以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
<システムの構成>
図1は、一実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。情報提供システム100は、複数の出力装置101−1、101−2、101−3、・・・、管理サーバ102、ゲートウェイ103、情報端末104等を有する。なお、以下の説明の中で、複数の出力装置101−1、101−2、101−3、・・・のうち、任意の出力装置を示す場合、「出力装置101」を用いる。なお、図1に示す出力装置101、ゲートウェイ103、及び情報端末104等の数は一例である。
複数の出力装置101は、例えば、建物107の天井等の互いに異なる位置に設置され、自装置の固有情報(例えば、自装置の識別情報や、位置情報等)を含む複数の信号を、異なる領域に対して出力する。また、複数の出力装置101は、ゲートウェイ103と所定の無線ネットワークを形成しており、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ102と通信可能である。
図1の例では、出力装置101−1は、3つのスピーカを有しており、第1のスピーカは、第1のスピーカの識別情報である第1のスピーカID「SP0001N」を含む音波を第1の領域に対して出力している。また、第2のスピーカは、第2のスピーカの識別情報である第2のスピーカID「SP0001S」を含む音波を、第1の領域とは異なる第2の領域に対して出力している。さらに、第3のスピーカは、第3のスピーカの識別情報である第3のスピーカID「SP0001K」を含む音波を、例えば、第1の領域と第2の領域とを含む第3の領域に対して出力することができる。
好ましくは、第1のスピーカ、及び第2のスピーカは、所定の周波数より周波数が高い非可聴音領域(例えば、16kHz〜20kHzの周波数)で、第1のスピーカIDを含む音波、及び第2のスピーカIDを含む音波をそれぞれ出力する。音波は、高い周波数ほど指向性が高く、16kHz以上の周波数は人間にはほとんど聞こえないため、非可聴音領域の音波は、所定の範囲に向けて識別情報等の情報を送信するために好適である。
また、第3のスピーカは、所定の周波数以下の可聴音領域(例えば、100Hz以上、16kHz未満の周波数範囲)に、第3のスピーカIDが埋め込まれた音波(例えば、案内音声、チャイム、滝の音、鳥のさえずり等)を出力することができる。
好ましくは、第3のスピーカIDが埋め込まれた音波は、人間の耳に聞こえる案内音声や、環境音等の可聴音に、第3のスピーカIDが電子透かしで埋め込まれている。この場合、情報端末104の利用者105には、第3のスピーカIDが埋め込まれた音波は通常の案内音声や、環境音等に聞こえる。一方、情報端末104は、マイク等で収集した第3のスピーカIDが埋め込まれた音波を解析し、第3のスピーカIDを抽出することができる。
図2は、一実施形態に係る複数の領域の一例を示す図である。図2は、図1に示す建物107を上面から見た状態を示している。図2において、出力装置101−1の第1のスピーカは、第1の領域202に対して、第1のスピーカID「SP0001」を含む音波(非可聴音)を出力している。また、第2のスピーカは、第2の領域203に対して、第2のスピーカID「SP0001S」を含む音波(非可聴音)を出力している。さらに、出力装置101−1の第3のスピーカは、第1の領域202、及び第2の領域203を含む第3の領域201に対して、可聴音領域に第3のスピーカID「SP0001K」が埋め込まれた音波(可聴音)を出力することができる。
また、他の出力装置101−2、101−3は、図2に示すように、出力装置101−1と同様にして、第1のスピーカIDを含む音波、及び第2のスピーカIDを含む音波を出力している。さらに、他の出力装置101−2、101−3は、図2に示すように、出力装置101−1と同様にして、第3のスピーカIDが埋め込まれた音波を出力することができる。
図1に戻って、情報提供システム100のシステム構成の説明を続ける。
管理サーバ(情報処理装置)102は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク106に接続された、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置、又は複数の情報処理装置を含むシステムである。
管理サーバ102は、ネットワーク106、及びゲートウェイ103を介して複数の出力装置101と通信可能であり、複数の出力装置101が設置されている場所に関する情報や、スピーカID等を管理する。また、管理サーバ102は、出力装置101が出力したスピーカIDを含む要求情報を受信すると、要求情報の要求元に、出力装置101が設置された場所に関する情報(例えば、座標情報、領域情報、画像情報等)を提供する。さらに、管理サーバ102は、例えば、各出力装置101が出力する第1〜第3のスピーカIDを含む音波の出力制御(例えば、出力の有無の制御、出力するスピーカIDの設定等)を行う。
ゲートウェイ103は、ネットワーク106を介して管理サーバ102と接続されており、また、複数の出力装置101と共に無線ネットワークを形成している。ゲートウェイ103は、ゲートウェイ103が提供する無線ネットワークに接続された複数の出力装置101と、管理サーバ102との間のデータの転送(中継)を行う。
情報端末104は、利用者105が所持している、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等の情報端末であり、無線通信により、ネットワーク106に接続して管理サーバ102と通信可能である。また、情報端末104は、情報提供システム100に対応する情報端末104用のアプリケーションプログラム(以下、アプリと呼ぶ)を実行する。
情報端末104は、情報端末104用のアプリを実行することにより、内蔵されたマイクロフォン等を用いて出力装置101が出力する音波を取得し、取得した音波に含まれるスピーカIDを抽出する。
また、情報端末104用のアプリは、情報端末104にインストールされたアプリ毎に固有の識別情報(以下、アプリIDと呼ぶ)を有する。情報端末104は、アプリを実行し、出力装置101のスピーカIDを抽出すると、抽出された出力装置101のスピーカIDと自己のアプリIDとを含む要求情報を管理サーバ102に送信する。
なお、アプリIDは、情報端末104、情報端末104の利用者、又は情報端末104で動作するアプリを識別する要求元の識別情報の一例である。アプリIDを用いることにより、情報提供システム100は、例えば、電話番号やメールアドレス等の個人情報によらずに、情報端末104やアプリを識別することができる。ただし、これはあくまで一例であり、情報端末104は、アプリIDに変えて、情報端末の識別情報や、利用者の識別情報等を用いるものであっても良い。
上記の構成において、管理サーバ102は、複数の出力装置101が設置された場所に関する情報、及び各出力装置101が出力するスピーカID等を管理し、制御する。
例えば、管理サーバ102は、出力装置101に非可聴音(第1のスピーカIDを含む音波、及び第2のスピーカIDを含む音波)を出力させ、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。その結果、非可聴音領域の音波の状態が悪いと判断した場合、すなわち、可聴音(第3のスピーカIDが埋め込まれた音波)を出力させる必要があると判断した場合、出力装置101に可聴音を出力させる。これにより、例えば、出力装置101の近くで、ネズミの侵入防止装置等が作動した場合でも、可聴音を利用して、情報端末104にスピーカIDを通知することができるようになる。
好ましくは、管理サーバ102は、出力装置101の近くで作動しているネズミの侵入防止装置等が停止した場合、可聴音の出力を停止させる。
なお、本実施形態に係る第3のスピーカIDが埋め込まれた音波は、可聴音ではあるが、音声案内や、環境音等に電子透かしで第3のスピーカIDが埋め込まれているので、利用者には認識され難いという特徴がある。
(電子透かしについて)
音声帯域で識別情報を伝達する方法には、超音波に近い非可聴音領域(例えば、16kHzより高い周波数領域)で識別情報を伝達する方法と、可聴音領域(例えば、20Hz〜16kHzの周波数領域)の音声情報の中に、識別情報を埋め込む方法(例えば、電子透かし)がある。
本実施形態で用いる電子透かしは、例えば、館内放送等の案内音声や、環境音等の音声情報の可聴音領域に、識別情報を埋め込むものであり、例えば、ステガノグラフィ等と呼ばれている技術を利用する。音声情報の可聴音領域に識別情報を埋め込む方法としては、例えば、スペクトラム拡散、エコー、変調法等があり、いずれも、一定の周波数範囲に対して、識別情報を埋め込んで行く。
一定の周波数範囲は、可聴音領域に複数設けることが可能であり、例えば、20Hz〜16kHz程度の一般人の可聴音領域のうち、一般のスピーカで音が広がり易い領域である100Hz〜12kHzの中に、複数の符号化された周波数帯を作成することができる。
なお、本実施形態に係る電子透かしは、音声情報そのものに、人が識別できない程度の微少な変化を与えることにより識別情報を埋め込むものであり、単に非可聴音領域で識別情報を送信する技術とは異なる。
図3は、一実施形態に係る可聴音への識別情報の埋め込み方法の例を示す図である。図3(a)は、識別情報を埋め込む周波数帯域の例を示す。一般的なスピーカ(例えば、第3のスピーカ)は、図3(a)の「スピーカの再生範囲」に示されるように、「極低周波」と「超音波」との間の「音声周波数帯域」の音波を出力することができる。
この音声周波数帯域のうち、12kHzより高い周波数領域は、音波の直線性が高いため、一般的なスピーカ(例えば、第3のスピーカ)を用いて、広い範囲に音波を到達させるには不向きである。
また、音声周波数帯域のうち、低い周波数領域(例えば、100Hz未満の周波数領域)は、例えば、利用者105が情報端末104を操作する振動、ポケットや鞄等に出し入れする際の音等の影響を受け易い。
従って、音声情報に埋め込まれる電子透かしは、音声情報の音声周波数帯域のうち、例えば、100Hzから12kHzまでの間の周波数領域に埋め込まれていることが望ましい。ただし、100Hz〜1kHz程度の周波数領域は、図3(a)に示すように、話し声等の影響を受け易いので考慮が必要である。
そのため、例えば、図3(a)に示すように、音声情報の100Hz〜12kHzの周波数領域を複数の周波数帯域に分割し、少なくとも2つ以上の周波数帯域に分散して識別情報を埋め込むことが望ましい。図3(a)の例では、100Hz〜12kHzの周波数領域を、f1〜f4の4つの周波数帯域に分割し、分割した周波数帯域のそれぞれに識別情報を埋め込む場合の例を示している。これにより、例えば、人の大声等の影響で、周波数帯域「f2」の情報がかき消された場合でも、情報端末104は、他の周波数帯域(例えば、f4)に含まれる識別情報を取得することができるようになる。
図3(b)は、識別情報を埋め込むタイミングの例を示している。図3(b)において、可聴音は、例えば、館内の音声案内、学校や職場等のチャイムの音、又は滝の音や鳥のさえずり等の環境音等であるものとする。また、電子透かしで1つの識別情報が埋め込まれる時間は、例えば、1秒程度であるものとする。この場合、可聴音には、例えば、図3(b)に示すように複数の識別情報を埋め込むことができる。
図3(b)の例では、可聴音には、時間t1から、例えば、所定の時間間隔で識別情報が埋め込まれており、時間t2から、例えば、所定の時間間隔で識別情報が埋め込まれている。これにより、例えば、可聴音の一部の期間、又は一部の周波数帯域がノイズの影響により失われても、情報端末104は、残りの可聴音から識別情報を抽出することができるようになる。
