JP6610573B2 - 非調質低降伏比高張力厚鋼板およびその製造方法ならびに形鋼および構造体 - Google Patents
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[1]質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.05〜0.45%、Mn:1.2〜1.8%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Nb:0.005〜0.025%、N:0.0060%以下、Ti:0.005〜0.020%を含有し、Ti/Nを2.5以上とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの表層部が面積率で30〜70%のフェライト相を有し、かつ平均硬さが270HV以下であり、鋼板裏面から板厚方向に1〜5mmの裏層部の平均硬さが前記表層部の平均硬さよりも30〜120HV低いことを特徴とする、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比:80%以下である非調質低降伏比高張力厚鋼板。
[2]前記組成に加えて、さらに質量%で、Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.35%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.04〜0.40%、V:0.01〜0.06%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする[1]に記載の非調質低降伏比高張力厚鋼板。
[3][1]または[2]に記載の成分組成を有する鋼スラブを、鋼板表面温度で、1050〜1200℃の温度に加熱し、圧延終了温度を鋼板表面温度で900℃以下Ar3変態点以上とする熱間圧延を行い、その後、第一段冷却としてAr3変態点以上の温度から、板厚(t)の1/4位置での平均冷却速度1℃/s以上で、鋼板表面温度が(Ar3変態点−100℃)以下550℃以上の冷却停止温度まで鋼板の片面を冷却し、冷却停止後復熱させ、第2段冷却として鋼板表面温度が(Ar3変態点−10℃)以下600℃以上、かつ、鋼板表面温度が極大値をとった時点から、2秒以上経った後に、板厚(t)の1/4位置での平均冷却速度1℃/s以上で、500℃以下の冷却停止温度まで鋼板の片面を冷却することを特徴とする、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比80%以下である非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
[4]前記第一段冷却を複数回繰り返した後、前記第二段冷却を行うことを特徴とする[3]に記載の非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
[5]フランジとウエブとを有する形鋼であって、前記フランジが、質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.05〜0.45%、Mn:1.2〜1.8%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Nb:0.005〜0.025%、N:0.0060%以下、Ti:0.005〜0.020%を含有し、Ti/Nを2.5以上とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの表層部が面積率で30〜70%のフェライト相を有し、かつ平均硬さが270HV以下であり、鋼板裏面から板厚方向に1〜5mmの裏層部の平均硬さが前記表層部の平均硬さよりも30〜120HV低いことを特徴とする、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比:80%以下の厚鋼板からなることを特徴とする形鋼。
[6]前記組成に加えて、さらに質量%で、Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.35%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.04〜0.40%、V:0.01〜0.06%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする[5]に記載の形鋼。
[7]前記鋼板裏層部に前記ウエブが接合されることを特徴とする[5]または[6]に記載の形鋼。
