[第1実施例]
図1は、この発明の一実施例である画像形成装置10の全体を正面から見た概略構成図である。
図1を参照して、第1実施例の画像形成装置10は、カラープリンタであって、電子写真方式によって用紙(記録媒体)に多色または単色の画像を形成する。ただし、画像形成装置10は、モノクロプリンタであってもよい。また、画像形成装置10は、プリンタに限定される必要はなく、コピー機またはファクシミリ或いはこれらの機能を備えた複合機であってもよい。
先ず、画像形成装置10の基本構成について概略的に説明する。図1に示すように、画像形成装置10は、感光体ドラム12、現像装置14、帯電器16、クリーニングユニット18、露光装置20、中間転写ベルトユニット22、2次転写ローラ24および定着ユニット26等のコンポーネントを備え、給紙トレイ28から搬送される用紙上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ30に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、外部コンピュータから入力される画像データが利用される。ただし、画像形成装置10がスキャナ機能を備える場合には、外部から入力される画像データのみならず、スキャナによって原稿から読み取った画像データを利用することもできる。
上述の各コンポーネントは、画像形成装置10の筐体10a内に収容される。また、画像形成装置10の筐体10a内には、図示しないCPUおよびメモリ等を含む制御部が設けられる。制御部は、画像形成装置10の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置10に種々の動作を実行させる。
ここで、画像形成装置10において扱われる画像データは、ブラック(BK)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびイエロー(Y)の4色のカラー画像に応じたものである。このため、感光体ドラム12、現像装置14、帯電器16およびクリーニングユニット18のそれぞれは、各色に応じた4種類の潜像を形成するように4個ずつ設けられ、これらによって4つの画像ステーションが構成される。4つの画像ステーションは、中間転写ベルト36の表面の走行方向(周回移動方向)に沿って1列に並んで配置され、中間転写ベルト36の走行方向における下流側から、つまり2次転写ローラ24に近い側から、ブラック用、マゼンタ用、シアン用およびイエロー用の順に配置される。ただし、各色の配置順は、適宜変更可能である。
各画像ステーションにおいて、感光体ドラム12の回転方向回り(図1では反時計回り)に、帯電器16、現像装置14およびクリーニングユニット18がこの順序で配置される。現像装置14は、現像ローラ156(図2(A)参照)の回転軸が感光体ドラム12の回転軸と平行に並ぶように配置される。また、帯電器16は、自身の回転軸が感光体ドラム12の回転軸と平行に並ぶように配置される。さらに、クリーニングユニット18は、クリーニングブレード(図示せず)の長手方向が感光体ドラム12の回転軸方向と一致するように配置される。ただし、図1においては、感光体ドラム12の回転軸方向は、画像形成装置10を正面から見た場合の奥行き方向(前後方向)である。
感光体ドラム12は、導電性を有する基体の表面に感光層(光導電層)が形成された静電潜像担持体であって、図示しない駆動部によって軸線回りに回転可能に支持される。基体は、円筒状、円柱状、薄膜シート状などの種々の形状を採ることができる。感光層は、光を照射されることで導電性を示す材料によって形成される。第1実施例の感光体ドラム12としては、アルミニウムで形成された円筒状の基体と、この基体の外周面上に形成される、アモルファスシリコン(a−Si)、セレン(Se)、または有機光半導体(OPC)からなる感光層とを含むものが用いられる。
ただし、静電潜像担持体としては、感光体ドラム12の代わりに、感光体ベルトを用いることもできる。
現像装置14は、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する(トナー像を形成する)ものである。この現像装置14には、トナー供給パイプ34を介して、トナーカートリッジ32が接続される。トナーカートリッジ32は、未使用のトナーおよびキャリアを貯蔵する容器であって、現像装置14の上方に設けられて、現像装置14にトナーを供給(補給)すると共にキャリアを補給する。トナー供給パイプ34は、トナーカートリッジ32と現像装置14に形成されるトナー補給口1440(図2(A)参照)とを連結(接続)する。なお、現像装置14の詳細については後述する。
帯電器16は、感光体ドラム12の表面を所定の極性および電位に帯電させる装置である。帯電器16としては、ブラシ型帯電装置、ローラ型帯電装置、コロナ放電装置、イオン発生装置などを用いることができる。
クリーニングユニット18は、感光体ドラム12から中間転写ベルト36にトナー像が転写された後に、感光体ドラム12の表面に残存するトナーを除去すると共に回収し、感光体ドラム12の表面を清浄化する。したがって、たとえば、クリーニングユニット18は、トナーを掻き取るための板状部材であるクリーニングブレードと、掻き取ったトナー(廃トナ)を回収するとともに、後述する廃トナーボックス48に搬送するための搬送部を備える。
