JP6603099B2 - 褥創予防・保護用の寝衣 - Google Patents

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Description

本発明は、褥創予防・保護用の寝衣、詳しくは後ろ身頃に胸椎の棘突起を避ける凹部が設けられた褥創予防・保護用の寝衣に関する。
老衰や病気などによって長期に亘り同じ仰臥姿勢で寝たきりになると、脊椎の敷布団側に突起している部分が褥瘡(いわゆる床ずれ。)になりやすい。褥瘡になる主な要因は体重で圧迫されている部位の血流が悪くなることにあるが、特に突起部には強い圧力が加わり、また、皮下組織や筋肉が少ないので褥瘡になりやすい。仙椎がある臀部には全体重の約45%が掛かることもあって、更に仙椎部は尿や便の排泄物により細菌汚染を併発することもあって、仙椎部の褥瘡の症例が多い。このために、仙椎部の褥瘡に関する予防や保護の方法が多く考えられた。例えば、特許文献1には臀部の中央部を避けて臀部を受ける左右一対の弾性パッドが開示されている。これにより、仙椎部が敷き布団と当接しないので、仙椎は皮膚を圧迫せずに褥瘡の予防や保護となる。また、特許文献2と特許文献3には仙椎の突起部が当たらないように空部にしたパンツが開示されている。
また長期に亘り同じ仰臥姿勢で寝たきりになると、汗により身体背面に湿潤な空気が滞留して皮膚表面と肉芽組織が軟化し、皮膚の裂傷を招くことになる。そこで、特許文献4には後ろ見頃の中央部に複数の通気口を設けた着衣が開示されている。
実用新案登録第3094169号公報 特開平7−305202号公報 特開2003−111786号公報 特開2014−125686号公報
脊椎は生理的湾曲によりS字形であり、仙椎だけでなく胸椎にも棘突起という突起部がある。仙椎部の褥瘡の症例が非常に多くて、また細菌汚染を併発しやすいことから、仙椎部の褥瘡についての予防・保護方法が上述のように多く考えられたが、胸椎の褥瘡の予防・保護方法ついては、注目されておらず、おざなりにされていた。ところが、胸椎の棘突起は姿勢が悪かったり老化したりすると大きく突出して褥瘡になりやすい。また、棘突起部は筋肉が少ないのであるが、寝たきりになって痩せたり(痩身化)筋肉を使わなかったり(廃用萎縮)するとますます筋肉が少なくなって皮膚への圧力が強くなり血行が悪くなる。そうなると、胸椎の棘突起部が長い仰臥姿勢で褥瘡になりやすい。そこで、胸椎部の褥瘡についても予防・保護方法が望まれる。また、褥瘡の発生状況を調査してみると、上半身においては胸椎部ほどではないが、胸椎の他に肩甲骨や肋骨でも褥瘡が生じていることが判明したため、肩甲骨や肋骨の褥瘡についても予防・保護方法が望まれる。尚、褥瘡にならなくても骨と皮膚が接近すると被介護人は仰臥姿勢で痛みを感じるので、この痛みをやわらげる必要もあった。
本発明は、主に胸椎の棘突起部にできる褥瘡を予防あるいは保護するために、その部位に掛かる圧力を低減すると共にその部位の通気性を良くする寝衣を提供することを目的とする。また、高い保温性も兼ねた寝衣を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の褥瘡予防・保護用の寝衣は、前身頃と後ろ身頃を有する寝衣であって、前記後ろ身頃には、胸椎の棘突起に対応する位置の該後ろ身頃と、胸椎の棘突起と、が離間するように、胸椎の棘突起全体に対応する位置に凹部が設けられていることを特徴とする。
凹部によって胸椎の棘突起が敷き布団と離間するので、胸椎の棘突起部の皮膚に係る圧力が低くなる。これにより皮膚の血行の悪化が低減されて褥創の予防・保護となる。そして、マットなどの寝床に設けられた褥創予防・保護手段とは異なり、身にまとう褥創予防・保護用の衣服であるので、寝返りなどによる凹部と胸椎の位置ずれが生じにくい。また、身にまとう褥瘡予防・保護用の衣服であることから、肩甲骨や肋骨における褥瘡の予防・保護にもなる。さらに、トイレなどにより床を離れるときや少し起き上がるとき、またオムツの交換の際などに体温が冷めにくい。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、前記凹部は、仰臥時に胸椎の棘突起を避けて該棘突起の両側の筋肉を支える左右一対の弾性体からなる凸部によって形成されることが好ましい。