[8]前記形鋼は、H形鋼、I形鋼、T形鋼、山形鋼、溝形鋼のいずれかであることを特徴とする[5]ないし[7]のいずれかに記載の形鋼。
[9][5]ないし[8]のいずれかに記載の形鋼を用いてなる構造体。
Cは、厚鋼板の強度を増加させ、構造用鋼材として必要な強度を得るために有用な元素である。さらにCは、硬質相の体積率を増加させ、降伏比を低下させる作用を有する。このような効果を得るためには、Cを0.05%以上含有させる必要がある。一方、C含有量が0.16%を超えると、溶接性と靭性を顕著に低下させる。このため、C含有量を0.05〜0.16%の範囲に限定した。なお、好ましくは、C含有量の範囲は0.06〜0.15%である。
Siは、脱酸剤として作用するとともに、鋼中に固溶し鋼材の強度を増加させる。このような効果を得るためには、Siを0.05%以上含有させる必要がある。一方、Si含有量が0.45%を超えると、母材の靱性を低下させるとともに、溶接熱影響部(HAZ)靱性を顕著に低下させる。このため、Si含有量を0.05〜0.45%の範囲に限定した。なお、好ましくは、Si含有量の範囲は0.05〜0.35%である。
Mnは、固溶して鋼の強度を増加させる作用を有する元素で、しかも安価であるので、高価な他の合金元素の含有量を最小限に抑えることができる。本発明では、所望の高強度(引張強さ550MPa以上)を得るために、Mn含有量を1.2%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が1.8%を超えると、母材の靱性およびHAZ靱性を著しく低下させる。このため、Mn含有量を1.2〜1.8%の範囲に限定した。なお、好ましいMn含有量の範囲は、1.2〜1.6%である。
Pは、鋼の強度を増加させる作用を有する元素である。しかしながら、Pは靱性、とくに溶接部の靱性を低下させる元素であり、本発明ではできるだけ含有量を低減させることが望ましい。一方で、必要以上にPを低減させることは、精錬コストを高騰させ経済的に不利となる。このため、P含有量を0.005%程度以上とすることが好ましい。一方、P含有量が0.020%を超えると、上記した悪影響が顕著となるため、P含有量を0.020%以下に限定した。なお、好ましくは、P含有量は0.015%以下である。
Sは、鋼中ではMnS等の硫化物系介在物として存在し、母材および溶接部の靱性を劣化させるとともに、鋳片中央偏析部などに多量に偏在して鋳片等における欠陥を発生しやすくする元素である。このような傾向は、S含有量が0.005%を超えると顕著となる。このため、S含有量を0.005%以下に限定した。好ましいS含有量は、0.003%以下である。なお、必要以上にSを低減させることは、精錬コストを高騰させ、経済的に不利となるため、S含有量を0.001%程度以上とすることが望ましい。
Alは、脱酸剤として作用する元素であり、高張力鋼の溶鋼脱酸プロセスにおいては、脱酸剤として、もっとも汎用的に使われる。このような効果を得るためには、Alを0.010%以上含有することが望ましい。しかしながら、Al含有量が0.05%を超えると、母材の靱性が低下するとともに、溶接時に溶接金属に混入して溶接金属部靱性を低下させる。このため、Al含有量を0.05%以下に限定した。なお、好ましいAl含有量の範囲は、0.010〜0.045%である。
Nbは、焼入性を高めるとともに、制御圧延の効果を高めミクロ組織を微細化する作用によって母材強度を増加させる、高強度化のために有用な元素である。このような効果を得るためには、Nbを0.005%以上含有することが必要となる。一方、Nb含有量が0.025%を超えると、母材やHAZの靭性を低下させる。このため、Nb含有量を0.005〜0.025%の範囲に限定した。なお、好ましいNb含有量の範囲は、0.007〜0.020%である。
Nは、鋼中に固溶している場合には、冷間加工後に歪時効を起こし靭性を劣化させる。そのため、本発明ではできるだけ含有量を低減させることが望ましい。N含有量が0.0060%を超えると、靭性の劣化が著しくなる。このため、N含有量を0.0060%以下に限定した。
Tiは、Nとの親和力が強い元素であり、溶鋼が凝固する時にTiNとして析出し、鋼中の固溶Nを減少させ、靭性劣化を抑制する作用を有する。また、Tiは、HAZの組織改善によって、HAZ靭性の向上にも寄与する。このような効果を得るためには、0.005%以上Tiを含有する必要がある。一方、Ti含有量が0.020%を超えると、TiN粒子が粗大化し、上記した効果が期待できなくなる。このため、Ti含有量を0.005〜0.020%の範囲に限定した。なお、好ましいTi含有量の範囲は、0.007〜0.015%である。
