JP2007319403A - 診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラム - Google Patents

診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】眼底血管の検査に関わる計測の自動化を測りつつ計測精度の向上を図る。
【解決手段】眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算処理部11と、表示部122に診療情報を表示させる制御部13を備える。演算処理部11には、眼底画像の画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する血管境界抽出部114と、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、その直線と上記両側面のそれぞれの境界との交叉位置を演算する交叉位置演算部115と、各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算する交叉位置間距離演算部116と、各直線について演算された距離のうちの最も短い距離を血管領域の幅として選択する交叉位置間距離選択部117とが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、患者の診察や治療の支援に用いられる診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラムに関し、特に、眼底血管の状態に基づいて行う診療を支援する技術に関するものである。
眼底画像は、眼底カメラ等の眼科機器を用いて無侵襲で血管の状態を観察できることから、眼の傷病だけでなく循環器系の疾病の診療においても広く用いられている。たとえば、高血圧網膜症やそれ以外の高血圧合併症の危険の予測などがその典型例である。
医師は、眼底血管(網膜や脈絡膜等の眼底部分に位置する血管)の状態を観察することにより、高血圧と密接に関係する動脈硬化の進行度合いなどを確認できることから、眼底血管の状態に基づいて動脈硬化の程度を判定することにより、患者の高血圧の程度を判断することができる。
動脈硬化の程度の判定方法としては、ほぼ平行に位置する動脈と静脈との径の比(「動静脈径比」と呼ぶことにする。)による方法や、動脈と静脈との交叉位置における静脈径と当該交叉位置から離れた位置における静脈径との比(「静脈径比」と呼ぶことにする。)による方法、更には、動脈の血柱反射の亢進による方法などが一般に用いられている(たとえば、特許文献1、非特許文献1参照)。
特開平10−71125号公報 桜庭知己編集、"特集:高血圧網膜症"、目と健康シリーズ、No.4(堀貞夫シリーズ監修)、[平成18年4月14日検索]、インターネット〈URL:http://www.skk−health.net/me/04/〉
しかしながら、特許文献1に開示されたような従来の動静脈径比の計測方法では、高い精度で計測を行うことが難しいという問題がある。
特許文献1に記載の発明における血管径の計測は、次のように行うようになっている。まず、眼底血管に細線化処理を施して血管の中心線を生成する。或る計測位置において、この中心線に直行する方向に直線を引く。この直線が血管(血管壁)に交わる2つの点の間の距離を当該計測位置における血管径とする。このような血管径の計測を、血管に沿った複数の計測位置において実行し、それにより得られる複数の血管径の値を平均して、血管径の結果とする。
しかし、細線化処理により得られる血管の中心線は、血管の曲がり具合や輪郭の微小な凹凸の影響によって必ずしも滑らかな曲線(直線を含む)となる訳ではない。そのため、細線化処理により得られた中心線の微分不可能な位置においては傾き(1階微分値)を算出することができず、したがって接線を求めることができないので、当該位置において中心線に直交する直線を求めることができない。特許文献1には、このような不適当な計測位置を回避する方法に関する記載や示唆が為されてないため、血管径の計測精度の劣化が懸念される。更に、場合によっては、血管径を計測できない事態も想定される。
また、細線化処理によれば、血管の輪郭の微小な凹凸に起因する「ヒゲ」が発生するのが一般的である。特許文献1の手法を用いて、「ヒゲ」が発生している位置における血管径を計測することは困難と思われる。なお、特許文献1には、この問題を回避する方法に関する記載や示唆は無い。
また、静脈径比を判定基準として用いる場合、動脈と静脈の交叉位置(の近傍)と、この交叉位置から離れた位置の双方において静脈径を計測する必要がある。しかし、従来の構成では、これらの計測部位を特定する具体的な方法が開示されていないため、静脈径比の計測の自動化と計測精度とを両立させることは難しいと考えられる。
また、動脈の血柱反射の亢進による動脈硬化の程度の判定については、従来、医師等が手作業で行っていたために、医師等に大きな負担が掛かっていた。また、この判定作業には熟練が必要であることから、経験の浅い医師や他科の医師などの非熟練者が判定を行うときには、熟練者ほどの精度や信頼性を期待することは難しかった。
なお、これらの検査は集団検診や人間ドックにおいて用いられるようになってきている。したがって、上記のように他科(たとえば内科)の医師が検査を行うケースも増加していくものと考えられる。また、集団検診や人間ドックにおいては、多数の患者に対して検査を実施するため、検査の自動化(もちろん、高精度を担保した上での自動化である)への要望は、将来一層大きくなっていくことと考えられる。更に、高齢化社会の進行や食生活の西洋化なども、この要望の増大に拍車を掛ける要因と考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、眼底血管の検査に関わる計測の自動化を図りつつ、当該計測の精度の向上を図るにより、眼底血管の状態に基づいて行う診療を好適に支援することが可能な診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、眼底画像を撮影する撮影手段と、該撮影された眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、表示手段と、該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、を備える診療支援システムであって、前記演算手段は、前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段と、前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段と、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段と、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段と、を備え、前記制御手段は、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の診療支援システムであって、前記血管領域は、動脈に相当する動脈領域と静脈に相当する静脈領域とを含み、前記演算手段は、前記抽出手段、前記交叉位置演算手段、前記距離演算手段及び前記距離選択手段により、前記血管領域の幅として、前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅とをそれぞれ演算し、該演算された前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める動静脈径比演算手段を更に備え、前記制御手段は、該演算された動静脈径比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の診療支援システムであって、操作手段を更に備え、前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、前記抽出手段は、該表示された眼底画像の前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの画像領域上に前記操作手段によって計測位置が指定されたときに、該指定されたそれぞれの計測位置において、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、前記指定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、前記動脈領域の幅及び前記静脈領域の幅のそれぞれを求め、前記動静脈径比演算手段は、該求められた前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の診療支援システムであって、前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記眼底画像において互いに略平行に位置する前記動脈領域及び前記静脈領域をそれぞれを抽出する血管領域抽出手段と、該抽出された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの画像領域上に計測位置を設定する計測位置設定手段と、を更に備え、前記抽出手段は、該設定された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの計測位置において、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、前記設定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、前記動脈領域の幅及び前記静脈領域の幅のそれぞれを求め、前記動静脈径比演算手段は、該求められた前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の診療支援システムであって、前記血管領域は、動脈に相当する動脈領域と静脈に相当する静脈領域とを含み、前記演算手段は、前記抽出手段、前記交叉位置演算手段、前記距離演算手段及び前記距離選択手段により、前記血管領域の幅として、前記動脈領域と前記静脈領域との交叉位置の近傍の第1の計測位置における前記静脈領域の幅と、前記動脈領域と前記静脈領域とが交叉しない第2の計測位置における前記静脈領域の幅とをそれぞれ演算し、該演算された前記第1の計測位置における幅と前記第2の計測位置における幅との比を演算して静脈径比を求める静脈径比演算手段を更に備え、前記制御手段は、該演算された静脈径比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の診療支援システムであって、前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、該表示された眼底画像上に前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれを指定するための操作手段を更に備え、前記抽出手段は、該指定された第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれにおいて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、前記静脈径比演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて該求められた前記静脈領域の幅の比を演算して静脈径比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の診療支援システムであって、前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、
該表示された眼底画像上における前記動脈領域と前記静脈領域との交叉位置を指定するための操作手段を更に備え、前記演算手段は、該指定された交叉位置の近傍における前記動脈領域の境界を抽出するとともに、該抽出された前記動脈領域の境界から第1の距離だけ離れた前記静脈領域内の位置を前記第1の計測位置として設定し、該境界から前記第1の距離よりも大きな第2の距離だけ離れた前記静脈領域内の位置を前記第2の計測位置として設定する計測位置設定手段を更に備え、前記抽出手段は、該設定された前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、前記静脈径比演算手段は、該求められた前記第1の計測位置における前記静脈領域の幅と前記第2の計測位置における前記静脈領域の幅との比を演算して静脈径比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の診療支援システムであって、前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれを抽出する血管領域抽出手段と、該抽出された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれに相当する画像データに基づいて、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれを設定する計測位置設定手段と、を更に備え、前記抽出手段は、該設定された前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、前記静脈径比演算手段は、該求められた前記第1の計測位置における前記静脈領域の幅と前記第2の計測位置における前記静脈領域の幅との比を演算して静脈径比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の診療支援システムであって、前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の診療支援システムであって、操作手段を更に備え、前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、前記抽出手段は、該表示された眼底画像上に前記操作手段により指定された計測位置における前記血管領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記指定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を、前記指定された計測位