JP6612017B2 - 無針注射器による注射システム - Google Patents

無針注射器による注射システム Download PDF

Info

Publication number
JP6612017B2
JP6612017B2 JP2014115109A JP2014115109A JP6612017B2 JP 6612017 B2 JP6612017 B2 JP 6612017B2 JP 2014115109 A JP2014115109 A JP 2014115109A JP 2014115109 A JP2014115109 A JP 2014115109A JP 6612017 B2 JP6612017 B2 JP 6612017B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
space
syringe
needleless syringe
movement
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014115109A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015228913A (ja
Inventor
良平 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Corp filed Critical Daicel Corp
Priority to JP2014115109A priority Critical patent/JP6612017B2/ja
Priority to EP15803686.3A priority patent/EP3153133B1/en
Priority to US15/316,130 priority patent/US20170128182A1/en
Priority to PCT/JP2015/065833 priority patent/WO2015186680A1/ja
Publication of JP2015228913A publication Critical patent/JP2015228913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6612017B2 publication Critical patent/JP6612017B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/30Syringes for injection by jet action, without needle, e.g. for use with replaceable ampoules or carpules
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61DVETERINARY INSTRUMENTS, IMPLEMENTS, TOOLS, OR METHODS
    • A61D7/00Devices or methods for introducing solid, liquid, or gaseous remedies or other materials into or onto the bodies of animals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M39/00Tubes, tube connectors, tube couplings, valves, access sites or the like, specially adapted for medical use
    • A61M39/22Valves or arrangement of valves
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/20Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/20Automatic syringes, e.g. with automatically actuated piston rod, with automatic needle injection, filling automatically
    • A61M5/2053Media being expelled from injector by pressurised fluid or vacuum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M5/00Devices for bringing media into the body in a subcutaneous, intra-vascular or intramuscular way; Accessories therefor, e.g. filling or cleaning devices, arm-rests
    • A61M5/178Syringes
    • A61M5/30Syringes for injection by jet action, without needle, e.g. for use with replaceable ampoules or carpules
    • A61M5/3007Syringes for injection by jet action, without needle, e.g. for use with replaceable ampoules or carpules with specially designed jet passages at the injector's distal end
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61MDEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
    • A61M2205/00General characteristics of the apparatus
    • A61M2205/50General characteristics of the apparatus with microprocessors or computers

