JP6747130B2 - 眼底画像処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼底画像の処理技術に関し、特に、動脈硬化や高血圧の指標の1つである動静脈径比と動静脈交叉部の静脈径比を、眼底画像を処理することにより解析するための技術に関する。
生活習慣病として代表的な高血圧・脂質異常症・糖尿病・動脈硬化などいわゆるメタボリックシンドロームにおいて、血圧・脂質・血糖は簡便に計測でき自己検診も可能である。しかし、動脈硬化の計測(通称:血管年齢検査)については、現状ではPWV検査(脈波伝播速度)、ABI検査(足関節上腕血圧比)、頚動脈エコー検査など、検査設備を備えた循環器専門のクリニックでないと計測ができない。これに対して、眼科クリニックが保有する眼底カメラを用いて眼底血管口径を計測することにより、高血圧や動脈硬化を簡便に計測する手法も知られている。眼底は人体の中で唯一血管を直接観察できる箇所であり、眼底動脈の硬化が全身の動脈と同様に進行すると仮定すれば、眼底写真の撮影により動脈硬化の計測が可能になる。眼底カメラは小型化・低価格化が進み、海外では既にスマートフォンでも撮影できる特殊なレンズが販売されており、眼底写真の自己撮影のインフラも整いつつある。
眼底写真を用いた高血圧や動脈硬化の計測手法として、Scheie分類が提案されており、動静脈径比、動静脈交叉部の静脈径比、動脈の血柱反射比の3者が主要な計測項目であり、これらに対応した計測支援手法も提案されている(特許文献1参照)。また、動静脈径比の計測を完全自動で行う手法も提案されている(特許文献2参照)。
特開2007−319403号公報 特開平10−243924号公報
特許文献1に記載の技術では、血管幅の計測について、ユーザにより円形で指示された中心から、隣接画素との画素値の差が大きい箇所を境界とみなし、最近傍の境界点までの距離をもとに、血管の半径を算出している。しかし、眼底の病態により血管境界がぼけている場合、境界点を特定できず、血管幅が小さ目に計測される問題がある。特許文献2に記載の技術では、動脈と静脈では輝度に差があり(背景に比べ双方とも輝度が低いが、静脈は動脈より顕著に低い)、同一のしきい値で二値化して血管抽出すると、動脈幅は小さ目に静脈幅は大き目になる。そのため、動静脈径比が正しく計測できない。また、動静脈判別を自動で行う手法を提案し、誤判定箇所を血管の連続性により自動修正する機能も提案されているが、血管の分岐箇所では連続性の判定も誤る可能性がある。
上記のような問題により、現状では眼科医が眼底写真の上にゲージを当てて目視で計測する手法が一般的である。そのため、動静脈径比は1/2、1/3といった大まかな数値になり、進行度を定量的に比較できないという問題がある。一方、読み取り精度を上げても、計測者の主観によるバラツキ、計測箇所によるバラツキが多くなり、多くの計測箇所をサンプリングする必要があるが、眼科医の作業負荷が大きく現実的ではない。また、血流幅比率としては、動脈と静脈の間での動静脈径比だけでなく、動静脈交叉部における静脈の血流狭窄比率を求めたいという要望もある。
そこで、本発明は、計測者の主観や計測箇所によるバラツキの問題を解消しながら、血流幅比率を客観的に計測することが可能な眼底画像処理装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明第1の態様では、
眼底画像に対して処理を行う装置であって、
前記眼底画像と、外形が台形である計測用図形を表示する表示手段と、
外部からの指示に基づき、眼底画像に重ねて配置された前記計測用図形に基づき、当該計測用図形の平行な2辺の少なくとも一方の辺を計測範囲として設定する計測範囲設定手段と、
前記計測範囲として設定された辺について、前記辺をサンプリングし、得られた各サンプルに対応する座標を算出して1次元の座標配列を作成し、
前記座標配列の各座標を用いて前記眼底画像より輝度値を取得し、各サンプルに対応する輝度配列を作成し、
前記輝度配列を用いて隣接するサンプルの輝度値との差分値を用いて微分輝度値の配列である微分配列を作成し、
前記微分配列に対して最大値をとる最大サンプルと最小値をとる最小サンプルを探索し、
前記最大サンプルと最小サンプルを基に血流領域の2端点を特定する血流領域端点特定手段と、
を有することを特徴とする眼底画像処理装置を提供する。
ここで、計測用図形の外形は台形であるが、台形とは少なくとも対向する一組の辺が平行であることを意味し、4頂点が直角になる長方形を含む意味である。
本発明第1の態様によれば、外部からの指示に基づき、眼底画像に重ねて配置された計測用図形に基づき、計測用図形の平行な2辺の少なくとも一方の辺を計測範囲として設定し、計測用範囲として設定された辺について、辺をサンプリングし、各サンプルに対応する座標を算出して1次元の座標配列を作成し、座標配列の各座標を用いて眼底画像より輝度値を取得し、各サンプルに対応する輝度配列を作成し、輝度配列を用いて隣接するサンプルの輝度値との差分値を用いて微分輝度値の配列である微分配列を作成し、微分配列に対して最大値をとる最大サンプルと最小値をとる最小サンプルを探索し、最大サンプルと最小サンプルを基に血流領域の2端点を特定するようにしたので、計測者の主観の問題を解消しながら、血流幅を測定するための血流領域を的確に特定することが可能となる。特に、計測用図形の平行な2辺の双方を計測範囲として設定した場合には、計測用図形の平行な2辺の各々に基づいて、2箇所の血流領域の2端点を同時に特定することができるため、2箇所の計測値の平均値を求めることにより、計測箇所によるバラツキを軽減したり、単一血管における2箇所の口径比率を算出できる。また、血流領域を特定するために、2次元方向に処理を行うことなく、1次元の配列を用いて処理を行うため、少ない処理負荷で血流領域の2端点を特定することが可能となる。
また、本発明第2の態様では、動静脈径比を算出する動静脈径比算出手段を更に有し、
前記計測範囲設定手段は、外部からの指示に基づき、静脈に対応する計測範囲と動脈に対応する計測範囲の各々を設定するものであり、
前記動静脈径比算出手段は、動脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離と、静脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離との比率に基づいて、動静脈径比を算出することを特徴とする。
本発明第2の態様によれば、外部からの指示に基づき、静脈に対応する計測範囲と動脈に対応する計測範囲の各々を設定し、動脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離と、静脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離との比率に基づいて、動静脈径比を算出するようにしたので、動静脈径比を的確に算出することが可能となる。
また、本発明第3の態様では、静脈径比を算出する静脈径比算出手段を更に有し、
前記計測範囲設定手段は、外部からの指示に基づき、静脈に対応して少なくとも2箇所の計測範囲を設定するものであり、
前記計測範囲として設定された計測用図形の平行な2辺により設定された2箇所の計測範囲について算出された2つの血流領域の2端点間の距離どうしの比率に基づいて、静脈径比を算出することを特徴とする。
本発明第3の態様によれば、外部からの指示に基づき、静脈に対応して少なくとも2箇所の計測範囲を設定し、前記計測範囲として設定された計測用図形の平行な2辺により設定された2箇所の計測範囲について算出された2つの血流領域の2端点間の距離どうしの比率に基づいて、静脈径比を算出するようにしたので、動静脈交叉部における静脈径比を簡便かつ的確に算出することが可能となる。
また、本発明第4の態様では、外部からの指定に基づいて、前記眼底画像の指定された領域をトリミングし、当該領域が所定の画素数になるように前記眼底画像の拡大処理を行う画像拡大手段を更に備えることを特徴とする。
本発明第4の態様によれば、外部からの指定に基づいて、眼底画像の指定された領域をトリミングし、その領域が所定の画素数になるように拡大処理を行い、拡大された眼底画像に対して計測範囲を設定するようにしたので、画素数の単位で算出される動脈と静脈の2種類の血流の幅が大きな整数値になり、これらの比率である動静脈径比や、動静脈交叉部における静脈径比を算出する際に、整数値どうしの割り算による丸め誤差を小さくすることが可能となる。
また、本発明第5の態様では、前記血流領域端点特定手段は、
輝度配列を作成する際、前記眼底画像がRGBの各成分が所定の階調をもつカラー画像の場合、前記眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根によりグレースケール画像に変換し、更にネガポジ反転した階調値を前記輝度値として与えることを特徴とする。
