JP6606859B2 - 近赤外線カットフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、近赤外線カットフィルタに関する。
デジタルスチルカメラ等の撮像装置は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)等の固体撮像素子を含み、固体撮像素子を用いて被写体を撮像する。
固体撮像素子は、可視波長域から1100nm付近の近赤外波長域に分光感度を有しているので、固体撮像素子単体では、撮像画像の色再現性が十分でない。このため、撮像装置においては、近赤外波長域の光を遮蔽する近赤外線カットフィルタが、撮像レンズと固体撮像素子との間の光路に設置されている。撮像装置は、近赤外線カットフィルタを介して固体撮像素子が被写体を撮像することによって、人の通常の視感度に近づくように撮像画像が補正され、撮像画像の色再現性が向上する。
近赤外線カットフィルタは、可視波長域の光に対する透過率が高いことが要求される。近赤外線カットフィルタは、例えば、光学多層膜を基板に形成することによって構成されている。光学多層膜は、誘電体多層膜であって、低屈折率膜と高屈折率膜とが交互に基板に繰り返し積層されることで形成される(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−70825号公報
撮像装置の組立工程は、固体撮像素子を収納するパッケージ(筐体)と近赤外線カットフィルタとの間を接着する接着工程、または、近赤外線カットフィルタとローパスフィルタとの間を接着する接着工程などを含む。接着工程では、例えば、熱硬化型接着剤を用いて接着が行われる。このため、近赤外線カットフィルタなどの接着対象物は、一定時間、高温雰囲気で加熱された状態になる。
上記の接着工程を行った直後に、撮像画像の画像品質について確認を行うと、撮像画像が所望な色調にならない場合がある。この現象は、接着工程での加熱によって、近赤外線カットフィルタの分光透過率曲線(透過スペクトル)が変化することに起因する。そのため、接着工程から一定期間が経過した後に、撮像画像の画像品質について確認することが行われている。しかし、撮像装置の組立工程における生産性を考慮すると、接着工程の後に速やかに撮像画像を確認できることが好ましい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、撮像装置の組立工程における生産性を向上可能な、近赤外線カットフィルタの提供を目的とする。
本発明の近赤外線カットフィルタは、基板と光学多層膜とを有する。近赤外線カットフィルタにおいて、光学多層膜は、高屈折率層、および、その高屈折率層よりも屈折率が低い材料で形成された低屈折率層が基板の面に交互に積層されることによって設けられている。低屈折率層は、Al とZrO との混合物を用いて形成されており、高屈折率層は、TiO を用いて形成されている。近赤外線カットフィルタの透過スペクトルのうち630nm以上730nm以下の波長範囲において近赤外線側で透過率が15%になる波長が変動する波長シフト量は、160℃10分間の条件で加熱を行なった後であって常温常湿雰囲気に戻されて60秒間経過した状態と、前記加熱を行なった後であって常温常湿雰囲気に戻されて7200秒間経過した状態との間において、1.5nm以下である。
本発明によれば、撮像装置の組立工程における生産性を向上可能な、近赤外線カットフィルタの提供を目的とする。
図1は、実施形態に係る近赤外線カットフィルタ1を示す断面図である。 図2は、実施形態の変形例に係る近赤外線カットフィルタ1を示す断面図である。 図3は、実施形態に係る近赤外線カットフィルタを有する撮像装置の断面図である。 図4は、実施例1の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。 図5は、実施例2の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。 図6は、比較例の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。
以下より、本発明の実施形態について説明する。
[近赤外線カットフィルタ1の構成]
図1は、実施形態に係る近赤外線カットフィルタ1を示す断面図である。
図1に示すように、実施形態において、近赤外線カットフィルタ1は、基板2と光学多層膜3とを有する。