置における前記血管領域の幅として選択し、前記血柱反射幅演算手段は、前記指定された計測位置における血柱反射の幅を演算し、前記血柱反射比演算手段は、該演算された血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記血管領域の幅との比を演算して、前記指定された計測位置における血柱反射比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、請求項9に記載の診療支援システムであって、前記演算手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて前記血管領域を抽出する血管領域抽出手段と、該抽出された血管領域に基づいて計測位置を設定する計測位置設定手段と、を更に備え、前記抽出手段は、該設定された計測位置に基づいて、前記血管領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、前記交叉位置演算手段は、前記設定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、前記距離演算手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、前記距離選択手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を、前記設定された計測位置における前記血管領域の幅として選択し、前記血柱反射幅演算手段は、前記設定された計測位置における血柱反射の幅を演算し、前記血柱反射比演算手段は、該演算された血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記血管領域の幅との比を演算して、前記設定された計測位置における血柱反射比を求める、ことを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、眼底画像を撮影する撮影手段と、該撮影された眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、表示手段と、該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、を備える診療支援システムであって、前記演算手段は、前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、表示手段と、該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、を備える診療支援装置であって、前記演算手段は、前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段と、前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段と、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段と、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段と、を備え、前記制御手段は、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、表示手段と、該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、を備える診療支援装置であって、前記演算手段は、前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、を更に備え、前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、ことを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、表示手段を備えるコンピュータを、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段として機能させるとともに、前記表示手段に診療情報を表示させる制御手段として機能させる診療支援プログラムであって、前記演算手段を、前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段として機能させ、前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段として機能させ、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段として機能させ、前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段として機能させ、前記制御手段を、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、ことを特徴とする。
また、請求項16に記載の発明は、表示手段を備えるコンピュータを、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段として機能させるとともに、前記表示手段に診療情報を表示させる制御手段として機能させる診療支援プログラムであって、前記演算手段を、前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段として機能させ、該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段として機能させ、前記制御手段を、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、眼底画像を撮影し、この撮影された眼底画像の画像データに基づいて、計測位置の近傍領域に含まれる血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出し、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、その直線と血管領域の境界との交叉位置を演算し、各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算し、演算された複数の距離のうちの最短の距離を当該血管領域の幅として選択し、この血管領域の幅に基づく診療情報を表示させるように作用するので、眼底血管の幅の計測に基づく検査の自動化を図ることができる。
また、計測位置を通過する複数の直線に基づく複数の血管幅の候補のうちから、最短のものを選択して血管幅として採用しているので、血管幅を高精度で計測することが可能である。
また、本発明は、眼底画像を撮影し、この撮影された眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算し、この演算結果に基づく診療情報を表示させるものであって、特に、撮影された眼底画像の画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算し、この血柱反射の幅と血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求め、この演算された血柱反射比に基づく診療情報を表示させるように作用する。それにより、血柱反射比に基づく検査の自動化を図りつつ、検査精度の向上を図ることが可能である。
本発明に係る診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラムの好適な実施の形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明は、眼底画像上の眼底血管の状態に基づく診療情報をユーザに提供することにより診療を支援するものである。以下、このように作用する本発明の第1、第2、第3の実施の形態についてそれぞれ説明する。
第1の実施の形態は、被検者の眼底における動脈径と静脈径との比(動静脈径比)に基づく診療情報を提供するものである。第2の実施の形態は、眼底上において動脈と静脈とが交叉する位置の近くにおける静脈径と、当該交叉位置から離れた位置における静脈径との比(静脈径比)に基づく診断情報を提供するものである。第3の実施形態は、眼底上の動脈の血柱反射の亢進の判定に用いられる血柱反射比(動脈の血柱反射の幅(血柱反射幅)と血管の幅(動脈径)との比)に基づく診断情報を提供するものである。
〈第1の実施の形態〉
本発明の第1の実施の形態について説明する。図1に示すブロック図は、本実施形態に係る診療支援システムの全体構成の一例を表している。同図に示す診療支援システム1は、眼科撮影装置2と診療支援装置10とを含んで構成される。
眼科撮影装置2と診療支援装置10は、LAN(Local Area Network)ケーブルや専用線等の接続線を介して通信可能に接続されている。なお、これら装置の通信態様は、有線通信に限定されるものではなく、電波等を用いた無線通信であってもよい。
[眼科撮影装置]
眼科撮影装置2は、眼科分野において使用される撮影装置であり、特に、被検眼の眼底を撮影し、その画像データ(デジタルデータ)を出力するように構成された装置である。この眼科撮影装置2は、本発明の「撮影手段」の一例に相当するものである。
眼科撮影装置2は、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサや、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor;相補性型金属酸化物半導体)イメージセンサ等の撮像素子を内蔵したデジタル方式の撮影装置であり、たとえば眼底カメラや細隙灯顕微鏡装置(スリットランプ)等の眼科撮影装置によって構成される。
このような眼底カメラや細隙灯顕微鏡装置としては、任意の公知のものを使用することができる(眼底カメラとしては特開2006−26097号公報等を参照。細隙灯顕微鏡装置としては特開2005−224298号公報等を参照。)。
なお、図1に示す診療支援システム1には、撮影手段が1つしか設けられていないが、本発明に係る診療支援システムに設けられる撮影手段(眼科撮影装置)の個数は任意である。また、複数の眼科撮影装置を設ける場合、全て同種類の装置を用いてもよいし、2種類以上の装置を併用するようにしてもよい。
[診療支援装置]
診療支援装置10は、眼科撮影装置2から入力される眼底画像の画像データに基づいて眼底の動静脈径比を演算し、この動静脈径比の演算結果を表示するように機能する。ここで、「診療情報」とは、患者の診察や治療を行うときに医師によって参照される任意の情報を意味している。
〔ハードウェア構成〕
図1に示す機能的な構成を説明する前に、診療支援装置10のハードウェア構成について説明する。図2のブロック図は、この診療支援装置10のハードウェア構成の一例を表している。
この図2に示す診療支援装置10は、一般的なコンピュータと同様のハードウェア構成を備えている。具体的には、診療支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)等のマイクロプロセッサ21、RAM22、ROM23、ハードディスクドライブ(HDD)24、キーボード25、マウス26、ディスプレイ27、通信インターフェイス(I/F)28などを含んで構成される。これら各部は、バス20を介して接続されている。
マイクロプロセッサ21は、ハードディスクドライブ24に格納された診療支援プログラム24aをRAM22上に展開することにより、本実施形態に特徴的な動作を実行する。
また、マイクロプロセッサ21は、診療支援装置10の各部の制御や、各種の演算処理などを実行する。また、キーボード25やマウス26からの操作信号に対応する装置各部の制御、ディスプレイ27に各種の画面や画像を表示させる処理の制御、通信インターフェイス28による各種のデータや信号等の送受信処理の制御などを実行する。
キーボード25、マウス26及びディスプレイ27は、この診療支援装置10のユーザインターフェイス(User Interface)として使用される。
キーボード25は、たとえば文字や数字等をタイピング入力するためのデバイスとして用いられる。マウス26は、ディスプレイ27の表示画面に対する各種の情報入力や操作指示を行うためのポインティングデバイスとして用いられる。
また、ディスプレイ27は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の任意の形態の表示デバイスである。このディスプレイ27には、眼科撮影装置2によって撮影された眼底画像等の各種の医用画像や、各種の画面などが表示される。この表示処理は、前述のようにマイクロプロセッサ21によって制御される。
なお、診療支援装置10のユーザインターフェイスは、このような構成に限定されるものではなく、たとえばトラックボール、ジョイスティック、コントロールパネル、タッチパネル式のLCDなど、各種情報を表示出力する機能、各種情報を入力する機能、各種操作を行う機能を具備する任意のユーザインターフェイス手段を用いて構成することが可能である。
通信インターフェイス28は、眼科撮影装置2から出力された信号や情報(たとえば眼底画像の画像データ)を接続線Lを介して受信する機能を有する。また、通信インターフェイス28は、必要に応じて、各種の信号やデータを眼科撮影装置2に送信する機能を有する。
この通信インターフェイス28は、たとえばLANカード等のネットワークアダプタを含んで構成される。また、診療支援装置10がインターネット等の広域ネットワークに接続されている場合には、通信インターフェイス28はモデム等の通信機器を含んで構成される。
なお、この実施形態では、診療支援装置10内のハードディスクドライブ24に診療支援プログラム24aを格納しているが、ネットワーク上のサーバに診療支援プログラム24aをあらかじめ格納しておくとともに、当該サーバのクライアントとして診療支援装置10が動作するように構成することも可能である。このような構成は、たとえば、医療機関内に2台以上の診療支援装置10を設ける運用形態を採用する場合などにおいて有効である。
〔機能的構成〕
以上のようなハードウェア構成を有する診療支援装置10の機能的構成について、図1を参照しつつ説明する。
この診療支援装置10には、演算処理部11、ユーザインターフェイス12及び制御部13が設けられている。
(ユーザインターフェイスについて)
