JP6604044B2 - 画像読取装置及び画像読取装置における原稿検出方法 - Google Patents

画像読取装置及び画像読取装置における原稿検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、原稿などの画像を読み取る画像読取装置及び画像読取装置における原稿検出方法に関する。
従来から、イメージセンサーを備え、原稿で反射した光をイメージセンサーが受光することで原稿の画像を読み取る画像読取装置が知られている(例えば特許文献1、2)。例えば特許文献1、2に記載された画像読取装置は、イメージセンサーが読み取った読取結果に基づいて原稿の位置を検出できる原稿検出機能を備えている。
特許文献1に記載された画像読取装置では、スキャン画像において、原稿の搬送経路の幅方向の中央線に対応する基準線と、この基準線の両側に位置する2つの検出ライン上で検出した原稿の2つのエッジ点に基づいて原稿の頂点の座標を特定し、その頂点と基準線との距離に基づいて原稿のサイズを推定する。この画像読取装置では、原稿のサイズを頂点から推定する技術なので、例えば規格サイズ以外の原稿では、サイズの検出ミスが発生する虞があった。
また、特許文献2に記載された画像読取装置では、イメージセンサーと対向する位置に灰色(グレー)の背景部材(背景部の一例)を備え、背景部材を背景として読み取った原稿の読取結果に基づいて検出した原稿の先端と後端とから、原稿のサイズを特定する。そのため、特許文献1に記載の原稿検出技術に比べ、検出精度が相対的に高いと言える。
特開2005−295158号公報 特開2013−143715号公報
ところで、特許文献2に記載の画像読取装置では、背景部材と原稿との色(輝度値)の差に基づいて原稿を検出するが、背景部材と原稿との読み取られた色は、イメージセンサーの読取特性の個体差及び背景部材の色の個体差によってばらつく。このため、背景部材を原稿と間違って検出しないように、背景部材と認識する色(階調値)の範囲を広めに設定しておく必要があった。
しかし、背景部材と認識する輝度値の範囲の設定が相対的に広いと、この範囲に入る一部の原稿が背景部材とみなされてしまい、原稿の検出精度が低下するという課題がある。なお、この種の課題は、背景部材の色に関係なく、背景部材を備える画像読取装置であれば、シートフィード型であるかフラットベッド型であるか、あるいはスキャナー装置であるか複合機であるかなどの違いに関わらず、概ね共通する。
本発明の目的は、イメージセンサーが読取り可能な背景部を備えた画像読取装置において、比較的高い原稿の検出精度を確保できる画像読取装置及び画像読取装置における原稿検出方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する画像読取装置は、原稿検出機能を有する画像読取装置であって、原稿に光を照射可能な光源と、前記原稿を読み取り可能な複数の光電変換素子を有するイメージセンサーと、前記イメージセンサーが原稿を読み取る際に当該原稿の背景となる位置に配置された白色と黒色とを除く有色の背景部と、前記イメージセンサーに前記背景部を読み取らせた背景色基準データに基づく背景色データと、前記イメージセンサーに白基準を読み取らせた白基準データに基づく白色データとに基づいて、複数の前記光電変換素子が前記背景部を読み取ったときに取得されると推定される輝度値列からなる背景推定データを取得し、当該背景推定データに基づいて前記背景部とみなす輝度値の範囲を示す背景範囲を決定する決定部と、前記イメージセンサーが原稿を読み取った読取データと前記背景範囲とに基づいて前記原稿を検出する検出部と、を備えている。
この構成によれば、画像読取装置ごとにイメージセンサーが背景部を読み取った背景色基準データに基づく背景色データと、イメージセンサーに白基準を読み取らせた白基準データに基づく白色データとに基づいて、複数の光電変換素子が背景部を読み取ったときに取得されると推定される輝度値列からなる背景推定データを取得する。そして、決定部により、背景推定データに基づいて、背景部とみなす輝度値の範囲を示す背景範囲が決定される。検出部は、イメージセンサーが原稿を読み取った読取りデータと背景範囲とに基づいて原稿を検出する。よって、画像読取装置ごとの個体(イメージセンサー及び背景部)に合った適切な背景範囲が決定されるので、原稿の検出精度を高めることができる。
上記画像読取装置では、前記決定部は、前記背景色データの最小値から第1マージンを引いた下限値以上、かつ当該背景色データの最大値に第2マージンを加えた上限値以下の範囲を、前記背景範囲とし、前記第1マージンは前記第2マージンよりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第1マージンは第2マージンよりも大きいので、背景部に原稿の影ができてその影によって背景部が一部暗くなっても、その影で暗くなった一部も背景部として検出することができる。よって、背景部に原稿の影ができても、その影を原稿と間違える誤検出を低減することができる。
上記画像読取装置では、前記決定部は、異なる解像度別に前記背景範囲を決定することが好ましい。
この構成によれば、異なる解像度別に背景範囲が決定されるので、読取解像度の違いによらず原稿の検出精度を高くすることができる。
上記画像読取装置では、前記決定部は、カラーとモノクロ別に前記背景範囲を決定することが好ましい。
この構成によれば、カラーとモノクロ別に背景範囲が決定されるので、カラーの原稿を読み取るときも、モノクロの原稿を読み取るときも、原稿を適切に検出できる。
上記画像読取装置では、前記イメージセンサーは、原稿の表面読取り用と裏面読取り用との2つ設けられ、前記背景部は、原稿の表面読取り用と裏面読取り用との2つの前記イメージセンサーに対向する各位置に配置され、前記決定部は、前記2つのイメージセンサーについて個別に前記背景範囲を決定することが好ましい。
この構成によれば、2つのイメージセンサーは、それぞれに対向して位置する表面読取り用の背景部と裏面読取り用の背景部をそれぞれ読み取って、各イメージセンサー及び背景部の個体に応じた適切な背景範囲を決定する。
上記画像読取装置では、前記検出部は、前記イメージセンサーが原稿を読み取ったときの読取解像度よりも低い低解像度の読取データを取得し、当該低解像度の読取データと前記背景範囲とに基づいて前記原稿を検出することが好ましい。
この構成によれば、検出部は、イメージセンサーが原稿を読み取ったときの解像度よりも低い低解像度の読取データを取得し、当該低解像度の読取データと背景範囲とに基づいて原稿を検出する。よって、原稿の検出処理に要する処理時間を短く済ませることができる。
上記画像読取装置では、前記背景色データと前記白色データとを記憶する記憶部を更に備え、前記決定部は、前記背景色データと前記白色データに基づいて前記背景範囲を決定することが好ましい。
この構成によれば、決定部は、記憶部から読み出した背景色データと白色データとに基づいて背景推定データを取得し、背景推定データに基づいて背景範囲を決定する。よって、背景部をイメージセンサーで読み取る読取動作を行わなくても背景範囲を決定できるので、原稿の読取動作を速やかに開始することができる。
上記画像読取装置では、前記背景色データと前記白色データとを記憶する記憶部を更に備え、前記背景色データを第1の背景色データとした場合、前記決定部は、前記光源の光を照射した前記背景部を前記イメージセンサーに読み取らせた読取り結果に基づいて第2の背景色データを取得し、前記第2の背景色データと前記第1の背景色データと前記白色データとに基づいて、前記背景範囲を決定することが好ましい。
この構成によれば、決定部は、光源の光を照射した背景部をイメージセンサーに読み取らせて読取り結果に基づいて第2の背景色データを取得し、第2の背景色データと第1の背景色データと白色データとに基づいて、背景範囲を決定する。例えば背景部が経時変化によって変色しても、その変色した背景部をイメージセンサーで読み取った読取り結果に基づく第2の背景色データを用いて、そのときの背景部の色に応じた適切な背景範囲を決定することができる。よって、背景部が変色しても、比較的高い原稿検出精度を得ることができる。
上記画像読取装置では、前記背景部の前記有色はグレーであることが好ましい。この構成によれば、背景色がグレーなので、グレー以外の多くの色(例えば有彩色)の原稿を適切に検出することができる。