なお、異なる周波数帯域に埋め込まれた識別情報は、時間的に異なる位置に(異なるタイミングで)埋め込まれていることが望ましい。例えば、図3(b)の例では、周波数帯域f2で識別情報の送信を開始する時間t2は、周波数帯域f4で時間t1に送信を開始した識別情報の送信を終えた後となっている。これにより、情報端末104が、複数の周波数帯域を同時に処理することを回避し、情報端末104の音声処理の負荷を軽減させることができる。
なお、図3に示す識別情報の埋め込み方法は一例である。本実施形態に係る第3のスピーカIDが埋め込まれた音波には、第3のスピーカIDが、2回以上、開始時刻、又は周波数帯域を変えて埋め込まれていることが望ましい。
上記の構成により、本実施形態によれば、利用者には認識され難い音波を用いて情報を提供する情報提供システムにおいて、非可聴音領域に妨害となる音波がある場合でも、端末に情報を提供することができるようになる。
なお、図1〜3に示すシステムの構成は一例であり、情報提供システム100は、様々なシステム構成が可能である。
例えば、上記の説明では、出力装置101が3つの音波を出力するものとして説明を行ったが、出力装置101が出力する音波の数は、他の数であっても良い。例えば、出力装置101が、非可聴音領域で出力する音波の数は1つ、又は3つ以上の数であっても良い。
また、出力装置101が出力する第1〜第3のスピーカIDは、出力装置101を識別する識別情報の一例である。第1〜第3のスピーカIDは、互いに異なる識別情報であっても良いし、同じ識別情報が含まれていても良い。
さらに、上記の説明では、非可聴音と可聴音を異なるスピーカで出力するものとして説明を行ったが、非可聴音の数が1つの場合、1つのスピーカで、非可聴音と可聴音とを出力するもの等であっても良い。
<ハードウェア構成>
(出力装置の外観)
図4は、一実施形態に係る出力装置の外観の例を示す図である。
図4(a)は、出力装置101の斜視図である。出力装置101は、基台本体401に対して、2つのスピーカ用基台402a、402bが取り付けられている。また、2つのスピーカ用基台402a、402bには、それぞれ、スピーカ用基台402a、402bの曲面に対応する曲面状のスピーカ403a、403bが取り付けられている。
スピーカ403aは、図1〜3で説明した第1のスピーカに対応しており、以下の説明の中で「第1のスピーカ」と呼ぶ場合がある。
スピーカ403bは、図1〜3で説明した第2のスピーカに対応しており、以下の説明の中で「第2のスピーカ」と呼ぶ場合がある。
本実施形態では、前述した非可聴音を用いて、第1のスピーカIDを含む音波、及び第2のスピーカIDを含む音波を出力する。音波の周波数が高くなると、音波の直進性が高くなるので、本実施形態に係る出力装置101では、スピーカ403a、403bを曲面状とすることにより、音波の出力範囲を調整(例えば拡大)している。なお、曲面状のスピーカ403a、403bは好適な一例であり、スピーカ403a、403bは任意の形状であって良い。
図4(b)は、出力装置101の上面図である。出力装置101の基台本体401の上面には、マイク用の集音孔404と、スピーカ405とが設けられている。なお、図4に示すマイク用の集音孔404、及びスピーカ405の位置は一例である。
スピーカ405は、図1〜3で説明した第3のスピーカに対応しており、以下の説明の中で「第3のスピーカ」と呼ぶ場合がある。スピーカ405は、例えば、館内放送、テレビ等で用いられる一般的なスピーカを適用することができる。
図4(c)は、出力装置101の側面図である。スピーカ用基台402aは、例えば、対向する2つのネジ406aにより基台本体401に取り付けられている。また、スピーカ用基台402aは、2つのネジ406aを緩めることにより、2つのネジ406aを軸として、矢印407又は矢印408の方向に移動させ、基台本体401に対する取り付け角度を変化させることができる。これにより、出力装置101は、基台本体401に対して、スピーカ403aが音波を出力する方向を変更し、例えば、図2の第1の領域202の範囲を調整することができる。
同様に、スピーカ用基台402bは、例えば、対向する2つのネジ406bにより基台本体401に取り付けられている。また、スピーカ用基台402bは、2つのネジ406bを緩めることにより、2つのネジ406aを軸として、スピーカ用基台402aと同様に、基台本体401に対する取り付け角度を変化させることができる。これにより、出力装置101は、基台本体401に対して、スピーカ403bが音波を出力する方向を変更し、例えば、図2の第2の領域203の範囲を調整することができる。
(出力装置のハードウェア構成)
図5は、一実施形態に係る出力装置のハードウェア構成の例を示す図である。出力装置101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)501、RAM(Random Access Memory)502、フラッシュROM(Read Only Memory)503、無線通信部504、音波処理部505、マイク部506、増幅部A507−1、増幅部B507−2、スピーカA508−1、スピーカB508−2、増幅部C509、及びスピーカC510等を有する。
CPU501は、フラッシュROM503等に格納された出力装置101用のプログラムを実行することにより、出力装置101の各機能を実現する演算装置である。RAM502は、CPU501のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュROM503は、出力装置101用のプログラム、出力装置101の識別情報である出力装置ID、スピーカID等の様々な情報を記憶する不揮発性のメモリである。
無線通信部504は、ゲートウェイ103と無線通信を行うための無線通信装置であり、例えば、送受信回路、アンテナ、制御回路等が含まれる。本実施形態では、無線通信部504は、例えば、無線LAN、Zigbee(登録商標)、又は、920MHz帯の特定省電力無線(IEEE802.15.4g)等、各種の無線通信方式の無線部を利用することができる。
音波処理部505は、CPU501の制御に従って、例えば、スピーカIDを含む音波を生成する処理や、マイク部506が取得した音波の解析等の様々な音波処理を行う。例えば、音波処理部505は、CPU501の制御に従って、スピーカIDを含む音波を、音声周波数帯域のうち、例えば、16kHz以上の非可聴音領域で生成する。
なお、本実施形態では、具体的な音波によるデータ転送方法について、特に限定しないが、例えば、所定の周波数の音波に、FSK(Frequency Shift Keying)や、PSK(Phase Shift Keying)等の公知の変調をかけて、情報を伝送することができる。
或いは、音波によるデータ転送方法は、所定の周波数(例えば、19kHz)の音波をオン/オフさせることにより、デジタル値の「1」/「0」を表すもの等であっても良い。この場合、音波を受信した情報端末104は、例えば、所定のサンプリングレートで予め定められた周波数の有無を判断することにより、音波に含まれる情報を取得することができる。
なお、音波処理部505は、音声処理用の集積回路等で実現されるものであっても良いし、DSP(Digital Signal Processor)等で実現されるものであっても良い。或いは、音波処理部505は、CPU501で動作するプログラムによって実現されるものであっても良い。
マイク部506は、マイクロフォン等の収音素子を含む。マイク部506は、マイクロフォン等により取得した音波を電気信号に変換する。
増幅部A507−1は、スピーカA508−1に出力する音波信号を増幅する音波増幅器である。増幅部B507−2は、スピーカB508−2に出力する音波信号を増幅する音波増幅器である。なお、増幅部A507−1、及び増幅部B507−2の数は一例であり、1つ以上の他の数であっても良い。
スピーカA508−1は、増幅部A507−1から出力された音波信号を音波に変換して出力するスピーカである。なお、スピーカA508−1は、図1〜3で説明した第1のスピーカ、及び図4のスピーカ403aに対応しており、以下の説明において、「第1のスピーカ」と呼ぶ場合がある。
スピーカB508−2は、増幅部B507−2から出力された音波信号を音波に変換して出力するスピーカである。なお、スピーカB508−2は、図1〜3で説明した第2のスピーカ、及び図4のスピーカ403bに対応しており、以下の説明において、「第2のスピーカ」と呼ぶ場合がある。
増幅部C509は、スピーカC510に出力する音波信号を増幅する音波増幅器である。スピーカC510は、増幅部C509から出力された音波信号を音波に変換して出力するスピーカである。なお、スピーカC510は、図1〜3で説明した第3のスピーカ、及び図4のスピーカ405に対応しており、以下の説明において、「第3のスピーカ」と呼ぶ場合がある。
(管理サーバのハードウェア構成)
図6は、一実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。管理サーバ102は、一般的なコンピュータの構成を有しており、例えば、CPU601、RAM602、ROM603、ストレージ部604、外部I/F(Interface)部605、入力部606、表示部607、ネットワークI/F部608、バス609等を有する。
CPU601は、ROM603やストレージ部604等に格納されたプログラムやデータをRAM602上に読み出し、処理を実行することで、管理サーバ102の各機能を実現する演算装置である。RAM602は、CPU601のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM603は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
ストレージ部604は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等のストレージ装置であり、OS(Operation System)、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
外部I/F605は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、例えば、記録媒体610等が含まれる。管理サーバ102は、外部I/F605を介して、記録媒体610の読取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体610には、例えば、光学ディスク、磁気ディスク、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。また、記録媒体610に所定のプログラムを格納し、この記録媒体610に格納されたプログラムを外部I/F605を介して、管理サーバ102にインストールすることにより、管理サーバ102は所定のプログラムを実行することができる。
入力部606は、マウス等のポインティングデバイスや、キーボード等、管理サーバ102に各操作信号を入力するのに用いられる入力装置である。表示部607はディスプレイ等、管理サーバ102による処理結果等を表示する表示装置である。
ネットワークI/F部608は、管理サーバ102をネットワーク106に接続するための、例えば、有線/無線LAN等の通信インタフェースである。管理サーバ102はネットワークI/F部608を介して、他の機器とネットワーク106を介してデータ通信を行うことができる。バス609は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(ゲートウェイのハードウェア構成例)
図7は、一実施形態に係るゲートウェイのハードウェア構成例を示す図である。ゲートウェイ103は、例えば、CPU701、RAM702、ROM703、無線通信部704、ネットワークI/F部705、及びバス706を有する。