薄地の後ろ身頃に追加される凸部によって胸椎の棘突起と敷き布団の間隔が広くなる。これにより胸椎の棘突起部の通気性がよくなって、身体背面に滞留する湿潤な空気による褥創の助長を低減することができる。また、胸椎の棘突起近傍の筋肉は胸椎の棘突起による皮膚への圧力を低減するので褥瘡の予防・保護となるが、寝たきりになると胸椎近傍の筋肉が衰えて薄くなって褥瘡の予防・保護の効果が少なくなる。これを弾性体の凸部で補うことができる。また、弾性体であるので、身体の形状に合わせて変形し身体に係る圧力を均一化できる。そして、寝心地が良い。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、後ろ身頃の丈が腰上までであることが好ましい。このように丈が短いので、寝衣がオムツに掛からずにケアがし易い
また、本発明の褥瘡予防・保護用の寝衣においては、前記後ろ身頃の下側に、前記凸部以外の前記後ろ身頃の厚みに比べ薄くなっている端部が設けられていることが好ましい。もし、寝衣がオムツと重なっても、重なった部分の厚みを薄くできる。また、介護人あるいはは被介護人が後ろ身頃の端を引っ張って寝衣を整えることがあるが、このときに介護人あるいは被介護人は後ろ身頃の端部を掴み易い。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、前記前身頃の肩部に比べ、前記前身頃の胸部が薄くなっていることが好ましい。掛け布団が被介護人の肩に掛からない場合でも、被介護人の肩を保温することができる。また、胸部は薄くなっているので、掛け布団がかかっている場合に、被介護者の胸と掛け布団との間に隙間ができ難く、掛け布団の保温性の低下を防止することができる。
また、本発明の褥瘡予防・保護用の寝衣においては、前記前身頃は左右分離して後ろ身頃の左右それぞれの肩位置から延在する舌片形状であることが好ましい。前身頃はこのような左右一対の舌片形状であるので、寝衣に首や腕を通す孔が無く、非介護人は起き上がることなく身体を横にするだけで着衣できる。また、腕の拘縮があっても、簡単に脱着できる。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、着衣時の寝衣の下方側部と下方前部と脇位置の下部に一対の紐を設けることが好ましい。被介護人の胸の中央部が冷えているときは、下方前部の一方の紐と脇位置の下部の紐を連結することによって、一対の前身頃をクロスして固定することができる。或は、下方前部の一方の紐と後ろ身頃の下方側部の他方の紐を連結することによっても、一対の前身頃をクロスして固定することができる。これらにより胸の中央部の保温性が高くなる。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、各部の紐の意匠が異なることが好ましい。紐の判別を容易にすることができて、紐を間違えて結ぶことを防止することができる。
また、本発明の褥創予防・保護用の寝衣においては、凸部の弾性体は綿であることが好ましい。綿であるので通気性が良くて、さらに身体背面に滞留する湿潤な空気による褥創の助長を低減することができる。また、綿であるので所望される高さの調整が容易である。また、仕立てが容易である。
第1実施形態の構成を示す褥創予防・保護用の寝衣を開いた展開図である。 図2Aは図1の寝衣の紐を着衣の状態に結んだ平面図であり、図2Bは紐の他の結び方を示す平面図である。 第1実施形態の寝衣の写真画像である。 伯州綿とアップランド綿を比較する電子顕微鏡写真である。 脊椎の生理的湾曲で突起している胸椎と仙椎を示す側面図である。 図6Aは着衣の凸部と胸椎部の位置関係を示す断面図であり、図6Bは前見頃の厚みと掛け布団の関係を示す部分断面図である。 第2実施形態の構成を示す褥創予防・保護用の寝衣を開いた展開図である。 図7の寝衣の紐を着衣の状態に結んだ平面図である。