上記課題を解決する画像読取装置における原稿検出方法では、前記画像読取装置は、原稿に光を照射する光源と、前記原稿を読み取り可能な複数の光電変換素子を有するイメージセンサーと、前記イメージセンサーが読み取る前記原稿の背景となる位置にあって白色と黒色とを除く有色の背景部とを備え、前記光源の光が照射された前記背景部を前記イメージセンサーに読み取らせた読取り結果に基づく背景色データを取得する第1取得ステップと、前記イメージセンサーに白基準を読み取らせた読取り結果に基づく白色データを取得する第2取得ステップと、前記背景色データと前記白色データとに基づいて、複数の前記光電変換素子が前記背景部を読み取ったときに取得される輝度値列からなる背景推定データを推定する推定ステップと、前記背景推定データに基づいて前記背景部とみなす輝度値の範囲である背景範囲を決定する決定ステップと、前記イメージセンサーが原稿を読み取った読取データと前記背景範囲とに基づいて前記原稿を検出する検出ステップと、を備えている。この方法によれば、上記画像読取装置と同様の作用効果を得ることができる。
第1実施形態における画像読取装置の模式側断面図。 画像読取装置の電気的構成を示すブロック図。 原稿を読み取った読取データを示す模式図。 背景板の読取条件別に取得された背景範囲データを示す模式図。 主走査読取位置と輝度値との関係を示す背景推定データR(x)に基づいて背景範囲を決定する方法を赤の例で説明するグラフ。 設定処理ルーチンを示すフローチャート。 グレー背景範囲設定ルーチンを示すフローチャート。 読取処理ルーチンを示すフローチャート。 第2実施形態におけるグレー背景範囲設定ルーチンを示すフローチャート。 変形例におけるフラットベッド型の画像読取装置を示す斜視図。
(第1実施形態)
以下、画像読取装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態の画像読取装置は、例えば搬送される原稿の画像を、固定された読取部が読み取るシートフィードスキャナーである。
図1に示すように、画像読取装置11は、側面視が略台形の本体部12と、本体部12に対して軸13を中心に回動可能に設けられたカバー部14とを備えている。カバー部14を、図1に示す閉位置から回動して開けることで搬送経路が露出し、紙詰まり時の原稿の除去や搬送用のローラーのメンテナンス等が可能となる。画像読取装置11は、原稿16を副走査方向Yの上流側から下流側に向かって搬送する搬送部17と、搬送部17により搬送される原稿16を読み取る読取部18と、搬送部17と読取部18とを制御する制御部19とを備えている。
搬送経路21よりも副走査方向Yの上流側(図1では右上)には、原稿16がセットされるセット部22が設けられると共に、副走査方向Yの下流側(図1では左下)には、原稿16が排出される排出部23が設けられている。
また、搬送部17は、セット部22にセットされた原稿16を給送する給送ローラー25と、給送される原稿16をガイドするガイド部26とを備える。さらに、搬送部17は、給送された原稿16を搬送するための少なくとも1組(本実施形態では3組)の駆動ローラー27と従動ローラー28とを備える。
図1に示すように、読取部18は、搬送経路21よりもカバー部14側に設けられた第1読取部31と、搬送経路21よりも本体部12側に設けられた第2読取部32とを備える。この第1読取部31と第2読取部32は、副走査方向Yと交差する主走査方向Xに亘って原稿16を読み取り可能であって、搬送経路21を挟んで互いに対向する位置に配置されている。
第1読取部31と第2読取部32は、例えばLEDや蛍光ランプなどにより構成されて光を照射する光源33と、受光した光を電気信号に変換して受光量に応じた値の画素信号を出力するイメージセンサー34とを備える。イメージセンサー34は、例えばリニアイメージセンサーである。画像読取装置11は、カラースキャンとモノクロスキャン(グレースケールスキャン)とが可能である。カラースキャン方式には、イメージセンサーがモノクロで、RGB各色の光源を時系列で順番に発光させてイメージセンサーからRGB各色の画素信号を順番に取得する方式と、イメージセンサーがカラーフィルターで覆われたRGB各色の光電変換素子を備え、白色光源を発光させて各光電変換素子からRGBの各画素信号を取得する方式とがある。カラースキャン方式はどちらの方式でもよいが、本実施形態では前者の方式を例に読取動作を説明する。
さらに、第1読取部31と第2読取部32は、イメージセンサー34と搬送経路21を挟んで対向して位置する背景部の一例としてのグレー背景板35(以下、単に「背景板35」ともいう。)を備えている。背景板35は、少なくともイメージセンサー34と対向する面が、白色と黒色とを除く有色を呈している。本例では、有色の一例としてグレー(灰色)を採用している。
第1読取部31は、第1光源33Aと、第1イメージセンサー34Aと、背景板35Aとを備える。第2読取部32は、第2光源33Bと、第2イメージセンサー34Bと、背景板35Bとを備える。
ここで、有色は、ユーザーが読取対象とする原稿16を背景板35と共にイメージセンサー34に読み取らせた際、イメージセンサー34の読取データに基づいて原稿領域と背景領域とを区別できる色であることが好ましい。例えば原稿16に白以外に青系の紙が使用される頻度が高ければ、有色として青系以外の色を選択し、例えば白以外に緑系の紙が使用される頻度が高ければ有色として緑系以外の色を選択し、さらに例えば白以外に赤系の紙が使用される頻度が高ければ有色として赤系以外の色を選択することが好ましい。本例では、白系以外に青系、緑系、赤系などのどの有彩色を呈する原稿16でも背景と比較的区別し易いので、一例としてグレーを採用している。なお、原稿16は、紙に限らず、合成樹脂製のシートでもよい。
また、第1読取部31はイメージセンサー34によって原稿16の表面(上面)を読み取り、第2読取部32はイメージセンサー34によって原稿の裏面(下面)を読み取る。読取条件のうち原稿16の読取面として「片面」が指定されたときは第1読取部31が読取動作を行い、一方、「両面」が指定されたときは第1及び第2読取部31,32が共に読取動作を行う。なお、セット部22にセットする原稿の向きを逆に設定し、第1読取部31と第2読取部32との原稿16の読取り面を表裏逆にしてもよい。
イメージセンサー34は、複数(例えばn個(但しnは2以上の自然数))の光電変換素子39(図5参照)を主走査方向Xに沿って一列に配置した、例えばコンタクト型イメージセンサーである。さらにイメージセンサー34は、具体的にはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。イメージセンサー34は、各光電変換素子39が受光した光を光電変換して受光量に応じた値の画素信号を出力する。
次に図2を参照して、画像読取装置11の電気的構成について説明する。図2に示すように、制御部19は、マイクロプロセッサー等からなるコンピューター40と記憶部49とを備える。記憶部49は、例えば不揮発性メモリーからなる。記憶部49には、図6〜図8にフローチャートで示された各ルーチンを含むプログラムPGが記憶されている。コンピューター40内の搬送制御部41及び読取制御部42等の各機構部は、コンピューター40が記憶部49に記憶されたプログラムPGを実行することで構築される。
図2に示すように、コンピューター40は、搬送部17が動力源として備える搬送モーター17Mを制御する搬送制御部41と、読取部18を制御する読取制御部42とを備える。この読取制御部42は、原稿16の検出に使用する背景範囲を規定するグレーデータGRと白色データWRとを、記憶部49に設定する設定部43を備える。設定部43は、背景板35及び後述する白基準チャートをイメージセンサー34に読み取らせた読取結果に基づいて、グレーデータGRと白色データWRとを算出して記憶部49に書き込む。記憶部49に記憶されたグレーデータGRと白色データWRは、イメージセンサー34が、グレー基準となる背景板35、白基準となる白基準チャート及び光源33の消灯状態時の黒基準を、それぞれ同じ温度条件の下で読み取ることで取得されたグレー基準データ、白基準データ及び黒基準データとに基づいて取得されたデータである。なお、グレーデータGR及び白色データWRは、背景範囲の取得に利用するデータであって、第1読取部31と第2読取部32ごとに設定されている。そして、グレーデータGR及び白色データWRは、画像読取装置11の出荷前の工程検査のときに記憶部49に記憶される。本実施形態では、グレーデータGRが、背景色データの一例に相当する。
