以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図13を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は操作手段の操作とリール21a〜21cの作動のタイミングを示す説明図であり、図7はステッピングモータのステップ数の割り当て状態を説明するための説明図であり、図8は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図9は役に割り当てられたストップボタン33a〜33cの押し順を示す説明図であり、図10はリール21a〜21cの停止制御に用いられるテーブルを説明するための説明図であり、図11はこのスロットマシン1における遊技状態及び内部遊技状態の遷移を示す説明図であり、図12は獲得枚数表示器72を説明するための説明図であり、図13は当選役と指示番号との関係を説明するための説明図である。なお、以降の説明において「画像」は、限定した場合を除き、静止画像および動画像を含むものである。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、リール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行う主制御手段100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御する副制御手段200と、から構成されている。
(主制御手段100)
主制御手段100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う当選役決定手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う入賞判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段160、フリーズ演出の実行制御を行うフリーズ制御手段170、操作手段30を構成するストップボタン33a〜33cの押し順を判定する操作順序判定手段175、遊技に関する情報を外部集中端子板80を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する外部信号送信手段180、主制御手段100から副制御手段200に制御コマンドを送信する制御コマンド送信手段185、及び、第2乱数発生手段190を有して構成されている。この主制御手段100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU(中央演算処理装置)102と、役の抽選や演出(例えば、フリーズ演出等)の抽選等を行うための乱数値を発生させる乱数発生器103と、メインCPU102が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM104と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM105と、副制御手段200と通信を行うI/F回路106と、が主制御基板101上に取り付けられて構成されており、これらはバス107で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。この主制御手段100において、メインCPU102は、ROM105に記録された遊技用制御プログラムをRAM104に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。なお、メインCPU102には、プログラムの実行で用いる数値等を記憶するレジスタを有しており、以下の説明では、このレジスタを用いた処理について説明するが、これらの処理は一例であって、メインCPU102のレジスタとRAM104とは適宜使用することができる。
この主制御手段100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。そして、3個のリール21a〜21cが、スロットマシン1の前扉3に形成されたリール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及び右リール21cは、スロットマシン1のリール表示窓11からは、合計9個の図柄(図1に示す図柄90〜98)が見えるように配置されている。
リール21a〜21cの各々には、例えば、図4に示すように0番から19番までの20個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、リール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動は主制御手段100のリール制御手段120により制御される。さらに、リール位置検出手段23a〜23cは、有効ライン上に表示されている図柄を判定するときに各々のリール21a〜21cの停止位置を決定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値は主制御手段100により読み出され入賞判定手段130により処理される。ここで、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、リール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、リール21(21a〜21c)とリール駆動手段22(22a〜22c)とを連結する部分に取り付けられた被検知部材(インデックス)がこのリールセンサの前を通過したときに、リールセンサでインデックスを検出するように構成されている。これにより、リール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができ、この基準となる位置に基づいて各々のリール21a〜21cの停止位置を決定することができる。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、リール表示窓11から見える9つの図柄のそれぞれの後方に、9個のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。あるいは、全てのバックランプ44を点灯し、強調したいライン上のバックランプ44の照度を高くし、強調したくないその他のバックランプ44の照度を低くしてもよい。このように、リール21(21a〜21c)は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。また、後述する入賞役−A1のようにストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている役に対してその押し順を演出として報知するときに、後述する無効ライン上にあるバックランプ44を点滅させたり、ストップボタン33a〜33cの停止操作毎に複数ある無効ライン上のバックランプ44を、1ラインずつ消灯させたりするように構成してもよい。
また、主制御手段100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、清算ボタン34、電源スイッチ35、設定変更キースイッチ36、及び、リセット/設定スイッチ37を有している。
スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたリール21a〜21cを始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているリール21a〜21cの各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(後述する「クレジット」)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に電子的な情報として貯留される(例えば、RAM104に記憶される)ように構成されている(以下、単に「貯留」と呼ぶ)。また、清算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。また、電源スイッチ35は、このスロットマシン1の電源をオン・オフするためのスイッチである。また、設定変更キースイッチ36およびリセット/設定スイッチ37は、後述する設定値設定手段150で設定値を変更するとき等に用いられる。
また、この主制御手段100の入力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルを検出するための2つのセンサ(第1投入センサ61及び第2投入センサ62)、遊技メダルを払い出す装置であるホッパー装置から払い出された遊技メダルを検出する払出センサ71、前扉3の開閉を検出するドアスイッチ91、並びに、設定変更キースイッチ36等が格納されたエリアのドアの開閉を検出する設定ドアスイッチ92が接続されている。第1及び第2投入センサ61,62並びに払出センサ71の検出結果は払出制御手段140で処理され、ドアスイッチ91及び設定変更キースイッチ36の検出結果は設定値設定手段150で処理される。なお、メダル投入口51からホッパー装置に連通する流路に対し、上流側に第1投入センサ61が配置され、下流側に第2投入センサ62が配置されている。また、この流路を遊技メダルが流下する過程で、第1及び第2投入センサ61,62が同時に遊技メダルを検出するタイミングがあるように配置されている。
また、この主制御手段100の出力側には、メダル投入口51から投入された遊技メダルの流路を決定するセレクタに設けられたブロッカ60、ホッパーモータ70、獲得枚数表示器72及び外部集中端子板80が接続されている。ここで、ブロッカ60は、遊技メダルを受け付けない期間にメダル投入口51から投入されたメダルを返却用の流路に導く機能を有している。また、ホッパーモータ70は、ホッパー装置から遊技メダルを払い出すときに作動する。これらのブロッカ60及びホッパーモータ70の動作は、払出制御手段140により制御される。
(当選役決定手段110)
当選役決定手段110は、図3に示す乱数発生器103(以降の説明では、この乱数発生器103を「第1乱数発生手段」とも呼ぶ)から第1の乱数値を取得し、この乱数発生器103とは異なる第2乱数発生手段190から第2の乱数値を取得して、これらの第1の乱数値及び第2の乱数値を演算により処理して第3の乱数値を生成し、この第3の乱数値と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルとにより役に当選したか否かを判定するように構成されている(以下、役抽選テーブルに設定された役毎の当選確率のデータを「確率データ」と呼ぶ)。この当選役決定手段110による当選役の決定方法については後述する。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役、入賞役、及び、再遊技役が設けられている。この当選役決定手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段111に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、当選役決定手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段及び抽選手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが後述する有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態に移行されるという役であり、本実施形態においては、BB(ビックボーナス)としてBB1、BB2、BB3が設けられている。このBBは特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚ベットされて遊技が行われた場合には、図5に示す特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、BB遊技に移行するように構成されている。ここで、BB遊技は、後述するRB遊技を、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、BB1は334枚、BB2は238枚、BB3は60枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。
なお、特別役はこのBBに限定されることはなく、MB(ミドルボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。MBは特別遊技の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。このMB遊技は、抽選結果に関わらず全ての小役が当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、30枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている。このとき、MB遊技においてベットされる遊技メダルの枚数を、MB遊技以外のときとは異なる枚数(例えば2枚)にするように構成することも可能である。また、RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。このRB遊技は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを2回行うか、2回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、SBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての入賞役が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内で、そのリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。
また、入賞役とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、入賞役の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払い出される遊技メダルの枚数が設定されている。この本実施形態に係るスロットマシン1においては、入賞役として入賞役01〜24が設定されている。また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された遊技で、投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役01〜08が設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された次の遊技においても、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
この当選役決定手段110は、図2に示すように、抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段111、及び、当選役決定手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止表示されるまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段112を有している。
(フラグ情報記憶手段111)
フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110によって何らかの役に当選したとき(後述するように、役抽選処理S5080において当選した役の条件装置検索番号が条件装置番号バッファに設定されたとき)に、当選した役の種類及びそのフラグをオンにして記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段111に記憶されている情報は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたことを条件として消去され、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されなければ次遊技以降、当該図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。なお、MB遊技を有するスロットマシン1においては、MB遊技中は、当選役決定手段110の抽選結果に拘わらず、特別役を除く全ての払い出しを有する役の当選フラグをオンすることができる。但し、抽選結果で再遊技役(リプレイ)が当選したときは、その再遊技役のフラグをオンにするように構成してもよい。このように、フラグ情報記憶手段111は、当選役決定手段110で決定された役を記憶する決定役記憶手段としての機能を有している。
(特別役持ち越し手段112)
特別役持ち越し手段112は、当選役決定手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段111に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に停止表示されるまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSB及びCBは、当選した遊技で図柄を停止表示させることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(後述する内部中遊技状態であるRT4遊技状態にあるとき)に、当選役決定手段110による役抽選の結果、入賞役が当選したときは、特別役と入賞役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちのいずれかの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作されたタイミングに応じて、リール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6(a)に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、リール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段160で管理されている遊技状態、当選役決定手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でリール21a〜21cの各々を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1のリール表示窓11に表示されているリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、リール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図1に示すように、リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置90〜98に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図1に示すように、左リール21aの中段の図柄停止位置91、中リール21bの中段の図柄停止位置94、及び、右リール21cの中段の図柄停止位置97を結ぶラインLが有効ラインとして設定されている。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、主制御手段100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイル(固定子)を有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つの相が励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つの相が励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1−2相励磁により、ローター(回転子)が回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば336ステップ(=21×16)が設定され、かつ、定速状態の回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大5個の図柄の範囲内で、リール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、リール21a〜21cとして、周囲に21個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に16ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は2.23msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で5図柄先で停止させるとすると、5図柄分のステップ数は80ステップ(=16×5)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、178.4ms(=2.23×80)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で180.63ms(=178.4+2.23)となり、190ms以内に収めることができる。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21cには、上述したように、周囲に20個の図柄が表示されており、各図柄に対して均等にステップ数を割り当てることができない。また、21個の場合よりも図柄の数が1個減ることにより、割り当てられるステップ数が多くなる図柄が必要となるため、ステップ数の割り当てが偏ると、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大で5図柄先で停止させようとした場合、190ms以内に停止させることができなくなるおそれがある。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1では、図7に示すように、全ステップ数として設定されている336ステップを20で除算したときの商M(すなわち16)及び余りP(すなわち16)に基づき、20個の図柄のうち、連続する5個の図柄の範囲のいずれにもM+1ステップ(すなわち、17ステップ)を割り当てたP/4個(すなわち、4個)の図柄と、Mステップ(すなわち、16ステップ)を割り当てた(20−P)/4個(すなわち、1個)の図柄とが含まれるように構成している。具体的には図7に示すように、17ステップ、17ステップ、17ステップ、16ステップ、17ステップという並びを4回繰り返すように、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てている。
このように各リール21a〜21cにステップ数を割り当てることにより、20個の図柄のうち、いずれの連続する5個の範囲においても17ステップが割り当てられた4個と16ステップが割り当てられた1個が含まれることとなるため、5個の図柄の範囲におけるステップ数の合計は84ステップ(=17×4+16)となり、停止時間を190ms以内に収めることができる。
また、上述したように、当選役決定手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段112によりその特別役が持ち越されている遊技において、入賞役や再遊技役に当選しているときは、これらの役を優先して有効ライン上に停止させるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。具体的には、再遊技役が当選しているときは他の当選役に優先して必ずこの再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。また、入賞役については、特別役に優先して図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示するように構成することができる。なお、このようなリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6(a)に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図6(b)に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、入賞役は、上述したように入賞役01〜24の24個の役から構成されている。この入賞役01〜24は、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。なお、図5において、左中右の各リールに停止する図柄をこの順でカギ括弧(「」)でくくって表示しており、一つのカギ括弧内でスラッシュ(/)で区切られた図柄は、それぞれの図柄が当該役を構成していることを示している。例えば、図5において、入賞役02の図柄の組み合わせは「リプレイA/リプレイB」−「ベル」−「チェリー」と表記されているが、これは、「リプレイA」−「ベル」−「チェリー」(左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄が停止し、中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「チェリー」の図柄が停止している状態)と、「リプレイB」−「ベル」−「チェリー」(左リール21aの中段に「リプレイB」の図柄が停止し、中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、右リール21cの中段に「チェリー」の図柄が停止している状態)とを含むことを示している。
また、本実施形態に係るスロットマシン1は、それぞれの役に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある(例えば、入賞役02〜10、13〜16、20〜24)。なお、入賞役20の中リール21bの図柄として示す「any」は、この中リール21bに配置された図柄のいずれでもよいことを示している。
また、この入賞役01〜24に対しては、図8に示すように、これらの入賞役01〜24を組み合わせた(重複当選されるように構成された)17個の当選役が割り当てられている(入賞役−A1〜入賞役−G)。この図8において、当選役の括弧内は、当選役である入賞役に割り当てられた入賞役01〜24を示し、例えば、当選役として入賞役−A1が決定されたときは、入賞役01、入賞役07、入賞役13及び入賞役19が重複して当選することを示している。また、入賞役−Gは、上述したBB遊技が実行されているときに当選する役であり、入賞役01〜24の全てが当選する役である。このように、本実施形態においては、入賞役を含む当選役においては、上述したように入賞役が重複当選する構成と、入賞役−C、Dのように、いずれかの入賞役が単独当選する当選役も含むように構成されている。
そして、図9(a)に示すように、これらの当選役のうち、入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6に対して、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている。以下、入賞役−A1〜A6及び入賞役−B1〜B6を「押し順ベル」と呼ぶ。また、入賞役−A1〜A6及び入賞役B1〜B6においては7枚の遊技メダルが払い出される役(以下「7枚役」と呼ぶ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する押し順を「正解押し順」と呼ぶ(また、1枚の遊技メダルが払い出される役を以下「1枚役」と呼ぶ)。この図9において、たとえば「左中右」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2停止として中ストップボタン33bが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。また、「左**」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作されるが、第2停止及び第3停止は中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cの操作順序は任意であることを示している。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するリール21a〜21cを、その操作がされたときに、リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、左リール21a〜右リール21cの何れにおいても、「ベル」の図柄は、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。すなわち、ストップボタン33a〜33cがどのようなタイミングで操作されても有効ライン上に「ベル」の図柄を引き込んで停止表示させることができる。したがって、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、入賞役01を構成する複数の図柄の組み合わせの何れかを有効ライン上に停止させることができる。同様に、「リプレイA」または「リプレイB」の図柄は、左リール21a〜右リール21cの何れにおいても、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。右リール21cにおける「チェリー」の図柄も同様である。したがって、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、入賞役02を構成する複数の図柄の組み合わせの何れかを有効ライン上に停止させることができる。また、中リール21bは、5図柄以内に「赤7」、「青7」、「バー」、「キャラ」の図柄のいずれかが配置されている。すなわち、中ストップボタン33bがどのようなタイミングで操作されても有効ライン上に「赤7」、「青7」、「バー、「キャラ」の図柄のいずれかを引き込んで停止表示させることができる。右リール21cにおける「バー」、「スイカ」、「リプレイB」の図柄と右ストップボタン33cの操作タイミングとの関係も中リール21b及び中ストップボタン33bと同じである。したがって、これらのリール21a〜21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a〜33cの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上に、入賞役24を構成する複数の図柄の組み合わせの何れかを有効ライン上に停止させることができる。このとき、入賞役24の図柄の組み合わせのいずれが中段に停止しても、図4から明らかなように、必ず下段に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄が揃うことになる。
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、入賞役−A1が当選役である場合について、ストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図8に示すように入賞役−A1に対しては、入賞役01、入賞役07、入賞役13及び入賞役19が重複当選し、その正解押し順(7枚役である入賞役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃う押し順)は「左中右」である。
−左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
当選役として入賞役−A1が決定されたときに、左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作される、すなわち、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2停止として中ストップボタン33bが操作され、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、各々のストップボタン33a〜33cの操作において、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に入賞役01の図柄の組み合わせを停止させ7枚の遊技メダルの払い出しを行う(図9(a)の「○」)。具体的には、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止表示させ、第2停止である中ストップボタン33bの操作時に、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させ、第3停止である右ストップボタン33cの操作時に、右リール21cの中段に「ベル」の図柄を停止表示させる。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の入賞役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるようにリール21a〜21cを停止制御することを指す。本実施形態において、入賞役−A1で当選する入賞役のうち、払い出される遊技メダルの枚数が最も多いのは、図5に示すように、7枚の遊技メダルが払い出される入賞役01である。
−左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
左右中の順でストップボタン33a〜33cが操作された場合も、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に入賞役01の図柄の組み合わせを停止させ7枚の遊技メダルの払い出しを行う(図9(a)の「○」)。すなわち、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止表示させ、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、右リール21cの中段に「ベル」の図柄を停止表示させ、第3停止である中ストップボタン33bの操作時に、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止表示させる。
−中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、リール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、入賞役−A1を構成する図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベル」、「キャラ」、「スイカ」、「バー」の図柄を含むものは各々1つであるが、「ブランク」の図柄を含むものは2つである。また、中リール21bにおいて、「ブランク」の図柄は中ストップボタン33bの操作タイミングに関わらず、必ず有効ライン上に引き込んで停止表示させることができる。したがって、リール制御手段120は、第1停止である中ストップボタン33bの操作に対して、中リール21bの中段(有効ライン上)に「ブランク」の図柄(入賞役07を構成する図柄)を停止表示させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点で、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄を停止表示させることで、入賞役07の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。したがって、リール制御手段120は、左ストップボタン33aが操作されたときに、「リプレイA」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を左リール21aの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、例えば、「リプレイB」の図柄を左リール21aの中段に停止表示させる。
そして、第3停止である右ストップボタン33cが操作される時点で、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示され、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止表示されているときは、リール制御手段120は、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を右リール21cの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないとき、及び、左リール21aの中段に「リプレイB」の図柄が停止表示されているときは、「リプレイA」の図柄を右リール21cの中段に停止表示させることにより、特定図柄03の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(図9(a)の「△or×」)。
ここで、図4に示すように、左リール21aにおいて「リプレイA」の図柄は、1番及び16番に配置されている。そのため、後述するように、11番〜15番の図柄が左リール21aの中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると、16番の「リプレイA」の図柄を左リール21aの中段に停止させることができる。また、16番〜0番の図柄が左リール21aの中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると、1番の「リプレイA」の図柄を左リール21aの中段に停止させることができる。すなわち、11番〜0番の10個の図柄が左リール21aの中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると「リプレイA」の図柄を左リール21aの中段に停止させることができるので、この左リール21aにおいて「リプレイA」の図柄を中段に停止表示させることができる確率は1/2(=10/20)となる。同様に、右リール21cにおいて、「スイカ」の図柄は、7番及び2番に配置されているため、17番〜6番の図柄が右リール21cの中段にあるときに右ストップボタン33cが操作されると「スイカ」の図柄を右リール21cの中段に停止表示させることができるので、その確率は1/2である。したがって、入賞役07の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される確率は1/4(=1/2×1/2)である。
以上より、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときは、1/4の確率で入賞役07の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4(=1−1/4)の確率で特定図柄03の図柄の組み合わせ(以下、「ベルこぼし目」とも呼ぶ)が有効ライン上に停止表示される。
−中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
中左右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に入賞役07を構成する図柄である「ブランク」を停止表示させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時点で、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止表示されているため、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させると、入賞役07の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。したがって、リール制御手段120は、右ストップボタン33cが操作されたときに、「スイカ」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を右リール21cの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、例えば、「リプレイA」の図柄を右リール21cの中段に停止表示させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄が停止表示されているときは、リール制御手段120は、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、「ベル」の図柄を左リール21aの中段に停止表示させることにより、特定図柄02の図柄の組み合わせを停止表示させる。また、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示されているときは、左リール21aの中段に「リプレイA」または「リプレイB」の図柄のいずれかを停止表示させることにより、特定図柄03の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(図9(a)の「△or×」)。
以上より、ストップボタン33a〜33cが中左右の順で操作されたときは、中右左のときと同様に、1/4の確率で入賞役07の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4の確率で特定図柄02または特定図柄03の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。
−右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に停止表示させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、入賞役−A1を構成する図柄の組み合わせのうち、右リール21cに「ベル」、「キャラ」、「スイカ」、「ブランク」の図柄を含むものは各々1つであるが、「リプレイA」の図柄を含むものは2である。また、右リール21cにおいて、「リプレイA」の図柄は右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず、必ず有効ライン上に引き込んで停止させることができる。したがって、リール制御手段120は、第1停止である右ストップボタン33cの操作に対して、右リール21cの中段(有効ライン上)に「リプレイA」の図柄(入賞役13を構成する図柄)を停止表示させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時点で、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止しているため、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄を停止表示させることで、入賞役13の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。したがって、リール制御手段120は、左ストップボタン33aが操作されたときに、「リプレイA」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を左リール21aの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、例えば、「リプレイB」の図柄を左リール21aの中段に停止表示させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bが操作される時点で、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示されているときは、リール制御手段120は、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないとき、及び、左リール21aの中段に「リプレイB」の図柄が停止表示されているときは、「ブランク」の図柄を中リール21bの中段に停止表示させることにより、特定図柄03の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(図9(a)の「△or×」)。
上述したように、左リール21aにおいて「リプレイA」の図柄を中段に停止表示させることができる確率は1/2となる。また、中リール21bにおいて、「スイカ」の図柄は、9番及び4番に配置されているため、19番〜8番の図柄が中リール21bの中段にあるときに中ストップボタン33bが操作されると「スイカ」の図柄を中リール21bの中段に停止表示させることができるので、その確率は1/2である。したがって、入賞役13の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される確率は1/4(=1/2×1/2)である。
以上より、ストップボタン33a〜33cが右左中の順で操作されたときは、1/4の確率で入賞役13の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4(=1−1/4)の確率で特定図柄03の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。
−右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合−
右左中で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って、右リール21cの中段(有効ライン上)に入賞役13を構成する図柄である「リプレイA」を停止表示させる。
次に、第2停止である中ストップボタン33bの操作時点で、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示されているため、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させると、入賞役13を構成する図柄を有効ライン上に停止表示させることで、入賞役13の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。したがって、リール制御手段120は、中ストップボタン33bが操作されたときに、「スイカ」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を中リール21bの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、例えば、「ブランク」の図柄を左リール21aの中段に停止表示させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aが操作される時点で、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示されているときは、リール制御手段120は、「リプレイA」の図柄を停止表示させることができるときは、この図柄を左リール21aの中段に引き込んで停止表示させる。一方、引き込むことができないときは、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止表示させることにより、特定図柄05の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる。また、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄が停止表示され、右リール21cの中段に「リプレイA」の図柄が停止表示されているときは、左リール21aの中段に「リプレイA」または「リプレイB」の図柄のいずれかを停止表示させることにより、特定図柄03の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(図9(a)の「△or×」)。
以上より、ストップボタン33a〜33cが右中左の順で操作されたときは、右左中のときと同様に、1/4の確率で入賞役13の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4の確率で特定図柄03または特定図柄05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。
ここでは、押し順ベルの例として入賞役−A1に当選した場合について説明したが、入賞役−A2〜A6についても、図9(a)に示す正解押し順で(「○」で示される押し順)で操作がされたときは7枚役(入賞役01または入賞役02)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて7枚の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順(「△or×」で示される押し順)で操作がされたときは、1/4の確率で1枚役の図柄の組み合わせが停止表示されて1枚の遊技メダルが払い出され、3/4の確率で特定図柄(特定図柄01〜05のいずれか)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。なお、上記の説明では入賞役−A1に対するベルこぼし目を特定図柄02、03、05とした場合について説明したが、入賞役−A2〜A6に対しても、それらを構成する入賞役に応じて、特定図柄01〜05がベルこぼし目となる。
