以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図13を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は当選役と遊技状態の関係を示す説明図であり、図7は通常遊技時における再遊技役の当選確率を示す説明図であり、図8は通常遊技時及び特別遊技時における特別役及び入賞役の当選確率を示す説明図であり、図9は押し順ベル及び押し順リプレイに割り当てられたストップボタン33a〜33cの押し順を示す説明図であり、図10はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図であり、図11はこのスロットマシン1における内部遊技状態の遷移を示す説明図であり、図12は獲得枚数表示器72を説明するための説明図であり、図13は当選役と指示番号及び表示内容との関係を説明するための説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行う主制御手段100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御する副制御手段200と、から構成されている。
(主制御手段100)
主制御手段100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行うことで当選役を決定する当選役決定手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う入賞判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段160、フリーズ演出の実行制御を行うフリーズ制御手段170、操作手段30を構成するストップボタン33a〜33cの押し順を判定する操作順序判定手段175、遊技に関する情報を、外部集中端子板80を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する外部信号送信手段180、主制御手段100から副制御手段200に制御コマンドを送信する制御コマンド送信手段185、及び、第2乱数発生手段190を有して構成されている。この主制御手段100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU(中央演算処理装置)102と、役の抽選や演出(例えば、フリーズ演出等)の抽選等を行うための乱数値を発生させる乱数発生器103と、メインCPU102が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM104と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM105と、副制御手段200と通信を行うI/F回路106と、が主制御基板101上に取り付けられて構成されており、これらはバス107で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。この主制御手段100において、メインCPU102は、ROM105に記録された遊技用制御プログラムをRAM104に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。なお、メインCPU102には、プログラムの実行で用いる数値等を記憶するレジスタを有しており、以下の説明では、このレジスタを用いた処理について説明するが、これらの処理は一例であって、メインCPU102のレジスタとRAM104とは適宜使用することができる。
この主制御手段100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。そして、3個のリール21a〜21cが、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及び右リール21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄(図1に示す図柄90〜98)が見えるように配置されている。
リール21a〜21cの各々には、例えば、図4に示すように0番から19番までの20個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、リール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動は主制御手段100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、有効ライン上に表示されている図柄を判定するときに各々のリール21a〜21cの停止位置を決定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値は主制御手段100により読み出されリール制御手段120や入賞判定手段130により処理される。ここで、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、リール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、リール21(21a〜21c)とリール駆動手段22(22a〜22c)とを連結する部分に取り付けられた被検知部材(インデックス)がこのリールセンサの前を通過したときに、リールセンサでインデックスを検出するように構成されている。これにより、リール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができ、この基準となる位置に基づいて各々のリール21a〜21cの停止位置を決定することができる。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、リール表示窓11から見える9つの図柄のそれぞれの後方に、9個のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。あるいは、全てのバックランプ44を点灯し、強調したいライン上のバックランプ44の照度を高くし、強調したくないその他のバックランプ44の照度を低くしてもよい。このように、リール21(21a〜21c)は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。また、後述する入賞役−A1のようにストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている役に対してその押し順を演出として報知するときに、後述する無効ライン上にあるバックランプ44を点滅させたり、ストップボタン33a〜33cの停止操作毎に複数ある無効ライン上のバックランプ44を、1ラインずつ消灯させたりするように構成してもよい(以降の説明において、ストップボタン33a〜33cの押し順の報知を「押し順ナビ」とも呼ぶ)。
また、主制御手段100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、清算ボタン34、電源スイッチ35、設定変更キースイッチ36、及び、リセット/設定スイッチ37を有している。
スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(後述する「クレジット」)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に電子的な情報として貯留される(例えば、RAM104に記憶される)ように構成されている(以下、単に「貯留」と呼ぶ)。また、清算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。また、電源スイッチ35は、このスロットマシン1の電源をオン・オフするためのスイッチである。また、設定変更キースイッチ36およびリセット/設定スイッチ37は、後述する設定値設定手段150で設定値を変更するとき等に用いられる。
また、この主制御手段100の入力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルを検出するための2つのセンサ(第1投入センサ61及び第2投入センサ62)、遊技メダルを払い出す装置であるホッパー装置から払い出された遊技メダルを検出する払出センサ71、前扉3の開閉を検出するドアスイッチ91、並びに、設定変更キースイッチ36等が格納されたエリアのドアの開閉を検出する設定ドアスイッチ92が接続されている。第1及び第2投入センサ61,62並びに払出センサ71の検出結果は払出制御手段140で処理され、ドアスイッチ91及び設定変更キースイッチ36の検出結果は設定値設定手段150で処理される。なお、メダル投入口51からホッパー装置に連通する流路に対し、上流側に第1投入センサ61が配置され、下流側に第2投入センサ62が配置されている。また、この流路を遊技メダルが流下する過程で、第1及び第2投入センサ61,62が同時に遊技メダルを検出するタイミングがあるように配置されている。
また、この主制御手段100の出力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルの流路を決定するセレクタに設けられたブロッカ60、ホッパーモータ70、獲得枚数表示器72及び外部集中端子板80が接続されている。ここで、ブロッカ60は、遊技メダルを受け付けない期間にメダル投入口51から投入されたメダルを返却用の流路に導く機能を有している。また、ホッパーモータ70は、ホッパー装置から遊技メダルを払い出すときに作動する。これらのブロッカ60及びホッパーモータ70の動作は、払出制御手段140により制御される。
(当選役決定手段110)
当選役決定手段110は、図3に示す乱数発生器103(以降の説明では、この乱数発生器103を「第1乱数発生手段」とも呼ぶ)から第1の乱数値を取得し、この乱数発生器103とは異なる第2乱数発生手段190から第2の乱数値を取得して、これらの第1の乱数値及び第2の乱数値を演算により処理して第3の乱数値を生成し、この第3の乱数値と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルとにより役に当選したか否かを判定するように構成されている(以下、役抽選テーブルに設定された役毎の当選確率のデータを「確率データ」と呼ぶ)。この当選役決定手段110による当選役の決定方法については後述する。
本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役、入賞役、及び、再遊技役が設けられている。この当選役決定手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段111に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、当選役決定手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段及び抽選手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが後述する有効ライン上に停止表示される(入賞する)と、遊技メダルは払い出されないが、入賞した特別役に対する特別遊技が実行される状態(特別遊技状態)に移行されるという役であり、本実施形態においては、BB(ビックボーナス)としてBB−A、BB−B、BB−Cが設けられ、また、MB(ミドルボーナス)としてMB−A、MB−B、MB−C、MB−D、MB−Eが設けられ、更に、SB(シングルボーナス)が設けられている。
このBBは特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚ベットされて遊技が行われた場合に、特別役(BB−A〜BB−C)に当選しており、図5に示す特別役(BB−A〜BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(入賞する)と、BB遊技に移行するように構成されている。なお、BB遊技は、後述するRB遊技を、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、BB−Aは264枚、BB−B及びBB−Cは132枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。
また、MBは特別遊技の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚ベットされて遊技が行われた場合に、特別役(MB−A〜MB−E)に当選しており、図5に示す特別役(MB−A〜MB−E)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(入賞する)と、MB遊技に移行するように構成されている。このMB遊技は、後述するCB遊技を、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、1枚)を超えるまで、若しくは、特別役(SB)に当選するまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、後述するように、本実施形態に係るスロットマシン1は、MB遊技においてベットされる遊技メダルの枚数は、MB遊技以外のときの枚数と異なる枚数(2枚)に設定されているが、同じ枚数に設定してもよい。
また、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御する(上述したように、MB遊技中に当選すると、MB遊技が終了する)ための役として用いられることもある。
なお、特別役はこのBB、MB、SBに限定されることはなく、RB(レギュラーボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。このRB遊技は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを2回行うか、2回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリール(以下、「特定リール」と呼ぶ)に対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内(75ミリ秒以内)で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、中リール21bが特定リールである。また、以降の説明において、特別役(BB−A〜C)、特別役(MB−A〜E)又は特別役(SB)に当選して特別遊技が実行されている以外の遊技を「通常遊技」と呼ぶ。
また、入賞役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、入賞役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払い出される遊技メダルの枚数が設定されている。この本実施形態に係るスロットマシン1においては、入賞役として入賞役01〜17が設定されている。なお、図5において、「枚数」の欄は、該当する入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときに払い出される遊技メダルの枚数を表しており、スラッシュ(/)の左側はMB遊技以外の遊技で払い出される枚数を示し、右側はMB遊技で払い出される枚数を示している。
また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された遊技で、投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役01〜05が設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された次の遊技においても、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
この当選役決定手段110は、図2に示すように、抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段111、及び、当選役決定手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止表示されるまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段112を有している。
(フラグ情報記憶手段111)
フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110によって何らかの役に当選したとき(後述するように、当選した役の条件装置検索番号が条件装置番号バッファに設定されたとき)に、当選した役の種類及びそのフラグをオンにして記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役(SBを除く)の場合、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたことを条件として消去され、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されなければ次遊技以降、当該図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで持ち越されるのに対し、それ以外の役(特別役(SB)を含む)の場合には、その役に対する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。なお、MB遊技を有するスロットマシン1においては、MB遊技中は、当選役決定手段110の抽選結果に関わらず、特別役を除く全ての払い出しを有する役の当選フラグをオンすることができる。但し、抽選結果で再遊技役(リプレイ)が当選したときは、その再遊技役のフラグをオンにするように構成してもよい。このように、フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110で決定された役を記憶する決定役記憶手段としての機能を有している。
(特別役持ち越し手段112)
特別役持ち越し手段112は、当選役決定手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段111に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSB(及びCB)は、当選した遊技で図柄を停止表示させることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(後述する内部中遊技状態であるRT4遊技状態にあるとき)に、当選役決定手段110による役抽選の結果、入賞役が当選したときは、特別役と入賞役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちの何れかの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。また、工場集荷後に初めて電源が投入されたときやRAMクリア時のように特別役に当選していない状態及び特別遊技が実行されていない状態のことを「非内部中」と呼ぶ。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、ストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段160で管理されている遊技状態、当選役決定手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定するとともに、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11に表示されているリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図1に示すように、リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置90〜98に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、何れかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止表示されたときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、何れかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止表示された場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図1に示すように、左リール21aの上段の図柄停止位置90、中リール21bの中段の図柄停止位置94、及び、右リール21cの下段の図柄停止位置98を結ぶ右下がりのラインLが有効ラインとして設定されている。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、主制御手段100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイル(固定子)を有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つの相が励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つの相が励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1−2相励磁により、ローター(回転子)が回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば336ステップ(=21×16)が設定され、かつ、定速状態の回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大5個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、リール21a〜21cとして、周囲に21個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に16ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は2.23msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で5図柄先で停止させるとすると、5図柄分のステップ数は80ステップ(=16×5)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、178.4ms(=2.23×80)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で180.63ms(=178.4+2.23)となり、190ms以内に収めることができる。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21cには、上述したように、周囲に20個の図柄が表示されており、各図柄に対して均等にステップ数を割り当てることができない。また、21個の場合よりも図柄の数が1個減ることにより、割り当てられるステップ数が多くなる図柄が必要となるため、ステップ数の割り当てが偏ると、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大で5図柄先で停止させようとした場合、190ms以内に停止させることができなくなるおそれがある。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1では、全ステップ数として設定されている336ステップを20で除算したときの商M(すなわち16)及び余りP(すなわち16)に基づき、20個の図柄のうち、連続する5個の図柄の範囲の何れにもM+1ステップ(すなわち、17ステップ)を割り当てたP/4個(すなわち、4個)の図柄と、Mステップ(すなわち、16ステップ)を割り当てた(20−P)/4個(すなわち、1個)の図柄とが含まれるように構成している。具体的には、17ステップ、17ステップ、17ステップ、16ステップ、17ステップという並びを4回繰り返すように、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てている。
このように各リール21a〜21cにステップ数を割り当てることにより、20個の図柄のうち、何れの連続する5個の範囲においても17ステップが割り当てられた4個と16ステップが割り当てられた1個が含まれることとなるため、5個の図柄の範囲におけるステップ数の合計は84ステップ(=17×4+16)となり、停止時間を190ms以内に収めることができる。
また、上述したように、当選役決定手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段112によりその特別役が持ち越されている遊技において、入賞役や再遊技役に当選しているときは、これらの役を優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。具体的には、再遊技役が当選しているときは他の当選役に優先して必ずこの再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。また、入賞役については、特別役に優先して図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示するように構成することができる。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、スタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(スタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる。しかし、最小遊技時間T0が経過する時刻より前の時刻においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、入賞役は、上述したように入賞役01〜17の17個の役から構成されている。この入賞役01〜17は、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。なお、図5において、左中右の各リールに停止する図柄をこの順でカギ括弧(「」)によりくくって表示しており、それぞれのカギ括弧内においてスラッシュ(/)で区切られた図柄は、それぞれの図柄が当該役を構成していることを示している。例えば、図5において、入賞役01の図柄の組み合わせは「青7/スイカA」−「リプレイA」−「ベル」と表記されているが、これは、「青7」−「リプレイA」−「ベル」(左リール21aの上段に「青7」の図柄が停止表示され、中リール21bの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示され、右リール21cの下段に「ベル」の図柄が停止表示されている状態)と、「スイカA」−「リプレイA」−「ベル」(左リール21aの上段に「スイカA」の図柄が停止表示され、中リール21bの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示され、右リール21cの下段に「ベル」の図柄が停止表示されている状態)と、を含むことを示している。この入賞役01のように、本実施形態に係るスロットマシン1は、それぞれの役に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある。この場合、何れかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、当該役に入賞したものと判断される。なお、入賞役02の中リール21bの図柄として示す「any」は、この中リール21bに配置された図柄の何れでもよいことを示している(再遊技役02の「any」も同様である)。
また、この入賞役01〜17に対しては、図6に示すように、これらの入賞役01〜17を組み合わせた(重複当選されるように構成された)15個の当選役が割り当てられている(入賞役−A1〜入賞役−I及び入賞役−ALL)。この図6において、当選役の括弧内は、当選役である入賞役に割り当てられた入賞役01〜17を示し、例えば、当選役として入賞役−A1が決定されたときは、入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10が重複して当選することを示している。また、入賞役−ALLは、上述したMB遊技が実行されているときに当選する役であり、通常遊技中に当選する入賞役01〜16の全てが当選する役である(入賞役17はBB遊技中でのみ当選する入賞役−Iに割り当てられている)。このように、本実施形態においては、入賞役を含む当選役においては、上述したように入賞役が重複当選する構成と、入賞役−Hのように、何れかの入賞役が単独当選する構成と、を有している。
また、図9(a)に示すように、これらの当選役のうち、入賞役−A1〜A6に対して、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている。以下、これらの押し順が割り当てられた入賞役を「押し順ベル」と呼ぶ。ここで、図6に示す入賞役−A1〜A6の各々に割り当てられた入賞役01、入賞役02、入賞役03、入賞役08、入賞役09、入賞役10、入賞役11は、図5に示すように、3枚ベットで遊技されたときに、11枚の遊技メダルが払い出される入賞役01〜03(以下「11枚役」とも呼ぶ)と、1枚の遊技メダルが払い出される入賞役08〜11(以下「1枚役」とも呼ぶ)とから構成されている。また、入賞役−A1〜A6の各々は、少なくとも1つの11枚役と少なくとも1つの1枚役が重複当選するように構成されている。そして、これらの押し順ベルにおいて、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、必ず11枚役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順が割り当てられており、この押し順(図9(a)において「○」が示されている押し順)を「正解押し順」と呼ぶ。この図9(a)において、たとえば「左中右」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2停止として中ストップボタン33bが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。ここで、3つのストップボタン33a〜33cに対する押し順は6通りあり、入賞役−A1〜A6の6つの押し順ベルのそれぞれに対して何れかの押し順が正解押し順として割り当ている。例えば、図9(a)における入賞役−A1において左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、11枚役である入賞役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されることを示している。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに、リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて5図柄以内に停止させるリール制御を行うように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21aにおいて、5図柄以内に「青7」の図柄又は「スイカA」の図柄の何れかが配置されている。すなわち、左ストップボタン33aがどのようなタイミングで操作されても、左リール21aの上段に「青7」又は「スイカA」の図柄の何れかを引き込んで停止表示させることができる。同様に、中リール21bにおける「リプレイA」の図柄も、右リール21cにおける「ベル」の図柄も、それぞれのリールにおいて5図柄以内に配置されており、中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cがどのようなタイミングで操作されても、中リール21bの中段に「リプレイA」の図柄を引き込んで停止表示させることができ、また、右リール21cの下段に「ベル」の図柄を引き込んで停止表示させることができる。したがって、図9(a)に示すように、入賞役−A1に当選したときに、ストップボタン33a〜33cが「左中右」の順で操作されたときは、ストップボタン33a〜33cがどのようなタイミングで操作されても有効ライン上に左から順に「青7/スイカA」−「リプレイA」−「ベル」の図柄を引き込んで停止表示させることができる。このため、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、入賞役−A1の当選に対してストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作がされると、リール制御手段120は、入賞役01を構成する複数の図柄の組み合わせの何れかを有効ライン上に停止表示させることができる。また、同様に、入賞役−A2が当選したときに、ストップボタン33a〜33cが「左右中」の順で操作されたときは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、入賞役01の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる。なお、図4から明らかなように、有効ライン上(右下がりのライン上)に入賞役01の図柄の組み合わせが停止表示されると、リール表示窓11内の下段に「ベル」の図柄が並んで表示されることになる。
また、右リール21cだけでなく、左リール21aにおいても「ベル」の図柄が、それぞれのリールにおいて5図柄以内に配置されており、左ストップボタン33a及び右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず、左リール21aの上段及び右リール21cの下段に「ベル」の図柄を引き込んで停止表示させることができるため、入賞役−A3に当選してストップボタン33a〜33cが「中左右」の順で操作されたとき、及び、入賞役−A4に当選してストップボタン33a〜33cが「中右左」の順で操作されたときは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に入賞役02の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。なお、中リール21bに対しては、どの図柄を停止表示させてもよいが、例えば、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させることにより、有効ライン上に入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示されたときは、リール表示窓11内の右下がりのライン上(有効ライン上)に「ベル」の図柄が並んで表示されることになる。
また、中リール21bにおいて、5図柄以内に「スイカB」の図柄又は「チェリー」の図柄の何れかが配置されている。すなわち、中ストップボタン33bがどのようなタイミングで操作されても、中リール21bの中段に「スイカB」又は「チェリー」の図柄の何れかを引き込んで停止表示させることができる。同様に、右リール21cにおいて、5図柄以内に「リプレイB」の図柄又は「スイカA」の図柄の何れかが配置されているため、右ストップボタン33cがどのようなタイミングで操作されても、右リール21cの下段に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄の何れかを引き込んで停止表示させることができる。また、上述したように、左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず、左リール21aの上段に「ベル」の図柄を引き込んで停止表示させることができるように構成されている。そのため、入賞役−A5に当選してストップボタン33a〜33cが「右左中」の順で操作されたとき、及び、入賞役−A6に当選してストップボタン33a〜33cが「右中左」の順で操作されたときは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに関わらず、有効ライン上に入賞役03の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。なお、図4から明らかなように、有効ライン上(右下がりのライン上)に入賞役03の図柄の組み合わせが停止表示されると、リール表示窓11内の上段に「ベル」の図柄が並んで表示されることになる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、正解押し順以外の押し順(以下、「不正解押し順」と呼ぶ)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、上述したリール制御に基づいて、1枚役の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるように構成されている(図9(a)において「△」が示されている押し順)。
−押し順ベルに対するリール停止制御−
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、入賞役−A1が当選役である場合について、ストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図6に示すように入賞役−A1に対しては、入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10が重複当選し、その正解押し順は図9(a)に示すように「左中右」である。
−左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
当選役として入賞役−A1が決定されたときに、第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、リール制御手段120は、「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上(左リール21aの上段)に、左ストップボタン33aの操作タイミングに応じて、入賞役01を構成する「青7」又は「スイカA」の図柄を停止表示させる(左ストップボタン33aが操作されたタイミングで、5図柄以内に「青7」の図柄があるときは「青7」の図柄を上段に停止表示させ、「スイカA」の図柄があるときは「スイカA」の図柄を上段に停止表示させる)。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の入賞役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるようにリール21a〜21cを停止制御することを指す。図5から明らかなように、入賞役−A1により重複当選する入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10のうち、は払い出し枚数が最も多いのは入賞役01の11枚である。また、第2停止として中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、上述した「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上(中リール21bの中段)に、入賞役01を構成する「リプレイA」の図柄を停止表示させ、さらに、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、リール制御手段120は、有効ライン上(右リール21cの下段)に、入賞役01を構成する「ベル」の図柄を停止表示させる。以上より、入賞役−A1に当選してストップボタン33a〜33cが左中右の順で操作がされたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役01の図柄の組み合わせを停止表示させる。
