以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。以下の実施形態は、本発明の好適な具体例であって、種々の好ましい技術を開示しているが、本発明の技術範囲はこれらの態様に限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態に係るタイムレコーダ1(個人情報認証装置)は、企業や団体、店舗等(以下、企業等と称する)における従業員やパートタイマー、アルバイト等の就業者(利用者)の就業状況を管理し、特に、出勤時刻や退勤時刻等の打刻情報(認証情報)を記録する装置である。図1はタイムレコーダ1の内部構成を示すブロック図、図2はタイムレコーダ1の一例の外観を示す正面図である。タイムレコーダ1は、例えば、就業者が出退勤時に通過する出入口近傍で、壁掛け設置されたり、机上に設置されたりして常時同じ場所に据え付けられる。
図1に示されるように、タイムレコーダ1は、制御部2と、記憶部3と、インタフェース部4とがバス5を介して接続されている。更に、インタフェース部4には、時計部6と、画像入力部7と、操作入力部8と、操作者情報入力部9(個人情報入力部)と、表示部10と、音声出力部11と、外部通信部12と、外部記録媒体接続部13とが接続されている。
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)等で構成され、就業者認識部15(利用者認識部)と、表示制御部16と、打刻情報記録部17(認証情報記録部)と、メッセージ設定部18とを備えている。就業者認識部15、表示制御部16、打刻情報記録部17及びメッセージ設定部18は、アプリケーションやプログラム(個人情報認証プログラム)等のソフトウェアとして記憶部3に記憶されていて制御部2によって各部の処理が実行されるように構成されていてよい。就業者認識部15、表示制御部16、打刻情報記録部17及びメッセージ設定部18の詳細は後述する。
記憶部3は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)、ハードディスク等の内蔵記憶媒体を備える。また、タイムレコーダ1では、外部記録媒体接続部13に着脱可能に接続されるUSB(Universal Serial Bus)メモリ等のリムーバブル記録媒体29も、記憶部3の記憶媒体と同様に使用することが可能である。
記憶部3には、タイムレコーダ1で管理される各就業者に固有の識別情報である就業者情報(利用者情報)が予め登録される。就業者情報は、例えば、就業者の識別番号(例えば、社員番号や使用する固有カードのIDコード)や所属グループ番号並びに氏名を含む。また、記憶部3には、打刻情報記録部17によって、打刻操作に応じた打刻情報が打刻履歴として記録される。
時計部6は、タイムレコーダ1に電力を供給する電源とは別の電力で作動するRTC(Real Time Clock)等の時計で構成されてもよく、あるいは、複数のタイムレコーダ1が採用される場合には、外部通信部12及び所定のネットワークを介して複数のタイムレコーダ1の間で時刻の同期をとるように構成されてもよい。この時計部6の示す現在時刻は、常に制御部2に読み取られて表示部10の通常画面20(図3参照)で表示されると共に、操作入力部8や操作者情報入力部9で打刻操作がされたときに打刻時刻として制御部2に読み取られる。
画像入力部7は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子を用いたカメラである。画像入力部7は、タイムレコーダ1に内蔵されて構成されていてもよいが、USB端子等を介して接続される外部機器のカメラであってもよい。
具体的には、画像入力部7は、操作入力部8や操作者情報入力部9で打刻操作(個人情報入力)を行った就業者の打刻時画像(入力時画像)を撮影できるように配置されたカメラであって、撮影した打刻時画像を制御部2へと出力する。画像入力部7は、例えば、図2に示されるように操作入力部8より上方に配置されていて、表示部10の前面側(タイムレコーダ1の正面側)で且つ操作入力部8に対向する位置を撮影範囲として、操作者情報入力部9で打刻操作がされたときや、打刻操作にエラー(操作エラー)が生じたときに、撮影範囲の打刻時画像を撮影する。
操作入力部8は、就業者等の操作者による操作を入力するボタン等の操作キーを備えていて、表示部10がタッチパネルからなる場合には、操作キーをタッチパネルに表示されるアイコンで構成してもよい。操作入力部8は、例えば、就業者が打刻操作をする際に出勤、外出、戻り及び退勤等の打刻種別を設定するために、図3に示されるように、出勤時に操作される「出勤」キーと、外出時に操作される「外出」キーと、外出からの戻り時に操作される「戻り」キーと、退勤時に操作される「退勤」キーとが打刻種別キー24としてタイムレコーダ1の正面側で並列に配置されている。また、操作入力部8は、例外処理、各種設定処理及びその他の処理をする際に操作される「勤務」キー、「例外」キー、「コード」キー及び「操作」キー等の操作キーも備える。
操作入力部8は、「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー又は「退勤」キー等の打刻種別キー24の操作に応じて、それぞれ「出勤」、「外出」、「戻り」又は「退勤」の打刻種別を制御部2に出力する。例えば、操作入力部8は、通常は何れの打刻種別キーも操作されていない状態であるが、就業者の出勤時間帯では「出勤」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「出勤」に設定され、就業者の退勤時間帯では「退勤」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「退勤」に設定される。また、操作入力部8は、「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー又は「退勤」キーが操作された後、所定時間、例えば数秒間、その操作に応じた打刻種別の設定状態を維持し、その後、自動的に操作前の状態に戻る。
操作者情報入力部9は、就業者等の操作者を識別可能な操作者情報(個人情報)の入力を受け付けるもので、入力された操作者情報を制御部2に出力する。なお、操作者情報入力部9は、記憶部3に登録されている上記の企業等コードの入力を受け付けるように構成され、操作者情報と共に企業等コードを制御部2に出力してもよい。操作者情報入力部9は、例えば、操作入力部8で打刻種別が設定されていない場合には操作者情報を入力できない状態となる一方、操作入力部8で打刻種別が設定されている間に操作者情報を入力可能な状態としてもよい。
具体的には、操作者情報入力部9は、就業者に固有のIDカード(図示せず)から、該IDカードに記憶された就業者に固有のカード情報(操作者情報)や企業等コードを読み取るカードリーダである。操作者情報入力部9は、タイムレコーダ1に内蔵されて構成されていてもよいが、USB端子等を介して接続される外部機器のカードリーダであってもよい。このIDカードは、非接触型のIC(Integrated Circuit)カードや磁気ストライプカード等でよく、記憶部3に登録された正規の就業者の就業者情報と対応するカード情報を記憶している。例えば、カードリーダとしての操作者情報入力部9は、ICカードとしてのIDカードからカード情報を読み取るためにカードリーダ面19をタイムレコーダ1の正面側に備えていて(図2参照)、IDカードがカードリーダ面19に翳されたとき(接近させたとき)に非接触通信によってIDカードからカード情報の読み取りを行う。カードリーダ面19には、操作者にIDカードの提示を促す文字(例えば、「IC TOUCH」等)やイラスト(例えば、IDカードを模したイラスト)が描画されている。
表示部10は、表示制御部16により制御されることによって画像を表示する液晶ディスプレイやタッチパネル等のモニタである。表示部10は、LED(Light Emitting Diode)等の発光デバイスや、複数の発光素子からなる面発光光源等で構成されるバックライト(図示せず)を備える。図2では、表示部10の詳細な表示内容は省略するが、後述の通常画面20のような明度の低い色の背景を示している。
