以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるファイル共有支援システム100の概略構成を示す図である。
ファイル共有支援システム100は、端末装置を構成する第一の情報機器1Aと、端末装置を構成する第二の情報機器1Bと、ネットワークストレージ装置を構成するNAS2と、ルータ5と、ファイル記憶を行うためのウェブサービスを提供するサービスプロバイダの運営するサービス提供装置7と、を備える。
第一の情報機器1A、第二の情報機器1B、及び、NAS2は、企業、学校、又は、個人宅内等で使用される限定されたネットワークであるLAN(Local Area Network)3に接続されており、LAN3を介して相互に通信を行うことができる。LAN3の代わりにVPN(Virtual Private Network)が用いられてもよい。
第一の情報機器1A、第二の情報機器1B、及び、NAS2は、LAN又はVPN等のネットワーク管理者によって定められた特定の情報機器のみがアクセス可能に構成された第一のネットワークによって相互に通信可能な構成となっている。
LAN3は、ルータ5を介してインターネット6に接続されている。これにより、第一の情報機器1A、第二の情報機器1B、及び、NAS2は、それぞれインターネット6に接続可能となっている。インターネット6は、第二のネットワークを構成する。
第一の情報機器1Aと第二の情報機器1Bは、それぞれ、ネットワーク通信を行うためのネットワーク通信機能と、表示部と、キーボード、マウス、又は、タッチパネル等の操作インタフェース(I/F)と、を有する電子機器である。第一の情報機器1Aは、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末、又は、スマートフォン等が用いられる。
第一の情報機器1Aと第二の情報機器1Bは、それぞれ、NAS2に対して予め登録されており、LAN3を介して、NAS2に記憶されているファイルの編集、NAS2へのファイルの記憶、及び、NAS2からのファイルの読み出しを行うことができる。
第一の情報機器1A及び第二の情報機器1Bの各々のユーザ名及びパスワード等の登録情報は、各情報機器からNAS2に対して登録作業を行うことで登録される。又は、この登録情報は、LAN3に接続された認証用サーバに予め登録される。この場合、各情報機器からNAS2にアクセスがあると、NAS2がこの認証用サーバから各情報機器の登録情報を取得することで、各情報機器の認証を行う。
NAS2は、ファイルの記憶及び管理を主に行うファイルサーバであり、ファイル管理を行うためのファイルシステムと、ネットワーク通信を行うためのネットワーク通信機能と、を備える。
NAS2には、第一の情報機器1Aと第二の情報機器1Bとを含む複数の情報機器が登録可能であるが、1つの情報機器のみが登録されて使用される場合もある。
サービス提供装置7は、インターネット6に接続されており、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等の第二の記憶部を有する1又は複数のファイルサーバにより構成される。
サービス提供装置7によって提供されるサービスは、予め利用登録されたユーザがインターネット6を介してこれら第二の記憶部にファイルを記憶することのできるウェブサービスである。
サービス提供装置7は、NAS2の管理者がウェブサービスに利用登録することにより、当該管理者が利用可能な記憶領域を管理者に対して提供する。ファイル共有支援システム100では、NAS2の管理者が、上記のウェブサービスに利用登録済みであるものとする。
つまり、NAS2は、インターネット6を介してサービス提供装置7にアクセスし、サービス提供装置7においてNAS2に対して割り当てられている記憶領域(以下、NAS用記憶領域という)にファイルを記憶することができるようになっている。
図2は、図1に示すファイル共有支援システム100における第一の情報機器1Aの内部構成例を示す図である。第二の情報機器1Bの内部構成については、図2と同様であるため説明を省略する。
第一の情報機器1Aは、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、液晶ドライバ230、液晶パネル231、LANモジュール240、キーボード、マウス、又は、液晶パネル231と一体化されたタッチパネル等の操作インタフェース(I/F)260、内部ストレージ部27、USB(Universal Serial Bus)コントローラ280、及び、USBコネクタ281を備える。
CPU20、ROM21、RAM22、液晶ドライバ230、LANモジュール240、操作インタフェース260、内部ストレージ部27、及び、USBコントローラ280は、それぞれ共通のバスにより接続されている。
CPU20は、ROM21内に記憶されたファームウェア等のプログラムがRAM22において展開された後で実行されることで、第一の情報機器1A全体の動作制御を行う。
ROM21には、上述のファームウェア等のプログラムと各種設定データが記憶されている。RAM22は、第一の情報機器1Aのワークメモリとして動作し、各種プログラム及びデータが一時的に記憶される。
液晶パネル231は、画像を表示するための表示部である。液晶ドライバ230は、表示画面を構成するデータがCPU20から供給されると、液晶パネル231の表示領域に所望の表示画面を表示するように、この液晶パネル231を駆動する。
LANモジュール240は、LAN3との間で無線又は有線により通信するためのモジュールである。LANモジュール240は、例えばIEEE(The Institute of Electrical andElectronics Engineers)802.11規格に準拠して無線通信を行うものが用いられる。又は、LANモジュール240は、1000BASE−T、100BASE−TX、又は、10BASE−T等の規格に準拠して有線通信を行うものが用いられる。
内部ストレージ部27は、内部ストレージ270と内部ストレージインタフェース(I/F)271とを備える。内部ストレージ270は、例えばフラッシュメモリのような不揮発性半導体メモリであり、第一の情報機器1Aにおいて用いられるアプリケーションプログラム、文書ファイル、音ファイル、画像ファイル、又は、動画ファイル等の各種ファイルが記憶される。
内部ストレージインタフェース271は、内部ストレージ270に対するファイルの読み出し又は書き込み指令があった場合に、内部ストレージ270全体の制御を行うと共に、ファイルの読み出し又は書き込み制御を行い、読み出されたファイルを出力する。