−左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
上述したように、第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、リール制御手段120は、「枚数優先停止制御」に従って、左リール21aの上段に「青7」又は「スイカA」の図柄を停止表示させる。また、第2停止として右ストップボタン33cが操作されると、リール制御手段120は、「個数優先制御」に従って有効ライン上(右リール21cの下段)に停止表示させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。第2停止操作がされる時点で、左リール21aの有効ライン上に「青7」又は「スイカA」の図柄が停止表示されている。図5から明らかなように、入賞役−A1として重複当選している入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10において、左リール21aに「青7」の図柄が割り当てられている図柄の組み合わせのうち、右リール21cに、「ベル」の図柄が割り当てられているのは1個(入賞役01)、「リプレイB」の図柄が割り当てられているのは3個(入賞役08及び入賞役10)、「スイカA」の図柄が割り当てられているのは3個(入賞役08及び入賞役10)であり、また、左リール21aに「スイカA」の図柄が割り当てられている図柄の組み合わせのうち、右リール21cに「ベル」の図柄が割り当てられているのは1個(入賞役01)、「リプレイB」の図柄が割り当てられているのは3個(入賞役08及び入賞役10)、「スイカA」の図柄が割り当てられているのは3個(入賞役08及び入賞役10)であるため、リール制御手段120は、右ストップボタン33cの操作タイミングにおいて、「リプレイB」又は「スイカA」の図柄を右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示させる。ここで、右リール21cにおいて、5図柄以内に「リプレイB」の図柄又は「スイカA」の図柄の何れかが配置されているため、第2停止として右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず、右リール21bの下段に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄の何れかを停止表示させることができる。そして、中リール21bにおいて、5図柄以内に「ベル」の図柄が配置されているため、第3停止として中ストップボタン33bが操作されると、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させる。このように、ストップボタン33a〜33cが左中右の順で操作されたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役08の図柄の組み合わせを停止表示させる。
−中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させる図柄を決定する。入賞役−A1として重複当選している入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10の図柄の組み合わせのうち、中リール21bに、「リプレイA」の図柄が割り当てられているのは2個(入賞役01)、「ベル」の図柄が割り当てられているのは6個(入賞役08及び入賞役09)、「赤7」の図柄が割り当てられているのは4個(入賞役10)、「青7」の図柄が割り当てられているのは4個(入賞役10)であるため、「ベル」の図柄が中リール21bの中段に停止表示される。次に、第2停止として左ストップボタン33aが操作されると、中リール21bの中段に「ベル」が停止表示されていることから、入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10の図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベル」の図柄を含むものは入賞役08であり、また、上述したように左リール21aにおいて、この入賞役08の図柄の組み合わせを構成する「青7」及び「スイカA」の図柄は何れかが5図柄以内に配置されていることから、リール制御手段120は、左リール21aの有効ライン上(上段)に「青7」又は「スイカA」の図柄の何れかを停止表示させる。さらに、第3停止として右ストップボタン33cが操作されたときに、リール制御手段120は、右リール21cの有効ライン上(下段)に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄を停止表示させる。このように、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役08の図柄の組み合わせを停止表示させる。
−中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
中左右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの有効ライン上(中段)に「ベル」の図柄を停止表示させる。次に、第2停止として右ストップボタン33cが操作されると、中リール21bの中段に「ベル」が停止表示されていることから、入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10の図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベル」の図柄を含むものは入賞役08であり、また、上述したように右リール21cにおいて、この入賞役08の図柄の組み合わせを構成する「リプレイB」及び「スイカA」の図柄は何れかが5図柄以内に配置されていることから、リール制御手段120は、右リール21cの有効ライン上(下段)に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄の何れかを停止表示させる。さらに、第3停止として左ストップボタン33aが操作されたときに、リール制御手段120は、左リール21aの有効ライン上(上段)に「青7」又は「スイカA」の図柄を停止表示させる。このように、ストップボタン33a〜33cが中右左の順で操作されたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役08の図柄の組み合わせを停止表示させる。
−右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
第1停止として右ストップボタン33cが操作されると、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示させる図柄を決定する。入賞役−A1として重複当選している入賞役01、入賞役08、入賞役09及び入賞役10の図柄の組み合わせのうち、右リール21cに、「ベル」の図柄が割り当てられているのは2個(入賞役01)、「リプレイB」の図柄が割り当てられているのは6個(入賞役08及び入賞役10)、「スイカA」の図柄が割り当てられているのは6個(入賞役08及び入賞役10)、「ブランク」の図柄が割り当てられているのは2個(入賞役9)であり、また、右リール21cにおいて、「リプレイB」及び「スイカA」の図柄は、どちらかの図柄が5図柄以内に配置されているため、右ストップボタン33cの操作タイミングに応じて、「リプレイB」又は「スイカA」の図柄の何れかが右リール21cの下段に停止表示される。次に、第2停止として左ストップボタン33aが操作されると、右リール21cの下段に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄が停止表示されていることから、リール制御手段120は、左リール21aの有効ライン上(上段)に「青7」又は「スイカA」の図柄を停止表示させ、さらに、第3停止として中ストップボタン33bが操作されると、中リール21bの有効ライン上(中段)に「ベル」の図柄を停止表示させる。このように、ストップボタン33a〜33cが右左中の順で操作されたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役08の図柄の組み合わせを停止表示させる。
−右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
上述したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの有効ライン上(下段)に「リプレイB」又は「スイカA」の図柄の何れかを停止表示させる。また、第2停止である中ストップボタン33bが操作されたときも、リール制御手段120は、「個数優先停止制御」に従って「ベル」の図柄を中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させ、さらに、第3停止である左ストップボタン33aが操作されると、左リール21aの有効ライン上(上段)に「青7」又は「スイカA」の図柄の何れかを停止表示させる。このように、ストップボタン33a〜33cが右中左の順で操作されたときは、リール制御手段120は、有効ライン上に入賞役08の図柄の組み合わせを停止表示させる。
ここでは、押し順ベルの例として入賞役−A1に当選した場合について説明したが、入賞役−A2〜A6についても、リール制御手段120により同様の停止制御が行われる。上述したように、正解押し順で操作されたときは、入賞役−A2に対しては入賞役01の図柄の組み合わせが停止表示され、入賞役−A3及びA4に対しては入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示され、入賞役−A5及びA6に対しては入賞役03の図柄の組み合わせが停止表示される。また、不正解押し順に対しては、入賞役−A2〜A6の何れにおいても入賞役08の図柄の組み合わせが停止表示される。なお、上述した停止制御の説明は一例であり、例えば、不正解押し順で操作されたときは、入賞役08以外の1枚役の図柄の組み合わせを停止表示させてもよい。
また、本実施形態に係るスロットマシン1において、上述した入賞役−A1〜A6は、図6に示すように、通常遊技時に当選するように構成されているが、上述したストップボタン33a〜33cと停止図柄の関係は、非内部中遊技状態(後述する非RT遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態)のときに成立し、内部中遊技状態(後述するRT3−1遊技状態及びRT3−2遊技状態)のときは3択となる。すなわち、内部中遊技状態のときに入賞役−A1又は入賞役−A2に当選すると、第1停止で左ストップボタン33aが操作されると、第2停止及び第3停止の操作は任意の順序で11枚役(入賞役01)の図柄の組み合わせが停止表示され、第1停止において左ストップボタン33a以外のストップボタン(中ストップボタン33b又は右ストップボタン33c)が操作されると、以降のストップボタンの操作順序に関わらず1枚役(入賞役−A1であれば入賞役08〜10の何れか、入賞役−A2であれば入賞役08,09,11の何れか)の図柄の組み合わせが停止表示される。また、同様に、入賞役−A3又入賞役−A4に当選すると、第1停止で中ストップボタン33bが操作されると、それ以降のストップボタンの操作順序に関わらず11枚役(入賞役02)の図柄の組み合わせが停止表示され、それ以外の押し順で操作されると1枚役(入賞役−A3であれば入賞役08、入賞役−A4であれば入賞役08,09の何れか)の図柄の組み合わせが停止表示される。また、入賞役−A5又は入賞役−A6に当選すると、第1停止で右ストップボタン33cが操作されると、それ以降のストップボタンの操作順序に関わらず11枚役(入賞役03)の図柄の組み合わせが停止表示され、それ以外の押し順で操作されると1枚役(入賞役−A5であれば入賞役08〜11の何れか、入賞役−A6であれば入賞役08〜10の何れか)の図柄の組み合わせが停止表示される。なお、上述したように、不正解押し順で操作された1枚役は、入賞役08に限定されることない。
−その他の入賞役について−
また、入賞役―Bは、ストップボタン33a〜33cの操作順序及び操作タイミングに関わらず、入賞役07の図柄の組み合わせが有効ライン上(右下がりのライン上)に停止表示され、11枚の遊技メダルが払い出される役である。ここで、図4から明らかなように、有効ライン上に入賞役07の図柄の組み合わせが停止表示されると、リール表示窓11の中段に、「ベル」の図柄が並んで表示されることになる。なお、この入賞役−Bにおいても、非内部中遊技状態と内部中遊技状態とで停止表示される入賞役が変化するように構成してもよい(例えば、非内部中遊技状態のときは入賞役07の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、内部中遊技状態のときは入賞役04〜06の何れかの図柄の組み合わせが停止表示されるように構成してもよい)。
また、入賞役−Cは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、入賞役12又は入賞役13の図柄の組み合わせが停止表示される役であり、言い換えると、操作タイミングによっては、有効ライン上に「チェリー」の図柄が停止表示される役であるため、いわゆる「チェリー」の役割を有している。
また、入賞役−Dは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、入賞役14又は入賞役15の図柄の組み合わせが停止表示される役であり、言い換えると、操作タイミングによっては、リール表示窓11の中段(水平方向)に「スイカA」又は「スイカB」の図柄が揃う役である。また、入賞役−Eは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、入賞役14、入賞役15又は入賞役16の図柄の組み合わせが停止表示される役であり、言い換えると、操作タイミングによっては、リール表示窓11の有効ライン上(右下がりのライン上)に「スイカA」又は「スイカB」の図柄が揃う役である。
入賞役−Fは、SB遊技中に当選する役であり、1枚役である入賞役08〜11が重複当選するように構成されている。また、入賞役−Gは、通常遊技時に当選する入賞役(入賞役01〜16)が重複当選する役であり、SB遊技中及びBB遊技中に当選する役である。また、入賞役−Hは、BB遊技中に当選する役であり、右下がりのライン上に「ベル」の図柄が停止表示されるため、「BB遊技中の弱レア役」の役割を有している。また、入賞役−Iも、BB遊技中に当選する役であり、入賞役06の図柄を有効ライン上に停止表示させることより、リール表示窓11内において、V字状に「ベル」の図柄を停止表示させる役である(図1における図柄90,94,96に「ベル」の図柄が停止表示される)。この入賞役−Iは、「BB遊技中の強レア役」の役割を有している。
−特別役について−
上述したように、当選役である特別役は、図6に示すように、BB−A、BB−B、BB−Cと、MB−A、MB−B、MB−C、MB−D、MB−Eと、SBとから構成されている。ここで、特別役(BB−A〜C)は、この役が当選した遊技で当該特別役に割り当てられた図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないときは、上述した内部中遊技状態に移行する(BB−A〜Cが当選して内部中遊技状態になったときは、後述するRT3−1遊技状態に移行する)ように構成されている。また、特別役(MB−A〜E)は、図4に示すリールの図柄配置及び図5に示す役と図柄の組み合わせから、ストップボタン33a〜33cの操作順序及び操作タイミングに関わらず、必ず有効ライン上に引き込んで停止表示させることができるため、これらの特別役が当選した遊技で必ず当該特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて(入賞して)、次の遊技から特別遊技が実行されるため、内部中遊技状態に移行することはない。但し、図8(a)に示すように、特別役(MB−A)と入賞役―C又はDが同時に当選する場合があり、このときは、入賞役−C又はDを構成する入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるため、MB−Aの内部中遊技状態(後述するRT3−2遊技状態)に移行する。また、特別役(SB)は、当選した遊技でこのSBの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないと、SBの当選フラグは次の遊技に持ち越されないため、内部中遊技状態に移行することはない。
−再遊技役について−
また、当選役である再遊技役(リプレイ)は、図6に示すように、再遊技役−A、再遊技役−B、再遊技役−C、再遊技役−D、及び、再遊技役−E1〜E3から構成されており、これらの再遊技役は、図5に示す再遊技役01〜05を組み合わせて(重複当選するように)構成されている(図6のかっこ内に示す番号の意味は、入賞役のときと同じである)。なお、これらの再遊技役は、図4に示すリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す再遊技役01〜05に割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、ストップボタン33a〜33cがどのような順序、どのようなタイミングで操作されても、これらの再遊技役01〜05の各々に対して割り当てられた図柄の組み合わせの何れかが有効ライン上に停止表示されるように構成されている。
ここで、再遊技役−Aは、ストップボタン33a〜33cの操作順序及び操作タイミングに関わらず再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される役である。すなわち、リール表示窓11内の右下がりのライン上に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄が揃うことになり、いわゆる「通常リプレイ」として用いることができる。また、再遊技役−Bは、特別役(MB)に当選して内部中遊技状態(後述するRT3−2遊技状態)にあるときと、それ以外の遊技状態とで停止表示される役(図柄の組み合わせ)が異なる役である。具体的には、リール制御手段120は、特別役(MB)に当選して内部中遊技状態にあるときは、有効ライン上に再遊技役05の図柄の組み合わせを停止表示し、それ以外の遊技状態(後述する非RT遊技状態、RT2遊技場対及びSB−0遊技状態)のときは、再遊技役−Aと同様に再遊技役01の図柄の組み合わせを停止表示させるように構成されている。
また、再遊技役−C及び再遊技役−Dは、特別役(BB−A〜C)に当選して内部中遊技状態にあるとき(後述するRT3−1遊技状態にあるとき)、及び、MB遊技が実行されているとき(後述するMB遊技状態になるとき)に当選する役である。
また、再遊技役−E1〜E3には、図9(b)に示すように、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている(以下、これらの再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ)。具体的には、再遊技役−E1〜E3に対しては、第1停止が左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33cの3つの押し順のいずれかが割り当てられている(第2停止及び第3停止は任意の順序でよい)。そして、再遊技役−E1〜E3の何れかに当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作されると(第1停止で、割り当てられたストップボタンが操作されたとき)、再遊技役01又は再遊技役03の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され(図9(b)の「○」)、不正解押し順(正解押し順以外の押し順)で操作がされると、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(図9(b)の「×」)。この再遊技役−E1〜E3は、図6に示すように、後述するRT2遊技状態のときに当選する役であり、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、遊技状態がRT1遊技状態に移行するように構成されている(詳細な説明は後述する)。
なお、このようなスロットマシン1においては、特別役が当選するときに、再遊技役01や入賞役01が重複して当選するように構成してもよい。例えば、特別役と入賞役01又は再遊技役01が重複当選する構成の場合は、特別役が当選した遊技では、入賞役01又は再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、非内部中遊技状態から内部中遊技状態へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、非内部中遊技状態のときはハズレの頻度を高くし、内部中遊技状態のときは、ハズレの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる)。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図8(a),(b)に示すように、特別役BB−B、BB−C、MB−B〜Eが単独で当選する場合と、入賞役−C、入賞役−D及び入賞役−Eの何れかと特別役BB−B又はBB−Cが同時に当選する場合、並びに入賞役−C及び入賞役−Dの何れかと特別役MB−Aが同時に当選する場合とが設けられている。そのため、入賞役−C、入賞役−D、及び入賞役−Eの何れかが当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されることにより、遊技者に対して特別役に当選したこと(もしくはその可能性があること)を示唆することができる。
−MB遊技中の入賞役の停止制御について−
本実施形態に係るスロットマシン1では、特別役(MB−A〜E)に当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、特別遊技であるMB遊技が実行される。このMB遊技においては、図6、図7(h)、図8(d)に示すように、特別役(SB)、再遊技役−C、再遊技役−Dおよび入賞役−ALLが当選する。ここで、MB遊技中は、役の抽選が行われたときに、必ず入賞役−ALLが当選する(入賞役01〜16のフラグが立つ)ように構成されている。このMB遊技中における入賞役の停止制御について以下に説明する。なお、再遊技役−C又はDが当選しているときは(入賞役−ALLと同時に当選しているときは)、再遊技役−C又はDが優先して停止表示されるように構成されている。また、特別役(SB)が当選しているときは(入賞役−ALLと同時に当選しているときは)、入賞役−ALLが優先して停止表示されるように構成されている。また、MB遊技中は、特定リール(中リール21b)に対する停止制御がされたときは、この特定リールに対応するストップボタンが操作されてから当該特定リールを1図柄以内で停止させる制御が行われる。
―第1停止が左ストップボタン33aの場合―
まず、ストップボタン33a〜33cが左中右の順で操作された場合について説明する。第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、リール制御手段120は、枚数優先停止制御により、左リール21aに停止させる図柄を決定する。図5に示すように、MB遊技中に払い出される遊技メダルの枚数は、入賞役01〜04が15枚、入賞役05〜06が14枚、入賞役07と12〜16が11枚、入賞役08〜11が1枚である。したがって、入賞役01〜04を構成する図柄、具体的には、「青7」、「スイカA」、「ベル」、「ブランク」の図柄の何れかを左リール21aの上段に停止表示させる。なお、本実施形態において、リール制御手段120は、左リール21aにおいて、1図柄以内に14番の「ブランク」の図柄を上段に引き込めるとき(実際には、13番の「スイカA」の図柄の中心が上段の中心を超えたときから14番の「ブランク」の図柄の中心が上段の中心に達する前まで)は、この「ブランク」の図柄を上段(有効ライン上)に停止表示させるように制御する。また、「ブランク」の図柄を引き込めないときは、「ベル」の図柄を左リール21aの上段に停止表示させる。このとき、左リール21aの4番の「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aが操作されると、6番の「ベル」の図柄が左リール21aの上段(有効ライン上)に停止表示されるため、結果として下段に「チェリー」の図柄が停止表示されるため、遊技者には、いわゆる「チェリー」に当選していて(後述する再遊技役−Dに当選していて)、有利区間に移行するかも知れない(有利区間に移行する抽選に当選するかも知れない)という期待を与えることができる。
次に、第2停止として中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、左リール21aの有効ライン上(上段)に停止表示されている図柄に応じて中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させる図柄を決定する。中リール21bは、上述した特定リールであるため、左リール21aの上段に「ベル」の図柄が停止表示されている場合は、入賞役02の図柄の組み合わせを構成する「any」を停止させる。すなわち、中ストップボタン33bの操作タイミングに応じて停止図柄が決定される。なお、入賞役02の図柄の組み合わせは、図5に示すように、「ベル」−「any」−「ベル」であるため、中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止表示されると、すべてのリールが停止したときに、右下がりのライン上に「ベル」の図柄が揃う。また、後述するように、MB遊技中に当選する再遊技役の停止図柄との関係で、第2停止の操作がされた時点で、入賞役に当選しているのか、再遊技役に当選しているのかが遊技者に察知されないようにするため、中リール21bの中段に「ベル」以外の図柄を停止表示させてもよい。また、第2停止の操作時に、左リール21aの上段に「ブランク」の図柄が停止表示されているときは、入賞役04又は入賞役05の図柄の組み合わせを構成する図柄を中リール21bの有効ライン上に停止表示させる。具体的には、図5に示すように、0番、15番、10番、5番の「ベル」の図柄を引き込めるときに中ストップボタン33bが操作されると、この「ベル」の図柄が中段(有効ライン上)に停止表示され、その他の操作タイミングでは、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」の何れかの図柄が停止表示される。すなわち、中リール21bの停止のタイミングで入賞役04及び入賞役05の図柄のどちらでも有効ライン上に引き込めるときは、入賞役04の図柄を優先して停止表示させるように構成されている。
最後に、第3停止として右ストップボタン33cが操作されると、リール制御手段120は、左リール21a及び中リール21bの有効ライン上に停止表示されている図柄に応じて、右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示させる図柄を決定する。具体的には、左リール21aの有効ライン上(上段)に「ベル」の図柄が停止表示されているときは、右リール21bの有効ライン上(下段)に「ベル」の図柄を停止させて、入賞役02の図柄の組み合わせを停止表示させる。また、左リール21aの有効ライン上に「ブランク」の図柄が停止表示され、中リール21bの有効ライン上に「ベル」の図柄が停止表示されているときは、右リール21cの有効ライン上に「ベル」の図柄を停止させて、入賞役05の図柄の組み合わせを停止表示させる。また、左リール21aの有効ライン上に「ブランク」の図柄が停止表示され、中リール21bの有効ライン上に「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」の何れかの図柄が停止表示されているときは、右リール21cの有効ライン上に「ベル」の図柄を停止させて、入賞役04の図柄の組み合わせを停止表示させる。
なお、上述した説明より、左リール21aの有効ライン上に「ブランク」の図柄が停止表示されているときは、中リール21bの有効ライン上に停止表示されている図柄に関わらず、右リール21cの有効ライン上に「ベル」の図柄が停止表示されるため、入賞役−ALLに対してストップボタン33a〜33cが左右中の順で操作されたときも、左中右と同じ停止制御が行われる。したがって、第1停止として左リール21aが操作されたときは、有効ライン上に、入賞役02又は入賞役04の図柄の組み合わせが停止表示されて15枚の遊技メダルが払い出される場合と、入賞役05の図柄の組み合わせが停止表示されて14枚の遊技メダルが払い出される場合とがある。そのため、特定リール(中リール21b)に対するストップボタンの操作タイミングにより、15枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるか、14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるかを、遊技者の技量により選択することが可能である。
−中左右の場合−
次に、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときの、入賞役−ALLに対する停止制御について説明する。第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、枚数優先停止制御により、中リール21bに停止させる図柄を決定する。すなわち、上述したように、入賞役01〜04を構成する図柄であって、「リプレイA」、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」の図柄又は「any」を停止表示させる。この中リール21bは特定リールであるため、リール制御手段120は、中リール21bの下段の枠下(下段に表示されている図柄の一つ下の図柄の位置)に13番の「白7」の図柄を1図柄以内に停止させる位置で中ストップボタン33bが操作されると、中リール21bの有効ライン上(中段)に「ベル」の図柄を停止表示させ、その他のタイミングで中ストップボタン33bが操作されると、「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」、「リプレイA」の図柄の何れかを中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させる。また、第1停止で中リール21bの中段に「ベル」を停止表示させた場合に、第2停止として、左リール21aの有効ライン上(上段)に1図柄以内で14番の「ブランク」の図柄を引き込めるときは、この「ブランク」の図柄を上段(有効ライン上)に停止表示させ、それ以外のタイミング又は第1停止で中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させていない場合に、左ストップボタン33aが操作されると、「ベル」の図柄を左リール21aの上段に停止表示させる。そして、第3停止として右ストップボタン33cが操作されると、その操作タイミングに関わらず「ベル」の図柄を右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示させる。そのため、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときは、有効ライン上に、入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示されて15枚の遊技メダルが払い出される場合と、入賞役05の図柄の組み合わせが停止表示されて14枚の遊技メダルが払い出される場合とがある。この場合も、特定リール(中リール21b)に対するストップボタンの操作タイミング及び左リール21aに対するストップボタンの操作タイミングにより、15枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるか、14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるかを、遊技者の技量により選択することが可能である。
−中右左の場合−
また、ストップボタン33a〜33cが中右左の順で操作されたときの、入賞役−ALLに対する停止制御について説明する。中左右の停止制御で説明したように、第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、枚数優先停止制御により、中リール21bの有効ライン上に「ベル」の図柄、又は「スイカA」、「スイカB」、「チェリー」の何れかの図柄又は「any」を停止表示させる。次に、第1停止で中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させた場合に、第2停止として、1図柄以内で、右リール21cの下段の枠下に7番の「ブランク」の図柄を引き込めるタイミングで右ストップボタン33cが操作されたときは、「スイカA」の図柄を有効ライン上(下段)に停止表示させ、それ以外の操作タイミング又は第1停止で中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させていない場合に、右ストップボタン33cが操作されると、右リール21cの有効ライン上に「ベル」の図柄を停止表示させる。そして、第3停止として左ストップボタン33aが操作されると、その操作タイミングに関わらず、左リール21aの有効ライン上(上段)に「ベル」の図柄が停止表示される。したがって、ストップボタン33aが中右左の順で操作されたときは、有効ライン上に、入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示されて15枚の遊技メダルが払い出される場合と、入賞役06の図柄の組み合わせが停止表示されて14枚の遊技メダルが払い出される場合とがある。この場合も、特定リール(中リール21b)に対するストップボタンの操作タイミング及び右リール21cに対するストップボタンの操作タイミングにより、15枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるか、14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるかを、遊技者の技量により選択することが可能である。
―第1停止が右ストップボタン33cの場合―
また、ストップボタン33a〜33cが右左中の順で操作されたときの、入賞役−ALLに対する停止制御について説明する。第1停止として右ストップボタン33cが操作されると、リール制御手段120は、枚数優先停止制御により、右リール21cに停止させる図柄を決定する。すなわち、上述したように、入賞役01〜04を構成する図柄であって、「ベル」、「リプレイB」、「スイカA」の何れかの図柄を停止表示させる。ここで、本実施形態では、右リール21cの枠下に1図柄以内で7番の「ブランク」の図柄を引き込むことができるタイミングで右ストップボタン33cが操作されると、右リール21cの有効ライン上(下段)に8番の「スイカA」の図柄を停止表示させ、右リール21cの枠下に1図柄以内で2番の「白7」の図柄を引き込むことができるタイミングで右ストップボタン33cが操作されると、右リール21cの有効ライン上に3番の「リプレイB」の図柄を停止表示させ、その他のタイミングで右ストップボタン33cが操作されたときは右リール21cの有効ライン上に「ベル」の図柄を停止表示させる。次に、第2停止として左ストップボタン33aが操作されたときは、操作タイミングに関わらず、左リール21aの有効ライン上(上段)に「ベル」の図柄を停止表示させる。そして、第3停止として中ストップボタン33bを操作すると、中リール21bは特定リールであるため、操作タイミングに応じて、「スイカB」、「チェリー」、「ベル」、「スイカA」の何れかの図柄を中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させる。なお、中ストップボタン33bの操作タイミングで、中リール21bの有効ライン上(中段)に入賞役03を構成する図柄と入賞役06を構成する図柄の何れも引き込んで停止表示させることができるときは、入賞役03の図柄を優先して停止表示させるように構成されている。ストップボタン33a〜33cが右中左の順で操作されたときも同じ停止制御となる。したがって、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときは、有効ライン上に、入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示されて15枚の遊技メダルが払い出される場合と、入賞役03の図柄の組み合わせが停止表示されて15枚の遊技メダルが払い出される場合と、入賞役06の図柄の組み合わせが停止表示されて14枚の遊技メダルが払い出される場合とがある。この場合も、特定リール(中リール21b)に対するストップボタンの操作タイミングにより、15枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるか、14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるかを、遊技者の技量により選択することが可能である。
以上のように、MB遊技中に当選した入賞役−ALLに対しては、ストップボタン33a〜33cの操作順序に関わらず、特定リールである中リール21bに対する停止操作(中ストップボタン33bの操作タイミング)により、14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせ(入賞役05又は入賞役06の図柄の組み合わせ)が有効ライン上に停止表示される場合と、15枚の遊技メダルが払い出される図柄の組み合わせ(入賞役02、入賞役03又は入賞役04の図柄の組み合わせ)が有効ライン上に停止表示される場合とがある。
上述したように、第1停止として左ストップボタン33aが操作されるときは、左リール21aにおいて13番の「スイカA」の図柄が上段を通過するときに左ストップボタン33aが操作されると、14番の「ブランク」の図柄を上段(有効ライン上)に停止表示させることができるため、入賞役05の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるためには、左リール21aの20個の図柄のうち、1個の図柄が所定の位置にあるときに停止操作をする必要がある。また、中リール21bにおいて、19番の「チェリー」の図柄、14番の「チェリー」の図柄、9番の「スイカB」の図柄、4番の「チェリー」の図柄が中段を通過するときに、中ストップボタン33bが操作されると、0番、15番、10番、5番の「ベル」の図柄を中段(有効ライン上)に停止表示させることができるため、入賞役05の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるためには、中リール21bの20個の図柄のうち、4の図柄が所定の位置にあるときに停止操作をする必要がある。さらに、右リール21cに対しては、右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず、下段に「ベル」の図柄を停止表示させることができるので、入賞役05の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるためには、右リール21bの20個の図柄のうち、20の図柄の何れでも、所定の位置にあるときに停止操作できる。したがって、MB遊技中の入賞役−ALLに対して、左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されたときの、14枚の遊技メダルが払い出される入賞役05の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる確率(以下、「14枚役の取得率」と呼ぶ)は、1/20×4/20×20/20=80/8000となり、左右中で操作されたときの14枚役の取得率は1/20×20/20×4/20=80/8000となるため、第1停止で左ストップボタン33aが操作されたときの取得率は160/8000となる。