最初にユーザインターフェイス12について説明する。このユーザインターフェイス12には、ユーザが診療支援装置10を操作したりデータ入力を行ったりするための操作部121と、各種の画面や画像などの情報を表示するための表示部122とが設けられている。
操作部121は、図2に示すキーボード25やマウス26等の各種の操作デバイスや入力デバイスを含んで構成される。この操作部121は、本発明の「操作手段」の一例として機能するものである。
また、表示部122は、ディスプレイ27等の表示デバイスを含んで構成される。この表示部122は、本発明の「表示手段」の一例として機能するものである。
表示部122に眼底画像が表示されているとき、操作部121(マウス26)に対する操作に応じて表示画面上を移動するマウスポインタが同時に表示される。ユーザは、操作部121を操作することにより、表示された眼底画像上における所望の位置や領域を指定することができる。
眼底画像上の位置の指定は、たとえば、マウス26を操作してマウスポインタを所望の位置に配置させ、その状態でマウスボタン(図示せず)をクリックすることにより行うことができる。
また、眼底画像上の領域の指定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、マウス26を操作してマウスポインタを画像上の第1の位置に配置させ、その状態でマウスボタンを押下する。次に、マウスボタンを押下した状態を保持しつつマウス26を操作して、マウスポインタを第2の位置まで移動させて押下状態を解除する。それにより、第1の位置と第2の位置を対角線上の2頂点とする矩形の画像領域が眼底画像上に指定される。
(制御部について)
制御部13は、表示部122による各種の画面や医用画像(眼底画像等)の表示処理の制御や、ユーザが行った操作に対応して操作部121から入力される操作信号に基づくシステム各部の操作などを実行する。制御部13は、本発明の「制御手段」の一例として機能するものであり、診療支援プログラム24aに基づいて動作するマイクロプロセッサ21を含んで構成される。
制御部13には、診療情報生成部131が設けられている。この診療情報生成部131は、演算処理部11による演算処理の結果(後述)に基づいて、表示部122に表示させる診療情報を生成するように機能する。この診療情報生成部131の具体的な動作態様については後述する。
(演算処理部について)
演算処理部11は、本実施形態に特徴的な演算処理を実行するもので、本発明の「演算手段」の一例として機能するものである。この演算処理部11は、診療支援プログラム24aに基づいて動作するマイクロプロセッサ21を含んで構成される。
演算処理部11は、眼科撮影装置2によって撮影された眼底画像の画像データに基づき、当該画像内において眼底血管に相当する画像領域(「血管領域」と呼ぶことがある。)の幅を演算する処理を行う。
特に、演算処理部11は、ほぼ平行に位置する動脈と静脈について、当該動脈に相当する画像領域(「動脈領域」と呼ぶことがある。)の幅を演算し、当該静脈に相当する画像領域(「静脈領域」と呼ぶことがある。)の幅を演算するとともに、それらの比(動脈領域の幅/静脈領域の幅=:動静脈径比)を演算するように機能する。
このような演算処理を実行するために、演算処理部11には、血管領域抽出部111、計測位置設定部112、近傍領域設定部113、血管境界抽出部114、交叉位置演算部115、交叉位置間距離演算部116、交叉位置間距離選択部117及び動静脈径比演算部118が設けられている。
ここで、点線枠110で囲まれた血管領域抽出部111と計測位置設定部112は、動静脈径比の計測位置(動脈領域、静脈領域の幅の計測位置)を自動で設定する使用形態が適用される場合にのみ動作する。
なお、計測位置を自動で設定するか或いはユーザが手作業で指定するかは、たとえばユーザインターフェイス12により選択的に指定できるようになっている。ただし、本発明に係る診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラムは、計測位置の設定を常に自動的に行うように構成されていてもよいし、常に手作業で行う要に構成されていてもよい。後者を採用する場合、血管領域抽出部111と計測位置設定部112を設ける必要はない。
(血管領域抽出部)
血管領域抽出部111は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、この眼底画像において互いにほぼ平行に位置する動脈領域と静脈領域とを抽出する処理を実行するもので、この発明の「血管領域抽出手段」の一例として機能するものである。
そのために、血管領域抽出部111は、まず、眼底画像の画像データに基づいて、この眼底画像における血管領域を抽出する。この抽出処理は、画像に含まれる分岐構造を有する抽出対象領域(血管領域)を選択的に抽出するための任意の公知の手法を用いて行うことができる。たとえば、画像の各画素の画素値に対して閾値処理を施して対象領域を抽出する手法などを使用できる。その場合、眼底画像における血管領域に対応する画素値の範囲の情報を用いて、血管領域とそれ以外の画像領域とを区別することにより、血管領域を抽出する。
次に、血管領域抽出部111は、抽出された血管領域を動脈領域と静脈領域とに分割する処理を行う。この処理は、たとえば、動脈領域に対応する画素値の範囲の情報と、静脈領域に対応する画素値の範囲の情報とに基づいて実行することができる。ここで、動脈領域と静脈領域とでは、一般に画像の明るさ(輝度値)が異なっている(すなわち、画像データ上は画素値の相異となって現れている)ので、この輝度値の差を利用することにより、動脈領域に対応する輝度値と静脈領域に対応する輝度値との境界値(閾値)を設定することができる。
なお、血管領域抽出部111が最初に実行する抽出処理において、動脈領域に対応する画素値の範囲の情報と、静脈領域に対応する画素値の範囲の情報とを参照することにより、動脈領域と静脈領域のそれぞれを眼底画像から直接に抽出するようにしてもよい。
続いて、血管領域抽出部111は、抽出された動脈領域と静脈領域について、これらの画像領域がほぼ平行になっている部位を探索する。この処理は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、動脈領域と静脈領域をそれぞれ細線化する。
次に、動脈領域及び静脈領域のそれぞれについて、その細線化画像上の各点(画素)における接線の向きを求める。このとき、微分不可能な点については、接線を求めなくてもよい(一般に、微分不可能な点(画素)が幾つも連続する事態は想定されないので、微分可能な点についてのみ接線を求めれば十分である。)。
更に、動脈領域の細線化画像と静脈領域の細線化画像との間隔が、所定距離(事前に設定されている。)以下である部位を探索する。それにより得られた動脈領域と静脈領域とが近接している部位(動脈領域と静脈領域とが上記所定距離以下の間隔担っている部位)のうちから、接線の向きがほぼ同じになっている部位を探索する。この探索処理は、動脈領域の細線化画像と静脈領域の細線化画像とが近接している部位について、それらの部位の各点の接線の向きを比較し、接線の向きの差が所定角度(事前に設定されている)以下である部位を探索することによって行うことができる。
最後に、血管領域抽出部111は、このようにして探索された、接線の向きの差が所定角度以下である動脈領域の部位と静脈領域の部位のうち、たとえば間隔が最も小さいペアを選択し、計測位置の設定対象となる部位を決定する。
血管領域抽出部111は、上述のような処理を行うことにより、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像において、互いにほぼ平行に位置する動脈領域の部位と静脈領域の部位とを抽出する。
(計測位置設定部)
計測位置設定部112は、血管領域抽出部111により抽出された動脈領域及び静脈領域のそれぞれの画像領域上に計測位置を設定する処理を行うもので、本発明の「計測位置設定手段」の一例として機能する。
血管領域抽出部111により抽出される画像領域は、互いにほぼ平行に位置する動脈領域の部位と静脈領域の部位である。計測位置設定部112は、この動脈領域の部位と静脈領域の部位のそれぞれについて、その部位内の任意の位置を計測位置として設定する。この計測位置は、動静脈径比の計測に供される位置である。この計測位置は、たとえば、血管領域抽出部111により抽出された画像領域において、接線の向きの差が最も小さい動脈領域の位置と静脈領域の位置とに設定することができる。
(近傍領域設定部)
近傍領域設定部113は、動脈領域及び静脈領域のそれぞれにおける動静脈径比の計測位置について、その計測位置を中心とし所定の半径を有する円を形成し、この円の内部領域を、当該計測位置の近傍領域として設定する処理を行う。
ここで、計測位置を中心とする円の半径は、たとえば、臨床的に知られている眼底血管の幅に基づいて、円の直径がこの血管幅よりも大きくなるように設定されている。
なお、本実施形態では、動静脈径比の計測位置をユーザが手作業で指定する場合(ユーザインターフェイス12を用いる場合)と、自動設定する場合(血管領域抽出部11及び計測位置設定部112が動作する場合)とについて説明する。前者の場合、近傍領域設定部113は、ユーザにより指定された計測位置の周囲に近傍領域を設定するように動作する。一方、後者の場合、近傍領域設定部113は、計測位置設定部112により設定された計測位置の周囲に近傍領域を設定するように動作する。
(血管境界抽出部)
血管境界抽出部114は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、動静脈径比の各計測位置について、その近傍領域に含まれる血管領域の両方の側面(両側面)の境界をそれぞれ抽出する処理を行うもので、本発明の「抽出手段」の一例として機能するものである。なお、計測位置は、手作業で指定される場合と自動的に設定される場合とがある。これらの各場合について、血管境界抽出部114は次のような処理を実行する。
まず、計測位置が手作業で指定された場合、すなわち、表示部122に表示された眼底画像上に操作部121にて計測位置が指定された場合には、血管境界抽出部114は、表示された眼底画像の動脈領域と静脈領域のそれぞれに指定された計測位置について、その近傍領域に含まれる血管領域の側面に相当する境界領域(つまり、当該血管の血管壁に相当する画像領域、更に換言すると、血管領域とその周囲の領域との境界領域)をそれぞれ抽出するように動作する。
一方、計測位置設定部112により計測位置が自動的に設定された場合には、血管境界抽出部114は、動脈領域と静脈領域のそれぞれに自動的に指定された計測位置について、その近傍領域に含まれる血管領域の側面をそれぞれ抽出するように動作する。
このような血管領域の境界の抽出処理は、たとえば、近傍領域内の各画素の画素値を参照し、隣接する画素との画素値の差が所定値よりも大きい画素を探索することにより、行うことができる。一般に、血管領域の画素値とそれ以外の画像領域の画素値とは、大きく異なるため、このような処理によって血管領域の境界を抽出することが可能である。
なお、計測位置を自動設定する場合においては、血管領域を抽出するときに画素値を解析した結果(前述の血管領域抽出部111の説明を参照)を用いて、血管領域の境界を抽出するようにしてもよい。ただし、血管領域(動脈領域、静脈領域)を抽出する処理は、眼底画像全体について画素値を解析するため、詳細に画素値を解析すると処理が長時間化するおそれがある。そこで、血管領域抽出部111により血管領域を抽出するときには、動脈領域と静脈領域とを判別して抽出するために十分な精度で画素値を解析し、一方、血管境界抽出部114により血管領域の境界を抽出するときには、境界を高い確度で抽出するために、より高い精度で画素値を解析するように構成することが望ましいと考えられる。
(交叉位置演算部)
交叉位置演算部115は、動静脈径比の計測位置を通過する複数の直線を形成するとともに、各直線について、その直線と、血管境界抽出部114により抽出された血管領域の境界とが交叉する位置を演算する処理を行うもので、本発明の「交叉位置演算手段」の一例として機能するものである。
より詳しく説明すると、本実施形態の交叉位置演算部115は、動脈領域及び静脈領域のそれぞれについて、計測位置を通過する複数の直線を形成し、各直線と、抽出された各境界とが交叉する位置を演算する処理を行う。
この交叉位置演算部115が実行する処理について図3を参照しつつ説明する。同図において、符号Vは、血管領域の一部(つまり動脈領域又は静脈領域の一部)を表している。符号Pは、動静脈径比の計測位置を表している。符号Nは、近傍領域設定部113により設定された、計測位置Pを中心とする近傍領域を表している。符号B1、B2は、血管境界抽出部114により抽出された、血管領域Vの両側面の境界領域を表している。また、符号b1、b2は、血管領域Vの境界領域B1、B2のうち、近傍領域Nに含まれる領域を表している。
交叉位置演算部115は、まず、計測位置Pを通過する複数の直線L1、L2、L3(、L4、・・・・、Ln(図示せず);n≧2)を形成する。この処理において考慮する直線の本数は、マイクロプロセッサ21の処理能力や計測精度などを勘案して、たとえば数十〜数百本程度の任意の本数とされる。交叉位置演算部115は、たとえば等角度間隔で直線を形成する(一例として、5度間隔で36本の直線を形成する。)
更に、交叉位置演算部115は、直線L1について、境界領域b1と交叉する位置p11の座標値を演算するとともに、境界領域b2と交叉する位置p12の座標値を演算する。同様に、各直線Li(i=2〜n)について、境界領域b1と交叉する位置pi1の座標値を演算するとともに、境界領域b2と交叉する位置pi2の座標値を演算する。なお、この座標値は、たとえば、眼底画像の画像データにあらかじめ定義された2次元座標系によって表されるものである。
(交叉位置間距離演算部)
交叉位置間距離演算部116は、交叉位置演算部115により各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算する処理を行うもので、本発明の「距離演算手段」の一例として機能するものである。
前述の図3を参照して説明すると、交叉位置間距離演算部116は、各直線Li(i=1〜n)について、交叉位置演算部115により求められた2つの交叉位置pi1、pi2の間の距離diを演算する。
