JP6601570B2 - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体、放熱材料及び放熱部材 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体、放熱材料及び放熱部材 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂とスピネル粒子を含有する樹脂組成物、樹脂成形体、放熱材料及び放熱部材に関する。
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などに代表される電子機器の発展は目まぐるしく、より高密度、高出力、軽量化を目指した開発が進められている。電子機器の高性能化に伴い、単位面積あたりの発熱量は増大しており、電子機器は長時間高温環境にあると、動作が不安定となり、誤動作、性能低下、故障へと繋がるため、発生した熱を効率良く放熱する要求が高まっている。
また、白熱電灯や蛍光灯に対し長寿命で低消費電力かつ低環境負荷であることから、急激に需要が拡大している発光ダイオード(LED)を光源とする照明装置においても放熱対策は必須となっている。
また、自動車においても電気自動車、ハイブリッド自動車等の普及に伴い、車両に搭載される電子部品数は増加しつつあり、かつ、小型・軽量化、高性能化等に伴い、電子部品の発熱量が高くなっている。電子部品の発熱量が高くなると、部品内の温度が上昇することにより誤作動を起こしたり、部品を破損したりする恐れが生じる。このため、電子部品内で発生する熱を効率良く放熱させることが求められており、高い放熱性を有する素材の開発が行われている。
これまで、高い放熱性を必要とする部材には、主に金属材料やセラミックス材料が用いられてきたが、電気・電子部品の小型化に適合する上で金属材料やセラミックス材料は、軽量性や成形加工性の面で難があり、樹脂材料への代替が進みつつある。
熱可塑性樹脂は、成形加工の容易さ、外観、経済性、機械的強度、その他、物理的、化学的特性に優れているが、樹脂系材料は一般に熱伝導性が低いため、熱可塑性樹脂に、熱伝導性フィラーを配合し、熱伝導性を高める検討が行われている
特許文献1においては、熱伝導性を向上させるために、ポリアリーレンサルファイド樹脂と非晶性熱可塑性樹脂からなる樹脂混合物に酸化アルミニウム等の金属酸化物を配合した樹脂組成物が開示されているが、例えば上記した電子機器部品、照明装置部品等に対して要求される熱伝導性のレベルを満たすものではなかった。また、酸化アルミニウムは硬度が高く、製造装置の摩耗が問題になっている。
特開2003−301107号公報
本発明の課題は、熱可塑性樹脂とスピネル粒子を含有する高い熱伝導性を有する高機能な樹脂組成物及びその成形体、それらを含有する放熱材料及び放熱部材を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂(A)とスピネル粒子(B)を含有する樹脂組成物であって、スピネル粒子(B)として、特定の結晶面の結晶子径が大きいスピネル粒子であると、最も高い水準で上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂(A)とスピネル粒子(B)を含有する樹脂組成物であって、前記スピネル粒子(B)が、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含み、[111]面の結晶子径が、220nm以上であるスピネル粒子である熱可塑性樹脂組成物を提供する。
また本発明は、上記熱可塑性樹脂組成物、それを含有してなる成形体、それを含有する放熱材料及び放熱部材を提供する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、所定の結晶面の結晶子径が大きいスピネル粒子を含有するので、成形した場合に、公知慣用の酸化アルミニウムに比べて、かなり高い熱伝導性を有した樹脂硬化物や樹脂成形物を提供することが出来るという格別顕著な技術的効果を奏する。
この様な熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる樹脂成形体、及び該成形体を含有する放熱部材は、優れた熱伝導性を有していることから、蓄熱することなく、優れた熱放散能力を有する放熱部品を提供することが出来るという格別顕著な技術的効果を奏する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、スピネル粒子(B)を必須成分として含有するものである。
<熱可塑性樹脂(A)>
本発明で使用する熱可塑性樹脂(A)は、成形材料等に使用される公知慣用の樹脂である。具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体などが挙げられる。少なくとも1種の熱可塑性樹脂が選択されて使用されるが、目的に応じて、2種以上の熱可塑性樹脂を組み合わせての使用も可能である。
上記した熱可塑性樹脂(A)としては、寸法安定性や耐熱性に優れる点で、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等のエンジニアリングプラスックを用いることが好ましい。
中でも、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、高い耐熱性、機械的物性、耐薬品性、寸法安定性、難燃性を有していることから、電気、電子機器等の電子部品材料、自動車部品材料等に広く使用できるため好ましい。
<スピネル粒子(B)>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スピネル粒子(B)を含有する。
本発明の一形態によれば、スピネル粒子は、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含む。この際、前記スピネル粒子の[111]面の結晶子径は、220nm以上である。