同様に、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときの14枚役の取得率は、1/20×1/20×20/20=20/8000となり、中右左の順で操作されたときの取得率は1/20×1/20×20/20=20/8000となるため、第1停止で中ストップボタン33bが操作されたときの14枚役の取得率は40/8000となる。
また、第1停止として右ストップボタン33cが操作されたときに、中リール21bにおいて、1図柄以内で入賞役03の図柄(「スイカB」又は「チェリー」の図柄)が有効ライン上に停止表示するのは、中リール21bの4番、5番、9番、10番、13番、14番、18番、19番の8個の図柄であるため、14枚役である入賞役06の図柄が停止するのは20−8=12個の図柄となる。したがって、ストップボタン33a〜33cが右左中の順で操作されたときの14枚役の取得率は、2/20×20/20×12/20=480/8000であり、右中左の順で操作されたときの14枚役の取得率は、2/20×12/20×20/20=480/8000であるため、第1停止で右ストップボタン33cが操作されたときの14枚役の取得率は960/8000となる。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、特定リールである中リール21bを第1停止操作で停止させたときの14枚役の取得率(40/8000)が、他のリールを第1停止操作で停止させたときの14枚役の取得率(160/8000及び960/8000)より低くなるように構成されている。
以上のように、MB遊技中の入賞役−ALLに対しては、ストップボタン33a〜33cの操作順序に依らず、特定リールに対する停止操作のタイミングで、15枚役の図柄の組み合わせと14枚役の図柄の組み合わせのどちらを有効ライン上に停止表示させるかを決定することができるので、どの押し順で遊技をしたとしても、技術介入性を確保することができる。また、15枚役の取得割合を14枚役の取得割合より高くしているので、技術介入を行うことができない初心者でも獲得枚数が多くなることを期待できる。また、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングで、15枚役と14枚役の何れかを取得することができるが、どちらの役を取得したとしてもMB遊技の終了条件である払出し枚数(1枚)より多い払い出し枚数であるので、入賞役−ALLが入賞した遊技で確実にMB遊技を終了させることができる。
なお、特定リール(中リール21b)から操作をすると、14枚の遊技メダルを獲得する確率(取得率)が最も低いため、MB遊技中に特定リールから停止操作をすることを指示又は示唆するように構成してもよい。また、ここでは、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングにより15枚又は14枚の遊技メダルが払い出される図柄の組合せを表示するようにしたが、タイミングに応じて非入賞の図柄組合せを表示するようにしてもよい。その際にも、特定リールから操作する場合を最も非入賞の図柄組合せの表示確率を低く(15枚の取得率を高く)設定することができる。
−MB遊技中の再遊技役の停止制御について−
上述したように、MB遊技が実行されているときは、役抽選により再遊技役−C又は再遊技役−Dが当選する場合がある。ここで、図7(h)に示すように、再遊技役−Cは設定値による当選確率の差がある(設定差がある)役であり、再遊技役−Dは設定値による当選確率の差がない(設定差がない)役である。そのため、本実施形態では、後述するように、設定差のない再遊技役−Dに当選したときに、有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)を行うように構成されている。
本実施形態に係るスロットマシン1において、再遊技−C又は再遊技役−Dの何れが当選した場合も、有効ライン上に再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示される。この再遊技役05の図柄の組み合わせは、図5に示す通り、「ベル」−「any」−「赤7/白7/青7/ブランク」である。そのため、再遊技役−C又はDが当選した遊技において、例えばストップボタン33a〜33cを順押しする(左中右の順で操作する)場合は、第1停止で左ストップボタン33aが操作されたときは、「ベル」の図柄を左リール21aの有効ライン上(上段)に停止表示させ、第2停止で中ストップボタン33bが操作されたときは、何れかの図柄を中リール21bの有効ライン上(中段)に停止表示させ、第3停止で右ストップボタン33cが操作されたときは、「赤7」、「白7」、「青7」、「ブランク」の図柄の何れかを右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示させる。
ところで、上述したように、MB遊技中には入賞役−ALLが当選し、この場合、ストップボタン33a〜33cを順押しで操作すると、入賞役02の図柄の組み合わせ(「ベル」−「any」−「ベル」)が停止表示される可能性が高い(入賞役03、入賞役04及び入賞役05はストップボタン33a〜33cの操作タイミングに依存するため)。そのため、入賞役02と再遊技役05は、左リール21aと中リール21bの図柄が一致しているので、遊技者がストップボタン33a〜33cを順押しすると、第2停止までは、入賞役02の図柄の組み合わせが停止表示されるのか、再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示されるかを判別することはできず、第3停止における右ストップボタン33cの操作で、右リール21cの有効ライン上(下段)に停止表示される図柄で、入賞役02と再遊技役05のどちらが入賞したのかを判別することができる(右リール21cの下段に「ベル」の図柄が停止表示されれば入賞役02であり、「赤7」、「青7」、「白7」、「ブランク」の図柄の何れかが停止表示されれば再遊技役05である)。特に、上述したように、第1停止において、左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、左リール21aの上段(有効ライン上)に「ベル」の図柄が停止表示され、下段に「チェリー」の図柄が停止表示されるため、遊技者に対して、有利遊技(AT遊技)に当選するかも知れないという期待を抱かせることができる。
MB遊技中の再遊技役の停止制御を以上のように構成すると、再遊技役−Cと再遊技役−Dの停止図柄は同一(再遊技役05の図柄の組み合わせ)であるため、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせからは、再遊技役−Cに当選しているのか、再遊技役−Dに当選しているかを判別することはできない。したがって、再遊技役05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、遊技者は、再遊技役−Dに当選していて有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)が行われたかも知れないということしか分からない。また、ストップボタン33a〜33cを順押しする場合、第2停止操作までは、入賞役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるのか、再遊技役05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるのかを判別することができないので、再遊技役05の図柄が停止表示されて(再遊技役−Dに当選していて)有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)が行われるかも知れないという期待感を遊技者に与えることができる。さらに、入賞役02及び再遊技役05を構成する図柄のうち、特定リール(中リール21b)の図柄を「any」とすることにより、入賞役02及び再遊技役05(再遊技役−C及び再遊技役−D)に対応する図柄の組み合わせの数を減らすことができる。
また、MB遊技の終了条件は、上述したように、入賞役の図柄が有効ライン上に停止表示されて1枚以上の遊技メダルが払い出されるか、特別役(SB)に当選することである。図8(d)に示すように、MB遊技における特別役(SB)の当選確率(置数)に設定差はないが、図7(h)に示すように、設定差のある再遊技役−C(有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)が行われない再遊技役)の当選確率(置数)は、設定値が大きくなるほど大きくなるように構成されている。もちろん、有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)が行われる再遊技役−Dに設定差はない。また、上述したように、入賞役−ALLと再遊技役−C又はDが同時に当選したときは再遊技役−C又はDの図柄の組み合わせが優先して停止表示される。したがって、設定値が大きくなるほど、再遊技役−Cの当選確率(置数)が大きくなることにより、入賞役−ALLの実質的な当選確率(置数)は小さくなり、MB遊技の終了条件のうち「入賞役の図柄が有効ライン上に停止表示されて1枚以上の遊技メダルが払い出される」という確率が小さくなる。すなわち、設定値が大きくなるほど、MB遊技が継続し、有利区間(AT遊技)に関する抽選(前兆フラグ加算抽選)が行われる再遊技役−Dに当選する回数の期待値が大きくなるため、設定差により、有利区間(AT遊技)に移行する期待値を変化させることができる。また、上述したように、再遊技役−Cと再遊技役−Dの停止図柄は一致している(再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示される)ため、遊技者が、この停止図柄から設定値を推測することもできない。また、MB遊技の終了条件が「入賞役の図柄が有効ライン上に停止表示されて1枚以上の遊技メダルが払い出される」ことであるため、MB遊技の遊技数を少なくすることができ、MB遊技中に再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示される回数による設定値の判別を困難にすることができる。また、再遊技役−Cは当選役の確率として他の役より設定差がついているが、MB遊技が1枚払出しで終了するため、設定差があっても、当選確率による設定値の判別を困難にできる。
ここで、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、リール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのリール21a〜21cを回転させ、全てのリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、リール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、リール21a〜21cの各々において、ストップボタン33a〜33cが操作されたときにリール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄の番号(0〜19番)に対して、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。なお、停止テーブルは、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21bのいずれにも使用することもできるし、リール21a〜21bのうち、一部のルールに対しては、停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、残りのリールに対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、当選役決定手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルから何れかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されて、3個のリール21a〜21cが全て定速回転状態となると、第1停止のストップボタンが操作されるまでの間に、3個のリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作が未だ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作が未だ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、入賞役−A1に対する正解押し順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作され、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となると、全てのリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、第2停止である中ストップボタン33bが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。さらに、第2停止として中ストップボタン33bが操作されると、第3停止である右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。なお、例えば第3停止に対する停止位置データの作成において、右リール21cに対して選択される停止テーブルが既に第2停止に対して選択されて停止位置データが作成されているときは、再度の作成の必要はなく、第2停止のための停止位置データをそのまま第3停止で利用することができる(もちろん、再度作成し直してもよい)。
また、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのリール21a〜21の回転速度が定速となったときではなく、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間や、リール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのリール21a〜21cについて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止テーブルを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止テーブルを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから第1停止のストップボタンが操作されるまで、及び、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、リール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止テーブルを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各リール21a〜21cが回転を開始し、全てのリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータから出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、リール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図7〜図9には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、図7〜図9に示す数値は置数(分母を65536としたときの分子の値)を示しており、また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、入賞役及び再遊技役の当選確率の合計を1から引いた値である(置数の場合は、65536から特別役、入賞役及び再遊技役の置数の合計値を引いた値)。なお、「ハズレ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。また、役抽選の結果がハズレのときは、リール制御手段120は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(ハズレ目)を有効ライン上に停止表示させるように構成されている。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述した有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、入賞判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから入賞判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められたときに、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシン1においては入賞役)に応じた遊技メダルの払い出しを行う。すなわち、この払出制御手段140は、リール21a〜21cの所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段としての機能を有している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを電子情報として貯留することができる(このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)を超える遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパーモータ70を作動させてホッパー装置に行わせるように構成されている。また、払出制御手段140は、清算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。この遊技媒体貯留手段141に貯留されているクレジット数は、このスロットマシン1の前面(前扉3)の所定の位置(例えば、前扉3の上端部)に表示される(貯留されているクレジット数を表示する部分を「クレジット表示部」と呼ぶ)。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、設定変更キースイッチ36の操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源スイッチ35がオフにされている状態で設定変更キースイッチ36をオンにしたまま電源スイッチ35をオンして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を更新又は入力し、スタートレバー32を操作した後、設定変更キースイッチ36をオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、当選役決定手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図7〜図9に示す当選確率は一例である(例えば、設定値が1のときの値である)。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(後述する遊技状態など)は保持される一方、他の情報(後述する内部遊技状態など)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態(RT5遊技状態)にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態(RT4遊技状態)においても設定値の変更ができないように構成してもよい。また、フリーズが実行されているときは設定変更できないように構成してもよい。
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、このスロットマシン1における遊技状態及び内部遊技状態を制御するものであり、RT遊技状態制御手段161及び内部遊技状態制御手段162を有して構成される。
(RT遊技状態制御手段161)
まず、遊技状態(以降の説明では「RT遊技状態」とも呼ぶ)の移行に関して説明する。図10に示すように、工場出荷時のような初期状態において、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、非RT遊技状態(SB未作動時)になる。設定値が変更されたときに遊技状態を初期化する仕様の場合、このスロットマシン1の電源が投入されて設定値が変更されたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)も、非RT遊技状態(SB未作動時)になる。
また、非RT遊技状態(SB未作動時)において、上述した特別役(SB)に当選し、当該遊技で有効ライン上に特別役(SB)の図柄の組み合わせが停止表示されると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT1遊技状態(SB作動時)に移行する。なお、以降の説明ではこの遊技状態を「SB−1遊技状態」と呼ぶ。そして、SB−1遊技状態で1遊技が実行されると、RT遊技状態制御手段161は、条件に応じてこのスロットマシン1の遊技状態を、非RT遊技状態(SB未作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時)、SB−0遊技状態のいずれかに移行させる。具体的には、SB未作動状態/SB作動状態に関わらず、RT1遊技状態に移行してから実行された遊技数が所定の遊技数(以下「333ゲーム」として説明する)より少なく、かつ、SB−1遊技状態に移行して実行された遊技で特別役(SB)に当選してこの特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、RT1遊技状態(SB未作動時)に移行し、RT1遊技状態での遊技数が333ゲームに到達し、かつ、特別役(SB)の図柄の組み合わせが停止表示されていないときは、非RT遊技状態(SB未作動時)に移行し、RT1遊技状態での遊技数が333ゲームに到達し、かつ、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは、非RT遊技状態(SB作動時)に移行する(以降の説明ではこの遊技状態を「SB−0遊技状態」と呼ぶ)。すなわち、SB未作動時/SB作動時に関わらず、RT1遊技状態での遊技数が333ゲームに到達したときは、非RT遊技状態に移行し、333ゲームより少ないときは、RT1遊技状態に移行するように構成されている。また、RT1遊技状態(SB未作動時)であるときも同様に、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、SB未作動時/SB作動時に関わらず、RT遊技状態での遊技数が333ゲームに到達したときは、当該遊技で特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはSB−0遊技状態に移行させ、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないときは非RT遊技状態(SB未作動)に移行させ、333ゲームより少ないときで、かつ、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、SB−1遊技状態に移行させる。
なお、上記遊技状態の移行を判断するためのRT1遊技状態での遊技数は、RT1遊技状態(SB未作動時)及びSB−1遊技状態(RT1遊技状態(SB作動時))から他の遊技状態へ移行したときは(RT1遊技状態(SB未作動時)とSB−1遊技状態(RT1遊技状態(SB作動時))との間の移行は除く)、クリアされる(0が設定される)、若しくは他の遊技状態からRT1遊技状態に移行するときにクリアされるように構成されている。
また、特別役(BB−B、C)又は特別役(MB−A〜E)に当選して当該特別役に対応する特別遊技が終了すると、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、RT2遊技状態に移行させる。さらに、RT遊技状態制御手段161は、このRT2遊技状態において、有効ライン上に特別役(SB)の図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技状態をSB−1遊技状態に移行させ、有効ライン上に再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示されると、遊技状態をRT1遊技状態(SB未作動時)に移行させる。
また、非RT遊技状態(SB未作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時)、SB−0遊技状態、SB−1遊技状態、RT2遊技状態において、特別役(BB−A〜C)に当選し、その遊技で当選した特別役(BB−A〜C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないと、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、特別役(BB−A〜C)の内部中遊技状態であるRT3−1遊技状態に移行させる。また、RT遊技状態制御手段161は、このRT3−1遊技状態において、当選している特別役(BB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、このスロットマシン1の遊技状態を、BB−Aが作動している状態であるBB−A遊技状態に移行させ、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、BB−B又はBB−Cが作動している状態であるBB−BC遊技状態に移行させる。なお、非RT遊技状態(SB未作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時)、SB−0遊技状態、SB−1遊技状態、RT2遊技状態において、特別役(BB−A〜C)に当選し、その遊技で当選した特別役(BB−A〜C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときも、当選した特別役に応じて、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、BB−A遊技状態又はBB−BC遊技状態の何れかに移行させる。そして、BB−A遊技状態で、上述した終了条件を満足すると(具体的には、この特別遊技で払い出された遊技メダルの枚数が264枚を超えると)、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を非RT遊技状態(SB未作動時)に移行させる。また、BB−BC遊技状態で、上述した終了条件を満足すると(具体的には、この特別遊技で払い出された遊技メダルの枚数が132枚を超えると)、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態をRT2遊技状態に移行させる。
また、非RT遊技状態(SB未作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時)、SB−0遊技状態、SB−1遊技状態、RT2遊技状態において、特別役(MB−A)に当選し、その遊技で当選した特別役(MB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないと、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、特別役(MB−A)の内部中遊技状態であるRT3−2遊技状態に移行させる。また、このRT3−2遊技状態において、有効ライン上に特別役(MB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたとき、及び、非RT遊技状態(SB未作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時)、SB−0遊技状態、SB−1遊技状態、RT2遊技状態において、特別役(MB−A〜E)に当選し、その遊技で当選した特別役(MB−A〜E)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときに、RT遊技状態制御手段161は、このスロットマシン1の遊技状態を、MB−A〜Eが作動している状態であるMB遊技状態に移行させる。さらに、RT遊技状態制御手段161は、MB遊技状態において、上述した終了条件を満足すると(具体的には、この特別遊技で払い出された遊技メダルの枚数が1枚を超えるか、特別役(SB)に当選すると)、このスロットマシン1の遊技状態をRT2遊技状態に移行させる。
このRT遊技状態制御手段161で制御される遊技状態は、図6〜図8に示すように、当選する役及びその当選確率(図7及び図8に示す置数)を決定する、言い換えると、この遊技状態及び設定値に基づいて、後述する役抽選処理S5080で選択される役抽選テーブルが決定されるように構成されている。
なお、何れの遊技状態においても、入賞役に当選して対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される(入賞する)と払出制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが停止表示されることにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、有効ラインに当選役とは異なる遊技状態移行図柄(遊技メダルの払い出しや再遊技の付与の対象とならない図柄の組み合わせ)を停止表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
(内部遊技状態制御手段162)
次に、内部遊技状態の移行に関して説明する。本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技状態の他に、払い出される遊技メダルの枚数に影響する演出状態(具体的にはAT遊技)を、内部遊技状態制御手段162で管理するように構成されている。ここで、AT遊技とは、上述した入賞役A1〜A6や再遊技役E1〜E3のように、ストップボタン33a〜33cを操作するときに、その押し順を上述した獲得枚数表示器72及び画像表示装置41等を用いて遊技者に報知する(アシストする)ことで、11枚役(入賞役01、入賞役02又は入賞役03)の図柄の組み合わせや再遊技役01又は再遊技役03の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができるという遊技者に有利な遊技を提供するものである。従来の遊技機におけるAT遊技は、副制御手段200で管理していたが、副制御手段200を不正に改造する行為がなされたり、副制御手段200へ不正なコマンドを注入することで、強制的にAT遊技にされたりする可能性があった。また、AT遊技のような遊技メダルの枚数に影響するような遊技を実行するか否かは、主制御手段100により管理するように求められるようになった。加えて、有利遊技(AT遊技)が際限なく継続してしまうことを防止することを求められるようになった。そのため、主制御手段100において、図11に示すような複数の有利区間種別と内部遊技状態とを組み合わせることによりこの演出状態を管理するように構成されている。
なお、有利遊技(AT遊技)の管理は、詳細は後述するが、非有利区間(通常区間)、待機区間、有利区間で管理される。まず、有利区間においては、滞在可能な遊技期間(遊技数)の上限値を定め、有利区間中でのみ、有利遊技(AT遊技)に関する処理及び抽選を行うことができる。一方、非有利区間では有利区間又は待機区間に移行するか否かの決定を行うことができるが、有利遊技(AT遊技)に関する処理及び抽選を行うことはできない。そのため、有利区間における遊技期間が上限値に達すると、非有利区間に移行させることにより、有利遊技(AT遊技)が継続され続けることを防止できる。また、有利区間(待機区間)に移行するか否かの決定(有利区間への移行抽選)の契機、及び、有利遊技(AT遊技)に関する抽選の契機としては、設定差(設定値による当選確率の差)のない役の当選に限定される。そもそも設定値は有利度合いを定めるものであるが、従来の遊技機では、設定値が高いと有利遊技(AT遊技)をし続けることができ、設定値が低いと有利遊技(AT遊技)が実行されにくく、また、有利遊技(AT遊技)が実行されてもすぐに終了してしまう等の差が大きいものであった。そこで、有利遊技(AT遊技)に関しては、設定値によって差を設けないことで適度な有利遊技(AT遊技)を提供することができる。
以下に、この内部遊技状態制御手段162で管理する有利区間種別と内部遊技状態について説明する。ここで、本実施形態においては、「有利区間種別」は「0〜3」の4つの状態を有し、内部遊技状態は「0〜5」の6つの状態を有している。
−有利区間種別について−
有利区間種別が「0」(以下、「有利区間種別0」と呼ぶ)であるときは、非有利区間(通常区間とも呼ぶ)を示しており、通常遊技時(非内部中、内部中)及び特別遊技時(BB遊技時、MB遊技時、SB遊技時)の全ての遊技状態で滞在する可能性がある。この非有利区間では、有利遊技(AT遊技)に関する処理や抽選を実行することができない。但し、後述する有利区間へ移行するか否かの抽選を行うことは可能である。
有利区間種別が「1」(以下、「有利区間種別1」と呼ぶ)であるときは、待機区間を示している。この状態は、特別遊技のうち、SB遊技及びMB遊技が実行されていないとき(SB及びMB未作動時)の有利区間種別0中(すなわち非有利区間中)に当選した設定差なしの特別役の内部中(具体的には、BB−B、BB−C、MB−Aの内部中)の状態である。なお、当選している特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたとき(ボーナス作動図柄表示時)に、有利区間種別は、後述する「2」に設定される。また、この有利区間種別1のときは、有利遊技(AT遊技)に関する抽選(有利区間への移行抽選)及びそれに関する処理は実行されない。
有利区間種別が「2」(以下、「有利区間種別2」と呼ぶ)であるときは、有利区間を示している。この状態においては、ATに関する処理(例えば、押し順ベルや押し順リプレイに当選したときに所定の押し順が報知される等)を実行することが可能である。具体的には、この有利区間種別2の状態において、上述したRT2遊技状態にあり、押し順リプレイ(再遊技−E1〜E3)に当選すると、RT2遊技状態を維持する(再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されない)押し順(図9(b)において「○」が示された押し順)が報知される。また、後述する内部遊技状態が1より大きい場合(すなわち、内部遊技状状態が「2」,「3」,「4」,「5」の場合)は、押し順ベル(入賞役−A1〜A6)が当選したときに、その正解押し順(図9(a)において「○」が示された押し順)が報知される。なお、有利区間種別2の終了条件は、後述する、AT継続回数カウンタの値が所定値(例えば22)より小さいときは、内部遊技状態により変化する。一方、AT継続回数カウンタの値が所定値以上のときは、有利区間カウンタの値が所定値(例えば1500)になるまで有利区間種別2の状態(AT状態)が継続する。ここで、有利区間カウンタは、有利区間種別が「2」以上であるときの遊技数を管理する値であり、この値が所定の値に到達すると、有利区間を終了し、有利区間種別0に移行するように構成されている。
なお、有利区間種別0において、特別役(BB−B、BB−C、MB−A〜E)に当選すると、その時点で有利区間種別1に移行し、これらの特別役に対する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると有利区間種別2に移行するように構成されている。また、特別役(BB−B又はC)に当選したときは、後述する内部遊技状態2に移行する(特別役(MB−A〜E)に当選したときはその時点の内部遊技状態が維持され、特別役(BB−A)に当選したときは有利区間種別が移行しない)ように構成されている。
有利区間種別が「3」(以下、有利区間種別3」と呼ぶ)であるときは、有利区間中に移行したボーナス内部中の状態であり、有利遊技(AT遊技)に関する処理の一部及び抽選は実行されない(内部中遊技状態に移行するのは、特別役のうち、BB−A、BB−B、BB−C及びMB−Aに当選したときであって、押し順ナビは実行可能である)。そして、ボーナス作動図柄表示時に(特別遊技が実行されると決定されたときに)有利区間種別に「2」を設定する。ここで、MB−A作動図柄表示時の内部遊技状態は、既に設定されている状態を引き継ぐ。また、BB−B又はBB−C作動図柄表示時は、内部遊技状態に「4」を設定する。さらに、上記以外の場合(BB−A作動図柄表示時)は、内部遊技状態に「5」を設定する。
−内部遊技状態について−
ここでは、有利区間種別が「1」以上であるときの内部遊技状態について説明する。なお、有利区間種別0のときの内部遊技状態は、内部遊技状態0として管理している。また、工場出荷時点のような通常時も、有利区間種別0及び内部遊技状態0となる。また、有利区間種別0のときは、所定の条件を満たすと(後述するように、特別遊技が実行されていない状態で、設定差のない特別役(BB−B,C又はMB−A〜E)に当選すると)、有利区間種別1に移行する。
内部遊技状態が「0」(以下、「内部遊技状態0」と呼ぶ)であるときは、有利遊技(AT遊技)の前兆準備中の状態を示しており、後述する前兆状態(内部遊技状態1)の後に有利遊技(AT遊技)に移行するかの決定をする状態である。なお、前兆状態(内部遊技状態1)のうち、その前兆状態の後に有利遊技に移行しない場合を「フェイク」と呼び、移行する場合を「本前兆」と呼ぶ。本実施形態に係るスロットマシン1において、この内部遊技状態0は主にMB作動中に滞在する状態であり、有利区間種別0のときに特別役(MB−A〜E)に当選すると、上述した有利区間への移行抽選(AT抽選であって、その結果には上述したフェイク及び本抽選を含み、以下「前兆フラグ抽選」と呼ぶ)を実行するとともに有利区間種別1に移行し(内部遊技状態0は継続する)、当該特別役(MB−A〜E)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると有利区間種別2に移行して特別遊技であるMB遊技が開始される。ここで、前兆フラグ抽選が実行されると、その抽選の結果に応じて前兆フラグに「1」又は「2」が設定される。なお、前兆フラグの値が「0」のときは前兆フラグ抽選が行われていないことを意味し、「1」及び「2」のときはフェイクを意味し、「3」のときは、有利遊技の前兆(本前兆)であることを意味している。なお、本実施形態においては、前兆フラグは「0」〜「3」の値で管理しているが、「4」、以上の値を管理するように構成してもよい。この場合、内部遊技状態0において、前兆フラグ抽選の条件を満たすと、前兆フラグの値に所定の値(例えば「1」)を加算するか否かを判断し(前兆フラグのランクアップ抽選を行い)、前兆フラグの値に応じて、前兆遊技数の長さを決定したり、前兆遊技後の有利遊技(AT遊技)における遊技数を決定したりするように構成してもよい。一方、本実施形態では、MB遊技の実行中(有利区間種別2で内部遊技状態0のとき)に前兆フラグ抽選の条件を満たすと、前兆フラグが「1」又は「2」のときは、「3」にするか否かの抽選を行い、「3」のときは、有利遊技(AT遊技)の遊技数に上乗せ遊技数を加算するか否かを抽選で決定するように構成されている(この抽選を「前兆フラグ加算抽選」と呼ぶ)。ここで、本実施形態において、「前兆フラグ抽選の条件」は、MB遊技中は再遊技役−Dであり、その他のときは、入賞役−C,D,E、H,Iに当選したときである(図6から明らかなように、これらの役の当選確率は、設定値による差がない(どの設定値でも、同じ当選確率(置数))である)。そして、MB遊技の終了時(MB作動終了時であって内部遊技状態0である)に、前兆状態(フェイク及び本前兆)の遊技数を抽選で決定し、内部遊技状態に「1」が設定される。
