以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る就業管理装置1は、企業や団体、店舗等(以下、企業等と称する)における従業員やパートタイマー、アルバイト等の就業者の就業状況を管理し、特に、出勤時刻や退勤時刻等の打刻情報を記録する装置である。図1は就業管理装置1の内部構成を示すブロック図、図2は就業管理装置1の一例の外観を示す斜視図、図3は図2に示す就業管理装置1の使用状況を示す斜視図である。就業管理装置1は、例えば、就業者が出退勤時に通過する出入口近傍で、壁掛け設置されたり(図3参照)、机上に設置されたりして常時同じ場所に据え付けられるとよい。
図1に示されるように、就業管理装置1は、制御部2と、記録部3と、インタフェース部4とがバス5を介して接続されている。更に、インタフェース部4には、時計部6と、画像入力部7と、操作入力部8(打刻操作部)と、操作者情報入力部9(打刻操作部)と、表示部10と、音声出力部11と、外部通信部12と、外部記録媒体接続部13とが接続されている。
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)等で構成されていて、就業者認識部15と、顔画像検知部16と、打刻判定部17とを備える。就業者認識部15、顔画像検知部16及び打刻判定部17は、アプリケーションやプログラム等のソフトウェアとして記録部3に記録されていて制御部2によって各部の処理が実行されるように構成されていてよい。就業者認識部15、顔画像検知部16及び打刻判定部17の詳細は後述する。
記録部3は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、ハードディスク等の内蔵記録媒体を備える。また、就業管理装置1では、外部記録媒体接続部13に着脱可能に接続されるUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のリムーバブル記録媒体18も、記録部3の記録媒体と同様に使用することが可能である。
記録部3には、就業管理装置1で管理される各就業者に固有の識別情報である就業者情報が予め登録される。就業者情報は、例えば、就業者の識別番号や氏名、並びに顔検知要否を含む。この顔検知要否は、打刻操作時の顔検知が必要な就業者については「検知必要」に設定され、打刻操作時の顔検知が不要な就業者、例えば、就業管理装置1の管理者やプライバシーの公開を拒んで顔画像の撮影に同意しない従業員等については、「検知不要」に設定される。なお、記録部3には、就業管理装置1を利用する企業等に固有の識別情報である企業等コードが予め登録されていてもよい。また、記録部3には、後述する打刻判定部17によって、打刻操作に応じた打刻情報が打刻履歴として記録される。
時計部6は、就業管理装置1に電力を供給する電源とは別の電力で作動するRTC(Real Time Clock)等の時計で構成されてもよく、あるいは、複数の就業管理装置1が採用される場合には、外部通信部12及び所定のネットワークを介して複数の就業管理装置1の間で時刻の同期をとるように構成されてもよい。この時計部6の示す現在時刻は、常に制御部2に読み取られて表示部10で表示されると共に、操作入力部8や操作者情報入力部9で打刻操作がされたときに打刻時刻として制御部2に読み取られる。
画像入力部7は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いたカメラである。画像入力部7は、就業管理装置1に内蔵されて構成されていてもよいが、USB端子等を介して接続される外部機器のカメラであってもよい。
具体的には、画像入力部7は、操作入力部8や操作者情報入力部9で打刻操作を行った就業者の打刻時画像を撮影できるように配置されたカメラであって、撮影した打刻時画像を制御部2へと出力する。画像入力部7は、例えば、図2及び図3に示されるように操作入力部8より上方に配置されていて、操作入力部8より上方で操作入力部8に対向する位置を撮影顔位置として、操作入力部8や操作者情報入力部9で打刻操作がされたときに、撮影顔位置を含む範囲の打刻時画像を撮影する。画像入力部7は、打刻操作時に1枚の打刻時画像を撮影して記録部3に記録するよう構成され、あるいは、打刻操作の前後に渡って所定間隔毎、例えば数百ミリ秒毎に打刻時画像を撮影して記録部3に記録し、FIFO処理によって最新の所定数の画像を記録部3に記録して古い画像を順次削除するように構成される。このように所定数の画像が記録部3に記録される場合には、所定数の画像の中で最も良好な精度で顔検知できたものを打刻時画像としてよい。
操作入力部8は、就業者等の操作者による操作を入力するボタン等の操作キーを備えていて、表示部10がタッチパネルからなる場合には、操作キーをタッチパネルに表示されるアイコンで構成してもよい。操作入力部8は、例えば、就業者が打刻操作をする際に出勤、外出、戻り及び退勤等の打刻種別を設定するために、図2及び図3に示されるように、出勤時に操作される「出」キーと、外出時に操作される「外」キーと、外出からの戻り時に操作される「戻」キーと、退勤時に操作される「退」キーとが就業管理装置1の正面側で並列に配置されている。操作入力部8は、「出」キー、「外」キー、「戻」キー又は「退」キーの操作に応じて、それぞれ「出勤」、「外出」、「戻り」又は「退勤」の打刻種別を制御部2に出力する。例えば、操作入力部8は、通常は何れの操作キーも操作されていない状態であるが、就業者の出勤時間帯では「出」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「出勤」に設定され、就業者の退勤時間帯では「退」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「退勤」に設定される。また、操作入力部8は、「出」キー、「外」キー、「戻」キー又は「退」キーが操作された後、所定時間、例えば数秒間、その操作に応じた打刻種別の設定状態を維持し、その後、自動的に操作前の状態に戻る。
