JP6619830B2 - 肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる医薬組成物 - Google Patents

肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる医薬組成物 Download PDF

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Description

本発明は医薬組成物に関し、特に肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる医薬組成
物に関する。本発明は、さらに薬物の製造方法に関し、特に肝癌の再発、悪化または転移
を抑制に用いる薬物の製造方法に関する。
国際がんジャーナル(International Journal of Cancer)からの情報によると肝癌(L
iver Cancer)の発症頻度は、全世界で悪性腫瘍の中で5番目に高く、肝癌の多くは、肝
細胞癌(Hepatocellular Carcinoma、HCC)であり肝癌患者全体の約70〜85%以上を
占めている。近年、主な肝癌治療法としては、手術切除(Resection)、局所焼灼療法(L
ocal Ablation)および肝臓移植によって肝癌の治療が行われるが、15〜20%の患者
しか適応できない。肝癌の早期発見および早期治療によって生存率は高くなるが、切除手
術を受けた患者に対しても治療後に肝癌が再発してしまうことが多い。
外科年報(Annual of Surgery)では、手術後の12ヶ月以内に60%の肝癌患者に肝
癌再発が認められ、手術中に敏感な検出技術により肝癌の微小転移(micro-metastasis)
を検出可能であり、肝癌の微小転移を発見された患者に対しても、手術後の1年以内の再
発率が30〜40%であることが報告されていた。また、手術後に残された肝病変によっ
て更に再び肝癌になる可能性がある。肝癌の再発で患者の全体生存期間を大幅に減縮させ
ることから、肝癌患者に対して手術治療後の再発予防または再発遅延が望まれている。
従来、多くの試験では、手術後の肝癌の再発率を低減させる方法、例えば、トランス動
脈化学塞栓療法(trans-arterial chemotherapy)、レチノイド(retinoids)、アジュバ
ントインターフェロン(adjuvant interferon)、養子免疫療法(adoptive immunotherap
y)および動脈内放射性リピオドール(intra-arterial radioactive lipiodol)などの有
効方法を求めていた。上述の方法は、肝癌の再発リスクの低下または患者の生存率向上の
潜在的能力を示しているものの、いずれの方法も臨床試験によって認証されておらず、肝
癌の術後補助療法の標準的治療として行われていない状態である。そのため、新薬物また
は新治療法が強く求められている。
肝癌形成過程を分析すると、肝癌は、高度血管新生を示し、かつその進行が血管新生因
子(angiogenic factors)に関連することが見られる。血管新生研究分野の一流の科学者
であるJudah Folkmanを含む研究員は、理論および実験において血管新生抑制剤が他の療
法との併用によって癌治療に更なる効果を発揮することを指摘した(ChristopHer Rice,
L Eric Huang. From antiangiogenesis to hypoxia: current research and future dir
ections. Cancer Management and Research. 2011:3 9-16)。また、細胞外マトリックス
(extracellular matrix、ECM)の成分とするヘパラン硫酸(heparan sulfate、HS)の分
解は、腫瘍の浸潤・転移の要因であることが証明された。この分解工程に関与する主要な
酵素として、ヘパラナーゼ(heparanase)がある。
ヘパラナーゼは、内因性グルクロニダーゼの一種で、細胞外マトリックス中のヘパラン
硫酸側鎖を分解することが可能であり、かつ、ヘパラン硫酸プロテオグリカンを分解可能
な唯一の内因性グルクロニダーゼであり、特定の部位にヘパラン硫酸を分解させて腫瘍の
浸潤・転移の促進を図る。ヘパラナーゼは、細胞外マトリックスの分解、血管新生増殖因
子の放出および血管リモデリングなどのプロセスに関与することにより、腫瘍転移および
血管新生に重要な影響を与える。また、ヘパラン硫酸は、ヘパラナーゼによって分解され
た後、生物活性を示す血管新生増殖因子を細胞外マトリックス中に放出し、これらの血管
新生増殖因子が血管新生を促進することでさらに癌細胞の増殖、転移および癌の悪化を促
進することになる。そのため、ヘパラナーゼの活性を阻害することにより、腫瘍成長と転
移の抑制に効果を与える可能性があり、ヘパラナーゼが過剰に働くかどうかは、悪性腫瘍
の予防または治療に対して重要な課題となる。
過去の研究において、ヘパラナーゼは、いろんな種類の腫瘍中で過剰に働き、かつ発症
や進行過程に相関していることが発見された。これによって、多くの研究報告では、この
酵素の抑制を癌治療の戦略としており、例えば、小分子薬、化学的修飾された天然物、お
よび中和抗体(neutralizing antibodies)の開発などがこれに該当する。
