JP6618769B2 - 活性白土粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、ジオクタヘドラル型スメクタイトの酸処理物から成る活性白土粒子に関するものである。
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物は、吸着性能や脱色性能を有することが古くから知られており、英国ではフーラース・アース、或いはブリーチング・アース等とも呼ばれている。
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を酸処理して、比表面積等が増大した所謂活性白土を製造することも古くから知られており、酸の濃度、温度及び処理時間等の酸処理条件を調節することにより、粘土鉱物中の酸可溶性塩基成分の少なくとも一部を溶出させ、脱色能や比表面積の向上を図っていた。
活性白土の用途の内、油脂類等の脱色剤の用途に関しては、油脂類等に含まれるクロロフィル等の色素に対して強い吸着性を有することが要求される一方で、生産性の点で精製された油脂類と廃白土との分離に対しては濾過性が良好であることが要求される。
ところが、従来の活性白土においては、色素等に対する吸着性と濾過性とは両立しがたいものであり、これらの両方を十分に満足するものは知られていない。即ち、色素等の吸着性は活性白土の粒径が微細になればなるほど向上するが、逆に濾過性は粒径が微細になればなるほど著しく低下する。
例えば、特許文献1には、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を粉砕及び分級し、レーザ回折散乱法による体積換算での平均粒径(D50)が20乃至30μmの範囲にある粉末を調製し、前記粉末を、35乃至45質量%濃度の硫酸水溶液を使用し、該硫酸水溶液中に前記粉末を添加混合し、85℃以上の温度に加熱することにより酸処理を行い、次いで、得られた酸処理物を洗浄し、且つ乾燥することにより、活性白土を製造する方法が開示されており、かかる方法で得られた活性白土を油脂類等の脱色剤として使用することも開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法で得られた活性白土を脱色剤として使用したとき、使用後の脱色剤(廃白土)に含まれる油分(オイルリテンション)が少ないという利点を有しているのであるが、脱色性がさほど高いとは言えない。
また、特許文献2には、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物の酸処理により得られた活性白土であって、レーザ回折法により求めた体積基準メジアン径(D50)が10乃至60μmの定形粒子からなり、水銀圧入法で測定した細孔半径1000〜70000オングストロームの細孔容積が0.63乃至1.00cc/gの範囲にあり、且つBET比表面積が250乃至400m/gの範囲にあることを特徴とする活性白土定形粒子が開示されている。
かかる活性白土は、脱色性能および濾過性の両方に優れているのであるが、スメクタイト粘土鉱物の酸処理を炭酸カルシウムの存在下で行うという特殊な方法により製造しているため、製造コストが高く、また、石膏が副生するため、その除去作業が面倒であったり、排液処理に負担がかかるなどの問題も発生している。
さらに、定形粒子であることで、ハンドリング性の点で流動性は良好であるが噴流性(フラッシング性)が高いという問題がある。
特開2008−31411号公報 特開2000−344513号公報
従って、本発明の目的は、極めてシンプルな方法で、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物乃至は該スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土から製造され、しかも、脱色性能と濾過性の両方に優れた活性白土粒子を提供することである。
本発明の他の目的は、油脂類等の脱色剤として好適に使用される活性白土粒子を提供することである。
本発明者等は、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物乃至は該スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土を酸処理して活性白土を製造するプロセスについて多くの実験を行い、検討した結果、該スメクタイト粘土鉱物の粒子の表面形状がそのまま残るように処理をすることにより、脱色性能と濾過性とに優れた活性白土粒子が得られるという極めて意外な知見を得、かかる知見に基づき本発明を完成するに至った。
