JP6618703B2 - 油圧モータ - Google Patents
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Description
まず、図1および図2を参照して、第1の実施形態の油圧モータ1を説明する。
図1は、本実施形態の油圧モータ1の構成例を示す。例えば、油圧モータ1は、油圧ショベルなどの作業機械の旋回体駆動用モータである。例えば、油圧モータは、斜板式ピストンモータである。
例えば、ケーシング11は、金属製である。図1に示すように、ケーシング11は、油圧モータ1の外郭の大部分を形成する。ケーシング11は、第1ケーシング部材(ハウジング)21と、第2ケーシング部材(カバー)22とを組み合わせることで形成される。
一方で、排出ポート32は、ケーシング11の外部に設けられる排出ラインを介して作動油タンクTに接続される。排出ポート32には、動力発生部13から排出された圧油が流入する。排出ポート32は、動力発生部13から排出された圧油を排出ラインに導く。
このため、メイクアップポート33は、ケーシング11の外部に設けられる供給ラインおよび制御弁ユニットを介して前記圧油供給源に接続される。そして、メイクアップポート33には、キャビテーションの抑制に適した圧力の圧油が供給される。
また、連通路35には、絞り36が設けられる。連通路35に供給された圧油は、絞り36を通ることで圧力が低下し、適切な圧力の潤滑油としてケーシング11の内部に供給される。すなわち本実施形態では、連通路35は、ケーシング11の内部に潤滑油を供給する潤滑油供給通路として機能する。
図1に示すように、出力軸12は、円柱状に形成される。出力軸12は、ケーシング11の内部に収容される部分を有するとともに、ケーシング11の外部に突出する。出力軸12は、後述する第2軸受15によって、ケーシング11に対して回転可能に支持される。図1に示すように、油圧モータ1の+Z方向側には、減速装置Mが設けられる。出力軸12の先端部は、減速装置Mの回転体Bに接続される。
図1に示すように、動力発生部13は、ケーシング11の内部に設けられる。動力発生部13は、出力軸12と第2ケーシング部材22との間に設けられる。動力発生部13は、ケーシング11の供給ポート31および排出ポート32を介して圧油が供給および排出されることで、出力軸12を回転させる。詳しく述べると、動力発生部13は、シリンダブロック41、バルブプレート(弁板)42、複数のピストン43、斜板44、および複数のシュー45を有する。
一方で、排出口52は、シリンダブロック41の周方向に沿う円弧状に形成される。排出口52は、複数のシリンダ穴46に含まれる他のいくつかのシリンダ穴46に連通する。排出口52は、シリンダ穴46から排出される圧油を、ケーシング11の排出ポート32に導く。
−Z方向側の死点直後に位置するピストン43のシリンダ穴46は、バルブプレート42の供給口51に連通する。これにより、シリンダ穴46には、バルブプレート42の供給口51から圧油が供給される。圧油が供給されたシリンダ穴46のピストン43は、圧油によって+Z方向側に移動する。これにより、ピストン43の先端部に設けられたシュー45が斜板44に押し付けられる。シュー45が斜板44に押し付けられると、そのときに生じる反力の一部が、シリンダブロック41を回転させる力としてシリンダブロック41に作用する。これにより、シリンダブロック41および出力軸12が回転する。
第1軸受14は、第2ケーシング部材22の凸部30の周面と、シリンダブロック41の凹部47の内面との間に設けられる。第1軸受14は、第2ケーシング部材22に対してシリンダブロック41を回転可能に支持する。例えば、第1軸受14は、ニードルベアリングである。なお、第1軸受14の種類は、上記例に限定されない。
オイルシール16は、第2軸受15よりも+Z方向側に設けられる。例えば、オイルシール16は、第2軸受15と、第1ケーシング部材21の+Z方向側の端面21eとの間に設けられる。オイルシール16は、第1ケーシング部材21の第1開口部24の内面24aと、出力軸12の周面12aとの間に設けられる。オイルシールは、第1ケーシング部材21の第1開口部24の内面24aと出力軸12の周面12aとの間を密閉する。これにより、オイルシール16は、第1開口部24から油が漏れることを抑制する。
上述したように、本実施形態では、シリンダブロック41の凹部47の底面と第2ケーシング部材22の凸部30の先端面との間の油溜まり48に、連通路35から潤滑油が供給される。油溜まり48に供給された潤滑油の少なくとも一部は、シリンダブロック41の凹部47と第2ケーシング部材22の凸部30との間の隙間を通って第1軸受14に供給される。これにより、第1軸受14の摺動部分の摩擦抵抗が小さくなる。