近赤外線カットフィルタ1のうち、基板2は、図1に示すように、板状体である。基板2は、例えば、銅成分を含有するフツリン酸ガラス、または、銅成分を含有するリン酸塩ガラスからなる。基板2が上記のガラスで形成されている場合には、近赤外線カットフィルタ1の分光透過率曲線(透過スペクトル)は、可視光が透過する透過帯から近赤外光の透過を阻止する近赤外光側阻止帯にかけて、透過率の傾きが緩やかになる。このため、人間の視感度特性に近い分光透過率が得られる。
なお、基板2は、銅を含有せずに、可視領域の波長に対する透過率が高い材料で形成されていてもよい。たとえば、基板2は、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、および、樹脂を用いて形成させていてもよい。また、基板2は、樹脂で形成された樹脂フィルム中に赤外線や紫外線を吸収する色素成分が含有したものであってもよい。その他、基板2は、赤外線や紫外線を吸収する色素成分を含む塗布膜が樹脂フィルムに塗布で形成されたものであってもよい。
特に、白板ガラスを基板2として用いることが好ましい。白板ガラスは、鉄等の遷移金属成分の含有量が少なく、可視領域の波長に対する透過率が高い。また、白板ガラスは、銅成分を含有するフツリン酸や銅成分を含有するリン酸ガラスと比べ、低価格で強度が高い。このため、白板ガラスを基板2として用いることによって、安価で扱いやすい近赤外線カットフィルタを提供することができる。
近赤外線カットフィルタ1のうち、光学多層膜3は、図1に示すように、基板2に設けられている。ここでは、光学多層膜3は、基板2において一方の主面(図1では上面)に形成されており、近赤外波長域の光を遮蔽するように構成されている。
光学多層膜3は、高屈折率層31と低屈折率層32とを含む誘電体多層膜であって、赤外線反射膜として機能する。具体的には、光学多層膜3は、高屈折率層31と低屈折率層32とが基板2の主面に交互に積層されている。光学多層膜3において、高屈折率層31および低屈折率層32は、誘電体であって、低屈折率層32は、高屈折率層31よりも屈折率が低い材料で形成されている。換言すると、光学多層膜3は、高屈折率層31と低屈折率層32とを組み合わせて構成される単位屈折率層33が、基板2の主面に繰り返し設けられて構成される。
なお、近赤外線カットフィルタ1は、基板2において光学多層膜3が設けられた一方の主面に対して反対側に位置する他方の主面(図1では下面)に、反射防止膜(図示省略)が形成されていてもよい。その他、近赤外線カットフィルタ1は、基板2において一方の主面と他方の主面との両者に光学多層膜3が形成されることによって、近赤外波長域の光を遮蔽するように構成されていてもよい
[波長シフト量Sについて]
本実施形態の近赤外線カットフィルタ1は、加熱後において透過スペクトル(分光透過率曲線)が変動する波長シフト量Sが、下記式(A)に示す関係を満たす。
Figure 0006606859
具体的には、式(A)において、波長シフト量Sは、近赤外線カットフィルタ1の透過スペクトル(分光透過率曲線)のうち630nm以上730nm以下の波長範囲において近赤外線側で透過率が15%になる波長が、近赤外線カットフィルタ1の加熱後に変動する値である。式(A)において、λ0は、上記のように近赤外線側で透過率が15%になる波長であり、160℃10分間の条件で加熱が行われた後であって常温常湿雰囲気(20℃±15℃、30〜85RH%)に戻されて60秒間経過した状態で計測された値である。式(A)において、λ1は、λ0と同様に、近赤外線側で透過率が15%になる波長であり、上記の条件(160℃10分間)で加熱が行われた後であって常温常湿雰囲気に戻されて7200秒間経過した状態で計測された値である。
式(A)から判るように、上記の波長シフト量Sは、上記加熱条件で加熱された後に、常温常湿雰囲気に戻されて60秒間経過した状態(λ0)と、7200秒間経過した状態(λ1)との間において、1.5nm以下である。
このように、本実施形態の近赤外線カットフィルタ1は、撮像装置の組立工程において接着工程で加熱された後であっても、波長シフト量Sが小さく、光学特性の変化量が非常に小さい。このため、本実施形態では、接着工程を行った後に、一定期間を空けることなく、撮像画像の画像品質について確認を行うことができる。その結果、撮像装置の生産性を向上させることができる。上記の波長シフト量Sが上記の上限値を超える場合には、撮像装置の組立工程において接着工程で加熱された後から更に一定期間が経過した後に、撮像画像の確認を行う必要がある。