また、入賞役−B1〜B6に対しても、図9(a)に示す正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは7枚役(入賞役01または入賞役02)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されて7枚の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順(「△or×」で示される押し順)で操作がされたときは、1/4の確率で1枚役の図柄の組み合わせが停止表示されて1枚の遊技メダルが払い出され、3/4の確率で特定図柄(特定図柄01〜05のいずれか)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。但し、後述する内部中遊技状態(RT4遊技状態)のときは、ストップボタン33a〜33cの操作順序及び操作タイミングにかかわらず、入賞役01または入賞役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、7枚の遊技メダルが払い出されるように構成されている。
なお、入賞役−A1〜A6及び入賞役−B1〜B6が当選したときに停止表示される特定図柄01〜05は、後述する遊技状態の移行の契機となる場合がある。
−その他の入賞役について−
また、入賞役−Cは、入賞役21を構成する図柄のうち、左リール21aにおいては、左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず、「リプレイA」または「リプレイB」の図柄のいずれかを中段に停止させることができるが、中リール21bにおける「スイカ」の図柄が中段に停止する確率が1/2であり、右リール21cにおける「赤7」または「キャラ」の図柄のいずれかが中段に停止する確率が1/2であることから、1/4の確率で入賞役21の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4の確率で、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(以下、「ハズレ目」と呼ぶ)が有効ライン上に停止表示される。なお、図4から明らかなように、入賞役21の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示窓11内の右下がりのライン上に「スイカ」の図柄が揃うことになり、いわゆる「スイカ」として用いることができる。
また、入賞役−Dは、入賞役20を構成する図柄のうち、中リール21bにおいては任意の図柄でよく、また、右リール21cにおいては、右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「リプレイA」の図柄のいずれかを中段に停止表示させることができるが、左リール21aにおける「バー」が、9番〜13番の図柄が中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると中段に停止表示させることができるため、この入賞役20の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させることができる確率は1/4(=5/20)となる。したがって、入賞役−Dが当選したときは、1/4の確率で入賞役20の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、3/4の確率でハズレ目が有効ライン上に停止表示される。なお、図4から明らかなように、入賞役20の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示まで11内の左下隅(左リール21aの下段)に「チェリー」の図柄が停止表示されることになり、いわゆる「チェリー」として用いることができる。
また、入賞役−Eが当選すると、ストップボタン33a〜33cの操作順序及び操作タイミングに関わらず、入賞役23の図柄の組み合わせのいずれかが有効ライン上に停止表示される。この入賞役23の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止すると、図4から明らかなように、リール表示窓11内の下段に、「ベル」−「ベル」−「リプレイB/バー/スイカ」の図柄が停止する(例えば、左中右の順で停止操作を行うと、第1停止及び第2停止において、下段に「ベル」−「ベル」と停止表示された後、第3停止でハズレ目となる)。したがって、いわゆる「滑りチャンス目」として用いることができる。
また、入賞役−Fを構成する入賞役01及び入賞役02はいずれも、上述したようにストップボタン33a〜33cの操作順序及びタイミングに関わらず有効ライン上に停止表示させることができる図柄の組み合わせである。したがって、リール制御手段120は、入賞役−Fに当選したときは、常に入賞役01の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよいし、入賞役02の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよいし、操作タイミング等に応じて入賞役01または入賞役02のどちらかを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよい。この入賞役−Fは、いわゆる「共通ベル」として用いることができる。
また、入賞役−Gは、上述したようにBB遊技が実行されているときに当選する役であり、この入賞役−Gが当選すると、リール制御手段120は、入賞役24の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させ、その結果12枚の遊技メダルが払い出される。なお、この入賞役24の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、図4から明らかないように、リール表示窓11内の下段に「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄が揃うことになる。
−再遊技役について−
また、当選役である再遊技役(リプレイ)は、図8に示すように、再遊技役−A、再遊技役−B、再遊技役−C1〜C6、再遊技役−D1〜D3、再遊技役−E、及び、再遊技役−F1〜F5から構成されており、これらの再遊技役は、図5に示す再遊技役01〜08を組み合わせて構成されている(図8のかっこ内に示す番号の意味は、入賞役のときと同じである)。なお、これらの再遊技役は、図4に示すリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す再遊技役01〜08に割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されても、これらの再遊技役01〜08のいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。
ここで、再遊技役−Aは、ストップボタン33a〜33cの操作順序及びタイミングに関わらず再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される役である。すなわち、リール表示窓11内の中段に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA/リプレイB」の図柄が揃うことになり、いわゆる「通常リプレイ」として用いることができる。
また、再遊技役−Bは、ストップボタン33a〜33cの操作順序及びタイミングに関わらず再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される役である。図4から明らかなように、この再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示窓11内の上段に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄が揃うことになり、いわゆる「平行リプレイ」として用いることができる。
また、再遊技役−C1〜C6及び再遊技役−F1〜F5には、図9(b)に示すように、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている(以下、これらの再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ)。具体的には、再遊技役−C1〜C6の各々には、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順と、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順とが割り当てられている。図4から明らかなように、再遊技役03の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示窓11内の右下がりのライン上に、「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄が揃い、また、再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示窓11内の右上がりのライン上に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄が揃うことになり、いわゆる「斜めリプレイ」として用いることができる。」
また、再遊技役−F1〜F5の各々には、再遊技役08の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順と、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順とが割り当てられている。ここで、再遊技役−F5においては、ストップボタン33a〜33cが右左中の順序で操作されても、右中左の順序で操作されても再遊技役08の図柄が有効ライン上に停止表示されるように構成されている。図4から明らかなように、再遊技役08の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、リール表示窓11内の上段に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「ベル」の図柄が停止表示され、また、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、上述したように、リール表示窓11内の上段に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄が停止表示される。
なお、これらの再遊技役−C1〜C6及び再遊技役−F1〜F5に当選したときに停止表示される再遊技役02、再遊技役03、再遊技役04及び再遊技役08の図柄の組み合わせは、後述する遊技状態の移行に関するものである。
また、再遊技役−D1〜D3に対しても、図9(b)に示すように、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられており、押し順に応じて再遊技役05または再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるが、遊技状態の移行には関係しない。ここで、再遊技役01の図柄の組み合わせは、上述したようにリール表示窓11内の中段に「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA/リプレイB」の図柄が揃い、再遊技役05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、図4から明らかなように、リール表示窓11内の、左上(左リール21aの上段)、中央(中リール21bの中段)、右上(右リール21cの上段)の順で、「リプレイA/リプレイB」−「リプレイA」−「リプレイA」の図柄がV字状に並ぶため、押し順により停止図柄の構成を変化させて、遊技者に遊技状態や演出状態の示唆等を行うことができる。
また、再遊技役−Eを構成する再遊技役03及び再遊技役04はいずれも、上述したようにストップボタン33a〜33cの操作順序及びタイミングに関わらず有効ライン上に停止表示させることができる図柄の組み合わせである。したがって、リール制御手段120は、再遊技役−Eに当選したときは、常に再遊技役03の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよいし、再遊技役04の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよいし、操作タイミング等に応じて再遊技役03または再遊技役04のどちらかを有効ライン上に停止表示させるように構成してもよい。
なお、このようなスロットマシン1においては、特別役が当選するときに、再遊技役01や入賞役01が重複して当選するように構成してもよい。例えば、特別役と入賞役01又は再遊技役01が重複当選する構成の場合は、特別役が当選した遊技では、入賞役01又は再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、非内部中遊技状態から内部中遊技状態へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、非内部中遊技状態のときはハズレの頻度を高くし、内部中遊技状態のときは、ハズレの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる)。また、2枚の遊技メダルをベットした遊技(2枚賭けの遊技)で当選することができる特別役(これを「特別役1」とする)を設け、この特別役1は、3枚の遊技メダルをベットした遊技(3枚賭けの遊技)ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができないようにすることで、3枚賭けの遊技では特別役1に入賞しないようにする(特別役1が当選した状態の内部中遊技状態を継続させる)ように構成することもできる。この場合、3枚賭けの遊技で当選することができる特別役(これを「特別役2」とする)を設けてもよい。この場合、特別役2は、3枚賭けの遊技ではその図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるが、2枚賭けの遊技では停止させることができないようにしてもよい。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図8に示すように、再遊技役−A、入賞役−C、入賞役−D、入賞役−E及び入賞役−Fが特別役(BB1〜BB3)と同時に当選するように構成されている。これらの再遊技役または入賞役と特別役とが重複当選する当選役においては、後述する条件装置番号(当選番号)は、特別役と重複当選する再遊技役または入賞役と同じ番号が割り当てられている。
ここで、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、リール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのリール21a〜21cを回転させ、全てのリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、リール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、図10(b)に示すように、リール21a〜21cの各々において、ストップボタン33a〜33cが操作されたときにリール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄の番号(0〜19番)に対して、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。例えば、図10(b)に示す停止テーブルは、押し順ベルの1つである入賞役−A1を停止させるために用いられるテーブルを示している。
具体的に、この図10(b)において、1番のテーブルは、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、左リール21aにおける「ベル」の図柄の配置と、中リール21bにおける「ブランク」の図柄の配置は同じであるため、この1番のテーブルは、中リール21bの中段に「ブランク」の図柄を停止させるためにも用いられる。また、2番のテーブルは、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、3番のテーブルは、右リール21cの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、右リール21cにおける「ベル」の図柄の配置と、左リール21aにおける「リプレイA」及び「リプレイB」の図柄の配置は同じであるため、この3番のテーブルは、左リール21aの中段に「リプレイA」及び「リプレイB」の図柄を停止させるためにも用いられる。また、4番のテーブルは、右リール21cの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させるときはこの図柄を有効ライン上に引き込み、引き込むことができないときは「リプレイA」の図柄を停止表示させるために用いられる。また、5番のテーブルは、左リール21aの中段に「リプレイA」の図柄を停止表示させるときはこの図柄を有効ライン上に引き込み、引き込むことができないときは「ベル」の図柄を停止表示させるために用いられる。また、6番のテーブルは、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を停止表示させるときはこの図柄を有効ライン上に引き込み、引き込むことができないときは「ブランク」の図柄を停止表示させるために用いられる。
なお、停止テーブルにおいては、2つの図柄番号を選択可能なとき(例えば、入賞役7に対しては、右リール21cの中段に2番または7番の「スイカ」の図柄ではなく、3番の「キャラ」の図柄を停止させることも可能であり、この場合に、0番の「チェリー」の図柄で停止操作を受け付けたときは、1番の「ベル」の図柄を下段に停止させれば2番の「スイカ」の図柄が中段に停止し、2番の「スイカ」の図柄を下段に停止させれば3番の「キャラ」の図柄が中段に停止するとき)は、いずれか一方の図柄番号を予め設定してもよいし、両方を設定して、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、所定のアルゴリズムに従って停止する図柄番号を選択するように構成してもよい。
ここで、図10(b)は入賞役−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。そして、上述の入賞役−A1を例にして説明したリール制御手段120の具体的な停止制御に示すように、当選役とストップボタン33a〜33cの押し順(打順)により、どの停止テーブルを使用するかを決定することができる。本実施形態に係るスロットマシン1は、この当選役と打順の関係を、図10(a)に示す停止順序選択テーブルに記憶している。ここで、当選役決定手段110で当選した役(条件装置番号)に対して、図柄制御番号を割り当て、停止順序選択テーブルは、この図柄制御番号をキーにして打順とテーブルの関係を定義している。なお、この図10(a)は入賞役−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。また、スラッシュで区切られている箇所は、既に停止している図柄により、選択されるテーブルが異なる場合を示している。
また、図10(a),(b)に示す停止順序選択テーブル及び停止テーブルにおいて、一部のテーブルは2以上のリールで共用してもよい。例えば、上述したように、左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させるときと、中リール21bの上段に「ブランク」の図柄を停止させるときは、ストップボタンを受け付けた中段の図柄と、下段に停止させる図柄の番号が同一であるため、左リール21aと中リール21bで共通の停止テーブル(例えば、1番のテーブル)を共用することができる。このように構成することにより、停止テーブルのための記憶容量を少なくし、ROM105等を有効利用することができる。もちろん、それぞれを別のテーブルに定義してもよい。
なお、図10(b)に示す停止テーブルは、受付操作がされたときの中段に位置する図柄番号と、その図柄番号に対して何番の図柄番号の図柄を下段に停止させるかの対応が定義されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。例えば、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。例えば、図10(b)に示すテーブル番号が1番の停止テーブルは左リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させるものである。ここで、左リール21aにおいて、6番の「リプレイB」の図柄が中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると9番の「ブランク」の図柄を下段に停止させる。そのため、滑らせるコマ数(スベリコマ数)で停止テーブルを規定するときは、6番の図柄番号に対しては「4」が設定される(中段にある6番から4コマ滑ると9番の図柄が中段に停止する)。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のリール21a〜21bのいずれにも使用することもできるし、リール21a〜21bのうち、一部のルールに対しては、図10(b)に示す停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、残りのリールに対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、当選役決定手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルからいずれかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されて、3個のリール21a〜21cが全て定速回転状態となると、第1停止のストップボタンが操作されるまでの間に、3個のリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作が未だ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作が未だ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、入賞役−A1に対する正解押し順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作され、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となると、全てのリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。図10(a)に示す例では、第1停止の前に、左リール21aに対しては1番のテーブルを選択し、中リール21bに対しては4番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、第2停止である中ストップボタン33bが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。すなわち、中リール21bに対しては2番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択する。さらに、第2停止として中ストップボタン33bが操作されると、第3停止である右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。ここでは、右リール21cに対して2番のテーブルを選択する。なお、第3停止に対する停止位置データの作成において、右リール21cに対しては2番の停止テーブルが選択されるが、既に第2停止に対して2番の停止テーブルが選択されて停止位置データが作成されているため、再度の作成の必要はなく、第2停止のための停止位置データをそのまま第3停止で利用することができる(もちろん、再度作成し直してもよい)。
また、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのリール21a〜21の回転速度が定速となったときではなく、3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間や、リール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのリール21a〜21cについて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止テーブルを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止テーブルを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから第1停止のストップボタンが操作されるまで、及び、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、リール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止テーブルを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、スタートレバー32及びストップボタン33a〜33cが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各リール21a〜21cが回転を開始し、全てのリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータから出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、リール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図8には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、図8に示す数値は置数(分母を65536としたときの分子の値)を示しており、また、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、入賞役及び再遊技役の当選確率の合計を1から引いた値である(置数の場合は、65536から特別役、入賞役及び再遊技役の置数の合計値を引いた値)。なお、「ハズレ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。また、役抽選の結果がハズレのときは、リール制御手段120は、図5に示す図柄の組み合わせのいずれにも該当しない図柄の組み合わせ(ハズレ目)を有効ライン上に停止させるように構成されている。
(入賞判定手段130)
入賞判定手段130は、リール21a〜21cの全てが停止したときに、上述した有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、入賞判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、リール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、リール21a〜21cが実際に停止してから入賞判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてリール21a〜21cの停止位置が定められたときに、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出制御手段140)
払出制御手段140は、入賞判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては入賞役)に応じた遊技メダルの払い出しを行う。すなわち、この払出制御手段140は、リール21a〜21cの所定の図柄の組み合わせが停止表示されたことに基づいて遊技者に利益を付与する利益付与手段としての機能を有している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを電子情報として貯留することができる(このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚)を超える遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパーモータ70を作動させてホッパー装置に行わせるように構成されている。また、払出制御手段140は、清算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。この遊技媒体貯留手段141に貯留されているクレジット数は、このスロットマシン1の前面(前扉3)の所定の位置(例えば、前扉3の上端部)に表示される(貯留されているクレジット数を表示する部分を「クレジット表示部」と呼ぶ)。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、設定変更キースイッチ36の操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源スイッチ35がオフにされている状態で設定変更キースイッチ36をオンにしたまま電源スイッチ35をオンして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を更新又は入力し、スタートレバー32を操作した後、設定変更キースイッチ36をオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、当選役決定手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図8に示す当選確率は一例である(例えば、設定値が1のときの値である)。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(後述する遊技状態など)は保持される一方、他の情報(後述する内部遊技状態など)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態においても設定値の変更ができないように構成してもよい。また、フリーズが実行されているときは設定変更できないように構成してもよい。
(遊技状態制御手段160)
遊技状態制御手段160は、このスロットマシン1における遊技状態及び内部遊技状態を制御するものであり、RT遊技状態制御手段161及び内部遊技状態制御手段162を有して構成される。
(RT遊技状態制御手段161)
まず、遊技状態の移行に関して説明する。図11(a)に示すように、工場出荷時のような初期状態において、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、非RT遊技状態(通常遊技状態)になる。設定値が変更されたときに遊技状態を初期化する仕様の場合、このスロットマシン1の電源が投入されて設定値が変更されたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)も、非RT遊技状態(通常遊技状態)になる。
また、非RT遊技状態において、上述した入賞役−A1〜A6並びに入賞役−B1〜B6のいずれかに当選し、有効ライン上に特定図柄(図5に示す特定図柄01〜05のいずれか)が停止表示されると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT1遊技状態に移行する。図9(a)に示すように、入賞役−A1〜A6並びに入賞役−B1〜B6の各々に対して割り当てられた6種類の押し順のうち、第1停止が左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cの3通りに正解押し順が割り当てられているため、この入賞役−A1〜A6並びに入賞役−B1〜B6の当選に対してその正解押し順が報知されないと、2/3の確率で不正解押し順(正解押し順以外の押し順)で操作されることとなり、さらに、上述したように、不正解押し順の場合は3/4の確率で特定図柄が有効ライン上に停止表示されるため、入賞役−A1〜A6または入賞役−B1〜B6のいずれかに当選したときは、1/2(=2/3×3/4)の確率で特定図柄が有効ライン上に停止表示されてRT1遊技状態に移行することになる。
また、RT1遊技状態にあるときに、再遊技役−F1〜F5のいずれかに当選し、再遊技役08の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT2遊技状態に移行する。図8に示すように、再遊技役−F1〜F5は、遊技状態がRT1遊技状態及びRT4遊技状態にあるときに当選する役であり、図9(b)に示すように、再遊技役−F1〜F5の当選に対して、「08」で示す押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、再遊技役08の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。すなわち、再遊技役−F1〜F5の当選に対して再遊技役08の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知するかしないかにより、再遊技役08の図柄の組合せが停止表示される確率が異なるように構成されている。
また、RT2遊技状態にあるときに、再遊技役−C1〜C6のいずれかに当選し、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT3遊技状態に移行する。図8に示すように、再遊技役−C1〜C6は、遊技状態がRT2遊技状態及びRT3遊技状態にあるときに当選する役であり、図9(b)に示すように、再遊技役−C1〜C6の当選に対して、「03」、「04」で示す押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される。
また、RT3遊技状態においても、再遊技役−C1〜C6のいずれかに当選したときは、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順を報知することにより、その押し順でストップボタン33a〜33cが操作されると、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT3遊技状態を維持するように構成されている。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、上述した押し順ベルが当選したときに、7枚役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順を報知するAT遊技を備えており、AT遊技は、主にRT3遊技状態で実行される(後述するように、本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技(内部遊技状態3)への移行条件が正立し、再遊技役−C1〜C6の当選に対して、再遊技役03又は04の図柄の組み合わせが停止表示される押し順が報知されているにも拘わらず、遊技者がこの押し順でストップボタン33a〜33cを操作しなかったとき(すなわち、RT3遊技状態に移行せず、RT2遊技状態が継続するとき)も、内部遊技状態3に移行してAT遊技が開始されるように構成されている)。ここで、AT遊技とは、遊技者にとって有利な押し順を報知する遊技である。例えば、上述した押し順ベル(たとえば、入賞役−A1〜A6並びに入賞役−B1〜B6)のように、ストップボタン33a〜33cを操作するときの正解押し順(7枚役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順)を、後述するように、主制御手段100により獲得枚数表示器72を用いて、また、演出制御手段301により画像表示装置41等を用いて遊技者に報知する(「アシストする」または「ナビする」と呼ぶ)ことで、入賞役−A1〜A6等の押し順ベルに対する入賞役01または入賞役02の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる(結果として7枚の遊技メダルが払い出される)という遊技を提供する。なお、上述したように、AT遊技を実行するときは、上述した再遊技役の当選時にRT2遊技状態及びRT3遊技状態に移行するための押し順を報知し、また、RT3遊技状態においては、この遊技状態を維持する押し順を報知することで、RT3遊技状態でAT遊技を実行させるように構成されている。
なお、RT2遊技状態及びRT3遊技状態において、再遊技役−C1〜C6のいずれかに当選し、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順でストップボタン33a〜33cが操作された場合、有効ライン上に再遊技役02の図柄の組み合わせが停止表示され、その結果、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT1遊技状態に移行する。また、入賞役−A1〜A6並びに入賞役−B1〜B6の何れかに当選し、正解押し順で操作されずに特定図柄が有効ライン上に停止表示された場合にも、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、RT1遊技状態に移行する。したがって、RT1遊技状態で遊技が実行されているときに、押し順が報知されないにも拘わらず、上記再遊技役に当選して遊技状態を上げる押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたとしても、RT2遊技状態又はRT3遊技状態では、押し順を報知しなければ、上述した再遊技役−C1〜C6又は入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6の当選に対してRT1遊技状態に移行する押し順でストップボタン33a〜33cが操作される可能性が高く、基本的にはRT1遊技状態で遊技が実行されることになる。同様に、RT3遊技状態でAT遊技が終了したときも、再遊技役−C1〜C6、入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6に対する押し順の報知を行わなければ、遊技状態はRT1遊技状態に移行することになる。そのため、上述したAT遊技における「有利な押し順」には、AT遊技が実行されているときに、RT3遊技状態からRT1遊技状態に移行してしまったとき(押し順ベルの当選に対してストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作されず特定図柄が停止表示された場合や、再遊技役−C1〜C6の当選に対して再遊技役03又は04の図柄の組み合せが停止表示される押し順が報知されたにも拘わらずこの押し順でストップボタン33a〜33cが操作されず、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示された場合)に、RT3遊技状態に移行させるための押し順の報知も含まれる。なお、AT遊技では、押し順を報知する代わりに、目押しをするための情報(例えば、「赤を狙え」等)を報知するように構成してもよい。
ここで、上述した非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態及びRT3遊技状態は非内部中遊技状態でもあり、「非内部中」とは、工場集荷後に初めて電源が投入されたときやRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
また非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態及びRT3遊技状態において、当選役決定手段110により特別役(BB1〜BB3)に当選し、その遊技においてリール21a〜21cの有効ライン上に特別役に割り当てられた図柄の組み合わせ以外の図柄の組み合わせが停止表示されたこと、すなわち、特別役の当選に対して当該遊技で特別遊技へ移行しないことが決定すると、遊技状態制御手段160は、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、内部中遊技状態であるRT4遊技状態に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。このように、内部中遊技状態であるRT4遊技状態に移行すると、特別役持ち越し手段112により、当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで当選役が持ち越される(すなわち、内部中遊技状態であるRT4遊技状態が継続される)。なお、内部中に移行するタイミングとしては、当選役決定手段110により特別役に当選したことに基づいて移行してもよい。この通常の遊技状態(非RT遊技状態、RT1,RT2,RT3遊技状態、及び、RT4遊技状態(内部中遊技状態)では、後述するAT遊技が実行されなければ、基本的にはベットする遊技メダルの枚数の方が当該遊技で獲得できる期待枚数より多くなる。
また、RT4遊技状態において、当選した特別役(BB1〜BB3)に対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、特別遊技状態に移行する。なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、BB1またはBB2に当選してRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行し、当選しているBB1またはBB2の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、RT5−12遊技状態に移行し、BB3に当選してRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行し、当選しているBB3の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されたときは、RT5−3遊技状態に移行するように構成されている(以下、RT5−12遊技状態とRT5−3遊技状態をまとめて「RT5遊技状態」とも呼ぶ)。RT5遊技状態では、所定の終了条件を満たすまで遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばそのRT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合(例えば、BB1は334枚、BB2は238枚、BB3は60枚を超える枚数が払い出された場合)である。そして、このRT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)において所定の終了条件が満たされると、RT遊技状態制御手段161により、このスロットマシン1の遊技状態は、非RT遊技状態に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、入賞役に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(入賞する)と払出制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが停止表示されることにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、有効ラインに当選役とは異なる遊技状態移行図柄(遊技メダルの払い出しや再遊技の付与の対象とならない図柄の組み合わせ)を停止表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
(内部遊技状態制御手段162)
次に、内部遊技状態の移行に関して説明する。本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技状態の他に、払い出される遊技メダルの枚数に影響する演出状態(具体的にはAT遊技)を、内部遊技状態制御手段162で管理するように構成されている。従来の遊技機におけるAT遊技は、副制御手段200で管理していたが、副制御手段200を不正に改造する行為がなされたり、副制御手段200へ不正なコマンドを注入することで、強制的にAT遊技にされる可能性があった。また、AT遊技のような遊技メダルの枚数に影響するような遊技を実行するか否かは、主制御手段100により管理するように求められるようになった。そのため、主制御手段100において、図11(b)に示すような複数の内部遊技状態により管理するように構成されている。
まず、工場出荷時点のような通常時は、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態0(通常)となる。そして、この内部遊技状態0において、後述するAT抽選に当選すると、内部遊技状態制御手段162により前兆遊技数が決定されるとともに、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態1(前兆)に移行する。この前兆遊技数は、本実施形態に係るスロットマシン1では抽選で決定されるが、予め決められた遊技数を設定するように構成してもよい。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態0において、所定の条件を満たしたとき(例えば、当選役の中で、当選確率の低い役であるレア役に当選したとき)に、AT抽選が実行されるように構成されているが、遊技毎に抽選を行う(例えば、当選役等を考慮した確率の抽選を行う)ように構成してもよい。
内部遊技状態1は、AT遊技の前兆状態であり、この内部遊技状態1で上述した前兆遊技数の遊技が実行されると、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態2(AT準備)に移行する。また、この内部遊技状態2において、主制御手段100は、AT遊技を実行するために、上述した遊技状態を、RT1遊技状態からRT3遊技状態に移行させる。すなわち、この内部遊技状態2は、上述した押し順ベルや押し順リプレイの当選に対して後述するように、主制御手段100が獲得枚数表示器72により表示したり、副制御手段200(演出制御手段301)を介して画像表示装置42に表示することにより、その正解押し順(入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6であれば、RT1遊技状態に移行しない押し順であり、再遊技役−C1〜C6、再遊技役−F1〜F5であれば、RT3遊技状態に移行させるまたはこのRT3遊技状態を維持する押し順)を報知するAT遊技の準備状態である。但し、遊技状態が非RT遊技状態であるときは、RT1遊技状態に移行させるために、押し順ベル(入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6)の当選に対してはその正解押し順が報知されない(上述したように、特定図柄が停止表示されるとRT1移行状態に移行するため)。なお、この内部遊技状態2においては、遊技状態の移行に関する押し順リプレイ及び押し順ベルの押し順だけを報知し、遊技状態の移行に関連しない押し順リプレイや押し順ベルがある場合は、その押し順は報知しないように構成してもよいし、これらの押し順も報知するように構成してもよい。そして、内部遊技状態制御手段162は、AT遊技に移行できる条件、すなわち、全てのリール21a〜21cが停止した後の現在の遊技状態がRT3遊技状態であれば、AT遊技が実行可能な状態である内部遊技状態3(AT)に移行させる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、1回のAT遊技は所定の遊技数(例えば、50ゲーム)が設定されるが、AT抽選の当選時やATの実行開始時に抽選等を行ってAT遊技の遊技数を決定するように構成してもよい。
内部遊技状態3においては、上述した押し順リプレイ(再遊技役−C1〜C6(RT1遊技状態に移行してしまった場合は再遊技役−F1〜F5))と押し順ベル(入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6)の当選に対して、その正解押し順(再遊技役−C1〜C6、再遊技役−F1〜F5であれば、RT3遊技状態に移行させるまたはこのRT3遊技状態を維持する押し順であり、入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6については7枚役の図柄の組み合わせが揃う押し順である)を報知することにより、遊技者にAT遊技を提供することができる。また、内部遊技状態3で所定の遊技数の遊技が実行されると、内部遊技状態制御手段162は、ATがストックされているか否かを判断し、ATのストックがあるときは内部遊技状態1に移行し、ATのストックがないときは内部遊技状態0に移行する。なお、ATのストックがあるときは、前兆遊技数に1を設定して内部遊技状態1に移行する(すなわち、内部遊技状態1での1遊技後に、内部遊技状態2に移行することになる)。本実施形態に係るスロットマシン1では、後述するように、内部遊技状態3,5,7においてもAT遊技の権利が付与されてストックされるように構成されている。
