JP6609439B2 - 硬化性組成物及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 - Google Patents

硬化性組成物及び有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤 Download PDF

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Description

本発明は、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくい硬化性組成物に関する。また、本発明は、該硬化性組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、「有機EL」ともいう)表示素子は、互いに対向する一対の電極間に有機発光材料層が挟持された積層体構造を有し、この有機発光材料層に一方の電極から電子が注入されるとともに他方の電極から正孔が注入されることにより有機発光材料層内で電子と正孔とが結合して発光する。このように有機EL表示素子は自己発光を行うことから、バックライトを必要とする液晶表示素子等と比較して視認性がよく、薄型化が可能であり、しかも直流低電圧駆動が可能であるという利点を有している。
有機EL表示素子を構成する有機発光材料層や電極は、水分や酸素等により特性が劣化しやすいという問題がある。従って、実用的な有機EL表示素子を得るためには、有機発光材料層や電極を大気と遮断して長寿命化を図る必要がある。有機発光材料層や電極を大気と遮断する方法としては、封止剤を用いて有機EL表示素子を封止することが行われている(例えば、特許文献1)。有機EL表示素子を封止剤で封止する場合、通常、水分や酸素等の透過を充分に抑えるため、有機発光材料層を有する積層体上にパッシベーション膜と呼ばれる無機膜を設け、該無機膜上を封止剤で封止する方法が用いられている。
近年、有機発光材料層から発せられた光を、発光素子を形成した基板面側から取り出すボトムエミッション方式の有機EL表示素子に代わって、有機発光層の上面側から光を取り出すトップエミッション方式の有機EL表示素子が注目されている。この方式は、開口率が高く、低電圧駆動となることから、長寿命化に有利であるという利点がある。このようなトップエミッション方式の有機EL表示素子では、発光層の上面側が透明であることが必要であることから、発光素子の上面側に透明な封止樹脂を介してガラス等の透明防湿性基材を積層することにより封止している(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、このようなトップエミッション方式の有機EL表示素子では、光の取り出し方向を遮蔽してしまわないようにするために乾燥剤を配置するスペースがなく、充分な防湿効果が得られにくく寿命が短くなるという問題があった。
特開2007−115692号公報 特開2009−051980号公報
本発明は、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくい硬化性組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該硬化性組成物を用いてなる有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性化合物と、重合開始剤と、吸水率が30重量%以上である第1の吸湿剤と、吸水率が5重量%以上30重量%未満である第2の吸湿剤とを含有し、前記第1の吸湿剤の総表面積が前記硬化性化合物100g当たり10〜100mである硬化性組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、有機EL表示素子用封止剤に用いられる硬化性組成物の吸湿性を向上させるため、酸化カルシウム等の吸湿剤を添加することを試みた。しかしながら、このような吸湿剤を硬化性組成物に多く添加した場合、吸湿性には優れるものの、膨張率が高く、水分を吸収することでパネル剥がれ等の不良を引き起こすという問題があった。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、吸水率の異なる2種以上の特定の吸湿剤を用いることで、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくい硬化性組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の硬化性組成物は、吸水率が30重量%以上である第1の吸湿剤(以下、単に「第1の吸湿剤」ともいう)と、吸水率が5重量%以上30重量%未満である第2の吸湿剤(以下、単に「第2の吸湿剤」ともいう)とを含有する。
上記第1の吸湿剤と上記第2の吸湿剤とを含有することにより、得られる硬化性組成物を、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくいものとすることができる。
なお、上記「吸水率」とは、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で24時間放置した場合における重量の変化率により算出する。具体的には、高温高湿試験(85℃−85%、24時間)前の重量をW、高温高湿試験後の重量をWとした場合、下記式(I)により算出される。
吸水率(重量%)=((W−W)/W)×100 (I)
上記第1の吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物、活性アルミナ等が挙げられる。なかでも、吸水性の観点から、アルカリ土類金属の酸化物が好ましく、酸化カルシウムがより好ましい。
これらの第1の吸湿剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記第1の吸湿剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が4重量部、好ましい上限が40重量部である。上記第1の吸湿剤の含有量が4重量部未満であると、水分に対するバリア性が低くなる場合がある。上記第1の吸湿剤の含有量が40重量部を超えると、パネル剥がれやクラック発生という問題が生じる場合がある。上記第1の吸湿剤の含有量のより好ましい下限は8重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上記第1の吸湿剤の総表面積は、硬化性化合物100g当たりの下限が10m、上限が100mである。上記第1の吸湿剤の総表面積が硬化性化合物100g当たり10m未満であると、水分に対するバリア性が低くなる。上記総表面積が100mを超えると、パネル剥がれやクラック発生という問題が生じる。上記第1の吸湿剤の総表面積の好ましい下限は20m、好ましい上限は80mである。