また、読取制御部42は、イメージセンサー34に対して画素信号の読出動作を含む各種動作の動作タイミングを規定するパルス信号を出力するTG(タイミングジェネレーター)と、イメージセンサー34から入力した画素信号をアナログ/デジタル変換(A/D変換)するAFE(アナログフロントエンド)とを備える。そして、読取制御部42は、AFEを介して読取データSDを入力する。
ここで、図3に示すように、読取データSDは、原稿16が読取られた領域である原稿領域DAと、背景板35が読み取られた背景領域BAとを含む。読取データSDにおいて、原稿16の色が背景板35の色(グレー)に近いと、原稿領域DAと背景領域BAとを区別することが困難となる。特に背景とみなす輝度値の範囲(背景範囲)が広過ぎると、原稿16が存在しても、原稿領域DAの輝度値の範囲が背景領域BAの輝度値の範囲に含まれてしまい原稿が検出不能となる。例えば画像読取装置11の個体差に関係なくどの画像読取装置にも適用可能な広めの背景範囲を設定すると、原稿が検出不能となる頻度が高まる。この種の不都合を低減するため、本実施形態では、背景範囲データBGを画像読取装置11の個体ごとに設定する。
読取制御部42は、記憶部49から読み出したグレーデータGRと白色データWRとに基づいて計算によりグレー背景推定値を推定する推定部44と、グレー背景推定値及び読取データSDに低解像度化処理を施す処理部45と、読取データSDのうち背景領域BAとみなすべき輝度値の範囲である背景範囲を決定する背景決定部46を備える。処理部45は、イメージセンサー34に読み取らせた読取データSDを読取解像度よりも低い低解像度DLに変換する低解像度化処理を含む各種の処理を行う。なお、低解像度化処理では、後述する検出部47が原稿を検出する原稿検出処理を行うときに使用される読取データを低解像度DLに変換する。なお、本実施形態では、推定部44と処理部45と背景決定部とにより、決定部の一例が構成される。
推定部44は、記憶部49に記憶されたグレーデータGRと白色データWRとに基づいてイメージセンサー34が背景板35を読み取ったときに取得されると推定されるグレー背景推定値を求め、このグレー背景推定値に基づいて背景決定部46は背景範囲データBGを決定して記憶部49に記憶する。なお、本実施形態では、グレー背景推定値が、背景推定データの一例に相当する。
ここで、カラー読取りの場合、RGB3色それぞれに対応してグレー背景推定値R(x),G(x),B(x)がある。これらのグレー背景推定値R(x),G(x),B(x)は、イメージセンサー34が背景板35を読み取ったときに各光電変換素子39の出力値として取得されると推定されるRGB各色の出力値(画素値)に相当する。例えばイメージセンサー34の主走査方向Xに1列に配置された光電変換素子39がn個であるとすると、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)(但しx=1〜n)は、主走査方向Xの位置x(以下、「主走査読取位置x」ともいう。)がx=1〜nの合計n個の光電変換素子39のカラー読取り時のRGB各色の出力値の推定値である。
また、グレー背景推定値M(x)(但しx=1〜n)は、主走査読取位置xがx=1〜nの合計n個の光電変換素子39のグレースケール読取り時の出力値(画素値)に相当する推定値である。
処理部45は、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)(但しx=1〜n)に低解像度処理を施して、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)を、検出部47による原稿検出処理時の低解像度DLに変換する。
また、図2に示す背景決定部46は、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)から、背景と認識するべき輝度値の範囲である背景範囲データを決定する。詳しくは、背景決定部46は、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)の最小値Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x)又はMmin(x)と、最大値Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x)又はMmax(x)とを求める。さらに背景決定部46は、最小値Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x)又はMmin(x)から第1マージンM1を減算することで、下限値RLow,GLow,BLow又はMLowを求める。また、背景決定部46は、最大値Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x)又はMmax(x)に第2マージンM2を加算することで、上限値RHigh,GHigh,BHigh又はMHighを求める。本例では、第1マージンM1が第2マージンM2よりも大きい。
ここで、図5に、カラー読取り時の赤成分のグレー背景推定値R(x)(但しx=1〜n)の一例を示す。各光電変換素子39は、個体差により読取特性が異なる。また、グレーの背景板35の被読取面は、微視的には例えば顔料の黒と白とが混在してグレーを呈しており、これもグレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)(但しx=1〜n)が、図5に示すグレー背景推定値R(x)(但しx=1〜n)の例のようにばらつきを生む原因になる。そのため、図5に示すように、最小値Rmin(x)から最大値Rmax(x)までの輝度値の範囲を背景板とみなす。但し、これでは輝度値のばらつき等が原因で背景板35を原稿16と間違える誤検出の虞があるため、最小値と最大値にマージンを付与した下限値と上限値とにより背景範囲データBGを規定する。その他の色である青、緑又はグレースケールについても、図5に示す赤成分の例と同様に、最小値と最大値にマージンを付与して背景範囲データを決定する。そして、グレー背景推定値に基づいてその下限値以上かつ上限値以下の範囲に決定された背景範囲データBGは、記憶部49に記憶される。
例えば図4に示すように、背景範囲データBGは、イメージセンサー34の読取対象となる背景板の面(換言すればその面を読み取るイメージセンサー)、解像度、色ごとに、背景範囲の閾値である下限値と上限値とが設定されている。詳しくは、第1イメージセンサー34Aの読取対象とされる第1背景板35Aの第1面P1と、第2イメージセンサー34Bの読取対象とされる第2背景板35Bの第2面P2とのそれぞれについて、解像度(例えば600dpi/300dpi)別に、読取り色(例えばカラー/グレースケール)別に、背景範囲データBGは設定される。なお、図4に示す背景範囲データBGは、カラースキャン方式が、イメージセンサー34がモノクロで、RGB色別の各光源を時系列に1つずつ順番に発光させる方式を採用する画像読取装置11の例である。イメージセンサー34がカラーフィルターを備え、白色光源を発光させる方式を採用する画像読取装置の例では、図4における読取色はカラーのみ取得する。
また、読取制御部42は、読取データSDにおいて背景範囲で規定される背景と区別して原稿16を検出する検出部47を備える。検出部47は、原稿検出処理を行うときに背景範囲データBGを使用する。
検出部47は、カラー読取りの場合、読取データの全画素のうち、RGB値の全てが下限値と上限値とで規定される背景範囲に入る画素を背景領域BAに属する画素とみなし、背景領域に属さない画素を原稿領域DAに属する画素とみなすことで、原稿を検出する。なお、本例では、図3に示す読取データSDに対して、背景範囲に属する画素を第1の値(例えば「0」)、背景範囲に属さない画素を第2の値(例えば「1」)にする2値化処理を行う。そして、検出部47は、2値化画像において第2の値に属する画素の領域を原稿16として検出する。検出部47は、図3に示すような読取データSDから原稿を検出した場合、原稿の位置情報として、原稿の位置座標、サイズ及び傾き角θ(回転角)を取得する。
