JP6605647B2 - 電動ブレーキ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、コスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることが可能な電動ブレーキ装置に関する。
従来、電動ブレーキ装置として、以下のものが提案されている。
(1).ブレーキペダルを踏み込むことで、モータの回転運動を直動機構を介して直線運動に変換して、ブレーキパッドをブレーキディスクに押圧接触させて制動力を負荷する(特許文献1)。
(2).遊星ローラねじ機構を使用した電動式直動アクチュエータ(特許文献2)。
(3).歪センサを用いたブレーキ力推定手段(特許文献3)。
特開平6−327190号公報 特開2006−194356号公報 特開2003−287063号公報
モータの回転運動を直線運動に変換する前記(1)の電動ブレーキ装置、遊星ローラねじ機構を使用した前記(2)の電動ブレーキ装置において、ブレーキ力を精度良く制御するためにブレーキ力推定手段を設け、フィードバック要素を持つ制御系を構成する必要がある。その際、例えばマイクロコンピュータ等の演算器を用いて、所定のサンプリング時間毎に演算を繰り返すディジタル制御系を構成することが一般的である。
このとき、サンプリング時間を短く設定するほど高速・高精度な制御が可能となる一方、前記ブレーキ力推定手段の分解能への要求も高くなる。前記分解能が不足すると、制御系の安定性が損なわれ、制御精度が低下する可能性がある。
また、例えば、ABS制御においては、車輪のスリップを防止するためにブレーキ力を高速・高精度に制御することが要求される。応答速度や制御精度が不足すると、車輪がスリップ限界を超えて操舵に悪影響を与える、あるいは逆にブレーキ力の低下により制動距離が伸びてしまう、等の問題が発生する可能性がある。
摩擦パッド押圧時の反力による変形や歪を検出し、ブレーキ力を推定する前記(3)の電動ブレーキ装置では、高精度なセンサを構成するためには、構成部材を大きく変形させる必要があるため、剛性や耐久性の低下が問題となる可能性がある。また、ノイズ対策として効果の高いシールドや絶縁が必要になる場合があるため、コスト増加や実装スペースの増加となる可能性がある。
この発明の目的は、コスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることができる電動ブレーキ装置を提供することである。
この発明における第1の発明の電動ブレーキ装置は、電動モータ2と、ブレーキロータ5と、このブレーキロータ5と接触してブレーキ力を発生させる摩擦材6と、前記電動モータ2の回転運動を前記摩擦材6の運動に変換する伝達機構4と、ブレーキ操作手段29の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段26aと、前記ブレーキ力を発生させる前記伝達機構4の荷重を検出する荷重検出手段13と、前記電動モータ2の回転角を検出するモータ回転角検出手段28と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータ2を制御する制御装置7とを備えた電動ブレーキ装置において、
前記モータ回転角検出手段28が、前記ブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段30の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有し、
前記制御装置7は、前記荷重検出手段13と、前記モータ回転角検出手段28と、少なくとも電動ブレーキ装置剛性に基づく伝達機構4の荷重とモータ回転角との所定の相関と、を用いてブレーキ力を推定する機能を有し、
前記荷重検出手段13から求められる推定ブレーキ力の最小分解能に対して、前記モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかを、電動ブレーキ装置のキャリパ剛性および等価リードにより推定しこの推定結果に基づき、前記荷重検出手段13から求められる推定ブレーキ力の最小分解能を、前記モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角から求められる推定ブレーキ力を用いて補間することにより、前記推定ブレーキ力の最小分解能を前記荷重検出手段13から求められる推定ブレーキ力の最小分解能よりも詳細な分解能とする分解能補間手段37を有することを特徴とする。
前記最小ブレーキ力は、前記ブレーキ力推定手段30で検出可能な最小のブレーキ力である。
前記「分解能」は、検出可能なブレーキ力またはモータ回転角の最小間隔を表し、ディジタルデータではbit数等で表される。
