JP6599822B2 - 変化点検知装置、変化点検知方法および変化点検知プログラム - Google Patents
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Description
各実施形態について説明する前に、以下の説明において使用する用語について概説する。
以下に説明する各実施形態に係る変化点検知装置が検知する「変化点」は、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた時点を指す。事象とは、所定の対象物の状態、活動内容等、数値データに基づいて検知できる情報を指す。「変化点」は、たとえば、ウェアラブル機器によって測定される連続的なデータによって示される、ウェアラブル機器を装着するユーザの姿勢および運動状態に変化が生じた時点である。またたとえば、「変化点」は、継続的にネットワークから測定されるパラメータによって示されるネットワーク上の攻撃状態に変化が生じた時点である。
ここで、「連続的なデータ」(以下、「連続データ」とも呼ぶ。)とは、たとえば時系列的に連続したデータである。また、「連続的なデータ」とは、たとえば取得される位置が連続したデータであってもよい。「連続的なデータ」は、少なくとも連続している前後のデータの間に関連性があり、全体として所定の状態や事象を示すデータであればよい。「連続的なデータ」は、複数の異なる種類の連続的なデータを含んでもよい。「連続的なデータ」は、連続する複数の点の各点に対応するデータを含んでもよい。また、「連続的なデータ」は、1種類のデータであって、連続する複数の点の各点に対応するデータを含み、当該データから各々が複数の事象に対応する複数のデータを導出できるものであってもよい。たとえば、「連続的なデータ」は、ユーザの身体運動について複数の方向において検知される加速度を示す加速度情報であってもよい。またたとえば、「連続的なデータ」は、ユーザの姿勢および運動状態を推定するために用いられ、所定の時間にわたってユーザから測定される加速度情報であってもよい。
第1の実施形態に係る変化点検知装置は、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた変化点を検知する。たとえば、第1の実施形態に係る変化点検知装置は、ユーザが装着したウェアラブル機器により測定した加速度情報に基づき、ユーザの姿勢および運動状態に変化が生じた時点を変化点として検知する。また、第1の実施形態に係る変化点検知装置は、ユーザの姿勢を逐次的に識別する逐次姿勢識別装置において識別に用いられる情報に基づき、ユーザの姿勢および運動状態に変化が生じた時点を変化点として検知する。
図1は、第1の実施形態にかかる変化点検知システム1の構成の一例を示す概略図である。変化点検知システム1は、変化点検知装置10と、ウェアラブル機器20と、逐次姿勢識別装置30と、を備える。ウェアラブル機器20と逐次姿勢識別装置30とは通信可能に接続される。逐次姿勢識別装置30と変化点検知装置10とも通信可能に接続される。なお、接続の態様は特に限定されず、相互に情報を送受信できる態様であれば、有線でも無線でもよく、必要に応じて接続できれば常時接続状態である必要はない。ただし、ウェアラブル機器20を装着するユーザの行動を妨げないためには、無線ネットワークはたとえば、Bluetooth(登録商標)で接続したスマートフォン等を利用したり、Wi−Fi(登録商標)等を利用することが好ましい。
ウェアラブル機器20は、ユーザが装着して携帯することができる電子機器である。ウェアラブル機器20は、ユーザに装着され、ユーザの身体運動を示す加速度情報を取得する。図1の例では、ウェアラブル機器20はユーザが着脱できるシャツ形状である。ただし、ウェアラブル機器20の形状は特に限定されない。
逐次姿勢識別装置30は、抽出部31と、第1の判定部32と、第2の判定部33と、第3の判定部34と、第4の判定部35と、送受信部36と、記憶部37と、を備える。
再び図1を参照し、変化点検知装置10の構成の一例について説明する。変化点検知装置10は、通信部100と、処理部200と、記憶部300と、を備える。
