JP6615667B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排ガス処理装置に関する。更に詳しくは、2つのセル構造を有するハニカム構造体を備え、圧損の悪化を抑制しつつ、ハニカム構造体の外周部分に良好に排ガスを流すことが可能な排ガス処理装置に関する。
従来、自動車等のエンジンから排出される排ガス中に含まれるHC、CO、NOx等の有害物質の浄化処理のため、ハニカム構造体に触媒を担持したものが使用されている。
ハニカム構造体は、排ガスの流路となり複数のセルを区画形成する隔壁を有する柱状の構造体である。このようなハニカム構造体は、セルの延びる方向に直交する面において、複数のセルが、所定の周期で規則的に配列したセル構造を有している。従来は、1つのハニカム構造体において、上記面内のセル構造は、1種類であったが、近年、排ガス浄化効率の向上等を目的として、上記面内に、2種類以上のセル構造を有するハニカム構造体が提案されている。例えば、セルの延びる方向に直交する面の、中央部分と外周部分において、セル密度やセル形状を異ならせることにより、上記面内に、2種類以上のセル構造を有するハニカム構造体が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
特開2002−177794号公報 特開2008−018370号公報 特開2000−097019号公報
従来、ハニカム構造体を用いた排ガス処理装置として、金属製の缶体内にハニカム構造体を収納した排ガス処理装置が提案されている。特許文献1〜3に記載されたようなハニカム構造体も、上記のような金属製の缶体内に収納され、自動車等から排出される排ガスを浄化するための排ガス処理装置として利用されている。
2つの異なるセル構造を有するハニカム構造体は、ハニカム構造体中の排ガスの流れ易さが、全体が均一なセル構造を有するハニカム構造体とは異なることから、従来の排ガス処理装置用の缶体をそのまま使用すると、圧損等が著しく悪化することがあった。例えば、2つの異なるセル構造を有するハニカム構造体は、中央セル構造を構成するセルの水力直径を、外周セル構造を構成するセルの水力直径より低くした場合、ハニカム構造体の外周部分において、排ガスがより流れ易くなる。しかしながら、このようなハニカム構造体は、その全体が均一なセル構造を有するハニカム構造体と比較して、排ガス処理装置の圧損が悪化し易いという問題があった。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものである。本発明は、2つのセル構造を有するハニカム構造体を備え、圧損の悪化を抑制しつつ、ハニカム構造体の外周部分に良好に排ガスを流すことが可能な排ガス処理装置を提供する。
本発明によれば、以下に示す排ガス処理装置が提供される。
[1] 流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、前記ハニカム構造体をその内部に収納した缶体と、を備え、前記ハニカム構造体は、前記ハニカム構造体の軸方向の中央寄りに形成された前記セルによって構成された柱状の中央セル構造と、前記中央セル構造よりも外側の外周部分に形成された前記セルによって構成された外周セル構造と、を有し、且つ、前記中央セル構造と前記外周セル構造とが異なる構造のセル構造であり、前記缶体は、前記ハニカム構造体を内部に収納した筒状の胴部と、前記胴部の流入側の端部に配置され、前記胴部の流入側の端部から上流側に向かうにつれて、その径が小さくなるように構成された流入テーパー部と、前記流入テーパー部の上流側端部に配設された流入配管と、を有し、前記流入配管の内径[mm]をd1とし、前記胴部の内径[mm]をd2とし、前記流入テーパー部を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角[°]をθ1とし、前記ハニカム構造体の前記中央セル構造の直径[mm]をr1とし、前記ハニカム構造体の直径[mm]をr2とし、下記式(1)〜式(4)を満たすように構成された、排ガス処理装置。
式():0.31≦r1/r2≦0.73
式():d1/d2≧0.59
式():θ1≦48
式():(d1/r2)>0.10
] 前記ハニカム構造体は、前記中央セル構造と前記外周セル構造との境界部分に配設された境界壁、を更に有する、前記[1]に記載の排ガス処理装置。
] 前記ハニカム構造体は、前記中央セル構造と前記外周セル構造との境界部分が、連続する又は不連続な前記隔壁によって構成されたものである、前記[1]に記載の排ガス処理装置。
] 前記中央セル構造を構成する前記セルの水力直径が、前記外周セル構造を構成する前記セルの水力直径よりも小さい、前記[1]〜[]のいずれかに記載の排ガス処理装置。
] 前記中央セル構造のセル密度が、前記外周セル構造のセル密度よりも大きい、前記[1]〜[]のいずれかに記載の排ガス処理装置。
] 前記中央セル構造における前記セルの繰り返し単位の配列方向が、前記外周セル構造における前記セルの繰り返し単位の配列方向に対して、0°を超え、60°未満傾いている、前記[1]〜[]のいずれかに記載の排ガス処理装置。
本発明の排ガス処理装置は、2つのセル構造を有するハニカム構造体を備え、圧損の悪化を抑制しつつ、ハニカム構造体の外周部分に良好に排ガスを流すことができるという効果を奏するものである。したがって、本発明の排ガス処理装置は、ハニカム構造体の外周部分が排ガスの浄化に有効に利用されるため、排ガス処理装置の浄化性能の向上を図ることができる。
本発明の排ガス処理装置の一の実施形態を、排ガスの流れ方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。 図1に示す排ガス処理装置を模式的に示す斜視図である。 図1に示す排ガス処理装置に用いられるハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。 図3に示すハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。 図4のX−X’断面を模式的に示す、断面図である。 本発明の排ガス処理装置の他の実施形態に用いられるハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。 図6の符号Pで示される破線で囲われた範囲を拡大した、拡大平面図である。 図6の符号Pで示される破線で囲われた範囲を拡大した、拡大平面図であり、中央セル構造の直径[mm]の測定方法を説明するための図である。 本発明の排ガス処理装置の更に他の実施形態に用いられるハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施形態に対し適宜変更、改良等が加えられ得ることが理解されるべきである。