本形態に係る「スピネル粒子」は、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子を含むことから、通常、MgAlの化学組成で表される。この際、スピネル粒子は、モリブデンを含む。モリブデンの含有形態は特に制限されないが、モリブデンがスピネル粒子表面に付着、被覆、結合、その他これに類する形態で配置される形態、モリブデンがスピネルに組み込まれる形態、これらの組み合わせが挙げられる。この際、「モリブデンがスピネルに組み込まれる形態」としては、スピネル粒子を構成する原子の少なくとも一部がモリブデンに置換する形態、スピネル粒子の結晶内部に存在しうる空間(結晶構造の欠陥により生じる空間等を含む)にモリブデンが配置される形態等が挙げられる。なお、前記置換する形態において、置換されるスピネル粒子を構成する原子としては、特に制限されず、マグネシウム原子、アルミニウム原子、酸素原子、他の原子のいずれであってもよい。
これらのうち、モリブデンは少なくともスピネルに組み込まれる形態で含有されることが好ましい。なお、モリブデンがスピネルに組み込まれている場合、例えば、洗浄による除去がされにくい傾向がある。
スピネル粒子の[111]面の結晶子径は、220nm以上である。ここで、[111]面はスピネル粒子の主要な結晶ドメインの1つであり、当該[111]面の結晶ドメインの大きさが[111]面の結晶子径に相当する。当該結晶子径が大きいほど粒子の緻密性および結晶性が高く、フォノンの散乱が起こる乱れ部分がないことを意味するため、熱伝導性が高いということができる。なかでもスピネル粒子の[111]面の結晶子径は、260nm以上であるのが最適である。なお、スピネル粒子の[111]面の結晶子径は、後述する製造方法の条件を適宜設定することで制御することができる。また、本明細書において「[111]面の結晶子径」の値は、実施例で記載された方法で測定された値を採用するものとする。
また、本発明の一実施形態において、スピネル粒子の[311]面の結晶子径は、100nm以上であることが好ましい。ここで、[311]面についてもスピネル粒子の主要な結晶ドメインの1つであり、当該[311]面の結晶ドメインの大きさが[311]面の結晶子径に相当する。当該結晶子径が大きいほど粒子の緻密性および結晶性が高く、フォノンの散乱が起こる乱れ部分がないことを意味するため、熱伝導性が高いということができる。なお、スピネル粒子の[311]面の結晶子径は、後述する製造方法の条件を適宜設定することで制御することができる。また、本明細書において「[311]面の結晶子径」の値は、実施例で記載された方法で測定された値を採用するものとする。
なかでも[111]面の結晶子径が220nm以上であり、かつ[311]面の結晶子径が100nm以上である、左記両方の条件を兼備するスピネル粒子は、より熱伝導性が高くなる。
スピネル粒子の[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面の結晶ピーク強度の比([111]/[311])は、0.30以上であることが好ましく、0.33以上であることがより好ましく、0.36以上であることがさらに好ましい。一般に、スピネル粒子を焼成により結晶成長させようとすると、スピネル結晶の各結晶面は選択性なく成長する傾向がある。しかし、[111]面についてはエネルギー的に結晶成長しにくいことから、[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面の結晶ピーク強度の比([111]面/[311]面)の値は小さくなりうる(通常、0.30未満)。しかしながら、本発明の一実施形態によれば、結晶成長の制御を行うことにより、スピネル粒子の[111]面/[311]面のピーク強度の比を大きくすることができる。本形態に係るスピネル粒子の[111]面の結晶子径は220nm以上であり、スピネル粒子の[111]面/[311]面のピーク強度の比が0.30以上であると、より高い熱伝導性が得られうる。また、[111]面は、自形面であり、当該自形面で囲まれた八面体の形成に寄与するため、スピネル粒子の[111]面/[311]面のピーク強度の比が0.30以上であると、スピネル粒子が樹脂への分散に好適な多面体の形状を形成しやすくなる。
上記した様に、[111]面の結晶子径が220nm以上であり、かつ[311]面の結晶子径が100nm以上のスピネル粒子は、更に[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面の結晶ピーク強度の比([111]/[311])が、0.30以上である、左記三条件を兼備するスピネル粒子は、最も熱伝導性が高く、その多面体形状に基づき、例えば樹脂への分散がより優れたものになりやすいので、硬化性樹脂組成物の調製には最適である。
なお、前記ピーク強度比([111]/[311])の値は、後述する製造方法を適宜調整することで制御することができる。また、本明細書において、「スピネル粒子の[311]面の結晶ピーク強度および[111]面の結晶ピーク強度」および「スピネル粒子の[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面の結晶ピーク強度の比([111]/[311])」の値は、実施例に記載の方法により測定された値を採用するものとする。
スピネル粒子の平均粒径は、特に制限されるものではないが、例えば、0.1〜1000μmであることが好ましく、0.2〜100μmであることがより好ましく、0.3〜80μmであることがさらに好ましく、0.3〜60μmであることが特に好ましい。スピネル粒子の平均粒径が0.1μm以上であると、樹脂と混合して得られる組成物の粘度が過度に大きくならないことから好ましい。一方、スピネル粒子の平均粒径が1000μm以下であると、樹脂と混合して得られた組成物を成形した場合、得られる成形物の表面が平滑になりうる、成形物の機械物性が優れている等の観点から好ましい。
上記した[111]面の結晶子径、[311]面の結晶子径及び[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面の結晶ピーク強度の比([111]/[311])は、スピネル粒子の結晶子に関する特性であるが、これらの特性だけでなく、上記した平均粒径をも兼備したスピネル粒子を用いることで、低粘度過ぎずしかも高粘度過ぎない、所望の形状としやすく、取扱いが容易な熱可塑性樹脂組成物を調製でき、しかも、そこから得られた熱可塑性樹脂組成物の成形物も、表面平滑性や機械物性に優れたものにすることができる。
なお、本明細書において、「粒径」とは、粒子の輪郭線上の2点間の距離のうち、最大の長さを意味し、「平均粒径」の値は実施例に記載の方法により測定、算出された値を意味する。