図6は、第1の実施形態にかかる変化点検知装置10における変化点検知処理の流れの一例を示すフローチャートである。変化点検知装置10においては、まず取得部210が逐次姿勢識別装置30から数値データを取得する(データ取得処理、ステップS61)。取得した数値データを用いて、算出部220が、第1の判定部32、第2の判定部33および第3の判定部34ごとに、数値データ間の差分を算出する(差分算出処理、ステップS62)。統合部230は、算出された差分を統合して、一つの数値を導出する(統合処理、ステップS63)。検知部240は、統合部230が導出した数値と所定の閾値とを比較して、比較結果に基づき当該数値データに対応する時点が変化点か否かを判定する(検知処理、ステップS64)。これが、変化点検知装置10における変化点検知処理のおおまかな流れである。
図7は、第1の実施形態のデータ取得処理の流れの一例について説明するためのフローチャートである。データ取得処理のタイミングは、逐次姿勢識別装置30における第4の判定部35における判定タイミングによって決定される。このため、変化点検知装置10の取得部210は、逐次姿勢識別装置30の処理タイミングに応じて、データを取得する。図7に示すように、まず、逐次姿勢識別装置30の第4の判定部35は、判定結果を出力する(ステップS71)。そして、逐次姿勢識別装置30の送受信部36は、出力された判定結果に対応する取得日時の数値データを、数値データ記憶部37Aから読み出して、変化点検知装置10に送信する(ステップS72)。変化点検知装置10では、取得部210は通信部100を介して受信される数値データを取得する(ステップS73)。データ取得処理はこれで終了する。
差分算出処理においては、算出部220は、データ取得処理において取得した数値データを操作して変化点を検知するための前処理を実行する。たとえば、算出部220は、数値データ中、変化点に対応する部分を強調する処理を実行する。また、算出部220は、変化点以外に対応する部分の数値をそろえる処理を実行する。
統合部230は、算出部220による差分算出処理が完了した数値データを統合する。たとえば、統合部230は、数値データの平均値を算出する。平均値は重み付き平均等であってもよい。
検知部240は、統合部230が出力する数値と、所定の閾値とを比較して、変化点であるか否かを判定する。検知部240は、統合部230が出力する数値が所定の閾値よりも大きい場合、当該時点が変化点であると判定する。他方、検知部240は、統合部230が出力する数値が所定の閾値以下である場合、当該時点が変化点ではないと判定する。
このように、第1の実施形態に係る変化点検知装置は、取得部と、算出部と、統合部と、検知部と、を備える。取得部は、連続データから導出される、所定時点に対応する2つ以上の数値データの大小関係に基づき当該所定時点の事象の区分を判定する複数の判定部から、2つ以上の数値データを取得する。算出部は、複数の判定部から取得される2つ以上の数値データ各々の差分を算出する。統合部は、差分を統合する。検知部は、統合された差分と所定の閾値との比較結果に基づき、所定時点が、事象に変化が生じた変化点であると検知する。このため、第1の実施形態に係る変化点検知装置は、連続的なデータによって示される事象に変化が生じた変化点を、連続データから精度よく検知することができる。
次に、第1の実施形態の変形例を説明する。本変形例にかかる変化点検知装置10Aは、一つの時点に対応する数値データを判定対象すなわち変化点検知処理の対象とするのではなく、複数の時点に対応する数値データをひとつの判定対象グループとする。そして、変化点検知装置10Aは、判定対象グループに含まれる数値データの平均値を算出し、算出した平均値に基づく変化点検知処理を実行する。変化点検知処理の結果は、判定対象グループの中央に位置する数値データに対する判定結果とする。
このように、変形例に係る変化点検知装置は、複数の判定部の複数時点における判定結果各々に対応する2つ以上の数値データを取得し、当該2つ以上の数値データ各々の平均値を算出し、当該平均値を複数時点のうちいずれか1つの時点に対応する2つ以上の数値データとする。このため、変形例に係る変化点検知装置は、複数時点のうちいずれかの時点において数値データに揺らぎやノイズがあっても、揺らぎやノイズの影響を抑制して精度の高い変化点検知を実行することができる。