(1)排ガス処理装置:
本発明のハニカム構造体の一の実施形態は、図1及び図2に示すような排ガス処理装置100である。排ガス処理装置100は、ハニカム構造体4と、ハニカム構造体4をその内部に収納した缶体21と、を備えたものである。ここで、図1は、本発明の排ガス処理装置の一の実施形態を、排ガスの流れ方向に平行に切断した断面を模式的に示す断面図である。図2は、図1に示す排ガス処理装置を模式的に示す斜視図である。図3は、図1に示す排ガス処理装置に用いられるハニカム構造体を模式的に示す斜視図である。図4は、図3に示すハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。図5は、図4のX−X’断面を模式的に示す、断面図である。
ハニカム構造体4は、流入端面11から流出端面12まで延びる複数のセル2を区画形成する多孔質の隔壁1を有するものである。ハニカム構造体4は、柱状を呈している。図3〜図5に示すように、ハニカム構造体4は、ハニカム構造体4の軸方向の中央寄りに形成されたセル2aによって構成された柱状の中央セル構造15と、中央セル構造15よりも外側の外周部分に形成されたセル2bによって構成された外周セル構造16と、を有する。そして、このハニカム構造体4は、中央セル構造15と外周セル構造16とが異なる構造のものである。
ハニカム構造体4は、隔壁1を囲繞するように配設された外周壁3を有している。また、ハニカム構造体4は、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分に境界壁8を有していてもよい。
本発明において、中央セル構造15とは、ハニカム構造体の端面の中心に存在するセル2を少なくとも含むセル構造である。一方で、外周セル構造16とは、中央セル構造15を構成するセル2aの外側に存在するセル2bによって構成されたセル構造のことである。図3〜図5に示すようなハニカム構造体4においては、中央部分と外周部分の隔壁1の厚さやセル密度等を確認することにより、中央セル構造15と外周セル構造16とを特定することができる。
本発明において、「セル構造」とは、セル2の延びる方向に直交する面において、隔壁1によって区画されたセル2の1個、又は複数個のセル2の組み合わが、1つの繰り返し単位となり、その繰り返し単位の集合によって形成される構造のことをいう。例えば、同一セル形状のセルが、上記面において規則的に配列している場合、同一セル形状のセルの存在する範囲が、1つのセル構造となる。また、異なるセル形状のセルであっても、複数個のセルの組み合わせが1つの繰り返し単位となる場合には、その繰り返し単位が存在する範囲が、1つのセル構造となる。
本発明において、2つのセル構造が「異なる構造」であるとは、2つのセル構造を比較した場合に、隔壁厚さ、セル密度、セル形状のいずれか1つが異なることを意味する。ここで、「隔壁厚さが異なる」とは、2つのセル構造の隔壁厚さを比較した場合に、15μm以上の差を有することをいう。また、「セル密度が異なる」とは、2つのセル構造のセル密度を比較した場合に、5個/cm以上の差を有することをいう。
図1及び図2に示すように、缶体21は、ハニカム構造体4をその内部に収納し、排ガス処理装置100の筐体となるものである。缶体21は、その構成要素として、胴部22、流入テーパー部31、及び流入配管33を少なくとも有している。また、図1及び図2に示す缶体21は、流出テーパー部32、及び流出配管34を更に有している。なお、図1において、符号41で示す側が、缶体21の上流側、別言すれば、流入側であり、符号42で示す側が、缶体21の下流側、別言すれば、流出側である。
胴部22は、ハニカム構造体4をその内部に収納するための部位であり、筒状を呈している。胴部22の排ガスの流れ方向に直交する断面の形状は、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。更に、胴部22の流路方向に直交する断面の形状は、四角形以上の多角形であってもよい。胴部22とハニカム構造体4との間には、ハニカム構造体4を把持して胴部22内に固定するための把持材35が配設されていることが好ましい。把持材35としては、例えば、セラミック繊維製マット等を挙げることができる。
流入テーパー部31は、胴部22の流入側の端部に配置され、胴部22の流入側の端部から上流側に向かうにつれて、その径が小さくなるように構成されたものである。流入テーパー部31は、通常、錐台形状を呈している。例えば、胴部22の排ガスの流れ方向に直交する断面が円形の場合には、流入テーパー部31は、円錐台形状を呈するものとなる。
流入配管33は、錐台形状の流入テーパー部31の上流側端部に配設され、処理対象の排ガスを排ガス処理装置100内に導入するための配管である。流入配管33の排ガスの流れ方向に直交する断面の形状は、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。更に、流入配管33の流路方向に直交する断面の形状は、四角形以上の多角形であってもよい。
本実施形態の排ガス処理装置100は、下記式(1)〜式(4)を満たすように構成されていることを特徴とする。ここで、下記式(1)〜式(4)において、d1,d2,θ1,r1,r2は、以下の通りである。d1は、缶体21の流入配管33の内径[mm]を示す。d2は、缶体21の胴部22の内径[mm]を示す。θ1は、缶体21の流入テーパー部31を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角[°]を示す。r1は、ハニカム構造体4の中央セル構造15の直径[mm]を示す。r2は、ハニカム構造体の直径[mm]を示す。なお、d1,d2,θ1,r1,r2の上記説明において、大括弧内に示される単位は、それぞれの値の単位を示している。
式(1):0.26≦r1/r2≦0.95
式(2):d1/d2≧0.50
