JP6608350B2 - Electric winch control device - Google Patents
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Description
本発明は、車椅子を車室内に出入りさせる一対の電動ウィンチと、これらの電動ウィンチを制御するコントローラと、を備えた電動ウィンチの制御装置に関する。 The present invention relates to a control device for an electric winch that includes a pair of electric winches that allow a wheelchair to move in and out of a passenger compartment and a controller that controls these electric winches.
従来、福祉車両の後方側には、車椅子を搭載する車椅子搭載スペースが設けられている。車椅子搭載スペースからは、車室外に向けてスロープが引き出され、当該スロープを介して車椅子を車椅子搭載スペースに出入りさせる。また、車椅子搭載スペースの車両前方側には、フック付きのベルトを備えた電動ウィンチが設置されている。電動ウィンチからベルトを引き出して車椅子の所定箇所にフックを引っ掛け、この状態で電動ウィンチを駆動することで、車椅子を車椅子搭載スペースに容易に出入りさせることができる。なお、電動ウィンチは、介助者を補助するためのもので、介助者により操作される。 Conventionally, a wheelchair mounting space for mounting a wheelchair is provided on the rear side of the welfare vehicle. From the wheelchair mounting space, a slope is drawn out of the passenger compartment, and the wheelchair is moved in and out of the wheelchair mounting space via the slope. An electric winch having a hooked belt is installed on the front side of the wheelchair-mounted space. By pulling out the belt from the electric winch, hooking a hook at a predetermined position of the wheelchair, and driving the electric winch in this state, the wheelchair can be easily moved in and out of the wheelchair mounting space. The electric winch is for assisting the assistant and is operated by the assistant.
車椅子をスロープに沿わせて安定して移動させるために、車椅子搭載スペースの前方側でかつ左右側に一対の電動ウィンチを設置し、これらの電動ウィンチをコントローラで同期動作させることが行われている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された電動ウィンチの制御装置は、左右側の電動モータ部(モータ),左右側の回転センサ,1つのコントローラを備えており、コントローラは、それぞれの回転センサからのパルス信号(検出信号)に基づいて、それぞれの電動モータ部を駆動または停止させる制御を実行する。
In order to stably move the wheelchair along the slope, a pair of electric winches are installed on the front side and the left and right sides of the wheelchair mounting space, and these electric winches are operated synchronously by a controller. (For example, refer to Patent Document 1). The control device for the electric winch described in
ところで、上述の特許文献1に記載された技術では、以下に示されるような機能を備えている。具体的には、例えば、車椅子を降車させる場合において、車椅子の左右側での重量配分が異なり、例えば、片側の電動ウィンチの機械的な故障、片側フックの車椅子への掛け忘れ、介助者の操作ミスなどにより、ベルトの左右側での送り出し量に差が生じる。
By the way, the technique described in
そこで、コントローラは、車椅子がスロープから逸脱しないようにすべく、ベルトの送り出し量にある程度の差が生じたときに、それぞれの電動ウィンチを緊急停止させる。なお、コントローラは、上述のような車椅子の降車時に限らず、車椅子の乗車時においても、左右側でのベルトの引き込み量に差が生じた場合には、緊急停止させる。 Therefore, the controller makes an emergency stop of each electric winch when a certain amount of difference occurs in the amount of belt delivered so that the wheelchair does not deviate from the slope. It should be noted that the controller makes an emergency stop when there is a difference in the retracted amount of the belt on the left and right sides, not only when the wheelchair is getting off, but also when the wheelchair is getting on.
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術では、車椅子がスロープ上から平坦な場所(車室外の地面等)に移動された後でも、上述のような「緊急停止制御」が継続される。すなわち、車椅子の降車が完了して、車椅子から一対のベルトを取り外す際に、介助者が一方のベルトを引っ張ってフックを外すと、コントローラはベルトの送り出し量に差が生じたと判断してしまう。これにより、ベルトを片側から外すような場合であっても、コントローラは電動ウィンチを緊急停止させてしまう。
However, in the technique described in
したがって、一対の電動ウィンチからベルトをそれぞれ引き出せない状態(ロック状態)となり、他方のベルトを引っ張ってフックを車椅子から外せなくなるという問題を生じる。そして、この場合には、車椅子を動かしたり、フックを取り外すための再操作が必要となり、車室外の平坦な場所での車椅子からのベルトの取り外し作業が面倒であるという問題が生じる可能性があった。 Accordingly, there arises a problem that the belt cannot be pulled out from the pair of electric winches (locked state), and the other belt is pulled so that the hook cannot be removed from the wheelchair. In this case, it is necessary to move the wheelchair or to remove the hook, and there is a possibility that the removal of the belt from the wheelchair in a flat place outside the passenger compartment is troublesome. It was.
本発明の目的は、ベルトの送り出し量(引き込み量)に差が生じたときに緊急停止するものにおいて、車室外の平坦な場所での車椅子からのベルトの取り外し作業を容易に行える電動ウィンチの制御装置を提供することにある。 It is an object of the present invention to control an electric winch that can easily remove a belt from a wheelchair in a flat place outside the passenger compartment when the emergency stop occurs when a difference occurs in the belt feed amount (drawn amount). To provide an apparatus.