露光装置20は、現像装置14の下方に設けられる。露光装置20は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム12の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム12の表面に形成する。
中間転写ベルトユニット22は、中間転写ベルト36、駆動ローラ38、従動ローラ40および4つの中間転写ローラ(1次転写ローラ)42等を備え、感光体ドラム12の上方に配置される。
中間転写ベルト36は、可撓性を有する無端状のベルトであって、カーボンブラック等の導電性材料を適宜配合した合成樹脂またはゴム等によって形成される。中間転写ベルト36は、駆動ローラ38および従動ローラ40等の複数のローラによって張架され、その表面(外周面)が感光体ドラム12の表面に当接するように配置される。そして、中間転写ベルト36は、駆動ローラ38の回転駆動に伴い、所定方向(図1では反時計回り)に回転(周回移動)する。
駆動ローラ38は、図示しない駆動部によってその軸線回りに回転可能に設けられる。従動ローラ40は、中間転写ベルト36の周回移動に伴って回転すると共に、中間転写ベルト36に一定の張力を与えて中間転写ベルト36の弛みを防止する。
中間転写ローラ42は、中間転写ベルト36を挟んで各感光体ドラム12と対向する位置のそれぞれに配置され、中間転写ベルト36の内周面と圧接されて中間転写ベルト36の周回移動に伴い回転する。図示は省略するが、この中間転写ローラ42には、転写バイアスを印加する転写電源が接続される。画像形成時には、感光体ドラム12の表面に形成されたトナー像を構成するトナーの帯電極性とは逆極性の電圧が中間転写ローラ42に印加される。これによって、感光体ドラム12と中間転写ベルト36との間に転写電界が形成され、この転写電界の作用によって、感光体ドラム12に形成されたトナー像が中間転写ベルト36の外周面に転写される。たとえば、カラー画像を形成する場合には、各感光体ドラム12に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト36に順次重ねて転写(1次転写)されて、中間転写ベルト36の外周面に多色のトナー像が形成される。
また、中間転写ベルト36を挟んで駆動ローラ38と対向する位置には、2次転写ローラ24が配置される。2次転写ローラ24には、図示しない転写電源が接続され、画像形成時には、この転写電源によって2次転写ローラ24に電圧(2次転写電圧)が印加される。そして、電圧が印加された2次転写ローラ24によって形成される転写電界の作用により、中間転写ベルト36と2次転写ローラ24との間の転写ニップ域を用紙が通過する間に、中間転写ベルト36の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写(2次転写)される。その後、中間転写ベルト36の表面に残存したトナーは、図示しない転写ベルトクリーニングユニットによって除去および回収される。
定着ユニット26は、ヒートローラおよび加圧ローラ等を備え、2次転写ローラ24の上方に配置される。ヒートローラは、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラと加圧ローラとの間の定着ニップ域を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
また、画像形成装置10の筐体10a内には、給紙トレイ28に載置された用紙を2次転写ローラ24および定着ユニット26を経由させて排紙トレイ30に送るための用紙搬送路が形成される。この用紙搬送路には、搬送ローラ44,46およびレジストローラ50等の用紙搬送手段が適宜配置される。
画像形成時には、給紙トレイ28に載置された用紙が図示しないピックアップローラによって1枚ずつ用紙搬送路に導かれ、搬送ローラ44によってレジストローラ50まで搬送される。そして、レジストローラ50によって、用紙の先端と中間転写ベルト36上のトナー像の先端とが整合するタイミングで2次転写ローラ24に用紙が搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、定着ユニット26を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱で溶融して固着され、搬送ローラ46を経て排紙トレイ30上に用紙が排出される。
図1では省略するが、4つの画像ステーションの手前(画像形成装置10の前面)側には、廃トナーボックス48が取り付けられる。この廃トナーボックス48は、現像装置14から排出される現像剤およびクリーニングユニット18から搬送される廃トナーが回収および貯留される廃トナー収容部材である。
このような画像形成装置10では、後述するように、現像装置14が備える現像ハウジング140に、黒、シアン、マゼンタまたはイエローのトナーおよびキャリアから成る現像剤(二成分現像剤)が貯留される。ただし、キャリアは、鉄粉やフェライトのような磁性材料である。以下、同様である。
たとえば、現像装置14は、トリクル現像方式の現像装置である。トリクル現像方式とは、簡単に説明すると、トナーカートリッジ32内のトナーに新しいキャリアを一定の比率で混合しておき、トナーの供給(補給)と同時に新しいキャリアを現像装置14内に供給(補給)すると共に、過剰となった現像剤を現像装置14内から排出することによって、現像装置14内の劣化したキャリアを新しいキャリアに順次入れ替える技術を言う。