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Anesthesiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、注射針を介することなく注射目的物質を注射する無針注射器を利用し、注射対象物への注射を行うシステムに関する。
農場等での家畜を伝染病から守るためにワクチン接種を行う必要がある。しかし、一般に家畜の頭数は非常に多いため、家畜に対して一頭ずつワクチン接種のための注射を行っていると、要する時間も多大なものとなり、また作業者の作業負担も少なくはない。そこで、家畜に対する連続的なワクチン接種を可能とする技術が特許文献1に開示されている。当該技術では、作業者が注射器本体に設けられたスイッチ部を押下、解放することで、注射器のシリンジボディでの圧縮空気の流れを調整し、シリンジボディから外部への注射液の射出及び該シリンジボディ内への注射液の充填が繰り返されるように注射器が構成される。なお、当該技術に係る注射器は、家畜へ注射液を送り届けるために注射針が使用されている。
実開平7−24314号公報
従来技術によれば、作業者によるスイッチの押下、解放動作をトリガーとして、有針注射器への注射液の充填と射出が繰り返される。したがって、作業者としては注射対象物である家畜等に対して注射器を構え、その注射針を注射対象物に刺したうえで、上記のスイッチの作業を行う必要がある。そのため、作業者が一人で家畜への注射を行う場合には、家畜の動きを抑えた状態で注射器の操作を行う必要があり、作業者の負担は必ずしも軽くない。また作業者一人の作業負担を軽減するためには、複数の作業者を家畜への注射に割り当てる必要がある。
また、従来技術で用いられる注射器は有針注射器であるため、複数の家畜にわたって同一の注射針が使用されるケースがあり、その場合、家畜間で何らかの感染症が広がってしまう可能性が拭い去れない。また、注射針に作業者が接触することで、作業者に対する感染の可能性もある。更には、一般に家畜等に対して注射を行う場合、その注射対象が多いため、注射を行った家畜に対しては何らかのマーキングを施すなど注射管理の観点から作業者に課せられる負担も少なくはない。特に、魚類に対して注射を行う場合、注射終了後には、その魚は再び生簀等の所定の場所に戻されることになるため、陸上の家畜と比べて注射管理はより困難なものとなる。
そこで、本発明は、上記した問題に鑑み、家畜等の多数の注射対象物に対して注射を行う場合に、作業者の負担を可及的に軽減するとともに、衛生上の諸問題の発生を抑制する注射システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、以下に示す構成を採用する。具体的には、本発明は、注射針を介することなく、注射目的物質を射出口より射出することによって該注射目的物質を注射対象物に注射する無針注射器による注射システムであって、当該システムは、複数の注射対象物が収容される第1空間と、該複数の注射対象物の移動先である第2
空間とを結ぶ移動通路であって、前記無針注射器の射出口が該移動通路の内部に開口するように該無針注射器が設置された移動通路と、前記第1空間に存在する前記注射対象物が前記第2空間に向かうための前記移動通路における移動を検出可能な検出部と、前記検出部によって前記注射対象物の移動が検出されると、該注射対象物の移動に応じて前記無針注射器の前記射出口から注射目的物質の射出を該注射対象物ごとに行う制御部と、を備える。
本発明に係る無針注射器は、注射針を介して注射目的物質を注射対象物の内部に届けるのではなく、注射器本体から注射目的物質を射出し、その射出エネルギーにより注射目的物質によって直接注射者対象物の表面を穿孔し、注射対象物内に該注射目的物質を送達させる形態により、注射が行われるものである。そして、当該無針注射器により射出される注射目的物質としては、注射対象物に届けるべき成分を含むものである。そのため、無針注射器内部での注射目的物質の物理的な形態については、少なくとも注射器本体から射出が可能であれば、液体やゲル状等の流体、粉体、粒状の固体等の何れであっても構わない。たとえば、注射目的物質は液体であり、また固体であっても射出を可能とする流動性が担保されればゲル状の固体であってもよい。そして、注射目的物質には、注射対象物の目的部位に送り込むべき成分が含まれ、当該成分は注射目的物質の内部に溶解した状態で存在してもよく、又は当該成分が溶解せずに単に混合された状態であってもよい。
ここで、上記注射システムでは、無針注射器が、第1空間と第2空間をつなぐ移動通路に設けられる。この第1空間は、複数の注射対象物が収容されており、そこの各注射対象物が移動通路を通って第2空間に移動する過程において、移動通路に設けられた無針注射器から注射目的物質の注射を受けるように構成される。
このとき、注射対象物が移動通路を通って第2空間に向かうための当該移動が、検出部によって検出される。そして、その検出結果に従って制御部による無針注射器の注射動作が制御される。すなわち、検出部が、移動通路において注射対象物が順次第2空間に移動していることを検出すると、制御部により無針注射器から注射目的物質が、その射出口の前に位置するそれぞれの注射対象物に対して射出されることで、注射対象物への注射が実現される。
このように構成される注射システムでは、検出部による移動通路での注射対象物の移動検出をトリガーとして、無針注射器による注射目的物質の射出が制御されている。そのため、作業者は、原則として注射対象物に触れる必要がなく、また、無針注射器そのものに触れる必要もない。そのため作業者の作業負担は極めて小さくなると考えられる。また、注射器自体が注射針を有していないことから、注射針に起因する衛生上の諸問題(例えば、上記の感染症の拡大等)を誘発する可能性が抑えられる。なお、検出部は、注射対象物が無針注射器の射出口に到達することを感知するもの、あるいは予測するものであり、超音波や赤外線等を注射対象物に当てるセンサや、カメラを使用した画像処理による検知装置を使用できる。ただし、上記の感知ができるものであれば、設置する場所にあわせ任意のセンサを使用することができる。
ここで、上記の構成において、作業者が、所定の目的で注射対象物や無針注射器に触れることを必ずしも妨げるものではない。例えば、注射対象物に注射目的物質を正確に射出するために、作業者が無針注射器に触れその調整を行ってもよい。また、別例として、移動通路における注射対象物の移動を円滑にするために、作業者が注射対象物を誘導する等の作業を行ってもよい。これらに示す場合においても、注射に関する作業者の作業負担は大きく軽減されていることは容易に理解できる。なお、注射対象物の誘導に関し、上記注射システムが、前記第1空間に存在する前記注射対象物を、前記移動通路を経由し前記第2空間に移動させる誘導装置を、更に備えてもよい。これにより、作業者自身は注射対象
物の誘導作業を行う必要がなくなる。
ここで、本発明に係る無針注射器は、検出部による検出結果をトリガーとして、制御部による注射目的物質の射出が注射対象物に対して射出することが可能であれば、その射出のためのエネルギー源としては、様々な公知のエネルギー発生態様を採用することができる。例えば、点火装置によって点火される点火薬や、燃焼によりガスを発生させるガス発生剤を採用することができる。火薬の燃焼エネルギーを射出エネルギーとして利用する場合、点火薬としては、例えば、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬、アルミニウムと酸化銅を含む火薬、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬のうち何れか一つの火薬、又はこれらのうち複数の組み合わせからなる火薬であってもよい。これらの点火薬の特徴としては、その燃焼生成物が高温状態では気体であっても常温では気体成分を含まないため、点火後燃焼生成物が直ちに凝縮を行う結果、本発明の注射器を生体に対する注射に用いた場合、生体の注射対象領域のより浅い部位への効率的な注射が可能となる。また、ガス発生剤の発生エネルギーを射出エネルギーとして利用する場合、ガス発生剤としては、シングルベース無煙火薬や、エアバッグ用ガス発生器やシートベルトプリテンショナ用ガス発生器に使用されている各種ガス発生剤を用いることも可能である。
また、上記以外の駆動部の態様として、バネ等の弾性部材のエネルギーを注射目的物質の射出エネルギーとして利用してもよい。例えば、電源回路からの電圧印加によって駆動される電磁バルブやソレノイドアクチュエータ等を利用して、付勢バネで固定されているピストンを係止状態から開放させることで、蓄積されていた付勢バネの弾性エネルギーを、射出エネルギーとして利用することができる。