本発明の一態様では、車椅子を車室内に出入りさせる一対の電動ウィンチと、前記電動ウィンチを制御するコントローラと、を備えた、電動ウィンチの制御装置であって、一対の前記電動ウィンチは、前記車椅子を牽引するベルトが巻き掛けられるドラムと、前記ドラムを回転させるモータと、前記ドラムの回転を検出する回転センサと、を有し、前記コントローラは、一対の前記回転センサからの検出信号がそれぞれ入力され、当該検出信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントするカウンタ部と、前記カウンタ部でのそれぞれのカウント値から差分値を算出し、かつ当該差分値と予め格納された閾値とを比較し、前記差分値が前記閾値以上のときに停止信号を出力する差分値比較部と、前記停止信号の入力により、一対の前記モータを停止させる駆動制御部と、前記車椅子が車室外にあることを示す前記カウント値の入力により、前記駆動制御部による前記モータの停止制御を解除する停止解除部と、を備える。 In one aspect of the present invention, there is provided a control device for an electric winch, comprising: a pair of electric winches that allow a wheelchair to enter and exit from a vehicle interior; and a controller that controls the electric winches. A drum around which a belt for pulling a wheelchair is wound; a motor that rotates the drum; and a rotation sensor that detects rotation of the drum. The controller receives detection signals from the pair of rotation sensors, respectively. A counter unit that counts the number of rises or falls of the detection signal that is input, calculates a difference value from each count value in the counter unit, and compares the difference value with a prestored threshold value And a difference value comparison unit that outputs a stop signal when the difference value is equal to or greater than the threshold, and input of the stop signal, Comprising a drive control unit to stop the motor of the pair, the input of the count value indicating that the wheelchair is in the vehicle exterior, and a stop release unit for releasing the motor stop control by the drive control unit.
本発明の他の態様では、前記コントローラは、前記ドラムに対する前記ベルトの巻き取り径の大小に応じて、前記差分値の大きさを調整する調整係数を決める調整係数決定部を備えている。 In another aspect of the present invention, the controller includes an adjustment coefficient determination unit that determines an adjustment coefficient for adjusting the magnitude of the difference value according to the winding diameter of the belt with respect to the drum.
本発明の他の態様では、前記調整係数決定部は、前記巻き取り径が大きいときに前記調整係数を小さくし、前記巻き取り径が小さいときに前記調整係数を大きくする。 In another aspect of the present invention, the adjustment coefficient determination unit decreases the adjustment coefficient when the winding diameter is large, and increases the adjustment coefficient when the winding diameter is small.
本発明によれば、コントローラは、車椅子が車室外にあることを示すカウント値の入力により、駆動制御部によるモータの停止制御を解除する停止解除部を備えているので、車室外の平坦な場所での車椅子からのベルトの取り外し作業を、片側ずつ容易に行うことが可能となり、ひいては介助者等への負担を軽減することができる。 According to the present invention, the controller includes the stop cancellation unit that cancels the stop control of the motor by the drive control unit by inputting the count value indicating that the wheelchair is outside the vehicle compartment. It is possible to easily remove the belt from the wheelchair on one side at a time, thereby reducing the burden on the caregiver or the like.
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。 Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