式(3):θ1<120
式(4):(d1/r2)>0.10
本実施形態の排ガス処理装置100は、上記式(1)〜式(4)を満たすように構成されることにより、圧損の悪化を抑制しつつ、ハニカム構造体4の外周部分を構成する外周セル構造16に良好に排ガスを流すことができる。したがって、本実施形態の排ガス処理装置100は、ハニカム構造体4の外周セル構造16が排ガスの浄化に有効に利用されるため、排ガス処理装置100の浄化性能の向上を図ることができる。
上記式(1)を満たすことにより、低圧損、且つハニカム構造体4の外周セル構造16に流れる排ガスの流量が増加し、浄化性能向上の効果を奏するものとなる。上記式(2)を満たすことにより、低圧損の効果を奏するものとなる。上記式(3)を満たすことにより、低圧損の効果を奏するものとなる。上記式(4)を満たすことにより、ハニカム構造体4の外周セル構造16に流れる排ガスの流量が増加し、浄化性能向上の効果を奏するものとなる。
流入配管33の内径[mm]を示すd1は、円錐台形状の流入テーパー部31において接続される流入配管33の内径[mm]とする。なお、流入配管33の断面形状が円形でない場合には、流入配管33の断面積と同じ面積の円における内径[mm]を、流入配管33の内径[mm]とする。ただし、本実施形態の排ガス処理装置100において、流入配管33の断面形状は、円形であることが好ましい。
胴部22の内径[mm]を示すd2は、筒状の胴部22の中心軸に直交する断面における、胴部22の内径[mm]とする。なお、筒状の断面形状が円形でない場合には、筒状の断面積と同じ面積の円における内径[mm]を、筒状の内径[mm]とする。ただし、本実施形態の排ガス処理装置100において、筒状の胴部22の中心軸に直交する断面形状は、円形であることが好ましい。
流入テーパー部31を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角[°]を示すθ1は、流入テーパー部31を構成する斜面を仮想的に延長した円錐における、2つの斜面のなすテーパー角[°]のことを意味する。すなわち、テーパー角θ1は、流入テーパー部31を構成する斜面を仮想的に延長した円錐の、当該円錐の垂線を含む断面における、2つの斜面のなす角度[°]のことを意味する。なお、本実施形態の排ガス処理装置100において、流入テーパー部31は、直円錐台形状であることが好ましい。すなわち、流入テーパー部31を構成する斜面を仮想的に延長した円錐は、「直円錐」であることが好ましい。
中央セル構造15の直径[mm]を示すr1は、以下のようにして求めることができる。まず、図3〜図5に示すように、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分に境界壁8を有する場合には、境界壁8よりも内側の中央セル構造15の、セル2の延びる方向に直交する面の直径[mm]とする。セル2の延びる方向に直交する面において、中央セル構造15の形状が円形でない場合には、境界壁8に内接する円の直径[mm]を、「中央セル構造15の直径[mm]」とする。
また、図6に示すハニカム構造体104のように、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分に境界壁8を有しない場合には、中央セル構造15の直径[mm]を示すr1を、以下のようにして求める。ここで、図6は、本発明の排ガス処理装置の他の実施形態に用いられるハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。図6に示すハニカム構造体104は、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分に境界壁8(図3参照)を有しないこと以外は、図3〜図5に示すハニカム構造体4と同様に構成されている。
ハニカム構造体104の中央セル構造の直径[mm]は、ハニカム構造体104の流入端面11又は流出端面(図示せず)を撮像装置により撮像し、撮像した画像を画像解析することによって求めることができる。そして、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分に、その境界を区画する境界壁8(例えば、図3参照)が存在しない場合には、以下のようにして、中央セル構造15と外周セル構造16との境界を規定する。まず、ハニカム構造体104の流入端面11を撮像装置により撮像し、図7に示すような画像を得る。図7においては、ハニカム構造体104の中央部分に、中央セル構造15が存在している。中央セル構造15は、セル形状が四角形のセル2aを繰り返し単位となり、このセル2aが、図7の紙面の縦方向及び横方向に均等に配列することによって構成されている。また、図7においては、ハニカム構造体104の外周部分に、外周セル構造16が存在している。外周セル構造16は、中央セル構造15のセル2aよりもセル形状が大きな四角形のセル2bが、図7の紙面の縦方向及び横方向に均等に配列することによって構成されている。そして、ハニカム構造体104は、中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分が、連続する又は不連続な隔壁1によって構成されている。例えば、図7においては、中央セル構造15と外周セル構造16との境界付近に、セル2a及びセル2bとはセル形状の異なり、特定の繰り返し単位にはなり得ない「不定形なセル」が存在している。このような場合には、以下に示す方法によって、中央セル構造15と外周セル構造16との境界を規定する。
ここで、図7は、図6の符号Pで示される破線で囲われた範囲を拡大した、拡大平面図である。図8は、図6の符号Pで示される破線で囲われた範囲を拡大した、拡大平面図であり、中央セル構造の直径[mm]の測定方法を説明するための図である。中央セル構造15と外周セル構造16との境界を規定する際には、ハニカム構造体104の流入端面11又は流出端面(図示せず)を撮像装置により撮像した画像を画像解析することによって規定する。具体的には、まず、撮像した画像において、図8に示すように、特定の外周セル構造16のセル2bを抽出する。抽出する「特定の外周セル構造16のセル2b」は、中央セル構造15のセル2aに対して隔壁1を挟んで隣接するセル2bであり、且つ、外周セル構造16の繰り返し単位を構成する完全セルとする。ここで、「完全セル」とは、セル2の周囲の全てが隔壁1によって区画されたセル2であり、ハニカム構造体104におけるセル構造を構成するセル2のことをいう。中央セル構造15と外周セル構造16との境界部分においては、連続する又は不連続な隔壁1によって、ハニカム構造体104におけるセル構造を構成しない「不定形なセル」が部分的に存在することがある。上記したように、「特定の外周セル構造16のセル2b」を抽出する際には、セル構造を構成しない「不定形なセル」を除いて扱うこととする。