更に、別法として加圧された気体のエネルギーを直接的にあるいは間接的に注射目的物質の射出エネルギーとして利用してもよい。具体的には、上記無針注射器は、所定容量の前記注射目的物質を収容する空間となるシリンジと、加圧空気が供給及び排出されることで往復運動可能なように形成されたピストンと該ピストンを駆動させるエアバルブとを有し、該ピストンの往復運動によって前記シリンジ内に収容されている前記注射目的物質に加圧するエアシリンダと、前記ピストンにより加圧された前記注射目的物質を前記注射対象物に向けて射出するための前記射出口を含むノズルと、を有するように構成されてもよい。その上で、前記注射システムは、前記無針注射器に対して前記エアシリンダ内部のピストンを駆動させる前記加圧気体を供給する気体供給装置を更に備える。エアシリンダのピストンが、プランジャなどを介して注射目的物質を射出するものであってもよい。
このように構成された無針注射器では、気体供給装置から供給される加圧気体のエネルギーが、注射目的物質の射出エネルギーとして利用される。すなわち、供給される加圧気体が、エアシリンダが有するピストンを往復運動させ、その往復運動によってシリンジへの注射目的物質の収容、充填と、該シリンジからノズルへの注射目的物質の排出が行われることになる。そして、ノズルへ排出された注射目的物質は、ノズルの射出口から、注射対象物に向けて射出されることになる。なお、気体供給装置により供給される加圧気体の圧力は、注射目的物質の射出エネルギー源となることから、注射対象物に適した注射目的物質の射出が行われるよう、加圧気体の圧力が調整されるのが好ましい。
ここで、上記の前記注射システムにおいて、前記無針注射器が、前記シリンジと、前記注射目的物質を収容したバイアルとの間に形成された連通路において、前記注射目的物質を前記バイアルから前記シリンジに向かって一方向のみに流通可能とする第1バルブと、前記ノズルと前記シリンジとの間に形成された排出通路において、前記注射目的物質を前
記シリンジから前記ノズルに向かって一方向のみに流通可能とする第2バルブと、を有してもよい。そして、前記エアシリンダ内で前記ピストンが後退してシリンジ内が負圧になったときに、前記第1バルブが開弁状態で且つ前記第2バルブが閉弁状態になり、前記バイアルから前記連通路を経由して、注射目的物質が前記シリンジ内に供給されてもよい。また、このような構成に代えて、第1バルブと第2バルブの開閉弁状態がそれぞれ電子的に制御されることで、シリンジへの注射目的物質の収容、充填、及びシリンジから注射目的物質の排出を実現してもよい。
また、上述までの注射システムは、前記検出部による前記注射対象物の移動検出結果に基づいて、前記移動通路に設けられ、該移動通路における前記注射対象物の移動を一時的に止めて該注射対象物を保持し、該注射対象物の体表面に前記無針注射器の前記射出口を当接させる保持部を、更に備えてもよい。このように保持部を備えることで、移動通路を移動する注射対象物の動きを一時的に止めて、無針注射器の射出口を注射対象物に当接させることで、より確実な注射を実現することができる。
また、上述までの注射システムは、前記移動通路における前記無針注射器の前記射出口の設置部位より前記第2空間側の所定通路範囲に、前記第1空間から前記第2空間に移動してきた前記注射対象物が、該第1空間に向かって戻るのを阻止する阻止部を、更に備えてもよい。このように阻止部を備えることで、無針注射器によって注射が行われた注射対象物が、移動通路を介して第1空間に戻ることを物理的に抑制することができ、当該構成は、作業者の注射管理の負担軽減に大きく資するものである。なお、当該阻止部の具体的な構成の一例として、前記阻止部は、前記移動通路において前記射出口の設置部位よりも前記第2空間側に向かって傾斜し且つ該移動通路の内側に突出した複数の傾斜板であってもよい。なお、その他の態様により注射対象物が第1空間に戻ることを阻止しても構わない。
ここで、上述までの注射システムにおいて、前記第1空間、前記第2空間、及び前記移動通路は水中に配置されてもよく、その場合、前記移動対象物は、水中で存在し得る生体、例えば魚であってもよい。水中の魚については、陸上の注射対象物(例えば、牛や鶏等の家畜)よりも注射作業の負荷が大きくなる。したがって、本願発明に係る注射システムを、好適に適用し得る。
本発明に係る注射システムによれば、家畜等の多数の注射対象物に対して注射を行う場合に、作業者の負担を可及的に軽減するとともに、衛生上の諸問題の発生を抑制することができる。
本発明に係る無針注射器による注射システムの概略図である。 図1に示す注射システムで使用される無針注射器の概略構成を示す図である。 図1に示す注射システムで使用される保持装置の概略構成を示す図である。 図1に示す注射システムで実行される注射処理のフローチャートである。
以下に、図面を参照して本願発明の実施形態に係る注射システム1について説明する。なお、以下の実施形態の構成は例示であり、本願発明はこの実施の形態の構成に限定されるものではない。
図1は、注射システム1の概略構成を示す図である。注射システム1は、水中の養殖魚
に対して感染症予防のための薬液(本願発明の注射目的物質に相当する)の注射を無針注射器20により実行するシステムであり、具体的には、第1空間S1に存在する複数の養殖魚を、第1空間S1とは別の空間である第2空間S2に移動させる過程で、該養殖魚に対して薬液の注射を実行する。なお、本願の以降の記載においては、無針注射器20によって注射対象物に注射される注射目的物質は「薬液」と総称する。しかし、これには注射される物質の内容や形態を限定する意図は無い。注射目的物質では、注射対象物である養殖魚等に届けるべき成分が溶解していても溶解していなくてもよく、また注射目的物質も、無針注射器20により注射対象物に対して射出され得るものであれば、その具体的な形態は不問であり、液体、ゲル状等様々な形態が採用できる。
ここで、第1空間S1と第2空間S2は、移動通路6によって形成される移動空間7のみによって養殖魚が移動可能となるように周囲と隔離されて形成される空間である。したがって、養殖魚は、移動空間7を介することなく第1空間S1と第2空間S2との間を往来することはできない。また、移動空間7は、薬液の注射対象となる養殖魚が一匹程度しか移動することができない断面積を有している。そのため、養殖魚が第1空間S1から第2空間S2へ移動するに際しては、移動空間7を養殖魚が一匹ずつ、後述する超音波センサ8a、8bや射出口21の前を通過することになる。なお、第1空間S1と第2空間S2の一例としては、一般的に魚の養殖に利用される生簀等が例示でき、その場合、2つの生簀を移動通路6で接続することで、図1に示す注射システム1を形成することが可能となる。
ここで、移動通路6は、第1空間S1に接続される第1空間側接続部6bと、第2空間S2に接続される第2空間側接続部6cと、両接続部とをつなぐ通路本体6aとから形成される。そして、第1空間S1に存在する養殖魚は、第1空間側接続部6bから移動空間7に入り込み、通路本体6a、第2空間側接続部6c内の移動空間7を通って第2空間S2へと移動可能である。そして、第2空間側接続部6cには、第2空間S1側に傾斜し、且つ第2空間側接続部6cの内壁から移動空間7に突出するように配置された複数の傾斜板によって形成された進入阻止装置11(当該装置が、本願発明に係る阻止部に相当する)が設けられている。進入阻止装置11の傾斜板は第2空間S2側に傾斜しているため、養殖魚の第1空間S1から第2空間S2への移動は比較的容易に行うことができるが、一方で第2空間S2に移動した養殖魚から見ると移動空間7内への進入口が比較的小さく形成されることになるため、養殖魚が第2空間S2から第1空間S1へと戻ることを阻止することが可能となる。
また、通路本体6aには無針注射器20が設置されている。なお、無針注射器20は通路本体6aに設置されると、その射出口21が移動空間7に露出された状態となる。ここで、無針注射器20の構造例について、図2に基づいて説明する。図2は、無針注射器20のその長手方向に沿った断面図であり、図の左側が無針注射器20の先端側となり、射出口21が配置されている。なお、本出願における「先端側」との記載は、「基端側」と比べて射出口21に近い側を指すものとし、したがって、図2において左側が「先端側」に相当することになる。
無針注射器20は、外部から供給される加圧空気の蓄圧、解放を行うエアバルブ30と、その加圧空気を利用して注射器本体20a内に形成された摺動孔28内を往復動可能なように形成されたピストン29とを含むエアシリンダを有している。具体的には、エアバルブ30には、注射器外部に配置された加圧空気供給装置(コンプレッサ)2から供給チューブ3を介して加圧空気が供給されている。そして、エアバルブ30内には、供給された加圧空気を蓄圧する蓄圧室(図示せず)と、その蓄圧された加圧空気を、ピストン29が配置されている摺動孔28に向かって開放する解放部(図示せず)が設けられている。なお、このエアバルブ30における加圧空気の蓄圧及び解放の切り替えは、切替ボタン3