なお、内部ストレージ270は挿脱可能な不揮発性メモリカードであってもよい。この場合、内部ストレージインタフェース271は、このメモリカードが装着されるメモリカードスロットをさらに備える。
USBコントローラ280は、例えばUSB2.0又はUSB3.0規格に沿って、USBコネクタ281を介して接続されたUSBデバイスとの間でデータの送受信を行う。USBコネクタ281は、いわゆるメス型USBコネクタ(USBレセプタクル)であって、不図示のUSBケーブルのオス型USBコネクタ(USBプラグ)が挿入可能に構成されている。
図3は、図1に示すファイル共有支援システム100におけるNAS2の内部構成例を示す図である。
NAS2は、CPU30、ROM31、RAM32、HDD部33、有線LANモジュール34、USBコントローラ350、及び、USBコネクタ351を備える。
CPU30、ROM31、RAM32、HDD部33、有線LANモジュール34、及び、USBコントローラ350は、それぞれ共通のバスにより接続されている。
CPU30は、ROM31内に記憶されたファームウェア等のプログラムがRAM32において展開された後で実行されることで、NAS2全体の動作制御を行う。
ROM31には、上述のファームウェア等のプログラムが記憶されている。RAM32は、NAS2のワークメモリとして動作し、各種プログラム及びデータが一時的に記憶される。
HDD部33は、HDD330とHDDインタフェース(I/F)331とを備える。HDD330は、記憶媒体であるディスクと、このディスクの回転を行う回転部と、ディスクに対してデータの読み出し及び書き込みを行うヘッド部とを備える(いずれも不図示)。
HDDインタフェース331は、HDD330に対するファイルの読み出し又は書き込み指令があった場合に、HDD330全体の制御を行うと共に、ファイルの読み出し又は書き込み制御を行い、読み出されたファイルを出力する。
HDD330にはアプリケーションプログラムの他、NAS2に対して登録されている第一の情報機器1A及び第二の情報機器1Bから送信されてきたアプリケーションプログラム、文書ファイル、音ファイル、画像ファイル、又は、動画ファイル等の各種ファイルが適宜記憶されている。HDD330は、第一の記憶部を構成する。
HDD330には、上述した各種ファイルが記憶される領域を示すフォルダとして、フォルダAと、フォルダBと、共有フォルダCが形成されている。
共有フォルダCは、サービス提供装置7のNAS用記憶領域との間で同期がなされるフォルダであり、この共有フォルダCに格納されたファイルは、CPU30の制御によって、サービス提供装置7のNAS用記憶領域に記憶される。
NAS2では、フォルダ毎、又は、ファイル毎に、登録済みの各情報機器からのアクセス制限を設定することができる。また、LAN3に接続されるNAS2が複数存在する場合もあり、この場合には、NAS2毎に、各情報機器からのアクセス制限を設定することができる。
例えば、本実施形態では、フォルダAには、第一の情報機器1Aのみからアクセスできるようアクセス権限が設定されている。また、フォルダBには、第二の情報機器1Bのみからアクセスできるようアクセス権限が設定されている。共有フォルダCには、第一の情報機器1Aと第二の情報機器1Bの各々からアクセスできるようアクセス権限が設定されている。
有線LANモジュール34は、例えばIEEE802.3規格に準拠して、ルータ5との間で有線による通信を行う。有線LANモジュール34の代わりに、例えばIEEE802.11規格に準拠してルータ5との間で無線による通信を行うモジュールを用いてもよい。
USBコントローラ350は、例えばUSB2.0又はUSB3.0規格に沿って、USBコネクタ351を介して接続されたUSBデバイスとの間でデータの送受信を行う。USBコネクタ351は、いわゆるメス型USBコネクタ(USBレセプタクル)であって、USBケーブルのオス型USBコネクタ(USBプラグ)が挿入可能に構成されている。
図4は、図1に示すファイル共有支援システム100におけるサービス提供装置7の内部構成例を示す図である。
サービス提供装置7は、CPU70、ROM71、RAM72、HDD部73、有線LANモジュール74、USBコントローラ750、及び、USBコネクタ751を備える。
CPU70、ROM71、RAM72、HDD部73、有線LANモジュール74、及び、USBコントローラ750は、それぞれ共通のバスにより接続されている。
CPU70は、ROM71内に記憶されたファームウェア等のプログラムがRAM72において展開された後で実行されることで、サービス提供装置7全体の動作制御を行う。ROM71には、上述のファームウェア等のプログラムが記憶されている。RAM72は、サービス提供装置7のワークメモリとして動作し、各種プログラム及びデータが一時的に記憶される。
HDD部73は、HDD730とHDDインタフェース(I/F)731とを備える。HDD730は、記憶媒体であるディスクと、このディスクの回転を行う回転部と、ディスクに対してデータの読み出し及び書き込みを行うヘッド部とを備える(いずれも不図示)。
HDDインタフェース731は、HDD730に対するファイルの読み出し又は書き込み指令があった場合に、HDD730全体の制御を行うと共に、ファイルの読み出し又は書き込み制御を行い、読み出されたファイルを出力する。
HDD730にはアプリケーションプログラムと、サービス提供装置7によるNAS2の管理者による利用登録情報が記憶された登録テーブル等が適宜記憶されている。
また、HDD730には、NAS2に対して割り当てられたNAS用記憶領域732が設けられている。HDD730は第二の記憶部を構成する。
有線LANモジュール74は、例えばIEEE802.3規格に準拠して、インターネット6との間で有線による通信を行う。
USBコントローラ750は、例えばUSB2.0又はUSB3.0規格に沿って、USBコネクタ751を介して接続されたUSBデバイスとの間でデータの送受信を行う。USBコネクタ751は、いわゆるメス型USBコネクタ(USBレセプタクル)であって、USBケーブルのオス型USBコネクタ(USBプラグ)が挿入可能に構成されている。
サービス提供装置7は、NAS2を含むインターネット6上の他の装置との間の通信を行う際、インターネット6での通信に用いられるプロトコルであるHTTP(Hypertext Transfer Protocol)又はHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)等を用いる。また、サービス提供装置7は、ルータ5等のファイアウォール機能を有する装置に対して、HTTP用に設けられたポート(例えばポート番号80番のポート)を用いて通信を行う。
