JP6615484B2 - 染毛用組成物 - Google Patents

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本発明は、染毛用組成物に関し、更に詳しくは、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができるとともに、頭皮に対する刺激が少ない染毛用組成物に関する。
従来、毛髪を染めるための染毛剤(染毛用組成物)が知られている(例えば、特許文献1参照)。染毛剤には、染料を含むヘアカラー、第1剤と第2剤とを混合して着色するものなどが知られている。
特開平8−143434号公報
しかし、特許文献1に記載の染毛用組成物(染毛剤)は、毛髪を所望の色にする操作(特に、毛髪を膨潤させる操作、つまり、キューティクルが開いた状態)において、染毛剤中の成分が毛髪内のケラチンなどの間充物質を毛髪から溶出させてしまう。その結果、毛髪のボリューム感やハリ・コシが失われてしまうという問題がある。そして、毛髪からハリ・コシが失われてしまうと、毛髪の形状保持力がなくなり、例えば所望の髪型にスタイリングすることが困難となる。
また、毛髪からボリューム感やハリ・コシが失われる原因としては、生まれつきや加齢による場合もある。
また、従来の染毛剤は、頭皮に対する刺激が強く、刺激が強いことに起因して染毛剤を使用できない場合もあった。
このようなことから、毛髪を所定の色に染めることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができるとともに、頭皮に対する刺激が少ない染毛用組成物の開発が切望されていた。
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができるとともに、頭皮に対する刺激が少ない染毛用組成物を提供する。
本発明によれば、以下に示す、染毛用組成物が提供される。
[1] 粒状の第1相と、前記第1相が分散している第2相とからなるエマルジョン構造を有しており、前記第1相または前記第2相の一方を構成し、一次粒子における平均粒子径が1nm〜50nmの疎水性無機粒子と、前記疎水性無機粒子が分散している油溶性分散剤と、からなる無機粒子分散体と、前記第1相または前記第2相の他方を構成する水性溶剤と、前記第1相と前記第2相との界面を形成するための界面活性剤と、前記第1相、前記第2相、または、前記第1相及び前記第2相の両方に含まれる染毛用成分と、を含有し、前記疎水性無機粒子の含有割合が、全質量の0.03〜10質量%であり、前記油溶性分散剤の含有割合が、全質量の2〜60質量%であり、前記疎水性無機粒子が、疎水性シリカ粒子であり、前記染毛用成分が、酸化染料であり、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染めるもののうちの前記第1剤であるか、或いは、前記染毛用成分が、過酸化水素を含むものであり、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染めるもののうちの前記第2剤である、染毛用組成物。
] 前記疎水性無機粒子の含有割合が、全質量の0.1〜10質量%である前記[1]に記載の染毛用組成物。
] 前記水性溶剤の含有割合が、全質量の20〜97.9質量%である前記[]に記載の染毛用組成物。
[4] 前記疎水性無機粒子が、毛髪における重なり合ったキューティクル同士を架橋する前記[1]〜[]のいずれかに記載の染毛用組成物。
本発明の染毛用組成物は、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができるとともに、頭皮に対する刺激が少ないものである。
本発明の染毛用組成物の一の実施形態を模式的に示す説明図である。 実施例1の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の評価における写真である。 比較例1の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の評価における写真である。 モデル系組成物を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。 モデル系組成物(疎水性無機粒子を含まない)を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。 親水性無機粒子を含み且つ疎水性無機粒子を含まないモデル系組成物を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、以下の実施の形態に対し適宜変更、改良等が加えられたものも本発明の範囲に入ることが理解されるべきである。
[1]染毛用組成物:
本発明の染毛用組成物の一実施形態は、図1に示す染毛用組成物100である。染毛用組成物100は、粒状の第1相11と、第1相11が分散している第2相12とからなるエマルジョン構造を有しており、第1相11または第2相12の一方を構成し、一次粒子における平均粒子径が1nm〜50nmの疎水性無機粒子2と、疎水性無機粒子2が分散している油溶性分散剤5と、からなる無機粒子分散体1と、第1相11または第2相12の他方を構成する水性溶剤10と、第1相11と第2相12との界面を形成するための界面活性剤9と、第1相11、第2相12、または、第1相11及び第2相12の両方に含まれる染毛用成分と、を含有し、疎水性無機粒子2の含有割合が、全質量の0.03〜10質量%であり、油溶性分散剤5の含有割合が、全質量の2〜60質量%である。疎水性無機粒子2は、疎水性シリカ粒子である。
このような染毛用組成物100は、染毛用成分が配合されることで毛髪を所定の色に良好に染めることができる。また、染毛用組成物100に含有される疎水性無機粒子2は、「一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmの粒子」である微粒子のため、「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合には、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間(空隙)に良好に浸入することができる。また、「一次粒子における平均粒子径が1μm超で15μm以下の粒子」の場合には、上記空隙に粒子の一部が嵌り込んで上記空隙を塞ぐことができる。なお、後述するように、疎水性無機粒子2の一次粒子における平均粒子径は、1nm〜1μmであることが好ましく、このような粒子径であると、上記空隙に良好に浸入することができる。
ここで、毛髪を所望の色にする操作(特に、毛髪を膨潤させる操作)において、染毛剤中の成分が毛髪内の間充物質を毛髪から溶出させてしまう。その結果、毛髪のボリューム感やハリ・コシが失われてしまうという問題がある。そこで、染毛用組成物100では、特に「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合、無機粒子分散体1(疎水性無機粒子2)が、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間(空隙)に入り込み、毛髪内に定着し、毛髪を補強する(図4参照)。そのため、この疎水性無機粒子2が、上記空隙を埋めて、毛髪にボリューム感やハリ・コシを与えることができる。更には、上記空隙に疎水性無機粒子2が埋められて定着しているため、毛髪内部に入り込んだ染毛用成分が毛髪外に放出されてしまうことが防止される。そのため、ボリューム感やハリ・コシのある状態が長く持続される。