なお、この明細書においては、単に「現像剤が排出される」などというが、これは、劣化したキャリア、または劣化したキャリアとトナーとが混合された現像剤が排出されることを意味する。また、必ずしも劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられるとは限らないが、基本的には、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられるように、現像装置14は構成されている。
現像装置14では、用紙に画像が形成されることによってトナーが消費されると、消費量に相当するトナーが補給される。このため、たとえば、現像ハウジング140の底部には、トナー濃度検知センサ(図示せず)が設けられ、このトナー濃度検知センサの検知結果に基づいて、現像ハウジング140内のトナー濃度(T/D:Tはトナーであり、Dは現像剤である)が検出される。そして、検出されたトナー濃度に応じて、トナーの補給が制御される。
トナー濃度検知センサとしては、透過型の光学センサ、反射型の光学センサ、または透磁率センサ等が用いられる。この中でも、透磁率センサを用いることが好ましい。透磁率は、現像剤中の磁性材料の割合によって変化する。すなわち、現像剤中の磁性材料と非磁性材料との混合比すなわち磁性材料の相対濃度が変化すると、透磁率センサの出力が変化する。したがって、現像剤の透磁率を検出することによって、現像剤中の磁性材料であるキャリアの濃度が測定される。または、現像剤中の非磁性材料であるトナーの濃度が測定される。
このような現像装置14では、出来る限り長期間使用すると共に、現像ハウジング140内のトナーを均一かつ十分に帯電させるために、上述したように、トナーカートリッジ32から未使用のトナーを補給する場合には、未使用のキャリアも補給される。また、現像ハウジング140に貯留された一部の現像剤が排出される。これによって、劣化したキャリアが未使用のキャリアと入れ替えられる。
したがって、補給されるトナーおよびキャリアの量を制御するのみならず、キャリアや現像剤の排出量を適切に設定することも重要である。このため、第1実施例の現像装置14では、次のような構成を採用した。以下、現像装置14の構成について具体的に説明する。
図2(A)は図1に示す現像装置の外観構成を斜め上方から見た斜視図であり、図2(B)は図1に示す現像装置の右側面図である。図3は図2(B)のIII−III断面図である。図4は図2(B)のIV−IV断面図である。ただし、図2(A)に示す現像装置14の左側が図1に示した画像形成装置10の背面側に配置され、図2(B)に示す現像装置14の右側が図1に示した画像形成装置10の正面(前面)側に配置される。また、図4では、現像剤の搬送方向が矢印を用いて表示される。
図2(A)、図2(B)および図3に示すように、現像装置14は、現像ハウジング140、境界壁142、上面カバー144a、側面カバー144b、第1搬送部材150、第2搬送部材152、第3搬送部材154および現像ローラ(マグネットローラ)156等を含む。
上面カバー144aは、現像ハウジング140の上部開口に取り付けられて、第1搬送部材150、第2搬送部材152および現像ローラ156等の上方を覆う部材である。ただし、図2(A)においては、上面カバー144aの一部を省略してある。また、現像装置14には、ドクターブレードおよび上述したトナー濃度検知センサも含まれるが、図2(A)においては、上面カバー144aの一部と共に、ドクターブレードおよびトナー濃度検知センサも省略してある。
側面カバー144bは、現像ハウジング140の右端部の開口に取り付けられて、当該右端部から現像ハウジング140の外方に突出する第3搬送部材154の一部および第3搬送路164の一部等を覆う部材である(図8参照)。
現像ハウジング140は、上述したように、トナーとキャリアとを混合した現像剤(二成分現像剤)を貯留する。また、この現像ハウジング140の内部には、上記の第1搬送部材150、第2搬送部材152、第3搬送部材154および現像ローラ156が設けられる。
ただし、トナーおよびキャリアのそれぞれ、およびそれらを混合した現像剤については図示を省略してある。
また、現像装置14から現像ローラ156およびドクターブレードを除いたものは、現像剤を搬送する搬送装置と呼ばれることがある。
図2(A)に示すように、現像ハウジング140内には、各々の回転軸が並行するように、第1搬送部材150および第2搬送部材152が回転可能に配置される。また、図3に示すように、第3搬送部材154は、第2搬送部材152と同軸で一体的に形成される。
図2(A)に戻って、現像ハウジング140内には、第1搬送部材150と第2搬送部材152との間に、第1搬送部材150および第2搬送部材152の回転軸方向に延びて、現像ハウジング140の内部を仕切る矩形板状の境界壁142が設けられる。したがって、現像ハウジング140内には、第1搬送部材150によって現像剤が搬送される第1搬送路160が形成されると共に、第2搬送部材152によって現像剤が搬送される第2搬送路162が形成される。
また、図3に示すように、現像ハウジング140内には、第3搬送部材154によって現像剤が搬送される第3搬送路164の一部が形成される。第3搬送路164は、第2搬送部材152による現像剤の搬送方向の上流側において、第2搬送路162に接続(連結)される。この第3搬送路164には、第3搬送部材154による現像剤の搬送方向における下流側の底部に、過剰となった現像剤を現像ハウジング140の外部に排出するための現像剤排出口146が形成される。このような現像剤排出口146が形成される第3搬送路164の他の一部によって、現像ハウジング140の右端部において、第3搬送部材154の軸線方向であり、第3搬送部材154による現像剤の搬送方向に向かって突出する凸部140aが形成される。