本発明では、鋼中のN含有量に見合う量のTiを含有させ、固溶NをTiNとして固定する。このため、Ti含有量とN含有量との比、つまりTi/Nが2.5以上を満足するように、Ti含有量を調整する。Ti/Nが2.5未満の場合、N含有量に比べてTi含有量が少なすぎるため、多くのNが固溶Nとして残存して、HAZ靭性が低下し、溶接部から脆性破壊が発生することにより部材変形性能が低下する場合がある。このため、Ti/Nを2.5以上に限定した。なお、好ましくは、3.0〜5.0の範囲である。
Cu、Ni、Cr、Mo、Vは、いずれも鋼の強度を増加させる作用を有する元素であり、必要に応じて選択して含有できる。
加熱温度が1050℃未満の場合、鋼板の強度が低下しやすい。一方、加熱温度が1200℃を超えると、組織が粗大化して厚鋼板の靱性が低下したり、焼入れによる硬化により、鋼板の表層硬さが大きくなりすぎる場合がある。このため、鋼素材の加熱温度は1050℃〜1200℃の範囲に限定した。なお、好ましくは1080℃〜1150℃である。
圧延終了温度が鋼板表面温度で900℃を超えると、組織が粗大化し、また焼入れによる硬化により、所望の靭性、表層硬さを有する鋼板を得ることができなくなる。一方、圧延終了温度が鋼板表面温度でAr3変態点未満の場合は、圧延中あるいは圧延終了直後に鋼板全体にフェライトが生成し、所望の強度が得られなくなる。このため、圧延終了温度を鋼板表面温度で900℃以下Ar3変態点以上に限定した。なお、好ましくは880〜780℃である。
ここで、C、Si、Mn、Cu、Ni、Cr、Moは各元素の含有量(質量%)である。上記式で記載された元素が含有されない場合には、当該元素を零として計算するものとする。
一段冷却としてAr3変態点以上の温度から、板厚(t)の1/4位置での平均冷却速度1℃/s以上で、鋼板表面温度が(Ar3変態点−100℃)以下550℃以上の冷却停止温度まで鋼板の片面を冷却する。
冷却開始温度がAr3変態点未満の場合は、加速冷却開始前に鋼板全体にわたってフェライトが生成するため所望の鋼板強度を満足できない。また、粗大なフェライト粒が生成するため靭性も低下する。このため、冷却開始温度をAr3変態点以上に限定した。なお、冷却開始温度は厚鋼板の表面温度とする。
平均冷却速度が1℃/秒未満では、冷却が遅く、冷却中に粗く靭性の低いフェライト粒が生成する場合があり、所望の強度を満足できない。このため、平均冷却速度は1℃/秒以上に限定した。なお、好ましくは10℃/秒以上である。また、ここでの平均冷却速度は、厚鋼板を冷却する片面、すなわち鋼板表面から板厚(t)方向に1/4位置での値とする。
本発明の第一段冷却では、表層部とそれより内部との温度差が大きくなるように冷却し、第一段冷却停止後の復熱と、復熱後、第二段冷却を開始するまでの間に、表層部にフェライトを生成させる。冷却停止温度が、鋼板表面温度で(Ar3変態点−100℃)を超えると、その後の復熱温度が高すぎて、表層部におけるフェライト生成が不十分となる。一方、冷却停止温度が550℃未満では、表層部の温度が低すぎて、復熱後の第二段冷却前に相変態がほぼ完了し、表層部がベイナイトやマルテンサイトなどの硬質相主体の組織となる。第一段冷却の冷却停止温度は、好ましくは650〜550℃である。
本発明では、鋼板の片面を冷却する。鋼板の片面のみ冷却することにより、板厚方向の硬さ分布が表層から裏層にかけて減少する分布を有する非調質鋼板を得ることができる。このような非調質鋼板は、溶接止端部への歪を低減することができ、溶接止端部からの亀裂の発生を防ぐことができるため、建築構造用部材に適している。なお、鋼板の片面とは、鋼板の表面もしくは裏面を意味する。H形鋼の場合、梁1の上フランジ3−1の上側および下フランジ3−2の下側を鋼板の表面とし、上フランジ3−1および下フランジ3−2のウエブ4側を鋼板の裏面とする(図1参照)。鋼板のどちらか一方の面を冷却することにより、板厚方向の硬さ分布が表層から裏層にかけて減少する分布を有する非調質鋼板を得ることができる。
第一段冷却を停止したのち、鋼板表層部にフェライトを生成させるために表層温度復熱後、第二段冷却を開始する。復熱は、鋼板表面温度が(Ar3変態点−10℃)以下600℃以上となり、かつ、図5で示す、表面温度が復熱後の極大値温度をとった時点から、2秒以上行う。