なお、上記第1の吸湿剤の総表面積は、上記第1の吸湿剤の含有量とBET比表面積とから算出される。具体的には、例えば、比表面積測定装置(島津製作所社製、ASAP−2000)で窒素ガスを用いて測定したBET比表面積から算出する。
上記第2の吸湿剤としては、例えば、酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の酸化物、モレキュラーシーブ等のゼオライト等が挙げられる。なかでも、吸水性の観点から、アルカリ土類金属の酸化物が好ましく、酸化マグネシウムがより好ましい。
これらの第2の吸湿剤は、単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記第2の吸湿剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が40重量部である。上記第2の吸湿剤の含有量が2重量部未満であると、水分に対するバリア性が低くなる場合がある。上記第2の吸湿剤の含有量が40重量部を超えると、粘度が増加し塗布性が劣る場合がある。上記第2の吸湿剤の含有量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は30重量部である。
上述したように、上記第1の吸湿剤及び上記第2の吸湿剤は、アルカリ土類金属の酸化物であることが好ましい。
上記第1の吸湿剤と上記第2の吸湿剤との組み合わせとしては特に限定されないが、水分に対するバリア性という観点から、酸化カルシウムと酸化マグネシウムとの組み合わせが好ましい。また、上記第1の吸湿剤と上記第2の吸湿剤との組み合わせとして、ドロマイトを加熱することにより得られる、酸化カルシウムと酸化マグネシウムとの複塩である軽焼ドロマイトを用いてもよい。
上記第1の吸湿剤と上記第2の吸湿剤との合計含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記合計含有量が5重量部未満であると、水分に対するバリア性が低くなる場合がある。上記合計含有量が50重量部を超えると、パネル剥がれやクラック発生という問題が生じる場合がある。上記第1の吸湿剤と上記第2の吸湿剤との合計含有量のより好ましい下限は7重量部、より好ましい上限は40重量部である。
上記第1の吸湿剤の含有量は、上記第2の吸湿剤の含有量以上であることが好ましい。上記第1の吸湿剤の含有量が、上記第2の吸湿剤の含有量以上であることにより、水分に対するバリア性を高くすることができる。
上記第1の吸湿剤の含有量と上記第2の吸湿剤の含有量の比は特に限定されないが、好ましくは1:1〜4:1である。上記含有量の比がこの範囲にあると、水分に対するバリア性を高くすることができる。上記含有量の比は、より好ましくは1:1〜3:1である。
本発明の硬化性組成物は、硬化性化合物を含有する。
上記硬化性化合物としては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性基を有するカチオン重合性化合物、アクリル等のラジカル重合性化合物が挙げられる。なかでも、カチオン重合性化合物が好ましく、エポキシ基を有するカチオン重合性化合物がより好ましい。
また、本発明の硬化性組成物は、アウトガスの発生を抑制する観点から、上記カチオン重合性化合物として、下記式(1)で表される化合物及び/又は下記式(2)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006609439
式(1)中、R〜R18は、水素原子、ハロゲン原子、又は、酸素原子若しくはハロゲン原子を含んでいてもよい炭化水素基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。Xは、結合手、酸素原子、炭素数1〜5のアルキレン基、オキシカルボニル基、炭素数2〜5のアルキレンオキシカルボニル基、又は、第二級アミノ基である。
Figure 0006609439
式(2)中、R19〜R21は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数2〜10のアルキレン基であり、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。E〜Eは、それぞれ独立して下記式(3−1)又は下記式(3−2)で表される有機基を表す。
Figure 0006609439
式(3−1)中、R22は、水素原子又はメチル基である。
なかでも、上記カチオン重合性化合物として、下記式(4−1)で表される化合物、下記式(4−2)で表される化合物、及び、下記式(4−3)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有することが好ましい。
Figure 0006609439
上記カチオン重合性化合物のうち市販されているものとしては、例えば、セロキサイド8000、セロキサイド2021P(いずれもダイセル社製)、TEPIC−VL(日産化学社製)等が挙げられる。
上記硬化性化合物は、後述する充填剤の分散性を高めることや得られる硬化性組成物の粘度を適度に調整すること等を目的として、上記式(1)で表される化合物及び上記式(2)で表される化合物以外の、その他のカチオン重合性化合物を含有してもよい。上記その他のカチオン重合性化合物としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂、ノボラック骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、及び、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも1種のエポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が更に好ましい。
本発明の硬化性組成物は、重合開始剤を含有する。
上記重合開始剤としては、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤や、加熱によりプロトン酸又はルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤が挙げられる。なかでも、光カチオン重合開始剤が好ましい。