この構成によると、モータ回転角検出手段28は、ブレーキ力推定手段30の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有する。このモータ回転角検出手段28は安価で且つ高分解能なものが広く実用に供されているため、このモータ回転角検出手段28を電動ブレーキ装置に実装することが容易である。またモータ回転角検出手段28は、電動モータ2に本来備わっている既存の検出手段を適用し得るため、このモータ回転角検出手段の実装スペースを確保する必要がなく、専用のセンサをこの電動ブレーキ装置に新たに追加する必要がないため、コスト低減を図れる。
ブレーキ力が零から最大値まで推移する間、例えば、検出されるモータ回転角は、モータ回転角検出手段28における角度「0」から最大角度までのフルスケールを複数回推移する。ブレーキ力の最小分解能に対して、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかは、キャリパ剛性や等価リード等の予め与えられる情報により推定することができる。この推定結果に基づき、制御装置7の分解能補間手段37は、ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力の最小分解能を、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角により補間する。そうすると、例えば、ブレーキ力の検出分解能が、目標とするブレーキ力の要求分解能より低い場合においても、中間値をモータ回転角により補間して制御することができる。このようにコスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることができる。
前記荷重検出手段13は、前記伝達機構4の軸方向荷重を検出する荷重センサ13であっても良い。この場合、制御装置7は、伝達機構4の直動部14がブレーキロータ5から離反した位置からアウトボード側に前進させて摩擦パッド6がブレーキロータ5に当接し、その反力をこの荷重センサ13で検出可能な最小の検出値つまりブレーキ力を取得する。ブレーキ操作手段29をさらに踏込む操作量に従って、荷重センサ13で検出されるブレーキ力は次第に大きくなる。この荷重センサ13を用いることで、ブレーキ操作手段29のセンサ出力とモータ電流とから、ブレーキ力の推定値を求めるよりも、ブレーキ力を精度良く検出し得る。
前記分解能補間手段37は、
前記ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力が定められた値以上変化した時点でのブレーキ力推定結果と、前記モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角との関係を決定し、 前記ブレーキ力推定結果に定められた正負の加算値を加算したそれぞれの次なるブレーキ力推定結果までの中間値を、前記モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角に基づいて補間するものとしても良い。
前記定められた値は、例えば、実験やシミュレーション等の結果から、要求に応じて任意に定められる。
前記分解能補間手段37は、前記ブレーキ力指令手段26aで生成される前記ブレーキ力の指令値と、前記ブレーキ力推定結果との差が大きい程、前記定められた値を大きくしても良い。
前記分解能補間手段37は、前記ブレーキ力指令手段26aで生成される前記ブレーキ力の指令値と、前記ブレーキ力推定結果との差の変化率が大きい程、前記定められた値を大きくしても良い。
前記定められた値を大きくすると、分解能は低下するが耐ノイズ性が向上する。ブレーキ力の指令値とブレーキ力推定結果との差、または、この差の変化率が大きい場合は、分解能を補間する効果が比較的小さいため、分解能補間手段37は、前記差または前記差の変化率に応じて前記定められた値を大きくするいわゆる間引き処理を実行する。これにより制御装置7の演算負荷の軽減を図ることができる。
参考提案例の電動ブレーキ装置は、電動モータ2と、ブレーキロータ5と、このブレーキロータ5と接触して制動力を発生させる摩擦パッド6と、前記電動モータ2の回転運動を前記摩擦パッド6の運動に変換する伝達機構4と、ブレーキ操作手段29の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段26aと、前記摩擦パッド6を前記ブレーキロータ5に押し付けるブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段30と、前記電動モータ2の回転角を検出するモータ回転角検出手段28と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータ2を制御する制御装置7とを備えた電動ブレーキ装置において、