スピネル粒子の形状は、特に制限されるものではないが、例えば、多面体状、球状、楕円状、円柱状、多角柱状、針状、棒状、板状、円板状、薄片状、鱗片状等が挙げられる。これらのうち、樹脂に分散しやすいことから多面体状、球状、楕円状、板状であることが好ましく、なかでも熱可塑性樹脂組成物への高い充填性が求められる用途への適用を考慮すると、多面体状、球状であることがより好ましい。なお、本明細書において、「多面体」とは、通常、6面体以上、好ましくは8面体以上、より好ましくは10〜30面体であることを意味する。
(モリブデン)
モリブデンは、後述する製造方法に起因して含有されうる。当該モリブデンは、スピネル粒子中にスピネル粒子表面に付着、被覆、結合、その他これに類する形態で配置される形態、モリブデンがスピネルに組み込まれる形態、これらの組み合わせにより含有されうる。なお、前記モリブデンには、モリブデン原子および後述するモリブデン化合物中のモリブデンを含む。
モリブデンの含有量は、特に制限されないが、スピネル粒子の高熱伝導性の観点から、スピネル粒子に対して、酸化モリブデン換算で10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、スピネル粒子が高い緻密性を示す観点から、1質量%以下であることがさらに好ましい。なお、本明細書において、スピネル粒子中のモリブデンの含有量の値は実施例に記載の方法により測定された値を採用するものとする。
<スピネル粒子の製造方法>
スピネル粒子の製造方法は、特に制限されるものではないが、1−A)マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物を、モリブデン存在下で、固溶化および晶出により前記スピネル粒子に結晶成長させてスピネル粒子を得る焼成工程、または、1−B)モリブデン化合物およびマグネシウム化合物を焼成してモリブデン酸マグネシウムを得る焼成工程、そこで得られたモリブデン酸マグネシウムとアルミニウム化合物とを焼成してスピネル粒子を得る焼成工程と、2)前記焼成工程で結晶成長したスピネル粒子を冷却する冷却工程と、を含む製造方法である。以下、まず1−A)の焼成工程を経て2)の冷却工程を経るスピネル粒子の製造方法につき、詳述する。
[焼成工程]
焼成工程は、マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物を、モリブデン存在下で、固溶化および晶出により前記スピネル粒子に結晶成長させる工程である。
前記固溶化および晶出は、通常、いわゆる固相法により行われる。具体的には、マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物が界面において反応して核を形成し、マグネシウム原子および/またはアルミニウム原子が、前記核を介して固相拡散し、アルミニウム化合物および/またはマグネシウム化合物と反応する。これにより、緻密な結晶体、すなわちスピネル粒子を得ることができる。この際、前記固相拡散において、マグネシウム原子のアルミニウム化合物への拡散速度は、アルミニウム原子のマグネシウム化合物への拡散速度よりも相対的に高いため、アルミニウム化合物の形状が反映されたスピネル粒子が得られる傾向がある。このため、アルミニウム化合物の形状や平均粒径を適宜変更することで、スピネル粒子の形状および平均粒径を制御することが可能となりうる。
ここで、上述の固相反応は、モリブデン存在下で行われる。金属成分を複数有するスピネル粒子では、焼成過程において、欠陥構造等が生じやすいため、結晶構造を精密に制御することが困難であるが、モリブデンを用いることにより、スピネル結晶の結晶構造を制御することができる。これにより、[111]面の結晶子径は大きくなり、熱伝導性に優れるスピネル粒子が得られうる。また、一実施形態において、[311]面の結晶子径が大きくなる、[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面のピーク強度の比([111]/[311])が大きくなる等の効果も得られうる。なお、固相反応は、モリブデン存在下で行われるため、得られるスピネル粒子には、モリブデンが含まれうる。
本実施形態に係る製造方法によれば、[111]面の結晶子径が220nm以上であり、高い熱伝導性を有しつつ、平均粒径が1000μm以下、特に100μm以下のスピネル粒子を容易に製造することができる。
なお、スピネル粒子の[111]面の結晶子径、[311]面の結晶子径、[311]面の結晶ピーク強度に対する[111]面のピーク強度の比([111]/[311])等の結晶制御は、モリブデンの使用量、マグネシウム化合物の種類、焼成温度、焼成時間、マグネシウム化合物とアルミニウム化合物との混合状態を変更することにより行うことができる。これらの条件の選定により、例えば、[111]面および[311]面の結晶子径を大きくすることができる。
(マグネシウム化合物)
マグネシウム化合物としては、特に制限されないが、反応性が高く、得られるスピネル粒子の結晶子径が大きくなりうることから、水酸化マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、酸化マグネシウムを用いることが好ましい。なお、上述のマグネシウム化合物は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
マグネシウム化合物のマグネシウム元素に対する後述するアルミニウム化合物のアルミニウム元素のモル比(アルミニウム元素/マグネシウム元素)は、2.2〜1.9の範囲であることが好ましい。前記モル比が2.2〜1.9の範囲であると、[111]面の結晶子径の大きい高熱伝導率のスピネル粒子が得られうることから好ましい。
(アルミニウム化合物)
アルミニウム化合物としては、特に限定されないが、アルミニウム金属、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、擬ベーマイト、酸化アルミニウム等が挙げられる。上述のアルミニウム化合物は、酸化アルミニウムであることが好ましく、α結晶型を有する酸化アルミニウムであることがより好ましい。