また、内部遊技状態0において、上述した特別役(BB1〜BB3)に当選すると、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態4(BB準備)に移行する。この内部遊技状態4は、特別遊技の準備状態であり、当選した特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで継続するように構成されている。そして、有効ライン上に特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが停止表示されると、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、特別遊技中の状態(内部遊技状態0のときよりも、AT抽選に当選してATがストックされる確率が大きくなる)である内部遊技状態5(BB)に移行する。さらに、内部遊技状態制御手段162は、特別遊技の終了条件を満たすと、上述したATがストックされているか否かを判断し、ATがストックされているときは、内部遊技状態2に移行し、ATがストックされていないときは、内部遊技状態0に移行する。
一方、内部遊技状態1、内部遊技状態2及び内部遊技状態3において、上述した特別役(BB1〜BB3)に当選し、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されないと、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態6(上乗せ特化準備)に移行する。この内部遊技状態6も、特別遊技の準備状態であり、当選した特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるまで継続するように構成されている。そして、有効ライン上に特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが停止表示されると、内部遊技状態制御手段162により、このスロットマシン1の内部遊技状態は、内部遊技状態7(上乗せ特化)に移行する(但し、内部遊技状態1、内部遊技状態2及び内部遊技状態3において特別役に当選し、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されたときは、内部遊技状態6に移行せず、内部遊技状態7に移行する)。この内部遊技状態7は、AT遊技をより多く上乗せ可能な状態(これを、「上乗せ特化」と呼ぶ)であり、例えば、内部遊技状態5のときよりも、AT抽選に当選してATがストックされる確率が内部遊技状態7のときの方が大きくなるように構成されている。この内部遊技状態7においても、内部遊技状態制御手段162は、特別遊技の終了条件を満たすと、上述したATがストックされているか否かが判断され、ATがストックされているときは、内部遊技状態2に移行し、ATがストックされていないときは、内部遊技状態0に移行するが、本実施形態では、内部遊技状態6から内部遊技状態7に移行するときに、必ずATがストックされるため、内部遊技状態0に移行することはない。なお、内部遊技状態1において特別役(BB1〜BB3)に当選したときは、内部遊技状態4に移行する(当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されたときは内部遊技状態5に移行する)ように構成してもよい。
なお、上記の説明では、内部中遊技状態2において、「全てのリール21a〜21cが停止した後の現在の遊技状態がRT3遊技状態であれば、内部遊技状態3に移行する」ように構成した場合について説明したが、「RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行したことを契機として内部遊技状態3に移行する」ように構成することも可能である。ここで、内部遊技状態3を終了したときに、ATのストックがあれば内部遊技状態1である前兆状態を経て、AT遊技の準備状態である内部遊技状態2からAT遊技が実行可能な状態である内部遊技状態3に移行する。この場合、前回のAT遊技におけるRT3遊技状態が継続している場合がある。そのため、内部遊技状態2において、RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行したことを契機として内部遊技状態3に移行するように構成すると、既にRT3遊技状態にあるときは、遊技状態を、一旦RT1遊技状態に移行させて(入賞役−A1〜A6、入賞役−B1〜B6や再遊技役−C1〜C6が当選したときに、正解押し順を報知しない、又は、正解押し順以外の押し順を報知する)、再度、RT2遊技状態を経てRT3遊技状態に移行させなければならず、AT遊技が実行可能な状態である内部遊技状態3に移行するまでの期間が長くなることになる。
また、内部遊技状態2において、RT2遊技状態であるときに、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる再遊技役−C1〜C6に当選したときは、RT3遊技状態に移行させるために、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示される押し順が報知されるが、本実施形態に係るスロットマシン1では、遊技者がその報知を無視して異なる押し順でストップボタン33a〜33cを操作したときも、内部遊技状態2から内部遊技状態3に移行させるように構成している。或いは、内部遊技状態2において、遊技状態がRT2遊技状態に移行したときに、内部遊技状態3に移行させてAT遊技を開始するように構成してもよい。この場合、AT遊技における押し順報知として、RT2遊技状態において、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる押し順を報知する(再遊技役−C1〜C6に当選したときに再遊技役03又は再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知する)ことで、RT3遊技状態に移行させることができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技の抽選(AT抽選)を、主制御手段100によりスタートレバー32の操作を受け付けたときに実行しているが、全てのリール21a〜21cが停止した後の処理で実行するように構成してもよい。
−内部遊技状態の管理の変形例−
上述した内部遊技状態の管理に加えて、内部遊技状態を「非有利区間(通常区間)」、「待機区間」、「有利区間」で管理してもよい。具体的に説明すると、有利区間においては、滞在可能な遊技期間(遊技数)の上限値(例えば、1500ゲーム)を定め、有利区間中でのみ、有利遊技(AT遊技)に関する処理(例えば、獲得枚数表示器72や画像表示装置41による押し順の報知)及び抽選(例えば、上乗せ抽選)を行うことができる。一方、非有利区間では有利区間に移行するか否かの決定(例えば、AT抽選)を行うことができるが、有利遊技(AT遊技)に関する処理及び抽選を行うことはできない。そのため、有利区間における遊技期間が上限値に達すると、非有利区間に移行させることにより、有利遊技(AT遊技)が継続され続けることを防止できる。なお、非有利区間において、有利区間に移行することが決定されると、原則、次遊技から有利区間に移行することとなる。また、有利区間(待機区間)に移行するか否かの決定(有利区間への移行抽選)の契機、及び、有利遊技(AT遊技)に関する抽選の契機としては、設定差(設定値による当選確率の差)のない役の当選に限定してもよい。そもそも設定値は有利度合いを定めるものであるが、従来の遊技機では、設定値が高いと有利遊技(AT遊技)が継続されやすく(上乗せ抽選に当選しやすく)、設定値が低いとそもそも有利遊技(AT遊技)が実行されにくく(AT抽選に当選しにくく)、また、有利遊技(AT遊技)が実行されてもすぐに終了してしまう(上乗せ抽選に当選しにくい)等の差が大きいものであった。そこで、有利遊技(AT遊技)に関しては、設定値によって差を設けないことで適度な有利遊技(AT遊技)を提供することができるようになる。なお、待機区間は、非有利区間で有利区間への移行が決定した遊技において、特別役(例えば、BB1)に当選して内部中遊技状態になったときに移行可能とする。この待機区間において、内部中遊技状態が終了すると、有利区間に移行することとなる。ちなみに、待機区間でも、有利遊技(AT遊技)に関する処理及び抽選を行うことはできない。なお、上述したように、有利区間に移行して、この有利区間での遊技数が滞在可能な遊技期間(遊技数)の上限値に達すると、たとえ特別遊技が実行されている状態でも、非有利区間に移行する(有利遊技(AT遊技)に関する処理及び抽選は実行されない)。従来の遊技機では、AT抽選に当選してもすぐに報知しないため、AT抽選に当選しているのにも関わらず、遊技を止めてしまう遊技者が多くなっていた。特に、初心者である遊技者で、この傾向が多くみられた。そこで、有利区間への移行が決定したときは、決定したときから次遊技のためのベットが可能となる(清算ボタン34の操作が可能となる)まで(決定した遊技で再遊技役に当選していたときは、スタートレバー32の操作が可能となる(清算ボタン34の操作が可能となる)まで)に、次遊技から有利区間であることを報知してもよい。そして、この報知は、例えば、獲得枚数表示器72や貯留枚数表示器などの7セグメントディスプレイ(セグメントa〜セグメントgとセグメントdpを有する)のセグメントdpを点灯させることで実現してもよい。遊技を止めるときは、清算ボタン34を操作する前に貯留枚数を確認するため(貯留枚数がなければ、清算ボタン34を操作する必要がないため)、貯留枚数表示器やその近傍に設けられた獲得枚数表示器72を必ず見ることになる。すなわち、清算ボタン34の操作が可能となるまでに、DPセグメントを点灯させるようにしていれば、有利区間への移行が決定しているのにも関わらず、それに気づかず遊技を止めてしまう遊技者を少なくすることができると考えられる。ちなみに、すべてのリールが停止する前(例えば、スタートレバーが操作されたとき)にDPセグメントを点灯させるようにしてもよいが、このようにすると、遊技者の関心が常にDPセグメントのみに向くことになる(画像表示装置41やリール21への関心が薄まる)ため、すべてのリール21が停止した後(最後のストップボタン33が操作された後)に、点灯させるほうが好ましい。
(フリーズ制御手段170)
フリーズ制御手段170は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定の期間において不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズ演出を行う。すなわち、このフリーズ制御手段170は、フリーズ演出を実行するための抽選を行う抽選手段としての機能を有している。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受け付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受け付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受け付け、又は、リール21a〜21cの停止操作の受け付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受け付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
また、フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサ(第1及び第2投入センサ61,62)による遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止状態にしている期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受け付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがリール21a〜21cの回転は行わずに所定期間の経過後にリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズ演出が発生するか否かを決定するように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受け付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付処理より後の停止制御処理を行うので、停止受け付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄が有効ライン上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止状態にさせるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、リール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるリール21a〜21cの回転態様として、リール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、リール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リール21a〜21cの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してリール21a〜21cの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン32)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止状態の期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止状態の期間を短くする制御処理として、一時停止状態の期間を強制終了すること、または、一時停止状態の期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止状態の期間を長くする制御処理として、一時停止状態の期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止状態の期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止状態の期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止状態の期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる(以降の説明では単に「疑似遊技」とも呼ぶ)。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付処理からリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、リール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動き(揺れ変動)を行ってもよい。これにより、通常の遊技(以降の説明では「本遊技」と呼ぶ)であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ演出は、所定の期間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の期間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ演出をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の期間が経過する前に、さらに所定の期間だけフリーズ演出を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ演出が終了した時点のリール21a〜21cの状態によっては、この状態からリール21a〜21cを回転開始させると、リール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ演出後に、リール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ演出が実行されないときのリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ演出が実行された後のリール21a〜21cの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ演出でリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、リール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ演出が実行される前の状態に戻し、そこから回転を開始するように構成することができる。
(操作順序判定手段175)
操作順序判定手段175は、上述した押し順ベルや押し順リプレイが当選した遊技において、ストップボタン33a〜33cの操作順序(押し順)を取得し、当選役に割り当てられた押し順か否かを判定する手段である。この判定結果に基づいて、リール制御手段120によるリール21a〜21cの停止図柄の決定や、フリーズ状態の移行が行われる。
(外部信号送信手段180)
外部信号送信手段180は、主制御手段100に接続された外部集中端子板80を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「赤7−赤7−赤7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄が有効ライン上に表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。具体的な処理については後述する。
(制御コマンド送信手段185)
制御コマンド送信手段185は、主制御手段100の情報を副制御手段200に伝達するための制御コマンドを送信するための手段である。副制御手段200は、後述するように、主制御手段100から送信された制御コマンドに基づいて、演出の態様や実行タイミングを決定するように構成されている。なお、副制御手段200による制御コマンドの取りこぼし等を防止するために、同じコマンドを2回送信するように構成してもよい。
(第2乱数発生手段190)
主制御手段100は、この主制御手段100により発生する乱数値の更新が行われる第2乱数発生手段190を有している。この第2乱数発生手段190により発生する乱数値は2バイトの乱数値であって、ソフト乱数とも呼ばれる。この第2乱数発生手段190は、後述する割込処理S570が実行されるごとにソフト乱数更新処理S5570が実行されその値が更新されるように構成されている。また、このソフト乱数更新処理S5570は、遊技進行メイン処理S550により、遊技を開始してからスタートレバー32が操作されるまでの間と、リール21a〜21cが回転を開始してから全てのリールが停止するまでの間においても実行されるように構成されている。このように、割込処理S570だけでなく、遊技進行メイン処理S550内のループ処理においてソフト乱数を更新することにより、後述する遊技進行メイン処理S550内のソフト乱数の更新タイミング及び回数は、遊技者の操作の影響を受けて変化するため(1回の単位遊技でソフト乱数が更新される回数が遊技者の操作タイミング等で変化するため)、この第2乱数発生手段190で発生される乱数値(ソフト乱数)のランダム性を担保することができる。
(主制御手段100による押し順の報知)
上述したように、入賞役−A1〜A6及び入賞役−B1〜B6は、ストップボタン33a〜33cの押し順により獲得できる遊技メダルの枚数が変化する。また、再遊技役C1〜C6及び再遊技役−F1〜F5は、ストップボタン33a〜33cの押し順により、遊技状態が移行するため、結果として獲得できる遊技メダルの枚数に影響がある。したがって、これらの押し順については、その押し順を報知するときは、演出制御手段301を介して画像表示装置41で報知するだけでなく、主制御手段100でも報知するように構成されている(画像表示装置41が故障したときなど、主制御手段100のみでも遊技できるようにするため)。具体的には、本実施形態に係るスロットマシン1では、獲得した遊技メダルの枚数を表示するための獲得枚数表示器72に押し順を報知するように構成されている。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における獲得枚数表示器72は、例えば、図12(a)に示す7セグメントディスプレイで構成されており、図1には図示していないが、前扉3の前面側に配置されている。この7セグメントディスプレイは、7個のセグメント(発光体)で構成されており、少なくとも0〜9の数字を表示可能である。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、3つのストップボタン33a〜33cに対して、(左中右)、(左右中)、(中左右)、(中右左)、(右左中)、(右中左)の6個の押し順、並びに、第1停止が左ストップボタン33aのとき、中ストップボタン33bのとき及び右ストップボタン33cのときの3個の押し順からなる合計9個の押し順がある。したがって、本実施形態に係るスロットマシン1では、押し順を報知可能な役に当選したときは、獲得枚数表示器72の一桁を用いて(本実施形態のスロットマシン1における獲得枚数表示器72は図12(b)に示すように、二桁の枚数が表示可能であり、その1の位の表示器を用いて)、1〜9の数字を表示させることにより、上記の押し順を報知する(報知しない場合を含む)ように構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、押し順が割り当てられた役に対してその押し順を示す指示番号が割り当てられており、その指示番号により、獲得枚数表示器72及び後述する演出制御手段301で画像表示装置41に演出で表示される押し順を決定するように構成されている。図13(a)に押し順が割り当てられた役の条件装置番号と指示番号との対応関係を示し、図13(b)に指示番号と獲得枚数表示器72及び画像表示装置41への指示内容を示す。例えば、条件装置番号が「3」の再遊技役−C1は、報知される押し順が「左中右」であるため、指示番号は「A1」となり、獲得枚数表示器72には「1」と表示され、画像表示装置41には「1・2・3」と表示される。また、条件装置番号が「17」の再遊技役−F5は、報知される押し順が「右左中」又は「右中左」のいずれかであるため、指示番号が「A5」又は「A6」となり、獲得枚数表示器72には「5」又は「6」と表示され、画像表示装置41には「2・3・1」または「3・2・1」と表示される。このように正解押し順が2つ以上ある場合には、主制御手段100は、指示番号の抽選や、当該役に対して前回表示した指示番号とは異なる指示番号を選択することにより、指示番号を決定するように構成されている。また、正解押し順の第1停止が左ストップボタン33aである入賞役−A1,A2,B1,B2に対して、指示番号「A7」(その指示内容は(1・−・−))が割り当てられ、正解押し順の第1停止が中ストップボタン33bである入賞役−A3,A4,B3,B4に対して、指示番号「A8」(その指示内容は(−・1・−))が割り当てられ、正解押し順の第1停止が右ストップボタン33cである入賞役−A5,A6,B5,B6に対して、指示番号「A9」(その指示内容は(−・−・1))が割り当てられる。なお、押し順を有しない役に当選したとき、押し順を有するが、その押し順により獲得できる遊技メダルの枚数に影響がない役(例えば、再遊技役−D1〜D3)、及び、押し順を報知しない内部遊技状態のときは、指示番号が「A0」となる。なお、図13(b)において、指示番号が「A0」のときの獲得枚数表示器72の指示内容は「表示なし」になっているが、「0」を表示するように構成してもよい。
ここで、獲得枚数表示器72の表示において、遊技者が、獲得枚数が表示されているのか、押し順に関する情報が表示されているのかを判別可能なように、指示番号により押し順に関する情報を表示するときは、図12(b)に示すように、十の位の7セグメントディプレイに所定の記号(例えば、セグメントdとセグメントgを発光させた2本線)を表示するように構成されている。またこのとき、押し順ベルに対する押し順の情報か、押し順リプレイに対する押し順の情報かを判別可能なように、押し順ベルに対しては2本線を表示し、押し順リプレイに対しては3本線(例えば、セグメントa、セグメントd及びセグメントgを発光させる)を表示するなど、異なる記号を表示するように構成してもよい。なお、獲得枚数表示器72ではなく、専用の表示器を設けてもよいし、7セグメントディスプレイに限らず、その他の表示媒体を用いてもよい。例えば、複数のLED表示器を設け、その点灯パターンで上述した指示内容を表示してもよい。また、指示番号の代わりに、上述した当選番号(条件装置番号)を直接表示してもよいし、7セグメントディスプレイにより表示できる記号を用いて表示してもよい。また、ストップボタン33a〜33cの操作に応じて獲得枚数表示器72に表示する情報(数字または文字)が変化するように構成してもよい。具体的には、指示番号が「A1」のときは、スターレバー32が操作された時点で「1」を表示し、第1停止で左ストップボタン33aが操作されると「2」を表示し、第2停止で中ストップボタン33bが操作されると「3」を表示するように、左リール21a、中リール21b、右リール21cを「1」、「2」、「3」と対応付けて次に操作すべきリールを指示するように構成してもよい(第3停止で右ストップボタン33bが操作されると表示を消す)。
押し順に関する情報の表示(指示表示)は、原則、スタートレバー32が操作されてから、リール21a〜21cが定速回転に達する(ストップボタン33a〜33cの操作受け付けが有効となる)までの間に行われることが好ましい。また、獲得枚数表示器72による指示表示が行われた後に、画像表示装置41による指示表示が行われることが好ましい。これにより、主制御手段100から誤った指示番号が送信された場合や、副制御手段200(演出制御手段301)が主制御手段100から受信した指示番号とは異なる指示番号に対応する指示を行った場合であっても、既に、獲得枚数表示器72による指示表示が行われているので、その指示表示が、主制御手段100と副制御手段200で異なっていることに気が付くとともに、このような場合であっても、獲得枚数表示器72による指示表示に従っていれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
なお、指示表示は、リール演出(上述したフリーズ演出等)が終了してから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに指示表示が行われるようにしてもよい。また、リール21a〜21cが回転を開始してから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに指示表示が行われるようにしてもよい。また、リール21a〜21cが定速回転に達したと同時に、指示表示が行われるようにしてもよい。なお、画像表示装置41による指示表示が行われた後に、獲得枚数表示器72による指示表示が行われてもよいし、獲得枚数表示器72による指示表示と画像表示装置41による指示表示とが同時に行われてもよい。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、獲得枚数表示器72の指示表示を、入賞判定後にクリアするように構成している(クリア後に獲得枚数の表示を行っている)が、第3停止受付後、または全回胴停止後にクリアしてもよい。また、上記の説明では、指示表示は、スタートレバー32が操作されてから、リール21a〜21cが定速回転に達するまでの間としたが、前回の遊技のスタートレバー32が操作されてから、今回の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの時間が、最小遊技時間未満であったときは、スタートレバー32が操作されてからであっても、すくに指示表示を行うのではなく、最小遊技時間が経過してから(次回の最小遊技時間をセットしてから)指示表示を行うようにしてもよい。このようにすることで、指示表示がなされているにも関わらず、なかなかストップボタン33a〜33cが操作できないといった煩わしさを解消することができる。
獲得枚数表示器72による押し順に関する情報の表示は、遊技者の操作により(ストップボタン33a〜33cの操作毎に)、表示内容を変更せず指示番号を表示し続けるが、画像表示装置41による表示は、遊技者の操作により、表示内容が変更される。具体的には、ストップボタン33a〜33cの受け付けが開始されるまでに画像表示装置41に上述した表示(例えば、「1・2・3」)が表示され、ストップボタン33a〜33cが操作されるごとに、操作されたストップボタンに対する表示が変化する(そのストップボタンに対する数字が消えたり、暗い表示になったりする)。したがって、獲得枚数表示器72による表示は、遊技者が途中で操作順序を誤った場合であっても、最後のストップボタンの操作が受け付けられるまで指示番号を表示し続ける(表示を中断しない)が、画像表示装置41による表示は、押し順ナビを表示しなくなる(表示を中断する、若しくは、指示された押し順とは異なる順序で操作されたことを表示する)。ここで、画像表示装置41による表示をしなくなるのは、他の演出(失敗演出)を行うことができるからである。もちろん、遊技者が途中で操作順序を誤った場合は、画像表示装置41による表示だけでなく、獲得枚数表示器72による表示も中断させてもよい。ただし、この場合は、画像表示装置41による表示を先に中断し、その後、獲得枚数表示器72による表示を中断させることが好ましい。このようにすることで、画像表示装置41だけの表示がなされているといった状況をなくすことができるからである。また、遊技者が途中で操作順序を誤った場合であっても、画像表示装置41による表示を中断しなくてもよい。
(主制御手段100から副制御手段200に対する当選役に関する情報の送信)
後述するように、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200(演出制御手段301)による演出のために、当選役決定手段110で決定された当選役を主制御手段100から副制御手段200に送信することが望ましい。しかしながら、当選役を示す条件装置番号が特定できてしまうと、正解押し順も特定できてしまうため、条件装置番号を副制御手段200に送信する構成の場合、不正行為(例えば、主制御手段100から副制御手段200に送信される制御コマンドを模した不正な制御コマンドを注入する行為、条件装置番号を抽出し正解押し順を不正に特定する行為、副制御手段200の不正改造行為等)が行われた際に、主制御手段100では、AT遊技の抽選に当選していない(指示表示が発生可能な内部遊技状態(例えば、図11(b)に示す内部遊技状態2〜3、6〜7)でない)にも関わらず、不正に正解押し順が特定されてしまったり、副制御手段200により勝手に画像表示装置41による表示が行われてしまう虞がある。そこで、本実施形態に係るスロットマシン1では、主制御手段100において、条件装置番号に対しマスク処理(正解押し順の情報を特定できないようにする処理)を行い、その情報(マスクされた条件装置番号を「演出グループ番号」と呼ぶ)を、条件装置番号の代わりに、副制御手段200へ送信するように構成している。このように構成することで、副制御手段200では、条件装置番号が送られてこなくても、マスク処理後の情報(演出グループ番号)に基づいて、演出を決定することができる。もちろん、必ずしも全ての条件装置番号においてマスク処理をしなければならないものではなく、以下の例外が認められてもよい。
(1)特別役(BB1〜BB3)の条件装置番号
(2)押し順によって出玉に影響のないリプレイ(例えば、遊技状態の移行に影響しない再遊技役)の条件装置番号
(3)押し順によって獲得枚数に差が生じない条件装置番号
(4)獲得枚数が少ない(例えば、規定数未満)条件装置番号
(5)(3)かつ(4)
本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技の抽選に当選している、当選していないに関係なく、条件装置番号にマスク処理をして副制御手段200に送信しているが、AT遊技の抽選に当選しているときなど(例えば、指示表示が発生可能な内部遊技状態)では条件装置番号を直接副制御手段200に送信し、AT遊技の抽選に当選していないときなど(例えば、指示表示が発生しない内部遊技状態)では条件装置番号にマスク処理をして副制御手段200に送信するように構成してもよい。
ここで、条件装置番号のマスク処理について、図14及び図15を用いて説明する。ここで、図14はマスク処理の一例を説明するための説明図であり、図15はマスク処理の変形例を説明するための説明図である。本実施形態に係るスロットマシン1では、条件装置番号を、役の種類(再遊技役、入賞役の種類(ベル、スイカ)等)、演出の種類(同じ再遊技役でも、遊技状態の移行に関する役、弱チェリー、強チェリー等)、押し順による遊技への影響でグループ分けを行い(例えば、条件装置番号3〜8のように押し順によって出玉に影響がある再遊技役は1つのグループ、条件装置番号9〜11のように押し順によって出玉に影響ない再遊技役はそれぞれ別のグループに分ける)、図14に示すテーブルで管理している。そして、当選した条件装置番号の代わりに、このテーブルを用いて演出グループ番号を決定し、決定された演出グループ番号を副制御手段200に送信することで、いかなる条件装置番号に当選したか特定できないようにしている。その結果、正解の押し順を特定することができないようにしている。役の種類や、演出の種類は特定できるので、副制御手段200では、条件装置番号が送られてこなくても、当選役に応じた演出を決定することができる。例えば、この図14において、条件装置番号が3〜8の役(再遊技役−C1〜C6)に当選したときは、演出グループ番号として「3」が主制御手段100から副制御手段200に送信されるため、演出グループ番号が「3」であることを特定できても、どの役に当選しているかや、その正解押し順については特定することができないが、再遊技役に応じた演出を決定することはできる。
なお、条件装置番号を演出グループ番号に変換する代わりに、図15に示すように、条件装置番号を、上述したグループ分けを行い、当選した条件装置番号を、グループごとに共通の番号に書き換え、書き換え後の番号を副制御手段200送信することで、いかなる条件装置番号に当選したか特定できないようにすることも可能である。図15は、当選役に割り当てられた条件装置番号と重複しない番号を、上記グループに割り当てた場合を示している。例えば、条件装置番号が3〜8の役(再遊技役−C1〜C6)に当選した場合、条件装置番号が「56」に変換される。このように構成することで、正解押し順を特定することができないようにしている。
このようなマスク処理後の情報は、基本的に主制御手段100によって参照する必要がないため、副制御手段200へ送信する直前に、マスク処理を経てから送信することが好ましい。これにより、マスク処理後の情報を、副制御手段200へ送信するまで、記憶しておく領域を別途設けておく必要がなくなるためである。もちろん、送信するよりも前に、マスク処理をしておいてもよい。
また、このようにマスク処理を行うと、副制御手段200において、演出グループ番号(又は、変換後の条件装置番号)からは正解押し順を判別することができないが、上述した指示番号が別途送信されるため、副制御手段200は、その指示番号から正解押し順を特定することができる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、指示表示が発生可能な内部遊技状態(内部遊技状態2〜3、6〜7)であるときは、条件装置番号に対応する指示番号(A1〜A9)が副制御手段200に送信され、指示表示が発生しない内部遊技状態(内部遊技状態0〜1、5〜6)であるときは、指示番号として「A0」が送信される。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態ごとに、指示表示が発生可能な内部遊技状態であるか否かが定義されている。これにより、主制御手段100では、現在の内部遊技状態を参照するだけで、指示番号の決定や、指示表示をすることができるとともに、副制御手段200でも、受信した内部遊技状態や指示番号を参照するだけで、指示表示をすることができる。
また、上述した演出グループ番号又は変換後の条件装置番号と指示番号に加えて条件装置番号を副制御手段200に送信するように構成してもよい。この場合、指示表示が発生可能な内部遊技状態のときは、条件装置番号をマスクし(例えば、「0」を設定し)、指示表示が発生しない内部遊技状態のときや、指示表示が発生しない役(例えば、上述した再遊技役−D1〜D3等)のときは、マスクをしない状態の条件装置番号を送信するように構成してもよい。
ところで、上記の説明では、内部遊技状態ごとに、指示が発生可能な内部遊技状態であるか否かを定義しておくことにしたが、内部遊技状態ごとに定義しておくことなく、指示表示が発生可能か否かを判断する指標として、別途、押し順フラグというものを設けてもよい。押し順フラグがオンであるときは、指示表示が発生可能であることを示し(内部遊技状態2〜3、6〜7では常に押し順フラグがオンになり)、他方、押し順フラグがオフであるときは、指示表示が発生可能でないことを示す。このような押し順フラグを設けることにより、同じ内部遊技状態であっても、指示が発生可能であるときと、指示が発生可能でないときとを設けることができる。例えば、基本的には、指示が発生しない内部遊技状態0(通常)においても、後述する押し順当てゲームを行うことができる(押し順当てゲームでは、指示が発生可能である必要があるため、押し順当てゲームを実行する遊技のみ押し順フラグをオンにする)。また、上記の説明では、内部遊技状態2(AT準備)と内部遊技状態3(AT)を別の内部遊技状態として管理したが、これを1つの内部遊技状態にまとめるとともに、現在がAT遊技であるか否かを判断する指標として、ATフラグというものを設けてもよい。ATフラグがオンであるときは、AT遊技であることを示し、他方、ATフラグがオフであるときは、AT遊技ではない(AT準備中である)ことを示す。
本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御手段200において、制御コマンドとして送信される演出グループ番号(又は、変換後の条件装置番号)、及び特別役(BB)の条件装置番号に基づいて、スタートレバー32の操作があったものと判断し(実際は、特別役の条件装置番号に基づいて判断しているが、演出グループ番号に基づいて判断してもよい)、スタートレバー32が操作されたときの処理を行うように構成されている。すなわち、副制御手段200によるスタートレバー32の操作時の処理において、画像表示装置41による指示表示を行うためには、スタートレバー32の操作がなされてから演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号が送信されるよりも前に、指示番号が送信されていなくてはならない。また、上述したように、画像表示装置41による指示表示は、スタートレバー32の操作がなされてからリール21a〜21cが定速回転に達するまでに行われることが好ましい。また、主制御手段100により、獲得枚数表示器72による指示表示が行われた後に、指示番号、演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号が送信されることが好ましい。獲得枚数表示器72による指示表示が行われる前に、画像表示装置41による指示表示が行われることがなければ、誤った指示番号が送られた場合であっても、既に獲得枚数表示器72による指示表示が行われているので、画像表示装置41による指示表示が誤ったものであることに気づくことができるからである。すると、指示番号、演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号は、主制御手段100により、獲得枚数表示器72による指示表示が行われた後に、主制御手段100から、指示番号、演出グループ番号、特別役の条件装置番号の順で、リール21a〜21cが定速回転に達するまでに副制御手段200に送信されることが好ましい。リール21a〜21cが定速回転に達するまでに、確実に、画像表示装置41による指示表示を行うためには、リール21a〜21cの回転開始前に、指示番号、演出グループ番号、特別役の条件装置番号が、制御コマンドとして送信するためのバッファにセットされていることが好ましい。
なお、主制御手段100は、副制御手段200に指示番号を送信した後に、獲得枚数表示器72による指示表示を行い、その後に、画像表示装置41による指示表示が行われるように構成してもよい。また、主制御手段100が副制御手段200に指示番号を送信した後に、遊技者が正解押し順を把握しやすい画像表示装置41による指示表示を先に行い、その後に獲得枚数表示器72による指示表示を行うように構成してもよい。このように構成することで、遊技者は正解押し順を即時に把握できスムーズに遊技を進行することができる。また、主制御手段100が副制御手段200に指示番号を送信した後に、獲得枚数表示器72による指示表示と、画像表示装置41による指示表示とを同時に行うように構成してもよい。
また、上述した押し順フラグを設ける場合は、押し順フラグも演出グループ番号、及び特別役の条件装置番号よりも前に副制御手段200に送信されている必要がある。スタートレバー32の操作時の処理において、画像表示装置41による指示表示を行うには、この時点で、押し順フラグがオンであるかオフであるかを判定する必要があるからである。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態を、スタートレバー32が操作されるよりも前(後述する遊技開始処理S551において)に、副制御手段200に送信するように構成している。このようにすることで、副制御手段200では、スタートレバー32が操作されるよりも前に、次遊技の内部遊技状態(次遊技から内部遊技状態が移行するのか等も)を把握することができ、スタートレバー32が操作される前に、次遊技の内部遊技状態における処理の準備を行うことができるようになる。
例えば、内部遊技状態1(前兆)から内部遊技状態2(AT準備)へ移行する場合は、画像表示装置41に確定画面を表示することになるが、副制御手段200は、スタートレバー32が操作されるよりも前に、次遊技から内部遊技状態2(AT準備)に移行することが把握できているので、画像表示装置41に確定画面を表示するための準備をすることができ、スタートレバー32が操作された後に(特別役の条件装置番号に基づいて)、すみやかに、確定画面を表示することができる。その他にも、内部遊技状態2(AT準備)から内部遊技状態3(AT)へ移行する場合は、内部遊技状態3(AT)中に残り遊技数を表示することになるので、スタートレバー32が操作されるよりも前に、画像表示装置41に残り遊技数を表示するための準備をすることができ(例えば、画像制御基板400のビデオRAMに残りゲーム数を表示するための情報をセットする)、スタートレバー32が操作された後に、すみやかに、残り遊技数を表示することができる。
また、上述したATフラグを設ける場合は、このATフラグもスタートレバー32が操作される前に、主制御手段100から副制御手段200に送信されている必要がある。
(AT遊技の開始条件について)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、基本的に、内部遊技状態2(AT準備)において、全てのストップボタン33a〜33cが停止した後の遊技状態が、RT3遊技状態であることで、内部遊技状態3(AT)に移行するように構成されている。但し、内部遊技状態3(AT)の開始条件を、RT3遊技状態であることのみにしてしまうと、内部遊技状態2(AT準備)において、押し順リプレイ(遊技状態を移行させるための再遊技役−C1〜C6)の押し順ナビは無視し、押し順ベルの押し順には従うことで、内部遊技状態3(AT)へ移行させず、内部遊技状態2(AT準備)を延命させようとする遊技者がでてくる可能性がある。特に、本実施形態のように特別役を有している場合には、内部遊技状態2(AT準備)を延命させ、特別役の当選を待とうとする遊技者が出てくる可能性が高い。そこで、遊技状態がRT3遊技状態ではなかったとしても、押し順ナビに従わない場合は、強制的に内部遊技状態3(AT)へ移行させるようにすることで、内部遊技状態2(AT準備)を延命できないようにしている。しかし、押し順ナビを無視したことを理由に、如何なる場合であっても、内部遊技状態3(AT)へ移行する構成とすると、偶発的に、押し順を誤ってしまった場合であっても、内部遊技状態3(AT)へ移行してしまうことになり、不正な意図をもっていないような遊技者であっても、不利な遊技状態で内部遊技状態3(AT)が開始してしまうといった課題もある。したがって、状況によっては下記のいずれかを採用することができる。
(1)指示番号が示す押し順に従わない場合には、如何なる場合であっても、内部遊技状態3(AT)へ移行させる仕様
この仕様では、偶発的に、押し順を誤ってしまった遊技者を救済することはできないが、主制御手段100による処理負担の軽減ができるため、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、基本的にこの仕様を採用している。押し順ベルによる指示番号と押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)による指示番号を区別する必要がないため、遊技者の操作した押し順が、今回の指示番号が示す押し順と一致するか否かの判定のみでよく、処理負担の軽減(容量の削減)ができる。
(2)押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)当選時の指示番号が示す押し順に従わない場合には、内部遊技状態3(AT)へ移行させる仕様
この仕様であれば、ある程度、偶発的に、押し順を誤ってしまった遊技者を救済することができる。なぜなら、押し順ベルの押し順を、意図的に無視する遊技者は少ないと考えられ、押し順ベルの場合の指示番号の無視は、操作を誤ってしまった可能性が高いので、そのような遊技者を救済することができるからである。ただし、このようにするためには、指示番号をそもそも、押し順ベルと押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)で異なるものにするか(例えば、押し順ベルの「左中右」は、指示番号「A1」とし、押し順リプレイの「左中右」は、指示番号「B1」とし、指示番号「B1」が選択されているときに、指示番号が示す押し順と一致するか否かを判定する)、または遊技者の操作した押し順が、今回の指示番号が示す押し順と一致するか否かを判定した後に、今回が再遊技役の当選であったか(再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に表示されているかでもよい)の判定が必要であるため、主制御手段100による処理負担の増大(または、記憶容量の増大)が発生する。
(3)押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)当選時の指示番号が示す押し順に従わず、遊技状態が転落した場合には、内部遊技状態3(AT)へ移行させる仕様
この仕様であれば、かなりの偶発的な状態で押し順を誤ってしまった遊技者を救済することができる。なぜなら、押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)の押し順を無視しても、遊技状態が転落しなければよいので、押し順リプレイ(遊技状態の移行に関連する再遊技役)の押し順を誤ってしまった場合であっても救済される可能性があるからである。ただし、このようにするには、上記の(2)に加え、さらに遊技状態が転落したかの判定も必要となってくるので、主制御手段100による処理負担の増大(容量の増大)が発生する。本実施形態において、この仕様を採用するには、例えば、再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止しても、RT1遊技状態に移行しないようにする必要がある。