「一次粒子における平均粒子径が1μm超で15μm以下の粒子」の場合、上記空隙に粒子の一部が嵌り込んで上記空隙を塞ぐことができる。このように上記粒子が上記空隙を塞ぐと、毛髪を補強することができる。その結果、毛髪にボリューム感やハリ・コシを与えることができる。
また、染毛用組成物100は、上記構成とすることにより、毛髪の立ち上がり性が向上し、毛髪のごわつきが低減する。
更に、この染毛用組成物100は、疎水性無機粒子2が配合されることによってチクソトロピー性が増し、粘度が大きくなり、染毛用組成物100が毛穴に入り込み難くなる。そのため、染毛用組成物100は、この染毛用組成物100が頭皮に直接接触することに起因して生じる刺激が少なくなる。
[1−1]エマルジョン構造:
本発明の染毛用組成物は、粒状の第1相11と、この第1相11が分散している第2相12とからなるエマルジョン構造を有している。このようにエマルジョン構造を有することで、本発明の染毛用組成物が毛髪に塗られた際に、無機粒子分散体(疎水性無機粒子)の全部または一部が、良好に、キューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間に入り込むことになる。「エマルジョン構造を有している」とは、分散体であることを意味する。
本発明の染毛用組成物において、粒状の第1相11は、無機粒子分散体からなるものであってもよいし、水性溶剤からなるものであってもよい。また、第2相12は、無機粒子分散体からなるものであってもよいし、水性溶剤からなるものであってもよい。つまり、疎水性無機粒子2を含む無機粒子分散体1は、第1相11、第2相12のいずれの相を構成するものであってもよい。
なお、本発明の染毛用組成物において、第2相12は、水性溶剤であることが好ましい。「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合、疎水性無機粒子2が一次粒子および/または平均粒子径5μm以下の二次粒子の状態で保たれ易くなるためである。その結果として、外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクルとの間に疎水性無機粒子2を導入させ易くなる。
[1−2]無機粒子分散体:
本発明の染毛用組成物の無機粒子分散体は、一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmの疎水性無機粒子と、この疎水性無機粒子が分散している油溶性分散剤と、からなるものである。以下、疎水性無機粒子と油溶性分散剤について説明する。
なお、無機粒子分散体は、油溶性分散剤中に疎水性無機粒子が分散しているものであるが、本明細書においては、油溶性分散剤中の疎水性無機粒子の数は特に制限はない。つまり、多くの場合は、油溶性分散剤中には、複数の疎水性無機粒子が存在していると考えられるが、油溶性分散剤中に1つの疎水性無機粒子が存在しているような場合であっても、「油溶性分散剤中に疎水性無機粒子が分散している」とする。
[1−2a]疎水性無機粒子:
本発明の染毛用組成物は、油溶性分散剤中に分散した疎水性無機粒子を含んでいる。疎水性無機粒子である場合、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間に定着し易い。別言すれば、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間(空隙)に、疎水性無機粒子を一旦定着させることができる。このようにキューティクル同士の間に疎水性無機粒子を一旦定着させると、疎水性無機粒子とキューティクルとの高い親和性によって、疎水性無機粒子が重なり合ったキューティクル同士の間から毛髪の外部に放出されにくくなる。その結果、毛髪をボリューム感やハリ・コシのある状態のまま持続させることができる。なお、無機粒子が疎水性であることにより、「一次粒子における平均粒子径が1μm超で15μm以下の粒子」の場合にも、上記空隙に疎水性無機粒子が定着される。
更に、疎水性無機粒子が、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部とこのキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間を跨るかたちで、疎水性無機粒子やその凝集物(疎水性無機粒子等ということがある)をこれらの間に定着させることができる。このような形態で疎水性無機粒子等を上記の間に定着させると、疎水性無機粒子とキューティクルとの高い親和性も相まって、重なり合ったキューティクル同士を架橋(バインディング(binding))する状態を作ることができる。こうした架橋状態が作られた場合には、キューティクルの捲れを抑制したり、キューティクルの捲れを修復したりすることが可能になる。その結果、毛髪のダメージを抑制したり、毛髪のダメージを修復したりすることが可能になり、また、枝毛などの発生を防止することが可能になる。
疎水性無機粒子としては、疎水性を示す以下の無機粒子を挙げることができる。シリカ粒子、リン酸カルシウム粒子、炭酸カルシウム粒子、酸化チタン粒子、カーボン粒子、タルク粒子、マイカ粒子、ケイ酸ナトリウム粒子などである。これらの中でも、シリカ粒子であることが好ましい。つまり、疎水性無機粒子は、疎水性シリカ粒子であることが好ましい。
疎水性無機粒子のうちの疎水性シリカ粒子としては、例えば、シリカ粒子の表面に現れたヒドロキシル基(−OH)をジメチルシリル化やトリメチルシリル化などの処理をすることにより得られるものを挙げることができる。
なお、疎水性シリカ粒子の性質についてジメチルシリル化などの処理法を例示して説明したが、もちろん、この説明は、疎水性シリカ粒子を上記の例示した処理法により得られるものに限定することを意味するものではない。
疎水性シリカ粒子の市販品としては、例えば、AEROSIL−R972、AEROSIL−R974、AEROSIL−R104、AEROSIL−R106、AEROSIL−R202、AEROSIL−R805、AEROSIL−R812、AEROSIL−R812S、AEROSIL−R816、AEROSIL−R7200、AEROSIL−R8200、AEROSIL−R9200、AEROSIL−R711、AEROSIL−R972 Pharma(以上、日本アエロジル)、VM−2270 Aerogel Fine Particles(ダウ・コーニング)、HDK H2000、HDK H15、HDK H18、HDK H20、HDK H30(以上、旭化成ワッカーシリコーン)などを挙げることができる。
疎水性無機粒子は、一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmのものであり、1nm〜1μmのものであることが好ましく、1〜900nmであることが更に好ましく、1〜500nmであることが特に好ましく、1〜50nmであることが最も好ましい。このような大きさの微粒子であるので、疎水性無機粒子が、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部とこのキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクル(具体的には先端側隣のキューティクル)との間に粒子の全部または一部が入り込むことができる。