表示部10は、例えば、図3に示されるように、時計部6から読み取った日付、曜日及び現在時刻等の現在日時21を通常状態の画面(通常画面)20に表示する。タッチパネルからなる表示部10は、操作入力部8における「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー及び「退勤」キー等の打刻種別キー24、並びにその他の操作キーをアイコンで通常画面20に表示するように表示制御部16に制御される。即ち、操作入力部8及び表示部10は、タッチパネルでまとまりよく一体的に構成されていてよい。また、通常画面20には、外部記録媒体接続部13にリムーバブル記録媒体29が接続されている場合に、リムーバブル記録媒体29を使用可能であることを示すアイコン22も表示される。また、表示部10は、打刻操作時や操作エラー発生時に、表示制御部16により制御されることによって通常画面20よりも前面にポップアップ画面23を表示する(図4〜図6参照)。表示部10が表示する通常画面20やポップアップ画面23の詳細については、表示制御部16の説明に合わせて後述する。
音声出力部11は、スピーカ等からなり、打刻情報の記憶部3への記録が完了した場合には打刻完了を示すビープ音等の音声を出力し、操作者情報入力部9でIDカードの読み取りに失敗した場合等の操作エラーを示す警報として大音量のビープ音、例えば低い周波数のノイズ音であるバズ音等の音声を出力する。
外部通信部12は、ルータやハブ等のネットワーク機器に接続されるNIC(Network Interface Controller)であり、外部記録媒体接続部13は、USBメモリ等のリムーバブル記録媒体29が着脱可能に接続される接続端子である。
就業者認識部15は、操作者情報入力部9で得られた操作者情報と記憶部3に登録された就業者情報とを照らし合わせて、操作者情報と一致する就業者情報があるか否かを判定することにより、就業者認識処理(利用者認識処理)を行う。就業者認識部15は、操作者情報と一致する就業者情報がある場合、この操作者情報を正規の情報と認識して就業者認識処理が成功する。以下、記憶部3に登録された就業者情報であって、就業者認識処理に成功した操作者情報と一致する就業者情報を「就業者認識処理に成功した就業者情報」と称する。なお、就業者認識部15は、操作者情報入力部9で得られた企業等コードと記憶部3に登録された企業等コードとが一致するか否かを判定し、その判定結果を就業者認識処理の判定条件の一つとしてもよい。また、例えば、IDカード読み取り失敗や、操作者情報と一致する就業者情報の不在による就業者認識の失敗が生じた場合には、就業者認識処理は失敗となる。
表示制御部16は、様々な打刻操作状況や打刻処理状況に応じた画像を表示するように表示部10を制御する。例えば、表示制御部16は、上記したように、常時、時計部6から日付、曜日及び現在時刻等の現在日時21を読み取って表示部10の通常画面20に表示させる(図3参照)。
この通常画面20は、明度の低い色(例えば、黒色や黒色に近い色)の背景と、背景色に対して際立つ色(例えば、白色や黄色若しくはこれらに近い色)の文字の現在日時21とを表示する。更に、通常画面20は、操作入力部8や操作者情報入力部9の操作を促す文字(例えば、「出退を指定してカードをタッチして下さい」等の文字)やその他の文字及び図形も、背景色に対して際立つ色で表示する。
また、タッチパネルからなる表示部10の通常画面20は、上記したように、操作入力部8における「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー及び「退勤」キー等の打刻種別キー24、並びにその他の操作キーを、所定の背景色(例えば、灰色)のボタンに模したアイコンで表示していて、特に、「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー及び「退勤」キー等の打刻種別キー24については、それぞれの文字(例えば、黒色)をボタンに表示している。これらの「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー及び「退勤」キーは、上記したボタンの背景色と異なり、且つ相互に異なる色(例えば、ピンク、オレンジ、緑及び青)の打刻識別バー25を有し、タッチ操作されて打刻種別が設定されている打刻種別キー24については背景色と打刻識別バー25の色とを反転して表示する(図3の「出勤」キー参照)。なお、図3では、通常画面20で表示される各要素を明瞭にするために、ボタンの背景色を白色で、打刻識別バー25を打刻種別キー24ごとに異なる斜線で示している。
更に、表示制御部16は、上記したように、打刻操作時や操作エラー発生時に、通常画面20よりも前面にポップアップ画面23を表示させる(図4〜図6参照)。ポップアップ画面23は、表示部10の画面全体と同じサイズを有し、少なくとも通常画面20よりも明度の高い色(例えば、白色)に設定された背景を表示する。また、ポップアップ画面23は、何れの種別のポップアップ画面かを示す画面識別バー26を有する。
例えば、打刻操作時において就業者認識部15での就業者認識処理に成功した際に表示されるポップアップ画面23は、操作入力部8で入力されている打刻種別(例えば、「出勤 打刻」の文字等)と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(即ち、就業者認識処理に成功した就業者情報であり、例えば、社員番号「0000000001」及び社員名「天野 一郎 さん」等の文字等)とを表示する(図4、図5参照)。このようにポップアップ画面23が打刻操作を示す場合、画面識別バー26には、打刻種別の文字が表示されると共に、画面識別バー26の背景色として、通常画面20でその打刻種別を識別していた打刻識別バー25の背景色と同じ色が用いられる。
また、例えば、打刻操作において就業者認識部15での就業者認識処理に失敗した場合や、その他の打刻処理エラーが生じた場合に表示されるポップアップ画面23は、その操作エラーを操作者に通知するための文字を表示すると共に、当該ポップアップ画面23を閉じるためのボタン(例えば、「OK」ボタン)を表示する(図9参照)。操作エラーを操作者に通知するための文字には、例えば、エラーの種別を示す文字、何れの打刻操作又は打刻処理でエラーが生じたかを示す文字、操作者がすべき操作又は処理を促す文字等がある。このようにポップアップ画面23が操作エラーを示す場合、画面識別バー26には、操作エラーの文字が表示されると共に、画面識別バー26の背景色として、警告表示であることが一見して分かる色であって通常画面20で用いられない色(例えば、赤)が用いられる。
このように就業者認識処理の成功時のポップアップ画面23を表示させる場合、表示制御部16は、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(就業者認識処理に成功した就業者情報)に基づいて、対応する就業者について設定されているメッセージ27を記憶部3から検索し、得られたメッセージ27を所定の表示パターンでポップアップ画面23に表示する(図6参照)。ポップアップ画面23に表示されるメッセージ27の詳細については、後述する。
メッセージ27の表示パターンの一例として、図5に示されるように、ポップアップ画面23は、メッセージ27があることを示すメッセージアイコン28を表示する。なお、メッセージアイコン28は、タッチパネルで構成される操作入力部8の一部である。表示制御部16は、このメッセージアイコン28の操作に応じて、記憶部3から得られたメッセージ27をポップアップ画面23に表示する(図6参照)。この場合、ポップアップ画面23の画面識別バー26には、メッセージ27の種別等が表示され、例えば、個人メッセージの場合には、「個人伝言板」の文字が表示される。このメッセージ27では、例えば、利用者「天野一郎」への個人メッセージであることを示す文字(「天野 一郎 さん宛てのメッセージ」等)や、個人メッセージの内容を示す文字(「出張旅費の精算ができましたので、経理課に取りに来てください。」等)を表示してよい。なお、メッセージ27では、共通メッセージやグループメッセージの場合にも、メッセージ27の種別を識別できる文字(例えば、「全社員へのメッセージ」や「経理課所属者へのメッセージ」等)を表示してもよい。