図1(a),(b)は電動ウィンチの基本動作を説明する図を、図2は図1の車両を上方から見たシステム構成を説明する図を、図3(a)は車両に設置された操作パネルの平面図,(b)は介助者により操作されるリモコンの平面図を、図4は電動ウィンチの詳細構造を説明する斜視図を、図5は電動ウィンチの内部構造(一部)を説明する斜視図を、図6はコントローラの内部構造を説明するブロック図を、図7はコントローラに格納される分解能マップを説明する図をそれぞれ示している。 1A and 1B are diagrams for explaining the basic operation of the electric winch, FIG. 2 is a diagram for explaining a system configuration when the vehicle of FIG. 1 is viewed from above, and FIG. 3A is installed in the vehicle. 4B is a plan view of the remote controller operated by an assistant, FIG. 4 is a perspective view illustrating the detailed structure of the electric winch, and FIG. 5 is an internal structure (partially) of the electric winch. 6 is a block diagram illustrating the internal structure of the controller, and FIG. 7 is a diagram illustrating a resolution map stored in the controller.
図1および図2に示されるように、車両10は福祉車両であり、当該車両10の後方側(図中右側)には、被牽引物である車椅子20を搭載し得る車椅子搭載スペース11が設けられている。車椅子搭載スペース11の車両前方側(図中左側)には、車両10の車幅方向(図2における上下方向)に所定間隔を持って一対の電動ウィンチ30が設置されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
一対の電動ウィンチ30は、車椅子20を車椅子搭載スペース(車室内)11に出入りさせるもので、先端側にフック31が装着されたベルト32を備えており、ベルト32は車椅子20を牽引するようになっている。具体的には、一対の電動ウィンチ30からそれぞれベルト32を引き出して、各フック31を車椅子20の左右側にある一対の前フレーム21にそれぞれ引っ掛け、当該状態で一対の電動ウィンチ30を同期動作させて、各ベルト32を引き込むことで、図中矢印M1に示される方向に車椅子20が移動される。
The pair of
車椅子搭載スペース11の車両後方側には、地面Gと車両10の床面Fとを緩やかな傾斜角度で接続するスロープ12が設置されている。スロープ12は、車両10の走行時においては、床面Fに形成された格納部(図示せず)に格納される。一方、車両10を停車させてかつバックドア13を開いた状態とし、ユーザーの手動操作にてスロープ12が格納部から車室外に向けて延出される。
A
一対の電動ウィンチ30を同期動作させて、それぞれのベルト32を引き込むことで、図1(b)に示されるように車椅子20はスロープ12上を移動していき、やがて車椅子20は、図中破線で示されるように床面F上に到達して車椅子搭載スペース11内(車室内)に搭載される。
By causing the pair of
また、一対の電動ウィンチ30を逆回転するよう同期動作させることで、それぞれの各ベルト32を送り出し、図1(b)から図1(a)に示されるように、車椅子搭載スペース11内に搭載された車椅子20を、床面Fから地面Gへ移動させることができる。このようにスロープ12を設けることで、車椅子20の地面Gと床面Fとの間の移動を容易に誘導可能としている。ここで、一対の電動ウィンチ30は、介助者(操作者)により操作され、それぞれの電動ウィンチ30の操作中においては、介助者は車椅子20の後方から当該車椅子20を支持するようにする。
Further, by synchronizing the pair of
一対の電動ウィンチ30を制御する制御装置40は、図2に示されるように構成されている。つまり制御装置40は、一対の電動ウィンチ30,1つのコントローラ50,操作パネル60およびリモコン70から構成されている。それぞれの電動ウィンチ30とコントローラ50との間、および操作パネル60とコントローラ50との間には、通信線および電源線よりなる配線14が電気的に接続して設けられている。なお、リモコン70はワイヤレス式で無線によりコントローラ50と通信可能であり、リモコン70を車室外に持ち出すことで、それぞれの電動ウィンチ30を車室外から操作(同期動作)できるようになっている。
The
図2に示されるように、車両10の床面Fにはフック15を備えた一対の固定ベルト16が設置されている。これらの固定ベルト16のそれぞれのフック15は、車椅子搭載スペース11に搭載された車椅子20の左右側にある一対の車輪22にそれぞれ引っ掛けられるようになっている。これにより、車椅子搭載スペース11に搭載された車椅子20は、一対のベルト32のそれぞれのフック31および一対の固定ベルト16のそれぞれのフック15の合計4箇所で固定される。したがって、車両10の内部において、車椅子20が移動したりがたついたりすることが確実に防止される。
As shown in FIG. 2, a pair of fixed
図3(a)に示されるように、操作部材である操作パネル60は、パネル本体61を備えている。このパネル本体61は、車椅子搭載スペース11の後方側に配置され、操作パネル60は、車両10の後方の車室外等から操作可能とされる。これにより、操作パネル60は、車室外にいる介助者により容易に操作することができる。パネル本体61には、主電源スイッチ62,ベルトフリースイッチ63,速度切替スイッチ64,ブザー(スピーカ)65が設けられている。
As shown in FIG. 3A, the
主電源スイッチ62は、制御装置40のシステム電源を投入するときに操作するもので、主電源スイッチ62をオン操作してシステム電源をオン状態にすると、主電源スイッチ62のインジケータ62aが点灯するようになっている。また、主電源スイッチ62は、制御装置40をシステムリセット(初期化)する際にも操作され、例えば、電源を投入するときに3秒以上の長押しをすることで、システムリセットされるようになっている。
The
ベルトフリースイッチ63は、一対の電動ウィンチ30のロック状態を解除するために操作するもので、ベルトフリースイッチ63をオン操作することで、各ベルト32を引き出したり収納したりすることができる。つまり、ベルトフリースイッチ63をオン操作し、各ベルト32を引き出して車室外にある車椅子20に引っ掛けたり、一対の電動ウィンチ30からそれぞれ引き出した各ベルト32の長さを揃えたりできるようにしている。ここで、ベルトフリースイッチ63をオン操作すると、ベルトフリースイッチ63のインジケータ63aが点灯するようになっている。
The belt-
速度切替スイッチ64は、車椅子20を車椅子搭載スペース11に乗車させたり車椅子搭載スペース11から降車させたりする際に、各ベルト32の移動速度、つまり引き込み速度を、低速(LOW)または高速(HIGH)に切り替えるのに操作するものである。また、ブザー65は、各ベルト32の引き込み作動時や送り出し作動時,電動ウィンチ30の動作不良時(故障発生時)等において、電子音等の警告音を発生するようになっている。ここで、警告音としては電子音に限らず、音声によるアナウンスであっても良い。
The
操作部材であるリモコン70は、乾電池駆動のワイヤレスリモートコントロールユニットで、操作パネル60の主電源スイッチ62が操作され、制御装置40のシステム電源がオン状態のときに使用可能となっている。リモコン70は、図3(b)に示されるようにリモコン本体71を備え、リモコン本体71は、リモコン電源スイッチ72,入スイッチ73および出スイッチ74を備えている。リモコン70は、さらにインジケータ75を備え、当該インジケータ75は、リモコン70の操作時等に点灯される。また、インジケータ75の点灯が暗くなったら乾電池(図示せず)を交換する。