1の押下、解放によって制御される。そして、切替ボタン31の押下及び解放については、図1に示す制御装置10(当該装置が、本願発明に係る制御部に相当する)からの起動信号に従い駆動するソレノイド起動装置4によって実行される。このソレノイド起動装置4は、制御装置10から起動信号を受信すると、内蔵するソレノイドに駆動電流が流れ、ソレノイドで発生する磁力によりプランジャを駆動させ、切替ボタン31の押下を可能とする。そして、その駆動電流が停止されるとプランジャが戻り、切替ボタン31の押下が解放される。
ここで、摺動孔28に配置されたピストン29とエアバルブ30との間には、エアバルブ30に対するピストン29の相対位置を決定する位置決めバネ(図示せず)が設けられている。したがって、ピストン29は、摺動孔28において移動可能であるものの、その移動に際しては当該位置決めバネからの付勢力を受ける状態となっている。なお、図2に示す状態は、エアバルブ30に加圧空気が蓄圧されている状態、すなわちエアバルブ30からピストン29に対して加圧空気が解放されていない状態を表している。この状態でのエアバルブ30に対するピストン29の相対位置は、当該位置決めバネの付勢力によってピストン29がエアバルブ30側に配置された状態となる。
更に、図2に示す状態において、ピストン29の先端側(エアバルブ30とは反対側)に、無針注射器20によって射出される薬液(注射液)が収容される空間であるシリンジ24が形成される。このシリンジ24において往復動するピストン29と干渉しない箇所に、薬液供給通路25(当該通路が、本願発明に係る連通路に相当する)が開口している。この薬液供給通路25には、第1バルブ26を介して薬液を蓄液しているバイアル5が接続されている。第1バルブ26が開弁状態となっているときに、バイアル5から薬液供給通路25を介してシリンジ24に薬液が供給可能となる。なお、第1バルブ26は、薬液がバイアル5からシリンジ24に向かって一方向のみに流れるように規制する。したがって薬液がシリンジ24からバイアル5に向かって流れるときには、その流れによる力で第1バルブ26が閉じるようになっている。そのため第1バルブ26では弁がバネ等の弾性手段によってバイアル5方向に押し付けられ、常時は閉まっている。ただし第1バルブ26の開閉は制御装置10によって電子的に制御されるものであってもよい。
また、シリンジ24の先端側は、第2バルブ23を介して排出通路22へと連通している。この排出通路22の先端側の端部が、上記射出口21に相当する。したがって、第2バルブ23が開弁状態となっているときに、シリンジ24内の薬液は排出通路22を介して射出口21から射出可能となる。なお、第2バルブ23は、薬液がシリンジ24から排出経路22に向かって一方向のみに流れるように規制する。第2バルブ23は弁がバネ等の弾性手段によってシリンジ24方向に押し付けられ、常時は閉まっている。そして薬液がシリンジか24から排出経路22に向かって流れるときのみ、その流れによる力で第2バルブ23が開くようになっている。ただし第2バルブ23の開閉も制御装置10によって電子的に制御されるものであってもよい。
このように構成される無針注射器20では、摺動孔28におけるピストン29の往復動と、第1バルブ26及び第2バルブ23の開閉により、バイアル5内の薬液を連続して射出することが可能である。以下に、その薬液の連続射出動作について説明する。
(1)第1動作
第1動作においては、第1バルブ26を閉弁、第2バルブ23を閉弁するとともに、コンプレッサ2からエアバルブ30に加圧空気が送られる。そして、バルブ30において所定圧まで加圧空気を蓄圧する。この所定圧は、後述の第2動作によって加圧空気を解放したときに、薬液の射出が可能となるようにピストン29を加圧し得るための圧力である。なお、この第1動作時には、後述の第3動作の結果、シリンジ24内に薬液が充填された状態となっている。
(2)第2動作
第2動作においては、切替ボタン31の押下によりエアバルブ30に蓄圧されている加圧空気をピストン29に対して解放する。この結果、ピストン29は、位置決めバネから受ける付勢力に抗しながら摺動孔28内を先端側に向けて推進することになる。そして、シリンジ24には薬液が充填されているため、ピストン29の推進により薬液がシリンジ24外に排出されることになる。このとき薬液が、第1バルブ26および第2バルブ23に向けて流れるが、第1バルブ26は薬液の流れによって閉じられ、薬液がバイアル5に流れ込むことはない。また第2バルブは薬液の流れによって開放され、薬液は排出経路22に向かって流れ、射出口21から射出される。
(3)第3動作
第2動作による薬液の射出後に行われる第3動作においては、切替ボタン31の押下が解放されることで、第2動作において解放された加圧空気が注射器本体20aの外部に放出されるとともに、位置決めバネによって、ピストン29が元の位置(図2に示す位置)、すなわち第1動作におけるピストンの位置へと復帰することになる。そして、このピストン29の復帰動作によりシリンジ24の容積が回復するとともに、シリンジ24内が負圧状態となるため、弾性手段からの付勢力も加わり、第2バルブ23が閉じるとともに、第1バルブ26が開放し、バイアル5内に蓄液されている薬液がシリンジ24内に吸い込
まれ、充填されることになる。そして、第3動作の終了後、再び第1動作以降が繰り返されることで、無針注射器20による連続注射が可能となる。
ここで、図1に戻ると、注射システム1において、通路本体6aの無針注射器20の射出口21の対向位置に、保持装置40が配置されている。保持装置40は、移動空間7を養殖魚が第1空間S1から第2空間S2に向けて移動するときに、その養殖魚を保持し射出口21に当該養殖魚を押し付け、接触させる装置である。保持装置40の概略構成について、図3に基づいて説明する。保持装置40は、通路本体6aの外側に配置される装置本体41と、通路本体6aに沿って延在する保持板42と、足部43とを有する。保持板42は足部43を介して装置本体41と繋がっており、且つ保持板42は通路本体6a内の移動空間7に配置されている。そして、足部43は、装置本体41からの突出量が調整可能に構成されており、足部43が装置本体41より多く突出することで、保持板42と射出口21との距離が狭まり、移動空間7を移動する養殖魚を保持し、その体を射出口21に対して押し付けることが可能となる。なお、足部43の突出量は、制御装置10によって制御され、また、足部43の突出量の変化に際して装置本体41の内部に水が浸入しないように好適なシール処理が施されている。なお、足部43の突出、収納は、コンプレッサ2からの圧縮空気の供給、排除によって行われるものでもよい。
図1に示す注射システム1では、無針注射器20と保持装置40が制御装置10によって適切に制御されることで、第1空間S1から第2空間S2へ移動する養殖魚に対して薬液の注射処理が実行される。そして、この養殖魚の第2空間S2への移動を促進させるために、第1空間S1には誘導装置12が設置されている。例えば、誘導装置12は、第1空間に存在する複数の養殖魚に対して光や音等の刺激を与えることで興奮させ、第1空間S1から唯一脱出できる空間でもある移動空間7を通して養殖魚を第2空間へと追いやる構成であってもよい。なお、与えられる光や音の刺激は、対象となる養殖魚の生物的な特性を考慮して適切に決定することができる。
また、誘導装置12の別法として、第1空間S1の容積を徐々に減少させ、又は第1空間S1の空間形状を変形させ、養殖魚が物理的に第1空間S1に滞在しにくい状態を形成する誘導装置であってもよい。また、第1空間S1そのものの大きさや空間形状は変わらずとも養殖魚に対して物理的に接触し、当該養殖魚を第1空間側接続部6bに追い込む構成も、誘導装置12として採用することができる。
更に、第1空間側接続部6bと、通路本体6aの、第1空間側接続部6bとの接続部位近傍のそれぞれに、対応する移動空間7を通る養殖魚の存在を超音波により検出する超音波センサ8a、8bが設置されている。当該超音波センサ8a、8bは、それぞれの検出範囲が重ならないように適切な距離を介して離れて設置され、各超音波センサの検出信号は制御装置10へと渡されるよう、超音波センサ8a、8bと制御装置10とは電気的に接続されている。
このように構成される注射システム1では、制御装置10により図4に示す注射処理が繰り返し実行されることで、上記の通り養殖魚に対する薬液の連続注射が実現される。制御装置10は、メモリ、演算装置を有するコンピュータであり、所定の制御プログラムが実行されることで、図4に示す注射処理が実行されることになる。