米国第6,143,730号特許には、硫酸化オリゴ糖の調製およびその適用が開示されてお
り、該硫酸化オリゴ糖の一般式(I)は、R1 -(Rx)n-R2の構造であり、ここで、R1、R2
および各Rxは単糖単位であり、その全てが同じまたは異なることができ、隣接する単糖単
位は、1→2、1→3、1→4および/またはl→6グルコシド結合で連結され、かつn
は、1〜6の整数であり、該オリゴ糖は、抗血管新生、抗転移および/または抗炎症薬と
して機能している。上述した抗血管新生効果は、インビトロ実験および臨床試験のデータ
によって既に検証された。一方、抗転移効果に関しては、動物実験のデータのみを得たが
、ヒト臨床試験データによって検証されていない。
以上のことにより、現在、肝癌の再発リスクの低下または肝癌患者生存率の向上に用い
る方法は発見されたが、十分なヒト臨床データによって検証されていないため、安全性お
よび有効性を有する新医薬組成物および治療法が期待されている。
本発明の一実施形態に係る肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる医薬組成物は、
治療有効量を有する少なくとも一般式(I)で表される化合物、および医薬的に許容可能
な希釈剤、賦形剤またはキャリアを含む。

ここで、前記一般式(I)で表される化合物において、nは、0〜3の整数で、かつ、
3n+6または 3n+7個のRはSOHを表し、残りのRはHを表す。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、SOHを表す3
n+7個のRは、主成分である。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、nは2または3で
、かつ、SOHを表す3n+7個のRは、主成分である。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、nは3で、かつ、
SOHを表す3n+7個のRの相対含有量は、最も高い。
上記の形態によれば、前記治療有効量は、80〜315mg/日である。
上記の形態によれば、前記治療有効量は、160mg/日であることが好ましい。
本発明による医薬組成物中に、有効成分とする一般式(I)で表される化合物は、ナト
リウム塩の形で使用され、医薬的に許容可能な塩、例えば、カルシウム塩またはアミン塩
の形で使用されてもよい。したがって、本発明による医薬組成物の有効成分は、一般式(
I)で表される化合物を含むナトリウム塩または他の医薬的に許容可能な塩である。
上述した医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアは、溶媒、分散媒、充填剤
、固体担体、水溶液、抗菌剤、抗真菌剤および遅延吸収剤またはこれらの類縁物質を含む
。活性成分に併用しない従来の媒体または試剤以外に、本発明の医薬組成物中に、併用可
能な媒体または試剤が使用される。
上述した本発明による医薬組成物は、少なくとも1種類の治療法との併用で肝癌の再発、
悪化または転移を抑制することが可能である。上述した治療法は、塞栓療法、標的薬物療
法、化学療法、放射線療法または肝臓切除手術を含む。
上記の形態によれば、本発明の医薬組成物は、肝癌患者に対する術後の再発率を低減さ
せ、または、肝癌患者に対する術後の再発までの時間を延ばす。
本発明の他の実施形態によれば、本発明は、一般式(I)で表される組成物により、肝
癌の再発、悪化または転移を抑制する薬物の調製方法を提供し、その方法は、治療有効量
の一般式(I)で表される化合物を、医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリア
と組み合わせることを含む。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、nは0〜3の整数
で、かつ3n+6または3n+7個のRはSOHを表し、残りのRはHを表す。
上記の形態によれは、前記一般式(I)で表される化合物において、前記SOHを表
す3n+7個のRは、主成分である。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、nは2または3で
、かつ、SOHを表す3n+7個のRは、主成分である。
上記の形態によれば、前記一般式(I)で表される化合物において、nは3で、かつ、
SOHを表す3n+7個のRの相対含有量は、最も高い。
上記の形態によれば、前記医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアは、水ま
たは水を溶媒とする溶液である。
上記の形態によれば、前記医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアは、生理
的食塩水またグルコースの水溶液である。
本発明の属する当業者に本発明をもっと明らかに理解させるため、以下、図面を参照し
ながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の医薬組成物の有効成分についてLC/ESI−FTMSで分析して得られたトータルイオンクロマトグラム(Total ion chromatogram,TIC)を示す図である。 図2は、試験終了時に、対照群、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160mg/日の試験群、および本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が250mg/日の試験群の被験者母集団において、肝癌が再発しなかった人数および途中ドロップアウトした患者数の割合を示す図である。 図3は、試験の進行に伴って(0〜48週)、対照群、および本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160mg/日の試験群に対して、総人数に対して肝癌が再発しなかった人数の割合の変化を示す図である。
本発明による肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる医薬組成物は、下記の実施例
の説明により本発明の属する当業者にはその創作精神が明らかにし、さらにこの医薬組成
物を完成できる。しかしながら、本発明の実施は、下記の実施例によってその実施形態が
制限されることない。以下、本発明による医薬組成物の調製、妥当性確認およびその用途
の実施形態についてそれぞれ説明する。
<本発明の医薬組成物の調製>
本発明の医薬組成物の有効成分の原料としては、酵母菌Pichia holstiiから得られる。
該医薬組成物の有効成分は、主に、酵母菌の培養と発酵、生成物の加水分解、精製および
スルホン化などのステップによって調製される。具体的には、NRRL Y-2448という菌株名
の酵母菌Pichia holstiiを、酸素があって窒素源が限られる培地で培養し、右旋性ブドウ
糖(D-glucose)を炭素源として必要以上のオルトリン酸塩(ortho-phosphate)を供給
することにより、多種類の多糖構造を含み、かつ、本発明の医薬組成物の有効成分の半合
成(Semi-synthesis)の基本原料とする細胞外リン酸化マンナン(phosphomannan,PS
)が製造される。リン酸化マンナンは、分子構造が高度分岐で、かつ高分子量(約5 x 10
6 〜39 x 106 Dalton)のリン酸化マンナンコア(phosphomannan core,PC)からなる
。Pholstii的の培養、発酵方法およびリン酸化マンナンの分離は、Jeanes, A.; Pittsle
y, J. E.; Watson, P. R.; Dimler, R. J. Arch. Biochem. Biophys. 1961, 92, 343-35
0及Bretthauer, R. K.; Kaczorowski, G. J.; Weise, M. J. Biochemistry 1973, 12, 12
51-1256に開示されている情報を基に実現された。通常、生産率としては、400Lの発酵
規模で20kgのリン酸化マンナンの粗製物が得られる。
好適な実施例において、リン酸化マンナンの加水分解反応を100℃で6〜10時間行い
、リン酸化マンナンの濃度を40〜50g/Lに制御した。加水分解の環境としてpH値を
2.2〜2.5にし、1MのHCL溶液を触媒としてKCLの存在下で加水分解を行った。加水
分解反応が開始してからの最初の1時間以内に、リン酸化マンナンを溶液と徐々混合する
ときに、pH値は3までやや高くなるので、pH値を2.2〜2.5に調整するように1M
のHCL溶液を再び加える必要がある。毎回の加水分解反応によってリン酸化マンナン2.
5kg(湿重量)を処理し、加水分解後の産物は、低分子量のオリゴ糖リン酸塩フラクシ
ョン(oligosaccharide phosphate fraction、OPF)を含み、加水分解産物を1MのNaO
H溶液で中和反応させ、pH値を9〜9.5に調整した。
更なる好適な実施例において、加水分解に用いる溶液は、600gのKCLを60Lの水中
に溶解するように調製され、pH値を2.4に調整するように1MのHCL溶液を加え、かつ
、この溶液を75Lのステンレス反応容器中に置いた。発酵して得られたリン酸化マンナ
ンの粗製物(湿重量2.49kg)を、反応容器の添加口により溶液中に段階的に加え、
かつ混合後の溶液を100℃まで加熱し、急激に撹拌する状態で7時間維持した。反応環境
のpH値を1時間ごとに1回検出し、かつ反応開始後の1時間に1MのHCLを加えてpH値を
2.3に調整した。加水分解反応を停止した後、加水分解産物を室温まで冷却させて1M
のNaOHを加え、これによってpH値を9.5に調整した。
加水分解反応後の精製プロセスでは、分子直径が10,000Daltonのフィルタ(nomi
nal molecular weight cut off membrane、NMWCO membrane)によって限外濾過(ultrafi
ltration)を行い、加水分解産物中のオリゴ糖リン酸塩フラクション、非リン酸化オリゴ
糖および塩類を該フィルタに通過させ、分子量の高いリン酸化マンナンコアをフィルタに
留置されることにより、流速の増大オリゴ糖リン酸塩フラクションおよび非リン酸化オリ
ゴ糖を、リン酸化マンナンコアから分離させた。上述した分離プロセスは、ダイアフィル
トレーション(diafiltration)モードにおいて十字流(tangential)またはクロスフロ
ー(cross flow)濾過系によって完成された。このようなシステムでは、有効フィルタ面
積および流速の増加によって加工量を容易に増加することができる。ここで、フィルタの