CPU701は、ROM703等に格納されたプログラムを実行することにより、ゲートウェイ103の各機能を実現する演算装置である。RAM702は、CPU701のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM703は、ゲートウェイ103のプログラム等を記憶する不揮発性のメモリである。ROM703は、例えば、フラッシュROM、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリであっても良い。
無線通信部704は、例えば、前述した出力装置101の無線通信部504と同じ無線通信方式により無線通信を行うための無線通信装置であり、例えば、送受信回路、アンテナ、制御回路等が含まれる。
ネットワークI/F部705は、ゲートウェイ103をネットワーク106に接続する、例えば、無線/有線LAN等の通信インタフェースである。バス706は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
(情報端末のハードウェア構成)
図8は、一実施形態に係る情報端末のハードウェア構成例を示す図である。情報端末104は、一般的なコンピュータの構成を有しており、例えば、CPU801、RAM802、ROM803、ストレージ部804、通信I/F部805、マイク部806、スピーカ部807、表示入力部808、及びバス809等を有する。
CPU801は、ROM803やストレージ部804等に格納されたプログラムやデータをRAM802上に読み出し、処理を実行することで、情報端末104の各機能を実現する演算装置である。RAM802は、CPU801のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM803は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性のメモリである。
ストレージ部804は、例えば、HDD、SSD、フラッシュROM等のストレージ装置であり、OS、アプリケーションプログラム、及び各種データ等を記憶する。
通信I/F部805は、例えば、3G(3rd. Generation)、LTE(Long Term Evolution)等の移動通信網や、無線LAN等の通信方式に対応した通信インタフェースである。情報端末104は、通信I/F部805を介して、ネットワーク106に接続して管理サーバ102等とデータ通信を行う。
マイク部806は、マイクロフォン等の収音素子を含む。マイク部806は、マイクロフォン等により取得した音波を音波信号に変換する。近年のスマートフォン等が備えるマイクロフォンは、20kHz、より好適な例では24kHz程度の音波まで収集可能である。そのため、マイク部806は、出力装置101から出力された音波に含まれる、例えば、16kHz以上の高い周波数の非可聴音を好適に取得することができる。
スピーカ部807は、スピーカ等の音波出力素子を含む。スピーカ部807は、音波信号を、スピーカ等により音波に変換して出力する。
表示入力部808は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示素子と、タッチパネル等の入力用の素子とを含み、利用者による入力操作を受付けると共に、情報端末104で実行されるプログラムによる表示画面を表示する。バス809は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
[第1の実施形態]
<機能構成>
(出力装置の機能構成)
図9は、第1の実施形態に係る出力装置の機能構成図である。図9に示す複数の出力装置101−1〜101−3の各々は、通信部901、音波生成部902、非可聴音出力部903、可聴音出力部904、記憶部905、音波収集部906、音波解析部907等を有する。
通信部901は、ゲートウェイ103が提供する無線PAN(Personal Area Network)に接続し、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ102と通信を行う。通信部901は、例えば、図5の無線通信部504、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
図9の例では、ゲートウェイ103が提供する無線PANが、920MHz帯の特定省電力無線(IEEE802.15.4g)を利用する場合の構成例を示している。この無線方式は、伝送速度が200Kbps程度と低い反面、数10mA程度の消費電流で数100m程度までのデータ伝送が可能である。この無線方式により、Zigbee等のマルチホップでゲートウェイまでの無線通信を行っていたのに対し、省電力かつシングルホップでデータの送受信を行うことができる。なお、無線PANのエリアを拡大したい場合には、ゲートウェイ103を増設すれば良い。
図9の例では、各出力装置101の通信部901は、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ102と通信可能である。例えば、管理サーバ102が、複数の出力装置101に対して情報を一斉送信すると、送信された情報は、ゲートウェイ103を介して、各出力装置101に送信される。また、出力装置101が、管理サーバ102に情報を送信する場合、各出力装置101は、ゲートウェイ103を介して、管理サーバ102に送信することができる。
なお、図9に示すゲートウェイ103が提供する無線PANの構成は一例である。ゲートウェイ103が提供する無線PANは、Zigbee等のマルチホップでゲートウェイまでの無線通信を行うものであっても良い。
音波生成部902は、非可聴音出力部903や、可聴音出力部904等が出力する音波を生成する手段であり、例えば、図5の音波処理部505、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
音波生成部902は、例えば、図1に示す出力装置101の第1のスピーカが出力する第1のスピーカIDを含む音波(非可聴音)や、第2のスピーカが出力する第2のスピーカIDを含む音波(非可聴音)等を生成する。
また、音波生成部902は、例えば、図1に示す出力装置101の第3のスピーカが出力する第3のスピーカIDが埋め込まれた音波(可聴音)生成するものであっても良い。ただし、第3のスピーカIDが電子透かしで埋め込まれた音波を生成するためには時間を要するので、別の一例として、出力装置101は、予め生成された複数の第3のスピーカIDが埋め込まれた音波を、記憶部905に記憶しておくものであっても良い。
非可聴音出力部903は、出力装置101の第1の識別情報を含む音波を、所定の周波数(例えば16kHz)より周波数が高い非可聴音領域で出力する。非可聴音出力部903は、例えば、図5の音波処理部505、増幅部A507−1、増幅部B507−2、スピーカA508−1、スピーカB508−2、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
例えば、非可聴音出力部903は、管理サーバ102から、非可聴音の出力要求を受信すると、出力要求に含まれる第1のスピーカIDを含む非可聴音(第1の識別情報を含む音波)を第1のスピーカ(スピーカA508−1)から出力する。また、非可聴音出力部903は、出力要求に含まれる第2のスピーカIDを含む非可聴音を第2のスピーカ(スピーカB508−2)から出力する。なお、非可聴音出力部903は、出力装置101が備えるスピーカの数に応じて、さらに多くのスピーカIDを含む非可聴音を出力するものであっても良い。
別の一例として、非可聴音出力部903は、管理サーバ102からの出力要求によらずに、記憶部905に記憶した第1のスピーカIDを含む非可聴音、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音を出力するものであっても良い。
例えば、非可聴音出力部903は、出力装置101が起動されたときに、第1のスピーカIDを含む非可聴音、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始するものであっても良い。
或いは、非可聴音出力部903は、音波収集部906、及び音波解析部907によって、予め定められた音が検知されたとき、第1のスピーカIDを含む非可聴音、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始するものであっても良い。この場合、情報端末104から予め定められた音を出力させることにより、情報端末104が出力装置101の近くにあるときに、非可聴音を出力することができるようになる。
音波収集部906は、出力装置101の周辺の音波を収集する手段であり、例えば、図5のマイク部506、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。なお、音波収集部906は、図5のマイク部506に代えて、例えば、外部に設けられたマイク等を用いて出力装置101の周辺の音波を収集するものであっても良い。
音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を解析する手段であり、例えば、図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
音波解析部907は、例えば、管理サーバ102から受信した音波情報の取得要求に応じて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を解析し、解析した音波の情報を管理サーバ102に通知する。
一例として、音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルを解析する。例えば、音波解析部907は、非可聴音出力部903が非可聴音を出力していない期間に、非可聴音領域の音波の音圧レベルをFFT(Fast Fourier Transform)解析し、解析された音圧レベルをノイズレベルとする。
この場合、例えば、解析された非可聴音領域のノイズレベルが、予め定められたノイズレベルより高いとき、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態が悪い、すなわち、可聴音を出力させる必要があると判断することができる。
また、別の一例として、音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波から、非可聴音出力部903が出力した非可聴音に含まれる第1の識別情報(例えば、第1のスピーカID、又は第2のスピーカID)を抽出する。
この場合、例えば、音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波から、非可聴音出力部903が出力した非可聴音に含まれる第1の識別情報を抽出できないとき、可聴音を出力させる必要があると判断することができる。
可聴音出力部904は、音波解析部907が解析した音波の状態の解析結果(以下、音波情報と呼ぶ)に応じて、可聴音領域に第2の情報が埋め込まれた音波を出力する。可聴音出力部904は、例えば、図5の増幅部C509、スピーカC510、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
可聴音出力部904は、例えば、非可聴音領域の音波の状態が悪い、すなわち、可聴音を出力させる必要があると判断された場合、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音(第2の識別情報が埋め込まれた音波)を、第3のスピーカから出力する。