The
主電源スイッチ62がオン状態で、かつリモコン電源スイッチ72をオン操作することで、リモコン70を用いて一対の電動ウィンチ30を操作できるようになるが、この場合のリモコン70の操作は介助者によって行うようにする。介助者によりリモコン電源スイッチ72をオン操作し、その後、入スイッチ73を押すと、一対の電動ウィンチ30が各ベルト32を巻き取る動作(引き込み)を開始する。そして、入スイッチ73を押している間は、一対の電動ウィンチ30による各ベルト32の巻き取り動作が継続され、車椅子搭載スペース11への車椅子20の搭載が一対の電動ウィンチ30によりアシストされる。
When the
一方、出スイッチ74を押すと、今度は一対の電動ウィンチ30が逆方向に作動し、各ベルト32を送り出す動作(送り出し)を開始する。そして、出スイッチ74を押している間は、車椅子搭載スペース11から車椅子20を降車させる動作が、一対の電動ウィンチ30によってアシストされる。ここで、介助者は、リモコン70の操作中においては、車椅子20のグリップGR(図1参照)を把持し、車椅子20を支持するとともに、その移動を誘導する。このように、制御装置40は、一対の電動ウィンチ30を駆動制御することで、介助者による車椅子20の移動をアシストする。
On the other hand, when the
車両10の右側(一方側)および左側(他方側)に設けられる一対の電動ウィンチ30は、何れも同じ形状かつ同じ構造となっている。図4および図5においては、何れか一方の電動ウィンチ30のみを示しており、以下、何れか一方の電動ウィンチ30を代表して、その詳細構造について説明する。
The pair of
電動ウィンチ30は、図4に示されるように、電動モータ部80とドラム部90とを備えている。これらの電動モータ部80およびドラム部90は、図示しない複数の締結ネジにより一体化(ユニット化)されている。
As shown in FIG. 4, the
モータとしての電動モータ部80は、モータ部81とギヤ部82とを備えている。モータ部81の内部には、回転軸(図示せず)が回転自在に設けられ、ギヤ部82の内部には、回転軸の回転を減速して高トルク化するためのウォームおよびウォームホイールよりなる減速機構(図示せず)が設けられている。ウォームホイールには出力軸(図示せず)が一体に設けられ、当該出力軸はドラム部90に向けて突出し、ドラム部90を形成するドラム92(図5参照)を回転させるようになっている。
The
ドラム部90は、ケーシング91を備えている。ケーシング91は略箱形状に形成され、その内部には、図5に示されるドラム92,ラチェット機構93および弛み取り機構94が収納されている。ケーシング91の外部には、ドラム92に巻き掛けられるベルト32の弛みを取り除く弛み取りモータ95,ドラム92の回転を検出する回転センサ96,電動モータ部80や弛み取りモータ95等に駆動電流を供給するための外部コネクタ(図示せず)が接続されるコネクタ接続部97等が設けられている。
The
ケーシング91の側部には、開口部91aが形成され、当該開口部91aからは、ベルト32が出入り自在となっている。ベルト32は、ケーシング91の開口部91aの近傍に設けられた案内部材98によって出入りが案内され、これによりベルト32の捻れが防止される。また、案内部材98はフック31の通過を許さず、これによりベルト32の全てがケーシング91内に引き込まれてしまうのを防止している。
An
ここで、図4の符号STは、電動ウィンチ30を車両10の床面F(図2参照)に固定するための一対の取付ステーである。これらの取付ステーSTは、複数の締結ボルト(図示せず)によって床面Fに強固に固定されている。これにより電動ウィンチ30は、車両10に対してがたつくこと無く強固に固定される。
4 is a pair of attachment stays for fixing the
ケーシング91の内部には、図5に示されるように、ドラム92,ラチェット機構93および弛み取り機構94が収納されている。ただし、図5に示される弛み取りモータ95,案内部材98およびフック31については、図4に示すようにケーシング91の外部に設けられている。
As shown in FIG. 5, a
ドラム92にはベルト32が巻き掛けられ、当該ドラム92の回転中心には、ドラム軸92aが一体回転可能に取り付けられている。ドラム軸92aには、電動モータ部80(図4参照)の出力軸の回転が伝達され、ドラム軸92aおよびドラム92は、電動モータ部80の正逆方向への回転駆動に伴って正逆方向に回転駆動される。これにより、ベルト32をケーシング91内に引き込んだり、ケーシング91外に送り出したりできる。
A
また、ドラム92とドラム軸92aとの間には、ドラム軸92aに対してベルト巻き取り方向へは、ドラム92とドラム軸92aとを相対回転可能とし、ドラム軸92aに対してベルト送り出し方向へは、ドラム92とドラム軸92aとを一体回転可能とするワンウェイクラッチ(図示せず)が設けられている。
Further, between the
ラチェット機構93は、ドラム軸92aに一体回転可能に設けられたラッチギヤ93aと、ラッチギヤ93aのベルト32を巻き取る方向(図示では反時計回り方向)への回転を許容し、ベルト32を送り出す方向(図示では時計回り方向)への回転を阻止する揺動自在な歯止め93bと、歯止め93bを揺動させるソレノイド駆動部材93cと、を備えている。
The
ソレノイド駆動部材93cは駆動ピン93dを備えており、ソレノイド駆動部材93cへの駆動電流の供給を停止することで、内蔵バネ(図示せず)のバネ力により駆動ピン93dが突出される。これにより、ラッチギヤ93aに歯止め93bが係合されて、ベルト32を送り出す方向へのドラム92の回転が阻止され、スロープ12上での車椅子20の後退が防止される。一方、ソレノイド駆動部材93cに駆動電流を供給することで、内蔵バネのバネ力に抗して駆動ピン93dが引っ込む。これにより、ラッチギヤ93aへの歯止め93bの係合が解かれて、ベルト32を送り出す方向へのドラム92の回転が許容され、車椅子20を車椅子搭載スペース11から降車させることができる。
The
弛み取り機構94は、ドラム92に一体回転可能に設けられたスパーギヤ94aと、スパーギヤ94aと噛み合う小径ギヤ94bと、弛み取りモータ95により回転駆動される減速ギヤ機構94cとを備えている。
The
弛み取りモータ95は、ベルト32を巻き取る方向にドラム92を回転させる回転力を発生し、減速ギヤ機構94c,小径ギヤ94bおよびスパーギヤ94aを介して、ドラム92に回転力が伝達される。また、小径ギヤ94bと減速ギヤ機構94cとの間には、トルクリミッタ(図示せず)が設けられ、当該トルクリミッタは一定以上のトルクの伝達をカットする。
The
これにより、弛み取りモータ95に対する過負荷が防止され、弛み取りモータ95が保護される。つまり、弛み取りモータ95には、ベルト32の弛みを取ることができる程度のトルクを発生し得る小型モータを採用することができる。
Thereby, an overload on the
図6に示されるように、コントローラ50は、カウンタ部51,差分値比較部52,駆動制御部53,停止解除部54,分解能調整部55を備えている。コントローラ50には、操作パネル60およびリモコン70から、それぞれ有線または無線で操作情報CSが入力され、コントローラ50は、この操作情報CSに基づいて車両10の左右側に設けられた一対の電動ウィンチ30(右側および左側)の電動モータ部80を、同期させるように駆動制御する。