分子直径は、3,000〜100,000 Daltonであることが好ましく、より好ましく
は、10,000 Daltonである。
好適な実施例では、加水分解産物を70Lに希釈して150Lのステンレス鋼溝内に置
いた後、連続した2組のSartorius Hydrosart10K (NMWCO 10,000)フィルタカート
リッジ(各フィルタカートリッジのフィルタ面積が0.6 m)からなる限外濾過系を
使用し、純水を用いて体積を8倍にしたダイアフィルトレーションにより処理した。上述
したダイアフィルトレーションのパラメータとしては、吸気圧力(inlet pressure)を2
00kPaに、排気圧力(outlet pressure)を150kPaに、ダイアフィルトレーシ
ョンプロセスにおいてフィルタを通過できずに残った残留物(retentate)のクロスフロ
ー流速(cross flow rate)を15.6 L/minに、浸透物(permeate)の流速を66
〜87 L/h/m(16〜22℃)にするように設定された。ダイアフィルトレーシ
ョン後の浸透物(630 L、導電率1.1 mS/cm)を6回に分けてから、後続する
イオン交換クロマトグラフィー(ion-exchange chromatograpHy)を行った。
続いて、上述した濾過物に対し、イオン交換クロマトグラフィー法で二次精製を行った
。好適な実施例において、イオン交換クロマトグラフィー法では、まず、30LのDEA
E−SpHeriloseカラムが0.01MのNHHCO溶液に1.5 L /mi
nの流速で平衡状態になり、次いで、上述した濾過物(毎回約100L、合計六回)をカラ
ムの上端から加え、0.01MのNHHCO溶液で溶出して流出物(effluent)の導
電率が0.2 mS /cmのベースライン以内になったときに、中性フラクション(neutr
al fraction)を溶出した。それから、0.25 MのNHHCO溶液でオリゴ糖リン酸塩
フラクションを溶出し、流出物を1L収集して高速液体クロマトグラフィー(HPLC)
で分析した。上述した六回の溶出に得られた適切なフラクションを結合して逆浸透法で2
0Lに濃縮すると同時に塩類を除去した。濾過物の導電率が0.2 mS /cm以下にな
るまでダイアフィルトレーションモードにおいて逆浸透を継続し、最終的に溶液を6 L
に濃縮した。得られた産物を凍結乾燥(lyophilization)した後、その中のオリゴ糖リ
ン酸塩フラクションが、白色で吸湿性を有する粉末で表わされ、約566 gであった。HP
LC分析によって産物は、純度が約93%であるため、更なる精製をすることなく、本発
明の医薬組成物の調製に十分に用いられる。
上述した逆浸透プロセスは、大量の加水分解産物(毎回加水分解約 50〜60L)を
、後続する凍結乾燥法で処理可能な程度まで速やかに減少させることを可能にすると共に
、その後の歩留まりを向上させる重要なプロセスとなっている。また、逆浸透プロセスは
、さらにフラクションにおける大量の無機塩類を除去することにより、わずかな無機塩類
のみを含有する高純度の最終産物を得ることができた。
最後、上述した酵母菌Pichia holstii NRRL Y-2448を培養、発酵、加水分解および精製
した後で得られたリン酸マンナン産物をスルホン化(sulfonation)することにより、本
発明の医薬組成物の有効成分を得た。まず、上述の精製で得られたリン酸マンナン産物4
78gを、ジメチルホルムアミド(Dimethylformamide,DMF )と混合し、さらに三酸化
硫黄―ピリジン複合物(sulfur trioxide pyridine-complex)3.78kgを加え、 2
5℃で3日間撹拌混合した後、産物が厚いオイル状物(thick oil)として分離された。
ジメチルホルムアミドを抽出し、さらにアルコール 1 Lで残留物3回にわたって洗浄し
た後に約3Lの水中に溶解した。次いで、この溶液中に1MのNaOH溶液5 Lを加え
ることでpH値を9.5に調整し、ジクロロメタン(Dichloromethane)3 Lで3回にわ
たって抽出することで放出されたピリジンを除去した。水相(aqueous pHase)部分は、
水で希釈されて炭素濾過(charcoal filter,Cuno R53S)によって脱色された。水で溶液
に20Lに希釈してから体積を8倍にした1MのNaCL溶液でダイアフィルトレーショ
ンし、さらに濾過物の導電率が0.2mS / cmより低くなるまで純水でダイアフィル
トレーションした。最後、この溶液を逆浸透法で6 Lに濃縮し、さらに孔径 0.2 μm
のフィルタで濾過し、冷凍乾燥した後に白色で吸湿性を有する固形物760gを、本発明
の医薬組成物の有効成分として得た。
本発明の医薬組成物の確認
本発明の医薬組成物の有効成分に含まれる成分は、高速液体クロマトグラフィーまたは
エレクトロスプレーイオン化-フーリエ変換型質量分析計(Liquid Chromatography / El
ectrospray Ionization - Fourier transform mass spectrometry,LC/ESI-FTMS)により
分析かつ確認される。その検出分析条件を後述する。
高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography、HPLC
)の一部の測定条件は、次の通りである。
