JP6610388B2 - 配電部材及び磁性体コアの固定構造 - Google Patents

配電部材及び磁性体コアの固定構造 Download PDF

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Description

本発明は、配電部材及び磁性体コアの固定構造に関する。
従来の配電部材として、例えば電動モータを駆動源とする車両に設けられインバータと電動モータとを接続するワイヤハーネスが知られている。この種のワイヤハーネスとして、ワイヤハーネスの電線から放射される電磁ノイズを低減するための編組シールドが設けられたものが知られている。
特許文献1では、編組シールドに加えて、フェライトコア等からなる磁性体コアを設けることで、当該磁性体コアによりワイヤハーネスから放射される電磁ノイズをより低減したワイヤハーネスが開示されている。
特開2014−130708号公報
しかしながら、特許文献1で磁性体コアとして用いているフェライトコアは、サイズが大きく、また質量が大きい。そのため、フェライトコアを磁性体コアとして用いた配電部材は、大型化し質量も増大してしまうという課題がある。例えば、配電部材がワイヤハーネスである場合、サイズの大きいフェライトコアの影響で配策レイアウトの自由度が低下し、また質量の増大によりワイヤハーネスの取り扱い性が低下してしまう。
そこで、本発明は、磁性体コアを備えつつも小型化かつ軽量化が可能な配電部材及び磁性体コアの固定構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決することを目的として、電路と、前記電路の周囲を囲むように設けられており、ナノ結晶軟磁性材料からなる環状の磁性体コアと、前記磁性体コアを収容している樹脂からなるケースと、前記磁性体コアが収容されている前記ケースと前記電路の一部とを一括して覆う樹脂モールドと、を備えた、配電部材を提供する。
また、本発明は、上記課題を解決することを目的として、電路の周囲に磁性体コアを固定する磁性体コアの固定構造であって、前記磁性体コアは、ナノ結晶軟磁性材料からなり、環状に形成されており前記電路の周囲を囲むように設けられており、前記磁性体コアを収容している樹脂からなるケースと、前記磁性体コアが収容されている前記ケースと前記電路の一部とを一括して覆う樹脂モールドと、を備えた、磁性体コアの固定構造を提供する。
本発明によれば、磁性体コアを備えつつも小型化かつ軽量化が可能な配電部材及び磁性体コアの固定構造を提供できる。
本発明の一実施の形態に係る配電部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はそのA−A線断面図である。 図1(a)において樹脂モールドを省略した斜視図である。 (a)はケースの外観を示す斜視図、(b)は磁性体コアを収容したケースの破断面図である。 ケースと磁性体コアの分解斜視図である。
[実施の形態]
以下、本発明の実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本実施の形態に係る配電部材を示す図であり、(a)は斜視図、(b)はそのA−A線断面図である。また、図2は、図1(a)において樹脂モールドを省略した斜視図である。
図1及び図2に示すように、配電部材1は、電線2と、電線2の端部に設けられたコネクタ3と、を備えたワイヤハーネス100からなる。電線2は、本発明における電路の一態様である。
ワイヤハーネス100は、例えば、電動モータを駆動源とする電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載され、電動モータにインバータから出力されるPWM(Pulse Width Modulation)制御された電流を供給するために用いられる。この電流には、パワートランジスタ等のスイッチング素子のスイッチングによる高周波成分が含まれる。
本実施の形態では、ワイヤハーネス100は、3本の電線2を用い、120°ずつ位相が異なるU相、V相、およびW相の駆動電流(三相交流電流)を電動モータに供給するように構成されている。つまり、3本の電線2は、U相の駆動電流を伝送するU相配線部となる第1電線20aと、V相の駆動電流を伝送するV相配線部となる第2電線20bと、W相の駆動電流を伝送するW相配線部となる第3電線20cと、からなる。なお、「120°ずつ位相が異なる」とは、位相差が正確に120°である場合に加え、位相差が120°から数度ずれていている場合も含まれる。
