JP6613088B2 - 超音波プローブ - Google Patents

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Description

本発明は、超音波プローブに関し、特に、超音波プローブ内に設けられる送受波ユニットの積層構造に関する。
医療の分野において超音波診断装置が活用されている。超音波診断装置は、被検体に対して超音波を送受波し、これにより得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波の送受波は、装置本体に有線あるいは無線で接続される超音波プローブにより行われる。
超音波プローブは、複数の振動子からなる振動子アレイを有している。各振動子には、各送信経路から送られて来る信号(送信信号)が与えられる。これにより各振動子が振動して超音波が送信される。
超音波プローブ内に、送信サブビームフォーマー(超音波診断装置本体からの信号に従って複数の送信信号を生成して各振動子に送信する)、及び受信サブビームフォーマー(各振動子から得られる複数の受信信号に対して整相加算処理を行って受信信号を生成する)などの機能を備える電子回路が設けられる場合がある。電子回路は、振動子アレイから見て被検体とは反対側(背面側)に設けられる。
振動子アレイからは、被検体に向かう方向のみならず、背面側にも超音波が送波される。背面側へ送波された超音波(背面波)が超音波プローブ内の界面間で多重反射することにより複数の反射波が生じる。当該複数の反射波が直接被検体に向かう超音波に重畳すると、それらがノイズとなって超音波画像が劣化してしまう。
従来、背面反射波による超音波画像の劣化を防止するための技術が提案されている。例えば、特許文献1には、振動子アレイの背面側に設けられるリードバッキングであって、振動子アレイと電子回路を電気的に接続すると共に背面波を減衰させるためのリードバッキングが開示されている。また、振動子アレイの背面側に、背面波を被検体側に反射させる固定端として機能する反射層を設けて背面波を意図的に反射させることで、背面波の多重反射を防止すると共に被検体へ送信される超音波強度を増加させる技術も提案されている。
特開2002−27593号公報
超音波プローブが動作することで、超音波プローブ内に配置された電子回路が発熱する。超音波プローブは被検体に当接されるものであるため、被検体との当接面(超音波送受波面)の温度上昇を防ぐ必要がある。
電子回路は、通常、上述のリードバッキングなどのバッキング材の背面側に設けられ、つまり被検体と電子回路の間にバッキング材が配置される。しかし、バッキング材は、超音波減衰特性を向上させる必要があるためにどうしても熱伝導率が比較的高くなってしまう。そのため、バッキング材に断熱効果はほとんど期待できない。
また、上述の反射層も被検体と電子回路との間に配置される。しかし、振動子アレイと電子回路との間を電気的に導通させる必要があることから、反射層はカーボンなどの導電性の良い物質で形成される。このような物質は一般的に熱伝導率が高い。つまり、反射層も熱伝導率が比較的高く、反射層にも断熱効果を期待できない。
本発明の目的は、振動子アレイから被検体へ送信される超音波に重畳するノイズを抑制しつつ、超音波プローブ内において発生した熱の超音波送受波面への伝搬を抑制することにある。
本発明に係る超音波プローブは、超音波の送受波を行う複数の振動子からなる振動子アレイと、前記振動子アレイの下方に配置され、前記振動子アレイに電気的に接続された電子回路と、前記振動子アレイと前記電子回路との間に設けられ、前記振動子アレイから下方へ伝搬してきた超音波を遮断する遮音特性を有し、導電性であって前記振動子アレイと電気的に接続される超音波分離層と、前記超音波分離層と前記電子回路との間に設けられ、前記電子回路において生じた熱の上方への伝搬を制限する断熱特性を有し、前記断熱特性を発揮する組成又は構造を持った断熱材料と、前記断熱材料を通過する複数のリードからなるリードアレイとを含む熱分離層と、を備え、前記振動子アレイと前記電子回路とが、前記超音波分離層及び前記リードアレイを介して電気的に接続され、前記振動子アレイと前記超音波分離層との間には、各振動子が有する第1音響インピーダンスよりも高い第2音響インピーダンスを有するハードバッキング層が設けられ、前記超音波分離層は、前記第1音響インピーダンスよりも低い第3音響インピーダンスを有する、ことを特徴とする。
