となっている。
<3.変形例等>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、撮影により得られた眼底画像としてフルカラー画像を用いたが、赤外線光源のデジタル眼底カメラで撮影されるモノクロ画像も利用されつつあり、その場合は、眼底血管が鮮明に造影されるため、血流領域を特定する処理における二値化処理を単純な判別分析法で簡便に高精度に行うことができる。また、近年業務用のデジタルカメラの階調は10ビット以上に拡大しており、各色1024階調等のフルカラー画像を取得することも可能になっており、より階調数の多いカラー画像を用いてもよい。
1・・・CPU(Central Processing Unit)
2・・・RAM(Random Access Memory)
3・・・記憶装置
4・・・タッチパネル入力I/F
5・・・データ入出力I/F
6・・・表示部
7・・・画像入力部
10・・・画像拡大手段
20・・・計測範囲設定手段
30・・・血流領域特定手段
40・・・血流幅比率算出手段
50・・・眼底画像記憶手段
60・・・算出値記憶手段
100・・・眼底画像処理装置

Claims (10)

  1. 眼底画像に対して処理を行う装置であって、
    前記眼底画像に対して、動脈を含む範囲、静脈を含む範囲を各々計測範囲として設定する計測範囲設定手段と、
    前記計測範囲から血流に相当する領域である血流領域を特定する血流領域特定手段と、
    前記血流領域の内部に基準点を設定し、前記基準点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を、当該基準点を挟むようにして2つ探索し、当該2つのエッジ点を結ぶ線分の中点から、当該線分に直交する2方向にそれぞれ所定の距離だけ移動した位置に参照点を2つ設定し、前記各参照点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ探索して新たなエッジ点とし、4つの新たなエッジ点と前記2つの参照点を基に血流の幅方向の値を算出し、動脈と静脈についての当該血流の幅方向の値に基づいて血流幅比率を算出する血流幅比率算出手段と、
    を備えることを特徴とする眼底画像処理装置。
  2. 前記眼底画像が所定の画素数になるように拡大処理を行う画像拡大手段を更に備え、
    拡大された眼底画像に対して前記計測範囲設定手段が計測範囲を設定することを特徴とする請求項1に記載の眼底画像処理装置。
  3. 前記血流領域特定手段は、計測範囲の画像が所定の画素数になるように拡大処理を行った後、血流領域を特定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の眼底画像処理装置。
  4. 前記血流領域特定手段は、
    前記眼底画像がRGB各256階調をもつフルカラー画像の場合、前記眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根により256階調をもつグレースケール画像に変換した上で、判別分析法に基づいて二値化のしきい値を算出し、前記グレースケール画像を前記しきい値で二値化した二値画像を用いて血流領域を特定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  5. 前記血流領域特定手段は、前記二値画像に対して領域抽出処理を行い、孤立領域が複数個抽出された場合、前記二値画像の中心に最も近い画素を含む領域を除く孤立領域を血流領域外の画素に設定することを特徴とする請求項4に記載の眼底画像処理装置。
  6. 前記血流領域特定手段は、判別分析法に基づいて、前記グレースケール画像に対してヒストグラムを作成し、前記グレースケール画像に対して、所定の階調値sで2分割した際、低階調側の画素個数をN1(s)、階調平均値をV1(s)、高階調側の画素個数をN2(s)、階調平均値をV2(s)とし、判別式D(s)=N1(s)・N2(s)・(V1(s)−V2(s))2において、s=smaxのとき最大値D(smax)=Dmaxをとるとき、所定の係数をα(0.9<α<1.0)とすると、D(s)=Dmax・αを満たす階調値sを前記二値化のしきい値に設定することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の眼底画像処理装置。
  7. 前記血流幅比率算出手段は、前記2つの参照点の各々より探索された2つのエッジ点の中点を中点O1および中点O2とすると、中点O1と中点O2の中点Oより、中点O1および中点O2を結ぶ直線の2方向に、前記所定の距離より大きい所定の距離だけ移動した参照点を2つ再設定し、前記再設定された各参照点より前記血流領域の輪郭上の最短距離のエッジ点を各々2つ再探索し、再探索された4つのエッジ点と前記再設定された2つの参照点を基に前記血流の幅方向の値を算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  8. 前記血流幅比率算出手段は、再探索された4つのエッジ点のうち対向する輪郭線上の2つのエッジ点の間を結ぶ線分の中点をそれぞれ端点とし、端点とエッジ点の距離に基づいて前記血流の幅方向の値を算出することを特徴とする請求項7に記載の眼底画像処理装置。
  9. 前記血流幅比率算出手段は、動脈の1以上の箇所に対する前記血流の幅方向の値の平均値を、静脈の1以上の箇所に対する前記血流の幅方向の値の平均値で除した値を前記血流幅比率として算出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  10. コンピュータを、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置として機能させるためのプログラム。
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