JP6598647B2 - ケーブル保持部材 - Google Patents

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本発明は、ラック内に収納された通信機器等の機器ユニットから引き出された多数本のケーブルを保持するためにラック内に配置されるケーブル保持部材に関するものである。
ラック内に収納された通信機器等の機器ユニットからは多数本のケーブルが引き出されているが、配線作業やメンテナンス作業等の点から、これらのケーブルを整然と配線することが必要である。このため本件出願人は、特許文献1に示すような複数個のケーブル挿通孔部を形成したケーブル保持部材を先に提案し既に実用化している。
しかしながら、特許文献1に示すケーブル保持部材の場合は、保持部材本体をラック内のフレームやマウントレールに固定して使用する構造のため、ケーブル保持部材の取り付け箇所は限られていた。このため、引き出されるケーブルの本数が多くてケーブル保持部材を増設したい場合でも、同一場所に増設することができず、ケーブルを整然と配線することが難しい場合があった。
更には、特許文献1に示すケーブル保持部材では、例えばケーブルの配線処理量が増加して更にケーブルを増設する必要が生じたという理由や、ケーブルの系統分けを行いたい等の理由によりケーブル保持部材の増設が後から生じた場合には、対応することができないという問題があった。
特許第4007772号公報
本発明は上記のような問題点を解決して、ケーブルを整然と配線することができ、また事後的な増設需要にも簡単に対応することができるケーブル保持部材を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明のケーブル保持部材は、ラック内に配線されるケーブルを纏めて保持するケーブル保持部材であって、
保持部材本体はケーブルを保持する一対の腕部を備えており、
この腕部の先端部には他のケーブル保持部材の基部に設けられた被係合部と係合して連結可能な係合部を形成したケーブル保持部材において、
前記腕部は先端に壁面を立設した断面略L字状に形成されており、前記壁面の前面に係合部が突出して形成されていることを特徴とするものである。
その他の好ましい実施形態によれば、前記係合部には、腕部間を覆うカバーを取り付け可能としたものが好ましい。
また、その他の好ましい実施形態によれば、前記係合部は、その先端に内側に延びる係止辺部を形成しているものが好ましい。
更に、その他の好ましい実施形態によれば、前記基部は、その外側端部とケーブルを保持する空間に至るまでの間に空間を備えており、その空間内に被係合部が形成されているものが好ましい。
本発明のケーブル保持部材では、保持部材本体はケーブルを保持する一対の腕部を備えており、この腕部の先端部には他のケーブル保持部材の基部に設けられた被係合部と係合して連結可能な係合部を形成したので、配線量に応じてケーブル保持部材の増設を簡単に行うことができる。
更に、前記腕部は先端に壁面を立設した断面略L字状に形成され、前記壁面の前面に係合部が突出して形成されているので、ケーブルを保持する空間の外部で連結可能となり、連結時にケーブルを損傷するのを防止することができる。
また、前記係合部には、腕部間を覆うカバーを取り付け可能とした場合は、同一の係合部を利用してケーブル保持部材の増設をするか、カバーの取り付けをするかの選択をすることができる。
また、前記係合部は、その先端に内側に延びる係止辺部を形成しているものでは、カバーの取付孔を前記係止辺部に係合させて保持することで、カバーを取り外すことなくケーブルの配線作業を行うことができる。
また、前記基部は、その外側端部とケーブルを保持する空間に至るまでの間に空間を備えており、その空間内に被係合部が形成されている場合は、ケーブルを保持する空間の外部で連結できるため、連結時にケーブルが損傷するのを防止することができる。
本発明の実施の形態を示す斜視図である。 図1とは反対方向から見た斜視図である。 本発明のケーブル保持部材を2個連結した状態を示す平面図である。 本発明のケーブル保持部材の係合部と被係合部を示す拡大断面図である。 図4における係合部と被係合部の連結した状態を示す拡大断面図である。 本発明のケーブル保持部材をパネルに対して並列に複数個連結した状態を示す斜視図である。 図6においてカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。 図7のカバーを下方側へ回転させた状態を示す斜視図である。 本発明のケーブル保持部材をマウントフレームに取り付けた状態を示す全体正面図である。 図9の要部を示す拡大正面図である。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
