JP6598706B2 - 津波検知装置 - Google Patents

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Description

本発明は、津波検知装置に関する。
従来の津波検知装置では、インフラサウンドの音圧変化の大きさに基づき津波発生の有無を判定している(例えば特許文献1)。
特許第5660586号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術では、津波と空気中の圧力との関連性が不明確であるため、津波を精度良く検知するのが困難である。
本発明は上記事実を考慮して、津波を精度良く検知することが可能な津波検知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、地震が発生した位置が海底下である場合に、前記地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動を検出するセンサによって検出された前記空気中の圧力変動のうち、前記水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を表す検出対象圧力変動を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された前記検出対象圧力変動に基づいて、津波を検知する検知手段と、を含む。
この発明によれば、津波を精度良く検知することができる。
請求項2記載の発明は、前記取得手段は、前記地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動の周期又は周波数を取得し、取得された前記空気中の圧力変動の周期又は周波数と予め定められた閾値とに基づいて、空気中の圧力変動の検出対象周期又は検出対象周波数を取得し、取得された前記検出対象周期又は前記検出対象周波数に基づいて、前記センサによって検出された前記空気中の圧力変動から、前記検出対象圧力変動を取得する。
この発明によれば、空気中の圧力変動の特定の周期又は周波数に基づいて、津波を精度良く検知することができる。
請求項3記載の発明は、警報手段を更に含み、前記検知手段は、前記取得手段によって取得された前記検出対象圧力変動が予め定められた値よりも大きい場合に、前記津波の規模を推定し、前記警報手段は、前記検知手段によって推定された前記津波の規模を含む津波警報を出力する。
この発明によれば、津波を精度良く検知して津波警報を出力することができる。
本発明に係る津波検知プログラムは、コンピュータに、地震が発生した位置が海底下である場合に、前記地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動を検出するセンサによって検出された前記空気中の圧力変動のうち、前記水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を表す検出対象圧力変動を取得する取得手段、及び前記取得手段によって取得された前記検出対象圧力変動に基づいて、津波を検知する検知手段として機能させるためのプログラムである。
以上説明したように、本発明によれば、津波を精度良く検知することができる、という効果を有する。
第1の実施の形態に係る津波検知装置の構成を示す概略図である。 津波によって発生する空気中の圧力変動を説明するための説明図である。 津波によって発生する空気中の圧力変動を説明するための説明図である。 北海道の十勝沖に設置された、水圧計と地震計と先端観測ステーションとの位置関係を説明するための図である。 北海道の十勝沖地震で計測された水圧計及び地震計の計測値を示す図である。 北海道の十勝沖地震で計測された水圧値をフーリエ変換した場合の結果を示す図である。 水と空気との圧力変換式に基づく理論的な考察について説明するための図である。 水と空気との連成解析に関するシミュレーションについて説明するための図である。 東北地震の際に岩手県水沢で観測された空気中の圧力変動を示す図である。 第1の実施の形態に係る津波検知装置における津波検知処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る津波検知装置の構成を示す概略図である。 平時と津波発生時とにおける検出対象周期に対応するフーリエ振幅を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例について詳細に説明する。
<第1の実施の形態の津波検知装置10>
図1には、第1の実施形態に係る津波検知装置10のブロック図を示した。図1に示すように、津波検知装置10は、センサ12、コンピュータ14、及び出力装置32を含んで構成される。
