JP6604346B2 - 鉄鋼スラグの選別方法、鉄鋼スラグの再利用方法および製鉄用原料の製造方法 - Google Patents

鉄鋼スラグの選別方法、鉄鋼スラグの再利用方法および製鉄用原料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鉄工場で発生した鉄鋼スラグの選別方法、鉄鋼スラグの再利用方法および製鉄用原料の製造方法に関する。
製鉄工場における製銑工程、製鋼工程で発生する鉄鋼スラグには20〜30質量%程度の鉄が含有されているので、鉄鋼スラグをそのまま路盤材等にすると製鉄における鉄歩留まりが低下する。そのため、鉄鋼スラグを、スラグ分(カルシウム、珪素、アルミニウムなど)と鉄分とに分離し、分離された鉄分を製銑工程または製鋼工程でリサイクルする方法が多数提案されている。
特許文献1には、製鋼スラグを圧力容器内で水蒸気を用いて粉砕し、粉砕された製鋼スラグを磁力選別によってスラグ分と鉄分とに分離し、分離された鉄分を製銑または製鋼用の鉄原料としてリサイクルする方法が開示されている。
特許文献2には、風砕された製鋼スラグを磁力選別して磁着スラグ塊と、非磁着スラグ塊とに分離して磁着スラグ塊を回収し、さらに、非磁着スラグ塊を粉砕し、磁力選別して磁着スラグ粉と非磁着スラグ粉に分離して磁着スラグ粉を回収する製鋼スラグの鉄を回収する方法が開示されている。
特許文献3には、粉砕したスラグに段階的に磁場強度を変化させた磁力を付与することで、スラグに含まれるFe、FeO、Fe、Feを段階的に分離する方法が開示されている。
特許第3238227号公報 特許第4767406号公報 特許第5656172号公報
特許文献1では、製鋼スラグを磁着物と非磁着物とに磁力選別して、磁着物を鉄原料として製銑・製鋼工程で再利用し、非磁着物を路盤材に再利用している。しかしながら、磁力選別において選別された磁着物には相当量のスラグ分が含まれ、非磁着物には相当量の鉄分が含まれる。1回の磁力選別では、磁着物のスラグ分を少なくしつつ非磁着物の鉄分を少なくできないので、例えば、非磁着側の鉄が利用されないなど、製鋼スラグを適切に再利用できないという課題があった。
特許文献2および特許文献3では、磁場強度を変えて、複数回磁力選別をしている。これにより、磁着物に含まれるスラグ分を少なくしつつ非磁着物の鉄分を少なくできる。このため、製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに選別し、当該製鋼スラグを適切に再利用できる可能性はある。しかしながら、磁力選別する回数を増やすと、増やした分の磁力選別工程が必要になるので、製鋼スラグを選別する設備コストは高くなり、選別工程が複雑になるという課題があった。
本発明の目的は、このような従来技術が抱える課題を鑑みてなされたものであり、磁力選別工程の増加を抑制しながら、鉄鋼スラグを鉄分の含有率ごとに3種以上に選別できる鉄鋼スラグの選別方法を提供することにある。また、さらなる目的としては、当該鉄鋼スラグの選別方法で選別された鉄鋼スラグの再利用方法および当該鉄鋼スラグの選別方法で選別された鉄鋼スラグを製銑工程または製鋼工程の製鉄用原料とする製鉄用原料の製造方法を提供することにある。
このような課題を解決するための本発明の特徴は、以下の通りである。
(1)鉄鋼スラグを破砕してスラグ破砕物にする破砕工程と、前記スラグ破砕物を磁力選別によって第一磁着物と第一非磁着物とに選別する第一磁力選別工程と、前記第一磁着物を粗粒と細粒とに篩分けする分級工程と、前記細粒を磁力選別によって第二磁着物と第二非磁着物とに選別する第二磁力選別工程と、を有する鉄鋼スラグの選別方法であって、前記スラグ破砕物、前記第一磁着物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる乾燥工程をさらに有する、鉄鋼スラグの選別方法。
(2)前記乾燥工程では、前記第一磁着物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる、(1)に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(3)鉄鋼スラグを破砕してスラグ破砕物にする破砕工程と、前記スラグ破砕物を粗粒と細粒とに篩分けする分級工程と、前記粗粒を磁力選別によって第一磁着物と第一非磁着物とに選別する第一磁力選別工程と、前記細粒を磁力選別し第二磁着物と第二非磁着物とに選別する第二磁力選別工程と、を有する鉄鋼スラグの選別方法であって、前記スラグ破砕物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる乾燥工程をさらに有する、鉄鋼スラグの選別方法。