打刻情報記録部17は、操作入力部8や操作者情報入力部9での打刻操作に応じて時計部6から現在時刻を読み取って打刻時刻とし、この打刻時刻を含む打刻情報を生成する。例えば、打刻情報記録部17は、操作入力部8で設定される打刻種別や、操作者情報入力部9で入力される操作者情報(就業者認識部15で就業者認識処理に成功した就業者情報)を、上記の打刻時刻と紐付けして1つの打刻情報を生成する。また、打刻情報記録部17は、打刻操作時に画像入力部7で撮影した打刻時画像も紐付けして打刻情報を生成する。
また、打刻情報記録部17は、上記の打刻情報に対応する打刻操作が有効か否かを判定し、有効である場合には打刻情報を記録すると判定して記憶部3の打刻履歴に記録し、無効である場合には打刻情報を記録しないと判定して、即ち、打刻操作エラーであると判断する。例えば、打刻情報記録部17は、一の就業者の打刻操作によって新たな打刻情報を得たときに、この就業者の過去の打刻情報を記憶部3の打刻履歴から取得し、新たな打刻情報と過去の打刻情報との間で打刻種別の経緯に矛盾がないか否かを判断し、矛盾が無ければ打刻操作を有効と判定する一方、矛盾が有れば打刻操作を無効と判定する。例えば、過去の打刻情報に「外出」の記録がないのに、新たな打刻方法の打刻種別が「戻り」を示していれば、打刻種別の経緯が矛盾することとなる。打刻情報記録部17による打刻履歴の記録では、就業者情報や打刻情報に基づいて、打刻時画像のファイル名に操作者の識別番号や氏名を使用したり、打刻時画像のプロパティに打刻種別を記録してもよい。
メッセージ設定部18は、上記したポップアップ画面23に表示するメッセージ27を設定するもので、様々な手段で入力されたメッセージ定型文を記憶部3に記憶する。上記したメッセージ定型文の入力には、例えば、操作入力部8を介して入力したり、外部通信部12を介して外部機器から受信したり、外部記録媒体接続部13を介してリムーバブル記録媒体29から読み取る等の手段が用いられる。
また、メッセージ設定部18は、ポップアップ画面23を表示することとなった打刻操作状況に応じて、表示すべきメッセージ27を決定する。メッセージ設定部18は、例えば、記憶部3に記録されたメッセージ定型文をそのまま用いることによって、あるいは、記憶部3に記録されたメッセージ定型文、就業者情報、打刻履歴及びその他の情報から必要な情報を抽出し、抽出した情報を組み合わせることによって、表示すべきメッセージ27を決定することができる。
例えば、メッセージ設定部18は、全ての就業者に共通の共通メッセージ、所属部署等のグループ毎のグループメッセージ、及び就業者毎の個人メッセージを設定することができる。
全ての就業者に共通の共通メッセージは、操作者情報(就業者情報)を特定することなく設定及び取得することができる。この共通メッセージには、例えば、「15日は創業記念日で、休日になります。」、「本日13:00よりお客様の工場見学が有ります。」、「本日はノー残業デイです。定時終了後、速やかに退勤して下さい。」等のように、営業上全ての就業者に知らせるべきメッセージがある。また、共通メッセージには、所有者不特定の忘れ物、所定の就業者の冠婚葬祭、当日の食堂メニュー等の告知や、天気予報、占い、ニュース、季節柄等のトピックスのように、就業者の興味及び注目を引く内容のものがある。
グループ毎のグループメッセージについては、操作者情報(就業者情報)の識別番号(社員番号や所属グループ番号)から所属グループを特定できれば、特定した所属グループに対応するグループメッセージを設定及び取得することができる。グループ毎のグループメッセージには、例えば、「××プロジェクトの期限が3日後です。」、「今週末に納会を予定しています。」や、会議の予定等の連絡事項や通知事項、注意告知等のように、所定のグループに属する就業者に知らせるべきメッセージがある。
就業者毎の個人メッセージは、操作者情報(就業者情報)の識別番号(社員番号)から就業者を特定できれば、特定した就業者に対応する個人メッセージを設定及び取得することができる。就業者毎の個人メッセージには、例えば、「××の報告をお願いします。」等の上司からの個別連絡事項や、「××さんの名刺が出来ていますので受け取りに来てください。」等の総務からの連絡事項等がある。
また、メッセージ設定部18は、就業者の就業状況や打刻履歴に基づく個人の就業情報を個人メッセージとして設定することができる。例えば、出勤打刻時にポップアップ画面23に表示するメッセージ27として、就業者の勤務シフトが日毎に変わる場合に勤務シフトを通知する個人メッセージ(例えば、「おはようございます。今日の勤務シフトは3です。」等の文字)を設定したり、前回の出勤に対応する退勤の記録が打刻履歴に無いことを通知する個人メッセージ(例えば、「昨日の退勤打刻がありません。」等の文字)等を設定することができる。また、退勤打刻時にポップアップ画面23に表示するメッセージ27として、就業者のその日の就業情報を通知する個人メッセージ(例えば、「お疲れ様でした。本日の残業時間は2.5時間でした。」等の文字)等を設定することができる。
更に、メッセージ設定部18は、タイムレコーダ1の上位の勤怠管理システムからタイムレコーダ1が受信した就業者の勤怠情報を通知する個人メッセージ(例えば、「今月の所定外労働は24時間です。」や「有給休暇は残り15日間有ります。」等の文字)等を設定することもできる。
次に、タイムレコーダ1による打刻処理動作について、図7を参照して説明する。図7は、タイムレコーダ1の打刻処理動作を示すフローチャートである。
先ず、タイムレコーダ1は、打刻操作の待機状態となり、操作入力部8において、「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー及び「退勤」キー等の打刻種別キー24が操作されたか否か、即ち、打刻種別が設定されたか否かを監視する(ステップS1)。そして、「出勤」キー、「外出」キー、「戻り」キー又は「退勤」キーが操作されると(ステップS1、Yes)、操作された打刻種別キー24に対応する打刻種別(出勤、外出、戻り又は退勤)が設定され(ステップS2)、その打刻種別は制御部2へと出力される。この操作入力部8の監視は打刻種別が設定されるまで継続する。
なお、打刻操作の際の時刻が出勤時間帯又は退勤時間帯であれば、操作入力部8の「出勤」キー又は「退勤」キーが自動的に操作された状態となって打刻種別が自動的に「出勤」又は「退勤」に設定されるので、操作者は操作入力部8を操作する必要がない。例えば、図3に示されるタイムレコーダ1では、打刻操作の際の時刻が「9:48」であって出勤時間帯であるので、打刻種別が自動的に「出勤」に設定されている。このとき、表示部10の通常画面20では、現在時刻「9:48」が表示され、操作入力部8の「出勤」キーが操作された状態として「出勤」キーの文字が反転表示されている。
そして、タイムレコーダ1は、上記のように打刻種別が設定されている状態では、操作者情報入力部9において、IDカードがカードリーダ面19に翳されたか否かを繰り返し監視する(ステップS3)。IDカードがカードリーダ面19に翳されると、操作者情報入力部9が非接触通信によってIDカードからカード情報(操作者情報)及び企業等コードを読み取り(ステップS3、Yes)、これらの操作者情報及び企業等コードは制御部2へと出力される。