この他に、本実施形態では、たとえば、夏季に窓およびドアが閉め切られた自動車の内部のような高温雰囲気から常温雰囲気に撮像装置が移動された直後であっても、近赤外線カットフィルタ1は、素早く常温雰囲気時の光学特性に戻る。もしくは高温雰囲気と常温雰囲気との間で光学特性の変動が非常に少ない。このため、近赤外線カットフィルタ1に起因して撮像画像の色変化が生じ難い。
また、上記波長シフト量Sは、1.5nm以下である。一般的な分光器の近赤外波長域における分光測定精度は±1nm程度である。そのため、上記波長シフト量Sが1.5nm以下である場合には、近赤外線カットフィルタ1は、実質的に分光器の測定誤差と同程度の非常に小さい変動しか生じない。上記の波長シフト量Sは、好ましくは、1nm以下である。
近赤外線カットフィルタ1の透過スペクトル(分光透過率曲線)のうち630nm以上、730nm以下の波長範囲において近赤外線側で透過率が15%になる波長に関して、波長シフト量Sを特定する理由を説明する。基板2が赤外線吸収成分を含有している場合には、上記のように近赤外線側で透過率が15%になる波長は、基板2と光学多層膜3との両者に起因して決まる。赤外線吸収成分を含有する基板2は、例えば、ガラスからなり、加熱による分光特性の変化は非常に小さい。しかし、その赤外線吸収成分を含有する基板2の光学特性は、赤外波長域において急峻には変化しない。このため、近赤外線側で透過率が15%になる波長は、光学多層膜3の分光特性に依存する。よって、基板2ではなく、光学多層膜3自体の特性を示すために、前述の波長シフト量Sは、上記のように近赤外線側で透過率が15%になる波長で特定している。
[高温雰囲気でのクラック発生について]
近赤外線カットフィルタ1の光学多層膜3は、120℃30分間の条件で近赤外線カットフィルタ1を加熱している最中に、クラックが発生しないことが好ましい。
この場合には、高温雰囲気において光学多層膜3にクラックが発生しにくい。このため、たとえば、夏季に窓およびドアが閉め切られた自動車の内部のように高温雰囲気に撮像装置が長時間放置された場合であっても、光学多層膜3に不具合が生じることがない。
[高屈折率層31および低屈折率層32の材料について]
近赤外線カットフィルタ1の光学多層膜3のうち、低屈折率層32は、AlとZrOとの混合物、および、MgFの少なくとも一方を用いて形成されることが好ましい。また、近赤外線カットフィルタ1の光学多層膜3のうち、高屈折率層31は、TiOを用いて形成されることが好ましい。
光学多層膜3は、内部に存在する空隙に水分が吸着することによって屈折率が変動する。また、光学多層膜3は、その水分が加熱で脱離することによって屈折率が変動する。このため、光学多層膜3は、水分の吸着および脱離に応じて、分光特性が変化する。
しかし、低屈折率層32の形成で好適に用いられる、AlとZrOとの混合物は、雰囲気中の水分を吸着・保持する絶対量が小さく、かつ、その水分が脱離する絶対量が小さい。そのため、水分の吸着脱離による屈折率変動が小さい。AlとZrOとの混合物は、Alの質量が3〜4に対して、ZrOの質量が7〜6であることが好ましい(Al:ZrO=3〜4:7〜6)。この範囲内であれば、Alの水分バリア性をZrOにより緩和する。その結果、光学多層膜3において水分の吸着および脱離が生ずる状況であっても、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が変化しにくい。
また、MgFは、AlとZrOとの混合物と同様に、雰囲気中の水分を吸着・保持する絶対量が小さく、かつ、その水分が脱離する絶対量が小さい。そのため、水分の吸着脱離による屈折率変動が小さい。また、MgFが多孔質構造であり透湿性が高いため、高屈折率層31の水分の吸着脱離を阻害しない。そのため、例えば、高屈折率層31としてTiOを用いたとしても、TiOの水分の吸着脱離を阻害しないため、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が変化しにくい。
また、高屈折率層31の形成で好適に用いられるTiOは、雰囲気中の水分を吸着する吸着速度が高く、また、加熱されたときに水分が脱離する脱離速度が高い。
したがって、上記の材料を用いて光学多層膜3が構成させる場合には、光学多層膜3において水分の吸着および脱離が生ずる状況であっても、実質的に水分に起因する屈折率変動が生じることがなく、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が変化しにくい。
