JP6617872B2 - 車両のサイドエアバッグ装置 - Google Patents
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Description
サイドエアバッグ装置の多くは、シートを構成するシートバックの側部に、インフレータと折り畳んだサイドエアバッグとを収納した構造が用いられる。つまり、側面衝突が生ずると、折り畳まれたサイドエアバッグが、インフレータから発生するガスにより、乗員と車室内の壁面(ドアの側部)との隙間で展開し、シート上の乗員を保護する。
一般的に、エアバッグには標準的な体格の乗員に合わせた展開形状が用いられる場合が多く、乗員の体格によっては、エアバッグの保護性能が十分に発揮できないおそれがある。
すなわち、乗員の耐性は、体格によって異なり、大柄な乗員が比較的耐性が強いのに対して、小柄な乗員は大柄な乗員に比べて耐性が低いことが知られている。一方、乗員と車室内の壁面との隙間は、エアバッグが展開された後も壁面の侵入により狭くなるためエアバッグの反力が展開初期よりも高くなる傾向にある。そのため、隙間が広い小柄な乗員の場合に、上記特許文献1のようにエアバッグの展開幅(厚み)を単純に大きくしてしまうと比較的耐性の低い小柄乗員に対してエアバッグの反力が高くなってしまうおそれがある。このため、乗員の体格によっては、保護性能が十分に発揮できない可能性があり、改善の余地があった。
図1は、本発明を適用したサイドエアバッグ装置を、同装置を搭載した車両の一部と共に示している。
図1において、1は車体、3は同車体1内に形成された車室内、5は車体1の側部に設けられた乗降口、7は乗降口5を開閉するフロントドア(本願の車室内の壁面に相当)、9はフロントドア7と隣接して車室内3のフロア4に据え付けられたフロントシート(本願のシートに相当)である。
サイドエアバッグ装置11は、所定の大きさに折り畳んだエアバッグ13と、同エアバッグ13をガスで膨張させるインフレータ15とを有している。インフレータ15は、図示はしないが側面衝突を検出する衝突センサに接続されている。つまり、衝突センサにて側面衝突が検出されると、インフレータ15が作動し、発生するガスがエアバッグ13に供給される。これにより、折り畳まれたエアバッグ13は、図1中の二点鎖線に示されるように初期として乗員Mとフロントドア7の内面(車室内の壁面)との間の隙間へ侵入し、続いて初期のエアバッグ13が隙間において車幅方向に展開される。
このエアバッグ13に、乗員Mの体格に応じ、乗員Mに加わるエアバッグ反力(以下、反力という)が可変されるようにした工夫が施されている。同工夫は、エアバッグ13に、エアバッグ13の幅方向の一部をエアバッグ内側に折り重ねる構造とベント構造を加えて、エアバッグ13が所定幅以上の展開幅(大柄乗員以上)に展開するとき、エアバッグ13の容積を拡大しつつエアバッグ13内の圧力が外部に抜け出る構造にしたものである。
側面衝突が衝突センサ(図示しない)にて検出されると、エアバッグ装置11はインフレータ15が作動され、発生するガスがエアバッグ13へ供給される。これにより、シートバック9bに収められたエアバッグ13は、まず図1中の二点鎖線のようにシートバック9bから乗員Mの肩部m横の隙間、すなわち乗員Mの胸部とフロントドア7の内面(車室内の壁面)との間の隙間へ侵入する。続いてエアバッグ13は、乗員Mの胸部とフロントドア7の内面との隙間を埋めるよう車幅方向へ展開する。
これに対しエアバッグ13の、縫合部cが縫合された状態で規定される車幅方向の展開幅は、乗員Mの胸部とフロントドア7の内面との間の隙間δ1よりも大きく設定されている。このため、図5に示されるようにエアバッグ13は、所定幅以下に展開幅が規制され、縫合部cに作用する車幅方向での引っ張り力が抑制された状態で展開される。よって、エアバッグ13は、所定幅以上に開かず内部に折り部23を収めたまま展開(車幅方向)されて、乗員Mの胸部とフロントドア7の内面との間の隙間δ1を埋める。
このため、エアバッグ13は、先の大柄な乗員のときよりも大きな展開幅(車幅方向)で展開しようとする。つまり、エアバッグ13は、所定幅以上の展開幅で展開が可能となる。したがって、小柄な乗員Mの場合、エアバッグ13が展開され、展開幅が所定幅まで展開されると縫合部cに車幅方向での引っ張り力が作用される。
これにより、小柄な乗員Mが着座しているときのエアバッグの反力は、大柄な乗員Mが着座しているときよりも低くなる。つまり、エアバッグの反力は、耐性の低い乗員Mにより適切なものとなる。
それ故、サイドエアバッグ装置11は、乗員Mの耐性に適した乗員保護能力が発揮できる。
9 フロントシート(シート)
11 サイドエアバッグ装置
13 エアバッグ
19 内側基布
21 外側基布
21a 下側の基布
21b 上側の基布
23 折り部
25 内ベントホール(ベントホール)
c 縫合部(固定部、折り縫合部)
Claims (3)
- シートに着座した乗員と車室内の壁面との間でエアバッグを展開させるサイドエアバッグ装置であって、
展開前の前記エアバッグは、
エアバッグの幅方向におけるエアバッグ部分の一部をエアバッグの内側に折り重ねた折り部と、
前記折り部の折り重ねた基端側同士を解除可能に固定する固定部と、
前記折り部の折り重ねた部分に設けられたベントホールと、を有し、
前記エアバッグは、前記シートに着座した乗員側の内側基布の外周部と、上側と下側に分かれた基布とを縫合した前記車室内の壁面側の外側基布の外周部とを縫合して形成され、
前記折り部は、外側基布の上下に分かれた基布の縫合部分をエアバッグの内側に折り込み上側および下側の基布を折り重ねて形成され、
前記固定部は、前記折り重ねた基布の基端側同士を、前記上側および下側の基布を縫合した縫合部分、前記内側基布と外側基布とを縫合した縫合部分より小さい縫合力で縫い合わせた折り縫合部で形成され、
前記ベントホールは、前記折り縫合部と、前記上側および下側の基布を縫合した縫合部分との間の基布部分に設けられ、
前記折り縫合部の固定は、前記エアバッグが所定幅以上の展開幅に展開するとき解除され、前記ベントホールを外部に露呈させる
ことを特徴とする車両のサイドエアバッグ装置。 - 前記折り部は、前記エアバッグの上部をなすエアバッグ部分に有することを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
- 前記固定部は、標準体格より小さい体格の乗員が前記シートに着座したときの当該乗員の肩部近辺の高さ位置に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両のサイドエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
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JP2015211888A JP6617872B2 (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 車両のサイドエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015211888A JP6617872B2 (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 車両のサイドエアバッグ装置 |
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JP2017081414A JP2017081414A (ja) | 2017-05-18 |
JP6617872B2 true JP6617872B2 (ja) | 2019-12-11 |
Family
ID=58711524
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2015211888A Active JP6617872B2 (ja) | 2015-10-28 | 2015-10-28 | 車両のサイドエアバッグ装置 |
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JP (1) | JP6617872B2 (ja) |
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WO2019031110A1 (ja) * | 2017-08-10 | 2019-02-14 | オートリブ ディベロップメント エービー | サイドエアバッグ装置 |
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2015
- 2015-10-28 JP JP2015211888A patent/JP6617872B2/ja active Active
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JP2017081414A (ja) | 2017-05-18 |
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