本発明によれば、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土の酸処理により得られた活性白土粒子であって、
レーザー回折法により求めた体積基準での中位径(D50)が50μm以下であり、且つ、下記式;
R=(A/前記中位径)×100
式中、Aは、エタノールを用いて測定されたダルシー係数を表す、
で示される濾過指数Rが0.10〜2.00の範囲にあり、且つ差角が1.0〜10.0度であることを特徴とする活性白土粒子が提供される。
本発明の活性白土粒子においては、
(1)嵩密度が0.30〜0.50g/cmであること、
が好適である。
本発明によればまた、前記活性白土からなる、油脂類もしくは鉱物油の脱色剤が提供される。
本発明の活性白土粒子は、ダルシー係数と中位径とから算出される濾過指数Rが0.10〜2.00の範囲にあるという点に顕著な特徴を有するものであるが、かかる濾過指数Rは、大きい程濾過性に優れており、小さい程濾過がし難いことを示す。例えば、原料粘土を酸処理し、乾燥、粉砕、分級することで得られる一般的な公知の活性白土においては、その濾過係数Rは上記範囲よりも低く、従って、濾過性が乏しい。
また、本発明の活性白土粒子は、後述する実施例にも示されているように、脱酸菜種油、RBD(Refined Bleached and Deodorized)パーム油、脱酸米油のいずれに対しても、優れた脱色性を示す。特に、米油は、脱色しにくいことが知られているが、このような米油を含め、本発明の活性白土粒子は、種々の油脂類に対して優れた脱色性を示す。
実施例で用いた原料スメクタイト系粘土のSEM写真(倍率5,000倍)。 実施例2で得られた本発明の活性白土粒子のSEM写真(倍率5,000倍)。 比較例1で得られた機械的粉砕を経た公知の活性白土粒子のSEM写真(倍率5,000倍)。
本発明の活性白土粒子は、中位径が50μm以下、特に30μm以下の比較的微細な粒子であるが、上記で述べたように、濾過指数Rが0.10〜2.00、特に0.30〜1.00と大きな値を示している。即ち、本発明の活性白土粒子は、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物乃至は該スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土(以下、単にスメクタイト系粘土と呼ぶことがある)の酸処理により得られるものであるが、上記のような濾過指数Rを有しているということは、原料粘土の粒子表面が、ほとんどそのまま活性白土粒子の表面に残っていることを意味している。
例えば、図1は、原料スメクタイト系粘土のSEM写真であるが、このSEM写真によれば、この粘土鉱物に特有の薄片がひだ状に連なった形態を有している。一方、本発明の活性白土粒子のSEM写真は図2に示したが、本発明の粒子表面もまた薄片がひだ状に連なった形態を有していることがわかる。
即ち、このような表面形態を有する本発明の活性白土粒子においては、粒子間の空隙が多く、濾過に際して液体が粒子間を速やかに透過しやすく、この結果、粒子径が小さいにも関わらず、優れた濾過性が示される(濾過指数が前述した範囲に存在する)。また、水系においても、濾過漏れを生じずに、優れた濾過性が示される(後述の実施例を参照)。
更に、上記のような表面形態を有していることは、油脂類等の脱色にあたり、クロロフィル等の色素成分を有効に吸着することができ、この結果、種々の油脂類等に対して優れた脱色性を示すこととなる。
上述した表面形態を有する本発明の活性白土粒子は、例えば、機械的な強粉砕を加えることなく、酸処理することにより得られるものであるが(この点については後記で詳述する)、機械的粉砕がなされている従来公知の活性白土粒子は、図3のSEM写真に示されているように、原料粘土鉱物に特有の表面形態は損なわれている。このため、このような表面を有する活性白土粒子は、本発明の活性白土粒子のような濾過性や脱色性を示さない。
本発明の活性白土粒子は、上記のような表面形態を有していることに関連して、嵩密度が小さく、例えば、0.30〜0.50g/cm、特に0.35〜0.45g/cmである。
更に、表面形態に関連して、本発明の活性白土粒子は、1.0〜10.0度、特に3.0〜8.0度の差角を示す。
ここで、差角は、安息角から崩潰角を差し引いて得られる角度である。