本発明第5の態様によれば、輝度配列を作成する際、眼底画像がRGBの各成分が所定の階調をもつカラー画像の場合、眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根によりグレースケール画像に変換し、更にネガポジ反転した階調値を輝度値として与えるようにしたので、血流領域の背景に対するコントラストを向上させ、血流領域の端点を精度よく特定することが可能となる。
また、本発明第6の態様では、前記計測用図形は、前記台形の平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備えることを特徴とする。
本発明第6の態様によれば、計測用図形は、台形の平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備えるようにしたので、利用者が計測用図形を血管走行に沿って設定する操作を容易にするとともに、設定される計測用図形の平行な2辺が血管走行方向と直交し、2箇所の血流領域の2端点を基に血流幅を高精度に計測することが可能となる。
また、本発明第7の態様では、前記血流領域端点特定手段は、
輝度配列を作成する際、
前記計測用図形の平行な2辺のいずれかの辺をサンプリングし、前記辺に直交する2方向に各サンプルを所定の距離だけ移動させた点を2箇所特定し、特定された2点における輝度値を用いて前記各サンプルに対応する輝度値を補正することを特徴とする。
本発明第7の態様によれば、輝度配列を作成する際、計測用図形の平行な2辺のいずれかの辺をサンプリングし、前記辺に直交する2方向に各サンプルを所定の距離だけ移動させた点を2箇所づつ特定し、特定された2点における輝度値を用いて当該サンプルに対応する輝度値を補正するようにしたので、計測用図形の平行な2辺のいずれかのサンプルにスポット的な輝度ムラがあったとしても、その影響を緩和し、正しい計測を行うことが可能となる。
また、本発明第8の態様では、前記血流領域端点特定手段は、
前記最大サンプルより微分輝度値の小さい極大点が前記最大サンプルから見て前記最小サンプルの方向に存在する場合、前記極大点を最大サンプルとして置き換え、前記最小サンプルより微分輝度値の大きい極小点が前記最小サンプルから見て前記最大サンプルの方向に存在する場合、前記極小点を最小サンプルとして置き換えることを特徴とする。
本発明第8の態様によれば、最大サンプルより微分輝度値の小さい極大点が最小サンプルの方向に存在する場合、前記極大点を最大サンプルとして置き換え、最小サンプルより微分輝度値の大きい極小点が前記最大サンプルの方向に存在する場合、前記極小点を最小サンプルとして置き換えるようにしたので、計測範囲内に非計測対象の血管が含まれるような場合に、中央の計測対象の血管を対象として計測を行うことが可能となる。
また、本発明第9の態様では、前記血流領域端点特定手段は、
前記最大サンプル(imax)より微分輝度値が小さく第1所定値(Hmax)より微分輝度値が大きい極大点(ip)から見て先頭(s+1個のサンプルのうちサンプルi=0)のサンプル寄りで第1所定値(Hmax)より小さい微分輝度値をとるサンプルを前記血流領域の第1の端点として特定し、前記最小サンプル(imin)より微分輝度値が大きく第1所定値(Hmax)より小さい第2所定値(Hmin)より微分輝度値が小さい極小点から見て末尾(s+1個のサンプルのうちサンプルi=s)のサンプル寄りで第2所定値(Hmin)より大きい微分輝度値をとるサンプルを前記血流領域の第2の端点として特定することを特徴とする。
本発明第9の態様によれば、最大サンプルより微分輝度値が小さく第1所定値(Hmax)より微分輝度値が大きい極大点(ip)から見て先頭(i=0)のサンプル寄りで第1所定値(Hmax)より小さい微分輝度値をとるサンプルを血流領域の第1の端点として特定し、最小サンプル(imin)より微分輝度値が大きく第1所定値(Hmax)より小さい第2所定値(Hmin)より微分輝度値が小さい極小点(in)から見て末尾(i=s)のサンプル寄りで第2所定値(Hmin)より大きい微分輝度値をとるサンプルを血流領域の第2の端点として特定するようにしたので、計測範囲に含まれる血管の血流領域を的確に特定することが可能となる。
また、本発明第10の態様では、前記表示手段は、前記平行な2辺の各々に特定された前記血流領域の4端点を頂点とする外形が台形の図形を、前記眼底画像に重ねて表示することを特徴とする。
本発明第10の態様によれば、平行な2辺の各々に特定された血流領域の4端点を頂点とする外形が台形の図形を、眼底画像に重ねて表示するようにしたので、計測用図形が血管の血流領域を適切に指示しているかを視覚的に確認することが可能となる。
また、本発明第11の態様では、コンピュータを、上記眼底画像処理装置として機能させるためのプログラムを提供する。コンピュータとしては、同一の筐体に内蔵される画像入力装置で撮影された眼底画像に対して画像処理をするものも含まれる。
本発明第11の態様によれば、プログラムを組み込むことにより、眼底画像処理装置を汎用のコンピュータにより実現することが可能となる。タブレットやスマートフォンなどの携帯型コンピュータに、アプリと呼ばれるプログラムを組み込んだ場合には、内蔵されるカメラで撮影された眼底画像に対して画像処理を実現でき、眼底画像入力装置および眼底画像処理装置の双方の機能を単一のコンピュータにより実現することが可能となる。
また、本発明第12の態様では、
眼底画像に含まれる血管の血流領域を特定する際に、計測用図形を表示する表示装置であって、
外部からの指示に基づき、外形が台形であり、平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備える計測用図形を表示し、
外部からの指示に基づき配置された計測用図形の平行な2辺それぞれを計測範囲として設定し、設定された計測範囲の2辺に基づいて血流領域の2端点を各々特定し、特定された血流領域の4端点を4頂点とする外形が台形形状の図形を前記計測用図形に代えて表示することを特徴とする計測用図形表示装置を提供する。
本発明第12の態様によれば、眼底画像に含まれる血管の血流領域を特定する際に、外部からの指示に基づき、外形が台形であり、平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備える計測用図形を表示し、外部からの指示に基づき配置された計測用図形の平行な2辺それぞれを計測範囲として設定し、設定された計測範囲の2辺に基づいて血流領域の2端点を各々特定し、特定された血流領域の4端点を4頂点とする外形が台形形状の図形を計測用図形に代えて表示するようにしたので、計測用図形がいわゆる計測ゲージのように、変形して血流領域を計測したかのような印象を与えるとともに、血流領域における血流幅を直感的に把握し易くなる。
本発明によれば、計測者の主観や計測箇所によるバラツキの問題を解消しながら、血流幅比率を客観的に計測することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置100のハードウェア構成図である。 本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の処理概要を示すフローチャートである。 眼底画像と解析範囲を示す図である。 計測用図形の初期状態を示す図である。 計測用図形の操作による変形の様子を示す図である。 解析範囲、計測用図形、計測範囲設定画面を示す図である。 ステップS400における血流領域端点の特定の処理を示すフローチャートである。 計測処理前と処理後における計測用図形の変化を示す図である。 始点辺SHまたは終点辺EHと1.5画素分移動させた画素の関係を示す図である。 計測範囲の眼底画像と輝度値、微分輝度値の関係を示す図である。 両側の血管の一部が計測範囲に含まれる場合の輝度値、微分輝度値の関係を示す図である。 血管が一本だけ計測範囲に含まれる場合の輝度値、微分輝度値の関係を示す図である。 実際の画像に計測用図形を重ねて表示させた例を示す図である。 解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測用図形が配置された例を示す図である。 解析範囲内に6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)の計測用図形が配置された例を示す図である。 眼底画像と解析範囲(動静脈交叉部)を示す図である。 解析範囲、計測用図形(動静脈交叉部)、計測範囲設定画面を示す図である。 解析範囲の静脈上に、処理後の計測用図形を重ねて表示させた例を示す図である。 解析範囲内に2箇所(静脈2箇所)の計測用図形が配置された例を示す図である。 解析範囲内に2箇所(静脈2箇所)の計測用図形が配置された例を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