なお、SiOは、雰囲気中の水分を吸着する吸着速度が低く、また、加熱された際に水分が脱離する脱離速度が低い。そのため、水の吸着脱離時の屈折率変動が長期間にわたり生じる。その結果、SiOを用いて光学多層膜3の低屈折率層32を形成した場合には、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が、加熱後から加熱前の状態に戻るのに、時間がかかる場合がある。よって、SiOを用いて光学多層膜3を形成しない方が好ましい。
近赤外線カットフィルタ1の光学特性においては、可視波長域と近赤外波長域との間に、透過率の変化が大きい波長領域が存在する。近赤外線カットフィルタ1は、光学多層膜3を含むように形成されることがある。しかし、少なくとも透過率の変化が大きい波長領域を形成する光学多層膜3のうち、低屈折率層32としてSiOを用いる場合には、前述のとおり、光学特性が加熱後の状態から加熱前の状態に戻るのに時間がかかる場合があるので、好ましくない。なお、透過率の変化が大きい波長領域以外は、光学特性の変動により影響がほとんどないので、その波長領域を形成する光学多層膜3にSiOを用いてもよい。
また、Alは、膜質が硬くかつ脆いため、近赤外線カットフィルタ1に温度変化が生じるとヒートショックで膜にクラックが生じるおそれがある。また、Alを用いて光学多層膜3を形成した場合には、TiOが雰囲気中の水分を吸着することや水分を脱離することを阻害してしまう。その結果、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が、加熱後から加熱前の状態に戻るのに、時間がかかる場合がある。
ZrOは、TiOと同様に、水との親和性が高く、また、加熱されたときに水分が脱離する脱離速度が高い。そのため、ZrOを用いて光学多層膜3を形成した場合には、TiOが雰囲気中の水分を吸着することや水分を脱離することを阻害できない。その結果、近赤外線カットフィルタ1の光学特性が、変化しやすくなる。
[光学多層膜3の形成法]
近赤外線カットフィルタ1において、光学多層膜3は、イオンアシスト(IAD;Ion Assisted Deposit)を用いない真空蒸着法によって形成されていることが好ましい。具体的には、真空中で薄膜材料を加熱し蒸発させることによって成膜を行うときに、その蒸発した薄膜材料が基板2の表面に到達する過程でガスイオンを補助的に用いずに成膜を行うことが好ましい。
イオンアシストを用いた真空蒸着法やスパッタリング法で光学多層膜3を形成した場合、膜が緻密になるので、耐傷性が高くなる。しかし、光学多層膜3が緻密であることに起因して、光学多層膜3の内部応力が高くなり、基板2が大きく変形するおそれがある。近赤外線カットフィルタ1は、撮像装置の小型化および薄型化に伴って、厚みを薄くすることが求められている。基板2が薄い場合、光学多層膜3の内部応力に起因して、基板2の変形(反り)が大きくなるので、近赤外線カットフィルタ1を製造するとき、および、近赤外線カットフィルタ1を搬送するときに、不具合が生じるおそれがある。
これに対して、イオンアシストを用いない真空蒸着法で光学多層膜3を形成した場合には、光学多層膜3の内部応力を小さくすることができる。その結果、基板2が薄い場合であっても、基板2の変形を抑制することができる。
[樹脂膜について]
図2は、実施形態の変形例に係る近赤外線カットフィルタ1を示す断面図である。
図2に示すように、近赤外線カットフィルタ1おいては、赤外線吸収成分を含有する樹脂膜4が、基板2に更に設けられていてもよい。
近赤外線カットフィルタ1は、光学多層膜3で近赤外線を反射すると共に、基板2に含有される近赤外線吸収成分で近赤外線を吸収することによって、近赤外線をカットする。この他に、上記の樹脂膜4が近赤外線カットフィルタ1に設けられている場合には、その樹脂膜4に含まれる赤外線吸収成分が近赤外線を吸収するので、近赤外光のカットを十分に行うことができる。つまり、近赤外線の透過を更に効果的に抑制可能である。その結果、撮像画像の色再現性を更に向上可能な撮像装置を提供することができる。
なお、上記の赤外線吸収成分としては、銅を含有した無機成分と、スクアリリウム色素、ジイモニウム色素等の有機成分とを適宜用いることができる。また、樹脂膜は、たとえば、ポリエチレン樹脂、ポリイミド樹脂等を用いて形成可能である。
[光学多層膜3の分光特性について]
光学多層膜3は、近赤外域の波長の光を反射し、可視域の波長の光を透過する分光特性を備えることが好ましい。具体的には、光学多層膜3は、波長が700〜1100nmである光の透過率の最大値が10%以下であると共に、波長が380〜700nmである光の透過率の最小値が90%以上であることが好ましい。なお、上記した光学多層膜3の分光特性は、基板2に光の吸収がないことを前提としたものである。
[基板2の厚みについて]