先ず、S101では、超音波センサ8a、8bからの検出信号に基づいて、第1空間S1に存在している養殖魚の、第1空間側接続部6bから通路本体6aにわたる移動空間7内の移動検出が行われる。具体的には、先ず、第1空間S1に近い超音波センサ8aによって何らかの物体の存在が検出された時点から所定の時間範囲で、超音波センサ8bによって何らかの物体の存在が検出された場合に、「第1空間S1内の養殖魚が、移動空間7を通って第2空間へと移動している」と検出するものとする。なお、当該所定の時間範囲は、養殖魚が想定される移動を行った場合に2つの超音波センサ間を通過するのに要すると想定される、時間幅である。したがって、本実施例では、当該所定の時間範囲から外れた時間間隔で超音波センサ8bにより検出結果が得られた場合、あるいは超音波センサ8aのみの検出があった場合は、移動空間7内を養殖魚が第2空間S2に向かって移動していない状態であり、無針注射器20による注射を行う必要はないと考える。なお、養殖魚の移動の検出に当たっては、上記の検出条件以外の条件が成立したときに養殖魚の移動が検出されたと判断しても構わない。また、正確な検出を行うために、カメラなどによる注射対象物の移動空間7における通過を画像解析によって検出する装置を超音波センサと併用することもできる。S101の処理が終了すると、S102へ進む。
S102では、S101での検出結果に基づいて、無針注射器20による注射位置に、対象となる養殖魚が到達する時間が算出される。具体的には、超音波センサ8a、8bによって養殖魚の存在が検出されたときに、それぞれの検出時間の間隔と、両超音波センサの設置距離とから、養殖魚が移動空間7移動する際の移動速度が算出される。そして、その算出速度と、無針注射器20の設置位置(例えば、超音波センサ8bと無針注射器20との距離)とに基づいて、養殖魚が超音波センサ8bの前を通過してから無針注射器20の射出口21の前を通過するまでに要する時間を到達時間として算出することができる。S102の処理が終了すると、S103へ進む。
S103では、S102で算出された到達時間に基づいて養殖魚が無針注射器20の射出口21の前を通過すると想定される時点において、保持板42によって養殖魚を保持し、その体を射出口21に接触させるように、保持装置40が起動される。S103の処理が終了すると、S104へ進む。
S104では、保持装置40が起動され、保持板42によって養殖魚が保持された状態に至っているか否かが判定される。例えば、足部43を介して伝えられる力を装置本体41内に設置された力センサ(図示せず)によって検出することで養殖魚の保持状態を判定することもできる。また、別法として、力センサ等の検出装置を利用せずに、想定される養殖魚の大きさを考慮し、足部43の突出量を予め決定している場合には、保持装置40の起動により足部43が所定の突出量分、突出したか否かを判定することを、上記保持状態の判定に代えてもよい。S104で肯定判定されると処理はS105へ進み、否定判定されると再びS104の判定が行われる。
次にS105では、注射対象となる養殖魚が保持装置40の保持板42によって保持された状態において、無針注射器20による薬液の注射が実行される。薬液の注射については、上述した第1動作、第2動作に従い実現される。S105の処理が終了すると、S106へ進む。そして、S106では、S105で無針注射器20による薬液の注射が完了した後に、上記の第3動作に従いシリンジ24への薬液の充填が行われる。
このように上記の注射処理によれば、第1空間S1に存在する注射対象である養殖魚が、移動空間7を通って第2空間S2へと移動する際に、超音波センサ8a、8bによりその移動が検出され、自動的に無針注射器20に対する養殖魚の位置決めが行われる。この位置決め状態では、射出口21が養殖魚の体に接触した状態とされているため、加圧空気を利用して薬液を射出する無針注射器20による注射を、好適に実現することが可能となる。また、第2空間側接続部6cに傾斜板を有する阻止装置11が配置されることで、注射が行われ第2空間S2へ移動した養殖魚が第1空間S1に戻ってしまい、注射管理が困難な状態になることを回避することが可能となる。したがって、制御装置10によって上記注射処理が繰り返し実行されることで、複数の養殖魚に対する連続的な薬液の自動注射を実現することが可能となる。なお、無針注射器20による注射が完了するまで、次の注射対象物(養殖魚)が移動通路6に侵入しないよう、第1空間側接続部6bにゲートを配置して、養殖魚の侵入を阻止するものとしてもよい。ゲートの開閉は、制御装置10によって行われ、例えば超音波センサ8aで通過を検知した後に一旦閉まり、注射が完了した(保持装置40が解除された)ときに再度開くようにしてもよい。
<変形例1>
図1〜図3に示す注射システム1では、通路本体6aにおいて、無針注射器20の射出口21と、保持装置40の保持板42とが対向するように配置されている。この構成では、保持板42によって養殖魚の体が射出口21に押し付けられることになる。一方で、その変形例として、保持板42上に無針注射器20の射出口21が開口するように、無針注射器20と保持装置40とを一体に構成してもよい。この場合は、保持板42とともに射出口21が養殖魚の体に接触した後に、その養殖魚を、対向する通路本体6aの内壁に押さえ付けることになる。このような形態でも、無針注射器20による注射が実行される際には、射出口21と養殖魚の体とが接触した状態になるため、好適な薬液の射出が実現できる。
<変形例2>
上記の実施例で使用される無針注射器20では、加圧空気による解放エネルギーをピストン29の推進力に利用している。この形態に代えて、火薬を搭載する点火器を複数搭載し、その複数の点火器を順次、起動させることで、連続的な薬液の射出を実現する注射器を無針注射器20として採用しても構わない。この場合、点火器での火薬燃焼によって生じる燃焼生成物がピストン29を加圧するように、点火器とピストン29を配置させる。また、各点火器とピストン29との間に、上記燃焼生成物によって燃焼しガスを発生させるガス発生剤等を更に配置することもできる。ガス発生剤の一例としては、ニトロセルロース98質量%、ジフェニルアミン0.8質量%、硫酸カリウム1.2質量%からなるシングルベース無煙火薬が挙げられる。また、エアバッグ用ガス発生器やシートベルトプリテンショナ用ガス発生器に使用されている各種ガス発生剤を用いることも可能である。
なお、点火器において用いられる点火薬として、好ましくは、ジルコニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(ZPP)、水素化チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(THPP)、チタンと過塩素酸カリウムを含む火薬(TiPP)、アルミニウムと過塩素酸カリウムを含む火薬(APP)、アルミニウムと酸化ビスマスを含む火薬(ABO)、アルミニウムと酸化モリブデンを含む火薬(AMO)、アルミニウムと酸化銅を含む火薬(ACO
)、アルミニウムと酸化鉄を含む火薬(AFO)、もしくはこれらの火薬のうちの複数の組合せからなる火薬が挙げられる。これらの火薬は、点火直後の燃焼時には高温高圧のプラズマを発生させるが、常温となり燃焼生成物が凝縮すると気体成分を含まないために発生圧力が急激に低下する特性を示す。適切な注射が可能な限りにおいて、これら以外の火薬を点火薬として用いても構わない。
<変形例3>
上記の実施例に係る注射システム1は、水中に存在する養殖魚に対する薬液の注射を実現するものであるが、その態様に代えて、陸上に存在する家畜(例えば、牛や豚等)に対しても適用することが可能である。この場合、無針注射器20と家畜との間には水が存在しないため、無針注射器20から射出される薬液の射出速度が十分に高い状態であれば、その射出口21と家畜の体とが多少離れていても薬液の注射を支障なく行うことができる場合がある。そのような場合には、図1、図3に示す保持装置40を必ずしも設ける必要はない。もちろん、より安定的に薬液の注射を行うために、保持装置40を注射システム1に設置しても構わない。
1・・・・注射システム
2・・・・加圧空気供給装置(コンプレッサ)
4・・・・ソレノイド起動装置
5・・・・バイアル
6・・・・移動通路
7・・・・移動空間
8a、8b・・・・超音波センサ
10・・・・制御装置
11・・・・阻止装置
12・・・・誘導装置
20・・・・無針注射器
21・・・・射出口
22・・・・排出通路
23・・・・第2バルブ
24・・・・シリンジ
25・・・・薬液供給通路
26・・・・第1バルブ
28・・・・摺動孔
29・・・・ピストン
30・・・・エアバルブ
31・・・・切替ボタン
40・・・・保持装置
42・・・・保持板