操作者情報入力部9は、就業者等の操作者を識別可能な操作者情報を入力するためのもので、この操作者情報を制御部2に出力する。なお、操作者情報入力部9は、記録部3に登録されている上記の企業等コードを入力するように構成され、操作者情報と共に企業等コードを制御部2に出力してもよい。操作者情報入力部9は、例えば、操作入力部8で打刻種別が設定されていない場合には操作者情報を入力できない状態となる一方、操作入力部8で打刻種別が設定されている間に操作者情報を入力可能な状態となる。
具体的には、操作者情報入力部9は、就業者に固有のIDカードから、該IDカードに記憶された就業者に固有のカード情報(操作者情報)や企業等コードを読み取るカードリーダである。操作者情報入力部9は、就業管理装置1に内蔵されて構成されていてもよいが、USB端子等を介して接続される外部機器のカードリーダであってもよい。このIDカードは、非接触型のIC(Integrated Circuit)カードや磁気ストライプカード等でよく、記録部3に登録された正規の就業者の就業者情報と対応するカード情報を記憶している。例えば、カードリーダとしての操作者情報入力部9は、ICカードとしてのIDカードからカード情報を読み取るためにカードリーダ面19を就業管理装置1の正面側に備えていて(図2及び図3参照)、IDカードがカードリーダ面19に翳されたとき(接近させたとき)に非接触通信によってIDカードからカード情報の読み取りを行う。カードリーダ面19には、操作者にIDカードの提示を促す表記、例えば「IC Touch」の文字が描画されている。
表示部10は、画像を表示可能な液晶ディスプレイやタッチパネル等のモニタであり、例えば、図2及び図3に示されるように、時計部6から読み取った現在時刻を表示する(図7参照)。タッチパネルからなる表示部10は、操作入力部8における「出」キー、「外」キー、「戻」キー及び「退」キーの操作キーをアイコンで表示してよく、即ち、操作入力部8及び表示部10は、タッチパネルでまとまりよく一体的に構成されていてよい。例えば、操作入力部8及び表示部10を構成するタッチパネルは、操作入力部8の「出」キー、「外」キー、「戻」キー及び「退」キーのそれぞれの文字をアイコンに表示し、通常は黒字で表示するが、タッチ操作されて打刻種別が設定されている操作キーについては反転した文字(白抜きの文字)で表示する。
就業管理装置1の使用状況に応じた画面表示パターンの具体的な例として、表示部10は、打刻情報の記録部3への記録が完了した場合には、現在時刻と共に打刻完了を表示する(図8参照)。また、表示部10は、操作者情報入力部9で打刻操作が正常に行われていない場合、例えば、操作者情報入力部9での操作者情報入力ミスや、画像入力部7で撮影した打刻時画像から顔画像検知部16が顔画像を検知できない場合には、現在時刻の表示に代えて、打刻操作エラーを表示すると共に、操作者に操作者情報入力部9での操作者情報の再入力を促す(図9参照)。また、表示部10は、操作入力部8での打刻種別設定にミスがあった場合には、現在時刻の表示に代えて、打刻操作エラーを表示する(図10参照)。なお、表示部は、操作入力部8や操作者情報入力部9の何れの操作によって打刻操作エラーが生じたかを操作者が理解できるように、エラー番号等を表示するとよい。
音声出力部11は、スピーカ等からなり、打刻情報の記録部3への記録が完了した場合には打刻完了を示すビープ音等の音声を出力し、画像入力部7で撮影した打刻時画像から顔画像検知部16が顔画像を検知できない等の理由により打刻情報を記録できない場合には打刻操作エラーを示す警報として大音量のビープ音、例えば低い周波数のノイズ音であるバズ音等の音声を出力する。
外部通信部12は、ルータやハブ等のネットワーク機器に接続されるNIC(Network Interface Controller)であり、外部記録媒体接続部13は、USBメモリ等のリムーバブル記録媒体18が着脱可能に接続される接続端子である。
就業者認識部15は、操作者情報入力部9で得られた操作者情報と記録部3に登録された就業者情報とを照らし合わせて、操作者情報と一致する就業者情報があるか否かを判定する。就業者認識部15は、操作者情報と一致する就業者情報がある場合、この操作者情報を正規の情報と認識して就業者認識が成功する。なお、就業者認識部15は、操作者情報入力部9で得られた企業等コードと記録部3に登録された企業等コードとが一致するか否かを判定し、その判定結果を就業者認識の判定条件の一つとしてもよい。
また、就業者認識部15は、操作者情報入力部9で得られた操作者情報が記録部3に登録された就業者情報と一致する場合に、打刻情報を記録する条件として、就業者の打刻操作時の顔検知が必要であるか否かをその就業者情報の顔検知要否に基づいて判定する。