本発明のケーブル保持部材は、ラック内に収納された通信機器等の機器ユニットから引き出された多数本のケーブルを纏めるために用いるものである。図9は、一例として、ラック20のマウントフレーム21にスプライスユニット22を取り付けた場合を示しており、スプライスユニット22の前面から引き出された出た複数本のケーブル23を複数個のケーブル保持部材を用いて纏める構造となっている。なお、前記ケーブル23は光ケーブルである。
図10に示されるように、前記スプライスユニット22の上下方向に隣接してパネル24がマウントフレーム21に取り付けられている。そして、このパネル24にはケーブル23を纏めるのに必要な個数だけケーブル保持部材が取り付けられている。図10では、ケーブル保持部材はスプライスユニット22の前面に平行して水平方向に所定間隔を隔てて複数個並べてあるが、その他、スプライスユニット22の前面に突出する方向にケーブル保持部材同士を直列に連結することもできる。なお図中、1は保持部材本体、30はケーブル保持部材の端部を覆うカバーである。
図1、図2に示すように、前記保持部材本体1はケーブル23を保持するための上下一対の腕部3、3を備えている。この腕部3は、保持部材本体1の基部2の上下端部からそれぞれ水平方向に突出するよう形成されており、保持部材本体1は断面コ字状となっている。また、この腕部3の先端部には係合部5が突出して形成されている。この係合部5は、他のケーブル保持部材の基部2に設けられた被係合部6と係合して、ケーブル保持部材を腕部の長手方向に連結可能にするものである。
なお、図示のものでは、前記腕部3は先端に壁面4を立設した断面略L字状に形成されたものとなっており、この壁面4の前面(基部と反対に向かう方向の面)に係合部5が突出形成された構造となっている。
一方、前記基部2には、保持部材本体1をネジ孔を有する平板状の部材に取り付けるためのネジ固定部7が上下両端、及び中心部に形成されており、また上方部及び下方部には前記係合部5を挿入するための孔状の被係合部6が形成されている。そして、前記係合部5を孔状の被係合部6に挿入することで、他のケーブル保持部材を腕部の長手方向に簡単かつ確実に連結できる構造となっている。
図示のものでは、被係合部6に傾斜部6aが形成されており、係止辺部5aをスライド移動させると撓み変形して傾斜面6aを乗り超え、乗り超えた後は撓みの反動で係止辺部5aが傾斜面6aの裏側に落とし込まれて係合することで、係合部5が被係合部6から抜けるのを防止する構造となっている(図5を参照)。なお、基部2は、その外側端部10とケーブルを保持する空間に至るまでの間に空間を備えており、その空間内に被係合部が形成されている。そのため、ケーブルを保持する空間の外部で他のケーブル保持部材を連結できるため、連結時にケーブルが損傷するのを防止することができる。
また、前記基部2には凹部8aが形成され、一方、壁面4の前面には凸部8bが形成されており、他のケーブル保持部材を連結した場合に、前記凹部8aと凸部8bが係合してガタツキの発生を防止する構造となっている。
図3に本発明のケーブル保持部材を2個連結した状態を示す。また、図4に連結前の係合部と被係合部の拡大断面図、図5に連結した状態の拡大断面図を示す。
ケーブル保持部材を腕部の長手方向に連結する場合は、一方のケーブル保持部材の係合部5を他方のケーブル保持部材の被係合部6に位置合わせして挿入するのみで、他のケーブル保持部材を腕部の長手方向に簡単かつ確実に連結することができる。従って、ケーブルの配線処理量が増加して更にケーブルを増設する必要が生じたという理由や、ケーブルの系統分けを行いたい等の理由によりケーブル保持部材の増設が必要となった場合も、即座に対応できることとなる。また、逆に増設が不要となった場合は簡単に取り外すことが可能である。
図6〜図8は、その他の実施の形態を示す。この場合は、前記係合部5に腕部3、3間を覆うカバー30を取り付け可能な構造とした例である。
図6においては、パネル24にケーブル保持部材が水平方向に所定間隔を隔てて必要個数だけ取り付けられている。保持部材本体1の構造は前述したとおりであり、前記基部2をスライド移動させることによりパネル24に取り付けてある。この際、腕部3の先端の壁面4にカバー30を取り付けて使用に供する場合がある。そのため、カバー30には前記係合部5に係合可能な上側の取付孔31と下側の取付孔32が設けられている。