以下、実施形態及び図面を参照にして本発明を実施するための形態を説明するが、以下に示す実施形態は、本発明をここに記載したものに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。なお、この明細書における説明のために用いられた各図面においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材毎に縮尺を異ならせて表示しており、必ずしも実際の寸法に比例して表示されているものではない。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態の褥創予防・保護用の寝衣1の構成を、図1〜図6を用いて説明する。寝衣1は後ろ身頃2と前身頃3からなる。図1に示すように、後ろ身頃2は略矩形の形状をしており、前見頃3は左右分離して後ろ見頃2の左右それぞれの肩位置から延在する長方形の舌片形状である。前見頃3はこのような左右一対の舌片形状であるので、寝衣1に首や腕を通す孔が無く、被介護人は起き上がることなく身体を横にするだけで着衣できる。また、腕の拘縮があっても簡単に脱着できる。
後ろ身頃2の丈はオムツに掛からないように腰上までと短くなっている。具体的には、後ろ身頃2の丈は、50〜60cm程度であればよい。このように丈が短いので、寝衣1がオムツとは直接に掛かりに難く、寝衣1はオムツの交換などの被介護者のケアがし易くなっている。
また、後ろ身頃2には表裏の布4の間に和綿5が入れられているが、後ろ身頃2の腰に近い下側には、和綿5が入れられていない表裏の布4だけからなる端部23が設けられている。したがって、もし寝衣1がオムツと重なっても、端部23とオムツとが重なり、和綿5とは重ならない構成となっている。このため、オムツと重なった部分が厚くなることはなく、着用者である被介護人にとって、寝衣1は着心地のよいものとなっている。また、介護人あるいは被介護人が後ろ身頃2の端部23を引っ張って寝衣1を整えることがあるが、このときに介護人あるいは被介護人は後ろ身頃2の端部23を掴み易い。
なお、寝衣1は、端部23に和綿5が入っていない構成となっているが、端部23にも和綿5が入っている構成であっても後ろ身頃2の厚みに比べ、端部23が薄くなっている構成であればよい。また、寝衣1の表生地や裏生地を構成する布4は、やや伸縮性のある生地が好ましい。
被介護人が仰臥姿勢になったときに体重による圧力が背の皮膚に大きく掛かる部分として脊椎8の胸椎81の棘突起81a部分がある。この棘突起81a部分を避けて、棘突起81aと横突起81bの間に位置する筋肉9に対応する部分の和綿5の厚みは、図3、図6Aに示すように、隣接する和綿5の厚みよりも厚くなっており、左右一対の長い凸部21となっている。被介護人が仰臥姿勢で寝たときはこの左右一対の凸部21が胸椎81の棘突起81aの両側の筋肉9を支えることとなる。
なお、この凸部21は平たい和綿5をロール状に堅く丸めて寝衣1に入れられている。そして、平たい和綿5の丸め具合を調整して凸部21の堅さや弾力性が異なる様々な寝衣1を準備しておくことにより、被介護者の状態に適した寝衣1を用いることができる。
また、寝衣1は、後ろ身頃2に全体に100〜110g程度の和綿5を使用するとともに、更に凸部21にはそれぞれ10〜20g程度の和綿5を用いて縫合している。
左右一対の凸部21によって、胸椎81の棘突起81a部の凹部22が形成される。なお、この左右一対の凸部21によって、形成される凹部22の幅は、3〜4cm程度あればよい。そして、この凹部22と凸部の厚みの差は、図6Aの断面図で示せばH2−H1となり、この差の分、仰臥時に胸椎81の棘突起81aと敷布団との間隔が増加する。
