図1乃至5において、東西方向が図1乃至5の紙面の表裏の方向であり、南北方向が図1乃至5の紙面に平行な方向であり、栽培ユニット2A及び2Bの複数列の数は2列に限定されるものではく3列以上でも適用可能である。
図1を用いて発明を実施するための形態1に係る栽培装置について説明する。図1に示した栽培装置は、栽培ハウス1と栽培ユニット2A及び2Bとから構成される。栽培ハウス1は、栽培空間3をガラスやビニール等の採光可能な部材で覆い、栽培空間3に対する暖房装置や換気装置を施した、温室になっている。
栽培ユニット2Aが栽培ユニット2Bよりも南側に位置するように栽培ハウス1の内部における栽培空間3に設置され、複数個の支柱2A1と北側棚2A2と南側棚2A3とを備える。複数個の支柱2A1は、東西方向に対峙し、上下方向に寸胴形状に延びた、内部を上下方向に肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒で構成される。
栽培ユニット2Bが栽培ユニット2Aよりも北側に位置するように栽培ハウス1の内部における栽培空間3に設置され、複数個の支柱2B1と北側棚2B2と南側棚2B3とを備える。複数個の支柱2B1は、東西方向に対峙し、上下方向に寸胴形状に延びた、内部を上下方向に肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成される。
支柱2A1及び2B1の下端部が栽培ハウス1を設置した地面等の低圃場面4に固定され、支柱2A1及び2B1の上端部が下端部から真上にまっすぐ延びたように、支柱2A1及び2B1は低圃場面4に設置される。支柱2A1及び2B1の低圃場面4からの高さは同じでも違っても良い。
栽培ユニット2Aにおいて、北側棚2A2は南側棚2A3よりも上方で複数個の支柱2A1から北側に栽培容器5A1を置けるように突出し最上段の棚として構成されており、南側棚2A3は北側棚2A2よりも下方で複数個の支柱2A1から南側に栽培容器5A2を置けるように突出した構成である。栽培ユニット2Bにおいて、北側棚2B2は南側棚2B3よりも上方で複数個の支柱2B1から北側に栽培容器5B1を置けるように突出し最上段の棚として構成されており、南側棚2B3は北側棚2B2よりも下方で複数個の支柱2B1から南側に栽培容器5B2を置けるように突出した構成である。北側棚2A2及びは2B2の低圃場面4からの高さは同じでも違っても良く、南側棚2A3及び南側棚2B3の低圃場面4からの高さは同じでも違っても良い。但し、南側棚2A3の低圃場面4からの高さは、北側棚2B2の低圃場面4からの高さよりも低い。又、南側棚2B3の低圃場面4からの高さは、北側棚2A2の低圃場面4からの高さよりも低い。
図1に示した栽培装置は、支柱2A1及び2B1が上下方向に寸胴形状に延び、最上段の棚としての北側棚2A2及び2B2が支柱2A1及び2B1から北側に栽培容器を置けるように突出し、南側棚2A3及び2B3が北側棚2A2及び2B2よりも下方で支柱2A1及び2B1から南側に栽培容器を置けるように突出した構成になっているので、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が北側棚2A2及び2B2に置かれた栽培容器5A1及び5B1並びに栽培容器5A1と5B1とで栽培された植物及び南側棚2A3及び2B3に置かれた栽培容器5A2と5B2並びに栽培容器5A2と5B2とで栽培された植物にまんべんなく当たり、植物が良好に栽培される。
栽培ユニット2A及び2Bが栽培空間3に設置される場合、栽培ユニット2A及び2Bがそれらの間に南北方向の間隔を有して並列に設置される。前記南北方向の間隔は、栽培ユニット2A及び2Bの間に作業通路を形成し、かつ、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1と5A2と5B1及び5B2並びに栽培容器5A1と5A2と5B1と5B2とで栽培される植物に当たるように設定される。
又、栽培ハウス1の南側と栽培ユニット2Aとの間には栽培容器5A2で栽培された植物への作業通路が確保され、栽培ハウス1の北側と栽培ユニット2Bとの間には栽培容器5B1で栽培された植物への作業通路が確保される。
以上のように栽培ユニット2A及び2Bが栽培空間3に設置されることによって、栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1と5A2と5B1と5B2とで栽培される植物にまんべんなく当たり、植物を良好に栽培することができる。
