JP6603801B2 - パルス化電位ガスセンサ - Google Patents

パルス化電位ガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP6603801B2
JP6603801B2 JP2018519866A JP2018519866A JP6603801B2 JP 6603801 B2 JP6603801 B2 JP 6603801B2 JP 2018519866 A JP2018519866 A JP 2018519866A JP 2018519866 A JP2018519866 A JP 2018519866A JP 6603801 B2 JP6603801 B2 JP 6603801B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
potential
output signal
working electrode
target gas
surface area
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018519866A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018537659A (ja
Inventor
シェフラー,タウナー,ベネット
Original Assignee
エムエスエー テクノロジー, リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by エムエスエー テクノロジー, リミテッド・ライアビリティ・カンパニー filed Critical エムエスエー テクノロジー, リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
Publication of JP2018537659A publication Critical patent/JP2018537659A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6603801B2 publication Critical patent/JP6603801B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/404Cells with anode, cathode and cell electrolyte on the same side of a permeable membrane which separates them from the sample fluid, e.g. Clark-type oxygen sensors
    • G01N27/4045Cells with anode, cathode and cell electrolyte on the same side of a permeable membrane which separates them from the sample fluid, e.g. Clark-type oxygen sensors for gases other than oxygen
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
    • G01N27/30Electrodes, e.g. test electrodes; Half-cells

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年12月21日に出願された米国特許出願第14/976,034号の利益を主張し、その開示は、参照によって本明細書に援用される。
以下の情報は、以下に開示された技術を理解するうえで読者を支援するために提供され、また、そのような技術が典型的に利用され得る状況を支援するために提供される。本明細書において使用される用語は、本明細書で特に明記しない限り、特定の狭い解釈に限定されることを意図したものではない。本明細書に記載の参考文献は、技術又はその背景の理解を容易にすることができる。本明細書で引用された全ての参考文献の開示は、参照によって援用される。
パルス電気化学技術は周知のものである。パルスボルタンメトリー法は、電気化学的分析における検出限界を低下させることができる。通常の電気化学セルにおいて、「ファラデー」電流及び「非ファラデー」電流と称される2種類の電流が観察される。ファラデー電流は、一の化学物質から他の化学物質への電気化学的変換、即ち、酸化又は還元のいずれかから生じ、下記のごとく一般化される。
式(1)における記号“e”は、電気化学的変換において伝達された電子を表し、nは、電子の数である。電気化学的変換において伝達された電子は、標的ガスに暴露されたときに、センサによって生成された出力/信号電流を生じさせる。一方、非ファラデー電流は、電極表面に非常に近い、センサの電解質中に存在するイオンの再配置から、また、イオンの吸脱着といった他のプロセスから生じる。非ファラデー電流は、センサの分析信号に寄与しないが、標的ガスが存在しないときのセンサ信号において観察されるノイズをもたらす。上記の説明は、一定の電位で操作されるセンサに適用される。
標的ガスが存在しない場合に、センサの作用電極に印加される電位が急激に変化すると、非ファラデーのセンサに瞬時電流が流れることとなる。この電流は、指数関数的な時間依存性を有し、下記式(2)に従ってゼロ電流へ向けて減少することとなる。

ここで、iは、観察された電流(充電電流)であり、tは、電位変化後の時間であり、Eは、電位変化の大きさであり、Rは、溶液抵抗であり、CWEは、(作用電極の電気化学的に活性/接近可能な面積に直接的に依存する)作用電極の容量である。この挙動は、図1Aに示されている。
標的ガスが存在する場合に、電位変化が作用電極にはたらくと、作用電極の電位は、標的ガスがファラデー反応を受けた(酸化又は還元された)ようになり、観察される電流が、下記式によって提供される。
ここで、iは、充電電流iと、ファラデー電流iとの和である。アンペロメトリック(電流測定)電気化学センサの場合には、iは、下記のように表されることが多い。