また、上述のアルミニウム化合物はモリブデンを含むことが好ましい。この際、前記モリブデンを含むアルミニウム化合物のモリブデン含有形態は、特に制限されないが、スピネル粒子と同様に、モリブデンがアルミニウム化合物表面に付着、被覆、結合、その他これに類する形態で配置される形態、モリブデンがアルミニウム化合物に組み込まれる形態、これらの組み合わせが挙げられる。この際、「モリブデンがアルミニウム化合物に組み込まれる形態」としては、アルミニウム化合物を構成する原子の少なくとも一部がモリブデンに置換する形態、アルミニウム化合物の結晶内部に存在しうる空間(結晶構造の欠陥により生じる空間等を含む)にモリブデンが配置される形態等が挙げられる。なお、前記置換する形態において、置換されるアルミニウム化合物を構成する原子としては、特に制限されず、アルミニウム原子、酸素原子、他の原子のいずれであってもよい。
上述のアルミニウム化合物のうち、モリブデンを含むアルミニウム化合物を用いることが好ましく、モリブデンが組み込まれたアルミニウム化合物を用いることがより好ましい。
アルミニウム化合物は、市販品を使用してもよいし、自ら調製したものを使用してもよい。アルミニウム化合物を自ら調製する場合、例えば、モリブデンを含むアルミニウム化合物は、以下に詳述するフラックス法により調製することができる。すなわち、好ましい一実施形態において、スピネル粒子の製造方法は、フラックス法によりアルミニウム化合物を調製する工程をさらに含む。
フラックス法によりアルミニウム化合物を調製する工程
フラックス法は、上述した固相法とは異なり、液相法、なかでも溶液法に分類される。フラックス法とは、より詳細には、結晶−フラックス2成分系状態図が共晶型を示すことを利用した結晶成長の方法である。
フラックス法は、融点よりもはるかに低い温度で結晶成長をさせることができる、結晶構造を精密に制御できる、自形をもつ多面体結晶体を形成できる等のメリットを有する。
アルミニウム化合物をフラックス法で調製する場合において、フラックス剤としてモリブデン化合物を使用すると、中間化合物であるモリブデン酸アルミニウムを経由して、モリブデンを含むアルミニウム化合物が得られうる。この際、アルミニウム化合物に含まれるモリブデンは、フラックス法のデメリットと言われるフラックス不純物に該当しうるが、上述のように、本発明の一実施形態においてはアルミニウム化合物に含有されるモリブデンは、スピネル粒子を製造する際に好適な作用効果を発揮しうる。
一実施形態において、フラックス法は、アルミニウム源およびモリブデン化合物を含む混合物を焼成するフラックス蒸発工程と、前記焼成工程で結晶成長したアルミニウム化合物を冷却する冷却工程と、を含む(フラックス蒸発法)。
アルミニウム源
アルミニウム源としては、特に限定されないが、水酸化アルミニウム、遷移アルミナ、ベーマイト、擬ベーマイト、アルミナ水和物であることが好ましく、水酸化アルミニウム、遷移アルミナ、ベーマイトを用いることがより好ましい。なお、上述のアルミニウム源は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルミナ水和物または遷移アルミナは、高温において構造安定性が高いため、モリブデンの存在下で焼成すると、平均粒径の大きいモリブデンを含むアルミニウム化合物が得られる傾向がある。
モリブデン化合物
モリブデン化合物としては、特に制限されないが、三酸化モリブデン、二酸化モリブデン、モリブデン酸アンモニウムであることが好ましく、三酸化モリブデンを用いることがより好ましい。なお、上述のモリブデン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルミニウム化合物のアルミニウム元素に対するモリブデン化合物のモリブデン元素のモル比(モリブデン元素/アルミニウム元素)は、0.01〜3.0であることが好ましい。前記モル比が0.01以上であると、モリブデンを含むアルミニウム化合物の結晶成長が好適に進行しうることから好ましい。一方、前記モル比が3.0以下であると、モリブデンを含むアルミニウム化合物の調製が工業的に効率よくできることから好ましい。
モリブデンを含むアルミニウム化合物
フラックス法により得られるアルミニウム化合物は、モリブデンを含有する。
モリブデンを含むアルミニウム化合物のモリブデンの含有量は、特に制限されないが、三酸化モリブデン換算で、0.001〜10質量%以下であることが好ましい。モリブデンの含有量が0.001質量%以上であると、スピネルの結晶成長がより効率よく進行できることから好ましい。一方、モリブデンの含有量が10質量%以下であると、アルミニウム化合物の結晶品質が向上しうることから好ましい。なお、本明細書において、アルミニウム化合物中のモリブデンの含有量の値は実施例に記載の方法により測定された値を採用するものとする。
モリブデンを含むアルミニウム化合物は、モリブデン化合物がフラックス剤として働き、[001]面以外の結晶面を主結晶面とした高α結晶化率であることが好ましく、α結晶化率が90%以上であることがより好ましい。
モリブデンを含むアルミニウム化合物の最大平坦面積の割合は、全表面積に対して、8分の1以下であることが好ましく、16分の1以下であることがより好ましい。
モリブデンを含むアルミニウム化合物の平均粒径は、特に限定されないが、0.1〜1000μmであることが好ましい。アルミニウム化合物の平均粒径が0.1μm以上であると、スピネル結晶化において粒子凝集を防止しうることから好ましい。一方、アルミニウム化合物の平均粒径が1000μm以下であると、スピネル結晶化が粒子の中心部まで効率よく進行しうることから好ましい。
(モリブデン)
モリブデンは、モリブデン金属およびモリブデンを含む化合物中のモリブデンが用いられうる。モリブデンを含む化合物の具体例としては、上述したモリブデン化合物、モリブデンを含むアルミニウム化合物が挙げられる。
モリブデンの使用量として、アルミニウム化合物のアルミニウム元素に対するモリブデン元素のモル比(モリブデン元素/アルミニウム元素)は、0.00001〜0.05であることが好ましい。前記モル比が0.00001〜0.05の範囲であると、マグネシウム化合物とアルミニウム化合物との固溶化およびスピネル晶出が好適に進行しうることから好ましい。
(焼成)
焼成は、モリブデン存在下で、マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物を混合させた状態で行われる。この際、マグネシウム化合物およびアルミニウム化合物の混合状態は、特に限定されない。この混合物は、乾式状態、湿式状態のいずれであってもよいが、コストの観点から乾式状態であることが好ましい。
焼成温度は、特に制限されないが、800〜2000℃であることが好ましい。焼成温度が800℃以上であると、短時間で[111]面の結晶子径の大きいスピネル粒子を得ることができるため好ましい。一方、焼成温度が2000℃以下であると、形成したスピネル粒子同士のネッキングを防ぎ、スピネル粒子の形状および/または分散性制御が容易となることから好ましい。