<1.装置構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置のハードウェア構成図である。本実施形態に係る眼底画像処理装置100は、タブレットやスマートフォンなどカメラや無線通信機能を備えた携帯型の汎用のコンピュータで実現することができる。本実施形態に係る眼底画像処理装置100は、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)1と、コンピュータのメインメモリであるRAM(Random Access Memory)2と、CPU1が実行するプログラムやデータを記憶するためのフラッシュメモリ等の大容量の記憶装置3と、解析対象の血流領域を指示したり操作メニューを指示したりするためのタッチパネル入力I/F(インターフェース)4と、無線通信等により外部の眼底カメラから画像入力したり、解析結果を外部のサーバーコンピュータやプリンターに出力するためのデータ入出力I/F(インターフェース)5と、画像データ等を表示するための液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示デバイスである表示部6と本体内蔵のカメラ(眼底部を撮影するための光源とマクロレンズを装着して眼底カメラとしても使用できる)である画像入力部7と、を備え、互いにバスを介して接続されている。もちろん、同等の機能をもつものであれば、据置型の汎用のコンピュータで実現することもできる。
図2は、本実施形態に係る眼底画像処理装置の構成を示す機能ブロック図である。図2において、10は指示入力手段、20は表示手段、30は画像拡大手段、40は計測範囲設定手段、50は血流領域端点特定手段、60は動静脈径比算出手段、70は静脈径比算出手段、80は眼底画像記憶手段、90は情報記憶手段である。
指示入力手段10は、外部からの指示入力を各手段に伝えるものであり、タッチパネル入力I/F(インターフェース)4とCPU1により実現される。表示手段20は、記憶手段に記憶された情報や各手段により処理された情報を表示するためのものであり、表示部6とCPU1により実現される。画像拡大手段30は、眼底画像記憶手段80から読み込まれた眼底画像のうち設定された解析範囲をトリミングし、所定の画素数になるように拡大処理を行う。これは、血流幅の計測が画素単位に行われるが、原画の画素数のままでは値が小さ過ぎて、2種の血流幅どうしで割り算を行うと、丸め誤差により高血圧や動脈硬化の度合を判定するのに十分な精度が得られないためである。計測範囲設定手段40は、眼底画像に対して、動脈または静脈を含む計測用図形に基づき、当該計測用図形の平行な2辺の少なくとも一方の辺を計測範囲として設定する。血流領域端点特定手段50は、計測範囲から血流に相当する領域である血流領域の2端点を特定する。尚、単一の計測用図形から平行な2辺に基づき1次元の血流領域である計測範囲は同時に最大2箇所特定される。
動静脈径比算出手段60は、動脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離と、静脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離との比率に基づいて、動静脈径比を算出する。実際には、動脈に対応する計測範囲および静脈に対応する計測範囲からは、計測用図形の平行な2辺の各々が計測範囲に対応して、各々2箇所の血流領域が特定され2つの距離が算出されるので、各々2つの距離の平均値どうしの比率に基づいて、動静脈径比を算出する。ここで、1次元の血流領域の2端点を算出するのに、2次元の計測用図形を用いて1次元の計測範囲を設定する理由は、血流領域が計測対象の血管の走行方向と直交するようにさせるためで、1次元の直線で画面上で指定することにより計測範囲を設定すると、血流領域が計測対象の血管の走行方向と斜めになりがちになるためである。また、後述の静脈径比を正確に計測するためには、同一静脈の血管で2箇所の平行な1次元の血流領域を特定することが求められるが、血管走行方向と直交し平行な2辺を備える計測用図形に基づき容易かつ高精度に計測できる。静脈径比算出手段70は、単一の計測用図形の一方の辺に基づいてについて算出された血流領域の2点間の距離と、他方の辺に基づいて算出された血流領域の2点間の距離との比率に基づいて、静脈径比を算出する。「動静脈径比」「静脈径比」はいずれも血流幅比率である。なお、本発明において「血流」領域を特定し、「血流」幅比率を算出しているのは、血管の幅が透明であることから、血管壁の特定、血管幅比率の算出が難しいためである。しかし、動脈硬化により一般に血管壁は厚くなり、血流幅は狭くなるが、血管の幅はあまり変化しない。そのため、むしろ血管幅比率を算出するよりも血流領域を特定し、血流幅比率を算出する方法の方が、高血圧や動脈硬化の度合を判定するのには有用である。
画像拡大手段30、計測範囲設定手段40、血流領域端点特定手段50、動静脈径比算出手段60、静脈径比算出手段70は、CPU1が、記憶装置3に記憶されているプログラムを実行することにより実現される。眼底画像記憶手段80は、データ入出力I/F5または画像入力部7により可視光または赤外線・光源方式の眼底カメラを用いてフルカラー(可視光の場合)・モノクロ(赤外光の場合)で撮影された、血流領域の抽出対象となるフルカラー眼底画像を記憶した記憶手段であり、記憶装置3により実現される。尚、赤外線光源方式の眼底カメラで撮影された眼底画像は、通常モノクロで撮影されるが、RGBに同一の値をもたせたフルカラー画像として記憶装置3には記憶される。また、赤外線光源方式の眼底カメラは、コンピュータとは外付けになり、データ入力I/F5を介して記憶装置3に取り込まれる形態になるが、可視光光源方式の眼底カメラは、コンピュータに内蔵する画像入力部7に眼底撮影用の光源とマクロレンズを装着して眼底カメラとして使用することもできる。眼底画像処理装置にフルカラーの眼底画像を読み込ませて、そのまま処理を行う場合は、RAM2が眼底画像記憶手段80としての役割を果たす。フルカラーの眼底画像とは、RGBの3成分により記録された画像データであり、被験者の眼底が撮影されたものである。本実施形態では、RGB各色8ビット256階調で記録されたものを用いている。情報記憶手段90は、血流領域端点特定手段50により特定された血流領域端点の情報、動静脈径比算出手段60、静脈径比算出手段70により算出された血流幅、血流幅比率等を記憶する記憶手段であり、記憶装置3により実現される。
図2に示した各構成手段は、現実には図1に示したように、コンピュータおよびその周辺機器等のハードウェアに専用のプログラムを搭載することにより実現される。すなわち、コンピュータが、専用のプログラムに従って各手段の内容を実行することになる。コンピュータに内蔵するカメラに眼底撮影用の光源やマクロレンズを装着すれば眼底カメラの機能を代替でき(現状、日本国内では認可されていないが)、眼底撮影から眼底画像処理まで一貫して単一の携帯型コンピュータで実現できる。なお、本明細書において、コンピュータとは、CPU等の演算処理部を有し、データ処理が可能な装置を意味し、カメラや無線通信機能を備えたタブレット・スマートフォン等の携帯型端末だけでなく、パーソナルコンピュータ等の汎用のコンピュータも含む。
図1に示した記憶装置3には、CPU1を動作させ、コンピュータを、眼底画像処理装置として機能させるための専用のプログラムが実装されている。この専用のプログラムを実行することにより、CPU1は、画像拡大手段30、計測範囲設定手段40、血流領域端点特定手段50、動静脈径比算出手段60、静脈径比算出手段70としての機能、および指示入力手段10、表示手段20の一部としての機能を実現することになる。また、記憶装置3は、眼底画像記憶手段80、情報記憶手段90として機能するだけでなく、眼底画像処理装置としての処理に必要な様々なデータを記憶する。
<2.処理動作>
<2.1.前処理>
まず、処理対象とする眼底画像を撮影または用意する。血管計測を目的とした眼底画像としては、赤外線光源により撮影されるグレースケール(モノクロ)画像(眼底血管造影像)であることが理想であるが、撮影機器が高額なため、本実施形態では普及している可視光光源により撮影されるカラー画像を処理対象とする。グレースケール(モノクロ)画像の場合もフルカラー画像の形式に統一される。可視光光源で撮影されるカラー画像も、後述するように後にグレースケール画像に変換するが、色の特徴を活用した方が、血流領域を高精度に抽出できるためである。カラー画像としては、R,G,B各成分少なくとも8ビット256階調以上のフルカラー画像が好ましい。フルカラーの眼底画像としては、デジタル方式の眼底カメラによりフルカラーで撮影した画像ファイルがあれば、そのまま使用できる。アナログ方式の眼底カメラにより写真媒体に記録された過去のものであれば、保管されていたアナログのモノクロまたはカラーのネガ・ポジフィルム、印画紙、インスタント写真等をスキャナによりフルカラーで読み取る等してデジタルの眼底画像ファイルを取得する。この時、たとえ原画がモノクロであっても、フルカラーで読み取る。最近では、可視光・光源方式のデジタル眼底カメラを用いてフルカラーで撮影することにより眼底画像がデジタルファイルの形式で得られる。取得した眼底画像は、眼底画像処理装置の眼底画像記憶手段80に記憶させる。本実施形態では、眼底画像としてR,G,B各成分8ビット256階調のフルカラー画像を用意する。
<2.2.処理概要>