式(4)において、nは電気化学反応に関与する電子の数であり、Fはファラデー定数であり、Aは作用電極の電気化学的に活性/接近可能な面積であり、Cは標的ガスの濃度であり、Dは標的ガスの拡散係数であり、また、xは作用電極の電気化学的活性表面に達するために拡散しなければならない標的ガスの距離である。式(4)は、フィックの拡散法則を考慮することによって得られる。式(4)は、ファラデー電流が標的ガスの濃度に直接的に依存し、時間に無関係な近似値であると仮定されていることを示す。D/xの値(実験の物理的条件の下でのフィックの法則についての溶液)は、常に時間依存性であると思われる。しかしながら、その値は、アンペロメトリック電気化学的ガスセンサにおける定常状態に迅速に達し、基本的に時間に依存しない。
パルスボルタンメトリー法又はポーラログラフィーの理論の種々の議論及び誘導が示すことは、これらの技術の開発の背景にある動機が、充電電流とファラデー電流とを時間内に分離することによってこれらの方法の分析感度を増加させることを含む点である。パルスボルタンメトリー法の成功のために必要とされる一般的に認められた少なくとも3つの重要な基準がある:第1に、電位パルスは小さくあるべきある。最大忠実性のために、パルスの大きさは、約0.059/nボルト未満(25℃)であるべきであり、ここで、nは電気化学反応で伝達された電子の数である(式(1)を参照)。第2に、パルス間の時間は、充電電流を小さい値に減衰させることができる程度に、長くあるべきである。古くからあるサイズ又はそれ以下の分析用電極(1cm)において、待機時間は、数秒(即ち、5秒以上、より典型的には数百秒)程度であってよい。第3に、電極面積が最小化されるべきである。パルスボルタンメトリー技術は、当初、電気化学的に活性/接近可能な面積とほぼ同じ幾何学的面積のマクロ電極を用いた、電気分析手順における使用のために開発された。例えば、下記参照。 A. J. Bard and L. R. Faulkner, Electrochemical Methods (Wiley: New York), 1980, 183; P. T. Kissinger and W. R. Heineman, Laboratory Techniques in Electroanalytical Chemistry (Marcel Dekker: New York), 1984, 143; J. Osteryoung and M. M. Murphy, “Normal and Revers Pulse Voltammetry at Small Electrodes,” Microelectrodes: Theory and Applications, 1991, 123-138; and J. Osteryoung and K. Hasebe, “Pulse Polarography - Theory and Application,” Review of Polarography, 1976, 1:22, 1-25 。これらの技術の感度を増大させるための要望(ならびに他の動機)が、約1μmの面積を有する電極、マイクロ電極、及び超マイクロ電極の開発につながった。
これら開発のすべては、一般的に、ファラデー電流に対する充電電流を最小限に抑えるということを念頭に、1つの目標を持っていた。パルスボルタンメトリー技術は、電気分析方法の典型的に有用な濃度範囲を、千分の1(10−3)から、百万分の1(10−6)、また、これ未満へ低下させた。
上記の説明は、古くからある解法志向型の電気分析技術に適用される。アンペロメトリック電気化学ガスセンサは、そのような用途においてパルス技術の有用性を厳しく制限又は排除すると理解されてきた、いくつかの重要な手段において異なっている。
一の態様では、電気化学ガスセンサの操作方法は、電極触媒を含み、且つ、幾何学的表面積に対する電気化学的に接近可能な総表面積の比が少なくとも2:1である少なくとも1つの作用電極を有する、電気化学ガスセンサの操作方法であって、
第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を電極触媒が有する第1電位と、第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を電極触媒が実質的に有しない第2電位であって第1電位とは異なる第2電位とに、選択的に複数回、作用電極の電位を偏らせ、第1電位で第1標的ガスの酸化還元反応から生じる第1出力信号を測定することと、
非ファラデー電流から生じる第1出力信号の一部を分離するために作用電極を第1電位に偏らせつつ、第1出力信号を解析(デコンボリューション)して、第1標的ガスの濃度を決定することと、を含む。
本方法は、非ファラデー電流から生じる第1出力信号の一部を分離するために作用電極を第1電位に偏らせつつ、第1出力信号を解析(デコンボリューション)して、作用電極の電位を第1電位に偏らせた複数回のそれぞれの第1標的ガスの濃度を決定することをさらに含んでもよい。
いくつかの実施形態において、幾何学的表面積に対する電気化学的に接近可能な総表面積の比は、少なくとも10:1、少なくとも200:1、又は少なくとも500:1である。いくつかの実施形態において、第1電位と第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%、又は少なくとも99%が経過した後に、測定された出力信号を解析(デコンボリューション)する。第1電位と第2電位との間を往来する時間周期は、例えば、5秒未満、1秒以下、500ミリ秒以下、又は100ミリ秒以下であってもよい。
いくつかの実施形態において、電極触媒は、第1標的ガスとは異なる第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を第2電位で起こし、電極触媒は、第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を第1電位で実質的に有しない。この方法は、第2標的ガスの酸化還元反応から生じる第2出力信号を第2電位で測定すること、及び、非ファラデー電流から生じる第2出力信号の一部を分離するために作用電極を第2電位に偏らせつつ、第2出力信号を解析(デコンボリューション)して、第2標的ガスの濃度を決定すること、をさらに含んでもよい。
本方法は、例えば、非ファラデー電流から生じる第1出力信号の一部を分離するために、作用電極を第1電位に偏らせつつ、第1出力信号を解析(デコンボリューション)して、作用電極の電位を第1電位に偏らせた複数回のそれぞれで第1標的ガスの濃度を決定すること、及び、非ファラデー電流から生じる第2出力信号の一部を分離するために作用電極を第2電位に偏らせつつ第2出力信号を解析(デコンボリューション)して、作用電極の電位を第2電位に偏らせた複数回のそれぞれで第2標的ガスの濃度を決定すること、を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、作用電極を第1電位に偏らせつつ、第1電位と第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%又は99%が経過した後に、測定された第1出力信号を解析(デコンボリューション)し、また、作用電極を第2電位に偏らせつつ、第1電位と第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%又は99%が経過した後に、測定された第2出力信号を解析(デコンボリューション)する。
いくつかの実施形態において、非ファラデー電流から生じる第1出力信号又は第2出力信号の一部を分離するために作用電極を第1電位又は第2電位に偏らせつつ、出力信号を解析(デコンボリューション)することは、標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含む。例えば、非ファラデー電流から生じる第1出力信号の一部を分離するために作用電極を第1電位に偏らせつつ、第1出力信号を解析(デコンボリューション)することは、第1標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含んでもよく、また、非ファラデー電流から生じる第2出力信号の一部を分離するために作用電極を第2電位に偏らせつつ、第2出力信号を解析(デコンボリューション)することは、第1標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含んでもよい。