図5は、図2に示す第一の情報機器1AのCPU20の機能ブロック図である。第二の情報機器1BのCPUの機能ブロックは図5と同じ構成であるため説明を省略する。
第一の情報機器1AのCPU20は、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)制御部20Aと、ファイル共有依頼部20Bと、を備える。これらの機能ブロックは、第一の情報機器1AのCPU20が、第一の情報機器1AのROM21に記憶されたファイル共有用のアプリケーションプログラムを実行することにより形成される。
このファイル共有用のアプリケーションプログラムは、NAS2、USBデバイス、又は、インターネット6に接続された別のサーバ等から取得可能となっている。
GUI制御部20Aは、NAS2のHDD330のディレクトリ構成を示す画面を液晶パネル231に表示させる。
図6は、第一の情報機器1Aの液晶パネル231に表示される画面例を示す図である。GUI制御部20Aは、図6(a)に示すように、NAS2のHDD330のフォルダAと、フォルダBと、共有フォルダCとを含む画面を表示させる。
また、GUI制御部20Aは、操作インタフェース260が操作されて、図6(a)に示す画面の例えば共有フォルダCの下層を表示する指示がなされると、図6(b)に示すような画面を表示させる。
図6(b)に示す画面には、共有フォルダCの下層にあるフォルダG4と、共有フォルダCの下層にある5つのファイルG5〜G9とが含まれている。
GUI制御部20Aは、図6(b)に示す画面を表示させた状態で、操作インタフェース260の操作により、任意のファイル又はフォルダが選択され、かつ、選択されたファイル又はフォルダに対するメニュー画面の表示依頼(例えば、マウスの右クリック)がなされると、メニュー画面を表示させる。このメニュー画面には、“ファイル共有”メニューが含まれる。
本明細書において任意のファイルのファイル共有とは、NAS2のHDD330に記憶されているこの任意のファイルを、LAN3に接続することができず、かつ、上記のウェブサービスに登録されていない情報機器(インターネット6に接続された情報機器)、又は、LAN3に接続可能ではあるがこの任意のファイルへのアクセス権限のない情報機器によって閲覧又はダウンロードできるようにすることを言う。
情報機器によるファイルの閲覧は、情報機器にダウンロードしたファイルをアプリケーションで実行して表示する方法、情報機器にインストールされているウェブブラウザ上でファイルを展開してウェブブラウザ上で表示する方法、又は、サービス提供装置7上でファイルを展開してウェブブラウザ上で表示する方法等によって実現される。
上記のメニュー画面上で“ファイル共有”メニューが選択されると、ファイル共有依頼部20Bは、選択中のファイルのファイル共有指示を受け付けて、選択中のファイルのファイル共有依頼をNAS2に対して行う。
図7は、図3に示すNAS2のCPU30の機能ブロック図である。
NAS2のCPU30は、受付部30Aと、ファイル管理部30Bと、ファイルアップロード部30Cと、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dと、特定ファイルリンク情報取得部30Eと、特定ファイルリンク情報送信制御部30Fと、を備える。これらの機能ブロックは、NAS2のCPU30が、NAS2のROM31に記憶されたファイル共有支援プログラムを含むプログラムを実行することにより形成される。
受付部30Aは、第一の情報機器1A及び第二の情報機器1BからLAN3を介して入力されるファイル記憶要求及びファイル読み出し要求を受け付ける。
ファイル管理部30Bは、受付部30Aが受け付けたファイル記憶要求に応じて、HDDインタフェース331を制御して、記憶対象ファイルをHDD330に記憶させる。また、ファイル管理部30Bは、受付部30Aが受け付けたファイル読み出し要求に応じて、HDDインタフェース331を制御して、読み出し対象ファイルをHDD330から読み出して要求元の情報機器に送信させる。
ファイルアップロード部30Cは、HDD330の共有フォルダCに記憶されているファイルを、有線LANモジュール34からサービス提供装置7に送信させて、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に記憶させる。
特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、HDD330の共有フォルダCに記憶されているファイルの中から指定された指定ファイルについてファイル共有を行う依頼を第一の情報機器1A又は第二の情報機器1Bから受け入れた場合に、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に記憶される特定ファイルにアクセスするためのリンク情報である特定ファイルリンク情報の生成の要求をサービス提供装置7に対して行う。
特定ファイルとは、HDD330に記憶されている指定ファイルと同期してNAS用記憶領域732に記憶されるファイルであり、当該指定ファイルと少なくともデータ領域に記録されている情報が同じ内容のファイルである。ここで、ファイルの同期とは、ある記憶領域に記憶されているファイルが他の記憶領域に複写されて、2つの記憶領域の各々に同じ内容のファイルが記憶されることを言う。
任意のファイルにアクセスするためのリンク情報とは、このファイル又はこのファイルに基づき生成された関連ファイルの記憶場所を示す情報(例えばURL(Uniform Resource Locator))、このファイルが複数のファイルを含むフォルダに含まれるものである場合にはこのフォルダの記憶場所を示す情報、又は、このファイルをダウンロードするための画面を表示するためのウェブアドレス、このファイルをウェブブラウザ上で表示するためのウェブアドレス等である。
関連ファイルとは、ファイルそのものではないが、画像ファイルのサムネイルやプレビュー用の簡略化されたファイル等のように、元のファイルから生成され、このファイルと一定の関係があるファイルを言う。
特定ファイルリンク情報取得部30Eは、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dによって行われた要求に応じてサービス提供装置7により生成された特定ファイルリンク情報を、サービス提供装置7から取得する。