センサ12は、空気中の圧力変動を逐次検出する。センサ12は、例えば、微気圧計であり、空気中の微気圧を圧力変動として観測する。圧力変動は、圧力の振幅の時系列を表す。
コンピュータ14は、CPUと、RAMと、後述する津波検知処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。コンピュータ14は、センサ情報取得部16、地震情報取得部18、地図データベース20、発生位置特定部22、水深データベース24、検出対象周期取得部26、圧力変動取得部28、及び検知部30を備えている。検出対象周期取得部26及び圧力変動取得部28は、取得手段の一例であり、検知部30は、検知手段及び警報手段の一例である。
センサ情報取得部16は、センサ12によって検出された空気中の圧力変動を逐次取得する。
地震情報取得部18は、地震情報を取得する。例えば、地震情報取得部18は、気象庁等からの地震情報や、センサ12と共に設置される地震計(図示省略)から得られる地震情報を取得する。
地図データベース20には、海域を含む地図情報が格納されている。
発生位置特定部22は、地震情報取得部18によって取得された地震情報に基づいて、地震が発生した位置を特定する。例えば、気象庁等からの地震情報を取得した場合には、地震情報に含まれる震源地の情報に基づいて、地震が発生した位置を特定する。地震計から得られる地震情報を取得した場合には、地震情報から、震源地の位置を推定する。そして、発生位置特定部22は、地震が発生した位置と、地図データベース20に格納されている地図情報とに基づいて、地震が発生した位置が海底下であるか否かを判定する。
水深データベース24には、海域における各位置の水深が格納されている。
検出対象周期取得部26は、発生位置特定部22により地震が発生した位置が海底下であると判定された場合、地震が発生した位置(以下、地震発生位置と称する。)の水深に基づいて、空気中の圧力変動の検出対象周期を取得する。
具体的には、まず、検出対象周期取得部26は、発生位置特定部22によって特定された地震発生位置の水深を水深データベース24から取得する。なお、地域によっては、津波発生位置に応じた水深が予め想定できるため、水深データベース24に、地域毎に水深を格納しておき、地震発生位置を含む地域の水深を取得してもよい。
そして、検出対象周期取得部26は、地震発生位置の水深に基づいて、以下の式(1)に従って、地震に起因して生成される空気中の圧力変動の周期である卓越周期T(又は卓越周波数f(=1/T))を計算する。
上記式(1)において、Hは地震発生位置の水深を表し、cは水中音速を表す。また、上記式(1)の係数「4」は、水中における圧力分布のモードに応じて決まる係数である。地震発生時には水中で高圧力の水圧変動が発生し、また、卓越周期は水深の関数で概ね決定することができる。
次に、検出対象周期取得部26は、上記式(1)に従って算出された卓越周期Tと、予め定められた閾値の一例である最小周期T1とに基づいて、空気中の圧力変動の検出対象周期を取得する。最小周期T1は、センサ12の観測点周辺のノイズレベル等から観測可能な周期であり、予め設定される。
例えば、検出対象周期取得部26は、上記式(1)に従って算出された卓越周期Tと最小周期T1とに基づいて、T1〜a*Tを検出対象周期Tsの範囲として設定する。ここでaは予め設定される係数であり、例えば2が用いられる。なお、係数aは状況に応じて変更される。
圧力変動取得部28は、センサ情報取得部16によって取得された空気中の圧力変動と、検出対象周期取得部26によって取得された検出対象周期Tsの範囲とに基づいて、空気中の圧力変動のうち、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を表す検出対象圧力変動を取得する。
具体的には、圧力変動取得部28は、センサ情報取得部16によって取得された空気中の圧力変動のうち、検出対象周期Tsの範囲に対応する圧力変動を検出対象圧力変動として取得する。例えば、検出対象周期Tsの範囲に対応するフィルタを用いてフィルタリングされた時刻歴波形が、検出対象圧力変動として取得される。
ここで、津波による圧力変動の基本原理について説明する。図2に、地震によって発生した津波による圧力変動の原理を説明するための図を示す。
従来技術では、図2に示すように、空気の層で発生する長波による圧力変動を検出し、津波を検知していると考えられる。
一方、本実施の形態では、従来技術とは異なり、図3に示すように、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を検出する。水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動は、特定の周期である卓越周期を含む圧力変動である。