(4)前記乾燥工程では、前記細粒を乾燥させる、(1)または(3)に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(5)前記乾燥工程では、前記細粒の水分量が1質量%以下になるまで乾燥させる、(4)に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(6)前記第一磁力選別工程は、1000ガウス以上3000ガウス以下の範囲内の磁場強度で磁力選別する、(1)から(5)の何れか1つに記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(7)前記第二磁力選別工程の磁場強度は前記第一磁力選別工程の磁場強度よりも低い(1)から(6)の何れか1つに記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(8)前記第二磁力選別工程は、300ガウス以上2000ガウス以下の範囲内の磁場強度で磁力選別する(7)に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
(9)(1)から(8)のいずれか1つに記載の鉄鋼スラグの選別方法を用いて選別された鉄鋼スラグを製銑工程または製鋼工程で利用する、鉄鋼スラグの再利用方法。
(10)(1)から(8)のいずれか1つに記載の鉄鋼スラグの選別方法を用いて選別された鉄鋼スラグを製銑工程または製鋼工程の製鉄用原料とする、製鉄用原料の製造方法。
本発明の鉄鋼スラグの選別方法は、磁力選別工程、分級工程および乾燥工程を併用する。これにより、磁力選別工程の増加を抑制しながら、鉄分の含有率ごとに鉄鋼スラグを3種以上に効率よく選別できる。そして、このように鉄鋼スラグを鉄分の含有率ごとに3種以上に選別することで、選別された鉄鋼スラグをそれぞれに適した再利用方法で再利用できる。
本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローの一例を示す。 本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローの他の例を示す。 実施例1における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。 参考例1における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。 実施例2における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。
製鉄工場における製銑工程または製鋼工程で発生する鉄鋼スラグに存在する金属鉄(以下、鉄ともいう)は、スラグに比べて強度が高い。このため、鉄鋼スラグを破砕した場合に、鉄鋼スラグに存在する鉄は破砕されず、もっぱらスラグが破砕される。すなわち、鉄鋼スラグを破砕すると、スラグは破砕されて細粒になる一方で鉄は破砕されないので、細粒の鉄濃度は低く、粗粒の鉄濃度は高い。このため、破砕後の鉄鋼スラグを、分級工程を用いて細粒と粗粒とに篩分けすれば、粗粒である鉄分の含有率の高い製鋼スラグと、細粒である鉄分含有率の低い製鋼スラグとに選別できる。
また、磁力選別工程では磁石ロールとロールを回す回転駆動系が必要であるのに対して、分級工程では篩と振動機を設置するだけでよく、磁力選別工程よりも装置構成が簡易であり、その工程自体も容易である。このため、鉄鋼スラグを、鉄分の含有率ごとに3種以上に選別する場合に、分級工程を磁力選別工程に組み合せることで、装置構成が複雑である磁力選別工程の増加を抑制できる。また、分級工程により粒径を揃えることで磁力選別の精度も向上する。
さらに、乾燥工程を追加してスラグ破砕物を乾燥させることで、磁力選別工程における水付着力の影響を少なくでき、磁力選別の精度をさらに向上できる。また、水分濃度が高い鉄原料は製鋼工程に利用できないところ、乾燥工程によって乾燥された鉄原料は価値の高い製鋼工程の鉄原料として再利用できるようになる。ここで、磁力選別の精度が高いとは、鉄分と鉄分以外のスラグ分に関する総合分離効率が高いことを意味する。また、総合分離効率とは、回収対象となる物質である鉄分の回収率から回収側に混入したスラグ成分の混入率を減じたものを意味する。
このように、磁力選別工程、分級工程および乾燥工程を組み合わせて鉄鋼スラグを選別することで、装置構成が複雑な磁力選別工程を増やすことなく、鉄分の含有率ごとに鉄鋼スラグを3種類以上に選別でき、鉄分の含有率の高い乾燥された鉄鋼スラグを価値の高い製鋼工程の鉄原料に再利用できることを見出して本発明を完成させた。以下に、本発明を発明の実施形態を通じて説明する。
図1は、本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローの一例を示す。図1に示した鉄鋼スラグの選別方法の処理フローは、破砕装置20による破砕工程と、ドラム型磁力選別装置30による第一磁力選別工程と、分級装置40による分級工程と、ロータリー型乾燥装置50による乾燥工程と、ベルト型磁力選別装置60による第二磁力選別工程と、から構成される。鉄鋼スラグとして製鉄工場10における製鋼工程で発生した製鋼スラグを用い、当該製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種に選別するとして、本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローを説明する。
製鉄工場10の製鋼工程で発生した製鋼スラグは、回収された後に冷却されてスラグ塊22にされる。スラグ塊22は、破砕工程で破砕される。