特定ファイルリンク情報送信制御部30Fは、特定ファイルリンク情報取得部30Eにより取得された特定ファイルリンク情報を、有線LANモジュール34から、ファイル共有依頼の依頼元の情報機器へ送信させる。
図8は、図1に示すファイル共有支援システム100の動作を説明するためのフローチャートである。図8では、第一の情報機器1Aのユーザによって任意のファイルのファイル共有指示が行われた場合の動作について説明する。
第一の情報機器1Aの操作インタフェース260が操作されて、NAS2の共有フォルダC内の任意のファイルが指定され、この指定されたファイル(以下、指定ファイルという)に対するファイル共有指示がなされると(ステップS1)、第一の情報機器1Aのファイル共有依頼部20Bは、指定ファイルのファイル共有依頼をNAS2に対して行う(ステップS2)。
なお、第一の情報機器1Aのファイル共有依頼部20Bは、第一の情報機器1Aの内部ストレージ270又はNAS2のフォルダA等に記憶されているファイルを共有フォルダCに複写又は移動する操作がなされたことをもって、このファイルのファイル共有依頼をNAS2に対して行ってもよい。
ステップS2で行われたファイル共有依頼を受け入れたNAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に指定ファイルがアップロード済みであるか否かを判定する(ステップS3)。
指定ファイルがサービス提供装置7のNAS用記憶領域732にアップロード中、又は、指定ファイルのアップロードが開始されていない状態であれば(ステップS3:NO)、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、指定ファイルのアップロードが完了するまで待機する。
指定ファイルがサービス提供装置7のNAS用記憶領域732にアップロード済みであれば(ステップS3:YES)、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7に対し、指定ファイルにアクセスするための指定ファイルリンク情報Lの生成の要求を行う(ステップS4)。この指定ファイルリンク情報Lは特定ファイルリンク情報を構成する。
この要求を受けたサービス提供装置7のCPU70は、NAS用記憶領域732に記憶されている指定ファイルにアクセスするための指定ファイルリンク情報Lを生成し(ステップS5)、生成した指定ファイルリンク情報LをNAS2に送信する(ステップS6)。
NAS2の特定ファイルリンク情報取得部30Eは、有線LANモジュール34で受信された上記の指定ファイルリンク情報Lを取得し、特定ファイルリンク情報送信制御部30Fが、この取得された指定ファイルリンク情報Lを、有線LANモジュール34から第一の情報機器1Aに送信させる(ステップS7)。
第一の情報機器1AのGUI制御部20Aは、NAS2から送信されてきた指定ファイルリンク情報Lを受け取ると、リンク情報の生成が完了したことを画面上にて通知する(ステップS8)。
GUI制御部20Aは、例えば、指定ファイルのファイル名と、リンク情報の生成が完了したことを示す情報とを対応づけて画面上に表示させる。GUI制御部20Aは、指定ファイルのファイル名及び上記情報について、過去の履歴を一覧として表示させてもよい。
この画面上において、指定ファイルのファイル名を選択する操作がなされると、GUI制御部20Aは、この指定ファイルについて生成された指定ファイルリンク情報Lをクリップボードにコピーする。第一の情報機器1Aのユーザは、コピーされた指定ファイルリンク情報Lを電子メール等に貼りつけて、指定ファイルを共有したい相手に送信する。
これにより、LAN3に接続することができず、かつ、上記のウェブサービスに利用登録されていない情報機器(インターネット6に接続された情報機器)、又は、LAN3に接続可能ではあるが指定ファイルへのアクセス権限のない情報機器のユーザであっても、上記の電子メールを取得してから、電子メールに記載の指定ファイルリンク情報Lにしたがって指定ファイルにアクセスすることにより、この指定ファイルを閲覧可能となる。
以上のように、ファイル共有支援システム100では、NAS2が、指定ファイルのファイル共有依頼を第一の情報機器1Aから受けると、この指定ファイルにアクセスするための指定ファイルリンク情報Lの生成をサービス提供装置7に対して要求し、この要求に応じてサービス提供装置7から返信されてきた指定ファイルリンク情報Lを、第一の情報機器1Aに送信することで、指定ファイルのファイル共有が可能となる。
このように、ファイル共有支援システム100によれば、LAN3に接続可能な情報機器のユーザが上記のウェブサービスに利用登録することなく、指定ファイルのファイル共有が可能となる。
このため、LAN3に接続されている情報機器のユーザが管理者に断りなくウェブサービスに利用登録するケースをなくすことができ、NAS2の管理者にとっては情報機器のユーザの管理が容易となる。
また、情報機器のユーザにとっては、ウェブサービスへの利用登録が不要となるため、ファイル共有の作業を簡単に行うことが可能となる。
なお、以上の説明では、NAS2が、ファイル共有依頼を行った情報機器に指定ファイルリンク情報Lを送信する構成としたが、これに限らない。
例えば、第一の情報機器1Aにおいて、ファイル共有依頼を行う際に、ファイルのリンク情報の送信先を設定できるようにしておく。そして、ファイル共有依頼部20Bが、NAS2に対してファイル共有依頼を行う際に、ユーザによって設定された送信先情報(例えば電子メールアドレス等)を併せてNAS2に送信する構成とする。
NAS2の特定ファイルリンク情報送信制御部30Fは、特定ファイルリンク情報取得部30Eにより取得された指定ファイルリンク情報Lを、ファイル共有依頼元の情報機器から送信されてきた送信先情報に対して、有線LANモジュール34から送信させる。このような構成でも、指定ファイルのファイル共有が可能である。
又は、サービス提供装置7が、ファイル共有依頼元の情報機器によって指定された送信先情報に対して指定ファイルリンク情報Lを送信してもよい。この場合は、NAS2が、ファイル共有依頼元の情報機器から受信した送信先情報をサービス提供装置7に送信すればよい。
また、指定ファイルのアップロードが開始されておらず、かつ、指定ファイル以外のファイル(単に共有フォルダCへの記憶が指示された、ファイル共有依頼のなされていないファイル)が存在する場合が考えられる。
例えば、ファイルのバックアップの目的で、共有フォルダCに記憶されているファイルがサービス提供装置7に順次アップロードされており、そのアップロードの処理をファイル毎にタスクとして、NAS2がタスクリストにて管理する場合である。