本明細書にいう平均粒子径とは、平均粒子径が1μm以下にて測定される場合には動的散乱法(光子相関法)により測定し、粒径解析法「CONTIN法」を使用して個数分布から導き出した測定値(モード径)である。また、本明細書にいう平均粒子径とは、平均粒子径が1μm超にて測定される場合にはレーザー回折法により測定した値(メジアン径)である。
なお、疎水性無機粒子は、単体で油溶性分散剤中に分散している場合に限られず、複数の粒子が凝集した形(二次粒子)で油溶性分散剤に分散していてもよい。「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合、二次粒子の平均粒子径は、15μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、2μm以下であることが更に好ましく、50nm〜1.5μmであることが特に好ましく、50nm〜1.0μmであることが最も好ましい。
疎水性無機粒子の含有割合は、全質量の0.03〜11質量%であり、全質量の0.05〜11質量%であることが好ましく、全質量の0.1〜10質量%であることがより好ましく、全質量の2〜6質量%であることが更に好ましく、全質量の3〜5質量%であることが特に好ましい。疎水性無機粒子の含有割合を上記範囲とすることにより、本発明の染毛用組成物は、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができる。つまり、毛髪を染めるための染毛剤として用いられる本発明の染毛用組成物は、疎水性無機粒子について、その含有割合が上記範囲を満たすことで、上記効果が発揮されるものである。
[1−2b]油溶性分散剤:
油溶性分散剤は、疎水性無機粒子の凝集を抑制する作用を有する。そのため、「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合、疎水性無機粒子が凝集体(二次粒子)を形成したとしてもそのときの平均粒子径が5μm以下の状態で保持され易くなる。平均粒子径が5μm以下であれば、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクル(具体的には先端側隣のキューティクル)との間に入り込むことが可能である。
なお、二次粒子の平均粒子径が5μm以下の場合、本発明の染毛用組成物を毛髪に塗り付けると、毛髪に塗り付けた際の外力によって二次粒子が崩壊し、平均粒子径1μm以下の一次粒子や平均粒子径1μm以下の二次粒子が形成される。そのため、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクル(具体的には先端側隣のキューティクル)との間に入り込まれていく。このようにして、本発明の染毛用組成物では、特に「一次粒子における平均粒子径が1nm〜1μmの粒子」の場合、疎水性無機粒子が、外側に露出しているキューティクル縁部とその内側のキューティクルとの間に入り込み易くなる。
また、油溶性分散剤は、キューティクルと馴染み易い性質を有する。そのため、この油溶性分散剤は、外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた先端側隣のキューティクルとの間に無機粒子を導入するのを補助する役割を果たす。そのため、疎水性無機粒子が外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた先端側隣のキューティクルとの間に導入されて定着すると、毛髪を内部から補強し、毛髪にボリューム感やハリ・コシを与えることが可能になる。
なお、疎水性無機粒子の全部または一部が外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクルとの間に入り込んだ後であれば、当該疎水性無機粒子は凝集して凝集物を形成してもよい。このように、疎水性無機粒子の凝集物が外側のキューティクルと内側のキューティクルとの間に挟まれる状態の中で形成されて、この部位に当該凝集物が定着する場合には、毛髪を補強する作用がより高まる。その結果、毛髪にハリ・コシをより良好に付与することが可能になる。このときの疎水性無機粒子の凝集力は、毛髪を曲げたりして外力を加えると解けてしまう程度に弱いものである。そのため、本発明によれば、無機粒子の凝集物が外側のキューティクルと内側のキューティクルとに挟まれた状態で定着している場合であっても、毛髪を強固に固め過ぎてしまうことなく、適度に柔らかい状態で保持させることが可能である。
油溶性分散剤としては、ポリオール類、および高級アルコールなどを挙げることができる。油溶性分散剤は、高級アルコールであることが好ましい。
ポリオール類としては、例えば、グリセリン、濃グリセリン、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、1.3−ブチレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エトキシジグリコール、などを挙げることができる。
高級アルコールとしては、例えば、イソステアリン酸、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、デシルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、水添ナタネ油アルコール、ミスチルアルコール、アラキルアルコール、ラウリルアルコール、キミルアルコール、コレステロール、ラノリンアルコール、ヘキシルデカノール、2−オクチルデカノール、セラキルアルコール(モノオレイルグリセリルエ一テル)、バチルアルコール(グリセリルモノステアリルエーテル)、フィトステロール(フィトステリン)、水素添加ラノリンアルコール、カプリルアルコール、リノリルアルコール、POEステリアルエーテル、POEセチルエーテルなどを挙げることができる。特に炭素数6以上の高級アルコールが好ましい。特に好ましい高級アルコールとしては、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール又はこれらの1以上の組合せが挙げられる。
油溶性分散剤としては、硬化ナタネ油アルコール、イソステアリン酸硬化ヒマシ油などの植物油類;トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチルなどのエステル類;イソプロパノールなどの低級アルコール類;流動パラフィン、流動イソパラフィンなどの炭化水素類;ミツロウなどのワックス類;ラウリン酸、ミリスチン酸、ラウリル酸などの脂肪酸類;シクロペンタシロキサン、ジメチコン、シクロメチコンなどのシリコーン油類;といった各種の油類を挙げることができる。
油溶性分散剤の含有割合は、全質量の2〜70質量%であることが想定されるが、全質量の2〜60質量%である。油溶性分散剤の含有割合は、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染める染毛剤のうちの第1剤として用いる場合、全質量の20〜60質量%であることが好ましい。また、油溶性分散剤の含有割合は、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染める染毛剤のうちの第2剤として用いる場合、全質量の2〜10質量%であることが好ましい。油溶性分散剤の含有割合を上記範囲とすることにより、本発明の染毛用組成物は、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができる。つまり、毛髪を染めるための染毛剤として用いられる本発明の染毛用組成物は、油溶性分散剤について、その含有割合が上記範囲を満たすことで、上記効果が発揮されるものである。