破砕工程において、スラグ塊22は、破砕装置20によって破砕されてスラグ破砕物24にされる。破砕装置20としては、例えば、ジョークラッシャー、コーンクラッシャー、ハンマークラッシャーまたはインパクトクラッシャーを用いてよい。なお、破砕工程におけるスラグ塊22の破砕は、上記破砕装置20に限られず、ボールミルまたはロッドミルといった粉砕装置を用いてもよい。
破砕工程におけるスラグ破砕物24の粒径は、1mm以上100mm未満であればよいが、後に説明する第二磁力選別工程での磁力選別を考慮するとスラグ破砕物24の粒径を1mm以上30mm未満にすることが好ましい。さらに、スラグ破砕物24の粒径を、製鋼スラグに含まれる鉄の最大粒径に対応して定めてもよい。例えば、製鋼スラグに含まれる鉄の最大粒径がa(mm)である場合に、スラグ破砕物24の粒径をa×1/2(mm)以下としてもよい。
なお、本実施形態における粒径とは、JIS Z 8801−1に準拠した公称目開きの篩を用いて篩分けされた粒径であり、例えば、粒径1mm以上とは、JIS Z 8801−1に準拠した公称目開き1mmの篩を用いて篩上に篩分けされる粒径を意味し、1mm未満とは公称目開き1mmの篩を用いて篩下に篩分けされる粒径を意味する。
破砕工程で破砕されたスラグ破砕物24は、第一磁力選別工程で磁力選別される。第一磁力選別工程は、回転するドラム32と、磁石34とを備えるドラム型磁力選別装置30を用いて実行される。この第一磁力選別工程は、鉄分をほとんど含まないスラグ破砕物24を分離することを目的として実行される。そのため、例えば、スラグ破砕物24の粒径が30mm以下である場合においては、2500ガウスの磁場強度で磁力選別される。これにより、鉄分の含有率の高い第一磁着物36と、鉄分の含有率の低い、例えば、鉄分の含有率が5質量%以下の第一非磁着物38とに選別できる。
なお、スラグ破砕物24の粒径が30mm以下である場合においては、第一磁力選別工程における磁場強度は、1000ガウス以上3000ガウス以下の範囲内にすることが好ましい。これにより、スラグ破砕物24を鉄分の含有率の高い第一磁着物36と、鉄分をほとんど含まない第一非磁着物38とに選別できる。
第一磁力選別工程における磁場強度を1000ガウスよりも低くすると、鉄分を含有するスラグ破砕物24の多くを磁着できなくなり、鉄をほとんど含まないスラグ破砕物24を分離する目的が失われるので好ましくない。また、第一磁力選別工程における磁場強度を3000ガウスより大きくすると、第一非磁着物38の量が非常に少なくなり、磁力選別する意味がなくなるので好ましくない。なお、スラグ破砕物24の粒径が30mm未満に粉砕された場合においては、第一磁力選別工程における磁場強度を1500ガウス以上2500ガウス以下の範囲内にすることがより好ましい。また、本実施形態では、第一磁力選別工程としてドラム型磁力選別装置30を用いた例を示したがこれに限らず、ベルト吊り上げ式の磁力選別装置を用いてもよい。但し、ドラム型磁力選別装置は、ベルト吊り上げ式の磁力選別装置よりも磁着物の取りこぼしが少ない。このため、第一磁着物36の取りこぼしを防ぐ目的で、第一磁力選別工程ではドラム型磁力選別装置を用いることが好ましい。
第一磁着物36は、分級工程で篩分けされる。一方、第一非磁着物38は、鉄分をほとんど含まないので、土工原料として再利用することが好ましい。
分級工程では、振動篩42を備える分級装置40を用いて、第一磁着物36を、細粒44と粗粒46とに篩分けする。製鋼スラグに存在する鉄分は、スラグに比べて強度が高い。このため、製鋼スラグを破砕した場合に、製鋼スラグに含まれる鉄分は破砕されず、もっぱらスラグ分が破砕される。そのため、細粒44の鉄分の含有率は低く、粗粒46の鉄分の含有率は高い。このため、第一磁着物36を、分級工程を用いて細粒44と粗粒46とに篩分けすることによって、第一磁着物36を鉄分の含有率が低い細粒44と鉄分の含有率が高い粗粒46とに選別できる。粗粒46は、乾燥されていないものの鉄分の含有率が高く水分濃度が低いので、製鋼工程の鉄原料として再利用することが好ましい。
細粒44は、乾燥工程で乾燥される。乾燥工程は、ロータリー型乾燥装置50を用いて実施される。ロータリー型乾燥装置50は、不図示の撹拌板を備えたドラム52を有する。製鉄所の廃熱を利用して生成された熱風54をドラム52内に導入しながら、細粒44をドラム52の一方の端から他方の端へ搬送することで細粒44に含まれる水分が除去される。このように、細粒44の水分を除去することで、水分による細粒44の付着力が低減するので、次工程の第2磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できる。
また、製鋼スラグの水分濃度は、通常5質量%程度であって水分濃度が高いので、製鋼スラグを製鋼工程の原料として再利用することができず、水分濃度が問題にならない製銑工程における焼結鉱の原料として再利用していた。焼結鉱の原料として再利用されると、原料中の金属鉄が焼結工程で酸化鉄となり、当該酸化鉄を再び還元して金属鉄にするためにコークスを消費するので、環境に対する負荷が高くなる。これに対し、乾燥工程で水分を除去することで、鉄分の含有率の高い製鋼スラグを製鋼工程における鉄原料として再利用できるようになる。製鋼工程で再利用するには、細粒44の水分濃度を1質量%以下になるまで乾燥させることが好ましい。