例えば原稿16の材質(例えば紙)の色がグレーである場合、グレーには青味を帯びたグレーや赤味を帯びたグレーがある。例えば画像読取装置の全個体に共通に適用できる広めの背景範囲が設定された構成であると、読取データ中の各画素のRGB輝度値のうち1色が他の2色と比べグレーからずれた青味又は赤味を帯びたグレーの原稿の場合、RGB3色が全て背景範囲に入ることになって、原稿は検出できない。しかし、本実施形態では、背景範囲を、画像読取装置11の個体に応じて相対的に狭い範囲に設定できるので、読取データSD中の各画素のRGB輝度値のうち1色が他の2色と比べグレーからずれた場合に、その1色は背景範囲から外れることになり、原稿16として検出される。よって、原稿16を検出するときの色精度を向上させることができる。
また、読取制御部42は、AFEから入力されるデジタルの画素信号に対してシェーディング補正及びガンマ補正などの公知の補正処理を施して原稿の画像データを生成する補正部48を備える。また、補正部48は、検出部47が検出した原稿領域DAを読取データSDから切り取って必要に応じて位置情報に基づく補正を行う。本例では、原稿検出処理は、補正部48による少なくともシェーディング補正が施された後の読取データSDを用いて行われる。なお、制御部19は、ホスト装置などと通信を行うための入力部50及び出力部51を備える。
次に、画像読取装置11の作用を説明する。まず図6を参照して設定処理ルーチンについて説明する。制御部19内のコンピューター40が記憶部49から読み出したプログラムPGを実行することにより、設定部43によって設定処理は行われる。この設定処理は、例えば画像読取装置11の製品出荷前の工程で設定される。
まずステップS1では、グレー背景板をイメージセンサーに読み取らせてグレー基準データGSを取得する。コンピューター40は、読取部18を制御して、光源33を発光させてイメージセンサー34によってグレー背景板35を読み取る。第1イメージセンサー34Aと第2イメージセンサー34Bのそれぞれに対向するグレー背景板35を読み取らせる。この結果、イメージセンサー34が読み取ったグレー基準データGSを取得する。なお、本実施形態では、グレー基準データGSが、背景色基準データの一例に相当する。
ステップS2では、白基準チャートをイメージセンサーに読み取らせて白基準データWSを取得する。詳しくは、作業者が白基準チャートをセット部22にセットして読取指示操作を行うと、コンピューター40が搬送部17及び読取部18を制御し、白基準チャートに光源33の光を照射し、イメージセンサー34に白基準チャートを読み取らせる。第1イメージセンサー34Aと第2イメージセンサー34Bのそれぞれに白基準チャートを読み取らせる。この結果、イメージセンサー34が読み取った白基準データWSを取得する。
ステップS3では、光源を消灯した状態でイメージセンサーに読取動作を行わせて黒基準データKSを取得する。コンピューター40は、読取部18を制御して、光源33を消灯状態のままイメージセンサー34によって読取動作を行わせる。第1イメージセンサー34Aと第2イメージセンサー34Bのそれぞれに消灯状態の下で読取動作を行わせる。この結果、イメージセンサー34が消灯状態下で読み取った黒基準データKSを取得する。
ステップS4では、グレーデータGR=GS−KSを算出する。すなわち、コンピューター40は、グレー基準データGSから黒基準データKSを減算し、グレーデータGRを算出する。なお、本実施形態では、ステップS4の処理が、第1取得ステップの一例に相当する。
ステップS5では、白色データWR=WS−KSを算出する。すなわち、コンピューター40は、白基準データWSから黒基準データKSを減算し、白色データWRを算出する。なお、本実施形態では、ステップS5の処理が、第2取得ステップの一例に相当する。
ステップS6では、グレーデータGRと白色データWRとを記憶部に書き込む。こうして記憶部49に、グレーデータGR及び白色データWRが予め記憶された状態で、画像読取装置11は出荷される。このため、ユーザーが画像読取装置11を使用する際は、記憶部49にグレーデータGR及び白色データWRが予め記憶されている。
次に図7を参照してグレー背景範囲設定ルーチンについて説明する。ユーザーが画像読取装置11の電源を投入すると、コンピューター40は、図7に示すグレー背景範囲設定ルーチンを実行する。
まずステップS11では、初期値N=1を設定する。
ステップS12では、第Nイメージセンサー、読取解像度Dr=Dr1を設定する。今回はN=1なので、第1イメージセンサー34A、つまりその背景読取対象面として第1背景板35Aの第1面P1が選択され、読取解像度DrとしてDr1=600dpiが選択される。
ステップS13では、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)(但しx=1〜n)を計算する。推定部44は、グレーデータRgry(x),Ggry(x),Bgry(x)と、白色データRwht(x),Gwht(x),Bwht(x)とを用いて、下記の(1)〜(3)式に従って、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)(但しx=1〜n)を計算する。
R(x)=255×Rgry(x)/Rwht(x)…(1)
G(x)=255×Ggry(x)/Gwht(x)…(2)
B(x)=255×Bgry(x)/Bwht(x)…(3)
上記(1)式に従う計算により、第1イメージセンサー34Aが第1面P1を読み取ったときの画素ごとの赤色成分のグレー背景推定値R(x)として、R(1),R(2),…,R(n-1),R(n)が算出される。例えば図5に太線で示す赤色成分のグレー背景推定値R(x)(但しx=1〜n)が算出される。
また、上記(2)式に従う計算により、第1イメージセンサー34Aが第1面P1を読み取ったときの画素ごとの緑色成分のグレー背景推定値G(x)として、G(1),G(2),…,G(n-1),G(n)が算出される。
さらに上記(3)式に従う計算により、第1イメージセンサー34Aが第1面P1を読み取ったときの画素ごとの青色成分のグレー背景推定値B(x)として、B(1),B(2),…,B(n-1),B(n)が算出される。
ステップS14では、グレー背景推定値M(x)(但しx=x1〜n)を計算する。推定部44は、グレーデータMgry(x)と、白色データMwht(x)とを用いて、下記の(4)式に従ってグレースケール読取時のグレー背景推定値M(x)(但しx=1〜n)を計算する。
M(x)=255×Rgry(x)/Rwht(x)…(4)
上記(4)式に従う計算により、第1イメージセンサー34Aが第1面P1をグレースケールで読み取ったときの画素ごとのグレー背景推定値M(x)として、M(1),M(2),…,M(n-1),M(n)が算出される。なお、ステップS13及びS14の処理が、推定ステップの一例に相当する。
ステップS15では、グレー背景推定値の低解像度化処理を行う。グレー背景推定値R(x),G(x),B(x),M(x)(但しx=1〜n)のそれぞれに低解像度化処理の一例として画素平均処理を行う。例えば低解像度DL=50dpiとすると、読取解像度Dr=Dr1(例えば600dpi)である今回は、Dr1/DL画素平均処理(例えば12画素平均処理)を行う。こうしてグレー背景推定値R(x),G(x),B(x),M(x)は、原稿検出処理で用いられる解像度に合った低解像度DLに変換される。
ステップS16では、グレー背景推定値の最小値Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)を検出する。図5に示す赤成分のグレー背景推定値R(x)の例では、同図に示されたR(x)のグラフにおいて最小値Rmin(x)を検出する。他の色成分についても同様にグレー背景推定値G(x),B(x),M(x)の最小値Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)を検出する。