[1−3]界面活性剤:
本発明の染毛用組成物は、第1相と第2相との界面を形成するための界面活性剤を含有している。界面活性剤としては、従来公知のものを用いることができる。具体的には、陰イオン(アニオン)性界面活性剤、陽イオン(カチオン)性界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。
本発明において界面活性剤として用い得る陰イオン(アニオン)性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸ナトリウム(NSソープ、SS−40N、KSソープ、OSソープ、FR−14、FR−25:花王)、ラウリル硫酸ナトリウム(エマール:花王)、高級アルコール硫酸ナトリウム(エマール:花王)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン(エマール:花王)、ラウリル硫酸アンモニウム(ラテムル:花王)、ドデシルベンゼンスルホン酸(ネオぺレックス:花王)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ネオぺレックス:花王)、ドデシルベンゼンスルホン酸塩(ネオぺレックス:花王)、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム(ペレツクス:花王)、ジアルキルスルホンコハク酸ナトリウム(ぺレックス:花王)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(ペレツクス:花王)、アルカンスルホン酸ナトリウム(ラムテル:花王)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム(ラムテル:花王)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸カリウム(エレクトロストリッパーF:花王)、アルケニルコハク酸ジカリウム(ラムテルASK:花王)、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩(エマール:花王)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩、アルファスルホン脂肪酸エステルナトリウム、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、ポリオキシラウリルエーテル硫酸ナトリウム(TEXAPON N25 メーカー:BASFジャパン)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(エマール、ラテムル:花王)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム(レベノール、ラテムル)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸トリエタノールアミン(エマール:花王)、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、PFOA(C15COOH)、ペルフルオロノナン酸、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、アルファスルホ脂肪酸メチルエステル塩、1−ヘキサンスルホン酸ナトリウム、1−オクタンスルホン酸ナトリウム、1−デカンスルホン酸ナトリウム、1−ドデカンスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロブタンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、DBS、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸三ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、PFOS(C17SOH)、ミリスチル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルリン酸、ラウリルリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸カリウムなどを挙げることができる。
本発明において界面活性剤として用い得る陽イオン(カチオン)性界面活性剤としては、例えば、ココナットアミンアセテート(アセタミン24:花王)、ステアリルアミンアセテート(アセタミン86:花王)などのアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン24P:花王)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン86P コンク:花王)、セチルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン60W:花王)、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(コータミン86W:花王)、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロライド(コータミンD86P:花王)、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド(サニゾールC、サニゾールB−50:花王)などの第四級アンモニウム塩などを挙げることができる。
本発明において界面活性剤として用い得る非イオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンセチルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシミリスチルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンオクチルドデシルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(エマルゲン:花王)、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル(ラテムル:花王)、ソルビタン脂肪酸エステル(レオドール、エマゾール:花王)、ソルビタンモノラウレート(レオドール:花王)、ソルビタンモノパルミテート(レオドール:花王)、ソルビタンモノステアレート(レオドール:花王)、ソルビタンジステアレート(レオドール:花王)、ソルビタントリステアレート(レオドール:花王)、ソルビタンモノオレエート(レオドール:花王)、ソルビタントリオレエート(レオドール:花王)、ソルビタンモノラウレート(レオドールスーパーSP−L10:花王)、ソルビタンモノステアレート(レオドール:花王)、ソルビタンモノオレエート(レオドール:花王)、ソルビタンセスキオレエート(レオドール:花王)、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(レオドール:花王)