各電線2は、電気良導体からなる素線を複数撚り合わせた導体2aと、導体2aの外周に設けられた絶縁性樹脂からなる絶縁体2bと、をそれぞれ備えている。
各電線2の端部には、接続端子21がそれぞれ接続されている。接続端子21は、導体2aの端部にかしめ固定されるかしめ部21aと、かしめ部21aから延出された板状の接続部21bと、を一体に備えている。接続部21bには、接続部21bを厚さ方向に貫通するボルト固定用の接続穴21cが形成されている。接続端子21は、接続対象となる被取付部材内(例えばインバータ内)の端子台に設けられた対応する機器側接続端子に、接続部21bをボルト固定により固定することで、機器側接続端子に電気的に接続される。
コネクタ3は、被取付部材(例えばインバータ)に形成された取付孔(不図示)に収容される被収容部材31と、電線2に沿って被収容部材31と並んで配置された電線保持部材32と、を備えている。
電線保持部材32は、電線2を保持すると共に、被取付部材(例えばインバータ)に固定するものである。電線保持部材32は、絶縁性樹脂からなるハウジング(電線ホルダ)5と、導電性の金属からなるシールドシェル(シールドケース)6と、を備えている。
ハウジング5は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPA(ポリアミド)、あるいはPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁性樹脂からなり、例えば射出成形により形成される。ハウジング5は、電線2を上下から(電線2の配列方向及び長手方向と垂直な方向から)挟み込む2分割構成となっている。
シールドシェル6は、ハウジング5の外周に、圧入により設けられている。シールドシェル6は、例えば鉄や黄銅、あるいはアルミニウム等の導電性の金属からなり、ハウジング5の少なくとも一部を収容するように構成されている。シールドシェル6は、ハウジング5の周囲を覆うように設けられた筒状部61と、筒状部61の先端側の端部から外方に突出するように設けられ、被取付部材(例えばインバータ)の筐体に固定される固定部としてのフランジ部62と、を有している。
被収容部材31は、被取付部材(例えばインバータ)に形成された取付孔(不図示)に収容される部材であり、シールドシェル6のフランジ部62よりも先端側に配置されている。被収容部材31の外周面には、被取付部材の取付孔の内面と被収容部材31との間をシールする外周シール部材31aが設けられている。また、図示していないが、被収容部材31には、電線2を挿通する3つの挿通孔が形成されており、挿通孔と電線2との間をシールする内周シール部材(ワイヤシール)が備えられている。被収容部材31は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPA(ポリアミド)、あるいはPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の絶縁性樹脂からなる。
(磁性体コアの固定構造の説明)
図3(a)はケースの外観を示す斜視図であり、図3(b)は磁性体コアを収容したケースの破断面図である。
図1〜3に示すように、本実施の形態に係る配電部材1は、電路(ここでは電線2)の周囲を囲むように設けられており、ナノ結晶軟磁性材料からなる環状の磁性体コア7と、磁性体コア7を収容している樹脂からなるケース8と、磁性体コア7が収容されているケース8と電路(ここでは電線2)の一部とを一括して覆う樹脂モールド9と、を備えている。
各電線2を覆うように磁性体コア7を設けることで、電線2の導体2aと磁性体コア7とが電磁結合し、高周波電流を阻止するローパスフィルタとして働くため、高周波ノイズを減衰させ、配電部材1(ここではワイヤハーネス100)から放射される電磁ノイズを低減することが可能になる。
また、各電線2を覆うように磁性体コア7を設けると、各電線2の導体2aと磁性体コア7とが電磁結合してインピーダンスが増大する。電線2に入力されたサージ電圧の一部は、このインピーダンスに分圧して印加されることになるため、磁性体コア7を設けることで、サージ電圧による影響を抑制することも可能になる。その結果、例えばモータの巻線等で過大なサージ電圧により放電が発生し耐久性が劣化してしまう、といった不具合を抑制することが可能になる。