制御部2では、就業者認識部15によって就業者認識処理が行われる(ステップS4)。この就業者認識処理では、具体的には、IDカード読み取り(操作者の打刻操作)によって操作者情報入力部9から得られた操作者情報が、記憶部3に登録されている就業者情報と一致するか否かが判定され(ステップS5)、更に、操作者情報入力部9から得られた企業等コードが、記憶部3に記録されている企業等コードと一致するか否かが判定される。例えば、退職した就業者の就業者情報は、記憶部3から抹消され、又は無効IDとして記憶部3に記録されているため、操作者情報入力部9からの操作者情報は記憶部3における就業者情報と一致せずに就業者認識は失敗する(ステップS5、No)。また、同機種のタイムレコーダ1が異なる企業等で使用されている場合であって、操作者情報入力部9からの操作者情報が記憶部3における就業者情報と一致してしまう場合でも、企業等コードが異なるため、就業者認識は失敗する(ステップS5、No)。以下では、説明の便宜のため、IDカードは正規の就業者のものであって、操作者情報入力部9で得られた操作者情報が記憶部3に登録されている就業者情報と一致して就業者認識処理に成功するものとし(ステップS5、Yes)、この就業者情報を「就業者認識処理に成功した就業者情報」と称する。
上記したように就業者認識処理に失敗した場合には(ステップS5、No)、操作エラー処理(ステップS6)に移行し、表示制御部16によって、操作エラーを示すポップアップ画面23が表示部10に表示される。このポップアップ画面23には、例えば、IDカード読み取り失敗や、操作者情報と一致する就業者情報の不在による就業者認識の失敗を操作者に通知する文字が表示されると共に、IDカードの再度のタッチ操作を操作者に促す文字が表示される。
このとき、操作エラーを示すポップアップ画面23の表示が照明として用いられて、画像入力部7によって撮影範囲が撮影され、操作エラー時画像が得られて、時計部6から読み取った打刻時刻と共に記憶部3に記憶される。そして、操作者の操作によってポップアップ画面23が閉じられると、表示部10が通常画面20に戻って打刻処理動作が終了し、再び打刻操作の待機状態に戻る(ステップS1)。
他方、就業者認識処理に成功した場合には(ステップS5、Yes)、表示制御部16が、操作者情報入力部9に入力された操作者情報(就業者認識処理に成功した就業者情報)に基づいて、対応する就業者について設定されているメッセージ27を記憶部3から検索する(ステップS7)。この就業者についてのメッセージ27が無い場合には(ステップS7、No)、表示制御部16によって、その就業者の出勤打刻処理がされていることを示すポップアップ画面23が表示部10に表示される(ステップS8)。このポップアップ画面23は、例えば、図4に示されるように、操作入力部8で入力されている打刻種別と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(就業者情報)とを表示する。
また、就業者についてのメッセージ27がある場合には、(ステップS7、Yes)、表示制御部16によって、その就業者の出勤打刻処理がされていることを示すメッセージ付きのポップアップ画面23が表示部10に表示される(ステップS9)。このメッセージ付きのポップアップ画面23は、例えば、図5に示されるように、操作入力部8で入力されている打刻種別と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(就業者情報)と、メッセージアイコン28とを表示する。
上記したように表示部10に表示された何れかのポップアップ画面23が照明として用いられて、画像入力部7によって撮影範囲が撮影され、打刻時画像が得られる(ステップS10)。なお、ポップアップ画面23は、画像入力部7での撮影に十分な所定時間(数秒)経過後に自動的に閉じて、表示部10が通常画面20に戻る。
次に、打刻情報生成処理(ステップS11)に移行し、打刻情報記録部17において、時計部6から読み取った打刻時刻と、操作入力部8で設定された打刻種別と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報(就業者認識に成功した就業者情報)と、画像入力部7で得られた打刻時画像が紐付けされて打刻情報が生成される。
また、打刻情報記録部17では、打刻情報が有効であるか否かが判定され(ステップS12)、打刻情報が無効である場合(ステップS12、No)には操作エラー処理(ステップS13)に移行し、打刻情報が有効である場合(ステップS12、Yes)には打刻情報記録処理(ステップS14)に移行する。
操作エラー処理(ステップS13)では、表示制御部16によって、操作エラーを示すポップアップ画面23が表示部10に表示される。このポップアップ画面23には、例えば、打刻種別の経緯に矛盾があるため打刻情報が無効であることを操作者に通知する文字が表示される。
このとき、操作エラーを示すポップアップ画面23の表示が照明として用いられて、画像入力部7によって撮影範囲が撮影され、操作エラー時画像が得られて、時計部6から読み取った打刻時刻と共に記憶部3に記憶される。そして、操作者の操作によってポップアップ画面23が閉じられると、表示部10が通常画面20に戻って打刻処理動作が終了し、再び打刻操作の待機状態に戻る(ステップS1)。
打刻情報記録処理(ステップS14)では、打刻情報記録部17によって、有効と判断された打刻情報が記憶部3の打刻履歴に記録される。
その後、打刻完了表示処理(ステップS15)に移行し、表示制御部16によって、その就業者の出勤打刻処理が完了したことを示すポップアップ画面23が表示部10に表示される。なお、ポップアップ画面23は所定時間(数秒)経過後に自動的に閉じて、表示部10が通常画面20に戻って打刻処理動作が終了し、再び打刻操作の待機状態に戻る(ステップS1)。
本実施形態によれば、上述のように、就業者(利用者)を識別可能な操作者情報(個人情報)を認証するタイムレコーダ1(個人情報認証装置)は、表示部10と、時計部6と、記憶部3と、操作者情報入力部9(個人情報入力部)と、就業者認識部15(利用者認識部)と、表示制御部16と、画像入力部7と、打刻情報記録部17(認証情報記録部)と、を備える。記憶部3は、就業者についての就業者情報を予め記憶する。操作者情報入力部9は、就業者による操作者情報の入力を受け付ける。就業者認識部15は、操作者情報入力部9で入力された操作者情報が、記憶部3に記憶された就業者情報と一致するか否かの就業者認識処理を行う。表示制御部16は、操作者情報入力部9における操作者情報の入力に応じて、少なくとも表示部10の通常画面20よりも明度の高い色に設定されたポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させる。画像入力部7は、表示部10の前面側(タイムレコーダ1の正面側)を撮影範囲としていて、操作者情報入力部9に操作者情報を入力する操作者の打刻時画像(入力時画像)を、表示部10に表示されるポップアップ画面23を照明として用いて撮影する。打刻情報記録部17は、就業者認識部15で就業者認識処理に成功した場合に、操作者情報入力部9で操作者情報が入力されたときに時計部6から読み取った打刻時刻と、操作者情報入力部9で入力された操作者情報と、画像入力部7で撮影された打刻時画像とを含む打刻情報(認証情報)を記録する。
このように、本実施形態に係るタイムレコーダ1では、打刻操作(就業者による操作者情報の入力、即ち、IDカードをカードリーダ面19に翳す、或いは、キー操作)の直後の打刻操作時の操作者を撮影するため、操作者はタイムレコーダ1から手の届く範囲の距離にいる可能性が高く、安定した大きさの操作者画像が撮影される。更に、打刻操作後に表示部10にポップアップ画面23を表示するため、操作者の意識を表示部10側に向けることができる。従って、画像入力部7で打刻時画像を撮影する際に、操作者は表示部10側に備わる画像入力部7に対して正面向きで静止した姿勢になり、少なくとも動きが少なくなって画像入力部7に正対した姿勢が維持されるので、安定して良好な画質の打刻時画像を得ることができ、即ち、打刻操作時の操作者を判別可能な打刻時画像を得ることができる。そのため、一回の撮影によって適正な打刻時画像を得ることができるので、複数画像を撮影したり、鮮明化等の画像処理を付加したり、高解像度の画像入力部7を備えたりする必要が無い。これにより、低コストで簡易な構成によって、打刻処理を高速化すると共に、メモリ消費量を低減することができる。また、表示部10のポップアップ画面23を照明として用いて画像入力部7が撮影範囲を撮影するため、コントラスト等の画質が良好である明瞭な打刻時画像を得ることができる。更に、撮影に用いる照明を簡易な構成とすることができるため、他の照明機器を備える必要がなく、コストを削減することができる。