なお、第1の実施形態では、音波解析部907が解析した音波の情報に基づいて出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する手段(音波状態判断部1004)が、管理サーバ102に含まれる場合の例について説明する。
この場合、可聴音出力部904は、例えば、管理サーバ102から受信した、第3のスピーカIDを含む可聴音の出力要求に応じて、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音を、第3のスピーカ(スピーカC510)から出力する。
なお、非可聴音領域の音波の状態を判断する手段は、第3の実施形態で後述するように、出力装置101が有していても良い。
記憶部905は、例えば、出力装置101を識別する出力装置ID、第1〜第3のスピーカID、及び可聴音出力部904が出力する可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音のデータ等の様々な情報を記憶する手段である。記憶部905は、例えば、図5のフラッシュROM503、及び図5のCPU501で動作するプログラム等によって実現される。
(情報提供システムの機能構成)
図10は、第1の実施形態に係る情報提供システムの機能構成図である。図10の情報提供システム100の構成図には、出力装置101、管理サーバ102、ゲートウェイ103、及び情報端末104の最小構成が示されている。
(管理サーバの機能構成)
管理サーバ(情報処理装置)102は、通信部1001、非可聴音出力制御部1002、音波情報取得部1003、音波状態判断部1004、可聴音出力制御部1005、出力装置管理部1006、位置情報提供部1007、及び記憶部1008等を有する。
通信部1001は、管理サーバ102をネットワーク106に接続し、ゲートウェイ103を介して、複数の出力装置101と通信を行うと共に、情報端末104等との通信を行う。通信部1001は、例えば、図6のネットワークI/F部608、及び図6のCPU601で動作するプログラム等によって実現される。
非可聴音出力制御部(第1の出力制御部)1002は、出力装置101に、出力装置101の第1の識別情報を含む音波を、所定の周波数(例えば16kHz)より周波数が高い非可聴音領域で出力させる。非可聴音出力制御部1002は、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
例えば、非可聴音出力制御部1002は、第1のスピーカID及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力要求を出力装置101に送信し、出力装置101に、第1のスピーカIDを含む非可聴音(第1の識別情報を含む音波)と第2のスピーカIDを含む非可聴音とを出力させる。
音波情報取得部1003は、出力装置101から、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断するための音波の情報(音波情報)を取得する手段であり、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
音波情報取得部1003は、例えば、出力装置101に、音波情報の取得要求を送信し、出力装置101から送信された音波情報を受信する。なお、音波情報取得部1003は、出力装置101から、出力装置101の判断により送信される音波情報を受信するものであっても良い。
音波状態判断部1004は、音波情報取得部1003が取得した音波情報に基づいて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する手段であり、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
一例として、音波情報取得部1003が取得した音波情報が、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルの情報を含むものとする。この場合、音波状態判断部1004は、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルが、予め定められたノイズレベルより高い場合、非可聴音領域の音波の状態が悪く、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断することができる。これにより、音波状態判断部1004は、例えば、出力装置101の近くで、ネズミの侵入防止装置等が動作している場合、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断することができる。
別の一例として、音波情報取得部1003が取得した音波の情報は、出力装置101が、出力装置101によって出力された非可聴音に含まれるスピーカIDを取得することができるか否かを示す情報を含むものであっても良い。この場合、音波状態判断部1004は、出力装置101が、非可聴音に含まれるスピーカIDを取得することができないとき、非可聴音領域の音波の状態が悪く、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断することができる。
好ましくは、音波状態判断部1004は、記憶部1008に記憶した制御情報1013に基づいて、出力装置101による非可聴音、及び可聴音の出力の有無を判断する。図11(c)に、制御情報1013の例を示す。
図11(c)の例では、制御情報1013には、「周辺ノイズレベル」と、「制御内容」とが対応づけて記憶されている。
「周辺ノイズレベル」は、音波情報取得部1003が、出力装置101から取得した、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルである。図11(c)の例では、周辺ノイズレベルは、10段階のノイズレベルで示されており、数値が大きいほどノイズレベルが高いことを示している。なお、周辺ノイズレベルは、実際の測定値等を用いて表されるものであっても良い。
「制御内容」は、周辺ノイズレベルの値に応じて、対応する出力装置101に、非可聴音を出力させるか否か、及び可聴音を出力させるか否かを示す情報である。図11(c)の例では、周辺ノイズレベルが1〜5である場合、出力装置101に非可聴音を出力させて、可聴音を出力させないことが示されている。また、図11(c)の例では、周辺ノイズレベルが6以上である場合、出力装置101に可聴音を出力させることが示されている。
好ましくは、図11(c)に示されているように、周辺ノイズレベルが特に高い(例えば、周辺ノイズレベルが9又は10等)場合、出力装置101に非可聴音を出力を停止させる。この場合、出力装置101が出力した非可聴音を、情報端末104が取得できる可能性が低いので、非可聴音の出力を停止させることにより、無駄な消費電力を削減することができる。
図10に戻り、管理サーバ102の機能構成の説明を続ける。
可聴音出力制御部(第2の出力制御部)1005は、音波状態判断部1004による出力装置の周辺における非可聴音領域の音波の状態の判断結果に応じて、可聴音領域に第2の識別情報が埋め込まれた音波を、出力装置101に出力させる。可聴音出力制御部1005は、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
可聴音出力制御部1005は、例えば、第3のスピーカIDを含む可聴音の出力要求を出力装置101に送信することにより、出力装置101に、第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音(可聴音領域に第2の識別情報が埋め込まれた音波)を出力させる。
出力装置管理部1006は、複数の出力装置101が設置された場所に関する情報と、複数の出力装置101の各々の第1の情報及び第2の情報とを含む出力装置情報1011を、記憶部1008に記憶して、管理する。出力装置管理部1006は、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
出力装置管理部1006が管理する出力装置情報1011の例を、図11(a)に示す。図11(a)に示す出力装置情報1011には、「出力装置ID」、「スピーカID」、「方向」、「位置座標」、「エリア情報」等の情報が含まれている。
「出力装置ID」は、出力装置101を識別するための識別情報である。
「スピーカID」は、出力装置101が、第1のスピーカから出力する非可聴音に含まれる第1のスピーカID、第2のスピーカから出力する非可聴音に含まれる第2のスピーカID、及び第3のスピーカが出力する可聴音に埋め込まれる第3のスピーカIDの情報である。なお、第1のスピーカIDは、第1のスピーカを識別する識別情報であり、出力装置101の第1の識別情報の一例である。また、第2のスピーカIDは、第2のスピーカを識別する識別情報である。さらに、第3のスピーカIDは、第3のスピーカを識別する識別情報であり、出力装置101の第2の識別情報の一例である。
「方向」は、第1スピーカ、及び第2スピーカが音波を出力する方向(方角)を示す情報であり、例えば、出力装置101を設置した際等に登録される。なお、「方向」の情報は必須ではない。
「位置座標」は、各出力装置101が設置されている場所の座標情報である。なお、「方向」、及び「位置座標」の情報は、例えば、出力装置101を設置した際に、出力装置101を設置した設置担当者等によって決定され、登録された情報である。例えば、「位置座標」は、予め決定された設置場所の位置座標が機器で測定され、その測定値が登録されている。出力装置101の設置担当者は、位置座標に対応する接地場所に、例えば、第1のスピーカが北の方向を向くように設置する。
「エリア情報」は、例えば、複数の出力装置101が設置された場所を複数のエリアに分割し、分割されたエリアを示す情報である。管理サーバ102は、出力装置101に可聴音を出力させる場合、例えば、同じエリアに含まれる複数の出力装置101に可聴音を出力させることができる。
なお、図11(a)に示す出力装置情報1011は一例である。出力装置情報1011は、例えば、出力装置101が設置された場所に関する様々な情報(例えば、文字列、画像等)が含まれていても良い。
図10に戻って、管理サーバ102の機能構成の説明を続ける。
位置情報提供部1007は、出力装置101からスピーカIDを取得した情報端末104から、情報端末104が取得したスピーカIDとアプリIDとを含む要求情報を受信したとき、出力装置101が設置された場所に関する情報を情報端末104に提供する。位置情報提供部1007は、例えば、図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
位置情報提供部1007は、情報端末104から要求情報を受信すると、受信した要求情報に含まれるスピーカIDに基づいて、記憶部1008に記憶した位置情報1012を更新する。
図11(b)は、の位置情報1012の例を示している。本実施形態に係る情報端末104は、出力装置101から出力された音波に含まれるスピーカIDを取得すると、取得したスピーカIDと、情報端末104のアプリIDを含む要求情報を管理サーバ102に送信する。
管理サーバ102の位置情報提供部1007は、情報端末104から受信した情報を、例えば、図11(b)に示すような位置情報1012に記憶して、管理する。図11(b)に示す位置情報1012には、「情報端末の識別情報」、「スピーカID」、「出力装置ID」、「取得日時」、「位置座標」等の情報が含まれている。
「情報端末の識別情報」は、情報端末104を識別する識別情報(例えばアプリID)である。
「スピーカID」は、情報端末104が取得した音波に含まれているスピーカID(例えば、第1のスピーカID、第2のスピーカID、又は第3のスピーカID)である。
「出力装置ID」は、スピーカIDと、図11(a)に示す出力装置情報1011とにより特定された、出力装置101の出力装置IDである。