内部遊技状態が「1」(以下、「内部遊技状態1」と呼ぶ)であるときは、フェイクを含むAT遊技の前兆状態を示している(この内部遊技状態1のときの遊技を「前兆遊技」とも呼ぶ)。この内部遊技状態1にあるときも、上述した前兆フラグ抽選の条件を満たすと前兆フラグ加算抽選が実行される(前兆フラグが「3」になるか、上乗せ遊技数が決定される可能性がある)。また、RT2遊技状態にあり、再遊技役−E1〜E3に当選したときは、このRT2遊技状態を維持するための押し順が報知される。そして、前兆遊技が終了すると(上述したように、内部遊技状態0で設定された前兆遊技数の遊技が実行されると)、前兆フラグが「3」のときは、内部遊技状態に「2」が設定されて有利遊技であるAT遊技が実行され(有利区間種別2が継続する)、前兆フラグが「1」又は「2」で且つMB遊技が作動していない(MB未作動時)ときは、ATに関する情報がクリアされて(図48に示すようにこのATに関する情報には有利区間種別及び内部遊技状態が含まれており、クリアすることにより有利区間種別に「0」が設定され、且つ、内部遊技状態に「0」が設定される)、非有利区間に移行する。ここで、「ATに関する情報をクリア」するとは、ATに関する情報(図48に示す変数)に「0」が設定されることである。
なお、有利区間種別0のときに設定差のない特別役(BB−B又はC)に当選すると、有利区間種別1及び内部遊技状態1に移行して上述した有利区間への移行抽選(前兆フラグ抽選)が行われ、この特別役(BB−B又はC)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると前兆遊技数が設定されるとともに有利区間種別2に移行するため、BB−B又はCに対応した特別遊技が実行されているときに、前兆状態となり、この前兆状態において上述した前兆フラグ加算抽選が実行される。また、前兆状態において前兆遊技数の遊技が実行されると、前兆フラグの値に応じて内部遊技状態2又は内部遊技状態0に移行する(内部遊技状態0に移行するときは有利区間種別0に移行する)。また、有利区間種別0のときに設定差のある特別役(BB−A)に当選したときは、有利区間への移行抽選(前兆フラグ抽選)は実行されない。
内部遊技状態が「2」(以下、「内部遊技状態2」と呼ぶ)であるときは、有利遊技であるAT遊技が実行される状態を示している。内部遊技状態1からこの内部遊技状態2に移行するときに、AT遊技の初期遊技数として所定の遊技数が設定される。ここで、「所定の遊技数」としては、前兆フラグ抽選に当選して前兆フラグの値が「3」に設定されたとき、又は前兆フラグ加算抽選に当選して前兆フラグの値に「3」が設定されたときに40ゲームが設定され、その後の前兆フラグ加算抽選で遊技数が上乗せされているときは、40ゲームにその上乗せ遊技数が加算された値が設定される。また、この内部遊技状態2でAT遊技が実行されているときも、所定の条件を満たすとその時点で実行されているAT遊技の遊技数に上乗せされる遊技数が抽選で決定されるように構成されている。また、初期設定された遊技数や、AT遊技中に上乗せされた遊技数の遊技が実行されて、当該AT遊技の残り遊技数が「0」になると(1セットのAT遊技が終了すると)、AT遊技を継続するか否かの抽選(AT継続判定抽選)が行われ、「継続する」と決定したときは、再度所定の遊技数が設定されてAT遊技が実行され、「終了する(継続しない)」と決定したときは、ATに関する情報がクリアされて(これにより有利区間種別に「0」が設定され、且つ、内部遊技状態に「0」が設定される)、非有利区間に移行する。なお、AT継続判定抽選により「継続する」ことが決定すると、後述するAT継続回数カウンタに「1」が加算され、このAT継続回数カウンタの値が所定の値(例えば「22」)を超えると、上述した有利区間カウンタの値が所定値(1500ゲーム)になるまでAT遊技が継続するように構成されている。同様に、後述する内部遊技状態3のときに所定の条件を満たしたときも、有利区間カウンタの値が所定値(1500ゲーム)になるまでAT遊技が継続するように構成されている。
内部遊技状態が「3」(以下、「内部遊技状態3」と呼ぶ)であるときは、有利区間中に特別役(BB−A〜C)に当選して特別遊技であるBB遊技が終了した後の状態である。本実施形態に係るスロットマシン1では、特別役のうち、設定値による当選確率の差(この差を「設定差」と呼ぶ)がある特別役であるBB−Aに当選して特別遊技が実行されると後述する内部遊技状態5に移行し、当該特別遊技が終了すると、この内部遊技状態3に移行する。また、特別役のうち設定差のない特別役であるBB−B又はBB−Cに当選して特別遊技が実行されると後述する内部遊技状態4に移行し、当該特別遊技が終了すると、この内部遊技状態3に移行する。この内部遊技状態3には、上述した特別遊技(BB−A〜C)の終了後の1遊技だけ滞在し、当該遊技において、内部遊技状態2のAT遊技の継続時と同様に、AT継続回数カウンタに「1」が加算され、AT遊技の初期遊技数が設定され、内部遊技状態2に移行するように構成されている。また、AT継続回数カウンタの値が「0」のときは、AT継続確定抽選が行われ、この抽選に当選したときは、上述した有利区間カウンタの値が所定値(1500ゲーム)になるまでAT遊技が継続するように構成されている。なお、後述する内部遊技状態4において、加算抽選に当選して上乗せ遊技数が決定されたときは、上記AT遊技の初期遊技数は、上述した所定値(40ゲーム)に上乗せ遊技数が加算された値が設定される。
内部遊技状態が「4」(以下、「内部遊技状態4」と呼ぶ)であるときは、有利区間中に設定差のない特別役(BB−B又はBB−C)に当選して、当該特別役に対応した特別遊技が実行されている状態である(上述したBB−BC遊技状態にあるとき)。この内部遊技状態4にあるときは、遊技毎にAT遊技の加算抽選(上乗せ遊技数の抽選)が実行され、内部遊技状態3から内部遊技状態2に移行するときのAT遊技の初期遊技数に加算される。当該特別遊技の終了時に(BB―BC遊技状態からRT2遊技状態に移行すると)、上述した内部遊技状態3に移行する。
内部遊技状態が「5」(以下、「内部遊技状態5」と呼ぶ)であるときは、有利区間中に設定差のある特別役(BB−A)に当選して、当該特別役に対応した特別遊技が実行されている状態である(上述したBB−A遊技状態にあるとき)。この内部遊技状態5は、設定差のある特別役に対応した特別遊技中であるため、ATに関する抽選及び処理は実行されない。当該特別遊技の終了時に(BB―A遊技状態から非RT遊技状態に移行すると)、上述した内部遊技状態3に移行する。このように、内部遊技状態4のときも、内部遊技状態5のときも、内部遊技状態3を経由して内部遊技状態2に移行するため、有利区間中であって内部遊技状態1であるときは、設定差のある特別役(BB−A)であっても、設定差のない特別役(BB−B又はC)であっても、内部遊技状態2に移行することになる。
(フリーズ制御手段170)
フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定の期間において不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズ演出を行う。すなわち、このフリーズ制御手段170は、フリーズ演出を実行するための抽選を行う抽選手段としての機能を有している。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受け付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受け付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受け付け、又は、リール21a〜21cの停止操作の受け付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受け付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
また、フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサ(第1及び第2投入センサ61,62)による遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止状態にしている期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受け付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリール21a〜21cの回転は行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズ演出が発生するか否かを決定するように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付処理より後の停止制御処理を行うので、停止受け付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止状態にさせるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、リール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるリール21a〜21cの回転態様として、リール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、リール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リール21a〜21cの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリール21a〜21cの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン32)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止状態の期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止状態の期間を短くする制御処理として、一時停止状態の期間を強制終了すること、または、一時停止状態の期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止状態の期間を長くする制御処理として、一時停止状態の期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止状態の期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止状態の期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止状態の期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる(以降の説明では単に「疑似遊技」とも呼ぶ)。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付処理からリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、リール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動き(揺れ変動)を行ってもよい。これにより、通常の遊技(以降の説明では「本遊技」と呼ぶ)であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ演出は、所定の期間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の期間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ演出をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の期間が経過する前に、さらに所定の期間だけフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ演出が終了した時点のリール21a〜21cの状態によっては、この状態からリール21a〜21cを回転開始させると、リール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ演出後に、リール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ演出が実行されないときのリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ演出が実行された後のリール21a〜21cの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ演出でリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、リール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ演出が実行される前の状態に戻し、そこから回転を開始するように構成することができる。
(操作順序判定手段175)
操作順序判定手段175は、上述した押し順ベルや押し順リプレイが当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序(押し順)を取得し、当選役に割り当てられた押し順か否かを判定する手段である。この判定結果に基づいて、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止図柄の決定や、フリーズ状態の移行が行われる。
(外部信号送信手段180)
外部信号送信手段180は、主制御手段100に接続された外部集中端子板80を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。
(制御コマンド送信手段185)
制御コマンド送信手段185は、主制御手段100の情報を副制御手段200に伝達するための制御コマンドを送信するための手段である。副制御手段200は、後述するように、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、演出の態様や実行タイミングを決定するように構成されている。なお、副制御手段200による制御コマンドの取りこぼし等を防止するために、同じコマンドを2回送信するように構成してもよい。
(第2乱数発生手段190)
主制御手段100は、この主制御手段100により発生する乱数値の更新が行われる第2乱数発生手段190を有している。この第2乱数発生手段190により発生する乱数値は2バイトの乱数値であって、ソフト乱数とも呼ばれる。この第2乱数発生手段190は、後述する割込処理S570が実行されるごとにソフト乱数更新処理S5570が実行されその値が更新されるように構成されている。また、このソフト乱数更新処理S5570は、遊技進行メイン処理S550により、遊技を開始してからスタートレバー32が操作されるまでの間と、リール21a〜21cが回転を開始してから全てのリールが停止するまでの間においても実行されるように構成されている。このように、割込処理S570だけでなく、遊技進行メイン処理S550内のループ処理においてソフト乱数を更新することにより、後述する遊技進行メイン処理S550内のソフト乱数の更新タイミング及び回数は、遊技者の操作の影響を受けて変化するため(1回の単位遊技でソフト乱数が更新される回数が遊技者の操作タイミング等で変化するため)、この第2乱数発生手段190で発生される乱数値(ソフト乱数)のランダム性を担保することができる。
(主制御手段100による押し順の報知)
上述したように、押し順ベル(入賞役−A1〜A6)は、ストップボタン33a〜33cの押し順により獲得できる遊技メダルの枚数が変化する。また、押し順ベルに加えて押し順リプレイ(再遊技役−E1〜E3)は、ストップボタン33a〜33cの押し順により、遊技状態が移行するため、結果として獲得できる遊技メダルの枚数に影響がある。したがって、これらの押し順については、その押し順を報知するときは、演出制御手段301を介して画像表示装置41で報知するだけでなく、主制御手段100でも報知するように構成されている(画像表示装置41が故障したときなど、主制御手段100のみでも遊技できるようにするため)。具体的には、本実施形態に係るスロットマシン1では、獲得した遊技メダルの枚数を表示するための獲得枚数表示器72に押し順を報知するように構成されている。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における獲得枚数表示器72は、例えば、図12(a)に示す7セグメントディスプレイで構成されており、図1には図示していないが、前扉3の前面側に配置されている。この7セグメントディスプレイは、7個のセグメント(発光体)で構成されており、少なくとも0〜9の数字を表示可能である。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、3つのストップボタン33a〜33cに対して、(左中右)、(左右中)、(中左右)、(中右左)、(右左中)、(右中左)の6個の押し順、並びに、第1停止が左ストップボタン33aのとき、中ストップボタン33bのとき及び右ストップボタン33cのときの3個の押し順からなる合計9個の押し順がある。したがって、本実施形態に係るスロットマシン1では、押し順を報知可能な役に当選したときは、獲得数表示器72の一桁を用いて(本実施形態のスロットマシン1における獲得数表示器72は図12(b)に示すように、二桁の枚数が表示可能であり、その1の位の表示器(デジット4)を用いて)、1〜9の数字を表示させることにより、上記の押し順を報知する(報知しない場合を含む)ように構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、押し順が割り当てられた役に対してその押し順を示す指示番号が割り当てられており、その指示番号により、獲得数表示器72及び後述する演出制御手段301で画像表示装置41に演出で表示される押し順を決定するように構成されている。図13(a)に押し順が割り当てられた役の条件装置番号と指示番号との対応関係を示し、図13(b)に指示番号と獲得数表示器72及び画像表示装置41への指示内容を示す。例えば、条件装置番号が「8」の入賞役−A1は、報知される押し順が「左中右」であるため、指示番号は「A1」となり、獲得数表示器72には「1」と表示され、画像表示装置41には「1・2・3」と表示される。また、条件装置番号が「12」の入賞役−A5は、報知される押し順が「右左中」であるため、指示番号が「A5」となり、獲得数表示器72には「5」と表示され、画像表示装置41には「2・3・1」と表示される。また、正解押し順の第1停止が左ストップボタン33aである再遊技役−E1に対して、指示番号「A7」(その指示内容は(1・−・−))が割り当てられ、正解押し順の第1停止が中ストップボタン33bである再遊技役−E2に対して、指示番号「A8」(その指示内容は(−・1・−))が割り当てられ、正解押し順の第1停止が右ストップボタン33cである再遊技役−E3に対して、指示番号「A9」(その指示内容は(−・−・1))が割り当てられる。なお、押し順を有しない役に当選したとき、押し順を有するが、その押し順により獲得できる遊技メダルの枚数に影響がない役、及び、押し順を報知しない内部遊技状態のときは、指示番号が「A0」となる。なお、図13(b)において、指示番号が「A0」のときの獲得数表示器72の指示内容は「表示なし」になっているが、「0」を表示するように構成してもよいし、獲得数表示器72の2桁の表示部の各々に「=」のような特殊態様を表示するようにしてもよい。
ここで、獲得数表示器72の表示において、遊技者が、獲得枚数が表示されているのか、押し順に関する情報が表示されているのかを判別可能なように、指示番号により押し順に関する情報を表示するときは、十の位の7セグメントディプレイに所定の記号(例えば、図12(b)に示すように、セグメントdとセグメントgを発光させた2本線)を表示するように構成されている。またこのとき、押し順ベルに対する押し順の情報か、押し順リプレイに対する押し順の情報かを判別可能なように、押し順ベルに対しては2本線を表示し、押し順リプレイに対しては3本線(例えば、セグメントa、セグメントd及びセグメントgを発光させる)を表示するなど、異なる記号を表示するように構成してもよい。なお、獲得数表示器72ではなく、専用の表示器を設けてもよいし、7セグメントディスプレイに限らず、その他の表示媒体を用いてもよい。例えば、複数のLED表示器を設け、その点灯パターンで上述した指示内容を表示してもよい。また、指示番号の代わりに、上述した当選番号(条件装置番号)を直接表示してもよいし、7セグメントディスプレイにより表示できる記号を用いて表示してもよい。また、ストップボタン33a〜33cの操作に応じて獲得数表示器72に表示する情報(数字または文字)が変化するように構成してもよい。具体的には、指示番号が「A1」のときは、スターレバー32が操作された時点で「1」を表示し、第1停止で左ストップボタン33aが操作されると「2」を表示し、第2停止で中ストップボタン33bが操作されると「3」を表示するように、左リール21a、中リール21b、右リール21cを「1」、「2」、「3」と対応付けて次に操作すべきリールを指示するように構成してもよい(第3停止で右ストップボタン33bが操作されると表示を消す)。
また、本実施形態のように、入賞役−A1〜A6が6つの正解押し順(6択)があり、再遊技役―E1〜E3が3つの正解押し順(3択)があるときに、3択の再遊技役―E1〜E3に対しても6択の正解押し順を報知するように構成してもよい(例えば、再遊技役―E1に当選したときの正解押し順(再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されない押し順)は、第1停止が左ストップボタン33a(指示番号が「A7」)であるが、「左中右」又は「左右中」の押し順(指示番号が「A1」又は「A2」)を抽選又は予め定められた基準で決定して報知するように構成してもよい)。
あるいは、2桁の獲得表示器72の上位桁を最初に停止させるリール、下位桁を次に停止させるリールを示すようにしてもよい(例えば、左リール21aを「1」、中リール21bを「2」、右リール21cを「3」で表示する)。
押し順に関する情報の表示(指示表示)は、原則、スタートレバー32が操作されてから、リール21a〜21cが定速回転に達する(ストップボタン33a〜33cの操作受け付けが有効となる)までの間に行われることが好ましい。また、獲得数表示器72による指示表示が行われた後に、画像表示装置41による指示表示が行われることが好ましい。これにより、主制御手段100から誤った指示番号が送信された場合や、副制御手段200(演出制御手段301)が主制御手段100から受信した指示番号とは異なる指示番号に対応する指示を行った場合であっても、既に、獲得数表示器72による指示表示が行われているので、その指示表示が、主制御手段100と副制御手段200で異なっていることに気が付くとともに、このような場合であっても、獲得数表示器72による指示表示に従っていれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
なお、指示表示は、リール演出(上述したフリーズ演出等)が終了してから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに指示表示が行われるようにしてもよい。また、リール21a〜21cが回転を開始してから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに指示表示が行われるようにしてもよい。また、リール21a〜21cが定速回転に達したと同時に、指示表示が行われるようにしてもよい。なお、画像表示装置41による指示表示が行われた後に、獲得数表示器72による指示表示が行われてもよいし、獲得数表示器72による指示表示と画像表示装置41による指示表示とが同時に行われてもよい。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、獲得数表示器72の指示表示を、入賞判定後にクリアするように構成している(クリア後に獲得枚数の表示を行っている)が、第3停止受付後、または全回胴停止後にクリアしてもよい。また、上記の説明では、指示表示は、スタートレバー32が操作されてから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでの間としたが、前回の遊技のスタートレバー32が操作されてから、今回の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの時間が、最小遊技時間未満であったときは、スタートレバー32が操作されてからであっても、すくに指示表示を行うのではなく、最小遊技時間が経過してから(次回の最小遊技時間をセットしてから)指示表示を行うようにしてもよい。このようにすることで、指示表示がなされているにも関わらず、なかなかストップボタン33a〜33cが操作できないといった煩わしさを解消することができる。
獲得数表示器72による押し順に関する情報の表示は、遊技者の操作により(ストップボタン33a〜33cの操作毎に)、表示内容を変更せず指示番号を表示し続けるが、画像表示装置41による表示は、遊技者の操作により、表示内容が変更される。具体的には、ストップボタン33a〜33cの受け付けが開始されるまでに画像表示装置41に上述した表示(例えば、「1・2・3」)が表示され、ストップボタン33a〜33cが操作されるごとに、操作されたストップボタンに対する表示が変化する(そのストップボタンに対する数字が消えたり、暗い表示になったりする)。したがって、獲得数表示器72による表示は、遊技者が途中で操作順序を誤った場合であっても、最後のストップボタンの操作が受け付けられるまで指示番号を表示し続ける(表示を中断しない)が、画像表示装置41による表示は、押し順ナビを表示しなくなる(表示を中断する、若しくは、指示された押し順とは異なる順序で操作されたことを表示する)。ここで、画像表示装置41による表示をしなくなるのは、他の演出(失敗演出)を行うことができるからである。もちろん、遊技者が途中で操作順序を誤った場合は、画像表示装置41による表示だけでなく、獲得数表示器72による表示も中断させてもよい。ただし、この場合は、画像表示装置41による表示を先に中断し、その後、獲得数表示器72による表示を中断させることが好ましい。このようにすることで、画像表示装置41だけの表示がなされているといった状況をなくすことができるからである。また、遊技者が途中で操作順序を誤った場合であっても、画像表示装置41による表示を中断しなくてもよい。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1において、押し順ベル又は押し順リプレイのアシストを行う状態は、有利区間種別2のときである。主制御手段100は、これらの状態を、有利区間種別で判断することができる。また、演出制御手段301も主制御手段100からこの情報を送信することによりアシストするか否かを判断することができる。
(主制御手段100から副制御手段200に対する当選役に関する情報の送信)
後述するように、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200(演出制御手段301)による演出のために、当選役決定手段110で決定された当選役を主制御手段100から副制御手段200に送信することが望ましい。しかしながら、当選役を示す条件装置番号が特定できてしまうと、正解押し順も特定できてしまうため、条件装置番号を副制御手段200に送信する構成の場合、不正行為(例えば、主制御手段100から副制御手段200に送信される制御コマンドを模した不正な制御コマンドを注入する行為、条件装置番号を抽出し正解押し順を不正に特定する行為、副制御手段200の不正改造行為等)が行われた際に、主制御手段100では、AT遊技の抽選に当選していない(指示表示が発生可能な有利区間種別(例えば、図11に示す有利区間種別2)でないにも関わらず、不正に正解押し順が特定されてしまう虞や、副制御手段200により勝手に画像表示装置41による表示が行われてしまう虞がある。そこで、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100において、条件装置番号に対しマスク処理(正解押し順の情報を特定できないようにする処理)を行い、その情報(マスクされた条件装置番号を「演出グループ番号」と呼ぶ)を、条件装置番号の代わりに、副制御手段200へ送信するように構成している。このように構成することで、副制御手段200では、条件装置番号が送られてこなくても、マスク処理後の情報(演出グループ番号)に基づいて、演出を決定することができる。もちろん、必ずしも全ての条件装置番号においてマスク処理をしなければならないものではなく、以下の例外が認められてもよい。
(1)特別役(BB−A〜C、MB−A〜E、SB)の条件装置番号
(2)押し順によって出玉に影響のないリプレイ(例えば、遊技状態の移行に影響しない再遊技役)の条件装置番号
(3)押し順によって獲得枚数に差が生じない条件装置番号
(4)獲得枚数が少ない(例えば、規定数未満)条件装置番号
(5)(3)かつ(4)
本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技の抽選に当選している、当選していないに関係なく、条件装置番号にマスク処理をして副制御手段200に送信しているが、AT遊技の抽選に当選しているときなど(例えば、指示表示が発生可能な有利区間種別や内部遊技状態)では条件装置番号を直接副制御手段200に送信し、AT遊技の抽選に当選していないときなど(例えば、指示表示が発生しない有利区間種別や内部遊技状態)では条件装置番号にマスク処理をして副制御手段200に送信するように構成してもよい。
ここで、条件装置番号のマスク処理について、図14及び図15を用いて説明する。ここで、図14はマスク処理の一例を説明するための説明図であり、図15はマスク処理の変形例を説明するための説明図である。本実施形態に係るスロットマシン1では、条件装置番号を、役の種類(再遊技役、入賞役の種類(ベル、スイカ)等)、演出の種類(同じ再遊技役でも、遊技状態の移行に関する役、弱チェリー、強チェリー等)、押し順による遊技への影響でグループ分けを行い(例えば、条件装置番号5〜7のように押し順によって出玉に影響がある再遊技役は1つのグループ、条件装置番号1〜4のように押し順によって出玉に影響ない再遊技役はそれぞれ別のグループに分ける)、図14に示すテーブルで管理している。そして、当選した条件装置番号の代わりに、このテーブルを用いて演出グループ番号を決定し、決定された演出グループ番号を副制御手段200に送信することで、如何なる条件装置番号に当選したか特定できないようにしている。その結果、正解の押し順を特定することができないようにしている。役の種類や、演出の種類は特定できるので、副制御手段200では、条件装置番号が送られてこなくても、当選役に応じた演出を決定することができる。例えば、この図14において、条件装置番号が5〜7の役(再遊技役−E1〜E3)に当選したときは、演出グループ番号として「5」が主制御手段100から副制御手段200に送信されるため、演出グループ番号が「5」であることを特定できても、当選している役や、その正解押し順については特定することができないが、再遊技役に応じた演出を決定することはできる。
なお、条件装置番号を演出グループ番号に変換する代わりに、図15に示すように、条件装置番号を、上述したグループ分けを行い、当選した条件装置番号を、グループごとに共通の番号に書き換え、書き換え後の番号を副制御手段200送信することで、如何なる条件装置番号に当選したか特定できないようにすることも可能である。図15は、当選役に割り当てられた条件装置番号と重複しない番号を、上記グループに割り当てた場合を示している。例えば、条件装置番号が5〜7の役(再遊技役−E1〜E3)に当選した場合、条件装置番号が「28」に変換される。このように構成することで、正解押し順を特定することができないようにしている。
このようなマスク処理後の情報は、基本的に主制御手段100によって参照する必要がないため、副制御手段200へ送信する直前に、マスク処理を経てから送信することが好ましい。これにより、マスク処理後の情報を、副制御手段200へ送信するまで、記憶しておく領域を別途設けておく必要がなくなるためである。もちろん、送信するよりも前に、マスク処理をしておいてもよい。
また、このようにマスク処理を行うと、副制御手段200において、演出グループ番号(又は、変換後の条件装置番号)からは正解押し順を判別することができないが、上述した指示番号が別途送信されるため、副制御手段200は、その指示番号から正解押し順を特定することができる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、指示表示が発生可能な有利区間種別(有利区間種別2)であるときは、条件装置番号に対応する指示番号(A1〜A9)が副制御手段200に送信され、指示表示が発生しない有利区間種別(有利区間種別2以外)であるときは、指示番号として「A0」が送信される。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、有利区間種別により指示表示が発生可能であるか否かを決定することができる。これにより、主制御手段100では、有利区間種別を参照するだけで、指示番号の決定や、指示表示をすることができるとともに、副制御手段200でも、受信した有利区間種別や指示番号を参照するだけで、指示表示をすることができる。
また、上述した演出グループ番号又は変換後の条件装置番号と指示番号に加えて条件装置番号を副制御手段200に送信するように構成してもよい。この場合、指示表示が発生可能な状態のときは、条件装置番号をマスクし(例えば、「0」を設定し)、指示表示が発生しない状態のときや、指示表示が発生しない役のときは、マスクをしない状態の条件装置番号を送信するように構成してもよい。
ところで、上記の説明では、有利区間種別により、指示が発生可能な状態であるか否かを定義しておくことにしたが、このような状態ごとに定義しておくことなく、指示表示が発生可能か否かを判断する指標として、別途、押し順フラグというものを設けてもよい。押し順フラグがオンであるときは、指示表示が発生可能であることを示し(有利区間種別2では常に押し順フラグがオンになり)、他方、押し順フラグがオフであるときは、指示表示が発生可能でないことを示す。このような押し順フラグを設けることにより、同じ状態であっても、指示が発生可能であるときと、指示が発生可能でないときとを設けることができる。例えば、基本的には、指示が発生しない有利区間種別0においても、押し順当てゲームを行うことができる(押し順当てゲームでは、指示が発生可能である必要があるため、押し順当てゲームを実行する遊技のみ押し順フラグをオンにする)。また、上記の説明では、内部遊技状態1(AT前兆)と内部遊技状態2(AT)を別の内部遊技状態として管理したが、これを1つの内部遊技状態にまとめるとともに、現在がAT遊技であるか否かを判断する指標として、ATフラグというものを設けてもよい。ATフラグがオンであるときは、AT遊技であることを示し、他方、ATフラグがオフであるときは、AT遊技ではない(AT前兆中である)ことを示す。
本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200において、制御コマンドとして送信される演出グループ番号(又は、変換後の条件装置番号)、及び特別役(BB、MB、SB)の条件装置番号に基づいて、スタートレバー32の操作があったものと判断し(実際は、特別役の条件装置番号に基づいて判断しているが、演出グループ番号に基づいて判断してもよい)、スタートレバー32が操作されたときの処理を行うように構成されている。すなわち、副制御手段200によるスタートレバー32の操作時の処理において、画像表示装置41による指示表示を行うためには、スタートレバー32の操作がなされてから演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号が送信されるよりも前に、指示番号が送信されていなくてはならない。また、上述したように、画像表示装置41による指示表示は、スタートレバー32の操作がなされてからリール21a〜21cが定速回転に達するまでに行われることが好ましい。また、主制御手段100により、獲得枚数表示器72による指示表示が行われた後に、指示番号、演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号が送信されることが好ましい。獲得枚数表示器72による指示表示が行われる前に、画像表示装置41による指示表示が行われることがなければ、誤った指示番号が送られた場合であっても、既に獲得枚数表示器72による指示表示が行われているので、画像表示装置41による指示表示が誤ったものであることに気づくことができるからである。すると、指示番号、演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号は、主制御手段100により、獲得枚数表示器72による指示表示が行われた後に、主制御手段100から、指示番号、演出グループ番号、特別役の条件装置番号の順で、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに副制御手段200に送信されることが好ましい。リール21a〜21cが定速回転に達するまでに、確実に、画像表示装置41による指示表示を行うためには、リール21a〜21cの回転開始前に、指示番号、演出グループ番号、特別役の条件装置番号が、制御コマンドとして送信するためのバッファにセットされていることが好ましい。
なお、主制御手段100は、副制御手段200に指示番号を送信した後に、獲得枚数表示器72による指示表示を行い、その後に、画像表示装置41による指示表示が行われるように構成してもよい。また、主制御手段100が副制御手段200に指示番号を送信した後に、遊技者が正解押し順を把握しやすい画像表示装置41による指示表示を先に行い、その後に獲得枚数表示器72による指示表示を行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は正解押し順を即時に把握できスムーズに遊技を進行することができる。また、主制御手段100が副制御手段200に指示番号を送信した後に、獲得枚数表示器72による指示表示と、画像表示装置41による指示表示とを同時に行うように構成してもよい。