そして、栽培ハウス1の南側と栽培ユニット2Aとの間における作業通路では作業者が仮想線で示した垂線7Aの位置で作業を行い、栽培ユニット2Aと栽培ユニット2Bとの間における作業通路では作業者が仮想線で示した垂線7Bの位置で作業を行い、栽培ハウス1の北側と栽培ユニット2Aとの間における作業通路では作業者が仮想線で示した垂線7Cの位置で作業を行うことによって、全ての栽培容器5A1と5A2と5B1と5B2とが作業者に近いので、作業がやり易くなる。換言すると、東西方向に対峙する複数個の支柱2A1と2B1とが寸胴形状になっていることから、作業者が北側棚2A2と2B2及び南側棚2A3と2B3のそれぞれに置かれた栽培容器5A1と5A2と5B1と5B2とで栽培された植物に対する作業を北側棚2A2と2B2及び南側棚2A3と2B3のそれぞれに向き合った位置で行うことによって、全ての栽培容器5A1と5A2と5B1と5B2とが作業者に近くなり、作業がやり易くなる。又、栽培容器5B2の作業時においては、北側棚2A2の真下の部分に空間が存在するため作業がしやすく、栽培容器5A1の作業時においては、栽培容器5B2の真上の部分に空間が存在するため作業がしやすい。
図2を用いて発明を実施するための形態2に係る栽培装置について説明する。図2に示した栽培装置では、栽培ユニット2Aが最上段の北側棚2A2と上段の南側棚2A3と下段の南側棚2A4とを備え、栽培ユニット2Bが最上段の北側棚2B2と上段の南側棚2B3と下段の南側棚2B4とを備える。換言すると、図2に示した栽培ユニット2Aが図1に示した栽培ユニット2Aに南側棚2A4を付加した構造であり、図2に示した栽培ユニット2Bが図1に示した栽培ユニット2Bに南側棚2B4を付加した構造であり、南側棚2A4が南側棚2A3の真下で東西方向に対峙する複数個の支柱2A1から南側に栽培容器5A3を置けるように突出した構成であり、南側棚2B4が南側棚2B3の真下で東西方向に対峙する複数個の支柱2B1から南側に栽培容器5B3を置けるように突出した構成である。
そして、栽培ユニット2A及び2Bがそれらの間に作業通路並びに栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A3及び5B1乃至5B3並びに栽培容器5A1乃至5A3及び5B1乃至5B3で栽培される植物に当たるような南北方向の間隔を有して並列に設置されることによって、栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A3及び5B1乃至5B3で栽培される植物にまんべんなく当たり、植物を良好に栽培することができる。つまり、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が栽培ハウス1における全ての栽培容器5A1乃至5A3及び5B1乃至5B3で栽培される植物にまんべんなく当たり、図1に示した栽培装置よりも栽培ハウス1での植物の栽培する量を多くすることができる。
又、垂線7Aの位置で作業者が栽培容器5A2と5A3とで栽培された植物に対する作業を行い、垂線7Bの位置で作業者が栽培容器5A1と栽培容器5B2と5B3とで栽培された植物に対する作業を行い、垂線7Cの位置で作業者が栽培容器5B1で栽培された植物に対する作業を行うことができ、全ての栽培容器5A1乃至5A3及び5B1乃至5B3が作業者に近いので、作業がやり易くなる。又、栽培容器5B2及び5B3の作業時においては、北側棚2A2の真下の部分に空間が存在するため作業がしやすく、栽培容器5A1の作業時においては、栽培容器5B2の真上の部分に空間が存在するため作業がしやすい。
図3を用いて発明を実施するための形態3に係る栽培装置について説明する。図3に示した栽培装置では、栽培ユニット2Aが最上段の北側棚2A2と上段の南側棚2A3と下段の南側棚2A4と下段の北側棚2A5とを備え、栽培ユニット2Bが最上段の北側棚2B2と上段の南側棚2B3及び下段の南側棚2B4と反射板8とを備える。