基板2は、厚みが1mm未満であることが好ましく、0.8mm未満であることがより好ましく、0.6mm未満であることがさらに好ましく、0.4mm未満であることが最も好ましい。
基板2の厚みを上記のようにすることで、カメラの薄膜化に対応した近赤外線カットフィルタ1を得ることができる。また、近赤外線カットフィルタ1自体を軽量化することができる。
基板2の厚みの下限値は、特に限定されない。ただし、近赤外線カットフィルタ1の製造時や、撮像装置50において近赤外線カットフィルタ1を組み込む際の搬送時において基板2が破損しにくい強度を考慮すると、基板2は、厚みが0.05mm以上であることが好ましく、0.07mm以上であることがより好ましく、0.1mm以上であることがさらに好ましい。
[撮像装置等の構成]
上述したように、近赤外線カットフィルタ1は、例えば、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ウェブカメラ等の撮像装置において、撮像レンズと固体撮像素子との間に配置される。この他に、近赤外線カットフィルタ1は、自動露出計等において視感度補正フィルタとして用いられており、例えば、受光素子の前面に配置される。
図3は、実施形態に係る近赤外線カットフィルタを有する撮像装置の断面図である。
図3に示すように、撮像装置50は、固体撮像素子51とカバーガラス52とレンズ群53と絞り54と筐体55と有する。撮像装置50において、固体撮像素子51、カバーガラス52、レンズ群53、および絞り54は、光軸xに沿うように、筐体55に設置されている。
本実施形態では、上記の近赤外線カットフィルタ1(図1参照)は、たとえば、カバーガラス52として用いられている。この他に、上記の近赤外線カットフィルタ1は、レンズ群53として撮像装置50に適用されてもよい。近赤外線カットフィルタ1を撮像装置50に用いることによって、透過率が低い波長領域についても、入射角依存性を効果的に低減可能であるので、撮像画像の中心部と周辺部との間において色目が変化することを抑制できる。
撮像装置50を構成する各部について、順次、説明する。
撮像装置50において、固体撮像素子51は、たとえば、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサであって、筐体55に設置されている。固体撮像素子51は、受光面S51に複数の光電変換素子(図示省略)が配列されており、入射した被写体像(光)を受け、光電変換を行うことによって電気信号を出力するように構成されている。
撮像装置50において、カバーガラス52は、板状体であって、固体撮像素子51の受光面S51側に配置されている。カバーガラス52は、外部環境から固体撮像素子51を保護するために設置されている。
撮像装置50において、レンズ群53は、固体撮像素子51の受光面S51側に配置されている。ここでは、レンズ群53は、例えば、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、および、第4レンズL4を有する。レンズ群53においては、固体撮像素子51の受光面S51側から、第4レンズL4、第3レンズL3、第2レンズL2、第1レンズL1が順次配列されている。
撮像装置50において、絞り54は、固体撮像素子51の受光面S51側において、第3レンズL3と第4レンズL4との間に配置されている。
撮像装置50において、筐体55は、内部に固体撮像素子51とカバーガラス52とレンズ群53と絞り54とを収容し、支持している。
撮像装置50では、被写体像が、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3、絞り54、第4レンズL4、および、カバーガラス52を介して、固体撮像素子51の受光面S51に入射することによって、固体撮像素子51で撮像される。そして、固体撮像素子51において被写体像が電気信号に変換され、画像信号として固体撮像素子51から出力される。
[A]試験サンプルの作成
(実施例1)
実施例1の近赤外線カットフィルタを作製する手順について説明する。
本例では、まず、基板として、ホウケイ酸ガラスのガラス板(商品面:FP−1,AGCテクノグラス社製,厚み0.5mm)を準備した。
つぎに、その準備した基板の一方の主面に光学多層膜を形成した。