この距離diは、たとえば、各交叉位置pi1、pi2の座標値に対して三平方の定理を適用することによって容易に算出することが可能である。また、2つの交叉位置pi1、pi2を結ぶ線分を形成する画素数をカウントし、このカウント結果と、隣接する画素間の距離(既知である。)とに基づいて距離diを演算するようにしてもよい。
(交叉位置間距離選択部)
交叉位置間距離選択部117は、交叉位置間距離演算部116により各直線について演算された2つの交叉位置間の距離のうち最も短い距離を選択する処理を行うもので、この発明の「距離選択手段」の一例として機能するものである。この交叉位置間距離選択部117により選択された距離は、当該計測位置における血管領域の幅の値に採用される。
図3を参照して説明すると、交叉位置間距離選択部117は、直線L1、L2、・・・・、Lnについて求められた距離d1、d2、・・・・、dnの大小関係を判断することにより、これらの距離d1〜dnのうち最短の距離dを選択する。この処理を動脈領域及び静脈領域のそれぞれについて実行することにより、動脈領域の計測位置における幅(動脈径)daと、静脈領域の計測位置における幅(静脈径)dvとが得られる。
(動静脈径比演算部)
動静脈径比演算部118は、交叉位置間距離選択部117によって取得された動脈径daを静脈径dvで除算することにより、動脈径と静脈径との比(動静脈径比)da/dvを演算する処理を行うもので、本発明の「動静脈径比演算手段」の一例として機能するものである。演算された動静脈径比の情報は、制御部13に送られる。
なお、互いに平行である動脈領域と静脈領域とのペアを複数抽出し、各ペアについて動静脈径比を演算するとともに、これら複数の動静脈径比に基づいて(たとえば、それらの平均値を算出することにより)、以下の診察情報の生成に供される動静脈径比の値を求めるように構成することも可能である。
(診察情報生成部)
ここで、制御部13の診療情報生成部131について説明する。この診察情報生成部131は、演算処理部11により演算された動静脈径比の情報に基づいて、以下のような形態の診療情報(表示に供される診療情報)を生成する処理を行う。
この診療情報には、たとえば次の情報(1)〜(3)のうちの少なくともいずれか1つを含めることができる:(1)動静脈径比の値da/dv;(2)動脈径の値da及び静脈径の値dv;(3)動静脈径比の値da/dvに基づく動脈の狭細化現象(動脈が細くなること)の程度を示す情報(動脈硬化や高血圧の程度を反映した情報である。)。
ここで、上記の情報(3)に示す診療情報は、たとえば、前述の非特許文献1に記載されている動脈狭細に関する情報に基づいて取得することができる。すなわち、診療情報生成部131は、演算された動静脈径比の値da/dvについて、3/4≧da/dv>2/3の場合には「正常(動脈狭細なし)」と判定し、2/3≧da/dv>1/2の場合には「軽度の動脈狭細」と判定し、1/2≧da/dv>1/3の場合には「中程度の動脈狭細」と判定し、1/3≧da/dvの場合には「高度(重度)の動脈狭細」と判定し、その判定結果を診断情報とする。なお、この判定処理に使用される情報は、図2に示したハードディスクドライブ24等の記憶装置にあらかじめ記憶される。
[使用形態]
以上のように構成された本実施形態に係る診療支援システム1の使用形態を説明する。以下、第1の使用形態においては、眼底画像の血管領域上の計測位置を手作業で指定する場合について説明し、第2の使用形態においては、計測位置を自動的に設定する場合について説明する。
〔第1の使用形態:計測位置を手作業で指定する場合〕
図4に示すフローチャートは、計測位置をユーザが手作業で指定する場合における診療支援システム1の使用形態の一例を表している。また、図5〜図11は、当該使用形態において表示部122に表示される画面の一例を表している。
最初に、眼科撮影装置2を用いて、被検眼(図示せず)の眼底画像を撮影する(S1)。眼科撮影装置2は、撮影された眼底画像の画像データを診療支援装置10に送信する。
診療支援装置10は、撮影された眼底画像の画像データを各患者毎に管理するソフトウェア(データベース)を備えている。診療支援装置10は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データをデータベースに登録する(S2)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応し、上記のソフトウェアに基づいて、図5に示す患者選択画面1000を表示部122に表示させる(S3)。この患者選択画面1000には、患者ID入力/表示部1001と、患者氏名入力/表示部1002と、ふりがな入力/表示部1003と、患者リスト表示部1004と、OKボタン1005とが設けられている。
患者リスト表示部1004には、眼底画像等の眼科画像が撮影された患者のリストが表示される。このリストには、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、登録年月日(撮影した眼科画像をデータベースに登録した年月日)、最終来院日などの情報が、各患者毎に表示される。
ユーザは、次の操作(1)〜(4)のうちのいずれかを行って患者を選択する:(1)患者ID入力/表示部1001に所望の患者の患者IDを入力する;(2)患者氏名入力/表示部1002に所望の患者の氏名を入力する;(3)ふりがな入力/表示部1003に所望の患者の氏名のふりがなを入力する;(4)患者リスト表示部1004に表示されたリストから所望の患者を指定する。ここで、操作(1)〜(3)は、たとえばキーボード25を用いて行い、操作(4)は、たとえばマウス26を用いて行う。続いて、マウス26を用いてOKボタン1005をクリックして、患者の選択結果を確定する(S4)。
OKボタン1005がクリックされると、制御部13は、図6に示す画像選択画面2000を表示部122に表示させる(S5)。この画像選択画面2000には、患者情報表示部2001と、画像リスト表示部2002と、OKボタン2003とが設けられている。
患者情報表示部2001には、ステップS4にて選択された患者の患者情報(患者ID、患者氏名等)が表示される。画像リスト表示部2002には、当該患者について登録されている眼科画像(眼底画像)のリストが表示される。このリストには、画像の撮影日、プロシジャ(procedure;撮影手順(撮影画像の種類))、画像ファイル名などの情報が、各画像毎に表示される。
ユーザは、たとえばマウス26を用いて、画像リスト表示部2002に表示されたリストから所望の眼底画像を選択し、OKボタン2003をクリックして選択結果を確定する(S6)。
OKボタン2005がクリックされると、制御部13は、選択された眼底画像の画像データを読み出して、当該眼底画像を表示部122に表示させる(S7)。図7は、この眼底画像Gを表示する画像表示画面3000の一例を表している。
ユーザは、画像表示画面3000に表示された眼底画像Gを観察し、動脈領域と静脈領域とがほぼ平行になっている部位を探索し、その部位を含む画像領域を指定する(S8)。図8は、眼底画像G上の画像領域Gaの指定態様の一例を表している。この画像領域Gaの指定は、たとえばマウス26を用いた前述の指定操作によって行うことができる。なお、動脈領域と静脈領域は、表示される明るさ(輝度値)が異なっているため、一般に肉眼でも判別できる。
画像領域Gaが指定されると、制御部13は、この画像領域Gaの拡大画像を表示する計測画面4000(図9参照)を表示部122に表示させる(S9)。この計測画面4000には、検査選択操作部4001と、指定画像領域表示部4002と、拡大画像表示部4003と、縦方向及び横方向のスライダ4004A、4004Bと、計測結果表示部4005とが設けられている。
この計測画面4000は、本実施形態に係る検査(動静脈径比による動脈狭細の検査)とともに、第2の実施形態に係る検査(動静脈の交叉位置における静脈径とその交叉位置から離れた位置における静脈径との比を用いた検査)の双方に用いられるものである(後者については後述する。)。検査選択操作部4001には、各検査に対応するボタンが設けられており、いずれかのボタンを選択的にクリックすることにより、所望の検査を選択することができるようになっている。本実施形態では、「動脈狭細」ボタンが選択される。
指定画像領域表示部4002には、ステップS8にて指定された画像領域Gaが表示される。拡大画像表示部4003には、この画像領域Gaの部分領域の拡大画像Gbが表示される。スライダ4004A、4004Bをマウス26でドラッグする等の操作を行うことにより、拡大画像Gbとして表示される画像領域Gaの部分領域を変更することができる。
ユーザは、操作部121を操作して、図10に示すように、拡大画像Gb内の動脈領域Gc上に計測位置Paを指定する(S10)。演算処理部11(近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117)は、前述の処理を実行して(図3参照)、計測位置Paにおける動脈径daを演算する(S11)。なお、図10に示す符号Naは、計測位置Paを中心として設定される近傍領域を表している。
更に、ユーザは、操作部121を操作して、図11に示すように、拡大画像Gb内の静脈領域Gd上に計測位置Pvを指定する(S12)。演算処理部11(近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117)は、同様にして、計測位置Pvにおける静脈径dvを演算する(S13)。なお、図11に示す符号Nvは、計測位置Pvを中心として設定される近傍領域を表している。
なお、動脈領域Gc上の計測位置Paの指定及び動脈径daの演算処理(ステップS10、S11)と、静脈領域Gd上の計測位置Pvの指定及び静脈径dvの演算処理(ステップS12、S13)とは、どちらを先に行ってもよい。
動静脈径比演算部118は、ステップS11にて得られた動脈径daと、ステップS13にて得られた静脈径dvとに基づいて、動静脈径比da/dvを演算する(S14)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づいて、動脈狭細に関する診療情報を生成する(S15)。ここでは、動脈狭細の程度を示す情報(前述)を生成するものとする。制御部13は、計測画面4000の計測結果表示部4005の「程度」の欄に、ステップS15で生成した動脈狭細の程度を示す情報を表示させる(S16)。以上で、計測位置を手作業で指定する場合における処理は終了となる。
〔第2の使用形態:計測位置を自動設定する場合〕
図12に示すフローチャートは、計測位置を自動的に設定する場合における診療支援システム1の使用形態の一例を表している。以下、第1の使用形態と同様のステップについては簡単に説明することにする。
最初に、被検眼の眼底画像を撮影する(S21)。診療支援装置10は、撮影された眼底画像の画像データをデータベースに登録する(S22)。
制御部13は、所定の操作がなされたことに対応して、患者選択画面1000を表示部122に表示させる(S23)。ユーザは、患者の選択を行う(S24)。
制御部13は、選択された患者の情報を呈示する画像選択画面2000を表示部122に表示させる(S25)。ユーザは、所望の眼底画像を選択する(S26)。
血管領域抽出部111は、選択された眼底画像の画像データに基づいて、この眼底画像中の動脈領域と静脈領域をそれぞれ抽出するとともに、互いにほぼ平行に位置する動脈領域の部位と静脈領域の部位とを抽出する(S27)。計測位置設定部112は、抽出された動脈領域上に計測位置を設定する(S28)。近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117は、前述の要領で(図3参照)、この計測位置における動脈径daを演算する(S29)。
また、計測位置設定部112は、ステップS27で抽出された静脈領域上に計測位置を設定する(S30)。近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117は、同様の処理を行って、この計測位置における静脈径dvを演算する(S31)。
なお、動脈領域上の計測位置の指定及び動脈径daの演算処理(ステップS28、S29)と、静脈領域上の計測位置の指定及び静脈径dvの演算処理(ステップS30、S31)とは、どちらを先に行ってもよい。
動静脈径比演算部118は、ステップS29にて得られた動脈径daと、ステップS31にて得られた静脈径dvとに基づいて、動静脈径比da/dvを演算する(S32)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づいて、動脈狭細に関する診療情報を生成する(S33)。制御部13は、生成された診療情報を、計測画面4000の計測結果表示部4005に表示させる(S34)。以上で、計測位置を自動設定する場合における処理は終了となる。
なお、以上の処理において、ステップS23〜S26を省略することも可能である。すなわち、眼底画像の撮影及び画像データの登録処理に続けて、当該画像データに基づく動静脈径比の計測を行うように構成することも可能である。
[作用・効果]
以上のような本実施形態に係る診療支援システム1(診療支援装置10、診療支援プログラム24a)の作用及び効果について説明する。
この診療支援システム1は、眼底画像を撮影し、この撮影された眼底画像の画像データに基づいて、計測位置の近傍領域に含まれる血管領域(動脈領域、静脈領域)の両側面の境界をそれぞれ抽出し、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、その直線と血管領域の境界との交叉位置を演算し、各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算し、演算された複数の距離のうちの最短の距離を当該血管領域の幅として選択し、この血管領域の幅に基づく診療情報を表示部122に表示させるように作用する。
このような診療支援システム1によれば、眼底血管の幅の計測の自動化を図ることができる。また、計測位置を通過する複数の直線に基づく複数の血管幅の候補のうちから、最短のものを選択して血管幅として採用しているので、血管幅を高精度で計測することが可能である。
特に、この診療支援システム1は、動脈領域の幅と静脈領域の幅とをそれぞれ演算してこれらの比(動静脈径比)を求めるとともに、この動静脈径比に基づく診療情報を表示するように作用するので、動静脈径比に基づく動脈狭細の検査の自動化を図りつつ、動静脈径比の計測精度の向上を図ることが可能である。