なお、遊技状態がRT3遊技状態へ移行したことで、内部遊技状態3(AT)へ移行することとしたが、RT3遊技状態へ移行させる図柄の組合せが表示可能な再遊技役に当選したことをもって、内部遊技状態3(AT)へ移行するようにしてもよい。また、内部遊技状態2(AT準備)において、押し順リプレイ(遊技状態を移行させるための再遊技役−C1〜C6)の押し順ナビに従わない遊技者に対しては、一定期間は押し順ナビを行わないようにするといったペナルティを科すように構成してもよい。
(AT遊技の上乗せ(ストック)抽選の契機について)
本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技の上乗せ(ストック)抽選の契機を、特定の遊技状態のときにのみに当選する条件装置番号の当選で行うように構成している。具体的には、図8に示すように、RT3遊技状態及びRT4遊技状態で当選する(言い換えると、非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態では当選しない)条件装置番号が12(再遊技役−E)の当選時のみに、抽選するように構成している。このようにすることで、遊技者がAT遊技中に押し順ナビに従っていれば、RT3遊技状態を維持するので、AT遊技の上乗せ(ストック)抽選を受けることができるが、遊技者が押し順ナビに従わないようにしていれば、遊技状態がRT1遊技状態やRT2遊技状態に転落していることがあるので、結果として、上乗せの契機である再遊技役−Eに当選せず、AT遊技の上乗せ(ストック)抽選を受けることができない期間が発生する可能性がある。このようにすることで、押し順ナビに従わない遊技者に、ペナルティを課す(抽選を冷遇する)ことをせずに、一定期間の間だけAT遊技の上乗せ(ストック)抽選を受けさせないようにすることができるようになる。ここでは、再遊技を上乗せ抽選の契機としたが、特定の小役(たとえば、入賞役−C、D、E、F)でもよい。なお、上乗せをストックとしたが、AT遊技のゲーム数などの特典としてもよい。
(演出による指示表示について)
上述したように、再遊技役−D1〜D3には、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられており、押し順により有効ライン上に停止表示される図柄の組み合わせ(再遊技役)が変化するように構成されている。しかし、この再遊技役−D1〜D3は、押し順により有効ライン上に停止表示される図柄の組み合わせが変化するだけで、主制御手段100では、遊技者が得られる利益に影響はない。例えば、再遊技役−D1〜D3に当選したことで、ATのストックを決定していないし、有効ライン上に停止表示した図柄の組み合わせによって、ATのストックを決定するか否かを変化させていない。また、どのような押し順でも再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されるため、遊技者が得られる利益は同一である。このような出玉に影響のない条件装置番号が当選した遊技おいて、指示表示(出玉に影響を与えない、演出による指示表示)を行うか否かについては、主制御手段100により決定してもよいし(この場合は、指示番号も選択する)、副制御手段200により決定してもよい(この場合は、副制御手段200により、指示番号も選択する)。例えば、内部遊技状態3(AT)において、条件装置番号が「10」の再遊技役−D2に当選すると、主制御手段100は、演出グループ番号「5」と指示番号「A0」が副制御手段200に送信される。副制御手段200では、現在の内部遊技状態が内部遊技状態3(AT)であること、及び、演出グループ番号「5」であることにより、再遊技役05を停止表示させる(リプレイの図柄がV字状に並ぶ)か、それとも再遊技役01を停止表示させる(リプレイが中段に並ぶ)かを決定し、その決定に従った指示表示を行うことができる(条件装置番号「10」は、出玉に影響のない条件装置番号のため、上述したようにマスク処理する必要がなく、演出グループ番号と1対1の関係になっており、副制御手段200は、主制御手段100からの指示番号が「A0」であっても、演出グループ番号「5」から再遊技役05の図柄の組み合わせを停止表示させる押し順を判別することができるようになっている)。すなわち、副制御手段200により指示表示を変えることができるようにしているので、副制御手段200による指示表示(画像表示装置41に表示されるストップボタン33a〜33cの押し順の報知)の内容によって、再遊技役05の図柄の組み合わせではなく、再遊技役01の図柄の組み合わせが所定のライン上に停止表示させることができる。上述したように、再遊技役−Eの当選でAT遊技の上乗せ(ストック)を抽選しており、この再遊技役−Eが当選したときは再遊技役03の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示され(再遊技役04でもよい)、右下がりのライン上に「リプレイ」の図柄が揃うので、この再遊技役−D1〜D3が当選したときも、再遊技役01の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止表示させる(中段にリプレイA又はリプレイBの図柄が揃う)ことで、遊技者に対して、ATのストックを決定しているのではないかという印象を与えることができる。主制御手段100により、決定する場合は、獲得枚数表示器72による指示表示も行うことができるので、出玉に影響を与えない、演出による指示表示であるか否かが、遊技者にわかりにくくはなるが、主制御手段100による処理負担が増大する。
また、再遊技役−D1〜D3に当選したときも、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cの押し順に関係なく、AT遊技の上乗せ(ストック)の抽選を行うように構成してもよい。この場合、AT遊技の上乗せに当選したときは、副制御手段200で、再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知し、上乗せに当選しなかったときは、押し順の報知をしないように構成することができる。反対に、上乗せに当選したときは押し順を報知せず、上乗せに当選しなかったときに再遊技役05の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知するように構成してもよい。あるいは、AT遊技の上乗せに当選したとき、および当選しなかったときで、再遊技役05の図柄の組み合わせを停止表示させる押し順を報知する確率を変化させ、抽選で報知する、しないを決定するように構成してもよい。また、再遊技役05の図柄の組み合わせを停止表示させる押し順ではなく、再遊技役01の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知する(あるいは報知しない)ように構成してもよい。また、AT遊技の上乗せに当選しなかった場合でも、AT遊技のストックがあるときは再遊技役05(又は再遊技役01)の図柄の組み合わせが停止表示される押し順を報知する(若しくは報知しない)ように構成してもよい。このような構成とすることで、再遊技役−D1〜D3の当選に対して、AT遊技の上乗せ抽選の結果(若しくは、ストックがあってAT遊技が実行される可能性があること)の示唆の報知を副制御基板200側で決定することができる。また、再遊技−D1からD3としたが、押し順に依らず払出数が同じでかつ押し順で停止する図柄の組み合わせが異なる小役としてもよい。
(外部集中端子基板80を介した外部への信号出力について)
上述したように、主制御手段100を構成する外部信号送信手段180は、現在の遊技に関する情報を外部集中端子基板80を介して外部に出力するように構成されている。この外部集中端子基板80は複数の信号を出力可能に構成されている。まず、内部遊技状態3(AT)が開始する条件を満たしたこと(例えば、上述したように、全てのリール21a〜21cが停止した後に、遊技状態がRT3遊技状態である場合や、RT3遊技状態に移行させるための押し順ナビに遊技者が従わなかった場合)に基づいて、第1の信号(例えば、BB信号)をオンにするようにしている(AT遊技の初当り時は、第2の信号(例えば、RB信号)もオンにする)。また、内部遊技状態3(AT)の終了条件を満たしたときに、第1の信号(BB信号)をオフにするように構成している。
また、特別役(BB1〜BB3)が入賞したとき(特別遊技の開始が決定したとき)に、第2の信号(RB信号)をオンにし、特別遊技の終了条件を満たしたことにより、第2の信号(RB信号)をオフにするように構成している。
また、第1の信号(BB信号)がオンであるときに、特別役(BB1〜BB3)に当選したときであっても、第1の信号(BB信号)をオフにせず、特別役(BB1〜BB3)が入賞したことによって第1の信号(BB信号)をオフにするとともに、第2の信号(RB信号)をオンにするようにしている。これは、特別役(BB1〜BB3)の当選により第1の信号(BB信号)をオフにしてしまうと、内部遊技状態3(AT)の終了条件を満たしていないにもかかわらず、第1の信号(BB信号)がオフになることで、結果、特別役(BB)が当選したことの報知につながるためである。
なお、主制御手段100で管理するボーナスランプにより、確定報知を行った後であれば、特別役(BB1〜BB3)が入賞する前であっても第1の信号(BB信号)をオフにしてもよい。但し、ボーナスランプを設けていない場合には、画像表示装置41で確定報知を行った後であっても、特別役(BB1〜BB3)が入賞する前であっても第1の信号(BB信号)をオフにしてはいけない。これは、画像表示装置41は、副制御手段200により管理されるものであり、主制御手段100で管理するボーナスランプとは異なるためである。
(設定変更時の処理について)
本実施形態に係るスロットマシン1では、AT遊技に関する情報(内部遊技状態等)は、設定変更時にクリアされる。また、遊技状態に関する情報は、非RT遊技状態へ戻したくない仕様であればクリアしないが、戻してもよい仕様であればクリアする。なお、非RT遊技状態からRT1遊技状態へ復帰するまでに、多くの遊技数が必要な場合は、遊技者に負担を強いることになるため、クリアしない方が好ましい。
(主制御手段100での処理)
次に、図16〜図40を合わせて用いて主制御手段100で実行される処理について説明する。ここで、図16はプログラム開始処理の流れを示すフローチャートであり、図17は設定変更処理の流れを示すフローチャートであり、図18は電源復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図19は制御コマンドセット1処理及び制御コマンドセット2処理の流れを示すフローチャートであり、図20は遊技進行メイン処理の流れを示すフローチャートであり、図21は遊技メダル管理処理の流れを示すフローチャートであり、図22は遊技メダル投入チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図23は遊技メダル投入チェック処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図24は貯留枚数1枚加算処理及び遊技メダル1枚加算処理の流れを示すフローチャートであり、図25は役抽選処理の流れを示すフローチャートであり、図26は抽選判定処理の流れを示すフローチャートであり、図27は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態の判定と内部遊技状態0、5及び7における処理を示すフローチャートであり、図28は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態2及び内部遊技状態3の前段における処理を示すフローチャートであり、図29は内部遊技状態設定処理のうち、内部遊技状態3における処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図30はリール回転開始前処理の流れを示すフローチャートであり、図31はリール停止管理処理の流れを示すフローチャートであり、図32は遊技終了チェック処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図33は遊技終了チェック処理を構成する遊技状態遷移処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図34は遊技終了チェック処理を構成する遊技状態遷移処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図35は遊技終了チェック処理のうち、内部遊技状態0及び1における処理の流れを示すフローチャートであり、図36は遊技終了チェック処理のうち、内部遊技状態2における処理の流れを示すフローチャートであり、図37は遊技終了チェック処理のうち、内部遊技状態3における処理の流れを示すフローチャートであり、図38は遊技終了チェック処理のうち、内部遊技状態4〜7における処理の流れを示すフローチャートであり、図39は割込処理及び電源断処理の流れを示すフローチャートであり、図40は制御コマンド送信処理及びソフト乱数更新処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100のメインCPU102で実行される遊技用制御プログラムとして、電源投入時に実行されるプログラム開始処理S500及びこのプログラム開始処理S500に続けて実行されるプログラムであって、単位遊技毎に繰り返し実行される遊技進行メイン処理S550と、所定の割込間隔で実行される割込処理S570とで構成されている。
−プログラム開始処理S500−
本実施形態に係るスロットマシン1の電源スイッチ35が操作されて電源が投入されると、主制御手段100のメインCPU102において、図16に示すプログラム開始処理S500が実行される。このプログラム開始処理S500において、主制御手段100は、まず、メインCPU102のレジスタを初期化し(ステップS501)、今回の電源投入の前の電源断において、後述する電源断処理S5400が正常に実行されたか否かを電源断処理フラグで確認する(ステップS502)。このステップS502において、電源断処理フラグが正常値である、すなわち、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断すると、主制御手段100は、RAM104の全範囲に対してチェックサムを算出する(ステップS503,S504)。なお、ステップS502において電源断フラグが正常値でない(例えば設定されていない)ために電源断処理S5400が正常に実行されていないと判断したときは、このチェックサムを算出する処理は実行されず、電源断処理フラグに異常値を設定する。異常値を設定することで、電源断復帰データが異常であるとみなされる。そして、チェックサムを算出した結果を電源断復帰データとしてレジスタに記憶する(ステップS505)。すなわち、RAM104のいずれかの領域で異常が検出された情報、若しくは、RAM104の全ての範囲で正常である情報が電源断復帰データとして記憶される。
次に、主制御手段100は、入力ポート1のデータを読み出してレジスタに記憶する(ステップS506)。この入力ポート1は、1バイト(8ビット)の情報であって、ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92、設定変更キースイッチ35及びリセット/設定スイッチ37の開閉又はオン・オフ情報が予め決められたビットに設定されるように構成されている。すなわち、この入力ポート1の1バイトの情報を読み出すことにより、ドアの開閉又は設定変更キースイッチのオン・オフを検知することができる。主制御手段100は、この入力ポート1の情報のうち、指定スイッチ(ドアスイッチ91、設定ドアスイッチ92及び設定変更キースイッチ36の全て)がオンであるか否かを判断する(ステップS507)。そして、これらの全てのスイッチがオンであると判断すると、主制御手段100は、ステップS505でレジスタに記憶した電源断復帰データが異常であるか否かを判断し(ステップS508)、異常で無いと判断すると、設定変更不可フラグがオンであるか否かを判断する(ステップS509)。この設定変更不可フラグは、設定変更処理を不可とするためのフラグであって、本発明に係るスロットマシン1では、後述する役抽選処理S555から遊技終了チェックS561までの間はこの設定変更不可フラグがオンとなる。主制御手段100は、ステップS507で指定スイッチの全てがオンでないと判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンでないと判断したときは、電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS510)、正常であると判断したときは電源復帰処理S532を実行し、正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS511)。また、ステップS508で電源断復帰データが異常であると判断したとき、及び、ステップS509で設定変更不可フラグがオンであると判断したときは、設定変更処理S512を実行する。
−設定変更処理S512−
主制御手段100は、設定変更処理S512に移行したときは、図17に示すように、RAM104の初期化範囲として所定範囲をレジスタに記憶する(ステップS513)。この所定範囲は、電源断処理S5400が正常に実行されたと判断した場合の範囲であって、設定値データは含まれない(これらの値は初期化されない)。また、主制御手段100は上述した電源断復帰データが正常か否かを判断し(ステップS514)、正常でないと判断したときは、RAM104の初期化範囲として特定範囲をレジスタに記憶する(ステップ515)。電源断処理S5400が正常でないと判断したときは、設定値データも初期化の対象とする。そして、主制御手段100は、上述したステップS513又はステップS515で設定された範囲の初期化を行う(ステップS516,S517)。
次に主制御手段100は、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS518)、「設定変更開始」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS519)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS520)。後述するように、この制御コマンドセット1処理S5000でセットされた制御コマンドは、割込処理S570により副制御手段200へ送信される(以降の説明においても同様である)。
また、主制御手段100は、RAM104に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS521)、正常でないと判断したときは、設定値として「1」をRAM104に記憶する(ステップS522)。そして、主制御手段100は、設定変更処理中を示すランプを点灯させ(ステップS523)、リセット/設定スイッチ37の操作を検出したときに(ステップS524)設定値を更新する(ステップS525)という処理をスタートレバー32の操作を検知するまで繰り返す(ステップS526)。ここで、設定変更処理中のランプは、例えば7セグメントディスプレイで構成され現在の設定値が表示されるように構成することができる。主制御手段100は、スタートレバー32の操作を検出し、設定変更キースイッチ36がオフになったことを検出すると(ステップS527)、RAM104等の記憶領域の情報を設定する(ステップS528)。そして、設定変更処理中のランプを消灯し(ステップS529)、「設定変更終了」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS530)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS531)、遊技進行メイン処理S550を実行する。
−電源復帰処理S532−
主制御手段100は、電源復帰処理S532に移行したときは、図18に示すように、RAM104に記憶された設定値が正常範囲(1〜6)であるか否かを判断し(ステップS533)、正常であると判断したときは、RAM104の未使用領域の初期化範囲をレジスタに記憶し(ステップS534)、この初期化範囲の初期化を行う(ステップS535,S536)。次に、主制御手段100は、電源断前の入力データから最新のデータに更新するために、入力ポート0〜2のデータを読込(ステップS537)、割込の種類や、タイマ割込の周期等の割込処理の起動設定を行い(ステップS538)、「電源断処理フラグ」を示すデータをRAM104からクリアし(ステップS539)、電源断がされたときに中断されたプログラムの実行位置に復帰する。なお、主制御手段100は、ステップS533で設定値が正常でないと判断したときは、復帰不可能エラーの状態が継続する(ステップS540)。また、入力ポート0は、1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、清算ボタン34、1ベットボタン31a、MAXベットボタン31b、スタートレバー32、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cがオンになったときに1がセットされるように構成されている。また、入力ポート2も1バイト(8ビット)の情報であって、各ビットに、電源断を検知したとき、第1投入センサ61及び第2投入センサ62で遊技メダルを検知したとき、払出センサ71で遊技メダルを検知したとき、並びに、ホッパー装置の満杯を検知したときに1がセットされるように構成されている。
−制御コマンドセット1処理S5000・
制御コマンドセット2処理S5010−
制御コマンドセット1処理S5000は、制御コマンドセット2処理S5010を呼び出して、レジスタに記憶された情報を制御コマンドとして制御コマンドバッファに記憶させるための処理である。なお、この処理で設定された制御コマンドは、後述する制御コマンド送信処理S5290で副制御手段200に送信される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1における制御コマンドは2バイトデータで構成され、上位1バイトを「第1制御コマンド」と呼び、下位1バイトを「第2制御コマンド」と呼ぶ。また、副制御手段200に送信するための制御コマンドを記憶しておく制御コマンドバッファは、RAM104に設けられ、32個の制御コマンドをバッファ可能に構成されている(データサイズは64バイト)。
主制御手段100は、制御コマンドセット1処理S5000が呼び出されると、図19に示すように、まず、割込処理の実行を禁止し(ステップS5001)、制御コマンドセット2処理S5010を実行する(ステップS5002)。
この制御コマンドセット2処理S5010が呼び出されると、主制御手段100は、書込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5011)、このアドレスのデータ(書込ポインタの値)をレジスタにセットする(ステップS5012)。ここで、書込ポインタは、制御コマンドバッファにおいて、次の制御コマンドを書き込める位置を保持しており、制御コマンドバッファに1つの制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタの値に1が加算される。なお、制御コマンドバッファは循環的に使用されるため、この制御コマンドバッファの最後の領域に制御コマンドが書き込まれると、書込ポインタは、制御コマンドバッファの先頭の領域の位置を記憶するように構成されている。同様に、後述する読込ポインタは、制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドであって、未だ送信されていない制御コマンドうち、最初に記憶された位置を保持している。そして、制御コマンドバッファの先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5013)、このレジスタの先頭アドレスの値に、レジスタにセットされた書込ポインタの値を2倍したものを加算することにより、制御コマンドを書き込むアドレス(以下「指定アドレス」と呼ぶ)を決定する(ステップS5014)。
次に、主制御手段100は、レジスタに記憶されている指定アドレスの位置に記憶されているデータを読み出し、このデータが「0」でないか否かを判断する。すなわち、この指定アドレスのデータが「0」でないときは、制御コマンドバッファに32個のコマンドがバッファされていることになるため、主制御手段100は、指定アドレスのデータとして「0」が記憶されているか否かを判断することにより、制御コマンドバッファに記憶されている制御コマンド数が32よりも小さいか否かを判断する(ステップS5015)。このステップS5015で制御コマンドバッファにバッファされている制御コマンドの数が32より少ないと判断すると、主制御手段100は、制御コマンドバッファに書き込むデータが、RAM104に記憶されているデータを参照する必要があるデータか否かを判断し(ステップS5016)、RAM104に記憶されているデータを参照するときは、第2制御コマンドとして書き込むデータをRAM104から読み出してレジスタに記憶する(ステップS5017)。ここで、「データを参照する必要があるデータ」としては、規定数情報(再遊技時の自動投入枚数)、設定値情報、遊技状態の情報、内部遊技状態の情報等である。そして、制御コマンドセット1処理S5000が実行される直前の処理でレジスタに記憶されたデータを、第1制御コマンドを示すデータとしてRAM104の指定アドレスの位置に記憶し(ステップS5018)、レジスタに記憶されている指定アドレスに1を加算して、RAM104の第1制御コマンドを記憶した次のアドレスに、レジスタに記憶されている第2制御コマンドを示すデータを記憶し(ステップS5019)、書込ポインタに1を加算し(ステップS5020)、制御コマンドセット1処理に戻る。そして、主制御手段100は、割込を許可し(ステップS5003)、制御コマンドセット1処理S5000を終了して、この制御コマンドセット1処理S5000が呼び出された処理に戻る。
−遊技進行メイン処理S550−
本実施形態に係るスロットマシン1は、電源投入後に上述したプログラム開始処理S500、設定変更処理S512、電源復帰処理S532が実行されると、遊技の進行を制御する遊技進行メイン処理S550が実行される。ここでは、1回の遊技の進行に沿ってこの遊技進行メイン処理S550を説明する。
主制御手段100は、遊技進行メイン処理S550に移行したときは、図20に示すように、まず、遊技開始処理を実行する(ステップS551)。この遊技開始処理S551では、前回の遊技での指示番号をクリアし、また、前回の遊技で有効ライン上に停止表示された図柄の組み合わせにより、今回の遊技が再遊技又は特別遊技(BB遊技)であると判断したときは、それぞれの遊技に対応する作動フラグをセットする。また、前回の遊技において、副制御手段200で実行される所定の演出が終了したときは、この所定の演出の終了に関する演出を副制御手段200で実行するために、所定の時間のウエイト(待機処理)を行う。また、各種遊技情報(設定値、遊技状態、内部遊技状態)を示す制御コマンドを制御コマンドバッファに書き込む(具体的には、上述した制御コマンドセット1処理S5000により実行される)。また、今回の遊技が再遊技であるときは、前回の遊技でベットされた遊技メダルを自動投入する処理を行う。さらに、セレクタのブロッカ60をオンにし、メダルの流路を形成する。但し、今回の遊技が再遊技であって、クレジット数が最大(50枚)であるときは、ブロッカ60をオンにしない。
次に、主制御手段100は、メダル投入口51から投入されるかベットボタン31が操作されてベットされた遊技メダルの数と規定数が一致し(遊技メダル限界フラグがオンの状態)、且つ、スタートレバー32がオンされるまで、繰り返し遊技メダル管理処理S5030を実行する(ステップS552,S553)。なお、遊技メダル限界フラグは、遊技開始処理S551でクリアされる。また、このステップS553で遊技メダル限界フラグがオンで且つスタートレバー32がオンされたと判断すると、スタートレバー受付フラグがオフにされる。また、このスタートレバー受付フラグがオンとなっているときはスタートレバー32が操作可能であることを所定のランプで報知する。そして、主制御手段100は、ステップS553でベットされた遊技メダルの枚数と規定数が一致し、且つ、スタートレバー32がオンされたと判断すると、セレクタのブロッカ60をオフし(ステップS554)、役抽選処理S5080を実行して当選役を決定し(ステップS555)、続いて内部遊技状態設定処理S5120により当選役や内部遊技状態に基づいた処理を実行する(ステップS556)。そして、所定の条件を満たしたときは、リール回転開始前処理S5170を実行し(ステップS557)、続いてリール停止管理処理により本遊技を実行し(ステップS558)、全てのリール21a〜21cが停止すると、有効ライン上に停止表示されている図柄の組み合わせに基づいて何れかの役に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判断し(ステップS559)、入賞役に当選しているときは、停止表示されている図柄の組み合わせの入賞役に割り当てられている枚数の遊技メダルの払出しを行い(ステップS560)、遊技終了チェック処理S5220を実行し(ステップS561)、一回の遊技を終了してステップS551に戻る。
−遊技メダル管理処理S5030−
遊技メダル管理処理S5030は、上述した遊技進行メイン処理S550において、遊技開始時の遊技メダルのベットを管理するものである。遊技メダル管理処理S5030が実行されると主制御手段100は、図21に示すように、ブロッカ60がオンであるか否かを判断し(ステップS5031)、ブロッカ60がオンのときは、さらに、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5032)、いずれかの投入センサがオンのときは遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。なお、図21〜図23においては、第1投入センサ61を「投入センサ1」と表記し、第2投入センサ62を「投入センサ2」と表記する。また、ステップS5031でブロッカ60がオンでないと判断したとき、及び、ステップS5032で2つの投入センサ61,62のいずれもがオンでないと判断したときは、主制御手段100は、ベットボタン31及び清算ボタン34の操作が受け付け可能であるか否かを判断し(ステップS5033)、さらに、これらのボタンの操作が受け付け可能であるときは、ベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出したか否かを判断する(ステップS5034)。そして、ステップS5034で操作受付を検出したときは、その操作受付が清算ボタン34に対する操作であるときは、遊技メダル清算処理を実行し(ステップS5036)、清算ボタン34に対する操作でないときはベットボタン31に対する操作であるため、遊技メダルの貯留投入処理を実行し(ステップS5037)、遊技メダル管理処理S5030を終了して遊技進行メインS550に戻る。なお、ステップS5033でベットボタン31及び清算ボタン34の操作受付が可能でないと判断したとき、及び、ステップS5034でベットボタン31又は清算ボタン34の操作受付を検出していないと判断したときは、そのまま遊技メダル管理処理S5030を終了する。
一方、ステップS5032で、第1投入センサ61又は第2投入センサ62がオンになったことを検知すると、主制御手段100は、図22に示す遊技メダル投入チェック処理S5038を実行する。主制御手段100は、スタートレバー受付許可フラグをクリアし(ステップS5039)、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5040)。第1投入センサ61がオンでないときは、下流側の第2投入センサ62が先に遊技メダルを検出したことを意味しているため、主制御手段100は、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図22に戻り、主制御手段100は、ステップS5040で第1投入センサ61がオンであると判断すると、投入センサ1通過チェック時間をセットし(ステップS5041)、第1投入センサ61及び第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5042)。そして、このステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンでないと判断すると、主制御手段100は、第1投入センサ61がオンであるか否かを判断する(ステップS5043)。このステップS5043で第1投入センサ61がオンでないときは、遊技メダルが流路を逆流していると考えられるため、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5043で第1投入センサ61がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5044)、経過していないと判断したときはステップS5042に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5044で投入センサ1チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1投入センサ61で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図23に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
図22に戻り、ステップS5042で第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断すると、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間をセットし(ステップS5045)、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断する(ステップS5046)。主制御手段100は、第1投入センサ61がオフで、且つ、第2投入センサ62がオンでないと判断すると、次に、第1及び第2投入センサ61,62がオンであるか否かを判断し(ステップS5047)、これらのセンサ61,62がオンでないと判断すると、図23に示すように、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5047で、第1及び第2投入センサ61,62がオンであると判断したときは、投入センサ1通過チェック時間又は投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5048)、いずれの通過チェック時間も経過していないと判断したときはステップS5046に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5048で投入センサ1チェック時間又は投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第1及び第2投入センサ61,62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、図23に示すように、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
ステップS5046で第1投入センサ61がオフで、第2投入センサ62がオンであると判断すると、主制御手段100は、図23に示すように、第1及び第2投入センサ61,62がオフであるか否かを判断し(ステップS5049)、第1及び第2投入センサ61,62がオフでないと判断すると、第2投入センサ62がオンであるか否かを判断し(ステップS5050)、第2投入センサ62がオンでないときは、「遊技メダル不正通過エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5074)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。一方、ステップS5050で第2投入センサ62がオンであると判断したときは、主制御手段100は、投入センサ2通過チェック時間を経過しているか否かを判断し(ステップS5051)、経過していないと判断したときはステップS5049に戻り、上述した処理を繰り返す。一方、ステップS5051で投入センサ2チェック時間を経過したと判断したときは、主制御手段100は、遊技メダルが第2投入センサ62で検出されている状態で滞留している(流路内で詰まっている)と判断し、「遊技メダル滞留エラー」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5075)、このレジスタの内容に基づいてエラー表示処理を実行し(ステップS5076)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
次に、主制御手段100は、ステップS5049で第1及び第2投入センサ61,62がオフであると判断すると、現在の遊技の規定数を取得し、また、現在の遊技において再遊技作動フラグがオンになっているか(再遊技が作動しているか)を確認し(ステップS5052)、貯留されている遊技メダルの枚数(クレジット数)を読み込む(ステップS5053)。そして、現時点でベットされている遊技メダルの枚数と貯留されている遊技メダルの枚数の合計値が、規定数に最大貯留数を加えた枚数より少ないか否かにより、次の遊技メダルも投入可能であるか否かを判断し(ステップS5054)、投入可能でないときはブロッカ60をオフにする(ステップS5055)。このブロッカ60のオフにより、以降に投入された遊技メダルは返却口へ戻されることになる。
更に、主制御手段100は、「1枚投入」を示すデータをレジスタに記憶し(ステップS5056)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5057)。そして、主制御手段100は、遊技メダル限界フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS5058)、この遊技メダル限界フラグがオンであるときは貯留枚数1枚加算処理S5059を実行し、オフであるときは遊技メダル1枚加算処理S5063を実行する。なお、遊技メダル限界フラグは、後述する遊技メダル1枚加算処理S5063でセットされる。
貯留枚数1枚加算処理S5059は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、クレジットとして遊技媒体貯留手段141に加算するための処理であり、主制御手段100は、図24に示すように、貯留されている遊技メダルの枚数をRAM104から読み込み(ステップS5060)、この貯留枚数に1を加算して更新し(ステップS5061)、更新された貯留枚数をRAM104に保存し(ステップS5062)、図23に示すように、スタートレバー受付許可フラグをオンにして(ステップS5077)、遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。
遊技メダル1枚加算処理S5063は、上記の処理により投入が検出された遊技メダルを、ベットされる遊技メダルの枚数に加算するための処理であり、主制御手段100は、図24に示すように、ベットされている遊技メダルの枚数をRAM104から読み出し(ステップS5064),この遊技メダル枚数に1を加算して更新し(ステップS5065)、更新された遊技メダル枚数をRAM104に保存する(ステップS5066)。次に、主制御手段100は、前回遊技における入賞で獲得した遊技メダルの枚数の情報をクリアし(ステップS5067)、ベットされた遊技メダルの枚数を出力ポートに設定することによりこの投入枚数を表示するLEDを点灯させる(ステップS5068)。さらに、主制御手段100は、現在の遊技の規定数を確認し(ステップS5069)、また、現在ベットされている遊技メダルの枚数をRAM104から読み込み(ステップS5070)、ベットされている遊技メダルの枚数と規定数が一致するか否かを判断することにより、ベットできる遊技メダルの枚数が限界に達しているか否かを判断し(ステップS5071)、限界に達しているときは遊技メダル限界フラグをセットし(ステップS5072)、スタートレバー受付許可フラグをオンにし(ステップS5073)、図23に戻り遊技メダル投入チェック処理S5038を終了する。なお、ステップS5071で限界に達していないと判断したときはステップS5072及びステップS5073は実行されない。
−役抽選処理S5080−
役抽選処理S5080は、上述した遊技進行メイン処理S550において、当選役を決定する処理である。図25に示すように、役抽選処理S5080において、主制御手段100は、第1乱数発生手段である乱数発生器103の乱数値レジスタから乱数値(2バイト乱数)を取得して第1の乱数値とし(ステップS5081)、また、第2乱数発生手段190からソフト乱数(2バイト)を読み出して第2の乱数値とする(ステップS5082)。そして、第1の乱数値と第2の乱数値から演算で(例えば、加算処理により)第3の乱数値を生成して役抽選用乱数値とし(ステップS5083)、この役抽選用乱数値をレジスタにセットする(ステップS5084)。このように、第1乱数発生手段である乱数発生器103から取得した第1の乱数値と、第2乱数発生手段190から取得したソフト乱数である第2の乱数値とから演算により第3の乱数値を生成して役抽選に用いることにより、この役抽選で用いる乱数値のランダム性を高くし、当選する役に規則性がないようにすることができる。
主制御手段100は、このようにして生成された役抽選用乱数値を用いて役の抽選を行うが、このとき、本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役、入賞役、特別役の順で抽選を行う。但し、再遊技役の抽選はRT5遊技状態(特別遊技状態であって、RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)では実行されない。また、特別役の抽選は、RT4遊技状態(内部中遊技状態)及びRT5遊技状態(特別遊技状態であって、RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)では実行されない。
まず、主制御手段100は、特別役の条件装置が作動しているか否か(役決定情報記憶領域の特別役が当選していることを示す特別役の条件装置フラグがセットされているか否か)を取得して、非内部中遊技状態であるか内部中遊技状態であるかを決定し(ステップS5085)、次に、特別遊技が作動しているか否か(遊技状態情報記憶領域の特別遊技中であることを示す特別遊技作動フラグがセットされているか否か)を判断することによりRT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)であるか否かを判断し(ステップS5086)、RT5遊技状態(RT5−12遊技状態若しくはRT5−3遊技状態)でないときは、非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態及びRT4遊技状態のいずれの遊技状態であるかに応じて再遊技役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5087)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5088)。ここで、条件装置内部抽選アドレステーブルとは、図8に示す条件装置番号(当選番号)を検索キーとし(以下、検索番号と呼ぶ)、この検索番号に対して当該検索番号に対応する役の確率データ(図8に示す置数)が役の種類毎(再遊技役、入賞役、特別役)に設定されているテーブルである。後述する抽選判定処理S5100で当選の判定を行う順に検索番号と確率データの組みが並んで記憶されている。なお、以降の説明では当選判定を行う役の全てを検索番号及び確率データの組として列挙している場合について説明するが、検索番号が連続し、同じ確率データを繰り返すときは、その繰り返すデータの検索番号、確率データ及び繰り返し数を記憶するように構成してもよい。例えば、図8に示す構成の場合、非RT遊技状態において検索番号(当選番号)が18〜23の入賞役−A1〜A6は、その置数(確率データ)が1670であるため、「検索番号=18」、「確率データ=1670」、「繰り返し回数=4」と表し、繰り返す毎に検索番号に1を加算するように構成することができる。このように構成すると、条件装置内部抽選アドレステーブルに使用するメモリ量を削減することができる。
図26に示すように、抽選判定処理S5100において、主制御手段100は、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるか否かを判断し(ステップS5101)、再遊技役又は入賞役の抽選判定であるときは、その条件装置内部抽選アドレステーブルの最初の検索番号をセットする(ステップS5102)。例えば、再遊技役の抽選判定であって、再遊技役の確率データが図8に示す順序に設定されている場合、検索番号として「1」が設定される。次に設定値別の確率データがあるか否かを判断し(ステップS5103)、設定値別の確率データがないときは、現在設定されている検索番号に基づいて設定値共通の確率データを取得し(ステップS5104)、設置値別の確率データがあるときは、設定値を取得し(ステップS5105),この設定値と現在設定されている検索番号に基づいて設定値別の確率データを取得する(ステップS5106)。また、役抽選処理S5080のステップS5084でセットした役抽選用乱数値(第3の乱数値)を読み込み(ステップS5107)、この役抽選用乱数値から現在の検索番号の確率データを減算し(ステップS5108)、確率データが減算された役抽選用乱数値を保存する(ステップS5109)。そして、主制御手段100は、現在の役抽選用乱数値が0より小さいかを判断し(ステップS5110)、役抽選用乱数値が0以上のときは、検索番号に1を加算し(ステップS5111)、全ての検索番号について検索が終了したか否かを判断し(ステップS5112)、当否判定が終了していないときは、ステップS5107に戻り上記の処理を繰り返す。
以上より、ステップS5110で役抽選用乱数が0より小さくなったときに、そのときの検索番号の役に当選したと判断し、ステップS5112において、条件装置内部抽選アドレステーブルの全ての検索番号の確率データを減算しても役抽選用乱数が0以上のときは検索番号をクリアする(検索番号=0)ことにより(ステップS5113)、現在の条件装置内部抽選アドレステーブルに含まれる役には当選していないと判断することができる。図8の場合、非RT遊技状態のときに、抽選判定手段S5100が呼び出された時点の役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9200であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−Aの確率データ(置数であって、図8においては8962)をこの役抽選用乱数から減算しても0より小さくならないため、再遊技役−Aには当選していないと判断される。また、役抽選用乱数(第3の乱数値)が50であった場合、検索番号(当選番号)が「1」の再遊技役−Aの確率データ(8962)を役抽選用乱数から減算すると0より小さくなるため、この再遊技役−Aに当選したと判断することができる。
図25に戻り、ステップS5088の抽選判定処理の結果、再遊技役に当選したか否かを判断し(ステップS5089)、当選していると判断したときは、現在の検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5097)、この役抽選処理S5080を終了する。一方、ステップS5089で再遊技役に当選していないと判断したときは、次に、現在の遊技状態(非RT遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態及びRT4遊技状態)に応じて入賞役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5090)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5091)。上述の例で説明すると、ステップS5083で生成した役抽選用乱数値(第3の乱数値)が9200であった場合、再遊技役に対する抽選判定処理を実行した時点で役抽選用乱数値は238となっている(再遊技役の全ての確率データの合計値が8962であるため)。そのため、非RT遊技状態における検索番号(当選番号)が「18」の入賞役−A1の確率データが1670であるため、この入賞役−A1が当選したと判断される。主制御手段100は、ステップS5091の抽選判定の結果から入賞役に当選しているか否かを判断し(ステップS5092)、当選していないと判断したときは、特別役の条件装置が作動しているRT4遊技状態(内部中遊技状態)であるか否か、特別遊技が作動しているRT5遊技状態(特別遊技状態であって、RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態のいずれか)であるか否かを判断し(ステップS5093)、RT4遊技状態及びRT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)でないときは、特別役の条件装置検索番号を取得し(ステップS5094)、特別役の条件装置内部抽選アドレステーブルをセットし(ステップS5095)、抽選判定処理S5100を実行する(ステップS5096)。この処理でも、特別役に当選したときはその検索番号が設定され、特別役に当選していないとき(再遊技役、入賞役、特別役のいずれにも当選していなく、ハズレとなったとき)は、検索番号に0が設定されている。最後に、現在の条件装置検索番号を条件装置番号バッファに保存し(ステップS5097)、この役抽選処理S5080を終了する。