鋼板表面温度が600℃未満では、表層部に強度および降伏比が比較的高い針状フェライトやベイナイトが生成するので、表層部の伸びの低下や降伏比の上昇などが生じ、変形性能の低下を招く。一方、鋼板表面温度が(Ar3変態点−10℃)を超えると、復熱後に相変態が進行せず、表層部でのフェライト生成が不十分となる。したがって、復熱温度が(Ar3変態点−10℃)以下600℃以上となるまで保持する。また、復熱後、鋼板表面温度が極大値をとった時点から、第二段冷却の開始までの時間(以下、単に保持時間と称することもある。)が2秒未満だと、所望のフェライト量(30%以上)を生成することができない。したがって、保持時間を2秒以上とする。なお、保持時間が100秒を超えると、所望のフェライト量(70%以下)を満足しないため、強度を満足することができない。よって、保持時間は100秒以下であることが好ましい。さらに好ましくは、10秒以上60秒以下である。
未変態部分を硬質相とするために、第二段冷却では、1℃/s以上、好ましくは8℃/s以上で冷却する。冷却速度が1℃/s未満では、硬質相への変態量が低下し、所望の高強度、低降伏比を実現できなくなる。なお、ここでの平均冷却速度は、厚鋼板を冷却する片面、すなわち鋼板表面から板厚(t)方向に1/4位置での値とする。
冷却停止温度が500℃超えでは、所望の強度を満足できない。よって、冷却停止温度は500℃以下とした。なお、冷却停止温度は厚鋼板の表面温度とする。
本発明では、第一段冷却と同様に、第二段冷却についても鋼板の片面を冷却する。鋼板の片面のみ冷却することにより、板厚方向の硬さ分布が表層から裏層にかけて減少する分布を有する非調質鋼板を得ることができる。このような非調質鋼板は、溶接止端部への歪を低減することができ、溶接止端部からの亀裂の発生を防ぐことができるため、建築構造用部材に適している。なお、鋼板の片面とは、鋼板の表面もしくは裏面を意味する。H形鋼の場合、梁1の上フランジ3−1の上側および下フランジ3−2の下側を鋼板の表面とし、上フランジ3−1および下フランジ3−2のウエブ4側を鋼板の裏面とする(図1参照)。鋼板のどちらか一方の面を冷却することにより、板厚方向の硬さ分布が表層から裏層にかけて減少する分布を有する非調質鋼板を得ることができる。
H形鋼以外の形鋼、例えばH形鋼のウエブ部分を切断して製造されることも多いT形鋼や、フランジ部分の幅が狭いI形鋼のフランジ材としても使用可能である。
板厚全厚の組織観察用試験片のL方向断面を研磨、ナイタール腐食後、表層部を光学顕微鏡(倍率:400倍)または走査型電子顕微鏡(倍率:2000倍)を用いて、ミクロ組織を各3視野以上観察し、撮像して画像解析により、組織の種類、およびフェライトの組織分率(面積率%)を求めた。
得られた厚鋼板から硬さ測定用試験片を採取し、ビッカース硬さ計を用いて、JIS Z 2244の規定に準拠して、板厚方向断面について、硬さ測定を行った。測定位置は、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの領域(表層部)および裏面から板厚方向に1〜5mmの領域(裏層部)とし、各領域で板厚方向に1mmピッチで測定した。試験荷重(試験力)は1kgf(9.8kN)とした。得られた硬さHVを算術平均し、その領域での平均硬さHVとした。
得られた厚鋼板から、引張方向がL方向となるように、JIS Z 2201の規定に準拠して、JIS5号引張試験片を採取し、JIS Z 2241の規定に準拠して、引張試験を実施し、引張特性(降伏強さYS、引張強さTS)を求めた。また、得られた測定値から、降伏比YR(=(YS/TS)×100)を算出した。
得られた厚鋼板を梁(BH形鋼)に用いてト字型部材を作成した。図4に示すように、梁1を柱2に溶接し、コラム曲げ試験用の試験体とした。柱2には冷間プレス加工により作成した角形鋼管(プレスコラム)を用いた。なお、角形鋼管は□400×22mm、梁(BH形鋼)はH−500(W)×200(H)×d×tmmとした。
ここで、tはコラム曲げ試験に供される本発明により製造された厚鋼板の板厚である。
dはウエブの板厚で、ここでは12mmとした。
η=Σθpl/θp
θp=(Pp/2)L2/(3・E・I)+Pp/2/(G・Aw)
Pp=Mp/L
L:コラムの片持ち長さ(ダイアフラム8からコラム端支持点までの距離、3250mm)
E:ヤング率205000(MPa)
G:剪断剛性率79000(MPa)
Mp:コラムの全塑性モーメント
I:コラムの断面2次モーメント
σy:鋼材の降伏強度(MPa)
D:コラム径(柱の一辺の長さ、mm)
t:コラム板厚(mm)、
r:コラム角部内面の曲げ半径、R=r+t
Aw:剪断面積(mm2)
である。
2 柱(角柱)
3−1 上フランジ
3−2 下フランジ
4 ウエブ
5 溶接部
6 当金
7 冶具
8 ダイアフラム
Claims (9)
