JP6614461B2 - 電気化学装置 - Google Patents
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Description
この電気化学装置では、押え部が、集電体よりも、発電要素本体側に突出する位置に配置されている。これにより、押え部が、集電体よりも発電要素本体側に突出していない構成に比べて、集電体が発電要素に突き刺さる等の事態を抑制することができる。
この電気化学装置では、押え部は、発電要素本体の端部と外装体の内側面との対向方向に直交する方向において集電体と並んで配置され、且つ、対向方向おける寸法が集電体よりも大きい。これにより、押え部の対向方向おける寸法が集電体よりも小さい構成に比べて、集電体が発電要素に突き刺さる等の事態を抑制することができる。
仮に、押え部が集電体と接触して配置されている構成では、押え部の移動に伴って集電体も発電要素本体側に押し出されるおそれがある。これに対し、この電気化学装置では、押え部は、集電体とは離間して配置されている。これにより、押え部の移動に伴って集電体が発電要素本体側に押し出されて発電要素に突き刺さる等の事態を抑制することができる。
また、前記変位規制部材の前記押え部は、前記発電要素本体の端部側に向けられる押え面を有し、前記押え面の端縁部には、丸みが付けられているものとしてもよい。このような構成によれば、変位規制部材が発電要素に突き刺さることを、より確実に防ぐことができる。
以下、実施形態1について、図1〜図6を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態における電気化学装置は、電気自動車やハイブリット自動車等の車両に搭載される非水電解質二次電池の一種である大型リチウムイオン電池(以下、単に単電池B1と称する)である。この単電池B1は、扁平型をなす発電要素10が、角形の外装体20に収容されてなる角型電池であり、外装体20内には電解液が充填されている。以下、各図において、符号Uの方向を単電池B1の上側、符号Fの方向を単電池B1の前側、符号Rの方向を単電池B1の右側として説明する。
本実施形態の単電池B1は、金属箔表面に活物質層が形成された正負の電極を有する発電要素10と、発電要素10を収容する外装体20と、発電要素10に接続された正負の集電体24A,24Bと、発電要素10のうち正負の集電体24A,24Bが接続された側の側面に取り付けられるスペーサ30と、を備え、スペーサ30は、集電体24A,24Bと発電要素10との並び方向に厚みを持った第一押え部31および第二押え部37を有し、この第一押え部31または第二押え部37が発電要素本体10Cの側面に当接することで、発電要素本体10Cの集電体24A,24Bに対する並び方向の相対変位が規制されるものである。
図7から図9は実施形態2を示す。上記実施形態1との相違は、スペーサの構成にあり、その他の点は上記実施形態1と同様である。従って、実施形態1と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。また、各図において、符号Uの方向を単電池B2の上側、符号Fの方向を単電池B2の前側、符号Rの方向を単電池B2の右側として説明する。
図10は実施形態3を示す。上記実施形態2との相違は、スペーサの構成にあり、その他の点は上記実施形態2と同様である。従って、実施形態2と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。また、図10において、符号Uの方向を単電池B3の上側、符号Fの方向を単電池B3の前側、符号Rの方向を単電池B3の右側として説明する。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、電気化学装置の一例として非水電解質二次電池を示したが、これに限らず、電気化学装置は、例えば、リチウムイオンキャパシタのような電気化学現象を伴うキャパシタであってもよい。
(2)上記実施形態では、単電池B1〜B3の発電要素10は、セパレータを挟んで重ね合わせられた正極板と負極板とが巻回されて扁平形状に形成されたものとされているが、これに限らず、例えば、発電要素は、セパレータを挟んで重ね合わせられた正極板と負極板とが巻回されて円筒形状等の他の形状に形成されたものであってもよく、また、正極板と負極板とが巻回されずに積層されてなる積層型のものであってもよい。
(3)上記実施形態では、本発明を、一の発電要素10を備えた単電池B1〜B3に適用した例を説明したが、これに限らず、本発明は、二以上の発電要素を備えた単電池にも適用することができ、その場合には、例えばスペーサを、各発電要素毎に個別に取り付けるものとしてもよく、また複数の発電要素の側面に跨って、一のスペーサを一括して取り付けるものとしてもよい。
(4)上記実施形態では、発電要素10およびスペーサ30,50,70が外装体20に収容された状態では、スペーサ30等と容器体21との間には、隙間が空くものとされているが、これに限らず、スペーサにより、容器体と発電要素との間の隙間をほぼ無くすように埋めるものとしてもよい。