換言すると、図3に示した栽培ユニット2Aが図2に示した栽培ユニット2Aに北側棚2A5を付加した構造であり、図2に示した栽培ユニット2Bが図2に示した栽培ユニット2Bに反射板8を付加した構造であり、北側棚2A5が最上段の北側棚2A2の真下で上段の南側棚2A3と下段の南側棚2A4との間に位置するように東西方向に対峙する複数個の支柱2A1から北側に栽培容器5A4を置けるように突出した構成であり、反射板8が上段の南側棚2B3及び栽培容器5B2の一方又は両方に設けられて栽培容器5A4で栽培される植物に栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6の反射光6Aを当てる構成である。この構成によって、栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B3とで栽培される植物にまんべんなく当たり、それらの植物を良好に栽培することができる。つまり、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が栽培ハウス1における全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B3とで栽培される植物にまんべんなく当たり、図2に示した栽培装置よりも栽培ハウス1での植物の栽培する量を多くすることができる。
又、垂線7Aの位置で作業者が栽培容器5A2と5A3とで栽培された植物に対する作業を行い、垂線7Bの位置で作業者が栽培容器5A1と5A4及び栽培容器5B2と5B3とで栽培された植物に対する作業を行い、垂線7Cの位置で作業者が栽培容器5B1で栽培された植物に対する作業を行うことができ、全ての栽培容器5A1乃至5A4及び5B1乃至5B3が作業者に近いので、作業がやり易くなる。又、栽培容器5B2と5B3の作業時においては、北側棚2A2の真下の部分及び北側棚2A5の真下の部分に空間が存在するため作業がしやすい。栽培容器5A4の作業時においては、南側棚2B3の真下に空間が存在するため作業がしやすい。さらに、栽培容器5A1の作業時においては、栽培容器5B2の真上の部分に空間が存在するため作業がしやすい。
尚、図示はしないが、栽培ユニット2Bは、栽培ユニット2Aと同じ構造でもよい。言い換えれば、最上段の北側棚2B2の真下で上段の南側棚2B3と下段の南側棚2B4との間に位置するように東西方向に対峙する複数個の支柱2B1から北側に栽培容器を置けるように突出した図示しない北側棚を設けても良い。その場合、最上段の北側棚2B2の真下の図示しない北側棚の栽培容器に植えられた植物に光が当たるように、栽培ハウス1の栽培領域3の北側に反射板が設置される。
図4を用いて発明を実施するための形態4に係る栽培装置について説明する。図4に示した栽培装置では、栽培ユニット2Aが最上段の北側棚2A2と下段の北側棚2A5と上段の南側棚2A3と下段の南側棚2A4とを備え、栽培ユニット2Bが最上段の北側棚2B2と下段の北側棚2B5と上段の南側棚2B3と下段の南側棚2B4と反射板8とを備え、栽培ユニット2Bの北側における栽培領域3に栽培ユニット2Cを備え、栽培ユニット2Cが東西方向に対峙する複数個の支柱2C1と上段の南側棚2C2と下段の南側棚2C3と反射板8Aとを備える。支柱2A1と2B1と支柱2C1との低圃場面4からの高さは同じでも違っても良い。
図4に示した栽培ユニット2Cが図3に示した栽培ユニット2A及び2Bよりも北側に設置された構造であり、栽培ユニット2Cにおける複数個の支柱2C1が東西方向に対峙し上下方向に寸胴形状に延びた内部を上下方向に肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成され、支柱2C1の下端部が栽培ハウス1を設置した低圃場面4に固定され、支柱2C1の上端部が下端部から真上にまっすぐ延びたように、支柱2C1が低圃場面4に設置され、南側棚2C2は北側棚2B2と2B5との間に位置するように複数個の支柱2C1から南側に栽培容器5C1を置けるように突出した構成であり、南側棚2C3は南側棚2C2の真下で北側棚2B5よりも下方に位置するように複数個の支柱2C1から南側に栽培容器5C2を置けるように突出した構成であり、反射板8Aが上段の南側棚2C2及び栽培容器5C1の一方又は両方に設けられて栽培ユニット2Bの北側棚2B5に置かれた栽培容器5B4で栽培される植物に栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6の反射光6Bを当てる構成である。
そして、複数列の栽培ユニット2Aと2B及び2Cがそれらの間に作業通路並びに栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2並びに当該栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2とで栽培される植物に当たるような南北方向の間隔を有して並列に設置されることによって、栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2とで栽培される植物にまんべんなく当たり、植物を良好に栽培することができる。つまり、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が栽培ハウス1における全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2とで栽培される植物にまんべんなく当たり、図3に示した栽培装置よりも栽培ハウス1での植物の栽培する量を多くすることができる。