また、図4に示すように、境界壁142の長手方向両端部には、スリット142aおよび142bが設けられる。スリット142aおよびスリット142bは、第1搬送路160と第2搬送路162とを連通させる連通路として機能する。
さらに、第2搬送路162は、第3搬送路164側に配置されるスリット(連通路)142bよりも第3搬送路164側に突出して形成される拡張部162aを有する。第2搬送路162が拡張部162aを有することによって、スリット142bから第3搬送路164までの距離が長くなり、第1搬送路160から搬送された現像剤がそのままの勢いで第3搬送路164に溢れる(流れ込む)ことが阻止される。また、この拡張部162aの第2搬送部材152の回転軸方向における長さ(軸方向長さ)を調整することによって、現像剤の流動性の調整が可能である、つまり、第2搬送路162の第3搬送路164側の端部から第3搬送路164に流れ込む現像剤量を調整できる。ただし、拡張部162aの軸方向長さを長くし過ぎると、排出されるべき現像剤が第3搬送路164に溢れなくなってしまうので、このような不都合が起きない程度で、拡張部162aの軸方向長さを設定する必要がある。
また、図3および図4に示すように、第2搬送路162および第3搬送路164は、円筒状または略円筒状に形成される(第1搬送路160も同様)。第3搬送路164は、第2搬送路162と同軸であり、第3搬送路164の内径は、第2搬送路162の内径よりも小さく形成される。このため、第2搬送路162と第3搬送路164との接続部(境界)には、鉛直面166を有する段差が形成される(図8参照)。このように第2搬送路162および第3搬送路164を形成することによって、たとえば、現像装置14が傾いた場合に、第2搬送路162から第3搬送路164に大量の現像剤が溢れてしまうことが防止される。
また、図3に示すように、現像ハウジング140内には、第2搬送部材152の上方に現像ローラ156が配置される。現像ローラ156は、現像剤担持体として機能し、感光体ドラム12と対向する位置に配置される(図1参照)。現像ローラ156は、現像ハウジング140内の現像剤を表面に担持して、担持した現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム12の表面に供給する。これによって、感光体ドラム12の表面に形成された静電潜像が現像(顕像化)される。
なお、図示は省略するが、現像ローラ156の表面に対して所定の間隙を有してドクターブレードが現像ハウジング140に固定される。ドクターブレードは、現像ローラ156の軸線方向に延びる板状の部材である。このドクターブレードによって、現像ローラ156に担持される現像剤の量が所定量に規制される。
また、図2(A)からよく分かるように、現像装置14には、第1搬送部材150によって現像剤が搬送される搬送方向における上流側の上面カバー144aの端部であって、第1搬送部材150の上方に、トナー補給口1440が形成される。トナー補給口1440には、トナーカートリッジ32から延びるトナー供給パイプ34が連結され、このトナー補給口1440から現像ハウジング140内にトナーおよびキャリアが補給される。
また、図2(A)および図3に示すように、第1搬送部材150は、スクリュー軸(回転軸)150aに現像剤を撹拌しながら搬送するための螺旋羽根150bが形成されたオーガスクリューである。この第1搬送部材150では、現像剤の搬送方向の下流端(図2(A)および図3では右端部)において、螺旋羽根150bが逆巻きにされる(図4参照)。
第2搬送部材152もまた、スクリュー軸152aに現像剤を撹拌しながら搬送するための螺旋羽根152bが形成されたオーガスクリューである。第2搬送部材152では、現像剤の搬送方向の上流端(図2(A)および図3では右端部)において、螺旋羽根152bのピッチが短くされる。また、第2搬送部材152では、現像剤の搬送方向の下流端(図2(A)および図3では左端部)において、螺旋羽根152bが逆巻きにされると共に、螺旋羽根152bのピッチが短くされる。
以下、図4を参照して、現像ハウジング140内を搬送される現像剤の流れ(挙動)について説明する。
この第1実施例では、第1搬送部材150のスクリュー軸150aと、第2搬送部材152のスクリュー軸152a(第3搬送部材154のスクリュー軸154a)とは、逆向きに回転される。したがって、第1実施例では、現像剤は、第1搬送路160をスリット142a側からスリット142b側に向けて搬送され、第2搬送路162をスリット142b側からスリット142a側に向けて搬送される。つまり、第1搬送路160を搬送される現像剤の搬送方向と、第2搬送路162を搬送される現像剤の搬送方向は逆向きである。
また、第1搬送路160を搬送された現像剤は、第1搬送路160の搬送方向の下流端で現像ハウジング140の壁(内側壁)によって堰き止められる。したがって、現像剤は、第1搬送路160の搬送方向の下流端で滞留され、スリット142bから第2搬送路162に押し出される(移動される)。