上記構成によれば、振動子アレイから見て被検体とは反対方向である下方(背面)に送信される不要超音波の全部又はそのほとんどが超音波分離層によって遮断される。これにより、超音波プローブ内における不要超音波の反射を防止又は無視できるくらい低減することができる。つまり、超音波分離層により超音波画像の劣化が抑制される。
超音波分離層により不要超音波が実質的に遮断されることから、超音波分離層のさらに下方に位置する熱分離層においては、基本的に、超音波を遮断あるいは減衰させる必要がなくなる。そのため、熱分離層は、超音波を遮断あるいは減衰させる特性が悪くても構わず、熱伝導率を低く(断熱性を高く)することに特化して熱分離層を形成することができる。断熱性が高い熱分離層を形成することにより、電子回路において生じた熱が上方(被検体側)へ移動することを好適に制限することができる。このように上記構成はアレイ振動子の背面側での機能分離あるいは逆方向の2つ流れに対する個別的な上流側制限により、遮音と遮熱の両面で良好な特性を実現したものである。また、ハードバッキング層の音響インピーダンスを振動子アレイの音響インピーダンスよりも高く、超音波分離層の音響インピーダンスを各振動子の音響インピーダンスよりも低くすることで、ハードバッキング層と超音波分離層との間の音響インピーダンスの差が大きくなり、ハードバッキング層と超音波分離層との間の界面においてより好適に不要超音波を遮断(反射)させることができる。
断熱材料は、例えば樹脂などの断熱性の高い物質で構成される。特に、断熱材料が多孔質樹脂で形成されることにより、断熱材料の断熱性をより高めることができる。また、熱分離層が有するリードアレイにより、振動子アレイと電子回路とが電気的に接続される。リードアレイは、振動子アレイと電子回路との間の導電性が十分に確保される限りにおいて、できるだけ断熱性が高くなるよう形成されるのが好ましい。
望ましくは、前記ハードバッキング層は、前記複数の振動子に対応する複数のハードバッキング要素からなり、前記超音波分離層は、前記複数の振動子に対応する複数の超音波分離要素からなり、少なくとも前記振動子アレイ、前記ハードバッキング層及び前記超音波分離層を含む積層部分において、複数の音響分離溝によって相互に音響的に隔てられた複数の積層体が構成された、ことを特徴とする。
各振動子に対応してハードバッキング要素及び超音波分離要素が設けられ積層体が構成され、各積層体が音響分離溝によって隔てられることにより、1つの積層体が他の積層体から受ける音響的な影響を排除することができる。つまり、振動子アレイから被検体へ送信される超音波に重畳するノイズがさらに抑制され、超音波画像の画質の劣化がさらに抑制される。
本発明によれば、振動子アレイから被検体へ送信される超音波に重畳するノイズを抑制しつつ、超音波プローブ内において発生した熱の超音波送受波面への伝搬を抑制することができる。
本実施形態に係る超音波プローブの外観斜視図である。 本実施形態に係る超音波プローブの分解斜視図である。 送受波ユニットの拡大図である。 送受波ユニットの断面図である。 断熱配線ブロックのベース部分の拡大断面図である。 下側熱伝導体の構造を示す斜視図である。 送受波ユニットの各層における温度分布の例を示す図である。 送受波ユニットの製造方法の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る超音波プローブの実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る超音波プローブ10の外観斜視図である。超音波プローブ10は上下方向(図1におけるy軸方向)に伸長した形状であり、最上部に設けられた超音波送受波面12を介して超音波を送受波する。