なお、本実施形態では、乾燥工程としてロータリー型乾燥装置50を用いた例を示したがこれに限らず、バンドコンベア型乾燥機を用いてもよい。但し、ロータリー型乾燥機の方がバンドコンベア型乾燥機よりも構成が簡易で操作も容易であることからロータリー型乾燥機を用いることが好ましい。
乾燥された細粒44は、第二磁力選別工程で磁力選別される。第二磁力選別工程は、回転するベルト62と磁石64とを備えるベルト型磁力選別装置60を用いて実行される。この第二磁力選別工程は、鉄分の含有率の高い細粒44と、鉄分の含有率の低い細粒44とを分離する目的で実行される。細粒44は、第一磁着物から篩分けされたものであり20〜30質量%程度の鉄分を含有しているので、第一磁力選別工程と同じ磁場強度で磁力選別すると全てが磁着物になり選別できない。このため、例えば、目開き径が10mmの篩で分級された細粒44の第二磁力選別工程では、第一磁力選別工程よりも低い磁場強度であって、例えば、1000ガウスの磁場強度で磁力選別される。これにより、鉄分の含有率の高い細粒44である第二磁着物66と鉄分の含有率の低い細粒44である第二非磁着物68とに選別できる。なお、第二磁力選別工程としてベルト型磁力選別装置60を用いた例を示したが、ドラム型磁力選別装置もしくはベルト吊り上げ式の磁力選別装置を用いてもよい。但し、ドラム型磁力選別装置は、ベルト吊り上げ式の磁力選別装置よりも磁力選別の精度が高いので、高精度な磁力選別を行なう目的で、第二磁力選別工程ではベルト型磁力選別装置を用いることが好ましい。
例えば、目開き径が1mm以上10mm以下の篩で分級された細粒の第二磁力選別工程における磁場強度は、第一磁力選別工程よりも低い磁場強度であって、300ガウス以上2000ガウス以下の範囲内にすることが好ましい。第二磁力選別工程における磁場強度を300ガウスよりも低くすると、鉄分の含有率の低い第二非磁着物68の鉄分の含有率を高めることになり好ましくない。また、第二磁力選別工程における磁場強度を2000ガウスより大きくすると、鉄分の含有率の高い第二磁着物66の鉄分の含有率を下げることになり好ましくない。なお、目開き径が1mm以上10mm以下の篩で分級された細粒の二次選別工程における磁場強度は、500ガウス以上1500ガウス以下の範囲内にすることがより好ましい。
第二磁力選別工程において選別された第二磁着物66は、乾燥工程で乾燥されているので、製鋼工程における鉄原料として再利用することが好ましい。また、第二非磁着物68は、スラグ原料となるカルシウム源を多く含み、乾燥工程で乾燥されているので、第二非磁着物68は、製鋼工程における副原料として再利用することが好ましい。
以上、説明したように図1に示した鉄鋼スラグの選別方法を用いることで、製鋼スラグを鉄分の含有率が高い順に、粗粒46と、第二磁着物66と、第二非磁着物68と、第一非磁着物38とに選別できる。また、磁力選別工程を用いて製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種に選別するには、少なくとも3つの磁力選別工程が必要になる所、図1に示した鉄鋼スラグの選別方法では、2つの磁力選別工程と1つの分級工程で選別できる。このように、図1に示した鉄鋼スラグの選別方法を用いることで、磁力選別工程の増加を抑制しながら製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種類に選別でき、選別された製鋼スラグをそれぞれに適した再利用方法で再利用できる。
また、図1に示した製鋼スラグの選別方法を用いることで、分級工程で篩下に分級された細粒44を乾燥させることができる。これにより、細粒44の水付着力を軽減させることができ、第二磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できるとともに、第二磁力選別工程で選別された第二磁着物66を価値の高い製鋼工程の鉄原料として再利用できる。
なお、図1に示した例において、乾燥工程を分級工程と第二磁力選別工程の間に設けて、分級工程で篩下に篩分けされた細粒44を乾燥させる例を示したが、これに限らない。乾燥工程は、少なくとも第二磁力選別工程よりも上流側に設け、スラグ破砕物24、第一磁着物36および細粒44の少なくとも1つを乾燥させればよい。これにより、細粒44の水付着力を軽減させることができ、第二磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できるとともに、第二磁力選別工程で選別された第二磁着物66を価値の高い製鋼工程の鉄原料として再利用できる。
但し、スラグ破砕物24は、乾燥させる必要がない土木原料として再利用される第一非磁着物38を含む。また、第一磁力選別工程は、磁場強度が高いので水付着力が磁力選別に与える影響が小さい。このため、第一磁力選別工程で選別されるスラグ破砕物24を乾燥させても、第一磁力選別工程における磁力選別の精度の向上に寄与しない。このため、乾燥工程を、第一磁力選別工程と、第二磁力選別工程の間に設け、第一磁着物36および細粒44を乾燥させることがより好ましい。これにより、乾燥工程で乾燥する対象から乾燥させる必要がない土木原料として再利用される第一非磁着物38を除くことができ、乾燥工程の省エネルギーが実現できる。