顔画像検知部16は、就業者の打刻操作時に画像入力部7で撮影した打刻時画像から人間の顔に相当する顔画像の有無を検知し、顔画像を検知できたか否かを示す検知信号を出力する。顔画像検知部16は、例えば、打刻時画像から両目、鼻、口、両耳、頬、あご、両眉、額及び髪の毛、並びに輪郭等の人間の顔を構成する顔要素を抽出し、これらの顔要素に基づいて人間の顔に相当する顔画像の有無を判断する。顔画像検知部16は、打刻時画像から上記の顔要素の全てを抽出できない場合でも、これらの顔要素の一部、例えば、少なくとも両目、鼻及び口のいずれかの組合せとその位置関係とによって顔画像の有無を判断することができる。また、顔画像検知部16は、正面視で人間の顔と判断できる場合だけでなく、側方視(横顔)や斜方視であっても上記の顔要素の組合せとその位置関係から人間の顔と判断できる場合に顔画像有りと判断してよい。
また、顔画像検知部16は、画像入力部7で撮影した打刻時画像から複数の顔画像が取得される場合には、複数の顔画像の間でそれぞれの顔要素の輪郭の大きさを比較し、最も大きい輪郭を有する顔画像を、打刻時画像から検知できた顔画像(代表顔画像)として判断する。なお、打刻時画像内に同じ大きさの輪郭を有する2つ以上の顔画像がある場合、その輪郭から後述する輪郭サイズを算出できればよいので、何れの顔画像を打刻時画像から検知できた顔画像(代表顔画像)としてもよい。
また、顔画像検知部16は、打刻時画像から検知した顔画像(代表顔画像)に基づいて顔の輪郭サイズを算出し、算出した輪郭サイズを所定の最小輪郭サイズと比較する。そして、顔画像検知部16は、輪郭サイズが所定の最小輪郭サイズより小さい場合には、操作者の顔画像を検知できなかったと判断する。なお、顔画像検知部16は、例えば、打刻時画像から輪郭がはみ出している場合や、帽子や髪の毛やマスク等で一部の輪郭が隠れている場合のように、顔画像が顔の輪郭の一部のみを示している場合でも、その一部の輪郭から全体の輪郭を推定し、推定した全体の輪郭から輪郭サイズを算出することができる。
打刻判定部17は、操作入力部8や操作者情報入力部9での打刻操作に応じて時計部6から現在時刻を読み取って打刻時刻とし、この打刻時刻を含む打刻情報を生成する。例えば、打刻判定部17は、操作入力部8で設定される打刻種別や、操作者情報入力部9で入力される操作者情報(即ち、就業者認識部15でこの操作者情報に一致すると認識された記録部3における就業者情報)を、上記の打刻時刻と紐付けして1つの打刻情報を生成する。また、打刻判定部17は、この就業者情報の顔検知要否が「検知必要」である場合には、顔画像検知部16による顔検知ができた打刻時画像も紐付けして打刻情報を生成する。
また、打刻判定部17は、上記の打刻情報に対応する打刻操作が有効か否かを判定し、有効である場合には打刻情報を記録すると判定して記録部3の打刻履歴に記録し、無効である場合には打刻情報を記録しないと判定して、即ち、打刻操作エラーであると判断する。例えば、打刻判定部17は、一の就業者の打刻操作によって新たな打刻情報を得たときに、この就業者の過去の打刻情報を記録部3の打刻履歴から取得し、新たな打刻情報と過去の打刻情報との間で打刻種別の経緯に矛盾がないか否かを判断し、矛盾が無ければ打刻操作を有効と判定する一方、矛盾が有れば打刻操作を無効と判定する。例えば、過去の打刻情報に「外出」の記録がないのに、新たな打刻方法の打刻種別が「戻り」を示していれば、打刻種別の経緯が矛盾することとなる。打刻判定部17による打刻履歴の記録では、就業者情報や打刻情報に基づいて、打刻時画像のファイル名に操作者の識別番号や氏名を使用したり、打刻時画像のプロパティに打刻種別を記録してもよい。
次に、就業管理装置1による打刻処理について、図4〜図15を参照して説明する。図4は、就業管理装置1の打刻処理動作を示すフローチャートである。
先ず、就業管理装置1は、打刻操作の待機状態となり、操作入力部8において、「出」キー、「外」キー、「戻」キー及び「退」キー等の操作キーが操作されたか否か、即ち、打刻種別が設定されたか否かを監視する(ステップS1)。そして、「出」キー、「外」キー、「戻」キー又は「退」キーが操作されると(ステップS1、Yes)、操作された操作キーに対応する打刻種別(出勤、外出、戻り又は退勤)が設定され(ステップS2)、その打刻種別は制御部2へと出力される。この操作入力部8の監視は打刻種別が設定されるまで継続する。
なお、打刻操作の際の時刻が出勤時間帯又は退勤時間帯であれば、操作入力部8の「出」キー又は「退」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「出勤」又は「退勤」に設定されるので、操作者は操作入力部8を操作する必要がない。例えば、図2及び図3に示される就業管理装置1では、打刻操作の際の時刻が「8:25」であって出勤時間帯であるので、打刻種別が自動的に「出勤」に設定されている。このとき、表示部10では、現在時刻「8:25」が表示され、操作入力部8の「出」キーが操作された状態として「出」キーの文字が反転表示されている(図7参照)。
そして、就業管理装置1は、上記のように打刻種別が設定されている状態では、操作者情報入力部9において、IDカード21がカードリーダ面19に翳されたか否かを繰り返し監視する(ステップS3)。例えば、図3では、操作者22がIDカード21を翳す一歩手前の状態を示していて、操作者22が更に手を伸ばすとIDカード21がカードリーダ面19に接触して翳された状態となる。このように、IDカード21がカードリーダ面19に翳されると、操作者情報入力部9が非接触通信によってIDカード21からカード情報(操作者情報)及び企業等コードを読み取り(ステップS3、Yes)、これらの操作者情報及び企業等コードは制御部2へと出力される。