次に、図1、図2に示した眼底画像処理装置の処理動作について説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る眼底画像処理装置の処理概要を示すフローチャートである。まず、画像拡大手段30が、解析範囲の設定を行う(ステップS100)。具体的には、まず、眼底画像を表示部6に表示させ、利用者に対して解析範囲の指定を促す。利用者が、指示入力手段10であるタッチパネル入力I/F4を介して眼底画像内の所定の範囲を指定すると、画像拡大手段30は、指定された範囲を解析範囲として設定する。所定の範囲の指定は、例えば、利用者がタッチパネル等を用いて、眼底画像上に表示される長方形に対してドラッグ操作等を行って解析範囲を特定することにより行うことができる。このときの眼底画像の表示例を図4に示す。図4の例では、横1280画素×縦1024画素の眼底画像に、横103画素×縦103画素の解析範囲が設定された状態を示している。解析範囲は、後に設定される複数の計測範囲全てを含む範囲として設定される。すなわち、計測範囲は、設定された解析範囲の中で設定されることになる。
解析範囲が設定されたら、画像拡大手段30が、設定された解析範囲をトリミングし、トリミングした部分の拡大処理を行う(ステップS200)。具体的には、解析範囲の眼底画像の画素数を増加させる。この時、見かけ上は解像度が上がるが、拡大処理に特殊な補間を加えて解像度そのものを向上させる必要はない。処理対象とする画像の画素数は、血流幅が数十画素程度になるように設定することが好ましい。横1280画素×縦1024画素の画像に眼底全体が収まるような場合には、血流幅が数画素程度となり、そのままでは、血流幅どうしで割り算をすると、的確な解析を行うことができない。そのため、元の眼底画像が横1280画素×縦1024画素である場合、縦横ともに300%〜500%拡大する。ここでは、事前に拡大率を500%に設定している。本実施形態では解像度を上げる必要はないので、拡大処理を行うためには、増加させた画素に適当な画素値を与えればよく、高度な補間手法を用いる必要はない。そのため、本実施形態では、公知のバイリニアー法を用いている。
解析範囲のトリミングと拡大処理が行われたら、計測範囲の設定を行う(ステップS300)。この際、まず、計測範囲設定手段40は、利用者に対して計測範囲の指定を促す。具体的には、拡大した解析範囲の画像に重ねて、外形が長方形(正方形も含む意味)状の計測用図形を配置した表示を行う。この計測用図形は、利用者から見ると、計測ゲージのような印象を与える図形である。計測用図形が表示されたら、利用者は、指示入力手段10により計測用図形を縦横に変倍、移動、回転させて、平行な2辺が計測対象の血管幅をまたがるように配置する。
図5に表示部6に表示される計測用図形を示す。計測用図形は、図5に示すように頂点11、頂点12、頂点21、頂点22の4頂点からなる長方形となっている。頂点11と頂点12を結ぶ線分の中点を始点、頂点21と頂点22を結ぶ線分の中点を終点と呼ぶことにし、始点と中点を結ぶ線分を基準線KHとする。また、始点を中点とする線分を始点辺SH、終点を中点とする線分を終点辺EHとする。
計測用図形の6点のいずれかを、指示入力手段10により選択すると、その点が移動可能な状態になり、指定位置で再度操作指示を行うと固定化される。計測用図形の上を選択すると、計測用図形全体が移動可能な状態になる。計測用図形の始点または終点を選択した場合は、長さの伸縮と回転が可能となる。図6(a)の例では、○で囲った終点を選択した場合を示している。終点を選択した場合、図6(a)の上図に示すように、右方向への操作指示により、右方向に計測用図形全体の長さの伸縮を行う。また、終点を選択した場合、図6(a)の下図に示すように、上下方向への操作指示により、始点を中心として計測用図形全体の回転を行う。図6(a)において、×を付した点は固定されて動かない点を示している。図6(a)は、終点を選択した場合を示しているが、始点を選択した場合も同様に、伸縮・回転が可能である。
計測用図形の頂点11または頂点12を選択した場合、すなわち、始点辺SHの両端のいずれかを選択した場合は、図6(b)に示すように、上下方向への操作指示により、幅の一括伸縮を行う。計測用図形の頂点21または頂点22を選択した場合、すなわち、終点辺EHの両端のいずれかを選択した場合は、図6(c)に示すように、上下方向への操作指示により、終点辺EHのみの幅の伸縮を行う。図6(b)(c)においても、×を付した点は固定されて動かない点を示している。この操作は、計測用図形を手動で血管幅に合わせて計測できるようにするために設けた機能で、計測結果に操作者の主観が入るため、本発明では通常使用しない。
図5に示したような初期状態のまま、はじめに、利用者は、計測用図形全体を計測対象の血管の位置に移動させる。そして、基準線KHを計測対象の血管走行の中心線(血管幅の中心を走行方向に結んだ仮想的な曲線)に概ね合わせるように、計測用図形全体の回転を行う。この時、計測用図形に含まれる中心線がほぼ直線になり、基準線KHとほぼ一致するように、計測用図形全体の長さの伸縮も併せて行う。最後に、頂点11と頂点21を結ぶ辺と頂点12と頂点22を結ぶ辺が、計測対象の血管の外側に十分はみ出るように、幅の一括伸縮を行う。この時、計測用図形の内部には計測対象の血管領域のみが含まれていることが望ましいが、計測用図形の内部に非計測対象の血管領域が多少含まれていても計測に支障ない。そうすると、始点辺SHと終点辺EHが血管とほぼ直角に交差する位置に配置される。眼底画像内の解析範囲の所定の位置に計測用図形を配置すると、計測範囲設定手段40は、指定された計測用図形に基づき、計測用図形の平行な2辺それぞれを1次元の計測範囲として設定する。このときの解析範囲と計測用図形の表示例を図7(a)に示す。図7(a)の例では、解析範囲である横515画素×縦515画素の眼底画像に、外形が長方形状の計測用図形が配置された状態を示している。後述するように、計測は、始点辺SH、終点辺EHの2辺上およびその近傍における画素を用いて行われる。したがって、2次元の計測用図形を配置することによって、計測用図形の始点辺SH、終点辺EHが1次元の計測範囲として設定されることになる。1次元の計測範囲を設定するために、画面上で1次元の線分で指定すると、血管と直交する計測範囲を適切に設定できない。これに対して、対向する辺が平行である2次元の計測用図形を画面上で配置して指定することにより、血管と直交する計測範囲を適切に設定することができる。本実施形態では、1つの計測用図形の平行な2辺をそれぞれ計測範囲として設定するが、平行な2辺のうち、動静脈径比の計測の場合には、どちらか1辺のみを計測範囲として設定することも可能である。動静脈径比の計測の場合には、1辺だけであっても計測は可能であるが、血管の幅や傾きが常に一定であるわけでなないことから、平行な2辺を計測範囲とする方がより正確な計測を行うことができる。
計測範囲が設定されたら、計測範囲設定手段40は、計測範囲設定画面を表示させ、利用者に対して計測範囲が動脈か静脈かのいずれかの選択指示を促す。図7(b)に計測範囲設定画面の一例を示す。計測範囲設定手段40は、利用者に対して複数の計測用図形に基づく計測範囲の指定、配置された各計測用図形に対して動脈か静脈かのいずれかの選択指示を促し、計測範囲を設定する。したがって、1つの計測用図形に対応する2つの計測範囲については、同一の設定が行われる。動静脈径比を求める場合は、計測範囲の設定として、少なくとも動脈、静脈それぞれに対応する箇所に1つ以上、トータルで2つ以上計測用図形を配置して設定されるように行う。この時、動脈と静脈に配置される計測用図形は互いに近傍であることが望ましいが、個数は同数である必要は無い。動静脈交叉部・静脈径比を求める場合は、計測範囲の設定として、上側に動脈が交叉している動静脈交叉部の静脈に対応する箇所に1つ以上設定されるように行う。この時、始点辺SHは動静脈交叉部近辺の静脈狭窄部に、終点辺EHは狭窄が起こっていない動静脈交叉部より離れた同一の静脈上の箇所に位置するように計測用図形を伸縮させる(始点辺SHと終点辺EHの位置関係は逆でも良い。)この時、計測用図形の内部には計測対象の静脈領域のみが含まれていることが望ましいが、計測用図形の内部に交叉している動脈領域など非計測対象の血管領域が多少含まれていても計測に支障ない。
図7(b)に示した計測範囲設定画面では、計測範囲が動脈か静脈かのいずれかの選択指示だけでなく、計測範囲の解析条件について様々な指定を行うことができるようになっているが、動脈と静脈のいずれであるかの指定は必須となっている。
計測範囲の設定が行われたら、次に、血流領域端点特定手段50が、計測範囲設定画面を利用して入力された内容に従って、血流領域端点の特定を行う(ステップS400)。具体的には、計測範囲である始点辺SH、終点辺EHを用いて血流領域端点の特定を行う。