次に、抽出した「特定の外周セル構造16のセル2b」のそれぞれの重心を求める。図8において、外周セル構造16のセル2bのそれぞれの重心を、黒丸で示している。次に、撮像した画像に対して、外周セル構造16のセル2bのそれぞれの重心を直線で結び、この直線で結んだ形状に対して、最大内接円18を描写する。そして、この最大内接円18の直径を、中央セル構造15の直径[mm]とする。このような画像解析は、例えば、ニコン社製の商品名「NEXIV、VMR−1515」の画像処理ソフトを用いて行うことができる。
セルの延びる方向に直交する面における、それぞれのセルの形状については特に制限はない。例えば、中央セル構造及び外周セル構造を構成するセルの形状としては、三角形、四角形、六角形、八角形などの多角形を挙げることができる。また、中央セル構造及び外周セル構造を構成するセルは、それぞれのセル構造内において、一のセルと、他のセルとで、その形状が異なっていてもよい。
図1及び図2に示す排ガス処理装置100において、ハニカム構造体4の直径[mm]を示すr2は、ハニカム構造体4のセルの延びる方向に直交する面における直径[mm]のことを意味する。なお、ハニカム構造体4のセルの延びる方向に直交する面が円形でない場合には、ハニカム構造体4のセル2の延びる方向に直交する面において、当該面の中心を通過する径のうち、最も小さい直径を、ハニカム構造体4の直径[mm]とする。本実施形態の排ガス処理装置100において、ハニカム構造体4のセルの延びる方向に直交する面の形状は、特に制限はなく、円形であってもよいし、楕円形であってもよい。更に、ハニカム構造体4のセルの延びる方向に直交する面の形状は、四角形以上の多角形であってもよい。ただし、ハニカム構造体4のセルの延びる方向に直交する面の形状は、円形であることが好ましい。
上記式(2)において、「d1/d2」の上限値については特に制限はないが、例えば、1.00>d1/d2であることが好ましい。「d1/d2」の値が、1.00以上であると、流入配管33の内径d1[mm]が大きくなり過ぎてしまうことがある。
上記式(3)において、「θ1」の下限値については特に制限はないが、例えば、10≦θ1であることが好ましい。流入テーパー部31のテーパー角θ1が10°未満であると、流入テーパー部31の対向する斜面が平行に近づき過ぎて、式(4)を満たす場合には、缶体21がる流路方向に巨大なものとなってしまうことがある。
上記式(4)において、(d1/r2)の上限値については特に制限はないが、例えば、1.00>(d1/r2)であることが好ましい。(d1/r2)の値が、1.00以上であると、流入配管33の内径d1[mm]が、ハニカム構造体4の直径r2[mm]に比して大きくなり過ぎることがある。
本実施形態の排ガス処理装置100は、下記式(5)〜式(8)を満たすように構成されていることが好ましい。ここで、下記式(5)〜式(8)において、d1,d2,θ1,r1,r2は、これまでに説明した通りである。
式(5):0.31≦r1/r2≦0.73
式(6):d1/d2≧0.59
式(7):θ1≦48
式(8):(d1/r2)>0.10
本実施形態の排ガス処理装置100は、上記式(5)〜式(8)を満たすように構成されることにより、圧損の悪化を更に抑制しつつ、ハニカム構造体4の外周部分を構成する外周セル構造16に更に良好に排ガスを流すことができる。
本実施形態の排ガス処理装置100に用いられる缶体21は、流出テーパー部32、及び流出配管34を更に有している。缶体21の流出配管34の内径[mm]を、d3とし、缶体21の流出テーパー部32を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角[°]を、θ2とした場合に、下記式(9)〜式(11)を満たすことが好ましい。更に、下記式(12)〜式(14)を満たすことがより好ましい。また、流出テーパー部32、及び流出配管34は、缶体21の排ガスの流れ方向に直交する対象軸に対して、流入テーパー部31、及び流入配管33と線対称に構成されていてもよい。
式(9):d3/d2≧0.50
式(10):θ2<120
式(11):(d3/r2)>0.10
式(12):d3/d2≧0.59
式(13):θ2≦48
式(14):(d3/r2)>0.10
本実施形態の排ガス処理装置において、ハニカム構造体は、中央セル構造を構成するセルの水力直径が、外周セル構造を構成するセルの水力直径よりも小さいことが好ましい。このように構成することによって、セルの延びる方向に直交する面において、排ガスを外周セル構造に流入させ易くすることができ、ハニカム構造体と排ガスを効率よく接触させて浄化できる点で好ましい。
中央セル構造を構成するセルの水力直径は、0.96〜1.16mmであることが好ましく、0.99〜1.12mmであることが特に好ましい。そして、中央セル構造を構成するセルの水力直径と、外周セル構造を構成するセルの水力直径とを比較した場合には、以下の関係を満たすことが好ましい。すなわち、中央セル構造を構成するセルの水力直径の値が3〜11%大きいことが好ましく、3〜5%大きいことが特に好ましい。中央セル構造を構成するセルの水力直径は、セルの延びる方向に直交する面における中央セル構造を構成する各セルの断面(別言すれば、各セルの流路断面)と等価な円管の直径である。
本実施形態の排ガス処理装置において、ハニカム構造体は、中央セル構造のセル密度が、外周セル構造のセル密度よりも大きいことが好ましい。このように構成することによって、セルの延びる方向に直交する面において、排ガスを外周のセルに流入させ易くすることができ、ハニカム構造体と排ガスを効率よく接触させて浄化できる点で好ましい。