ここでは、表1に示すように、TiOからなる高屈折率層、および、A1とZrOとの混合物からなる低屈折率層とを順次交互に積層することによって、光学多層膜を形成した。つまり、本例では、上記した高屈折率層および低屈折率層の繰り返し単位を、15回、繰り返すことによって、合計で30層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、光学多層膜として形成した。高屈折率層(TiO)および低屈折率層(A1とZrOとの混合物)については、表1に示す物理膜厚になるように、イオンアシストを用いない真空蒸着法で成膜した。「A1とZrOとの混合物」としては、商品名OM−6(キヤノンオプトラン社製;屈折率1.75)を用いた。
本例では、基板の他方の主面には、光学多層膜を形成していない。
なお、層数が小さい層は、基板側に位置し、層数が大きくなるに伴って層は空気側に位置することになる(他の実施例等も同様)。
Figure 0006606859
(実施例2)
実施例2の近赤外線カットフィルタを作製する手順について説明する。
本例では、まず、基板として、銅成分を含有するフツリン酸ガラスのガラス板(商品面:NF−50,AGCテクノグラス社製,厚み0.3mm)を準備した。
つぎに、その準備した基板において、一方の主面と他方の主面とのそれぞれに、光学多層膜を形成した。
基板の一方の主面においては、表2に示すように、TiOからなる高屈折率層、および、A1とZrOとの混合物からなる低屈折率層とを順次交互に積層することによって、光学多層膜を形成した。つまり、本例では、上記した高屈折率層および低屈折率層の繰り返し単位を、19回、繰り返すことによって、合計で38層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、光学多層膜として基板の一方の主面に形成した。高屈折率層(TiO)および低屈折率層(A1とZrOとの混合物)については、表2に示す物理膜厚になるように、イオンアシストを用いない真空蒸着法(加熱蒸着法)で成膜した。「A1とZrOとの混合物」としては、商品名OM−6(キヤノンオプトラン社製;屈折率1.75)を用いた。
Figure 0006606859
基板の他方の主面においては、表3に示すように、TiOからなる高屈折率層、および、SiOからなる低屈折率層を順次交互に積層することによって、光学多層膜を形成した。つまり、本例では、上記した高屈折率層および低屈折率層の繰り返し単位を、9回、繰り返すことによって、合計で18層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、光学多層膜として基板の他方の主面に形成した。高屈折率層(TiO)および低屈折率層(SiO)については、表3に示す物理膜厚になるように、イオンアシストを用いない真空蒸着法(加熱蒸着法)で成膜した。
Figure 0006606859
(比較例)
比較例の近赤外線カットフィルタを作製する手順について説明する。
本例では、まず、基板として、銅成分を含有するフツリン酸ガラスのガラス板(商品面:NF−50,AGCテクノグラス社製,厚み0.3mm)を準備した。
つぎに、その準備した基板の一方の主面に光学多層膜を形成した。
ここでは、表4に示すように、TiOからなる高屈折率層、および、SiOからなる低屈折率層を順次交互に積層することによって、光学多層膜を形成した。つまり、本例では、上記した高屈折率層および低屈折率層の繰り返し単位を、25回、繰り返すことによって、合計で50層の誘電体層で構成された誘電体多層膜を、光学多層膜として基板に形成した。高屈折率層(TiO)および低屈折率層(SiO)については、表4に示す物理膜厚になるように、イオンアシストを用いない真空蒸着法(加熱蒸着法)で成膜した。
本例では、基板の他方の主面には、光学多層膜を形成していない。
Figure 0006606859
[B]波長シフト量Sの確認
上記のように作製した近赤外線カットフィルタについて、波長シフト量Sについて確認した。
波長シフト量Sの確認を行うために、まず、近赤外線カットフィルタについて分光透過率を測定した。ここでは、加熱後に常温常湿雰囲気に戻されて60秒間経過した状態と、その加熱後に常温常湿雰囲気に戻されて7200秒間経過した状態とのそれぞれにおいて、近赤外線カットフィルタの分光透過率を測定することによって、透過スペクトル(分光透過率曲線)を得た。
具体的には、近赤外線カットフィルタ1について、160℃10分間の条件で加熱を行った。そして、その加熱後に近赤外線カットフィルタ1を常温常湿雰囲気(20℃、40RH%)に戻した。そして、常温常湿雰囲気に戻して60秒間経過した状態で、近赤外線カットフィルタの分光透過率を測定し、透過スペクトル(分光透過率曲線)を得た。また、常温常湿雰囲気に戻して7200秒間経過した状態で、近赤外線カットフィルタの分光透過率を測定し、透過スペクトル(分光透過率曲線)を得た。