また、本実施形態のタイムレコーダ1によれば、操作者情報入力部9に操作者情報を入力する操作者に通知するメッセージ27を設定するメッセージ設定部18を更に備え、表示制御部16は、メッセージ設定部18で設定されたメッセージ27を含むポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させる。
これにより、操作者を表示部10側の画像入力部7に向けさせることにより操作者が正面向きで静止した姿勢になると共に、操作者をポップアップ画面23に表示されるメッセージ27に注目させる時間ができるので、この静止した姿勢の時間を利用して画像入力部7が撮影範囲を撮影することで、操作者を明瞭に写した打刻時画像を得ることができる。
また、本実施形態のタイムレコーダ1によれば、メッセージ設定部18は、メッセージ27として、全ての就業者に共通の共通メッセージを設定可能に構成されていて、表示制御部16は、メッセージ設定部18で設定された共通メッセージを含むポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させる。
これにより、全ての就業者への通知を所望する連絡事項等を共通メッセージに設定することができる。従って、就業者の興味及び注目を引く内容の共通メッセージを設定することができるので、ポップアップ画面23のメッセージ27への操作者の注目を高めることができ、操作者を明瞭に写した打刻時画像を得る可能性を向上することができる。
また、本実施形態のタイムレコーダ1によれば、就業者が所定のグループに属する場合には、当該グループを識別するためのグループ情報を有し、メッセージ設定部18は、メッセージ27として、グループ毎のグループメッセージを設定可能に構成されていて、表示制御部16は、操作者情報入力部9で入力された操作者情報がグループ情報を有し、且つ、グループ情報に対応するグループについてグループメッセージがメッセージ設定部18に設定されている場合には、グループメッセージを含むポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させる。
これにより、所定のグループに所属する就業者への通知を所望する連絡事項等をグループメッセージに設定することができる。従って、所定のグループに所属する就業者であれば知るべき内容のグループメッセージを設定することができるため、ポップアップ画面23のメッセージ27への操作者の注目を高めることができ、操作者を明瞭に写した打刻時画像を得る可能性を向上することができる。
また、本実施形態のタイムレコーダ1によれば、メッセージ設定部18は、メッセージ27として、就業者毎の個人メッセージを設定可能に構成されていて、表示制御部16は、操作者情報入力部9で入力された操作者情報に対応する就業者について個人メッセージがメッセージ設定部18に設定されている場合には、個人メッセージを含むポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させる。
これにより、就業者への個別の通知を所望する連絡事項等を個人メッセージに設定することができる。従って、就業者のそれぞれに合わせて興味及び注目の得られる内容の個人メッセージを設定することができるため、ポップアップ画面23のメッセージ27への操作者の注目を高めることができ、操作者を明瞭に写した打刻時画像を得る可能性を向上することができる。
また、共通メッセージとグループメッセージ及び個人メッセージの何れかに設定されているメッセージが複数あった場合には、それらを順番に続けて表示してもよい。
なお、本実施形態のタイムレコーダ1では、ポップアップ画面23に表示すべきメッセージ27がある場合にメッセージアイコン28を表示する構成を説明したが、これに限定されず、メッセージアイコン28を表示することなくメッセージ27を初めからポップアップ画面23に表示してもよい。また、ポップアップ画面23に表示されるメッセージ27は、初めから全文を表示してもよいが、スクロール表示したり、一文字ずつ文字を流して追加するように表示する等、操作者にメッセージ27を読ませる時間を長くすると共にメッセージ27の表示への注目を高める視覚的効果を生じさせるように表示してもよい。
また、ポップアップ画面23は、背景色及び画面識別バー26の色や、メッセージ27及び他の定型文の文字サイズ、文字色、文字のブリンク(2色の切り替え)、強調文字や文字修飾を組み合わせて、上記した視覚的効果を生じさせるように表示してもよい。更に、ポップアップ画面23は、表示部10の画面全体と同じサイズに限定されず、例えば、図8や図9に示されるように、表示部10の画面よりも小さい任意のサイズで構成されていてよい。図8は、就業者認識部15で就業者認識処理に成功した場合のポップアップ画面23を示し、図9は、操作者情報入力部9でIDカード読み取りに失敗した場合のポップアップ画面23を示す。
毎日同じようなメッセージを表示していると、操作者がそれに慣れてよくよく確認せずに打刻後直ぐにタイムレコーダ1から離れて行ってしまうことになりがちだが、上記のようにメッセージ内容に種々のバリエーションを用意する等の工夫と表示方法の工夫により、ポップアップ画面23への注目を高めることが可能になり、打刻後にタイムレコーダ1の前に立ち止まる可能性がより高くなる。
また、第2の実施形態に係るタイムレコーダ1は、図10に示されるように、制御部2が照度検出部30及び照明強度制御部31を備えて構成されている。
照度検出部30は、画像入力部7の撮影範囲の照度を検出する。照度検出部30は、例えば、操作者情報入力部9で操作者情報の入力があったとき等のポップアップ画面23の表示前に、画像入力部7に撮影範囲を撮影させて事前画像を取得し、この事前画像の全体、中央部分又はその他の特定部分等の所定の領域の明度を抽出し、抽出した明度から撮影範囲の照度を推定して検出する。なお、どのような撮影対象物が撮影範囲内にあるか、並びに、撮影範囲内に光を照射する電灯や太陽光等の光源があるかによって、事前画像の明度が変化することがあるため、明度を抽出する所定の領域は、撮影範囲に合わせて適宜決定されるとよい。例えば、安定した明度の取得が所望される場合には、事前画像の全体を所定の領域に設定し、処理データ容量の削減が所望される場合には、事前画像の中央部分を所定の領域に設定する。また、安定した明度を抽出可能な白壁等の固定物が撮影範囲内にある場合には、その固定物に相当する位置を特定部分として所定の領域に設定する。
照明強度制御部31は、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度を制御するもので、例えば、照度検出部30で検出した照度が低いほど、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度が強くなるように制御する。
例えば、照明強度制御部31は、表示部10のバックライト(図示せず)の発光量を調整することによって上記した照明強度を制御したり、ポップアップ画面23の表示形式を変更することによって上記した照明強度を制御することができる。バックライトがLED等の発光デバイスで構成される場合には発光デバイスに供給する電力量を調整し、バックライトが複数の発光素子からなる面発光光源で構成される場合には各発光素子の発光のオン/オフを切り換えることによって、表示部10のバックライトを調整することができる。ポップアップ画面23の表示形式として、例えば、背景色の明度を調整したり、ポップアップ画面23の画面サイズを調整(通常画面20よりも明度の高い色に設定されたポップアップ画面23の画面サイズを大きくすることにより照明強度を強くする、或いは、ポップアップ画面23の画面サイズを小さくすることにより照明強度を弱くする)したり、ポップアップ画面23に表示される文字のフォントサイズや色を変更したりすることで、上記した照明強度を制御することができる。また、ポップアップ画面23が表示部10の画面全体よりも小さい場合には、ポップアップ画面23の背面の通常画面20を他の画面(例えば、明度の高い色の画面)と切り替えたり、通常画面20の明度を調整したりすることで、上記した照明強度を制御することができる。
