JP6607699B2 - 検出装置及び検出方法 - Google Patents
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Description
本発明の一側面に係る目的は、検出範囲にある物を精度よく検出する検出装置及び検出方法を提供することである。
<実施形態1>
図1は、検出装置の一実施例を示す図である。検出装置1は、発光部2、受光部3、処理部4、検出部6、出力部7を備える。検出装置1は、例えば、利用者が個別利用する設備などに設置され、利用者が設備内の所定位置(棚板5など)に物を忘れた場合に、忘れ物を検出し、利用者に忘れ物があることを知らせる装置である。検出装置1を設置する設備としては、例えば、トイレなどが考えられる。ただし、検出装置1は、利用者が個別に利用する設備だけではなく、複数の利用者が一時共用するような設備に設置してもよい。
発光部2は、棚板5の一方端に配置され、複数の発光素子8aから8eを有する。発光素子8は、例えば、LED(Light Emitting Diode)などが考えられる。LEDの種類としては広角タイプの赤外線LEDを用いることが望ましい。また、発光素子8aから8eは、矩形波(パルス)あるいは正弦波などの一定周期Tの信号を用いて、発光と休止を交互に切り替えるように、処理部4により制御される。一定周期の信号として矩形波を用いる理由は、外乱光の影響を抑えることができるためで、SN(Signal Noise)比を向上させることができる。また、矩形波を用いることで、短時間に大きな電流をLEDに流すことができるため、短時間に発光素子8の発光強度を大きくすることができる。また、一定周期の信号として矩形波を用いる場合には、例えば、周波数及びデューティ比((発光時間/一定周期T)/100)を、周波数を約1k[Hz]とし、デューティ比を1[%]から25[%]とすることが考えられる。発光強度は、例えば、発光素子8に通電する電流値、デューティ比(又は発光時間)などにより決定される。
PD2 :発光素子8aと受光素子9bとの組の光量
PD3 :発光素子8aと受光素子9cとの組の光量
PD4 :発光素子8aと受光素子9dとの組の光量
PD5 :発光素子8aと受光素子9eとの組の光量
PD6 :発光素子8bと受光素子9aとの組の光量
〜
PD10:発光素子8bと受光素子9eとの組の光量
PD11:発光素子8cと受光素子9aとの組の光量
〜
PD15:発光素子8cと受光素子9eとの組の光量
PD16:発光素子8dと受光素子9aとの組の光量
〜
PD20:発光素子8dと受光素子9eとの組の光量
PD21:発光素子8eと受光素子9aとの組の光量
〜
PD25:発光素子8eと受光素子9eとの組の光量
ここで、光量は、受光した光を電圧などの信号に変換し、その信号に対して信号処理を施して得られる値である。信号処理は、例えば、受光素子9により受光した光に定常的に含まれている外乱光の影響を信号からカットし、外乱光の影響をカットした信号を移動平均し、その値を光量とする処理である。よって、処理部4は、信号処理を実現するための回路あるいは機能も有している。
利用者が設備を利用していない状態とは、利用者が設備を利用する前(入室する前)、あるいは、利用者が設備を利用した後に次の利用者が設備を利用する前(退室した後から次に入室する前)の状態である。
また、検出範囲10に物がない場合には発光強度を最小にする。すなわち発光時間を短くする。その結果、発光素子8の電力損失負担が少なくなるとともに、発光素子8の耐久性を上げられるので、製品の稼働寿命を延ばすことができる。
次に、処理部4は、設備が利用されている状態において、処理Aにおいて調整した発光強度(発光強度B)に固定して、発光素子8aから8eそれぞれを所定の順番で発光させ、発光素子8aから8eごとに受光素子9aから9eが受光したm×n個の光量(現在の計測した光量情報:計測情報)が、計測範囲にしたm×n個の光量(光量情報B)より、所定光量以上変化したか否かを判定し、所定光量以上変化した場合、検出範囲10に物があると判定する(処理B)。処理Bは、設備が利用されている状態における検出範囲10の状態を記憶する処理である。利用者が設備を利用している状態とは、利用者が設備に入室している状態である。所定光量は、検出範囲に物がある否かを判定するために用いる閾値で、実験やシミュレーションにより求めることができる。