中央セル構造におけるセル密度は、46〜93個/cmであることが好ましく、62〜93個/cmであることが特に好ましい。中央セル構造におけるセル密度が46個/cm未満であると、ハニカム構造体の強度を確保できないことや、排ガスを外周に流入させることが難しいことがある。また、中央セル構造におけるセル密度が93個/cmを超えると、ハニカム構造体の圧損が増大することや、触媒を担持した場合に、担持した触媒によってセルの目詰まりが発生することがある。
外周セル構造におけるセル密度は、15〜84個/cmであることが好ましく、46〜78個/cmであることが特に好ましい。外周セル構造におけるセル密度が15個/cm未満であると、ハニカム構造体の強度が不足することがある。また、外周セル構造におけるセル密度が84個/cmを超えると、ハニカム構造体の圧損が増大することや、触媒を担持した場合に、担持した触媒によってセルの目詰まりが発生することがある。
中央セル構造における隔壁の厚さは、0.05〜0.31mmであることが好ましく、0.05〜0.18mmであることが特に好ましい。中央セル構造における隔壁の厚さが薄すぎると、ハニカム構造体の強度が確保できないことや、排ガスを外周に流入させることが難しくなる点で好ましくない。中央セル構造における隔壁の厚さが厚すぎると、ハニカム構造体の圧損が増大することや、触媒を担持した場合に、担持した触媒によってセルの目詰まりが発生する点で好ましくない。
外周セル構造における隔壁の厚さは、0.05〜0.28mmであることが好ましく、0.05〜0.10mmであることが特に好ましい。外周セル構造における隔壁の厚さが薄すぎると、ハニカム構造体の強度が確保できないことや、排ガスを外周に流入させることが難しくなる点で好ましくない。外周セル構造における隔壁の厚さが厚すぎると、ハニカム構造体の圧損が増大することや、触媒を担持した場合に、担持した触媒によってセルの目詰まりが発生する点で好ましくない。
外周壁の厚さは、0.1〜0.7mmであることが好ましく、0.3〜0.5mmであることが特に好ましい。外周壁の厚さが薄すぎると、ハニカム構造体全体の機械的強度が低下してしまう点で好ましくない。外周壁の厚さが厚すぎると、ハニカム構造体のセルの開口面積が減少し、圧損が増大することがある点で好ましくない。
隔壁の材料が、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、主成分は酸化物又は非酸化物の各種セラミックスや金属等であることが好ましい。具体的には、セラミックスとしては、例えば、コージェライト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化珪素、窒化珪素、及びチタン酸アルミニウムから構成される材料群より選択された少なくとも1種を含む材料からなることが好ましい。金属としては、Fe−Cr−Al系金属及び金属珪素等が考えられる。これらの材料の中から選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが好ましい。高強度、高耐熱性等の観点から、アルミナ、ムライト、チタン酸アルミニウム、コージェライト、炭化珪素、及び窒化珪素から構成される材料群より選ばれた1種又は2種以上を主成分とすることが特に好ましい。また、高熱伝導率や高耐熱性等の観点からは、炭化珪素又は珪素−炭化珪素複合材料が特に適している。ここで、「主成分」とは、その成分中に、50質量%以上、好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上存在する成分のことを意味する。
境界壁の材料は、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、主成分は酸化物又は非酸化物の各種セラミックスや金属等であることが好ましい。なお、境界壁の材料は、隔壁の材料と同じものであることが好ましい。
外周壁の材料は、強度、耐熱性、耐久性等の観点から、主成分は酸化物又は非酸化物の各種セラミックスや金属等であることが好ましい。なお、外周壁の材料は、隔壁の材料と同じものであることが好ましい。本実施形態のハニカム構造体は、隔壁、境界壁、及び外周壁が、一度の押出成形によって形成された一体成形品であることが特に好ましい。
ハニカム構造体の全体形状については特に制限はない。本実施形態のハニカム構造体の全体形状は、流入端面及び流出端面の形状が、円形、又は楕円形であることが好ましく、特に、円形であることが好ましい。また、ハニカム構造体の大きさは、特に限定されないが、流入端面から流出端面までの長さが、47〜483mmであることが好ましい。また、ハニカム構造体の全体形状が円柱状の場合、ハニカム構造体の端面の直径r2が、55〜457mmであることが好ましい。
本実施形態の排ガス処理装置は、内燃機関から排出される排ガスを浄化するための排ガス処理装置として好適に用いることができる。本実施形態の排ガス処理装置に用いられるハニカム構造体は、隔壁の表面及び隔壁の細孔のうちの少なくとも一方に、排ガス浄化用の触媒が担持されたものであってもよい。
次に、本発明の排ガス処理装置の更に他の実施形態について、図9を参照しつつ説明する。図9は、本発明の排ガス処理装置の更に他の実施形態に用いられるハニカム構造体の流入端面を模式的に示す平面図である。本実施形態の排ガス処理装置は、ハニカム構造体として、図9に示すようなハニカム構造体204を備えた排ガス処理装置である。なお、排ガス処理装置の缶体については、図1及び図2に示す排ガス処理装置100の缶体21と同様に構成されたものを好適に用いることができる。本実施形態の排ガス処理装置においても、これまでに説明した式(1)〜式(4)を満たすように構成されている。
図9に示すように、ハニカム構造体204は、多孔質の隔壁1、及び隔壁1の外周を囲繞するように配設された外周壁3を備えたものである。ハニカム構造体204は、セル2の延びる方向に直交する面において、中央セル構造15と、外周セル構造16と、境界壁8と、を有する。また、中央セル構造15と外周セル構造16とが、異なる構造となっている。
ハニカム構造体204は、中央セル構造15におけるセル2aの繰り返し単位の配列方向が、外周セル構造16におけるセル2bの繰り返し単位の配列方向に対して傾いた状態となっている。すなわち、外周セル構造16におけるセル2bの繰り返し単位は、図9の紙面の横方向に配列しており、その一方で、中央セル構造15におけるセル2aの繰り返し単位は、図9の紙面の横方向に対して斜めに傾いた方向に配列している。例えば、図9に示すハニカム構造体204は、図3〜図5に示すハニカム構造体4において、中央セル構造15が、その重心を中心として、時計回り方向に45°程度回転した状態で配設されたものということができる。このように構成することによって、特定の箇所応力集中が発生することを抑制し、強度確保に効果を奏するものとなる。