また、分級工程で篩分けされた細粒44は水分濃度が高く、粗粒46は水分濃度が低い。粗粒46は、粒が大きいので昇温させるのに多大な熱量を要するところ、細粒44は粒が小さいので昇温させるための熱量が少ない。このように、細粒44は水分濃度が高く、且つ、粒自体を昇温させるための熱量が少ないので、乾燥効率は、粗粒46よりも細粒44の方が高い。このため、乾燥工程を分級工程と第二磁力選別工程との間に設け、乾燥効率の悪い粗粒46を除いた細粒44を乾燥工程で乾燥させることがより好ましい。これにより、さらなる乾燥工程の省エネルギーが実現できる。
図2は、本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローの他の例を示す。当該処理フローは、破砕装置20による破砕工程と、分級装置40による分級工程と、ドラム型磁力選別装置30による第一磁力選別工程と、ロータリー型乾燥装置50による乾燥工程と、ベルト型磁力選別装置60による第二磁力選別工程と、から構成される。鉄鋼スラグとして製鉄工場10における製鋼工程で発生した製鋼スラグを用い、当該製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種に選別するとして、本実施形態に係る鉄鋼スラグの選別方法の処理フローの他の例について説明する。
製鉄工場10の製鋼工程から発生した製鋼スラグは、回収された後に冷却されてスラグ塊22にされる。スラグ塊22は、破砕工程で破砕される。なお、破砕工程は、図1に示した破砕工程と同じである。
破砕工程で破砕されたスラグ破砕物24は、次の分級工程で篩分けされる。分級工程では、分級装置40を用いて、スラグ破砕物24を、粗粒70と細粒72とに篩分けする。分級工程で使用する篩いの目開き径は、図1における分級工程と同様に定めてよい。
分級工程で選別された粗粒70は、次の第一磁力選別工程で磁力選別される。第一磁力選別工程は、ドラム型磁力選別装置30を用いて実行される。第一磁力選別工程は、鉄分をほとんど含まない粗粒70を分離することを目的として実行される。そのため、例えば、スラグ破砕物24の粒径が5mm以下である場合においては、1500ガウスの磁場強度で磁力選別される。なお、図2に示した選別方法においても、破砕工程においてスラグ破砕物24の粒径が30mm以下に粉砕された場合においては、第一磁力選別工程における磁場強度は、1000ガウス以上3000ガウス以下の範囲内にすることが好ましい。これにより、粗粒70を鉄分の含有率の高い第一磁着物80と、鉄分の含有率の低い第一非磁着物82とに選別できる。
第一磁力選別工程における磁場強度を1000ガウスよりも低くすると、鉄分の含有率の高い粗粒70の多くを磁着できなくなり、鉄分をほとんど含まない粗粒70を分離する目的が失われるので好ましくない。また、第一磁力選別工程における磁場強度を3000ガウスより大きくすると、第一非磁着物82の量が非常に少なくなり、磁力選別する意味がなくなるので好ましくない。なお、破砕工程においてスラグ破砕物24の粒径が30mm以下に粉砕された場合においては、第一磁力選別工程における磁場強度を1500ガウス以上2500ガウス以下の範囲内にすることがより好ましい。
第一磁力選別工程で選別された第一磁着物80は、乾燥されていないものの鉄分の含有率が高く水分濃度が低いので、製鋼工程の鉄原料として再利用することが好ましい。一方、第一磁力選別工程で選別された第一非磁着物82は、鉄分をほとんど含まないので、土工原料として再利用することが好ましい。
分級工程で選別された細粒72は、次の乾燥工程で乾燥される。乾燥工程は、ロータリー型乾燥装置50を用いて実施される。乾燥工程における細粒72の乾燥処理は、図1で示した処理と同じである。細粒72の水分を除去することで、水分による細粒72の付着力が低減するので、次工程の第2磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できる。また、乾燥工程で、細粒72の水分を除去することで、鉄分の含有率の高い製鋼スラグを製鋼工程の鉄原料として再利用できるようになる。
乾燥された細粒72は、第二磁力選別工程で磁力選別される。第二磁力選別工程は、ベルト型磁力選別装置60を用いて実行される。この第二磁力選別工程は、鉄分の含有率の高い細粒72と、鉄分の含有率の低い細粒72とを分離する目的で実行される。そのため、例えば、目開き径が1mmの篩で分級された細粒の第二磁力選別工程では、第一磁力選別工程よりも低い磁場強度であって、例えば、1500ガウスの磁場強度で磁力選別される。これにより鉄分の含有率の高い第二磁着物90と、鉄分の含有率の低い第二非磁着物92とに分離できる。