図8は、ステップS400における血流領域端点の特定の処理を示すフローチャートである。まず、血流領域端点特定手段50は、計測範囲である始点辺SH、終点辺EHの2辺に対応する計測用図形の情報を取得する(ステップS410)。具体的には、まず、計測用図形の始点の座標(Xo1,Yo1)と終点の座標(Xo2,Yo2)、始点辺SHの頂点(Xo11,Yo11)と(Xo12,Yo12)、終点辺EHの頂点(Xo21,Yo21)と(Xo22,Yo22)を取得するとともに、始点辺SHまたは終点辺EHのいずれか大きい方の長さの1/2を計測用図形の幅Wとして取得する。図9(a)は、配置された計測用図形と各点の座標値を示す図である。図9(a)に示すように、計測用図形は、長方形内部に始点辺SHの中点と終点辺EHの中点を結ぶ線分を備えた形状となっている。長方形内部の線分は基準線KHであり、利用者が、眼底画像に計測用図形を配置する際の目安となるもので、実際の計測処理には使用しない。始点の座標(Xo1,Yo1)と終点の座標(Xo2,Yo2)は、眼底画像の画素の位置を特定するものである。
上述のように始点側の2頂点(Xo11,Yo11)、(Xo12,Yo12)を結んで得られる線分が始点辺SH、終点側の2頂点(Xo21,Yo21)、(Xo22,Yo22)を結んで得られる線分が終点辺EHである。計測用図形が長方形でなく一組の対向する辺のみが平行である台形に変形した状態で配置されて、始点辺SHと終点辺EHの長さが異なる場合は、長い方の辺の長さを用いて伸ばす処理を行う。すなわち、計測範囲でもある短い方の辺の両頂点の位置が中点から同距離ずつ離れるようにして再設定される。この結果、始点側の2頂点(Xo11,Yo11)、(Xo12,Yo12)間の距離と、終点側の2頂点(Xo21,Yo21)、(Xo22,Yo22)間の距離は同一となる。そして、以下のステップS420〜ステップS460の処理を始点辺SH、終点辺EHそれぞれについて実行する。
はじめに、輝度配列を作成する(ステップS420)。具体的には、まず、
血管と交差して配置された辺(始点辺SHまたは終点辺EH)をサンプリングする。すなわち、血管と交差して配置された辺(始点辺SHまたは終点辺EH)の一方の頂点の座標を(Xs,Ys)、辺の他方の頂点の座標を(Xe,Ye)とし、各辺に所定の間隔でi=0,・・・,sのs+1個のサンプル(X(i),Y(i))を設定する。具体的には、処理対象の辺が始点辺SHの場合、Xs=Xo11、Ys=Yo11、Xe=Xo12、Ye=Yo12となり、処理対象の辺が終点辺EHの場合、Xs=Xo21、Ys=Yo21、Xe=Xo22、Ye=Yo22となる。各サンプルの座標(X(i),Y(i))は、Dx=Xe−Xs、Dy=Ye−Ysとして、X(i)=Dx・i/s+Xs、Y(i)=Dy・i/s+Ysで定義される。
これにより、1次元の座標配列(X(i),Y(i))(i=0,・・・,s)が作成される。続いて、各サンプルに対応する画素の輝度値を取得し、s+1個の輝度値からなる輝度配列G(i)(i=0,・・・,s)を得る。この際、より正確性を高めるため、辺に対して直交方向の両側に各サンプルから1.5画素分移動させた点を設定する。1.5画素分とするのは、辺が最大45°傾いた場合であっても、1画素以上異なる画素の輝度値を取得するためである。移動させる長さは、1.5画素に限らず、1.5画素以上であれば、適宜設定することができる。図10は、始点辺SHまたは終点辺EHと1.5画素分移動させた画素の関係を示す図である。
図10において、中央の線分は、始点辺SHまたは終点辺EHであり、(Xs,Ys)から(Xe,Ye)までs+1個のサンプル(X(i),Y(i))が設定されている。また、破線で囲った網掛け部分は、血流領域を示している。そして、各サンプル(X(i),Y(i))について、始点辺SHまたは終点辺EHに直交する方向に1.5画素分移動させた位置に点(Xl,Yl)、(Xr,Yr)を設定する。各サンプル(X(i),Y(i))について、点(Xl,Yl)、(Xr,Yr)を設定することにより、始点辺SHまたは終点辺EHから1.5画素分移動した2本の線分上の点の輝度値が始点辺SHまたは終点辺EHのサンプルの輝度値に反映される。
このように、始点辺SHまたは終点辺EHから1.5画素分だけ移動させたサンプルの輝度値を反映させるのは、始点辺SHまたは終点辺EHだけであると、始点辺SHまたは終点辺EHのサンプルにスポット的な輝度ムラがあると、その影響により、正しい測定ができないためである。このような点(Xl,Yl)、(Xr,Yr)は、以下の〔数式1〕に従った処理を実行することにより算出する。
〔数式1〕
Xl=−Dy・1.5+X(i)
Yl=Dx・1.5+Y(i)
Xr=Dy・1.5+X(i)
Yr=−Dx・1.5+Y(i)
そして、(X(i),Y(i))(Xl,Yl)、(Xr,Yr)の輝度値を平均化したものを、各サンプル(X(i),Y(i))の輝度値とする。すなわち、特定された2点における輝度値を用いて各サンプル(X(i),Y(i))に対応する輝度値を補正する。眼底画像がフルカラー画像である場合、輝度値を取得するためにグレースケールに変換する必要がある。本実施形態では、以下のようにして、対象の画素をグレースケール変換する。
フルカラーの眼底画像は、各色8ビット256階調の画像データである。したがって、x方向の画素数Xg、y方向の画素数Ygの眼底画像は、色成分を示す変数c=0(Red),1(Green),2(Blue)とすると、Image(x,y,c)=0〜255(x=0,・・・,Xg−1;y=0,・・・,Yg−1;c=0,1,2)と定義される。
グレースケールの画像への変換の際、フルカラーの眼底画像Image(x,y,c)に対してGreen成分のみを使用する、即ち、Gr(x,y)=Image(x,y,1)により変換する方法が最良であることが知られている。理由は、眼底カメラで使用されている3原色フィルタではGreen成分に比べRedとBlue成分の解像度が低く、これらの分色画像では血管の輪郭が不鮮明になりがちなためである。しかし、本発明者は、多くの眼底カメラ画像を分析した結果、Green成分は照明光が十分にあたっている中央付近では鮮明であるが、照明光が弱い周辺部ではGreen成分よりむしろBlue成分の方が鮮明であり、更にBlue成分はGreen成分と異なり、血管部の輝度が周囲に比べて高くなるという反転現象を見出した(眼底画像全般に血管部の輝度は周囲に比べて低くなる)。そこで、本実施形態では、以下の〔数式2〕に従った処理を実行することによりグレースケール変換する手法を提案する。ただし、〔数式2〕は全てのフルカラーの眼底画像に適用になるわけではなく、従来から言われているGr(x,y)=Image(x,y,1)により変換する方法の方が適切な眼底画像も少なからず存在するため、これらは与えられた眼底画像ごとに適宜選択する必要がある。血流領域端点特定手段50は、以下の〔数式2〕に従った処理を実行することによりグレースケール変換する。
〔数式2〕
Gr(x,y)=[Image(x,y,1)・(255−Image(x,y,2))]1/2
上記〔数式2〕において、Image(x,y,1)は、フルカラーの眼底画像のうち、G(グリーン、緑)の成分を示し、Image(x,y,2)は、フルカラーの眼底画像のうち、B(ブルー、青)の成分を示している。したがって、上記〔数式2〕においては、各画素のG成分と、B成分をネガポジ反転したものの相乗平均値(積の平方根)を求め、グレースケール形式の画像Gr(x,y)を得ている。
さらに、血流領域端点特定手段50は、グレースケール形式の画像Gr(x,y)に対して、以下の〔数式3〕に従った処理を実行することによりネガポジ反転してグレースケールの眼底画像Gray(x,y)を得る。
〔数式3〕
Gray(x,y)=255−Gr(x,y)
上記〔数式3〕に従った処理を実行して、ネガポジ反転することにより、周囲に比べ輝度が低い血流領域の画素値が高い状態に変換される。ここで、ネガポジ反転とは、元の画素値(階調値)の大きいもの程小さい値に変換する処理を意味する。
以上のようにして、グレースケール化により(X(i),Y(i))(Xl,Yl)、(Xr,Yr)の輝度値が得られたら、以下の〔数式4〕に従った処理を実行することにより輝度配列G(i)を算出する。
〔数式4〕
G(i)=[Gray(X(i),Y(i))+Gray(Xl,Yl)+Gray(Xr,Yr)]/3
上述のように、各サンプルは、計算の便宜上、始点辺SHまたは終点辺EHの両端の間にs+1個設定したものである。また、始点辺SHまたは終点辺EHは、画素の配列であるxy軸とは傾いて設定されることもあるが、サンプルの座標値は整数値に近似されるため、そのまま画素の輝度値を取得できる。
各サンプルiについて輝度値を取得して、輝度配列G(i)が得られたら、次に、輝度配列G(i)を用いて微分輝度値の配列に変換した微分配列D(i)を算出する(ステップS430)。具体的には、以下の〔数式5〕に従った処理を実行することにより微分配列D(i)を算出する。ただし、i<3またはi>s−2の場合、D(i)=0とする。
〔数式5〕
D(i)=G(i)+G(i+1)+G(i+2)−G(i−1)−G(i−2)−G(i−3)