前記モータ回転角検出手段28が、前記ブレーキ力推定手段30の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有し、
前記制御装置7は、前記モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角を、前記ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力により、所定のモータ回転角とブレーキ力とを関連付ける演算手段37を有することを特徴とする。
ブレーキ力が零から最大値まで推移する間、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角は、角度「0」から最大角度までのフルスケールを複数回推移し、また摩擦パッド摩耗等により摩擦パッドとブレーキロータが接触を開始するピストン位置すなわちモータ回転角が変化するため、モータ回転角検出手段28のみでは所望のブレーキ力を精度よく発揮するためのモータ回転角の絶対角度は不明である。この構成によると、制御装置7の演算手段37は、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角と、前記ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力との関係から所望のブレーキ力を発揮するためのモータ回転角の絶対角度を求め得る。したがってコスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることができる。
この発明における第1の発明の電動ブレーキ装置は、電動モータと、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生させる摩擦材と、前記電動モータの回転運動を前記摩擦材の運動に変換する伝達機構と、ブレーキ操作手段の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段と、前記ブレーキ力を発生させる前記伝達機構の荷重を検出する荷重検出手段と、前記電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータを制御する制御装置とを備えた電動ブレーキ装置(前提構成)において、前記モータ回転角検出手段が、前記ブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有し、前記制御装置は、前記荷重検出手段と、前記モータ回転角検出手段と、少なくとも電動ブレーキ装置剛性に基づく伝達機構の荷重とモータ回転角との所定の相関と、を用いてブレーキ力を推定する機能を有し、前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能に対して、前記モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかを、電動ブレーキ装置のキャリパ剛性および等価リードにより推定しこの推定結果に基づき、前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能を、前記モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角から求められる推定ブレーキ力を用いて補間することにより、前記推定ブレーキ力の最小分解能を前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能よりも詳細な分解能とする分解能補間手段を有する。このため、コスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることができる。
この発明の第1の実施形態に係る電動ブレーキ装置の要部の断面図である。 同電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。 同電動ブレーキ装置におけるブレーキ動作時の概念図である。 同電動ブレーキ装置において、モータ回転角でブレーキ力推定値を補間する一例を示すフローチャートである。
この発明の実施形態に係る電動ブレーキ装置を図1ないし図4と共に説明する。
図1に示すように、この電動ブレーキ装置は、ハウジング1と、電動モータ2と、この電動モータ2の回転を減速する減速機構3と、伝達機構である直動機構4と、ブレーキロータ5と、摩擦パッド6と、図示外のロック機構と、電動モータ2を制御する制御装置7とを有する。キャリパであるハウジング1に電動モータ2が支持される。ハウジング1内には、電動モータ2の出力によりブレーキロータ5、この例ではディスクロータに対して制動力を負荷する直動機構4が組み込まれている。ハウジング1の開口端はカバー8によって覆われている。
直動機構4について説明する。