又、栽培ユニット2Bと2Cとの間における作業通路では作業者が仮想線で示した垂線7Cの位置で作業を行う。つまり、垂線7Cの位置における作業者は栽培容器5B1と5B4と5C1と5C2とで栽培された植物に対する作業を行うことができ、栽培容器5B1と5B4と5C1と5C2とが作業者に近いので、作業がやり易くなる。又、栽培容器5B2と5B3と5C1と5C2の作業時においては、北側棚2A2と2A5と2B2と2B5との真下の部分に空間が存在するため作業がしやすい。さらに、栽培容器5A4と5B4の作業時においては、南側棚2B3と2C2の真下の部分に空間が存在するため作業がしやすい。さらに、栽培容器5A1と5B1の作業時においては、栽培容器5B2と5C1の真上の部分に空間が存在するため作業がしやすい。
図5を用いて発明を実施するための形態5に係る栽培装置について説明する。図5に示した栽培装置では、栽培ユニット2Aが複数個の支柱2A1と最上段の北側棚2A2と下段の北側棚2A5と上段の南側棚2A3と下段の南側棚2A4とを備え、栽培ユニット2Bが複数個の支柱2B1と最上段の北側棚2B2と下段の北側棚2B5と上段の南側棚2B3と下段の南側棚2B4と反射板8及び8Bとを備え、栽培ユニット2Cが複数個の支柱2C1と上段の南側棚2C2と下段の南側棚2C3と反射板8A及び8Cを備える。
図5に示した反射板8Bが栽培ユニット2Bの下段の北側棚2B5及び栽培容器5B4の一方又は両方に設けられて栽培ユニット2Bの南側棚2B4に置かれた栽培容器5B3で栽培される植物に栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6の反射光6Cを当てる構成であり、反射板8Cが栽培ユニット2Cの支柱2C1に設けられて南側棚2C3に置かれた栽培容器5C2で栽培される植物に栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6の反射光6Dを当てる構成であり、栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6が全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2とで栽培される植物にまんべんなく当たり、植物を良好に栽培することができる。つまり、栽培ハウス1の外部から内部に採光された日光6が栽培ハウス1における全ての栽培容器5A1乃至5A4と5B1乃至5B4と5C1と5C2とで栽培される植物にまんべんなく当たり、図3に示した栽培装置よりも栽培ハウス1での植物の栽培する量を多くすることができる。
尚、図1乃至5において、図示のされていない反射板を栽培ハウス1の栽培領域3の北側に設置し、当該図示のされていない反射板で栽培ハウス1の南側の外部から内部に採光された日光6を栽培領域3の南側に反射して、最も北側に設置された栽培ユニットの植栽容器に植えられた植物に反射光が当たるようにしてもよい。例えば、栽培空間3を覆う北側部分の採光可能なガラスやビニール等の部材に反射シートを設置することも可能である。
図3乃至5において、反射板8が上段の南側棚2B3及び栽培容器5B2の一方又は両方の南側に設けられた構成、反射板8Aが上段の南側棚2C2及び栽培容器5C1の一方又は両方の南側に設けられた構成並びに反射板8Bが下段の北側棚2B5及び栽培容器5B4の一方又は両方の南側に設けられた構成を例示したが、図1乃至5において、栽培ユニット2Aと2Bと2Cのすべての棚及び栽培容器の一方又は両方の南側に反射板が設けられてもよい。さらに、栽培ユニット2Aと2Bと2Cのすべての棚及び栽培容器の一方又は両方の北側に反射板が設けられてもよい。