なお、前記基部2のスライド移動によるパネル24への取り付けについて簡単に説明すると、基部2の裏面側(腕部が延説されるのとは逆の方向)には固定部9が膨出成形されているとともに、この固定部9の側部には溝部9aが形成されており(図2を参照)、前記固定部9をパネル24の穴部(図示せず)に挿入した後、基部2を下方へスライド移動すると穴部に設けてある幅狭の部分が前記溝部9aに係合して取付固定される構造となっている。その他の取付構造が採用できることは勿論である。
図7に示されるように、上側の取付孔31を上側の腕部3の係合部5に係合させ、またカバー30の下端と下側の腕部3の係合部5とを係止させることによりカバー30を固定させ、ケーブル保持部材がカバー30で確実に覆われるようにできる。
また、ケーブル保持部材に対して配線作業が生じた場合には、図8に示されるように、カバー30の下端を中心にしてカバー30を下側へ向けて反転させればよい。この結果、上側の取付孔31と上側の腕部3の係合部5の係合は解かれ、一方、下側の取付孔32と下側の腕部3の係合部5だけが係合状態になり、カバー30は下側の腕部3にぶら下がることとなる。
この状態では、ケーブル23が露出状態となるため配線作業を簡単に行うことができる。また、カバー30を取り外す手間もなく、また紛失のおそれもないので効率よく作業を行えることとなる。なお、作業終了後はカバー30上側へ向けて反転し元の位置へ戻せばよい。
なお、前記係合部5は腕部3から突出して形成されており、少なくとも一方の係合部5の先端には内側(対向する上下腕部の中心側)に延びる係止辺部5aが形成されているのが好ましい。この係止辺部5aにより、カバー30下側へ向けて反転した場合に、下側の取付孔32と下側の腕部3の係合部5の係合状態が確実に保持されてカバー30の脱落を防止することができる。さらに、係止辺部5aが被係合部6に係止されることにより、係合部5の被係合部6からの抜け防止となる。
なお、上記の実施形態においては、腕部3の先端に壁面4を形成し、この壁面4の前面に係合部5を突出形成した構造について説明したが、壁面4がなく係止辺部5aを腕部3の先端から内側に延びるように形成した構造とすることもできる。
以上の説明からも明らかなように、本発明のケーブル保持部材では、保持部材本体はケーブルを保持する上下一対の腕部を備えており、この腕部の先端部には他のケーブル保持部材の基部に設けられた被係合部と係合して連結可能な係合部を形成したので、配線量に応じてケーブル保持部材の増設を簡単に行うことができることとなる。また、同一の係合部を利用してケーブル保持部材の増設をするか、カバーの取り付けをするかの選択をすることも可能で便利である。更には、係合部の先端には内側に延びる係止辺部を形成した場合は、カバーの開閉作業を簡単に行うことができる等、種々の利点を有する。
1 保持部材本体
2 基部
3 腕部
4 壁面
5 係合部
5a 係止辺部
6 被係合部
6a 傾斜部
7 ネジ固定部
8a 凹部
8b 凸部
9 固定部
9a 溝部
10 外側端部
20 システムラック
21 マウントフレーム
22 スプライスユニット
23 ケーブル
24 パネル
30 カバー
31 上側の取付孔
32 下側の取付孔

Claims (4)

  1. ラック内に配線されるケーブルを纏めて保持するケーブル保持部材であって、
    保持部材本体はケーブルを保持する一対の腕部を備えており、
    この腕部の先端部には他のケーブル保持部材の基部に設けられた被係合部と係合して連結可能な係合部を形成したケーブル保持部材において、
    前記腕部は先端に壁面を立設した断面略L字状に形成されており、前記壁面の前面に係合部が突出して形成されていることを特徴とするケーブル保持部材。
  2. 係合部には、腕部間を覆うカバーを取り付け可能とした請求項1に記載のケーブル保持部材。
  3. 係合部は、その先端に内側に延びる係止辺部を形成している請求項2に記載のケーブル保持部材。
  4. 基部は、その外側端部とケーブルを保持する空間に至るまでの間に空間を備えており、
    その空間内に被係合部が形成されている請求項1〜3のいずれかに記載のケーブル保持部材。
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