図3に示すように、地震による津波は、地震によって海底面が動き(図3の(1))、海水が持ち上げられることで発生する(図3の(2))。このとき、海水を持ち上げる力により水中に圧力変動が発生する(図3の(2))。水中で発生した圧力変動は海底面と水面の間を往復し、特定周期(又は特定周波数)の圧力変動が卓越すると考えられる。水中の圧力変動のうち一部は、水面にて気体の圧力変動に変換され空気中に放出される(図3の(4))。このことから、津波発生時には、地震発生位置の水深と関連付けられる特定周期の圧力変動が、水中及び空中を伝播すると考えられる。
水中での圧力変動の伝播について、図4及び図5を参照し(出典:海洋研究開発機構、リアルタイム深海底観測データwebsite,[http://www.jamstec.go.jp/scdc/top_j.html])、2003年に発生した十勝沖地震の津波発生を例に挙げ説明する。
図4に、北海道の十勝沖に設置された、水圧計と地震計と先端観測ステーションとの位置関係を示す。四角印が水圧計の位置を表し、丸印が地震計の位置を表し、星印が先端観測ステーションの位置を表す。また、図4のバツ印が、地震発生位置を表す。
図5に、上記図4のB地点及びA地点で得られた計測値を示す。図5(A)には、B地点の水圧計の計測値(上段)と、B地点の地震計の計測値(下段)とが示されている。また、図5(B)には、A地点の水圧計の計測値(上段)と、A地点の地震計の計測値(下段)とが示されている。
図5(A)及び(B)に示すように、地震発生による上下加速度(下段)に応じて、水中の圧力変動(上段)が発生していることがわかる。
次に、図6に、上記図4のA地点及びB地点で得られた水圧計の計測値を、フーリエ変換した結果を示す。
図6は、横軸に周期Period(sec)を取り、縦軸にフーリエ振幅(kPa・sec)を取ったものである。
上記図6(A)及び(B)に示すように、A地点及びB地点の水深から求められる卓越周期Tは、5.9秒である。なお、上記図6(A)に示すグラフでは、フーリエ振幅のピーク点は6.8秒の箇所であり、また、上記図6(B)に示すグラフでは、フーリエ振幅のピーク点は6.5秒の箇所である。
そのため、例えば、上述したように、計算された卓越周期Tに対し、係数aとして2を乗算し、a*Tとして5.9×2=11.8秒が算出される。そして、最小周期T1〜a*Tまでが検出対象周期Tsとして設定され、フーリエ振幅のピーク点が含まれるように検出対象周期Tsが設定される。圧力変動取得部28は、検出された空気中の圧力変動のうち、この検出対象周期Tsに対応する圧力変動を検出対象圧力変動として取得する。
なお、水中で発生した圧力変動が、空気中に放出されるかどうか、放出される場合にはどの程度の圧力変動になるかについては、水と空気との圧力変換式に基づく理論的な考察や、水と空気との連成解析に関するシミュレーションによって予め確認されている。
水と空気との圧力変換式に基づく理論的な考察としては、例えば、図7に示すように、空気の密度ρ1、空気中の音速vp1、水の密度ρ2、及び水中の音速vp2に基づいて、空気と水との間での、インピーダンス、インピーダンス比、反射率、変位・速度の透過率、及び圧力の透過率等が解析され、水中で発生した圧力変動がどのように空気中に放出されるか予め確認される。
また、水と空気との連成解析に関するシミュレーションとしては、例えば、図8に示すように、計算機シミュレーションによって、水中で発生した圧力変動がどのように空気中に放出されるか予め確認される。
次に、空気中での圧力変動の伝播について、2011年に発生した東北地震の津波発生を例に挙げ説明する。
図9に、岩手県水沢で観測された空気中の圧力変動の例を示す(出典:日本気象協会、パンフレット「微気圧計による津波監視」)。図9に示すように、津波に関連する圧力変動が明確に観測されている。図9に示す実線で囲われている部分は、津波の変位による気圧変動と考えられ、上記図2に示した原理によって発生していると考えられる。関係各機関では、津波予測手法として実線枠で囲った部分を用いた手法が提案されている。
一方、図9に示す点線で囲われた部分には、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動成分が含まれると考えられる。本実施の形態では、点線枠で囲った部分に対応する、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動に着目する。