例えば、目開き径が1mm以上10mm以下の篩で分級された細粒72の第二磁力選別工程における磁場強度は、第一磁力選別工程よりも低い磁場強度であって、300ガウス以上2000ガウス以下の範囲内にすることが好ましい。第二磁力選別工程における磁場強度を300ガウスよりも低くすると、鉄分の含有率の低い第二非磁着物92の鉄分の含有率を高めることになり好ましくない。また、第二磁力選別工程における磁場強度を2000ガウスより大きくすると、鉄分の含有率の高い第二磁着物90の鉄分の含有率を下げることになり好ましくない。なお、目開き径が1mm以上10mm以下の篩で分級された細粒72の第二磁力選別工程における磁場強度は、500ガウス以上1500ガウス以下の範囲内にすることがより好ましい。
第二磁力選別工程で選別された第二磁着物90は、乾燥工程で乾燥されているので、製鋼工程における鉄原料として再利用することが好ましい。一方、第二磁力選別工程で選別された第二非磁着物92は、スラグ原料となるカルシウム源を多く含み、乾燥工程で乾燥されているので、製鋼工程における副原料として再利用することが好ましい。
以上、説明したように図2に示した鉄鋼スラグの選別方法においても、2つの磁力選別工程と1つの分級工程を用いて、製鋼スラグを鉄分の含有率が高い順に、第一磁着物80と、第二磁着物90と、第二非磁着物92と、第一非磁着物82とに選別できる。このように、図2に示した鉄鋼スラグの選別方法を用いることで、磁力選別工程の増加を抑制しながら製鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種類に選別でき、選別された製鋼スラグをそれぞれに適した再利用方法で再利用できる。
また、図2に示した製鋼スラグの選別方法を用いることで、分級工程で篩下に分級された細粒72を乾燥させることができる。これにより、細粒の水付着力を軽減させることができ、第二磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できるとともに、第二磁力選別工程で選別された第二磁着物90を価値の高い製鋼工程の鉄原料として再利用できる。
なお、図2に示した例において、乾燥工程を分級工程と第二磁力選別工程の間に設け、分級工程で篩下に篩分けされた細粒を乾燥させる例を示したが、これに限らない。乾燥工程は、少なくとも第二磁力選別工程よりも上流側に設け、スラグ破砕物24および細粒72の少なくとも1つを乾燥させればよい。これにより、細粒72の水付着力を軽減させることができ、第二磁力選別工程における磁力選別の精度を向上できるとともに、第二磁力選別工程で選別された第二磁着物90を価値の高い製鋼工程の鉄原料として再利用できる。
但し、スラグ破砕物24は、乾燥させる必要がない土木原料として再利用する第一非磁着物82を含む。また、第一磁力選別工程は、磁場強度が高いので水付着力の影響が小さい。このため、第一磁力選別工程で選別される粗粒70を含むスラグ破砕物24を乾燥させても、第一磁力選別工程における磁力選別の精度は向上しない。このため、乾燥工程は、分級工程と第二磁力選別工程の間に設け、細粒72を乾燥させることがより好ましい。これにより、乾燥工程の省エネルギーが実現できる。
また、図1および図2に示した例において、第一磁力選別工程、第二磁力選別工程、分級工程および乾燥工程を設けて、鉄鋼スラグを鉄分の含有率ごとに4種類に選別する例を示したがこれに限られない。例えば、第一磁力選別工程、分級工程および乾燥工程を設けて3種類に選別してもよく、さらに磁力選別工程または分級工程を加えて、鉄鋼スラグを鉄分の含有率ごとに5種類以上に選別してもよい。少なくとも1つの磁力選別工程、分級工程および乾燥工程を有すれば、磁力選別工程の増加を抑制しながら製鋼スラグを3種以上に選別でき、選別された製鋼スラグをそれぞれに適した再利用方法で再利用できる。
また、本実施形態において、鉄鋼スラグとして製鋼工程で発生する製鋼スラグを再利用する例を示したがこれに限られない。鉄鋼スラグとして、例えば、製銑工程で発生する高炉スラグを用いてもよく、電気炉を用いた製鋼工程で発生する電気炉スラグを用いてもよい。
図3は、実施例1における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。実施例1に示した鉄鋼スラグの選別方法は、図1に示した処理フローに対応し、脱炭精錬において発生した脱炭スラグに対して破砕工程と、第一磁力選別工程と、分級工程と、乾燥工程と、第二磁力選別工程とを順に実行する。
まず、脱炭精錬において発生した鉄分の含有率26.5質量%の脱炭スラグ1000kgを、冷却してスラグ塊にした。次に、ジョークラッシャーを用いてスラグ塊にされた脱炭スラグを破砕(破砕工程)して、粒径30mm以下のスラグ破砕物にした。
次に、磁場強度1500ガウスのドラム型磁力選別装置を用いてスラグ破砕物を磁力選別(第一磁力選別工程)した。これにより、スラグ破砕物を磁着物463kgと非磁着物528kgとに選別できた。非磁着物の鉄分の含有率は3.2質量%であった。非磁着物は、鉄をほとんど含まないので、土工原料として再利用した。
次に、目開き径が10mmの篩を備えた分級装置を用いて第一磁力選別工程において選別された磁着物を篩分け(分級工程)した。これにより、磁着物を篩上の粗粒72kgと篩下の細粒389kgとに篩分けできた。粗粒の鉄分の含有率は、83.7質量%であった。粗粒は、鉄分の含有率が高く水分濃度が低いので、製鋼工程の鉄原料として再利用した。