この場合には、ファイルアップロード部30Cは、ファイルのアップロードを行うタスクリストにおいて、指定ファイルをアップロードするタスクを、他のファイルをアップロードするタスクよりも上位にして、指定ファイルのアップロードを他のファイルよりも優先的に行うのが好ましい。このようにすることで、指定ファイルリンク情報Lの取得までの時間を短縮することができる。
また、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、ファイル共有依頼を受け入れると、ファイル共有依頼のあった指定ファイルについて、この指定ファイルそのもの、又は、この指定ファイルが記憶されていたフォルダ(フォルダA又はフォルダB)へのアクセス権限を判定し、ファイル共有依頼の依頼元の情報機器によるアクセスが許可されている場合にのみ、ステップS3以降の処理を行うようにしてもよい。
このようにすることで、例えば、共有フォルダCに記憶されている任意のファイルが、フォルダAからコピーされたファイル(第一の情報機器1Aのみアクセス可能なファイル)であり、このファイルに対して第二の情報機器1Bによりファイル共有指示がなされた場合でも、このファイルにアクセスするためのリンク情報の生成は行われない。
このため、ファイルに対してアクセス権限がない情報機器が、このファイルについてのリンク情報を取得し、そのリンク情報を用いて、このファイルにアクセスするのを防ぐことができ、セキュリティを高めることができる。
図9は、NAS2のCPU30の機能ブロックの第一の変形例を示す図である。図9に示すCPU30は、第一の仮ファイルアップロード部30Gと、ファイル置換制御部30Hと、が追加された点を除いては、図7に示した構成と同じである。
第一の仮ファイルアップロード部30Gは、LAN3に接続可能な情報機器から、HDD330に記憶されているファイルのファイル共有依頼を受け入れた場合に、このファイルと同じ種別の第一の仮ファイルを有線LANモジュール34からサービス提供装置7に送信させて、NAS用記憶領域732に記憶させる。任意のファイルと同じ種別のファイルとは、任意のファイルとファイル形式(拡張子)が同じファイルのことを言う。
第一の仮ファイルは、ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報を含むファイルである。例えば、第一の仮ファイルは、ファイル共有の作業が進行中であることを示す文字、画像、又は、プログレスバー等を表示可能なファイルである。
ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報としては、例えば、「ただいまファイル共有作業中です。しばらくたってからアクセスしてください」といった文字が挙げられる。
この第一の仮ファイルは、サービス提供装置7にアップロード可能なファイル形式毎に、NAS2のROM31に予め記憶される。
そして、第一の仮ファイルアップロード部30Gは、ファイル共有依頼のなされた指定ファイルの拡張子を判定し、この拡張子と一致する第一の仮ファイルをROM31から読み出し、読み出した第一の仮ファイルのファイル名を、指定ファイルのファイル名と同じファイル名に変更した上で、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に記憶させる。
なお、第一の仮ファイルアップロード部30Gが、指定ファイルのファイル形式と同じファイル形式の第一の仮ファイルを都度、生成するものとしてもよい。
また、第一の仮ファイルアップロード部30Gは、第一の仮ファイルのファイル名は任意とし、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に第一の仮ファイルを記憶させた後で、サービス提供装置7に対し、第一の仮ファイルのファイル名を指定ファイルと同じファイル名に変更する要求を行ってもよい。
この要求に応じてサービス提供装置7が、第一の仮ファイルのファイル名を指定ファイルと同じファイル名に変更することで、指定ファイルと同じファイル名の第一の仮ファイルがNAS用記憶領域732に記憶された状態を得ることができる。
ファイル置換制御部30Hは、第一の仮ファイルアップロード部30GによってNAS用記憶領域732に記憶された仮ファイルを、ファイル共有依頼のなされたファイルに置き換える制御を行う。
図9に示すCPU30の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、第一の仮ファイルアップロード部30GによってNAS用記憶領域732に記憶された第一の仮ファイルにアクセスするための仮ファイルリンク情報を特定ファイルリンク情報として、この特定ファイルリンク情報の生成の要求をサービス提供装置7に対して行う。第一の仮ファイルは、後に、ファイル置換制御部30Hによってファイル共有依頼のなされたファイルに置き換えられる。このため、仮ファイルリンク情報は、ファイル共有依頼のなされたファイルと同期してNAS用記憶領域732に記憶される特定ファイルにアクセスするための情報と同義となる。
図10は、図1に示すファイル共有支援システム100において、NAS2のCPU30の機能ブロックが図9に示すものである場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図10では、第一の情報機器1Aのユーザによって任意のファイルのファイル共有指示が行われた場合の動作について説明する。図10において図8に示す処理と同じ処理は同一符号を付して説明を省略する。
ステップS2においてなされた指定ファイルについてのファイル共有依頼を受け入れたNAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に指定ファイルがアップロード済みであるか否かを判定する(ステップS3)。
指定ファイルがアップロード済みである場合には(ステップS3:YES)、図8に示したステップS4以降の処理が行われる。
指定ファイルのアップロードが開始されていない、又は、指定ファイルがアップロード中であれば(ステップS3:NO)、NAS2の第一の仮ファイルアップロード部30Gは、アップロード待機中又はアップロード中の指定ファイルについて、そのアップロードの中断をファイルアップロード部30Cに指示する(ステップS20)。
その後、第一の仮ファイルアップロード部30Gは、第一の仮ファイル(一例として、指定ファイルと同一ファイル名としたもの)を有線LANモジュール34からサービス提供装置7に送信させて、NAS用記憶領域732に記憶させる(ステップS21)。
NAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、第一の仮ファイルがNAS用記憶領域732に記憶され(ステップS22)、記憶完了の通知をサービス提供装置7から受け取ると、この第一の仮ファイルにアクセスするための第一の仮ファイルリンク情報L1の生成の要求をサービス提供装置7に対して行う(ステップS23)。第一の仮ファイルリンク情報L1は特定ファイルリンク情報を構成する。
なお、NAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7への第一の仮ファイルの送信が完了したことをもって、ステップS23の処理を行ってもよい。
この要求を受けて、サービス提供装置7は、第一の仮ファイルリンク情報L1を生成し(ステップS24)、生成した第一の仮ファイルリンク情報L1をNAS2に送信する(ステップS25)。
NAS2の特定ファイルリンク情報取得部30Eは、有線LANモジュール34で受信された上記の第一の仮ファイルリンク情報L1を取得し、特定ファイルリンク情報送信制御部30Fが、この取得された第一の仮ファイルリンク情報L1を、有線LANモジュール34から第一の情報機器1Aに送信させる(ステップS26)。
第一の情報機器1AのGUI制御部20Aは、NAS2から送信されてきた第一の仮ファイルリンク情報L1を受け取ると、リンク情報の生成が完了したことを画面上にて通知する(ステップS8)。通知の方法は上述したとおりである。
NAS2のファイル置換制御部30Hは、ステップS25の処理によって第一の仮ファイルリンク情報L1がCPU30によって取得された後、中断させていた指定ファイルのアップロードを再開させる(ステップS27)。
ステップS27の後、ファイルアップロード部30Cにより指定ファイルのアップロードが完了される(ステップS28)と、第一の仮ファイルと指定ファイルは同一ファイル名であるため、第一の仮ファイルが指定ファイルによって上書きされて、第一の仮ファイルが指定ファイルに置換される(ステップS29)。
NAS2のCPU30は、第一の仮ファイルの指定ファイルへの置換が完了したことを示す情報を第一の情報機器1Aに対して送信してもよい。これにより、第一の情報機器1Aのユーザは、指定ファイルの共有作業が完了したタイミングを知ることができる。
ステップS8において通知を受けた第一の情報機器1Aのユーザが、第一の仮ファイルリンク情報L1をLAN3に接続されていない情報機器に送信する。そして、この情報機器にて第一の仮ファイルリンク情報L1にしたがってファイルへのアクセスがなされる。
これにより、ステップS29の処理が完了していない状態であれば、例えば図11に示すように、「ただいまファイル共有作業中です。しばらくたってからアクセスしてください」といったメッセージを含む第一の仮ファイルの内容が、この情報機器の表示部の画面上に表示される。
一方、ステップS29の処理が完了した状態であれば、この情報機器の表示部の画面上には、指定ファイルの内容が表示される。
以上のように、図9に示すCPU30を含むNAS2を有するファイル共有支援システム100では、NAS2からサービス提供装置7にアップロードすべきファイルが大量にあったり、指定ファイルが大容量のものであったりして、指定ファイルのアップロード完了までに時間がかかる場合であっても、指定ファイルのアップロードに先行して、第一の仮ファイルリンク情報L1が生成され、第一の仮ファイルリンク情報L1が第一の情報機器1Aに返信される。
そして、指定ファイルのアップロード完了後は、第一の仮ファイルリンク情報L1にしたがって指定ファイルへのアクセスが可能となり、指定ファイルのファイル共有がなされる。
このように、第一の情報機器1Aのユーザは、指定ファイルのアップロードに時間がかかる場合であっても、第一の仮ファイルリンク情報L1を迅速に取得することができるため、ファイル共有作業を効率的に行うことができる。
なお、第一の仮ファイルアップロード部30Gは、第一の仮ファイルのファイル名を任意の名称として、第一の仮ファイルのアップロードを行ってもよい。
この場合の動作は、図10のフローチャートにおいて、ステップS20及びステップS27の処理を削除したものとなる。ステップS28の指定ファイルのアップロードは、共有フォルダCへの指定ファイルの記憶指示を受け入れて以降の任意のタイミングで行われる。また、この場合は、ステップS3の処理を省略してもよい。
そして、ファイル置換制御部30Hは、第一の仮ファイルリンク情報L1が取得された後に、指定ファイルのアップロードが完了したか否かを判定し、アップロードが完了していれば、第一の仮ファイルを指定ファイルに置き換える要求をサービス提供装置7に対して行い、サービス提供装置7が置き換えを実施すればよい。
このように、第一の仮ファイルのファイル名を任意の名称にする場合には、ステップS21において、第一の仮ファイルアップロード部30Gが、ファイルアップロード部30Cによるファイルのアップロードのタスクの実行順位よりも、第一の仮ファイルアップロードのタスクの実行順位を上位にして、第一の仮ファイルを優先的にアップロードすることが好ましい。
このようにすることで、第一の仮ファイルリンク情報L1の生成を速やかに行うことが可能となり、利便性を向上させることができる。
図12は、図3に示すNAS2のCPU30の機能ブロックの第二の変形例を示す図である。図12に示すCPU30は、第二の仮ファイルアップロード部30Iと、仮ファイルリンク情報生成要求部30Jと、仮ファイルリンク情報取得部30Kと、仮ファイル更新部30Lと、仮ファイルリンク情報送信制御部30Mが追加され、特定ファイルリンク情報送信制御部30Fが削除された点を除いては、図7に示した構成と同じである。
第二の仮ファイルアップロード部30Iは、LAN3に接続可能な情報機器から、HDD330に記憶されているファイルのファイル共有依頼を受け入れた場合に、ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報を含む第二の仮ファイルをサービス提供装置7に送信して、NAS用記憶領域732に記憶させる。
第二の仮ファイルは、ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報と、ファイルのリンク情報と、を表示することのできるものであれば、どのような形式のファイルでもよい。