上記〔数式5〕では、サンプルiに隣接するサンプルi+1、サンプルi−1を含み、サンプルi,i+1,i+2,i−1,i−2,i−3の計6個のサンプルを用いてサンプルiにおける微分輝度値D(i)を算出しているが、より多くのサンプルを用いて微分輝度値D(i)を算出するようにしてもよい。また、上記〔数式5〕においては、隣接するサンプルとの加算値+G(i+1)や、差分値−G(i−1)を用いている。
微分配列D(i)が得られたら、次に、微分配列D(i)の最大値、最小値を特定する(ステップS440)。具体的には、以下の〔数式6〕に従った処理を実行することにより微分配列D(i)の最大値Dmaxおよび最小値Dminを算出する。
〔数式6〕
max=MAXi=0,S/2D(i)=D(imax
min=MINi=S/2,SD(i)=D(imin
上記〔数式6〕において、第1式の“MAXi=0,S/2”は、添え字のi=0からi=s/2までの各サンプルiにおけるD(i)の最大値”を求めることを示している。また、上記〔数式6〕において、第2式の“MINi=S/2,S”は、添え字のi=s/2からi=sまでの各サンプルiにおけるD(i)の最小値”を求めることを示している。最大値Dmaxをとるサンプルimaxが最大サンプル、最小値Dminをとるサンプルiminが最小サンプルとして特定される。
ここで、計測範囲における眼底画像と輝度値、微分輝度値の関係を図11に示す。図11において、横軸は、サンプルiを示している。図11の上段は、計測範囲近傍の眼底画像であり、網掛けした部分は、血流領域を示している。すなわち、図11の例では、3本の血管を含む範囲に計測範囲が設定された場合を示している。図11の中段は、輝度値G(i)であり、血流領域の中央ほど輝度値が高いことを示している。図11の下段は、輝度値G(i)の微分値である微分輝度値D(i)である。ステップS440においては、微分輝度値の最大値Dmaxおよび最小値Dminが算出される。図11のように計測範囲が設定された場合、中央の血流領域の幅を計測したいのが、利用者の意図であると考えられる。ところが、現時点で得られた微分輝度値の最大値Dmax、最小値Dminは、両側の血流領域に位置している。そのため、本実施形態では、さらなる探索が行われることになる。
ステップS440において微分配列D(i)の最大値Dmaxおよび最小値Dminが得られたら、次に、微分配列D(i)の最大値Dmaxおよび最小値Dminよりもサンプル中央値s/2寄りの極大値Dmax2、極小値Dmin2を特定する(ステップS450)。具体的には、以下の〔数式7〕に従った処理を実行することにより極大値Dmax2、極小値Dmin2を探索する。
〔数式7〕
max2=D(imax2)>Dmax/2、かつ0<i<imax2およびimax2<i<s/2でD(i)<Dmax2を満たすimax2が存在すれば、Dmax=Dmax2とする。
min2=D(imin2)<Dmin/2、かつ0<i<imin2およびimin2<i<s/2でD(i)>Dmin2を満たすimin2が存在すれば、Dmin=Dmin2とする。
極大値とは、両側のサンプルの値がその極大値より小さくなる値であり、極小値とは、両側のサンプルの値がその極小値より大きくなる値である。サンプル中央値s/2寄りとは、計測範囲における中点側を意味する。ステップS450の処理により、図11に示すように、計測範囲に複数の血管が含まれている場合に、対象とする血流領域の微分輝度値の最大値、微分輝度値の最小値以外に、サンプル中央値s/2寄りに極大値Dmax2または極小値Dmin2が見つかることがある(いずれか一方しか見つからない場合や双方とも見つからない場合もある)。〔数式7〕で指定の条件を満たす極大値Dmax2または極小値Dmin2が見つかった場合、〔数式7〕では、見つかった極大値または極小値を最大値Dmaxまたは最小値Dminに置き換えている。すなわち、ステップS450においては、血流領域端点特定手段50は、最大サンプルより微分輝度値の小さい極大点が最大サンプルから見て最小サンプルの方向に存在する場合、極大点を最大サンプルとして置き換え、最小サンプルより微分輝度値の大きい極小点が最小サンプルから見て最大サンプルの方向に存在する場合、極小点を最小サンプルとして置き換える処理を行っている。
対象とする血流領域の微分輝度値の最大値および最小値として、最大値Dmaxおよび最小値Dminが決定したら、次に、血流領域の2端点を特定する(ステップS460)。具体的には、以下の〔数式8〕に従った処理を実行することにより血流領域の2端点を特定する。
〔数式8〕
max=Dmax・α
i=s/2からi=0の順に、D(ip)≧D(ip+1)かつD(ip)≧D(ip−1)かつD(ip)≧Hmaxを満たす極大値D(ip)を探索し、i1<ipでD(i1)<Hmaxを満たすサンプルi1を血流領域の第1の端点として特定
min=Dmin・α
i=s/2からi=sの順に、D(in)≦D(in+1)かつD(in)≦D(in−1)かつD(in)≦Hminを満たす極小値D(in)を探索し、i2>inでD(i2)>Hminを満たすサンプルi2を血流領域の第2の端点として特定
上記〔数式8〕において、i=s/2からi=0の順に極大値を探索し、i=s/2からi=sの順に極小値を探索することは、中点付近のサンプルから先頭または末尾のサンプル側に探索して血流領域の2端点を特定することを示している。また、上記〔数式8〕において、αは0以上1以下の実数値である。本実施形態では、α=0.8に設定してある。係数αを用いることにより、第1所定値Hmax、第2所定値Hminが定まる。図11の下段において、D(i1)、D(i2)で示す矢印の大きさが微分輝度値であり、これらの微分輝度値D(i1)、D(i2)をとるサンプルi1、i2が3本ある血管のうちの中央の血管の血流領域の2端点となる。なお、上記ステップS450において、Dmax2をDmax、Dmin2をDminと置き換えているが、図11においては、置き換えていない状態でDmax2、Dmin2を図示している。
結局、ステップS460においては、血流領域端点特定手段50は、最大サンプルより微分輝度値が小さく第1所定値Hmaxより微分輝度値が大きい極大点から見て先頭(i=0)のサンプル寄りで第1所定値Hmaxより小さい微分輝度値をとるサンプルを血流領域の第1の端点として特定し、最小サンプルより微分輝度値が大きく第1所定値Hmaxより小さい第2所定値Hminより微分輝度値が小さい極小点から見て末尾(i=s)のサンプル寄りで第2所定値Hminより大きい微分輝度値をとるサンプルを血流領域の第2の端点として特定する処理を行っている。始点辺SHについて、ステップS420〜ステップS460の処理を終えたら、計測範囲を終点辺EHに変更して、同様に終点辺EHに対してステップS420〜ステップS460の処理を実行し、終点辺EHと交わる血流領域の2端点を特定する。
図12は、両側の血管の一部が計測範囲に含まれる場合の輝度値、微分輝度値の関係を示す図である。図12の上段のように、3本の血管のうち、中央の血管が計測範囲に完全に含まれ、両側の血管の一部が計測範囲に含まれる場合、ステップS440において算出された微分配列D(i)の最大値Dmaxおよび最小値Dminは、いきなり対象とする中央の血流領域の微分輝度値の最大値および最小値となる。このため、ステップS450の処理を実行しても、〔数式7〕の条件を満たす極大値Dmax2、極小値Dmin2は存在せず、最大値Dmaxおよび最小値Dminは、置き換えられずに、ステップS460の処理が行われることになる。ステップS460の処理の結果、図12に示したような、微分輝度値D(i1)、D(i2)をとるサンプルi1、i2が中央の血管の血流領域の2端点として特定される。図12の変形例として、図12の上段の左端または右端の血管のいずれかが、図11の上段の左端または右端の血管のいずれかのように、計測範囲に完全に含まれる場合が考えられる。その場合は、ステップS450の処理を実行すると、〔数式7〕の条件を満たす極大値Dmax2または極小値Dmin2のいずれか一方が存在し、最大値Dmaxまたは最小値Dminのいずれかが、置き換えられて、ステップS460の処理が行われることになる。
図13は、血管が一本だけ計測範囲に含まれる場合の輝度値、微分輝度値の関係を示す図である。図13の上段のように、血管が一本だけ計測範囲に含まれる場合、ステップS440において算出された微分配列D(i)の最大値Dmaxおよび最小値Dminは、対象とする中央の血流領域の微分輝度値の最大値および最小値となる。このため、ステップS450の処理を実行しても、〔数式7〕の条件を満たす極大値Dmax2、極小値Dmin2は存在せず、最大値Dmaxおよび最小値Dminは、置き換えられずに、ステップS460の処理が行われることになる。ステップS460の処理の結果、図13に示したような、微分輝度値D(i1)、D(i2)をとるサンプルi1、i2が一本だけ含まれる血管の血流領域端点として特定される。図13の第1の変形例として、図12の上段の左端または右端の血管のように、もう1つの血管が計測範囲に部分的に含まれる場合が考えられる。その場合も、ステップS450の処理を実行しても、〔数式7〕の条件を満たす極大値Dmax2、極小値Dmin2は存在せず、最大値Dmaxおよび最小値Dminは、置き換えられずに、ステップS460の処理が行われることになる。更に、図13の第2の変形例として、図11の上段の左端または右端の血管のように、もう1つの血管が計測範囲に完全に含まれる場合が考えられる。その場合は、ステップS450の処理を実行すると、〔数式7〕の条件を満たす極大値Dmax2または極小値Dmin2のいずれか一方が存在し、最大値Dmaxまたは最小値Dminのいずれかが、置き換えられて、ステップS460の処理が行われることになる。