本実施の形態で磁性体コア7に用いるナノ結晶軟磁性材料とは、アモルファス合金を結晶化することにより、強磁性相のナノ結晶粒を残存するアモルファス相に分散させた材料である。ここでは、ナノ結晶軟磁性材料として、ファインメット(登録商標)を用いた。ファインメット(登録商標)からなる磁性体コア7は、例えば、Fe(−Si)−Bを基本成分としこれに微量のCuとNb,Ta,Mo,Zr等の元素を添加した合金溶湯を単ロール法等の超急冷法により一旦厚さ約20μmのアモルファス金属薄帯とし、これを磁心形状(ここでは3つの電線2を一括して覆う環状)に成形した後、結晶化温度以上で熱処理し結晶化させることにより形成される。磁性体コア7における結晶粒径は約10nmである。なお、磁性体コア7として、ファインメット(登録商標)以外のナノ結晶軟磁性材料、例えばNANOMET(登録商標)を用いてもよい。
ナノ結晶軟磁性材料は、従来用いられていたソフトフェライト等の軟磁性材料と比較して、高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性(高透磁率・低磁心損失特性)を有している。よって、磁性体コア7としてナノ結晶軟磁性材料を用いることで、磁性体コア7の小型化が可能になる。その結果、配電部材1(ここではワイヤハーネス100)の大型化および質量の増大を抑制し、磁性体コア7を取り付けた場合であっても配電部材1(ここではワイヤハーネス100)全体をコンパクト化かつ軽量化することが可能になる。磁性体コア7の大きさ(厚さおよび長さ)は、使用するナノ結晶軟磁性材料の特性等を考慮し、所望の特性が得られるよう適宜設定すればよい。
また、ナノ結晶軟磁性材料は、従来用いられていたソフトフェライト等の軟磁性材料と比較して、AMラジオ等のラジオに使用される周波数帯の電磁波ノイズを抑制可能であるという特性もある。車両では、道路情報等をAMラジオにより提供しているため、特に配電部材1(ここではワイヤハーネス100)を車両に適用する場合には、ラジオに使用される周波数帯域で電磁波ノイズを抑制できる効果は大きいといえる。
ただし、ナノ結晶軟磁性材料は外部から応力が加わると磁気特性が変化しやすいという特性を有している。そのため、ナノ結晶軟磁性材料からなる磁性体コア7を用いる場合、磁性体コア7の周囲に直接樹脂モールド9を設けると、樹脂モールド9を成型する際の圧力(樹脂圧、成型圧)により磁性体コア7の磁気特性が劣化してしまうおそれが生じる。
そこで、本実施の形態では、磁性体コア7をケース8に収容し、その磁性体コア7を収容したケース8と電路(ここでは電線2)の一部とを一括して覆うように、樹脂モールド9を設けるようにした。磁性体コア7を予めケース8に収容した状態で樹脂モールド9を設けることで、樹脂モールド9を成型する際の圧力により磁性体コア7の磁気特性が劣化してしまうことを抑制可能になる。
ケース8は、磁性体コア7の周囲を覆って磁性体コア7を保護し、磁性体コア7の磁気特性の劣化を抑制するためのものである。ケース8は、筒状の内壁部81と、内壁部81の周囲を囲む筒状の外壁部82と、内壁部81と外壁部82の軸方向における一方の端部同士を連結する前壁部83と、内壁部81と外壁部82の軸方向における他方の端部同士を連結する後壁部84と、を有している。つまり、ケース8は、全体として環状に形成されており、その周方向と垂直な断面が略矩形状(略角筒状)に形成されている。
磁性体コア7は、内壁部81と外壁部82と前壁部83と後壁部84とに囲まれた空間である収容部85に収容されている。磁性体コア7は、その全体がケース8内に収容されており、ケース8の周囲に設けられている樹脂モールド9と磁性体コア7とは接触していない。
図4に示すように、ケース8は、分割構成とされてもよい。ここでは、前壁部83からなる第1部材8aと、内壁部81と外壁部82と後壁部84とからなる第2部材8bとを備え、第2部材8bにおける内壁部81と外壁部82と後壁部84とに囲まれた収容部85に磁性体コア7を収容した後に、第1部材8aと第2部材8bとを固定し一体化することにより、ケース8を構成している。第1部材8aと第2部材8bとを固定する方法は特に限定するものではなく、例えば、接着剤を用いた接着固定や、ランス等を用いた係止機構による機械的な固定等により、第1部材8aと第2部材8bとを固定し一体化することができる。
ケース8としては、樹脂モールド9を成型する際の圧力により変形が生じない又は変形が生じにくいもの(つまり、樹脂モールド9を成型する際の圧力が磁性体コア7に伝わらないように磁性体コア7を保護できるもの)を用いることが望ましい。