制御部2では、就業者認識部15によって就業者認識が行われ、具体的には、IDカード読み取り(操作者の打刻操作)によって操作者情報入力部9から得られた操作者情報が、記録部3に登録されている就業者情報と一致するか否かが判定され、更に、操作者情報入力部9から得られた企業等コードが、記録部3に記録されている企業等コードと一致するか否かが判定される(ステップS4)。例えば、退職した就業者の就業者情報は、記録部3から抹消され、又は無効IDとして記録部3に記録されているため、操作者情報入力部9からの操作者情報は記録部3における就業者情報と一致せずに就業者認識は失敗する。また、同機種の就業管理装置1が異なる企業等で使用されている場合であって、操作者情報入力部9からの操作者情報が記録部3における就業者情報と一致してしまう場合でも、企業等コードが異なるため、就業者認識は失敗する。以下では、説明の便宜のため、IDカード21は正規の就業者のものであって、操作者情報入力部9で得られた操作者情報が記録部3に登録されている就業者情報と一致して就業者認識に成功するものとし、この就業者情報を「就業者認識に成功した就業者情報」と称する。
また、就業者認識部15では、就業者認識に成功した就業者情報の顔検知要否に基づいて、就業者の打刻操作時の顔検知が必要か否かが判断される(ステップS5)。就業者情報の顔検知要否が、「検知必要」に設定されていれば(ステップS5、Yes)、顔画像検知処理(ステップS6)が実行され、「検知不要」に設定されていれば(ステップS5、No)、顔画像検知処理をすることなく後述する打刻情報生成処理(ステップS9)に移行する。
顔画像検知処理(ステップS6)では、画像入力部7で撮影された打刻時画像から人間の顔画像を検知し、特に、操作者情報入力部9の操作者と推定できる人間の顔画像を検知する。例えば、図5に示されるように、操作者情報入力部9を正しく操作できる位置にいる操作者24の顔画像が打刻時画像23に明瞭に写っている場合には、打刻時画像23から顔画像を検知できたと判断され、図6に示されるように、操作者24が画像入力部7を手25で塞ぐことにより操作者24の顔画像が打刻時画像23に明瞭に写っていない場合には、打刻時画像23から顔画像を検知できなかったと判断される。顔画像検知処理の詳細は後述する。
顔画像検知処理(ステップS6)の結果、打刻時画像から顔画像を検知できた場合(ステップS7、Yes)には、打刻情報生成処理(ステップS9)に移行し、打刻時画像から顔画像を検知できなかった場合(ステップS7、No)には、打刻エラー処理(ステップS8)に移行する。
打刻エラー処理(ステップS8)では、表示部10によって打刻操作エラーが画面表示されると共に、音声出力部11によって打刻操作エラーを示す警報が出力される。例えば、表示部10では、図9に示されるように、「Warning!」等の文字によって打刻操作エラーが生じたことを表示すると共に、「もう一度カードをタッチしてください」等の文字によって操作者情報入力部9での打刻操作にエラーがあったことを操作者に伝えて操作者情報入力部9での操作者情報の再入力を促す。そして、打刻処理は一旦終了し、操作者はステップS1から打刻処理をやり直すこととなる。表示部10は打刻操作エラーを表示した後、所定時間(数秒)経過後に元の画面表示(現在時刻のみの表示)に戻る。
打刻情報生成処理(ステップS9)では、打刻判定部17において、時計部6から読み取った打刻時刻と、操作入力部8で設定された打刻種別と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(即ち、上記した就業者認識に成功した就業者情報)とが紐付けされて打刻情報が生成される。また、この就業者情報の顔検知要否が「検知必要」である場合には、打刻時画像も紐付けされて打刻情報が生成される。
次に、打刻判定部17によって、打刻情報が有効であるか否かが判定され(ステップS10)、打刻情報が有効である場合(ステップS10、Yes)には打刻情報記録処理(ステップS12)に移行し、打刻情報が無効である場合(ステップS10、No)には打刻エラー処理(ステップS11)に移行する。
打刻エラー処理(ステップS11)では、表示部10によって打刻操作エラーが画面表示されると共に、音声出力部11によって打刻操作エラーを示す警報が出力される。例えば、表示部10では、図10に示されるように、「ERROR 1」等の文字によって打刻操作エラーが生じたことを表示すると共にエラー番号によって操作入力部8の操作ミスが原因であることを操作者に伝えていて、更に「無効な打刻です。」等の文字によって打刻操作エラーの具体的な内容を操作者に伝えている。そして、打刻処理は一旦終了し、操作者はステップS1から打刻処理をやり直すこととなる。表示部10は打刻操作エラーを表示した後、所定時間(数秒)経過後に元の画面表示(現在時刻のみの表示)に戻る。
打刻情報記録処理(ステップS12)では、打刻判定部17によって、有効と判断された打刻情報が記録部3の打刻履歴に記録される。
その後、打刻完了表示処理(ステップS13)に移行し、表示部10によって現在時刻と共に打刻完了したことが画面表示されると共に、音声出力部11によって打刻完了を示す音声が出力される。例えば、打刻完了した打刻情報又は対応する就業者情報に基づいて打刻操作に係る就業者が特定でき、また、打刻情報に基づいて打刻種別も特定できるので、図8に示されるように、表示部10では、「天野○○さん 出勤」等の文字によって就業者及び打刻種別を特定しつつ打刻完了したことが表示される。表示部10は打刻完了を表示した後、所定時間(数秒)経過後に元の画面表示(現在時刻のみの表示)に戻る。