第二の仮ファイルは、例えば、Microsoft社が提供する文書作成用ソフト、表計算用ソフト、又は、プレゼンテーション用ソフト等のファイル、テキストファイル、又は、Adobe社のPDF(Portable Document Format)ファイル等を用いることができる。
PDFファイルは、ファイルを開く情報機器の機種又は環境への依存が低いファイルであり、また、無料のアプリケーションによって開くことが可能であるため、特に好ましく用いることができる。
仮ファイルリンク情報生成要求部30Jは、第二の仮ファイルアップロード部30IによってNAS用記憶領域732に記憶された第二の仮ファイルにアクセスするための第二の仮ファイルリンク情報の生成の要求をサービス提供装置7に対して行う。
仮ファイルリンク情報取得部30Kは、第二の仮ファイルリンク情報の生成の要求に応じてサービス提供装置7により生成された第二の仮ファイルリンク情報をサービス提供装置7から取得する。
仮ファイルリンク情報送信制御部30Mは、仮ファイルリンク情報取得部30Kにより取得された第二の仮ファイルリンク情報を、有線LANモジュール34から第一の情報機器1A又は第二の情報機器1Bに送信させる。
仮ファイル更新部30Lは、第二の仮ファイルアップロード部30IによってNAS用記憶領域732に記憶済みの第二の仮ファイルを、拡張子及びファイル名はそのままに、特定ファイルリンク情報取得部30Eにより取得された特定ファイルリンク情報を含む第三の仮ファイルに変更して、第二の仮ファイルを更新する。
図13は、図1に示すファイル共有支援システム100において、NAS2のCPU30の機能ブロックが図12に示すものである場合の動作を説明するためのフローチャートである。
図13では、第一の情報機器1Aのユーザによって任意のファイルのファイル共有指示が行われた場合の動作について説明する。図13において図8に示す処理と同じ処理は同一符号を付して説明を省略する。
ステップS2においてなされた指定ファイルについてのファイル共有依頼を受け入れたNAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に指定ファイルがアップロード済みであるか否かを判定する(ステップS3)。
指定ファイルがアップロード済みである場合には(ステップS3:YES)、図8に示したステップS4以降の処理が行われる。
指定ファイルがサービス提供装置7のNAS用記憶領域732にアップロード中、又は、指定ファイルのアップロードが開始されていない状態であれば(ステップS3:NO)、NAS2の第二の仮ファイルアップロード部30Iが第二の仮ファイルを有線LANモジュール34からサービス提供装置7に送信させて、NAS用記憶領域732に記憶させる(ステップS31)。
NAS2の仮ファイルリンク情報生成要求部30Jは、第二の仮ファイルがNAS用記憶領域732に記憶され(ステップS32)、記憶完了の通知をサービス提供装置7から受け取ると、この第二の仮ファイルにアクセスするための第二の仮ファイルリンク情報L2の生成の要求をサービス提供装置7に対して行う(ステップS33)。
なお、NAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、サービス提供装置7への第二の仮ファイルの送信が完了したことをもって、ステップS33の処理を行ってもよい。
この要求を受けて、サービス提供装置7は、第二の仮ファイルリンク情報L2を生成し(ステップS34)、生成した第二の仮ファイルリンク情報L2をNAS2に送信する(ステップS35)。
NAS2の仮ファイルリンク情報取得部30Kは、有線LANモジュール34で受信された上記の第二の仮ファイルリンク情報L2を取得し、仮ファイルリンク情報送信制御部30Mが、この取得された第二の仮ファイルリンク情報L2を、有線LANモジュール34から第一の情報機器1Aに送信させる(ステップS36)。
第一の情報機器1AのGUI制御部20Aは、NAS2から送信されてきた第二の仮ファイルリンク情報L2を受け取ると、リンク情報の生成が完了したことを画面上にて通知する(ステップS8)。通知方法は上述したとおりである。
NAS2の特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、第二の仮ファイルリンク情報L2がCPU30にて取得された後、サービス提供装置7のNAS用記憶領域732に指定ファイルがアップロード済みであるか否かを判定する(ステップS37)。
指定ファイルがサービス提供装置7のNAS用記憶領域732にアップロード中、又は、指定ファイルのアップロードが開始されていない状態であれば(ステップS37:NO)、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、指定ファイルのアップロードが完了するまで待機する。
指定ファイルがサービス提供装置7のNAS用記憶領域732にアップロード済みであれば(ステップS37:YES)、特定ファイルリンク情報生成要求部30Dは、アップロード済みの指定ファイルにアクセスするための指定ファイルリンク情報Lの生成の要求をサービス提供装置7に対して行う(ステップS38)。
この要求を受けて、サービス提供装置7は、指定ファイルリンク情報Lを生成し(ステップS39)、生成した指定ファイルリンク情報LをNAS2に送信する(ステップS40)。
NAS2の特定ファイルリンク情報取得部30Eは、有線LANモジュール34で受信された上記の指定ファイルリンク情報Lを取得してRAM32に記憶する(ステップS41)。
ステップS41の後、NAS2の仮ファイル更新部30Lは、NAS用記憶領域732に記憶されている第二の仮ファイルと同一名かつ同一ファイル形式の第三の仮ファイルを作成し、この第三の仮ファイルに、RAM32に記憶された指定ファイルリンク情報Lと所定のメッセージとを記載して保存する(ステップS42)。
ステップS42の後、仮ファイル更新部30Lは、第三の仮ファイルを有線LANモジュール34からサービス提供装置7に送信させる(ステップS43)。第三の仮ファイルは、第二の仮ファイルと同一の名称である。このため、第二の仮ファイルが第三の仮ファイルによって上書きされる。
ステップS8において通知を受けた第一の情報機器1Aのユーザが、第二の仮ファイルリンク情報L2をLAN3に接続できない情報機器に送信する。そして、この情報機器にて第二の仮ファイルリンク情報L2にしたがってファイルへのアクセスがなされる。
これにより、ステップS44の処理が完了していない状態であれば、例えば図11に示すように、「ただいまファイル共有作業中です。しばらくたってからアクセスしてください」といったメッセージを含む第二の仮ファイルの内容が、この情報機器の表示部の画面上に表示される。