より具体的には、ケース8の厚さ(内壁部81、外壁部82、前壁部83、及び後壁部84の厚さ)が、0.5mm以上2.0mm以下であることが望ましい。ケース8の厚さが0.5mm未満であると、樹脂モールド9を成型する際の圧力に耐えられず変形してしまうおそれがあり、ケース8の厚さが2.0mm以上であると、ケース8が大型化し、配電部材1全体の大型化につながってしまうためである。
樹脂モールド9を成型する際の圧力が磁性体コア7に伝わらないようにするという観点からは、ケース8として、磁性体コア7よりも剛性が高いものを用いることがより好ましい。ここで、「磁性体コア7よりも剛性が高い」とは、ケース8の最も薄い部分の両端を把持し折り曲げた際に、当該部分と同じ長さの磁性体コア7の両端を把持し折り曲げた際よりも折り曲げにくいことをいう。
このようなケース8を用いることにより、樹脂モールド9を成型する際の圧力が磁性体コア7に伝わりにくくなる。よって、たとえ、応力が加わると磁気特性が変化しやすいナノ結晶軟磁性材料を用いたとしても、磁性体コア7の磁気特性の変化を抑制することが可能である。
樹脂モールド9は、磁性体コア7を収容したケース8の全体を覆うように樹脂をモールドしてなる。つまり、本実施の形態では、ケース8の全体が樹脂モールド9に埋まった状態となっている。なお、これに限らず、ケース8の一部が樹脂モールド9から露出していても構わない。
樹脂モールド9は、各電線2(U相配線部となる第1電線20a、V相配線部となる第2電線20b、及びW相配線部となる第3電線20c)を保持して相互に固定する役割と、各電線2の周囲に磁性体コア7を固定する役割とを兼ねたものである。また、本実施の形態においては、樹脂モールド9は、磁性体コア7に外部から応力が加わらないように、ケース8と共に磁性体コア7を保護する役割も果たすことになる。さらに、樹脂モールド9には、車体等に固定するためのフランジ部が一体に形成されていてもよく、電線2を車体等に固定する役割をさらに兼ねていてもよい。
本実施の形態では、電路が電線2からなり可撓性を有しているため、電線2を屈曲させた際に磁性体コア7に応力が付与されないように、ケース8と樹脂モールド9の少なくとも一方は、電線2よりも剛性が高いことが望ましい。これにより、車両の振動等により磁性体コア7に応力が加わることを抑制することも可能になる。
より詳細には、ケース8の内壁部81と内壁部81よりも内側(電線2側)に設けられている樹脂モールド9(以下、両者をまとめて内側樹脂層という)は、電線2よりも硬いことが望ましい。ここでいう「内側樹脂層が電線2よりも硬い」とは、内側樹脂層の両端を把持し折り曲げた際に、内側樹脂層と同じ長さの磁性体コア7の両端を把持し折り曲げた際よりも折り曲げにくいことをいう。
また、ケース8の外壁部82と外壁部82よりも外側(電線2と反対側)に設けられている樹脂モールド9(以下、両者をまとめて外側樹脂層という)は、電線2よりも硬いことが望ましい。ここでいう「外側樹脂層が電線2よりも硬い」とは、外側樹脂層の両端を把持し折り曲げた際に、外側樹脂層と同じ長さの磁性体コア7の両端を把持し折り曲げた際よりも折り曲げにくいことをいう。
さらに、磁性体コア7に外部から応力が加わることを抑制するために、電線2の外周面からケース8の内壁部81の外周面までの距離(内側樹脂層の厚さ)は、1.0mm以上とすることが好ましい。また、ケース8の外壁部82の内周面から樹脂モールド9の外周面までの距離(外側樹脂層の厚さ)も、1.0mm以上とすることが好ましい。
また、ケース8と樹脂モールド9との密着性を向上させるために、ケース8と樹脂モールド9とは、同じ材料からなることが望ましい。ケース8及び樹脂モールド9としては、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やPA(ポリアミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ナイロン(登録商標)等を用いることができる。また、そのほか、ケース8として、プラスチックを用いることができる。
さらに、本実施の形態では、電路は、120°ずつ位相が異なるU相、V相、及びW相の駆動電流を伝送するU相配線部(第1電線20a)、V相配線部(第2電線20b)、及びW相配線部(第3電線20c)からなり、磁性体コア7は、U相配線部(第1電線20a)とV相配線部(第2電線20b)とW相配線部(第3電線20c)とを一括して覆うように設けられている。