次に、顔画像検知処理(ステップS6)について、図11を参照して説明する。図11は、就業管理装置1の顔画像検知処理動作を示すフローチャートである。
顔画像検知処理では、先ず、画像入力部7によって打刻時画像が撮影される。そして、顔画像検知部16によって、打刻時画像から両目、鼻、口、両耳、頬、あご、両眉、額及び髪の毛、並びに輪郭等の人間の顔を構成する顔要素が抽出され、これらの顔要素に基づいて人間の顔に相当する顔画像の有無が判断される(ステップS21)。
このとき、顔画像検知部16で打刻時画像内に顔画像が有ると判断した場合(ステップS21、Yes)には、更に、打刻時画像内に顔画像が複数存在するか否かの判断(ステップS22)に移行し、打刻時画像内に顔画像が無いと判断した場合(ステップS21、No)には、顔検知失敗処理(ステップS27)に移行する。
ステップS22において、顔画像検知部16で打刻時画像内に顔画像が1つだけ存在すると判断した場合(ステップS22、No)には、その1つの顔画像(代表顔画像)から輪郭を抽出して(ステップS23)、ステップS25に移行する。他方、打刻時画像内に顔画像が複数存在すると判断した場合(ステップS22、Yes)には、複数の顔画像のそれぞれについて輪郭を抽出し、最も輪郭の大きい顔画像を打刻時画像から検知できた顔画像(代表顔画像)として判断して(ステップS24)、輪郭サイズ算出処理(ステップS25)に移行する。
例えば、図12に示されるように、就業管理装置1を操作する従業員(操作者)27の周辺では、他の従業員28、29が往来したり、打刻しようと順番待ちしていることがあり、画像入力部7の撮影範囲26内に操作者である操作者27だけでなく他の従業員28、29も入る場合がある。この場合、図13に示されるように、画像入力部7によって撮影された打刻時画像30には、操作者27だけでなく他の従業員28が写り込み、顔画像検知部16では、打刻時画像30から操作者27の顔画像と他の従業員28の顔画像が取得される。操作者27は他の従業員28に比べて就業管理装置1の画像入力部7に近い位置にいるので、操作者27の顔画像の輪郭は他の従業員28の顔画像の輪郭よりも大きいため、顔画像検知部16は、操作者27の顔画像を、打刻時画像から検知された顔画像(代表顔画像)として判断することができる。
輪郭サイズ算出処理(ステップS25)では、顔画像検知部16によって、ステップS23又はS24で顔画像(代表顔画像)から抽出された輪郭に基づいて輪郭サイズ(顔サイズ)が算出される。
そして、顔画像検知部16は、顔画像について算出した輪郭サイズを所定の最小輪郭サイズと比較する(ステップS26)。算出した輪郭サイズが最小輪郭サイズ以上である場合(ステップS26、Yes)には、打刻時画像から正常に顔画像(代表顔画像)を検知できたと判断して、顔画像検知処理を終了し、図4のフローチャートに戻ってステップS7に移行する。
例えば、図13に示されるように、打刻時画像30に操作者27が正常に写っている場合、操作者27は就業管理装置1の画像入力部7に近い位置にいるので、顔画像の輪郭サイズ(図13に示す二点鎖線31参照)は最小輪郭サイズ(図13に示す破線32参照)以上になる。この場合、顔画像検知部16は、打刻時画像30から正常に顔画像(代表顔画像)を検知できたと判断することができ、例えば、顔画像検知処理(ステップS6)の対象となっている打刻時画像について、顔画像を正常に検知できたことを示す顔検知成功フラグが設定される。
他方、顔画像検知部16で算出した輪郭サイズが最小輪郭サイズより小さい場合(ステップS26、No)には、顔画像(代表顔画像)に示される人間が操作者情報入力部9を操作できない位置にいると推定できるのでその人間を操作者情報入力部9の操作者と認定することができない。従って、この場合には、打刻時画像から顔画像を検知できなかったと判断して、顔検知失敗処理(ステップS27)に移行する。
例えば、図14に示されるように、就業管理装置1を操作する従業員(操作者)33が、故意か若しくは意図せずに就業管理装置1の画像入力部7の撮影範囲26から外れながら若しくは撮影範囲26に入りながら打刻操作をして、手を伸ばしてIDカード21を操作者情報入力部9のカードリーダ面19に翳す場合がある。この場合、図15に示されるように、画像入力部7によって撮影された打刻時画像34には、操作者33が写らずに他の従業員28、29が写り込み、顔画像検知部16では、打刻時画像34から他の従業員28、29の顔画像が取得される。しかしながら、就業管理装置1を操作していない他の従業員28、29は就業管理装置1の画像入力部7から遠い位置にいるので、他の従業員28、29の顔画像の輪郭サイズは最小輪郭サイズ(図15に示す破線32参照)よりも小さくなる。この場合、顔画像検知部16は、打刻時画像から顔画像(代表顔画像)を検知できなかったと判断することができる。
顔検知失敗処理(ステップS27)では、例えば、顔画像検知処理(ステップS6)の対象となっている打刻時画像について、顔画像を正常に検知できなかったことを示す顔検知失敗フラグが設定される。これにより、打刻時画像について、顔画像を正常に検知できるものであるか否かが顔画像検知部16以外でも判断可能となる。そして、顔画像検知処理を終了し、図4のフローチャートに戻ってステップS7に移行する。