別の態様では、電気化学ガスセンサは、電極触媒を含み且つ幾何学的表面積に対する電気化学的に接近可能な総表面積の比が少なくとも2:1である少なくとも1つの作用電極を有し、第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を電極触媒が起こす第1電位に作用電極を偏らせる電気回路であって第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を実質的に有さず且つ第1電位とは異なる第2電位に作用電極を偏らせる電気回路と、非ファラデー電流から生じる出力信号の一部を分離するために作用電極を第1電位に偏らせたときに出力信号を解析(デコンボルーション)して、第1標的ガスの濃度を決定するシステムと、を備える。
本発明の装置、システム、及び方法は、その属性及び付随する利点と共に、添付の図面と併せて以下の詳細な説明が考慮されて、最良に把握され理解されると考えられる。
図1Aは、電極に印加された電位における急激な変化(点線)に応答した、溶液中の電極での非ファラデー電流(実線)の指数関数的減衰を示す。 図1Bは、酸性水溶液中の酸素の還元と、出現電位の測定とに関する電流−電位曲線(ポーラログラム(印加電位に対する電流のプロット))を示す。 図2Aは、酸性電解液中で電気化学的に接近しやすい(易接近可能な)表面積の作用電極であって、粗金(Au)の作用電極におけるパルス操作を示す。 図2Bは、本明細書のセンサの実施形態を模式的に示す。 図3は、Pt/空気参照極に対して+250mVに偏らせた、電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極に、10ppmの一酸化窒素(NO)を適用したことで得られる電流を示す。 図4は、Pt/空気参照極に対して−150mVに偏らせた、電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極に、10ppmの二酸化窒素(NO)を適用したことで得られる電流を示す。 図5は、電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極に、急速に切り替えたバイアス電位(Pt/空気に対して、1Hz、−150mVから250mV)を印加したことで得られる電流を示す。−150mVで10ppmの二酸化窒素を還元したことで生じた電流が重ね書きされ、二酸化窒素を250mL/分の流速で適用し、5分の時点で開始し、10分で終了した。 図6は、電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極に、急速に切り替えたバイアス電位(Pt/空気に対して、1Hz、−150mVから250mV)を印加したことで得られる電流を示す。+250mVで10ppmの一酸化窒素を酸化したことで生じた電流が重ね書きされ、一酸化窒素を250mL/分の流速で適用し、5分の時点で開始し、10分で終了した。 図7は、Pt/空気に対して−150mVで、電気化学的に易接近可能な表面積のAu電極上における二酸化窒素の還元を伴う、パルス電位実験の抽出された電流から得られた、実験的追跡を示す。残留ベースラインは、分析信号として同じ桁数の大きさである。 図8は、Pt/空気に対して+250mVで、電気化学的に易接近可能な表面積の金(Au)電極上における一酸化窒素の酸化を伴う、パルス電位実験の抽出された電流から得られた、実験的追跡を示す。残留ベースラインは、分析信号として同じ桁数の大きさである。 図9は、非ファラデーベースライン電流が差し引かれた、図7のデータを示す。 図10は、非ファラデーベースライン電流が差し引かれた、図8のデータを示す。 図11は、空気(20.8体積%の酸素、残部窒素)中において電気化学的に易接近可能な表面積の白金(Pt)電極に、急速に切り替えたバイアス電位(Pt/空気,1Hz,0から−600mV)が印加されたことで生じた電流を示す。窒素の適用から得られた電流が重ね書きされている。 図12は、酸性電解質中における、電気化学的に易接近可能な表面積の、粗白金(Pt)作用電極のパルス操作を示す。 図13は、図10及び11に示されたデータの抽出された電流プロファイルを示す。 図14は、非ファラデーベースライン電流が差し引かれた、図13のデータを示す。
本願の図面に一般的に記載及び図示されるように、実施形態の構成要素が、説明された代表的実施形態に加え、各種様々な構成で配置及び設計されてもよいことは、容易に理解されると思われる。従って、代表的実施形態のより詳細な以下の説明は、請求項に記載のごとく、図面に示されるように実施形態の範囲を限定することを意図するものではなく、代表的実施形態の単なる例示である。
本明細書を通じた「一実施形態」又は「実施形態」(など)への参照は、本実施形態に関連して記載される特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書を通して様々な場所で、「一実施形態において」又は「実施形態において」等の語句の出現は、必ずしも全て同じ実施形態を参照しない。
さらには、記載された特徴、構造、又は特性は、1つの以上の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。以下の説明において、多数の具体的詳細が、実施形態の完全な理解を与えるために提供される。しかしながら、様々な実施形態が、具体的詳細の1つ以上がなくても実施でき、又は他の方法、構成要素、材料などを伴って実施できることを、当業者は認識することとなる。他の例において、周知の構造、材料、又は操作は、難読化を避けるために、詳細には図示又は説明されない。
本明細書及び添付された特許請求の範囲において使用されるように、文脈が別途明確に示さない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数の言及を含む。従って、例えば、「作用電極」の言及は、当業者に知られた、複数のそのような作用電極及びその等価物などを含み、「作用電極」の言及は、当業者に知られた1つ又は複数のそのような作用電極及びその均等物などの言及である。本明細書における数値範囲の列挙は、範囲内に入る各別個の値を個々に言及する省略法として役立つことを単に意図している。本明細書で別途示されない限り、各個別の値及び中間範囲は、本明細書で個々に列挙されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書で別途示されるか、又は明確に文章で禁忌されない限り、本明細書に記載の全ての方法を、任意の適切な順序で実施することができる。
電気化学ガスセンサにおいて、測定されるガスは、典型的には、周囲の大気又は環境から、ガス浸透性又はガス透過性の膜を介して、センサ筺体内に入り、化学反応が起こる第1電極又は作用電極(ときに検出電極と称される)へ移動する。相補的な化学反応は、対電極(又は補助電極)として知られる第2電極で起こる。電気化学センサは、被検査ガス(即ち、検出されるガス)の酸化又は還元から作用電極で直接生じる電流の発生を介して、分析信号を生成する。電気化学ガスセンサの包括的な議論は、Cao, Z. and Stetter, J.R., “The Properties and Applications of Amperometric Gas Sensors,” Electroanalysis, 4(3), 253 (1992) でも提供され、その開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。
作用電極及び対電極の組み合わせは、電気信号を生成し、斯かる電気信号は、(1)被検査ガスの濃度と関わり合い、(2)関心のある全範囲にわたって、被検査ガスの濃度レベルを区別するために適した信号対ノイズ比を提供できるほどに十分強い。換言すると、作用電極と対電極との間の電流の流れは、関心のある濃度範囲にわたって、被検査ガスの濃度と、ある程度比例しなければならない。