ここで、図8に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、再遊技役及び入賞役の条件装置番号と、特別役の条件装置番号とは独立している。したがって、特別役に当選したときは、役物当選番号にその特別役の条件装置番号が設定され、特別役に当選していないときは役物当選番号の値が「0」となる(例えば、BB1に当選したときは「1」、BB2に当選したときは「2」、BB3に当選したときは「3」となる)。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、役抽選のために生成した第3の乱数値(役抽選用乱数値)から、予め決められた順序で確率データ(当選判定データ)を減算していき、0より小さくなったときの確率データに対する役に当選したと判断するように構成されている。この構成によると、当選の判定を行いたい役(判定対象)毎に確率データを対応付けて条件装置内部抽選アドレステーブル(当選判定データ群)として記憶し、第3の乱数値からこの確率データを順に減算処理するだけで判定することができるので、抽選の判定処理を簡単に実現することができる。もちろん、第3の乱数値(役抽選用乱数値)に上記確率データを順番に加算していき、最大値(2バイトデータの場合は65535)を超えたときに当選していると判定することも可能である。しかしながら、加算により判定する場合、例えば、乱数値の範囲が0〜999の抽選を行う場合、第3の乱数値に所定の値(例えば、2バイトデータなら64537)を加算した上でさらに確率データを加算しなければならず、処理が複雑になってしまう。一方、上述した減算方式であれば、乱数値がどのような範囲であっても、抽選用の乱数値から確率データを順に減算することで判定することができる。
なお、以上の説明では、役の種類毎に、条件装置内部抽選アドレステーブルを設定する場合について説明したが、例えば、抽選の順序にしたがって、再遊技役、入賞役、特別役の順でまとめてテーブルを定義しておき、当選判定をする際に、判定に用いる範囲を指定するように構成してもよい。例えば、再遊技役が5個あり、その検索番号が1〜5とし、入賞役が5個あり、その検索番号が6〜10とし、特別役が1個あり、その検索番号が11として、この順で並んで定義されているとする。この場合、非RT遊技状態で再遊技役、入賞役、特別役の順で判定するときは、「検索番号が1から11個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役、入賞役、特別役の当選判定を行うことができる。一方、RT4遊技状態(内部中遊技状態)ときは、特別役の当選判定をしないので、「検索番号が1から10個の確率データを使って判定する」と指定することで、再遊技役と入賞役の判定を行うことができる。そのため、このようなデータ構造で条件装置内部抽選アドレステーブルを記憶すると、当選判定の処理をより簡単に実現することができる。
−内部遊技状態設定処理S5120−
内部遊技状態設定処理S5120は、スタートレバー32が操作されたときの内部遊技状態毎の処理を実行するものである。この内部遊技状態毎の処理においては、AT抽選や押し順ベル、押し順リプレイに対する指示番号の決定が行われる。
図27に示すように、主制御手段100は、内部遊技状態設定処理S5120を実行すると、まず、現在の内部遊技状態が「1」、「4」、「6」のいずれかであるか否かが判断され(ステップS5121)、これらの内部遊技状態であるときは、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、主制御手段100は、内部遊技状態が「1」、「4」、「6」でないときは、現在の内部遊技状態が「0」であるか否かを判断し(ステップS5122)、内部遊技状態が「0」であると判断したときは、当選役決定手段110で決定された役がレア役であるか否かを判断し(ステップS5123)、レア役でないときは、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。また、主制御手段100は、ステップS5123でレア役に当選していると判断したときは、AT抽選を行い(ステップS5124)、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップS5125)、AT抽選に当選していないと判断したときは、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5125でAT抽選に当選したと判断したときは、主制御手段100は、ATストックカウンタCSに1を加算し(ステップS5126)、前兆遊技数を抽選で決定し(ステップS5127),内部遊技状態設定処理S5120を終了する。
また、ステップS5122で内部遊技状態が「0」でないと判断したときは、主制御手段100は、現在の内部遊技状態が「2」または「3」であるか否かを判断する(ステップS5128)。そして、現在の内部遊技状態が「2」または「3」であると判断すると、主制御手段100は、図28に示すように、当選役決定手段110で決定された当選役(条件装置番号)に応じて指示番号を決定する。具体的には、図13に示すように、「左中右」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が3、13である)と判断したときは(ステップS5129)、指示番号に「A1」を設定する(ステップS5130)。また、「左右中」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が4、14である)と判断したときは(ステップS5131)、指示番号に「A2」を設定する(ステップS5132)。また、「中左右」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が5、15である)と判断したときは(ステップS5133)、指示番号に「A3」を設定する(ステップS5134)。また、「中右左」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が6、16である)と判断したときは(ステップS5135)、指示番号に「A4」を設定する(ステップS5136)。また、「右左中」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が7、17である)と判断したときは(ステップS5137)、指示番号「A5」を設定する(ステップS5138)。また、「右中左」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が8、17である)と判断したときは(ステップS5139)、指示番号「A6」を設定する(ステップS5140)。また、図29に示すように、「左**」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が18,19,24,25である)と判断したときは(ステップS5141)、指示番号「A7」を設定する(ステップS5142)。また、「中**」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が20,21,26,27である)と判断したときは(ステップS5143)、指示番号「A8」を設定する(ステップS5144)。また、「右**」が正解押し順の当選役である(条件装置番号が22,23,28,29である)と判断したときは(ステップS5145)、指示番号「A9」を設定する(ステップS5146)。また、その他の当選役のときは、指示番号を設定しない。また、上述の処理で指示番号に「A1」〜「A9」が設定されなかったときは「A0」となる。
なお、上述したように、当選役によっては(例えば、図13に示す再遊技役−F5)2つの正解押し順があるため、図28では図示していないが、指示番号を決定する前に、どちらの押し順を正解押し順とするかが選択される(選択方法は上述した通りである)。
以上の処理により指示番号が決定すると、主制御手段100は、内部遊技状態が「3」であるか否かを判断し(ステップS5147)、内部遊技状態が「3」でない(すなわち、内部遊技状態が「2」である)と判断したときは、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。一方、ステップS5147で、内部遊技状態が「3」であると判断すると、主制御手段100は、当選役がRT3遊技状態のときのみ当選する役(具体的には、上述したように、条件装置番号が12の再遊技役−E)であるか否かが判断され(ステップS5148)、この役でないときは内部遊技状態設定処理S5120を終了し、この役であるときは、AT抽選を行い(ステップS5149)、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップS5150)、AT抽選に当選していないときは、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。また、ステップS5150でAT抽選に当選したと判断したときは、ATストックカウンタCSに1を加算し(ステップS5151)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。
図27に戻り、ステップS5128で現在の内部遊技状態が「2」または「3」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「5」又は「7」であるので、主制御手段100は、AT抽選を行い(ステップS5152)、AT抽選に当選したか否かを判断し(ステップS5153)、AT抽選に当選したときはATストックカウンタCSに1を加算し(ステップS5154)、内部遊技状態設定処理S5120を終了する。なお、ステップS5152のAT抽選において、内部遊技状態が「7」のときは、内部遊技状態が「5」のときよりも、AT抽選での当選確率が高くなるように構成している。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態0のときはレア役に当選したときにAT抽選が行われ、内部遊技状態3のときは、RT3遊技状態でのみ当選する役(例えば、再遊技役−E)に当選したときにAT抽選が行われ、内部遊技状態7のときは、当選役に関わらず毎遊技AT抽選が行われるように構成されている。また、内部遊技状態2及び3のときは、押し順の割り当てられた当選役に指示番号(A1〜A9)が設定される。
−リール回転開始前処理S5170−
リール回転開始前処理S5170は、上述した内部遊技状態設定処理S5120で決定された指示番号や、当選役の条件装置番号がマスクされた演出グループ番号及び特別役に当選したときの役物当選番号を副制御手段200に送信する処理である。
図30に示すように、主制御手段100は、リール回転開始前処理S5170を実行すると、内部遊技状態設定処理S5120で決定された指示番号に従って、図13(b)に示す番号(指示番号に対応した1〜9の数字)を獲得枚数表示器72に表示する(ステップS5171)。具体的には、図13(b)に基づいて、指示番号に対応する番号をRAM104の所定の領域(或いは、メインCPU102の所定のレジスタでもよい)に記憶する。この所定の領域(又はレジスタ)に指示番号に対する番号が記憶されると、後述する割込処理S570により、この記憶されている番号が獲得枚数表示器72に出力されるように構成されている。また、主制御手段100は、指示番号をレジスタに記憶し(ステップS5172)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5173)。また、上述したように、図14に示すテーブルを用いて条件装置番号に対してマスク処理を行い演出グループ番号を決定し(ステップS5174)、この演出グループ番号をレジスタに記憶し(ステップS5175)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5176)。さらに、役物当選番号をレジスタに記憶し(ステップS5177)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5178)。後述する割込処理S570で説明するように、指示番号に対応した情報の獲得枚数表示器72のへの表示(7セグ表示制御処理S575)は、指示番号の制御コマンドによる副制御手段200への送信(制御コマンド送信処理S580)よりも先に実行されるため、主制御手段100による指示番号の表示の方が副制御手段200による表示よりも優先して実行される。また、主制御手段100は、ATに関する情報をレジスタに記憶し(ステップS5179)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5180)、リール回転開始前処理S5170を終了する。ここで、「ATに関する情報」とは、上述したような内部遊技状態(例えば、内部遊技状態2ならばAT準備中であり、内部遊技状態3ならAT遊技中である)、前兆遊技の遊技数やその残り遊技数、AT遊技の遊技数やその残り遊技数、ATのストック抽選の結果や、そのストック数、AT遊技数の上乗せ抽選の結果、上乗せ遊技数等が含まれ、それぞれの情報に対してレジスタへの記憶と、制御コマンドセット1処理が実行される。なお、この図30において制御コマンドして送信される情報は一例である。
−リール停止管理処理S5190−
リール回転開始前処理S5170が終了すると、図31に示すように、主制御手段100は、前の遊技の開始(リール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5193)、最小遊技時間を経過しているときは、リールが回転開始待機状態であるという状態を副制御手段200に渡すために、「リール回転開始待機」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5194)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行し(ステップS5195)、リール21a〜21cを定速回転(80rpm/分)にするための情報をRAM104に記憶する(ステップS5196)。なお、リール21a〜21cの回転及び停止の制御(リール駆動制御)は、後述する割込処理S570で実行される。
また、主制御手段100は、リールが定速で回転中か否かを判断し(ステップS5197)、定速中のときは不良検出カウンタ値が異常値であるか否かを判断し(ステップS5198)、異常値であるときは、例えばリール21a〜21cを回転させるステッピングモータが脱調等している可能性があるため、リール21a〜21cを定速回転にするための情報をRAM104に再度記憶する(ステップS5199)。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの全てに対して、リールが定速で回転中かの確認が終了したか否かを判断し、確認が終了するまでステップS5197に戻って上記の処理を繰り返す(ステップS5200)。
以上の処理が終了すると、リール21a〜21cが定速で回転している状態であるため、主制御手段100は、次に、リール制御手段120で説明した停止位置データ(停止可能位置)が作成済みか否かを判断し(ステップS5201)、作成されていない場合は、停止位置データ(停止可能位置)を作成する(ステップS5202)。さらに、主制御手段100は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS5203)、ストップボタン33a〜33cの受け付けを検知すると、上述した停止位置データに基づいて停止位置を決定し(ステップS5204)、「停止するリール及び滑りコマ数」を示すデータをレジスタにセットし(ステップS5205)、このレジスタの情報を制御コマンドとしてセットするために制御コマンドセット1処理S5000を実行する(ステップS5206)。そして、主制御手段100は、全てのリール21a〜21cが停止したか否かを判断し(ステップS5207)、停止していない場合はステップS5197に戻って上記の処理を繰り返し、停止しているときは、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶した指示番号に対応する番号(押し順ベル又は押し順リプレイに対応した押し順を示す数字)をクリアし(ステップS5208)、このリール停止管理処理S5190を終了する。この所定の領域に記憶された指示番号に対応する番号がクリアされると、後述する割込処理S570により、獲得枚数表示器72の表示が消去される。なお、このリール停止管理処理S5190の後に実行される入賞判定処理S559で入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止していると判断されたときは、当該入賞役に対応する払出枚数が、このRAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶され、これにより、割込処理S570によりこの払出枚数が獲得枚数表示器72に表示されることになる。なお、獲得枚数表示器72の表示が消去されるタイミングとしては、全てのリールが停止したことに基づいて行ったが、最後のリールの停止操作を受け付けたこと、最後のリールが停止したこと、全てのリールが停止し入賞判定処理の結果を受信したことに基づいて表示を消去してもよい。
−遊技終了チェック処理S5220−
遊技終了チェック処理S5220は、一回の遊技の最後に主制御手段100で実行される遊技の状態や演出の状態(内部遊技状態)を管理する処理である。この遊技終了チェック処理S5220が実行されると、主制御手段100は、図32に示すように、まず、遊技状態遷移処理を実行する(ステップS5221)。主制御手段100は、図33に示すように、現在の遊技状態が非RT遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5222)、非RT遊技状態であると判断したときは、図34に示すように、有効ライン上に特定図柄(特定図柄01〜05)が停止表示されているか否を判断する(ステップS5223)。上述したように、有効ライン上に特定図柄が停止表示されていると判断すると、主制御手段100は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(ステップS5224)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。一方、ステップS5223で有効ライン上に特定図柄が表示されていないと判断すると、主制御手段100は、役物当選番号が「0」でないか否か(役物当選番号に「1」、「2」、「3」のいずれかが設定されているか否か)、すなわち、特別役(BB1〜BB3)に当選したか否かを判断し(ステップS5228)、役物当選番号に「0」が設定されていると判断したときは遊技状態遷移処理S5221を終了する。また、ステップS5228で役物当選番号に「0」が設定されていない(役物設定番号に「1」、「2」、「3」のいずれかが設定されている)と判断したときは、主制御手段100は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているか否かを判断し(ステップS5226)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、遊技状態をRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行させ(ステップS5227)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは、遊技状態をRT5遊技状態(特別遊技状態であって、役物設定番号が「1」または「2」のときはRT5−12遊技状態、役物設定番号が「3」のときはRT5−3遊技状態)に移行させ(ステップS5228)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。
図33に戻り、主制御手段100は、ステップS5222で現在の遊技状態が非RT遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がRT1遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5230)、RT1遊技状態であると判断すると、有効ライン上に再遊技役08の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5231)、再遊技役08の図柄の組み合わせが停止表示されていると判断すると、遊技状態をRT2遊技状態に移行させる(ステップS5232)。一方、ステップS5231で有効ライン上に再遊技役08の図柄の組み合わせが停止表示されていないと判断すると、主制御手段100は、図34に示すように、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5225)、役物当選番号に「0」が設定されているときは遊技状態遷移処理S5221を終了する。また、ステップS5225で役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、主制御手段100は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているか否かを判断し(ステップS5226)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、遊技状態をRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行させ(ステップS5227)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは、遊技状態をRT5遊技状態(特別遊技状態であって、RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)に移行させ(ステップS5228)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。
図33に戻り、主制御手段100は、ステップS5230で現在の遊技状態がRT1遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がRT2遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5233)、RT2遊技状態であると判断すると、有効ライン上に再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5234)、再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示されていると判断すると、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる(ステップS5235)。また、ステップS5234で有効ライン上に再遊技役03または再遊技役04の図柄の組み合わせが停止表示されていないと判断すると、主制御手段100は、有効ライン上に再遊技役02の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5237)、再遊技役02の図柄の組み合わせが停止表示されていると判断したときは、遊技状態をRT1遊技状態に移行させて(ステップS5238)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。一方、ステップS5237で再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないと判断すると、主制御手段100は、図34に示すように、有効ライン上に特定図柄が停止表示されているか否を判断する(ステップS5223)。そして、有効ライン上に特定図柄が停止表示されていると判断すると、主制御手段100は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(ステップS5224)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。一方、ステップS5223で有効ライン上に特定図柄が表示されていないと判断すると、主制御手段100は、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5225)、役物当選番号に「0」が設定されているときは遊技状態遷移処理S5221を終了する。また、ステップS5225で役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、主制御手段100は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているか否かを判断し(ステップS5226)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、遊技状態をRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行させ(ステップS5227)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは、遊技状態をRT5遊技状態(特別遊技状態であって、役物設定番号が「1」または「2」のときはRT5−12遊技状態、役物設定番号が「3」のときはRT5−3遊技状態)に移行させ(ステップS5228)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。
図33に戻り、主制御手段100は、ステップS5233で現在の遊技状態がRT2遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態がRT3遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5236)、RT3遊技状態であると判断すると、主制御手段100は、有効ライン上に再遊技役02の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5237)、再遊技役02の図柄の組み合わせが停止表示されていると判断したときは、遊技状態をRT1遊技状態に移行させて(ステップS5238)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。一方、ステップS5237で再遊技役02の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないと判断すると、主制御手段100は、図34に示すように、有効ライン上に特定図柄が停止表示されているか否を判断する(ステップS5223)。そして、有効ライン上に特定図柄が停止表示されていると判断すると、主制御手段100は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させ(ステップS5224)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。一方、ステップS5223で有効ライン上に特定図柄が表示されていないと判断すると、主制御手段100は、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5225)、役物当選番号に「0」が設定されているときは遊技状態遷移処理S5221を終了する。また、ステップS5225で役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、主制御手段100は、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているか否かを判断し(ステップS5226)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されていないときは、遊技状態をRT4遊技状態(内部中遊技状態)に移行させ(ステップS5227)、特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示されているときは、遊技状態をRT5遊技状態(特別遊技状態であって、役物設定番号が「1」または「2」のときはRT5−12遊技状態、役物設定番号が「3」のときはRT5−3遊技状態)に移行させ(ステップS5228)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。
図33において、ステップS5236で現在の遊技状態がRT3遊技状態でないと判断すると、主制御手段100は、図34に示すように、現在の遊技状態がRT4遊技状態であるか否かを判断し(ステップS5240)、RT4遊技状態であると判断すると、有効ライン上に特別役(BB1〜BB3)の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5241)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、遊技状態をRT5遊技状態(特別遊技状態であって、役物設定番号が「1」または「2」のときはRT5−12遊技状態、役物設定番号が「3」のときはRT5−3遊技状態)に移行させて(ステップS5242)、遊技状態遷移処理S5221を終了し、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていないときは、そのまま遊技状態遷移処理S5221を終了する。
また、ステップS5240で現在の遊技状態がRT4遊技状態でないと判断すると、現在の遊技状態はRT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)であるため、RT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)に移行してからの遊技メダルの払出枚数の総数が、当選している特別役の種類に応じて設定されている所定の枚数(例えば、BB1は334枚、BB2は238枚、BB3は60枚)を超えているか否かを判断し(ステップS5243)、超えていないときは遊技状態遷移処理S5221を終了し、超えているときは、遊技状態を非RT遊技状態に移行させ(ステップS5244)、遊技状態遷移処理S5221を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、遊技状態遷移処理S5221が終了すると、現在の内部遊技状態が「0」であるか否かを判断し(ステップS5250)、現在の内部遊技状態が「0」であると判断したときは、図35に示すように、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5251)、役物当選番号に「0」が設定されているときは、ATストックカウンタCSの値が0より大きいか判断する(ステップS5225)。そして、ATストックカウンタCSの値が0より大きいときは、ATストックカウンタCSから1を減算し(ステップS5253)、前兆遊技の遊技数をカウントする前兆カウンタCFに、内部遊技状態設定処理S5120のステップS5127で決定された前兆遊技数を設定し(ステップS5254)、内部遊技状態を「1」に設定して(ステップS5255)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5252でATストックカウンタCSの値が0であると判断すると、遊技終了チェック処理S5220を終了する。一方、ステップS5251で役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、主制御手段100は、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているかを判断し(ステップS5256)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、内部遊技状態を「5」に設定し(ステップS5257)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていないときは、内部遊技状態を「4」に設定し(ステップS5258)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5250で現在の内部遊技状態が「0」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「1」であるか否かを判断し(ステップS5260)、現在の内部遊技状態が「1」であると判断したときは、図35に示すように、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5261)、役物当選番号に「0」が設定されているときは、前兆遊技カウンタCFの値が0であるか否かを判断する(ステップS5262)。そして、主制御手段100は、前兆遊技カウンタCFの値が0であると判断したときは、内部遊技状態を「2」に設定し(ステップS5263)、前兆遊技カウンタCFの値が0でないと判断したときは、前兆遊技カウンタCFから1を減算し(ステップS5268),遊技終了チェック処理S5220を終了する。一方、ステップS5261で役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているか否かを判断する(ステップS5264)。このステップS5264で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていると判断したときは、内部遊技状態を「7」に設定し(ステップS5265)、さらに、ATストックカウンタCSに1を加算する(ステップS5266)。また、ステップS5264で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていないと判断すると、主制御手段100は、内部遊技状態を「6」に設定する。また、主制御手段100は、前兆遊技カウンタCFから1を減算し(ステップS5268)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5260で現在の内部遊技状態が「1」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「2」であるか否かを判断し(ステップS5270)、現在の内部遊技状態が「2」であると判断したときは、図36に示すように、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5271)、役物当選番号に「0」が設定されているときは、現在の遊技状態がRT3遊技状態であるか判断する(ステップS5272)。さらに、現在の遊技状態がRT3遊技状態でないときは、現在の遊技において決定された指示番号(RT2遊技状態からRT3遊技状態に移行させるための再遊技役−C1〜C6の当選に対して、再遊技役03又は再遊技役04の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順に対応する指示番号)に対応付けられた押し順(図13を参照)と遊技者がストップボタン33a〜33cを操作した順序が一致するか否かを判断し(ステップS5273)、現在の遊技状態がRT3遊技状態である、もしくは、指示番号と遊技者の操作が一致しないと判断したときは、内部遊技状態を「3」に設定し(ステップS5274)、1回のAT遊技の遊技数をカウントするATカウンタCAに「50」を設定し(ステップS5275)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。一方、ステップS5271で、役物当選番号に「0」が設定されていないと判断したときは、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているか否かを判断し(ステップS5276)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、内部遊技状態を「7」に設定し(ステップS5277)、ATストックカウンタCSに1を設定し(ステップS5278)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5276で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていないと判断したときは、内部遊技状態を「6」に設定して(ステップS5279)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。なお、RT2遊技状態からRT3遊技状態へ移行可能な遊技では、操作に依らずに当該遊技終了時に内部遊技状態を「3」に設定するようにしてもよい。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5270で現在の内部遊技状態が「2」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「3」であるか否かを判断し(ステップS5280)、現在の内部遊技状態が「3」であると判断したときは、図37に示すように、役物当選番号に「0」が設定されていないか否かを判断し(ステップS5281)、役物当選番号に「0」が設定されていないときは、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているか否かを判断し(ステップS5282)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、内部遊技状態を「7」に設定し(ステップS5283)、ATストックカウンタCSに1を設定し(ステップS5284)、ATカウンタCAから1を減算して(ステップS5295)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5282で特別役の図柄の組み合わせが停止表示されていないと判断したときは、内部遊技状態を「6」に設定し(ステップS5285)、ATカウンタCAから1を減算して(ステップS5295)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5281で役物当選番号に「0」が設定されていると判断したときは、主制御手段100は、ATカウンタCAの値が「0」であるか否かを判断し(ステップS5289)、ATカウンタCAが「0」でないときは、ATカウンタCAから1を減算して(ステップS5295)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5289で、ATカウンタCAの値が0であると判断したときは、主制御手段100は、ATストックカウンタCSの値が0より大きいか否かを判断し(ステップS5290)、ATストックカウンタCSの値が0より大きい(すなわち、AT遊技の権利がストックされている)ときは、ATストックカウンタCSから1を減算し(ステップS5291)、前兆カウンタCFに「1」を設定し(ステップS5292)、内部遊技状態を「1」に設定して(ステップS5293)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5290でATストックカウンタCSが0であると判断したときは、主制御手段100は、内部遊技状態を「0」に設定し(ステップS5294)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5280で現在の内部遊技状態が「3」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「4」であるか否かを判断し(ステップS5300)、現在の内部遊技状態が「4」であると判断したときは、図38に示すように、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているか否かを判断し(ステップS5301)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、内部遊技状態を「5」に設定し(ステップS5302)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5300で現在の内部遊技状態が「4」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「5」であるか否かを判断し(ステップS5310)、現在の内部遊技状態が「5」であると判断したときは、図38に示すように、RT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)に移行してからの遊技メダルの払い出し枚数の総数が当選している特別役の種類に応じて設定されている所定の枚数を超えているか否かを判断し(ステップS5311)、超えていないときは遊技終了チェック処理S5220を終了する。一方、ステップS5311で、遊技メダルの払い出し枚数の総数が所定の枚数を超えていると判断したときは、主制御手段100は、さらに、ATストックカウンタCSの値が0より大きいか判断し(ステップS5312)、ATストックカウンタCSの値が0より大きいときは、ATストックカウンタCSから1を減算し(ステップS5313)、内部遊技状態に「2」を設定し(ステップS5314)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。また、ステップS5312でATストックカウンタCSの値が0であると判断したときは、主制御手段100は、内部遊技状態に「0」を設定し(ステップS5315)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段100は、ステップS5310で現在の内部遊技状態が「5」でないと判断すると、現在の内部遊技状態が「6」であるか否かを判断し(ステップS5320)、現在の内部遊技状態が「6」であると判断したときは、図38に示すように、有効ライン上に特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているか否かを判断し(ステップS5321)、特別役の図柄の組み合わせが停止表示されているときは、内部遊技状態を「7」に設定し(ステップS5322)、ATストックカウンタCSに1を加算し(ステップS5323)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
図32に戻り、主制御手段10は、ステップS5320で現在の内部遊技状態が「6」でないと判断したときは、現在の内部遊技状態が「7」であるため、図38に示すように、RT5遊技状態(RT5−12遊技状態又はRT5−3遊技状態)に移行してからの遊技メダルの払い出し枚数の総数が当選している特別役の種類に応じて設定されている所定の枚数を超えているか否かを判断し(ステップS5324)、超えていないときは遊技終了チェック処理S5220を終了する。一方、ステップS5324で、遊技メダルの払い出し枚数の総数が所定の枚数を超えていると判断したときは、主制御手段100は、ATストックカウンタCSから1を減算し(ステップS5325)、内部遊技状態に「2」を設定し(ステップS5326)、遊技終了チェック処理S5220を終了する。
このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、内部遊技状態3であるとき(AT遊技が実行されているとき)に特別役の図柄の組合せが有効ライン上に停止表示されると内部遊技状態6又は7に移行し、特別遊技が終了すると内部遊技状態2(AT準備)に移行し、所定の条件を満たすと(例えば、RT3遊技状態になると)、ATカウンタCAに50ゲームが設定され内部遊技状態3に移行される。そのため、内部遊技状態6又は7に移行する前の内部遊技状態3においてATカウンタCAの値が0でない(AT遊技の遊技数が残っている)状態でも、特別遊技後に実行される内部遊技状態3の遊技数(AT遊技の遊技数)であるATカウンタCAには50ゲームが設定されてしまう。したがって、上述した図36に示すステップS5275において、ATカウンタCAに50ゲームを設定する代わりに、現在のATカウンタCAの値に50ゲームを加算する、すなわち、前回のAT遊技で残っているゲーム数に新たに50ゲームを加算するように構成してもよい。
−割込処理S570−
主制御手段100のメインCPU102は、上述した遊技進行メイン処理S550を実行しているが、所定の割込間隔で、割込処理S570を実行するように構成されている。この割込処理S570は、制御用カウンタの更新、ソフト乱数の更新、入力ポートからのデータによる操作手段30等の操作の検出、リール21a〜21cの駆動制御、制御コマンドの送信等を行う処理である。
図39に示すように、この割込処理S570が実行されると、主制御手段100は、まず初期処理としてレジスタ値の退避及び重複割込の禁止を行う(ステップS571)。次に、主制御手段100は、電源断検出回路により電源電圧が所定値以下になったことに基づいて出力される信号が入力ポートに入力されるため、この入力ポートの状態により電源断を検知したか否かを判断し(ステップS572)、電源断を検出したときは後述する電源断処理S5400を実行する。一方、電源断を検知しないときは、制御用カウンタ値の更新を行う(ステップS573)。この制御用カウンタとは、上述した揺れ変動カウンタや割込カウンタ等である。また、主制御手段100は、タイマ計測を行う(ステップS574)。具体的には、最小遊技時間を計測カウンタやメダル滞留時間を計測するカウンタの減算処理を行う。また、主制御手段100は、7セグメントディスプレイの表示制御処理を実行する(ステップS575)。例えば、獲得枚数表示器72に対しては、上述したように、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶された数値を読み出し、その数値を獲得枚数表示器72に出力させる。また、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)がクリアされている(例えば、「0」が設定されている)ときは、獲得枚数表示器72を消灯するか「0」を表示させる。ここで、前扉3の開放やホッパーの異常等のエラーが発生したときに、そのエラーの内容をこの獲得枚数表示器72に表示する(例えば、「CE」や「HP」という文字を表示する)場合は、RAM104の所定の領域(又はレジスタ)に記憶されている情報を一時的に他の領域に退避し、エラーに関する情報をこの領域に記憶させてこの割込処理S570により獲得枚数表示器72に表示させる。また、エラーが解消したときは、一時的に退避させた情報(指示内容に対応する数字)をRAM104の所定の領域(又はレジスタ)に戻すことにより、割込処理S570で獲得枚数表示器72に表示させる。なお、本実施形態では詳細に説明していないが、スロットマシン1には、上述した獲得枚数表示器72に加えて、設定値、貯留枚数値を表示するための7セグメントディスプレイが設けられており、これらの発光パターンも制御される。また、主制御手段100は、入力ポート0〜2の情報を読み出す処理を行う(ステップS576)。この処理により、ベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c等の操作系、並びに、セレクタやホッパー装置のセンサ系の状態を、入力ポートから読み出したデータにより生成し、RAM104に記憶する。さらに、主制御手段100は、リール21a〜21cの各々に対して回転や停止等の作動の制御を行い(ステップS577,S578)、また、ポート出力処理を行う(ステップS579)。具体的には、リール21a〜21cを回転させるステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)やホッパーモータ70、ブロッカ60を作動させるための励磁出力値を出力ポートに設定する。また、主制御手段100は、後述する制御コマンド送信処理S5500を実行して遊技進行メイン処理S550等でRAM104の制御コマンドバッファに記憶された制御コマンドを副制御手段200に送信する(ステップS580)。