一方、第2搬送路162を搬送された現像剤は、第2搬送路162の搬送方向の下流端で現像ハウジング140の壁(内側壁)によって堰き止められる。したがって、現像剤は、第2搬送路162の搬送方向の下流端で滞留され、スリット142aから第1搬送路160に押し出される(移動される)。
このように、現像ハウジング140内では、スリット142aおよびスリット142bによって第1搬送路160および第2搬送路162が連通されるため、第1搬送部材150および第2搬送部材152が回転されることによって、現像ハウジング140内の現像剤は循環される。図4においては、矢印A、B、CおよびDで示すように、現像剤は現像ハウジング140内を循環される。
ここで、上述したように、トナー補給口1440は、第1搬送路160における現像剤の搬送方向の上流側(図4では、左端部)に形成される。つまり、トナーカートリッジ32からの未使用のトナーは、未使用のキャリアと共に、第1搬送路160における現像剤の搬送方向の上流側に補給される。
また、第3搬送路164は、第2搬送部材152による現像剤の搬送方向の上流側において第2搬送路162に接続される。さらに、上述したように、第2搬送路162と第3搬送路164との接続部には、鉛直面166を有する段差が形成される。
したがって、第2搬送部材152による現像剤の搬送方向における第2搬送路162の上流端において、現像剤が鉛直面166を有する段差を越えて、第2搬送路162から第3搬送路164に溢れると、その第3搬送路164に溢れた現像剤が、第3搬送部材154によって第2搬送路162における現像剤の搬送方向とは逆向きに搬送される。そして、第3搬送路164を搬送された現像剤は、現像剤排出口146から排出される。たとえば、現像剤の液面が第3搬送路164において段差を越えると、段差を超えた分の現像剤が図4の矢印Eで示す方向に現像剤排出口146まで搬送される。
このように、第1実施例の現像装置14では、第2搬送路162における現像剤の搬送方向の上流端において、第3搬送路164側に溢れた現像剤が排出されるように構成される。上述したように、第3搬送路164に溢れた現像剤は、現像剤排出口146まで搬送され、廃トナーボックス48に回収および貯留(収容)される。
図5は、第1実施例の廃トナーボックス48の外観構成を斜め上方から見た斜視図である。図6は第1実施例の廃トナーボックス48を取り付ける前の画像形成装置10の一部を正面の斜め上方から見た斜視図である。図7は第1実施例の廃トナーボックス48を取り付けた状態の画像形成装置10の一部を正面の斜め上方から見た斜視図である。図8は図7に示す画像形成装置の一部の断面を当該画像形成装置の左側面から見た場合の現像装置14の一部および廃トナーボックス48を示す図解図である。
ただし、図6および図7は、いずれも、画像形成装置10の前面に設けられる前カバー100を開いた状態を示してある。また、図8に示す現像装置14の一部は、図3の現像装置14の断面図の右側面側(画像形成装置の正面側)の端部を拡大した拡大図に相当する。後述する図10および図11についても同様である。
図5に示すように、廃トナーボックス48は、貯留部480を含み、貯留部480は、断面形状が略L字状であり(図8参照)、廃トナーボックス48の大部分を占める。この貯留部480は、上述したように、現像装置14から排出された現像剤およびクリーニングユニット18から搬送された廃トナーを回収および収容(貯留)する。
図6に示すように、画像形成装置10に廃トナーボックス48を取り付ける前では、現像装置14の凸部140aおよびクリーニングユニット18の搬送部の一部は外部から見える状態である。また、現像装置14およびクリーニングユニット18の上方には、トナーカートリッジ32が装着される。また、図7に示すように、画像形成装置10に廃トナーボックス48が取り付けられると、現像装置14の凸部140aおよびクリーニングユニット18の搬送部の一部がこの廃トナーボックス48で覆われる。
また、図5に示すように、廃トナーボックス48の一方の側面には、現像装置14の凸部140aと連結(接続)されるとともに、現像装置14の現像剤排出口146と貯留部480を連結するための連結部材482が設けられる(図8参照)。さらに、図5に示すように、廃トナーボックス48の一方の側面には、連結部材482の左斜め上方に他の連結部材484が設けられる。この連結部材484は、クリーニングユニット18の搬送部の端部に設けられる廃トナーの排出口と貯留部480を連結する。ただし、廃トナーボックス48には、4つの画像ステーションのそれぞれに対応して、4つの連結部材482および4つの連結部材484が形成される。
また、図8に示すように、第3搬送路164は、円筒形状の部材(筒状部材)164aによって構成され、この筒状部材164aの内部に第3搬送部材154が設けられる。第3搬送部材154は、現像剤の搬送方向の下流端、すなわち筒状部材164aの両端部のうちの第2搬送路162と連結される端部1640aとは反対の端部1640bにおいて支持される。この筒状部材164aの一部は、側面カバー144bで覆われる。また、筒状部材164aの底面の一部であり、第3搬送部材154の現像剤の搬送方向の下流端において、現像剤排出口146の一部を構成する開口(孔)1640が形成される。また、側面カバー144bの第3搬送部材154の軸方向に突出した部分の底面の一部であり、開口1640に対応する位置には、現像剤排出口146の一部を構成する開口(孔)1442が形成される。