焼成時間は、特に制限されないが、0.1〜1000時間であることが好ましい。焼成時間が0.1時間以上であると、[111]面の結晶子径の大きなスピネル粒子を得ることができるため好ましい。一方、焼成時間が1000時間以内であると、製造コストが低くなり得ることから好ましい。
なお、焼成においては、マグネシウム化合物とアルミニウム化合物との固溶化および晶出を促進するため添加剤を使用することも可能である。
焼成雰囲気は、空気雰囲気であっても、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気であっても、酸素雰囲気であっても、アンモニアガス雰囲気であっても、二酸化炭素雰囲気であってもよい。この際、製造コストの観点からは空気雰囲気であることが好ましい。
焼成時の圧力についても特に制限されず、常圧下であっても、加圧下であっても、減圧下であってもよいが、焼成時に生成する酸化モリブデン蒸気を効率的に焼成炉から排出できる観点から減圧下で行うことが好ましい。
加熱手段としては、特に制限されない、焼成炉を用いることが好ましい。焼成炉は酸化モリブデン蒸気と反応しない材質で構成されていることが好ましく、密閉性の高い焼成炉を用いることがより好ましい。
[冷却工程]
冷却工程は、焼成工程において結晶成長したスピネル粒子を冷却する工程である。冷却速度についても特に制限されないが、1〜1000℃/時間であることが好ましい。冷却速度が1℃/時間以上であると、製造時間が短縮されうることから好ましい。一方、冷却速度が1000℃/時間以下であると、焼成容器がヒートショックで割れることが少なく、長く使用できることから好ましい。冷却方法は特に制限されず、自然放冷であっても、冷却装置を使用してもよい。
以上、1−A)の焼成工程を経て2)の冷却工程を経るスピネル粒子の製造方法につき、詳述してきたが、1−A)の焼成工程に代えて、1−B)モリブデン化合物およびマグネシウム化合物とアルミニウム化合物とを焼成してスピネル粒子を得る焼成工程を適用することができる。
1−B)の焼成工程を経てスピネル粒子を得る製造方法は、モリブデン化合物がフラックス剤としてより効果的に作用しスピネル粒子の結晶成長が精密に制御されることで結晶子サイズが大きいスピネル粒子を製造できるという別の長所を有している。1−B)の製造方法によれば、1−A)の製造方法に比べて、より熱伝導性に優れたスピネル粒子が得られる。
本発明における熱可塑性樹脂組成物の調製に当たり、そこに含有させるスピネル粒子(B)は、特定平均粒径のスピネル粒子(B)を単独で用いることもできるし、異なる特定平均粒径の異なる粒径分布をもった二種以上のスピネル粒子(B)を併用することもできる。例えば、成形物により高い熱伝導性が要求される用途の熱可塑性樹脂組成物では、熱可塑性樹脂(A)に含有させるスピネル粒子(B)をより多くすることが好ましいが、大粒子、中粒子及び小粒子といった、異なる特定平均粒径の異なる粒径分布をもった三種のスピネル粒子を併用することで、大粒子の隙間を中粒子や小粒子が埋めパッキング構造を容易に形成させることができる。こうして、熱可塑性樹脂(A)に含有させるスピネル粒子(B)をより増加させることができ、熱伝導パスの増加でより優れた熱伝導性を達成することが可能となる。
異なる特定平均粒径の異なる粒径分布をもった三種のスピネル粒子(B)としては、具体的には、50%累積粒径が10〜100μmで、球状又は多面体形状のスピネル粒子(B1)と、50%累積粒径が1〜30μmかつスピネル粒子(B1)の50%累積粒径に対して1/10以上1/2以下であって、球状又は多面体形状のスピネル粒子(B2)と、50%累積粒径が5μm以下でありかつスピネル粒子(B2)の50%累積粒径に対して1/100以上1/2以下であって、球状又は多面体形状のスピネル粒子(B3)の3種類のスピネル粒子(B)を挙げることができる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物において、スピネル粒子(B)の量は、熱可塑性樹脂(A)とスピネル粒子(B)とを含有する樹脂組成物固形分量中において30〜89質量%である。30質量%以上であれば、成形した際に熱伝導性に優れた成形物となり、89質量%までであれば、十分な溶融流動性が得られる。熱伝導性と溶融流動性の兼備の点から、より好ましくは40〜86質量%であり、特に好ましくは40〜80質量%である。
<その他の無機フィラー>
本発明の熱可塑性樹脂組成物の調製に当たっては、本発明の効果を損なわない範囲において、スピネル粒子(B)以外にも、その他の熱伝導性フィラーを含有してもかまわない。無機フィラーとしては、公知慣用のものを使用すればよく、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、鉄、アルミニウム、ステンレス、グラファイト(黒鉛)等の導電性の粉体、酸化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素、硼酸アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ダイヤモンド、タルク、ワラステナイト、ゼオライト、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の非導電性の粉体、ガラス繊維、炭素繊維、酸化亜鉛ウィスカ、アラミド繊維、PBO繊維(ザイロン)、ナイロン繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、金属繊維等の繊維状フィラーなどが挙げられる。また、これらの無機充填剤は1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。中でも、ガラス繊維、炭素繊維を用いた熱可塑性樹脂組成物は、成形物の機械強度が高くなるので好ましい。なお、繊維状フィラーの量は、熱可塑性樹脂組成物全体に対して50重量%以下とするのが好ましい。50重量%以下であると、成形物の機械強度が高くなるので好ましい。
その他の無機フィラーの中でも、酸化アルミニウム粒子はスピネル粒子(B)と併用した際に、より優れた熱伝導性と絶縁性を両立できるので好ましい。上記スピネル粒子の場合と同様に、大粒子、中粒子及び小粒子のものを準備して、スピネル粒子と酸化アルミニウム粒子にて各大粒子同士を組み合わせて用いたり、大粒子のスピネル粒子に、中粒子や小粒子の各酸化アルミニウム粒子を組み合わせて用いたりすることもできる。