電気化学センサは、作用電極及び対電極に加えて、一般的に参照電極と称される第3電極を含むことが多い。参照電極は、作用電極を既知の電圧又は電位に維持するために使用される。参照電極は、電解質中において物理的及び化学的に安定であるべきである。
作用電極と対電極との間の電気的接続は、電解質を介して維持される。電解質の機能は、以下を含む。(1)効率的にイオン電流を運ぶこと、(2)被検査ガスを可溶化すること、(3)対電極及び作用電極の反応の両方を支援すること、(4)参照電極を用いた安定した参照電位をつくること。電解質の基準は、例えば、以下を含んでもよい。(1)電気化学的不活性、(2)イオン伝導性、(3)化学的不活性、(4)温度安定性、(5)低コスト、(6)低毒性、(7)低燃焼性、及び、(8)適切な粘度。
一般的に、電気化学センサの電極は、電解質のイオン伝導と、電流の完全回路を提供する電極の電子伝導とが連動したメカニズムを提供すべく、酸化又は還元(レドックス)反応が起こる表面を提供する。
電気化学センサ内でのセンサ反応から生じる測定可能電流は、電極で起こる反応程度に正比例する。従って、好ましくは、高い反応速度が電気化学センサにおいて維持される。このため、電気化学センサの対電極及び/又は作用電極は、反応速度をサポートすべく、一般的に、その表面に適切な電極触媒を含む。
典型的にはセンサにおける作用電極であるガス拡散電極は、ガス拡散電極(通常は金属)の電極触媒と、センサ内部の電解質(通常は溶液)と、関心のあるガス(被検査ガス又は標的ガス)と、の合流を提供する。この合流は、「三重点(triple point)」と称されることが多い。センサの感度を最大化すべく、三重点の数を最大にするように努力が図られている。三重点の数の最大化は、一般的に、微粉化された触媒金属であって、白金(Pt)又はイリジウム(Ir)「ブラック」などの、電気化学的に接近し易い(易接近可能な)表面積の触媒金属の使用によって達成される。ガス拡散電極の説明は、多くの参考文献で見つけることができる。
ガス拡散電極は、一般的に電気化学的に接近し易い(易接近可能な)表面積の金属粒子を使用しているため、ガス拡散電極における電気化学的に接近可能な(接近できる)実際の表面積又は使用可能な総表面積、ひいては、電気容量(式(2)参照)は、それらの幾何学的面積(例えば、半径rの円形電極の場合、πrで与えられる)をはるかに超えることが多い。電気化学的に接近可能な表面積は、通常、センサ(電極)タイプによっても大きく異なる。表1は、多くの代表的な電流測定ガスセンサにおいて使用される典型的なガス拡散電極の電気的特性を示し、電極の幾何学的面積は、約8×10−4(5/8インチ直径)であった。
表1は、冒頭の列に記入された目的標的ガスを用いた、いくつかのタイプの電流測定ガスセンサに関する特性データを示す。ベースラインデータ(対象ガスが存在しない場合に取られたデータ)を用いて、RMSノイズ(二乗平均平方根)を計算した。市販のデジタルLCRメータを用いてACインピーダンスを測定した。Tilak, B. V., Rader, C. G., & Rangarajan, R., J. Electrochem. Soc., 124, (1977), 1879 に記載されたサイクリックボルタンメトリー技術を使用して、電気化学的に活性/接近可能な総表面積を推定した。この方法は、ファラデー反応が生じない電位範囲にわたって電極上でサイクリックボルタンメトリー実験を行うことを含む。サイクリックボルタンメトリー実験の走査速度を変化させ、走査速度に対して得られた電流のプロットを、静電容量に直接関連させ、それゆえ、電気化学的に接近可能な表面積に関連させた。しかしながら、同様の結果が得られる、文献記載の他の方法がある。粗面電極又は多孔質電極のいずれかに、また、幾何学的面積が、電気化学的に活性/接近可能な表面積の良好な近似となる平滑電極にも、そのような方法を適用できる。
古くから記載されているように、電気化学的に易接近可能な表面積の電極に適用された場合、パルス電位技術は無益であろうと、電気化学センサ技術分野では理解されてきた。典型的なガス拡散電極の非常に高い二重層容量を考慮(表1参照)すると、特にこれは正しい。電位段差(電位ステップ)実験は、これを裏付けると思われる。
しかしながら、表1に詳述したものと同様の、粗くて、電気化学的に易接近可能な表面積の、多孔質なガス拡散電極が、例えば、急速で大きな電位段差を用いたパルス電位測定において使用されてもよいことを、本発明者らは発見した。いくつかの実施形態において、電流測定ガスセンサは、1種または2種以上の検体(標的ガス)を検出及び測定するために、少なくとも2つの異なるバイアス電位で操作される。この方法論は、例えば、図2A及び図4に示されている。
センサは、例えば、2つのバイアス電位で作用電極を急速に(例えば、<1秒)切り替えるポテンショスタット回路によって操作されてもよい。例えば、作用電極を第2電位に切り換える直前に、第1電位でセンサ電流を抽出(サンプリング)してもよい。例えば、第1電位と第2電位との間で往来する時間周期の少なくとも99%、少なくとも95%、又は99%を超える時間が経過した後に、出力信号を抽出(サンプリング)し、解析(デコンボリューション)してもよい。一般的に、出力信号のサンプリングと電位の切り替えとの間の時間量は、例えば、センサ電子工学技術によって、測定限界まで最小化されてもよい。全電流に対するファラデー寄与及び非ファラデー寄与が、時間に関して異なることから、センサ信号の解析(デコンボリューション)が可能である。前述したように、非ファラデー電流は、電位変化後に時間とともに指数関数的に減衰する。ファラデー電流は、単一の電位で操作された同じセンサにおける限定拡散値に等しい定常状態値に急速に達する。解析(デコンボリューション)は、最も単純なレベルでは、電位変化の後の固定且つ有限の所定時間において総電流をサンプリングすることを含む。出力信号をサンプリングすることを長く待つほど、信号の非ファラデー部分における減衰が大きくなる。ファラデー電流及び非ファラデー電流の相対的な大きさ、及び、パルスからパルス(特に短いパルス)への非ファラデー電流の変動によって、はるかに大きく変動しやすい非ファラデー電流の存在下において、小さいファラデーで検出することはできないという考えが、当該技術分野における現在の理論及び理解である。しかしながら、非ファラデーベースライン電流(例えば、特定の電位変化/信号測定シーケンスにおいて反応性/被検査ガスの非存在下で測定される)を、ファラデー成分及び非ファラデー成分の両方を含む出力信号から差し引いてファラデー成分を決定できることを、本発明者らは発見した。
第1電位で、目的とする少なくとも第1標的ガスは、電気化学的に酸化又は還元(酸化還元反応)される。第2電位で、作用電極の電極触媒は、実質的に不活性であるか、又は、第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用において不活性である。本明細書のセンサが単一の標的ガスのみの濃度を検出するように操作された場合であっても、標的ガスの酸化還元反応が起こる電位と、標的ガスの酸化還元反応が起こらないか又は実質的に起こらない電位との間で、作用電極の電位を変化させる、行き来させる、又はパルス化させる方法で、センサを操作することには、利点がある。例えば、1つ以上の相補的反応又は妨害反応によってセンサの化学的性質が複雑化される場合、一次反応及びそのような相補的反応が生じない電位に作用電極の電位を変化させることは、有益となり得る。センサ寿命のかなりの部分又は大部分において、作用電極の電位を、反応が起こらないか又は実質的に起こらない範囲にすることによって、センサの化学的性質を悪化させず、また、センサ寿命を延ばすことができる。
例えば、いくつかのセンサは、標的ガスの検出に使用される分析反応を促進するために、溶液中に補助試薬又は補助種を含む。補助試薬も、同じ電位で標的ガスの電気化学反応を受けた場合、標的ガス及び補助試薬の両方が補助試薬の供給を保つように実質的に機能しない電位から、作用電極をパルス化させることは、有益であり得る。象徴的には、標的ガスA及び補助試薬Bについて、A及びBが反応して、電気化学的に不安定な複合体又は化合物ABを形成し、ABが、既定の印加電位potで還元を受ける。