「取得日時」は、情報端末104が、上記の送信元の情報を取得した日時、又は、管理サーバ102が、情報端末から要求情報を受信した日時を示す情報である。
「位置座標」は、「スピーカID」と、図11(a)に示す出力装置情報1011とに基づいて特定された、スピーカIDを出力した出力装置101の場所を示す情報(情報端末104の位置を示す情報)である。
位置情報提供部1007は、要求情報を送信した要求元の情報端末104に、例えば、情報端末104の位置座標(出力装置101が設置された場所に関する情報の一例)を提供する。なお、位置情報提供部1007が提供する出力装置101が設置された場所に関する情報は、例えば、出力装置101が設置された場所に対応する、お店の情報、天気の情報、交通機関の運行情報等、様々な情報であっても良い。
記憶部1008は、前述の出力装置情報1011、位置情報1012、及び制御情報1013等を含む様々な情報を記憶する手段であり、例えば、図6のストレージ部604、RAM602、及び図6のCPU601で動作するプログラムによって実現される。
(情報端末の機能構成)
情報端末104は、音波取得部1021、情報抽出部1022、識別情報送信部1023、通信部1024、表示制御部1025、操作受付部1026、及び記憶部1027等を有する。
情報端末104は、例えば、記憶部1027に記憶された情報提供システム100に対応するプログラム(例えば、経路案内アプリケーション1031)を実行することにより、上記の各構成要素が実現される。
音波取得部1021は、例えば、図8のマイク部806等を用いて、出力装置101から出力された音波(非可聴音、及び可聴音)を取得する手段であり、例えば、図8CPU801で動作するプログラムによって実現される。
情報抽出部1022は、音波取得部1021が取得した音波に含まれるスピーカIDを抽出する。情報抽出部1022は、例えば、図8のCPU801で動作するプログラム等によって実現される。
識別情報送信部1023は、情報抽出部1022によって抽出された出力装置101のスピーカIDと、情報端末104のアプリIDとを含む要求情報を、通信部1024を介して管理サーバ102に送信する。識別情報送信部1023は、例えば、図8のCPU801で動作するプログラムによって実現される。
通信部1024は、情報端末104をネットワーク106に接続して、管理サーバ102等と通信を行うための手段であり、例えば、図8の通信I/F部805、及び図8のCPU801で動作するプログラム等によって実現される。
表示制御部1025は、例えば、経路案内アプリケーション1031による経路案内画面等を、図8の表示入力部808等に表示させる手段であり、例えば、図8のCPU801で動作するプログラムによって実現される。
操作受付部1026は、例えば、経路案内アプリケーション1031に対する、利用者105の操作(例えば目的地の設定等)を受付ける手段であり、例えば、図8の表示入力部808、及び図8のCPU801で動作するプログラム等によって実現される。
記憶部1027は、例えば、前述した経路案内アプリケーション1031や、経路案内アプリケーション1031が利用するマップ情報1032等を含む様々な情報を記憶する手段である。記憶部1027は、例えば、図8のストレージ部804、RAM802、及び図8のCPU801で動作するプログラム等によって実現される。
<処理の流れ>
続いて、出力装置101を用いた音波の出力制御方法の例について説明する。
(出力制御処理の例)
図12、13は、第1の実施形態に係る出力制御処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、管理サーバ102が、出力装置101による音波(非可聴音、及び可聴音)の出力を制御する処理の一例について説明する。
ステップS1201において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101に非可聴音の出力要求を送信する。この非可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101を特定するための出力装置ID、第1のスピーカID、及び第2のスピーカID等が含まれる。これにより、管理サーバ102は、情報提供システム100に含まれる出力装置101の各々に、任意のスピーカIDを出力させることができる。なお、出力制御部1002が出力を要求する非可聴音の数は、例えば、出力装置101が出力可能な非可聴音の数に応じて決定されることが望ましい。
ステップS1202において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。
例えば、非可聴音出力部903は、第1のスピーカ(スピーカA508−1)から第1のスピーカIDを含む非可聴音(第1の識別情報を含む音波)を出力し、第2のスピーカ(スピーカB508−2)から第2のスピーカIDを含む非可聴音を出力する。
好ましくは、非可聴音出力部903は非可聴音を、例えば、所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で間欠出力する。これにより、音波解析部907は、非可聴音が出力されていない期間を利用して、出力装置101の周辺における非可聴音のノイズレベルを測定することができると共に、非可聴音の出力に要する電力を削減することができる。
ステップS1203において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、例えば、所定の時刻になったとき、或いは所定の時間(例えば、30秒等)を経過したとき等の所定の条件が満たされた場合、ステップS1204の処理を実行する。ここでは、音波情報取得部1003は、所定の時刻になったことを検知したとき、ステップS1204の処理を実行するものとする。
ステップS1204において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、出力装置101に音波情報の取得要求を送信する。
ステップS1205において、音波情報の取得要求を受信した出力装置101の音波収集部は出力装置101の周辺の音波を収集し、音波解析部907は音波収集部906が収集した音波を取得する。
ステップS1206において、出力装置101の音波解析部907は、取得した音波を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルを解析(測定)する。例えば、音波解析部907は、非可聴音出力部903が非可聴音を出力していない期間における非可聴音領域(例えば、16kHz〜20kHz)の音波のレベルを解析する。
ステップS1207において、出力装置101の音波解析部907は、ステップS1206で解析したノイズレベルを含む音波情報を管理サーバ102に送信する。なお、音波情報に含まれるノイズレベルの通知形式は任意の形式で良いが、ここでは、図11(c)の制御情報1013に示すような10段階のノイズレベルで通知を行うものとする。
ステップS1208において、出力装置101から音波情報を受信した管理サーバ102の音波情報取得部1003は、受信した音波情報に含まれるノイズレベル(ここではレベル「9」)を、音波状態判断部1004に通知する。
ステップS1209において、音波状態判断部1004は、例えば、図11(c)に示す制御情報1013を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。例えば、図11(c)の例では、ノイズレベルが1〜5の場合、音波状態判断部1004は、非可聴音領域の音波の状態が良いので、出力装置101に可聴音を出力させる必要がないと判断する。一方、ノイズレベルが6以上の場合、音波状態判断部1004は、非可聴音領域の音波の状態が悪いので、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断する。
好ましくは、ノイズレベルが9以上の場合、音波状態判断部1004は、非可聴音領域の音波の状態が特に悪いので、出力装置101に可聴音を出力させると共に、非可聴音を出力させないと判断する。
なお、上記の判断、及び制御はあくまで一例である。例えば、音波状態判断部1004が、非可聴音領域の音波の状態が悪い場合、管理サーバ102は、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断すると共に、非可聴音の出力を停止させると判断するものであっても良い。
ステップS1210において、図12の例では、ノイズレベルが「9」なので、音波状態判断部1004は、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断し、可聴音出力制御部1005に可聴音の出力指示を出す。
ステップS1211において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101に可聴音の出力要求を送信する。この可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101を特定するための出力装置ID、及び第3のスピーカID等が含まれる。
ステップS1212において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101の可聴音出力部904は、例えば、記憶部905に予め記憶された、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを読み出す。或いは、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを作成する。
ステップS1213において、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波(第2の識別情報が埋め込まれた音波)の出力を開始する。例えば、可聴音出力部904は、第3のスピーカから、可聴音領域に第3のスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音を出力する。
ステップS1214において、音波状態判断部1004は、ステップS1210の出力指示と並行して(或いは前後して)、非可聴音出力制御部1002に、非可聴音の停止指示を出す。
ステップS1215において、非可聴音出力制御部1002は、出力装置101に、非可聴音の停止要求を送信する。
ステップS1216において、管理サーバ102から非可聴音の停止要求を受信した出力装置101の非可聴音出力部903は、ステップS1202で出力を開始した非可聴音の出力を停止する。
上記の処理により、出力装置101は、第1のスピーカIDを含む非可聴音と、第2のスピーカIDを含む非可聴音とを出力し、周辺の可聴音領域における音波の状態が悪化すると、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音を出力する。
続いて、図13を参照して、出力装置101の周辺における可聴音領域の音波の状態が改善した場合の処理について説明する。
図13のステップS1301は、図12のステップS1213において出力を開始した可聴音が出力された状態を示している。
ステップS1302において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、例えば、所定の時刻になったことを検知すると、ステップS1303の処理を実行する。
ステップS1303において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、出力装置101に音波情報の取得要求を送信する。
ステップS1304において、音波情報の取得要求を受信した出力装置101の音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を取得する。