また、上述した押し順フラグを設ける場合は、押し順フラグも演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号よりも前に副制御手段200に送信されている必要がある。スタートレバー32の操作時の処理において、画像表示装置41による指示表示を行うには、この時点で、押し順フラグがオンであるかオフであるかを判定する必要があるからである。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、有利区間種別及び内部遊技状態を、スタートレバー32が操作されるよりも前(後述する遊技開始処理S551において)に、副制御手段200に送信するように構成している。このようにすることで、副制御手段200では、スタートレバー32が操作されるよりも前に、次遊技の有利区間種別及び内部遊技状態(次遊技から有利区間種別及び内部遊技状態の少なくとも一方が移行するのか等も)を把握することができ、スタートレバー32が操作される前に、次遊技の有利区間種別や内部遊技状態における処理の準備を行うことができるようになる。
例えば、内部遊技状態0(前兆準備中)から内部遊技状態1(前兆)へ移行する場合は、画像表示装置41に前兆演出を表示することになるが、副制御手段200は、スタートレバー32が操作されるよりも前に、次遊技から内部遊技状態1(前兆)に移行することが把握できているので、画像表示装置41に前兆演出を表示するための準備をすることができ、スタートレバー32が操作された後に(特別役の条件装置番号の受信に基づいて)、速やかに、前兆演出を表示することができる。その他にも、内部遊技状態1(前兆)から内部遊技状態2(AT)へ移行する場合は、内部遊技状態2(AT)中に残り遊技数を表示することになるので、スタートレバー32が操作されるよりも前に、画像表示装置41に残り遊技数を表示するための準備をすることができ(例えば、画像制御基板400のビデオRAMに残りゲーム数を表示するための情報をセットする)、スタートレバー32が操作された後に、速やかに、残り遊技数を表示することができる。
また、上述したATフラグを設ける場合は、このATフラグもスタートレバー32が操作される前に、主制御手段100から副制御手段200に送信されている必要がある。
(外部集中端子基板80を介した外部への信号出力について)
上述したように、主制御手段100を構成する外部信号送信手段180は、現在の遊技に関する情報を、外部集中端子基板80を介して外部に出力するように構成されている。この外部集中端子基板80は複数の信号を出力可能に構成されている。まず、内部遊技状態2(AT)が開始する条件を満たしたことに基づいて、第1の信号(例えば、BB信号)をオンにするようにしている(AT遊技の初当り時は、第2の信号(例えば、RB信号)もオンにする)。また、内部遊技状態2(AT)の終了条件を満たしたときに、第1の信号(BB信号)をオフにするように構成している。
また、特別役(BB−A〜C)が入賞したとき(特別遊技の開始が決定したとき)に、第2の信号(RB信号)をオンにし、特別遊技の終了条件を満たしたことにより、第2の信号(RB信号)をオフにするように構成している。
また、第1の信号(BB信号)がオンであるときに、特別役(BB−A〜C)に当選したときであっても、第1の信号(BB信号)をオフにせず、特別役(BB−A〜C)が入賞したことによって第1の信号(BB信号)をオフにするとともに、第2の信号(RB信号)をオンにするようにしている。これは、特別役(BB−A〜C)の当選により第1の信号(BB信号)をオフにしてしまうと、内部遊技状態2(AT)の終了条件を満たしていないにもかかわらず、第1の信号(BB信号)がオフになることで、結果、特別役(BB)が当選したことの報知につながるためである。
なお、主制御手段100で管理するボーナスランプにより、確定報知を行った後であれば、特別役(BB−A〜C)が入賞する前であっても第1の信号(BB信号)をオフにしてもよい。但し、ボーナスランプを設けていない場合には、画像表示装置41で確定報知を行った後であっても、特別役(BB−A〜C)が入賞する前であっても第1の信号(BB信号)をオフにしてはいけない。これは、画像表示装置41は、副制御手段200により管理されるものであり、主制御手段100で管理するボーナスランプとは異なるためである。
(設定変更時の処理について)
本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技に関する情報(有利区間種別や内部遊技状態等)は、設定変更時にクリアされる。また、遊技状態に関する情報は、非RT遊技状態へ戻したくない仕様であればクリアしないが、戻してもよい仕様であればクリアする。
(主制御手段100での処理)
次に、図16〜図48を合わせて用いて主制御手段100で実行される処理について説明する。ここで、図16はプログラム開始処理の流れを示すフローチャートであり、図17は設定変更処理の流れを示すフローチャートであり、図18は電源復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図19は制御コマンドセット1処理及び制御コマンドセット2処理の流れを示すフローチャートであり、図20は遊技進行メイン処理の流れを示すフローチャートであり、図21は遊技メダル管理処理の流れを示すフローチャートであり、図22は遊技メダル投入チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図23は遊技メダル投入チェック処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図24は貯留枚数1枚加算処理及び遊技メダル1枚加算処理の流れを示すフローチャートであり、図25は役抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図26は抽選判定処理の流れを示すフローチャートであり、図27は内部遊技状態設定処理のうち、有利区間種別に対する処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図28は内部遊技状態設定処理のうち、有利区間種別に対する処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図29は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態0及び1に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図30は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態2に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図31は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態3〜5に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図32は押し順リプレイ指示発生処理の流れを示すフローチャートであり、図33は押し順ベル指示発生処理の流れの前段を示すフローチャートであり、図34は押し順ベル指示発生処理の流れの後段を示すフローチャートであり、図35はリール回転開始前処理の流れを示すフローチャートであり、図36はリール停止管理処理の流れを示すフローチャートであり、図37は遊技終了チェック処理のうちRT遊技状態遷移処理と有利区間種別1,2に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図38は遊技終了チェック処理を構成するRT遊技状態遷移処理のうち非RT遊技状態に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図39は遊技終了チェック処理を構成する遊技状態遷移処理のうちRT1遊技状態及びRT2遊技状態に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図40は遊技終了チェック処理を構成する遊技状態遷移処理のうちRT3−1遊技状態及びRT3−2遊技状態に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図41は遊技終了チェック処理を構成する遊技状態遷移処理のうちBB−A遊技状態、BB−BC遊技状態及びMB遊技状態に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図42は遊技終了チェック処理のうち内部遊技状態0及び1に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図43は遊技終了チェック処理のうち内部遊技状態2に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図44は遊技終了チェック処理のうち内部遊技状態3〜5に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図45は遊技終了チェック処理のうち有利区間種別2における最後の処理及び有利区間種別3に対する処理の流れを示すフローチャートであり、図46は割込処理及び電源断処理の流れを示すフローチャートであり、図47は制御コマンド送信処理及びソフト乱数更新処理の流れを示すフローチャートであり、図48は、内部遊技状態制御手段162で管理される情報(変数)を示す説明図である。
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100のメインCPU102で実行される遊技用制御プログラムとして、電源投入時に実行されるプログラム開始処理S500及びこのプログラム開始処理S500に続けて実行されるプログラムであって、単位遊技毎に繰り返し実行される遊技進行メイン処理S550と、所定の割込間隔で実行される割込処理S570とで構成されている。
−プログラム開始処理S500−
本実施形態に係るスロットマシン1の電源スイッチ35が操作されて電源が投入されると、主制御手段100のメインCPU102において、図16に示すプログラム開始処理S500が実行される。このプログラム開始処理S500において、主制御手段100は、まず、メインCPU102のレジスタを初期化し(ステップS501)、今回の電源投入の前の電源断において、後述する電源断処理S5400が正常に実行されたか否かを電源断処理フラグで確認する(ステップS502)。このステップS502において、電源断処理フラグが正常値である、すなわち、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断すると、主制御手段100は、RAM104の全範囲に対してチェックサムを算出する(ステップS503,S504)。なお、ステップS502において電源断フラグが正常値でない(例えば設定されていない)ために電源断処理S5400が正常に実行されていないと判断したときは、このチェックサムを算出する処理は実行されず、電源断処理フラグに異常値を設定する。異常値を設定することで、電源断復帰データが異常であるとみなされる。そして、チェックサムを算出した結果を電源断復帰データとしてレジスタに記憶する(ステップS505)。すなわち、RAM104のいずれかの領域で異常が検出された情報、若しくは、RAM104の全ての範囲で正常である情報が電源断復帰データとして記憶される。
次に、主制御手段100は、入力ポート1のデータを読み出してレジスタに記憶する(ステップS506)。この入力ポート1は、1バイト(8ビット)の情報であって、ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92、設定変更キースイッチ35及びリセット/設定スイッチ37の開閉又はオン・オフ情報が予め決められたビットに設定されるように構成されている。すなわち、この入力ポート1の1バイトの情報を読み出すことにより、ドアの開閉又は設定変更キースイッチのオン・オフを検知することができる。主制御手段100は、この入力ポート1の情報のうち、指定スイッチ(ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92及び設定変更キースイッチ36の全て)がオンであるか否かを判断する(ステップS507)。そして、これらの全てのスイッチがオンであると判断すると、主制御手段100は、ステップS505でレジスタに記憶した電源断復帰データが異常であるか否かを判断し(ステップS508)、異常で無いと判断すると、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS509)。この設定変更不可フラグは、設定変更処理を不可とするためのフラグであって、本実施形態に係るスロットマシン1では、後述する役抽選処理S555から遊技終了チェック処理S561までの間はこの設定変更不可フラグがオンとなる。主制御手段100は、ステップS507で指定スイッチの全てがオンでないと判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンでないと判断したときは、電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS510)、正常であると判断したときは電源復帰処理S532を実行し、正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS511)。また、ステップS508で電源断復帰データが異常であると判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンであると判断したときは、設定変更処理S512を実行する。
−設定変更処理S512−
主制御手段100は、設定変更処理S512に移行したときは、図17に示すように、RAM104の初期化範囲として所定範囲をレジスタに記憶する(ステップS513)。この所定範囲は、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断した場合の範囲であって、設定値データは含まれない(これらの値は初期化されない)。また、主制御手段100は上述した電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS514)、正常でないと判断したときは、RAM104の初期化範囲として特定範囲をレジスタに記憶する(ステップ515)。電源断処理S5400が正常でないと判断したときは、設定値データも初期化の対象とする。そして、主制御手段100は、上述したステップS513又はステップS515で設定された範囲の初期化を行う(ステップS516,S517)。
次に主制御手段100は、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS518)、「設定変更開始」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS519)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS520)。後述するように、この制御コマンドセット1処理S5000でセットされた制御コマンドは、割込処理S570により副制御手段200へ送信される(以降の説明においても同様である)。
また、主制御手段100は、RAM104に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS521)、正常でないと判断したときは、設定値として「1」をRAM104に記憶する(ステップS522)。そして、主制御手段100は、設定変更処理中を示すランプを点灯させ(ステップS523)、リセット/設定スイッチ37の操作を検出したときに(ステップS524)設定値を更新する(ステップS525)という処理をスタートレバー32の操作を検知するまで繰り返す(ステップS526)。ここで、設定変更処理中のランプは、例えば7セグメントディスプレイで構成され現在の設定値が表示されるように構成することができる。主制御手段100は、スタートレバー32の操作を検出し、設定変更キースイッチ36がオフになったことを検出すると(ステップS527)、RAM104等の記憶領域の情報を設定する(ステップS528)。そして、設定変更処理中のランプを消灯し(ステップS529)、「設定変更終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS530)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS531)、遊技進行メイン処理S550を実行する。
−電源復帰処理S532−
主制御手段100は、電源復帰処理S532に移行したときは、図18に示すように、RAM104に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS533)、正常であると判断したときは、RAM104の未使用領域の初期化範囲をレジスタに記憶し(ステップS534)、この初期化範囲の初期化を行う(ステップS535,S536)。次に、主制御手段100は、電源断前の入力データから最新のデータに更新するために、入力ポート0〜2のデータを読込(ステップS537)、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS538)、「電源断処理フラグ」を示すデータをRAM104からクリアし(ステップS539)、電源断がされたときに中断されたプログラムの実行位置に復帰する。なお、主制御手段100は、ステップS533で設定値が正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS540)。また、入力ポート0は、1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、清算ボタン34、1ベットボタン31a、MAXベットボタン31b、スタートレバー32、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがオンになったときに1がセットされるように構成されている。また、入力ポート2も1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、電源断を検知したとき、第1投入センサ61及び第2投入センサ62で遊技メダルを検知したとき、払出センサ71で遊技メダルを検知したとき、並びに、ホッパー装置の満杯を検知したときに1がセットされるように構成されている。
−制御コマンドセット1処理S5000・制御コマンドセット2処理S5010−
制御コマンドセット1処理S5000は、制御コマンドセット2処理S5010を呼び出して、レジスタに記憶された情報を制御コマンドとして制御コマンドバッファに記憶させるための処理である。なお、この処理で設定された制御コマンドは、後述する制御コマンド送信処理S5500で副制御手段200に送信される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における制御コマンドは2バイトデータで構成され、上位1バイトを「第1制御コマンド」と呼び、下位1バイトを「第2制御コマンド」と呼ぶ。また、副制御手段200に送信するための制御コマンドを記憶しておく制御コマンドバッファは、RAM104に設けられ、32個の制御コマンドをバッファ可能に構成されている(データサイズは64バイト)。
主制御手段100は、制御コマンドセット1処理S5000が呼び出されると、図19に示すように、まず、割込処理の実行を禁止し(ステップS5001)、制御コマンドセット2処理S5010を実行する(ステップS5002)。
この制御コマンドセット2処理S5010が呼び出されると、主制御手段100は、書込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5011)、このアドレスのデータ(書込ポインタの値)をレジスタにセットする(ステップS5012)。ここで、書込ポインタは、制御コマンドバッファにおいて、次の制御コマンドを書き込める位置を保持しており、制御コマンドバッファに1つの制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタの値に1が加算される。なお、制御コマンドバッファは循環的に使用されるため、この制御コマンドバッファの最後の領域に制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタは、制御コマンドバッファの先頭の領域の位置を記憶するように構成されている。同様に、後述する読込ポインタは、制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドであって、未だ送信されていない制御コマンドうち、最初に記憶された位置を保持している。そして、制御コマンドバッファの先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5013)、このレジスタの先頭アドレスの値に、レジスタにセットされた書込ポインタの値を2倍したものを加算することにより、制御コマンドを書き込むアドレス(以下「指定アドレス」と呼ぶ)を決定する(ステップS5014)。
次に、主制御手段100は、レジスタに記憶されている指定アドレスの位置に記憶されているデータを読み出し、このデータが「0」でないか否かを判断する。すなわち、この指定アドレスのデータが「0」でないときは、制御コマンドバッファに32個のコマンドがバッファされていることになるため、主制御手段100は、指定アドレスのデータとして「0」が記憶されているか否かを判断することにより、制御コマンドバッファに記憶されている制御コマンド数が32よりも小さいか否かを判断する(ステップS5015)。このステップS5015で制御コマンドバッファにバッファされている制御コマンドの数が32より少ないと判断すると、主制御手段100は、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RAM104に記憶されているデータを参照する必要があるデータか否かを判断し(ステップS5016)、RAM104に記憶されているデータを参照するときは、第2制御コマンドとして書き込むデータをRAM104から読み出してレジスタに記憶する(ステップS5017)。ここで、「データを参照する必要があるデータ」としては、規定数情報(再遊技時の自動投入枚数)、設定値情報、遊技状態の情報、内部遊技状態の情報等である。そして、制御コマンドセット1処理S5000が実行される直前の処理でレジスタに記憶されたデータを、第1制御コマンドを示すデータとしてRAM104の指定アドレスの位置に記憶し(ステップS5018)、レジスタに記憶されている指定アドレスに1を加算して、RAM104の第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに、レジスタに記憶されている第2制御コマンドを示すデータを記憶し(ステップS5019)、書込ポインタに1を加算し(ステップS5020)、制御コマンドセット1処理に戻る。そして、主制御手段100は、割込を許可し(ステップS5003)、制御コマンドセット1処理S5000を終了して、この制御コマンドセット1処理S5000が呼び出された処理に戻る。
−遊技進行メイン処理S550−
本実施形態に係るスロットマシン1は、電源投入後に上述したプログラム開始処理S500、設定変更処理S512、電源復帰処理S532が実行されると、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理S550が遊技毎に繰り返し実行される。ここでは、1回の遊技の進行に沿ってこの遊技進行メイン処理S550を説明する。
主制御手段100は、遊技進行メイン処理S550に移行したときは、図20に示すように、まず、遊技開始処理を実行する(ステップS551)。この遊技開始処理S551では、前回の遊技での指示番号をクリアし、また、前回の遊技で有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、今回の遊技が再遊技又は特別遊技(BB遊技)であると判断したときは、それぞれの遊技に対応する作動フラグをセットする。また、前回の遊技において、副制御手段200で実行される所定の演出が終了したときは、この所定の演出の終了に関する演出を副制御手段200で実行するために、所定の時間のウエイト(待機処理)を行う。また、各種遊技情報(設定値、遊技状態、内部遊技状態)を示す制御コマンドを制御コマンドバッファに書き込む(具体的には、上述した制御コマンドセット1処理S5000により実行される)。また、今回の遊技が再遊技であるときは、前回の遊技でベットされた遊技メダルを自動投入する処理を行う。さらに、セレクタのブロッカ60をオンにし、メダルの流路を形成する。但し、今回の遊技が再遊技であって、クレジット数が最大(50枚)であるときは、ブロッカ60をオンにしない。
次に、主制御手段100は、メダル投入口51から投入されるかベットボタン31が操作されてベットされた遊技メダルの数と規定数が一致し(遊技メダル限界フラグがオンの状態)、且つ、スタートレバー32がオンされるまで、繰り返し遊技メダル管理処理S5030を実行する(ステップS552,S553)。なお、遊技メダル限界フラグは、遊技開始処理S551でクリアされる。また、このステップS553で遊技メダル限界フラグがオンで且つスタートレバー32がオンされたと判断すると、スタートレバー受付フラグがオフにされる。また、このスタートレバー受付フラグがオンとなっているときはスタートレバー32が操作可能であることを所定のランプで報知する。そして、主制御手段100は、ステップS553でベットされた遊技メダルの枚数と規定数が一致し、且つ、スタートレバー32がオンされたと判断すると、セレクタのブロッカ60をオフし(ステップS554)、役抽選処理S5080を実行して当選役を決定し(ステップS555)、続いて内部遊技状態設定処理S5120により当選役や内部遊技状態に基づいた処理を実行する(ステップS556)。そして、所定の条件を満たしたときは、リール回転開始前処理S5170を実行し(ステップS557)、続いてリール停止管理処理により本遊技を実行し(ステップS558)、全てのリール21a〜21cが停止すると、有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせに基づいて何れかの役に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判断し(ステップS559)、入賞役に当選しているときは、停止表示されている図柄の組み合わせの入賞役に割り当てられている枚数の遊技メダルの払出しを行い(ステップS560)、遊技終了チェック処理S5220を実行し(ステップS561)、一回の遊技を終了してステップS551に戻る。
−遊技メダル管理処理S5030−
遊技メダル管理処理S5030は、上述した遊技進行メイン処理S550において、遊技開始時の遊技メダルのベットを管理するものである。遊技メダル管理処理S5030が実行されると主制御手段100は、図21に示すように、ブロッカ60がオンであるか否かを判断し(ステップS5031)、ブロッカ60がオンのときは、さらに、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5032)、いずれかの投入センサがオンのときは遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。なお、図21〜図23においては、第1投入センサ61を「投入センサ1」と表記し、第2投入センサ62を「投入センサ2」と表記する。また、ステップS5031でブロッカ60がオンでないと判断したとき、及び、ステップS5032で2つの投入センサ61,62のいずれもがオンでないと判断したときは、主制御手段100は、ベットボタン31及び清算ボタン34の操作が受け付け可能であるか否かを判断し(ステップS5033)、さらに、これらのボタンの操作が受け付け可能であるときは、ベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出したか否かを判断する(ステップS5034)。そして、ステップS5034で操作受付を検出したときは、その操作受付が清算ボタン34に対する操作であるときは、遊技メダル清算処理を実行し(ステップS5036)、清算ボタン34に対する操作でないときはベットボタン31に対する操作であるため、遊技メダルの貯留投入処理を実行し(ステップS5037)、遊技メダル管理処理S5030を終了して遊技進行メインS550に戻る。なお、ステップS5033でベットボタン31及び清算ボタン34の操作受付が可能でないと判断したとき、及び、ステップS5034でベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出していないと判断したときは、そのまま遊技メダル管理処理S5030を終了する。
一方、ステップS5032で、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンになったことを検知すると、主制御手段100は、図22に示す遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。主制御手段100は、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(ステップS5039)、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5040)。第1投入センサ61がオンでないときは、下流側の第2投入センサ62が先に遊技メダルを検出したことを意味しているため、主制御手段100は、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図22に戻り、主制御手段100は、ステップS5040で第1投入センサ61がオンであると判断すると、投入センサ1通過チェック時間をセットし(ステップS5041)、第1投入センサ61及び第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5042)。そして、このステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンでないと判断すると、主制御手段100は、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5043)。このステップS5043で第1投入センサ61がオンでないときは、遊技メダルが流路を逆流していると考えられるため、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、図22に戻り、主制御手段100は、ステップS5043で第1投入センサ61がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5044)、経過していないと判断したときはステップS5042に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5044で投入センサ1チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1投入センサ61で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図23に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図22に戻り、ステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断すると、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間をセットし(ステップS5045)、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5046)。主制御手段100は、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンでないと判断すると、次に、第1及び第2投入センサ61,62がオンであるか否かを判断し(ステップS5047)、これらのセンサ61,62がオンでないと判断すると、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、図22に戻り、主制御手段100は、ステップS5047で、第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間又は投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5048)、いずれの通過チェック時間も経過していないと判断したときはステップS5046に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5048で投入センサ1チェック時間又は投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1及び第2投入センサ61,62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図23に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図22に戻り、ステップS5046で第1投入センサ61がオフで、第2投入センサ62がオンであると判断すると、主制御手段100は、図23に示すように、第1及び第2投入センサ61,62がオフであるか否かを判断し(ステップS5049)、第1及び第2投入センサ61,62がオフでないと判断すると、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5050)、第2投入センサ62がオンでないときは、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。一方、ステップS5050で第2投入センサ62がオンであると判断したときは、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5051)、経過していないと判断したときはステップS5049に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5051で投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第2投入センサ62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
次に、主制御手段100は、ステップS5049で第1及び第2投入センサ61,62がオフであると判断すると、現在の遊技の規定数を取得し、また、現在の遊技において再遊技作動フラグがオンになっているか(再遊技が作動しているか)を確認し(ステップS5052)、貯留されている遊技メダルの枚数(クレジット数)を読み込む(ステップS5053)。そして、現時点でベットされている遊技メダルの枚数と貯留されている遊技メダルの枚数の合計値が、規定数に最大貯留数を加えた枚数より少ないか否かにより、次の遊技メダルも投入可能であるか否かを判断し(ステップS5054)、投入可能でないときはブロッカ60をオフにする(ステップS5055)。このブロッカ60のオフにより、以降に投入された遊技メダルは返却口へ戻されることになる。
更に、主制御手段100は、「1枚投入」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5056)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5057)。そして、主制御手段100は、遊技メダル限界フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS5058)、この遊技メダル限界フラグがオンであるときは貯留枚数1枚加算処理S5059を実行し、オフであるときは遊技メダル1枚加算処理S5063を実行する。なお、遊技メダル限界フラグは、後述する遊技メダル1枚加算処理S5063でセットされる。
貯留枚数1枚加算処理S5059は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、クレジットとして遊技媒体貯留手段141に加算するための処理であり、主制御手段100は、図24に示すように、貯留されている遊技メダルの枚数をRAM104から読み込み(ステップS5060)、この貯留枚数に1を加算して更新し(ステップS5061)、更新された貯留枚数をRAM104に保存し(ステップS5062)、図23に示すように、スタートレバー受付許可フラグをオンにして(ステップS5077)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
遊技メダル1枚加算処理S5063は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、ベットされる遊技メダルの枚数に加算するための処理であり、主制御手段100は、図24に示すように、ベットされている遊技メダルの枚数をRAM104から読み出し(ステップS5064),この遊技メダル枚数に1を加算して更新し(ステップS5065)、更新された遊技メダル枚数をRAM104に保存する(ステップS5066)。次に、主制御手段100は、前回遊技における入賞で獲得した遊技メダルの枚数の情報をクリアし(ステップS5067)、ベットされた遊技メダルの枚数を出力ポートに設定することによりこの投入枚数を表示するLEDを点灯させる(ステップS5068)。さらに、主制御手段100は、現在の遊技の規定数を確認し(ステップS5069)、また、現在ベットされている遊技メダルの枚数をRAM104から読み込み(ステップS5070)、ベットされている遊技メダルの枚数と規定数が一致するか否かを判断することにより、ベットできる遊技メダルの枚数が限界に達しているか否かを判断し(ステップS5071)、限界に達しているときは遊技メダル限界フラグをセットし(ステップS5072)、スタートレバー受付許可フラグをオンにし(ステップS5073)、図23に戻り遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。なお、ステップS5071で限界に達していないと判断したときはステップS5072及びステップS5073は実行されない。
−役抽選処理S5080−
役抽選処理S5080は、上述した遊技進行メイン処理S550において、当選役を決定する処理である。図25に示すように、役抽選処理S5080において、主制御手段100は、第1乱数発生手段である乱数発生器103の乱数値レジスタから乱数値(2バイト乱数)を取得して第1の乱数値とし(ステップS5081)、また、第2乱数発生手段190からソフト乱数(2バイト)を読み出して第2の乱数値とする(ステップS5082)。そして、第1の乱数値と第2の乱数値から演算で(例えば、加算処理により)第3の乱数値を生成して役抽選用乱数値とし(ステップS5083)、この役抽選用乱数値をレジスタにセットする(ステップS5084)。このように、第1乱数発生手段である乱数発生器103から取得した第1の乱数値と、第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数である第2の乱数値とから演算により第3の乱数値を生成して役抽選に用いることにより、この役抽選で用いる乱数値のランダム性を高くし、当選する役に規則性がないようにすることができる。
主制御手段100は、このようにして生成された役抽選用乱数値を用いて役の抽選を行うが、このとき、本実施形態に係るスロットマシン1では、「再遊技役」、「入賞役及び特別役」の順で抽選を行う。但し、再遊技役の抽選はBB−A及びBB−BC遊技状態では実行されない。また、特別役の抽選は、RT3−1遊技状態及びRT3−2遊技状態(内部中遊技状態)、BB−A遊技状態及びBB−BC遊技状態(特別役(BB−A〜C)に対する特別遊技状態)、並びにMB遊技状態(特別役(MB−A〜E)に対する特別遊技状態)では実行されない、若しくは、抽選が実行されても結果が記憶されない。但し、MB遊技状態では特別役(SB)の抽選は行われる。