ステップS17では、最小値から第1マージンを減算してグレー背景範囲の下限値RLow,GLow,BLow,MLowを算出する。図5に示す赤成分の例では、最小値Rmin(x)から第1マージンM1を減算して同図に示すグレー背景範囲の下限値RLowを算出する。他の色成分についても同様に、最小値Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)から第1マージンM1を減算してグレー背景範囲の下限値GLow,BLow,MLowを算出する。なお、第1マージンM1は、色成分ごとに個別の値を設定してもよいし、色成分間で共通の値を設定してもよい。
ステップS18では、グレー背景推定値の最大値Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)を検出する。図5に示す赤成分のグレー背景推定値R(x)の例では、同図に示されたR(x)のグラフにおいて最大値Rmax(x)を検出する。他の色成分についても同様にグレー背景推定値G(x),B(x),M(x)の最大値Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)を検出する。
ステップS19では、最大値に第2マージンを加算してグレー背景範囲の上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighを算出する。図5に示す赤成分の例では、最大値Rmax(x)に第2マージンM2を加算して同図に示すグレー背景範囲の上限値RHighを算出する。他の色成分についても同様に、最大値Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)に第2マージンM2を加算してグレー背景範囲の上限値GHigh,BHigh,MHighを算出する。なお、第2マージンM2は、色成分ごとに個別の値を設定してもよいし、色成分間で共通の値を設定してもよい。なお、ステップS16〜S19の処理が、決定ステップの一例に相当する。
ステップS20では、第Nイメージセンサーの設定を終了したか否かを判断する。今回(N=1)の第1イメージセンサーの設定を終了していないので、ステップS21に進んで、次の読取解像度Dr=Dr2(例えば300dpi)を選択する。そして、次の読取解像度Dr2についても同様に、ステップSS13〜S19の処理を行う。こうして第1イメージセンサー34A(つまり第1面P1)かつ読取解像度Dr2の条件についても、グレー背景範囲の下限値RLow,GLow,BLow,MLowと上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighとが算出される(S17,S19)。
こうして第1イメージセンサーの設定を終了すると(S20で肯定判定)、ステップS22に進んで、全イメージセンサーの設定を終了したか否かを判断する。今回は第1イメージセンサー34Aの設定を終えただけで未設定のイメージセンサーがまだ存在するので、ステップS23に進んで、N値をインクリメントする。こうして次のステップS12において、第2イメージセンサー34Bと読取解像度Dr1=600dpiとが設定される。つまり、N=2の今回は、第2イメージセンサー34B、つまりその背景読取対象面として第2背景板35Bの第2面P2が選択され、読取解像度DrとしてDr1=600dpiが選択される。
そして、ステップS13〜S19の処理によって、第2イメージセンサー34Bについても読取解像度Dr1=600dpiのときのグレー背景範囲の下限値RLow,GLow,BLow,MLowと上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighとが算出される。さらに読取解像度Dr1の処理を終えると、次の読取解像度Dr2=300dpiを選択し(S21)、次の読取解像度Dr2についても同様に、ステップSS13〜S19の処理を行う。こうして読取解像度Dr2についても、グレー背景範囲の下限値RLow,GLow,BLow,MLowと上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighとが算出される。
そして、全ての設定が終わると、当該グレー背景範囲設定ルーチンを終了する。こうして図4に示すように、第1イメージセンサー34Aの背景読取対象面である第1面P1について、読取解像度600dpi,300dpiごとに、カラーとグレースケール別に、背景範囲の閾値として下限値RLow,GLow,BLow,MLowと上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighとが、記憶部49に記憶される。また、図4に示すように、第2イメージセンサー34Bの背景読取対象面である第2面P2について、読取解像度600dpi,300dpiごとに、カラーとグレースケール別に、背景範囲の閾値として下限値RLow,GLow,BLow,MLowと上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighとが、記憶部49に記憶される。
次に図8を参照して読取処理ルーチンについて説明する。この読取処理ルーチンは、ユーザーが操作したホスト装置からスキャン指示を受け付けたときに、制御部19内のコンピューター40が読取処理用プログラムを実行することで行われる。この読取処理の中で、記憶部49に記憶された図4に示す背景範囲データBG(閾値データ)を用いて、原稿検出処理が行われる。なお、ユーザーは、画像読取装置11のセット部22に原稿16をセットした後、ホスト装置のマウス等の操作部を操作して、読取解像度(600dpi/300dpi)、読取色(カラー/グレースケール)及び読取方法(片面読取/両面読取)を含む読取条件を選択後、スキャンの実行を指示する。このスキャンの実行の指示を受け付けると、コンピューター40は、図8に示す読取処理ルーチンを実行する。
まずステップS31では、原稿を背景と共に指定の読取条件で読取る。すなわち、制御部19内の搬送制御部41は搬送部17の動力源である搬送モーター17Mを駆動制御して、セット部22にセットされた原稿16のうち最下層の一枚の原稿16を給送する。原稿16は、各ローラー25,27,28により搬送経路21に沿って上流側から下流側へ向かって搬送される。そして、原稿16はその搬送途中の読取領域で読取部18によって読み取られる。例えば両面読取の場合、原稿16の表面は第1イメージセンサー34Aにより読み取られ、原稿の裏面は第2イメージセンサー34Bにより読み取られる。また、片面読取の場合、原稿16の表面が第1イメージセンサー34Aにより読み取られる。図3に示すように、読取データSDは、主走査方向Xの一辺が主走査読取範囲の長さで、副走査方向Yの一辺が副走査読取範囲の長さであるデータサイズを有する。また、読取データSDには、原稿16が読み取られた原稿領域DAと、背景板35のうち原稿16の背景として一部読み取られた背景領域BAとが含まれる。原稿16は、地の色が白色系のものが多いが、青系、緑系、赤系などの有彩色のものなどが使用される場合がある。
ステップS32では、読取データの低解像度化処理を行う。この低解像度化処理は、図2におけるステップS15と同様の処理であって、処理部45が低解像度化処理として画素平均処理を行う。本例では、Dr/DL画素平均処理を行う。つまり、読取解像度が600dpiのときは例えば12画素平均処理を行い、読取解像度が300dpiのときは例えば6画素平均処理を行う。この低解像度化処理の結果、読取データは低解像度DL(例えば50dpi)に変換される。
ステップS33では、読取条件に応じた背景範囲を取得する。スキャンの指示と共に受け付けた読取条件を基に、図4に示す背景範囲データBGを参照して、その読取条件に応じた背景範囲の閾値を取得する。例えば読取解像度600dpiのカラーで片面読取が指定された場合、背景範囲の閾値として図4における最上段に示された下限値RLow,GLow,BLowと上限値RHigh,GHigh,BHighとを取得する。また、例えば読取解像度300dpiのグレースケールで両面読取が指定された場合、背景範囲の閾値として、図4に示す背景範囲データBGにおける上から4番目と一番下の下限値RLow,GLow,BLowと上限値RHigh,GHigh,BHighとを取得する。