直動機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換して、ブレーキロータ5に対して摩擦パッド6を当接離隔させる機構である。この直動機構4は、電動モータ2により回転駆動される回転軸9と、この回転軸9の回転運動を直線運動に変換する変換機構部10と、拘束部11,12と、荷重センサ13とを有する。変換機構部10は、直動部14と、軸受部材15と、環状のスラスト板16と、スラスト軸受17と、複数の転がり軸受18と、キャリア19と、すべり軸受20,21と、複数の遊星ローラ22とを有する。
ハウジング1の内周面に、円筒状の直動部14が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。直動部14の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起が設けられている。この螺旋突起に複数の遊星ローラ22が噛合している。
ハウジング1内における直動部14の軸方向一端側に、軸受部材15が設けられている。この軸受部材15は、径方向外方に延びるフランジ部と、ボス部とを有する。このボス部内に複数の転がり軸受18が嵌合され、これら転がり軸受18の内輪内径面に回転軸9が嵌合されている。回転軸9は、軸受部材15に複数の転がり軸受18を介して回転自在に支持される。
直動部14の内周には、回転軸9を中心に回転可能なキャリア19が設けられている。キャリア19は、軸方向に互いに対向して配置されるディスクを有する。軸受部材15に近いディスクをインナ側ディスクといい、他方のディスクをアウタ側ディスクという場合がある。アウタ側ディスクのうち、インナ側ディスクに臨む側面には、この側面における外周縁部から軸方向に突出する間隔調整部材が設けられる。この間隔調整部材は、複数の遊星ローラ22の間隔を調整するため、円周方向に等間隔を空けて複数配設されている。これら間隔調整部材により、両ディスクが一体に設けられる。
インナ側ディスクは、回転軸9との間に嵌合されたすべり軸受20により、回転自在に支持されている。アウタ側ディスクには、中心部に軸挿入孔が形成され、この軸挿入孔にすべり軸受21が嵌合されている。アウタ側ディスクは、すべり軸受21により回転軸9に回転自在に支持される。回転軸9の両端部には、スラスト荷重を受けて回転軸9の軸方向位置を拘束する拘束部11,12が設けられる。各拘束部11,12は、例えば、ワッシャ等からなるストッパ片から成る。回転軸9の両端部には、これら拘束部11,12の抜け止め用の止め輪が設けられる。
キャリア19には、複数のローラ軸23が周方向に間隔を空けて設けられている。各ローラ軸23の両端部が、インナ側ディスク,アウタ側ディスクにわたって支持されている。すなわち両ディスクには、それぞれ長孔から成る軸挿入孔が複数形成され、各軸挿入孔に各ローラ軸23の両端部が挿入されてこれらローラ軸23が各軸挿入孔の範囲で径方向に移動自在に支持される。複数のローラ軸23における軸方向両端部には、それぞれ、これらローラ軸23を径方向内方に付勢する弾性リング24が掛け渡されている。
各ローラ軸23に、遊星ローラ22が回転自在に支持され、各遊星ローラ22は、回転軸9の外周面と、直動部14の内周面との間に介在される。複数のローラ軸23に渡って掛け渡された弾性リング24の付勢力により、各遊星ローラ22が回転軸9の外周面に押し付けられる。回転軸9が回転することで、この回転軸9の外周面に接触する各遊星ローラ22が接触摩擦により回転する。遊星ローラ22の外周面には、直動部14の螺旋突起に噛合する螺旋溝が形成されている。
減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸9に固定された出力ギヤ25に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列(図示せず)を含む。この例では、減速機構3は、電動モータ2の図示外のロータ軸に取り付けられた入力ギヤ(図示せず)の回転を前記ギヤ列により順次減速して、出力ギヤ25に伝達可能としている。
前記ロック機構は、直動機構4の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。
図2は、この電動ブレーキ装置の制御系のブロック図である。この電動ブレーキ装置の制御装置7はインバータ装置27であり、このインバータ装置27の上位制御手段であるECU26として、例えば、車両全般を制御する電気制御ユニットが適用される。ECU26にブレーキ力指令手段26aが設けられる。このブレーキ力指令手段26aは、ブレーキ操作手段29であるブレーキペダルの操作量に応じて変化するセンサ29aの出力に応じて、目標とするブレーキ力の指令値を生成し出力する。