上記の基本原理に基づき、地震発生時に特定の周期(又は周波数)の圧力変動を空気中から観測することで、単点観測で津波を検知することができる。
検知部30は、圧力変動取得部28によって取得された検出対象圧力変動に基づいて、検出対象圧力変動が予め定められた値よりも大きい場合に、津波を検知し、当該津波の規模を推定する。
本実施の形態では、予め定められた値の一例として、センサ12の観測点付近の常時の微気圧レベルを用いる。具体的には、事前に観測点での微気圧レベルを1日〜1か月程度測定する。期間は測定場所によって異なる。事前に計測された微気圧レベルを基に、全周期帯域で、平均値(x)と標準偏差(σ)を求め、観測点での常時レベルを特定する。ここで常時レベルとはx+b*σとし、bは1を基本とするが、測定場所によって変更する。また、同様に、検出対象周期取得部26で用いる最小周期T1も決定される。最小周期T1は0.5秒程度を基本とするが、測定結果によって変更する。
具体的には、まず検知部30は、圧力変動取得部28によって取得された検出対象圧力変動pから、以下の式(2)に従って、津波発生域の海底面速度vを求める。
上記式(2)におけるρは水の密度、αは水と空気の圧力変換係数、dは観測点から発生位置までの距離、f(d)は距離に応じて減衰する効果を考慮した係数である。
そして、検知部30は、算出された海底面速度vから津波の規模を推定する。
本実施の形態では、「津波発生地点での津波の高さ」と「地震のマグニチュードのような指標を表す津波全体の規模」とを津波規模として推定する。
例えば、検知部30は、海底面速度vに基づいて、以下の式(3)に従って、津波発生地点での津波の高さを算出する。なお、dtは海底面速度vが発生している時間を表し、別途求められる。
また、検知部30は、海底面速度vに基づいて、以下の式(4)に従って、地震のマグニチュードのような全体の規模(cは変位と規模の関係式)を算出する。
そして、検知部30は、推定された津波規模を含む津波警報を出力する。また、津波警報には、津波発生の有無に関する情報、又は津波の到達時刻に関する情報が含まれる。
出力装置32は、検知部30によって出力された津波警報を、例えば音信号等に変換して出力する。また、出力装置32は、津波警報を他の装置へ出力してもよい。
<第1の実施の形態の津波検知装置10の作用>
次に、津波検知装置10で実行される処理について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。津波検知装置10のセンサ12によって空気中の圧力変動が逐次検出されているときに、地震情報取得部18が地震情報を受信すると、津波検知装置10は、図10に示す津波検知処理ルーチンを実行する。
ステップS100において、地震情報取得部18は、地震情報を取得する。
ステップS102において、発生位置特定部22は、上記ステップS100で取得された地震情報に基づいて、地震発生位置を特定する。そして、発生位置特定部22は、地震発生位置と、地図データベース20に格納されている地図情報とに基づいて、地震発生位置が海底下であるか否かを判定する。地震発生位置が海底下である場合には、ステップS104へ進む。一方、地震発生位置が海底下でない場合には、津波検知処理ルーチンを終了する。
ステップS104において、検出対象周期取得部26は、上記ステップS102で特定された地震発生位置の水深を、水深データベース24から取得する。
ステップS106において、検出対象周期取得部26は、上記ステップS104で取得された水深に基づいて、上記式(1)に従って、卓越周期Tを計算する。
ステップS108において、検出対象周期取得部26は、上記ステップS106で計算された卓越周期Tと、予め設定された最小周期T1とに基づいて、空気中の圧力変動の検出対象周期Tsを設定する。
ステップS110において、センサ情報取得部16は、センサ12によって検出された空気中の圧力変動を取得する。
ステップS112において、圧力変動取得部28は、上記ステップS110で取得された空気中の圧力変動のうち、上記ステップS108で取得された検出対象周期Tsに対応する圧力変動を、検出対象圧力変動として取得する。
ステップS114において、検知部30は、上記ステップS112で取得された検出対象圧力変動が、常時の微気圧レベルよりも大きいか否かを判定する。検出対象圧力変動が常時の微気圧レベルよりも大きい場合には、検知部30は津波を検知し、ステップS118へ進む。検出対象圧力変動が常時の微気圧レベル以下の場合には、ステップS116へ進む。
ステップS116において、検知部30は、地震発生から所定時間を経過したか否かを判定する。地震発生から所定時間を経過した場合には、津波検知処理ルーチンを終了する。地震発生から所定時間を経過していない場合には、ステップS110へ戻る。