安息角は、所定の大きさの円板に対して、一定の高さに配置されたホッパーから大過剰量の粒子を落下させたとき、円板に形成される円錐形状の堆積物の側面角に相当する角度であり、崩潰角は、上記堆積物を一定の力で崩潰させたとき、円板上に残った堆積物の側面角に相当する角度である。即ち、差角が小さい程、粒子間摩擦が大きく、表面形状が異形であることを示しており、噴流性(フラッシング性)が小さくハンドリング性が良好であることを示す。
さらに、本発明の活性白土粒子は、スメクタイト系粘土を酸処理して得られるものであることから、この原料粘土よりも大きな比表面積を有しており、例えば、そのBET比表面積は150m/g以上、特に200〜400m/g程度の範囲にある。
上述した特性を有する本発明の活性白土粒子は、スメクタイト粘土鉱物を主成分とするため、このX線回折像(Cu−α)では、2θ=19〜20度にモンモリロナイトに特有の回折ピークを示し、一般に、H≦―3.0の固体酸量が0.10〜0.50mmol/gの範囲にある。
また、この活性白土の化学組成は、原料スメクタイト系粘土の化学組成によっても異なるため、一義的に規定することはできないが、一般的な化学組成は次の通りである。
SiO;60〜80質量%
Al;8〜13質量%
Fe;1〜10質量%
MgO;1〜3質量%
CaO;0.1〜2質量%
NaO;0.1〜1質量%
O;0.1〜1質量%
その他の酸化物(TiOなど);1質量%以下
Ig−loss(1050℃);4〜8質量%
(活性白土粒子の製造方法)
本発明の活性白土粒子は、ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物乃至は該スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土を原料とし、これを必要に応じて適宜の大きさに造粒し、次いで、酸処理・湿式解砕し、その後、乾燥・分級を行うことによって得ることができるが、かかる全工程を通して、原料粘土鉱物の粒子表面を崩壊させるような機械的粉砕は行われない。そのような機械的粉砕が行われると、濾過指数が大きく低下してしまい、濾過性が損なわれるばかりか、脱色性能も低下してしまうこととなる。
原料として用いるジオクタヘドラル型スメクタイトは、AlO八面体層が2つのSiO四面体層でサンドイッチされ、且つAlO八面体層のAlがFeやMgで同形置換され且つSiO四面体層のSiがAlで同形置換された三層構造を基本層単位とし、この基本層単位がc軸方向に積層した積層構造から成り、この層間には同形置換による電荷の不足を補う形で金属カチオンが存在している。
ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物としては、粘土鉱物分類上、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ボルコンスコアイトなどが含まれ、スメクタイト系粘土には、いわゆる酸性白土、ベントナイトなどが包含される。
ジオクタヘドラル型スメクタイトは、火山灰や溶岩等が海水の影響下に変性されることにより生成したと考えられる。
代表的な原料粘土鉱物の化学組成の一例を下記に示す。
SiO;50〜70質量%
Al;14〜25質量%
Fe;2〜20質量%
MgO;3〜7質量%
CaO;0.1〜3質量%
NaO;0.1〜3質量%
O;0.1〜3質量%
その他の酸化物(TiOなど);1質量%以下
Ig−loss(1050℃);5〜10質量%
原料として用いるスメクタイト系粘土には、石砂、鉄分、オパールCT、石英等の不純物が含有されている場合がある。これらの不純物を除去するために、石砂分離、浮力選鉱、磁力選鉱等の精製操作を行うことができる。
また、後述する粒度調整を行うに先立って、軽度の酸処理により鉄分を除去したり、また軽度のアルカリ処理によりオパールCT、石英等の不純物を可溶性のケイ酸分に添加したりすることもでき、このように前処理した原料粘土を使用することもできる。
上記の原料粘土は、必要により造粒操作に付され、適宜の大きさの粒子に造粒され、次の酸処理に供される。
尚、上記の造粒操作は、原料粘土の粒子表面形態が保持されるように、強力な機械的粉砕を伴わないような方法で行われる。例えば、この原料粘土が水に分散したスラリーを適当な大きさの開口を有する多孔板を通し、通過した柱状物を適度な大きさにカッティングすることにより行われ、これにより、酸処理を可及的に均一に行うことができる。