<溶剤>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、使用用途に応じて溶剤を配合してもかまわない。溶剤としては有機溶剤が挙げられ、例えばメチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられ、その選択や適正な使用量は用途によって適宜選択し得る。
<その他樹脂>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損ねない範囲で、熱可塑性樹脂(A)以外の樹脂を配合してもかまわない。その他の樹脂としては、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂が挙げられる。
硬化性樹脂とは、加熱または放射線や触媒などの手段によって硬化される際に実質的に不溶かつ不融性に変化し得る特性を持った樹脂である。その具体例としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂などが挙げられる。これらの硬化性樹脂は1種または2種以上を併用して用いることができる。
<その他の配合物>
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、本発明の効果を損ねない範囲であれば、反応性化合物、有機フィラー、無機フィラー、有機溶剤、無機顔料、有機顔料、体質顔料、粘土鉱物、ワックス、界面活性剤、カップリング剤、安定剤、流動調整剤、染料、着色剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、分散剤、難燃剤、潤滑剤、離型剤等を配合してもかまわない。
本発明の熱可塑性樹脂組成物に対して、有機シラン化合物、有機チタン化合物、有機アルミニウム化合物などのカップリング剤を配合すると、成形物の機械強度や靭性の向上に有効である。有機シラン化合物としてはシランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されないが、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、γ−グリシリメトキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の好適な配合量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜5質量部である。0.05〜5質量部の範囲内であると熱可塑性樹脂組成物の成形物の機械強度や靭性が向上するので好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、例えば、所望の形状となるように、熱可塑性樹脂(A)が軟化する温度以上で成形することで樹脂成形体とできる。この際の加熱温度及び加熱時間は、用いる熱可塑性樹脂(A)の種類等により異なったものとなるが、具体的には、例えば、30〜400℃にて5分〜24時間である。なかでも、エンジニアリングプラスチックの様な、高い耐熱性を有しより優れた放熱性が期待される樹脂成形体を生産性高く短時間で得る場合は、200〜350℃にて30秒〜4分で成形することが好ましい。
<樹脂成形体>
本発明の熱可塑性樹脂組成物を所望の形状となるように成形することで、樹脂成形体を得ることができる。樹脂成形体を得るには、公知慣用の方法で行うことができる。例えば、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、活性エネルギー線成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、放熱材料として用いることができる。本発明の熱可塑性樹脂組成物を成形した樹脂成形体は、放熱部材として用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳述するが、本記述は本発明を限定するものではない。実施例中、特に言及のない場合は質量換算である。
〈合成例1〉熱伝導性フィラー(Y−1)
アルミナるつぼに水酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)1.53g(アルミニウム元素:9.8mmol)、酸化マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.40g(マグネシウム元素:9.8mmol)、および三酸化モリブデン(和光純薬工業株式会社製)2.22g(モリブデン元素:15.5mmol)を仕込み、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で1500℃まで昇温した。次いで、1500℃で12時間加熱し、自然放冷により常温まで冷却することで、焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、熱水で洗浄した後、目開き75μmのメッシュで篩って、篩下を熱伝導性フィラー(Y−1)として得た。
得られた熱伝導性フィラー(Y−1)の平均粒径は6μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で0.15質量%であり、[111]面の結晶子径は270nmであり、[311]面の結晶子径は260nmであり、結晶ピーク強度比([111]/[311])は0.369であった。
平均粒径、モリブデン含有量、結晶子径、および、結晶ピーク強度比は以下の方法で評価した(以下の合成例においても同様である。)。
<平均粒径>
製造した熱伝導性フィラーについて、走査型電子顕微鏡観察(SEM)により平均粒径を測定した。具体的には、表面観察装置であるVE−9800(株式会社キーエンス製)を用いて、平均粒径を測定した。
<モリブデン含有量>
製造した熱伝導性フィラーについて、蛍光X線測定(XRF)によりモリブデン含有量を測定した。具体的には、蛍光X線分析装置であるZSX100e(株式会社リガク製)を用いて測定を行った。この際、測定方法はFP(ファンクションポイント)法を用いた。また、測定条件として、EZスキャンを用い、測定範囲はB〜Uであり、測定径は10mmであり、試料重量は50mgである。なお、粉末のまま測定を行い、この際、飛散防止のためポリプロピレン(PP)フィルムを使用した。