また、筒状部材164aの下方であり、筒状部材164aと側面カバー144bとの間に、シャッタ170が設けられる。このシャッタ170は、現像剤排出口146を開閉する開閉部材である。シャッタ170には、現像剤排出口146の一部を構成する開口(孔)1700が形成される。また、図示は省略するが、シャッタ170は、現像装置14が装着された画像形成装置10に廃トナーボックス48が取り付けられた場合に開き、現像装置14が装着された画像形成装置10から廃トナーボックス48が取り出された場合に閉じるように構成されている。この第1実施例では、シャッタ170は、第3搬送部材154の軸方向に変位可能である。ただし、シャッタ170が開いた状態において、筒状部材164aの開口1640と対応する位置に配置されるように、開口1700は形成される。つまり、シャッタ170が開いた状態では、開口1442、開口1640および開口1700が一直線上に並び、貫通孔が形成される。この貫通孔が現像剤排出口146である。したがって、この現像剤排出口146は、シャッタ170の開閉に応じて開閉される。また、図8に示すように、凸部140aが廃トナーボックス48の連結部材482に連結(接続)されると、現像剤排出口146は、貯留部480に連通される。
また、シャッタ170の上面の一部であり、開口1700の周囲には、封止部材172が貼り付けられる。封止部材172は、スポンジ状の多孔質弾性体をシート状に形成した部材である。この封止部材172によって、筒状部材164aとシャッタ170との間の隙間が封止され、排出される現像剤が筒状部材164aと側面カバー144bの間に流入するのが防止される。封止部材172は、シャッタ170とともに変位され、筒状部材164aの外周面を第3搬送部材154の軸方向に摺動する。
ただし、シャッタ170は、少なくとも、側面カバー144bと筒状部材164aの間に配置される一部において、筒状部材164aの外周面に沿って湾曲するように形成される。したがって、シャッタ170の湾曲する部分に貼り付けられる封止部材172も湾曲される。
このような現像装置14を備える画像形成装置10では、設置作業にかかる時間、すなわち画像形成装置10が搬入されてから使用可能になるまでの時間を短縮するために、画像形成装置10は、現像剤が充填された現像装置14が取り付けられた状態で、工場などから出荷され、設置場所に輸送(配送)されることがある。
しかし、上述したように、現像装置14が装着された画像形成装置10に廃トナーボックス48が取り付けられると、シャッタ170が開き、現像剤排出口146が開いた状態となる。このため、画像形成装置10の輸送中または設置作業中に、画像形成装置10に衝撃が加えられたり、画像形成装置10が傾けられたりすると、現像装置14において、現像剤が第2搬送路162から第3搬送路164に溢れ、さらに、現像剤排出口146から排出されてしまうことがある。つまり、現像剤が無駄になる。
そこで、この第1実施例では、現像剤が充填された現像装置14が画像形成装置10に取り付けられた状態であっても、設置作業が完了するまで(使用可能になるまで)、現像剤排出口146から現像剤が排出されてしまうのを防止するようにしてある。以下、具体的に説明する。
図9は現像装置14の右側(画像形成装置10に装着された場合の正面側)の端部および封止部材180を斜め上方から見た図解図である。図10は封止部材180が挿し込まれていない状態の現像装置14の右側の端部の断面を拡大した図解図である。図11は封止部材180が挿し込まれた状態の現像装置14の右側の端部の断面を拡大した図解図である。
図9および図10に示すように、この第1実施例の現像装置14では、凸部140aの先端部(現像装置14における右側の端部)であり、その下端部にスリット(貫通孔)1444が設けられる。たとえば、スリット1444は、その下端がシャッタ170の上面の位置またはシャッタ170の上面の少し上方に位置するように、側面カバー144bに形成される。また、スリット1444は、円筒形状の凸部140aの先端面の円に沿うように湾曲される。
このスリット1444を通して、封止部材180が挿入される。封止部材180は、樹脂、厚紙、金属などで形成される。この第1実施例では、透明のPET(ポリエチレンテレフタラートまたはポリエチレンテレフタレート)で形成される。
図9および図11に示すように、封止部材180は長手方向における断面がL字状に形成される。たとえば、封止部材180の厚みSは、0.075mm〜0.15mmであり、封止部材180の長さD(L字の長さ)は、30.00mm〜50.00mmであり、封止部材180の幅W(L字の太さ)は、10.00mm〜15.00mmである。
また、封止部材180は、水平方向に延びる第1片180aおよびこの第1片180aの長手方向の一方端から略垂直方向に立ち上がる第2片180bとで構成される。たとえば、第2片180bは、第1片180aの平面と交差する方向に折り曲げられる。また、第1片180aは短冊状に形成され、第2片180bは略円形に形成される。
この第1実施例では、封止部材180のうち、第1片180aがスリット1444に挿し込まれ、この第1片180aによって筒状部材164aの開口1640が塞がれる。たとえば、第1片180aをスリット1444に挿し込む場合には、スリット1444の形状に合わせて第1片180aは湾曲される。第2片180bは、側面カバー144bに当たり、ストッパとして機能する。また、第2片180bは、封止部材180を現像装置14から取り外す場合の摘まみ部として機能する。