まず、主制御手段100は、RAM104からRT遊技状態に関する情報を取得し(ステップS5085)、この情報に基づいて、特別役(BB−A〜C)に当選し、この特別役に対応する特別遊技が実行されているか否か(現在の遊技状態がBB−A遊技状態又はBB−BC遊技状態であるか否か)を判断する(ステップS5086)。そして、ステップS5086で、特別役(BB−A〜C)による特別遊技が実行されていないと判断すると、主制御手段100は、非RT遊技状態(SB未作動時/SB作動時)、RT1遊技状態(SB未作動時/SB作動時)、RT2遊技状態、RT3−1遊技状態、RT3−2遊技状態及びMB遊技状態のいずれの遊技状態であるかに応じて図7に示す再遊技役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5087)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5088)。ここで、条件装置内部抽選アドレステーブルとは、図7及び図8に示す、遊技状態毎に、当該遊技状態で当選する当選役の条件装置番号を、検索番号をキーとして設定値毎に対応する役の確率データ(図7及び図8に示す置数)と対応づけられて記憶されたテーブル(抽選テーブル)である。後述する抽選判定処理S5100で当選の判定を行う順に検索番号、条件装置番号(特別役(役物)と入賞役・再遊技役はそれぞれ異なる番号体系で管理されている)及び確率データ(置数)の組みが並んで記憶されている。なお、以降の説明では当選判定を行う役の全てを検索番号及び確率データの組として列挙している場合について説明するが、検索番号が連続し、同じ確率データを繰り返すときは、その繰り返すデータの検索番号、確率データ及び繰り返し数を記憶するように構成してもよい。例えば、図7(c)に示す構成の場合、RT2遊技状態において検索番号が3〜5の再遊技役−E1〜E3は、その置数(確率データ)が13150であるため、「検索番号=3」、「確率データ=13150」、「繰り返し回数=3」と表し、繰り返す毎に検索番号に1を加算するように構成することができる。このように構成すると、条件装置内部抽選アドレステーブルに使用するメモリ量を削減することができる。
図26に示すように、抽選判定処理S5100において、主制御手段100は、再遊技役又は入賞役・特別役の抽選判定であるか否かを判断し、現在の遊技状態に対応した条件装置内部抽選アドレステーブルの最初の検索番号をセットする(ステップS5101)。例えば、再遊技役の抽選判定であって、現在の遊技状態が非RT遊技状態であるときは、図7(a)における検索番号として「1」が設定される。次に設定値別の確率データがあるか否かを判断し(ステップS5102)、設定値別の確率データがないときは、現在設定されている検索番号に基づいて設定値共通の確率データを取得し(ステップS5103)、設置値別の確率データがあるときは、設定値を取得し(ステップS5104)、この設定値と現在設定されている検索番号に基づいて設定値別の確率データを取得する(ステップS5105)。図7に示す再遊技役に係る条件装置内部抽選アドレステーブルも、図8に示す特別役及び入賞役に係る条件装置内部抽選アドレステーブルも、設定値毎にその確率データ(置数)を記憶しているが、図8(a)に示す通常遊技時のテーブルは、役毎に設定値による差がないため、設定値共通のテーブルとして管理してもよい。
また、主制御手段100は、役抽選処理S5080のステップS5084でセットした役抽選用乱数値(第3の乱数値)を読み込み(ステップS5106)、この役抽選用乱数値から現在の検索番号の確率データを減算し(ステップS5107)、確率データが減算された役抽選用乱数値を保存する(ステップS5108)。そして、主制御手段100は、現在の役抽選用乱数値が0より小さいかを判断し(ステップS5109)、役抽選用乱数値が0以上のときは、検索番号に1を加算し(ステップS5110)、全ての検索番号について検索が終了したか否かを判断し(ステップS5111)、当否判定が終了していないときは、ステップS5102に戻り上記の処理を繰り返す。
以上より、ステップS5109で役抽選用乱数が0より小さくなったときに、そのときの検索番号の役に当選したと判断し、又、ステップS5111において、条件装置内部抽選アドレステーブルの全ての検索番号の確率データを減算しても役抽選用乱数が0以上のときは検索番号をクリアする(検索番号=0)ことにより(ステップS5112)、現在の条件装置内部抽選アドレステーブルに含まれる役には当選していないと判断することができる。図7(a)の場合、非RT遊技状態のときに、抽選判定手段S5100が呼び出された時点の役抽選用乱数値(第3の乱数値)が53000であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−Aの確率データ(置数であって、図7(a)の設定値1においては46220)をこの役抽選用乱数から減算しても0より小さくならないため、再遊技役−Aには当選していないと判断される。また、役抽選用乱数(第3の乱数値)が50であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−Aの確率データ(46220)を役抽選用乱数から減算すると0より小さくなるため、この再遊技役−Aに当選したと判断することができる。
図25に戻り、ステップS5088の抽選判定処理の結果、再遊技役に当選したか否かを判断し(ステップS5089)、当選していると判断したときは、現在の検索番号に対応する入賞役・再遊技役の条件装置番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5098)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5089で再遊技役に当選していないと判断したときは、次に、現在の遊技状態(通常遊技(非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3−1遊技状態及びRT3−2遊技状態)、特別遊技(SB,BB,MB))に応じて図8に示す入賞役及び特別役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5090)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5090)。上述の例で説明すると、ステップS5083で生成した役抽選用乱数値(第3の乱数値)が53000であった場合、再遊技役に対する抽選判定処理を実行した時点で役抽選用乱数値は6604となっている(図7(a)に示す非RT遊技状態における設定値1のときの再遊技役の全ての確率データの合計値が46396であるため)。そのため、図8に示すように、通常遊技時(非RT遊技状態)における検索番号1〜8までの特別役の確率データの合計が6380であり、検索番号9の入賞役−A1の確率データが6000であるので、この入賞役−A1が当選したと判断される。主制御手段100は、ステップS5091の抽選判定の結果から特別役に当選しているか否かを判断し(ステップS5092)、当選していると判断したときは、特別役の条件装置が作動している内部中遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5093)、内部中遊技状態でないと判断すると、現在の検索番号に対応する特別役(役物)の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存する(ステップS5094)。なお、図8(a)から明らかなように、入賞役に当選しているが特別役が当選していないときは、役物条件装置番号は「0」である(例えば、検索番号が「10」のときは、入賞役−A1にのみ当選しているため、入賞役・再遊技役条件装置番号は「8」であるが、役物条件装置番号は「0」である)。次に、主制御手段100は、特別遊技のうちMB−A〜Eが作動しているか否かを判断し(ステップS5095)、MB−A〜Eが作動していないときは、入賞役に当選しているか否かを判断し(ステップS5097)、当選していると判断したときは、現在の検索番号に対応する入賞役・再遊技役の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5098)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5095においてMB−A〜Eが作動していると判断したときは、入賞役−ALLの条件装置番号(22)を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5098)、この役抽選処理S5080を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、役抽選のために生成した第3の乱数値(役抽選用乱数値)から、予め決められた順序で確率データ(当選判定データ)を減算していき、0より小さくなったときの確率データに対する役に当選したと判断するように構成されている。この構成によると、当選の判定を行いたい役(判定対象)毎に確率データを対応付けて条件装置内部抽選アドレステーブル(当選判定データ群)として記憶し、第3の乱数値からこの確率データを順に減算処理するだけで判定することができるので、抽選の判定処理を簡単に実現することができる。もちろん、第3の乱数値(役抽選用乱数値)に上記確率データを順番に加算していき、最大値(2バイトデータの場合は65535)を超えたときに当選していると判定することも可能である。しかしながら、加算により判定する場合、例えば、乱数値の範囲が0〜999の抽選を行う場合、第3の乱数値に所定の値(例えば、2バイトデータなら64537)を加算した上でさらに確率データを加算しなければならず、処理が複雑になってしまう。一方、上述した減算方式であれば、乱数値がどのような範囲であっても、抽選用の乱数値から確率データを順に減算することで判定することができる。
なお、以上の説明では、役の種類毎に、条件装置内部抽選アドレステーブルを設定する場合について説明したが、例えば、抽選の順序にしたがって、再遊技役、入賞役、特別役の順でまとめてテーブルを定義しておき、当選判定をする際に、判定に用いる範囲を指定するように構成してもよい。例えば、再遊技役が5個あり、その検索番号が1〜5とし、入賞役が5個あり、その検索番号が6〜10とし、特別役が1個あり、その検索番号が11として、この順で並んで定義されているとする。この場合、非RT遊技状態で再遊技役、入賞役、特別役の順で判定するときは、「検索番号が1から11個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役、入賞役、特別役の当選判定を行うことができる。一方、RT4遊技状態(内部中遊技状態)ときは、特別役の当選判定をしないので、「検索番号が1から10個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役と入賞役の判定を行うことができる。そのため、このようなデータ構造で条件装置内部抽選アドレステーブルを記憶すると、当選判定の処理をより簡単に実現することができる。
−内部遊技状態設定処理S5120−
内部遊技状態設定処理S5120は、スタートレバー32が操作されたときの有利区間種別及び内部遊技状態毎の処理を実行するものである。この有利区間種別及び内部遊技状態毎の処理においては、AT抽選(有利区間への移行抽選であって、本実施形態では前兆フラグ抽選)や押し順ベル、押し順リプレイに対する指示番号の決定が行われる。また、この内部遊技状態設定処理S5120及び後述する遊技終了チェック処理S5260で使用されるATに関する情報(変数及びその符号)は、図48に示している。
図27に示すように、主制御手段100は、内部遊技状態設定処理S5120を実行すると、まず、指示番号に初期値(押し順等を報知する必要のないときの指示番号である「A0」)を設定する(ステップS5121)。次に、現在の有利区間種別FAが「0」であるか否かを判断する(ステップS5122)。このステップS5122で現在の有利区間種別FAが「0」である(非有利区間である)と判断すると、特別遊技(BB,MB,SB)が未作動であるか否かを判断し(ステップS5123)、未作動であると判断したときは、さらに、役物条件装置番号が「2」又は「3」であるか否かを判断することにより、特別役のうちBB−B又はBB−Cに当選している否かを判断する(ステップS5124)。そして、このステップS5124でBB−B又はBB−Cに当選したと判断すると、内部遊技状態FMに前兆を示す「1」を設定し(ステップS5125)、前兆フラグ抽選を行ってその結果(上述したように「1」又は「2」)を前兆フラグFZに設定し(ステップS5127)、さらに、BB−B又はCに当選したことにより、待機区間に移行させるために有利区間種別FAに「1」を設定して(ステップS5128)、この内部遊技状態設定処理S5120を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5124でBB−B又はBB−Cに当選していないと判断したときは、役物条件装置番号が「4」、「5」、「6」、「7」、「8」の何れかであるか否かを判断することにより、特別役のうちMB−A〜Eに当選しているか否かを判断し(ステップS5126)、MB−A〜Eに当選しているときは、前兆フラグ抽選を行ってその結果を前兆フラグFZに設定し(ステップS5127)、有利区間種別FAに「1」を設定して(ステップS5128)、この内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5123で特別遊技が作動中であると判断したとき、又は、ステップS5126で特別役(MB−A〜E)に当選していないと判断したときは、そのまま内部遊技状態設定処理S5120を終了する。なお、どの特別役に当選したかは、上述した役物条件装置番号で判定できるため、以降の説明において、例えば、「特別役のうちBB−B又はBB−Cに当選しているか否か」という判断は、「役物条件装置番号が「2」又は「3」であるか否か」を判定することによる判断と同義である。また、再遊技役及び入賞役の当選の判定も同様である。
また、主制御手段100は、ステップS5122で現在の有利区間種別FAが「0」でないと判断したときは、現在の有利区間種別FAが「1」であるか否かを判断し(ステップS5129)、現在の有利区間種別FAが「1」であると判断したときは、そのまま内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5129で現在の有利区間種別FAが「1」でないと判断したときは、有利区間である有利区間種別2又は3の状態であるため、主制御手段100は、有利区間カウンタCAの値が「1500」であるか否かを判断し(ステップS5130)、有利区間カウンタCAの値が「1500」であると判断したときは、非有利区間に移行させるために、有利区間種別FAに「0」を設定し(ステップS5131)、ATに関する情報に「0」を設定することによりクリアし(ステップS5132)、上述したステップS5123〜S5128の処理を実行して、この内部遊技状態設定処理S5120を終了する。なお、ATに関する情報とは、図48に示すように、有利区間種別FA、内部遊技状態FM、有利区間カウンタCA、前兆フラグFZ、状態管理カウンタCS、AT継続回数カウンタCW、AT継続判定フラグFB及びAT継続確定フラグFDの値である。ここで、ステップS5132の「ATに関する情報に「0」を設定する」は、有利区間種別FM及び内部遊技状態FMに「0」を設定する処理も含まれるが、有利区間種別及び内部遊技状態の遷移を明確にするために、一部の説明では、別の処理として明記している場合もある。
また、ステップS5130で、有利区間カウンタCAの値が「1500」でないと判断すると、図28に示すように、主制御手段100は、有利区間カウンタCAに「1」を加算し(ステップS5133)、現在の有利区間種別FAが「2」であるか否かを判断する(ステップS5134)。現在の有利区間種別FAが「2」である(有利区間である)と判断すると、主制御手段100は、特別役のうち、BB−A〜Cに未当選であるか否かを判断し(ステップS5135)、BB−A〜Cに未当選であると判断したときは、押し順リプレイ指示発生処理S5180を実行する(ステップS5136)。この押し順リプレイ指示発生処理S5180は、RT2遊技状態のときに、このRT2遊技状態を維持する(RT1遊技状態に転落しないようにする)ために、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されない押し順を報知するものであり、図32に示すように、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「5」であるか否かを判断することにより(ステップS5181)、再遊技役−E1に当選していると判断すると、指示番号に「A7」を設定する(ステップS5181)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「6」であるか否かを判断することにより(ステップS5183)、再遊技役−E2に当選していると判断すると、指示番号に「A8」を設定する(ステップS5184)。さらに、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「7」であるか否かを判断することにより(ステップS5185)、再遊技役−E3に当選していると判断すると、指示番号に「A9」を設定する(ステップS5186)。なお、この再遊技役−E1〜E3に当選するのは、RT2遊技状態のときである。また、再遊技役−E1〜E3と押し順の関係は図9(b)に示されており、また、これらの押し順と指示番号の関係は図13に示されている。また、再遊技役−E1〜E3の何れにも当選していないときは、指示番号が設定されずに押し順リプレイ指示発生処理S5180を終了する。
図28に戻り、主制御手段100は、ステップS5136の押し順リプレイ指示発生処理が実行されると、次に、現在の内部遊技状態FMが「1」より大きいか、すなわち、現在の内部遊技状態が「2」、「3」、「4」、「5」の何れかの有利区間であるか否かを判断し(ステップS5137)、これらの有利区間であると判断したときは、押し順ベル指示発生処理S5190を実行する(ステップS5138)。この押し順ベル指示発生処理S5190は、有利区間において押し順ベル(入賞役−A1〜A6)に当選したときに、11枚役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順(正解押し順)を報知するためのものであり、主制御手段100は、図33に示すように、現在の遊技状態が内部中遊技状態(特に、BB−A〜Cに当選しているRT3−1遊技状態)であるか否かを判断し(ステップS5191)、内部中遊技状態であると判断したときは、入賞役−A1〜A6のそれぞれに割り当てられた正解押し順を報知する。具体的には、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「8」であるか否かを判断することにより(ステップS5192)、入賞役−A1に当選していると判断すると、指示番号に「A1」を設定する(ステップS5193)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「9」であるか否かを判断することにより(ステップS5194)、入賞役−A2に当選していると判断すると、指示番号に「A2」を設定する(ステップS5195)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「10」であるか否かを判断することにより(ステップS5196)、入賞役−A3に当選していると判断すると、指示番号に「A3」を設定する(ステップS5197)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「11」であるか否かを判断することにより(ステップS5198)、入賞役−A4に当選していると判断すると、指示番号に「A4」を設定する(ステップS5199)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「12」であるか否かを判断することにより(ステップS5200)、入賞役−A5に当選していると判断すると、指示番号に「A5」を設定する(ステップS5201)。また、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「13」であるか否かを判断することにより(ステップS5202)、入賞役−A6に当選していると判断すると、指示番号に「A6」を設定する(ステップS5203)。一方、ステップS5191で、現在の遊技状態が内部中遊技状態(RT3−1遊技状態)であると判断すると、上述したように、第1停止だけが正解押し順(第2停止、第3停止は任意の順序)となるため、図34に示すように、主制御手段100は、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「8」又は「9」であるか否かを判断することにより(ステップS5204)、入賞役−A1又はA2に当選していると判断すると、指示番号に「A7」を設定し(ステップS5205)、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「10」又は「11」であるか否かを判断することにより(ステップS5206)、入賞役−A3又はA4に当選していると判断すると、指示番号に「A8」を設定し(ステップS5207)、現在の遊技で当選している役の条件装置番号が「12」又は「13」であるか否かを判断することにより(ステップS5208)、入賞役−A5又はA6に当選していると判断すると、指示番号に「A9」を設定する(ステップS5209)。また、入賞役−A1〜A6の何れにも当選していないときは、指示番号が設定されずに押し順ベル指示発生処理S5190を終了する。
図28に戻り、主制御手段100は、ステップS5138の押し順ベル指示発生処理が実行されると、AT継続回数カウンタCWの値が「22」より小さいか否かを判断する(ステップS5139)。上述したように、本実施形態においては、1セットのAT遊技(初期遊技数は40ゲーム)が終了するとAT継続判定抽選(再度1セットのAT遊技を実行するか否かを決定する抽選)を実行し、このAT継続判定抽選で「継続する」に当選する(AT継続に当選する)と、次のセットのAT遊技が実行され、「終了する」に当選する(ATを継続しないに当選する)と、全てのリール21a〜21cが停止した後に、AT遊技が終了して非有利区間(有利遊技区間0)に移行するように構成されている。このAT遊技のセットの継続の判断は、本実施形態ではAT継続回数カウンタCWが「22」になるまで実行されるように構成されている(後述するように、AT継続回数カウンタCWの値が「22」になると、AT継続判定抽選は実行されない)。
主制御手段100は、ステップS5139で、AT継続回数カウンタCWの値が「22」以上であると判断したときは、この内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、図28のステップS5139で、AT継続回数カウンタCWの値が「22」より小さいと判断したときは、図29に示すように、主制御手段100は、現在の内部遊技状態FMが「0」であるか否かを判断し(ステップS5142)、内部遊技状態FMが「0」である、すなわち前兆準備中の状態であると判断すると、AT抽選役に当選しているか否かを判断し(ステップS5143)、AT抽選役に当選しているときは前兆フラグ加算抽選処理を実行して(ステップS5144)、この内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5143でAT抽選役に当選していないと判断したときはそのままこの内部遊技状態設定処理S5120を終了する。ここで、「AT抽選役」は、上述した「前兆フラグ抽選の条件」と同一であり、MB遊技中は再遊技役−Dであり、その他のときは、入賞役−C,D,E、H,Iである。また、「前兆フラグ加算抽選処理」は、前兆フラグFZの値が「3」でないとき(「1」又は「2」のとき)は、「3」にするか否かの抽選を行い、当選したときは、前兆フラグFZに「3」を設定し、前兆フラグFZの値が「3」のときは、本前兆の後に実行されるAT遊技の遊技数に上乗せする遊技数を抽選で決定するという処理である。なお、本実施形態では、現在の前兆フラグFZの値が「1」であるか「2」であるかにより、「3」にするか否かの当選確率が異なるように設定されている。例えば、前兆フラグFZの値が「2」である方が「1」であるときより「3」に設定される確率が高くなるように構成することができる。あるいは、前兆フラグ加算抽選処理として、前兆フラグFZの値が「1」又は「2」であるときは、現在の前兆フラグFZの値に「1」を加算するか否かの抽選を行い、当選したときは前兆フラグFZに「1」を加算するように構成してもよい。このように構成しても、前兆フラグFZの値が「2」である方が「1」であるときより「3」になる確率が高くなる。
図29に戻り、ステップS5142で現在の内部遊技状態FMが「0」でないと判断すると、主制御手段100は、現在の内部遊技状態FMが「1」であるか否かを判断し(ステップS5145)、現在の内部遊技状態FMが「1」である、すなわち前兆状態であると判断したときは、特別役のうちMB−A〜Eに当選しているか否かを判断する(ステップS5146)。そして、MB−A〜Eに当選していないときは、主制御手段100は、AT抽選役に当選しているか否かを判断し(ステップS5147)、AT抽選役に当選しているときは前兆フラグ加算抽選処理を実行し(ステップS5148)、状態管理カウンタCSが「0」より大きいか否か(「0」でないか否か)を判断し(ステップ5149)、状態管理カウンタCSが「0」より大きいときは、状態管理カウンタCSから「1」を減算し(ステップS5150)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5146でMB−A〜Eに当選していると判断すると、主制御手段100は、MB−Aに当選しているか否を判断し(ステップS5151)、MB−Aに当選していないときはMB−B〜Eの何れかに当選している状態であるため、前兆フラグ加算抽選を実行し(ステップS5148)、状態管理カウンタCSが「0」より大きいか否か(「0」でないか否か)を判断し(ステップ5149)、状態管理カウンタCSが「0」より大きいときは、状態管理カウンタCSから「1」を減算し(ステップS5150)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5151で、MB−Aに当選していると判断したときは、状態管理カウンタCSに「0」を設定し(ステップS5152)、さらに、前兆フラグFZに「3」が設定されていなければ「3」を設定して(ステップS5153)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。このように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、前兆遊技を実行しているときに特別役(MB−A〜E)に当選していないときは、AT抽選役の当選に対して前兆フラグ加算抽選を実行し(この抽選に当選すると、前兆フラグFZが「1」又は「2」のときは「3」になる可能性があり、また、前兆フラグFZが「3」のときはAT遊技の遊技数に上乗せされる可能性がある)、また、特別役(MB−B〜E)に当選したときも前兆フラグ加算抽選を実行し、特別役(MB−A)に当選したときは、前兆遊技を終了して(この内部遊技状態1においては前兆遊技の遊技数を管理している状態管理カウンタCSに「0」を設定する)、前兆フラグFZに「3」を設定することにより、次遊技から有利遊技(AT遊技)を実行可能に構成されている。なお、ステップS5153で前兆フラグFZに「3」を設定する代わりに、上述した前兆フラグ加算抽選を実行するように構成してもよい。ステップS5153で、前兆フラグFZに「3」を設定するように構成すれば、前兆遊技が終了して次遊技から有利遊技(AT遊技)が実行され、前兆フラグ加算抽選を実行するように構成すれば、前兆遊技は終了するが、次遊技から有利遊技(AT遊技)が実行されるか否かは前兆フラグ加算抽選の結果で決定されることになる。
主制御手段100は、図29のステップS5145で、現在の内部遊技状態FMが「1」でないと判断すると、図30に示すように、現在の内部遊技状態FMが「2」であるか否かを判断する(ステップS5154)。内部遊技状態2は、有利遊技(AT遊技)中の状態であり、主制御手段100は、ステップS5154で現在の内部遊技状態FMが「2」であると判断すると、この内部遊技状態2においてはAT遊技の遊技数を管理している状態管理カウンタCSが0であるか否かを判断し(ステップS5155)、「0」でないとき、すなわち、現在のセットのAT遊技の遊技数が残っているときは、状態管理カウンタCSから「1」を減算し(ステップS5156)、AT抽選役に当選しているか否かを判断し(ステップS5147)、AT抽選役に当選しているときは現在実行しているAT遊技のセットに上乗せ遊技数を加算するか否かの抽選(「AT中上乗せ抽選」と呼ぶ)を実行し(ステップS5148)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、主制御手段100は、ステップS5155で状態管理カウンタCSが「0」である、すなわち、現在のセットのAT遊技の終了条件を満たしていると判断したときは、上述したAT継続判定抽選を実行し(ステップS5159)、抽選結果を判定し(ステップS5160)、その抽選結果が「終了する(継続しない)」であるときは、さらにAT継続確定フラグFDが「1」であるか否かを判断し(ステップS5161)、AT継続確定フラグFDが「1」でないときは、AT継続判定フラグFBに「1」を設定し(ステップS5162)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。このAT継続判定フラグFBが「1」のときは、AT継続判定抽選での「終了する」を意味し、有利遊技であるAT遊技が終了する。一方、ステップS5160で、AT継続判定抽選の結果が「継続する」であると判断したとき、また、ステップS5161でAT継続確定フラグFDが「1」であると判断したときは、主制御手段100は、AT継続判定フラグFBに「2」を設定し(ステップS5163)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。AT継続判定フラグFBが「2」のときは、AT継続判定抽選での「継続する」を意味し、有利遊技であるAT遊技の次のセットが開始される(AT遊技が継続する)こと、若しくは、AT継続確定フラグFDに「1」が設定されていて、有利区間カウンタCAの上限値(1500ゲーム)まで有利遊技であるAT遊技が継続することを意味している。
主制御手段100は、図30のステップS5154で現在の内部遊技状態FMが「2」でないと判断すると、図31に示すように、現在の内部遊技状態FMが「3」であるか否かを判断する(ステップS5164)。上述したように、この内部遊技状態3は、有利区間中に当選した特別役(BB−A〜C)による特別遊技が終了したときの状態である。主制御手段100は、ステップS5164で現在の内部遊技状態FMが「3」であると判断すると、AT継続確定フラグFDが「1」でなく(ステップS5165)、AT継続回数カウンタCSが「0」であるとき(ステップS5166)は、AT継続確定抽選を実行し(ステップS5167)、このAT継続確定抽選に当選したと判断すると(ステップS5168)、AT継続確定フラグFDに「1」を設定し(ステップS5169)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。すなわち、特別役(BB−A〜C)に当選して当該特別役に対応する特別遊技が実行されると、内部遊技状態2に移行する前の内部遊技状態3において、AT継続確定フラグFDが「1」でなく、最初のAT遊技のセットであるとき(AT継続回数カウンタCWが「0」であるとき)は、AT継続確定抽選が行われ、当選するとAT継続確定フラグFDに「1」が設定されるため、有利区間カウンタCAの上限値(1500ゲーム)まで、AT遊技が継続することとなる。なお、主制御手段100は、ステップS5165でAT継続確定フラグFDの値が「1」であると判断したとき、ステップS5166でAT継続回数カウンタCWの値が「0」でないと判断したとき、及び、ステップS5168でAT継続確定抽選に当選していないと判断したときは、そのままこの内部遊技状態設定処理S5120を終了する。
また、主制御手段100は、ステップS5164で現在の内部遊技状態FMが「3」でないと判断すると、現在の内部遊技状態FMが「4」であるか否かを判断する。上述したように、内部遊技状態4は設定差のない特別役であるBB(BB−B又はC)による特別遊技が実行されているときの状態であり、内部遊技状態4であると判断したときは、この内部遊技状態4の後、内部遊技状態3を経由して移行する内部遊技状態2でのAT遊技の上乗せ遊技数の抽選(「AT前上乗せ抽選」と呼ぶ)を行い(ステップS5171)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5170で現在の内部遊技状態FMが「4」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態FMは「5」であり、この状態は設定差のある特別役であるBB(BB−A)による特別遊技が実行されているときの状態であり、そのまま内部遊技状態設定処理S5120を終了する。
−リール回転開始前処理S5220−
リール回転開始前処理S5220は、上述した内部遊技状態設定処理S5120で決定された指示番号や、当選役の条件装置番号がマスクされた演出グループ番号、ATに関する情報及び特別役に当選したときの役物当選番号を副制御手段200に送信する処理である。
図35に示すように、主制御手段100は、リール回転開始前処理S5220を実行すると、内部遊技状態設定処理S5120で決定された指示番号に従って、図13に示す情報を獲得枚数表示器72に表示する(ステップS5221)。具体的には、図13に基づいて、指示番号に対応する番号をRAM104の所定の領域(或いは、メインCPU102の所定のレジスタでもよい)に記憶する。この所定の領域(又はレジスタ)に指示番号に対する番号が記憶されると、後述する割込処理S570により、この記憶されている番号が獲得枚数表示器72に出力されるように構成されている。また、主制御手段100は、指示番号をレジスタに記憶し(ステップS5222)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5223)。また、上述したように、図14に示すテーブルを用いて条件装置番号に対してマスク処理を行って演出グループ番号を決定し(ステップS5224)、この演出グループ番号をレジスタに記憶し(ステップS5225)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5226)。さらに、役物当選番号をレジスタに記憶し(ステップS5227)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5228)。後述する割込処理S570で説明するように、指示番号に対応した情報の獲得枚数表示器72のへの表示(7セグ表示制御処理S575)は、指示番号の制御コマンドによる副制御手段200への送信(制御コマンド送信処理S580)よりも先に実行されるため、主制御手段100による指示番号の表示の方が副制御手段200による表示よりも優先して実行される。また、主制御手段100は、上述したATに関する情報をレジスタに記憶し(ステップS5229)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5230)、リール回転開始前処理S5170を終了する。なお、この図30において制御コマンドして送信される情報は一例である。また、ATに関する情報は、演出グループ番号を記憶する前に記憶するように構成してもよい。
−リール停止管理処理S5240−
リール回転開始前処理S5220が終了すると、図36に示すように、主制御手段100は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5241)、最小遊技時間を経過しているときは、リールが回転開始待機状態であるという状態を副制御手段200に渡すために、「リール回転開始待機」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5242)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5243)、リール21a〜21cを定速回転(80rpm/分)にするための情報をRAM104に記憶する(ステップS5244)。なお、リール21a〜21cの回転及び停止の制御(リール駆動制御)は、後述する割込処理S570で実行される。
また、主制御手段100は、リールが定速で回転中か否かを判断し(ステップS5245)、定速中のときは不良検出カウンタ値が異常値であるか否かを判断し(ステップS5246)、異常値であるときは、例えばリール21a〜21cを回転させるステッピングモータが脱調等している可能性があるため、リール21a〜21cを定速回転にするための情報をRAM104に再度記憶する(ステップS5247)。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの全てに対して、リールが定速で回転中かの確認が終了したか否かを判断し、確認が終了するまでステップS5245に戻って上記の処理を繰り返す(ステップS5248)。
以上の処理が終了すると、リール21a〜21cが定速で回転している状態であるため、主制御手段100は、次に、リール制御手段120で説明した停止位置データ(停止可能位置)が作成済みか否かを判断し(ステップS5249)、作成されていない場合は、停止位置データ(停止可能位置)を作成する(ステップS5250)。さらに、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS5251)、ストップボタン33a〜33cの受け付けを検知すると、上述した停止位置データに基づいて停止位置を決定し(ステップS5252)、「停止するリール及び滑りコマ数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5253)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5254)。そして、主制御手段100は、全てのリール21a〜21cが停止したか否かを判断し(ステップS5255)、停止していない場合はステップS5245に戻って上記の処理を繰り返し、停止しているときは、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶した指示番号に対応する番号(押し順ベル又は押し順リプレイに対応した押し順)をクリアし(ステップS5256)、このリール停止管理処理S5240を終了する。この所定の領域に記憶された指示番号に対応する番号がクリアされると、後述する割込処理S570により、獲得枚数表示器72の表示が消去される。なお、このリール停止管理処理S5240の後に実行される入賞判定処理S559で入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止していると判断されたときは、当該入賞役に対応する払出枚数が、このRAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶され、これにより、割込処理S570によりこの払出枚数が獲得枚数表示器72に表示されることになる。なお、獲得枚数表示器72の表示が消去されるタイミングとしては、全てのリールが停止したことに基づいて行ったが、最後のリールの停止操作を受け付けたこと、最後のリールが停止したこと、全てのリールが停止し入賞判定処理の結果を受信したことに基づいて表示を消去してもよい。