上記光カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、アニオン部分がBF 、PF 、SbF 、又は、(BX(但し、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)で構成される、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族アンモニウム塩、又は、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩等が挙げられる。
上記芳香族スルホニウム塩としては、例えば、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、ジフェニル−4−(フェニルチオ)フェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロホスフェート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビスヘキサフルオロアンチモネート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドビステトラフルオロボレート、ビス(4−(ジ(4−(2−ヒドロキシエトキシ))フェニルスルホニオ)フェニル)スルフィドテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ヨードニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(ドデシルフェニル)ヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メチルフェニル−4−(1−メチルエチル)フェニルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族ジアゾニウム塩としては、例えば、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、フェニルジアゾニウムヘキサフルオロアンチモネート、フェニルジアゾニウムテトラフルオロボレート、フェニルジアゾニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記芳香族アンモニウム塩としては、例えば、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−ベンジル−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロホスフェート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラフルオロボレート、1−(ナフチルメチル)−2−シアノピリジニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe塩としては、例えば、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロホスフェート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)ヘキサフルオロアンチモネート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラフルオロボレート、(2,4−シクロペンタジエン−1−イル)((1−メチルエチル)ベンゼン)−Fe(II)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
上記非イオン性光酸発生型の光カチオン重合開始剤としては、例えば、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナフトキノン、N−ヒドロキシイミドスホナート等が挙げられる。
上記光カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、DTS−200(みどり化学社製)、UVI6990、UVI6974(いずれもユニオンカーバイド社製)、SP−150、SP−170(いずれもADEKA社製)、FC−508、FC−512(いずれも3M社製)、イルガキュア290(BASF社製)、PI2074(ローディア社製)等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤としては、BF 、PF 、SbF 、又は、(BX(ただし、Xは、少なくとも2つ以上のフッ素若しくはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基を表す)を対アニオンとする、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、第4級アンモニウム塩、ジアゾニウム塩、又は、ヨードニウム塩が好ましく、スルホニウム塩、第4級アンモニウム塩がより好ましい。
上記スルホニウム塩としては、トリフェニルスルホニウム四フッ化ホウ素、トリフェニルスルホニウム六フッ化アンチモン、トリフェニルスルホニウム六フッ化ヒ素、トリ(4−メトキシフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素、ジフェニル(4−フェニルチオフェニル)スルホニウム六フッ化ヒ素等が挙げられる。
上記ホスホニウム塩としては、エチルトリフェニルホスホニウム六フッ化アンチモン、テトラブチルホスホニウム六フッ化アンチモン等が挙げられる。
上記第4級アンモニウム塩としては、例えば、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メトキシベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチルフェニル(4−メチルベンジル)アンモニウムヘキサフルオロテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルフェニルジベンジルアンモニウム、メチルフェニルジベンジルアンモニウムヘキサフルオロアンチモネートヘキサフルオロホスフェート、メチルフェニルジベンジルアンモニウムトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェニルトリベンジルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジメチルフェニル(3,4−ジメチルベンジル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル−N−ベンジルアニリニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルアニリニウム四フッ化ホウ素、N,N−ジメチル−N−ベンジルピリジニウム六フッ化アンチモン、N,N−ジエチル−N−ベンジルピリジニウムトリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。