図9に示すハニカム構造体204において、外周セル構造16におけるセル2bの繰り返し単位の配列方向と、中央セル構造15におけるセル2aの繰り返し単位の配列方向とのなす角の大きさについては特に制限はない。ただし、中央セル構造15におけるセル2aの繰り返し単位の配列方向が、外周セル構造16におけるセル2bの繰り返し単位の配列方向に対して傾いている場合には、0°を超え、60°未満傾いていることが好ましい。上記のような角度範囲で、セル2a,2bの繰り返し単位の配列方向を傾かせることにより、上述した効果を有効に発現させることができる。なお、上記した傾きの角度は、0°以上、59°以下であることが更に好ましい。
(2)排ガス処理装置の製造方法:
次に、本発明の排ガス処理装置を製造する方法について説明する。
まず、排ガス処理装置に用いるハニカム構造体を作製する。ハニカム構造体は、従来公知のハニカム構造体の製造方法に準じて作製することができる。具体的には、まず、ハニカム構造体を作製するための可塑性の坏土を作製する。この坏土は、例えば、原料粉末としてのセラミックス材料に、適宜、バインダ等の添加剤、及び水を添加することによって作製することができる。
次に、作製した坏土を押出成形することにより、複数のセルを区画形成する隔壁、及び最外周に配設された外周壁を有する、柱状のハニカム成形体を得る。押出成形においては、押出成形用の口金として、坏土の押出面に、成形するハニカム成形体の反転形状となるスリットが形成されたものを用いることができる。押出成形用の口金として、押出成形するハニカム成形体の中央部分と外周部分とで、セル構造が異なるようにスリットが形成されたものを用いることが好ましい。そして、ハニカム成形体を成形する際には、焼成後のハニカム構造体が、上記式(1)を満たすものとなるように、中央部分のセル構造の直径の大きさを調整する。
次に、得られたハニカム成形体を焼成することにより、ハニカム構造体を得る。ハニカム成形体を焼成する前に、得られたハニカム成形体を、例えば、マイクロ波及び熱風で乾燥してもよい。焼成温度及び焼成雰囲気は原料により異なり、当業者であれば、選択された材料に最適な焼成温度及び焼成雰囲気を選択することができる。なお、排ガス処理装置に用いるハニカム構造体を製造する方法は、これまでに説明した方法に限定されることはない。
次に、排ガス処理装置用に用いる缶体を作製する。缶体は、例えば、ステンレス等を用いて、従来公知の金属加工方法を用いて作製することができる。まず、缶体としては、ハニカム構造体を収納し保持する胴部を作製する。缶体の胴部は、その内径が一定の大きさのストレート形状のものとすることが好ましい。また、缶体の胴部は、後の工程で、その両端部をテーパー加工することにより、流入テーパー部及び流出テーパー部を作製することができるように、排ガスの流れ方向に十分な長さを確保することが好ましい。
次に、缶体の胴部の内部に、ハニカム構造体を配置する。缶体の胴部の内部にハニカム構造体を配置する際には、ハニカム構造体の外周面の周囲を、セラミック繊維製マット等の把持材で覆うことが好ましい。そして、把持材で外周面が覆われたハニカム構造体を、缶体の胴部の内部に圧入して配置することで、胴部の内部にハニカム構造体を良好に固定することができる。
次に、缶体の胴部をテーパー加工することより、流入テーパー部及び流出テーパー部を形成する。この際、流入テーパー部のテーパー角θ1が120°未満となるように、胴部の流入側の端部をテーパー加工する。テーパー加工としては、従来公知の絞り加工等を挙げることができる。また、流入テーパー部の流入側の端部には、上記式(2)及び式(4)を満たす内径d1の流入配管を接続することができるような、流入口を形成する。なお、缶体の作製方法については、上記方法に限定されることはなく、従来公知の種々の方法を用いることができる。例えば、流入テーパー部及び流出テーパー部については、成型加工等によって作製してもよい。
次に、流入テーパー部の流入口に、流入配管を接続する。また、流出テーパー部の排出口に、流出配管を接続してもよい。流入テーパー部の流入口に接続する流入配管は、その内径d1[mm]が、上記式(2)及び式(4)を満たす大きさのもとする。
(実施例1)
コージェライト化原料100質量部に、分散媒を35質量部、有機バインダを6質量部、分散剤を0.5質量部、それぞれ添加し、混合、混練して坏土を調製した。コージェライト化原料としては、アルミナ、水酸化アルミニウム、カオリン、タルク、及びシリカを使用した。分散媒としては水を使用し、造孔材としては平均粒子径1〜10μmのコークスを使用し、有機バインダとしてはヒドロキシプロピルメチルセルロースを使用し、分散剤としてはエチレングリコールを使用した。
次に、ハニカム成形体作製用の口金を用いて坏土を押出成形し、全体形状が円柱状のハニカム成形体を得た。押出成形においては、押出成形用の口金として、押出成形するハニカム成形体の中央部分と外周部分とで、セル構造が異なるようにスリットが形成されたものを用いた。
次に、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥機で乾燥し、更に熱風乾燥機で完全に乾燥させた後、ハニカム成形体の両端面を切断し、所定の寸法に整えた。
次に、乾燥したハニカム成形体を、脱脂し、焼成して、ハニカム構造体を製造した。実施例1のハニカム構造体は、端面の直径が103mmの円柱状であった。ハニカム構造体のセルの延びる方向の長さは、84mmであった。表1の「r2」の欄に、ハニカム構造体の端面の直径の値を示す。
ハニカム構造体は、セルの延びる方向に直交する面において、中央セル構造と、外周セル構造とが、異なる構造であった。ハニカム構造体の中央セル構造は、ハニカム構造体の端面において、円形状であり、その直径が27mmであった。表1の「r1」の欄に、中央セル構造の直径の値を示す。