As shown in FIG. 6, the
コントローラ50には、さらに、一対の電動ウィンチ30の駆動状態信号(フィードバック信号)である一対のドラム92の回転を検出する各回転センサ96からの検出信号が入力される。ここで、回転センサ96はホール素子よりなり、回転センサ96と対向するドラム92の部分には、当該ドラム92の回転に伴って回転するリングマグネット(図示せず)が設けられている。これにより、回転センサ96はドラム92とともにリングマグネットが回転するとリングマグネットの磁極の切り替わりに応じて「オン」または「オフ」を示す矩形波信号(パルス信号)を発生する。
The
カウンタ部51には、一対の回転センサ96からのパルス信号(検出信号)PsR,PsL(右側および左側)がそれぞれ入力される。そして、カウンタ部51は、入力されたそれぞれのパルス信号PsR,PsLの立ち上がり回数または立ち下がり回数をカウントし、一対の回転センサ96毎のカウント値CtR,CtL(右側および左側)を生成して、この生成された一対のカウント値CtR,CtLを、差分値比較部52,停止解除部54,分解能調整部55にそれぞれ出力する。
Pulse signals (detection signals) PsR and PsL (right side and left side) from the pair of
差分値比較部52には、カウンタ部51でカウントされた一対のカウント値CtR,CtLがそれぞれ入力される。そして、差分値比較部52では、入力された一対のカウント値CtR,CtLに基づき、差分値δCt(=|CtR−CtL|×K)が算出される。ここで、差分値δCtを得るための上記算出式における「K」は、分解能調整部55から入力される調整(補正)係数である。この調整係数Kについては、後で詳述する。
A pair of count values CtR and CtL counted by the
また、差分値比較部52には、さらに所定の大きさに設定された第1閾値Th1が予め格納されており、差分値比較部52では、差分値δCtと第1閾値Th1とを比較する比較処理が実行される。そして、差分値比較部52で、差分値δCtが第1閾値Th1よりも大きいと判断(δCt>Th1)されると、差分値比較部52は、駆動制御部53に停止信号Stpを出力する。
Further, the difference
駆動制御部53は、操作パネル60およびリモコン70からの操作情報CSに基づいて、一対の電動ウィンチ30に対して、それぞれ駆動電流IR,IL(右側および左側)を供給したり、当該駆動電流IR,ILの供給を停止させたりする制御を実行する。
Based on the operation information CS from the
また、駆動制御部53には、差分値比較部52から停止信号Stpが入力されるようになっており、駆動制御部53は、停止信号Stpが入力されると、一対の電動ウィンチ30への駆動電流IR,ILの供給をカット(停止)して、一対の電動ウィンチ30を形成する電動モータ部80の駆動を停止(緊急停止)させる。
Further, the stop signal Stp is input from the difference
停止解除部54には、カウンタ部51から一対のカウント値CtR,CtLが入力される。そして、停止解除部54は、カウンタ部51から入力された一対のカウント値CtR,CtLの状態(大きさ)を監視するとともに、これらのカウント値CtR,CtLと、停止解除部54に予め格納された所定の大きさの第2閾値Th2とを比較する比較処理を実行する。
A pair of count values CtR and CtL are input from the
ここで、一対のカウント値CtR,CtLは、各ベルト32の引き出し量(引き出された長さ)に比例した数値を示す。つまり、一対のカウント値CtR,CtLが小さい数値では、各ベルト32の引き出し量は少ない状態とされ、一対のカウント値CtR,CtLが大きい数値では、各ベルト32の引き出し量が多い状態とされる。このように、停止解除部54は、一対のカウント値CtR,CtLを監視して、各ベルト32の引き出し量を把握する。言い換えれば、停止解除部54は、車椅子20が、車椅子搭載スペース11にあるのか、スロープ12上にあるのか、平坦な地面Gにあるのか、をそれぞれ把握することができる。
Here, the pair of count values CtR and CtL indicate numerical values proportional to the pull-out amount (drawn length) of each
特に、本実施の形態では、停止解除部54に、車椅子20が平坦な地面Gにあることを把握させるべく、所定の大きさの第2閾値Th2を設定している。この第2閾値Th2は、比較的大きな数値を示し、各ベルト32の略全てが引き出された状態を検出するための閾値となっている。具体的には、一対のカウント値CtR,CtLの値が、第2閾値Th2以上の値を示す場合(CtR,CtL≧Th2)には、車椅子20は、図1(a)および図2に示されるように平坦な地面Gにあると判断可能である。
In particular, in the present embodiment, the second threshold value Th <b> 2 having a predetermined size is set so that the
そして、停止解除部54は、一対のカウント値CtR,CtLが第2閾値Th2以上であると判断した場合(CtR,CtL≧Th2)に、このときのカウント値CtR,CtLは、車椅子20が車室外にあることを示すカウント値であるとして、停止解除信号Canを駆動制御部53に出力する。これにより、駆動制御部53は、停止解除信号Canの入力に基づいて、停止信号Stpが入力されたとしても、当該停止信号Stpの入力による一対の電動ウィンチ30の電動モータ部80の駆動停止をキャンセルする。すなわち、停止解除部54は、停止解除信号Canを駆動制御部53に出力して、駆動制御部53による電動モータ部80の停止制御を解除するようになっている。
When the
これにより、車椅子20が平坦な地面Gにある場合には、差分値δCtが第1閾値Th1よりも大きい場合、つまり各ベルト32の引き出し量に大きな差が生じた場合であっても、このときに機能する所謂「ベルト差分制御」がキャンセルされたことを除いて、操作パネル60およびリモコン70からの操作情報CSに基づき、一対の電動ウィンチ30の電動モータ部80は通常通りに同期して駆動制御可能とされる。
Thereby, when the
なお、カウンタ部51に積算された一対のカウント値CtR,CtLは、例えば、図1(b)の破線に示されるように、車椅子20が車椅子搭載スペース11に搭載され、かつ車両10のバックドア13が閉じられた状態をトリガとして、リセット処理(図7の原点「0(ゼロ)」を学習する処理)が行われる。
The pair of count values CtR and CtL accumulated in the
図6に示される回転センサ96は、ドラム92の回転を検出するものである。そのため、ベルト32のドラム92に対する巻き取り量の多い少ない、すなわちベルト32の巻き取り径の大小に応じて、ベルト32の引き出し量を一定としたときのパルス信号PsR,PsLの出現数が異なることになる。そこで、このようなベルト32の巻き取り径の大小に起因した不具合を解消するために、分解能調整部55を設けている。ここで、分解能調整部55は、本発明における調整係数決定部を構成している。以下、ベルト32の巻き取り径の大小に起因した不具合について、詳細に説明する。