ステップS1305において、出力装置101の音波解析部907は、取得した音波を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域のノイズレベルを解析(測定)する。
ステップS1306において、出力装置101の音波解析部907は、ステップS1305で解析したノイズレベルを含む音波情報を管理サーバ102に送信する。なお、ここでは、解析されたノイズレベルが「3」であるものとする。
ステップS1307において、出力装置101から音波情報を受信した管理サーバ102の音波情報取得部1003は、受信した音波情報に含まれるノイズレベルを、音波状態判断部1004に通知する。
ステップS1308において、管理サーバ102の音波状態判断部1004は、図11(c)に示す制御情報1013を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。ここでは、ノイズレベルが「3」なので、出力装置101に可聴音を出力させる必要がないと判断される。
ステップS1309において、管理サーバ102の音波状態判断部1004は、図11(c)に示す制御情報1013に基づいて、非可聴音出力制御部1002に、非可聴音の出力指示を出す。
ステップS1310において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置に非可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1311において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。
ステップS1312において、管理サーバ102の音波状態判断部1004は、図11(c)に示す制御情報1013に基づいて、可聴音出力制御部1005に、可聴音の停止指示を出す。
ステップS1313において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101に、可聴音の停止要求を送信する。
ステップS1314において、管理サーバ102から可聴音の停止要求を受信した出力装置101の可聴音出力部904は、可聴音の出力を停止する。
上記の処理により、出力装置101は、周辺の可聴音領域における音波の状態が改善すると、第1のスピーカIDを含む非可聴音と、第2のスピーカIDを含む非可聴音との出力を開始し、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音の出力を停止する。
(別の一例)
図14は、第1の実施形態に係る出力制御処理の別の一例を示すシーケンス図である。なお、図14のステップS1201、S1202の処理は、図12に示す出力制御処理と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
ステップS1401において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、例えば、前回、音波情報を取得してから所定の時間(例えば、30秒)を経過したことを検知すると、ステップS1402以降の処理を実行する。なお、この処理は、図12のステップS1203で前述した処理と同様に、所定の時刻になったときに、ステップS1402以降の処理を実行するものであっても良い。
ステップS1402において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、出力装置101に音波情報の取得要求を送信する。
ステップS1403において、音波情報の取得要求を受信した出力装置101の音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を取得する。
ステップS1404において、出力装置101の音波解析部907は、取得した音波から、ステップS1202で出力した非可聴音に含まれるスピーカID(第1のスピーカID、及び第2のスピーカID)を抽出する。
ステップS1405において、出力装置101の音波解析部907は、ステップS1404で解析した、スピーカIDの抽出結果を含む音波情報を管理サーバ102に送信する。なお、ここでは、ステップS1404において、取得した音波からスピーカIDが取得できなかった場合の処理について、説明を行う。この場合、音波解析部907が送信する音波情報には、スピーカIDの抽出に失敗したことを示す情報が含まれる。
ステップS1406において、出力装置101から音波情報を受信した管理サーバ102の音波情報取得部1003は、受信した音波情報に含まれるスピーカIDの抽出結果(ここでは「抽出失敗」)を、音波状態判断部1004に通知する。
ステップS1407において、音波状態判断部1004は、スピーカIDの抽出結果に応じて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。
例えば、音波状態判断部1004は、スピーカIDの抽出結果が「抽出失敗」である場合、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断する。この場合、管理サーバ102は、例えば、出力装置101に可聴音を出力させる。
一方、音波状態判断部1004は、スピーカIDの抽出結果が「抽出成功」である場合、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態が良いと判断する。この場合、管理サーバ102は、出力装置101に可聴音を出力させない。
ステップS1408において、図14の例では、スピーカIDの抽出結果が「抽出失敗」なので、音波状態判断部1004は、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断し、可聴音出力制御部1005に可聴音の出力指示を出す。
ステップS1409において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101に可聴音の出力要求を送信する。この可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101を特定するための出力装置ID、及び第3のスピーカID等が含まれる。
ステップS1410において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101の可聴音出力部904は、例えば、記憶部905に予め記憶された、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを読み出す。或いは、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを作成する。
ステップS1411において、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音の出力を開始する。
このように、情報提供システム100は、出力装置101の周辺から取得した音波からスピーカIDを取得できたか否かに応じて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断するものであっても良い。
(情報提供処理の例)
図15は、第1の実施形態に係る情報提供処理の一例を示すシーケンス図である。
ステップS1501において、情報端末104の利用者105は、情報端末104に予めインストールされた情報提供システム100に対応するアプリケーションを起動させる。これにより、情報端末104の音波取得部1021は、周囲の音波の取得を開始し、情報抽出部1022は、取得した音波からスピーカIDの抽出を開始する。
ステップS1502において、出力装置101は、第1のスピーカIDを含む非可聴音、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音を出力しているものとする。ただし、ここでは、例えば、ネズミの侵入防止装置等による非可聴音領域における妨害音波により、出力装置101から出力された非可聴音が、情報端末104で取得できないものとする。
ステップS1503において、例えば、図12に示す出力制御処理(例えば、ステップS1204〜S1213)が実行され、ステップS1504において、出力装置101から、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音の出力が開始される。
ステップS1505において、情報端末104の音波取得部1021は、出力装置101から出力された音波(可聴音)を取得し、取得した可聴音に埋め込まれた第3のスピーカIDを抽出する。
ステップS1506において、情報端末104の識別情報送信部1023は、ステップS1505で抽出した第3のスピーカIDと、情報端末104のアプリIDとを含む位置情報の取得要求(要求情報の一例)を管理サーバ102に送信する。
ステップS1507において、管理サーバ102の位置情報提供部1007は、情報端末104から位置情報の取得要求を受信すると、取得したアプリID、及びスピーカIDを用いて、例えば、図11(b)に示す位置情報1012を更新する。
ステップS1508において、管理サーバ102の位置情報提供部1007は、ステップS1507で更新された位置情報1012に基づいて、情報端末104の位置情報(例えば、位置座標)を情報端末104に送信する。なお、位置座標は、出力装置101が設置された場所に関する情報の一例である。
ステップS1509において、情報端末104の表示制御部1025は、管理サーバ102から受信した情報端末104の位置情報を用いて、情報端末104の位置情報を示す表示画面を、表示入力部808に表示させる。
このように、本実施形態によれば、利用者には認識され難い音波を用いて情報を提供する情報提供システムにおいて、非可聴音領域に妨害となる音波がある場合でも、端末に情報を提供することができるようになる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、管理サーバ102が、複数の出力装置101を制御する場合の出力制御方法について説明する。
なお、本実施形態に係る情報提供システム100のシステム構成は、図1に示すシステム構成と同様である。また、情報提供システム100の機能構成は、図9、10に示す第1の実施形態の機能構成と同様である。
<処理の流れ>
図16は、第2の実施形態に係る出力制御処理の例を示すシーケンス図である。なお、基本的な処理は、例えば、図12に示す第1の実施形態の出力制御処理と同様なので、ここでは、共通する処理についての詳細な説明は省略する。
ステップS1601において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−1に非可聴音の出力要求を送信する。この非可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−1の出力装置ID「ID0001」、第1のスピーカID「SP0001N」、及び第2のスピーカID「SP0001S」等が含まれる。
ステップS1602において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101−1の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。なお、ここでは、図1に示すように、出力装置101−1と情報端末104とは、距離が離れており、出力装置101−1が出力した非可聴音は、情報端末104には届かないものとする。