酸処理は、適宜造粒された上記原料粘土を酸水溶液と接触させることにより、行われる。酸水溶液としては、鉱酸類、例えば硫酸、塩酸等、特に硫酸が使用され、その濃度は10〜40質量%程度が適当である。処理温度は60〜100℃、処理時間は3〜20時間程度である。原料粘土の表面形態が維持されるように、条件を選択する。
上記のようにして酸処理が行われた後は、処理液を濾過し、水洗し、得られた濾過ケーキを湿式解砕する。
この湿式解砕は、濾過ケーキを形成している酸処理物の粒子をほぐすように、濾過ケーキを水に分散させて行われるものであり、粒子の表面形態の崩壊を有効に回避することができる。例えば、濾過ケーキを水に分散せずに、乾式下で解砕を行うと、粒子の表面形態が崩壊し、前述した薄片がひだ状に連なった表面形態が損なわれるおそれがある。
湿式解砕は、上記酸処理物の濾過ケーキを一旦水に分散させて行われる。このような解砕は、前述した粘土粒子の表面形態が損なわれないように、濾過ケーキをほぐす程度に行われる。例えば、40〜90℃程度の温水に濾過ケーキを投入し、この液(分散液)を撹拌羽根等を用いて弱く撹拌することにより行われる。撹拌時間は2〜10時間程度である。例えば、ボールミルなどを用いて機械的に強く粉砕してしまうと、原料粘土鉱物に由来する表面形態が崩壊してしまい、濾過性や脱色性能が損なわれてしまう。
このような湿式解砕により、以下の乾燥下での粒子の凝集を回避し、前述した小さい中位径の活性白土粒子を得ることができる。
上記のようにして解砕された酸処理物は乾燥され、表面シラノール基の濃度が減少し、水中で膨潤し難い構造となる。
乾燥は、例えば、水分量が15質量%以下となる程度に行われる。
乾燥手段は特に制限されず、例えば熱風乾燥等、通常の手段を採用することができるが、一般的には、加熱温度や加熱時間を短縮するため、水をエタノール等の揮発性液体に置換して加熱乾燥する方法や、スピンフラッシュドライヤーなどの瞬間乾燥機を用いて行うことが望ましい。必要以上に高い温度に加熱したり、加熱時間を必要以上に長くしたりすると、粒子の収縮などにより原料スメクタイト粘土鉱物に由来する表面形態が損なわれてしまい、その程度に応じて濾過指数の低下を生じてしまう。従って、上記のような手段を用い、加熱乾燥温度は50〜250℃に制限することが望ましく、加熱乾燥時間は、温度によっても異なるが、一般に30分〜20時間に制限することが望ましい。
上記のようにして得られる活性白土粒子は、レーザー回折法により求めた体積基準での中位径(D50)が50μm以下となる程度に分級されて使用に供されるが、原料粘土の表面形態が維持されるように各種の処理が行われるという極めてシンプルで容易な手段を採用しているに過ぎず、例えばマクロポアを形成するための炭酸カルシウムなどの格別の剤は必要なく、また格別の処理も必要でないため、極めて安価に製造され、しかも排液処理に要する負担が増大することもなく、これは、本発明の大きな利点である。
既に述べたとおり、このようにして得られた本発明の活性白土粒子は、優れた脱色性を有しており、各種の油脂類の脱色剤として好適に使用される。
かかる油脂類としては、植物油脂、動物油脂及び鉱物油の少なくとも1種を挙げることができる。
原料の油脂は、天然の動植物界に広く存在し、脂肪酸とグリセリンとのエステルを主成分とするものであり、例えばサフラワー油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、RBDパーム油、ベニ花油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油、カヤ油などの植物性油脂及びイワシ油、ニシン油、サバ油、メンヘーデン油、イカ油、サンマ油、マグロ油、タラ・スケトウタラ油などの魚油、肝油、鯨油、牛脂、牛酪脂、馬油、豚脂、羊脂などの動物性油脂の単独またはそれらを組み合わせたものが挙げられる。特に、菜種油、RBDパーム油、米油(米糠油)などの比較的脱色し難い油脂に対しても本発明の活性白土粒子は、極めて優れた脱色性能を発揮するため、本発明は、これら油脂類の脱色剤として極めて有用である。
また、本発明の活性白土粒子は、上記の油脂類以外にも、鉱物油類の脱色剤としても好適に使用することができる。
このような鉱物油類としては、各種潤滑油、例えばスピンドル油、冷凍機油、ダイナモ油、タービン油、マシン油、船用内燃機関潤滑油、ガソリンエンジン潤滑油、ディーゼルエンジン潤滑油、シリンダー油、マリンエンジン油、ギヤー油、切削油、絶縁油、自動変速機油、圧縮機油、油圧作動油、圧延油等が挙げられる。