また、計測位置を手作業で指定する使用形態によれば、ユーザは、眼底画像上の所望の位置を計測位置に指定できるというメリットがある。
一方、計測位置を自動的に設定する使用形態によれば、当該検査に熟練していない医師等であっても、高い精度の検査結果を得ることができる。また、集団検診など多数の患者に対して行う場合に有効である。
また、診療情報として、動脈狭細の程度を示す情報を呈示することができるので、検査精度や検査効率の向上を図ることが可能であり、診断に必要な労力の低減を図ることが可能である。なお、動脈領域の幅と静脈領域の幅を診断情報として表示するように構成する場合にも、ユーザは、これらの比を計算するだけで動静脈径比を取得できるので、従来と比較して検査精度や検査効率の向上を図ることができる。
〈第2の実施の形態〉
本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成部分については、同じ符号を付すこととし、その詳細な説明は割愛することにする。
本実施形態では、眼底上において動脈と静脈との交叉位置の近くの位置(第1の計測位置)における静脈径と、当該交叉位置から離れた位置(第2の計測位置)における静脈径との比(静脈径比)に基づく診断情報を提供する発明について説明する。
図13に示すブロック図は、本実施形態に係る診療支援システムの全体構成の一例を表している。同図に示す診療支援システム100は、第1の実施形態と同様に、眼科撮影装置2と診療支援装置10とを含んで構成される。
眼科撮影装置2は、第1の実施形態と同様の構成を備えている。また、診療支援装置10は、第1の実施形態と同様のハードウェア構成を備えている(図2参照)。
本実施形態の診療支援装置10は、図13に示すように、第1の実施形態とほぼ同様の機能的構成を備えている。第1の実施形態との主たる相違点は、血管領域抽出部111及び計測位置設定部112の処理内容と、静脈径比演算部119が設けられていること、更には、制御部13の診療情報生成部131の処理内容である。以下、これらの相違点を中心に説明する。
(血管領域抽出部)
本実施形態の血管領域抽出部111は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、当該眼底画像から動脈領域と静脈領域をそれぞれ抽出する処理を行うもので、本発明の「血管領域抽出手段」の一例として機能するものである。血管領域(動脈領域及び静脈領域は、たとえば第1の実施形態と同様の手法によって抽出される。
(計測位置設定部)
本実施形態の計測位置設定部112は、血管領域抽出部111によって抽出された動脈領域及び静脈領域(血管領域)に相当する画像データに基づいて、動脈と静脈とが交叉する位置の近くの第1の計測位置と当該交叉位置から離れた第2の計測位置とをそれぞれ設定する処理を行うもので、この発明の「計測位置設定手段」の一例として機能するものである。なお、眼底の動脈と静脈は、静脈が動脈の下をくぐるようにして交叉している(図14参照)。
この第1、第2の計測位置の設定処理の具体例について、図14を参照しつつ説明する。まず、計測位置設定部112は、血管領域抽出部111により抽出された動脈領域Gc及び静脈領域Gdの画像データに基づいて、図14(A)に示すような動脈領域Gcと静脈領域Gdとの交叉位置(動静脈交差位置)Cを抽出する。この処理は、たとえば動脈領域Gcの各点(各画素)の座標値と、静脈領域Gdの各点(各画素)の座標値とを参照して、動脈領域Gcと静脈領域Gdの双方に共通する座標値を探索し、動脈領域Gcと静脈領域Gdとが重複する領域のたとえば重心位置を抽出するなどして行うことができる。
このとき、眼底の視神経乳頭に相当する画像領域(視神経乳頭領域)から一定距離以上離れた画像領域に存在する動静脈交叉位置のみを抽出するように構成するように構成することができる(このような動静脈交叉位置で計測を行うことが好適であることが臨床的に知られている。)。これを実現するための処理の一例として、まず、眼底画像の画像データに基づいて、視神経乳頭領域を抽出する。視神経乳頭領域は、他の画像領域における特徴部位と比較して、広範囲かつ明るい画像領域になっているので、たとえば画素値(輝度値等)を考慮することにより容易に抽出できる(視神経乳頭領域を手作業で指定するようにしてもよい。)。次に、抽出された視神経乳頭領域中に基準位置を設定する。この基準位置としては、たとえば、視神経乳頭領域の中心位置、重心位置、輪郭等を用いることができる。次に、設定された基準位置から一定距離以上離れた位置に存在する画像領域と、動脈領域Gc及び静脈領域Gdのそれぞれとの共通領域を求める。そして、当該共通領域における動静脈交叉位置Cを抽出する。なお、画像領域全体における動静脈交叉位置をまず抽出し、それらのうち視神経乳頭領域から一定距離以上離れた位置に存在するものを選択するようにしてもよい。また、ここで使用される「一定距離」の情報は、たとえばハードディスクドライブ24等の記憶装置にあらかじめ格納されている。
動静脈交叉位置Cを抽出すると、計測位置設定部112は、図14(A)に示すように、この動静脈交叉位置Cの近傍領域Nc(に含まれる動脈領域Gc及び静脈領域Gdの共通領域)における、動脈領域Gcの境界Gc1、Gc2を抽出する。なお、近傍領域Ncの大きさ(半径等)はあらかじめ設定されている。
続いて、計測位置設定部112は、図14(B)に示すように、抽出された動脈領域の境界Gc1、Gc2の一方(図14では境界Gc2)から所定距離D1(第1の距離)だけ離れた静脈領域Gd内の位置を第1の計測位置Pv1として設定するとともに、当該一方の境界から所定距離D2(第2の距離;D2>D1)だけ離れた静脈領域Gd内の位置を第2の計測位置Pv2として設定する。ここで、第1の距離D1の値と第2の距離D2の値は、ハードディスクドライブ24等にあらかじめ格納されている。
第1の距離D1と第2の距離D2は、動脈領域Gcの境界から静脈領域Gdに沿った距離であってもよいし、当該境界(を延長した直線)に対する垂線に沿った距離であってもよい(もちろん、それ以外の方法で測った距離でもよい。)。
以上で説明した処理は、動静脈交差位置を自動設定するとともに第1、第2の計測位置も自動設定する場合に計測位置設定部112が実行する処理の一例である。一方、動静脈交差位置を手作業で指定し、第1、第2の計測位置を自動設定する場合、計測位置設定部112は、設定された動静脈交差位置に基づいて第1、第2の計測位置を設定するように動作する。具体的には、以上の説明における動静脈交叉位置Cの抽出以降の処理を行うように動作する(すなわち、上記説明では自動的に抽出した動静脈交叉位置Cの座標値に基づいて以降の処理を行っているが、当該場合においては、ユーザが設定した動静脈交差位置Cの座標値に基づいて処理を行うことになる。)。
演算処理部11(近傍領域設定部113、血管領域抽出部111、交叉位置演算部115、交叉位置間距離演算部116及び交叉位置間距離選択部117)は、第1の実施形態と同様の要領で、第1の計測位置Pv1における静脈領域Gdの幅(第1の静脈径)dv1と、第2の計測領域Pv2における静脈領域Gdの幅(第2の静脈径)dv2とを演算する。
(静脈径比演算部)
静脈径比演算部119は、演算された第1の静脈径dv1を第2の静脈径dv2で除算することにより、動静脈交差位置の近傍における静脈径と当該交叉位置から離れた位置における静脈径との比(静脈径比)dv1/dv2を演算する処理を行うもので、本発明の「静脈径比演算手段」の一例として機能するものである。演算された静脈径比の情報は、制御部13に送られる。
なお、複数の動静脈交叉位置C1、C2、・・・、Ck(k≧2)を設定するとともに、各動静脈交差位置Ci(i=1〜k)について、第1の計測位置Pvi1と第2の計測位置Pvi2を設定することにより、複数の静脈径比dvi1/dvi2を演算し、そして、これら複数の動静脈径比dv11/dv12、dv21/dv22、・・・・、dvk1/dvk2に基づいて(たとえば、これらの平均値を算出するなどして)、以下の診察情報の生成に供される静脈径比の値を求めるように構成することも可能である。
(診察情報生成部)
本実施形態における制御部13の診療情報生成部131の処理内容の一例について説明する。診察情報生成部131は、演算処理部11により演算された静脈径比の情報に基づいて、以下のような形態の診療情報(表示に供される診療情報)を生成する処理を行う。
この診療情報には、たとえば次の情報(1)〜(3)のうちの少なくともいずれか1つを含めることができる:(1)静脈径比の値dv1/dv2;(2)第1の静脈径の値dv1及び第2の静脈径の値dv2;(3)静脈径比の値dv1/dv2に基づく、動静脈交叉位置における動脈硬化(高血圧)の程度を示す情報。
ここで、上記の情報(3)に示す診療情報は、たとえば、前述の非特許文献1に記載されている情報に基づいて生成することができる。すなわち、診療情報生成部131は、演算された静脈径比の値dv1/dv2について、dv1/dv2=1の場合には「正常(動脈硬化なし)」と判定し、1>dv1/dv2≧0.5の場合には「軽度の動脈硬化」と判定し、0.5>dv1/dv2>0の場合には「中程度の動脈硬化」と判定し、dv1/dv2=0の場合には「高度(重度)の動脈硬化」と判定し、その判定結果を診断情報とする。なお、この判定処理に使用される情報は、図2に示したハードディスクドライブ24等の記憶装置にあらかじめ記憶される。
[使用形態]
以上のように構成された本実施形態に係る診療支援システム100の使用形態を説明する。以下、第1の使用形態においては、静脈領域上の第1、第2の計測位置を手作業で指定する場合について説明する。また、第2の使用形態においては、動静脈交差位置を手作業で指定するとともに第1、第2の計測位置を自動的に設定する場合について説明する。また、第3の使用形態においては、動静脈交差位置を自動的に設定するとともに第1、第2の計測位置についても自動的に設定する場合について説明する。
〔第1の使用形態:計測位置を手作業で指定する場合〕
図15に示すフローチャートは、第1、第2の計測位置をユーザが手作業で指定する場合における診療支援システム100の使用形態の一例を表している。また、図16〜図20は、当該使用形態において表示部122に表示される画面の一例を表している。
最初に、眼科撮影装置2を用いて、被検眼の眼底画像を撮影する(S41)。眼科撮影装置2は、撮影された眼底画像の画像データを診療支援装置10に送信する。
診療支援装置10は、撮影された眼底画像の画像データを各患者毎に管理するソフトウェア(データベース)を備えている。診療支援装置10は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データをデータベースに登録する(S42)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応し、上記のソフトウェアに基づいて、第1の実施形態と同様の患者選択画面1000(図5参照)を表示部122に表示させる(S43)。
ユーザが、第1の実施形態と同様の操作を行って患者を選択すると(S44)、図6に示した画像選択画面2000が表示部122に表示される(S45)。ユーザは、この画像選択画面2000に表示されたリストから所望の眼底画像を選択する(S46)。
制御部13は、選択された眼底画像の画像データを読み出して、当該眼底画像を表示部122に表示させる(S47)。図16は、第1の実施形態で説明した画像表示画面3000による当該眼底画像の表示態様の一例を表している。
ユーザは、画像表示画面3000に表示された眼底画像G′を観察し、動静脈交叉位置を探索し、それを含む画像領域を指定する(S48)。図17は、眼底画像G′上の画像領域Ga′の指定態様の一例を表している。この画像領域Ga′の指定は、たとえば、第1の実施形態と同様にマウス26を用いて行うことができる。
画像領域Ga′が指定されると、制御部13は、第1の実施形態と同様に、計測画面4000(図18参照)を表示部122に表示させ、画像領域Ga′の拡大画像Gb′を表示させる(S49)。なお、図18における符号Cは、ステップS48でユーザが探索した動静脈交差位置を示している(この動静脈交差位置Cを示す点像は、実際には表示されない。)。
ユーザは、操作部121を操作し、図19に示すように、拡大画像Gb′の動静脈交差位置Cの近傍における静脈領域Gd上の位置に第1の計測位置Pv1を指定する(S50)。演算処理部11(近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117)は、前述の処理を実行し、この第1の計測位置Pv1における静脈径dv1を演算する(S51)。なお、図19に示す符号Nv1は、近傍領域設定部113により、第1の計測位置Pv1を中心として設定される近傍領域を表している。
同様に、動静脈交差位置Cから離れた位置(第1の計測位置Pv1よりも交叉位置Cから離間した位置)における静脈領域Gd上の位置に第2の計測位置Pv2が指定されると(S52)、演算処理部11は、この第2の計測位置Pv2における静脈径dv2を演算する(S53)。図19に示す符号Nv2は、近傍領域設定部113により、第2の計測位置Pv2を中心として設定される近傍領域を表している。
なお、第1の計測位置Pv1の指定及び静脈径dv1の演算処理(ステップS50、S51)と、第2の計測位置Pv2の指定及び静脈径dv2の演算処理(ステップS52、S53)とは、どちらを先に行ってもよい。
静脈径比演算部119は、第1の計測位置における静脈径dv1と、第2の計測位置Pv2における静脈径dv2とに基づいて、静脈径比dv1/dv2を演算する(S54)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づく診療情報を生成する(S55)。ここでは、静脈径比の値dv1/dv2と、この静脈径比の値dv1/dv2に基づく動脈硬化の程度を示す情報と、第1の静脈径の値dv1及び第2の静脈径の値dv2とを含む診療情報を生成するものとする。
制御部13は、計測画面4000の計測結果表示部4005(図18参照)に、ステップS55で生成した診療情報を表示させる(S56)。具体的には、静脈径比の値dv1/dv2に基づく動脈硬化の程度を示す情報(「正常」、「軽度の動脈硬化」等)を計測結果表示部4005の「程度」の欄に表示させ、静脈径比の値dv1/dv2を「V2/V1比」の欄に表示させ、動静脈交叉位置C近傍の第1の計測位置Pv1における静脈径の値dv1を「交叉部の径(V2)」の欄に表示させ、動静脈交叉位置Cから離隔した第2の計測位置Pv2における静脈径の値dv2を「交叉外の径(V1)」の欄に表示させる。以上で、第1、第2の計測位置を手作業で指定する場合における処理は終了となる。