Claims (6)

  1. 注射針を介することなく、注射目的物質を射出口より射出することによって該注射目的物質を、水中で存在し得る生体である注射対象物に注射する無針注射器と、
    複数の注射対象物が収容される、水中に配置された第1空間と、該複数の注射対象物の移動先である、水中に配置された第2空間とを結ぶ、水中に配置された移動通路であって、前記無針注射器の射出口が該移動通路の内部に開口するように該無針注射器が設置された移動通路と、
    前記第1空間に存在する前記注射対象物が前記第2空間に向かうための前記移動通路における移動を検出可能な検出部と、
    前記検出部によって前記注射対象物の移動が検出されると、該注射対象物の移動に応じて前記無針注射器の前記射出口から注射目的物質の射出を該注射対象物ごとに行う制御部と、
    前記検出部による前記注射対象物の移動検出結果に基づいて、前記移動通路に沿って延在する保持板を該移動通路における前記注射対象物が前記無針注射器に対して位置決めされるように該注射対象物に押し付けて、該注射対象物の移動を一時的に止めて該注射対象物を保持し、該注射対象物の体表面を前記無針注射器の前記射出口に当接させる保持装置と、
    を備える、無針注射器による注射システム。
  2. 前記無針注射器は、
    所定容量の前記注射目的物質を収容する空間となるシリンジと、
    加圧空気が供給及び排出されることで往復運動可能なように形成されたピストンと、該ピストンを駆動させるエアバルブとを有し、該ピストンの往復運動によって前記シリンジ内に収容されている前記注射目的物質に加圧するエアシリンダと、
    前記ピストンにより加圧された前記注射目的物質を前記注射対象物に向けて射出するための前記射出口を含むノズルと、
    を有し、
    前記注射システムは、
    前記無針注射器に対して前記エアシリンダ内部のピストンを駆動させる前記加圧気体を供給する気体供給装置を更に備える、
    請求項1に記載の無針注射器による注射システム。
  3. 前記無針注射器は、
    前記シリンジと、前記注射目的物質を収容したバイアルとの間に形成された連通路において、前記注射目的物質を前記バイアルから前記シリンジに向かって一方向のみに流通可能とする第1バルブと、
    前記ノズルと前記シリンジとの間に形成された排出通路において、前記注射目的物質を前記シリンジから前記ノズルに向かって一方向のみに流通可能とする第2バルブと、
    を有し、
    前記第1バルブが開弁状態で且つ前記第2バルブが閉弁状態において前記エアシリンダ内で前記ピストンが後退してシリンジ内が負圧になったときに、前記バイアルから前記連通路を経由して、注射目的物質が前記シリンジ内に供給される、
    請求項2記載の無針注射器による注射システム。
  4. 前記移動通路における前記無針注射器の前記射出口の設置部位より前記第2空間側の所定通路範囲に、前記第1空間から前記第2空間に移動してきた前記注射対象物が、該第1空間に向かって戻るのを阻止する阻止部を、更に備える、
    請求項1から請求項3の何れか1項に記載の無針注射器による注射システム。
  5. 前記阻止部は、前記移動通路において前記射出口の設置部位よりも前記第2空間側に向かって傾斜し且つ該移動通路の内側に突出した複数の傾斜板である、
    請求項4に記載の無針注射器による注射システム。
  6. 前記第1空間に存在する前記注射対象物を、前記移動通路を経由し前記第2空間に移動させる誘導装置を、更に備える、
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の無針注射器による注射システム。
JP2014115109A 2014-06-03 2014-06-03 無針注射器による注射システム Active JP6612017B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014115109A JP6612017B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 無針注射器による注射システム
EP15803686.3A EP3153133B1 (en) 2014-06-03 2015-06-02 Injection system using needleless syringe
US15/316,130 US20170128182A1 (en) 2014-06-03 2015-06-02 Injection system using needleless syringe
PCT/JP2015/065833 WO2015186680A1 (ja) 2014-06-03 2015-06-02 無針注射器による注射システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014115109A JP6612017B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 無針注射器による注射システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015228913A JP2015228913A (ja) 2015-12-21
JP6612017B2 true JP6612017B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=54766750