さらに、主制御手段100は、RAM104に記憶されている外部信号1データ、及び、外部信号2データ(上述したBB信号及びRB信号を出力するためのデータ)をレジスタにセットし、これらの外部信号1、2データに基づいて外部信号出力する(ステップS581)。また、主制御手段100は、上述した第2乱数発生手段190のソフト乱数値を更新し、また、リール回転開始待機カウンタ値に乱数値の更新処理(減算)を行う(ステップS582)。最後に、ステップS571で退避させたレジスタ値を復帰させ、次回の割込許可をして(ステップS583)、一回の割込処理S570を終了する。
−電源断処理S5400−
電源断処理S5400が実行されると、主制御手段100は、図39に示すように、全出力ポートの出力をオフし(ステップS5401)、電源断処理が実行されたことを示すデータである電源断処理フラグをRAM104に記憶する(ステップS5402)。なお、電源断処理フラグには、この電源断処理S5400が実行されたときは、例えば「1」が設定される。そして、制御コマンドの読込ポインタ(詳細は後述する)の値を偶数に設定する(ステップS5403)。本実施形態に係るスロットマシン1では、制御コマンドを副制御手段200に送信するときに、同じコマンドを2回送信している。そのため、制御コマンドの1回目の送信をしたときに電源断が発生すると、電源断復帰後の制御コマンドの処理(設定処理及び送信処理)が複雑になるため、電源断発生時に再度1回目の送信から再開できるように、読込ポインタの値を偶数にしている(具体的には書込ポインタの値の最後のビットを0にする)。このように、本実施形態においては、最後のビットの値で1回目の送信であるか2回目の送信であるかを判断しているが、1回目の送信及び2回目の送信をフラグにより管理してもよい。例えば、1回目の送信が行われると送信済みフラグを設定し、2回目の送信が行われたときにこの送信済みフラグをクリアするようにしてもよい。また、電源断発生時には再度1回目の送信から再開できるように送信済みフラグをクリアする。
次に、主制御手段100は、RAM104の全範囲に対してチェックサムデータを算出し(ステップS5404,S5405)、このチェックサムデータをRAM104に記憶し(ステップS5406)、上述したリセットがされるまで待機する(ステップS5407)。電源電圧が低下してこの電源断処理S5400が実行された後に、電源電圧が復帰すると、主制御手段100に設けられた電源電圧監視装置からリセット信号が出力され、このスロットマシン1は再起動することになる。
−制御コマンド送信処理S5500−
制御コマンド送信処理S5500は、割込処理S570で実行され、制御コマンドを副制御手段200に送信する処理を行う。図40に示すように、まず、主制御手段100は、制御コマンドバッファ(制御コマンドセット2処理S5010で制御コマンドが書き込まれる領域)の先頭アドレスをレジスタにセットし(ステップS5501)、さらに、読込ポインタのアドレスをレジスタにセットし(ステップS5502)、先頭アドレスがセットされているレジスタの値に、読込ポインタの値(読込ポインタのアドレスに格納されている値)を加算することにより、送信制御対象の制御コマンドが格納されている制御コマンドバッファのアドレスを決定する(ステップS5503)。なお、このステップS5503において、最下位ビットの値を0にする(2進数で、11111110と論理積を行う)。これにより、読込ポインタが偶数のときも、この偶数のときから1進めた奇数のときも、偶数のときと同じアドレスになる。すなわち、読込ポインタが偶数のときは制御コマンド送信の1回目の送信が行われ、奇数のときは同じデータに対して2回目の送信を行うことができる。なお、制御コマンドバッファの先頭アドレスも偶数であるものとする。そして、このアドレスに格納されている値が0であるか否かを判断することにより制御コマンドが格納されているか否かを判断し(ステップS5504)、制御コマンドが格納されていないときはこの制御コマンド送信処理S5500を終了する。
一方、ステップS5504で制御コマンドが格納されていると判断したときは、副制御手段200に制御コマンドを送信するためのレジスタ(送信用レジスタ)のアドレスをレジスタにセットし(ステップS5505)、現在の制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)にあるデータ(制御コマンドの上位1バイト)を読み出して、このデータを送信用レジスタのアドレス(レジスタに設定されている)に書き込み、また、制御コマンドバッファのアドレス(レジスタに設定されている値)に1を加算する(ステップS5506)。さらに、現在の制御コマンドバッファのアドレスにあるデータ(ステップS5506でアドレスが1進められているため、制御コマンドの下位1バイト)を読み出して、送信用レジスタのアドレスにこのデータを送信用レジスタのアドレスに書き込む(ステップS5507)。なお、送信用レジスタにデータが書き込まれると、そのデータが副制御手段200に送信される。
さらに、主制御手段100は、読込ポインタの値が奇数であるか否かを判断することにより、制御コマンドの2回目の送信が行われた否かを判断し(ステップS5508)、2回目の送信が行われたときは当該制御コマンドが格納されている送信対象制御コマンドバッファの値を0に設定してクリアする(ステップS5509)。最後に(1回目の送信時も2回目の送信時も)、読込ポインタの値に1を加算して(ステップS5510)、制御コマンド送信処理S5500を終了する。
−ソフト乱数更新処理S5570−
図40を用いてソフト乱数更新処理S5570について説明する。上述したように、割込処理S570や、遊技進行メイン処理S550等からソフト乱数更新処理S5570が呼び出されると、第2乱数発生手段190からソフト乱数の現在値を取得し(ステップS5571)、この現在値に所定の加算値を加算する(ステップS5572)。ここで、加算値は素数であって、例えば10909が利用される。このような素数を加算して更新することにより、2バイトの乱数値であれば、各更新時には異なる値となり、且つ、65536回更新すると初期値に戻る。そして、RAM104に記憶されているソフト乱数の初期値を取得し(ステップS5573)、この初期値と加算値が加算された現在値とを比較する(ステップS5574)。初期値と現在値とが一致したときは、割込処理S570が実行される毎にカウントされる割込カウンタ値を取得し(ステップS5575)、この割込カウンタ値を第2乱数発生手段190の現在値として記憶し(ステップS5576)、また、割込カウンタ値を初期値として保存する(ステップS5577)。最後に現在値(ステップS5572において更新値が加算された現在値、又は、ステップS5576で割込カウンタ値が設定された現在値)をソフト乱数値として保存することで(ステップS5578)、第2乱数発生手段190の乱数値の更新を終了する。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、主制御手段100のメインCPU102において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。
(副制御手段200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御する主制御手段100とその遊技に対する演出を制御する副制御手段200とは分離して構成されている。ここで、副制御手段200は、副制御基板300及び画像制御基板400から構成される。そのため、主制御手段100は、副制御手段200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドを副制御手段200に送信するように構成されており、副制御手段200を構成する副制御基板300の演出制御手段301は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカ)43、バックランプ44及びサブ操作スイッチ45により映像、光及び音響効果並びにリール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
この副制御手段200において副制御基板300と画像制御基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。副制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340、及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像制御基板400には、サブサブCPU410、画像制御IC420及び音源IC460が設けられており、上述のバス210に接続されたサブサブCPU410により制御される。このサブサブCPU410は、画像制御基板400で実行されるプログラム等を記憶するROM495と、このプログラムの実行時にデータ等を記憶するRAM490を有している。さらに、画像制御IC420には、ビデオRAM430、画像ROM440及び表示回路450と、画像表示装置41とが接続されている。なお、画像制御IC420は、「GPU(Graphics Processing Unit)」とも呼ばれ、画像ROM440は「キャラクタROM」又は「CG−ROM」とも呼ばれる。また、音源IC460には音源ROM470及びアンプ480が接続され、アンプ480には上部及び下部スピーカ43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)、及び、バックランプ44も接続されてその点灯・消灯動作が副制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ操作スイッチ45が接続されている。このサブ操作スイッチ45は、副制御手段200の副制御基板300で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ操作スイッチ45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像制御基板400に設けられたサブサブCPU410に対して演出コマンドを送信することにより、このサブサブCPU410により画像制御IC420及び音源IC460を制御して、画像表示装置41や放音部43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC420が、画像ROM440に記憶された画像情報をビデオRAM430に展開して実行することにより表示され、また、放音部43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC460が音源ROM470から取り出した音響情報に基づいて再生され、アンプ480を介して放音部43(43a,43b)から出力される。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、画像表示装置41に表示される映像を用いた演出における放音部43を用いた音声の出力は、副制御基板300のサブCPU310から送信される演出コマンドに基づいて、画像制御基板400のサブサブCPU410により実行される。また、画像表示装置41を用いず、放音部43からの音の出力だけの演出(及びエラーの報知)も、サブCPU310から送信される演出コマンドによりサブサブCPU410で実行される。そのため、画像制御基板400に搭載される音源IC(サウンドチップ)460として、音を出力するチャネルを複数有するものを用いることにより、複数のチャネルに対して画像表示装置41を用いた演出の音声の出力(主に、画像制御基板400の制御による音の出力)と、画像表示装置41を用いない演出の音声の出力(主に、副制御基板300の制御による音の出力)とのそれぞれで使用するチャネルを割り当てることにより、副制御基板300と画像制御基板400とで使用チャネルが重ならないようにすることができる(例えば、16チャネルある音源IC460の場合に、1〜6チャネルを副制御基板300に割り当て、7〜16チャネルを画像制御基板400に割り当てる)。このように、副制御基板300は音出力指示手段としての機能を有し、画像制御基板400は音出力制御手段としての機能を有している。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、主制御手段100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、副制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
図2に示すように、副制御基板300には、演出を実行する演出制御手段301、主制御手段100から送信された制御コマンドを受信する制御コマンド受信手段302及び画像制御基板400に対して演出コマンドの送受信を行う演出コマンド送受信手段303が設けられている。また、画像制御基板400には、画像及びサウンドの制御を行う画像/サウンド出力手段401、及び、副制御基板300との間で演出コマンドの送受信を行う演出コマンド送受信手段402が設けられている。なお、上述したように、主制御手段100は、同一の制御コマンドを2回送信するように構成されている。そのため、副制御基板300は、2個の同一の制御コマンドを受信したときにその制御コマンドを有効としてもよい(1個しか受信できないときは無効として破棄する)。この場合、主制御手段100から受信した制御コマンドの信頼性が向上する。また、いずれか一個の制御コマンドを受信できたときにその制御コマンドを有効としてもよい。あるいは、2個の制御コマンドの一部が欠損してもそれらの制御コマンドから1つの制御コマンドを再生することができるとは、その制御コマンドを有効として扱ってもよい。この場合、主制御手段100から送信される制御コマンドの取りこぼしを防止することができる。
(副制御基板300による画像制御基板400の制御の具体例)
それでは、副制御基板300による画像制御基板400の作動を制御するための具体例を図41〜図44を用いて説明する。ここで、図41は、パワーオンリセット時の画像制御基板400の処理のフローチャートであり、図42は、起動と暴走監視のタイムチャートであり、図43は、副制御基板300から画像制御基板400に対してデータを送信するときのフローチャートであり、図44は、演出コマンドの流れを説明するための説明図である。
−起動について−
電源投入時には、副制御基板300のサブCPU310は、画像制御基板400のサブサブCPU410に対してリセット信号を送信することにより、画像制御基板400のリセット(「パワーオンリセット」とも呼ぶ)を行う。このとき、画像制御基板400のサブサブCPU410は、画像制御IC420や音源IC460、その他周辺回路のリセットを行う。なお、リセット発生タイミングとしては、上述した電源投入時以外に、後述するシリアル通信での異常時や、画像制御基板400の正常動作を監視するための信号(以下、「暴走監視信号」と呼ぶ)の異常時、上述した設定変更が行われて副制御基板300が設定値の変更に関する制御コマンドを受信したとき、副制御基板300に異常が発生したとき等に行われる。また、リセット時は、画像制御基板400の各種ハードウェア設定及びRAM初期化処理が必ず実行され、いかなる場合でも、リセットにより確実に起動時の手続が実行されるように構成されている。具体的には、図41に示すように、画像制御基板400のサブサブCPU410は、副制御基板300からリセット信号を受信してパワーオンリセット処理を開始すると、割込設定処理(割込マスク)を行い(ステップS700)、この画像制御基板400の各種ハードウェアの設定処理を行う(ステップS701)。また、サブサブCPU410は、ビデオRAM430等のRAMの初期化処理(ステップS702)、及び画像制御IC420の初期化処理(ステップS703)を行い、シリアル通信を可能にし(ステップS704)、暴走監視信号の出力を開始し(ステップS705)、画像表示装置41に「画面準備中」の文字を表示する(ステップS706)。なお、ステップS700〜S706の実行順序は任意でよく、図42の順序に制限されることはない。但し、ステップS705の暴走監視信号の出力は、ステップS704のシリアル通信が可能になり、ステップS703の画像制御IC420の初期化が完了した時点(ブートが完了した時点)で開始する。そしてブートが完了すると、サブサブCPU410は、ビデオRAM430に対して常駐データを転送する処理を行う(ステップS707)。この常駐データ転送処理S707においては、常駐データの転送を開始し(ステップS708)、データ転送が終了したか否かを監視し(ステップS709)、常駐データの転送が終了したと判断すると、画像表示可能信号をオンにして(ステップS710)、この処理を終了する。ここで、サブサブCPU410は、常駐データの転送中は、副制御基板300から画像表示に関する演出コマンド(以下、「画像系コマンド」とも呼ぶ)が送信されても無視し、音の出力に関する演出コマンド(以下、「サウンド系コマンド」とも呼ぶ)は処理するように構成されている(基本的に、副制御基板300は、パワーオンリセット中には画像系コマンドは送信しない)。なお、ステップS706で表示された「画面準備中」は、副制御基板300から画像表示の指示の演出コマンド(画像系コマンド)を受信するまで表示が継続される。
−起動と暴走監視について−
次に、図42を用いて、図41に示したパワーオンリセット処理と暴走監視の関係を説明する。時刻t10において副制御基板300からリセット信号が出力され(リセット信号が高い電圧(H)から低い電圧(L)になり、さらに、高い電圧(H)に戻る)、画像制御基板400のサブサブCPU410がこのリセット信号を検出すると(時刻t11)、上述したパワーオンリセット処理がこの画像制御基板400で実行される。ここで、サブサブCPU410は、上述したブートが完了すると(時刻t12)、ステップS705で暴走監視信号の出力を開始する。この暴走監視信号は、画像表示装置41に対する画像の表示切り替え毎(1フレーム毎)に、高い電圧(H)と低い電圧(L)を切り替えるように構成されている。そして、サブサブCPU410は、ブートが完了すると常駐データの転送を開始し(時刻t13)、この常駐データの転送が完了すると(時刻t15)、画像表示可能信号を高い電圧(H)に切り替える(画像表示可能信号は、初期設定時は低い電圧(L)に設定されている)。
一方、副制御基板300のサブCPU310は、暴走監視信号の切り替わりを4回検出すると(時刻t14)、画像制御基板400の起動完了と判断する。但し、リセット信号の出力から所定の時間(例えば30秒)経過しても画像制御基板400の起動完了と判断できない場合は、サブCPU310は画像制御基板400の異常と判断して再度リセットを行うように構成されている(図43には図示せず)。なお、サブCPU310は、画像制御基板400の起動完了と判断すると、副制御基板300と画像制御基板400との間の演出コマンドの送信(シリアル通信)を許可するとともに、サウンド系コマンドの送信を許可する(すなわち、画像制御基板400の起動完了から、常駐データの転送終了までは、副制御基板300は、サウンド系のコマンドのみを画像制御基板400に送信するように構成されている)。
次に、副制御基板300のサブCPU310は、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積の切り替わりを4回検出すると(時刻t16)、画像制御基板400における常駐データの転送終了と判断する。但し、画像制御基板400の起動完了から所定の時間(例えば70秒)経過しても常駐データの転送終了と判断できない場合は、サブCPU310は画像制御基板400の異常と判断して再度リセットを行うように構成されている(図13には図示せず)。また、サブCPU310は、常駐データの転送終了と判断すると(画像制御基板400の表示準備が完了したと判断すると)、画像系コマンドの送信を許可するとともに、画像制御基板400が正常に動作していることの監視(「WDT(Watch Dog Timer)監視」とも呼ぶ)を有効にする。
なお、副制御基板300のサブCPU310は、画像制御基板400の表示準備が完了したと判断した後は、常時、暴走監視信号と画像表示可能信号との論理積を監視することにより上述したWDT監視を行う。サブCPU310は、このWDT監視において所定の時間(例えば10秒以上)信号の切り替わりを検出しなかった場合は、画像制御基板400の異常と判断する(時刻t17から10秒が経過した時刻t18)。サブCPU310は、画像制御基板400の異常と判断した場合は、リセット信号を出力して画像制御基板400をリセットし、その後の状態に応じて適当な演出コマンドを画像制御基板400に送信して表示を復帰させる。また、以上の説明おけるリセット信号等の電圧の高低(H/L)は、逆でもよい。
−通信方式−
副制御基板300のサブCPU310から画像制御基板400のサブサブCPU410へ送信する演出コマンドは2バイト構成(チェックサムは1バイト)となっており、シリアル通信で行われる。ここで、通信フォーマットとしては、例えば、8ビットデータの調歩同期式(パリティ(偶数パリティ)有り、ストップビット=1ビット)が用いられ、所定の通信速度(例えば、38400ビット/秒)でデータが伝送される。具体的には図43に示すように、サブCPU310は、リトライ回数に0を設定し(ステップS720)、送信バッファに貯められたデータが1バイトずつサブサブCPU410に送信される(ステップS721)。なお、ここでは、送信バッファに貯められた複数の演出コマンド(合計でnバイトとする)がまとめて送信される場合について説明する。また、本実施形態においては、1バイトのデータの最上位ビット(MSB)で、データかチェックサムかを表しており、MSBが0のときはデータを示し、1のときはチェックサムを示す。そして、サブCPU310は、nバイトのデータ送信が完了すると(最後にチェックサムを送信すると)、サブサブCPU410から応答信号(ACK)の受信を待つための時間(受信待ち時間)を設定する(ステップS722)。
図43には図示していないが、上述したデータを受信した画像制御基板400のサブサブCPU410は、所定の時間間隔(例えば1m秒)で実行される割込処理により、図44に示す受信キューからこのデータを取り出して、サブCPU310から送信されたデータに含まれるコマンド数とチェックサムを検査し、異常があるときは受信エラーの応答信号を送信する。一方、コマンド数とチェックサムが正常なときは、受信したコマンドを図44に示す受信バッファに保存して正常受信の応答信号として受信したチェックサムをサブCPU310に送信する。なお、データの取り出しを所定の時間間隔で実行される割込処理により行ったが、副制御基板300から送信された演出コマンドの受信を検出すると取り出す処理が実行されるように構成してもよい。あるいは、副制御基板300が演出コマンドを送信したことを検出して取り出す処理を実行するように構成してもよい。
そして、副制御基板300のサブCPU310は、受信待ち時間が所定の閾値を超えてタイムアウトしたか否かを判断し(ステップS723)、タイムアウトしていないときは、サブサブCPU410からの受信データがあるか否かを判断し(ステップS724)、受信データがあるときは正常受信の応答信号であるか否かを判断する(ステップS725)。サブサブCPU410からの応答信号が正常受信を示すものであるときは、送信完了を設定して(ステップS726)、このデータ送信処理を終了する。また、ステップS724で受信がないと判断したときは、ステップS723に戻る。また、ステップS723でタイムアウトしたと判断するか、ステップS725で正常受信を示す応答信号でないと判断したときは、リトライ回数に1を加算し(ステップS727)、現在のリトライ回数が所定の回数(例えば3回)を超えているか否かを判断する(ステップS728)。ここで、リトライ回数が3回以下のときは、復旧処理を行う(ステップS729)。具体的には、サブCPU310は、ダミーのチェックサムデータをサブサブCPU410に送信して上記タイムアウトが発生するまでの間にサブサブCPU410から応答信号を受信するか否かを監視し、応答信号を受信できたときは通信が回復したとして、再度上記手順にしたがってデータの送信を行う。一方、リトライ回数が3回を超えたときは、通信リセット要求を設定する(ステップS730)。
なお、本実施形態に係るスロットマシン1において、1回の連続送信(チェックサムを送信するまで)における最大送信バイト数は、例えば、チェックサムを含んで15バイトに設定されている。したがって、複数の制御コマンドで1つの制御を行う場合(例えば、2つのコマンドを1つのコマンド群とすることにより、4バイトのデータで1つのコマンド群が構成される場合)、画像制御基板400のサブサブCPU410側のフレームを跨いでこのコマンド群が送信される場合がある。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御基板300のサブCPU310から画像制御基板400のサブサブCPU410への演出コマンドの送信に加えて、画像制御基板400のサブサブCPU410から副制御基板300のサブCPU310への演出コマンドの送信も行われるが、通信方式は上述の通りである。但し、チェックサム等は行わないように構成してもよい。また、一度の通信で送受信できるデータサイズは、送受信されるデータ量に応じて、副制御基板300から画像制御基板400に送信する場合と、画像制御基板400から副制御基板300に送信する場合とで異なるように構成してもよい(例えば、本実施形態に係るスロットマシン1では、副制御基板300から画像制御基板400に送信するデータ量の方が大きいため、一度の通信で送受信できるデータサイズも、副制御基板300から画像制御基板400への送信の方が大きく構成されている。また、副制御基板300から役物制御基板360へのコマンドの送信も上述の方式により実現することができる。
−演出コマンドについて−
上述したように、副制御基板300のサブCPU310から送信されたデータは、図44に示すように、一旦、画像制御基板400の受信キューに蓄えられた後、受信バッファに移動される。そして、最上位ビット(MSB)が0のデータを2バイトずつ組み立てて演出コマンドとしてコマンドバッファに記憶し、さらに、画像系コマンドは画像系コマンドバッファに記憶し、サウンド系コマンドはサウンド系コマンドバッファに記憶する(図44では、コマンド1,2,4,6が画像系コマンドで、コマンド3,5,7がサウンド系コマンドである場合を示している)。このように画像系コマンドとサウンド系コマンドをそれぞれ別のバッファに記憶することにより、画像系の処理落ち又はローディング待ち等で、サウンド(音)の出力も遅れてしまうことを回避することができる。
(副制御基板300による処理の制御)
このような副制御基板300における処理の制御について、図45を用いて具体的に説明する。なお、図45は、副制御基板300で実行されるサブメインループ処理の流れを示すフローチャートである。この副制御基板300のサブCPU310は、図46に示すサブメインループ処理を繰り返し実行するように構成されている(本実施形態では約16m秒毎にこの処理を繰り返すように構成されており、1回の処理を「フレーム」と呼んでいる)。なお、1m秒毎の割込で、画像制御基板400に対する演出コマンドの送信、及び、この送信に対して画像制御基板400から送信された応答信号の受信の処理を行うように構成されている。
1フレームの処理が開始されると、副制御基板300のサブCPU310は、ランプ(演出用ランプ42、バックランプ44等)の点灯及び音を出力するための制御を行う(ステップS740)。また、液晶ユニット(画像表示装置41及びこれを制御するための画像制御IC420等)の監視(ステップS741)、アンプ(音源IC460やアンプ480)の状態の監視(ステップS742)、及び、バスコントローラ(バス210等)の監視(ステップS743)を行う。さらに、サブCPU310は、フレーム毎に実行すべき処理の実行を行う(ステップS744)。そして、現在実行しているフレームの残りの時間で、主制御手段100から送信された制御コマンドがコマンドバッファにあれば、このコマンドバッファから制御コマンドを1つ取り出し、当該制御コマンドに応じた処理(画像制御基板400への演出コマンドの送信等)や、画像制御基板400から送信された演出コマンドをコマンドバッファから取り出し、当該演出コマンドに応じた処理(ステップS745)、並びに、演出の抽選や決定、乱数の更新、画像制御基板400に送信する演出コマンドの設定などの残余時間処理(ステップS746)を実行し、16msが経過して1フレームが終了したと判断すると上述したステップS700に戻りこれらの処理を繰り返す(ステップS747)。
なお、以上の説明において、「割込処理」とは、副制御手段200を構成する副制御基板300のサブCPU310において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割込方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割込やソフトウェア割込といった方式を採用することができる)。
(副制御手段200における制御について)
上述したように、副制御基板300は、主制御手段100から送信される制御コマンドに基づいて演出の実行制御を行う。このとき、画像制御基板400に対して演出コマンドを送信して、画像表示装置41の作動(画像の表示等)を制御する。以下に、副制御基板300と画像制御基板400との間で送受信される演出コマンドの構成について図46〜図48を用いて説明する。ここで、図46は演出コマンドの構成を示す説明図であり、図47は演出と5系コマンド及び4系コマンドの関係を示す説明図であり、図48は0系コマンド及び3系コマンドを示す説明図である。
−演出コマンドについて−
本実施形態に係るスロットマシン1では、図46(a)に示すように、演出コマンドを2バイト(16ビット)のデータ列で表している。ここで、14ビット〜12ビットの3バイトで分類番号を表し、コマンドの用途を分類している。図46(b)にはコマンドの分類番号の例として、上位の4ビットが「0」となる0系コマンド、「1」となる1系コマンド、「3」となる3系コマンド、「4」となる4系コマンド、「5」となる5系コマンド及び「6」となる6系コマンドを示している。例えば、0系コマンドは、「0x0***」と表される。なお、16進表現で表したコマンドは先頭に「0x」を付けて表す。また「*」は任意の数字(16進の場合、0〜9、A〜F)が入ることを示している。0系コマンドは、動作の通知及び制御をするための演出コマンドである(例えば、エラーや検査系のコマンド、及び、リールの回転・停止、ストップボタンの操作の通知のコマンドとして用いられる)。また、1系コマンドは上述したサウンド系の演出コマンドである。また、3系コマンドは、数値・カウント系の演出コマンドであって、特別遊技の残りゲーム数等を通知するコマンドとして用いられる。また、4系コマンドは演出の内容を通知するための演出コマンドであり、5系コマンドは通常演出の種別を通知するための演出コマンドであり、6系コマンドはAT・ボーナス中の演出の種別を通知するための演出コマンドである。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、後述するように、4系及び5系コマンド、又は、4系及び6系コマンドがセットで使われる。
図47に、演出を特定するための演出番号と、4系並びに5系又は6系コマンドの対応の例を示す。このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、一つの演出は、4系コマンドと5系コマンドの組み合わせ、若しくは、4系コマンドと6系コマンドの組み合わせで特定することができる。例えば、演出番号が「1」の演出は、5系コマンドとして「0x5001」、4系コマンドとして「0x4000」で特定することができ、画像制御基板400は、この5系コマンド及び4系コマンドを受信すると、スタートレバー32の操作時、及び、リール21a〜21cの回転時には画像表示装置41を使った演出は実行せず、第1停止時(3つのストップボタン33a〜33cのうち、最初行われる停止操作時)に、会話演出を実行し、第2停止時には第1停止時に実行した会話演出を継続し、第3停止時、全てのリール21a〜21cの停止時及び次遊技のためのベット時には画像表示装置41を使った演出をしないことを示している。また、演出番号が「1961」の演出は、5系コマンドとして「0x500A」、4系コマンドとして「0x4000」で特定することができ、画像制御装置400は、この5系コマンド及び4系コマンドを受信すると、スタートレバー32の操作時に演出1を実行し、第1停止時に演出2、第2停止時に演出3、第3停止時に演出4を実行し、全てのリール21a〜21cの停止時及び次遊技のためのベット時に演出5を実行することを示している。また、演出番号が「3653」の演出は、6系コマンドとして「0x6000」、4系コマンドとして「0x4000」で特定することができ、画像制御装置400は、この6系コマンド及び4系コマンドを受信すると、スタートレバー32の操作時に、ナビ画面を出力させ、第1停止時、第2停止時及び第3停止時の各々においてナビ画面の該当する情報を消去し、全てのリール21a〜21cの停止時及び次遊技のためのベット時にナビ成功演出を実行することを示している。
なお、演出数が多いときは、上述したように、5系コマンド又は6系コマンドと4系コマンドとの組み合わせで実行する演出を判断することにより、これらの演出を効率良く管理することができるが、演出数が少ないときは、4系コマンドだけで実行する演出を決定するように構成することも可能である。あるいは、4系コマンド、5系コマンド、6系コマンドのそれぞれに演出を割り当てることも可能である。
図48(a)、(b)に示すように、0系コマンドは、エラーを通知するコマンド(図48(a))と、主制御手段100で管理されているリール21a〜21cやストップボタン33a〜33cに対する動作や操作を通知するコマンド(図48(b))とを含んでいる。ここで、第1〜第3停止受付に関するコマンドのうち、「#」が示されている部分は、操作がされたリール(受付リール)が3つのリール21a〜21cのどれであるかを示す情報である。具体的には、左リール21aの場合は「0」が設定され、中リール21bの場合は「1」が設定され、右リール21cの場合は「2」が設定される。例えば、第1停止として左リール21aが操作された場合は「0x0501」となる。なお、「リール回転開始時のタイミング」とは、スタートレバー32の操作を受け付けた後、所定のウエイトが終了し、実際にリール21a〜21c回転を開始するときである。また、第1〜第3停止時のタイミングとは、ストップボタン33a〜33cの各々において停止操作を受け付けたときである。また、「全リール停止時のタイミング」とは、全てのリール21a〜21cが停止して励磁開放されており、且つ、ストップボタン33a〜33cが押されていない(放されている)ときである。
また、3系コマンドは、数値を通知するためのコマンドである。例えば、図48(c)に示す「0x3200」は現在のゲーム数(例えば、特別遊技のゲーム数等)を通知するためのコマンドであり、「0x30**」及び「0x31**」という2つのコマンドと併せて送信されることにより、このゲーム数を通知することができる。なお、「0x30**」は、上記ゲーム数のうち下位の7ビットを通知し、「0x31**」は上位7ビットを通知するために用いられる。また、送信時は、「0x30**」、「0x31**」、「0x3200」の順で送信される。「0x3200」を他のコマンドに替えることにより、AT遊技の遊技数等を通知することができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1では、演出(上述した例では、4系コマンド、5系コマンド、6系コマンドで決定される)の実行(切替も含む)タイミングを、コマンド分類番号に対応付けることにより、切替可能に構成されている。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1では、リール21a〜21cの回転開始時、第1停止受付時、第2停止受付時、第3停止受付時、並びにリール21a〜21cの全リール回転停止時に、その状態を画像制御基板400に通知するために、副制御基板300から0系コマンドが送信される。
(画像制御基板400の画像・音声の出力)
上述したように、画像制御基板400は、副制御基板300から送信される演出コマンドに基づいて、画像表示装置41に画像を表示させ、また、スピーカ43から音声や音楽・効果音等の出力を行うように構成されている。この画像制御基板400の処理について、図49〜図55を用いて説明する。ここで、図49はビデオRAM430の記憶領域の使用例であり、図50は画像データのデータ構造であり、図51は画像制御基板400のサブサブCPU410で実行されるサブサブループ処理の流れを示すフローチャートであり、図52はコマンド解析処理のフローチャートであり、図53は描画コマンドリスト作成処理のフローチャートであり、図54は画像制御IC420で実行される描画処理のフローチャートであり、図55は、画像ROM440に記憶されている画像の一例を示す説明図である。
−サブサブループ処理S800−
この画像制御基板400において、サブサブCPU410で実行されるサブサブループ処理S800は、副制御手段300から送信される演出コマンドに基づいて、画像表示装置41に画像を表示するための描画コマンドリストを作成し、この描画コマンドリストを画像制御IC420に送信して描画の開始を命令する。そして、画像制御IC420で実行される描画処理が描画コマンドリストに基づいて表示する画像をビデオRAM430のフレームバッファに展開し(描画し)、展開(描画)が完了すると表示回路450が画像表示装置41にビデオRAM450のフレームバッファに展開(描画)された画像を出力するように構成されている。ここで、画像表示装置41に表示する1フレームの画像をビデオRAM450のフレームバッファに書き込む処理を「展開」又は「描画」と呼ぶ。なお、図49に示すビデオRAM450のデータ領域の構成は一例である。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、2つのフレームバッファ(符号430dで示すフレームバッファ0及び符号430eで示すフレームバッファ1)を有しており、一方のフレームバッファに画像制御IC420が画像を展開(描画)しているときに、他方のフレームバッファの内容を表示回路450が画像表示装置41に出力するように構成されている。なお、画像を展開(描画)するフレームバッファと、画像を出力するフレームバッファとを切り替えることを「スワップ」と呼ぶ。また、本実施形態では、ビデオRAM450に、フレームバッファに画像を展開(描画)するための展開領域として任意領域430aと一時領域430bを有している(未使用領域430cがあってもよい)。また、表示回路450は、所定の時間間隔毎に(例えば、1/60秒毎)にフレームバッファの内容を画像表示装置41に表示させ、スワップを行う処理を繰り返している。このフレームバッファから画像表示装置41への一回の表示を「フレーム」と呼ぶ。また、表示回路450は、1回のフレームの表示が完了毎に(1/60秒毎に)、後述するVブランク割込の信号をサブサブCPU410に出力するように構成されている。
また、画像制御基板400で出力される画像や音声のデータは、図50に示す階層構造で管理されている。具体的には、上述した演出番号毎(言い換えると、5系又は6系コマンドと4系コマンドとで特定される演出毎)に複数の契機データが管理されている。この契機データは、演出を切り替える契機毎に管理されるデータであって、図47における「スタートレバー操作(レバー操作)」、「回転開始」、「第1停止」、「第2停止」、「第3停止」、「全停止」という契機毎に管理されている。また、各々の契機データは、複数のシーンデータを有し、さらに、各々のシーンデータは複数のモーションデータを有している。このモーションデータは、各フレームで各画像データがどのような振る舞いをするのかをデータ化したものである。この画像や音声を管理するデータは、RAM490やROM495に格納され、画像表示装置41に表示される画像は画像ROM440に格納され、スピーカ43から出力される音声・音楽は音源ROM470に格納されている。
画像制御基板400のサブサブCPU410は、図51に示すサブサブループ処理S800を繰り返し実行している。まず、サブサブCPU410は、既に作成済の描画コマンドリスト(後述するようにRAM490の所定の領域に記憶されている)とともに描画命令を画像制御IC420に送信する(ステップS801)。この描画命令を受信した画像制御IC420は、後述するように描画処理を実行する。そして、画像制御IC420が描画処理を実行しているのと並行して、サブサブCPU410は、コマンド解析処理S8000を実行する(ステップS802)。このコマンド解析処理S8000は、図52に示すように、コマンドバッファから演出コマンドを取り出し(ステップS8001)、その演出コマンドがキーコマンドであるか否かを判断し(ステップS8002)、キーコマンドでないときはそのコマンドをRAM490に一時保存し(ステップS8003)、コマンドバッファに演出コマンドがバッファされているときは(ステップS8012)、ステップS8001に戻って次の演出コマンドを処理する。図48(c)を用いて説明したように、例えば、数値データが通知される場合には、データの下位7ビットを示す0x30**というコマンドと、データの上位7ビットを示す0x31**というコマンドと、この上位及び下位14ビットのデータが何のデータであるのかを指示する(この場合は現在のゲーム数であることを指示する)0x3200というコマンドで構成されており、0x30**、0x31**、0x3200の順で送信される。したがって、このように、複数のコマンドで一つの意味を持たせている場合は、その最後に送られるコマンド(ここでは、0x3200)をキーコマンドとし、このキーコマンドが現れるまではバッファから取り出したコマンドを一時保存するように構成されている。なお、サブサブCPU410は、ステップS8001でバッファに演出コマンドが記憶されていないときは、そのままこのコマンド解析処理S8000を終了する。
ステップS8012で、バッファから取り出した演出コマンドがキーコマンドであると判断したときは、サブサブCPU410は、そのキーコマンドの種類を判断し(ステップS8004)、判断した種類に応じた処理を実行する。まず、キーコマンドがシステムコマンド(0系コマンドのうちのエラー・検査系コマンド)であると判断したときは、当該コマンドに応じて実行される処理(例えば、ドアエラー表示のコマンド(0x012B)であるならば、「扉が開いています」という画面を表示する処理)を決定し(ステップS8005)、ステップS8012に進む。また、キーコマンドが、サウンドコマンド(1系コマンド)であると判断したときは、サウンド出力用の書込バッファに、当該サウンドコマンドに応じた命令(音源ICに対するコマンド)を記憶させ(ステップS8006)、ステップS8012に進む。また、キーコマンドが数値コマンド(3系コマンド)であると判断したときは、RAM490上の該当するデータを更新し(ステップS8007)、ステップS8012に進む。例えば、AT遊技のゲーム数であるならば、このAT遊技のゲーム数を管理しているRAM490上の領域のデータを更新する。また、キーコマンドが演出コマンド(5系、6系、4系コマンド)であると判断したときは、ROM495から演出データを取得し、RAM490の所定の領域(例えば、再生予約バッファ)に一時的に記憶し(ステップS8008)、当該キーコマンドがフレーム更新対象コマンドであれば、コマンド解析処理S8000を終了し、フレーム更新対象コマンドでなければステップS8012に進む(ステップS8009)。なお、図47に示すように、本実施形態では5系コマンドと4系コマンド、又は、6系コマンドと4系コマンドで1つの演出を規定しており、副制御基板300は5系コマンド、4系コマンドの順、または、6系コマンド、4系コマンドの順で送信するように構成されている。したがって、この4系コマンドがフレーム更新対象コマンドとなる。また、キーコマンドが契機コマンド(0系コマンドのうちのリールの回転・停止に関するコマンド)であると判断したときは、RAM490の所定の領域に記憶されている演出データから該当する契機の契機データを読み出してこの契機に対するシーンデータがあるか否かを判断し(ステップS8010)、シーンデータがあるときはROM495から該当するシーンデータを読み出してRAM490の所定の領域に記憶し(ステップS8011)、コマンド解析処理S8000を終了する。ステップS8012に進んだ場合は、上述したコマンドの種類に応じた処理を、バッファのコマンドが無くなるまで繰り返す。
図51に戻り、サブサブCPU410は、ステップS801のコマンド解析処理S8000が終了すると、この解析結果に基づいて描画コマンドリスト作成処理S8020を実行する(ステップS803)。図53に示すように、サブサブCPU410は、RAM490の所定の領域からシーンデータを取得し、このシーンデータが保持しているモーションデータのフレーム情報を更新することによりモーションデータのフレームを進める。この処理をモーションインクリメントと呼ぶ(ステップS8021)。そして、上述した3系コマンド等として通知された数値データを読み出すユーザコールバックを実行し(ステップS8022)、モーションデータ及び数値データに基づいて、現在のフレームに対する画像表示(展開)の命令である描画コマンドを生成して、RAM490の所定の領域(例えば、描画リスト領域)に描画コマンドリストとして記憶し(ステップS8023)、描画コマンドリスト作成処理S8030を終了する。なお、本実施形態では、描画コマンドリストに記憶された順で、後述する描画処理は描画コマンドを実行するように構成されている。したがって、描画コマンドリストに対して最初に記憶されたコマンドを最も先頭のコマンドとして説明する。
図51に戻り、サブサブCPU410は、サウンド定期処理を実行する(ステップS804)。具体的には、上述したコマンド解析処理S8000のステップS8006で書込バッファに記憶された命令を音源IC460のレジスタに書き込む処理を実行する。音源IC460のレジスタに命令が書き込まれると、その命令に従って、音声や音楽、効果音等がスピーカ43から出力される。また、サブサブCPU410は、画像制御IC420による描画処理が終了したか否かを判断し(ステップS805)、既に終了しているときはすぐにステップS806に進み、未だ終了していないときは終了するのを待ってステップS806に進む。画像制御IC420による描画の終了は、後述するように、画像制御IC420から送信される描画が終了したことを示す信号を受信することにより判断される。さらに、サブサブCPU410は、表示回路450からのVブランク割込を検出することにより、フレームにおける最初の書込位置に来るまでウエイトを行う(ステップS806)。なお、本実施形態では、2回のVブランク割込を検出すると、ステップS807に進むように構成されている。そして、サブサブCPU410は、上述した暴走監視信号を副制御基板300に送信し(ステップS807)、フレームバッファのスワップを実行する(ステップS808)。このスワップを実行することにより、上述したように、ステップS801による命令で画像制御IC420が描画を行ったフレームバッファ(フレームバッファ0または1の一方)から画像表示装置41に対する画像出力が実行され、且つ、次に実行されるステップS801により、前回の出力が行われたフレームバッファ(フレームバッファ0または1の他方)に次の描画(上述したステップS803で作成された描画コマンドリストによる描画)が行われることになる。
−描画処理S8030−
上述したサブサブループ処理S800のステップS801において、サブサブCPU410から描画開始命令が送信されると、画像制御IC420は、この描画開始命令とともに送信された描画コマンドリストに基づいてビデオRAM430に対して画像データの描画(展開)を行う。なお、サブサブCPU410から送信された描画コマンドリストは、画像制御IC420の所定の記憶領域、若しくは、ビデオRAM430の所定の領域に格納される。
図54に示すように、画像制御IC420は、描画コマンドリストを先頭から1コマンドずつ取得し(ステップS8031)、取得したコマンドの種類に応じた処理を実行する(ステップS8032)。なお、本実施形態では、描画コマンドリストに格納されているコマンドは、主に、「転送」と「描画」で構成されており、基本的に「転送」と「描画」が一組となって構成されている(画像ROM440から転送されたデータ(画像)がフレームバッファに描画される)。しかしこのようなコマンドの構成は一例であって、その他に、「設定」その他のコマンドが含まれる(詳細な説明は省略する)。
ステップS8031で取得したコマンドが動画に対するデータ転送であったときは、当該コマンドに対応するデータ(画像)を画像ROM440から読み出し(ステップS8033)、この読み出された画像(動画)が圧縮されているか否かを判断し(ステップS8043)、圧縮されているときはデコード処理を行って復元する(ステップS8035)。そして、画像ROM440から読み出された画像(動画)、またはデコードされた画像(動画)をビデオRAM430の一時領域430bに記憶され(ステップS8041)、このコマンドに対する処理を終了してステップS8045に進む。この一時領域430bに記憶された画像は、次のコマンドである「描画」に対する処理により、フレームバッファ(430d又は430e)に描画される。