図4は、実施例1の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。図5は、実施例2の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。図6は、比較例の透過スペクトル(分光透過率曲線)を示す図である。
図4,図5,図6において、横軸は、光の波長(nm)であり、縦軸は、透過率(%)である。また、図4,図5,図6のそれぞれにおいて、破線で示す曲線は、上記の加熱後に常温常湿雰囲気に戻して60秒間経過した状態の透過スペクトル(分光透過率曲線)である。そして、実線で示す曲線は、上記の加熱後に常温常湿雰囲気に戻して7200秒間経過した状態の透過スペクトル(分光透過率曲線)である。
[C]クラック有無の確認
上記のように作製した近赤外線カットフィルタについて、クラック有無の確認を行った。
ここでは、上記のように作製した実施例等の近赤外線カットフィルタを電気炉に載置し、120℃で30分間加熱した。そして、加熱が完了した後に近赤外線カットフィルタを電気炉から取り出した。そして、その近赤外線カットフィルタの光学多層膜にクラックが発生しているか否かを確認した。クラックの確認は、目視で行った。
[D]確認結果
表5は、上記した実施例等の近赤外線カットフィルタに関して、波長シフト量Sを確認した結果、および、クラック有無を確認した結果を示す表である。
Figure 0006606859
表5において、λ0およびλ1は、上記と同様に、近赤外線カットフィルタ1の透過スペクトル(分光透過率曲線)のうち630nm以上730nm以下の波長範囲において近赤外線側で透過率が15%になる波長である。λ0は、160℃10分間の条件で近赤外線カットフィルタ1が加熱された後であって常温常湿雰囲気に戻されて60秒間経過した状態で計測された値である。これに対して、λ1は、160℃10分間の条件で近赤外線カットフィルタ1が加熱された後であって常温常湿雰囲気に戻されて7200秒間経過した状態で計測された値である。
表5に示すように、波長シフト量Sは、実施例1および実施例2の場合が、比較例の場合よりも小さい。実施例1および実施例2では、上記した式(A)に示す関係を満足するのに対して、比較例では、上記した式(A)に示す関係を満足しない。このため、実施例1および実施例2の近赤外線カットフィルタは、上記したように、撮像装置の組立工程における生産性を向上可能である。
<その他>
上記した実施形態等は、例として示したものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、省略、置き換え、変更などを適宜行うことができる。
1…近赤外線カットフィルタ、2…基板、3…光学多層膜、31…高屈折率層、32…低屈折率層、33…単位屈折率層、50…撮像装置、51…固体撮像素子、52…カバーガラス、53…レンズ群、55…筐体、L1…第1レンズ、L2…第2レンズ、L3…第3レンズ、L4…第4レンズ、S51…受光面、x…光軸

Claims (4)

  1. 基板と、
    高屈折率層および前記高屈折率層よりも屈折率が低い材料で形成された低屈折率層が前記基板の面に交互に積層された光学多層膜と
    を有する近赤外線カットフィルタであって、
    前記低屈折率層は、Al とZrO との混合物を用いて形成されており、
    前記高屈折率層は、TiO を用いて形成されており、
    当該近赤外線カットフィルタの透過スペクトルのうち630nm以上730nm以下の波長範囲において近赤外線側で透過率が15%になる波長が変動する波長シフト量は、160℃10分間の条件で加熱を行った後であって常温常湿雰囲気に戻されて60秒間経過した状態と、前記加熱を行った後であって常温常湿雰囲気に戻されて7200秒間経過した状態との間において、1.5nm以下であることを特徴とする、
    近赤外線カットフィルタ。
  2. 前記基板は、厚みが1mm以下である、
    請求項1に記載の近赤外線カットフィルタ。
  3. 前記基板は、白板ガラス、銅元素を含有するリン酸ガラス、銅元素を含有するフツリン酸ガラス、赤外線カット成分を含有する樹脂のいずれかによって形成されている、
    請求項1または2に記載の近赤外線カットフィルタ。
  4. 前記基板の面に設けられ、赤外線カット成分を含有する樹脂膜
    を更に有する、
    請求項1からのいずれかに記載の近赤外線カットフィルタ。
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