脱色処理に際しては、脱色すべき油脂類或いは鉱物油類に、活性白土粒子を、油脂類或いは鉱物油類当たり質量基準で0.1〜10%の量で添加し、50〜250℃の温度で5〜30分間、両者を均一に攪拌することにより脱色処理を完了することができる。
しかも、本発明の活性白土粒子は、濾過性にも優れているため、脱色された油脂類や鉱物油類と分離するための濾過を速やかに効率よく行うことができる。
濾過機としては、例えばフィルタープレス、ベルトフィルター、オルバフィルター、アメリカンフィルター、遠心濾過機等の減圧乃至は加圧式濾過機を使用し、脱色された油脂類或いは鉱物油類と使用済みの活性白土粒子(所謂廃白土)とに分離される。
尚、本発明の活性白土粒子は、触媒或いは触媒担体や水系における吸着剤として用いることもできる。特に、水系での濾過性が高いことから、例えば、食料品或いは飲料の製造工程において好適に使用され、水処理或いは排水処理の分野や水を溶媒として用いる工業分野においても好適に使用することができる。また、本発明の活性白土粒子は、上述したごとく、特に油脂類や鉱物油類の脱色剤として最も好適である。
本発明を次の実験例で説明する。
尚、以下の実施例及び比較例における各種の測定は、以下の方法により行った。
(1)中位径(D50)の測定
体積基準での中位径(μm)は、マルバーン社製のレーザー回折型粒度分布測定装置マスターサイザー2000を使用し、溶媒に水を用いて測定した。
(2)ダルシー係数
ビーカーにエタノール(和光試薬1級)を200ml入れ、そこへ110℃で1時間乾燥した活性白土粉末を10g投入し、分散した。ステンレス製ブフナー漏斗(濾過面積38.5cm)に濾紙(ADVANTEC製No.2)をセットし、真空ポンプのスイッチを入れた。白土分散液を漏斗に注ぎ入れ、吸引圧を15〜20cmHgに調整した。濾液の量が100mlになったら、ストップウォッチをスタートさせた。濾過の間、吸引圧は一定に保った。濾液の量が150mlになった時点でストップウォッチを止め、この時間を濾過時間とした。
濾過時間を測定後、濾液が濾過ケーキから落下する間隔が30秒を越えるまで濾過を継続した。落下間隔が30秒を越えたら、濾過ケーキの厚さを測定し、次式によりダルシー係数を算出した。
ダルシー係数=(ケーキ厚cm×濾過液量50ml×液粘度1.074mPa・s)
÷(濾過時間sec×濾過面積cm×(吸引圧cmHg÷76))
(3)濾過指数R
下記式;
R=(A/前記中位径)×100
式中、Aは、エタノールを用いて測定されたダルシー係数を表す、
により濾過指数Rを計算した。
(4)BET比表面積
マイクロメリティクス社製Tristar 3000を用いて窒素吸着法により測定を行ない、BET法により算出した。
(5)固体酸量
n―ブチルアミン滴定法にてH≦―3.0の固体酸量を測定した。試料は、予め、150℃で3時間乾燥したものについて測定を行なった。
[参考文献:「触媒」Vol.11,No6,P210―216(1996)]
(6)嵩密度
JIS K 6220に準じて、鉄シリンダー法により測定した。
(7)安息角及び崩潰角、差角の測定
ホソカワミクロン(株)製パウダーテスターPT―R型を用いて測定した。尚、篩は目開き60meshのものを使用し、ヴァイブレイションは調整目盛り1〜3の範囲で測定した。
(8)脱色試験方法
脱色剤の性能を試験するには、粘土ハンドブック第二版 日本粘土学会編(技報堂出版)p917の図に示す脱色試験機を用いた。
脱色試験機には8本の硬質ガラス製大型試験管(容量200ml)が油浴にセットできる。各試験管には、下端が丸くなった波形の攪拌棒を入れ、その下端は試験管の底部に常に接触するようにゴム管で調節した。8本の攪拌棒は中央の親歯車から分かれた子歯車によって回転するので、その回転速度は全く等しく保たれる。中央の親歯車の下には油浴を攪拌する攪拌羽根がついていて、油浴内の温度を均一に保っている。脱色試験は最大8個まで、任意の数で試験できる。
各試験管に油を30gずつ採取し、所定量の活性白土粉末を加えて脱色試験用の攪拌棒でよく混ぜた。各試験管を110℃に保たれた前記の脱色試験機にセットし、20分間攪拌を行った後脱色試験機から取り出し、油と吸着剤の混合スラリーを濾過することにより各脱色油を得た。
各脱色油の白色光線透過率(蒸留水の透過率を100%としたときの相対値)を(株)平間理化研究所製光電比色計2C型で測定し、その数値をもって各吸着剤の脱色能とした。透過率の数値が高いほど用いた活性白土の脱色能が高いことを表している。
(比較例1)