高速液体クロマトグラフィーシステム:Shimadzu LC-20ATvp Shimadzu LC-20ADvp pump
s、Shimadzu SIL-20ACオートサンプラー(Autosampler)およびShimadzu SCL-20A System
Controller
紫外線検出器(UV Detector):Shimadzu SPD-20AV Detector 、波長280nm
データシステム(Data System):Xcalibur 2.0.7
高速液体クロマトグラフィーのカラム:ACE3, C18-AR, 4.6 x 150 mm
ガードカラム(guard column):ACE3,C18,3.0μm,3.2 x 10mm
カラム温度:周囲環境温度
オートサンプラー温度:4℃
移動相A(mobile pHase A):5mMのジ酢酸アンモニウム(dibutyl ammonium acet
ate)を含有し、かつ、水とメタノールの体積比8:2で混合して調製された溶液
移動相B(mobile pHase B):5mMのジ酢酸アンモニウム(dibutyl ammonium ace
tate)を含有し、かつ、水/メタノールの体積比1:9で混合して調製された溶液
高速液体クロマトグラフィーに用いる勾配溶離表(Gradient Table)は、表1に示す。
質量分析計の測定条件は、次の通りである。
質量分析計:Thermo LTQ Orbitrap XL
データシステム(Data System):Xcalibur 2.0.7
イオン化モード(Ionization Mode):エレクトロスプレーイオン化の負イオンモード
イオンスプレー電圧(Ion Spray Voltage):4.5kV
キャピラリ温度(Capillary Temperature):350℃
キャピラリ電圧(Capillary Voltage):−18V
チューブレンズ(Tube Lens):−100V
シースガス流量(Sheath Gas Flow):60単位
補助ガス流量(Auxiliary Gas Flow):30単位
スイープガス流量(Sweep Gas Flow):5単位
衝突ガス:ヘリウムガス(Helium)
上述した方法で分析した後、本発明の医薬組成物の有効成分に含まれる成分およびその
構造、分子式と分子量を表2に示す。
表2に示すように、本発明の医薬組成物の有効成分が異性体を排除した場合には、成分
1〜8の8種類の成分を含んでいる。その基礎構造は、1→3および/または1→2グル
コシド結合(glycosidic bond)によってマンノース単位(mannose)2〜5個を結合した
オリゴ糖分子である。詳しくは、1→2グルコシド結合で末端の糖単位と結合した以外に
、残りの糖単位との間には、1→3グルコシド結合で結合した。表1に示す構造式に対応
すれば、n=0の場合に二糖と表され、n=1の場合に三糖と表され、n=2の場合に四
糖と表され、n=3の場合に五糖と表される。
上述した基礎構造によれば、本発明の医薬組成物の有効成分における各成分は、1個目
の糖単位の6番炭素(C6)における水酸基(OH group)のHをPOまたはその塩類
に置換し、残りの3n+7個の水酸基において、3n+6または3n+7個の水酸基のH
をスルホン酸(SO3H)またはその塩類に置換した。表2に示す構造式に対応すれば、成分
1、成分3、成分5および成分7は、それぞれ、3n+6個の水酸基のHをSOHまた
はその塩類に置換した二糖、三糖、四糖および五糖であり、即ち、1個目の糖単位の6番
炭素(C6)における水酸基以外に、水酸基1個のみをSOHまたはその塩類に置換し
た。一方、成分2、成分4、成分6および成分8は、それぞれ、3n+7個の水酸基のH
をSOHまたはその塩類に置換した二糖、三糖、四糖および五糖であり、即ち、1個目
の糖単位の6番炭素(C6)における水酸基以外に、水酸基1個のみをSO3Hまたはその塩
類に置換した。
図1は、本発明に係る医薬組成物の有効成分についてLC/ESI−FTMSで分析して得られ
たトータルイオンクロマトグラム(Total ion chromatogram,TIC)を示す図である。図
1に示すように、本発明の医薬組成物の有効成分において、成分8および成分6は主成分
であり、即ち、一般式(I)で表される化合物において、nは、2または3で、SO
を表す3n+7個のRは、主成分である。また、図1には、本発明の医薬組成物の有効成
分において、成分8の相対含有量が最も高いことも示され、即ち、一般式(I)で表され
る化合物において、nは3で、かつSOHを表す3n+7個のRの相対含有量は、最も
高い。
図1によれば、本発明の医薬組成物の有効成分において、成分1〜成分8以外に、他の
成分、例えば、滞留時間1.86min、9.33min、37.75minおよび40.53minに対応する成分を含
んでもよい。
上述したLC/ESI-FTMSのトータルイオンクロマトグラムの分析結果を基づいて得られた
各成分のデータは、ピークに対応した滞留時間(Apex Retention Time)、ピーク面積、
ピーク面積の割合、ピーク高さおよびピーク高さの割合を含む。これらのデータを表3に
示す。
表3の各成分のピーク面積の割合によれば、本発明の医薬組成物の有効成分中において
、成分8および成分6は主成分であることが示される。この2つの成分のピーク面積の割