A+B→AB 式(5)

AB+ne→ AB(検出反応),pot 式(6)
検出反応は、複合体又は化合物ABの還元である(式(6))。しかしながら、補助試薬も、下記式に従って、電位potで還元を受けるが、

B+ne→ B, 式(7)

いくつかの他の電位potで実質的に不活性である。従って、potで少なくともしばらくの間電極を維持することは、式(5)に記載の反応に関与するBの有用性を維持し、最大化する。
同様の状況は、作用電極の状態ごとに起こり得る。金属電極(及び炭素などのいくつかの非金属電極)は、様々な印加電位において、様々な表面酸化状態に達する。これらの様々な酸化状態は、電極の電極触媒特性に影響し得る。様々な印加電位であって、所望の電極状態に有利でないpotで電極触媒反応が起こっても、1電位、potで電極を保つことによって、所望の電気化学的反応を促進する物理的状態で電極を維持させることができる。pot及びpot間で電極をパルス化させることは、電極がpotのみで維持される場合に比べて、所望の電気化学反応のために、電極の活性を最大化させることができる。
一般的に、本明細書中で使用される特定の反応及び電位について電極に関して使用されるときの、「実質的に不活性」という用語は、還元反応における出現電位よりも正であり、且つ、酸化反応における出現電位よりも負である電位を意味する。出現電位の概念をさらに以下に記載する。
それに関連して、電気化学技術は、触媒表面(電極表面)の触媒力又は触媒エネルギーを「チューニング(tuning)」又は調整する方法を提供する。最近のほとんどの電気化学技術は、参照電極の存在を前提としている。上述したように、参照電極は、その構造によって固定された熱力学的電位を有する電極であり、これに対して作用電極の電位が、測定又は制御される。参照電極に対して作用電極の電位を負に(カソードに)動かすことによって、溶液中の種が還元を受ける電位(即ち、酸化数の代数的減少)に達することとなる。所定の臨界的カソード電位に達するまでは、還元が起こらず、実質的に電流がセルを通って流れず、溶解された種の還元に関して、電極が「実質的に不活性」であると言うことができる。
一方、溶解種が酸化(即ち、酸化数における代数的増加)を受けることができる電位に達するまで、作用電極を参照電極に対して正へ駆動することができる。換言すると、所定の臨界的アノード電位に達するまでは、溶存種は酸化を受けず、溶解された種の酸化に関して、作用電極が「実質的に不活性」であると言うことができる。
例えば、図1Bは、酸性水溶液中の酸素の還元におけるポーラログラム[電流−電位曲線](印加電位に対する電流のプロット)を示す。約−400mVよりも負の電位で、酸素の還元が容易に進行する。酸素センサの典型的な操作バイアスは、−400mV乃至−800mVの間である。これは、ポーラログラムの「波」の頂部にあり、これらの電位での電流は、「拡散律速」(即ち、センサの作用電極への酸素の拡散速度によって制限される)と言われている。約+50mVよりも正の電位では、電流は流れない(例えば電位として酸素の還元がないため)。電気化学技術者は、ポーラログラフ波が始まる概算の電位を指定するために「出現電位」という用語を使用する。これは、一般的に、図中の2つの直線状破線の交点を決定することによって見つけ出される。これらの線は、約0mVと−400mVとの間のデータ(「波」又は曲線の立ち上がり部分)と、約0mVと+350mVとの間のデータ(曲線の「ベースライン」部分)と、の線形回帰分析の結果である。図1Bに示したデータの場合、出現電位は約−2mVである。従って、約−2mVよりも正の任意の電位で作用電極は、酸素の還元のために実質的に不活性であり、より正の電位で、さらに不活性になるといえる。
前述の説明は、還元反応に関連して、より具体的には酸素の還元に関連して、説明された。しかしながら、同様の議論は、酸化反応の場合に適用され、作用電極は、酸化反応の出現電位よりも負の電位での所定の酸化反応において実質的に不活性であるといえる。
いくつかの実施形態において、作用電極の電極触媒は、第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を第2電位で有してもよい。電極触媒は、第1電位で、第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を実質的に有しないか、又は(完全に)有しない。このように、1つのセンサが、少なくとも2つの異なる標的ガスを測定するために使用されてもよい。
電気化学的に接近可能な総表面積が小さいことに加えて、電位パルスが小さくあるべきであること(例えば、約0.059/nボルト未満(25℃)、nは電気化学的反応において伝達された電子数)が、電気化学分野において推察されている。しかしながら、本発明のセンサにおける電位変化又はパルスの大きさは、25℃で、かなり大きくてもよい(例えば2倍量(0.18/nボルト)、10倍量(0.59/nボルト)、又は、さらには20倍量(1.18/nボルト))ことを、本発明者らは発見した。
また、パルス間の時間を、充電電流を小さい値に減衰させることが可能な長さにしなければならないことも、電気化学の技術分野で推察されている。しかしながら、本明細書において、センサの作用電極の電位における変化の間の時間は、5秒未満であってもよい。いくつかの実施形態において、第1電位と第2電位との間を往来する時間は、1秒以下、500ミリ秒以下、100ミリ秒以下、50ミリ秒以下である。一般的に、作用電極の電位を急速に行き来させ、パルス化させることによって、環境において1種の標的ガス又は複数種の標的ガスの濃度の変化に対する比較的迅速な応答を提供することができる。
図2Bは、本明細書の研究で用いられた電気化学センサ10の代表的な実施形態の概略図を示す。センサ10は、1種又は複数種の標的ガス又は被検査ガスをセンサ10内に入れるためのガス入口30を有する筺体(ハウジング)20を備える。図示された実施形態において、電解質で飽和した芯材40a、40b、及び40cは、センサ10内で参照電極70及び対電極80を作用電極50から分離し、及び/又は、その間のイオン伝導性を、内部に吸収された電解質を介して提供する。当技術分野で知られている電子回路90は、例えば、作用電極50と参照電極70との間の所望の電位差を維持するために、また、本明細書に記載された電位差を変化又はパルス化させるために、また、センサ10からの出力信号を処理するために、提供される。電子回路90は、例えば、プロセッサシステム92(例えば、マイクロプロセッサなどの1つ以上のプロセッサを含む)と、メモリシステム94とを含むか、又は、これらを操作可能に繋げていてもよい。
センサ10の制御及びデータの処理のための1つ又は複数のアルゴリズムは、例えば、プロセッサシステム92と操作可能に接続されたメモリシステム94に格納されてもよい。このようなアルゴリズムは、例えば、電位変化シーケンスの非ファラデーベースラインを測定するため、また、上記の出力信号のファラデー成分を決定すべく総出力信号から非ファラデーベースラインを差し引くことによって出力信号を解析するための、アルゴリズムを含んでもよい。非ファラデーベースラインは、例えば、被分析物又はその類似物の酸化還元反応の非存在下での、所定の電位変化/変動プロトコルにおける、センサ出力に対応する。センサ10の出力は、例えば、ユーザーに提供されるか、又は、プロセッサシステム92と操作可能に繋がったユーザーインターフェース96(例えばディスプレイを含む、図2Bを例えば参照)を介して、ユーザーに提供されてもよい。
図示された実施形態では、例えば、第1拡散膜52(例えば、センサの技術分野で公知の触媒堆積技術を使用)に、第1触媒層54を堆積させることによって、作用電極50を形成してもよい。作用電極50は、筐体20の上部、頂部、又は蓋部22の内面に(例えば、ヒートシールを介して)接触していてもよい。
図2Aは、酸性電解質中で、電気化学的に比較的接近し易い表面積の金(Au)の作用電極もしくは検出電極に適用した、パルス電位プログラムの印加から生じる電流(◆)(左の縦軸に対してプロット)を示す。作用電極に印加されたパルスプログラムは、実線で示され、右側の縦軸に対してプロットされている。パルスプログラムは、作用電極に印加される電位(実線)を、500ミリ秒ごとに、−150mVから+250mV(対 内部白金/空気(Pt/air)擬似参照電極)へ切り替える。図1Aに示すスパイク挙動及び減衰挙動は、図2Aにおいて明らかである。
通常の使用では、燃料電池型アンペロメトリック電気化学ガスセンサは、充電電流の悪影響を回避するために、また、一定で安定したほぼゼロのベースライン(標的ガス又は被検査ガスが存在しないときのバックグランド)を有するために、一定のDCバイアス電位で操作される。図3は、電気化学的ガスセンサの典型的な操作の1例を示す図である。これに関して、図3は、酸性電解質中において、高表面(易表面)のAu作用電極に、10百万分率(ppm)の一酸化窒素を適用した結果から生じた電流信号を示す。内部Pt/空気参照電極に対して一定の+250mVに、Au電極を偏らせた(バイアスをかけた)。被検査ガス(NO)を、5分の時点で適用し、10分後に除去した。
図3のセンサ構成において、酸性電解質中において+250mVに偏らせた金作用電極は、一酸化窒素を検出するために、操作可能である。センサは、標的ガスに対して、低くて平坦なベースライン、迅速な応答、及び高い感度を有する。センサ応答は、下記式に従った、二酸化窒素への一酸化窒素の迅速かつ効率的な酸化の結果である。