超音波プローブ10は、防水あるいは防菌のための外皮として上側ケース14及び下側ケース16を有している。上側ケース14及び下側ケース16は組み合わされることで一体となっている。これによりプローブケースが構成される。上側ケース14及び下側ケース16は、防水性、防菌性、及び絶縁性の高い物質で構成されるのが好適である。本実施形態では、上側ケース14及び下側ケース16は樹脂で構成されている。
超音波プローブ10の最下部からは超音波診断装置本体に接続されるケーブル18が伸びている。ケーブル18と下側ケース16との接合部を保護するためにケーブル保護ブーツ20が設けられる。
なお、本明細書においては、超音波プローブ10の短手方向をx軸、長手方向をy軸、x軸及びy軸に直交する方向をz軸とする。また、超音波送受波面12が設けられる側(y軸の正方向側)を「上側」と、その反対方向(y軸の負方向側)を「下側」と記載する。
図2は、超音波プローブ10の分解斜視図である。超音波プローブ10は、ケース内部に、振動子アレイ、音響分離層、断熱配線ブロック、電子回路としてのASICなどを含む送受波ユニット30、振動子アレイにおいて生じた熱を上側ケース14に伝える上側熱伝導体32、ASICにおいて生じた熱を下側ケース16に伝える下側熱伝導体34、中継基板を介してASICに電気的に接続され超音波診断装置本体からの信号の経路となるFPC(Flexible Printed Circuits)36、FPC36へ接続される線材38、及びFPC36と線材38とを中継するコネクタ40を含んで構成されている。
上側熱伝導体32及び下側熱伝導体34は、熱伝導率の高い物質で形成される。例えば、銅、アルミ、マグネシウムなどの金属又はその合金、あるいは炭素材料などで形成される。超音波プローブ10の軽量化の観点から、本実施形態においては、下側熱伝導体34の材質として比較的比重の軽いアルミニウムが用いられる。
図3は、送受波ユニット30の拡大図である。また、図4は、送受波ユニット30のyz断面図である。以下、図3及び図4を参照して送受波ユニット30の各層について説明する。
送受波ユニット30は、積層された複数の部材から構成されている。送受波ユニット30においては、上から順に、音響レンズ50、上側整合層52、下側整合層54、振動子アレイ56、ハードバッキング層58、音響分離層60、断熱配線ブロック62、中継基板64、及び電子回路であるASIC66が積層されている。
上側整合層52及び下側整合層54は、振動子アレイ56から送信される超音波が好適に被検体内へ入り込むことができるように、あるいは、被検体から帰ってくる反射波が好適に振動子アレイ56に到達できるように、振動子アレイ56と被検体との間において音響インビーダンスの調整を行うものである。上側整合層52及び下側整合層54は、樹脂などで形成される。なお、上側整合層52は省略することもできる。
振動子アレイ56は、複数の振動子から構成される。振動子は圧電素子であり、電圧が印加されることで伸張と膨張を繰り返す。つまり振動する。これにより超音波を発生させる。なお、振動子アレイ56の上面には上側電極層が、下面には下側電極層が設けられている。上側電極層は接地され、下側電極層にはASIC66からの信号(送信信号)が印加される。
振動子アレイ56は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、あるいはPMN−PT(マグネシウムニオブ酸・チタン酸鉛)の単結晶などで形成される。振動子アレイ56の厚み(上下方向の長さ)は100〜200μmであり、音響インピーダンスは25〜35MRaylとなっている。なお、振動子アレイ56の上下に設けられている上側電極層及び下側電極層の厚みが非常に薄いため、それらが超音波に与える音響的効果は無視し得るほど小さい。
ハードバッキング層58は、振動子アレイ56との音響インピーダンス差を利用して、振動子アレイ56の下側(背面側)を振動の節とするものである。ハードバッキング層58は、例えばタングステンカーバイド(炭化タングステン)などの超硬合金で形成される。ハードバッキング層58の厚みは50〜500μmであり、音響インピーダンスは60〜120MRaylとなっている。つまり、ハードバッキング層58の音響インピーダンスは振動子アレイ56の音響インピーダンスよりも高くなっている。また、ハードバッキング層58は導電性となっている。なお、ハードバッキング層58は、振動子アレイ56と音響分離層60との間の音響インピーダンスが十分に大きい場合などの場合に省略することもできる。