合は合計82.2%である。即ち、一般式(I)で表される化合物において、nは、2ま
たは3で、かつSO3Hを表す3n+7個のRは、主成分である。また、表3には、本発明の
医薬組成物の有効成分において、成分8の相対含有量が最も高くて、そのピーク面積の割
合が48.26%であることが示される。即ち、一般式(I)で表される化合物において
、nは3で、かつSO3Hを表す3n+7個のRの相対含有量は、最も高い。構造における水
酸基をスルホ基(SO3H)に置換することによって分け、表3の分析結果によれば、一般式
(I)で表される化合物において、1個目の糖単位の6番炭素(C6)における水酸基以外
、残りの3n+7個の水酸基をすべてスルホ基に置換した。即ち、成分2、成分4、成分
6および成分8のピーク面積の割合の合計は92.01%である。一方、一般式(1)で
表される化合物において、3n+7個の水酸基のうちの3n+6個の水酸基をスルホ基に
置換した。即ち、成分1、成分3、成分5および成分7のピーク面積の割合の合計は7.
99%である。これにより、本発明の医薬組成物の有効成分において、3n+7個の水酸
基をすべてスルホ基に置換した成分を主成分とすることが明らかとなった。
本発明の医薬組成物の用途
現在、本発明の医薬組成物は、肝癌の治療過程中に補助療法として使用されている。好
適な実施例では、本発明の医薬組成物は、肝癌の再発、悪化または転移の抑制に用いる。
具体的に、本発明の医薬組成物の臨床効果としては、肝癌患者に対する術後の再発までの
時間を延ばし、または肝癌患者に対する術後の再発率を低下させることである。以下、本
発明の医薬組成物が実際にその医薬用途に使用し得るかどうかを証明するため、その治療
する病症、薬理作用、有効投与量、使用方法、薬理試験の方法および結果を実施例により
説明する。
本発明の医薬組成物は、肝癌(Liver Cancer)の治療に適用され、塞栓療法、標的薬物
療法、化学療法、放射線療法または肝臓切除術などの治療法のうちの少なくとも1種の治
療法との併用で肝癌の再発、悪化または転移を抑制することが可能である。好適な実施例
において、本発明の医薬組成物は、肝臓切除術(hepatectomy)を受けた肝癌患者に適用
された。本発明の医薬組成物の薬理作用としては、ヘパラナーゼおよび血管新生増殖因子
の活性を抑えることにより、肝腫瘍の転移および肝腫瘍の血管新生を抑制し、肝癌の再発
、悪化および転移を抑制する効果を達成することができる。好適な実施例において、ヒト
臨床試験によって本発明の医薬組成物の安全性、予備的有効性および有効投与量が確認さ
れており、かつ肝癌患者に対する術後の再発までの時間を延ばし、または肝癌患者に対す
る術後の再発率を低下させることができる。このヒト臨床試験方法は、多施設(multi-ce
nter)、無作為化(randomized)および並行群間(parallel-group)と言う臨床試験に設
計された。
本発明の医薬組成物は、臨床で使用される時に注射によって投与され、その水溶性が高
いため、水を溶媒として使用してもよい。使用可能な注射溶媒は、滅菌水、滅菌水を溶媒
とする生理食塩水またはグルコース水溶液などを含んでもよいがそれらに限定されない。
また、他の油性溶媒を使用してもよい。好適な実施例において、等張生理食塩水(normal
saline)を溶媒として使用した。
本発明の医薬組成物は、用法・用量を均一化するように単位投与量で調製された。各単
位投与量は、一定量の有効成分を含み、この有効成分は、医薬的に許容可能な希釈剤、賦
形剤またはキャリアと混合される時に、所望の治療効果を達成することができる。
本発明の医薬組成物の有効成分が水に対する溶解度は400mg/mlより高いので、
本発明の医薬組成物の有効成分160 mgは、水 0.4 mlに完全に溶解できた。好
適な実施例において、各単位投与量の薬剤には、本発明の医薬組成物の有効成分215m
gおよび生理食塩水1mlを含み、混合溶解した後の濃度が200mg/ml、その中か
ら0.8mlを取り出して注射し、本発明の医薬組成物の有効成分の含有量160mgに
相当する。
臨床試験に使用された治療効果と安全分析母集団(efficacy / safety population)は
、治療意図(Intent-to-treat、ITT)に基づく分析母集団であり、治療意図に基づく分析
母集団は、試験資格を持って無作為に抽出された被験者を分析対象として、一方、いずれ
の試験用薬剤を服用せず、または無作為抽出後に記録されないヒトを分析対象外として排
除するように定義される。
上述したヒト臨床試験において、肝臓切除術を受けた肝癌患者を、未投薬で臨床管理さ
れない対照群(58人)、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 mg/日の試
験群(57人)、および本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が250 mg/日の試験
群(57人)のような3組に無作為割り付けた。試験群の被験者は、肝臓切除術を受けた
後4〜6週以内により投与を開始し、4週間を1コースとし、各コースの最初の3週間に
おいて、各週間のうち4日間連日皮下注射によって投与し、各コースの第4週間休薬した
。9コース(合計36週)を繰り返した後、フォローアップ期間(follow-up period)と
する12週を設けた。2組の試験群の被験者に対して、36週間の投与期間において、4