図6を用いて発明を実施するための形態6に係る栽培装置について説明する。図6に示した栽培装置では、栽培ハウス1の内部における低圃場面4が栽培ハウス1の周囲の側における高圃場面63よりも低く設定され補強部材61が栽培ハウス1より外側で栽培ハウス1を囲むように設けられ、保温部材62が栽培ハウス1の内側で栽培ハウス1を囲むよう設けられている。例えば、低圃場面4が掘り下げられるか、又は、高圃場面63が盛土されることにより、低上面4が高圃場面63よりも低く設定される。そして、補強部材61が栽培ハウス1を外側から補強することができる。又、低圃場面4と保温部材62とにより栽培空間3の温度管理がしやすくなり、特に、6月から8月の日照時間が長くかつ気温の高くなる夏場において、北側棚2A2及び2B2よりも低く外側地面63の高さに近い南側棚2A3及び2B3は、温度上昇を抑えることができる。又、保温部材62の下端部分が掘り下げられた低圃場面4よりも深く埋められていることから、雨が降った場合であっても、栽培空間3に水が浸入することを防止できる。
補強部材61の下端部は外側地面63に埋められ、補強部材61の上端部は外側地面63よりも上に突出している。
保温部材62の下端部分は高圃場面63の栽培ハウス1より内側に位置する部分から低圃場面4よりも深い位置まで埋められ、保温部材62上端部分は高圃場面63よりも上に突出している。保温部材62は発泡樹脂製の板状部材が使用可能である。
図6では、栽培ユニット2A及び2Bを例示したが、図2乃至4に示す栽培ユニット2A、2B又は図5示す栽培ユニット2A、2Bを設置しても良い。
図7及び8を用いて発明を実施するための形態7に係る栽培ユニット2について説明する。図7において、栽培ユニット2は図1乃至5の栽培ユニット2Aと2Bと2Cとに相当し、支柱21は図1乃至5の支柱2A1と2B1と2C1とに相当し、北側棚22は図1乃至5の北側棚2A2と2A5と2B2と2B5とに相当し、南側棚23は図1乃至5の南側棚2A3と2A4と2B3と2B4と2C2と2C3とに相当し、北側の栽培容器51は図1乃至5の栽培容器5A1と5A4と5B1と5B4とに相当し、南側の栽培容器52は5A2と5A3と5B2と5B3と5C1と5C2とに相当する。
北側棚22は、東西方向に対峙する複数本の東西側腕部221と南北方向に対峙する複数本の南北側腕部222とで上下方向に貫通する空間部53を囲む方形な枠になっているので、北側棚22が板状の棚で構成された場合に比べ軽量になる。東西側腕部221は、東西方向に対峙する複数個の支柱21から南側に突出するように図示のされていない固定具で結合された、内部を肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成される。南北側腕部222は、東西方向に対峙する複数本の東西側腕部221の上に載るように東西側腕部221に図示のされていない固定具で結合された、内部を肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成される。
栽培容器51は、合成樹脂製の四角いプランター又は発泡合成樹脂製の四角い上方に開口したトロ箱と呼ばれる箱の中に培養土を入れて植物を栽培する構成であり、単数に限定されるものではなく、複数個を東西方向に並べた態様でも良い。
南側棚23は、東西方向に対峙する複数本の東西側腕部231と南北方向に対峙する複数本の南北側腕部232とで上下方向に貫通する空間部54を囲む方形な枠になっているので、南側棚23が板状の棚で構成された場合に比べ軽量になる。東西側腕部231は、東西方向に対峙する複数個の支柱21から南側に突出するように図示のされていない固定具で結合された、内部を肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成される。南北側腕部232は、東西方向に対峙する複数本の東西側腕部231の上に載るように東西側腕部231に図示のされていない固定具で結合された、内部を肉抜きされた中空な部材である管又は内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成される。
栽培容器52は、合成樹脂製の四角いプランター又は発泡合成樹脂製の四角い上方に開口したトロ箱と呼ばれる箱の中に培養土を入れて植物を栽培する構成であり、単数に限定されるものではなく、複数個を東西方向に並べた態様でも良い。
図8において、北側棚22では、東西側腕部221と支柱21の低圃場面4の側との成す角度θ1は鈍角であり、東西側腕部221が北側の先端部から支柱21の側に行くに従って徐々に下り勾配になっており、南北側腕部222の外形は角形になっており、栽培容器51の底部が南北側腕部222の上に接触するように搭載されることで栽培容器51の北側棚22からの落下防止が図られている。尚、南側の南北側腕部222よりも北側の南北側腕部222を太くして支柱21の側に徐々に下り勾配となるようにしてもよい。南側棚23では、東西側腕部231と支柱21の低圃場面4の側との成す角度θ2は鈍角であり、東西側腕部231が南側の先端部から支柱21の側に行くに従って徐々に下り勾配になっており、南北側腕部232の外形は角形になっており、栽培容器52の底部が南北側腕部232の上に接触するように搭載されることで栽培容器52の南側棚23からの落下防止が図られている。尚、北側の南北側腕部232よりも南側の南北側腕部232を太くして支柱21の側に徐々に下り勾配となるようにしてもよい。