(A)計測情報のm×n個の光量と、光量情報Bのm×n個の光量と、を個別に比較(図1の例では上記説明したPD1からPD25に対応する光量同士を比較)し、それぞれが所定光量(個別用所定光量)以上変化したか否かを判定する方法。なお、(A)の方法では、更に、所定光量以上変化した数量を求め、数量が所定数量以上のときに物があると判定してもよい。
(B)計測情報を合計した総光量と、光量情報Bを合計した総光量と、を比較し、所定光量(総光量用所定光量)以上変化したか否かを判定する方法。
(C)(A)個別の判定及び(B)総量の判定を用いて判定する方法。
(C)の方法は、(A)の方法と(B)の方法とを組み合わせることで、更に検出精度を向上させる方法である。すなわち、(A)の方法あるいは(B)の方法のいずれかで、光量の変化が所定光量を超えていると判定されていれば、検出範囲10に物があると判定する。
検出装置の動作について説明する。
(1)閉じられていた扉が開いた状態(退室時)、例えば、利用者が設備から退室するために、閉じていた扉が開かれる状態である。
(2)扉が継続して開かれている状態、例えば、利用者が設備を利用する前、あるいは、利用者が設備に入室した後まだ扉が閉じられていない状態である。
(3)開いていた扉を閉めた状態、例えば、利用者が設備に入室した後に扉を閉めた状態である。
ここで、処理Cは、利用者が扉を開けたまま、先に検出範囲10に物を置き、その後、扉を閉状態にし、検出範囲10に物を置いたまま退出する状態((2)の状態)が考えられるため、そのような状態においても、検出範囲10に物が置かれたか否かを判定するための処理である。
ステップS10では、処理部4が後述するステップS5の処理Bにおいて((3)の状態において)、検出範囲10に物があるか否かを判定した結果を用いて、物があると判定されていた場合(Yes)にはステップS11に移行し、物がないと判定されていた場合(No)にはステップS2に移行する。例えば、処理Cの判定結果として、判定フラグCに「1」が設定されている場合にはステップS11に移行し、判定フラグCに「0」が設定されている場合(No)にはステップS2に移行する。
なお、ステップS9で検出範囲10に物があることを出力した場合には、ステップS11で出力しなくてもよい。又は、ステップS9で検出範囲10に物があっても、ステップS9で検出範囲10に物があることを出力せずに、ステップS11まで待って出力してもよい。
図3は、検出装置の動作(処理A)の一実施例を示すフロー図である。処理A(ステップS4)は、図3に示すステップS301からS307で実行される処理で、設備を利用する前の状態((2)の状態)の発光強度及び光量情報(基準情報B)を取得する処理である。
ステップS302からS307で、処理部4は、調整した発光強度Bを用い、m個の発
光素子8を順番(i=1からmの順番)に発光させ(ステップS303)、m×n個の光
量(光量情報B)を取得し(ステップS304)、発光強度B及び光量情報Bを基準情報
Bとして記憶する(ステップS307)。その後、処理Aを終了して図5の処理C(ステップS501)に移行する。
図4は、検出装置の動作(処理B)の一実施例を示すフロー図である。処理B(ステップS5)は、図4に示すステップS401からS410で実行される処理で、(3)の状態つまり閉扉中において、検出範囲10に物があるか否かを判定する処理である。
図5は、検出装置の動作(処理C)の一実施例を示すフロー図である。処理C(ステップS6)は、図5に示すステップS501からS505で実行される処理で、利用者が扉を開けたまま、先に検出範囲10に物を置き、その後、扉を閉状態にし、検出範囲10に物を置いたまま退出する状態((2)の状態)において、検出範囲10に物があるか否かの判定をし、物がある場合には判定フラグEに「1」を設定し、物がない場合にはステップS1で説明した初期設定をする、処理である。
実施形態1によれば、設備が利用される前あるいは利用された後、発光素子8aから8eごとに受光素子9aから9eが受光した光量に応じて、発光素子8aから8eの発光強度を調整し、受光した光量を所定精度で計測可能な計測範囲にすることで、受光回路の受光感度を相対的に広くすることができる。その結果、既に検出範囲10に物が置かれている場合に、新たに検出範囲10に物が置かれたとしても、新たに置かれた物により変化した光量を、精度よく検出することができる。