例えば、ドレン室DRには、連通路35から供給される潤滑油に加えて、バルブプレート42とシリンダブロック41との間、またはシリンダ穴46とピストン43との間から漏れるリーク油が流入する。なお、このリーク油は、上述した連通路35から供給される潤滑油と同様に、各部品に対する潤滑油として機能する。
図1に示すように、本実施形態では、ドレン通路60の途中にチェック弁70が設けられる。例えば、チェック弁70は、第1流路61と第2流路62との接続部63に設けられる。本実施形態のチェック弁70は、ドレン通路60の開口部60aから接続口60bに向いて油が流れようとする場合に、前記油の流れを許容する。一方で、チェック弁70は、ドレン通路60の開口部60aから接続口60bに向かう油の流れが停止する場合に、ドレン通路60を閉じる。また別の観点では、チェック弁70は、出力軸12が回転する場合に、ドレン通路60に流入する油がケーシング11の外部まで流れることを許容する。一方で、チェック弁70は、出力軸12の回転が停止した場合に、ドレン通路60を閉じる。
弁体71は、ドレン通路60の内部に、R方向に沿って進退可能に配置される。本実施形態では、弁体71は、出力軸12の径方向(例えば水平方向)に沿って進退可能である。弁体71は、出力軸12の径方向に沿って進退することで、ドレン通路60の第1流路61を開閉可能である。
図2に示すように、弾性部材72は、弁体71と支持部材73との間に設けられる。弾性部材72は、第1流路61の下流側から上流側に向けて弁体71を付勢する。言い換えると、弾性部材72は、R方向に沿って弁体71を付勢する。弾性部材72は、前記第1位置に向けて弁体71を付勢する。本実施形態では、弾性部材72は、出力軸12の周面12aに向けて弁体71を付勢する。また、弾性部材72は、R方向に弾性変形可能である。本実施形態では、弾性部材72は、出力軸12の径方向(例えば水平方向)に弾性変形可能である。
まず、油圧モータ1が停止している状態では、弁体71は、弾性部材72によって付勢され、前記第1位置にある。これにより、ドレン通路60は、閉じられている。
ここで比較のため、ドレン通路60にチェック弁70を有しない油圧モータについて考える。このような油圧モータでも、油圧モータの駆動時には、コンタミネーションが生じた油は、ドレン通路60を通ってケーシング11の外部に排出される。しかしながら、油圧モータの駆動が停止すると、ドレン通路60内で油の流れが停滞する。そのため、ドレン通路60内の油に含まれる異物がケーシング11の内部に逆流する場合がある。このような異物は、ケーシング11の内部に逆流した後、ケーシング11の内部の部品(例えば、軸受15やオイルシール16)に付着する可能性がある。そして、これらの異物が付着した状態で油圧モータ1が駆動されると、異物が付着した部品に損傷が生じる場合がある。そのため、これらの部品の寿命が短くなる場合があった。
また、上記構成によれば、油がチェック弁70の背後に回る場合に比べて、支持部材73の形状を単純にすることができる。すなわち、支持部材73に油が通る通路などを設ける必要が無くなる。これにより、油圧モータ1の低コスト化を図ることができる。
このような構成によれば、弁体71には、出力軸12の回転によって油に与えられた遠心力がさらに作用しやすくなる。このため、さらに大きな付勢力を有した弾性部材72を採用することができる。これにより、異物を含む油の逆流をさらに確実に抑制することができる。
言い換えると、本実施形態では、チェック弁70が設けられることで、第2流路62が上方に向けて延びていても、異物がケーシング11の内部に逆流しない。このため、ケーシング11において、供給ポート31および排出ポート32と、ドレン通路60の接続口60bとを同じ側に配置することができる。これら、供給ポート31および排出ポート32と、ドレン通路60の接続口60bとを同じ側に配置することができると、ケーシング11に対する多くの油圧配管を同じ側で行うことができるため、配管レイアウトや組み立て作業性などが良好になる。
すなわち、上記構成によれば、配管レイアウトや組み立て作業性と、部品の長寿命化とを両立した油圧モータ1を提供することができる。
また上述したように、第1流路61は、略水平方向に延びている。また、支持部材73の収容部81は、第1流路61の延長線上に設けられる。このため、支持部材73をケーシング11から取り外すと、第1流路61は、収容部81を通じてケーシング11の側面に開口した状態になる。このため、上記構成によれば、第1流路61に対する外部からの作業性も良く、第1流路61についても清掃が容易になる。これにより、油圧モータ1のメンテナンスの作業性をさらに向上させることができる。