この凸部21によって胸椎81の棘突起81aが敷き布団と離間するので、胸椎81の棘突起81a部の皮膚に係る圧力が低くなる。これにより皮膚の血行の悪化が低減されて褥創の予防・保護となる。また、胸椎81の棘突起81aと敷き布団の間隔が広くなるので、また、凸部21の材質が通気性のある和綿5であるので胸椎81の棘突起81a部の通気性が良くなって、身体背面に滞留する湿潤な空気による褥創の助長を低減することができる。また、凸部21の材質が弾性のある和綿5であるので身体の形状に合わせて変形し身体に係る圧力を均一化できる。そして、寝心地が良い。また、胸椎81の棘突起81a近傍の筋肉9は胸椎81の棘突起81aによる皮膚への圧力を低減するので褥瘡の予防・保護となるが、寝たきりになると胸椎81近傍の筋肉9が衰えて薄くなり褥瘡の予防・保護の効果が少なくなる。これを和綿5の凸部21で補うことができる。
なお、和綿5を用いているが使用する綿としては、弾力性、保温性、通気性に優れたものが好ましく、種々の綿を用いることもできる。一方、寝衣1では鳥取県の弓浜半島で栽培されている和綿の一種である伯州綿を用いた。図4(a)には伯州綿の電子顕微鏡写真を、図4(b)にはアップランド綿の電子顕微鏡写真を示している。この伯州綿は、生産量の多いアップランド綿に比べ、繊維の直径が大きく丸みをおびた形状であり弾性力に富むことから、寝衣1の中綿素材として弾力性に非常に優れ、且つ空気が多く入るので通気性が高くて保温性が良い。したがって、寝衣1に用いる和綿5として非常に適している。また、アップランド綿は通常シート状にすることが難しいが、和綿5は綿打ちによりシート状にし易いことからも、寝衣1の中綿素材として適している。
また、寝衣1はマットなどの寝床に設けられた褥創予防・保護手段とは異なり、身にまとう褥創予防・保護用の衣服であるので、寝返りなどによる凹部と胸椎の位置ずれが生じにくい。さらに、トイレなどにより床を離れるときや少し起き上がるとき、またオムツの交換のときなどに体温が冷めにくい。そして、身にまとう褥瘡予防・保護用の衣服であるため、胸椎だけでなく、今まで褥瘡の発生が見過ごされがちであった肩甲骨や肋骨での褥瘡も予防・保護することができる。
また、被介護人が寝る部屋は動き回る介護人に適した温度に調整されていることも多いので、掛け布団10が掛からない被介護人の肩が冷えることがある。寝衣1は、前身頃3の肩部31に和綿5が入れられている。このため、寝衣1は被介護人の肩を和綿5で保温することができる。なお、本実施形態の寝衣1では、肩部31にそれぞれ15gの和綿5が入れられている。
また、前身頃3全体に和綿5が入れられていると、掛け布団10と被介護人の胸との間に隙間ができて掛け布団10の保温性が低下することがある。しかしながら、寝衣1は、図6Bに示すように、前身頃3の上側に位置する肩部31のみに和綿5が入れられており、前身頃3の下側に位置する胸部32には和綿5が入れられていない構成となっている。このため、寝衣1は、掛け布団10と被介護人の胸とが密着することになり保温性もよい。
また、掛け布団10を被介護人の顔の近くまで掛けると、掛け布団10が被介護人の口や鼻を塞いでしまうことが考えられる。しかしながら、寝衣1は、肩部31に和綿5が入れられ、胸部32に和綿5が入れられていない構成であるため、被介護人の顔の近くまで掛け布団10を掛けなくても保温性が非常によいため、介護用として安心して使用することができる。
なお、寝衣1の前身頃3は、下半分の胸部32に和綿5が入れられていない構成となっているが、肩部31の厚さに比べ胸部32が薄くなっている構成であればよいので、胸部32にも和綿5が入っていても構わない。
また、被介護者の胸の位置を大体の基準として、前身頃3の肩部31と胸部32との境目を設定しておけばよい。なお、本実施形態の寝衣1では、肩部31の長さが22cmとなっている。