<結晶子径>
製造したスピネル粒子について、[111]面および[311]面の結晶子径を測定した。具体的には、X線回折装置であるSmartLab(株式会社リガク製)を用い、検出器として高強度・高分解能結晶アナライザ(CALSA)(株式会社リガク製)を用いて測定を行った。また、解析ソフトはPDXLを用いて解析を行った。この際、測定方法は粉末X線回折法であり、解析はPDXLのCALSA関数を用いて、[111]面の結晶子径については、2θ=19度付近に出現するピークの半値幅からシェラー式を用いて算出し、[311]面の結晶子径については、2θ=37度付近に出現するピークの半値幅からシェラー式を用いて算出した。なお、測定条件として、2θ/θ法、管電圧45kV、管電流200mAであり、スキャンスピードは0.05度/分であり、スキャン範囲は10〜70度であり、ステップは0.002度であり、βs=20rpmである。装置標準幅は米国立標準技術研究所が作製している標準シリコン粉末(NIST、640d)を用いて算出した0.026度を使用した。
〈合成例2〉熱伝導性フィラー(Y−2)
γ−アルミナ(STREM CHEMICALS社製、平均粒子径40〜70μm)50gと、三酸化モリブデン(和光純薬工業株式会社製)の50gと、を乳鉢で混合した。得られた混合物を坩堝に入れ、AMF−2P型温度コントローラ付きセラミック電気炉ARF−100K型の焼成炉(セラミック電気炉、株式会社アサヒ理化製作所製)にて1100℃で10時間焼成を行った。室温まで放冷した後、焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、10%アンモニア水およびイオン交換水で洗浄した。最後に、150℃で2時間乾燥を行い、モリブデンを含むα−酸化アルミニウム(A−1)の粉末を得た。得られた粉末の平均粒径は5μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で2.5質量%であった。
次いで、モリブデンを含むα−酸化アルミニウム(A−1)1.00gと、酸化マグネシウム(和光純薬工業社製)0.40g(マグネシウム元素:0.01mol)と、を乳鉢で乾式混合した。得られた混合物をアルミナ坩堝に仕込み、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で1500℃まで昇温した。12時間後、自然放冷により常温まで冷却し、焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、熱水で洗浄した後、目開き75μmのメッシュで篩って、篩下を熱伝導性フィラー(Y−2)として得た。得られた熱伝導性フィラー(Y−2)の平均粒径は5μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で0.30質量%であり、[111]面の結晶子径は251nmであり、[311]面の結晶子径は281nmであり、結晶ピーク強度比([111]/[311])は0.363であった。
〈合成例3〉熱伝導性フィラー(Y−3)
アルミナ坩堝に酸化アルミニウム(和光純薬工業株式会社製)1.00g(アルミニウム元素:19.6mmol)、酸化マグネシウム(和光純薬工業株式会社製)0.40g(マグネシウム元素:9.8mmol)、および三酸化モリブデン(和光純薬工業株式会社製)2.22g(モリブデン元素:15.5mmol)を仕込み、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で1500℃まで昇温した。次いで、1500℃で12時間加熱し、自然放冷により常温まで冷却し焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、熱水で洗浄した後、目開き75μmのメッシュで篩って、篩下を熱伝導性フィラー(Y−3)として得た。得られた熱伝導性フィラー(Y−3)の平均粒径は45μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で、0.15質量%であり、[111]面の結晶子径は280nmであり、[311]面の結晶子径は270nmであり、結晶ピーク強度比([111]/[311])は0.362であった。
〈合成例4〉熱伝導性フィラー(Y−4)
γ−アルミナ(STREM CHEMICALS社製、平均粒子径40〜70μm)50gと、三酸化モリブデン(和光純薬工業株式会社製)の280gと、を乳鉢で混合した。得られた混合物を坩堝に入れ、AMF−2P型温度コントローラ付きセラミック電気炉ARF−100K型の焼成炉(セラミック電気炉、株式会社アサヒ理化製作所製)にて1100℃で10時間焼成を行った。室温まで放冷した後、焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、10%アンモニア水およびイオン交換水で洗浄した。最後に、150℃で2時間乾燥を行い、モリブデンを含むα−酸化アルミニウム(A−2)の粉末を得た。得られた粉末の平均粒径は40μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で1.8質量%であった。
次いで、モリブデンを含むα−酸化アルミニウム(A−2)1.00gと、酸化マグネシウム(和光純薬工業社製)0.40g(マグネシウム元素:0.01mol)と、を乳鉢で乾式混合した。得られた混合物をアルミナ坩堝に仕込み、空気雰囲気下、昇温速度10℃/分で1500℃まで昇温した。12時間後、自然放冷により常温まで冷却し、焼成塊を得た。得られた焼成塊をボールミルで12時間粉砕し、熱水で洗浄した後、目開き75μmのメッシュで篩って、篩下を熱伝導性フィラー(Y−4)として得た。得られた熱伝導性フィラー(Y−4)の平均粒径は45μmであり、モリブデン含有量は三酸化モリブデン換算で0.30質量%であり、[111]面の結晶子径は270nmであり、[311]面の結晶子径は260nmであり、結晶ピーク強度比([111]/[311])は0.369であった。
熱伝導性フィラー(Y−5)
酸化アルミニウム粉末(商品名DAW−05(デンカ(株)、平均粒径5μm)を用いた。
熱伝導性フィラー(Y−6)
酸化アルミニウム粉末(商品名DAW−45(デンカ(株)、平均粒径45μm)を用いた。
尚、後記する表1及び表2における、熱可塑性樹脂Xと熱伝導性フィラーYの枝番号は、それぞれ、上記した熱可塑性樹脂Xと熱伝導性フィラーYの枝番号と対応させた。