新潟県胎内市産のスメクタイト系粘土を原料として用い、この原料を粗砕、混練し5mm径に造粒した。得られた造粒物の水分は36質量%であった。
この造粒物1500gを処理槽に充填し、そこに35質量%硫酸水溶液2000mlを循環させ酸処理を行なった。その時の処理温度は90℃、処理時間は7時間であった。酸処理終了後、酸処理物に洗浄水を循環して水洗を行なった後110℃で乾燥、粉砕し、標準篩100meshを通過する活性白土粉末を得た。
(実施例1)
比較例1における水洗終了後の酸処理物(乾燥前)を原料として用いた。この酸処理物に水を加えて、攪拌し、固形分濃度30質量%の水性懸濁液を得た。この攪拌時は液温を60℃に保持した。攪拌時間は6.5時間であった。
この水性懸濁液を110℃で乾燥し、標準篩100meshを通過する活性白土粉末を得た。
(実施例2)
実施例1における水性懸濁液を原料として用いた。この懸濁液に対して2倍量のエタノール(試薬1級)を混合し、静置後に上澄み液のみを除去する操作を2回繰り返した。この懸濁液を60℃で3時間程度乾燥し、引き続き110℃で1時間程度乾燥し、標準篩100meshを通過する活性白土粉末を得た。
(比較例2)
比較例1における35質量%硫酸水溶液に代えて40質量%硫酸水溶液を使用した他は、比較例1と同様にして行い活性白土粉末を得た。
(実施例3)
比較例2における水洗終了後の酸処理物(乾燥前の含水物)を原料として用いた。この酸処理物に水を加えて、攪拌し、固形分濃度30質量%の水性懸濁液を得た。この攪拌時は液温を60℃に保持した。攪拌時間は6.5時間であった。
この懸濁液を濾過し、濾過ケーキを(株)マツボー製スピンフラッシュドライヤーを用いて瞬間乾燥し、標準篩100meshを通過する活性白土粉末を得た。
尚、実施例1〜3において、乾燥物を篩に通過させるに先立ち機械的な粉砕、例えばローラーミルや振動ミル等による強粉砕は一切行なわなかった。
(比較例3)
特許文献2(特開2000−344513号公報)の実施例1に記載の方法で活性白土定形粒子を得た。
(比較例4)
特許文献1(特開2008−31411号公報)の実施例1に記載の方法で活性白土粉末を得た。
(比較例5)
比較例1における水洗終了後の酸処理物(乾燥前)を原料として用いた。この酸処理物に水を加え、家庭用ミキサーで処理することにより、固形分濃度20質量%の水性懸濁液を得た。
この懸濁液1250gに7.5質量%のNaOH水溶液66gを加え、90℃で5時間攪拌することによりアルカリ処理を行なった。この懸濁液を濾過し、濾過ケーキを1質量%の希硫酸に分散させ、デカンテーション法により酸洗浄を行なった後、水洗した。
水洗後の懸濁液を濾過し、濾過ケーキを乾燥し、粉砕し、分級して活性白土粉末を得た。
各物性試験の結果を表1に示す。
各脱色試験の結果を表2に示す。
(9)水の濾過試験
ビーカーにイオン交換水を200ml入れ、そこへ110℃で1時間乾燥した活性白土粉末を5g投入し、分散した。ステンレス製ブフナー漏斗(濾過面積38.5cm)に濾紙(ADVANTEC製No.2)をセットし、真空ポンプのスイッチを入れた。白土分散液を漏斗に注ぎ入れ、吸引圧を20cmHgに調整した。濾液の量が100mlになったら、ストップウォッチをスタートさせた。濾過の間、吸引圧は一定に保った。濾液の量が150mlになった時点でストップウォッチを止め、この時間を濾過時間とした。
濾液の660nm波長光の吸光度を分光光度計(日本分光(株)製V−630)にて測定し、この数値を濁度とした。濁度の数値が高いほど用いた活性白土の濾過漏れ程度が大きいことを示す。
(比較例6)
比較例1で得た活性白土粉末を乾式遠心分級機で処理し、粗粉側の活性白土粉末(中位径=31μm)を得た。
水の濾過試験結果を表3に示す。

Claims (3)

  1. ジオクタヘドラル型スメクタイト粘土鉱物を主成分とする粘土の酸処理により得られた活性白土粒子であって、
    レーザー回折法により求めた体積基準での中位径(D50)が50μm以下であり、且つ、下記式;
    R=(A/前記中位径)×100
    式中、Aは、エタノールを用いて測定されたダルシー係数を表す、
    で示される濾過指数Rが0.10〜2.00の範囲にあり、且つ差角が1.0〜10.0度であることを特徴とする活性白土粒子。
  2. 嵩密度が0.30〜0.50g/cmである、請求項1に記載の活性白土粒子。
  3. 請求項1または2に記載の活性白土粒子からなる、油脂類もしくは鉱物油の脱色剤。
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