しかしながら上記構成によれば、油圧モータ1の駆動が停止した場合、第2流路62内の油に含まれる異物の少なくとも一部は、弁体71と支持部材73との間に位置する上記空間部Gに沈殿する。この空間部Gは、弁体71と略水平方向に並ぶ。このため、空間部Gに沈殿した異物は、チェック弁70が再び開かれたタイミングでも、重力の影響を受けにくく、第1流路61に入りにくい。これにより、ケーシング11の内部の部品の長寿命化をさらに図ることができる。
次に、図3を参照して、第2の実施形態の油圧モータ1を説明する。
本実施形態は、ドレン通路60が第2流路62を有しない点で、第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態のその他の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。そのため、第1の実施形態と同様の部分の説明は省略する。
弁体71は、第1部分91aと第2部分91bとの境界部91cに接して第1流路61を閉じる第1位置と、境界部91cから離れて外部に向かう油の流れを許容する第2位置との間で移動可能である。
Claims (3)
- 圧油の供給ポートおよび排出ポートが設けられたケーシングと、
前記ケーシングに対して回転可能に支持された出力軸と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記供給ポートおよび前記排出ポートを介して圧油が供給および排出されることで、前記出力軸を回転させる動力発生部と、
を備え、
前記ケーシングは、前記ケーシングの内部に開口して前記出力軸の周面に面する開口部を有するとともに前記開口部から前記出力軸の径方向に延びた第1流路と、前記第1流路とは交差した方向に前記第1流路から延びた第2流路とを含み、前記ケーシングの内部でコンタミネーションが生じた油を前記ケーシングの外部に向けて案内可能なドレン通路を有し、
前記ドレン通路には、前記ケーシングの内部の油が前記ケーシングの外部に向けて流れようとする場合に前記油の流れを許容するとともに、前記ケーシングの内部から前記ケーシングの外部に向かう油の流れが停止する場合に前記ドレン通路を閉じるチェック弁が設けられ、
前記チェック弁は、前記第1流路と前記第2流路との接続部に設けられ、前記ドレン通路の入口と出口との圧力差に加えて前記出力軸の回転によって油に与えられた遠心力が作用し前記出力軸の径方向に沿って進退することで前記第1流路を開閉可能である弁体と、前記弁体を支持するとともに前記出力軸の径方向に沿って弾性変形可能な弾性部材とを有した、
油圧モータ。 - 圧油の供給ポートおよび排出ポートが設けられたケーシングと、
前記ケーシングに対して回転可能に支持された出力軸と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記供給ポートおよび前記排出ポートを介して圧油が供給および排出されることで、前記出力軸を回転させる動力発生部と、
を備え、
前記ケーシングは、前記ケーシングの内部に開口するとともに油圧モータの設置状態において略水平方向に延びた第1流路と、前記設置状態において前記第1流路から上方に向けて延びた第2流路とを含み、前記ケーシングの内部でコンタミネーションが生じた油を前記ケーシングの外部に向けて案内可能なドレン通路を有し、
前記ドレン通路には、前記ケーシングの内部の油が前記ケーシングの外部に向けて流れようとする場合に前記油の流れを許容するとともに、前記ケーシングの内部から前記ケーシングの外部に向かう油の流れが停止する場合に前記ドレン通路を閉じるチェック弁が設けられ、
前記チェック弁は、前記第1流路を開閉可能な弁体と、前記弁体を支持するとともに弾性変形可能な弾性部材と、前記弾性部材を支持する支持部材とを含み、
前記ケーシングは、前記第1流路の延長線上に設けられ、前記支持部材の少なくとも一部を収容するとともに、前記支持部材が前記ケーシングから取り外されると前記ケーシングの外部に開口する収容部を有し、前記支持部材が前記ケーシングから取り外された場合に、重力によって前記第2流路の下方に沈殿した異物が前記収容部を通じて前記ケーシングの外部から清掃可能である、
油圧モータ。 - 前記第1流路と前記第2流路との接続部は、前記第2流路の下方に位置して前記第2流路内の油に含まれる異物が沈殿可能な空間部を有し、前記空間部は、前記弁体が前記第1流路を閉じた状態で、前記弁体に対して前記第1流路とは反対側において前記弁体と略水平方向に並ぶ、
請求項2に記載の油圧モータ。
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