ステップS34では、二値化処理を行う。すなわち、処理部45は、読取データSDの画素の輝度値を背景範囲と比べ、背景範囲内の値であれば第1の値(例えば「0」)とし、背景範囲外の値であれば第2の値(例えば「1」)とすることで、読取データSDを二値化データに変換する。この二値化処理によって、例えば図3において原稿領域DAが白、背景領域BAが黒となった二値化データが得られる。
ステップS35では、二値化データに基づいて原稿の有無を検出する。すなわち、検出部47は、二値化データに基づいて輝度値が第2の値(例えば「1」)をとる原稿領域DAを検出する。このとき、二値化データ中に輝度値が第2の値をとる規定サイズ以上の領域が存在すれば、その領域を原稿領域として原稿を検出する。一方、二値化データ中に輝度値が第2の値をとる規定サイズ以上の領域が存在しなければ、原稿は検出されない。
ここで、本実施形態では、背景範囲の閾値は、画像読取装置11ごとに個別に設定されているため、下限値と上限値とで規定される背景範囲は比較的狭い。原稿16の地の色は多くが白系なので、原稿領域DAと背景領域BAとの輝度値の違いから、原稿16は検出される。また、原稿16の地の色には、青系、緑系、赤系などの有彩色のものもあるが、この種の有彩色の原稿16も、原稿領域DAと背景領域BAとの輝度値の違いから検出される。なお、原稿16の地の色が、例えばグレーであっても、原稿領域DAと背景領域BAとの輝度値が異なれば、この種の無彩色同士の原稿と背景板との組合せであっても、原稿は検出される。
例えば原稿16がグレーである場合、グレーには青味を帯びたグレーや赤味を帯びたグレーもある。この場合、読取データ中の各画素のRGB輝度値が一色でも背景範囲から外れていれば、背景板ではなく原稿16として検出する。よって、原稿の検出精度を相対的に高めることができる。例えば、画像読取装置の全個体に共通の広めの背景範囲が設定されている構成の場合、読取データ中の各画素のRGB輝度値が全色とも背景範囲に入ってしまうことになり易く、原稿の検出頻度が低下する。しかし、本実施形態では、画像読取装置11の個体ごとに狭めの背景範囲が設定されるので、少し青味や赤味を帯びたグレーを呈する原稿16を読み取った際にその読取データ中の各画素のRGB輝度値のうち一色が背景範囲から外れることになり、原稿16を検出することができる。なお、本実施形態では、ステップS35の処理が、検出ステップの一例に相当する。
ステップS36では、原稿があるか否かを判断する。検出部47の検出結果に基づいて、原稿の有無を判断する。すなわち、読取制御部42は、原稿があればステップS37に進み、原稿がなければステップS39に進む。
ステップS37では、原稿の位置情報を取得する。補正部48は、二値化データに基づいて原稿領域DAの座標から、原稿の位置情報として、原稿領域DAの位置座標、サイズ及び回転角θ(傾き角)を取得する。例えば図3に示すように原稿領域DAが副走査方向Yに対して所定の回転角θだけ傾いていた場合は、位置座標とサイズと共に回転角θも取得する。なお、位置情報は、位置座標及びサイズだけでもよい。
ステップS38では、位置情報に基づく原稿読取データを出力する。補正部48は、位置座標、サイズ及び回転角θに基づいて読取データSD中から原稿領域DAを切り取り、切り取った原稿領域DAを回転角θの分だけその傾き方向と逆方向に角度補正した後、原稿画像データIDとして出力部51からホスト装置へ出力する。
一方、ステップS39では、エラーを出力する。すなわち、読取制御部42は、原稿を搬送したにも拘らず、原稿16を検出できなかった場合は、原稿なしやジャムなどの原因で原稿を検出できない旨のエラーを出力する。なお、原稿16の地の色と背景板35の色とが近い場合や、グレースケールで読み込んだときに原稿領域DAの輝度値が背景範囲に入って原稿が検出されない場合も、エラーが出力される。
以上詳述した第1実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)例えば原稿16の材質(例えば紙)の色がグレーである場合、青味を帯びたグレーや赤味を帯びたグレーもある。画像読取装置の全個体に共通に適用できる広めの背景範囲が設定された構成であると、この種の青味や赤味を帯びたグレーである場合、読取データ中の各画素のRGB輝度値のうち1色が他の2色と比べグレーからずれていても、RGB3色が全て背景範囲に入ってしまい、原稿の検出が不能となる。しかし、本実施形態によれば、画像読取装置11の個体ごとに背景範囲を相対的に狭く設定できるので、読取データ中の各画素のRGB輝度値のうち1色が他の2色と比べグレーからずれている場合、その1色が背景範囲から外れる頻度が高くなり、外れた場合は原稿16として検出できる。よって、原稿を検出するときの色精度を向上させることができる。
(2)規格外の有色(例えばグレー)が採用された背景板35を備えた画像読取装置11でも、個体ごとに背景範囲が設定されるので、原稿の検出の失敗を低減し、原稿の検出精度を相対的に高めることができる。
(3)最小値Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)から減算される第1マージンM1を、最大値Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)に加算される第2マージンM2よりも大きくした。このため、背景板35にできた原稿16の影の部分も背景として検出できる。よって、背景板35に原稿の影ができた場合でも、その影を原稿と間違える誤検出を低減できる。
(4)背景決定部46は、異なる読取解像度(例えば600dpi,300dpi)に応じて適切な背景範囲を決定する。よって、読取解像度の違いによらず原稿の検出精度を高くすることができる。
(5)背景決定部46は、読取色についてカラーかグレースケールかに応じた適切な背景範囲を決定する。よって、読取色(カラー/グレースケール)の違いによらず原稿の検出精度を高くすることができる。
(6)2つのイメージセンサー34A,34Bは、表面読取り用の背景板35A(第1面P1)と、裏面読取り用の背景板35B(第2面P2)とをそれぞれ読み取って、各イメージセンサー34A,34B及び背景板35A,35Bの個体に応じた適切な背景範囲を決定する。よって、各イメージセンサー34A,34B及び背景板35A,35Bの個体差によらず、原稿16の検出精度を高くすることができる。
(7)グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)又はM(x)に低解像度処理を施して、原稿検出時の解像度に合わせた低解像度DLのグレー背景推定値から背景範囲データBGを求めた。検出部47は、イメージセンサー34が原稿16を読み取った際の読取解像度よりも低い低解像度DLの読取データSDと、同じく低解像度DLの背景範囲データBGとに基づいて原稿16を検出する。よって、原稿16の検出精度を高く維持しつつ、原稿検出処理の所要時間を短く済ませることができる。また、読取データSDを背景範囲データBGに基づき二値化処理して得られる二値化データを用いて原稿検出処理を行うので、比較的簡単な処理で原稿16を検出できる。
(8)グレーデータGRと白色データWRとを予め記憶部49に記憶した。そして、推定部44及び背景決定部46は、記憶部49から読み出したグレーデータGRと白色データWRとに基づいて背景推定データの一例としてグレー背景推定値を取得し、グレー背景推定値に基づいて背景範囲データBGを決定する。よって、ユーザーによる電源投入後、背景板35をイメージセンサー34で読み取る読取動作を行わなくても、背景範囲データBGを決定できるので、電源投入後に原稿16の読取動作を速やかに開始することができる。
(第2実施形態)
次に図7及び図9を参照して、第2実施形態について説明する。第1実施形態では、予め記憶部49に記憶したグレーデータと白色データとに基づいて背景範囲データBGを算出した。これに対して本実施形態では、ユーザーによる画像読取装置11の電源投入後にイメージセンサー34が背景板35を読み取って得た第2のグレー基準データと、光源33の消灯状態の下でイメージセンサー34が読取動作を行って得た第2の黒基準データとに基づいて、第2のグレーデータGR2を取得する。そして、記憶部49に予め記憶された第1実施形態と同様の第1のグレーデータGR及び白色データWRと、この第2のグレーデータGR2とに基づいて、背景範囲データを求める。