サージ電圧やノイズを除いたU相、V相、及びW相の駆動電流の合計値はゼロになるため、U相、V相、及びW相の各配線部となる第1〜第3電線20a〜20cを一括して覆うように磁性体コア7を設けることで、磁性体コア7を磁化しようとする磁界が小さくなる。その結果、磁性体コア7が磁気的に飽和しにくくなり、また、磁性体コア7の発熱を抑制することが可能になる。その結果、磁性体コア7を小型化し、配電部材1全体をコンパクトにすることが可能になる。
図示していないが、3本の電線2の周囲には、3本の電線2を一括して覆うように、ワイヤハーネス100から放射される電磁ノイズを低減するための編組シールドが設けられている。編組シールドは、例えば、帯状の締付部材(不図示)により、シールドシェル6の外周に固定されている。本実施の形態では、編組シールドは、磁性体コア7の周囲を覆うように(ケース8や樹脂モールド9の周囲を覆うように)設けられることになる。
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明したように、本実施の形態に係る配電部材1では、電路(ここでは電線2)の周囲を囲むように設けられており、ナノ結晶軟磁性材料からなる環状の磁性体コア7と、磁性体コア7を収容している樹脂からなるケース8と、磁性体コア7が収容されているケース8と電路(ここでは電線2)の一部とを一括して覆う樹脂モールド9と、を備えている。
ナノ結晶軟磁性材料からなる磁性体コア7を用いることで、従来用いていたフェライトコア等と比較して磁性体コア7を小型化し、磁性体コア7を備えつつも小型かつ軽量であり、取り扱い性の良好な配電部材1を実現できる。その結果、例えば配電部材1がワイヤハーネス100である場合には、ワイヤハーネス100を狭い場所にも配策し易くなり、ワイヤハーネス100の配策レイアウトの自由度を向上させることが可能になる。
また、本実施の形態では、磁性体コア7をケース8に収容し、その磁性体コア7を収容したケース8を覆うように樹脂モールド9を設けているため、樹脂モールド9を成型する際の圧力が磁性体コア7に作用しにくくなり、樹脂モールド9を成型する際の圧力によって磁性体コア7の磁気特性が劣化してしまうことを抑制可能になる。
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
[1]電路(2)と、前記電路(2)の周囲を囲むように設けられており、ナノ結晶軟磁性材料からなる環状の磁性体コア(7)と、前記磁性体コア(7)を収容している樹脂からなるケース(8)と、前記磁性体コア(7)が収容されている前記ケース(8)と前記電路(2)の一部とを一括して覆う樹脂モールド(9)と、を備えた、配電部材(1)。
[2]前記ケース(8)は、筒状の内壁部(81)と、前記内壁部(81)の周囲を囲む筒状の外壁部(82)と、前記内壁部(81)と前記外壁部(82)の軸方向における一方の端部同士を連結する前壁部(83)と、前記内壁部(81)と前記外壁部(82)の軸方向における他方の端部同士を連結する後壁部(84)と、を有し、前記磁性体コア(7)は、前記内壁部(81)と前記外壁部(82)と前記前壁部(83)と前記後壁部(84)とに囲まれた空間である収容部(85)に収容されている、[1]に記載の配電部材(1)。
[3]前記ケース(8)と前記樹脂モールド(9)とが、同じ材料からなる、[1]または[2]に記載の配電部材(1)。
[4]前記電路(2)は、120°ずつ位相が異なるU相、V相、及びW相の駆動電流を伝送するU相配線部(20a)、V相配線部(20b)、及びW相配線部(20c)からなり、前記磁性体コア(7)は、前記U相配線部(20a)と前記V相配線部(20b)と前記W相配線部(20c)とを一括して覆うように設けられている、[1]乃至[3]の何れか1項に記載の配電部材(1)。
[5]前記U相配線部(20a)と前記V相配線部(20b)と前記W相配線部(20c)とは、前記樹脂モールド(9)により保持され相互に固定されている、[4]に記載の配電部材(1)。
[6]前記ケース(8)は、前記磁性体コア(7)よりも剛性が高い、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の配電部材(1)。
[7]前記電路(2)は、電線(2)からなり、前記ケース(8)と前記樹脂モールド(9)の少なくとも一方は、前記電線(2)よりも剛性が高い、[1]乃至[5]の何れか1項に記載の配電部材(1)。