2NO + O → 2NO (8)
しかしながら、異なるバイアス電位で操作したときの同じセンサ構成を、NOの適用からの干渉なく、異なる被検査ガスを検出するために使用してもよい。例えば、図4は、−150mV(対Pt/空気)に偏らせ、二酸化窒素を用いて同じセンサが試されたときに得られた電流信号を示す。従って、同じ構成(即ち、酸性電解質中における電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極)であっても、異なる電位においては、電気化学センサは、二酸化窒素を検出するための非常に効率的なセンサとして機能する。二酸化窒素は、下記式に従って、一酸化窒素に還元される。

2NO → O +2NO (9)
産業衛生用途では、二酸化窒素及び一酸化窒素の両方を検出及び測定することが望ましい場合が多い。この機能は、例えば、ディーゼルエンジンが使用される地下採鉱用途において、特に望ましい。この目標を達成する1つの方法は、一酸化窒素センサ及び二酸化窒素センサの両方を備えたガス検出機器を作ることである。しかしながら、上記の議論から明らかなように、作用電極に印加するバイアス電位のみを異ならせて、同じアンペロメトリックセンサ(電流測定センサ)をいずれか又は両方のガスのために使用してもよい。本明細書のいくつかの実施形態において、2つのバイアス電位の間で急速に切り替えて、二酸化窒素及び一酸化窒素のような2種のガスを、1つのセンサを用いて監視(モニター)してもよい。
図5及び図6は、電気化学的に易接近可能な表面積の金作用電極を有するセンサへの、10ppmの二酸化窒素及び10ppmの一酸化窒素の適用をそれぞれ示し、バイアス電位は、急速に(1秒に1回)、−150mVから250mV(対、内部Pt/空気参照電極)に切り替えられている。各場合において、試験ガスである二酸化窒素又は一酸化窒素のいずれかを、グラフ内の10分で適用し、15分で除去した。それぞれの場合における流速は、250mL/分であった。図5及び図6は、補完実験であるものの、ごくわずかな情報しか含んでいない。バックグラウンド電流と比較して、いずれかの試験ガスの適用からの全体的な電流変位が非常に小さく、どの被験物質がセンサに適用されているかを知ることは、事実上不可能である。
しかしながら、電位が切り替わる直前に電流が抽出(サンプリング)された場合、理論や予想とは反対に、かなり多くの有用な分析情報が得られる。図7〜図10は、このような実験の結果を示す。
これに関して、図7は、電気化学的に易接近可能な表面積のAu作用電極に、パルス電位プログラムを適用した実験結果を示す。図1及び付随する議論で説明したように、内部Pt/空気参照電極に対して−150mVと+250mVとの間で、電極の電位をパルス化させた。この場合、本質的に同じ実験である図5に示されたデータとは対照的に、印加された電位を+250mVに切り替える直前に、作用電極に存在する電流を−150mVの印加電位でサンプリングした。図2Aの参照から、この電流サンプリングを、241、242、243秒などの時点の直前に実行した。図2A、図5、及び図7によれば、非ファラデー充電電流が幾分減衰するにもかかわらず、作用電極に10ppmの二酸化窒素を適用したことで生じたファラデー電流の分析に関して、まさに十分なものであった。
図8は、+250mV(図2A及び図6参照)での一酸化窒素の酸化を含む補完実験の結果を示す。図8の場合、実験において、印加される電位を−150mVへ切り替える直前に、即ち、240.5、241.5、242.5等(図2A参照)の時点で、250mVで電流をサンプリングした。ここでも、非ファラデー電流は、ファラデー電流分析に関して十分なものであり、分析電極の良好なパルス操作において、通常必要とされるものと正反対のものであった。
図9及び図10は、単純な解析(デコンボルーション)を用いて、電気化学的に易接近可能な表面積の電極をパルス操作して、二酸化窒素と一酸化窒素との同時検出のための非常に有用かつ効率的なガス検出装置によって得られた結果を示す。図9及び図10は、図7及び図8における全体的なトレースから非ファラデー「ベースライン」電流を差し引いたデータを示し、DC操作と同等の性能を実証している(図3及び図4)。両方の場合において、4分と5分との間の非ファラデー電流を平均し、図中の各点から差し引いた。
図11〜図14は、強鉱酸電解質に浸漬した、電気化学的に易接近可能な表面積の白金(Pt)電極(表1参照)に印加した、同じ型の急速な電位プログラムを示す。このようなセンサは、例えば、酸素検知のために使用されてもよい。この電極に、0mVから−600mV(対 内部Pt/空気参照電極)の瞬時段差(ステップ)からなる電位プログラムを適用した。この電位プログラムは、1Hzの周波数で適用した。図11は、このパルスプログラムの適用結果としての未加工の電流応答である。議論中のセンサは、酸素センサであり、空気(20.8体積%の酸素)に暴露された。実験において、グラフにおける5分で窒素をセンサに適用し、10分で空気を再び適用した。空気及び窒素の流量は、両方とも250mL/分であった。電流の代数的減衰(この種のセンサで酸素が還元され、その結果、負電流となる)が、図11でわずかに見受けられる。
図12は、図1の実験における小部分の縮尺拡大版を示し、電位プログラムの適用、及び、生じた電流を示す。トレースの該当部分は、センサが酸素に暴露されたときの時間周期を含む。作用電極に印加されプログラムされた電位パルスが、実線で示され、右側の縦軸に対してプロットされている。上述したように、内部Pt/空気参照電極に対して、0mVから−600mVの間で、印加電位を切り替えた。得られた電流測定結果(プロファイル)(◆)が、左側の縦軸に対してプロットされている。
図13は、図11及び図12に示されたデータのサンプリングされた電流の表示である。この場合には、電位を0mVに切り替える直前に、−600mVで電流をサンプリングした。図12を参照すると、200.0秒、201.0秒などの時間でサンプリングされたデータと思われる。窒素の適用によって得られた信号の減衰が明確に示されている。繰り返しになるが、酸素は、−600mVで還元され、負電流をもたらし、5分と10分との間の窒素の適用によって、電流信号の正の偏位がもたらされる。図14は、非ファラデー窒素ベースラインが差し引かれた、同じ電流プロファイルである。純窒素の適用の完了に向けて観察された間、即ち時間9.5分〜10分の間に観察された、電流の平均値を取って、図13に示した各データの点からの平均値を差し引くことによって、これを実行した。
前述の説明及び添付の図面は、現時点での代表的ないくつかの実施形態を記載している。様々な改良、追加、及び代替設計は、当然のことながら、本明細書の範囲から逸脱することなく、上記の教示に照らして当業者に明らかになり、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲によって示されると考えられる。特許請求の範囲の等価の意味及び範囲内に入る、全ての変更及び変形は、その範囲内に包含されるべきである。