図11からも分かるように、第1片180aは、筒状部材164aの外周とシャッタ170に貼り付けられた封止部材172との間に介挿される。このとき、第1片180aが介挿されることによって、封止部材172は圧縮されてシートの厚みが薄くなる。上述したように、封止部材172は弾性体であるため、筒状部材164aと封止部材180の間には、隙間は出来ない。したがって、上述したように、筒状部材164aに形成された開口1640が封止部材180の第1片180aによって塞がれる。つまり、シャッタ170が閉じられた状態と同等の状態が封止部材180によって作られる。このため、現像装置14が装着された画像形成装置10に廃トナーボックス48が取り付けられた状態であっても、第3搬送路164に溢れた現像剤が現像剤排出口146から排出されることはない。
ただし、封止部材180は、画像形成装置10が使用される前に、現像装置14から取り外す必要がある。図示は省略するが、画像形成装置10の設置時に、画像形成装置10の前カバー100が開かれ、廃トナーボックス48が取り外される。そして、封止部材180および中間転写ベルト36の固定材などが取り外された後に、廃トナーボックス48が取り付けられ、前カバー100が閉じられる。たとえば、封止部材180を取り外す場合には、作業者は、第2片180bを摘まんで、画像形成装置10の前面側に引っ張る。
第1実施例によれば、現像装置14に設けられる現像剤の現像剤排出口146をシャッタ170とは異なる封止部材180で封止するので、現像剤が充填された現像装置14が取り付けられた画像形成装置10を輸送および設置しても、現像剤が現像装置14の現像剤排出口146から排出されることは無い。つまり、現像剤が無駄にならない。
また、第1実施例によれば、現像剤が充填された現像装置14が取り付けられた画像形成装置10を輸送および設置するので、画像形成装置10を設置する場合に、現像剤を充填する必要が無く、現像剤を充填する時間および手間を省くことができる。このため、設置場所において画像形成装置10が使用可能になるまでの時間が短縮される。
さらに、第1実施例では、現像装置14に現像剤を予め充填しておくため、生産ラインにおいて異物混入などの不具合を発見し、画像形成装置10を出荷する前に対処することができる。したがって、画像形成装置10ないし現像装置14の初期不良の発生が出来る限り防止される。
なお、この第1実施例では、封止部材180の第2片180bを略円形状に形成したが、第2片180bは、第1片180aと同様に短冊状に形成されてもよい。
また、この第1実施例では、封止部材180は、第1片180aおよび第2片180bで構成され、第1片180aが現像装置14に挿入される前から、第2片180bが第1片180aに対して略垂直になるように折り曲げられているように説明したが、これに限定される必要はない。たとえば、封止部材180が第1片180aと第2片180bとの連結部分に折り目を有するシート状に形成され、第1片180aがスリット1444から現像装置14に挿入された後に、凸部140aの先端面に当たるように、第2片180bが折り曲げられるようにしてもよい。この場合、折り目の一部を打ち抜いて、第2片180bを折り曲げ易くしても良い。
また、この第1実施例では、現像装置14に挿入された状態において、断面がL字状に形成される封止部材180を用いるようにしたが、これに限定される必要はない。たとえば、現像装置14に挿入された状態においても、短冊状のままである封止部材180が用いられてもよい。ただし、封止部材180は、画像形成装置10の使用前に取り外す必要があるため、封止部材180の一部が現像ハウジング140の側面カバー144bから或る程度はみ出すように、封止部材180の長さが設定される。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置10は、4つの現像装置14の各々に挿し込まれる4つの封止部材180を紐190で連結するようにした以外は、第1実施例の画像形成装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図12に示すように、第2実施例では、紐190を用いて、4つの封止部材180が1つにまとめられる(連結される)。ただし、紐190は、両端を結ぶことにより、環状に形成される。図面では、紐190の結び目は省略してある。したがって、図12からも分かるように、この第2実施例では、封止部材180の第2片180bに紐190を通すための孔1800が形成される。また、この第2実施例では、4つの封止部材180に加えて、タグ192も連結される。タグ192は、紙またはプラスチック等の樹脂で形成され、その表面(片面または両面)には封止部材180を取り外すべき旨のメッセージなどが作業者に向けて記載される。また、タグ192には、紐190を通すための孔1920が形成される。
図13は、廃トナーボックス48を取り外した状態の画像形成装置10の外観構成を斜め上方から見た斜視図である。図14は、廃トナーボックス48を取り付けた状態の画像形成装置10の外観構成を斜め上方から見た斜視図である。なお、画像形成装置10の前面側には、開閉可能に前カバー100(開閉部)が設けられ、図13および図14においては、前カバー100が開けられた状態を示す。