[8]電路(2)の周囲に磁性体コア(7)を固定する磁性体コア(7)の固定構造であって、前記磁性体コア(7)は、ナノ結晶軟磁性材料からなり、環状に形成されており前記電路(2)の周囲を囲むように設けられており、前記磁性体コア(7)を収容している樹脂からなるケース(8)と、前記磁性体コア(7)が収容されている前記ケース(8)と前記電路(2)の一部とを一括して覆う樹脂モールド(9)と、を備えた、磁性体コア(7)の固定構造。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、配電部材1がワイヤハーネス100であり、電路が電線2である場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、配電部材1は、ワイヤハーネス100よりも電動機側に設けられ巻線にワイヤハーネス100からの電流を供給するバスリング等の電動機用配線部材であってもよく、インバータの内部配線に用いられる配線部材であってもよい。
例えば、配電部材1が電動機用配線部材である場合、電路は、U相の駆動電流をU相巻線に供給するU相配線部、V相の駆動電流をV相巻線に供給するV相配線部、及び、W相の駆動電流をW相巻線に供給するW相配線部から構成されることになる。よって、この場合、これらU相、V相、W相の配線部を一括して覆うように磁性体コア7(及びケース7及び樹脂モールド9)を設けるとよい。なお、この場合、電路としては、例えば、銅等の金属からなる単芯の中心導体を有し、中心導体を塑性変形させることにより所望の配線形状に賦形された絶縁電線が用いられる。
1…配電部材
2…電線(電路)
2a…導体
2b…絶縁体
20a…第1電線(U相配線)
20b…第2電線(V相配線)
20c…第3電線(W相配線)
21…接続端子
3…コネクタ
7…磁性体コア
8…ケース
81…内壁部
82…外壁部
83…前壁部
84…後壁部
85…収容部
8a…第1部材
8b…第2部材
9…樹脂モールド
100…ワイヤハーネス

Claims (8)

  1. 電路と、
    前記電路の周囲を囲むように設けられており、ナノ結晶軟磁性材料からなる環状の磁性体コアと、
    前記磁性体コアを収容している樹脂からなるケースと、
    前記磁性体コアが収容されている前記ケースと前記電路の一部とを一括して覆う樹脂モールドと、を備えた、
    配電部材。
  2. 前記ケースは、筒状の内壁部と、前記内壁部の周囲を囲む筒状の外壁部と、前記内壁部と前記外壁部の軸方向における一方の端部同士を連結する前壁部と、前記内壁部と前記外壁部の軸方向における他方の端部同士を連結する後壁部と、を有し、
    前記磁性体コアは、前記内壁部と前記外壁部と前記前壁部と前記後壁部とに囲まれた空間である収容部に収容されている、
    請求項1に記載の配電部材。
  3. 前記ケースと前記樹脂モールドとが、同じ材料からなる、
    請求項1または2に記載の配電部材。
  4. 前記電路は、120°ずつ位相が異なるU相、V相、及びW相の駆動電流を伝送するU相配線部、V相配線部、及びW相配線部からなり、
    前記磁性体コアは、前記U相配線部と前記V相配線部と前記W相配線部とを一括して覆うように設けられている、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の配電部材。
  5. 前記U相配線部と前記V相配線部と前記W相配線部とは、前記樹脂モールドにより保持され相互に固定されている、
    請求項4に記載の配電部材。
  6. 前記ケースは、前記磁性体コアよりも剛性が高い、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の配電部材。
  7. 前記電路は、電線からなり、
    前記ケースと前記樹脂モールドの少なくとも一方は、前記電線よりも剛性が高い、
    請求項1乃至5の何れか1項に記載の配電部材。
  8. 電路の周囲に磁性体コアを固定する磁性体コアの固定構造であって、
    前記磁性体コアは、ナノ結晶軟磁性材料からなり、環状に形成されており前記電路の周囲を囲むように設けられており、
    前記磁性体コアを収容している樹脂からなるケースと、
    前記磁性体コアが収容されている前記ケースと前記電路の一部とを一括して覆う樹脂モールドと、を備えた、
    磁性体コアの固定構造。
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