Claims (19)

  1. 電極触媒を含み、且つ、幾何学的表面積に対して少なくとも2:1の電気化学的に接近可能な総表面積の比を有する、少なくとも1つの作用電極を備えた、電気化学ガスセンサを操作する方法であって、
    第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を前記電極触媒が有する第1電位と、前記第1電位とは異なる第2電位であって前記第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を前記電極触媒が実質的に有しない第2電位とに、選択的に複数回、前記作用電極の電位を偏らせることと、
    前記第1標的ガスの酸化還元反応から生じる第1出力信号を前記第1電位で測定することと、
    非ファラデー電流から生じる前記第1出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1出力信号を解析して、前記第1標的ガスの濃度を決定することと、
    を備える、方法。
  2. 非ファラデー電流から生じる前記第1出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1出力信号を解析して、前記少なくとも1つの作用電極の前記電位を前記第1電位に偏らせた前記複数回のそれぞれで前記第1標的ガスの濃度を決定すること、
    をさらに備える、請求項1に記載の方法。
  3. 前記幾何学的表面積に対する、前記電気化学的に接近可能な総表面積の比が、少なくとも10:1である、請求項2に記載の方法。
  4. 前記幾何学的表面積に対する、前記電気化学的に接近可能な総表面積の比が、少なくとも200:1である、請求項2に記載の方法。
  5. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%が経過した後に前記第1出力信号を解析する、請求項3に記載の方法。
  6. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも99%が経過した後に前記第1出力信号を解析する、請求項3に記載の方法。
  7. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する前記時間周期が500ミリ秒以下である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する前記時間周期が100ミリ秒以下である、請求項5に記載の方法。
  9. 前記電極触媒は、前記第1標的ガスとは異なる第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を第2電位で起こし、且つ、前記電極触媒は、前記第2標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を前記第1電位で実質的に有さず、
    前記第2標的ガスの前記酸化還元反応から生じる第2出力信号を前記第2電位で測定することと、
    非ファラデー電流から生じる前記第2出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第2電位に偏らせつつ、前記第2出力信号を解析して、前記第2標的ガスの濃度を決定することと、
    をさらに備える、請求項1に記載の方法。
  10. 非ファラデー電流から生じる前記第1出力信号の一部を分離するために、前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記作用電極の前記電位を前記第1電位に偏らせた前記複数回のそれぞれで、前記第1出力信号を解析して、前記第1標的ガスの濃度を決定すること、及び、
    非ファラデー電流から生じる前記第2出力信号の一部を分離するために、前記少なくとも1つの作用電極を前記第2電位に偏らせつつ、前記作用電極の前記電位を前記第2電位に偏らせた前記複数回のそれぞれで、前記第2出力信号を解析して、前記第2標的ガスの濃度を決定すること、
    をさらに備える、請求項9に記載の方法。
  11. 前記幾何学的表面積に対する、電気化学的に接近可能な総表面積の比が、少なくとも10:1である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記幾何学的表面積に対する、電気化学的に接近可能な総表面積の比が、少なくとも200:1である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%が経過した後に、前記第1出力信号を解析し、且つ、
    前記少なくとも1つの作用電極を前記第2電位に偏らせつつ、前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも95%が経過した後に、前記第2出力信号を解析する、請求項11に記載の方法。
  14. 前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも99%が経過した後に、前記第1出力信号を解析し、且つ、
    前記少なくとも1つの作用電極を前記第2電位に偏らせつつ、前記第1電位と前記第2電位との間を往来する時間周期の少なくとも99%が経過した後に、前記第2出力信号を解析する、請求項11に記載の方法。
  15. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する前記時間周期が500ミリ秒以下である、請求項13に記載の方法。
  16. 前記第1電位と前記第2電位との間を往来する前記時間周期が100ミリ秒以下である、請求項13に記載の方法。
  17. 非ファラデー電流から生じる前記第1出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1出力信号を解析することは、
    前記第1標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含む、
    請求項1に記載の方法。
  18. 非ファラデー電流から生じる前記第1出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせつつ、前記第1出力信号を解析することは、前記第1標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含み、且つ、
    非ファラデー電流から生じる前記第2出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第2電位に偏らせつつ、前記第2出力信号を解析することは、前記第1標的ガスの非存在下で測定されたベースライン非ファラデー信号を差し引くことを含む、
    請求項9に記載の方法。
  19. 電極触媒を含み、且つ、幾何学的表面積に対して電気化学的に接近可能な総表面積の比を少なくとも2:1で有する、少なくとも1つの作用電極と、
    第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を前記電極触媒が起こす第1電位に前記少なくとも1つの作用電極を偏らせ、且つ、前記第1電位とは異なる第2電位であって第1標的ガスの酸化還元反応の触媒作用を起こす活性を実質的に有しない第2電位に前記少なくとも1つの作用電極を偏らせる電気回路と、
    非ファラデー電流から生じる出力信号の一部を分離するために前記少なくとも1つの作用電極を前記第1電位に偏らせたときに出力信号を解析して、前記第1標的ガスの濃度を決定するシステムと、
    を備える、電気化学ガスセンサ。
JP2018519866A 2015-12-21 2016-11-21 パルス化電位ガスセンサ Active JP6603801B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/976,034 US10197525B2 (en) 2015-12-21 2015-12-21 Pulsed potential gas sensors
US14/976,034 2015-12-21
PCT/US2016/063092 WO2017112213A1 (en) 2015-12-21 2016-11-21 Pulsed potential gas sensors

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018537659A JP2018537659A (ja) 2018-12-20
JP6603801B2 true JP6603801B2 (ja) 2019-11-06

Family

ID=57530843

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018519866A Active JP6603801B2 (ja) 2015-12-21 2016-11-21 パルス化電位ガスセンサ

Country Status (7)