画像読取装置11の構成及び処理について第1実施形態と共通の部分はその説明を省略し、特に第1実施形態と異なるグレー背景範囲設定ルーチンの詳細を説明する。ユーザーが電源を投入して画像読取装置11が起動されると、起動中においてコンピューター40は図9に示すグレー背景範囲設定ルーチンを実行する。
ステップS41では、画像読取装置11の電源投入時であるか否かを判断する。電源投入時であればステップS42に進み、電源投入時でなければ当該ルーチンを終了する。
ステップS42では、グレー背景板35をイメージセンサー34に読み取らせて第2のグレー基準データGS2を取得する。
次のステップS43では、光源33を消灯した状態でイメージセンサー34に読取動作を行わせて第2の黒基準データKS2を取得する。
次のステップS44では、第2のグレー基準データから第2の黒基準データを減算することで、第2のグレーデータGR2を取得する。
そして、ステップS45では、図7とほぼ同様のフローチャートで示されるグレー背景範囲設定処理を行う。ここで、記憶部49には前記第1実施形態と同様のグレーデータGRが第1のグレーデータGR1として記憶されると共に白色データWRが記憶されている。なお、本実施形態では、第1のグレーデータGR1が第1の背景色データの一例に相当し、第2のグレーデータGR2が第2の背景色データの一例に相当する。
コンピューター40は、記憶部49に予め記憶された第1のグレーデータGR1及び白色データWRと、第2のグレーデータGR2とに基づいて背景範囲データBGを設定する図7とほぼ同様のグレー背景範囲設定ルーチンを行う。但し、本実施形態では、図7におけるステップS13とS14の各処理で用いる計算式が前記第1実施形態と異なる。
すなわち、ステップS13では、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x)(但しx=1〜n)は、第1のグレーデータRgry(x),Ggry(x),Bgry(x)と、白色データRwht(x),Gwht(x),Bwht(x)と、第2のグレーデータR2gry(x),G2gry(x),B2gry(x)とを用いて、推定部44によって次式により算出される。
R(x)=R2gry(x)×Rgry(x)/Rwht(x)…(5)
G(x)=G2gry(x)×Ggry(x)/Gwht(x)…(6)
B(x)=B2gry(x)×Bgry(x)/Bwht(x)…(7)
また、ステップS14では、グレー背景推定値M(x)(但しx=1〜n)は、第1のグレーデータMgry(x)と、白色データMwht(x)と、第2のグレーデータM2gry(x)とを用いて、推定部44によって次式により算出される。
M(x)=M2gry(x)×Mgry(x)/Mwht(x)…(8)
この場合、第1のグレーデータGR1と白色データWRとは、同じ温度条件の下で取得されたグレー基準データ、白基準データ及び黒基準データに基づき算出されたデータなので、グレー背景推定値R(x),G(x),B(x),M(x)は、比較的精度の高い値として取得される。そして、コンピューター40は、図7とほぼ同様のフローチャートに従って、背景範囲データBGを設定する。この構成によれば、例えば背景板35が経時変化により変色したり、イメージセンサー34の光電変換特性が変化したりしても、そのイメージセンサー34がその変色した背景板35を読み取った読取結果に基づいて適切なグレー背景推定値R(x),G(x),B(x),M(x)を算出できる。よって、グレー背景推定値の最小値Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)から第1マージンM1を減算して得た下限値RLow,GLow,BLow,MLowと、最大値Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)に第2マージンM2を加算して得た上限値RHigh,GHigh,BHigh,MHighを適切な値として取得できる。なお、本実施形態では、図7に示すグレー背景範囲設定ルーチンにおいてステップS13では上記(5)〜(7)式を用い、ステップS14では上記(8)式を用いる点が異なり、その他のステップは前記第1実施形態と同様である。
よって、この第2実施形態によれば、画像読取装置11の消耗に起因して背景板35が変色したりイメージセンサー34の光電変換特性が変化したりしても、その変色した背景板35をイメージセンサー34で読み取った読取り結果に基づく第2のグレーデータを用いて、そのときの変化状況に応じた適切な背景範囲データBGを決定できる。よって、背景板35の色やイメージセンサー34の光電変換特性が当初に比べ変化しても、比較的高い原稿検出精度を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・原稿を搬送する搬送機構を備えたシートフィード型の画像読取装置11に限定されず、原稿を原稿台上に載置して読取りを行う図10に示すフラットベッド型の画像読取装置61でもよい。図10に示すように、フラットベッド型の画像読取装置61は、原稿16を載置するための載置面62を有する原稿台63と、原稿台63の載置面62を覆う原稿カバー64とを備えている。原稿カバー64は、原稿台63に対してヒンジ65を介して載置面62上の原稿16を押さえる「閉位置」と、載置面62に原稿をセットしたり読取後の原稿を取り除いたりする際の「開位置」との間を開閉可能となっている。原稿カバー64における載置面62との対向面64Aの一部には、背景部の一例として、載置面62と同形状及び同サイズを有する矩形板状のグレー背景板66が設けられている。原稿台63の内部には、主走査方向Xに長く延びた長尺状の読取部67が副走査方向Yに沿って移動可能に設けられている。制御部68が走査用モーター69を駆動制御することで、読取部67は、副走査方向Yに往復移動し、その移動途中で載置面62上にセットされた原稿16を読み取る。読取部67は、前記実施形態における読取部18と基本的に同様の構成で、図1に示す光源33とイメージセンサー34とを1組備える。制御部68の構成は、図2に示す制御部19と基本的に同様であり、図2における搬送制御部41が、走査用モーター69を駆動制御する走査制御部に置き換わった点が異なる。図10に示すフラットベッド型の画像読取装置61の例では、載置面62上にセットされた原稿16を読取部67が読み取るときに、原稿16とグレー背景板66とが読み取られる。そのため、図3に示したものと同様に、読取データSDには原稿領域DAと背景領域BAとが含まれる。グレー背景範囲(背景範囲の一例)は、画像読取装置61の個体ごとに設定されるので、原稿の検出精度が向上する。
・第1マージンM1を第2マージンよりも大きくしたが、第1マージンM1と第2マージンを同じにしてもよい。また、第1マージンM1を第2マージンよりも小さくしてもよい。
・上記実施形態において、背景板35の被読取面の色は、黄色、水色、赤色、青色、緑色、オレンジ色などの有色であれば任意の色としてもよいが、単色であることが好ましい。
・両面読取機能がなくてもよい。例えば原稿の片面のみ読取り可能な構成である場合、1つの背景板35をイメージセンサー34で読み取り、第1の面、解像度(600dpi,300dpi)、読取色(カラー、グレースケール)ごとに背景範囲の閾値を設定すればよい。
・背景読取対象の面のみ個別に背景範囲を設定したり、解像度のみ個別に背景範囲を設定したり、読取色(カラー、グレースケール)のみ個別に背景範囲を設定したりしてもよい。
・複数の背景読取対象面間で共通の背景範囲を設定したり、複数の解像度間で共通の背景範囲を設定したり、複数の読取色間で共通の背景範囲を設定したりしてもよい。
・電源投入時の度に背景範囲データBGを計算したが、第1実施形態では、画像読取装置11の最初の電源投入時のみ背景範囲設定処理を行ってもよい。この場合、背景範囲データBGは不揮発性メモリーからなる記憶部49に記憶させる。また、第2実施形態では、電源投入時だけでなく、電源投入後、定期又は不定期に複数回の背景範囲設定処理を行ってもよい。