音響分離層60は、超音波の上下方向の伝搬を遮断する遮音特性を有し、振動子アレイ56から下側(つまり被検体とは反対側)へ送信される不要超音波を遮断するものである。つまり、音響分離層60は超音波分離層として機能する。音響分離層60は、例えばポーラスカーボンなどの多孔質体で形成される。つまり音響分離層60も導電性となっている。音響分離層60の厚みは80〜250μmであり、音響インピーダンスは0.1〜1.0MRaylとなっている。つまり、音響分離層60の音響インピーダンスは、振動子アレイ56及びハードバッキング層58の音響インピーダンスよりも低くなっている。特に、ハードバッキング層58との音響インピーダンスの差は非常に大きく、音響分離層60の音響インピーダンスは、ハードバッキング層58の音響インピーダンスの1/1200〜1/60となっている。これにより、ハードバッキング層58と音響分離層60との間の界面において、不要超音波がほぼ全反射される。
図4に示される通り、下側整合層54、振動子アレイ56、ハードバッキング層58、及び音響分離層60が積層された後、当該積層体においてダイシングソーなどにより格子状の複数の溝70が形成される。これにより、振動子アレイ56において複数の振動子が形成されると共に、各層の部材が各振動子に対応した部分に分割される。具体的には、下側整合層54が分割されて各振動子に対応する複数の下側整合素子が形成され、ハードバッキング層58が分割されて各振動子に対応する複数のハードバッキング素子が形成され、音響分離層60が分割されて各振動子に対応する複数の音響分離素子が形成される。
下側整合素子、振動子、ハードバッキング素子、及び音響分離素子により1つの積層体が構成される。つまり、送受波ユニット30は、複数の溝70により隔てられ2次元に配列された複数の積層体を有しているといえる。各積層体において、1つの振動子と1つのハードバッキング素子とで振動体が構成される。各振動体においてハードバッキング素子は共振器のように機能する。
断熱配線ブロック62は、熱の上下方向への移動を制限する断熱特性を有し、ASIC66において生じた熱が上方(つまり被検体側)へ伝搬することを制限するものである。つまり、断熱配線ブロック62は熱分離層として機能する。断熱配線ブロック62は、母材62a及び上下方向に伸びる複数のリード(導線)からなるリードアレイ62bを有している。
また、断熱配線ブロック62の上面及び下面においてそれぞれ導電性の電極面(上側電極面及び下側電極面)が形成されている。上述の複数の溝70は、断熱配線ブロック62の上面にまで達しており、それにより上側電極面が各振動子に対応する複数の上側電極パッドに分割される。また、下側電極面に対しても複数の溝72が形成されており、これにより下側電極面が各振動子に対応する複数の下側電極パッドに分割される。
母材62aは、熱伝導率の低い、つまり断熱性の高い材料で形成される。具体的には、エポキシなどの樹脂で形成される。母材62aが断熱性の高い材料で形成されることにより、母材62aがASIC66において生じた熱の上方への移動を制限する断熱材料となる。
好適には、母材62aは多孔質樹脂で形成される。図5に、母材62aの断面拡大図が示されている。母材62aとしては、図5(a)に示される空孔フィラー74aが充填されたものを用いてもよく、図5(b)に示されるゴムフィラー74bが充填されたものを用いてもよい。これらフィラーが充填されることで、つまり母材62aとして多孔質樹脂が用いられることで、断熱配線ブロック62の断熱特性がさらに向上する。
図3及び図4に戻り、リードアレイ62bに含まれる各リードは、振動子アレイ56に含まれる各振動子に対応するものである。ASIC66から並列的に出力される複数の送信信号はリードアレイ62bを介して振動子アレイ56に送られる。リードアレイ62bは、振動子アレイ56とASIC66との間の導電性が十分に保たれる限りにおいて、できるだけ熱伝導性が低くなるように形成されるのが好ましい。