、ポリオキシソルビタンモノステアレート(レオドール:花王)、ポリオキシソルビタントリステアレート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタントリイソステアレート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(レオドールスーパー:花王)、テトラオイレン酸ポリオキシエチレンソルビット(レオドール:花王)、グリセリン脂肪酸エステル(レオドール:花王)、グリセロールモノステアレート(レオドール:花王)、グリセロールモノオレエート(レオドール:花王)、自己乳酸型グリセロールモノステアレート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(エマノーン:花王)、ポリエチレングリコールモノラウレート(レオドール:花王)、ポリエチレングリコールモノステアレート(レオドール:花王)、ポリエチレングリコールジステアレート(レオドール:花王)、ポリエチレングリコールモノオレエート(レオドール:花王)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(エマノーン:花王)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(アミート:花王)、アルキルアルカノールアミド(アミノーン:花王)、しょ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンゾルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ラウリン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ノノキシノール、ノノキシノール−9、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルポリエチレングリコール、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、コカミドDEA、オクチルグルコシド、デシルグルコシド、ラウリルグルコシドなどを挙げることができる。
本発明において界面活性剤として用い得る両性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウム、アルキルベタイン(アンヒトール:花王)、アルキルアミンオキサイド(アンヒトール:花王)、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタイン、アルキルアミンオキシド、ラウリルベタイン(アンヒトール:花王)、ステアリルベタイン(アンヒトール:花王)、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイソダゾリニウムベタイン(アンヒトール:花王)、ラウリルジメチルアミンオキサイド(アンヒトール:花王)、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ドデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、オクタデシルアミノメチルジメチルスルホプロピルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルメチル−β−アラニン、ラウリルジメチルアミンN−オキシド、オレイルジメチルアミンN−オキシドなどを挙げることができる。
本発明の染毛用組成物において界面活性剤を用いる場合、先に列挙した各種界面活性剤を1種類のみ使用しても、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明の染毛用組成物において界面活性剤は、2種以上を組み合わせて用いることが好ましく、その場合、陰イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含むことが好ましい。また、先に列挙した各種界面活性剤は、油溶性分散剤や水性溶剤との相性なども考慮しつつ適宜選択するとよい。また、両性界面活性剤を用いると、無機粒子の毛髪への浸透がより向上するので好ましい。
[1−4]水性溶剤:
本発明の染毛用組成物は、水性溶剤を含有している。水性溶剤としては、従来公知の染毛用組成物に用いるものを適宜選択して使用することができる。水性溶剤としては、例えば、水、または、水と添加剤(例えば、Ph調整剤、防腐剤、キレート剤)とを含む液などを挙げることができる。
疎水性無機粒子の含有割合が、全質量の0.1〜10質量%であり、且つ、油溶性分散剤の含有割合が、全質量の2〜70質量%である場合、水性溶剤の含有割合は、全質量の20〜97.9質量%であることが好ましい。水性溶剤の含有割合を上記範囲とすることにより、毛髪を所定の色に染めることができるとともに、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持することができる。
[1−5]染毛用成分:
本発明の染毛用組成物は、染毛用成分を含有している。本明細書において「染毛用成分」とは、毛髪を所定の色に染めるために用いられる成分である。更に、本明細書において「染毛用成分」は、上記有色成分以外に所定の成分と反応することにより、有色成分を生じさせる成分を含むものとする。即ち、本発明において「染毛用成分」は、例えば、過酸化水素も含まれることになる。つまり、過酸化水素は、いわゆる第1剤に含まれる酸化染料と反応して、有色の染色成分を生じさせるものであり、本発明における「染毛用成分」である。
染毛用成分のうちの有色成分としては、顔料、アルカリ性酸化染毛剤、酸性酸化染毛剤、非酸化染毛剤、酸性染料(ヘアマニキュア)、HC染料、塩基性染料、いわゆるヘナ、法定色素(例えば、黒401号)、銀塩などを挙げることができる。
本発明の染毛用組成物は、染毛用成分を酸化染料とすることができる。即ち、本発明の染毛用組成物は、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染める染毛剤のうちの第1剤とすることができる。
本発明の染毛用組成物は、染毛用成分を、過酸化水素を含むものとすることができる。即ち、本発明の染毛用組成物は、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染める染毛剤のうちの第2剤とすることができる。
なお、本発明の染毛用組成物は、1つの毛髪剤で毛髪を染めるもの(第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染める染毛剤ではないもの)とできることは勿論である。
別言すれば、本発明の染毛用組成物は、上述した構成を満たすものであって、毛髪を染める際に用いられる組成物である。つまり、本発明の染毛用組成物は、他剤と混合せずにそのまま使用する染毛剤、1つ以上の剤(材料)を混合して混合物を得た後、この混合物を使用して染毛する染毛剤セットのうちの1つ(例えば、第1剤や第2剤)であってもよい。
[1−6]その他の成分:
本発明の染毛用組成物は、上記成分以外に、その他の成分を含有していてもよい。その他の成分としては、浸潤助剤を挙げることができる。浸潤助剤とは、毛髪を膨潤させ、無機粒子を外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクルとの間に導入し易くする役割を果たすものである。浸潤助剤を含有する場合には、無機粒子が外側に露出しているキューティクル縁部とこれに覆われた内側のキューティクルとの間により確実に導入および定着せることが可能になる。そのため、浸潤助剤を含有する場合には、毛髪にハリ・コシをより確実に付与することが可能になる。
[2]染毛用組成物の製造方法:
本発明の染毛用組成物は、以下のように製造することができる。まず、一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmの疎水性無機粒子と油溶性分散剤とを混ぜ合わせて混合物を得る。その後、この混合物に、染毛用成分、界面活性剤、水性溶剤などを加えて混合することでエマルジョンを形成して得ることができる。
また、別の方法としては次のものがある。一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmの疎水性無機粒子を分散させるための油溶性分散剤、水性溶剤、界面活性剤、及び、染毛用成分を加温下で混合し、水相及び油相からなるエマルジョン構造を有する混合物を得た後、得られた混合物に、一次粒子における平均粒子径が1nm〜15μmの疎水性無機粒子を添加して混合し、疎水性無機粒子を、混合物の油相中に分散させることによって染毛用組成物を得る。
より具体的には、まず、油溶性分散剤と水性溶剤と界面活性剤と染毛用成分とを混合、撹拌し、油溶性分散剤を含む相と水性溶剤を含む相(第2相)とのエマルジョン(以下、「プレエマルジョン」)を予め形成しておく。次に、このプレエマルジョンに無機粒子を添加し、強く撹拌して、油溶性分散剤を含む相の中に無機粒子を混入させる。このようにして、無機粒子分散体を含む相(第1相)を形成することができる。
このプレエマルジョンを形成する方法は、特に、無機粒子がシリカ粒子である場合に好適である。無機粒子がシリカ粒子の場合、シリカ粒子を油溶性分散剤中に分散させることが困難なことがある。こうしたシリカ粒子を分散させることが困難なときには、上述のようなプレエマルジョンを予め形成しておき、そこにシリカ粒子を添加して強く撹拌するとよい。この方法により、シリカ粒子を油溶性分散剤に吸着させ、油溶性分散剤中に強制的に導入し、分散させることが可能になる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例においては、染毛用組成物(2種混合の第1剤)を作製した。まず、ビーカーに、油溶性分散剤及び界面活性剤を入れ、90℃から100℃の湯せんにて温めて溶解させて溶解液を得た。油溶性分散剤としては、セトステアリルアルコール(高級アルコール工業社製「セトステアリルアルコール」)を用いた。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ社製「BC−40」)を用いた。その後、染毛剤、酸化防止剤、及び、キレート剤を100℃の精製水に混ぜ、上記溶解液に混合してクリーム状の混合物を得た。
染毛剤としては、パラフェニレンジアミン(SEIKO CHEMICAL CO.,LTD社製「パラミン粉末」)、レゾルシン(三井化学ファイン社製「レゾルシン」)、メタアミノフェノール(片山化学工業「m−アミノフェノール」)、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール(三井化学ファイン社製「塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール」)を用いた。酸化防止剤としては、L(+)−アスコルビン酸(第一ファインケミカル社製「L−アスコルビン酸」)、及び、亜硫酸ナトリウム(神洲化学社製「無水亜硫酸ナトリウム」)を用いた。キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム(中部キレスト社製「キレスト 2D−SD」)を用いた。
その後、上記クリーム状の混合物に、毛髪膨潤剤、及びPh調整剤を加えて混合し、その後、疎水性シリカ(疎水性無機粒子)を加えて混合した。毛髪膨潤剤としては、28%アンモニア水(大盛化工社製「28%アンモニア水」)を用いた。Ph調整剤としては、炭酸水素アンモニウム液(宇部興産社製「重炭安」)を用いた。疎水性シリカ粒子としては、アエロジルR812 (日本アエロジル社製(エボニック社製)、一次粒子における平均粒子径7nm)を用いた。このようにして、第1剤(染毛用組成物)を得た。
次に、以下のようにして試料2剤を調製した。まず、ビーカーに、油溶性分散剤及び界面活性剤を入れ、90℃から100℃の湯せんにて温めて溶解させて溶解液を得た。油溶性分散剤としては、セトステアリルアルコール(高級アルコール工業社製「セトステアリルアルコール」)を用いた。界面活性剤としては、ポリオキシラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製「エマール0」)を用いた。その後、キレート剤とPh調整剤を100℃の精製水に混ぜ、上記溶解液に混合して混合物を得た。キレート剤としては、ヒドロキシエタンジホスホン酸(中部キレスト社製「PH−214SD−30)を用いた。Ph調整剤としては、リン酸一水素二ナトリウム(太洋化学工業社製「リン酸水素二ナトリウム」)を用いた。その後、得られた混合物に水性溶剤として過酸化水素水を加えた。過酸化水素水としては、35%過酸化水素水(ADEKA社製「35%過酸化水素水」)を用いた。
次に、これらの第1剤及び第2剤(試料2剤)を用いて毛髪を染めた。まず、得られた第1剤(染毛用組成物)を、表2に示す「試料2剤」と、質量比1:1で使用直前に混ぜ合わせ、クリーム状になるまでよくかき混ぜて2剤混合液を得た。その後、2剤混合液を白髪の人毛(毛束の太さ5mm)にまんべんなく塗布し、15分間放置し、その後、水で洗浄した。そして、この毛髪の水分をタオルで拭き取り、その後、一日放置して自然乾燥させた。このようにして染色された毛髪を得た。得られた毛髪を以下の方法で評価を行った。結果を表3に示す。
なお、図2は、本実施例の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の状態を示している。図2は、実施例1の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の評価における写真である。
図4は、モデル系組成物を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。つまり、図4は、モデル系組成物を表面に塗り、その後、洗浄し、自然乾燥させた後の毛髪表面の電子顕微鏡写真である。モデル系組成物は、染毛用成分を含まない染毛用組成物のことである。
[ボリューム感]
染色された毛髪(毛束)を、図2に示すように逆さまにして、毛束の先端の広がりの程度を測定して「ボリューム感」の評価を行った。評価は以下の基準で行った。毛束の先端の広がりが10cm以上であるときを、ボリューム感が非常に出るとして「優」とする。毛束の先端の広がりが8cm以上10cm未満であるときを、ボリューム感が出るとして「良」とする。毛束の先端の広がりが6cm以上8cm未満であるときを、ボリューム感がやや出るとして「可」とする。毛束の先端の広がりが6cm未満であるときを、ボリューム感が出ないとして「不可」とする。