照明強度制御部31は、例えば、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度を、照度検出部30で検出した照度に基づいて予め設定しておくように構成されてよい。例えば、この照明強度は、記憶部3に記憶される。そのため、表示制御部16は、照明強度制御部31で設定した照明強度に従って、表示部10のポップアップ画面23の表示を行うこととなり、即ち、表示部10のポップアップ画面23の表示の照明強度は、照明強度制御部31によって制御されている。
このように、制御部2に照度検出部30及び照明強度制御部31を備えた第2の実施形態に係るタイムレコーダ1の打刻処理動作について、図11を参照して説明する。図11は、タイムレコーダ1の打刻処理動作を示すフローチャートである。なお、上記した第1の実施形態の打刻処理動作と同様のフローについては説明を省略する。
この第2の実施形態では、打刻処理動作を開始してから操作者情報入力部9でのIDカード読み取りが行われるまでのフロー(ステップS1〜S3)は、上記した第1の実施形態と同様である。
そして、操作者情報入力部9でのIDカード読み取りが行われると(ステップS3、Yes)、制御部2の照度検出部30では、照度検出処理が行われる(ステップS21)。この照度検出処理では、画像入力部7に撮影範囲を撮影させて事前画像が得られ、その事前画像に基づいて撮影範囲の照度が検出される。
また、制御部2の照明強度制御部31では、照度検出部30で検出した照度に基づいて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度が設定される(ステップS22)。その後、就業者認識処理(ステップS4)に移行する。
就業者認識処理(ステップS4)以降のフロー(ステップS4〜S15)は、上記した第1の実施形態と同様である。なお、ステップS8及びS9では、表示制御部16は、照明強度制御部31で設定された照明強度に基づいて、ポップアップ画面23を表示部10に表示させる。
上記した第2の実施形態では、照度検出部30は、操作者情報入力部9で操作者情報の入力があったときに、画像入力部7に事前画像を撮影させて照度を検出する構成を説明したが、この構成に限定されず、事前画像を撮影させて照度を検出するタイミングはポップアップ画面23の表示前であればよい。例えば、第3の実施形態では、照度検出部30は、タイムレコーダ1の打刻操作前に定期的に画像入力部7に事前画像を撮影させて、その事前画像から撮影範囲の照度を検出する。
このような第3の実施形態に係るタイムレコーダ1の打刻処理動作は、図12に示されるように、上記した第1及び第2の実施形態の打刻処理動作(図7及び図11参照)と同様のフローでなされる。
ただし、操作入力部8や操作者情報入力部9での打刻操作(ステップS1及びS3)が行われる前に、制御部2の照度検出部30は、定期的に(例えば、所定時間間隔毎に)照度検出処理を行う(ステップS31)。この照度検出処理は、上記したステップS21と同様に、画像入力部7に撮影範囲を撮影させて事前画像が得られ、その事前画像に基づいて、撮影範囲の照度が検出される。
また、上記したステップS22と同様にして、制御部2の照明強度制御部31では、照度検出部30で検出した照度に基づいて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度が設定される(ステップS32)。
その後、打刻操作(ステップS1及びS3)が行われ、就業者認識処理(ステップS4)以降のフロー(ステップS4〜S15)が、上記した第1の実施形態と同様にして行われる。打刻操作及び打刻処理が行われている間は、上記した照度検出処理及び照明強度設定処理は中止される。なお、ステップS8及びS9では、表示制御部16は、照明強度制御部31で設定された照明強度に基づいて、ポップアップ画面23を表示部10に表示させる。
なお、上記した第2及び第3の実施形態では、照度検出部30は、画像入力部7で撮影した事前画像に基づいて撮影範囲の照度を検出する構成を説明したが、これに限定されず、照度センサー等で構成されて撮影範囲の照度を検出してもよい。
上述のように、第2及び第3の実施形態によれば、タイムレコーダ1は、画像入力部7の撮影範囲の照度を検出する照度検出部30と、照度検出部30で検出した照度に応じて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度を制御する照明強度制御部31とを備える。
これにより、周囲の明るさ(照度)に合わせて調整された照明(ポップアップ画面23の表示)を用いて、画像入力部7で打刻時画像を撮影することができるので、操作者を明瞭に写した打刻時画像を得る可能性を向上することができる。
特に、第2の実施形態のタイムレコーダ1によれば、照度検出部30は、操作者情報入力部9で操作者情報が入力されたときに、画像入力部7に撮影範囲の事前画像を撮影させると共に、事前画像の所定領域の明度に基づいて撮影範囲の照度を検出する。
これにより、操作者情報入力部9で操作者情報が入力されたときの周囲の明るさに合わせて調整された照明を用いて、画像入力部7で打刻時画像を撮影することができるので、操作者毎に明瞭に写した打刻時画像を得る可能性をより向上することができる。
また、第3の実施形態のタイムレコーダ1によれば、照度検出部30は、操作者情報入力部9での操作者情報の入力前に定期的に、画像入力部7に撮影範囲の事前画像を撮影させると共に、事前画像の所定領域の明度に基づいて撮影範囲の前記照度を検出する。
これにより、画像入力部7での撮影に用いる照明を、常に周囲の明るさに合わせて調整することができると共に、照度算出処理を含まないために照明の調整を伴う打刻処理の速度を向上することができる。
なお、上記した第2及び第3の実施形態では、照明強度制御部31は、照度検出部30で検出した照度に応じて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度を制御する構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、第4の実施形態では、照度検出部30の代わりに、図13に示されるように、顔画像検知部40を備える。
この顔画像検知部40は、操作者情報入力部9で操作者情報の入力があったとき等のポップアップ画面23の表示前に、画像入力部7に撮影範囲を撮影させて事前画像を取得する。顔画像検知部40は、この事前画像から人間の顔に相当する顔画像の有無を検知する。顔画像検知部40は、例えば、事前画像から両目、鼻、口、両耳、頬、あご、両眉、額及び髪の毛、並びに輪郭等の人間の顔を構成する顔要素を抽出し、これらの顔要素に基づいて人間の顔に相当する顔画像の有無を判断する。顔画像検知部40は、事前画像から上記の顔要素の全てを抽出できない場合でも、これらの顔要素の一部、例えば、少なくとも両目、鼻及び口の何れかの組合せとその位置関係とによって顔画像の有無を判断することができる。また、顔画像検知部40は、正面視で人間の顔と判断できる場合だけでなく、側方視(横顔)や斜方視であっても上記の顔要素の組合せとその位置関係から人間の顔と判断できる場合に顔画像有りと判断してよい。
また、顔画像検知部40は、画像入力部7で撮影した事前画像から複数の顔画像が取得される場合には、複数の顔画像の間でそれぞれの顔要素の輪郭の大きさを比較し、最も大きい輪郭を有する顔画像を、事前画像から検知できた顔画像(代表顔画像)として判断する。なお、事前画像内に同じ大きさの輪郭を有する2つ以上の顔画像がある場合、その輪郭から後述する輪郭サイズを算出できればよいので、何れの顔画像を事前画像から検知できた顔画像(代表顔画像)としてもよい。