ステップS118において、検知部30は、上記ステップS112で取得された検出対象圧力変動pから、上記式(2)に従って、津波発生域の海底面速度vを算出する。
ステップS120において、検知部30は、上記ステップS118で算出された海底面速度vに基づいて、上記式(3)及び(4)に従って、津波の規模を推定する。
そして、ステップS122において、検知部30は、上記ステップS120で推定された津波の規模を含む津波警報を出力して、津波検知処理ルーチンを終了する。
検知部30によって出力された津波警報は、出力装置32により出力される。
このように、本実施形態の津波検知装置では、地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動のうち、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を表す検出対象圧力変動を取得し、検出対象圧力変動に基づいて、津波を検知することにより、津波を精度良く検知することができる。
また、空気中の圧力変動の特定の周期又は周波数に基づいて、津波を精度良く検知することができる。また、津波を精度良く検知して津波警報を出力することができる。
また、津波発生と空気中の圧力変動とのメカニズムが明確となり、津波の検知の精度が向上する。また、地震発生位置との関係から、津波発生の有無がより明確になる。
また、津波が精度良く検知されることにより、圧力変動の周期を特定しない場合に比べ、津波を早く検知することができる。
また、津波地震(例えば、地震波が弱く津波の規模が大きい地震)も検知することができる。
また、陸上かつ単点で観測するため簡便である。また、水中観測やネットワーク観測に比べ、設置費用やメンテナンス費用を抑えることができる。
<第2の実施の形態の津波検知装置210>
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、周波数変換の一例であるフーリエ変換によって、空気中の圧力変動をフーリエ変換してフーリエ振幅を取得し、フーリエ振幅と検出対象周期とに基づいて、検出対象周期に対応するフーリエ振幅を、検出対象圧力変動として取得する点が、第1の実施の形態と異なっている。
図11には、第2の実施形態に係る津波検知装置210のブロック図を示した。図11に示すように、津波検知装置210は、センサ12、コンピュータ214、及び出力装置32を含んで構成される。
コンピュータ214は、CPUと、RAMと、後述する津波検知処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。コンピュータ214は、センサ情報取得部16、地震情報取得部18、地図データベース20、発生位置特定部22、水深データベース24、検出対象周期取得部26、周波数変換部227、振幅取得部228、及び検知部230を備えている。
周波数変換部227は、センサ情報取得部16によって取得された空気中の圧力変動の時刻歴波形をフーリエ変換し、圧力変動の時刻歴波形に対応するフーリエ振幅を取得する。
振幅取得部228は、周波数変換部227によって得られたフーリエ振幅と、検出対象周期取得部26によって取得された検出対象周期Tsとに基づいて、検出対象周期Tsに対応するフーリエ振幅を、検出対象圧力変動として取得する。
図12に、検出対象周期Tsに対応するフーリエ振幅を説明するための図を示す。図12に示すグラフは、横軸が周期であり、縦軸がフーリエ振幅である。
図12に示す実線の波形は平時のフーリエ振幅を表し、破線は地震による津波が発生した場合のフーリエ振幅を表す。図12に示すように、平時と津波発生時とでは、フーリエ振幅の帯域が異なる。
そこで、第2の実施の形態の振幅取得部228は、最小周期T1〜a*Tを表す検出対象周期Tsに対応するフーリエ振幅を、検出対象圧力変動として取得する。第1の実施の形態で説明したように、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動には、最小周期T1〜a*Tの検出対象周期Tsに対応する圧力変動が含まれている。
検知部230は、振幅取得部228によって取得された検出対象圧力変動に基づいて、検出対象圧力変動が予め定められた値よりも大きい場合に、津波を検知し、当該津波の規模を推定する。なお、予め定められた値としては、センサ12の観測点付近の常時の微気圧レベルに対応する、常時のフーリエ振幅レベルが用いられる。