インバータ装置27は、摩擦パッド6(図1)をブレーキロータ5(図1)に押し付けるブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段30と、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部31と、このパワー回路部31を制御するモータコントロール部32と、電流検出手段34とを有する。
ブレーキ力推定手段30は、ブレーキ操作手段29の操作量に応じて変化するセンサ29aの出力と、電流検出手段34で検出されるモータ電流とから、相応のブレーキ力の推定値を演算により求める。前記センサ29aの出力、モータ電流、およびブレーキ力の推定値の関係は、予め、実験やシミュレーション等の結果により定められ、記録手段38に書換え可能に記録されている。
ブレーキ力推定手段30は、この他に、直動機構4の軸方向荷重を検出する荷重センサ13の検出値を用いるものとして良い。この場合、車両の運転者がブレーキ操作手段29をリリースした状態から踏込むと、制御装置7は、直動部14(図1)をブレーキロータ5(図1)から離反した位置からアウトボード側に前進させて摩擦パッド6がブレーキロータ5に当接し、その反力をこの荷重センサ13で検出可能な最小の検出値つまり最小ブレーキ力を取得する。
ブレーキ操作手段29をさらに踏込む操作量に従って、荷重センサ13で検出されるブレーキ力は次第に大きくなる。この荷重センサ13を用いることで、センサ29aの出力とモータ電流とから、ブレーキ力の推定値を求めるよりも、ブレーキ力を精度良く検出し得る。
モータコントロール部32は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成される。モータコントロール部32は、ブレーキ力指令手段26aから与えられるブレーキ力の指令値およびブレーキ力推定手段30で推定されるブレーキ力の推定値に応じて、電圧値による電流指令に変換して、この電流指令をパワー回路部31に与える。モータコントロール部32は、電動モータ2に関する各検出値や制御値等の各情報をECU26に出力する機能を有する。
パワー回路部31は、電源35の直流電力を電動モータ2の駆動に用いる3相の交流電力に変換するインバータ31bと、このインバータ31bを制御するPWM制御部31aとを有する。電動モータ2は3相の同期モータ等からなる。この電動モータ2には、ロータ(図示せず)の回転角を検出するモータ回転角検出手段28が設けられている。インバータ31bは、複数の半導体スイッチング素子(図示せず)で構成され、PWM制御部31aは、入力された電流指令をパルス幅変調し、前記各半導体スイッチング素子にオンオフ指令を与える。
モータコントロール部32は、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部36を有する。このモータ駆動制御部36は、前述のブレーキ力の指令値および推定値に従い、電圧値による電流指令に変換して、パワー回路部31のPWM制御部31aに電流指令からなるモータ動作指令値を与える。モータ駆動制御部36は、ブレーキ力の指令値に対し、インバータ31bから電動モータ2に流すモータ電流を電流検出手段34から得て、電流フィードバック制御を行う。またモータ駆動制御部36は、電動モータ2のロータ(図示せず)の回転角すなわちモータ回転角をモータ回転角検出手段28から得て、モータ回転角に応じた効率的なモータ駆動が行えるように、PWM制御部31aに電流指令を与える。
モータ駆動制御部36には、分解能補間手段37が設けられる。この分解能補間手段37は、ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力の最小分解能を、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角により補間する。この場合に、最小ブレーキ力から最大ブレーキ力を発揮するまでの少なくとも一部のブレーキ力領域において使用される、モータ回転角検出手段28は、ブレーキ力推定手段30の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有する。
分解能補間手段37は、ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力が定められた値以上変化した時点でのブレーキ力推定結果と、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角との関係を決定する。さらに分解能補間手段37は、ブレーキ力推定結果に定められた正負の加算値を加算したそれぞれの次なるブレーキ力推定結果までの中間値を、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角に基づいて補間する。