The
ドラム92に多くのベルト32が巻き取られており、ベルト32の巻き取り径が大きいR1の状態、例えば、ベルト32の引き出し長さが「500mm」となっている状態では、ベルト32の引き出し長さに対するドラムの回転量が少ないため「2mm/pls(パルス)」の分解能となる。すなわち、巻き取り径が大きいR1の場合は、ベルト32の引き出し量(引き込み量)が「2mm」で「1pls」出現することになる(低感度)。
In the state of R1 in which a large number of
これに対し、ドラム92から多くのベルト32が引き出されており、ベルト32の巻き取り径が小さいR2の状態(R2<R1)、例えば、ベルト32の引き出し長さが「1000mm」となっている状態では、ベルト32の引き出し長さに対するドラムの回転量が多くなるため「1mm/pls」の分解能となる。すなわち、巻き取り径が小さいR2の場合は、ベルト32の引き出し量(引き込み量)が「1mm」で「1pls」出現することになる(高感度)。
On the other hand, a large number of
ここで、例えば、差分値δCtの比較対象である第1閾値Th1を「50pls」として、ベルト32の左右の差分量が「100mm」を超えるようなときに、電動ウィンチ30を緊急停止させたい場合を考える。巻き取り径が大きいR1の場合には、ベルト32の左右の差分量が、丁度「100mm」となったところで緊急停止されることになる。一方、巻き取り径が小さいR2の場合には、ベルト32の左右の差分量が「50mm」となったところで緊急停止されることになる。この場合、巻き取り径が小さいR2のときには、車椅子20を傾斜させたくないという安全性の観点ではより十分なものになるが、緊急停止が頻繁に起こり得るようになる。言い換えれば、巻き取り径が小さいR2のときには、安全性が過度に確保された状態となり、その結果、誤検知が多くなってしまう。
Here, for example, when the first threshold value Th1 that is a comparison target of the difference value δCt is set to “50 pls”, and the difference amount between the left and right of the
そこで、巻き取り径が小さいR2のときの誤検知を少なくするために、第1閾値Th1を「100pls」にすることを考える。すると、この場合には、巻き取り径が小さいR2のときには、ベルト32の左右の差分量が、丁度「100mm」となったところで緊急停止されることになる。これに対し、巻き取り径が大きいR1のときには、ベルト32の左右の差分量が「200mm」となったところで緊急停止されることになる。よって、今度は、巻き取り径が大きいR1のときに安全性に欠けたものになってしまう。
Therefore, in order to reduce erroneous detection when the winding diameter is small R2, consider setting the first threshold Th1 to “100 pls”. Then, in this case, when the winding diameter is small R2, the emergency stop is made when the difference between the left and right sides of the
このような、相反する不具合を解消するために、分解能調整部55では、巻き取り径の大小(R1,R2)に関わらず、十分な安全性が得られて、かつ過剰な誤検知を回避できるようにしている。具体的には、第1閾値Th1の比較対象となる差分値δCtに「調整係数K」を乗算するようにし、この調整係数Kの大きさを、巻き取り径の大小に応じて異ならせるようにしている。
In order to eliminate such conflicting problems, the
具体的には、分解能調整部55では、上述の例で説明すると、巻き取り径が大きいR1の状態において、ベルト32の左右の差分量が丁度「100mm」となったところで緊急停止されるように「調整係数K1(図7参照)」が決定され、かつ巻き取り径が小さいR2の状態において、ベルト32の左右の差分量が丁度「100mm」となったところで緊急停止されるように「調整係数K2(図7参照)」が決定される。ここで、調整係数K1および調整係数K2の大小関係は、K1<K2となっている。すなわち、巻き取り径が大きいR1の状態では、小さい調整係数K1とされ、巻き取り径が小さいR2の状態では、大きい調整係数K2とされる。
Specifically, in the
分解能調整部55には、図7に示されるような分解能調整マップ55aが予め格納されている。分解能調整部55は、分解能調整マップ55aを参照しつつ、そのときのベルト32の引き出し量に最適な調整係数Kを決定し、決定された調整係数Kを、差分値比較部52に出力する。そして、差分値比較部52は、入力された調整係数Kを、差分値δCtに乗算する処理を実行する。
The
ここで、調整係数K(図7の縦軸に対応)は、ベルト32の引き出し量、つまり一対のカウント値CtR,CtLの大きさ(図7の横軸に対応)に応じて、分解能調整マップ55aを参照して決定される。これにより、差分値δCtの大きさが最適値に補正(調整)されて、巻き取り径の大小に関わらず、ベルト32の左右の差分量が同じ大きさ(例えば100mm)の状態において、一対の電動ウィンチ30が緊急停止される。よって、十分な安全性が確保され、かつ過剰な誤検知も回避可能となる。
Here, the adjustment coefficient K (corresponding to the vertical axis in FIG. 7) is a resolution adjustment map corresponding to the pulling amount of the
次に、以上のように形成された制御装置40の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
Next, the operation of the
図8はコントローラの制御内容を説明するフローチャートを、図9は降車途中でドラムに回転数差が生じたときの車椅子の挙動を説明する図を、図10は降車後における車椅子からのベルトの取り外し作業を説明する図をそれぞれ示している。 FIG. 8 is a flowchart for explaining the control contents of the controller, FIG. 9 is a diagram for explaining the behavior of the wheelchair when the drum has a rotational speed difference during getting off, and FIG. 10 is for removing the belt from the wheelchair after getting off. The figure explaining an operation | work is shown, respectively.