図13に示すように、4つの現像装置14の各々では、スリット1444を通して、封止部材180が挿入される。上述したように、4つの封止部材180およびタグ192は紐190で連結される。図14に示すように、タグ192が廃トナーボックス48よりも前面側に位置するように、この廃トナーボックス48は画像形成装置10に取り付けられる。このとき、メッセージが見えるように、当該メッセージが記載されたタグ192の面が画像形成装置10の前面側に向けられる。このようにすれば、前カバー100を開けた作業者は、タグ192に記載されたメッセージを見て、封止部材180を現像装置14から取り外すべきことを容易に知ることができる。
ただし、これは一例であり、限定されるべきではない。画像形成装置10を使用する前においては、中間転写ベルト36の固定剤などを取り外すために、一旦廃トナーボックス48を取り外す必要があるため、タグ192は、廃トナーボックス48よりも背面側に位置するように取り付けられてもよい。
第2実施例によれば、4つの現像装置14の各々に挿入される4つの封止部材180を紐190で連結するので、たとえば、作業者は、タグ192を画像形成装置10の前面側に引っ張ることにより、一度に4つの封止部材180を各現像装置14から取り外すことができる。このため、封止部材180の取り外しが簡単である。ただし、作業者は、タグ192に代えて、いずれか1つの封止部材180または紐190を引っ張るようにしてもよい。
また、第2実施例によれば、4つの封止部材180とともにタグ192を紐190で連結し、このタグ192に封止部材180を取り外すべき旨のメッセージが記載されるので、作業者が封止部材180を取り外すのを忘れることが防止される。
なお、第2実施例では、紐190の両端を結ぶことにより、紐190を環状に形成したが、これに限定される必要はない。たとえば、紐190の両端のそれぞれに結び目を形成し、紐190から封止部材180およびタグ192が抜けないようにしてもよい。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置10は、廃トナーボックス48に紐190を係止するようにした以外は、第2実施例の画像形成装置10と同じであるため、第2実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図15は、第3実施例における廃トナーボックス48の外観構成を斜め上方から見た斜視図である。また、図16は、第3実施例における画像形成装置10の外観構成を斜め上方から見た斜視図である。ただし、図16では、画像形成装置10の前カバー100を開いた状態を示してある。
図15に示すように、第3実施例では、廃トナーボックス48の上面に、所定間隔をあけて2つの係止部486が設けられる。係止部486は廃トナーボックス48の上面から上方に延びる第1部材486aおよびこの第1部材486aの上端部に連結され、連結部材482および連結部材484が設けられる側面とは反対側の側面の方向に延びる第2部材486bとによって構成される。つまり、係止部486は、L字状に形成され、廃トナーボックス48が画像形成装置10に取り付けられた場合には、第2部材486bは第1部材486aの上端(先端)部から画像形成装置10の前面側に延びる。
図16に示すように、現像装置14が装着された画像形成装置10に廃トナーボックス48が取り付けられた状態で、2つの係止部486は紐190を係止する(引っ掛ける)。したがって、画像形成装置10から廃トナーボックス48を取り外すときに、画像形成装置10の前面側に引っ張られ、紐190によって連結される4つの封止部材180が現像装置14から一度に全部取り外される。
第3実施例によれば、廃トナーボックス48に紐190を係止する係止部486を設けるので、画像形成装置10から廃トナーボックス48を取り外すと、同時に4つの封止部材180を取り外ことができる。したがって、作業が簡単であり、作業者が封止部材180を取り外すのを忘れることが防止される。
なお、第3実施例では、2つの係止部486が設けられる場合を示したが、これに限定される必要は無い。係止部486は1つだけ設けられてもよいし、3つ以上設けられてもよい。
また、第3実施例では、2つの係止部486を廃トナーボックス48の上面に設けるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、係止部486は、廃トナーボックス48の連結部材482および連結部材484が設けられる一方の側面とは反対側の側面であり、その上部に設けられてもよい。この場合、第1部材486aは上記の反対側の側面の方向に延びて設けられ、第2部材486bは第1部材486aの先端部から下方に延びて形成される。
なお、上述の各実施例においては、上部開口および右端部の開口を有する現像ハウジング140に、上面カバー144aおよび側面カバー144bが取り付けられるように説明したが、これに限定される必要はない。現像ハウジング140に上面カバー144aまたは/および側面カバー144bを取り付けたハウジングが現像ハウジングと呼ばれてもよい。
また、上述の各実施例においては、トナーおよびキャリアの二成分からなる現像剤を用いる現像装置14について説明したが、この発明に係る搬送装置または現像装置は、現像ハウジングの端部に形成される現像剤排出口から余剰の現像剤を排出する構成を備える搬送装置または現像装置であれば、一成分現像剤を用いるものにも適用可能である。
さらに、上述の各実施例で挙げた具体的な形状および数値等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することができる。