Country Link
US (1) US10197525B2 (ja)
EP (1) EP3394604A1 (ja)
JP (1) JP6603801B2 (ja)
CN (1) CN108291890B (ja)
AU (1) AU2016375264B2 (ja)
CA (1) CA3003489C (ja)
WO (1) WO2017112213A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10197525B2 (en) 2015-12-21 2019-02-05 Msa Technology, Llc Pulsed potential gas sensors
US11112378B2 (en) * 2019-06-11 2021-09-07 Msa Technology, Llc Interrogation of capillary-limited sensors
CN116008364A (zh) * 2021-10-21 2023-04-25 霍尼韦尔国际公司 低交叉灵敏度气体检测设备

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3168996D1 (en) 1980-05-02 1985-03-28 Ici Plc Method of checking the responsiveness of detection systems employing electrochemical sensor
US4500391A (en) * 1983-10-13 1985-02-19 Allied Corporation Method of and system for real time differential pulse detection
EP0269794A3 (en) 1986-11-07 1989-08-30 Environmental Technologies Group, Inc. Method for operating an electrochemical cell having redox potential applied thereto
WO1989002593A1 (en) 1987-08-28 1989-03-23 Harman John N Iii Noise reduction technique for electrochemical cells
JPH01216253A (ja) * 1988-02-24 1989-08-30 Matsushita Electric Works Ltd 電気化学式センサ
GB8907564D0 (en) 1989-04-04 1989-05-17 Neotronics Technology Plc Fault detection in electrochemical gas sensing equipment
US5273640A (en) 1990-06-11 1993-12-28 Matsushita Electric Works, Ltd. Electrochemical gas sensor
DE4212792C2 (de) 1992-04-16 1994-04-14 Conducta Ges Fuer Mes Und Rege Verfahren und Vorrichtung zur Überwachung des Betriebszustandes von elektrochemischen Sensoren
DE4445947C2 (de) 1994-12-22 1998-03-12 Draegerwerk Ag Verfahren zur Erkennung von Fehlerquellen bei amperometrischen Meßzellen
US5554269A (en) * 1995-04-11 1996-09-10 Gas Research Institute Nox sensor using electrochemical reactions and differential pulse voltammetry (DPV)
US5667653A (en) 1996-03-15 1997-09-16 Mine Safety Appliances Company Electrochemical sensor
SE9603569D0 (sv) * 1996-09-30 1996-09-30 Pacesetter Ab Electrochemical sensor
EP1039293A4 (en) 1997-05-09 2000-12-13 Japan Storage Battery Co Ltd METHOD FOR TESTING ELECTROCHEMICAL GAS SENSORS
JPH11108878A (ja) 1997-09-30 1999-04-23 Akebono Brake Res & Dev Center Ltd センサー素子の異常および寿命判定方法
US6200443B1 (en) 1998-09-29 2001-03-13 Atwood Industries, Inc. Gas sensor with a diagnostic device
US6344174B1 (en) 1999-01-25 2002-02-05 Mine Safety Appliances Company Gas sensor
US6428684B1 (en) 2000-08-02 2002-08-06 Industrial Scientific Corporation Method and apparatus for diagnosing the condition of a gas sensor
JP4206218B2 (ja) 2002-04-03 2009-01-07 セイコーインスツル株式会社 循環動態測定装置
US7217354B2 (en) 2003-08-29 2007-05-15 Ut-Battelle, Llc Method and apparatus for detection of chemical vapors
US7413645B2 (en) 2004-05-05 2008-08-19 Mine Safety Appliances Company Devices, systems and methods for testing gas sensors and correcting gas sensor output
JP6111255B2 (ja) * 2011-10-14 2017-04-05 エムエスエー テクノロジー, リミテッド・ライアビリティ・カンパニー ガスセンサを検査するための方法
US9528957B2 (en) * 2011-10-14 2016-12-27 Msa Technology, Llc Sensor interrogation
US10197525B2 (en) 2015-12-21 2019-02-05 Msa Technology, Llc Pulsed potential gas sensors

Also Published As

Publication number Publication date
US10197525B2 (en) 2019-02-05
CN108291890A (zh) 2018-07-17
CN108291890B (zh) 2020-05-08
CA3003489C (en) 2021-07-27
CA3003489A1 (en) 2017-06-29
EP3394604A1 (en) 2018-10-31
AU2016375264B2 (en) 2020-07-30
US20170176377A1 (en) 2017-06-22
AU2016375264A1 (en) 2018-05-10
JP2018537659A (ja) 2018-12-20
WO2017112213A1 (en) 2017-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6603801B2 (ja) パルス化電位ガスセンサ
Zhang et al. A novel microchip nitric oxide sensor with sub‐nM detection limit
US8702957B2 (en) Electrochemical detection of silica species
JP6163202B2 (ja) 水性流の全有機含有量を測定する方法及び装置
Gross et al. Nitrite/nitrate detection in serum based on dual-plate generator–collector currents in a microtrench
EP1514090B1 (en) Total organic carbon (toc) analyzer
Ruchets et al. Selectivity improvement towards hydrogen and oxygen of solid electrolyte sensors by dynamic electrochemical methods
Yang et al. Fast-scan anodic stripping voltammetry for detection of Pb (II) at picomolar level
Amayreh et al. Direct electrochemical determination of hemoglobin in blood using iodine-coated platinum polycrystalline electrode
JPH02297054A (ja) ガス状または液状測定試料中のアンモニアまたはヒドラジンを測定するための電気化学的測定セル
EP1915612B1 (en) Electrode preconditioning
Dorneanu et al. Computer-controlled system for ISEs automatic calibration
Lacina et al. Redox‐Pair‐Defined Electrochemical Measurements: Biamperometric Setup for Elimination of Interferent Effects and for Sensing of Unstable Redox Systems
Jagner et al. Coulometric stripping potentiometry
US20060163088A1 (en) Amperometric sensor with counter electrode isolated from fill solution
JP4869849B2 (ja) 溶液分析方法
JP2007163224A (ja) 電気化学的測定方法
Zhu et al. A new dynamic electrochemical transduction mechanism for interdigitated array microelectrodes
Niu et al. Electrochemical behavior of uric acid at a penicillamine self-assembled gold electrode
Sharma et al. Voltammetry: An Electrochemical Analytical Method
Donker et al. Influence of Pt paste and the firing temperature of screen-printed electrodes on the NO detection by pulsed polarization
Ernst et al. Continuous Detection of Volatile Aromatic, Unsaturated or Halogenated Hydrocarbons in Air by Adsorption on Pt‐Electrodes and Subsequent Oxidative Desorption
Wang et al. Determination of cadmium in a sequential injection lab-on-valve system with voltammetric detection using a morin modified electrode
Josypčuk et al. Silver Amalgam Tubular Detector Combined with Platinum Auxiliary Electrode for Electrochemical Measurements in Flow Systems
Stutts et al. Integration of differential pulse voltammograms for concentration measurements

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181205

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190920

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191011

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6603801

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250