南側棚23が最下段に設けられた場合、栽培容器52の底部に設けられた図示のされていない排水孔から水や肥料等の排水を受ける排水受け233が南北方向に対峙する南北側腕部232に仮想線で示したような弧状に掛け渡された可撓性を有する合成樹脂シートにより構成されており、排水受け233が栽培容器52から受けた排水の重量によって実線で示したようにV字形に変形して仮想線で示したような弧状よりも下方に垂れ下がるが、最下段の南側棚23であることから、実線で示した下方に垂れ下がった排水受け233が栽培容器52の周囲に対する日当たりを阻害しないようになる。
これに対し、最下段の南側棚23よりも上方に位置する北側棚22では栽培容器51の底部に設けられた図示のされていない排水孔から水や肥料等の排水を受ける排水受け223が東西側腕部221及び南北側腕部222の一方又は両方に取り付けられた実線で示したような半円状の形状保持性の有る合成樹脂樋により構成されているので、排水受け223が栽培容器52から受けた排水の重量によって変形しないで半円状の形を確保して周囲に対する日当たりを阻害しないようになる。
尚、図示のされていない北側棚又は南側棚が最上段の北側棚22と最下段の南側棚23との中間位置に存在する場合、最上段の北側棚22と最下段の南側棚23との中間位置に存在する図示のされていない北側棚又は南側棚にも排水受け223に相当する図示にされていない排水受けを用いることによって周囲に対する日当たりを阻害しないようになる。
その他、最下段の南側棚23以外の棚の排水受け223に代えて、最下段の南側棚23の排水受け233のように、可撓性を有する合成樹脂シートにより排水受けを設けても良い。排水受けを使用しない時は、南北側腕部222及び232の作業通路側又は支柱21の側に固定された合成樹脂シートを取外して支柱21の側又は作業通路側にまとめて固定することにより、光を阻害しないようにすることができる。尚、光透過性と可撓性とを有する合成樹脂シートを用いて、周囲に対する日当たりを阻害しないようにすることも可能である。
尚、複数個、北側棚22及び南側棚23に、栽培容器51;52を東西方向に誘導する図示のされていない複数のローラーが設けられていれば、栽培容器51;52を東西に移動する場合にローラーが回転し、栽培容器51;52の移動が簡単になる。この場合、ローラーが北側棚22及び南側棚23に着脱可能に設けられれば、当該ローラーが北側棚22及び南側棚23から取り外されることで、日光6を通過させる空間部53;54が北側棚22及び南側棚23に形成でき、日当たりが阻害されないようにできる。
又、図9に示すように、上方の開口部が広く下方の底面の方向に従って次第に狭くなった楔形の栽培容器51;52を用いることにより、栽培容器51;52を空間部53;54に上方から挿入することで、栽培容器51;52の底部の側が空間部53;54に嵌り込み、栽培容器51;52の上部の側が北側棚22及び南側棚23で支持されるので、栽培容器51;52の北側棚22及び南側棚23からの落下防止になる。具体的には、南北方向に対峙する複数本の南北側腕部222どうしの間隔及び、南北方向に対峙する複数本の南北側腕部232どうしの間隔が、栽培容器51;52の底面よりも大きくかつ栽培容器51;52の上方の開口部よりも小さくなっていれれば上記落下防止が達成できる。尚、本明細書内では、栽培容器51;52の底部の側が空間部53;54に嵌り込み、栽培容器51;52の上部の側が北側棚22及び南側棚23で支持される状態についても、北側棚22及び南側棚23に栽培容器51;52を置いた状態を意味する。
又、南北側腕部222及び南北側腕部232を断面が円形の内部を肉抜きされた中空な部材である管又は断面が円形の内部を肉抜きされていない中実な部材である棒により構成すれば、南北側腕部222の曲面225及び南北側腕部232の曲面235が空間部53;54に導くようになり、栽培容器52;53を空間部53;54に設置しやすい効果がある。
さらに、東西方向に対峙する複数本の東西側腕部221の下及び東西方向に対峙する複数本の東西側腕部231の下に、栽培容器51;52の底面を受け止めるように下側南北側腕部224及び下側南北側腕部234が着脱可能に設けられれば、栽培容器51;52がより安定した状態に保持できるうえ、下側南北側腕部224及び下側南北側腕部234を取り外すことにより、日光6が空間部53;54に通過し、下方への日当たりが確保できる。