- 質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.05〜0.45%、Mn:1.2〜1.8%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Nb:0.005〜0.025%、N:0.0060%以下、Ti:0.005〜0.020%を含有し、Ti/Nを2.5以上とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの表層部が面積率で30〜70%のフェライト相を有し、かつ平均硬さが270HV以下であり、鋼板裏面から板厚方向に1〜5mmの裏層部の平均硬さが前記表層部の平均硬さよりも30〜120HV低いことを特徴とする、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比:80%以下である非調質低降伏比高張力厚鋼板。
- 前記組成に加えて、さらに質量%で、Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.35%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.04〜0.40%、V:0.01〜0.06%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の非調質低降伏比高張力厚鋼板。
- 請求項1または2に記載の成分組成を有する鋼スラブを、鋼板表面温度で、1050〜1200℃の温度に加熱し、圧延終了温度を鋼板表面温度で900℃以下Ar3変態点以上とする熱間圧延を行い、その後、第一段冷却としてAr3変態点以上の温度から、板厚(t)の1/4位置での平均冷却速度1℃/s以上で、鋼板表面温度が(Ar3変態点−100℃)以下550℃以上の冷却停止温度まで鋼板の片面を冷却し、冷却停止後復熱させ、第2段冷却として鋼板表面温度が(Ar3変態点−10℃)以下600℃以上、かつ、鋼板表面温度が極大値をとった時点から、2秒以上経った後に、板厚(t)の1/4位置での平均冷却速度1℃/s以上で、500℃以下の冷却停止温度まで鋼板の片面を冷却することを特徴とする、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの表層部が面積率で30〜70%のフェライト相を有し、かつ平均硬さが270HV以下であり、鋼板裏面から板厚方向に1〜5mmの裏層部の平均硬さが前記表層部の平均硬さよりも30〜120HV低い、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比80%以下である非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
- 前記第一段冷却を複数回繰り返した後、前記第二段冷却を行うことを特徴とする請求項3に記載の非調質低降伏比高張力厚鋼板の製造方法。
- フランジとウエブとを有する形鋼であって、前記フランジが、
質量%で、C:0.05〜0.16%、Si:0.05〜0.45%、Mn:1.2〜1.8%、P:0.020%以下、S:0.005%以下、Al:0.05%以下、Nb:0.005〜0.025%、N:0.0060%以下、Ti:0.005〜0.020%を含有し、Ti/Nを2.5以上とし、残部Feおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、鋼板表面から板厚方向に1〜3mmの表層部が面積率で30〜70%のフェライト相を有し、かつ平均硬さが270HV以下であり、鋼板裏面から板厚方向に1〜5mmの裏層部の平均硬さが前記表層部の平均硬さよりも30〜120HV低いことを特徴とする、降伏強さ385MPa以上、引張強さ550MPa以上、降伏比:80%以下の厚鋼板からなることを特徴とする形鋼。 - 前記組成に加えて、さらに質量%で、Cu:0.05〜0.30%、Ni:0.05〜0.35%、Cr:0.05〜0.50%、Mo:0.04〜0.40%、V:0.01〜0.06%のうちから選ばれた1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項5に記載の形鋼。
- 前記鋼板裏層部に前記ウエブが接合されることを特徴とする請求項5または6に記載の形鋼。
- 前記形鋼は、H形鋼、I形鋼、T形鋼、山形鋼、溝形鋼のいずれかであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の形鋼。
- 請求項5ないし8のいずれかに記載の形鋼を用いてなる構造体。
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