(5)上記実施形態では、スペーサ30,50,70は、発電要素本体10Cの側面の傾斜に沿って傾く第一押え面33および第二押え面38等を有しているが、必ずしも発電要素本体10Cの側面のすべての傾斜に対応してこのような押え面を設けなくてもよく、例えば突条など、発電要素本体10Cと線接触可能な構成でもよい。また、例えば、発電要素本体10Cの変位を規制する際に、比較的強い当接が予測される部分のみに、押え面を設けるものとしてもよい。更に、第一押え面33および第二押え面38等は、発電要素本体10Cの側面に平行である必要はなく、当該側面側に向いていれば、振動等が発生した場合に、第一押え面33等を、発電要素本体10Cの側面に面接触させることができる。更に、発電要素本体10Cの端部(側部)は、平面である必要はなく、例えば突条など、各押え面33等と線接触可能な構成でもよい。
(6)上記実施形態では、第一押え面33および第二押え面38が、発電要素本体10Cから所定間隔離れた位置に保持される設定とされているが、これに限らず、第一押え面および第二押え面が、正極集電箔または負極集電箔を損傷させない程度の強さで発電要素本体10Cに接触するように設定してもよい。
(7)上記実施形態では、スペーサ30,50,70は、薄い板部材を屈曲したような形状に形成されているが、これに限らず、例えば、スペーサのうち第一押え部を、発電要素本体10Cの側面に形成された凹みを埋めるようなブロック形状に形成してもよい。
(8)上記実施形態では、単電池B1〜B3が、強い振動や衝撃を受けた場合には、スペーサ30,50,70が発電要素本体10Cに押されて外装体20に当接することで、第一押え部31または第二押え部37が発電要素本体10Cの変位方向に支えた状態になるが、これに限らず、例えばスペーサに、脚部を弾性的に挟持する係止手段を設け、発電要素本体10Cに押されたスペーサが発電要素本体10Cに係止して止まることで、第一押え部または第二押え部が発電要素本体10Cの変位方向に支えた状態になるものとしてもよい。
(9)上記実施形態では、第一押え部31および第二押え部37は、脚部26の幅寸法よりも大きい幅寸法(厚さ寸法)を有するものとされているが、これに限らず、第一押え部および第二押え部の寸法は、発電要素本体10Cの変位量を小さく抑えて内部短絡を防ぐことが可能であれば、脚部の幅寸法よりも小さい幅寸法を有するものとしてもよい。
(10)上記実施形態では、スペーサ30,50,70は、第一押え部31および一対の第二押え部37等を一体に有するものとされているが、これに限らず、例えばスペーサは、第一押え部と第二押え部とがそれぞれ別体に形成されたものであってもよく、また、例えばスペーサは、逃げ部の位置で二分割されたものであって、第一押え部と第二押え部とを一ずつ有するものであってもよい。第一押え部と第二押え部とどちらか片方だけでもよい。
(11)上記第一押え部31および第二押え部37等は、集電体24A,24Bよりも発電要素本体10側に突出していない構成でもよい。このような構成でも、押え部を有しない従来の構成に比べて、集電体が発電要素本体10Cに突き刺さる等の事態を抑制することができる。
Claims (6)
- 金属箔表面に活物質層が形成された電極を有する発電要素であって、前記金属箔が傾斜した端部を有する発電要素本体と、当該発電要素本体の前記傾斜した端部から突出して設けられた電極部分とを有する前記発電要素と、
前記発電要素を収容する外装体と、
前記発電要素の前記電極部分に接続された一対の脚部を有する集電体と、
前記電極部分に対して相対的に変位可能に配置された絶縁部材と、を備え、
前記絶縁部材は、前記一対の脚部の間に配置され、前記発電要素本体の前記傾斜した端部に対向し、前記傾斜した端部を直に押えるための押え面を有する第一押え部と、前記電極部分が突出する突出方向に対向する前記外装体の内側面と前記集電体との間に配置された絶縁部と、を備える、電気化学装置。 - 請求項1に記載の電気化学装置であって、
前記第一押え部は、前記集電体よりも、前記発電要素本体側に突出する位置に配置されている、電気化学装置。 - 請求項1または2に記載の電気化学装置であって、
前記第一押え部は、前記発電要素本体の前記端部との間に遊びを有した状態で所定間隔離れた位置に保持可能とされる、電気化学装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の電気化学装置であって、
前記第一押え部は、前記集電体とは離間して配置されている、電気化学装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学装置であって、
前記絶縁部材は、前記一対の脚部の外側に配され、前記発電要素本体の前記傾斜した端部に対向し、前記傾斜した端部を押えるための第二押え部を有する、電気化学装置。 - 請求項5に記載の電気化学装置であって、
前記第二押え部の先端側は根本側よりも断面視において厚みが大きい、電気化学装置。
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