また、取得したコマンドが静止画に対するデータ転送であったときは、当該コマンドに対するデータ(静止画)を画像ROM440から読み出し(ステップS8037)、読み出された画像(静止画)のフォーマットに応じてデコード処理を行い(ステップS8038)、この画像(静止画)のフレームの種類を判定する(ステップS8039)。そして、フレームの種類がIフレームであるときは、デコードされたデータをビデオRAM430の一時領域430bに記憶し(ステップS8040)、PフレームであるときはビデオRAM430の任意領域430aに記憶し(ステップS8041)、このコマンドに対する処理を終了してステップS8045に進む。ここで、Iフレームは、その画像が1フレームの情報を示し、Pフレームは、現在表示されている画像からの差分情報を示している。したがって、次のコマンドである「描画」に対する処理において、Iフレームのときはそのまま一時領域430bからフレームバッファ(430d又は430e)に描画され、Pフレームのときは、現在一時領域430bに記憶されているIフレームの情報に対して、任意領域430aに記憶されたPフレームの情報で更新を行い、更新されたIフレームの情報をフレームバッファ(430d又は430e)に描画するように構成されている。
また、取得したコマンドが描画パラメータの設定であったときは、画像制御IC420のレジスタにこのパラメータを設定し(ステップS8042)、このコマンドに対する処理を終了してステップS8045に進む。このパラメータにより、例えば、次のスプライト描画の処理が制御される。
さらに、取得したコマンドがスプライト描画であったときは、テクスチャを仮想描画空間である一時領域上で加工し(ステップS8043)、加工された画像や上述した静止画または動画を展開用領域である一時領域430bや任意領域430aから読み出し、ビデオRAM430のフレームバッファ(フレームバッファ0及びフレームバッファ1のうち、書込先として選択されているフレームバッファ(430d又は430e))へ描画し(ステップS8044)、このコマンドに対する処理を終了してステップS8045に進む。なお、表示回路450は、出力元として選択されているフレームバッファ(書込先として選択されていないフレームバッファ)の内容を画像表示装置41に出力するように構成されている。
画像制御IC420は、現在読み出されているコマンドに対する上述したいずれかの処理が終了すると、描画コマンドリストにコマンドが残っているか否かを判断し(ステップS8045)、残っているときはステップS8031に戻り、次のコマンドを取り出して上述した処理を繰り返す。一方、ステップS8045で描画コマンドリストのコマンドが残っていないと判断したときは、サブサブCPU410に対して描画が終了したことを示す信号を送信し(ステップS8046)、描画処理S8030を終了する。サブサブCPU410は、この描画が終了したことを示す信号を受信したか否かを、上述したステップS805で判断する。
以上のようにしてビデオRAM430に描画された(展開された)画像は、所定の周期で(上述したように、例えば、1/60秒毎に)画像表示装置41に出力される。
−描画コマンドリストと表示される画像との関係について−
以上説明したように、画像制御IC420は、サブサブCPU410から送信される描画コマンドリストに含まれるコマンドに基づいてビデオRAM430に画像を描画するように構成されている。このとき、フレームバッファに書き込まれる複数の画像があり、それらの一部又は全体が重なるときは、後からフレームバッファに書き込まれた画像が優先される(先に書き込まれた画像と後から書き込まれた画像が重なる場合、最後に書き込まれた画像が表示される)ように構成されている。したがって、サブサブCPU410で実行されるサブサブループ処理S800の描画コマンドリスト作成処理S803において、他の画像に優先させて表示させたい画像のコマンドは、描画コマンドリストの、他の画像のためのコマンドよりも後ろ(描画コマンドリスト内の、他の画像のためのコマンドよりも後に読み出されて処理される位置)に配置されるように構成することが必要である。
例えば、図55(b)に示すように、押し順を報知するための画像、ここでは、ストップボタン33a〜33cの操作順序を示す「1・2・3」からなる画像(以下、「押し順画像」と呼ぶ)と、図55(c)に示すように、この押し順画像を装飾する画像、ここでは「△・□・○」の画像(以下、「装飾画像」)とを、個別に画像ROM440に格納している場合を示す。図55(d)に示すように、押し順画像から「1」の画像を読み出し、装飾画像から「△」の画像を読み出して、これらを組み合わせて表示することもできるし、押し順画像から「2」の画像を読み出し、装飾画像から「○」の画像を読み出してこれらを組み合わせて表示することができる。このように、押し順画像と装飾画像を別々に格納することにより、押し順を報知するときの画像のバリエーションを増やすことができるとともに、画像ROM440におけるこれらの画像の記憶容量を少なくすることができる。ここで、このような押し順の報知においては、装飾画像よりも押し順画像が優先して表示されることが必要であるため、本実施形態では、描画コマンドリストにおいては、装飾画像を描画するコマンドの方が、押し順画像を描画するコマンドよりも前に配置される(描画コマンドリストの先頭側に装飾画像のコマンドを配置され、この装飾画像のコマンドよりも後ろの押し順画像のコマンドが配置される)ように構成されている。なお、このような画像の優先順位を考慮した描画コマンドリストの生成は、優先順位に従ってコマンドを生成して描画コマンドリストに追加するように構成してもよいし、優先順位を考慮せずに描画コマンドリストを生成し、その後、優先順位に従ってソートする(優先順位が低い方が先頭側に配置されるようにソートする)ように構成してもよい。また、図55(a)のように背景画像があるときは、この背景画像を描画するコマンドを、装飾画像や押し順画像よりも前(先頭側)に配置することで、図55(g)のように、押し順画像を優先して表示させることができる。
ここで、押し順画像は、主制御手段100から送信される指示番号(押し順の情報)により決定される。また、装飾図柄は、押し順の情報以外の情報で決定される。例えば、演出グループ番号で判別される当選役の種類(ベルやリプレイ)に応じて決定することもできるし、現在実行されている演出のステージやモード、レベル、上乗せの可否、期待度等に応じて決定することもできる。なお、装飾画像は、上述したような「△・□・○」のような図形でだけでなく、色や動作態様(表示されているときの動き等)の属性情報も含まれる。
(副制御手段200による押し順の報知)
図13を用いて説明したように、再遊技役−C1〜C6、再遊技役−F1〜F5、入賞役−A1〜A6及び入賞役−B1〜B6に当選したときは、主制御手段100で、これらの当選役から指示番号が決定され、この指示番号と演出グループ番号が制御コマンドとして副制御手段200に送信される。そして、副制御手段200は、この指示番号及び演出グループ番号に基づいて、画像表示装置41に表示する内容を決定して表示するように構成されている(図13(b)の画像表示装置の指示内容)。例えば、再遊技役−C1に当選したときは、指示番号が「A1」であり、演出グループ番号が「3」であるので、「(1・2・3)」という表示が、画像表示装置41に出力される。なお、演出グループ番号から当選役が再遊技役なのか入賞役なのかを判別することができるので、画像表示装置41に指示内容を表示するときに、上述したように、当選役の種類により、その表示時の色を変更したり、装飾図柄を変更したりするように構成することも可能である。例えば、図13(a)に示すように、再遊技役−F5に当選したときの指示番号を「A9」とすると、入賞役−B5に当選したときの指示番号も「A9」なので、いずれの役が当選しても、主制御手段100は、獲得枚数表示器72に「9」を表示する。このとき、副制御手段200は、「(−・−・1)」という指示内容を画像表示装置41に表示させるが、演出グループ番号が「8」のとき(再遊技役−F5のとき)は、指示内容の色を赤で表示し(あるいは「○」の装飾図柄を選択し)、演出グループ番号が「10」のとき(入賞役−B5のとき)は、指示内容の色を青で表示する(あるいは「△」の装飾図柄を選択する)ように構成することができる。これにより、副制御手段200による指示内容の表示では、当選している役の種類(例えば、再遊技役なのか入賞役なのか)も報知することができる。なお、主制御手段100で決定される指示番号は、同じ押し順でも押し順ベルと押し順リプレイとで異なる番号になるように設定してもよい(例えば、押し順ベルのときは図13(b)に示すようにA0〜A9とし、押し順リプレイのときはA10〜A19とするように構成してもよい)。
(制御コマンド、演出コマンドと画像表示装置41に表示される画像の例)
それでは、押し順ベルや押し順リプレイに当選したときの、制御コマンド及び演出コマンドの送信と、それによって画像表示装置41に表示される画像の例を、図56〜図61を併せて用いて、遊技の流れに沿って説明する。ここで、図56は押し順を報知するときのスタートレバー32及びストップボタン33a〜33cの操作タイミングに対する制御コマンド及び演出コマンドの送信タイミングを示し、図57はこのときの画面の遷移を示し、図58は第1停止を失敗したときの制御コマンド及び演出コマンドの送信タイミングを示し、図59はこのときの画面の遷移を示し、図60は遊技の途中でドアが開放されたときの制御コマンド及び演出コマンドの送信タイミングを示し、図61はこのときの画面の遷移を示す。なお、以降の説明においては、上述した図55に示す背景画像、押し順画像及び装飾画像に加えて、図55(e)に示す押し順結果画像及び図55(f)に示すエラー画像を使って説明する。これらの画像も、画像ROM440に記憶されている。なお、図55に示す画像は一例であり、キャラクタの画像やコメントの画像等も表示可能である。このような画像の優先順位は、背景画像より高く、押し順画像や装飾画像より低く設定される。
−正解押し順で操作された場合−
まず、図56及び図57を用いて押し順報知時の制御コマンド及び演出コマンドの送信タイミングと表示される画像について説明する(図47の演出番号「3653」の演出が実行されるときに対応する)。図56(a)に示すように、スタートレバー32が操作されると主制御基板101(主制御手段100)は、演出グループ番号を示す制御コマンド「0x95##」(「#」が示される部分は、演出グループ番号がどれであるかを示す情報である)と役物当選番号(条件装置番号)を示す制御コマンド「0x96##」(##は、特別役が当選していないときは「00」、特別役が当選しているときであって、BB1が当選しているときは「01」、BB2が当選しているときは「02」、BB3が当選しているときは「03」)を副制御基板300に送信し、これらの制御コマンドを受信した副制御基板300(演出制御手段301)は、演出コマンドとして、演出番号「3653」に対応する6系コマンド「0x6000」と4系コマンド「0x4000」をこの順序で画像制御基板400に送信する。なお、ここでは、「0x6000」という1つのコマンドで「左中右」の正解押し順を報知する(「1・2・3」を報知する)演出を示しているものとするが、これらの情報を複数の情報(複数の演出コマンド)に分けてもよい。例えば、押し順を報知する演出を実行することを「0x6000」という演出コマンドで通知し、当該演出で報知する正解押し順を「0x601#」(#は正解押し順を示しており、例えば、図13(b)の1〜9に相当する)というコマンドで通知し、押し順画像の色や装飾画像を「0x602#」(#は色や装飾画像を指定する)というコマンドで通知し、背景画像や押し順画像の表示位置等の演出パターンを「0x4000」というコマンドで通知するように構成してもよい。この場合、画像制御基板400は、押し順コマンド(0x601#)の受信を契機に押し順画像を表示するように構成し、このコマンドを受信しないときは押し順画像を表示しないように構成してもよい。また、通信エラー等により、押し順コマンド(0x601#)以外の演出コマンドを受信できないときは、前回の遊技で受信した演出コマンドに基づいて画像表示装置41への表示内容(演出内容)を決定するように構成してもよい。画像制御基板400のサブサブCPU410は、演出コマンドとして「0x6000」及び「0x4000」を受信すると、左中右の押し順を報知する演出であると判断して描画コマンドリストを作成して画像制御IC420に送信してスタートレバー操作時の画像を画像表示装置41に表示させる。具体的には、ビデオRAM430に対して、図57に示すように、背景画像を展開し、次に、装飾画像を展開し、最後に押し順画像(「1・2・3」)を展開するように、描画コマンドリストを作成する。このように構成すると、押し順画像が他の画像に優先して表示される。なお、図57は、次に操作されるストップボタンに対応する押し順画像の色を変化させて表示する場合を示しているが、この表示態様に限定されることはない(他の押し順画像よりも大きく表示したり、明滅させたりすることが可能である)。また、以降の説明においてもこれらの画像の表示態様及び展開順序は同じである。
そして、リール21a〜21cが回転を開始すると、主制御基板101は、リール21a〜21cの回転開始を示す制御コマンド「0x9800」を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400にリール21a〜21cの回転開始を通知するために「0x0500」を送信する。これにより、画像制御基板400は、「0x0500」を受信したときに、回転開始時の演出を画像表示装置41に出力する(但し、図47に示すように、今回は、スターレバー操作時の演出を継続するため、新たな演出は実行されない)。
次に、第1停止として左ストップボタン33aが操作されると、主制御基板101は、左リール21aの停止受付を示す制御コマンド「0x9E##」(「#」が示されている部分は、上位5ビットで停止受付時の図柄番号、下位3ビットでスベリコマ数を示す情報である)を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたことを通知する「0x0501」を画像制御基板400に送信する。これにより、画像制御基板400は、「0x0501」を受信したときに、第1停止の演出として、左ストップボタン33aの押し順画像及び装飾画像が消去された画像を画像表示装置41に出力する
また、図56(b)に示すように、第2停止として中ストップボタン33bが操作されると、主制御基板101は、中リール21bの停止受付を示す制御コマンド「0x9F##」を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に、第2停止として中ストップボタン33bが操作されたことを通知する「0x0512」を画像制御基板400に送信する。これにより、画像制御基板400は、「0x0512」を受信したときに、第2停止の演出として、中ストップボタン33bの押し順画像及び装飾画像が消去された画像を画像表示装置41に出力する。
さらに、第3停止として右ストップボタン33cが操作されると、主制御基板101は、右リール21cの停止受付を示す制御コマンド「0xA0##」を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に、第3停止として右ストップボタン33cが操作されたことを通知する「0x0523」を画像制御基板400に送信する。これにより、画像制御基板400は、「0x0523」を受信したときに、第3停止の演出として、右ストップボタン33cの押し順画像及び装飾画像が消去された画像(全ての押し順画像及び装飾画像が消去された画像)を画像表示装置41に出力する。
最後に、全てのリール21a〜21cが停止すると、主制御基板101は、全リールが停止したことを示す制御コマンド「0xA5##」(「#」が示されている部分は、獲得枚数を示す情報である)を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に、全てのリール21a〜21cが停止したことを通知する「0x0504」を画像制御基板400に送信する。これにより、画像制御基板400は、「0x0504」を受信したときに、全停止のときの演出として、正解押し順で操作されたことを示す画像(図53(e)に示す「成功!!」の画像)を表示する。このときも、この「成功!!」の画像を最後にビデオRAM430に展開することにより、背景画像に優先して表示される。なお、この「成功!!」の画像表示は一例であり、例えば全リール停止時に入賞役に対する画像を表示するように構成してもよい。
−不正解押し順で操作された場合−
次に、図58及び図59を用いて演出番号「3653」の演出においてストップボタン33a〜33cが不正解押し順で操作された場合について説明する。なお、ストップボタンが正解押し順で操作されているときは、既に説明しているため、詳細な説明は省略する。ここでは、「左中右」の正解押し順に対して、「中左右」と操作した場合、すなわち、第1停止で不正解押し順の操作をした場合について説明する。図58に示すように、スタートレバー32が操作されたとき、及び、リール21a〜21cの回転が開始したときは、それぞれを示す制御コマンドが主制御基板101から副制御基板300に送信され、これらの制御コマンドに応じた演出コマンドが副制御基板300から画像制御基板400に送信される。
そして、第1停止として中ストップボタン33bが操作されると、主制御基板101は、中リール21bの停止受付を示す制御コマンド「0x9F##」を副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に、第1停止として中ストップボタン33bが操作されたことを通知する「0x0511」を画像制御基板400に送信する。さらに、副制御基板300は、不正解押し順で操作されたため、押し順の報知を中止することを示す演出コマンド(ここでは、「0x60FF」とする)を画像制御基板400に送信する。なお、操作されたストップボタンを示す「0x0502」と押し順の報知の中止を示す「0x60FF」の送信順序は逆でもよい。これにより、画像制御基板400は、「0x60FF」を受信したときに、図59に示すように、押し順の報知の中止(正解押し順で操作されなかったこと)を示す画像(図53(e)に示す「失敗!!」の画像)を表示する。このとき、装飾画像及び押し順画像よりも後に「失敗!!」の画像をビデオRAM430に展開することが望ましい。これにより、押し順の報知が中止されたことを他の画像に優先して画像表示装置41に表示させることができる。図58及び図59に示すように、ストップボタン33a〜33cが不正解押し順で操作されたときは、正解押し順と異なる押し順で操作された時点で、正解押し順のときの演出の態様(図56及び図57に示した演出のパターン)とは異なる態様(パターン)となるように構成されている。また、画像制御基板400は、「0x60FF」を受信すると、「0x6000」及び0x4000」により設定された演出パターンを消去するように構成されている。これにより、図58及び図59では「失敗!!」の画像が表示されて、押し順の報知が中止されたことが表示された後は、本実施形態では同じ画像を表示する(演出が変化しない)ように構成している(押し順画像の表示は消去されず、その上に「失敗!!」の画像が表示される)。しかしながら、押し順画像等を表示しない(消去する)ように構成してもよい。また、本実施形態では、正解押し順で操作されなかったことを副制御基板300で判断し、押し順の報知を中止することを示す演出コマンド(「0x60FF」)を画像制御基板400に送信するように構成した場合について示しているが、スタートレバー32が操作されたときに送信された演出コマンド「0x6000」で正解押し順が「左中右」であることが明らかであり、また、第1、第2、第3停止で操作されたストップボタンが「0x05#1」、「0x05#2」、「0x05#3」というコマンドで分かるため、画像制御基板400の処理で判断して表示される画像を決定するように構成してもよい。
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、押し順ベルや押し順リプレイの当選時であって、これらの押し順が遊技の状態に影響するときは、主制御手段100側でもその押し順を報知するように構成されている(獲得枚数表示器72に表示される)。そして、ストップボタン33a〜33cが正解押し順で操作されなかったときは、主制御手段100側の押し順の表示は継続するが、副制御手段200側の表示は消去する(若しくは上述したように「失敗!!」等の画像を表示する)ように構成してもよいし、主制御手段100側の押し順の表示も消去するように構成してもよい。
−押し順表示の変形例−
上述した説明では、画像表示装置41に表示する押し順に関する情報(指示内容)を役抽選の結果に応じた情報(指示内容及び演出グループ番号)で決定した場合について説明したが、上乗せ情報も考慮して決定するように構成することも可能である。例えば、上述した再遊技役−D1〜D3の当選に対して上乗せ抽選を行うように構成したときに、上乗せ情報を報知することが決定された場合、副制御基板300のサブCPU310は、役抽選の結果に対応した特定の図柄の組み合わせを表示可能な押し順(再遊技役−D1〜D3の当選に対して、再遊技役05の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順)を設定し、設定された押し順に基づき出力すべき情報を、演出コマンドにより画像制御基板400に送信するように構成することができる。また、上乗せ情報を報知しないことが決定された場合、上記特定の図柄の組み合わせを表示可能な押し順を設定しない(表示不可能な押し順、例えば上述した例では再遊技役01の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止表示される押し順を設定してもよい)ように構成してもよい。
−エラーが発生したとき−
図60及び図61は、リール21a〜21cが回転開始をした後、第1停止の操作がされる前に、前扉3の開閉を行った場合を示している。メイン制御基板101は前扉3が開かれたことを検出すると、そのエラー情報を制御コマンド「0xABCD」として副制御基板300に送信し、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像表示装置41に「扉が開いています」というエラー画像を表示させるための演出コマンド「0x012B」を画像制御基板400に送信し、この演出コマンドを受信した画像制御基板400はエラー画像(図55(f)に示すエラー画像)を画像表示装置41に表示させる。このようなエラー画像の表示は、他の画像に必ず優先して表示されるように構成されているため、画像制御基板400のサブサブループ処理S800は、エラー画像の表示が最も優先されるように(すなわち、描画コマンドリストにおいて、他の画像のコマンドよりも後ろに配置されるように)描画コマンドリストを生成するように構成されている。上述した押し順が報知されている(押し順画像及び装飾画像が表示されている)ときは、これらの画像よりもエラー画像が優先される(描画コマンドリストにおいて、エラー画像を描画するためのコマンドが押し順画像よりも後ろに配置されている)ように構成されている。したがって、エラー画像が表示されたときに、押し順画像も表示させる(遊技者が認識できるようにする)ためには、図61に示すように、画像表示装置41の画面上の異なる位置(少なくとも全体が重ならない位置)にそれぞれの画像を表示させるように構成することが必要である。そして、図60に示すように、メイン制御基板101は、前扉3が閉じられたことを検出すると、副制御基板300に対してエラーが解除されたことを示す制御コマンド「0xABXY」を送信し、副制御基板300は、この制御コマンドを受信すると画像制御基板400にエラー画像の表示を消去するための演出コマンド「0x01A0」を送信することにより、画像制御基板400は、上述したエラー表示を消去するように構成されている(以降の処理は、上述した通りである)。
ここでは、前扉3が開閉されたときについて説明したが、例えば、押し順ベルに当選してその正解押し順を副制御手段200により画像表示装置41に表示したが、所定の時間(例えば、30秒)が経過してもストップボタン33a〜33cが操作されないときは、上述した方法により遊技者にストップボタンの操作を促すエラー画像として「ストップボタンを操作してください」等を表示させるように構成してもよい。このときも、このような画像は、優先して表示させることが必要であるため、描画コマンドリストにおいて、他の画像(例えば、押し順画像)を描画するためのコマンドよりも後ろに配置されることになる。その際、押し順画像が識別できる位置に操作を促すエラー画像を表示することが望ましい。なお、ストップボタン33a〜33cが操作されず操作を促す画像を表示するための判断は、副制御基板300側の処理で判断し、この画像を表示するための演出コマンドを画像制御基板400に送信するように構成してもよいし、画像制御基板400側の処理で判断して表示させてもよい。また、このような画像(前扉等が開閉されてエラーが発生したときや、所定の時間が経過してもストップボタンが操作されないときの画像)が表示されているときも、主制御手段100側の押し順の報知は継続することが望ましい。
−停止操作を促す表示(操作促進画像の表示)−
本実施形態に係るスロットマシン1において、スタートレバー32が操作されてリール21a〜21cの回転が開始した後は、対応するストップボタン33が操作されていないリールは回転が継続される。そのため、リール21a〜21cが回転を開始してからの時間を計測し、所定時間(例えば、1分)を経過した後も、何れのストップボタン33も操作されていなければ、ストップボタン33の操作を促す表示が行われる。具体的には、画像表示装置41に「ストップボタンの操作をしてください」という表示が行われる。
図63に示すように、スタートレバー32が操作されてリール21a〜21cが回転を開始した後、所定時間が経過してもストップボタン33a〜33cが操作されていないと副制御基板300のサブCPU310が判断すると(具体的には、主制御基板101からリール21a〜21cの回転が開始したことを示す制御コマンド「0x9800」を受信してから所定時間が経過しても、左リール21aの停止受付(左ストップボタン33aが操作されたこと)を示す制御コマンド「0x9E##」、中リール21bの停止受付(中ストップボタン33bが操作されたこと)を示す制御コマンド「0x9F##」、右リール21cの停止受付(右ストップボタン33cが操作されたこと)を示す制御コマンド「0xA0##」の何れも受信していないと判断すると)、画像制御基板400に対して、「ストップボタンの操作をしてください」という表示(以下、「操作促進画像」と呼ぶ)を画像表示装置41に表示させるための演出コマンド「0x0210」を送信する。そして、画像制御基板400は、操作促進画像を表示するための演出コマンドを受信すると、図64に示すように、画像表示装置41に操作促進画像を表示させる。なお、副制御手段300のサブCPU310は、主制御基板101から役物当選番号(条件装置番号)を示す制御コマンド「0x96##」を受信してから所定時間が経過しても、左リール21aの停止受付を示す制御コマンド「0x9E##」、中リール21bの停止受付を示す制御コマンド「0x9F##」、右リール21cの停止受付を示す制御コマンド「0x0A##」の何れも受信していないと判断すると、画像制御基板400に対して、演出コマンド「0x0210」を送信するようにしてもよい。さらに、副制御手段300のサブCPU310は、リール21の回転速度が一定速度になってから所定時間が経過しても、左リール21aの停止受付を示す制御コマンド「0x9E##」、中リール21bの停止受付を示す制御コマンド「0x9F##」、右リール21cの停止受付を示す制御コマンド「0x0A##」の何れも受信していないと判断すると、画像制御基板400に対して、演出コマンド「0x0210」を送信するようにしてもよい。
ここで、図64に示すように、操作促進画像は、押し順画像よりも優先して表示されるように構成されている(すなわち、描画コマンドリストにおいて、操作促進画像を描画するためのコマンドが、押し順画像を描画するためのコマンドよりも後ろに配置されている)。また、この操作促進画像は、画像表示装置41において、押し順画像の一部又は全部と重なる位置に大きく表示される。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作順序)を報知するときは、副制御手段200により、画像表示装置41に押し順を表示するだけでなく、主制御手段100により、獲得枚数表示器72に押し順に関する情報を表示するように構成されている。また、この獲得枚数表示器72による押し順の報知(押し順に関する情報の表示)は、リール21a〜21cの全てが停止するまで(全てが停止した後も、最後に操作したストップボタン33から手が離されていないときは、手が離されるまで)継続するように構成されている。したがって、画像表示装置41に操作促進画像を表示することにより、画像表示装置41に表示されている押し順画像が見え難く又は見えなくなったとしても(押し順画像に重ねて操作促進画像が表示されることにより、押し順画像が可視困難状態又は不可視状態となっても)、主制御手段100により、獲得枚数表示器72に押し順に関する情報が表示されているため、遊技者の不利益になることはない。このように、操作促進画像を、押し順画像が表示されていることを考慮することなく、大きく表示することにより(押し順画像の少なくとも一部と重なったとしても、大きく表示することにより)、操作促進画像を表示する効果を十分に発揮させることができる。従来のスロットマシンのうち、サブAT機(副制御手段でATを制御する構成のスロットマシン)では、AT遊技中は、副制御手段により駆動(制御)される画像表示装置でナビ表示(押し順画像の表示)は表示されていたが、主制御手段により駆動(制御)される表示器(例えば、獲得枚数表示器)でナビ表示(押し順に関する情報の表示)は表示されていなかった。また、メインAT機(主制御手段でATを制御する構成のスロットマシン)では、主制御手段で駆動される表示器(獲得枚数表示器)でもナビ表示が表示されていたが、副制御手段により駆動される画像表示装置で表示されているナビ表示よりも、対応する押し順を把握することが難かった。そのため、一般的に、AT遊技中に画像表示装置でリールの回転を停止させることを促す表示(操作促進画像の表示)は表示されていなかった。またAT遊技中に操作促進画像が表示されていたとしても、押し順画像と重ならないように表示されていた。換言すると、画像表示装置で表示されているナビ表示が見えなくならない(遊技者の不利益にならない)ようにしていた。具体的には、AT遊技中に画像表示装置で操作促進画像が表示される場合は、画像表示装置の隅に表示され、ナビ表示が大きく表示されているならば(目立つように表示されているならば)、小さく表示されていた(目立たないように表示されていた)。要するに、従来のスロットマシンでは、画像表示装置で操作促進画像が表示されていても、期待されている(操作促進画像を表示する)効果を発揮できていなかったという課題があった。例えば、トイレに行く際にスタートレバーに誤って触れてしまった場合、トイレから戻る頃には操作促進画像が表示されているが、画像表示装置の隅に小さく表示されているため、その表示を遠くから確認することができなかった。換言すると、急いで席に戻らなければならないことに気づくことができなかった。なお、獲得枚数表示器72に表示される押し順に関する情報は、上述したように、例えば、この獲得枚数表示器72の下位桁に、ストップボタン33a〜33cを操作する順番を示す数字が表示される(図13参照)。また、操作促進画像は、上述した「ストップボタンの操作をしてください」という表示の他に、例えば、「・・・分以上経過、リール回転中」とか、「リールを停止してください」という表示とすることができる。
図63に戻り、操作促進画像が表示されている状態で、ストップボタン33a〜33cの何れかが操作されると(主制御基板101から、例えば、左ストップボタン33aが操作されたことを示す制御コマンド「0x9E##」を受信すると)、副制御基板300は、画像制御基板400に対して、操作促進画像を消去する(非表示とする)ための演出コマンド「0x02B0」を送信し、さらに、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたことを通知する演出コマンド「0x0501」を送信する。画像制御基板400は、操作促進画像を消去するための演出コマンド「0x02B0」を受信すると、図64に示すように、操作促進画像を消去し(操作促進画像が表示される前の表示状態に戻し)、さらに、第1停止として左ストップボタン33aが操作されたことを通知する演出コマンド「0x0501」を受信すると、上述したような演出を実行する。なお、副制御基板300は、演出コマンド「0x0501」を送信してから、演出コマンド「0x02B0」を送信してもよい。また、第1停止の操作後(3つのリールのうち2つが回転している状態)や、第2停止の操作後(3つのリールのうち1つが回転している状態)から、所定時間が経過しても、ストップボタン33が操作されていないときは、再び操作促進画像を表示するように構成されている。あるいは、操作促進画像を表示したときは、全てのストップボタン33が操作されるまで操作促進画像を表示し続け、第3停止の操作後(全てのリール21の回転が停止している状態)に、副制御基板300から画像制御基板400に操作促進画像を消去するための演出コマンド「0x02B0」を送信して、操作促進画像を消去するように構成してもよい。
また、図65及び図66に示すように、副制御基板300は、操作促進画像を画像表示装置41に表示させるときは、所定の時間間隔(例えば1秒)で、操作促進画像を表示させる演出コマンド「0x0210」と、操作促進画像を消去させる演出コマンド「0x02B0」を画像制御基板400に交互に送信することにより、画像表示装置41において、操作促進画像の表示・消去を繰り返すように構成してもよい。また、操作促進画像を表示させる演出コマンド「0x0210」を送信してから2秒後に、操作促進画像を消去させる演出コマンド「0x02B0」を送信し、その1秒後に演出コマンド「0x0210」を送信するように構成してもよい。このように操作促進画像の表示・消去を繰り返す(画像表示装置41において、操作促進画像を点滅表示させる)と、遊技者に対して操作促進画像が表示されていることを認識させ易くすることができる(遊技者の意識を操作促画像に向けさせることができる)とともに、押し順画像表示がされているときは、遊技者がその表示内容を確認する機会を与えることもでき、遊技者が不利益を受けることがない。具体的には、獲得枚数表示器72で表示される押し順に関する情報から、即座に対応する押し順を把握することが難かったとしても、画像表示装置41で表示する押し順画像(ナビ表示)を見ることができるタイミングが定期的に訪れるため、遊技者の不利益にならない。なお、図64では、操作促進画像の表示・消去を、副制御基板300から画像制御基板400に送信する演出コマンドで制御する構成として説明しているが、図63に示すように、副制御基板300は、操作促進画像を表示させるタイミングで演出コマンド「0x0210」を送信し、この演出コマンドを受信した画像制御基板400が、所定の時間間隔(例えば1秒)で、操作促進画像の表示と消去を繰り返す制御を行うように構成してもよい。
また、画像表示装置41の表示領域における押し順画像を表示する位置を、状況に応じて、変更できるように構成してもよい。具体的には、画像表示装置41の表示領域における第1の位置、第2の位置及び第3の位置に表示可能に構成してもよい。例えば、第1の位置は、操作促進画像と押し順画像の一部が重なる位置であり、第2の位置は、操作促進画像と押し順画像の一部(第1の位置よりも重なる範囲が大きい)又は全部が重なる位置であり、第3の位置は、操作促進画像と押し順画像が重ならない位置である。そして、画像表示装置41にキャラクタの台詞等を表示しないときは、第1の位置又は第3の位置に押し順画像を表示するが、画像表示装置41にキャラクタの台詞等を表示するときは、第2の位置に押し順画像を表示するように構成してもよい。画像制御基板400は、第1の位置又は第2の位置に押し順画像を表示しているときに、副制御基板300から操作促進画像を表示するための演出コマンドを受信すると、押し順画像を第3の位置に移動させるとともに、操作促進画像を表示させることにより、遊技者に対して押し順画像と操作促進画像の両方を認識させることもできる。
また、上述の説明では、操作促進画像を押し順画像に優先させて表示するように構成しているが、押し順画像の方を操作促進画像に優先させて表示するように構成してもよい。但し、押し順画像は、操作促進画像に可能な限り重ならない方が好ましい。
また、画像表示装置41における操作促進画像の表示は、押し順画像が表示されているか否かに関わらず、同じ位置及び同じ大きさで表示することが好ましい。状況に応じて操作促進画像の表示位置等を変更しないことにより、副制御基板300及び画像制御基板400の処理負荷を減らすことができる。また、大きさの異なる操作促進画像を用意する必要ながないため、データの記憶量を削減することができる。さらに、AT遊技中か否かに関わらず、画像表示装置41に操作促進画像を目立つ位置に目立つ大きさで表示させることができるので、操作促進画像を表示する効果を十分に発揮させることができる。
−操作促進画像の表示とエラー画像の表示の関係−
本実施形態に係るスロットマシン1において、主制御手段100は、前扉3が開けられると遊技の進行を停止させ(例えば、スタートレバー32やストップボタン33a〜33c等が操作されても有効な操作とならないように制御され)、前扉3が閉められると遊技の進行を再開させるように構成されている。このように構成すると、前扉3が開いているときは、スタートレバー32やストップボタン33が遊技店の設備(例えば、遊技メダルの貸出装置等)に接触したり、遊技者に接触したりしても、遊技が進行しない(リール21a〜21cの回転が開始したり、停止したりしない)ため、遊技者の不利益にならない。
また、図60及び図61を用いて説明したように、画像表示装置41では、前扉3の開閉に応じてエラー画像が表示・消去されるように構成されている。このとき、上述した操作促進画像が表示されているときは、エラー画像の消去とともに操作促進画像も消去される(非表示になる)ように構成されている。具体的には、図67(a)及び図68に示すように、操作促進画像が表示されているときに、前扉3が開かれると、主制御基板101から副制御基板300に対して前扉3が開かれていることを示す制御コマンド「0xABCD」が送信され、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御手段400に対してエラー画像を表示させるための演出コマンド「0x012B」を送信する。エラー画像は、画像表示装置41において、他の画像より優先して表示されるように構成されている。したがって、エラー画像は、操作促進画像に対して優先され、この操作促進画像の上に表示されることになる。そして、前扉3が閉じられると、主制御基板101から副制御基板300に対して前扉3が閉められていることを示す制御コマンド「0xABXY」が送信され、この制御コマンドを受信した副制御基板300は、画像制御基板400に対して、エラー画像を消去させる演出コマンド「0x01A0」と操作促進画像を消去させる演出コマンド「0x02B0」を送信することにより、画像制御基板400は、エラー画像及び操作促進画像を消去し、画像表示装置41には、エラー画像及び操作促進画像が表示される前の表示状態に戻る。すなわち、押し順画像が表示されているときは、その画像が表示されることとなる。本実施形態に係るスロットマシン1では、例えば、ストップボタン33a〜33cと主制御基板101とをつなぐハーネスが、何らかの事情により抜けてしまった場合でも、ストップボタン33a〜33cの操作情報が主制御基板101に入力されなくなるので、所定時間を経過すると操作促進画像が画像表示装置41に表示されてしまう。しかしながら、このような遊技者に責任のない場合まで画像表示装置41に表示されている押し順画像が、操作促進画像で見えなくなってしまうのは、遊技者に酷であると考えたからである。したがって、前扉3を開いて、ストップボタン33a〜33cを操作できない原因を取り除いて前扉3を閉じたときに、エラー画像とともに操作促進画像を消去する(非表示にする)ことで、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
なお、図67(b)及び図69に示すように、副制御基板300は、前扉3が開かれて主制御基板101から制御コマンド「0xABCD」が送信されたときに、画像制御基板400に演出コマンド「0x02B0」及び「0x012B」を送信して、操作促進画像を消去するとともに、エラー画像を表示し、前扉3が閉じられると画像制御基板400に演出コマンド「0x01A0」を送信してエラー画像を消去するように構成してもよい。この場合も、エラー画像はその他の画像(押し順画像)に優先して表示される。
また、主制御手段100により、獲得枚数表示器72に表示されている押し順に関する情報は、前扉3が開かれると、前扉3が開かれていることを報知する表示に切り替えられ(換言すると、押し順に関する情報の表示が中断され)、前扉3が閉じられると、獲得枚数表示器72に押し順に関する情報の表示を再開するように構成している。前扉3が開けられると遊技の進行を停止させるため、押し順に関する情報の表示が中断されても、遊技者に不利益を与えるわけではないからである。むしろ、前扉3が開かれていることを報知する表示に切り替えるため、間違いなく遊技の進行が停止していることを知らせることができ、遊技者に安心感を与えることができる。
なお、主制御手段100は、前扉3が開けられると遊技の進行を停止させ、前扉3が閉められた後に、前扉3を開けるための鍵を左回しに回す(右回しに回すと前扉3を開けることができる)と遊技の進行を再開させるように構成してもよい(この場合、鍵を左回しに回したときに、上述したエラー画像が消去される)。このように構成すると、前扉3が開いているときに、スタートレバー32やストップボタン33a〜33cが遊技店の設備(例えば、遊技メダルの貸出装置等)に接触したり、遊技者に接触したりしても、遊技が進行しない(リール21a〜21cの回転が開始したり、停止したりしない)ため、遊技者の不利益にならない。また、操作促進画像を消去するタイミングは、エラー画像を消去するときでもよいし、エラー画像を表示するときでもよい。これらの場合も、エラー画像はその他の画像(押し順画像等)に優先して表示される。
また、以上の説明では、操作促進画像が表示されているときに前扉3が開閉されると、操作促進画像が消去されるように構成したが、前扉3の開閉時にエラー画像の表示・消去を行うが、操作促進画像の表示は前扉3の開閉に関わらず継続するように構成してもよい(上述したように、この場合も、何れかのストップボタン33a〜33cが操作されるか、全てのリール21a〜21cが停止すると操作促進画像は消去される)。この場合は、操作促進画像により押し順画像が見え難い状態又は見えない状態になるが、上述したように、前扉3が閉じられている状態(遊技の進行が再開している状態)では、主制御手段100により、獲得枚数表示器72に押し順に関する情報が表示されているため、遊技者に不利益を与えることはない。ちなみに、前扉3が閉められた後に、前扉3を開けるための鍵を左回しに回すことで、遊技の進行を再開させる構成とした場合も、操作促進画像の表示は継続するように構成してもよい。
また、以上の説明では、前扉3が開かれると遊技の進行が停止するように構成した場合について説明したが、前扉3が開かれても遊技の進行を停止しないように構成してもよい。この場合は、副制御手段200(副制御基板300)により前扉3が開放されたことを検知し、上述したエラー画像を表示させるように構成することが好ましい。また、この場合は特に、主制御手段100による獲得枚数表示器72での押し順に関する情報の表示は、前扉3が開けられても継続して表示されるようにすることが好ましい。前扉3が開かれたことを副制御手段200で検知するように構成することにより、主制御手段100の処理負担を軽減することができる。また、主制御手段100による獲得枚数表示器72での押し順に関する情報の表示は継続するため、エラー画像により、画像表示装置41の押し順画像が見えなくなっても遊技者の不利益にはならない。具体的には、リール21の回転中に、前扉3が開かれたときは、ストップボタン33が遊技店の設備(例えば、遊技メダルの貸出装置等)に接触したりする前に、獲得枚数表示器72での押し順に関する情報の表示に従って、ストップボタン33を操作すれば、遊技者の不利益にはならない。
また、エラー画像は、上述したように単に「エラー」と表示するだけでなく、「前扉が開いています」や「前扉開放」のように、直接原因を表示するように構成してもよい。
(電源復帰時の対応について)
上述したように電源復帰時には、メモリのクリアや復帰の処理が行われるが、押し順ベルや押し順リプレイに当選し、その押し順が主制御手段100で報知されているときに電源断状態が発生したときは、電源復帰時に当選役が保持されているスロットマシンにおいては、主制御手段100による押し順の報知も復帰させる(当該押し順を報知する)ように構成することが望ましい。一方、副制御手段200側は、画像表示装置41の表示内容を復帰するには複雑な処理が必要となるため、押し順の報知は表示させないように構成してもよい。このように副制御手段200側で押し順を報知しなくても、主制御手段100側で押し順が報知されているため、遊技者に不利益を与えることはないからである。もちろん、副制御手段200側も押し順の報知を復帰させるように構成してもよい。なお、このとき、副制御手段200側にも押し順を報知するための画像表示装置41以外の手段(例えば、ランプやスピーカ等の第2の報知手段)を設けておき、電源復帰時に画像表示装置41による押し順の報知は復帰させないが、ランプやスピーカ等(例えば、演出用ランプ42)の第2の報知手段での発光又は音声による報知は復帰させるように構成してもよい。この第2の報知手段による報知は、通常の遊技においても、画像表示装置41による報知とともに報知するように構成してもよい。なお、ここでいう「電源断状態」とは、電圧低下を検出したときではなく、電圧が供給されていない状態を示す。また、主制御手段100による押し順の報知(獲得枚数表示器72による押し順に関する情報の表示)と、副制御手段200による押し順の報知(画像表示装置41による押し順画像の表示、操作すべきストップボタンを教えるためのランプの発光)がされている状況下で、電源断状態が発生したときは、電源復帰時に、電源断状態が発生する直前の状態に復帰させる(すべての報知を復帰させる)ように構成してもよい。
(サブサブループ処理における描画処理の実行タイミングについて)
上述したサブサブループ処理S800において、サブサブCPU410は、前回のループ処理で作成された描画コマンドリスト(副制御基板300から送信された演出コマンドに基づいて生成された描画コマンドリスト)を画像制御IC420に送信し、この画像制御IC420により描画コマンドリストに基づいて描画処理をさせているときに、並行して次の描画コマンドリストを作成するように構成した場合について説明した。このように、サブサブCPU410による描画コマンドリストの作成と、画像制御IC420による描画処理とを並行して行うように構成することにより、サブサブCPU410と画像制御IC420とが並列動作するため、処理効率がよくなる。そして、このように処理効率が良くなると、演出コマンドに応じた演出として画像が表示されるため、受信した演出コマンドの処理に描画処理が対応できず、一部の画像の描画でできない(フレームが落ちる)という現象を発生させにくくすることができる。但し、演出コマンドの解析及び描画コマンドリストの作成と、当該描画コマンドリストによる描画は、サブサブループ処理S800において、2つのループに跨がる(前回のループ処理で作成された描画コマンドリストによる描画は、次のループで実行される)ため、実際の描画は、さらに、描画処理が実行された後のスワップが実行されたときに開始されるため、演出コマンドの受信から描画が行われるまで、サブサブループ処理S800の2回のループ処理の時間だけ遅延が発生してしまう。