[ハリ・コシ]
染色された毛髪のしなりを目視にて観察して「ハリ・コシ」の評価を行った。評価は以下の基準で評価を行った。しなりが非常にあるときを、ハリ・コシが非常に出るとして「優」とする。しなりがあるときを、ハリ・コシが出るとして「良」とする。しなりがややあるときを、ハリ・コシがやや出るとして「可」とする。しなりがないときを、ハリ・コシが出ないとして「不可」とする。
[立ち上がり]
染色された毛髪(毛束)を、図2に示すように逆さまにした直後の「立ち上がり」を目視にて観察して評価を行った。評価は以下の基準で行った。毛髪が非常に立ち上がるときを「優」とする。毛髪が立ち上がるときを「良」とする。毛髪がやや立ち上がるときを「可」とする。毛髪が立ち上がらないときを「不可」とする。
[ごわつき]
染色された毛髪(毛束)を指先で触ったときの感触から「ごわつき」の評価を行った。評価は以下の基準で行った。全くごわつきを感じないときを「優」とする。ごわつきを感じないときを「良」とする。あまりごわつきを感じないときを「可」とする。ごわつくときを「不可」とする。
[持続力]
染色された毛髪(毛束)を、図2に示すように逆さまにして立ち上げた後の「立ち上がり」の維持の程度を目視にて観察して「持続力」の評価を行った。評価は、以下の基準で行った。毛束の「立ち上がり」が非常に持続するとき(維持されるとき)を「優」とする。毛束の「立ち上がり」が持続するとき(維持されるとき)を「良」とする。毛束の「立ち上がり」がやや持続する(維持されるとき)ときを「可」とする。毛束の「立ち上がり」が持続しないとき毛束の「立ち上がり」を「不可」とする。
[染め上がり]
染色された毛髪を目視にて観察して「染め上がり」の評価を行った。評価は、以下の基準で行った。毛髪の染め上がりが非常に良いとき(毛髪が非常に良く染色されたとき)を「優」とする。毛髪の染め上がりが良いとき(毛髪が良く染色されたとき)を「良」とする。毛髪の染め上がりがやや良い(毛髪がやや良く染色されたとき)ときを「可」とする。毛髪の染め上がりが悪いときを「不可」とする。
[頭皮に対する刺激]
上述した染毛混合物を毛髪に塗ったときに頭皮が刺激される程度を評価した。評価は、表5に示ように被験者に対するインタビューで行った。
評価の結果、表5に示すように、被験者21人全員が頭皮に「まったく刺激を感じない」という評価であった。このように、本実施例の染毛混合物は、毛髪に塗ったときに頭皮に対する刺激が小さいことが分かった。
なお、表1〜3,6,7中、各実施例、比較例の上欄は、各成分の配合量(g)を示している。
(実施例2〜12、比較例1)
表に示すように、染毛用組成物(第1剤)を構成する各成分の条件を変えたこと以外は、実施例1と同様にして染毛用組成物を得た。得られた染毛用組成物について実施例1と同様にして上述の方法で評価を行った。結果を表4に示す。
なお、比較例1においては、無機粒子を含有しない染毛用組成物(第1剤)を用いた。
図3は、比較例1の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の状態を示している。図3は、比較例1の染毛用組成物を使用して毛髪を染めた後の毛髪の評価における写真である。
図5は、モデル系組成物(疎水性無機粒子を含まない)を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。つまり、図5は、モデル系組成物(疎水性無機粒子を含まない)を表面に塗り、その後、洗浄した後の毛髪表面の電子顕微鏡写真である。モデル系組成物(疎水性無機粒子を含まない)は、疎水性無機粒子及び染毛用成分を含まない染毛用組成物のことである。
実施例1〜12、比較例1から、以下のことが分かった。油溶性分散剤の含有割合が22.5質量%のとき、剤型がクリーム状を保っていた。疎水性シリカ粒子の含有割合は、油溶性分散剤が22.5質量%、30.0質量%、40.0質量%のとき、3質量%、5質量%、6質量%であると評価が高くなる。油溶性分散剤の含有割合が22.5質量%で疎水性シリカ粒子の含有割合が7質量%のときでは、疎水性シリカ粒子が固化し易くなるため染毛剤(染毛用成分)が毛髪に浸透しにくくなり、染め上がりの評価結果が「可」になった。疎水性シリカ粒子の含有割合は、7質量%未満であることが好ましい。最適値は、油溶性分散剤の含有割合が22.5質量%、疎水性シリカ粒子の含有割合が3質量%である。
(実施例13)
本実施例においては、2種混合の第1剤を作製した。まず、ビーカーに、油溶性分散剤及び界面活性剤を入れ、90℃から100℃の湯せんにて温めて溶解させて溶解液を得た。油溶性分散剤としては、セトステアリルアルコール(高級アルコール工業社製「セトステアリルアルコール」)を用いた。界面活性剤としては、ポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ社製「BC−40」)を用いた。その後、染毛剤、酸化防止剤、及び、キレート剤を100℃の精製水に混ぜ、上記溶解液に混合してクリーム状の混合物を得た。
染毛剤としては、パラフェニレンジアミン(SEIKO CHEMICAL CO.,LTD社製「パラミン粉末」)、レゾルシン(三井化学ファイン社製「レゾルシン」)、メタアミノフェノール(片山化学工業「m−アミノフェノール」)、塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール(三井化学ファイン社製「塩酸2,4−ジアミノフェノキシエタノール」)を用いた。酸化防止剤としては、L(+)−アスコルビン酸(第一ファインケミカル社製「L−アスコルビン酸」)、及び、亜硫酸ナトリウム(神洲化学社製「無水亜硫酸ナトリウム」)を用いた。キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム(中部キレスト社製「キレスト 2D−SD」)を用いた。
その後、上記クリーム状の混合物に、毛髪膨潤剤、及びPh調整剤を加えて混合した。毛髪膨潤剤としては、28%アンモニア水(大盛化工社製「28%アンモニア水」)を用いた。Ph調整剤としては、炭酸水素アンモニウム液(宇部興産社製「重炭安」)を用いた。
次に、以下のようにして、本発明の染毛用組成物(2種混合の第2剤)を調製した。まず、ビーカーに、油溶性分散剤及び界面活性剤を入れ、90℃から100℃の湯せんにて温めて溶解させて溶解液を得た。油溶性分散剤としては、セトステアリルアルコール(高級アルコール工業社製「セトステアリルアルコール」)を用いた。界面活性剤としては、ポリオキシラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製「エマール0」)を用いた。その後、キレート剤とPh調整剤を100℃の精製水に混ぜ、上記溶解液に混合した。
キレート剤としては、ヒドロキシエタンジホスホン酸(中部キレスト社製「PH−214SD−30)を用いた。Ph調整剤としては、リン酸一水素二ナトリウム(太洋化学工業社製「リン酸水素二ナトリウム」)を用いた。
その後、得られた混合物に水性溶剤として過酸化水素水を加え、更に、疎水性シリカ(疎水性無機粒子)を加えて混合して混合物を得た。過酸化水素水としては、35%過酸化水素水(ADEKA社製「35%過酸化水素水」)を用いた。疎水性シリカ粒子としては、アエロジルR812 (日本アエロジル社製(エボニック社製)、一次粒子における平均粒子径が7nm)を用いた。このようにして、第2剤(染毛用組成物)を得た(表6参照)。