断熱配線ブロック62は、一見従来のリードバッキングと同じように見えるが、断熱配線ブロック62において超音波の遮断/減衰特性を持たせる必要はない。不要超音波は音響分離層60において遮断されるため、断熱配線ブロック62において不要超音波を遮断あるいは減衰させる必要がないからである。つまり、断熱配線ブロック62の役割は、従来のリードバッキングとは異なるものである。
断熱配線ブロック62の厚さは3〜20mmとなっている。断熱配線ブロック62の厚さが厚くなるほど断熱性能が向上するが、その一方で超音波プローブ10が大きくなってしまう。したがって、断熱配線ブロック62の厚さは超音波プローブ10のサイズとの関係において決定される。また、母材62aが断熱性の高い材質で形成される関係上、結果としてその音響インピーダンスが低くなっている。具体的には、0.01〜4MRaylとなっている。
中継基板64は、例えばガラスエポキシなどの材質で形成される。中継基板64は多層基板であり、各層において電気的配線が施されている。中継基板64の下側面において、略中央にASIC66が、ASIC66の周囲にコンデンサあるいはサーミスタなどのチップ部品が表面実装されている。中継基板64の上側面には、中継基板64内の各パターンに接続された複数の金属バンプからなるバンプアレイ64aが設けられている。金属バンプは半田あるいは金などの金属で形成される。各金属バンプは、断熱配線ブロック62の下面に形成された複数の下側電極パッドに接触することで両者が電気的に接続される。
ASIC66は、送信サブビームフォーマー及び受信サブビームフォーマーとして機能するものである。送信サブビームフォーマーとしては、超音波診断装置本体からの信号に従って遅延関係をもった複数の送信信号を生成し、それらを各振動子に送信する。受信サブビームフォーマーとしては、各振動子から得られる複数の受信信号に対して整相加算処理を行って受信信号を生成する。受信信号は超音波診断装置本体に送られ、装置本体内において処理され1つのビームデータが生成される。ASIC66が上記処理を行うことにより、超音波プローブ10と装置本体との間の信号線の本数が低減されている。
複数の送信信号はASIC66から、バンプアレイ64a、断熱配線ブロック62の下側電極面、リードアレイ62b、断熱配線ブロック62の上側電極面、音響分離層60、及びハードバッキング層58を経由して振動子アレイの下側電極層に送られる。複数の受信信号は、送信信号とは逆の経路で振動子アレイ56からASIC66に送られる。
超音波プローブ10が動作することによりASIC66において熱が生じる。振動子アレイ56においても発熱するが、ASIC66の発熱量は振動子アレイ56の発熱量に比して数倍あるいは十数倍大きくなっている。したがって、超音波プローブ10における主な発熱源はASIC66である。
ASIC66によって生じた熱は、断熱配線ブロック62により上方への移動が制限されるため、主に下側熱伝導体34へ移動する。
図6は、下側熱伝導体34の構造を示す図である。下側熱伝導体34は上下方向に伸びる形状を有しており、送受波ユニット30よりも下側、つまり主熱源であるASIC66よりも下側に配置される。図4に示される通り、下側熱伝導体34は、メインフレーム80、第1側面フレーム82、第2側面フレーム84を含んで構成される。メインフレーム80、第1側面フレーム82、及び第2側面フレーム84は互いに組み合わせ可能な形状となっており、これらが組み合わされることで下側熱伝導体34が構成される。具体的には、メインフレーム80は、2側面が解放された構造となっており、板状の第1側面フレーム82及び第2側面フレーム84が当該2側面を覆うように組み合わされる。
メインフレーム80、第1側面フレーム82、及び第2側面フレーム84が組み合わされた下側熱伝導体34は、xz断面の輪郭が楕円状となる。下側ケース16の内周面のxz断面も同様に楕円状となっており、下側熱伝導体34の外周面が下側ケース16の内周面に丁度収まるようになっている。これにより、下側熱伝導体34と下側ケース16との接触面積が大きくなり、下側熱伝導体34に伝わった熱をより効率的に下側ケース16に伝えることができる。ただし、必ずしも下側熱伝導体34のxz断面輪郭は楕円状である必要はなく、少なくとも一部において下側ケース16の内周面に接触する外周面を有していればよい。もちろん、下側ケース16と下側熱伝導体34の接触面積が大きい方が好ましいため、上述のように下側熱伝導体34の形状は下側ケース16の内周面に即した形状であることが好ましい。