〔第2の使用形態:動静脈交差位置を手作業で指定し、計測位置を自動設定する場合〕
図21に示すフローチャートは、動静脈交差位置を手作業で指定するとともに第1、第2の計測位置を自動的に設定する場合における診療支援システム100の使用形態の一例を表している。以下、第1の使用形態と同様のステップについては簡単に説明することにする。
最初に、被検眼の眼底画像を撮影し(S61)、その眼底画像の画像データをデータベースに登録する(S62)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応して患者選択画面1000(図5参照)を表示部122に表示させる(S63)。ユーザが患者を選択すると(S64)、画像選択画面2000が表示される(S65)。ユーザが所望の眼底画像を選択すると(S66)、図16に示すように、その眼底画像G′が表示部122に表示される(S67)。
ユーザが、図17に示すように眼底画像G′内の画像領域Ga′を指定すると(S68)と、画像領域Ga′の拡大画像Gb′が表示された計測画面4000(図18参照)が表示部122に表示される(S69)。
ユーザは、操作部121を操作して、拡大画像Gb′上の動静脈交叉位置Cを指定する(S70)。指定された位置には、図18に示すように、この動静脈交差位置Cを表す点像が表示される。
計測位置設定部112は、図19に示すように、指定された動静脈交差位置Cから第1の距離D1だけ離れた静脈領域Gd上の位置に、第1の計測位置Pv1を設定する(S71)。演算処理部11は、この第1の計測位置Pv1における静脈径dv1を演算する(S72)。
また、計測位置設定部112は、動静脈交差位置Cから第2の距離D2だけ離れた静脈領域Gd上の位置に、第2の計測位置Pv2を設定する(S73)。演算処理部11は、この第2の計測位置Pv2における静脈径dv2を演算する(S74)。
静脈径比演算部119は、第1の計測位置における静脈径dv1と、第2の計測位置Pv2における静脈径dv2とに基づいて、静脈径比dv1/dv2を演算する(S75)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づく診療情報を生成する(S76)。制御部13は、計測画面4000の計測結果表示部4005(図18参照)に、ステップS76で生成した診療情報を表示させる(S77)。以上で、動静脈交叉位置を手作業で指定するとともに、第1、第2の計測位置を自動設定する場合における処理は終了となる。
〔第3の使用形態:動静脈交差位置及び計測位置を自動設定する場合〕
図22に示すフローチャートは、動静脈交差位置を自動設定するとともに第1、第2の計測位置も自動設定する場合における診療支援システム100の使用形態の一例を表している。以下、第1の使用形態と同様のステップについては簡単に説明することにする。
最初に、被検眼の眼底画像を撮影し(S81)、その眼底画像の画像データをデータベースに登録する(S82)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応して患者選択画面1000(図5参照)を表示部122に表示させる(S83)。ユーザが患者を選択すると(S84)、画像選択画面2000が表示される(S85)。ユーザは、所望の眼底画像を選択する(S86)。
血管領域抽出部111は、選択された眼底画像の画像データに基づいて、この眼底画像中の動脈領域と静脈領域をそれぞれ抽出する(S87)。計測位置設定部112は、抽出された動脈領域と静脈領域の画像データに基づいて、図18に示すような動静脈交叉位置Cを抽出する(S88)。
計測位置設定部112は、図19に示すように、抽出された動静脈交差位置Cから第1の距離D1だけ離れた静脈領域Gd上の位置に第1の計測位置Pv1を設定するとともに(S89)、この動静脈交差位置Cから第2の距離D2だけ離れた静脈領域Gd上の位置に第2の計測位置Pv2を設定する(S90)。
演算処理部11は、第1の計測位置Pv1における静脈径dv1を演算する(S91)とともに、第2の計測位置Pv2における静脈径dv2を演算する(S92)。
静脈径比演算部119は、第1の計測位置における静脈径dv1と、第2の計測位置Pv2における静脈径dv2とに基づいて、静脈径比dv1/dv2を演算する(S93)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づく診療情報を生成する(S94)。制御部13は、計測画面4000の計測結果表示部4005(図18参照)に、ステップS94で生成した診療情報を表示させる(S95)。以上で、動静脈交叉位置及び第1、第2の計測位置を自動設定する場合における処理は終了となる。
なお、以上の処理において、ステップS83〜S86を省略することも可能である。すなわち、眼底画像の撮影及び画像データの登録処理に続けて、当該画像データに基づく動静脈径比の計測を行うように構成することも可能である。
[作用・効果]
以上のような本実施形態に係る診療支援システム100(診療支援装置10、診療支援プログラム24a)の作用及び効果について説明する。
この診療支援システム100は、眼底画像を撮影し、この撮影された眼底画像の画像データに基づいて、計測位置の近傍領域に含まれる血管領域(動脈領域、静脈領域)の両側面の境界をそれぞれ抽出し、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、その直線と血管領域の境界との交叉位置を演算し、各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算し、演算された複数の距離のうちの最短の距離を当該血管領域の幅として選択し、この血管領域の幅に基づく診療情報を表示部122に表示させるように作用する。
このような診療支援システム100によれば、眼底血管の幅の計測の自動化を図ることができる。また、計測位置を通過する複数の直線に基づく複数の血管幅の候補のうちから、最短のものを選択して血管幅として採用しているので、血管幅を高精度で計測することが可能である。
特に、この診療支援システム100は、眼底上における動脈と静脈の交叉位置の近くにおける静脈径と、この交叉位置から離れた位置における静脈径とをそれぞれ演算してこれらの比(静脈径比)を求めるとともに、この静脈径比に基づく診療情報を表示するように作用するので、静脈径比に基づく動脈硬化の検査の自動化を図りつつ、動脈径比の計測精度の向上を図ることが可能である。
また、動脈径比の計測位置(第1、第2の計測位置)を手作業で指定する使用形態(第1の使用形態)によれば、ユーザは、眼底画像上の所望の位置を計測位置として指定できるというメリットがある。
また、動静脈交叉位置を手作業で指定し、この指定結果に基づいて計測位置を自動設定する使用形態(第2の使用形態)によれば、眼底画像における動脈領域と静脈領域とが交叉する位置を探索して指定するだけで、動静脈径比を取得することができるので、当該検査に熟練していない医師等であっても高精度の検査結果を容易に得ることができる。また、集団検診など多数の患者に対して行う場合にも有効である。
また、動静脈交叉位置を自動設定するとともに計測位置をも自動設定する使用形態(第3の使用形態)によれば、当該検査に熟練していない医師等であっても高精度の計測結果を容易に得ることができる。特に、集団検診など多数の患者に対して行う場合に有効である。
更に、動脈硬化の程度を示す情報や静脈径比の値を診療情報として呈示することにより、検査精度や検査効率の向上を図ることが可能となり、診断に必要な労力の低減を図ることが可能となる。また、動静脈交叉位置の近傍位置及び離隔位置における静脈領域の幅を診断情報として呈示することにより、ユーザは、これらの値の比を計算するだけで動静脈径比を取得できるので、従来と比較して検査精度や検査効率の向上を図ることが可能になる。
〈第3の実施の形態〉
本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成部分については、同じ符号を付すこととし、その詳細な説明は割愛することにする。
本実施形態では、眼底上の動脈の血柱反射の亢進の判定に用いられる血柱反射比(動脈の血柱反射幅と動脈径との比)に基づく診断情報を提供する発明について説明する。
図23に示すブロック図は、本実施形態に係る診療支援システムの全体構成の一例を表している。同図に示す診療支援システム150は、第1の実施形態と同様に、眼科撮影装置2と診療支援装置10とを含んで構成される。
眼科撮影装置2は、第1の実施形態と同様の構成を備えている。また、診療支援装置10は、第1の実施形態と同様のハードウェア構成を備えている(図2参照)。
本実施形態の診療支援装置10は、図23に示すように、第1の実施形態とほぼ同様の機能的構成を備えている。第1の実施形態との主たる相違点は、血柱反射幅演算部151及び血柱反射比演算部152が設けられていることと、制御部13の診療情報生成部131の処理内容である。以下、これらの相違点を中心に説明する。
(血柱反射幅演算部)
血柱反射幅演算部151は、眼科撮影装置2により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、血柱反射比の計測位置における血柱反射の幅を演算する処理を行うもので、本発明の「血柱反射幅演算手段」の一例として機能するものである。
この血柱反射幅演算部151には、図24に示すように、血柱反射境界抽出部1511、血柱反射交叉位置演算部1512、交叉位置間距離演算部1513及び交叉位置間距離選択部1514が設けられている。以下、図25を参照しつつ、血柱反射幅演算部151の各部について説明する。
図25において、符号Vは、血管領域(ここでは動脈領域)の一部を表している。符号Pは、血柱反射比の計測位置を表している。符号Nは、近傍領域設定部113により設定された、計測位置Pを中心とする近傍領域を表している。符号B1、B2は、動脈領域Vの両側面の境界領域を表している(血管境界抽出部114によって抽出される。)。また、符号b1、b2は、動脈領域Vの境界領域B1、B2のうち、近傍領域Nに含まれる領域を表している。以上は、第1の実施形態で説明した図3と同様である。
また、図25の符号Vaは、動脈領域V内の血柱反射に相当する画像領域(血柱反射領域)を表している。血柱反射は、眼底血管を観察したときに血管内の血液に照明が反射して血管の中心領域が輝いて見える現象である。動脈硬化で血管壁が厚くなると、反射の屈折率が変化し、血柱反射の幅が通常よりも太くなる。符号Va1、Va2は、血柱反射領域Vaの両側面の境界領域を表している。符号v1、v2は、血柱反射領域Vaの境界領域Va1、Va2のうち、近傍領域Nに含まれる領域を表している。
(血柱反射境界抽出部)
血柱反射境界抽出部1511は、近傍領域設定部113により設定された計測位置Pの近傍領域N内に相当する画像データに基づいて、近傍領域Nに含まれる動脈領域V内の血柱反射領域Vaの両側面のそれぞれの境界(境界領域v1、v2)を抽出する処理を行うものである。
より具体的に説明すると、血柱反射境界抽出部1511は、近傍領域Nに含まれる動脈領域Vの画像データを形成する画素値を解析し、所定の閾値以上の画素値(輝度値)を有する画素を抽出する。このようにして抽出される画素は、近傍領域N内における血柱反射領域Vaを形成する。
血柱反射境界抽出部1511は、更に、抽出された血柱反射領域Vaを形成する画素の座標値に基づいて、この血柱反射領域Vaの境界領域v1、v2をそれぞれ抽出する。
なお、上記の閾値は、動脈領域Vにおいて、血柱反射領域Vaとその他の画像領域とを判別するための値に設定され、たとえば臨床データに基づいてあらかじめ設定してもよいし、動脈領域Vの画素の画素値に基づいてその都度算出するようにしてもよい。
(血柱反射交叉位置演算部)
血柱反射交叉位置演算部1512は、計測位置Pを通過する2以上の直線のそれぞれについて、その直線と血柱反射領域Vaの各境界v1、v2とが交叉する位置を演算する処理を行うものである。
そのために、血柱反射交叉位置演算部1512は、交叉位置演算部115と同様に、計測位置Pを通過する複数の直線L1、L2、L3(、L4、・・・・、Ln)を形成し、各直線Ljについて、境界領域v1との交叉位置の座標値を演算するとともに、境界領域v2との交叉位置の座標値を演算する。この座標値は、たとえば、眼底画像の画像データにあらかじめ定義された2次元座標系によって表されるものである。
なお、血柱反射交叉位置演算部1512が形成する直線の位置や本数は、交叉位置演算部115により形成される直線と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
(交叉位置間距離演算部)
交叉位置間距離演算部1513は、血柱反射交叉位置演算部1512により各直線Ljについて演算された2つの交叉位置の間の距離を演算する処理を行うものである。この交叉位置間距離演算部1513は、交叉位置間距離演算部116と同様の処理を行うことにより、血柱反射領域Vaの境界v1、v2と各直線Ljとの交叉位置の間の距離δjを演算する。
(交叉位置間距離選択部)
交叉位置間距離選択部1514は、交叉位置間距離演算部1513により各直線Ljについて演算された2つの交叉位置間の距離δjのうち最も短い距離δを選択する処理を行うものである。この交叉位置間距離選択部1514により選択された距離δは、当該計測位置Pにおける血柱反射領域Vaの幅(血柱反射幅)のとして採用される。この選択処理は、交叉位置間距離選択部117と同様にして実行される。以上で、血柱反射幅演算部151の説明は終了する。
(血柱反射比演算部)
血柱反射比演算部152は、血柱反射幅演算部151により演算された計測位置Pにおける血柱反射領域Vaの幅δと、交叉位置間距離選択部117により選択された計測位置Pにおける血管領域Vaの幅d(第1の実施形態参照)との比を演算して血柱反射比δ/dを求める処理を行うもので、本発明の「血柱反射比演算手段」の一例として機能するものである。
(診療情報生成部)