中央セル構造は、隔壁の厚さが0.076mmであり、セル密度が93個/cmであり、セルの形状が四角形であった。外周セル構造は、隔壁の厚さが0.102mmであり、セル密度が62個/cmであり、セルの形状が四角形であった。表1の「中央セル構造」及び「外周セル構造」の欄に、それぞれのセル構造の、隔壁の厚さ、及びセル密度を示す。
得られたハニカム構造体を、ステンレス製の缶体内に収納して、実施例1の排ガス処理装置を作製した。缶体は、筒状の胴部と、流入テーパー部と、流入配管と、を有するものとした。流入配管の内径は、60mmであった。胴部の内径は、109mmであった。流入テーパー部を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角は、48°であった。表1の「d1」の欄に、流入配管の内径を示す。表1の「d2」の欄に、胴部の内径を示す。表1の「θ1」の欄に、流入テーパー部のテーパー角を示す。
また、d1,d2,r1,r2の値に基づいて、「d1/d2」、「r1/r2」、「ε=(d1/r2)」の値を求めた。結果を、表1に示す。
Figure 0006615667
(実施例2〜22)
d1,d2,r1,r2,θ1の値を、表1〜表3に示すように変更して、実施例2〜22の排ガス処理装置を作製した。以下、実施例14〜18、22を参考例14〜18、22とする。
(比較例1)
比較例1においては、セル構造が1種類のハニカム構造体を作製し、このハニカム構造体を用いて、排ガス処理装置を作製した。ハニカム構造体は、隔壁の厚さが0.102mmであり、セル密度が77.5個/cmであり、セルの形状が四角形であった。表1の「中央セル構造」の欄に、比較例1に用いたハニカム構造体の隔壁の厚さ、及びセル密度を示す。なお、上記したように、比較例1に用いたハニカム構造体は、セル構造が1種類であり、隔壁の厚さ、及びセル密度については、便宜的に「中央セル構造」の欄に記載している。比較例1においては、d1,d2,r2,θ1の値を、表1に示すよう変更して、比較例1の排ガス処理装置を作製した。
(比較例2〜18)
d1,d2,r1,r2,θ1の値を、表1〜表3に示すように変更して、比較例2〜18の排ガス処理装置を作製した。
Figure 0006615667
Figure 0006615667
実施例1〜22、及び比較例1〜18について、「Total圧損[Pa]」、及び「浄化性能(外周流速)」について、以下の方法で測定した。結果を、表4〜表6に示す。
[Total圧損[Pa]]
作製した排ガス処理装置に対して、流入配管から排ガスを流入させた。なお、排ガスを流入配管に流入させる際には、排ガスの安定性を確保するために、流入配管の断面において、ガス流速分布の均一性が90%以上となる条件で排ガスを流入させた。そして、ガス流量が10m/minとなるまで、段階的に排ガスの流量を増加させて、排ガス処理装置の流入配管側と流出配管側との圧力差を測定した。なお、上記した圧力差の測定は、以下の条件で行った。気温が25℃±5℃の環境で実施した。湿度が10%〜60%の環境で実施した。気圧が98000〜103000Paの環境で実施した。そして、流入配管と流出配管の圧力差から、TOTAL圧損[Pa]を計測した。
[浄化性能(外周流速)]
上記したTotal圧損[Pa]の結果から、以下の通りシミュレーションを実施し、「浄化性能(外周流速)」の評価を行った。まず、流体計算ソフト(スター・シーシーエム・プラス社製の「Star−ccm(商品名)」により、Total圧損[Pa]の測定と同条件のモデルを作成した。そして、TOTAL圧損の測定結果と、流体計算ソフトによるTOTAL圧損の値が同じになるよう調整した。そして、流体計算ソフトによる計算結果から、各圧損要素の割合を算出した。各圧損要素としては、缶体の胴部内部における圧損要素を、「ハニカム圧損」とした。また、缶体の流入配管側及び流出配管側における圧損要素を、「コンバーター圧損」とした。そして、「ハニカム圧損」と「コンバーター圧損」を合計したものを、「システム圧損」とした。そして、その結果を元に、浄化性能(外周流速)の値を求めた。
また、実施例2〜22、及び比較例1〜18について、以下の方法で、「圧損評価」、「浄化性能A」、「浄化性能B」、「浄化性能C」、及び「システム評価」を行った。結果を、表4〜表6に示す。
[圧損評価]
圧損評価では、比較例1の排ガス処理装置の「Total圧損[Pa]」の値を基準値として、以下の評価基準により評価を行った。
評価A:Total圧損[Pa]の値が比較例1より低い場合、その評価を「優」とする。
評価B:Total圧損[Pa]の値が比較例1の値より高く、+10%未満の場合を、その評価を「良」とする。
評価C:Total圧損[Pa]の値が比較例1の値とくらべ、10%より高い場合を、その評価を「不可」とする。
[浄化性能A]
浄化性能Aは、排ガス処理装置の外周流速に関する評価である。浄化性能Aでは、比較例1の排ガス処理装置の「浄化性能(外周流速)」の値を基準値として、以下の評価基準により評価を行った。
評価A:浄化性能(外周流速)[m/s]の値が基準以上の場合を、その評価を「優」とする。
評価B:浄化性能(外周流速)[m/s]の値が基準の97%以上、基準未満の場合を、その評価を「良」とする。
評価C:浄化性能(外周流速)[m/s]の値が基準の97%より低い場合を、その評価を「不可」とする。
[浄化性能B]
浄化性能Bは、排ガス処理装置の偏流条件に関する評価である。浄化性能Bでは、「ε=(d1/r2)」の値に基づき、以下の評価基準により評価を行った。
評価A:排ガス処理装置内に偏流が発生しない場合、その評価を「優」とする。なお、「ε=(d1/r2)」の値が、0.10を超える場合に、偏流による圧損、外周流速への影響は小さい(影響ないものとみなせる)。
評価C:排ガス処理装置内に偏流が発生した場合、その評価を「不可」とする。なお、「ε=(d1/r2)」の値が、0.10以下の場合に、偏流による圧損、外周流速への影響が大きい。
[浄化性能C]
浄化性能Cは、排ガス処理装置の偏流条件に関する評価である。浄化性能Cでは、「θ1」の値に基づき、以下の評価基準に基づいて行った。
評価A:「θ1」の値が、120°未満の場合を、その評価を「優」とする。なお、「θ1」の値が、120°未満の場合、偏流による圧損への影響は小さい。また、評価Aにおいて、「θ1≦48°」の場合は、より優れており、「48°<θ1<120°」の場合は、「θ1≦48°」の場合よりも劣るものの、優れている。