本実施形態によれば、上述のように、就業者の就業状況を管理する就業管理装置1は、操作入力部8や操作者情報入力部9等の打刻操作部と、画像入力部7と、顔画像検知部16と、打刻判定部17とを備えている。そして、打刻操作部は、就業者による打刻操作を入力するように構成されている。画像入力部7は、打刻操作部で打刻操作を行った就業者の打刻時画像を撮影するように構成されている。顔画像検知部16は、画像入力部7で撮影した打刻時画像から人間の顔に相当する顔画像を検知するように構成されている。打刻判定部17は、打刻時画像から顔画像を検知できた場合には打刻操作に応じた打刻情報を打刻時画像と共に記録部3へ記録し、打刻時画像から顔画像を検知できなかった場合には打刻操作エラーと判定して打刻情報を記録部3へ記録しないように構成されている。
このように、本実施形態に係る就業管理装置1では、打刻操作を行った従業員等の就業者の顔画像を検知できない場合には、打刻情報の記録を受け付けないため、不正な成りすましによって打刻操作する他人が打刻を成功させるときには、この他人の顔画像が記録されることになる。従って、就業管理装置1の管理者は、記録部3に記録された打刻情報を確認して不正な打刻を発見することができるため、就業者の不正な成りすましの打刻操作を抑止することができる。
また、本実施形態によれば、顔画像検知部16が検知する顔画像は、少なくとも打刻時画像から抽出された目、鼻及び口のいずれかの組合せとその位置関係とにより人間の顔であると判断された画像でよい。これにより、顔画像検知部16は、打刻時画像から人間の顔を判断できる機能を有していればよいので、比較的簡易なプログラム等で構成することができ、そのため、顔画像検知部16を作動する制御部2に高性能なCPUを搭載する必要がない。顔画像検知部16は、予め記録した就業者の顔画像との照合を行わないため、複数の就業者のために膨大な量の顔画像を記録する必要がなく、容量の少ない記録部3を使用することができる。従って、これらの制御部2や記録部3を備える就業管理装置1の製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、顔画像検知部16は、顔画像が示す顔の輪郭の全体又は一部から輪郭サイズを算出し、輪郭サイズが所定の最小輪郭サイズより小さい場合には、顔画像を検知できなかったと判断してよい。顔画像検知部16が打刻時画像から打刻操作を行う就業者(操作者)の顔画像を取得できずに他の就業者の顔画像を取得してしまう場合でも、他の就業者は操作入力部8や操作者情報入力部9の操作位置よりも遠くにいるので、画像入力部7で撮影される他の就業者の顔画像は、最小輪郭サイズより小さくなる。従って、上記の構成により、就業管理装置1の近傍を通過しただけの他の就業者や打刻待ちをしている他の就業者等の第三者の顔画像を代表顔画像と誤検知することが防止される。その結果、第三者の写り込みを利用するような不正な成りすましの打刻操作を防止することができる。
また、本実施形態によれば、打刻時画像から顔画像を検知できなかった場合には打刻操作エラーについて表示部10による画面表示及び音声出力部11による音声の少なくとも何れかによって出力するとよい。これにより、操作者が意図せずに画像入力部7での撮影に失敗して顔画像が検知できなかった場合等に、操作者に対して再度の打刻操作を促すことができるので、操作者が再度の打刻操作を慎重に行うこととなり打刻情報が確実に記録されるため、打刻情報の記録抜けの発生が防止できる。
また、本実施形態によれば、打刻操作部は、就業者に固有のIDカードから、該IDカードに記憶された就業者に固有のカード情報を読み取る就業者情報入力部9を備える。IDカードを用いた打刻操作入力は、他の無線通信等を用いた打刻操作入力と比べて、操作者が打刻操作時に画像入力部7の撮影範囲内で止まっている可能性が高いので、顔画像をスムーズに取得することができ、また、打刻操作時に操作者が所定の場所で止まる打刻操作入力としては、他の手法による打刻操作入力に比べて、短時間で行われるので、打刻操作自体を円滑に行うことができる。
また、本実施形態によれば、記録部3は、就業者を識別可能な就業者情報として、打刻操作時に顔画像の検知が必要か否かを示す顔検知要否を記録していて、打刻操作をした就業者について就業者情報の顔検知要否が検知不要を示している場合には、顔画像検知部16による顔画像検知処理をすることなく打刻判定部17で打刻情報を記録部3に記録するよう構成される。これにより、就業管理装置1の管理者やプライバシーの公開を拒んで顔画像の撮影に同意しない従業員等については、顔画像撮影及び顔画像検知処理をすることなく、打刻処理を行うことができる。
なお、本実施形態の就業管理装置1では、顔画像検知部16で顔検知を行わない対象として、就業管理装置1の管理者や撮影に同意しない従業員を例示したが、これらに限定されない。例えば、就業者毎に顔画像検知部16での顔検知の成功率や連続成功回数を記録部3に記録していき、顔検知の成功率又は連続成功回数が所定の閾値を超えた就業者については、記録部3に登録されている就業者情報の顔検知要否を検知不要に設定して、顔画像検知部16による顔画像検知処理を行わないように構成してもよい。就業者の打刻操作は出勤及び退勤の度に行われるので、顔画像検知処理にて常に正常に顔画像が撮影されている就業者は、打刻操作に誤りのない就業者として判断され、不正な成りすましをする懸念が無い等の信用が蓄積されているため、顔画像検知部16による顔画像検知処理を行わない対象に設定される。なお、顔画像検知処理にて顔画像の撮影に失敗する等の打刻操作エラーを生じさせる就業者については、上記した顔検知の成功率や連続成功回数を減少させるように構成してもよく、又はその打刻操作エラーに係る操作者情報をエラー情報として記録部3に記録して、このエラー情報を就業者情報の顔検知要否を再設定する際の判断に使用するように構成してもよい。これにより、常に適正な打刻操作を行う就業者と、打刻操作に誤りを生じさせる就業者とが明確に区別されることとなる。