週間間隔でルーチン検査と追跡を行い、後続する12週間のフォローアップ期間において
、6週間間隔で検査を一回行った。対照群の被験者に対して、対照薬物または偽薬を投与
せず、合計48週間のフォローアップ期間において、6週間間隔でルーチン検査と追跡を
一回行った。
各コースを開始する前に、被験者に対して、病歴の確認、身体検査(physical examin
ation)、併用薬(concomitant medication)を確認し、さらにα-フェトプロテイン(α
-fetoprotein、AFP)を含むルーチン検査を行った。1ヶ月ごとに被験者全員に腹部超音
波検査を行った。4コース目および7コース目の初日に、腹部CTスキャンを行った。また
、被験者が肝癌再発と疑われた場合に必ず腹部CTスキャンを行うようにしていた。さらに
、肝臓外の部位の腫瘍再発状況(extra-hepatic tumor recurrence)を監視するように、
4コース目および7コース目の初日に、胸部X線検査、骨スキャンおよび脳CTスキャンも
行った。
一般的に、血清中α-フェトプロテインおよび腹部超音波検査は、肝臓腫瘍再発の初期
評価基準としている。α-フェトプロテイン濃度上昇または腹部超音波検査結果によって
新たな肝腫瘍を形成する可能性があるとみられた場合、腹部CTスキャンで再発腫瘍の血管
構造を検査する必要がある。この腫瘍がCTスキャンで造影した動脈相(arterial phase
)において典型的な血管過多と示されるとともに、造影剤(contrast medium)が静脈相
(venous phase)に速やかに洗い流されたと、この病巣は肝癌の再発(HCC recurrence
)と定義された。被験者の病巣が、すでに生検または外科的切除術を受けた場合、肝癌の
再発は、組織学的検査によって確認されてもよい。
上述したヒト臨床試験の有効性主要評価項目 (primary efficacy endpoint)は、試験
を終了したときの肝癌の非再発率(non-recurrence rate of HCC)である。一方、有効性
副次的評価項目(secondary efficacy endpoint)は、最初の再発までの時間(time to f
irst recurrence)である。最初の再発までの時間は、無作為抽出の日から、コンピュー
ターCTスキャンまたは組織学的検査によって腫瘍の再発を確認できた日までの時間と計算
された。
試験結果のデータは次の通りである。対照群58人のうち、58人が資料分析における
治療意図に基づく分析母集団となり、そのうちの26人(約45%を占める)は、試験終
了時に肝癌が再発し、そのうちの29人(約50%を占める)は、試験終了時に肝癌が再
発せず、そのうちの3人(約5%を占める)は、試験途中ドロップアウト(dropout)し
た。本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 mg/日の試験群57人のうち、5
6人が資料分析における治療意図に基づく分析母集団となり、そのうちの16人(約29
%を占める)は、試験終了時に肝癌が再発し、そのうちの35人(約63%を占める)は
、試験終了時に肝癌が再発せず、そのうちの5人(約9%を占める)は、試験途中ドロッ
プアウト(dropout)した。本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が250 mg/日の
試験群57人のうち、54人が資料分析における治療意図に基づく分析母集団となり、そ
のうちの21人(約39%を占める)は、試験終了時に肝癌が再発し、そのうちの22人
(約41%を占める)は、試験終了時に肝癌が再発せず、そのうちの11人(約20%を
占める)は、試験途中ドロップアウト(dropout)した。
図2は、試験終了時に、対照群、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 m
g/日の試験群、および本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が250 mg/日の試験
群の被験者母集団において、肝癌が再発しなかった人数および途中ドロップアウトした患
者数の割合を示す図である。図2を参照すれば、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量
が160 mg/日の試験群に対して、その肝癌非再発率は、63%であり、一方、投薬し
なかった対照群の非再発率は、50%であり、統計的手法によって両者の間に差(P= 0.0
7)があると判断される。即ち、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 mg/
日で、肝臓切除術を受けた肝癌患者に対して皮下注射法で周期的に投与することによって
、患者の肝癌再発率を低減することができた。
上述した試験結果によれば、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が250 mg/日
の試験群は、投薬しなかった対照群に比べ、患者の肝癌再発率を著しく低減する効果がな
いことが示される。
図3は、試験の進行に伴って(0〜48週)、対照群、および本発明の医薬組成物の有
効成分の投与量が160 mg/日の試験群に対して、総人数に対する肝癌が再発しなかっ