・イメージセンサーは、CMOSイメージセンサーに限定されず、例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー、又はCCD(charge coupled device)イメージセンサーとしてもよい。
・輝度値は256階調に限定されず、16階調、32階調、64階調、128階調、512階調、1024階調でもよい。
・イメージセンサー34は、リニアイメージセンサーに限定されず、エリアイメージセンサーでもよい。
・搬送部17は、原稿16を静電気で吸着させたベルトの回転によって搬送する構成でもよい。
・コンピューター40内の各機能部は、プログラムを実行するコンピューターによりソフトウェアで実現したが、例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC(Application Specific IC)等の電子回路によりハードウェアで実現したり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現したりしてもよい。
・原稿の材質は紙に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、樹脂と金属の複合体フィルム(ラミネートフィルム)、織物、不織布、金属箔、金属フィルム、セラミックシートなどであってもよい。
・画像読取装置は、スキャナー機能に加え、印刷機能及びコピー機能を備えた複合機の一部でもよい。
11…画像読取装置、16…原稿、17…搬送部、19…制御部、31…第1読取部、32…第2読取部、33…光源、33A…第1光源、33B…第2光源、34…イメージセンサー、34A…第1イメージセンサー、34B…第2イメージセンサー、35…背景部の一例としての背景板、35A…背景部の一例としての第1背景板、35B…背景部の一例としての第2背景板、39…光電変換素子、40…コンピューター、41…搬送制御部、42…読取制御部、43…設定部、44…決定部の一例を構成する推定部、45…決定部の一例を構成する処理部、46…決定部の一例を構成する背景決定部、47…検出部、48…補正部、49…記憶部、61…画像読取装置、66…背景部の一例としてのグレー背景板、PG…プログラム、GS…背景色基準データの一例としてのグレー基準データ、GR…背景色データの一例としてのグレーデータ、GR1…第1の背景色データの一例としての第1のグレーデータ、GR2…第2の背景色データの一例としての第2のグレーデータ、WS…白基準データ、WR…白色データ、BG…背景範囲の一例としての背景範囲データ、SD…読取データ、DA…原稿領域、BA…背景領域、BG…背景範囲データ、DL…低解像度、R(x),G(x),B(x),M(x)…背景推定データの一例としてのグレー背景範囲推定値、Rmin(x),Gmin(x),Bmin(x),Mmin(x)…最小値、Rmax(x),Gmax(x),Bmax(x),Mmax(x)…最大値、M1…第1マージン、M2…第2マージン、X…主走査方向、Y…副走査方向。

Claims (10)

  1. 原稿検出機能を有する画像読取装置であって、
    原稿に光を照射可能な光源と、
    前記原稿を読み取り可能な複数の光電変換素子を有するイメージセンサーと、
    前記イメージセンサーが原稿を読み取る際に当該原稿の背景となる位置に配置された白色と黒色とを除く有色の背景部と、
    前記イメージセンサーに前記背景部を読み取らせた背景色基準データに基づく背景色データと、前記イメージセンサーに白基準を読み取らせた白基準データに基づく白色データとの比に基づいて、複数の前記光電変換素子が前記背景部を読み取ったときに取得されると推定される輝度値列からなる背景推定データを取得し、当該背景推定データの最小値と最大値とに基づいて前記背景部とみなす輝度値の範囲を示す背景範囲を決定する決定部と、
    前記イメージセンサーが原稿を読み取った読取データ前記背景範囲に属さない画素から前記原稿を検出する検出部と、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置。
  2. 前記決定部は、前記背景推定データの最小値から第1マージンを引いた下限値以上、かつ当該背景推定データの最大値に第2マージンを加えた上限値以下の範囲を、前記背景範囲とし、
    前記第1マージンは前記第2マージンよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記決定部は、異なる解像度別に前記背景範囲を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
  4. 前記決定部は、カラーとグレースケール別に前記背景範囲を決定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  5. 前記イメージセンサーは、原稿の表面読取り用と裏面読取り用との少なくとも2つ設けられ、
    前記背景部は、原稿の表面読取り用と裏面読取り用との2つの前記イメージセンサーに対向する各位置に配置され、
    前記決定部は、前記2つのイメージセンサーについて個別に前記背景範囲を決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  6. 前記検出部は、前記イメージセンサーが原稿を読み取ったときの読取解像度よりも低い低解像度の読取データを取得し、当該低解像度の読取データと前記背景範囲とに基づいて前記原稿を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  7. 前記背景色データと前記白色データとを記憶する記憶部を更に備え、
    前記決定部は、前記記憶部から読み出した前記背景色データと前記記憶部から読み出した前記白色データとの比に基づいて、複数の前記光電変換素子が前記背景部を読み取ったときに取得されると推定される輝度値列からなる背景推定データを取得し、当該背景推定データの最小値と最大値とに基づいて前記背景部とみなす輝度値の範囲を示す背景範囲を決定することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  8. 前記背景色データと前記白色データとを記憶する記憶部を更に備え、
    前記背景色データを第1の背景色データとした場合、
    前記決定部は、前記光源の光を照射した前記背景部を前記イメージセンサーに読み取らせた読取り結果に基づいて第2の背景色データを取得し、前記第2の背景色データと前記第1の背景色データとの積に対する前記白色データの比に基づいて、前記背景推定データ取得することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  9. 前記背景部の前記有色はグレーであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像読取装置。
  10. 画像読取装置における原稿検出方法であって、
    前記画像読取装置は、原稿に光を照射する光源と、前記原稿を読み取り可能な複数の光電変換素子を有するイメージセンサーと、前記イメージセンサーが読み取る前記原稿の背景となる位置にあって白色と黒色とを除く有色の背景部とを備え、
    前記光源の光が照射された前記背景部を前記イメージセンサーに読み取らせた読取り結果に基づく背景色データを取得する第1取得ステップと、
    前記イメージセンサーに白基準を読み取らせた読取り結果に基づく白色データを取得する第2取得ステップと、
    前記背景色データと前記白色データとの比に基づいて、複数の前記光電変換素子が前記背景部を読み取ったときに取得される輝度値列からなる背景推定データを推定する推定ステップと、
    前記背景推定データの最小値と最大値とに基づいて前記背景部とみなす輝度値の範囲である背景範囲を決定する決定ステップと、
    前記イメージセンサーが原稿を読み取った読取データ前記背景範囲に属さない画素から前記原稿を検出する検出ステップと、
    を備えたことを特徴とする画像読取装置における原稿検出方法。
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