次に、ロータリー型乾燥機を用いて細粒の水分濃度が1質量%以下になるまで乾燥(乾燥工程)させた。乾燥させた細粒を磁場強度500ガウスのベルト型磁力選別装置を用いて磁力選別(第二磁力選別工程)した。これにより、細粒を、磁着物175kgと非磁着物214kgとに選別できた。磁着物の鉄分の含有率は、73.0質量%であった。磁着物は、乾燥工程で乾燥されているので、製鋼工程における鉄原料として再利用した。また、非磁着物の鉄分の含有率は、22.3質量%であった。非磁着物は、カルシウム源を多く含むので、製鋼工程における副原料として再利用した。
なお、本実施例では、粗粒および第二磁力選別工程における磁着物を価値の高い製鋼工程における鉄原料として再利用したが、製銑工程における鉄原料としても再利用することもできる。但し、上述したように、製銑工程における鉄原料として再利用すると、環境に対する負荷が高くなるので、製鋼工程における鉄原料として再利用することが好ましい。
このように、実施例1に示した製鉄スラグの選別方法を実施することで、2つの磁力選別工程と1つの分級工程とで、脱炭スラグを鉄分の含有率ごとに4種類に選別できることが確認された。そして、鉄分の含有率に応じて4種類に選別することで、鉄分の含有率に応じた適切な再利用方法で、脱炭スラグを製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料として再利用できた。このように選別することで脱炭スラグを製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料にできるので、脱炭スラグから製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料を製造できるといえる。
参考例1
図4は、参考例1における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。参考例1に示した選別方法は、図1に示した鉄鋼スラグの選別方法に対して、乾燥工程が設けられていない点が異なる。参考例1の鉄鋼スラグの選別方法では、脱炭精錬において発生した脱炭スラグに対して破砕工程と、第一磁力選別工程と、分級工程と第二磁力選別工程とを順に実行する。なお、参考例1における、破砕工程、第一磁力選別工程および分級工程は、実施例1と同じなので説明を省略する。
磁場強度500ガウスのベルト型磁力選別装置を用いて、分級工程で篩分けされた細粒を磁力選別(第二磁力選別工程)した。これにより、細粒を、磁着物134kgと非磁着物255kgとに選別できた。磁着物の鉄分の含有率は、73.0質量%であった。磁着物は、乾燥されておらず水分濃度が高いので、製銑工程における焼結鉱の原料として再利用した。また、非磁着物の鉄分の含有率は、35.8質量%であった。非磁着物も水分濃度が高かったが、乾燥させて製鋼工程における副原料として再利用した。
このように、乾燥工程を設けていない参考例1では、磁着物の質量が少なくなり、非磁着物の質量が増加するとともに非磁着物の鉄分の含有率が高くなっており、乾燥工程を設けて細粒を乾燥させることで、第二磁力選別工程の磁力選別の精度を向上できることがわかる。さらに、乾燥工程を設けて細粒を乾燥させることで、第二磁力選別工程で選別された磁着物を価値の高い製鋼工程の鉄原料として用いることができた。
図5は、実施例2における鉄鋼スラグの選別方法の処理フローおよびマテリアルフローを示す。実施例2に示した鉄鋼スラグの選別方法は、図2に示した再処理方法に対応し、脱硫精錬において発生した脱硫スラグに対して破砕工程と、分級工程と、第一磁力選別工程と、乾燥工程と、第二磁力選別工程とを順に実行する。
まず、脱硫精錬において発生した鉄分の含有率36.7質量%の脱硫スラグ1000kgを冷却してスラグ塊にした。次に、ロッドミルを用いてスラグ塊とされた脱硫スラグを破砕(破砕工程)して、粒径5mm以下のスラグ破砕物にした。
次に、目開き径が1mmの篩を備えた分級装置を用いてスラグ破砕物を篩分け(分級工程)した。これにより、スラグ破砕物を、篩上の粗粒157kgと篩下の細粒843kgとに篩分けできた。次に、磁場強度2500ガウスのドラム型磁力選別装置を用いて、粗粒を磁着選別(第一磁力選別工程)した。これにより、粗粒を、133kgの磁着物と24kgの非磁着物とに選別できた。磁着物の鉄分の含有率は、93.4質量%であった。磁着物は乾燥されていないが、粗粒側の磁着物は鉄分の含有率が高く水分濃度が低いので、製鋼工程における鉄原料として再利用した。また、非磁着物の鉄分の含有率は、15.2質量%であった。非磁着物は、鉄をほとんど含まないので土工原料として再利用した。
次に、ロータリー型乾燥機を用いて水分濃度が1質量%以下になるまで細粒を乾燥(乾燥工程)した。乾燥させた細粒を磁場強度1500ガウスのベルト型磁力選別装置を用いて磁力選別(第二磁力選別工程)した。これにより、細粒を、278kgの磁着物と565kgの非磁着物に選別できた。磁着物の鉄分の含有率は、72.5質量%であった。磁着物は、乾燥工程で乾燥されているので、製鋼工程における鉄原料として再利用した。また、非磁着物の鉄分の含有率は、6.7質量%であった。非磁着物は、カルシウム源を多く含むので、製鋼工程における副原料として再利用した。