始点辺SH、終点辺EHの双方に対して血流領域の2端点を特定してステップS400の処理を終えたら、次に、動静脈径比算出手段60が、血流幅比率である動静脈径比の算出を行う(ステップS500)。具体的には、以下の〔数式9〕に従った処理を実行することにより動静脈径比を算出する。
〔数式9〕
動静脈径比=(動脈に対応する血流領域の2端点間の距離の平均値)/(静脈に対応する血流領域の2端点間の距離の平均値)
上記〔数式9〕に示すように、動静脈径比は、(動脈に対応する血流領域の2端点間の距離の平均値)を(静脈に対応する血流領域の2端点間の距離の平均値)で除算することにより得られる。この平均値を算出することには、2つの意味があり、単一の計測用図形に基づいて、始点辺SHより算出される血流領域の2端点間の距離と、終点辺EHより算出される血流領域の2端点間の距離の2箇所の距離が同時に算出されるため、これらの平均値である平均距離を求めることと、動脈または静脈に対して計測用図形が複数配置されている場合、更に複数の計測用図形ごとに算出される平均距離どうしの平均値を求める必要がある。動脈に対して計測用図形がNa個、静脈に対して計測用図形がNv個配置されて計測範囲が設定された場合(Na,Nv≧1でNa=Nvでなくても良い。)、動脈に対して配置された各計測用図形を基に算出される平均距離の総和をNaで除算した値と、静脈に対して配置された各計測用図形を基に算出される平均距離の総和をNvで除算した値を除算したものが、動静脈径比となる。動静脈径比算出手段60は、算出した動静脈径比を情報記憶手段90に記憶させる。並行して表示手段20が算出された動静脈径比を表示する。
動静脈径比の算出を終えたら、次に、静脈径比算出手段70が、血流幅比率である静脈径比の算出を行う(ステップS600)。具体的には、以下の〔数式9〕に従った処理を実行することにより動静脈交叉・静脈径比を算出する。
〔数式10〕
動静脈交叉・静脈径比=(各計測用図形に基づいて算出される2つの血流領域の2端点間の距離の小さい方の総和値)/(各計測用図形に基づいて算出される2つの血流領域の2端点間の距離の大きい方の総和値)
上記〔数式10〕に示すように、動静脈交叉・静脈径比は、(各計測用図形に基づいて算出される2つの血流領域の2端点間の距離の小さい方の総和値)を(各計測用図形に基づいて算出される2つの血流領域の2端点間の距離の大きい方の総和値)で除算することにより得られる。ここで、総和値を算出するのは、複数の計測用図形が同一の動静脈交叉部または同一解析範囲内で異なる動静脈交叉部の静脈の複数個所に跨って配置された場合に対応するためで、その場合は、計測用図形ごとに算出される2つの距離の小さい方の値どうしの総和値および大きい方の値どうしの総和値を求める必要がある。計測用図形が1箇所のみ配置された計測範囲が設定された場合、当該計測用図形に基づいて算出される2つの距離の各々がそのまま総和値となり、2つの距離の小さい方の値を大きい方の値で除算することにより、動静脈交叉・静脈径比を算出する。静脈径比算出手段70は、算出した動静脈交叉・静脈径比を情報記憶手段90に記憶させる。並行して表示手段20が算出された動静脈交叉・静脈径比を表示する。
静脈径比の算出を行ったら、次に、計測用図形の表示を行う(ステップS700)。具体的には、始点辺に基づいて特定された血流領域の2端点、終点辺に基づいて特定された血流領域の2端点を結ぶ台形と、2対の2端点の中点どうしを結ぶ線分とからなる計測用図形を表示手段20に表示する。具体的には、まず、ステップS460にて特定された血流領域の2端点i1,i2を用いて、始点辺については、X11=X(i1),Y11=Y(i1),X12=X(i2),Y12=Y(i2)とし、終点辺については、X21=X(i1),Y21=Y(i1),X22=X(i2),Y22=Y(i2)として、血流領域端点に対応する4頂点を特定する。
次に、表示手段20が、特定された血流領域の4端点(X11,Y11),(X12,Y12),(X21,Y21),(X22,Y22)と、始点辺側の2端点の中点(X1,Y1)=((X11+X12)/2,(Y11+Y12)/2)、終点辺側の2端点の中点(X2,Y2)=((X21+X22)/2,(Y21+Y22)/2)に対応する画素を特定し、4端点にそれぞれ対応する4頂点を結ぶ台形と、中点を結ぶ線分に対応する画素を所定の画素値に置き換えて表示する処理を行う。この結果、利用者には、配置された計測用図形のどの範囲が血流領域として特定されたか、血流領域の2端点の値が適切に算出されたかを把握することが可能となる。図9(b)に、特定された血流領域に合わせて再表示された計測用図形の一例を示す。網掛けした部分は重ねて表示される眼底画像の血流領域に対応する部分である。ステップS400により血流領域の2端点が特定されると、上述のように、ステップS700において、2つの辺に対応して特定された血流領域の各々2端点を結ぶ2辺を含む台形と始点辺側の2端点の中点と終点辺側の2端点の中点を結ぶ線分からなる図形が表示されることになる。この図形は、実際には、演算により特定された血流領域の4端点を結ぶ台形と、始点辺側の2端点の中点と終点辺側の2端点の中点を結ぶ線分を表示したものである。しかし、演算処理は人間の感覚からすれば一瞬で終わるので、計測用図形を配置した後、計測処理の実行を指示すると、瞬時に長方形の計測用図形が、血流領域に合わせた幅の台形の計測ゲージに変化したように見える。
ステップS500、S600、S700の処理は、必ずしも行う必要はなく、また実行する場合にいずれを先に行っても良い。ステップS400により得られた血流領域の端点の情報を、血流領域端点特定手段50が情報記憶手段90に直接記憶させ、処理を終えるようにすることも可能である。
図14は、実際の眼底画像の解析範囲の静脈上に、処理後の計測用図形を重ねて表示させた例を示す図である。図7(a)に示した状態で配置された計測用図形は、図14に示したように、血流領域の幅に合わせて表示される。始点辺SHと終点辺EHにおける幅が異なる場合は、計測用図形は台形として表示される。したがって、図7(a)に示した長方形の計測用図形が血流領域にフィッティング(位置合わせ)されて、台形に変形したように見える。
図15は、解析範囲内の6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)に計測用図形が配置された例を示す図である。このうち、図15(a)は、解析範囲の画像を示し、図15(b)は、複数の計測用図形に基づく動静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。一般に、動脈の方が静脈よりも細いため(健常者の中には動脈の方が太い場合もある)、動静脈径比は、0.5以上が正常である。図15の例では、動静脈径比が0.86であるため正常となっている。
図16は、解析範囲内の6箇所(動脈3箇所、静脈3箇所)に計測用図形が配置された例を示す図である。このうち、図16(a)は、眼底画像全体を示し、図16(b)は、解析範囲の画像を示し、図16(c)は、複数の計測用図形に基づく動静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。図16の例では、動静脈径比が0.37であり、0.5未満であるため動脈硬化進行となっている。
動静脈交叉・静脈径比を算出する場合の例について説明しておく。図17は、図4と同一の眼底画像であるが、解析範囲が動静脈交叉部に設定されている。ステップS100で図17に示したような解析範囲が設定された場合における、解析範囲の表示例を図18(a)に示す。図18(a)の例では、解析範囲である横515画素×縦515画素の眼底画像の動静脈交叉部に、長方形状の計測用図形が配置された状態を示している。図18(b)は、図18(a)に示した計測用図形に対応する計測範囲設定画面を示す図である。図18(b)に示した計測範囲設定画面では、図7(b)に示した計測範囲設定画面と同様の設定を行うことができる。
図19は、図4と同様、実際の眼底画像の解析範囲の静脈上に、処理後の計測用図形を重ねて表示させた例を示す図である。図18(a)に示した状態で配置された計測用図形は、図19に示したように、血流領域の幅に合わせて表示される。始点辺SHと終点辺EHにおける幅が異なる場合は、計測用図形は台形として表示される。
図20は、解析範囲内の2箇所(単一の動静脈交叉から対向して出ている同一静脈2箇所)に計測用図形が配置された例を示す図である。このうち、図20(a)は、解析範囲の画像を示し、図20(b)は、2箇所の計測用図形に基づく動静脈交叉・静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。動静脈交叉・静脈径比も、0.5以上が正常である。図20の例では、動静脈交叉・静脈径比が0.60であるため正常となっている。