メインフレーム80は、その上側の面であって、ASIC66に対向する上側面80aを有している。上側面80aの面積は、ASIC66の表面積よりも大きくなっている。上側面80aがASIC66と直接的あるいは間接的に接触することで、ASIC66において発生した熱が下側熱伝導体34へ吸収される。
また、メインフレーム80には、上側面80aから下側へ伸びるブロック80bを有している。ブロック80bを有することで、下側熱伝導体34は、筒状の中空構造ではなくある程度中身の詰まった中実構造となる。これにより、下側熱伝導体34の体積が増えることで熱容量が増え、ひいては下側熱伝導体34の熱吸収性あるいは熱伝導性が向上される。熱吸収率や熱伝導率のみを考慮すれば、下側熱伝導体34を完全な中実構造とするのが好ましく、このような態様も採用し得る。しかし、本実施形態では、超音波プローブ10の軽量化の観点、あるいはFPC36や線材38、あるいはコネクタ40を下側熱伝導体34内に収めるためにある程度の空間(隙間部)を残している。
本実施形態に係る超音波プローブ10は以上の通りである。本実施形態においては、上述のように、振動子アレイ56とASIC66との間に、不要超音波の遮断を主目的とする音響分離層60、及び、ASIC66からの熱の断熱を主目的とする断熱配線ブロック62が設けられる。
不要超音波は音響分離層60においてほぼ遮断され、それにより被検体へ送信される超音波に混入するノイズが増えることがない。また、断熱配線ブロック62においては超音波の遮断/反射特性を考慮する必要がなくなる。これにより、断熱配線ブロック62は断熱機能に特化できるため、それ相応の組成あるいは構造で形成することができる。これにより、断熱配線ブロック62の断熱性能を向上させることができる。つまり、音響分離層60と断熱配線ブロック62との組み合わせにより、被検体へ送信される超音波へ混入するノイズの増大を抑えつつ、ASIC66において生じた熱が超音波送受波面12へ伝搬することを制限することができる。
図7(a)には、送受波ユニット30の各層における温度分布の例が示されている。また、比較用に、図7(b)に断熱配線ブロック62が設けられなかった場合の各層における温度分布の例が示されている。両図において、縦軸は温度を示し、横軸は送受波ユニットの上下方向の位置を示している。横軸の左端がASIC66の上端であり、音響レンズ領域の右端が超音波送受波面12である。両図ともASIC66における発熱量は同じであるとする。
図7(a)に示される通り、ASIC66が60℃まで発熱した場合であっても、断熱配線ブロック62により断熱され、断熱配線ブロック62の上端においては30℃程度となっている。そして、超音波送受波面12においては24℃程度となっている。一方、図7(b)においては、断熱配線ブロック62による断熱効果が得られないため、ASIC66において生じた熱の大部分が超音波送受波面12まで到達しており、超音波送受波面12の温度は40℃を超えている。
このように、断熱配線ブロック62は優れた断熱効果を発揮しており、それによりASIC66の発熱による超音波送受波面12の温度上昇を抑制している。
また、本実施形態においては、振動子アレイ56の下側に音響インピーダンスの高い(60〜120MRayl)ハードバッキング層58が設けられている。ハードバッキング層58の下方に隣接する音響分離層60の音響インピーダンスは非常に小さく(0.1〜1.0MRayl)となっている。これにより、ハードバッキング層58と音響分離層60との間の界面において不要超音波がほぼ反射され、それ以下への不要超音波の伝搬を好適に防止できる。
また、本実施形態においては、断熱配線ブロック62の上方において、複数の溝70により隔てられた複数の積層体(下側整合素子、振動子、ハードバッキング素子、及び音響分離素子からなる)が構成される。各積層体が溝70により隔てられることで、ある積層体からみれば他の積層体から受ける音響的な影響を低減される。これにより、各積層体(振動子)が被検体に送信する超音波に混入するノイズがさらに低減される。