上記熱カチオン重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、サンエイドSI−60、サンエイドSI−80、サンエイドSI−B3、サンエイドSI−B3A、サンエイドSI−B4(いずれも三新化学工業社製)、CXC−1612、CXC−1821(いずれもKing Industries社製)等が挙げられる。
上記重合開始剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、重合が充分に進行しなかったり、硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる硬化性組成物の硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる硬化性組成物の硬化物が不均一となったりすることがある。上記重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の硬化性組成物は、熱硬化剤を含有してもよい。熱硬化剤としては、例えば、ヒドラジド化合物、イミダゾール誘導体、酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、変性脂肪族ポリアミン、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物としては、例えば、1,3−ビス(ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン)、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体としては、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−(2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル)尿素、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物としては、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤のうち市販されているものとしては、例えば、SDH(日本ファインケム社製)、ADH(大塚化学社製)、アミキュアVDH、アミキュアVDH−J、アミキュアUDH(いずれも味の素ファインテクノ社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.5重量部、好ましい上限が30重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.5重量部未満であると、得られる硬化性組成物に充分な熱硬化性を付与できないことがある。上記熱硬化剤の含有量が30重量部を超えると、得られる硬化性組成物の保存安定性が不充分となったり、得られる硬化性組成物の硬化物の耐湿性が悪くなったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の硬化性組成物は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤は、上記重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の硬化性組成物の硬化反応をより促進させる役割を有する。
上記増感剤としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が充分に得られないことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きくなりすぎて深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の硬化性組成物は、接着性を向上させること等を目的として、本発明の目的を阻害しない範囲において、上記第1の吸湿剤及び上記第2の吸湿剤に加えて、充填剤を含有してもよい。
上記充填剤としては、例えば、シリカ、タルク、アルミナ等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤等が挙げられる。なかでも、耐湿性を向上させる効果に優れることから、タルクが好ましい。
上記充填剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が100重量部である。上記充填剤の含有量が5重量部未満であると、接着性を向上させる等の効果が充分に発揮されないことがある。上記充填剤の含有量が100重量部を超えると、得られる硬化性組成物が塗布性に劣るものとなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は80重量部である。
本発明の硬化性組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明の硬化性組成物と基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は、上記硬化性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる硬化性組成物の接着性を向上させる効果が充分に発揮されないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲において、表面改質剤を含有してもよい。上記表面改質剤を含有することにより、本発明の硬化性組成物に塗膜の平坦性を付与することができる。
上記表面改質剤としては、例えば、界面活性剤やレベリング剤等が挙げられる。
上記界面活性剤や上記レベリング剤としては、例えば、シリコーン系、アクリル系、フッ素系等のものが挙げられる。
上記界面活性剤や上記レベリング剤のうち市販されているものとしては、例えば、BYK−345、BYK−340(いずれもビックケミー・ジャパン社製)、サーフロンS−611(AGCセイミケミカル社製)等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、素子電極の耐久性を向上させるために、イオン交換樹脂を含有してもよい。
上記イオン交換樹脂としては、陽イオン交換型、陰イオン交換型、両イオン交換型のいずれも使用することができるが、特に塩化物イオンを吸着することのできる陽イオン交換型又は両イオン交換型が好適である。