このように、本発明の就業管理装置1によれば、一の就業者についての顔画像の検知の成功率又は連続成功回数が所定の閾値を超えた場合には、一の就業者について就業者情報の顔検知要否を検知不要に設定するように構成することができる。これにより、常に適正に打刻操作を行って顔画像が正常に撮影されている優良な従業員等の就業者については、撮影処理を含む顔画像検知処理を行わないようになり、処理時間が短縮するため、就業管理装置1の処理に係る負荷が減少して運用コストを削減することができる。また、打刻履歴に打刻時画像も記録されないので、記録部3の容量を圧迫せず、記録部3のメモリ使用量が減少するため、容量の少ない記録部3を使用することができ、就業管理装置1の製造コストを抑えることができる。また、打刻時画像が打刻履歴に記録されていると、この打刻履歴をネットワークを介して送受信する場合に、多大なネットワーク負荷が生じるが、上記した構成により顔画像検知処理を行う就業者を減らすことができれば、ネットワーク負荷により異常が生じる危険を回避することができる。
本実施形態の就業管理装置1において、顔画像検知部16が顔画像(代表顔画像)の輪郭サイズと比較するための所定の最小輪郭サイズは、人物の最小輪郭サイズとして平均的な大きさが予め定められて記録部3に記録されていてもよいが、これに限定されない。例えば、各就業者に固有の最小輪郭サイズを予め決定し、就業者毎に記録部3に登録される就業者情報にそれぞれ固有の最小輪郭サイズを記録していてもよい。あるいは、平均的な輪郭サイズと比べて極端に大きい又は小さい輪郭サイズを有する就業者について、大きめ又は小さめの最小輪郭サイズを予め決定し、記録部3の就業者情報に記録していてもよい。そして、顔画像検知部16による顔画像検知処理では、記録部3の就業者情報から就業者に固有の最小輪郭サイズを引き出して、打刻時画像で検知された顔画像の輪郭サイズと比較処理を行う。
このような構成により、輪郭サイズに差がある就業者を管理する場合に、顔画像検知処理における不要なエラーを減少することができる。例えば、最小輪郭サイズが平均的な輪郭サイズを基準として定めていると、かなり顔の小さい就業者は、適切な位置で操作者情報入力部9を操作していても、画像入力部7で撮影した顔画像が小さくなってその輪郭サイズが最小輪郭サイズよりも小さくなり、打刻操作エラーが生じる懸念がある。このように、複数の就業者が存在していると、全ての就業者に適合するように最小輪郭サイズを設定するのが困難なことがある。しかしながら、上記した構成によれば、平均的な輪郭サイズに合致しない輪郭サイズを有する就業者でも、固有の最小輪郭サイズを用いて顔画像検知処理が行われるので、身体的特徴のために生じる打刻操作エラーを回避することができる。
本実施形態の就業管理装置1では、操作者が操作者情報入力部9を正しく操作できる位置にいるか否かを判断するために、画像入力部7で撮影した打刻時画像に基づいて、顔画像検知部16で検知した顔画像(代表顔画像)の輪郭サイズが最小輪郭サイズ以上であることを判定する構成を説明したが、この構成に限定されない。操作者の操作位置を判断するためには、操作者の操作者情報入力部9からの位置、即ち、画像入力部7からの位置を取得できれば良く、例えば、他の実施形態では、焦点距離測定装置や、単焦点カメラに備わる赤外線の測距センサ等の画像入力部7に備えられる測距装置を用いて画像入力部7から撮影対象者までの距離を測定し、この距離に基づいて撮影対象者が操作者であるか否かを判断するように構成されてもよい。
本発明の就業管理装置1では、表示部10による打刻完了や打刻操作エラーの表示は、図8〜図10の例に限定されず、操作者が打刻完了や打刻操作エラーを認識できる内容が表示されればよい。また、音声出力部11による打刻完了や打刻操作エラーの出力は、上記した例に限定されず、操作者が打刻完了や打刻操作エラーを認識できる内容が出力されればよい。
本発明の就業管理装置1は、図2や図3に示されるような専用の端末で構成されてもよいが、この構成に限定されない。就業管理装置1は、例えば、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノート型PCやタブレット型端末等の、何れの端末で構成されていてもよい。就業管理装置1がPCで構成される場合には、操作入力部8はPCに接続されるキーボードやマウスで構成されてよく、表示部10はPCに接続されるディスプレイで構成されてよい。
本実施形態では、制御部2で実行される各処理を、就業者認識部15、顔画像検知部16及び打刻判定部17で行う構成を説明したが、これに限定されず、各処理は制御部2の他の構成によって実行することも可能である。