また、顔画像検知部40は、事前画像から検知した顔画像(代表顔画像)に基づいて顔の輪郭サイズを算出する。なお、顔画像検知部40は、例えば、打刻時画像から輪郭がはみ出している場合や、帽子や髪の毛やマスク等で一部の輪郭が隠れている場合のように、顔画像が顔の輪郭の一部のみを示している場合でも、その一部の輪郭から全体の輪郭を推定し、推定した全体の輪郭から輪郭サイズを算出することができる。
ところで、撮像時に操作者の顔が画像入力部7に近過ぎると、ポップアップ画面23の照明がそのまま顔に照射され、明る過ぎる打刻時画像が撮影されることがある。また、タイムレコーダ1を設置した部屋の電灯などの外部照明が、画像入力部7の撮像範囲を直接照らしている場合には、外部照明からの照射を考慮してポップアップ画面23の照明強度を低く設定する場合がある。この場合、操作者が画像入力部7に近付くことによって外部照明からの照射が遮られると、ポップアップ画面23の照明強度が低いために、操作者を十分に照射せずに暗い画像を撮影してしまうこともある。
そこで、第4の実施形態における照明強度制御部31は、顔画像検知部40で検知された輪郭サイズに応じて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度を制御する。具体的には、顔画像検知部40で検知した輪郭サイズ(例えば、大、中、小)に対する照明強度(例えば、強、中、弱)を予め設定しておく。そして、照明強度制御部31は、顔画像検知部40で検知した輪郭サイズ(即ち、操作者と画像入力部7との距離)に応じて、対応する照明強度でポップアップ画面23を表示する。例えば、顔が明るく撮影されることが多発する場合は、輪郭サイズに対して一ランク弱い照明強度を設定し、部屋照明を人が遮るような時には一ランク強い照明強度を設定する。
このように、制御部2に顔画像検知部40を備えた第4の実施形態に係るタイムレコーダ1の打刻処理動作について、図14を参照して説明する。図14は、タイムレコーダ1の打刻処理動作を示すフローチャートである。なお、上記した第1〜第3の打刻処理動作と同様のフローについては説明を省略する。
この第4の実施形態では、打刻処理動作を開始してから操作者情報入力部9でのIDカード読み取りが行われるまでのフロー(ステップS1〜S3)は、上記した第1の実施形態と同様である。
そして、操作者情報入力部9でのIDカード読み取りが行われると(ステップS3、Yes)、制御部2の顔画像検知部40では、顔画像検知処理が行われる。この顔画像検知処理では、先ず、画像入力部7に撮影範囲を撮影させて事前画像が得られる。そして、顔画像検知部40によって、事前画像から両目、鼻、口、両耳、頬、あご、両眉、額及び髪の毛、並びに輪郭等の人間の顔を構成する顔要素が抽出され、これらの顔要素に基づいて人間の顔に相当する顔画像の有無が判断される(ステップS41)。
このとき、顔画像検知部40で事前画像内に顔画像が有ると判断した場合(ステップS41、Yes)には、更に、事前画像内に顔画像が複数存在するか否かの判断(ステップS42)に移行し、事前画像内に顔画像が無いと判断した場合(ステップS41、No)には、照明強度の変更が無いと判断し(ステップS47)、顔画像検知処理を終了して就業者認識処理(ステップS4)に移行する。
ステップS42において、顔画像検知部40で事前画像内に顔画像が1つだけ存在すると判断した場合(ステップS42、No)には、その1つの顔画像(代表顔画像)から輪郭を抽出して(ステップS43)、ステップS45に移行する。他方、事前画像内に顔画像が複数存在すると判断した場合(ステップS42、Yes)には、複数の顔画像のそれぞれについて輪郭を抽出し、最も輪郭の大きい顔画像を事前画像から検知できた顔画像(代表顔画像)として判断して(ステップS44)、輪郭サイズ算出処理(ステップS45)に移行する。
輪郭サイズ算出処理(ステップS45)では、顔画像検知部40によって、ステップS43又はS44で顔画像(代表顔画像)から抽出された輪郭に基づいて輪郭サイズ(顔サイズ)が算出される。
そして、照明強度制御部31では、顔画像検知部40で検知された輪郭サイズに応じて、表示部10におけるポップアップ画面23の表示の照明強度が設定される(ステップS46)。その後、就業者認識処理(ステップS4)に移行する。
就業者認識処理(ステップS4)以降のフロー(ステップS4〜S15)は、上記した第1の実施形態と同様である。なお、ステップS8及びS9では、表示制御部16は、照明強度制御部31で設定された照明強度に基づいて、ポップアップ画面23を表示部10に表示させる。
また、第5の実施形態において、タイムレコーダ1は、図15に示されるように、制御部2が遅延時間設定部50(第1遅延時間設定部、第2遅延時間設定部)を備えるように構成される。
遅延時間設定部50は、操作者情報入力部9で操作者情報が入力されてから、表示制御部16がポップアップ画面23を表示部10に表示させるまでの処理間隔として、第1遅延時間を設定し、例えば、記憶部3に記憶しておく。また、遅延時間設定部50は、表示制御部16がポップアップ画面23を表示部10に表示させてから、画像入力部7が打刻時画像を撮影するまでの処理間隔として、第2遅延時間を設定し、例えば、記憶部3に記憶しておく。遅延時間設定部50は、様々な手段で第1遅延時間及び第2遅延時間を設定することができ、例えば、操作入力部8を介して入力したり、外部通信部12を介して外部機器から受信したり、外部記録媒体接続部13を介してリムーバブル記録媒体29から読み取る等の手段がある。第1遅延時間及び第2遅延時間は、例えば、0秒〜数秒であり、0秒又は未設定の場合には、処理間隔を設けずに連続した処理が行われてよい。
このように、制御部2に遅延時間設定部50を備えた第5の実施形態に係るタイムレコーダ1の打刻処理動作について、図16を参照して説明する。図16は、タイムレコーダ1の打刻処理動作を示すフローチャートである。なお、上記した第1〜第4の打刻処理動作と同様のフローについては説明を省略する。
この第5の実施形態では、打刻処理動作を開始してから就業者認識処理をして就業者についてのメッセージ27の有無を検索するまでのフロー(ステップS1〜S7)は、上記した第1の実施形態と同様である。なお、制御部2は、操作者情報入力部9でのIDカード読み取り(ステップS3)からの経過時間のカウントを開始する。
そして、制御部2の表示制御部16では、就業者についてメッセージ27がある場合(ステップS7、Yes)と、メッセージ27が無い場合(ステップS7、No)の何れにおいても、操作者情報入力部9でのIDカード読み取りから、制御部2の遅延時間設定部50で設定された第1遅延時間が経過したか否かを判断する(ステップS51及びS52)。
このとき、表示制御部16では、操作者情報入力部9でのIDカード読み取りから第1遅延時間を経過するまで待機していて(ステップS51及びS52、No)、第1遅延時間を経過したときには(ステップS51及びS52、Yes)、ステップS8又はS9に移行して、表示部10にポップアップ画面23を表示させる。なお、制御部2は、ポップアップ画面23の表示からの経過時間のカウントを開始する。
そして、制御部2又は画像入力部7では、表示制御部16によって表示部10にポップアップ画面23を表示させてから、制御部2の遅延時間設定部50で設定された第2遅延時間が経過したか否かを判断する(ステップS53)。
このとき、制御部2又は画像入力部7では、ポップアップ画面23を表示してから第2遅延時間を経過するまで待機していて(ステップS53、No)、第2遅延時間を経過したとき(ステップS53、Yes)、ステップS10に移行して、画像入力部7によって打刻時画像の撮影を行う。打刻時画像の撮影(ステップS10)以降のフロー(ステップS11〜S15)は、上記した第1の実施形態と同様である。