−遊技終了チェック処理S5260−
遊技終了チェック処理S5260は、一回の遊技の最後に主制御手段100で実行される遊技の状態や演出の状態(有利区間種別及び内部遊技状態)を管理する処理である。この遊技終了チェック処理S5260が実行されると、主制御手段100は、図37に示すように、まず、RT遊技状態遷移処理を実行する(ステップS5261)。なお、このRT遊技状態遷移処理S5261において、RT1遊技状態での遊技数をRT1遊技数カウンタC1で管理する。
このRT遊技状態遷移処理S5261において、主制御手段100は、図38に示すように、現在の遊技状態が非RT遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5262)、非RT遊技状態であると判断したときは、まず、有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせが、特別役(SB)の図柄の組み合わせであるか否かを判断する(ステップS5263)。上述したように、非RT遊技状態にあるときに、特別役(SB)に当選しこの特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、RT1遊技状態に移行する。そのため、主制御手段100は、ステップS5263で有効ライン上に特別役(SB)の図柄の組み合わせが停止表示されたと判断すると、RT1遊技状態での遊技数を管理するためのRT1遊技数カウンタC1に「0」を設定し(ステップS5264)、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(ステップS5265)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。一方、ステップS5263で特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないと判断すると、役物条件装置番号が「1〜8」の何れかであるか否かを判断することにより、特別役(BB−A〜C又はMB−A〜E)に当選しているか否かを判断し(ステップS5266)、何れかの特別役に当選しているときは、当選している特別役に応じて遊技状態を移行させる。まず、当選している役物条件装置番号が「1〜3」であるか否かを判断することにより特別役BB−A〜Cの何れかに当選しているか否かを判断し(ステップS5267)、特別役(BB−A〜C)に当選していると判断すると、さらに、特別役(BB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは(ステップS5268)、BB−A遊技状態に移行させ(ステップS5269)、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは(ステップS5270)、BB−BC遊技状態に移行させ(ステップS5271)、特別役(BB−A〜C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、BB−A〜Cによる内部中遊技状態であるため、RT3−1遊技状態に移行させる(ステップS5272)。一方、ステップS5267で当選している特別役がBB−A〜Cでないと判断したときは、特別役(MB−A〜E)の何れかに当選しているため、特別役(MB−A〜E)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されている否かを判断し(ステップS5273)、特別役(MB−A〜E)の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、MB遊技状態に移行させ(ステップS5274)、MB−Aの図柄が停止表示されていないときは、MB−Aによる内部中遊技状態であるため、RT3−2遊技状態に移行させる(ステップS5275)。なお、上述したように、特別役(MB−B〜E)は、当選した遊技でその図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるため、内部遊技状態には移行しない。また、特別役(MB−A)は入賞役−C又は入賞役−Dと同時に当選するため、この特別役(MB−A)に当選した遊技では、必ず内部中遊技状態に移行する。この特別役に応じた遊技状態の移行が行われると、主制御手段100は、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。
また、主制御手段100は、ステップS5262で現在の遊技状態が非RT遊技状態でないと判断すると、図39に示すように、現在の遊技状態がRT1遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5280)。このRT1遊技状態でも、特別役に当選すると、その特別役の種類に応じて遊技状態が移行するように構成されており、主制御手段100は、役物条件装置番号が「1〜8」の何れかであるか否かを判断することにより、特別役(BB−A〜C又はMB−A〜E)に当選しているか否かを判断し(ステップS5281)、これらの特別役の何れかに当選しているときは、ステップS5267〜S5275を実行して、当選している特別役に応じて遊技状態を移行させ、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。また、上述したように、RT1遊技状態において、所定の遊技数(本実施形態では333ゲーム)が実行されると、非RT遊技状態に移行するように構成されている。そのため、主制御手段100は、ステップS5281で特別役(BB−A〜C又はMB−A〜E)に当選していないと判断すると、RT1遊技数カウンタC1に「1」を加算し(ステップS5282)、このRT1遊技数カウンタC1の値が「333」であるか否かを判断し(ステップS5283)、RT1遊技数カウンタC1の値が「333」であるときは、遊技状態を非RT遊技状態に移行させ(ステップS5284)、このRT遊技状態遷移処理S5261を終了し、RT1遊技数カウンタC1が「333」でないときは、そのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(RT1遊技状態が継続する)。
なお、図10に示したRT遊技状態のうち、非RT遊技状態(SB未作動時)と非RT遊技状態(SB作動時)の違い、並びに、RT1遊技状態(SB未作動時)とRT1遊技状態(SB作動時)の違いは、遊技状態(非RT遊技状態であるかRT1遊技状態であるか)と特別役(SB)の当選の有無で判断することができる。
主制御手段100は、ステップS5280で現在の遊技状態がRT1遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がRT2遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5285)。このRT2遊技状態でも、特別役に当選すると、その特別役の種類に応じて遊技状態が移行するように構成されており、主制御手段100は、役物条件装置番号が「1〜8」の何れかであるか否かを判断することにより、特別役(BB−A〜C又はMB−A〜E)に当選しているか否かを判断し(ステップS5286)、何れかの特別役に当選しているときは、ステップS5267〜S5275を実行して、当選している特別役に応じて遊技状態を移行させ、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。また、上述したように、RT2遊技状態において特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたとき、及び、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、遊技状態がRT1遊技状態に移行するように構成されている(特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはRT1遊技状態(SB作動時)に移行し、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときはRT1遊技状態(SB未作動時)に移行する)。そのため、主制御手段100は、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたと判断したとき(ステップS5287)及び再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたと判断したとき(ステップS5288)は、RT1遊技状態での遊技数を管理するためのRT1遊技数カウンタC1に「0」を設定し(ステップS5289)、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(ステップS5290)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。一方、有効ライン上に特別役(SB)の図柄の組み合わせも再遊技役04の図柄の組み合わせも停止表示されなかったときは、そのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(RT2遊技状態が継続する)。
主制御手段100は、ステップS5285で現在の遊技状態がRT2遊技状態でないと判断すると、図40に示すように、現在の遊技状態がRT3−1遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5295)。このステップS5295で現在の遊技状態がRT3−1遊技状態であると判断したときは、特別役(BB−A〜C)に当選して内部中遊技状態になっていることを示しており、当選している特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、遊技状態を移行させる。具体的には、特別役(BB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると(ステップS5296)、BB−A遊技状態に移行させ(ステップS5297)、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると(ステップS5298)、BB−BC遊技状態に移行させ(ステップS5299)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。また、BB−A〜Cの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないときは、そのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(RT3−1遊技状態が継続する)。
主制御手段100は、ステップS5295で現在の遊技状態がRT3−1遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がRT3−2遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5300)。このステップS5300で現在の遊技状態がRT3−2遊技状態であると判断したときは、特別役(MB−A)に当選して内部中遊技状態になっていることを示しており、特別役(BB−A〜C)のときと同様に、主制御手段100は、特別役(MB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると(ステップS5301)、遊技状態をMB遊技状態移行させて(ステップS5302)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了し、特別役(MB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、そのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(RT3−2遊技状態が継続する)。
主制御手段100は、ステップS5300で現在の遊技状態がRT3−2遊技状態でないと判断すると、図41に示すように、現在の遊技状態がBB−A遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5305)。このステップS5305で現在の遊技状態がBB−A遊技状態であると判断したときは、特別役(BB−A)に当選して対応する特別遊技が実行されている状態である。主制御手段100は、現在の遊技状態がBB−A遊技状態であると判断すると、BB−A遊技状態における払出し枚数が264枚を超えたか否かを判断し(ステップS5306)、264枚を超えたときはBB−A遊技状態を終了させて非RT遊技状態に移行させ(ステップS5307)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了し、264枚を超えていないときはそのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(BB−A遊技状態が継続する)。
主制御手段100は、ステップS5305で現在の遊技状態がBB−A遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がBB−BC遊技状態であるか否かを判断する(ステップS5310)。このステップS5310で現在の遊技状態がBB−BC遊技状態であると判断したときは、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)に当選して対応する特別遊技が実行されている状態である。主制御手段100は、現在の遊技状態がBB−BC遊技状態であると判断すると、BB−BC遊技状態における払出し枚数が132枚を超えたか否かを判断し(ステップS5311)、132枚を超えたときはBB−BC遊技状態を終了させてRT2遊技状態に移行させ(ステップS5312)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了し、132枚を超えていないときはそのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(BB−BC遊技状態が継続する)。
主制御手段100は、ステップS5310で現在の遊技状態がBB−BC遊技状態でないと判断したときは、現在の遊技状態はMB遊技状態であり、この遊技状態は、特別役(MB−A〜E)に当選して対応する特別遊技が実行されている状態である。そのため、主制御手段100は、特別役(SB)に当選した(役物条件装置番号が「9」である)と判断したとき(ステップS5315)及びMB遊技での遊技メダルの払出し枚数が1枚を超えたと判断したとき(ステップS5314)は、MB遊技状態を終了させてRT2遊技状態に移行させ(ステップS5315)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了し、特別役(SB)に当選しておらず、また、払出し枚数が1枚を超えていないときは、そのままRT遊技状態遷移処理S5261を終了する(MB遊技状態が継続する)。
図37に戻り、主制御手段100はステップS5261でRT遊技状態の遷移処理が行われると、次に、有利区間種別FA及び内部遊技状態FMに対応する処理を実行する。主制御手段100は、現在の有利区間種別FAが「0」であるか否かを判断し(ステップS5320)、非有利区間である有利区間種別0であるときは、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5320で現在の有利区間種別FAが「0」でないと判断すると、現在の有利区間種別FAが「1」であるか否かを判断する。上述したように、有利区間種別1は、SB及びMB未作動時の有利区間種別0において、設定差なしの特別役(BB−B又はC並びにMB−A)に当選したときの内部中遊技状態に対応している(MB−B〜Eは内部中遊技状態に移行しない)。そのため、主制御手段100は、ステップS5321で現在の有利区間種別FAが「1」であると判断したときは、ボーナス作動図柄(BB−B,C,MB−Aの図柄の組み合わせ)が有効ライン上に停止表示されたとき(ステップS5322)に、有利区間種別FAに「2」を設定し(ステップS5323)、さらに、これらのボーナス作動図柄のうちBB−B又はBB−Cの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたとき(ステップS5324)に、状態管理カウンタCSに「13」を設定し(ステップS5325)、RT遊技状態遷移処理S5261を終了する。
有利区間種別1において特別役(BB−B又はC)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたということは、有利区間種別0において特別役(BB−B又はC)に当選して内部遊技状態1に移行している状態である(ステップS5125,S5128)。したがって、このステップS5325において状態管理カウンタCSに「13」を設定すると、ステップS5323で有利区間種別2に移行していることから(内部遊技状態1は継続している)、上述した内部遊技状態設定処理S5120のステップS5145〜S5150の処理で、状態管理カウンタCSの値が「0」になるまで、前兆遊技における前兆フラグ加算抽選処理が実行される。すなわち、有利区間種別1において特別役(BB−B又はC)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、BB−BC遊技状態に移行するとともに、有利区間種別2に移行して内部遊技状態1における前兆遊技が実行され、且つ、状態管理カウンタCSに設定された13ゲームにおいて前兆フラグ加算抽選処理が実行される。そして、13ゲーム目の内部遊技状態設定処理S5120ステップS5150で状態管理カウンタCSの値が「0」になるため、遊技終了チェック処理S5260の後述するステップS5341〜S5348の処理で、前兆フラグFZの値に応じて、内部遊技状態2に移行して有利遊技(AT遊技)が実行されるか(前兆フラグFZが「3」のとき)、有利区間種別0に移行するか(前兆フラグFZが「1」又は「2」のとき)が決定される。ここで、上述したように、BB−BC遊技状態はこの遊技状態での遊技メダルの払出し枚数が132枚を超えるまで実行されるが、図5及び図6から明らかなように、BB−BC遊技状態では、毎遊技、必ず11枚役が当選して入賞するため、BB−BC遊技状態の遊技は13ゲーム実行される(11枚×12ゲーム=132枚であるから、次の遊技(13ゲーム目)での11枚役の入賞で払出し枚数が132枚を超えることになるため)。以上より、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)に当選してBB−BC遊技状態に移行すると、この遊技状態をいわゆる「チャンスゾーン」とすることができ、BB−B又はCにおける特別遊技が終了するときに、前兆フラグFZの値に応じてAT遊技が実行されるか否か、及び、AT遊技が実行されるときはその遊技数(AT遊技の初期遊技数であって上乗せ遊技数を含む)が決定されるように構成されている。
また、主制御手段100は、ステップS5321で現在の有利区間種別FAが「1」でないと判断すると、現在の有利区間種別FAが「2」であるか否かを判断する(ステップS5326)。主制御手段100は、現在の有利区間種別FAが「2」であると判断すると、内部遊技状態に応じた処理を実行する。まず、主制御手段100は、AT継続回数カウンタCWの値が「22」より小さいか否かを判断する(ステップS5327)。上述したように、AT継続回数カウンタCWの値が「22」を超えることにより、有利区間カウンタCAの値が上限値(1500ゲーム)に達するまで有利遊技であるAT遊技が継続される。そのため、主制御手段100は、AT継続回数カウンタCWの値が「22」より小さくない(「22」以上である)と判断すると、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。
また、主制御手段100は、ステップS5327でAT継続回数カウンタCWの値が「22」より小さいと判断したときは、現在の内部遊技状態FMが「0」であるか否かを判断し(ステップS5330)、現在の内部遊技状態FMが「0」であると判断したときは、図42に示すように、MB遊技が終了したか否かを判断し(ステップS5331)、MB遊技の終了(MB作動終了)を判断したときは、前兆状態で実行される遊技数(前兆遊技の遊技数)を抽選で決定し(ステップS5332)、状態管理カウンタCSに当選値を設定し(ステップS5333)、内部遊技状態FMに「1」を設定する(ステップS5334)。上述したように、内部遊技状態1は、特別役(MB−A〜E)に当選してMB遊技が実行された後の、AT遊技の前兆状態を示している。なお、ステップS5331でMB作動終了でないと判断すると、ステップS5332〜S5334は実行されない。そして、主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。
図37に戻り、主制御手段100は、ステップS5330で現在の内部遊技状態FMが「0」でないと判断すると、現在の内部遊技状態FMが「1」であるか否かを判断し(ステップS5340)、現在の内部遊技状態FMが「1」であると判断したときは、図42に示すように、まず、状態管理カウンタCSが「0」であるか否かを判断する(ステップS5341)。状態管理カウンタCSが「0」でないときは、前兆遊技の遊技数が残っていることを示しており、そのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。一方、状態管理カウンタCSが「0」であるときは、前兆状態が終了した(前兆状態に移行するときに状態管理カウンタCSに設定された遊技数の遊技が実行された)ことを意味しており、前兆フラグFZの値により、有利区間を継続して有利遊技(AT遊技)を実行するか、非有利区間に移行するかを決定する。具体的には、主制御手段100は、前兆フラグFZの値が「3」であるか否かを判断し(ステップS5342)、前兆フラグFZの値が「3」でない(「1」又は「2」である)と判断したときは前兆遊技がフェイクであるため、MB遊技が未作動であれば(ステップS5345)、有利区間種別FAに「0」を設定し(ステップS5346)、内部遊技状態FMに「0」を設定し(ステップS5347)、ATに関する情報をクリアする(ステップS5348)。一方、ステップS5345でMB遊技が未作動でない(作動している)と判断したときは、ステップS5346〜S5348は実行されない。そして、主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。一方、図42に戻り、主制御手段100は、ステップS5342で前兆フラグFZが「3」であると判断したときは、有利遊技であるAT遊技を実行するために、内部遊技状態FMに「2」を設定し(ステップS5343)、状態管理カウンタCSにAT遊技の初期値(例えば40ゲーム)を設定する(ステップS5344)。そして、主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。なお、上述したように、前兆フラグ加算抽選処理が実行されて上乗せ遊技数を獲得しているときは、初期遊技数(40ゲーム)にこの上乗せ遊技数が加算されて状態管理カウンタCSに設定される。
図37に戻り、主制御手段100は、ステップS5340で現在の内部遊技状態FMが「1」でないと判断すると、現在の内部遊技状態FMが「2」であるか否かを判断し(ステップS5350)、現在の内部遊技状態FMが「2」であると判断したときは、図43に示すように、まず、AT継続判定フラグFBが「0」であるか否かを判断する(ステップS5351)。上述したように、AT継続判定抽選が実行されるとAT継続判定フラグFBに「1」又は「2」が設定されるため、AT継続判定フラグFBが「0」のときは、AT継続判定抽選が実行されていないことを意味しており、主制御手段100は、AT継続判定フラグFBが「0」であると判断したときは、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、主制御手段100は、図43に戻り、ステップS5351でAT継続判定フラグFBが「0」でないと判断したときは、このAT継続判定フラグFBが「1」であるか否かを判断し(ステップS5352)、AT継続判定フラグFBが「1」である、すなわち、AT継続判定抽選の結果が「終了する」であると判断したときは、AT遊技を終了する(有利区間を終了する)ために、有利区間種別FAに「0」を設定し(ステップS5353)、内部遊技状態FMに「0」を設定し(ステップS5354)、ATに関する情報をクリアする(ステップS5355)。さらに主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。一方、図43に戻り、ステップS5352でAT継続判定フラグFBが「1」でないと判断したときは、AT継続判定フラグFBは「2」である、すなわち、AT継続判定抽選の結果が「継続する」であるため、次のセットのAT遊技のための処理が実行される。具体的には、AT継続回数カウンタCWに「1」を加算し(ステップS5356)、AT継続確定フラグFDが「1」でないときは(ステップS5357)、AT継続確定抽選を実行し(ステップS5358)、AT継続確定抽選に当選したと判断したときは(ステップS5359)、AT継続確定フラグFDに「1」を設定する。上述したように、AT継続確定フラグFDに「1」が設定されると、以降の遊技において、有利区間カウンタCAが上限(1500ゲーム)に達するまでAT遊技が実行される。なお、ステップS5357でAT継続確定フラグFDが「1」であるときは、ステップS5358〜S5360は実行されない。また、ステップS5359でAT継続確定抽選に当選していないと判断したときは、ステップS5360は実行されない。そして、主制御手段100は、状態管理カウンタCSにAT遊技の初期値(例えば40ゲーム)を設定し(ステップS5361)、AT継続判定フラグFBに「0」を設定してクリアする(ステップS5362)。さらに主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。なお、上述したように、前兆フラグ加算抽選処理が実行されて上乗せ遊技数を得ているときは、初期遊技数(40ゲーム)にこの上乗せ遊技数が加算されて状態管理カウンタCSに設定される。
図37に戻り、主制御手段100は、ステップS5350で現在の内部遊技状態FMが「2」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態FMが「3」であるか否かを判断し(ステップS5365)、現在の内部遊技状態FMが「3」であると判断したときは、有利区間中に当選したBB−A〜Cの特別遊技が終了したときの遊技であるため、図44に示すように、次のAT遊技のセットを実行するために、AT継続回数カウンタCWに「1」を加算し(ステップS5366)、状態管理カウンタCSにAT遊技の初期値(例えば40ゲーム)を設定し(ステップS5367)、内部遊技状態FMに「2」を設定する(ステップS5368)。さらに主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。なお、上述したように、前兆フラグ加算抽選処理が実行されて上乗せ遊技数を得ているときは、初期遊技数(40ゲーム)にこの上乗せ遊技数が加算されて状態管理カウンタCSに設定される。また、内部遊技状態1のとき(前兆遊技中)に特別役(BB−A〜C)に当選してこの内部遊技状態3に移行したときは、状態管理カウンタCSをクリアしてから初期遊技数(40ゲーム)及び上乗せ遊技数を状態管理カウンタCSに設定し、内部遊技状態2のとき(AT遊技中)に特別役(BB−A〜C)に当選してこの内部遊技状態3に移行したときは、特別遊技後の現在の状態管理カウンタCSの値に初期遊技数(40ゲーム)と上乗せ遊技数を加算した値を状態管理カウンタCSに設定するように構成してもよい。
図37に戻り、主制御手段100は、ステップS5365で現在の内部遊技状態FMが「3」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態FMが「4」であるか否かを判断し(ステップS5370)、現在の内部遊技状態FMが「4」であると判断したときは、有利区間中に当選した設定差なしの特別役(BB−B又はC)の特別遊技の状態であるため、図44に示すように、特別遊技が終了したと判断したときに(ステップS5371)、内部遊技状態FMに「3」を設定する(ステップS5372)。そして主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。
また、図37に戻り、主制御手段100がステップS5370で内部遊技状態FMが「4」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態FMが「5」であるため、有利区間中に当選した設定差ありの特別役(BB−A)の特別遊技の状態である。そのため、図44に示すように、特別遊技が終了したと判断したときに(ステップS5373)、内部遊技状態FMに「3」を設定する(ステップS5374)。そして主制御手段100は、図45に示すように、現在の遊技状態がMB−A内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。
また、主制御手段100は、図37のステップS5326で現在の有利区間種別FAが「2」でないと判断したときは、現在の有利区間種別FAが「3」であるため有利区間中のボーナス内部中を示している。したがって、図45に示すように、主制御手段100は、ボーナス作動図柄(特別役(BB−A〜C、MB−A)の図柄の組み合わせ)が有効ライン上に停止表示されたか否かを判断し(ステップS5380)、ボーナス作動図柄が表示されないときは、内部中遊技状態が継続するため、現在の内部中遊技状態がMB−Aによる内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。一方、ステップS5380でボーナス作動図柄が表示されたときは、有利区間中に当選した特別役による特別遊技に移行するため、主制御手段100は、一旦有利区間種別FAに「2」を設定し(ステップS5381)、停止表示された図柄に応じて更に内部遊技状態を設定する。具体的には、特別役(MB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは(ステップS5382)、内部遊技状態は現在の状態を維持する。また、特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは(ステップS5383)、内部遊技状態FMに「4」を設定する(ステップS5384)。また、ステップS5383で特別役(BB−B)又は特別役(BB−C)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないと判断したときは、特別役(BB−A)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているため、内部遊技状態FMに「5」を設定する(ステップS5385)。最後に主制御手段100は、現在の内部中遊技状態がMB−Aによる内部中か否か(RT3−2遊技状態であるか否か)を判断し(ステップS5386)、MB−A内部中であるときは、ATに関する抽選処理を実行させないために、有利区間種別FAに「3」を設定し(ステップS5387)、遊技終了チェック処理S5260を終了する。また、ステップS5383でMB−A内部中でないと判断するとそのまま遊技終了チェック処理S5260を終了する。なお、有利区間種別3においては、ステップS5386〜S5387は実行しなくてもよい。
以上のように、本実施形態では、内部遊技状態に関わらず、有利区間種別2で特別役(MB−A)に当選して内部中遊技状態(RT3−2遊技状態)に移行したときは、有利区間種別3に移行することになる(内部遊技状態は、移行時の値が維持される)。
−有利区間におけるAT遊技について−
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、非有利区間(有利区間種別0)のときに、設定差のない特別役(BB−B,BB−C、MB−A〜E)に当選すると前兆フラグ抽選が実行されて前兆フラグFZに「1」又は「2」が設定され、有利区間(有利区間種別1又は2)に移行する。ここで、特別役(MB−A〜E)に当選したときは、特別遊技であるMB遊技が実行されると、このMB遊技内で、AT抽選役である再遊技役−D(設定差なし)に当選したときに、前兆フラグ加算抽選が行われ、この前兆フラグ加算抽選に当選して前兆フラグFZが「3」に設定されると、前兆遊技が実行された後(この前兆遊技中もAT抽選役に当選すると前兆フラグ加算抽選が実行される)、有利遊技であるAT遊技が実行されるが、前兆フラグFZが「1」又は「2」のときは、前兆遊技が終了すると非有利区間に戻る。一方、特別役(BB−B又はC)に当選したときは、特別遊技であるBB遊技が前兆遊技となり、この前兆遊技において、AT抽選役である入賞役−H又は入賞役−I(設定差なし)に当選したときに、前兆フラグ加算抽選が行われ、この前兆フラグ加算抽選に当選して前兆フラグFZが「3」に設定されると、特別遊技の終了後に有利遊技であるAT遊技が実行され、特別遊技の終了時に前兆フラグFZが「1」又は「2」のときは、非有利区間に戻る。
このAT遊技は、開始時に所定の遊技数(初期遊技数の40ゲームと、上乗せ遊技数の合計)が設定され、AT遊技の遊技数が「0」になると(状態管理カウンタCSで管理される)、1セットのAT遊技が終了する。そして、1セットのAT遊技の終了時にAT継続判定抽選が実行され、その抽選結果が「継続する」であれば、次の1セットのAT遊技が開始され、「終了する」であれば、有利区間が終了し、非有利区間(有利区間種別0)に移行する。
一方、非有利区間(有利区間種別0)から有利区間(有利区間種別2)に移行する(有利区間種別0から、待機区間である有利区間種別1を経由して有利区間種別2に移行する)と、有利区間における遊技数が計数され(有利区間カウンタCAで管理される)、この有利区間カウンタCAが所定値(本実施形態では1500ゲーム)になると、有利区間種別、内部遊技状態及び遊技状態(RT遊技状態)に関わらず、有利区間が終了して非有利区間(有利区間種別0)に移行するように構成されている。
但し、本実施形態に係るスロットマシン1では、有利区間において所定の条件を満たすと、有利区間カウンタCAが上限値(1500ゲーム)に達するまで、有利遊技であるAT遊技が継続する場合がある。第1の契機(「所定の条件1」と呼ぶ)は、AT継続回数カウンタCWが所定値(本実施形態では22回)を超えたときである。上述したAT継続判定抽選において抽選結果が「継続する」となったとき、及び、有利区間中に特別役(BB−A〜C)に当選し、この特別役に対応する特別遊技が終了したとき(内部遊技状態3)に、AT遊技が継続するため、AT継続回数カウンタCWに「1」が加算され、次のセットのAT遊技が実行される。そして、AT遊技の継続が所定回数(上述したように22回)を超えると、上述したように、指示発生処理(押し順ナビ)は行うが、AT遊技の継続や終了に関する処理が実行されなくなるため(図28のステップS5139における「Y」以降の処理が実行されなくなるため)、有利区間カウンタCAが上限値に達するまで有利遊技であるAT遊技が継続される。
また、第2の契機(「所定の条件2」と呼ぶ)は、AT継続確定フラグFDに「1」が設定されているときである。AT継続判定抽選の抽選結果が「継続する」となると、AT継続確定抽選が行われ、この抽選に当選するとAT継続確定フラグFDに「1」が設定される。また、有利区間中に特別役(BB−A〜C)に当選し、この特別役に対応する特別遊技が終了したとき(内部遊技状態3)に、AT継続回数カウンタCWが「0」であるときも、AT継続確定抽選が行われ、この抽選に当選するとAT継続確定フラグFDに「1」が設定される。AT継続確定フラグFDに「1」が設定されていると、AT継続判定抽選の結果が「終了する」であっても、「継続する」に書き換えられるため(図30のステップS5161,S5163)、結果として、AT継続回数カウンタCWが「22」を超えることになり、有利区間カウンタCAが上限値に達するまで有利遊技であるAT遊技が継続される。なお、内部遊技状態3において、AT継続回数カウンタCWが「0」であるときにAT継続確定抽選を行うことにより、1度もAT遊技が継続していない、有利区間の初期の段階で、有利区間カウンタCAが上限値に達するまで有利遊技であるAT遊技が継続する権利が得られるので、遊技者に満足感を与えることができる(有利区間の残り遊技数が少ないときにこの権利を得ても、遊技者の満足感は少ないため)。なお、AT継続確定抽選は、AT継続回数カウンタCWが「0」のときの方が、他の値のときよりも当選確率が高くなるように構成することにより、遊技者の満足感を得られやすくなる。
このように、少なくとも所定の条件1及び所定の条件2の何れか一方を設けることにより、これらの条件を満たすタイミングにより、当該条件を満たしたことにより得られる利益の量を変化させることができる。
なお、所定の条件1を満たした場合、上述したように、AT遊技の継続や終了に関する処理は実行されなくなるため、所定の条件1を満たしたことの報知(専用の画面表示やモード表示)を行い、AT遊技の残りのゲーム数や累積して実行したAT遊技数の表示を行わないように構成してもよいし、AT遊技数の上乗せに関する抽選(上述したように、次のセットのAT遊技の初期遊技数に上乗せされる遊技数の抽選や、現在実行しているセットのAT遊技に上乗せされる遊技数の抽選)を実行しないように構成してもよい。このような抽選を行って上乗せ遊技数を獲得しても、現在実行されているAT遊技は有利区間カウンタCAが上限値に達するまで継続されるので、遊技者に引き損感(この抽選の機会が無駄であるという感覚)を遊技者に与えない。あるいは、所定の条件1を満たしたとしても報知せずに、主制御手段100では上乗せ抽選等を行わないが、副制御手段200(演出制御手段301)で当選役(演出グループ番号、役物当選番号)に応じて上乗せ抽選を行い、上乗せ演出や、遊技数が「0」になった場合には継続する演出を実行してもよい。一方、所定の条件2を満たした場合は、結果として有利区間カウンタCAが上限に達するまでAT遊技が継続されるが、AT継続判定抽選は実行されるので、この所定の条件2を満たした後も、AT遊技数の上乗せに関する抽選を実行してもよいし、実行しないように構成してもよい。また、所定の条件2を満たす前後で、AT遊技数の上乗せに関する抽選の当選確率を異なる値にしてもよい。また、所定の条件2を満たしたことを報知してもよい。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、上述したように、非有利区間から有利区間に移行するときに(非有利区間において設定差のない特別役(BB−B,C,MB−A〜E)に当選したときに)、前兆フラグ抽選を行い前兆フラグFZに設定される値(「1」又は「2」)を決定し、特別遊技中や前兆遊技中の前兆ランク加算抽選により演出フラグFZを「3」にする機会(すなわち、前兆遊技後にAT遊技が実行される機会)が与えられるように構成されている。ここで、前兆フラグFZの値を、フェイクを意味する「1」、「2」と、本前兆を意味する「3」、「4」として管理してもよい。この場合、前兆フラグ抽選で前兆フラグFZに「1」又は「2」が設定され、前兆フラグ加算抽選に当選すると、前兆フラグFZが「3」又は「4」になる(例えば、前兆フラグ加算抽選に当選するとその時点の前兆フラグFZの値に「1」を加算してもよいし、抽選により前兆フラグFZに「3」又は「4」を設定する(はずれも含む)ようにしてもよい。そして、AT遊技の開始時に、前兆フラグFZが「3」であるか「4」であるかにより、AT遊技後の継続率や、AT遊技中の遊技の上乗せ率が変化するように構成してもよい。また、以上の説明では、AT遊技の開始時の初期遊技数に上乗せされる遊技数や、AT遊技中の遊技数に上乗せされる遊技数が抽選により決定される構成として説明したが、AT遊技のセット数を上乗せしたり、現在実行されているAT遊技のセットを継続確定としたりする構成としてもよい。