本実施形態における診療情報生成部131の処理内容の一例について説明する。診察情報生成部131は、演算処理部11により演算された血柱反射比δ/dの情報に基づいて、以下のような形態の診療情報(表示に供される診療情報)を生成する処理を行う。
この診療情報には、たとえば次の情報(1)〜(3)のうちの少なくともいずれか1つを含めることができる:(1)血柱反射比の値δ/d;(2)血柱反射幅の値δ及び動脈径の値d;(3)血柱反射比の値δ/dに基づく、計測位置Pにおける動脈硬化(高血圧)の程度を示す情報。
ここで、上記の情報(3)に示す診療情報は、たとえば、前述の非特許文献1に記載されている情報に基づいて生成することができる。すなわち、診療情報生成部131は、演算された血柱反射比の値δ/dについて、δ/d=40〜50%(0.4〜0.5)程度の場合には「正常(動脈硬化なし)」と判定し、δ/d=45〜55%(0.45〜0.55)程度の場合には「軽度の動脈硬化」と判定し、δ/d=55〜60%(0.55〜0.60)程度の場合には「中程度の動脈硬化」と判定し、δ/d=60%以上(0.6以上)程度の場合には「高度(重度)の動脈硬化」と判定し、その判定結果を診断情報とする。
なお、この判定処理に使用される情報は、図2に示したハードディスクドライブ24等の記憶装置にあらかじめ記憶される。また、上記判定条件には重複範囲(「正常」の範囲と「経度」の範囲との重複範囲δ/d=45〜50%)があるが、患者の他の疾患や検査結果等に応じて、いずれかの判定結果を選択することになる。
[使用形態]
以上のように構成された本実施形態に係る診療支援システム150の使用形態を説明する。以下、第1の使用形態においては、血柱反射比の計測位置を手作業で指定する場合について説明する。また、第2の使用形態においては、計測位置を自動的に設定する場合について説明する。
〔第1の使用形態:計測位置を手作業で指定する場合〕
図26に示すフローチャートは、計測位置をユーザが手作業で指定する場合における診療支援システム150の使用形態の一例を表している。また、図27〜図30は、当該使用形態において表示部122に表示される画面の一例を表している。
最初に、眼科撮影装置2を用いて眼底画像を撮影し(S101)、その画像データをデータベースに登録する(S102)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応し、上記のソフトウェアに基づいて、第1の実施形態と同様の患者選択画面1000(図5参照)を表示部122に表示させる(S103)。ユーザが患者の選択を行うと(S104)、第1の実施形態と同様の画像選択画面2000(図6参照)が表示部122に表示される(S105)。ユーザが所望の眼底画像を選択すると(S106)、その眼底画像が表示部122に表示される(S107)。図27は、選択された眼底画像G″を表示する画像表示画面3000の一例を表している。
ユーザは、画像表示画面3000に表示された眼底画像G″を観察して動脈領域Vを含む画像領域を指定する(S108)。図28は、眼底画像G″上の画像領域Ga″の指定態様の一例を表している。
画像領域Ga″が指定されると、この画像領域Ga″の拡大画像Gb″を表示する計測画面4000(図9参照)が表示部122に表示される(S109)。ユーザは、操作部121を操作して、図30に示すように、拡大画像Gb″内の動脈領域V上に計測位置Pを指定する(S110)。
演算処理部11(近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117)は、第1の実施形態にて説明した処理を実行して、計測位置Pにおける動脈径dを演算する(S111)。なお、図30に示す符号Nは、計測位置Pを中心として設定される近傍領域を表している。
更に、血柱反射幅演算部151は、前述の処理を実行して、計測位置Pにおける血柱反射幅δを演算する(S112)。
なお、動脈径dの演算処理(ステップS111)と、血柱反射幅δの演算処理(ステップS112)は、どちらを先に行ってもよい。
血柱反射比演算部152は、ステップS111にて得られた動脈径dと、ステップS112にて得られた血柱反射幅δとに基づいて、血柱反射比δ/dを演算する(S113)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づいて診療情報を生成する(S114)。ここでは、動脈硬化の程度を示す情報を生成するものとする。制御部13は、計測画面4000の計測結果表示部4005の「程度」の欄に、ステップS114で生成した動脈硬化の程度を示す情報を表示させる(S115)。以上で、計測位置を手作業で指定する場合における処理は終了となる。
〔第2の使用形態:計測位置を自動設定する場合〕
図31に示すフローチャートは、計測位置を自動的に設定する場合における診療支援システム150の使用形態の一例を表している。
最初に、眼科撮影装置2を用いて眼底画像を撮影し(S121)、その画像データをデータベースに登録する(S122)。
制御部13は、ユーザが所定の操作を行ったことに対応し、上記のソフトウェアに基づいて、第1の実施形態と同様の患者選択画面1000(図5参照)を表示部122に表示させる(S123)。ユーザが患者の選択を行うと(S124)、第1の実施形態と同様の画像選択画面2000(図6参照)が表示部122に表示される(S125)。ユーザは、所望の眼底画像を選択する(S126)。
血管領域抽出部111は、選択された眼底画像の画像データに基づいて、この眼底画像中の動脈領域を抽出する(S127)。計測位置設定部112は、抽出された動脈領域上に計測位置を設定する(S128)。ステップS127、S128は、第1の実施形態と同様の処理によって実行される。
近傍領域設定部113〜交叉位置間距離選択部117は、前述の要領で、この計測位置における動脈径を演算する(S129)。また、血柱反射幅演算部151は、前述の処理を実行して、この計測位置における血柱反射幅を演算する(S130)。
血柱反射比演算部152は、ステップS129にて得られた動脈径と、ステップS130にて得られた血柱反射幅とに基づいて、血柱反射比を演算する(S131)。
診療情報生成部131は、演算処理部11による演算結果に基づいて診療情報を生成する(S132)。制御部13は、生成された診療情報を計測画面4000の計測結果表示部4005に表示させる(S133)。以上で、計測位置を自動設定する場合における処理は終了となる。
なお、以上の処理において、ステップS123〜S126を省略することも可能である。すなわち、眼底画像の撮影及び画像データの登録処理に続けて、当該画像データに基づく血柱反射比の計測を行うように構成することも可能である。
[作用・効果]
以上のような本実施形態に係る診療支援システム150(診療支援装置10、診療支援プログラム24a)の作用及び効果について説明する。
この診療支援システム150は、眼底画像を撮影し、この撮影された眼底画像の画像データに基づいて、計測位置の近傍領域に含まれる血管領域(動脈領域)の両側面の境界をそれぞれ抽出し、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、その直線と血管領域の境界との交叉位置を演算し、各直線について演算された2つの交叉位置の間の距離を演算し、演算された複数の距離のうちの最短の距離を当該血管領域の幅として選択し、この血管領域の幅に基づく診療情報を表示部122に表示させるように作用する。
このような診療支援システム150によれば、眼底血管の幅の計測の自動化を図ることができる。また、計測位置を通過する複数の直線に基づく複数の血管幅の候補のうちから、最短のものを選択して血管幅として採用しているので、血管幅を高精度で計測することが可能である。
特に、この診療支援システム150は、眼底の撮影画像上における動脈領域の幅を取得するとともに、この動脈領域における血柱反射幅を取得し、それらに基づいて血柱反射比を演算して診療情報を表示するように作用するので、血柱反射の亢進に基づく動脈硬化の検査の自動化を図りつつ、血柱反射比の計測精度の向上を図ることが可能である。
また、血柱反射比の計測位置を手作業で指定する使用形態(第1の使用形態)によれば、ユーザは、眼底画像上の所望の位置を計測位置として指定できるというメリットがある。
また、計測位置を自動設定する使用形態(第2の使用形態)によれば、当該検査に熟練していない医師等であっても高精度の計測結果を容易に得ることができる。特に、集団検診など多数の患者に対して行う場合に有効である。
更に、動脈硬化の程度を示す情報や血柱反射比の値を診療情報として呈示することにより、検査精度や検査効率の向上を図ることが可能となり、診断に必要な労力の低減を図ることが可能となる。また、動脈領域の幅と血柱反射幅とを診断情報として呈示することにより、ユーザは、これらの値の比を計算するだけで血柱反射比を取得できるので、従来と比較して検査精度や検査効率の向上を図ることが可能になる。
[変形例]
以上に説明した構成は、本発明を好適に実施するための一具体例に過ぎないものである。したがって、本発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
たとえば、本発明に係る診療支援システム、診療支援装置及び診療支援プログラムは、上記の第1〜第3の実施形態の構成のうちの1つ以上を具備していれば十分である。すなわち、本発明は、動静脈径比の計測(第1の実施形態)、静脈径比の計測(第2の実施形態)及び血柱反射比の計測(第3の実施形態)のうちの1つ以上の計測処理を実行するように構成することができる。
なお、2つ以上の計測処理を実行可能な構成を採用する場合には、それらの計測処理を切り替えて行うための手段を備えていることが望ましい。たとえば、図9に示した検査選択操作部4001のようなソフトキーを表示させ、マウス26等を用いて、実施する検査を選択することにより、計測処理を切り替えられるように構成することができる。
また、経過観察など、同一患者に対して検査を複数回実施する場合には、過去に行った検査内容(計測処理を識別する情報)を記憶しておき、新規に検査を行うときに、この情報を読み出して同じ計測処理を実行するように構成することができる。
また、2つ以上の計測処理を実行可能な構成を採用する場合において、それらの計測処理のうちの2つ以上を行うようにしてもよい。それにより、動脈硬化の進行状況を複数の視点(検査)によって多面的に判断することが可能になる。
本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態の全体構成の一例の概略を表すブロック図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態における診療支援装置のハードウェア構成の一例の概略を表すブロック図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態による眼底画像中の血管領域の幅の演算処理の一例を説明するための概略説明図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第1の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態の全体構成の一例の概略を表すブロック図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態による第1、第2の計測位置の設定処理の一例を説明するための概略説明図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第2の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態の全体構成の一例の概略を表すブロック図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態の構成の一例の概略を表すブロック図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態による眼底画像中の血管領域の幅及び血柱反射の幅の演算処理の一例を説明するための概略説明図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態により表示される画面の一例を表す概略図である。 本発明に係る診療支援システムの第3の実施の形態の使用形態の一例を表すフローチャートである。
符号の説明
1、100、150 診療支援システム
2 眼科撮影装置
10 診療支援装置
11 演算処理部
111 血管領域抽出部
112 計測位置設定部
113 近傍領域設定部
114 血管境界抽出部
115 交叉位置演算部
116 交叉位置間距離演算部
117 交叉位置間距離選択部
118 動静脈径比演算部
119 静脈径比演算部
151 血柱反射幅演算部
1511 血柱反射境界抽出部
1512 血柱反射交叉位置演算部
1513 交叉位置間距離演算部
1514 交叉位置間距離選択部
152 血柱反射比演算部
12 ユーザインターフェイス
121 操作部
122 表示部
13 制御部
131 診療情報生成部

Claims (16)

  1. 眼底画像を撮影する撮影手段と、
    該撮影された眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、
    表示手段と、
    該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、
    を備える診療支援システムであって、
    前記演算手段は、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段と、
    前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段と、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段と、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする診療支援システム。
  2. 前記血管領域は、動脈に相当する動脈領域と静脈に相当する静脈領域とを含み、
    前記演算手段は、
    前記抽出手段、前記交叉位置演算手段、前記距離演算手段及び前記距離選択手段により、前記血管領域の幅として、前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅とをそれぞれ演算し、