上述のように、第5の実施形態によれば、タイムレコーダ1は、所定の第1遅延時間を設定する遅延時間設定部50を備えていて、表示制御部16は、就業者情報入力部9で就業者情報が入力されてから、遅延時間設定部50で設定された第1遅延時間経過後に、ポップアップ画面23を表示部10の前面に表示させるように構成されている。
また、タイムレコーダ1は、所定の第2遅延時間を設定する遅延時間設定部50を備えていて、画像入力部7は、表示部10でポップアップ画面23を表示してから、遅延時間設定部50で設定された第2遅延時間経過後に、打刻時画像を撮影するように構成されている。
これにより、操作者の打刻操作後の動作が落ち着くまでの期間を設定することができるので、画像入力部7では操作者の姿勢が安定してからの撮影が可能となる。
例えば、操作者がIDカードをカードリーダ面19に翳した後、手元に戻す時にIDカードが撮影範囲に入ってしまい、撮影を邪魔する場合があるが、遅延時間を適宜設定することにより、IDカードが手元に戻った頃合での撮影が可能になる。
本発明のタイムレコーダ1は、図2に示されるような専用の端末で構成されてもよいが、この構成に限定されない。タイムレコーダ1は、例えば、デスクトップ型PC(パーソナルコンピュータ)、ノート型PCやタブレット型端末等の、何れの端末で構成されていてもよい。タイムレコーダ1がPCで構成される場合には、操作入力部8はPCに接続されるキーボードやマウスで構成されてよく、表示部10はPCに接続されるディスプレイで構成されてよい。
また、操作者情報入力部9の具体例として、就業者に固有のIDカードを読み取るカードリーダで行う構成を説明したが、これに限定されず、例えば、指紋や指静脈等を読み取る生体認証方式や、社員番号等の就業者の識別番号を直接キー入力する方式等を採用してもよい。
上記した第1〜第5の実施形態では、制御部2で実行される各処理を、就業者認識部15、表示制御部16、打刻情報記録部17、メッセージ設定部18、照度検出部30、照明強度制御部31、顔画像検知部40、遅延時間設定部50で行う構成を説明したが、これに限定されず、各処理は制御部2の他の構成によって実行することも可能である。
上記した第1〜第5の実施形態では、タイムレコーダ1は、就業者情報や打刻履歴等の各管理情報を記憶部3に記録する構成を説明したが、この構成に限定されない。例えば、他の実施形態では、タイムレコーダ1は、上記した各管理情報の記録先を、記憶部3と外部記録媒体接続部13に接続されるリムーバブル記録媒体29との何れかに選択できるように構成されてもよい。また、タイムレコーダ1は、各管理情報を、初めは記憶部3に割り当てられた所定記録領域に記録していて、所定記録領域の上限に達した後、記録先をリムーバブル記録媒体29に切り換えて記録するように構成されていてもよい。各管理情報をリムーバブル記録媒体29に記録することにより、タイムレコーダ1の管理者は、例えば、打刻履歴が記録されたリムーバブル記録媒体29を専用端末としてのタイムレコーダ1から取り外し、管理用PCに接続することができる。そして、タイムレコーダ1の管理者は、管理用PCを用いてリムーバブル記録媒体29に記録された打刻履歴を利用することができるので、管理用PCに備わる画像閲覧可能なアプリケーションを用いて打刻履歴を閲覧することができる。
次に、本発明の一実施形態に係る個人情報認証システム60について、図17を参照しながら説明する。図17は、個人情報認証システム60の構成を概要的に示すブロック図である。
個人情報認証システム40は、図17に示されるように、複数のタイムレコーダ61、62が個人情報認証サーバ63とLAN等のネットワーク64を介して接続されて構成される。なお、この実施形態では、個人情報認証システム60が複数のタイムレコーダ61、62を備える構成を説明するが、個人情報認証システム60は、1つ以上のタイムレコーダを備えていればよい。
タイムレコーダ61、62は、上述したタイムレコーダ1と略同様の構成を有していて、同様の構成については詳細な説明を省略し、タイムレコーダ1との相違点は後述する。
個人情報認証サーバ63では、制御部65とインタフェース部66とがバス67を介して接続されている。また、個人情報認証サーバ63では、インタフェース部66に外部通信部69と、表示部70と、操作入力部71と、打刻情報記憶部72と、打刻時画像記憶部73と、就業者情報記憶部74とが接続されている。
制御部65は、CPU等で構成されていて、個人情報認証サーバ63に備わるROMやハードディスク等の記録媒体(図示せず)に記録されている管理プログラム68を実行するように構成されていてよい。管理プログラム68は、個人情報認証システム60を統括管理するもので、例えば、複数のタイムレコーダ61、62の現在時刻を同期させる機能や、複数のタイムレコーダ61、62を管理するための管理画面を表示部70に表示させる機能や、その他の機能を有する。
外部通信部69は、ルータやハブ等のネットワーク機器に接続されるNICで構成されていてよい。外部通信部69は、ネットワーク64を介して複数のタイムレコーダ61、62と通信可能になっている。
表示部70は、画像を表示可能な液晶ディスプレイやタッチパネル等のモニタであり、操作入力部71は、管理者による操作を入力するためのキーボードやマウスで構成されていてよい。
打刻情報記憶部72、打刻時画像記憶部73及び就業者情報記憶部74は、個人情報認証サーバ63に内蔵されるハードディスク等の記録媒体で構成されてもよく、あるいはデータベースとして構成されていてもよい。
打刻情報記憶部72及び打刻時画像記憶部73は、上記した第1〜第5の実施形態のタイムレコーダ1の記憶部3に代えて、複数のタイムレコーダ61、62の打刻情報記憶部17によって記録すると判定した打刻情報及びこの打刻情報に含まれる打刻時画像をそれぞれ記録する。この打刻情報は、タイムレコーダ61、62の打刻情報記録部17が打刻情報を記録すると判定したときに、タイムレコーダ61、62の外部通信部12からネットワーク64を介して個人情報認証サーバ63の外部通信部69に入力されるものである。
就業者情報記憶部74は、上記した第1〜第5の実施形態のタイムレコーダ1の記憶部3に代えて、個人情報認証システム60で管理される各就業者に固有の識別情報である就業者情報が予め登録される。この就業者情報は、例えば、管理者が、個人情報認証サーバ63を使用して表示部70に表示される管理画面を操作入力部71で操作することによって登録される。
本実施形態によれば、上述のように、就業者を識別可能な操作者情報を認証する個人情報認証システム60は、タイムレコーダ61、62と、タイムレコーダ61、62に所定のネットワーク64を介して接続された記憶部3に代わる個人情報認証サーバ63とを備えている。
これにより、個人情報認証システム60の管理者は、個人情報認証サーバ63を操作することにより、複数のタイムレコーダ61、62を統一して管理することができる。また、個人情報認証サーバ63は複数のタイムレコーダ61、62とネットワーク64で接続されているので、タイムレコーダ61、62を直接操作したり、タイムレコーダ61、62のリムーバブル記録媒体29を回収したりすることなく、打刻時画像を取得できるので、管理者の利便性を向上することができる。更に、管理者は、個人情報認証サーバ63を操作すれば、タイムレコーダ61、62を直接操作することなく、メッセージ設定部18に対するメッセージ27の設定や、遅延時間設定部70に対する第1遅延時間及び第2遅延時間の設定等の様々な設定処理を行うことができる。
上述したように、本発明に係る個人情報認証装置、個人情報認証システム、個人情報認証方法及び個人情報認証プログラムであれば、簡易で安価な構成を用いて、個人情報を入力した際の利用者を判別可能な画像であって、且つ安定して良好な画質を有する画像を撮影することができる。
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う個人情報認証装置、個人情報認証システム、個人情報認証方法及び個人情報認証プログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。