(実施例1)
熱可塑性樹脂としてDIC−PPS LR100G(X−1、DIC株式会社製ポリフェニレンスルフィド樹脂、密度1.35g/cm3)の27.3質量部、合成例1で製造した熱伝導性フィラー(Y−1)の72.7質量部を均一にドライブレンドした後、樹脂溶融混練装置ラボプラストミルにより混練温度300℃、回転数80rpmの条件で溶融混練処理し、熱伝導性フィラーの充填率が50容量%のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のフィラー含有量(容量%)は、熱可塑性樹脂の密度と熱伝導性フィラーの密度より計算した。
(熱可塑性樹脂組成物の熱伝導率の測定方法)
得られた樹脂組成物を金型に入れ加工温度300℃で熱プレス成形を行うことで、0.5mm厚のプレス成形体を作製した。作製したプレス成形体から10mmX10mmのサンプルを切り出し、熱伝導率測定装置(LFA467 HyperFlash、NETZSCH社製)を用いて、25℃における熱伝導率の測定を行った。熱伝導率が1.9W/m・K以上の場合を◎、1.7W/m・Kを超えて、1.9W/m・K未満であった場合を○、1.6W/m・K未満であった場合を×とした。
(ラボプラストミル装置の混練部の磨耗性の評価)
混練温度300℃、回転数80rpmの条件で溶融混練した際の、ラボプラストミル装置の混練部の磨耗を目視で評価した。磨耗がなかった場合を〇、磨耗があった場合を×とした。
(実施例2)
熱可塑性樹脂としてユーピロンS3000F(X−2、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ポリカーボネート樹脂、密度1.20g/cm)の25.0質量部、合成例1で製造した熱伝導性フィラー(Y−1)の75.0質量部を均一にドライブレンドした後、樹脂溶融混練装置ラボプラストミルにより混練温度250℃、回転数80rpmの条件で溶融混練処理し、熱伝導性フィラーの充填率が50容量%のポリカーボネート樹脂組成物を得た。樹脂組成物中のフィラー含有量(容量%)は、熱可塑性樹脂の密度と熱伝導性フィラーの密度より計算した。
〈実施例3〜5、及び、比較例1、2〉
実施例1と同様にして、下記表1の配合率にてポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を作成し、ラボプラストミル装置の混練部の磨耗性の評価、および、熱伝導率の測定を行った。
Figure 0006601570
上記結果より、本発明で用いる特定スピネル粒子(B)を用いて調製した熱可塑性樹脂組成物を成形した樹脂成形体は、放熱性に優れた従来の酸化アルミニウムを用いて調製した熱可塑性樹脂組成物を成形した樹脂成形体に比べて、放熱性が高いことがわかった。また、本発明で用いる特定スピネル粒子(B)を用いて調製した熱伝導性接着剤は、従来の放熱用酸化アルミニウムを用いて調製した熱伝導性接着剤に比べて、樹脂溶融混練装置等の製造装置の耐磨耗性も良好であることがわかった。
また、上記実施例1と実施例3との対比(中粒子のスピネル粒子系)及び実施例4と実施例5との対比(大粒子のスピネル粒子系)から、粒子径の大きさを問わず、[111]面の結晶子径220nm以上のスピネル粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物から得られた樹脂成形体同士であっても、それがより大きいスピネル粒子を含有する熱可塑性樹脂組成物から得られた樹脂成形体(実施例1及び3)の方が、実施例4及び5の樹脂成形体より、更に熱伝導性に優れていることがわかる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱伝導性に優れた樹脂組成物であり、これを含有してなる樹脂成形体や放熱材料、及び該成形体を含有する放熱部材は、電子、電気、OA機器等の電子部品や、LED照明用の放熱部材、自動車用の放熱部材に使用できる。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂(A)とスピネル粒子(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物であって、前記スピネル粒子(B)が、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含み、[111]面の結晶子径が、220nm以上であるスピネル粒子であり、かつ前記熱可塑性樹脂(A)が、エンジニアリングプラスチックである熱可塑性樹脂組成物。
  2. 前記スピネル粒子が、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含み、[111]面の結晶子径が、220nm以上であり、かつ[311]面の結晶子径が、100nm以上である、スピネル粒子である請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記スピネル粒子が、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含み、[111]面の結晶子径が、220nm以上であり、[311]面の結晶子径が、100nm以上であり、かつ[311]面の結晶ピーク強度に対する前記[111]面の結晶ピーク強度の比([111]面/[311]面)が、0.3以上である、スピネル粒子である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記スピネル粒子が、マグネシウム原子、アルミニウム原子、および酸素原子と、モリブデンと、を含み、[111]面の結晶子径が、220nm以上であり、[311]面の結晶子径が、100nm以上であり、[311]面の結晶ピーク強度に対する前記[111]面の結晶ピーク強度の比([111]面/[311]面)が、0.3以上であり、かつ平均粒径が、0.1〜1000μmである、スピネル粒子である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 請求項4の熱可塑性樹脂組成物を含有してなる樹脂成形体。
  6. 請求項4の熱可塑性樹脂組成物を含有することを特徴とする放熱材料。
  7. 請求項5の樹脂成形体を含有することを特徴とする放熱部材。
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