ステップS1603において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−2に非可聴音の出力要求を送信する。この非可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−2の出力装置ID「ID0002」、第1のスピーカID「SP0002N」、及び第2のスピーカID「SP0002S」等が含まれる。
ステップS1604において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101−2の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。なお、出力装置101−2と情報端末104とは、距離が離れており、出力装置101−2が出力した非可聴音は、情報端末104には届かないものとする。
ステップS1605において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−3に非可聴音の出力要求を送信する。この非可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−3の出力装置ID「ID0003」、第1のスピーカID「SP0003N」、及び第2のスピーカID「SP0003S」等が含まれる。
ステップS1606において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101−3の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。
なお、出力装置101−2と情報端末104とは、距離が近く、出力装置101−3が出力した非可聴音は、情報端末104に届くものとする。ただし、ここでは、例えば、ネズミの侵入防止装置等の音波が、16kHz以上の非可聴音領域に出力されており、情報端末104は、出力装置101−3が出力した非可聴音に含まれるスピーカIDを取得できないものとする。
ステップS1607において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、例えば、前回、音波情報を取得してから所定の時間(例えば、30秒)を経過したことを検知すると、ステップS1608以降の処理を実行する。なお、この処理は、図12のステップS1203で前述した処理と同様に、所定の時刻になったときに、ステップS1402以降の処理を実行するものであっても良い。
ステップS1608において、管理サーバ102の音波情報取得部1003は、出力装置101−1に音波情報の取得要求を送信する。
ステップS1609において、音波情報の取得要求を受信した出力装置101−1の音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を取得し、取得した音波から、非可聴音領域のノイズレベルを解析(測定)する。
ステップS1610において、出力装置101−1の音波解析部907は、ステップS1609で解析したノイズレベル(ここではレベル「7」であるものとする)を含む音波情報を管理サーバ102に送信する。
ステップS1611において、出力装置101−1から音波情報を受信した管理サーバ102の音波情報取得部1003は、受信した音波情報に含まれるノイズレベル(レベル「7」)を、音波状態判断部1004に通知する。
ステップS1612において、音波状態判断部1004は、例えば、図11(c)に示す制御情報1013を用いて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。例えば、図11(c)の例では、ノイズレベルが「7」の場合、音波状態判断部1004は、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断する。
なお、ステップS1609〜S1612の処理は、例えば、図14のステップS1403〜S1407に示すように、出力装置101の周辺の音波からスピーカIDが取得できない場合に、出力装置101に可聴音を出力させると判断するものであっても良い。
ステップS1613において、管理サーバ102の音波状態判断部1004は、可聴音出力制御部1005に可聴音の出力指示を出す。なお、本実施形態では、音波状態判断部1004は、出力装置101−1が設置されたエリア、例えば、図11(a)の「1階第1エリア」に設置された他の出力装置101−2、101−3にも、可聴音の出力指示を出すものとする。
これは、例えば図1において、利用者105が、出力装置101−3の近くから出力装置101−1の方向に移動した場合に、出力装置101−1のみ可聴音を出力していると、又は出力装置101−2のみ可聴を出力していないと違和感があるためである。従って、本実施形態では、音波状態判断部1004は、例えば、「1階第1エリア」に設置された出力装置101−1〜101−3の可聴音の出力を、まとめて制御する。
ステップS1614において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−1に可聴音の出力要求を送信する。この可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−1の出力装置ID「ID0001」、及び第3のスピーカID「SP0001K」等が含まれる。
ステップS1615において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101−1の可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカID「SP0001K」が、電子透かしで埋め込まれた可聴音を第3のスピーカから出力する。
ステップS1616において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−2に可聴音の出力要求を送信する。この可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−2の出力装置ID「ID0002」、及び第3のスピーカID「SP0002K」等が含まれる。
ステップS1617において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101−2の可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカID「SP0002K」が、電子透かしで埋め込まれた可聴音を第3のスピーカから出力する。
ステップS1618において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−3に可聴音の出力要求を送信する。この可聴音の出力要求には、例えば、出力装置101−3の出力装置ID「ID0003」、及び第3のスピーカID「SP0003K」等が含まれる。
ステップS1619において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101−3の可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカID「SP0003K」が、電子透かしで埋め込まれた可聴音を第3のスピーカから出力する。
このように、本実施形態に係る出力装置101は、所定のエリアの少なくとも一部で、非可聴音領域に妨害となる音波が検知された場合、所定のエリアに設置された複数の出力装置101に、可聴音領域にスピーカIDが埋め込まれた可聴音を出力させる。これにより、情報端末104の利用者105に与える違和感を軽減させつつ、可聴音を用いて情報端末104に情報を提供することができるようになる。
(変形例)
変形例として、非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−1の音波収集部906、及び音波解析部907によって、所定の音が検知されたとき、出力装置101−1〜101−3に非可聴音の出力要求を送信するものであっても良い。
例えば、図19のステップS1609、S1610において、出力装置101−1の音波解析部907は、取得した音波に所定の音波が含まれている場合、所定の音波が検出されたことを示す情報を音波情報に含めて、管理サーバ102に送信する。
管理サーバ102は、出力装置101−1から取得した音波情報に、所定の音が検知されたことを示す情報が含まれる場合、所定のエリア(例えば、「1階第1エリア」)に設置された出力装置101−1〜101−3に、非可聴音を出力させる。
この処理により、例えば、所定の音波を出力する情報端末104が所定のエリア内に入ったとき、所定のエリア内の複数の出力装置101−1〜101−3から、非可聴音を出力させることができるようになる。
[第3の実施形態]
第1、2の実施形態では、管理サーバ102が、音波状態判断部1004を有しているものとして説明を行ったが、音波状態判断部1004は、出力装置101が有していても良い。本実施形態では、出力装置101が、音波状態判断部を有している場合の出力制御処理の例について説明する。
<機能構成>
図17は、第3の実施形態に係る出力装置の機能構成図である。第3の実施形態に係る出力装置101は、図9に示す第1の実施形態に係る出力装置101の機能構成に加えて、音波状態判断部1701を有している。なお、その他の機能構成は、第1の実施形態に係る出力装置101の機能構成と同様なので、ここでは差分を中心に説明を行う。
音波状態判断部1701は、音波解析部907が解析した音波の情報に基づいて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断し、出力装置101に可聴音を出力させる必要があるか否かを判断する手段である。音波状態判断部1701は、例えば、図5のCPU501で動作するプログラムによって実現される。
音波状態判断部1701は、例えば、記憶部905に記憶した図11(c)に示されるような制御情報1013に基づいて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断し、出力装置101に可聴音を出力させる必要があるか否かを判断する。
<処理の流れ>
図18は、第3の実施形態に係る出力制御処理の一例を示すシーケンス図である。図18に示す処理は、出力装置101が自装置の判断で、第3のスピーカから可聴音を出力する場合の例を示している。
ステップ1801において、出力装置101の非可聴音出力部903は、第1のスピーカから第1のスピーカIDを含む非可聴音を出力し、第2のスピーカから第2のスピーカIDを含む非可聴音を出力しているものとする。
ステップS1802において、出力装置101の音波状態判断部1701は、例えば、前回、音波情報を取得してから所定の時間(例えば、30秒)を経過したことを検知すると、ステップS1803の処理を実行する。なお、この処理は、図12のステップS1203で前述した処理と同様に、所定の時刻になったときに、ステップS1803の処理を実行するものであっても良い。
ステップS1803において、出力装置101の音波状態判断部1701は、音波解析部907に音波情報の取得要求を行う。
ステップS1804において、出力装置101の音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を取得する。
ステップS1805において、出力装置101の音波解析部907は、取得した音波を用いて、非可聴音領域のノイズレベルを解析(測定)する。
ステップS1806において、出力装置101の音波解析部907は、ステップS1805で解析したノイズレベルを含む音波情報を、音波状態判断部1701に通知する。
ステップS1807において、出力装置101の音波状態判断部1701は、通知されたノイズレベルに応じて、出力装置101の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。ここでは、通知されたノイズレベルがレベル「7」であり、音波状態判断部1701は、出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断するものとして、以下の説明を行う。