そこで、図62に示すサブサブループ処理S800′のように、演出コマンドの解析及び描画コマンドリストの作成し、この描画コマンドリストによる描画は、1回のループ処理で実行するように構成してもよい。図62において、サブサブCPU410は、まず、上述したコマンド解析処理S8000を実行し(ステップS801′)、描画コマンドリスト作成処理S8020により、解析結果に基づいて描画コマンドを作成し(ステップS802′)、画像制御IC420に対してこの描画コマンドリストとともに描画開始命令を送信する(ステップS803′)。なお、このサブサブループ処理S800′では、サブサブCPU410は、描画開始命令を送信すると、画像制御IC420から描画の終了信号が送信されるまで、処理の実行を待つように構成されている(ステップS804′)。画像制御IC420は、描画開始命令を受け取ると、上述したように描画処理S8030を実行し、描画が終了すると描画が終了した旨の信号をサブサブCPU410に送信する。また、ステップS804′で描画が終了したと判断すると、サブサブCPU410は、上述したサウンド定期処理を実行し(ステップS805′)、さらに、表示回路450からのVブランク割込を検出することにより、フレームにおける最初の書込位置に来るまでウエイトを行う(ステップS806′)。そして、サブサブCPU410は、Vブランク割込を2回検出すると、上述した暴走監視信号を副制御基板300に送信し(ステップS807′)、フレームバッファのスワップを実行する(ステップS808′)。このスワップを実行することにより、上述したように、ステップS803′による命令で画像制御IC420が描画を行ったフレームバッファ(フレームバッファ0または1の一方)から画像表示装置41に対する画像出力が実行され、且つ、次に実行されるステップS803′により、前回の出力が行われたフレームバッファ(フレームバッファ0または1の他方)に次の描画(上述したステップS802′で作成された描画コマンドリストによる描画)が行われることになる。
このようなサブサブループ処理S800′によると、副制御基板300から送信された演出コマンドの解析及び描画コマンドリストの作成と、この描画コマンドリストによる描画とを1回のループで実行できるため、画像表示装置41による表示は次のループ開始時に実行されるため、演出コマンドの受信から描画が行われるまでの時間を、サブサブループ処理S800の1回のループ処理の時間の遅延で実行することができる。但し、この場合は、サブサブCPU410と画像制御IC420が互いの処理の終了を待つため、それぞれの処理能力を十分に発揮させることができない。また、多数の演出コマンドが送信された場合は、演出コマンドの解析、描画コマンドリストの作成、この描画コマンドリストによる描画が、所定の時間内で完了できず、画像表示装置41に対する画像の表示が遅れたり、一部のフレームが表示されない等の処理落ちが発生しやすくなる。
(押し順当てゲームについて)
本実施形態に係るスロットマシン1おいて、「押し順当てゲーム」とは、所定の役に当選したときに、遊技者が正解押し順を当てることに成功した場合に、何らかの特典が付与される遊技をいう。このような特典には、出玉に影響のある特典と、出玉に影響のない特典とが考えられる。ここで、「出玉に影響のある特典」とは、主制御手段100により付与される特典であり、AT遊技の遊技数の上乗せやATのストックの上乗せ等が考えられる。また、「出玉に影響のない特典」とは、副制御手段200により付与される特典であり、プレミアム演出や称号等(遊技者が設定変更可能ないわゆる「マイスロ」機能)の付与が考えられる。例えば、本実施例に係るスロットマシン1における入賞役−B1〜B6は、図9(a)に示すように、正解押し順に第1停止で操作されるストップボタンが割り当てられている(第2停止及び第3停止は任意の順序でよい)。例えば、入賞役−B1に対しては、「左中右」の順序で操作されても、「左右中」の順序で操作されてもよい。そこで、この入賞役−B1〜B6を押し順当てゲームに用いる場合について考える。例えば、正解押し順の第1停止が左ストップボタン33aである入賞役−B1が当選したときに、まず、内部遊技状態設定処理S5120において、抽選等で「左中右」及び「左右中」のいずれか一方を正解押し順として決定する(「左中右」が正解押し順となったときは、指示番号として「A1」が設定され、「左右中」が正解押し順となったときは、指示番号として「A2」が設定される)。そして、押し順当てゲームを実行するか否かを抽選で決定し、押し順当てゲームを実行することが決定すると、指示番号を「A7」に書き換える(このときの指示内容は(1・?・?)となる)。なお、入賞役−B2に当選したときも同様である。また、入賞役−B3、B4に当選して押し順当てゲームを実行するときは、指示番号を「A8」に書き換え(その指示内容は(?・1・?)となる)、入賞役−B5、B6に当選して押し順当てゲームを実行するときは、指示番号を「A9」に書き換える(その指示内容は?・?・1)となる)。
押し順によって、出玉に影響のある条件装置番号において、押し順当てゲームを行いたい場合には、主制御手段100により、押し順当てゲームを行うか否かの判断(抽選)を行う必要がある。また、このような押し順当てゲームが行われるときは、主制御手段100からは、押し順当て用の指示番号(A7〜A9)が副制御手段200に送信されるように構成されており、副制御手段200では、いずれの押し順が正解押し順であるか判定できない(他にも演出グループ番号が送信されているが、演出グループ番号では、いかなる条件装置番号に当選しているのかも判定できないためである)。そこで、副制御手段200では、主制御手段100から第3停止受付の制御コマンド(停止受付時の図柄、及びすべりコマ数を含む制御コマンド)を受信したことに基づき、有効ライン上に停止した図柄の組合せを判定し、押し順が正解したと判断したときには、特典を付与することを示唆する画像を表示するように構成してもよい。第3停止受付の制御コマンドに基づき判定を行っているのは、払出枚数の制御コマンドを受信したことに基づいて判定を行うと、画像を表示するタイミングが遅れてしまうためである。主制御手段100においては、押し順当て用の指示番号(A7〜A9)を決定するよりも前に、条件装置番号に対応する指示番号(A1〜A6)が決定されているので、その指示番号が示す押し順と遊技者の操作した押し順が一致するか否かを判定し、一致する場合には、特典を付与するようにしている(副制御手段200により特典を付与する場合は、主制御手段100では押し順が一致するか否かの判定をしなくてよい)。
なお、押し順当てゲームを行う場合に、指示番号として「A7」〜「A9」が設定されているときは、これらの指示番号を優先し、「A1」〜「A6」を表示したり、レジスタに記憶しない。
(のめり込み対策(注意喚起画像の表示)について)
遊技機では、従来からのめり込み対策(自身の資力を超えて遊技を行う遊技者を減らすための策)として、遊技待機中(長時間に亘って、遊技メダルがベットされることもなく、遊技が行われていない状態)に注意喚起を行っている。しかし、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者であるため、のめり込み対策として期待されている効果を発揮することができず、自身の資力を超えて遊技を行う遊技者が減ることはなかった。
のめり込みは、遊技者が冷静な判断ができなくなった結果として生じると考えられる。冷静な判断ができなくなる可能性が高いタイミングとしては、以下のタイミングが挙げられる。
(1)AT遊技が終了するタイミング
AT遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、AT遊技が潜伏しているのではないか(AT抽選に当選しているのではないか)という期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、AT遊技の終了時には、AT遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもAT遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(AT抽選に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。
(2)ボーナス遊技が終了するタイミング
ボーナス遊技中は、多くの遊技メダルが付与されるため、遊技者の気が大きくなり、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。また、ボーナス役に当選した回数が多ければ、高設定(例えば、設定値が5以上)ではないかという期待を持ってしまい易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。さらに、ボーナス遊技の終了時には、ボーナス遊技中に付与された遊技メダルの総数などが画像表示装置に表示される。その際、これまでに使った金額に対応する遊技メダルの数よりもボーナス遊技中に付与された遊技メダルの数が少なければ、取り返そう(ボーナス役に当選させよう)という気持ちに陥り易く、冷静な判断ができなくなる可能性が高いといえる。
そこで、他の実施形態では、AT遊技やボーナス遊技といった多くの遊技メダルが付与され得る特別遊技が終了するタイミングにおいて、注意喚起を行うようにした。
図70は、特別遊技の終了時において、画像表示装置41で表示される終了画面と注意喚起を行うための画像(以下、「注意喚起画像」と称する)の一例である。終了画面は、少なくとも特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)と背景を示す画像である。なお、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)を示す画像を、背景を示す画像(以下、「背景画像」と称する)と別個の画像として用意してもよい。また、注意喚起画像は、「のめり込みに注意しましょう。パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像である。
次に図71を参照し、特別遊技の終了時において、画像表示装置41に表示する注意喚起画像の大きさについて説明する。注意喚起画像は、小さすぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、大きすぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ未満であれば(換言すると、小型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が10,00mm、横が64,12mmとしている。また、注意喚起画像を表示する画像表示装置が7インチ以上であれば(換言すると、大型の画像表示装置であれば)、注意喚起画像の大きさを縦が30,00mm、横が192,37mmとしている。
次に図72を参照して、画像表示装置41に終了画面と注意喚起画像を表示するタイミングについて説明する。図72は、いずれも特別遊技の最終遊技であり、最終遊技において遊技メダルが付与される場合(小役(入賞役)が入賞した場合)は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置41で終了画面と注意喚起画像を表示する(図72(a))。また、最終遊技において遊技メダルが付与されない場合(リプレイ役が入賞した場合など)は、すべてのリールの回転が停止した後に画像表示装置で終了画面と注意喚起画像を表示する(図72(b))。
次に画像表示装置41での終了画面を非表示とするタイミングについて説明する。終了画面を表示する理由の1つは、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を遊技者に教えるためである。すなわち、遊技者が特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数を認識したと思われるタイミングであれば、終了画面を非表示としても問題はないといえる。そこで、他の実施形態では、スタートスイッチが操作されたときに終了画面を非表示としている。
また、他の実施形態では、スタートレバー32が操作されたときに、そのときの遊技状況に応じた演出画面を画像表示装置41で表示する。たとえば、ボーナス遊技やAT遊技の終了後の遊技が通常遊技であり、小役(入賞役)の1つであるチェリー役(入賞役−D)に当選したのであれば、図73(a)に示すようなチェリー役に当選したことを示唆する演出画面が表示可能である。また、ボーナス遊技の終了後の遊技がAT準備遊技であり、小役(入賞役)の1つである押し順ベル役(入賞役−A1〜A6及び入賞役−B1〜B6)に当選したのであれば、図73(b)に示すような如何なる順番でストップスイッチを操作すべきかを示す押し順画像(以下、「ナビ画像」とも称する)とAT準備遊技中の演出画面が表示可能である。
次に注意喚起画像を表示し続ける時間について説明する。注意喚起画像を表示する時間が短すぎると遊技者が認識できず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。また、認識できたとしても気にかけず、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できない。他方、長すぎると他の画像を視認する際の妨げになる可能性がある。換言すると、遊技者に不快感を与える可能性がある。そこで、他の実施形態では、のめり込み対策として期待されている効果を発揮でき、かつ遊技者に不快感を与えない時間だけ、注意喚起画像を表示し続けるようにしている。注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間については、順を追って説明していく。
まず、図74を参照して、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間について説明する。スタートレバー32が操作された後、リール21の回転が開始してからリール21の回転速度が一定となるまでに費やす時間が約180msである。また、ストップボタン33が操作されてからリール21の回転が停止するまでに費やす時間が最大でも190msである(遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)イ(ト)において定められている)。さらに、付与される遊技メダルをクレジット数として加算するのに費やす時間および実際に払い出すのに費やす時間が1枚当たり約40msである。すなわち、遊技者が最短時間で遊技した場合に費やす時間は、付与される遊技メダルの枚数によって変化するものの、複数のストップボタン33が同時に操作できない(複数のリール21を同時に停止制御できない)仕様であれば約750ms〜約1070ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)であり、複数のストップスイッチが同時に操作できる(複数のリール21を同時に停止制御できる)仕様であれば約370ms〜約690ms(付与される遊技メダルが0枚〜8枚のとき)であるといえる。
ちなみに、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間(1回の遊技に要する最小の時間は、4100ms以上)未満で1回の遊技を終了することはできない。これは、遊技機の認定及び型式の検討等に関する規則第六条(遊技機の型式に関する技術上の規格)に示された別表第五(1)リ(イ)とその技術上の規格の解釈基準において定められている。そこで、他の実施形態では、図75に示すように前回の遊技が最短時間で遊技され、スタートレバー32が操作されたときであっても、リール21の回転を開始するのは、前回の遊技におけるリール21の回転を開始したときから4100msが経過してからとすることで、最小遊技時間を未満で1回の遊技が終了することがないようになっている。
一般的に、ボーナス遊技の1つであるBB遊技では、目押しが不要な小役(特定の図柄を狙ってストップボタン33を操作する必要がない小役(入賞役))が高確率で当選する(必ず当選する仕様の場合もある)。また、AT遊技では、ストップボタン33を特定の順番で操作することが必要な押し順ベル役や押し順リプレイ役が当選するものの、どの順番で操作すべきかを教えている。さらに、ボーナス遊技中やAT遊技中は、遊技者が興奮状態にある。そのため、少なくとも特別遊技中は、多くの遊技者が最短時間で遊技している。
上述したように、遊技者が最短時間で遊技した場合であっても、最小遊技時間未満で1回の遊技を終了することはできない。すなわち、図76に示すように特別遊技の最終遊技が最短時間で遊技された場合、すぐにスタートレバー32が操作されたとしても、リール21の回転を開始するまでにはある程度の時間がある。また、リール21の回転が開始してもリール21の回転速度が一定となるまでにもある程度の時間がある。これらの時間は、遊技者による如何なる操作も無効であるため、注意喚起画像を表示し続けていても、遊技者に不快感を与えることはないが、これらの時間を超えても注意喚起画像を表示し続けていると、遊技者に不快感を与える可能性がある。なぜなら、これらの時間を超えると、少なくともストップボタン33の操作は有効となるが、図73(a)に示すようなチェリー役に当選したことの示唆と注意喚起画像が重なっているせいで、ストップボタン33を操作できなかったり(どの役を狙えばよいか分からないため)、注意喚起画像が表示されているため、ストップボタン33を操作してはいけないのではないかという不安感が生じたりするからである。ゆえに、注意喚起画像を表示し続ける時間は、これらの時間を超えないことが好ましいといえる。
そこで、他の実施形態では、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を3000ms以上、3210ms以下としている。なお、3000ms以上としているのは、長ければ長い程、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できると考えられるからである。
図77に示すように、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者も僅かながらいると思われる。その場合、注意喚起画像を3210ms表示し続けると、途中で少なくともストップボタン33の操作が有効になるため、遊技者に不快感を与える可能性はある。ただし、特別遊技中も時間をかけて遊技を行う遊技者であるため、最短時間で遊技を行う遊技者よりは不快感があると思わない可能性が高い。ちなみに、注意喚起画像を非表示とした後に最短時間で遊技を行えば、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができる。そのため、本来であれば最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができるのに、注意喚起画像が表示され続けていたせいで、最小遊技時間が経過する前に1回の遊技を終了することができなかった(損をした)というような苦情が寄せられることはない。
次に注意喚起画像を表示する位置について説明する。基本的には、遊技者が認識し易い位置に表示されることが好ましい。遊技者が認識し易い位置の1つとして、筐体の中央より上側の位置が挙げられる。これは、遊技者の目の高さが筺体の中央より上側にあるからである。
他の実施形態では、図1に示すように画像表示装置41を筺体(前扉3)の中央より上側に備え、図70に示すように画像表示装置41の中央より上側に注意喚起画像を表示するようにしている。
もちろん、画像表示装置41が筺体の中央より上側に備えられているのであれば、画像表示装置41の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、他の画像が表示される位置を考慮して、注意喚起画像を表示する位置を決めることが好ましい。たとえば、特別遊技中に付与された遊技メダルの総枚数(TOTAL XXX枚)やチェリー役に当選したことの示唆などとは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。また、押し順画像とは、可能な限り重ならない位置に注意喚起画像を表示することが好ましい。
更に、他の実施形態では、遊技待機中においても、注意喚起を行うようにしている。図78に、遊技待機中に画像表示装置41で表示されるデモ画面を示す。
遊技待機中になると、最初に製造業者を示す画像が表示される(図78(a))。そして、所定時間の経過後は、注意喚起画像が表示される(図78(b))。さらに、所定時間の経過後は、スロットマシンの題材を紹介する画像が表示される(図78(c))。このように、遊技待機中は、画像表示装置に図78(a)から図78(c)が繰り返し表示されるようになっている。
上述したように、デモ画面を見ている遊技者の大半は、現にのめり込んでいる遊技者ではなく、これから遊技を始めようとしている遊技者である。のめり込み対策として、遊技を始めようとする遊技者に、予めのめり込んではいけないということを印象づけるという方法も考えられるが、過度な注意喚起を行ってしまうと、遊技意欲を低下させてしまう虞がある。そこで、他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間を、特別遊技の終了時に注意喚起を行うための画像が表示され続ける時間よりも短くしている。換言すると、3000ms未満としている。具体的には、2000ms以下としている。ただし、これに限られるものではない。
ちなみに、注意喚起画像を表示する位置と大きさは、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしている。これは、表示する位置を状況によって、変更するようにすると、サブ制御部による負担が増大する可能性があるためである。また、大きさを変更するようにすると、複数の画像を用意する必要があるためである。
次に図82を参照して、特別遊技の最終遊技でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートレバー32が操作されてからすべてのリール21の回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリール21の回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようになっている。これは、遊技の進行を停止してしまうと、遊技者の集中力が切れ、ストップボタン33を操作する際にミスが起きやすくなってしまう可能性があるからである。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
そして、すべてのリール21の回転が停止すると(遊技の進行が停止すると)、画像表示装置41にエラー画像を表示する。これは、エラーが発生したときにエラー画像を表示してしまうと、遊技者が驚いた拍子にミスしてしまう可能性があるからである。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置41に終了画面と注意喚起画像が表示される。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。もちろん、ストップボタン33の操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップボタン33の操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図83を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合について説明する。他の実施形態では、スタートレバー32が操作されるまでの間にエラーが発生したときは、エラーが発生したときに、遊技の進行が停止するようになっている。なお、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようになっている。
また、遊技の進行が停止すると、画像表示装置41では注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示する。ちなみに、エラーが発生したことを速やかに遊技店員に知らせる必要があるため、エラー画像は注意喚起画像よりも優先度が高く設定されている。その後、エラーが解除されると、遊技の進行が再開され(遊技メダルの付与がある場合は、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出される)、画像表示装置41ではエラー画像を非表示とする。
エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。なお、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間は含めている。もちろん、ストップボタン33の操作は有効となった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。また、エラーが解除されるまでにある程度の時間を費やすことになるので、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることぐらいでは、不快感があると思わない可能性が高いためである。
次に図84を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合(電源断の場合)について説明する。他の実施形態では、電力の供給が停止すると、最小遊技時間(4100ms)の計測も停止し、電力の供給が再開されると、最小遊技時間(4100ms)の計測も再開する。
また、電力の供給が停止すると、画像表示装置41も停止し、電力の供給が再開されると、画像表示装置41も表示を再開する。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップボタン33の操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
次に図85を参照して、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で演出スイッチ(サブ操作スイッチ45)が操作された場合について説明する。他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットボタン31が操作、投入口51より投入)されるまでの間に、サブ操作スイッチ45が操作されると、画像表示装置41にメニュー画面を表示するようにしている。また、画像表示装置41にメニュー画面が表示されているときは、パスワード入力、QRコード(登録商標)表示、配当表といた項目が選択できるようになっている。具体的には、方向キースイッチ(図示略)及びサブ操作スイッチ45を操作することで、各項目を選択できるようになっている。
サブ操作スイッチ45が操作されても、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしている。これは、メニュー画面が表示されたときに、注意喚起画像を非表示としてしまうと、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞があるからである。
但し、注意喚起画像を表示する位置は、選択されている項目が分かるような位置としている。換言すると、選択されている項目が分かる範囲であれば、重ねて表示してもよい。また、注意喚起画像を表示する位置は、QRコード(登録商標)表示が選択された際に表示されるQRコード(登録商標)と可能な限り重ならない位置としている。これは、注意喚起画像が表示され続けることにより、遊技を終えようとする遊技者が、すぐに遊技を終えることができなくなることを防止するためである。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置41に表示するようにしたが、特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合は、特別遊技の終了時において、注意喚起画像を画像表示装置41で表示しないようにしてもよい。
これは、特別遊技中に付与される遊技メダルが極端に少なければ、遊技者の気が大きくなることもないし、これまでに使用した金額に対応する遊技メダルの数よりも特別遊技中に付与された遊技メダルの数が少なくても、取り返そうという気持ちに陥り難い(取り返すことが不可能に近いため)からである。
特別遊技中に付与された遊技メダルが極端に少ない場合の一例としては、AT遊技中であれば300枚未満の場合、ボーナス遊技中であれば50枚以下の場合などが挙げられる。
他の実施形態では、特別遊技の終了時において、終了画面とともに注意喚起画像を画像表示装置41に表示するようにしたが、終了画面を表示しないときは、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。たとえば、20回連続でAT遊技が行われるときは、20回目のAT遊技中に画像表示装置41で動画像を表示するようになっている。そして、20回目のAT遊技中にボーナス役が当選しても、ボーナス遊技中でも、ボーナス遊技の終了時にも、画像表示装置41では動画像を表示し続けたいため、ボーナス遊技の終了時に画像表示装置41で終了画面を表示しないようになっている。このようなときには、表示されている動画像を視認する際の妨げにもなるため、注意喚起画像も表示しないようにしてもよい。ただし、20回目のAT遊技の終了時には、画像表示装置41で終了画面を表示するとともに注意喚起画像を表示することが好ましい。
他の実施形態では、注意喚起画像の大きさを図71に示す大きさとしたが、のめり込み対策として期待されている効果を発揮できる大きさであればよく、図71に示す大きさよりも大きい注意喚起画像であってもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の大きさを状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの大きさと、演出画面とともに表示するときの大きさは異なる大きさであってもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合は、クレジット数として加算または払い出し後に画像表示装置41で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、すべてのリール21の回転が停止した後に画像表示装置41で表示するようにしてもよいし、最後のストップボタン33が離されたときに画像表示装置41で表示するようにしてもよい。また、遊技メダルが付与されない場合は、すべてのリール21の回転が停止した後に画像表示装置41で終了画面と注意喚起画像を表示するようにしたが、最後のストップボタン33が離されたとき画像表示装置で41表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、終了画面と注意喚起画像を同じタイミングで画像表示装置41に表示するようにしたが、終了画面を表示した後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。さらには、終了画面を表示してから所定時間の経過後に注意喚起画像を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、最終遊技において遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートレバー32が操作されたときに終了画面を非表示とするようにしたが、最終遊技において遊技メダルが付与される場合は、遊技メダルが投入(ベットボタン31が操作、投入口51より投入)されたときに終了画面を非表示としてもよい。
また、終了画面を表示してから所定時間が経過したときに非表示としてもよい。これは、画像表示装置41には、終了画面だけでなく、注意喚起画像も表示されているため、不安を感じた遊技者がスタートレバー32を操作しない可能性があるからである。
他の実施形態では、画像表示装置41を筺体の中央より上側に備えるようにしたが、画像表示装置41は筺体の中央に備えてもよい。その場合、画像表示装置41の中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央に注意喚起画像を表示すれば、遊技者の目の高さに近い位置に表示されることになる。なお、1つの画像表示装置41しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、筐体のデザインなどの影響により画像表示装置41が筺体の中央より下側に備えられることがある。なお、1つの画像表示装置41しか備えないのであれば、遊技者の視線はそこに集まるのだから、中央より上側、中央より上側右隅、中央より上側左隅、中央、中央より下側、中央より下側右隅、中央より下側左隅に注意喚起画像を表示してもよい。
また、特別遊技の終了時に表示する注意喚起画像の位置を状況によって変更するようにしてもよい。たとえば、終了画面とともに表示するときの位置と、演出画面とともに表示するときの位置は異なる位置であってもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に図78(a)から図78(c)が繰り返し表示されるようにしたが、表示する順番は入れ替えてもよい。たとえば、図79(a)から図79(c)が繰り返し表示されるようにしてもよい。遊技者が遊技を始める前にデモ画面を見るのは、遊技を始めようとするスロットマシンの題材が如何なるものであるかを確認するためである。他の実施形態のようにスロットマシンの題材を紹介する画像が表示される前に、注意喚起を行うための画像が表示されることにより、遊技意欲が著しく低下する虞がある場合には、表示する順番を入れ替えることが好ましい。なお、入れ替える順番は、これに限られるものではない。
他の実施形態では、遊技待機中に注意喚起画像を表示し続ける時間を3000ms未満にしたが、遊技を始めようとする遊技者にも、予めのめり込んではいけないということを印象づける必要があれば、3000ms以上表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技待機中に表示される注意喚起画像の位置と大きさを、特別遊技の終了時に表示されるときの位置と大きさと同じにしたが、表示する位置や大きさを状況によって、変更するようにしてもよい。たとえば、図80に示すように、遊技待機中に注意喚起画像を常時表示する場合には、画像表示装置41の中央より上側右隅に小さく表示してもよい。これは、注意喚起画像が表示され続ける時間が長くなるため、少しでも過度な注意喚起とならないようにするための工夫である。なお、表示する位置と大きさは、これに限られるものではない。
他の実施形態では、スタートレバー32が操作されてからすべてのリール21の回転が停止するまでの間にエラーが発生しても、すべてのリールの回転が停止するまでは、遊技の進行を停止しないようにしたが、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されるまでは、遊技の進行を停止しないようにしてもよい(遊技メダルが付与されない場合は除く)。
他の実施形態では、スタートレバー32が操作されてからすべてのリール21の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止すると、画像表示装置41にエラー画像を表示するようにしたが、エラーが発生したときにエラー画像を表示するようにしてもよい。これにより、遊技店員が駆けつけることができ、遊技の進行が停止後すぐにエラーを解除することができる。
他の実施形態では、スタートレバー32が操作されてからすべてのリール21の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップボタン33の操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、スタートレバー32が操作されてからすべてのリール21の回転が停止するまでの間にエラーが発生した場合、エラーの解除までに費やした時間に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラーの解除までに費やした時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。たとえば、エラーの解除までに60000ms以上費やしたときは、注意喚起画像を1000ms表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、注意喚起画像に重ねてエラー画像を表示するようにしたが、注意喚起画像を非表示とし、エラー画像を表示するようにしてもよい。そして、エラーが解除されたときは、エラー画像を非表示とし、注意喚起画像を表示するようにしてもよい。これは、エラー画像と注意喚起画像の優先度を同じにしたい場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含めず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしたが、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。エラー画像を表示しているか否か(エラーが発生したか否か)に関わらず、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)だけ注意喚起画像を表示し続ければよいので、副制御手段200による負担を増大させなくて済む。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、エラー画像を表示する(エラーが発生する)前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、エラー画像が表示されることにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、遊技の進行が停止している間も、最小遊技時間(4100ms)の計測は行われるようにしたが、最小遊技時間の計測を停止させるようにしてもよい。これにより、最短時間で遊技していれば、ストップスイッチの操作が有効になった後も注意喚起画像が表示され続けることはなく、遊技者に不快感を与えることもない。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下でエラーが発生した場合、エラー画像の優先度を注意喚起画像よりも高く設定したが、注意喚起画像の優先度をエラー画像よりも高く設定してもよい。ただし、注意喚起画像によって、発生したエラーの種類が特定できなくなることは好ましくないため、注意喚起画像を表示する位置は、発生したエラーの種類が明記される位置と重ならない位置にすることが好ましい。なお、発生したエラーの種類が特定できる程度であれば、重なっていても構わない。
また、この場合は、エラー画像を表示し続けている時間(エラーが解除されるまでに費やした時間)を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。
他の実施形態では、特別遊技の終了時に注意喚起画像が表示されている状況下で電力の供給が停止した場合、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めるようにしているが、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。これは、電力の供給が停止したことにより、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れる可能性が高い場合に好適である。
他の実施形態では、電力の供給が再開すると、すぐに起動(表示を再開)する画像表示装置41を用いたが、起動するまでに時間がかかる画像表示装置41を用いる場合も、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含め、予め定められた時間(3000ms以上、3210ms以下)は注意喚起画像を表示し続けるようにしてもよい。起動するまでの時間によっては、ストップボタン33の操作が有効になった後も注意喚起画像が表示し続けることになるため、遊技者に不快感を与える可能性があるが、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くすると、のめり込み対策として期待されている効果が発揮できなくなる虞が僅かながらもあるためである。ただし、遊技者に多大なる不快感を与える可能性があれば、起動するまでの時間またはその時間に対応する時間だけ、注意喚起画像を表示し続ける時間を短くしてもよい。なお、電力の供給が停止する前に表示され続けていた時間を含めないようにしてもよい。
他の実施形態では、遊技メダルが付与される場合、付与される遊技メダルがクレジット数として加算または実際に払い出されてから遊技メダルが投入(ベットボタン31が操作、投入口51より投入)されるまでの間に、サブ操作スイッチ(演出スイッチ)45が操作されると、画像表示装置41にメニュー画面を表示するようにしたが、遊技メダルが付与されるか否かに関わらず、スタートレバー32が操作されるまでの間に、サブ操作スイッチ45が操作されると、画像表示装置41にメニュー画面を表示するようにしてもよい。
他の実施形態では、注意喚起画像を表示する位置を、メニュー画面が表示されたときに、選択されている項目が分かるような位置にしたが、選択されている項目が分からなくなるような位置にしてもよい。このようにすることで、遊技者の意識が注意喚起画像から逸れることを抑制することができる。
他の実施形態では、図76や図77に示すように、注意喚起画像が表示され続けていても、スタートレバー32などの操作が有効となっている(遊技が進行する)が、注意喚起画像が表示され続けている間は、フリーズさせてもよい。換言すると、スタートレバー32などの操作が無効となる(遊技の進行を停止させる)ようにしてもよい。遊技者に不快感を与えることになるが、のめり込み対策として期待される効果を最大限発揮することができる。具体的には、長時間に亘って遊技の進行が停止するため、遊技意欲をある程低下させることができる。この場合の注意喚起画像が表示され続ける時間は、遊技意欲をある程度低下させることができる時間であることが適当である。しかし、過度に長すぎる(たとえば、最小遊技時間以上の時間である)と、遊技者が二度と遊技しない可能性がでてくる。ゆえに、3000ms以上、4100ms未満であることが好ましい。
また、フリーズさせる場合であれば、図81に示すように、画像表示装置41に終了画面を表示させた後、終了画面を非表示とするとともに注意喚起画像のみ表示するようにしてもよい。注意喚起画像のみ表示することで、遊技者の意識を確実に注意喚起画像に向けさせることができるため、のめり込み対策として期待される効果をより発揮することができる。なお、注意喚起画像を表示してから所定時間(3000ms以上、4100未満のうち、予め定めた時間)が経過した後、注意喚起画像を非表示とするとともに再び終了画面を表示するようにしてもよし、注意喚起画像のみを表示し続けてもよい。
まず、遊技待機中は図78(b)、図78(a)、図78(c)の順番で表示されるようにしたうえで、図81(b)を表示するタイミングのときに、図78(b)を表示し続けるようにしてもよい。これにより、図81(b)を表示するための画像を用意する必要がなくなる。
他の実施形態では、画像表示装置41で注意喚起を行うようにしたが、画像表示装置41以外でも注意喚起を行うようにしてもよい。たとえば、遊技者が認識し易い位置にある筐体のパネル部分に注意喚起画像を表示してもよい。
注意喚起画像は、例示したものに限られるものではない。たとえば、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」や「のめり込みに注意しましょう。パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。」が明記された画像であってもよい。
なお、文字の色やフォントは、遊技者が認識し難いものでなければ自由である。たとえば、注意喚起画像を表示する際の背景画像と色が似ていると、遊技者が認識し難くなる恐れがあるため、背景画像の大部分を占める色とは異なる色である方が好ましい。特に、色相環で正反対に位置する色(以下、「反対色」とも称する)または反対色に近しい色である方が、色が引き立つため好ましい。
他の実施形態では、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚のときを例に、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を算出したが、特別遊技中に付与される遊技メダルが最大で8枚以上15以下のときも、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。たしかに、15枚の遊技メダルが付与されるときは、8枚の遊技メダルが付与されるときよりも、費やす時間が約280ms増えるため、その分だけ、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間を短くすれば、ストップレバー32の操作が有効になる前に、注意喚起画像を非表示とすることはできる。ただし、ストップレバー32の操作が有効になってから約280ms後に、注意喚起画像を非表示としても、遊技者がそれに気づく可能性は著しく低いといえる。であれば、長ければ長い程、のめり込み対策として期待される効果を発揮することができるため、注意喚起画像を表示し続けるのに適当な時間は、3000ms以上、3210ms以下であることが好ましい。
(主な効果)
以下に、本実施形態に係る遊技機(スロットマシン1)の主な効果についてまとめる。まず、本実施形態に係る遊技機は、画像ROM440において、押し順を報知するときの画面に表示される押し順画像(第1の画像)と装飾画像(第2の画像)を分けて管理しているため、それぞれの画像を読み出して組み合わせて表示することにより、押し順を報知するときの画像のバリエーションを増やすことができるとともに、画像ROM440におけるこれらの画像の記憶容量を少なくすることができる。また、押し順画像のように、優先順位の高い画像(第1の画像)を描画する際に、他の優先順位の低い画像(装飾画像や、キャラクタ、背景等である第2の画像)により優先して表示させる、具体的には、ビデオRAM430のフレームバッファに展開するときに、第2の画像よりも第1の画像が後に展開する(描画コマンドリストにおいて、第1の画像を描画するためのコマンドが、第2の画像を描画するためのコマンドより後ろに位置するように配置する)ことで、優先順位の高い画像が表示されない等の状態を防ぐことができる。
なお、異常(エラー)が発生したきの報知や、リール21a〜21cが回転を開始して所定の時間が経過したにも拘わらず遊技者がストップボタン33a〜33cを操作しないときに操作を促す報知を、画像表示装置41に表示するときは、その表示内容に優先順位に応じて、押し順画像(第1の画像)の描画順序を決定するように構成することが望ましい。例えば、エラー画像は、押し順画像よりも優先順位が高いので、フレームバッファに対する展開が、エラー画像の方が押し順画像よりも後になるように描画コマンドリストを生成する。また、ストップボタン33a〜33cの操作を促す画像は、押し順画像よりも優先順位が高いので、フレームバッファに対する展開が、操作を促す画像の方が押し順画像よりも後になるように描画コマンドリストを生成する。このような構成とすることにより、重要な画像を必ず画像表示装置41に表示させることができる。
また、本実施形態に係る遊技機は、AT遊技の実行の決定や管理を主制御手段100側の内部遊技制御手段162で行っている。そして、押し順ベルや押し順リプレイに当選してその押し順を報知するときは、まず、主制御手段100により主表示器である獲得枚数表示器72に押し順を報知し、制御コマンドにより押し順を副制御手段200に通知し、この制御コマンドに基づいて、副制御基板300及び画像制御基板400で画像表示装置41に押し順を表示して報知するように構成されている。なお、主制御手段100から副制御手段200に送信される、押し順を報知する当選役に関する情報は、条件装置番号ではなく、この条件装置番号を、押し順を示す指示番号と、その種類を示す演出グループ番号にマスクして送信されるため、演出グループ番号からは当選役の種類(例えば、再遊技役−Aなのか、入賞役−A1〜A6のいずれかなのか)は分かっても、その正解押し順を知ることはできない。以上のような構成とすることにより、主制御手段100から誤った指示番号が送信された場合や、副制御手段200が主制御手段100から受信した指示番号とは異なる指示番号に対応する指示を行った場合であっても、既に、獲得枚数表示器72による指示表示が行われているので、遊技者は、その指示表示が主制御手段100と副制御手段200で異なっていることに気が付くとともに、このような場合であっても、獲得枚数表示器72による指示表示に従っていれば、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。なお、副制御手段200には、画像表示装置41による押し順の報知だけでなく、例えば、演出用ランプ42等を用いた報知手段(副表示器)を設けて押し順を報知するように構成してもよい。このように構成すると、画像表示装置41で押し順を報知することができないときも、副制御手段200側の副表示器で報知することができる。
なお、上述した各実施形態の構成やその変形例、さらに変形例の改良として記載した内容は、適宜組み合わせることができる。また、記載された効果は、本願発明から生じる最も好適な効果を記載したに過ぎず、これに限定されるものではない。
また、本発明は、ぱちんこ店等に設置されるスロットマシン(回胴式遊技機)を例に説明したが、ぱちんこ店等に設置されるぱちんこ遊技機、じやん球遊技機、アレンジボール遊技機、カジノに設置されるスロットマシンをはじめとするカジノマシンに適用可能である。