    該演算された前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める動静脈径比演算手段を更に備え、
    前記制御手段は、該演算された動静脈径比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の診療支援システム。
  3. 操作手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、
    前記抽出手段は、該表示された眼底画像の前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの画像領域上に前記操作手段によって計測位置が指定されたときに、該指定されたそれぞれの計測位置において、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、前記指定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、前記動脈領域の幅及び前記静脈領域の幅のそれぞれを求め、
    前記動静脈径比演算手段は、該求められた前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の診療支援システム。
  4. 前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記眼底画像において互いに略平行に位置する前記動脈領域及び前記静脈領域をそれぞれを抽出する血管領域抽出手段と、
    該抽出された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの画像領域上に計測位置を設定する計測位置設定手段と、
    を更に備え、
    前記抽出手段は、該設定された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの計測位置において、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれの両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、前記設定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、前記動脈領域の幅及び前記静脈領域の幅のそれぞれを求め、
    前記動静脈径比演算手段は、該求められた前記動脈領域の幅と前記静脈領域の幅との比を演算して動静脈径比を求める、
    ことを特徴とする請求項2に記載の診療支援システム。
  5. 前記血管領域は、動脈に相当する動脈領域と静脈に相当する静脈領域とを含み、
    前記演算手段は、
    前記抽出手段、前記交叉位置演算手段、前記距離演算手段及び前記距離選択手段により、前記血管領域の幅として、前記動脈領域と前記静脈領域との交叉位置の近傍の第1の計測位置における前記静脈領域の幅と、前記動脈領域と前記静脈領域とが交叉しない第2の計測位置における前記静脈領域の幅とをそれぞれ演算し、
    該演算された前記第1の計測位置における幅と前記第2の計測位置における幅との比を演算して静脈径比を求める静脈径比演算手段を更に備え、
    前記制御手段は、該演算された静脈径比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の診療支援システム。
  6. 前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、
    該表示された眼底画像上に前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれを指定するための操作手段を更に備え、
    前記抽出手段は、該指定された第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれにおいて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、
    前記静脈径比演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて該求められた前記静脈領域の幅の比を演算して静脈径比を求める、
    ことを特徴とする請求項5に記載の診療支援システム。
  7. 前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、
    該表示された眼底画像上における前記動脈領域と前記静脈領域との交叉位置を指定するための操作手段を更に備え、
    前記演算手段は、該指定された交叉位置の近傍における前記動脈領域の境界を抽出するとともに、該抽出された前記動脈領域の境界から第1の距離だけ離れた前記静脈領域内の位置を前記第1の計測位置として設定し、該境界から前記第1の距離よりも大きな第2の距離だけ離れた前記静脈領域内の位置を前記第2の計測位置として設定する計測位置設定手段を更に備え、
    前記抽出手段は、該設定された前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、
    前記静脈径比演算手段は、該求められた前記第1の計測位置における前記静脈領域の幅と前記第2の計測位置における前記静脈領域の幅との比を演算して静脈径比を求める、
    ことを特徴とする請求項5に記載の診療支援システム。
  8. 前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれを抽出する血管領域抽出手段と、
    該抽出された前記動脈領域及び前記静脈領域のそれぞれに相当する画像データに基づいて、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれを設定する計測位置設定手段と、
    を更に備え、
    前記抽出手段は、該設定された前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、前記静脈領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、当該計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、前記第1の計測位置及び前記第2の計測位置のそれぞれについて、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を選択することにより、当該計測位置における前記静脈領域の幅を求め、
    前記静脈径比演算手段は、該求められた前記第1の計測位置における前記静脈領域の幅と前記第2の計測位置における前記静脈領域の幅との比を演算して静脈径比を求める、
    ことを特徴とする請求項5に記載の診療支援システム。
  9. 前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて、前記所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、
    該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の診療支援システム。
  10. 操作手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記撮影手段により撮影された眼底画像を前記表示手段に表示させ、
    前記抽出手段は、該表示された眼底画像上に前記操作手段により指定された計測位置における前記血管領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記指定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を、前記指定された計測位置における前記血管領域の幅として選択し、
    前記血柱反射幅演算手段は、前記指定された計測位置における血柱反射の幅を演算し、
    前記血柱反射比演算手段は、該演算された血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記血管領域の幅との比を演算して、前記指定された計測位置における血柱反射比を求める、
    ことを特徴とする請求項9に記載の診療支援システム。
  11. 前記演算手段は、
    前記撮影手段により撮影された眼底画像の画像データに基づいて前記血管領域を抽出する血管領域抽出手段と、
    該抽出された血管領域に基づいて計測位置を設定する計測位置設定手段と、
    を更に備え、
    前記抽出手段は、該設定された計測位置に基づいて、前記血管領域の両側面のそれぞれの境界を抽出し、
    前記交叉位置演算手段は、前記設定された計測位置を通過する複数の直線のそれぞれと、前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算し、
    前記距離演算手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離を演算し、
    前記距離選択手段は、該演算された前記複数の直線のそれぞれの前記2つの交叉する位置の間の距離のうちの最も短い距離を、前記設定された計測位置における前記血管領域の幅として選択し、
    前記血柱反射幅演算手段は、前記設定された計測位置における血柱反射の幅を演算し、
    前記血柱反射比演算手段は、該演算された血柱反射の幅と、前記距離選択手段により選択された前記血管領域の幅との比を演算して、前記設定された計測位置における血柱反射比を求める、
    ことを特徴とする請求項9に記載の診療支援システム。
  12. 眼底画像を撮影する撮影手段と、
    該撮影された眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、
    表示手段と、
    該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、
    を備える診療支援システムであって、
    前記演算手段は、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、
    該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする診療支援システム。
  13. 眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、
    表示手段と、
    該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、
    を備える診療支援装置であって、
    前記演算手段は、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段と、
    前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段と、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段と、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする診療支援装置。
  14. 眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段と、
    表示手段と、
    該表示手段に診療情報を表示させる制御手段と、
    を備える診療支援装置であって、
    前記演算手段は、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段と、
    該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させる、
    ことを特徴とする診療支援装置。
  15. 表示手段を備えるコンピュータを、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段として機能させるとともに、前記表示手段に診療情報を表示させる制御手段として機能させる診療支援プログラムであって、
    前記演算手段を、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置の近傍領域に含まれる前記血管領域の両側面の境界をそれぞれ抽出する抽出手段として機能させ、
    前記所定の計測位置を通過する複数の直線のそれぞれについて、当該直線と前記抽出された両側面のそれぞれの境界とが交叉する位置を演算する交叉位置演算手段として機能させ、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された2つの前記交叉する位置の間の距離を演算する距離演算手段として機能させ、
    前記複数の直線のそれぞれについて該演算された距離のうちの最も短い距離を、前記所定の計測位置における前記血管領域の幅として選択する距離選択手段として機能させ、
    前記制御手段を、該選択された前記血管領域の幅に基づく診療情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、
    ことを特徴とする診療支援プログラム。
  16. 表示手段を備えるコンピュータを、眼底画像の画像データに基づいて、眼底血管に相当する当該眼底画像内の血管領域の幅を演算する演算手段として機能させるとともに、前記表示手段に診療情報を表示させる制御手段として機能させる診療支援プログラムであって、
    前記演算手段を、
    前記画像データに基づいて、所定の計測位置における血柱反射の幅を演算する血柱反射幅演算手段として機能させ、
    該演算された前記所定の計測位置における血柱反射の幅と、前記演算手段により演算された前記所定の計測位置における前記血管領域の幅との比を演算して血柱反射比を求める血柱反射比演算手段として機能させ、
    前記制御手段を、該演算された血柱反射比に基づく前記診療情報を前記表示手段に表示させるように機能させる、
    ことを特徴とする診療支援プログラム。
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