本実施形態では、就業管理装置1は、就業者情報や打刻履歴等の各管理情報を記録部3に記録する構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、就業管理装置1は、上記した各管理情報の記録先を、記録部3と外部記録媒体接続部13に接続されるリムーバブル記録媒体18との何れかに選択できるように構成されてもよい。また、就業管理装置1は、各管理情報を、初めは記録部3に割り当てられた所定記録領域に記録していて、所定記録領域の上限に達した後、記録先をリムーバブル記録媒体18に切り換えて記録するように構成されていてもよい。各管理情報をリムーバブル記録媒体18に記録することにより、就業管理装置1の管理者は、例えば、打刻履歴が記録されたリムーバブル記録媒体18を専用端末としての就業管理装置1から取り外し、管理用PCに接続することができる。そして、就業管理装置1の管理者は、管理用PCを用いてリムーバブル記録媒体18に記録された打刻履歴を利用することができるので、管理用PCに備わる画像閲覧可能なアプリケーションを用いて打刻履歴を閲覧することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る就業管理システム40について、図16を参照しながら説明する。図16は、就業管理システム40の構成を概要的に示すブロック図である。
就業管理システム40は、図16に示されるように、複数の就業管理装置41、42が就業管理サーバ43とLAN等のネットワーク44を介して接続されて構成される。なお、この実施形態では、就業管理システム40が複数の就業管理装置41、42を備える構成を説明するが、就業管理システム40は、1つ以上の就業管理装置を備えていればよい。
就業管理装置41、42は、上述した就業管理装置1と略同様の構成を有していて、同様の構成については詳細な説明を省略し、就業管理装置1との相違点は後述する。
就業管理サーバ43では、制御部45とインタフェース部46とがバス47を介して接続されている。また、就業管理サーバ43では、インタフェース部46に外部通信部49と、表示部50と、操作入力部51と、打刻情報記録部52と、打刻時画像記録部53と、就業者情報記録部54とが接続されている。
制御部45は、CPU等で構成されていて、就業管理プログラム48を備える。就業管理プログラム48は、就業管理サーバ43に備わるROMやハードディスク等の記録媒体(図示せず)に記録されていて、制御部45によって実行されるように構成されていてよい。就業管理プログラム48は、就業管理システム40を統括管理するもので、例えば、複数の就業管理装置41、42の現在時刻を同期させる機能や、複数の就業管理装置41、42を管理するための管理画面を表示部50に表示させる機能や、その他の機能を有する。
外部通信部49は、ルータやハブ等のネットワーク機器に接続されるNICで構成されていてよい。外部通信部49は、ネットワーク44を介して複数の就業管理装置41、42と通信可能になっている。
表示部50は、画像を表示可能な液晶ディスプレイやタッチパネル等のモニタであり、操作入力部51は、管理者による操作を入力するためのキーボードやマウスで構成されていてよい。
打刻情報記録部52、打刻時画像記録部53及び就業者情報記録部54は、就業管理サーバ43に内蔵されるハードディスク等の記録媒体で構成されてもよく、あるいはデータベースとして構成されていてもよい。
打刻情報記録部52及び打刻時画像記録部53は、上記した実施形態の就業管理装置1の記録部3に代えて、複数の就業管理装置41、42の打刻判定部17によって記録すると判定した打刻情報及びこの打刻情報に含まれる打刻時画像をそれぞれ記録する。この打刻情報は、就業管理装置41、42の打刻判定部17が打刻情報を記録すると判定したときに、就業管理装置41、42の外部通信部12からネットワーク44を介して就業管理サーバ43の外部通信部49に入力されるものである。
就業者情報記録部54は、上記した実施形態の就業管理装置1の記録部3に代えて、就業管理システム43で管理される各就業者に固有の識別情報である就業者情報が予め登録される。この就業者情報は、例えば、管理者が、就業管理サーバ43を使用して表示部50に表示される管理画面を操作入力部51で操作することによって登録される。
本実施形態によれば、上述のように、就業者の就業状況を管理する就業管理システム40は、就業管理装置41、42と、就業管理装置41、42に所定のネットワーク44を介して接続された記録部3に代わる就業管理サーバ43とを備えている。これにより、管理者は、就業管理サーバ43を操作することにより、複数の就業管理装置41、42を統一して管理することができ、複数の就業管理装置41、42を操作することなく、いつでも就業者の打刻時画像を参照して、就業者情報と打刻時画像の顔画像との整合性を目視確認して、不正な成りすまし打刻を発見することができる。また、就業管理サーバ43は複数の就業管理装置41、42とネットワーク44で接続されているので、就業管理装置41、42を直接操作したり、就業管理装置41、42のリムーバブル記録媒体18を回収したりすることなく、打刻時画像を取得できるので、管理者の利便性を向上することができる。更に、管理者は、就業管理サーバ43を操作すれば、就業管理装置41、42を直接操作することなく、顔画像検知処理を必要としない就業者についての就業者情報の顔検知要否の設定や、就業管理システム40で統一された最小輪郭サイズや就業者に固有の最小輪郭サイズの設定等の様々な設定処理を行うことができる。
上述したように、本発明に係る就業管理装置、就業管理システム及びプログラムであれば、簡易で安価な構成を用いて、本人以外の成りすましの打刻操作を防止可能である。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う就業管理装置もまた本発明の技術思想に含まれる。