前記定められた値は、例えば、実験やシミュレーション等の結果から、要求に応じて任意に定められ、記録手段38に書換え可能に記録される。分解能補間手段37は、ブレーキ力指令手段26aで生成されるブレーキ力の指令値と前記ブレーキ力推定結果との差、または、ブレーキ力の指令値と前記ブレーキ力推定結果との差の変化率が大きい程、前記定められた値を大きくする。
前記定められた値を大きくすると、分解能は低下するが耐ノイズ性が向上する。ブレーキ力の指令値とブレーキ力推定結果との差、または、この差の変化率が大きい場合は、分解能を補間する効果が比較的小さいため、分解能補間手段は、前記差または前記差の変化率に応じて前記定められた値を大きくするいわゆる間引き処理を実行する。これにより制御装置7の演算負荷の軽減を図ることができる。
図3は、この電動ブレーキ装置におけるブレーキ動作時の概念図である。以後、図1、図2も適宜参照しつつ説明する。図3(a)に示すように、この電動ブレーキ装置において、ブレーキ力が零から最大値まで推移する間、例えば、検出されるモータ回転角は、モータ回転角検出手段28における角度「0」から最大角度までのフルスケールを複数回推移する。
図3(b)は、図3(a)の一点鎖線で囲んだ一部区間において、ブレーキ力検出結果を補間する例を示す。ブレーキ力の最小分解能に対して、モータ回転角検出手段28で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかは、キャリパ剛性や等価リード等の予め与えられる情報により推定し得る。この推定結果に基づき、制御装置7の分解能補間手段37は、ブレーキ力推定手段30で求められるブレーキ力の最小分解能を、モータ回転角検出手段28により補間する。そうすると、例えば、ブレーキ力の検出分解能が、目標とするブレーキ力の要求分解能より低い場合においても、中間値をモータ回転角により補間して制御し得る。
図4は、この電動ブレーキ装置において、モータ回転角でブレーキ力推定値を補間する一例を示すフローチャートである。例えば、この電動ブレーキ装置を搭載する車両の主電源を投入する条件で本処理を開始し、演算手段である分解能補間手段37は、ブレーキ力推定手段30からブレーキ力F(k)を取得し、そのブレーキ力F(k)のときのモータ回転角θ(k)をモータ回転角検出手段28から取得する(ステップS1)。取得されたブレーキ力F(k)およびモータ回転角θ(k)は、記録手段38に一時的に記録される。
次に、分解能補間手段37は、取得されたブレーキ力F(k)が、記録手段38に記録された直近のブレーキ力F(k−1)に対して変化したか否かを判定する(ステップS2)。変化したとの判定で(ステップS2:yes)、分解能補間手段37は、ブレーキ力F(k)を基準ブレーキ力Fbに設定し、ブレーキ力F(k)のときのモータ回転角θ(k)を基準回転角θbに設定する(ステップS3)。その後、分解能補間手段37は、現在のブレーキ力FをF(k)に設定して(ステップS4)本処理を終了する。なお前記基準ブレーキ力Fbおよび前記基準回転角θbは記録手段38に記録される。
ステップS2において、ブレーキ力F(k)が直近のブレーキ力F(k−1)に対し変化していないとの判定で(ステップS2:no)、分解能補間手段37は、ブレーキ力1LSB当たりのモータ回転角θLSBを取得する(ステップS5)。次に、分解能補間手段
37は、ブレーキ力1LSB当たりのモータ回転角の変化率θrを算出する(ステップS6)。変化率θrは、モータ回転角θ(k)から基準回転角θbを減じた値を、モータ回転角θLSBで除して求められる。次に、分解能補間手段37は、現在のブレーキ力Fを次
式F=Fb+(FLSB×θr)により演算する(ステップS7)。その後本処理を終
了する。なお、LSBとは最下位ビット(最下位ビット、least signific
ant bit、LSBと略記)は、コンピュータにおいて 二進数で最も小さな値を意味するビット位置のことである。

ところで図1に示す電動ブレーキ装置は、例えば、この電動ブレーキ装置を搭載する車両の車輪ホイール内部に搭載されるため、同電動ブレーキ装置の体積は極力小さいことが好ましい。この電動ブレーキ装置のモータトルクに対する摩擦パッド6の押圧力すなわちブレーキ力は、減速機構3による減速比、および、直動機構4の回転入力に対する直動距離を総じた性能、つまりモータ回転に対する等価リードにより決定される。また、モータトルクは一般にモータ体積に依存する。すなわち電動ブレーキ装置の体積を小さくするうえで、前記等価リードを十分小さくする必要がある。
一方で、摩擦パッド6をブレーキロータ5に押圧させる際、周辺部材はこの押圧力によって変形する。この変形量に応じて、直動機構4を突出させる必要がある。例えば、ディスクブレーキの場合、一般に、最大ブレーキ力を発揮する際の摩擦パッド6や、ハウジング1すなわちキャリパを含めた変形量は0.5mm〜1mm程度であることが多い。この実施形態に係る電動ブレーキ装置において、例えば、モータ1回転当たりの等価リードを0.05mm〜0.2mm程度に設定する。この設定によって、概ね既存の油圧式ブレーキに近い搭載スペースに実装することが可能なモータサイズの電動ブレーキ装置を実現できる。