得られた第2剤(染毛用組成物)を、上記第1剤(表7に「試料1剤」と示す)と、質量比1:1で使用直前に混ぜ合わせ、クリーム状になるまでよくかき混ぜて2剤混合液を得た。その後、2剤混合液を白髪の人毛(毛束の太さ5mm)にまんべんなく塗布し、15分間放置し、その後、水で洗浄した。そして、この毛髪の水分をタオルで拭き取り、その後、一日放置して自然乾燥させた。このようにして染色された毛髪を得た。得られた毛髪を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例14〜19、比較例2,3)
表6に示すように、染毛用組成物(第2剤)を構成する各成分の条件を変えたこと以外は、実施例13と同様にして染毛用組成物を得た。得られた染毛用組成物を、実施例13と同様にして作製した第1剤(表6に「試料1剤」と示す)と混合して混合物を得た後、この混合物を用いて実施例1と同様にして毛髪を染めた。その後、染色された毛髪を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表8に示す。
実施例13〜19、比較例2,3から、以下のことが分かった。油溶性分散剤の含有割合が4.95質量%で、疎水性シリカ粒子の含有割合が12.0質量%では粉体化し測定が不可能となった。疎水性シリカ粒子の含有割合が4〜7質量%では評価項目それぞれは高い評価である。疎水性シリカ粒子の含有割合が10質量%超になると、わずかに染め上がりが低下してくる。疎水性シリカ粒子の含有割合が4〜7質量%では各評価結果は良好であるが、粘性が高くなるにつれ、毛髪への塗布が難しくなる。
(実施例20〜22、参考例23〜39、実施例40〜44、比較例4〜12)
表9、表10、表12に示すように、染毛用組成物(第1剤)を構成する各成分の条件を変えたこと以外は、実施例1と同様にして染毛用組成物を得た。得られた染毛用組成物について実施例1と同様にして上述の方法で評価を行った。結果を表11、表13に示す。なお、第2剤としては、実施例1と同様のものを用いた。
表9中、「酸化チタン TTO−55(C)」は、平均粒子径が30〜50nmである石原産業社製の疎水性無機粒子である。表10中、「旭化成ワッカー HDK H2000」は、平均粒子径が10〜100nmである旭化成ワッカー社製の疎水性無機粒子である。「ダウ・コーニング VM−2270」は、平均粒子径が5〜15μmであるダウ・コーニング社製の疎水性無機粒子である。
なお、表9、表10、表12中、各実施例、比較例の上欄は、各成分の配合量(g)を示している。
表11、表13から、実施例20〜22、参考例23〜39、実施例40〜44の染毛用組成物は、実施例1〜12の染毛用組成物と同様に、第1剤として使用した際に、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持でき、頭皮に対する刺激が少ないことが分かる。

(実施例45〜51、比較例13)
表15に示すように、染毛用組成物(第2剤)を構成する各成分の条件を変えたこと以外は、実施例13と同様にして染毛用組成物を得た。得られた染毛用組成物を、表14に示すこと以外は実施例13と同様にして作製した第1剤(表14に「染毛剤試料1剤」と示す)と混合して混合物を得た後、この混合物を用いて実施例1と同様にして毛髪を染めた。その後、染色された毛髪を実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表16に示す。
なお、表14の各成分の配合割合の上の欄は、各成分の配合量(g)を示し、表15中、各実施例、比較例の上欄は、各成分の配合量(g)を示している。
表16から、実施例45〜51の染毛用組成物は、実施例13の染毛用組成物と同様に、第2剤として使用した際に、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持でき、頭皮に対する刺激が少ないことが分かる。
(参考例1)
親水性無機粒子を含み且つ疎水性無機粒子を含まないモデル系組成物を調製した。このモデル系組成物は、親水性無機粒子として2.0質量%の親水性シリカアエロジル300、油溶性分散剤として12.4質量%のセトステアリルアルコール、0.9質量%の塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、6.1質量%のラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、及び78.6質量%の精製水からなるものであった。このモデル系組成物を毛髪の表面に塗り、その後、水で洗浄した後の毛髪の表面を電子顕微鏡写真で観察した。図6は、上記モデル系組成物(親水性無機粒子を含み且つ疎水性無機粒子を含まないモデル系組成物)を用いて毛髪を処理した後の毛髪の電子顕微鏡写真である。
図6に示すように「親水性無機粒子を含み且つ疎水性無機粒子を含まないモデル系組成物」を用いた場合では、毛髪において外側に露出しているキューティクル縁部と、このキューティクル縁部に覆われた内側のキューティクルとの間は空洞のままであった。そして、毛髪にボリューム感やハリ・コシが得られなかった。
実施例1〜51から明らかなように、実施例1〜51の染毛用組成物は、毛髪を所定の色に染めるために用いることができ、ボリューム感及びハリ・コシのある状態の毛髪を長く保持でき、頭皮に対する刺激が少ないことが分かる。
本発明の染毛用組成物は、毛髪を染めるための染毛剤として好適に用いることができる。
1:無機粒子分散体、2:疎水性無機粒子、5:油溶性分散剤、9:界面活性剤、10:水性溶剤、11:第1相、12:第2相、100:染毛用組成物。

Claims (4)

  1. 粒状の第1相と、前記第1相が分散している第2相とからなるエマルジョン構造を有しており、
    前記第1相または前記第2相の一方を構成し、一次粒子における平均粒子径が1nm〜50nmの疎水性無機粒子と、前記疎水性無機粒子が分散している油溶性分散剤と、からなる無機粒子分散体と、
    前記第1相または前記第2相の他方を構成する水性溶剤と、
    前記第1相と前記第2相との界面を形成するための界面活性剤と、
    前記第1相、前記第2相、または、前記第1相及び前記第2相の両方に含まれる染毛用成分と、を含有し、
    前記疎水性無機粒子の含有割合が、全質量の0.03〜10質量%であり、
    前記油溶性分散剤の含有割合が、全質量の2〜60質量%であり、
    前記疎水性無機粒子が、疎水性シリカ粒子であり、
    前記染毛用成分が、酸化染料であり、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染めるもののうちの前記第1剤であるか、或いは、
    前記染毛用成分が、過酸化水素を含むものであり、第1剤と第2剤とを混合して毛髪を染めるもののうちの前記第2剤である、染毛用組成物。
  2. 前記疎水性無機粒子の含有割合が、全質量の0.1〜10質量%である請求項1に記載の染毛用組成物。
  3. 前記水性溶剤の含有割合が、全質量の20〜97.9質量%である請求項2に記載の染毛用組成物。
  4. 前記疎水性無機粒子が、毛髪における重なり合ったキューティクル同士を架橋する請求項1〜のいずれか一項に記載の染毛用組成物。
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