以下、図4を参照しながら、図8のフローチャートに従って、送受波ユニット30の製造手順を説明する。
ステップS10において、断熱配線ブロック62と上層部分(下側整合層54、振動子アレイ56、ハードバッキング層58、及び音響分離層60)を接着する。接着は、例えば導電性接着剤などを用いて行う。
ステップS12において、上層部分及び断熱配線ブロック62の上面に形成された上側電極面を格子状に分割する素子カット処理が行われる。
ステップS14において、下側整合層54の上側にグラウンド電極が接着される。これにより、導電性の下側整合層54を介して、振動子アレイ56の上面に形成された上側電極層が接地される。
ステップS16において、ステップS14において接着されたグラウンド電極の上側に上側整合層52が接着される。
ステップS18において、上側整合層52のさらに上側に音響レンズ50が被せられる。
ステップS20において、断熱配線ブロック62の下面に形成された下側電極面を格子状に分割する下側電極分割処理が行われる。
ステップS22において、断熱配線ブロック62の下面に、ASIC66がマウントされた中継基板64が接続される。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
10 超音波プローブ、12 超音波送受波面、14 上側ケース、16 下側ケース、18 ケーブル、20 ケーブル保護ブーツ、30 送受波ユニット、32 上側熱伝導体、34 下側熱伝導体、36 FPC、38 線材、40 コネクタ、50 音響レンズ、52 上側整合層、54 下側整合層、56 振動子アレイ、58 ハードバッキング層、60 音響分離層、62 断熱配線ブロック、62a 母材、62b リードアレイ、64 中継基板、64a バンプアレイ、66 ASIC、70,72 溝、74a 空孔フィラー、74b ゴムフィラー、80 メインフレーム、80a 上側面、80b ブロック、82 第1側面フレーム、84 第2側面フレーム。

Claims (3)

  1. 超音波の送受波を行う複数の振動子からなる振動子アレイと、
    前記振動子アレイの下方に配置され、前記振動子アレイに電気的に接続された電子回路と、
    前記振動子アレイと前記電子回路との間に設けられ、前記振動子アレイから下方へ伝搬してきた超音波を遮断する遮音特性を有し、導電性であって前記振動子アレイと電気的に接続される超音波分離層と、
    前記超音波分離層と前記電子回路との間に設けられ、前記電子回路において生じた熱の上方への伝搬を制限する断熱特性を有し、前記断熱特性を発揮する組成又は構造を持った断熱材料と、前記断熱材料を通過する複数のリードからなるリードアレイとを含む熱分離層と、
    を備え、
    前記振動子アレイと前記電子回路とが、前記超音波分離層及び前記リードアレイを介して電気的に接続され、
    前記振動子アレイと前記超音波分離層との間には、各振動子が有する第1音響インピーダンスよりも高い第2音響インピーダンスを有するハードバッキング層が設けられ、
    前記超音波分離層は、前記第1音響インピーダンスよりも低い第3音響インピーダンスを有する、
    ことを特徴とする超音波プローブ。
  2. 前記断熱材料は、多孔質樹脂で形成される、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の超音波プローブ。
  3. 前記ハードバッキング層は、前記複数の振動子に対応する複数のハードバッキング要素からなり、
    前記超音波分離層は、前記複数の振動子に対応する複数の超音波分離要素からなり、
    少なくとも前記振動子アレイ、前記ハードバッキング層及び前記超音波分離層を含む積層部分において、複数の音響分離溝によって相互に音響的に隔てられた複数の積層体が構成された、
    ことを特徴とする、請求項に記載の超音波プローブ。
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