−その他の変形例について−
有利区間中は、非有利区間(通常区間)と役の抽選確率を異ならせてもよい(確率変動させてもよい)。具体的には、有利区間中は特別役(BBなど)や特定の役(ベル役など)が高い確率で当選する役決定テーブル(役抽選テーブル)を使用する構成や、非有利区間中は抽選していない特別役や特定の役を有利区間中は高い確率で当選するように抽選を行う役決定テーブルを使用する構成とする。すなわち、役決定テーブルとして、非RT遊技状態時の役決定テーブル(非有利区間用)、非RT遊技状態時の役決定テーブル(有利区間用)、RT1遊技状態時の役決定テーブル(非有利区間用)、RT1遊技状態時の役決定テーブル(有利区間用)などを設けることができる。或るRT遊技状態時の役決定テーブル(非有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役と特別役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、特別役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があるとすると、或るRT遊技状態時の役決定テーブル(有利区間用)を使用した場合、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役と特別役が重複当選するとき(当選確率1%)と、特別役が単独当選するとき(当選確率0.5%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率1%)と、所定の役と特別役が重複当選するとき(当選確率0.5%)と、特別役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよいし、所定の役(レア役)が単独当選するとき(当選確率0.5%)と、所定の役と特別役が重複当選するとき(当選確率1%)と、特別役が単独当選するとき(当選確率1%)があってもよい。そして、有利区間の終了時に有利区間に関連する情報(AT遊技に関する情報)をクリアすると共に、次遊技から元の役決定テーブルを使用するようにする。また、有利区間中の特定のRT遊技状態でのみ確率変動させるようにしてもよい。このように、有利区間中のみ確率変動させることで無制限に遊技メダルが払い出されることを防ぎつつ、非有利区間と1遊技あたりの遊技メダルの獲得期待値を異ならせることが可能となる。
また、有利区間から非有利区間に移行した場合に、有利区間への移行抽選を制限してもよい。具体的には、非有利区間に移行したときにRT遊技状態が非RT遊技状態又はRT2遊技状態であるときは移行抽選を制限し、RT1遊技状態であるときに移行抽選を行うよう制御してもよい。さらに、このように移行抽選が制限されている状態を報知してもよい。この構成により、有利区間が終了した後の有利区間への移行抽選を平等にすることができる。また、遊技者がRT遊技状態を有利区間終了間際に調整することでその後も有利区間に移行しやすくするなどを防ぐことができ、遊技者の知識や技量によらない遊技機を提供できる。
−割込処理S570−
主制御手段100のメインCPU102は、上述した遊技進行メイン処理S550を実行しているが、所定の割込間隔で、割込処理S570を実行するように構成されている。この割込処理S570は、制御用カウンタの更新、ソフト乱数の更新、入力ポートからのデータによる操作手段30等の操作の検出、リール21a〜21cの駆動制御、制御コマンドの副制御手段200への送信等を行う処理である。
図46に示すように、この割込処理S570が実行されると、主制御手段100は、まず初期処理としてレジスタ値の退避及び重複割込の禁止を行う(ステップS571)。次に、電源断検出回路により電源電圧が所定値以下になったことに基づいて出力される信号が入力ポートに入力されるため、主制御手段100は、この入力ポートの状態により電源断を検知したか否かを判断し(ステップS572)、電源断を検出したときは後述する電源断処理S5400を実行する。一方、電源断を検知しないときは、制御用カウンタ値の更新を行う(ステップS573)。この制御用カウンタとは、揺れ変動カウンタや上述した割込カウンタ等である。また、主制御手段100は、タイマ計測を行う(ステップS574)。具体的には、最小遊技時間を計測するカウンタやメダル滞留時間を計測するカウンタの減算処理を行う。また、主制御手段100は、7セグメントディスプレイの表示制御処理を実行する(ステップS575)。例えば、獲得枚数表示器72に対しては、上述したように、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶された数値を読み出し、その数値を獲得枚数表示器72に出力させる。また、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)がクリアされている(例えば、「0」が設定されている)ときは、獲得枚数表示器72を消灯するか「0」を表示させる。ここで、前扉3の開放やホッパーの異常等のエラーが発生したときに、そのエラーの内容をこの獲得枚数表示器72に表示する(例えば、「CE」や「HP」という文字を表示する)場合は、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶されている情報を一時的に他の領域に退避し、エラーに関する情報をこの領域に記憶させてこの割込処理S570により獲得枚数表示器72に表示させる。また、エラーが解消したときは、一時的に退避させた情報(指示内容に対応する数字)をRAM104の所定の領域(又はレジスタ)に戻すことにより、割込処理S570で獲得枚数表示器72に表示させる。なお、本実施形態では詳細に説明していないが、スロットマシン1には、上述した獲得枚数表示器72に加えて、設定値、貯留枚数値を表示するための7セグメントディスプレイが設けられており、これらの発光パターンも制御される。また、主制御手段100は、入力ポート0〜2の情報を読み出す処理を行う(ステップS576)。この処理により、ベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c等の操作系、並びに、セレクタやホッパー装置のセンサ系の状態を、入力ポートから読み出したデータにより生成し、RAM104に記憶する。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの各々に対して回転や停止等の作動の制御を行い(ステップS577,S578)、また、ポート出力処理を行う(ステップS579)。具体的には、リール21a〜21cを回転させるステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)やホッパーモータ70、ブロッカ60を作動させるための励磁出力値を出力ポートに設定する。また、主制御手段100は、後述する制御コマンド送信処理S5500を実行して遊技進行メイン処理S550等でRAM104の制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200に送信する(ステップS580)。
さらに、主制御手段100は、RAM104に記憶されている外部信号1データ、及び、外部信号2データ(上述したBB信号及びRB信号を出力するためのデータ)をレジスタにセットし、これらの外部信号1、2データに基づいて外部信号出力する(ステップS581)。また、主制御手段100は、上述した第2乱数発生手段190のソフト乱数値を更新し、また、リール回転開始待機カウンタ値に乱数値の更新処理(減算)を行う(ステップS582)。最後に、ステップS571で退避させたレジスタ値を復帰させ、次回の割込許可をして(ステップS583)、一回の割込処理S570を終了する。
−電源断処理S5400−
電源断処理S5400が実行されると、主制御手段100は、図46に示すように、全出力ポートの出力をオフし(ステップS5401)、電源断処理が実行されたことを示すデータである電源断処理フラグをRAM104に記憶する(ステップS5402)。なお、電源断処理フラグには、この電源断処理S5400が実行されたときは、例えば「1」が設定される。そして、制御コマンドの読込ポインタ(詳細は後述する)の値を偶数に設定する(ステップS5403)。本実施形態に係るスロットマシン1では、制御コマンドを副制御手段200に送信するときに、同じコマンドを2回送信している。そのため、制御コマンドの1回目の送信をしたときに電源断が発生すると、電源断復帰後の制御コマンドの処理(設定処理及び送信処理)が複雑になるため、電源断発生時に再度1回目の送信から再開できるように、読込ポインタの値を偶数にしている(具体的には書込ポインタの値の最後のビットを0にする)。このように、本実施形態においては、最後のビットの値で1回目の送信であるか2回目の送信であるかを判断しているが、1回目の送信及び2回目の送信をフラグにより管理してもよい。例えば、1回目の送信が行われると送信済みフラグを設定し、2回目の送信が行われたときにこの送信済みフラグをクリアするようにしてもよい。また、電源断発生時には再度1回目の送信から再開できるように送信済みフラグをクリアする。
次に、主制御手段100は、RAM104の全範囲に対してチェックサムデータを算出し(ステップS5404,S5405)、このチェックサムデータをRAM104に記憶し(ステップS5406)、上述したリセットがされるまで待機する(ステップS5407)。電源電圧が低下してこの電源断処理S5400が実行された後に、電源電圧が復帰すると、主制御手段100に設けられた電源電圧監視装置からリセット信号が出力され、このスロットマシン1は再起動することになる。
−制御コマンド送信処理S5500−
制御コマンド送信処理S5500は、割込処理S570で実行され、制御コマンドを副制御手段200に送信する処理を行う。図47に示すように、まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファ(制御コマンドセット2処理S5010で制御コマンドが書き込まれる領域)の先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5501)、さらに、読込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5502)、先頭アドレスがセットされているレジスタの値に、読込ポインタの値(読込ポインタのアドレスに格納されている値)を加算することにより、送信制御対象の制御コマンドが格納されている制御コマンドバッファのアドレスを決定する(ステップS5503)。なお、このステップS5503において、最下位ビットの値を0にする(2進数で、11111110と論理積を行う)。これにより、読込ポインタが偶数のときも、この偶数のときから1進めた奇数のときも、偶数のときと同じアドレスになる。すなわち、読込ポインタが偶数のときは制御コマンド送信の1回目の送信が行われ、奇数のときは同じデータに対して2回目の送信を行うことができる。なお、制御コマンドバッファの先頭アドレスも偶数であるものとする。そして、このアドレスに格納されている値が0であるか否かを判断することにより制御コマンドが格納されているか否かを判断し(ステップS5504)、制御コマンドが格納されていないときはこの制御コマンド送信処理S5500を終了する。
一方、ステップS5504で制御コマンドが格納されていると判断したときは、副制御手段200に制御コマンドを送信するためのレジスタ(送信用レジスタ)のアドレスをレジスタにセットし(ステップS5505)、現在の制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)にあるデータ(制御コマンドの上位1バイト)を読み出して、このデータを送信用レジスタのアドレス(レジスタに設定されている)に書き込み、また、制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)に1を加算する(ステップS5506)。さらに、現在の制御コマンドバッファのアドレスにあるデータ(ステップS5506でアドレスが1進められているため、制御コマンドの下位1バイト)を読み出して、送信用レジスタのアドレスにこのデータを送信用レジスタのアドレスに書き込む(ステップS5507)。なお、送信用レジスタにデータが書き込まれると、そのデータが副制御手段200に送信される。
さらに、主制御手段100は、読込ポインタの値が奇数であるか否かを判断することにより、制御コマンドの2回目の送信が行われた否かを判断し(ステップS5508)、2回目の送信が行われたときは当該制御コマンドが格納されている送信対象制御コマンドバッファの値を0に設定してクリアする(ステップS5509)。最後に(1回目の送信時も2回目の送信時も)、読込ポインタの値に1を加算して(ステップS5510)、制御コマンド送信処理S5500を終了する。
−ソフト乱数更新処理S5570−
図47を用いてソフト乱数更新処理S5570について説明する。上述したように、割込処理S570や、遊技進行メイン処理S550等からソフト乱数更新処理S5570が呼び出されると、第2乱数発生手段190からソフト乱数の現在値を取得し(ステップS5571)、この現在値に所定の加算値を加算する(ステップS5572)。ここで、加算値は素数であって、例えば10909が利用される。このような素数を加算して更新することにより、2バイトの乱数値であれば、各更新時には異なる値となり、且つ、65536回更新すると初期値に戻る。そして、RAM104に記憶されているソフト乱数の初期値を取得し(ステップS5573)、この初期値と加算値が加算された現在値とを比較する(ステップS5574)。初期値と現在値とが一致したときは、割込処理S570が実行される毎にカウントされる割込カウンタ値を取得し(ステップS5575)、この割込カウンタ値を第2乱数発生手段190の現在値として記憶し(ステップS5576)、また、割込カウンタ値を初期値として保存する(ステップS5577)。最後に現在値(ステップS5572において更新値が加算された現在値、又は、ステップS5576で割込カウンタ値が設定された現在値)をソフト乱数値として保存することで(ステップS5578)、第2乱数発生手段190の乱数値の更新を終了する。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、主制御手段100のメインCPU102において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。
(副制御手段200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御する主制御手段100とその遊技に対する演出を制御する副制御手段200とは分離して構成されている。ここで、副制御手段200は、副制御基板300及び画像制御基板400から構成される。そのため、主制御手段100は、副制御手段200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドを副制御手段200に送信するように構成されており、副制御手段200を構成する副制御基板300の演出制御手段301は、副制御手段200で受信された制御コマンドに基づいてその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカ)43、バックランプ44及びサブ操作スイッチ45により映像、光及び音響効果並びにリール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
この副制御手段200において副制御基板300と画像制御基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。副制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340、及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像制御基板400には、サブサブCPU410、画像制御IC420及び音源IC460が設けられており、上述のバス210に接続されたサブサブCPU410により制御される。このサブサブCPU410は、画像制御基板400で実行されるプログラム等を記憶するROM495と、このプログラムの実行時にデータ等を記憶するRAM490を有している。さらに、画像制御IC420には、ビデオRAM430、画像ROM440及び表示回路450と、画像表示装置41とが接続されている。なお、画像制御IC420は、「GPU(Graphics Processing Unit)」とも呼ばれ、画像ROM440は「キャラクタROM」又は「CG−ROM」とも呼ばれる。また、音源IC460には音源ROM470及びアンプ480が接続され、アンプ480には上部及び下部スピーカ43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述した各種演出用ランプ42(42a,42b)、及び、バックランプ44も接続されてその点灯・消灯動作が副制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ操作スイッチ45が接続されている。このサブ操作スイッチ45は、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ操作スイッチ45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像制御基板400に設けられたサブサブCPU410に対して演出コマンドを送信することにより、このサブサブCPU410により画像制御IC420及び音源IC460を制御して、画像表示装置41や放音部43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC420が、画像ROM440に記憶された画像情報をビデオRAM430に展開して実行することにより表示され、また、放音部43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC460が音源ROM470から取り出した音響情報に基づいて再生され、アンプ480を介して放音部43(43a,43b)から出力される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、画像表示装置41に表示される映像を用いた演出における放音部43を用いた音声の出力は、副制御基板300のサブCPU310から送信される演出コマンドに基づいて、画像制御基板400のサブサブCPU410により実行される。また、画像表示装置41を用いず、放音部43からの音の出力だけの演出(及びエラーの報知)も、サブCPU310から送信される演出コマンドによりサブサブCPU410で実行される。そのため、画像制御基板400に搭載される音源IC(サウンドチップ)460として、音を出力するチャネルを複数有するものを用いることにより、複数のチャネルに対して画像表示装置41を用いた演出の音声の出力(主に、画像制御基板400の制御による音の出力)と、画像表示装置41を用いない演出の音声の出力(主に、副制御基板300の制御による音の出力)とのそれぞれで使用するチャネルを割り当てることにより、副制御基板300と画像制御基板400とで使用チャネルが重ならないようにすることができる(例えば、16チャネルある音源IC460の場合に、1〜6チャネルを副制御基板300に割り当て、7〜16チャネルを画像制御基板400に割り当てる)。このように、副制御基板300は音出力指示手段としての機能を有し、画像制御基板400は音出力制御手段としての機能を有している。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、主制御手段100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、副制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
図2に示すように、副制御基板300には、演出を実行する演出制御手段301、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段302及び画像制御基板400に対して演出コマンドの送受信を行う演出コマンド送受信手段303が設けられている。また、画像制御基板400には、画像及びサウンドの制御を行う画像/サウンド出力手段401、及び、副制御基板300との間で演出コマンドの送受信を行う演出コマンド送受信手段402が設けられている。なお、上述したように、主制御手段100は、同一の制御コマンドを2回送信するように構成されている。そのため、副制御基板300は、2個の同一の制御コマンドを受信したときにその制御コマンドを有効としてもよい(1個しか受信できないときは無効として破棄する)。この場合、主制御手段100から受信した制御コマンドの信頼性が向上する。また、いずれか一個の制御コマンドを受信できたときにその制御コマンドを有効としてもよい。あるいは、2個の制御コマンドの一部が欠損してもそれらの制御コマンドから1つの制御コマンドを再生することができるときは、その制御コマンドを有効として扱ってもよい。この場合、主制御手段100から送信される制御コマンドの取りこぼしを防止することができる。
(演出制御手段301による演出の制御)
図49を用いて、演出制御手段301による演出の処理(演出処理)について説明する。演出制御手段301は、主制御手段100から送信される制御コマンドを受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS610)、制御コマンドに含まれる遊技状態、フリーズ制御の有無、演出グループ番号、条件装置番号(役抽選手段110による役の抽選結果)、指示番号や各種カウンタ、フラグの値などATに関する情報等の遊技情報を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS611)。また、演出制御手段301は、演出状態を切り替える条件を満たしているか否かを判断し、条件を満たしている場合は、次遊技の演出状態を切り替える(ステップS612)。例えば、主制御手段100における有利区間種別や内部遊技状態に基づいて、演出状態を切り替える。また、演出制御手段301は、現在の演出状態に対応した演出パターンを抽選で決定する(ステップS613)。そして、演出制御手段301は、ステップS613で決定された演出パターンに基づいて、現在の演出状態における演出1を実行する(ステップS614)。ここで、演出1は、スタートレバー32が操作されてからストップボタン33a〜33cが操作されるまでの演出であり、この演出1には、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42及び放音部43を用いて音声(音楽を含む)、映像により行う演出に加えてバックランプ44を用いて行う演出等が含まれる。また、有利区間種別2において当選した押し順ベルや押し順リプレイの押し順を、画像表示装置41等を用いて報知する。
さらに、演出制御手段は、例えば、メイン制御基板100から送信される第3停止受付コマンドやそれに対応する第3回胴回転停止コマンドに基づいて全てのメインリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS615)、第1〜第3回胴回転停止コマンド(又は、作動図柄表示コマンド)に基づいて有効ライン上に停止した図柄(停止図柄)を判定する(ステップS616)。
次に、演出制御手段301は、上述した演出パターンに基づいて現在の演出状態に対応する演出2を実行する(ステップS617)。この演出2としては、例えば、何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したとき、又は、リール表示窓11内の所定のライン上に所定の図柄が停止したときに、当該図柄の後方にあるバックランプ44を点灯又は点滅させたり、画像表示装置41にその役に応じた画像を表示させたりすること等が行われる。
最後に、演出制御手段301は、次の遊技のベット操作が行われ、主制御手段100から送信されたベットコマンドによりベット操作がされたと判断すると(ステップS618)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS619)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
(有利区間種別や内部遊技状態に応じた演出内容について)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、主制御手段100から送信された制御コマンドに含まれる情報(指示番号、演出番号、役物条件装置番号、ATに関する情報)に基づいて、画像表示装置41等を用いた演出が実行される。以下に、押し順ベルや押し順リプレイの正解押し順の報知以外の演出について、一例を説明する。
−有利区間種別、内部遊技状態に基づく演出の例−
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、主制御手段100における遊技の状態(有利区間種別、内部遊技状態等)に基づいて、演出制御手段301で演出が実行される。特に、有利区間中(有利区間種別2以上の状態)においては、演出状態に応じた演出が行われる。例えば、前兆状態(内部遊技状態1のとき)であれば、前兆状態であることを示唆する演出や、有利遊技(AT遊技)の開始(当選)を示唆する演出を実行することができる。また、AT遊技中(内部遊技状態2のとき)であれば、押し順ナビに加えて、AT遊技の残り遊技数、遊技メダルの累積獲得枚数、AT遊技のセットの継続回数、継続抽選(AT継続判定抽選やAT継続確定抽選)の結果に応じた継続演出、AT遊技の終了演出等を実行することができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、後述する場合を除き、有利区間での遊技の上限値である有利区間カウンタに対応する表示(報知)は行わないように構成されている。例えば、前兆遊技が長く続いた場合や、有利区間中にAT遊技が終了しても有利区間が上限値となる直前であれば有利区間を終了せずに再度前兆状態に移行する仕様の場合に、有利区間カウンタに対応する表示を行ってしまうと、遊技者にこれから期待する出玉の上限を少なく想定されてしまうので好ましくない。しかし、後述する特別条件を満たした際には、突然AT遊技が終了してしまう等、遊技者が失望してしまうことを防ぐため、有利区間カウンタの値や上限値までの遊技数、AT遊技の終了を予告する演出などを実行することが好ましい。
なお、有利区間カウンタに対応する表示は行わないが、有利区間に移行した場合に点灯するランプ等を備えてもよい。このランプは、主制御基板101で管理し、遊技者が認識できるよう、有利区間に移行したタイミングや、有利区間に移行した次の遊技の開始のタイミングで点灯させ、有利区間が終了するまで点灯状態を維持するように構成する。このような有利区間にあることを報知する報知手段(ランプ等)を設けることにより、遊技者に有利区間であることを認識させ、意図せず遊技を終了してしまうことを防止できる。
−特別役(SB)による遊技状態の転落について−
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1において、非RT遊技状態やRT2遊技状態にあるときに、特別役(SB)に当選し、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、再遊技役の当選確率が低いRT1遊技状態に転落するように構成されている。一方、RT2遊技状態は、特別役(BB−B,C)や特別役(MB−A〜E)等の設定差のない特別役の特別遊技後に移行する遊技状態であり、上述したように、有利遊技が実行される状態であるため、RT1遊技状態に転落すると、遊技者に与える有利感が少なくなってしまう。また、設定差のある特別役(BB−A)に当選して特別遊技が実行された後は非RT遊技状態に移行するが、このときも同様である。したがって、特別遊技が終了した後の、RT2遊技状態や非RT遊技状態にあるときに、特別役(SB)に当選したときは、演出制御手段301の演出により(例えば、上述した演出1において)、特別役(SB)に当選したことを報知することにより、遊技者は、特別役(SB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないようにストップボタン33a〜33cを操作することができ(RT1遊技状態に転落することを防止でき)、有利区間の遊技が遊技者に与える効果を大きくすることができる。また、特別役(BB−A)に当選して特別遊技が実行されたときは、この特別遊技の終了後(非RT遊技状態に移行している)、次回の特別役(設定差のないBB−B,C,MB−A〜E)に当選するまで再遊技役の当選確率が高い非RT遊技状態を維持することができる。なお、特別役(SB)に当選したことの報知は、直接的な内容(「SB当選」等)で報知するだけでなく、画像表示装置41の一部に記号を表示したり、音声やランプで報知したりするように構成してもよい。
−有利区間の上限値までAT遊技が継続することが決定したときの報知−
上述したように、有利区間の遊技において所定の条件(所定の条件1及び2)を満たすと、有利区間カウンタCAが上限値に達するまでAT遊技が継続する。この所定の条件を満たしたことを、演出制御手段301の演出として(例えば、上述した演出2において)、報知するように構成してもよい。また、所定の条件1(AT継続回数カウンタCWが「22」を超えたとき)を満足したときは、例えば、AT遊技中(有利遊技中)の演出を、所定の条件1に対応した専用演出とすることにより報知してもよい。これにより、遊技者は特定条件を満たしたことを認識することができる。また、所定の条件1を満足した場合は、AT遊技(有利遊技)の残り遊技数を画像表示装置41等に表示しないように構成してもよい。
−AT遊技(有利遊技)の終了予告について−
上述したように、有利区間に移行すると、有利区間カウンタCAにより、有利区間での遊技数が計数され、この遊技数が上限に達すると、有利区間種別、内部遊技状態、RT遊技状態に関わらず、有利区間が終了し、非有利区間に移行してしまう。この有利区間カウンタCAの値は、主制御手段100から送信される制御コマンドに含まれている。そのため、演出制御手段301は、有利区間の遊技数(有利区間カウンタCA)が、特別条件を満たすと、有利区間カウンタCAが上限値に達するまで、所定の報知(これを「終了演出」と呼ぶ)を実行可能に構成されている。具体的には、有利区間カウンタCAが、上限値から所定の遊技数だけ少ない値(特定値)になると(例えば、1500ゲームから50ゲーム少ない1450ゲームになると)、AT遊技の終了を告知する演出(例えば、AT遊技の上限値までの残り遊技数を報知する演出)を行う。このような報知を行うことにより、遊技者は、AT遊技(有利遊技)の終了を突然認識して失望しまうことがなく、AT遊技(有利区間での遊技(有利遊技))の終了を事前に把握することができる。
なお、この終了演出は、AT遊技の上限値までの残り遊技数を報知する替わりに、若しくはこの報知に加えて、所定のゲーム数又は所定の期間を必要とする特別な演出(いわゆる「エンディング演出」)を実行するように構成してもよい。また、AT遊技中(有利遊技中)、前兆準備及び前兆中、特別役に対する内部中及び特別遊技中であっても、この終了演出を実行してもよい。
また、演出制御手段301は、有利区間の遊技数(有利区間カウンタCA)が特定値に到達する所定ゲーム数前から、複数の遊技に跨がって実行される連続演出を選択しない、若しくは、実行しないように構成してもよい。また、演出制御手段301は、特別役(ボーナス)が確定したことを報知する演出を実行しているときは、上述した終了演出を実行する条件を満たしてもこの終了演出は実行せず、特別役入賞後から終了演出を実行するように構成してもよい。
また、この終了演出は、上述した所定の条件1又は2(有利区間カウンタCAが上限値に達するまでAT遊技(有利遊技)が実行される条件)を満たしているときだけ報知するように構成してもよい。また、終了演出を実行しているときに、特別役に当選した場合は、終了演出を継続しつつ、特別役に入賞可能な遊技において特別役を狙うことを示唆する示唆演出を行ってもよい。その際、画像表示装置41において、終了演出よりも小さい領域で示唆演出を行うことが好ましい。
また、AT遊技の継続判定でAT遊技が終了すると判定されたときに、演出制御手段301によりAT遊技の終了を報知し、また、終了演出なしで有利区間カウンタCAが上限値となる場合に、AT遊技の継続判定における終了すると判定されたときと同じ報知を行うように構成してもよい。
(主な効果)
上記の本実施形態に係るスロットマシン1の主な特徴とその効果について以下に示す。
第1に、本発明に係るスロットマシン1は、当選役決定手段110が、所定の遊技状態(例えば、MB遊技状態)において、第1の特定役(例えば、再遊技役−C)又は第2の特定役(例えば、再遊技役−D)を当選役として決定可能とし、抽選テーブルにおいて、第1の特定役は、設定値情報に応じて異なる当選確率となるように設定され、第2の特定役は、設定値情報に依らず同じ当選確率となるように設定され、所定の遊技状態において、第2の特定役に当選すると、特定の遊技状態(有利区間において有利遊技(AT遊技)が実行される状態)に移行するか否かを決定するように構成されている。一般的な遊技機は、特定の遊技状態への移行は特定役の当選を契機とした移行抽選により定められ、その移行確率に設定差(設定値情報による差)を備えるため、移行確率から設定値の判別が行われ易いといった課題があった。そのため、この第1の特徴構成を有することにより、特定の遊技状態に関して設定差を設けても設定差の判別を困難とすることができる。
第2に、本発明に係るスロットマシン1は、所定の遊技状態(有利区間において有利遊技(AT遊技)が実行される状態)を備え、この所定の遊技状態では、遊技毎に遊技状態カウンタ(有利区間カウンタ)を更新し、遊技状態カウンタの値が第1の終了条件を満たす(上限値(例えば「1500」)になる)と、所定の遊技状態を終了し、所定の遊技状態中に所定の条件を満たす(AT継続判定抽選で「継続する」と決定される)と、特定遊技(継続したAT遊技)を実行可能とし、特定遊技の実行中に第2の終了条件を満たす(AT継続判定抽選で「終了する」と決定される)と、特定遊技を終了し、特定遊技中に特定の条件を満たす(AT継続回数カウンタが所定値(例えば「22」になる)と、第2の終了条件を判断することなく、第1の終了条件を満たすまで特定遊技を継続するように構成されている。従来の遊技機では、所定の遊技状態毎に利益の差を定めるため、所定の条件を満たすタイミングにより、この条件を満たしたことにより得られる利益の量を変化させることが難しいという課題があった。そのため、この第2の特徴構成を有することにより、所定の遊技状態において、所定の条件を満たすタイミングにより、この条件を満たしたことにより得られる利益の量を変化させることができる。
第3に、本発明に係るスロットマシン1は、所定の遊技状態(有利区間において有利遊技(AT遊技)が実行される状態)を備え、この所定の遊技状態では、遊技毎に遊技状態カウンタ(有利区間カウンタ)を更新し、遊技状態カウンタの値が第1の終了条件を満たす(上限値(例えば「1500」)になる)と、所定の遊技状態を終了し、所定の遊技状態中に所定の条件を満たすと、特定遊技(継続したAT遊技)を実行可能とし、特定遊技の実行中に第2の終了条件を満たす(AT継続判定抽選で「終了する」と決定される)と、特定遊技を終了し、特定遊技中に特定の条件を満たす(AT継続確定抽選に当選してAT継続確定フラグに「1」が設定される)と、第2の終了条件を満たしていても第1の終了条件を満たすまで前記特定遊技を継続するように構成されている。従来の遊技機では、所定の遊技状態毎に利益の量を定めるため、所定の条件を満たすタイミングにより、この条件を満たしたことにより得られる利益の量を変化させることが難しいという課題があった。そのため、この第3の特徴構成を有することにより、所定の遊技状態において、所定の条件を満たすタイミングにより、この条件を満たしたことにより得られる利益の量を変化させることができる。
第4に、本発明に係るスロットマシン1は、所定の遊技状態(有利区間において有利遊技(AT遊技)が実行される状態)を備え、この所定の遊技状態に移行すると、遊技毎に遊技状態カウンタ(有利区間カウンタ)を更新し、遊技状態カウンタの値が第1の終了条件を満たす(上限値(例えば「1500」)になる)と、所定の遊技状態を終了し、所定の遊技状態中の遊技において、遊技状態カウンタの値が所定の条件を満たしたとき(例えば、有利区間カウンタの上限値(第1の終了条件)まで残り50ゲームになったとき)に、第1の終了条件を満たすまで所定の報知(例えば、AT遊技の終了を告知する演出)を実行可能とするように構成されている。従来の遊技機では、所定の遊技状態において所定の遊技数が実行されると、演出内容等に関わらずこの所定の遊技状態が終了してしまうという課題があった。そのため、この第4の特徴構成を有することにより、所定の遊技状態における遊技の終了を遊技者が突然認識して失望してしまうことを防止することができる。
第5に、本発明に係るスロットマシン1は、リール制御手段120が、所定の遊技状態(例えば、MB遊技状態)において、複数のリール21a〜21cのうち、少なくとも1つの特定リール(例えば、中リール21b)に対して、残りのリールとは異なる停止制御を行い、当選役決定手段110により所定役(例えば、入賞役−ALL)が決定されたときに、ストップボタン33a〜33cの操作態様に応じて、所定の払出し枚数(例えば15枚)が対応づけられた第1の図柄組み合わせ(例えば、入賞役02又は入賞役04の図柄の組み合わせ)と所定の払出し枚数より少ない枚数(例えば14枚)が対応づけられた第2の図柄組み合わせ(例えば、入賞役05の図柄の組み合わせ)とを停止表示可能で、かつ、ストップボタン33a〜33cの操作順序に関わらず第1の図柄組み合わせ及び第2の図柄組み合わせを停止表示可能とし、さらに、特定リールを第一停止操作した場合に、第2の図柄組み合わせを停止表示させる確率は、特定リール以外のリールを第一停止操作した場合に、第2の図柄組み合わせを停止表示する確率より低くなるように構成されている。従来の遊技機では、ストップボタンの操作順序以外の方法で高配当の利益を得るか、低配当の利益を得るかを定めるような技術介入性を確保することが難しいという課題があった。また、特定のリールの停止制御が他のリールに対する制御と異なる遊技状態(いわゆるMB遊技)では、押し順によらず同じ小役(入賞役)が入賞することや、押し順により入賞する小役が異なることが一般的であり、技術介入性がなく遊技性が単調になるという課題があった。そのため、この第5の特徴構成を有することにより、技術介入性を、ストップボタンの操作順序に依らず確保することができる。また、特定リールの停止制御が他のリールに対する制御と異なる遊技状態において技術介入性を取り入れたとしても不都合なく遊技ができる。