図1、図2Aに示すように、着衣する寝衣1の下方側部を結合する紐61が後ろ身頃2と前見頃3に合計4本、下方前部を結合する紐62が前見頃3のそれぞれの胸部32に合計2本、脇が位置する脇位置の下部を結合する紐63が後ろ身頃2と前見頃3に合計4本設けられている。脇位置の下部を結合する紐63はその部分の結合を強くし、寝返りなどによる着衣のズレを生じ難くするためのものである。
また、夫々、長さや色などの意匠を変えて、紐の判別が容易になるようにしておくことで、被介護者や介護者にとって使用方法の理解しやすい寝衣1を提供することができる。例えば、同色同士の紐を結べば図2Aの状態になるようにしておくことがで、被介護者や介護者にとって、寝衣1の使用方法を簡単に理解することできる。
また、図2Bに示すように、被介護人の胸の中央部が冷えているときは、下方前部の一方の紐62と脇位置の下部の他方の紐63を連結することによって、一対の前身頃をクロスして固定することができる。このとき、下方側部の紐61は左右異なるもの同士を結ぶことができる。これにより胸の中央部の保温性が高くなる。寝衣1のこのような使用方法は、例えば、被介護者が布団から出て、胸に掛け布団10が掛かっていない場合に適している。したがって、このような使用方法も可能な寝衣1は、介護用として非常に適したものである。尚、本発明の後ろ身頃2と前見頃3の結合手段は紐に限定するものではなく、例えば、マジックテープ(登録商標)などの結合手段を用いても良い。
また、図2B以外の使用方法として、一方の紐62と後ろ身頃2の他方の紐61を連結し、他方の紐62と後ろ身頃の一方の紐61を連結することによって、一対の前身頃をクロスして固定することもできる。なお、この時、脇位置の下部を結合する紐63は、同じ側の前身頃と後ろ身頃の紐63同士を連結しておくとよい。このような使用方法は、図2Bの使用方法に比べ、首回りが広くなり、ゆったりとした着心地となる。
寝衣1は、ステッチ(縫い目)により、和綿5が無い部分と和綿5がある部分の境界そして和綿5の高さが異なる境界が仕切られている。また、前見頃3の肩部31の和綿5については、和綿5の移動防止のために、内側のみの布4(裏地)にステッチ7で和綿5が固定されている。発明者による検証により、ステッチ7があるとこの部分から多くの放熱が生じることがわかったので、表側の布4(表地)には和綿5を固定しておくステッチ7を無くした構成となっている。これによる寝衣1の表側にはステッチ7による凹凸が無いので、掛け布団10側での放熱を少なくすることができる。なお、このよう寝衣1は、裏地に和綿5を縫い付けた後で、和綿5を覆うように表地と裏地を縫い合わせることにより作ることができる。また、和綿5が無い部分と和綿5がある部分の境界では和綿5をステッチに僅かに掛からせることよって和綿5の移動を防止している。
このような、寝衣1は、非常にコンパクトなものであるにも関わらず、保温性が非常に高いものとなっている。この点につて発明者は、寝衣1の他に市販されている一般的な衣服と、保温効果についての比較をおこなった。
具体的には、寝衣1と、ダウンベスト、フリース、(久留米)半纏を準備し、着用前と5分間着用した後の肩甲骨のあたりの体温についてサーモグラフィーを用いて測定した。その結果、ダウンベストを着用した場合の体温上昇が最も少なかった。フリースを着用した場合の体温上昇は最も大きかった。半纏を着用した場合の体温上昇は寝衣1とほぼ同等であった。一方で、ダウンベスト、フリース、半纏は、何れも寝るときに着用するには、大きすぎて不向きな形状といえる。以上のことから、寝衣1は、他の衣服と比較してコンパクトな形状であり、まさに寝るときに着用する被服として最適であり、十分な保温性も備えているものである。