<実施形態2>
実施形態2の方法は、図4のステップS408あるいは図5のS501の判定において検出範囲10に既に物があると判定された場合(判定フラグCあるいはEに「1」が設定された場合)に、次の利用者が検出範囲10に新たに物を置いた場合に、新たに置いた物を精度よく検出することができる。
(処理1)について説明する。
(処理2)について説明する。
(処理3)について説明する。
図7は、検出装置の動作(処理3)の一実施例を示すフロー図である。ステップS408あるいはS501の判定において、検出範囲10に物があると判定された場合(判定フラグCあるいはEの設定が既に「1」である場合)に、光量情報Fを基準に、検出範囲10に新たに物が置かれたか否かを判定する。
実施形態2によれば、検出範囲10に既に物があることを検出されている場合に、検出範囲10に新たに物が置かれた場合、その受光素子の受光する光量の変化は微量であるが、光束が遮られていると判定された光束の発光素子8の発光強度を強くする方向で最適化調整して、相対的に受光回路の受光感度を上げることで、微量な変化を検出する。その結果、既に検出範囲10に物が置かれている場合に、新たに検出範囲10に物が置かれたとしても、新たに置かれた物により変化した光量を、精度よく検出することができる。
2 発光部
3 受光部
4 処理部
5 棚板
6 検出部
7 出力部
8、8aから8e 発光素子
9、9aから9e 受光素子
10 検出範囲
Claims (10)
- 設備内の所定位置に設けられ、検出範囲に置かれた物を検出する検出装置であって、
複数の発光素子と、
前記発光素子それぞれが出力する光を受光する複数の受光素子と、
前記設備が利用されていない状態において、前記発光素子を所定の順番で発光させ、前記発光素子ごとに前記受光素子が受光した光量が計測範囲になるよう前記発光素子の発光強度を調整し、前記調整の下で各受光素子が受光した光量を調整時の光量として取得し、
前記設備が利用されている状態において、調整した前記発光強度で、前記発光素子それぞれを所定の順番で発光させ、前記発光素子ごとに前記受光素子が受光した光量を利用状態の光量として取得し、前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して、所定以上変化した場合、前記検出範囲に物が置かれていると判定する処理部と、を備え、
更に、前記処理部は、
前記検出範囲に物が置かれていると判定した場合、現在の光量それぞれと、前記現在の光量それぞれに対応する前記計測範囲にした前記光量それぞれと、を個別に比較し、前記所定光量以上変化した光量を検出し、
検出した前記光量を受光した際に発光させていた発光素子を検出し、検出した前記発光素子の発光強度を強くする方向で調整し、検出した前記光量に対応する第一の光量を取得し、
前記第一の光量を取得した後、更に前記検出範囲に物が置かれていると判定した場合に、検出した前記発光素子の発光強度を前記第一の光量を取得した際の調整した発光強度にし、検出した前記光量に対応する第二の光量を取得し、
前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化した場合、前記検出範囲に前記物とは異なる新たな物が置かれたと判定する、
ことを特徴とする検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記処理部は、
前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して所定以上変化したか、及び前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化したかを、各受光素子毎の個別の受光量同士で比較して判定する
ことを特徴する検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記処理部は、
前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して所定以上変化したか、及び前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化したかを、各受光素子の光量を合計した総光量同士で比較して判定する