図21は、解析範囲内の2箇所(単一の動静脈交叉から対向して出ている同一静脈2箇所)に計測用図形が配置された例を示す図である。このうち、図21(a)は、眼底画像全体を示し、図21(b)は、解析範囲の画像を示し、図21(c)は、2箇所の計測用図形に基づく動静脈交叉・静脈径比(血流幅比率)の算出結果を示している。図21の例では、動静脈交叉・静脈径比が0.49であり、0.5未満であるため動脈硬化進行となっている。
<3.計測用図形表示装置としての機能>
上記実施形態では、眼底画像処理装置について説明したが、眼底画像処理装置は、計測用図形を表示する表示装置である計測用図形表示装置としての機能も果たす。すなわち、眼底画像に含まれる血管の血流領域端点を特定する際に、指示入力手段10からの指示に基づき、外形が台形(一態様として長方形を含む意味)であり、平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備える計測用図形を表示手段20に表示する。そして、指示入力手段10からの指示に基づき、計測範囲設定手段40が、配置された計測用図形の対向する2辺それぞれを計測範囲として設定する。さらに、血流領域端点特定手段50が、設定された計測範囲内の平行な2辺の各々に基づいて血流領域の2端点を特定し、2辺に対して特定された血流領域の4端点を4頂点とする外形が台形形状の図形を計測用図形に代えて表示手段20に表示する。すなわち、図1、図2に示した眼底画像処理装置を計測用図形表示装置として機能させることができる。この場合、計測用図形がいわゆる計測ゲージのように、変形して血流領域にフィッティングしたかのような印象を与えるとともに、血流領域における血流幅を直感的に把握し易くなる。
<4.変形例等>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、撮影により得られた眼底画像としてフルカラー画像を用いたが、赤外線光源のデジタル眼底カメラで撮影されるモノクロ画像も利用されつつあり、その場合は、眼底血管が鮮明に造影されるため、血流領域を特定する処理における二値化処理を単純な判別分析法で簡便に高精度に行うことができる。また、近年業務用のデジタルカメラの階調は10ビット以上に拡大しており、各色1024階調等のフルカラー画像を取得することも可能になっており、より階調数の多いカラー画像を用いてもよい。
1・・・CPU(Central Processing Unit)
2・・・RAM(Random Access Memory)
3・・・記憶装置
4・・・タッチパネル入力I/F
5・・・データ入出力I/F
6・・・表示部
7・・・画像入力部
10・・・指示入力手段10
20・・・表示手段
30・・・画像拡大手段
40・・・計測範囲設定手段
50・・・血流領域端点特定手段
60・・・動静脈径比算出手段
70・・・静脈径比算出手段
80・・・眼底画像記憶手段
90・・・情報記憶手段
100・・・眼底画像処理装置

Claims (12)

  1. 眼底画像に対して処理を行う装置であって、
    前記眼底画像と、外形が台形である計測用図形を表示する表示手段と、
    外部からの指示に基づき、眼底画像に重ねて配置された前記計測用図形に基づき、当該計測用図形の平行な2辺の少なくとも一方の辺を計測範囲として設定する計測範囲設定手段と、
    前記計測範囲として設定された辺について、前記辺をサンプリングし、得られた各サンプルに対応する座標を算出して1次元の座標配列を作成し、
    前記座標配列の各座標を用いて前記眼底画像より輝度値を取得し、各サンプルに対応する輝度配列を作成し、
    前記輝度配列を用いて隣接するサンプルの輝度値との差分値を用いて微分輝度値の配列である微分配列を作成し、
    前記微分配列に対して最大値をとる最大サンプルと最小値をとる最小サンプルを探索し、
    前記最大サンプルと最小サンプルを基に血流領域の2端点を特定する血流領域端点特定手段と、
    を有することを特徴とする眼底画像処理装置。
  2. 動静脈径比を算出する動静脈径比算出手段を更に有し、
    前記計測範囲設定手段は、外部からの指示に基づき、静脈に対応する計測範囲と動脈に対応する計測範囲の各々を設定するものであり、
    前記動静脈径比算出手段は、動脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離と、静脈に対応する計測範囲について算出された血流領域の2端点間の距離との比率に基づいて、動静脈径比を算出することを特徴とする請求項1に記載の眼底画像処理装置。
  3. 静脈径比を算出する静脈径比算出手段を更に有し、
    前記計測範囲設定手段は、外部からの指示に基づき、静脈に対応して少なくとも2箇所の計測範囲を設定するものであり、
    前記計測範囲として設定された計測用図形の平行な2辺により設定された2箇所の計測範囲について算出された2つの血流領域の2端点間の距離どうしの比率に基づいて、静脈径比を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の眼底画像処理装置。
  4. 外部からの指定に基づいて、前記眼底画像の指定された領域をトリミングし、当該領域が所定の画素数になるように前記眼底画像の拡大処理を行う画像拡大手段を更に備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  5. 前記血流領域端点特定手段は、
    輝度配列を作成する際、前記眼底画像がRGBの各成分が所定の階調をもつカラー画像の場合、前記眼底画像に対して、G成分の階調値とB成分の階調値を反転した値との積の平方根によりグレースケール画像に変換し、更にネガポジ反転した階調値を前記輝度値として与えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  6. 前記計測用図形は、前記台形の平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  7. 前記血流領域端点特定手段は、
    輝度配列を作成する際、
    前記計測用図形の平行な2辺のいずれかの辺をサンプリングし、前記辺に直交する2方向に各サンプルを所定の距離だけ移動させた点を2箇所特定し、特定された2点における輝度値を用いて前記各サンプルに対応する輝度値を補正することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  8. 前記血流領域端点特定手段は、
    前記最大サンプルより微分輝度値の小さい極大点が前記最大サンプルから見て前記最小サンプルの方向に存在する場合、前記極大点を最大サンプルとして置き換え、前記最小サンプルより微分輝度値の大きい極小点が前記最小サンプルから見て前記最大サンプルの方向に存在する場合、前記極小点を最小サンプルとして置き換えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  9. 前記血流領域端点特定手段は、
    前記最大サンプルより微分輝度値が小さく第1所定値より微分輝度値が大きい極大点から見て先頭のサンプル寄りで第1所定値より小さい微分輝度値をとるサンプルを前記血流領域の第1の端点として特定し、前記最小サンプルより微分輝度値が大きく第1所定値より小さい第2所定値より微分輝度値が小さい極小点から見て末尾のサンプル寄りで第2所定値より大きい微分輝度値をとるサンプルを前記血流領域の第2の端点として特定することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  10. 前記表示手段は、前記平行な2辺の各々に特定された前記血流領域の4端点を頂点とする外形が台形の図形を、前記眼底画像に重ねて表示することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置。
  11. コンピュータを、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の眼底画像処理装置として機能させるためのプログラム。
  12. 眼底画像に含まれる血管の血流領域を特定する際に、計測用図形を表示する表示装置であって、
    外部からの指示に基づき、外形が台形であり、平行な2辺の中点を結ぶ基準線を備える計測用図形を表示し、
    外部からの指示に基づき配置された計測用図形の平行な2辺それぞれを計測範囲として設定し、設定された計測範囲の2辺に基づいて血流領域の2端点を各々特定し、特定された血流領域の4端点を4頂点とする外形が台形形状の図形を前記計測用図形に代えて表示することを特徴とする計測用図形表示装置。
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