上記実施形態においては、第4の判定部35が、第1の判定部32の判定結果に応じて、第2の判定部33および第3の判定部34のいずれか一方の判定結果を採用するものとした。しかし、これに限らず、上記実施形態は、1つの判定部が1つの識別モデルに基づいて姿勢および運動状態を判定する場合に適用することができる。たとえば、1つの識別モデルにもとづく判定により複数の区分のいずれか1つを選択する判定部であって、各区分に対応する数値データを判定において使用する判定部であれば、逐次姿勢識別装置30が備える判定部の数は1つであってもよい。また、判定部の数が一つの場合には、統合処理は省略してもよい。
なお、検知部240における変化点検知のために用いる閾値は、予め機械学習等により決定してもよい。また、閾値は、安定状態のときの実数倍等、ルールベースで調整してもよい。
上記実施形態は、ウェアラブル機器により取得される加速度情報に基づいてユーザの姿勢や運動状態を判定する場合を例として説明した。しかし、これに限定されず、他の連続データに生じる変化点を検知するために、変化点検知装置を用いることも可能である。少なくとも、連続データから導出される二つの数値データの大小関係に基づいて所定時点の事象や状態を分類する複数の分類器を用いて、連続データの各時点の事象や状態を分類する場合であれば、実施形態の変化点検知装置を適用できる。たとえば、ネットワークから連続的に取得されるパラメータに生じる変化を検知する場合などに、実施形態の変化点検知装置を適用することができる。
上記実施形態においては、算出部220は、各判定部において判定する複数の区分の組み合わせについて、数値データの差分を算出するものとした。そして、算出した差分に対して、一階差分の算出、二乗平方根の算出の処理を経て、導出された結果を統合部230が統合するものとした。これに限らず、各判定部において最終的な判定につながった二つの数値データの間の差分を算出するものとしてもよい。たとえば、第1の判定部32においては、「運動」または「静止」のいずれかの分類結果を出力する際に、「運動」に対応づけられる数値データと、「静止」に対応づけられる数値データとを比較する。算出部220は、最終的な判定に用いられた「運動」に対応づけられる数値データと、「静止」に対応づけられる数値データと、の差分を算出する。また、たとえば、第2の判定部33で判定する複数の運動の区分のうち、特に数値データが近似する二つの区分を予め設定しておく。そして、そのいずれかの区分が第2の判定部33の判定結果となった場合には、変化点検知装置には、予め設定された二つの区分に対応する数値データのみを送信するものとしてもよい。そして、変化点検知装置では、各判定部に対応して常に二つの数値データに対して処理を実行するように構成してもよい。
なお、上記の第1の実施形態においては、逐次姿勢識別装置30の第4の判定部35による判定結果の出力ごとに、変化点検知装置10での変化点検知処理が実行されるものとした。これに限らず、逐次姿勢識別装置30の各判定部での分類処理が完了すると順次数値データが変化点検知装置10に送信されるように構成してもよい。そして、逐次姿勢識別装置30における処理の進行とは独立して変化点検知処理が実行されるように構成してもよい。
また、変化点検知装置10における変化点検知処理の結果を逐次姿勢識別装置30に送信し、逐次姿勢識別処理の結果と統合して出力できるように構成してもよい。たとえば、変化点検知装置10の通信部100を、変化点検知処理の結果が出力されるごとに、逐次姿勢識別装置30に結果を送信するよう構成してもよい。そして、逐次姿勢識別装置30は、判定結果記憶部37Bに、変化点検知処理の結果を各連続データの取得日時に対応づけて記憶するように構成してもよい。
図17は、開示の技術に係る変化点検知プログラムによる情報処理がコンピュータを用いて具体的に実現されることを示す図である。図17に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU(Central Processing Unit)1020と、ハードディスクドライブ1080と、ネットワークインタフェース1070とを有する。コンピュータ1000の各部はバス1100によって接続される。
なお、本実施形態で説明した変化点検知プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、変化点検知プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読取可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
10,10A 変化点検知装置