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014115109A Active JP6612017B2 (ja) 2014-06-03 2014-06-03 無針注射器による注射システム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20170128182A1 (ja)
EP (1) EP3153133B1 (ja)
JP (1) JP6612017B2 (ja)
WO (1) WO2015186680A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112018009538B1 (pt) * 2015-11-13 2023-02-14 Applied Lifesciences and Systems, LLC Sistemas para entrega de uma substância ao olho de um animal
CN108272526A (zh) * 2018-01-16 2018-07-13 贵港市厚顺信息技术有限公司 一种自动给狗打针装置的执行方法
CN111544153B (zh) * 2020-05-19 2022-08-05 山东中林东平湖发展有限公司 一种水产养殖草鱼疫苗注射辅助装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NO162941C (no) * 1987-11-27 1990-03-14 Trio Ind As Maskin for vaksinering av fisk.
JPH05252846A (ja) * 1992-01-14 1993-10-05 Sanshin Ind Co Ltd 魚類用自動給餌装置
US5383851A (en) * 1992-07-24 1995-01-24 Bioject Inc. Needleless hypodermic injection device
GB9301911D0 (en) * 1993-02-01 1993-03-17 Jackman Stephen E Sonic parasite remover and fish counter
JPH07308140A (ja) * 1994-05-17 1995-11-28 Nippon Suisan Kaisha Ltd 活魚の方向及び姿勢揃え方法及びその装置
JP2769145B2 (ja) * 1997-03-10 1998-06-25 惠 佐藤 捕獲用かご
TWI226905B (en) * 2001-10-19 2005-01-21 Bioware Technology Co Ltd Low pressure-accelerated particle gene gun
US8591457B2 (en) * 2005-08-10 2013-11-26 Alza Corporation Method for making a needle-free jet injection drug delivery device
CN101496503B (zh) * 2009-03-10 2013-04-24 福建省农业科学院生物技术研究所 活鱼注射装置
NO331345B1 (no) * 2010-02-05 2011-12-05 Esben Beck Anordning og fremgangsmate for a uskadeliggjore parasitter pa fisk
CA2847170C (en) * 2011-04-04 2018-10-09 Karim Menassa Needleless injector wand assembly