た人数の割合の変化を示す図である。2組の被験者母集団に対して、試験開始から、70
%の被験者の肝癌が再発しないまでの時間は、点線で示される。図3を参照すれば、対照
群の被験者母集団の場合、試験開始から70%の被験者の肝癌が再発しないまでの時間は
、27週であり、一方、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 mg/日の試験
群の被験者母集団の場合、試験開始から70%の被験者の肝癌が再発しないまでの時間は
、48週であることがみられる。このような試験結果によれば、本実施例において、本発
明の医薬組成物の有効成分の投与量が160 mg/日で、肝臓切除術を受けた肝癌患者に
対して皮下注射法で周期的に投薬することによって、患者の肝癌再発までの時間を著しく
延ばすことができた。
また、他の臨床実験データによれば、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が80
mg/日の被験者の場合には、腫瘍が大きくなるのを抑える効果があるとみられる。一方
、本発明の医薬組成物の有効成分の投与量が315 mg/日の被験者の場合には、重度の
血小板減少症(severe thrombocytopenia)を起こす恐れがある。
以上説明したのは、本発明の好適な実施方式であるが本発明の実施範囲を限定するもの
ではない。本技術領域の技術要員は本発明の精神と範囲を離れない前提で、若干の改善と
修飾を行うことができ、これらの改善と修飾は本発明の保護範囲に属する。

Claims (11)

  1. 肝癌の再発、悪化および転移の抑制に用いる医薬組成物であって、
    治療有効量の少なくとも一般式(I)で表される化合物、および医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアを含み、
    ここで、前記一般式(I)で表される化合物において、nは、0〜3の整数であり、かつ、3n+6または3n+7個のRはSOまたはその塩類を表し、残りのRはHを表し、
    前記化合物のうち、前記3n+7個のRがSOまたはその塩類を表す前記化合物が、92.01%以上含まれ
    nが2または3である前記化合物が主成分であり、
    nが3であり且つ3n+7個のRがSO Hまたはその塩類を表す前記化合物の相対含有量が最も高く、
    nが2であり且つ3n+7個のRがSO Hまたはその塩類を表す前記化合物と、nが3であり且つ3n+7個のRがSO Hまたはその塩類を表す前記化合物と、の含有比率(前者/後者)が、33.94/48.26以上1未満である、
    ことを特徴とする医薬組成物。
  2. 前記一般式(I)で表される化合物として、nが0である化合物、nが1である化合物、nが2である化合物、及びnが3である化合物を全て含む、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. 前記一般式(I)で表される化合物において、各糖単元は少なくとも平均3個のSOまたはその塩類を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の医薬組成物。
  4. 各糖単元は平均3.2〜3.5個のSOまたはその塩類を有する請求項3に記載の医薬組成物。
  5. 前記治療有効量は、一般式(I)で表される化合物80〜160mg/日であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の医薬組成物。
  6. 前記治療有効量は、一般式(I)で表される化合物160mg/日であることを特徴とする請求項5に記載の医薬組成物。
  7. 少なくとも1種類の治療法との併用で肝癌の再発、悪化または転移を抑制することが可能であり、
    前記治療法は、塞栓療法、標的薬物療法、化学療法、放射線療法または肝臓切除手術を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の医薬組成物。
  8. 肝癌患者に対する術後の再発率を低減させ、または、肝癌患者に対する術後の再発までの時間を延ばすことを特徴とする請求項7に記載の医薬組成物。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の一般式(I)で表される化合物を使用して、肝癌再発、悪化または転移を抑制するための請求項1〜8の何れかに記載の医薬組成物を調製する方法であって、
    治療有効量の前記一般式(I)で表される化合物を、医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアと組み合わせることを含む方法。
  10. 前記医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアは、水または水を溶媒とする溶液であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記医薬的に許容可能な希釈剤、賦形剤またはキャリアは、生理的食塩水またグルコースの水溶液であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
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