100,100A 通信部
200,200A 処理部
210,210A 取得部
220,220A 算出部
230,230A 統合部
240,240A 検知部
300,300A 記憶部
310 数値データ記憶部
320 変化点記憶部
20 ウェアラブル機器
21 加速度情報計測部
22 送受信部
30 逐次姿勢識別装置
31 抽出部
32 第1の判定部
33 第2の判定部
34 第3の判定部
35 第4の判定部
36 送受信部
37 記憶部
37A 数値データ記憶部
37B 判定結果記憶部
Claims (7)
- 連続データから導出される、所定時点に対応する2つ以上の数値データの大小関係に基づき当該所定時点の事象の区分を判定する複数の判定部から、前記2つ以上の数値データを取得する取得部と、
前記複数の判定部から取得される前記2つ以上の数値データ各々の差分の一階差分の二乗平方根又は絶対値を算出する算出部と、
前記算出部が算出した二乗平方根又は絶対値の平均値を、統合の結果として算出する統合部と、
前記統合の結果と所定の閾値との比較結果に基づき、前記所定時点が、前記事象に変化が生じた変化点であると検知する検知部と、
を備え、
前記検知部は、前記統合部による統合の結果が所定の閾値以上である場合に、前記所定時点を前記変化点として検知することを特徴とする変化点検知装置。 - 前記取得部は、前記複数の判定部の複数時点における判定結果各々に対応する2つ以上の数値データを取得し、当該2つ以上の数値データ各々の平均値を算出し、当該平均値を前記複数時点のうちいずれか1つの時点に対応する、前記2つ以上の数値データとして取得することを特徴とする請求項1に記載の変化点検知装置。
- 前記取得部は、所定時間ごとに数値データを取得し、
前記算出部、前記統合部および前記検知部は、前記取得部が数値データを取得するごとに処理を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の変化点検知装置。 - 前記連続データは、被検体から測定される、当該被検体の所定時間にわたる身体運動に関する加速度情報であり、前記複数の判定部は、前記連続データから導出される複数の数値データに基づき、前記被検体の姿勢および運動状態の少なくとも一方の区分を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の変化点検知装置。
- 前記複数の判定部から取得される前記2つ以上の数値データはそれぞれ、前記被検体の姿勢および運動状態のいずれかの区分に対応することを特徴とする請求項4に記載の変化点検知装置。
- 連続データから導出される、所定時点に対応する2つ以上の数値データの大小関係に基づき当該所定時点の事象の区分を判定する複数の判定部から、前記2つ以上の数値データを取得する取得工程と、
前記複数の判定部から取得される前記2つ以上の数値データ各々の差分の一階差分の二乗平方根又は絶対値を算出する算出工程と、
前記算出工程において算出された二乗平方根又は絶対値の平均値を、統合の結果として算出する統合工程と、
前記統合の結果と所定の閾値との比較結果に基づき、前記所定時点が、前記事象に変化が生じた変化点であると検知する検知工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記検知工程は、前記統合工程による統合の結果が所定の閾値以上である場合に、前記所定時点を前記変化点として検知することを特徴とする変化点検知方法。 - 連続データから導出される、所定時点に対応する2つ以上の数値データの大小関係に基づき当該所定時点の事象の区分を判定する複数の判定部から、前記2つ以上の数値データを取得する取得手順と、
前記複数の判定部から取得される前記2つ以上の数値データ各々の差分の一階差分の二乗平方根又は絶対値を算出する算出手順と、
前記算出手順において算出された二乗平方根又は絶対値の平均値を、統合の結果として算出する統合手順と、
前記統合の結果と所定の閾値との比較結果に基づき、前記所定時点が、前記事象に変化が生じた変化点であると検知する検知手順と、
をコンピュータに実行させ、
前記検知手順は、前記統合手順による統合の結果が所定の閾値以上である場合に、前記所定時点を前記変化点として検知することを特徴とする変化点検知プログラム。
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