以上説明した電動ブレーキ装置によると、前述の一部のブレーキ力領域において使用される、モータ回転角検出手段は、ブレーキ力推定手段の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有する。このモータ回転角検出手段としては、安価で且つ高分解能なセンサ、例えば、レゾルバやGMRセンサ等が広く実用に供されているため、このモータ回転角検出手段を電動ブレーキ装置に実装することが容易である。またモータ回転角検出手段は、電動モータに本来備わっている既存の検出手段を適用し得るため、このモータ回転角検出手段の実装スペースを確保する必要がなく、専用のセンサをこの電動ブレーキ装置に新たに追加する必要がないため、コスト低減を図れる。
ブレーキ力が零から最大値まで推移する間、例えば、検出されるモータ回転角は、モータ回転角検出手段における角度「0」から最大角度までのフルスケールを複数回推移する。ブレーキ力の最小分解能に対して、モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかは、キャリパ剛性や等価リード等の予め与えられる情報により推定することができる。この推定結果に基づき、制御装置の分解能補間手段は、ブレーキ力推定手段で求められるブレーキ力の最小分解能を、モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角により補間する。そうすると、例えば、ブレーキ力の検出分解能が、目標とするブレーキ力の要求分解能より低い場合においても、中間値をモータ回転角により補間して制御することができる。このようにコスト増加を必要とせずに制御精度の向上を図ることができる。
この実施形態では、一例としてディスクブレーキタイプの電動ブレーキ装置が適用されるが、ディスクブレーキタイプだけに限定されるものではなくドラムブレーキタイプであっても良い。また直動機構として、遊星ローラタイプを用いて説明したが、ボールねじタイプ、ボールランプタイプなど、他のタイプを用いても良い。
2…電動モータ
4…直動機構(伝達機構)
5…ブレーキロータ
6…摩擦パッド
7…制御装置
13…荷重センサ
26a…ブレーキ力指令手段
28…モータ回転角検出手段
29…ブレーキ操作手段
30…ブレーキ力推定手段
37…分解能補間手段

Claims (2)

  1. 電動モータと、ブレーキロータと、このブレーキロータと接触してブレーキ力を発生させる摩擦材と、前記電動モータの回転運動を前記摩擦材の運動に変換する伝達機構と、ブレーキ操作手段の操作量から目標とするブレーキ力の指令値を生成するブレーキ力指令手段と、前記ブレーキ力を発生させる前記伝達機構の荷重を検出する荷重検出手段と、前記電動モータの回転角を検出するモータ回転角検出手段と、前記ブレーキ力の指令値および推定値に応じて前記電動モータを制御する制御装置とを備えた電動ブレーキ装置において、
    前記モータ回転角検出手段が、前記ブレーキ力の推定値を求めるブレーキ力推定手段の最小ブレーキ力分解能と同等のブレーキ力変動を発生させるモータ回転角よりも高い分解能を有し、
    前記制御装置は、前記荷重検出手段と、前記モータ回転角検出手段と、少なくとも電動ブレーキ装置剛性に基づく伝達機構の荷重とモータ回転角との所定の相関と、を用いてブレーキ力を推定する機能を有し、
    前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能に対して、前記モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角がどれだけ推移するかを、電動ブレーキ装置のキャリパ剛性および等価リードにより推定しこの推定結果に基づき、前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能を、前記モータ回転角検出手段で検出されるモータ回転角から求められる推定ブレーキ力を用いて補間することにより、前記推定ブレーキ力の最小分解能を前記荷重検出手段から求められる推定ブレーキ力の最小分解能よりも詳細な分解能とする分解能補間手段を有することを特徴とする電動ブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載の電動ブレーキ装置において、前記荷重検出手段は、前記伝達機構の軸方向荷重を検出する荷重センサである電動ブレーキ装置。
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