図8に示されるように、まず、ステップS1において、操作パネル60の主電源スイッチ62がオン操作されてシステム電源がオン状態となり、さらにリモコン70の入スイッチ73または出スイッチ74が操作されると、これらの操作状態が操作情報CSとしてコントローラ50に入力される。これにより、一対の電動ウィンチ30の電動モータ部80が同期するように駆動制御されて、車椅子20の引き込み操作または送り出し操作が開始される。以下、図9および図10を参照しつつ、車椅子20を降車させる場合の動作について説明する。
As shown in FIG. 8, first, in step S1, when the
ステップS2では、一対の回転センサ96からのパルス信号PsR,PsLがそれぞれカウンタ部51に入力され、カウンタ部51では一対のカウント値CtR,CtLが生成される。また、停止解除部54において、一対のカウント値CtR,CtLが、車椅子20が平坦な地面Gにあることを示すカウント値(降車完了を示すカウント値)に等しい第2閾値Th2以上になったか否かが判断される。そして、ステップS2において、一対のカウント値CtR,CtLが第2閾値Th2以上でないと判断(no判定)された場合にはステップS3に進み、一対のカウント値CtR,CtLが第2閾値Th2以上であると判断(yes判定)された場合にはステップS7に進む。
In step S2, the pulse signals PsR and PsL from the pair of
ステップS3では、分解能調整部55が、左右のベルト32の引き出し量(長さ)に比例する一対のカウント値CtR,CtLの現在の値に基づいて、図7に示される分解能調整マップ55aを参照して調整係数Kを決定する。続くステップS4では、差分値比較部52が、ステップS3で決定された調整係数Kおよび現在の一対のカウント値CtR,CtLに基づいて、差分値δCtを算出する。ここで、調整係数Kにより補正された補正後の差分値δCtは、ベルト32の左右の差分量(長さ)に比例する。
In step S3, the
次いで、ステップS5では、差分値比較部52において、ステップS4で算出された差分値δCtが、第1閾値Th1よりも大きいか否かを判断する。そして、差分値δCtが第1閾値Th1よりも大きいと判断した場合(yes判定)にはステップS6に進み、差分値δCtが第1閾値Th1以下であると判断した場合(no判定)にはステップS8に進む。
Next, in step S5, the difference
ここで、図9に示すように、車椅子20の左右側で重量配分が異なり、例えば、車椅子20の左側重量が右側重量よりも重い場合(左側重量>右側重量)には、一対の電動ウィンチ30は何れも同じものであるため、右側の電動ウィンチ30のベルト32の送り出し量PR(破線矢印)と、左側の電動ウィンチ30のベルト32の送り出し量PL(実線矢印)とで差が生じる場合がある(PR<PL)。
Here, as shown in FIG. 9, when the weight distribution is different between the left and right sides of the
送り出し量PR,PL(一対のドラム92の回転量)の差が大きくなると、これらの送り出し量PR,PLと比例する一対のカウント値CtR,CtLの差も大きくなって、差分値δCt>第1閾値Th1を満たすようになる。これにより、ステップS5でyes判定となってステップS6に進み、ステップS6では差分値比較部52から駆動制御部53に向けて停止信号Stpが出力される。そして、駆動制御部53は、入力された停止信号Stpに基づき、一対の電動ウィンチ30への駆動電流の供給をカットして、これにより一対の電動ウィンチ30を形成する電動モータ部80の駆動を緊急停止させる。
When the difference between the feed amounts PR and PL (the rotation amount of the pair of drums 92) increases, the difference between the pair of count values CtR and CtL proportional to the feed amounts PR and PL also increases, so that the difference value δCt> first. The threshold value Th1 is satisfied. Thereby, it becomes yes determination by step S5, and progresses to step S6, and the stop signal Stp is output toward the
したがって、図9に示されるようなスロープ12上での車椅子20の挙動、つまり図中矢印M2方向に車椅子20が移動してしまい、スロープ12から車椅子20が逸脱するような挙動を停止させることができる。なお、ステップS6では、車椅子20が真っ直ぐに進まず緊急停止されたことをトリガとして、操作パネル60のブザー65から警報音を発生させ、介助者に緊急停止したことを知らせる。これにより、介助者は緊急停止されたことを知り、車椅子20の左右側での重量配分を均等化させたり、差分値δCtがゼロになるように制御装置40をリセットしたりできる。
Therefore, the behavior of the
ステップS7では、停止解除部54において、車椅子20が平坦な地面Gにあると判断(ステップS2でyes判定)されたことから、停止解除部54が停止解除信号Canを駆動制御部53に出力する。これにより、駆動制御部53は、停止解除信号Canの入力にしたがって、停止信号Stpの入力時に実行される一対の電動ウィンチ30を緊急停止させる制御、すなわち「ベルト差分制御」をキャンセルする(無効にする)。
In step S <b> 7, since the
よって、介助者は、図10に示されるような作業が可能となる。具体的には、図10に示されるように、車椅子20がスロープ12を降り終えて平坦な地面Gに移動され、かつリモコン70の操作が停止されると、これにより車椅子20の降車が完了する。その後、介助者は一対のフック31を車椅子20の前フレーム21から取り外す作業を行う。
Therefore, the assistant can perform the work shown in FIG. Specifically, as shown in FIG. 10, when the
このとき介助者は、例えば、右側(図中上側)の電動ウィンチ30のベルト32を矢印M3の方向に引っ張って右側のフック31を先に取り外す。すると、左側のベルト32の引き出し量がL2であるのに対して右側のベルト32の引き出し量がそれよりも長いL1となる(L1>L2)。このときのベルト32の左右の差分量は、例えば「ベルト差分制御」を実行させるための基準長さとなる「100mm」よりも長い「200mm」となる(L1−L2≒200mm)。
At this time, for example, the assistant pulls the
しかしながら、ステップS7では、既に「ベルト差分制御」がキャンセルされているので、差分値δCtが大きい場合に実行される緊急停止が実行されなくなっている。よって、一対の電動ウィンチ30は何れも緊急停止された状態では無く、それぞれの電動ウィンチ30からベルト32を個別に引き出すことが可能となっている。これにより介助者は、車椅子20を移動させたり、制御装置40をリセットさせたりすること無く、一対のフック31を、車椅子20の前フレーム21から、片側ずつ容易に取り外すことができる。
However, in step S7, since the “belt difference control” has already been canceled, the emergency stop that is executed when the difference value δCt is large is not executed. Therefore, none of the pair of
なお、続くステップS8では、操作パネル60の主電源スイッチ62がオフ操作されて、制御装置40のシステム電源がオフ状態とされたか否かをコントローラ50が判断し、システム電源がオフ状態になったと判断した場合(yes判定)には、ステップS6に進み、未だシステム電源がオフ状態になっていないと判断した場合(no判定)には、上流のステップS2に戻る。
In step S8, the
以上詳述したように、本実施の形態に係る電動ウィンチ30の制御装置40によれば、コントローラ50が、車椅子20が車室外にあることを示すカウント値CtR,CtLの入力により、駆動制御部53による電動モータ部80の停止制御を解除する停止解除部54を備えているので、車室外の平坦な地面Gでの車椅子20からのベルト32の取り外し作業を、片側ずつ容易に行うことが可能となり、ひいては介助者等への負担を軽減することができる。
As described above in detail, according to the
また、本実施の形態に係る電動ウィンチ30の制御装置40によれば、コントローラ50は、ドラム92に対するベルト32の巻き取り径の大小(R1,R2)に応じて、差分値δCtの大きさを調整する調整係数Kを決める分解能調整部55を備えているので、巻き取り径の大小(R1,R2)に関わらず、十分な安全性が得られ、かつ過剰な誤検知を回避することが可能となる。
Further, according to the
さらに、本実施の形態に係る電動ウィンチ30の制御装置40によれば、分解能調整部55は、巻き取り径が大きいR1のときに小さい調整係数K1とし、巻き取り径が小さいR2ときに大きい調整係数K2とするので、単純な分解能調整マップ(調整係数決定マップ)55aを用いて、差分値δCtの大きさを容易に調整することができる。したがって、コントローラ50への負荷を軽減して、処理速度の低下等を抑えることができる。
Furthermore, according to the
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、本発明の回転センサに、ホール素子よりなる回転センサ96を用いた場合を示したが、本発明はこれに限らず、環状のスリット部材をドラム92に一体回転可能に設け、スリット部材を挟むようにして発光部および受光部を対向配置したフォトインタラプタを用いても良い。また、レゾルバ等の絶対位置センサを用いて、ベルト32の巻き取り量を求めるようにしても良い。要するに、ドラム92の回転またはベルト32の巻き取り量を検出し得るセンサであれば、本発明の回転センサに用いることができる。
It goes without saying that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various modifications can be made without departing from the scope of the invention. For example, in the above embodiment, the
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。 In addition, the material, shape, dimensions, number, installation location, and the like of each component in the above embodiment are arbitrary as long as the present invention can be achieved, and are not limited to the above embodiment.