Also Published As

Publication number Publication date
WO2015186680A1 (ja) 2015-12-10
EP3153133A4 (en) 2018-02-14
JP2015228913A (ja) 2015-12-21
EP3153133B1 (en) 2022-11-23
EP3153133A1 (en) 2017-04-12
US20170128182A1 (en) 2017-05-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6612017B2 (ja) 無針注射器による注射システム
DE60336940D1 (de) Medizinisches Injektionsgerät
JP7053088B2 (ja) 投与装置
EP2532378A3 (en) Needle-free injector
CN107257696A (zh) 药物向动物体内的自动注射
EP2386325A3 (en) Needle-free injection system
CA2134770A1 (en) Apparatus and method for injecting a pharmaceutical preparation in solid form
WO1999010031A1 (en) Device for injecting material beneath the skin of a human or animal
JP6954521B2 (ja) 射出装置
US10806863B2 (en) Needleless syringe
WO2017029703A1 (ja) 無針注射器
EP1615684B1 (en) Portable combustion-powered device with priming combustion chamber and main combustion chamber
CN113301930B (zh) 无针注射器
JP6468581B2 (ja) 無針注射器
JP7034076B2 (ja) 投与装置
CN110785197B (zh) 注入器
JP6367730B2 (ja) 無針注射装置
JPWO2019049315A1 (ja) 注入器
JP2015213567A (ja) 無針注射器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170302

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171114

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20171227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180313

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180703

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20180814

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20180907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6612017

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150