なお、本実施例では、粗粒側の磁着物および細粒側の磁着物を価値の高い製鋼工程における鉄原料として再利用したが、製銑工程における鉄原料としても再利用することもできる。但し、上述したように、製銑工程における鉄原料として再利用すると、環境に対する負荷が高くなるので、製鋼工程における鉄原料として再利用することが好ましい。
このように、実施例1同様に、実施例2に示した製鉄スラグの選別方法を実施することで2つの磁力選別工程と1つの分級工程とで、脱硫スラグを、鉄分の含有率を変えた4種類の脱硫スラグに選別できることが確認された。このように、鉄分の含有率を変えた4種類の脱硫スラグに選別することで、鉄分の含有率に応じた適切な再利用方法で、脱炭スラグを製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料として再利用できた。このように選別することで脱硫スラグを製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料にできるので、当該脱硫スラグから製鋼工程または製銑工程の製鉄用原料を製造できるといえる。
10 製鉄工場
20 破砕装置
22 スラグ塊
24 スラグ破砕物
30 ドラム型磁力選別装置
32 ドラム
34 磁石
36 第一磁着物
38 第一非磁着物
40 分級装置
42 振動篩
44 細粒
46 粗粒
50 ロータリー乾燥装置
52 ドラム
54 熱風
60 ベルト型磁力選別装置
62 ベルト
64 磁石
66 第二磁着物
68 第二非磁着物
70 粗粒
72 細粒
80 第一磁着物
82 第一非磁着物
90 第二磁着物
92 第二非磁着物

Claims (10)

  1. 鉄鋼スラグを破砕してスラグ破砕物にする破砕工程と、
    前記スラグ破砕物を磁力選別によって第一磁着物と第一非磁着物とに選別する第一磁力選別工程と、
    前記第一磁着物を粗粒と細粒とに篩分けする分級工程と、
    前記細粒を磁力選別によって第二磁着物と第二非磁着物とに選別する第二磁力選別工程と、
    を有する鉄鋼スラグの選別方法であって、
    前記スラグ破砕物、前記第一磁着物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる乾燥工程をさらに有し、
    前記磁力選別は2つの磁力選別工程により実施され、前記篩分けは1つの分級工程により実施される、鉄鋼スラグの選別方法。
  2. 前記乾燥工程では、前記第一磁着物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる、請求項1に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  3. 鉄鋼スラグを破砕してスラグ破砕物にする破砕工程と、
    前記スラグ破砕物を粗粒と細粒とに篩分けする分級工程と、
    前記粗粒を磁力選別によって第一磁着物と第一非磁着物とに選別する第一磁力選別工程と、
    前記細粒を磁力選別し第二磁着物と第二非磁着物とに選別する第二磁力選別工程と、
    を有する鉄鋼スラグの選別方法であって、
    前記スラグ破砕物および前記細粒の少なくとも1つを乾燥させる乾燥工程をさらに有し、
    前記篩分けは1つの分級工程により実施され、前記磁力選別は2つの磁力選別工程により実施される、鉄鋼スラグの選別方法。
  4. 前記乾燥工程では、前記細粒を乾燥させる、請求項1または請求項3に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  5. 前記乾燥工程では、前記細粒の水分濃度が1質量%以下になるまで乾燥させる、請求項4に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  6. 前記第一磁力選別工程は、1000ガウス以上3000ガウス以下の範囲内の磁場強度で磁力選別する、請求項1から請求項5の何れか一項に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  7. 前記第二磁力選別工程の磁場強度は前記第一磁力選別工程の磁場強度よりも低い、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  8. 前記第二磁力選別工程は、300ガウス以上2000ガウス以下の範囲内の磁場強度で磁力選別する請求項7に記載の鉄鋼スラグの選別方法。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の鉄鋼スラグの選別方法を用いて選別された鉄鋼スラグを製銑工程または製鋼工程で利用する、鉄鋼スラグの再利用方法。
  10. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の鉄鋼スラグの選別方法を用いて選別され
    た鉄鋼スラグを製銑工程または製鋼工程の製鉄用原料とする、製鉄用原料の製造方法。
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