評価C:「θ1」の値が、120°以上の場合を、その評価を「不可」とする。なお、「θ1」の値が、120°以上の場合、偏流による影響が大きい。
「システム評価」
システム評価は、排ガス処理装置の総合評価であり、ハニカム構造体の構成と、缶体の構成とを総合的に評価したものである。表2、表4、表6においては、このような総合評価について、「(コンバーター+2層ハニカム)」と記載している。システム評価では、表7に示す、項目3〜項目5の3つの項目について、以下の評価基準に基づいて評価を行った。なお、以下の評価基準において、項目3は「r1/r2の値」を示し、項目4は「d1/d2の値」を示し、項目5は「θ1の値」を示す。また、項目1、項目2は、項目3〜項目5を導くための項目である。項目1は「Total圧損[Pa]の値」を示し、項目2は「浄化性能(外周流速)[m/s]の値」を示す。
評価A:「項目3が0.31以上、0.73以下」、「項目4が0.59以上」、及び「項目5が48以下」の場合を、その評価を「優」とする。
評価B:「項目3が0.26以上、0.31未満、又は0.73を超える、0.95以下」、「項目4が0.56以上、0.59未満」、及び「項目5が48を超え、75以下」の場合を、その評価を「良」とする。
評価C:「項目3が0.26未満、又は0.95を超える」、「項目4が0.56未満」、及び「項目5が75を超える」の場合を、その評価を「不可」とする。
Figure 0006615667
Figure 0006615667
Figure 0006615667
Figure 0006615667
(結果)
実施例1〜22の排ガス処理装置は、「圧損評価」、「浄化性能A」、「浄化性能B」、「浄化性能C」、及び「システム評価」において、全て良好な結果を得ることができた。一方で、比較例2の排ガス処理装置は、外周流速に関する浄化性能Aの評価において評価結果がCであり、システム評価についても評価結果がCであった。比較例3の排ガス処理装置は、圧損評価において評価結果がCであり、システム評価についても評価結果がCであった。
比較例4〜18についても、圧損評価において評価結果がCであり、システム評価についても評価結果がCであった。比較例4の排ガス処理装置は、偏流条件に関する浄化性能Bについても評価結果がCであり、装置内に偏流が生じるものとなっていた。比較例13〜18の排ガス処理装置は、外周流速に関する浄化性能A、及び偏流条件に関する浄化性能Cについても評価結果がCであり、外周流速が悪く、更に、装置内に偏流が生じるものとなっていた。
実施例1〜22の排ガス処理装置においては、上記式(5)〜式(8)を満たす場合に、システム評価において特に優れた結果を得ることができた。
本発明の排ガス処理装置は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等から排出される排ガスを浄化するための排ガス処理装置として利用することができる。
1:隔壁、2:セル、2a:セル(中央セル構造のセル)、2b:セル(外周セル構造のセル)、3:外周壁、4,104,204:ハニカム構造体、8:境界壁、11:流入端面、12:流出端面、15:中央セル構造、16:外周セル構造、21:缶体、22:胴部、31:流入テーパー部、32:流出テーパー部、33:流入配管、34:流出配管、35:把持材、41:上流側、42:下流側、100:排ガス処理装置、d1:流入配管の内径、d2:胴部の内径、r1:中央セル構造の直径、r2:ハニカム構造体の直径、θ1:流入テーパー部のテーパー角。

Claims (6)

  1. 流入端面から流出端面まで延びる複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁を有する柱状のハニカム構造体と、
    前記ハニカム構造体をその内部に収納した缶体と、を備え、
    前記ハニカム構造体は、前記ハニカム構造体の軸方向の中央寄りに形成された前記セルによって構成された柱状の中央セル構造と、前記中央セル構造よりも外側の外周部分に形成された前記セルによって構成された外周セル構造と、を有し、且つ、前記中央セル構造と前記外周セル構造とが異なる構造のセル構造であり、
    前記缶体は、前記ハニカム構造体を内部に収納した筒状の胴部と、前記胴部の流入側の端部に配置され、前記胴部の流入側の端部から上流側に向かうにつれて、その径が小さくなるように構成された流入テーパー部と、前記流入テーパー部の上流側端部に配設された流入配管と、を有し、
    前記流入配管の内径[mm]をd1とし、
    前記胴部の内径[mm]をd2とし、
    前記流入テーパー部を構成する斜面の末広がり角度であるテーパー角[°]をθ1とし、
    前記ハニカム構造体の前記中央セル構造の直径[mm]をr1とし、
    前記ハニカム構造体の直径[mm]をr2とし、
    下記式(1)〜式(4)を満たすように構成された、排ガス処理装置。
    式(1):0.31≦r1/r2≦0.73
    式(2):d1/d2≧0.59
    式(3):θ1≦48
    式(4):(d1/r2)>0.10
  2. 前記ハニカム構造体は、前記中央セル構造と前記外周セル構造との境界部分に配設された境界壁、を更に有する、請求項1に記載の排ガス処理装置。
  3. 前記ハニカム構造体は、前記中央セル構造と前記外周セル構造との境界部分が、連続する又は不連続な前記隔壁によって構成されたものである、請求項1に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記中央セル構造を構成する前記セルの水力直径が、前記外周セル構造を構成する前記セルの水力直径よりも小さい、請求項1〜のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  5. 前記中央セル構造のセル密度が、前記外周セル構造のセル密度よりも大きい、請求項1〜のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
  6. 前記中央セル構造における前記セルの繰り返し単位の配列方向が、前記外周セル構造における前記セルの繰り返し単位の配列方向に対して、0°を超え、60°未満傾いている、請求項1〜のいずれか一項に記載の排ガス処理装置。
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