10 車両
11 車椅子搭載スペース(車室内)
12 スロープ
13 バックドア
14 配線
15 フック
16 固定ベルト
20 車椅子
21 前フレーム
22 車輪
30 電動ウィンチ
31 フック
32 ベルト
40 制御装置
50 コントローラ
51 カウンタ部
52 差分値比較部
53 駆動制御部
54 停止解除部
55 分解能調整部(調整係数決定部)
55a 分解能調整マップ
60 操作パネル
61 パネル本体
62 主電源スイッチ
62a インジケータ
63 ベルトフリースイッチ
63a インジケータ
64 速度切替スイッチ
65 ブザー
70 リモコン
71 リモコン本体
72 リモコン電源スイッチ
73 入スイッチ
74 出スイッチ
75 インジケータ
80 電動モータ部(モータ)
81 モータ部
82 ギヤ部
90 ドラム部
91 ケーシング
91a 開口部
92 ドラム
92a ドラム軸
93 ラチェット機構
93a ラッチギヤ
93b 歯止め
93c ソレノイド駆動部材
93d 駆動ピン
94 弛み取り機構
94a スパーギヤ
94b 小径ギヤ
94c 減速ギヤ機構
95 弛み取りモータ
96 回転センサ
97 コネクタ接続部
98 案内部材
CS 操作情報
Can 停止解除信号
CtR,CtL カウント値
F 床面
G 地面
GR グリップ
IR,IL 駆動電流
K,K1,K2 調整係数
PR,PL 送り出し量
PsR,PsL パルス信号
ST 取付ステー
Stp 停止信号
Th1 第1閾値
Th2 第2閾値
δCt 差分値
10
12
55a
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記電動ウィンチを制御するコントローラと、
を備えた、電動ウィンチの制御装置であって、
一対の前記電動ウィンチは、
前記車椅子を牽引するベルトが巻き掛けられるドラムと、
前記ドラムを回転させるモータと、
前記ドラムの回転を検出する回転センサと、
を有し、
前記コントローラは、
一対の前記回転センサからの検出信号がそれぞれ入力され、当該検出信号の立ち上がり回数または立ち下がり回数をそれぞれカウントするカウンタ部と、
前記カウンタ部でのそれぞれのカウント値から差分値を算出し、かつ当該差分値と予め格納された閾値とを比較し、前記差分値が前記閾値以上のときに停止信号を出力する差分値比較部と、
前記停止信号の入力により、一対の前記モータを停止させる駆動制御部と、
前記車椅子が車室外にあることを示す前記カウント値の入力により、前記駆動制御部による前記モータの停止制御を解除する停止解除部と、
を備える、
電動ウィンチの制御装置。 A pair of electric winches that allow the wheelchair to enter and exit the passenger compartment;
A controller for controlling the electric winch;
An electric winch control device comprising:
A pair of the electric winches
A drum around which a belt for pulling the wheelchair is wound;
A motor for rotating the drum;
A rotation sensor for detecting rotation of the drum;
Have
The controller is
A counter unit that receives detection signals from the pair of rotation sensors and counts the number of rising times or the number of falling times of the detection signals, and
A difference value comparison unit that calculates a difference value from each count value in the counter unit, compares the difference value with a threshold value stored in advance, and outputs a stop signal when the difference value is equal to or greater than the threshold value When,
A drive control unit that stops the pair of motors by inputting the stop signal;
A stop canceling unit for canceling the stop control of the motor by the drive control unit by inputting the count value indicating that the wheelchair is outside the vehicle compartment;
Comprising
Control device for electric winch.
前記コントローラは、前記ドラムに対する前記ベルトの巻き取り径の大小に応じて、前記差分値の大きさを調整する調整係数を決める調整係数決定部を備えている、
電動ウィンチの制御装置。 In the control device of the electric winch according to claim 1,
The controller includes an adjustment coefficient determination unit that determines an adjustment coefficient for adjusting the magnitude of the difference value according to the size of the winding diameter of the belt with respect to the drum.
Control device for electric winch.
前記調整係数決定部は、前記巻き取り径が大きいときに前記調整係数を小さくし、前記巻き取り径が小さいときに前記調整係数を大きくする、
電動ウィンチの制御装置。 The control device for an electric winch according to claim 2,
The adjustment coefficient determination unit decreases the adjustment coefficient when the winding diameter is large, and increases the adjustment coefficient when the winding diameter is small.
Control device for electric winch.
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