上記の楔形の栽培容器51;52は、単数に限定されるものではなく、複数個を東西方向に並べた態様でも良い。
図10を参照し、発明を実施するための形態8の栽培装置を使用した苺の栽培方法について説明する。当該栽培方法を用いることにより、1棟の栽培ハウス1の栽培空間3の中において、1年間を通して苺の収穫が可能になる。
図10を参照し、発明を実施するための形態8に係る栽培方法について説明する。図10の示した栽培方法は、複数の栽培ユニット2A及び2Bが栽培ハウス1内に垂線7Cで示す作業通路となる南北方向の間隔をもって並設され、前記複数の栽培ユニット2A及び2Bの下段棚としての南側棚2A3及び2B3で栽培容器5A2及び5B2を用いて夏至の期間を含む夏期に収穫期となる植物を栽培し、前記下段棚に対して上下方向に貫通する空間部53を有する上段棚としての北側棚2A2で栽培容器5A1を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培し、この夏至の期間を含む夏期には前記上段棚としての北側棚2A2から栽培容器5A1が撤去されると、下段棚としての栽培容器5A2及び5B2を用いて栽培される植物に夏至の期間を含む夏期の収穫期に日光6が上段棚としての北側棚2A2における上下方向に貫通する空間部53を通しても当たる。
尚、図10において、栽培ユニット2Bの上段棚としての北段棚2B2で日光6の遮られる下段棚が存在しないことから、上段棚としての北側棚2B2では栽培容器5B1を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培しても夏至の期間を含む夏期に収穫期となる植物を栽培してもよく、上段棚としての北段棚2B2で栽培容器5B1を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培する場合には上段棚としての北段棚2B2から栽培容器5B1を撤去し、撤去した栽培容器5B1で土作りを行っても良い。
図11を参照し、発明を実施するための形態9に係る栽培方法について説明する。図11の示した栽培方法は、複数の栽培ユニット2Aと2B及び2Cが栽培ハウス1内に垂線7B及び7Cで示す作業通路となる南北方向の間隔をもって並設され、前記複数の栽培ユニット2Aと2B及び2Cの下段棚としての南側棚2A4と2B4及び2C3並びに下段棚としての北側棚2A5及び2B5で栽培容器5A3と5A4と5B3と5B4及び5C2を用いて夏至の期間を含む夏期に収穫期となる植物を栽培し、前記下段棚に対して上下方向に貫通する空間部53を有する上段棚としての北側棚2A2及び2B2並びに空間部54を有する上段棚としての南側棚2A3及び2B3で栽培容器5A1と5A2と5B1及び5B2を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培し、この夏至の期間を含む夏期には上段棚としての北側棚2A2及び2B2並びに南側棚2A3及び2B3から栽培容器5A1と5A2と5B1及び5B2が撤去されると、下段棚としての栽培容器5A3と5A4と5B3と5B4及び5C2を用いて栽培される植物に夏至の期間を含む夏期の収穫期に日光6が上段棚としての北側棚2A2及び2B2並びに南側棚2A3及び2B3における上下方向に貫通する空間部53及び54を通しても当たる。
尚、図11において、栽培ユニット2Cの上段棚としての南段棚2C2で日光6の遮られる下段棚が存在しないことから、上段棚としての南段棚2C2では栽培容器5C1を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培しても夏至の期間を含む夏期に収穫期となる植物を栽培してもよく、上段棚としての南段棚2C2で栽培容器5C1を用いて夏至の期間を含む夏期に土作りとなる植物を栽培する場合には上段棚としての南段棚2C2から栽培容器5C1を撤去し、撤去した栽培容器5C1で土作りを行っても良い。
図12を用いて、発明を実施するための形態10に係る栽培方法における上段棚及び下段棚での栽培作業の期間について説明する。図12の上段棚は、例えば図10の北側棚2A2、図11の北側棚2A2及び2B2と南側棚2A3及び2B3に相当する。又、図12の下段棚は、図10の北側棚2A3及び2B3、図11の北側棚2A5及び2B5と南側棚2A4と2B4及び2C3に相当する。