本発明の硬化性組成物は、アウトガスの発生をより抑制する観点から、溶剤を含有しないことが好ましい。本発明の硬化性組成物は、該溶剤を含有しなくても、塗布性に優れるものとすることができる。特に、本発明の硬化性組成物を有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤として用いる場合、溶剤を含有しないことによる効果が顕著なものとなる。
また、本発明の硬化性組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、硬化遅延剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明の硬化性組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性化合物と、重合開始剤と、第1の吸湿剤と、第2の吸湿剤と、必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、E型粘度計を用いて、25℃における粘度が100〜500Pa・sのペーストであることが好ましい。上記粘度がこの範囲であるペーストであることにより、本発明の硬化性組成物が塗布性と第1の吸湿剤及び第2の吸湿剤の分散性との両方により優れるものとなる。上記粘度のより好ましい下限は150Pa・s、より好ましい上限は450Pa・sである。なお、上記粘度を調整するために溶剤を用いた場合、要求される低アウトガス性の観点から、有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤として用いることが困難となる。
なお、上記粘度は、例えば、E型粘度計としてVISCOMETER TV−22(東機産業社製)を用い、CP1のコーンプレートにて、各粘度領域における最適なトルク数から適宜1〜100rpmの回転数を選択することにより測定することができる。
本発明の硬化性組成物は、有機エレクトロルミネッセンス表示素子(以下、「有機EL表示素子」ともいう)の封止に好適に用いられる。
本発明の硬化性組成物からなる有機EL表示素子用封止剤もまた本発明の1つである。
本発明の有機EL表示素子用封止剤に形成される封止部の形状としては、有機発光材料層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周辺部に閉じたパターンを形成してもよいし、該積層体の周辺部に一部開口部を設けた形状のパターンを形成してもよいが、該積層体の周辺部の封止に好適に用いることができる。
本発明によれば、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくい硬化性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性組成物を用いてなる有機EL表示素子用封止剤を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
硬化性化合物として、エポキシノボラック樹脂(ダウ・ケミカル社製、「D.E.N.431」)65重量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、「EPICLON EXA−830LVP」)20重量部、及び、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製、「EPICLON HP−7200」)15重量部に、光カチオン重合開始剤として芳香族スルホニウム塩(みどり化学社製、「DTS−200」)1重量部を添加し、80℃で1時間加熱溶解した。その後、シランカップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、「KBM−403」)1.5重量部、充填剤としてタルク(日本タルク社製、「NANO ACE D−600」)50重量部、吸湿剤として酸化カルシウム(吉沢石灰工業社製、「生石灰J1P」、吸水率30重量%、比表面積2.5m/g)10重量部、及び、酸化マグネシウム(タテホ化学工業社製、「TATEHOMAG #500」、吸水率10重量%)5重量部を添加し、撹拌混合機(シンキー社製、「AR−250」)を用い、撹拌速度3000rpmで均一に撹拌混合して、硬化性組成物を作製した。
(実施例2〜9、比較例1〜7)
表1、2に記載された各材料を、表1、2に記載された配合比に従い、実施例1と同様にして撹拌混合して、硬化性組成物を作製した。
なお、実施例2及び比較例4で用いた酸化ストロンチウム(堺化学工業社製、「STO」、吸水率35重量%)の比表面積測定装置(島津製作所社製、ASAP−2000)で窒素ガスを用い測定したBET比表面積は、5.0m/gであった。
また、実施例9で用いた軽焼ドロマイト(吉沢石灰工業社製、「ドロマイトJ1P」)は、ドロマイトを加熱することにより得られ、酸化カルシウムと酸化マグネシウムの含有量の比が2:1(重量比)である。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各硬化性組成物について、以下の評価を行った。結果を表1及び2に示した。
(1)粘度
実施例及び比較例で得られた各有機EL表示素子用封止剤について、E型粘度計(東機産業社製、「VISCOMETER TV−22」)を用いて、25℃における粘度を測定した。
(2)硬化物の吸湿性
実施例及び比較例で得られた各硬化性組成物を200μmの厚さとなるように、ベーカー式アプリケーター(テスター産業社製)にて恒温プレート上に塗布した。その後高圧水銀灯にて3000mJ/cmの紫外線(波長365nm)を照射してフィルムを得た。得られたフィルムの重量を測定し、85℃、85%RHの高温高湿条件に24時間暴露して測定した。その後、高温高湿条件下に暴露される前後の重量を比較することにより、フィルムの吸水率を計算した。その結果、フィルムの吸水率が2.5重量%以上であった場合を「◎」、1.5重量%以上2.5重量%未満であった場合を「○」、1.0重量%以上1.5重量%未満であった場合を「△」、1.0重量%未満であった場合を「×」として硬化物の吸湿性を評価した。なお、実施例6で得られた硬化性組成物については、紫外線の照射に代えて100℃にて30分加熱することによりフィルムを得た。
(3)パネルの接着状態
(有機発光材料層を有する積層体が配置された基板の作製)
ガラス基板(長さ25mm、幅25mm、厚さ0.7mm)にITO電極を1000Åの厚さで成膜したものを基板とした。上記基板をアセトン、アルカリ水溶液、イオン交換水、イソプロピルアルコールにてそれぞれ15分間超音波洗浄した後、煮沸させたイソプロピルアルコールにて10分間洗浄し、更に、UV−オゾンクリーナ(日本レーザー電子社製、「NL−UV253」)にて直前処理を行った。