ことを特徴する検出装置。 - 請求項1に記載の検出装置であって、
前記処理部は、
各受光素子毎に前記第一の光量それぞれと、前記第一の光量それぞれに対応する前記第二の光量それぞれと、の差、及び、前記差それぞれの総和、を求め、
前記差のいずれか一以上が閾値を超えている場合、又は、前記総和が前記閾値を超えている場合、前記新たな物が置かれたと判定する、
ことを特徴する検出装置。 - 請求項1から4のいずれか一つに記載の検出装置であって、
前記処理部は、
前記検出範囲に前記物が置かれていると判定した場合、前記設備が利用された後、出力部を用いて、前記検出範囲に前記物が置かれていることを利用者に知らせる、
ことを特徴する検出装置。 - 複数の発光素子と、
前記発光素子それぞれが出力する光を受光する複数の受光素子と、を備え、
設備内の所定位置に設けられ、検出範囲に置かれた物を検出する検出装置の検出方法であって、
前記検出装置は、
前記設備が利用されていない状態において、前記発光素子を所定の順番で発光させ、
前記発光素子ごとに前記受光素子が受光した光量が計測範囲になるよう前記発光素子の発光強度を調整し、前記調整した前記発光強度で各受光素子が受光した光量を調整時の光量として取得し、
前記設備が利用されている状態において、前記調整した前記発光強度で、前記発光素子それぞれを所定の順番で発光させ、
前記発光素子ごとに前記受光素子が受光した利用状態の光量として取得し、前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して、所定以上変化した場合、前記検出範囲に物が置かれていると判定し、
前記検出範囲に物が置かれていると判定した場合、現在の光量それぞれと、前記現在の光量それぞれに対応する前記計測範囲にした前記光量それぞれと、を個別に比較し、前記所定光量以上変化した光量を検出し、
検出した前記光量を受光した際に発光させていた発光素子を検出し、検出した前記発光素子の発光強度を強くする方向で調整し、検出した前記光量に対応する第一の光量を取得し、
前記第一の光量を取得した後、更に前記検出範囲に物が置かれていると判定した場合に、検出した前記発光素子の発光強度を前記第一の光量を取得した際の調整した発光強度にし、検出した前記光量に対応する第二の光量を取得し、
前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化した場合、前記検出範囲に前記物とは異なる新たな物が置かれたと判定する、
処理を実行することを特徴とする検出方法。 - 請求項6に記載の検出方法であって、
前記検出装置は、
前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して所定以上変化したか、及び前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化したかを、各受光素子毎の個別の受光量同士で比較して判定する、処理を実行することを特徴とする検出方法。 - 請求項6に記載の検出方法であって、
前記検出装置は、
前記利用状態の光量が前記調整時の光量に対して所定以上変化したか、及び前記第二の光量が前記第一の光量に対して所定以上変化したかを、各受光素子毎に合計した総光量同士で比較して判定する、処理を実行することを特徴とする検出方法。 - 請求項6に記載の検出方法であって、
前記検出装置は、
各受光素子毎に前記第一の光量それぞれと、前記第一の光量それぞれに対応する前記第二の光量それぞれと、の差、及び、前記差それぞれの総和、を求め、
前記差のいずれか一以上が閾値を超えている場合、又は、前記総和が前記閾値を超えている場合、前記新たな物が置かれたと判定する、処理を実行することを特徴とする検出方法。 - 請求項6から9のいずれか一つに記載の検出方法であって、
前記検出装置は、
前記検出範囲に前記物が置かれたと判定した場合、前記設備が利用された後、出力部を用いて、前記検出範囲に前記物が置かれていることを利用者に知らせる、
処理を実行することを特徴とする検出方法。
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