図12の下段棚の年間の管理方法について説明する。4月の定植時期71に苺の苗を栽培容器に定植し、下段棚に設置する。4月から6月までの育成期間72に苺の苗を育成する。6月から12月までの収穫期間73に苺を収穫することができる。収穫期間73の経過後、12月から4月の期間は苺の育成は行われず、新たな苺の苗を植えるための準備である土作り74を行う。そして、次の4月の定植時期75に苺の苗を栽培容器に定植し、下段棚に設置する。4月から6月までの育成期間76に苺の苗を育成し、6月から12月までの収穫期間77に苺を収穫することができる。収穫期間77の経過後、12月から4月までは苺の育成は行わず、新たな苺の苗を植えるための準備である土作り78を行う。以上の手順を毎年繰り返し行う。
次に図12の上段棚の管理方法について説明する。8月の定植時期81に苺の苗を栽培容器に定植し、上段棚に設置する。8月から11月までの育成期間82に苺の苗を育成し、11月から6月までの収穫期間83に苺を収穫することができる。収穫期間83の経過後、6月から8月の栽培容器撤去期間84に上段棚から栽培容器が撤去される。そして、次の8月の定植時期85に苺の苗を栽培容器に定植し、上段棚に設置する。8月から11月までの育成期間86に苺の苗を育成し、11月から6月までの収穫期間87に苺を収穫することができる。収穫期間87の経過後、6月から8月の栽培容器撤去期間88に上段棚から栽培容器が撤去される。以上の手順を毎年繰り返し行う。
以上、苺の栽培方法について説明したが、栽培装置を設置する緯度、経度や標高によって、栽培装置の外側の気温や日照時間に変化が生じることから、夏至の期間を含む夏期及び冬至の期間を含む冬期は変化する。又、定植時期、育成期間、収穫期間、土作り期間及び栽培容器撤去期間は、栽培装置を設置する場所によっては、期間が短くなったり、長くなったりする。又、月日がずれる場合もある。
夏至の期間を含む夏期、冬至の期間を含む冬期、設置される場所の年間を通して気温の高くなる時期及び設置される場所の年間を通して気温が低くなる時期を考慮して、定植時期、育成期間、収穫期間、土作り期間及び栽培容器撤去期間が決定される。
上段棚と下段棚の両方を用いて苺を栽培する場合を例示したが、苺以外の植物に適用することも可能である。例えば、ほうれん草、水菜やレタス等の葉菜類を葉が若く柔らかいうちに収穫するベビーリーフの栽培に使用したり、リーフレタスの栽培に使用したりすることも可能である。これらの植物は、定植時期から収穫時期までの期間が苺よりも短い植物であるため、本発明の栽培ユニットを適用すれば、年間を通して複数回の収穫を行うことが可能となる。尚、植物によっては、栽培ハウス1内の温度が高く栽培に向かない時期もある。その場合、夏至の期間を含む夏期は下段棚のみを使用し、上段棚を使用しないで栽培することも可能である。夏至の期間を含む夏期の時期以外の時期に上段棚と下段棚とを使用することにより、栽培ハウスの単位面積当たりの収穫効率を上げることが可能となる。又、苺よりも定植時期から収穫時期までの期間が長い植物にも適用可能である。さらに、上段棚と下段棚とで異なる植物を栽培することも可能である。
図1において北側棚1つと南側棚1つの2段の栽培ユニット、図2及び図3において北側棚1つと南側棚2つの3段の栽培ユニット並びに図4及び図5において北側棚2つと南側棚2つの4段の栽培ユニットを例示したが、棚の段数はこれらに限定されることはない。例えば、北側の最上段の北側棚1つと南側棚3つの4段の栽培ユニット、北側の最下段のない北側棚2つと南側棚3つの5段の栽培ユニット並びに北側棚3つと南側棚3つの6段の栽培ユニットでも適用可能である。又、7段以上の栽培ユニットとしてもよい。
又、苺のような親株から伸びる蔓(ランナー)の先に子株ができ、親株と子株とをつなぐ蔓を切断することで株を増やすことが可能な植物の場合、上段の棚の栽培容器に植えられた親株の蔓を下段の棚の植栽容器に下ろして、子株を育てた後に蔓を親株から切断することで植物の株数を増やすことが可能である。又、苺の場合、蔓を切断しないで果実を収穫するまで植物を育成することも可能である。
作業通路に植物の手入れや植物の収穫時に人が使用する作業用車を設置したり、植物の手入れや植物を収穫するロボットを設置したりする場合、一つの作業通路で南側の棚に設置された植物と北側の棚に設置された植物との両方の作業に使用できるため、作業用車又はロボットの一台あたりの作業可能な棚の数が多くなり、作業用車又はロボットの台数を少なくできる。又、上述のように、3段乃至7段以上の栽培ユニットにして段数を多くすれば、作業可能な棚が上下方向で増加し、作業用車又はロボットの一台あたりの作業可能な棚の数がより多くなる。