なお、第2の実施の形態に係る津波検知装置の他の構成及び作用については、第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る津波検知装置210によれば、周波数変換の一例であるフーリエ変換によって、空気中の圧力変動をフーリエ変換してフーリエ振幅を取得し、フーリエ振幅と検出対象周期とに基づいて、検出対象周期に対応するフーリエ振幅を検出対象圧力変動として取得し、検出対象圧力変動に基づいて津波を検知することにより、津波を精度良く検知することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、検出対象周期Tsに対応する検出対象圧力変動を取得する場合を例に説明したが、検出対象周波数fs(=1/Ts)に対応する検出対象圧力変動を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、検出対象周期取得部26は、発生位置特定部22によって特定された地震発生位置の水深を水深データベース24から取得し、水深に応じて卓越周期を計算し、卓越周期と最小周期とに基づいて検出対象周期を取得する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、海域の各位置の水深に応じて卓越周期が予め計算されており、卓越周期に応じて検出対象周期が予め設定され、海域の各位置に応じた検出対象周期がデータベースに格納されている場合、検出対象周期取得部26は、当該データベースから検出対象周期を取得するようにしてもよい。
また、上記第1の実施の形態において、圧力変動取得部28は、単に、センサ情報取得部16によって取得された空気中の圧力変動のうち、検出対象圧力変動を取得する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、上記第2の実施の形態のように、空気中の圧力変動をフーリエ変換してフーリエ振幅を取得し、フーリエ振幅と検出対象周期とに基づいて、検出対象周期に対応するフーリエ振幅を取得し、検出対象周期に対応するフーリエ振幅を逆フーリエ変換して、検出対象周期に対応する圧力変動を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態の津波検知装置は、センサ12と出力装置32とを備える場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、センサ12及び出力装置32の少なくとも一方が津波検知装置の外部装置に設けられ、津波検知装置は、外部装置と通信手段を用いて通信することにより、センサ12によって検出された空気中の圧力変動を取得し、出力装置32へ津波警報を出力するようにしてもよい。
また、本願明細書中において、プログラムが予めインストールされている実施形態として説明したが、当該プログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えばCD−ROMやメモリーカード等に格納して提供することも可能である。
10,210 津波検知装置
12 センサ
14,214 コンピュータ
16 センサ情報取得部
18 地震情報取得部
20 地図データベース
22 発生位置特定部
24 水深データベース
26 検出対象周期取得部
28 圧力変動取得部
30,230 検知部
32 出力装置
227 周波数変換部
228 振幅取得部

Claims (3)

  1. 地震が発生した位置が海底下である場合に、前記地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動を検出するセンサによって検出された前記空気中の圧力変動のうち、水中の圧力変動から発生した空気中の圧力変動を表す検出対象圧力変動を取得する取得手段と、
    前記取得手段によって取得された前記検出対象圧力変動に基づいて、津波を検知する検知手段と、
    を含む津波検知装置。
  2. 前記取得手段は、前記地震が発生した位置の水深に基づいて、空気中の圧力変動の周期又は周波数を取得し、取得された前記空気中の圧力変動の周期又は周波数と予め定められた閾値とに基づいて、空気中の圧力変動の検出対象周期又は検出対象周波数を取得し、取得された前記検出対象周期又は前記検出対象周波数に基づいて、前記センサによって検出された前記空気中の圧力変動から、前記検出対象圧力変動を取得する
    請求項1に記載の津波検知装置。
  3. 警報手段を更に含み、
    前記検知手段は、前記取得手段によって取得された前記検出対象圧力変動が予め定められた値よりも大きい場合に、前記津波の規模を推定し、
    前記警報手段は、前記検知手段によって推定された前記津波の規模を含む津波警報を出力する
    請求項1又は請求項2に記載の津波検知装置。
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