なお、ステップS1804〜S1807の処理は、例えば、図14のステップS1403〜S1407に示すように、出力装置101の周辺の音波からスピーカIDが取得できない場合に、出力装置101に可聴音を出力させると判断するものであっても良い。
ステップS1808において、音波状態判断部1701は、例えば、図11(c)に示すような制御情報1013に基づいて、可聴音出力部904に、可聴音の出力指示を行う。
ステップS1809において、可聴音の出力要求を受付けた可聴音出力部904は、例えば、記憶部905に予め記憶された、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを読み出す。或いは、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた音波データを作成する。
ステップS1810において、可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音の出力を開始する。
上記の処理により、出力装置101は、第1のスピーカIDを含む非可聴音と、第2のスピーカIDを含む非可聴音とを出力し、周辺の可聴音領域における音波の状態が悪化すると、可聴音領域に第3のスピーカIDが埋め込まれた可聴音を出力することができる。
(別の一例)
図19は、第3の実施形態に係る出力制御処理の別の一例を示すシーケンス図である。図19に示す処理は、出力装置101が、自装置の周辺における非可聴音領域の音波の状態に基づいて、管理サーバ102に、可聴音の出力要求を行う場合の例を示している。この場合、管理サーバ102が、例えば、定期的に出力装置101に音波情報の取得要求を行わなくても良いので、管理サーバ102の負荷を軽減させることができる。
ステップS1901において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−1に非可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1902において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101−1の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。
ステップS1903において、管理サーバ102の非可聴音出力制御部1002は、出力装置101−2に非可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1904において、管理サーバ102から非可聴音の出力要求を受信した出力装置101−2の非可聴音出力部903は、非可聴音の出力要求に含まれる第1のスピーカID、及び第2のスピーカIDを含む非可聴音の出力を開始する。
ステップS1905において、出力装置101−1の音波状態判断部1701は、例えば、前回、音波情報を取得してから所定の時間(例えば、30秒)を経過したことを検知すると、ステップS1905の処理を実行する。なお、この処理は、図12のステップS1203で前述した処理と同様に、所定の時刻になったときに、ステップS1906の処理を実行するものであっても良い。
ステップS1906において、出力装置101−1の音波状態判断部1701は、音波解析部907に音波情報の取得を要求する。
ステップS1907において、出力装置101−1の音波解析部907は、音波収集部906が収集した音波を取得する。
ステップS1908において、出力装置101−1の音波解析部907は、取得した音波から、非可聴音領域のノイズレベルを解析(測定)する。
ステップS1909において、出力装置101−1の音波解析部907は、ステップS1908で解析したノイズレベルを含む音波情報を、音波状態判断部1701に通知する。
ステップS1910において、出力装置101−1の音波状態判断部1701は、通知されたノイズレベルに応じて、出力装置101−1の周辺における非可聴音領域の音波の状態を判断する。ここでは、通知されたノイズレベルがレベル「7」であり、音波状態判断部1701は、出力装置101−1と同じエリアに設置された出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断するものとして、以下の説明を行う。
なお、ステップS1907〜S1910の処理は、例えば、図14のステップS1403〜S1407に示すように、出力装置101の周辺の音波からスピーカIDが取得できない場合に、出力装置101に可聴音を出力させると判断するものであっても良い。
ステップS1911において、出力装置101−1の音波状態判断部1701は、出力装置101−1と同じエリアに設置された出力装置101に可聴音を出力させる必要があると判断し、管理サーバ102に、可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1912において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−1と同じエリアに設置された出力装置101(例えば、出力装置101−2)を特定する。
ステップS1913において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−1に可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1914において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101−1の可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音を第3のスピーカから出力する。
ステップS1915において、管理サーバ102の可聴音出力制御部1005は、出力装置101−2に可聴音の出力要求を送信する。
ステップS1916において、管理サーバ102から可聴音の出力要求を受信した出力装置101−2の可聴音出力部904は、可聴音領域に第3のスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音を第3のスピーカから出力する。
上記の処理によれば、管理サーバ102は、出力装置101の周辺における可聴音領域の音波の状態が悪化したときのみ、出力装置101の可聴音の出力制御を行えば良いので、管理サーバ102の負荷を軽減させることができる。
[利用シーンの例]
上記の各実施形態の利用シーンの概要について説明する。
(位置情報の提供システムの例)
図20は、一実施形態に係る情報提供システムの利用シーンの一例を示す図である。図20は、例えば、デパートやスーパー等のフロア2000のレイアウトの例を示している。フロア2000は、領域1〜18の18個の領域に分割され、各領域に出力装置101が設置されているものとする。また、フロア2000は、領域1〜6を含む第1のエリア、領域7〜12を含む第2のエリア、及び領域13〜18を含む第3のエリアに分割して管理されているものとする。
例えば、情報端末104を所持する利用者105が、図20の出入口4からフロア2000に入り、領域17で情報提供システム100に対応するアプリケーションを起動させるものとする。この場合、情報端末104は、領域17に設置された出力装置101から、スピーカIDを取得し、取得したスピーカIDと情報端末104のアプリIDとを含む要求情報を管理サーバ102に送信する。これに応じて、管理サーバ102から情報端末104に対して、領域17の位置を示す座標情報が送信される。これにより、情報端末104は、例えば、図20に示すようなフロア2000のフロアマップ等に、現在の情報端末104の位置を表示させることができるようになる。
上記のような情報提供システム100において、領域14の「□□寿司」にネズミの侵入防止装置2001が設置され、音波の到達範囲2002内の非可聴音領域に妨害となる音波を出力するものとする。この場合、従来の技術では、図20の領域13〜15にある情報端末104には、領域の位置を示す座標情報を提供することができなくなる。
一方、本実施形態の情報提供システム100では、侵入防止装置2001が非可聴音領域に音波を出力すると、領域13〜15に設置された出力装置101は、可聴音領域にスピーカIDが、電子透かしで埋め込まれた可聴音を出力する。従って、情報提供システム100は、図20の領域13〜15にある情報端末104に、領域の位置を示す位置情報を提供することができる。
また、図20において、領域18の「ファストフード」にもネズミの侵入防止装置2003が設置され、音波の到達範囲2004内の非可聴音領域に妨害となる音波を出力しているものとする。この場合、例えば、上記の実施形態2に係る情報提供システム100を適用することにより、例えば、第3のエリア全体に、可聴音領域にスピーカIDが埋め込まれた可聴音(例えば、滝の音、鳥のさえずり等)が出力される。従って、例えば、情報端末104の利用者105が、出入口4からフロア2000に入り、出入口2に向かって移動した場合でも、領域15で音が途切れることがなく、利用者105に与える違和感を低減させることができる。
(入退室、出欠席の管理システムの例)
図21は、一実施形態に係る情報提供システムの利用シーンの別の一例を示す図である。図21は、例えば、食品加工エリア2101等の職場に入室、退室する利用者を管理する情報提供システム100の例を示している。
例えば、食品加工エリア2101の出入口2102には、図21に示すように出力装置101が設置されているものとする。これにより、例えば、情報端末104を所持する利用者105が、食品加工エリア2101に入室すると、情報端末104は、スピーカID「SP0001N」、「SP0001S」の順にスピーカIDを取得する。
また、情報端末104を所持する利用者105が、食品加工エリア2101から退室すると、情報端末104は、スピーカID「SP0001S」、「SP0001N」の順にスピーカIDを取得する。従って、情報端末104が、2つのスピーカIDを取得した時刻、順序等を管理サーバ102に送信することにより、利用者105の入室、退室等を管理することができる。
なお、食品加工エリア2101には、ネズミの侵入防止装置2103が設置されており、最後に退室する利用者105が侵入防止装置2103を稼動させて帰宅して、最初に出勤した利用者105が、侵入防止装置2103を停止させるものとする。
また、侵入防止装置2103が稼動すると、情報端末104は、侵入防止装置2103の音波の到達範囲2104に含まれる出力装置101から、非可聴音を取得することができなくなるものとする。
このような場合、従来の技術では、最後に退室する利用者105が、侵入防止装置2103を稼動させると、利用者の105の退室時間を管理することができなくなる。同様に、翌日に最初に出勤した利用者105の入室時間を管理することもできなくなる。
一方、本実施形態の情報提供システム100では、侵入防止装置2103が稼動すると、出力装置101は、可聴音領域にスピーカID「SP0001K」が埋め込まれた可聴音を出力する。従って、情報提供システム100は、最後に退室する利用者105の情報(例えば、アプリID)、及び最初に出勤した利用者105の情報を管理することができる。
なお、この場合、例えば、最後に退室する利用者105が、入室したのか退室したのか方向を特定することはできないが、通常は、時刻により、利用者105が最初に入室したのか、最後に退室したのかを判断することは容易である。また、この場合、最後に退室する利用者105の情報端末104は、可聴音に含まれるスピーカID「SP0001K」を管理サーバ102に送信するので、その日の最終退室者を容易に管理することができるようになる。