次に、この基板を真空蒸着装置の基板フォルダに固定し、素焼きの坩堝にN,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)を200mg、他の異なる素焼き坩堝にトリス(8−キノリノラト)アルミニウム(Alq)を200mg入れ、真空チャンバー内を、1×10−4Paまで減圧した。その後、α−NPDの入った坩堝を加熱し、α−NPDを蒸着速度15Å/sで基板に堆積させ、膜厚600Åの正孔輸送層を成膜した。次いで、Alqの入った坩堝を加熱し、15Å/sの蒸着速度で膜厚600Åの有機発光材料層を成膜した。その後、正孔輸送層及び有機発光材料層が形成された基板を別の真空蒸着装置に移し、この真空蒸着装置内のタングステン製抵抗加熱ボートにフッ化リチウム200mgを、別のタングステン製ボートにアルミニウム線1.0gを入れた。その後、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−4Paまで減圧してフッ化リチウムを0.2Å/sの蒸着速度で5Å成膜した後、アルミニウムを20Å/sの速度で1000Å成膜した。窒素により蒸着器内を常圧に戻し、10mm×10mmの有機発光材料層を有する積層体が配置された基板を取り出した。
(無機材料膜Aによる被覆)
得られた積層体が配置された基板の、該積層体全体を覆うように、13mm×13mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Aを形成した。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量を10sccm及び200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Aの厚さは、約1μmであった。
(樹脂保護膜の形成)
真空装置内に、無機材料膜Aで被覆された積層体が配置された基板を設置し、真空装置の中に設置された加熱ボートに実施例及び比較例で得られた各硬化性組成物を0.5g入れ、10Paに減圧して、積層体を含む11mm×11mmの四角形の部分に、硬化性組成物を200℃にて加熱し、厚さが0.5μmになるように真空蒸着を行った。その後、真空環境下で高圧水銀灯を用いて波長365nmの紫外線を照射量が3000mJ/cmとなるように照射して、硬化性組成物を硬化させて樹脂保護膜を形成した。なお、実施例6で得られた硬化性組成物については、紫外線の照射に代えて100℃にて30分加熱することにより硬化させて樹脂保護膜を形成した。
(無機材料膜Bによる被覆)
樹脂保護膜を形成した後、該樹脂保護膜の全体を覆うように、12mm×12mmの開口部を有するマスクを設置し、プラズマCVD法にて無機材料膜Bを形成して有機EL表示素子を得た。
プラズマCVD法は、原料ガスとしてSiHガス及び窒素ガスを用い、各々の流量をSiHガス10sccm、窒素ガス200sccmとし、RFパワーを10W(周波数2.45GHz)、チャンバー内温度を100℃、チャンバー内圧力を0.9Torrとする条件で行った。
形成された無機材料膜Bの厚さは、約1μmであった。
(パネルの接着状態の観察)
得られた有機EL表示素子を、85℃、85%RHの環境下に500時間暴露した後のパネルの接着状態を目視にて観察した。パネル剥がれがなかった場合を「○」、パネル剥がれが一部確認された場合を「△」、パネル剥がれが大部分から確認された場合を「×」としてパネルの接着状態を評価した。
(4)有機EL表示素子の信頼性
上記「(3)パネルの接着状態」と同様にして得られた有機EL表示素子を、85℃、85%RHの環境下に500時間暴露した後、3Vの電圧を印加し、有機EL表示素子の発光状態(ダークスポット及び画素周辺消光の有無)を目視で観察した。ダークスポットや周辺消光が無く均一に発光した場合を「○」、僅かでもダークスポットや周辺消光が認められた場合を「×」として有機EL表示素子の信頼性を評価した。
Figure 0006609439
Figure 0006609439
本発明によれば、吸湿性に優れ、表示素子の封止に用いた場合にパネル剥がれが生じにくい硬化性組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該硬化性組成物を用いてなる有機EL表示素子用封止剤を提供することができる。

Claims (10)

  1. 硬化性化合物と、重合開始剤と、吸水率が30重量%以上である第1の吸湿剤と、吸水率が5重量%以上30重量%未満である第2の吸湿剤とを含有し、
    前記第1の吸湿剤の総表面積が前記硬化性化合物100g当たり10〜100mであり、
    ペーストである
    ことを特徴とする硬化性組成物。
  2. 第1の吸湿剤の含有量は、第2の吸湿剤の含有量以上であることを特徴とする請求項1記載の硬化性組成物。
  3. 第1の吸湿剤及び第2の吸湿剤は、アルカリ土類金属の酸化物であることを特徴とする請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 第1の吸湿剤は、酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の硬化性組成物。
  5. 第2の吸湿剤は、酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の硬化性組成物。
  6. 第1の吸湿剤及び第2の吸湿剤として、軽焼ドロマイトを用いることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の硬化性組成物。
  7. 硬化性化合物は、カチオン重合性化合物であり、重合開始剤は、光カチオン重合開始剤であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の硬化性組成物。
  8. 溶剤を含有しないことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の硬化性組成物。
  9. 25℃で測定した粘度が100〜500Pa・sのペーストであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の硬化性組成物。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8又は9記載の硬化性組成物からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示素子用封止剤。
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