なお、寝衣1は、後ろ身頃3に左右一対の凸部21を設けて、凹部22を形成しているが、後ろ身頃3全体を厚く形成し、胸椎81の棘突起81aの位置だけを窪ませて凹部22を形成することも可能である。しかしながら、このような構成の寝衣は、寝衣全体が大型化し、着たまま寝てしまうと寝苦しくなるおそれもあり、また、被介護者の背中全体が厚いもので覆われることになるので、拘束されたような状態となり着心地を害するおそれもあるので、本実施形態のように左右一対の凸部21によって凹部22を形成する構成が好ましい。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の褥創予防・保護用の寝衣1’を、図7、図8を用いて説明する。図7は第1実施形態の寝衣1における図1、図2に対応する。第2実施形態の寝衣1’においては、第1実施形態の寝衣と構成が同一の部分については同一の参照符号を付与してその詳細な説明は省略し、構成が異なる同一名の部分については参照符号に添え字「’」を付す。第2実施形態の寝衣1’と第1実施形態の寝衣1の主な相違点は前見頃3、3’である。
第1実施形態の前見頃3は左右2つに分離していたが、第2実施形態の前見頃3’は一体であり、下方前部を結合する紐62が無い。そして、前見頃3’には頭が通る空部33’が設けられており、寝衣1’はポンチョのような形状を成している。このように、第2実施形態の寝衣1’は前部を結合する必要がないので、起き上がることができる被看護人にとって着衣が容易に素早くできる。第1実施形態の前見頃3と同様に、第2実施形態の前見頃3’の肩部31’には和綿5が入って、胸部32’ には和綿5が入っていない。
尚、上述の実施形態は凸部21の材質として和綿5を用いたが、本発明はこれに限定するものではなく、化学繊維やポリウレタンのような弾性体を用いることもできる。また、凸部21の和綿5は他の部位の和綿5と異なる材質を使用して弾性率を高くしてもよい。
1:寝衣
2:後ろ見頃
21:凸部
22:凹部
23:端部
3:前見頃
31:肩部
5:和綿
61:下方側部の紐
62:下方前部の紐
63:脇位置の下部の紐
7:ステッチ
81:胸椎
81a:棘突起
9:筋肉

Claims (9)

  1. 前身頃と後ろ身頃を有する寝衣であって、
    前記後ろ身頃には、胸椎の棘突起に対応する位置の該後ろ身頃と、胸椎の棘突起と、が離間するように、胸椎の棘突起全体に対応する位置に凹部が設けられていることを特徴とする褥創予防・保護用の寝衣。
  2. 前記凹部は、仰臥時に胸椎の棘突起を避けて該棘突起の両側の筋肉を支える左右一対の弾性体からなる凸部によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  3. 前記後ろ身頃の丈が腰上までであることを特徴とする請求項1に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  4. 前記後ろ身頃の下側に、前記凸部以外の前記後ろ身頃の厚みに比べ薄くなっている端部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  5. 前記前身頃の肩部に比べ、前記前身頃の胸部が薄くなっていることを特徴とする請求項1に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  6. 前記前身頃は左右分離して後ろ身頃の左右それぞれの肩位置から延在する舌片形状であることを特徴とする請求項1に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  7. 着衣時の寝衣の下方側部と下方前部と脇位置の下方部に一対の紐を設けることを特徴とする請求項6に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  8. 各部の前記紐の意匠が異なることを特徴とする請求項6に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
  9. 前記弾性体は綿であることを特徴とする請求項2に記載の褥創予防・保護用の寝衣。
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