一方、ステップS44の処理が完了した状態であれば、この情報機器の表示部の画面上には、例えば図14に示すように、「ファイル共有が完了しました。以下のリンクからアクセスしてください。」といったメッセージと共に、指定ファイルリンク情報L(URL:***・・・***)が表示される。
図14の画面を見たユーザは、指定ファイルリンク情報Lにしたがって指定ファイルにアクセスすることができ、指定ファイルのファイル共有が可能となる。
以上のように、図12に示すCPU30を含むNAS2を有するファイル共有支援システム100では、NAS2からサービス提供装置7にアップロードすべきファイルが大量にあり、指定ファイルのアップロード完了までに時間がかかる場合であっても、指定ファイルのアップロードに先行して、第二の仮ファイルリンク情報L2が生成され、第二の仮ファイルリンク情報L2が第一の情報機器1Aに返信される。
そして、指定ファイルのアップロード完了後は、第二の仮ファイルリンク情報L2にしたがってアクセスできるファイルに記載の指定ファイルリンク情報Lによって、指定ファイルへのアクセスが可能となり、指定ファイルのファイル共有がなされる。
このように、第一の情報機器1Aのユーザは、指定ファイルのアップロードに時間がかかる場合であっても、第二の仮ファイルリンク情報L2を迅速に取得することができるため、ファイル共有作業を効率的に行うことができる。
また、第二の仮ファイルのファイル形式は、指定ファイルのファイル形式に依存しない汎用的なものを採用することができる。このため、NAS2において仮ファイルを作成するための複数のアプリケーションプログラムをインストールしておく必要がなく、NAS2のコスト削減、NAS2における処理の簡素化が可能となる。
なお、図13のフローチャートにおいて、ステップS3の処理は省略してもよい。
また、図13のフローチャートのステップS31において、第二の仮ファイルアップロード部30Iが、ファイルアップロード部30Cによるファイルのアップロードのタスクの実行順位よりも、第二の仮ファイルをアップロードするタスクの実行順位を上位にして、第二の仮ファイルを他のファイルよりも優先的にアップロードすることが好ましい。このようにすることで、第二の仮ファイルリンク情報L2の生成を速やかに行うことが可能となり、利便性を向上させることができる。
また、図13のフローチャートにおいて、ステップS37〜ステップS42の処理は、ステップS2の処理が行われた後の任意のタイミングで行われればよい。例えば、ステップS31〜ステップS36の処理と並行して、ステップS37〜ステップS42の処理が行われることで、指定ファイルのファイル共有を速やかに行うことができる。
ここまでの説明では、LAN3に接続可能なNASが1つの場合を説明したが、NAS2が複数あってもよい。また、1つのNAS2に対して、NAS用記憶領域732が1つ割り当てられる例を説明したが、1つのNAS2に対して、複数のNAS用記憶領域732が割り当てられるようにしてもよい。
このようにすることで、NAS2の管理者の要望に合わせた柔軟な運用が可能となる。例えば、複数のNAS用記憶領域732のうち、1つについてはNAS2の共有フォルダC内のファイルのバックアップファイルを記憶する用途とし、1つについては指定ファイル又は仮ファイルを記憶する用途とする運用等が可能となる。
また、ここまでの説明では、共有フォルダCに記憶されているファイルだけが、ファイル共有の対象として説明したが、フォルダA及びフォルダBに記憶されているファイルについてもサービス提供装置7のNAS用記憶領域732に記憶してNAS2の全ファイルをバックアップする構成とし、全てのファイルに対して、ファイル共有指示を行えるようにしてもよい。
以上説明したNAS2のROM31に記憶されるプログラムは、プログラムをコンピュータが読取可能な一時的でない(non−transitory)記憶媒体に記憶される。このような「コンピュータ読取可能な記憶媒体」は、たとえば、CD−ROM(Compact Disc−ROM)等の光学媒体や、USBメモリ又はメモリカード等の磁気記憶媒体等を含む。また、このようなプログラムを、インターネット6を介したダウンロードによって提供することもできる。
以上のように本明細書には以下の事項が開示されている。
開示されたファイル共有支援システムは、端末装置と、第一のネットワークを介して前記端末装置と通信可能に構成され、前記端末装置から前記第一のネットワークを介して送信されたファイルが記憶される第一の記憶部を含むネットワークストレージ装置と、第二のネットワークを介して前記ネットワークストレージ装置と通信可能に構成され、前記ネットワークストレージ装置に対して割り当てられた記憶領域を含む第二の記憶部を有するサービス提供装置と、を備えるファイル共有支援システムであって、前記ネットワークストレージ装置は、前記第一の記憶部に記憶されているファイルの中から指定された指定ファイルについてファイル共有を行う依頼を前記第一のネットワークに接続された端末装置から受け入れた場合に、前記サービス提供装置の前記記憶領域に記憶される特定ファイルにアクセスするための特定ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行う特定ファイルリンク情報生成要求部と、前記要求に応じて前記サービス提供装置により生成された特定ファイルリンク情報を前記サービス提供装置から取得する特定ファイルリンク情報取得部と、を備え、前記特定ファイルは、前記第一の記憶部に記憶されている前記指定ファイルと同期して前記記憶領域に記憶されるファイルであり、前記サービス提供装置は、前記ネットワークストレージ装置からの前記要求に応じて前記特定ファイルリンク情報を生成する特定ファイルリンク情報生成部と、前記特定ファイルリンク情報生成部により生成された特定ファイルリンク情報を前記ネットワークストレージ装置へ送信させる送信制御部と、を備えるものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、第一のネットワークを介して端末装置と通信可能に構成され、前記端末装置から前記第一のネットワークを介して送信されたファイルが記憶される第一の記憶部を有し、かつ、第二のネットワークを介してサービス提供装置と通信可能に構成されるネットワークストレージ装置であって、前記サービス提供装置は、前記ネットワークストレージ装置に対して割り当てられた記憶領域を有する第二の記憶部を備え、前記第一の記憶部に記憶されているファイルの中から指定された指定ファイルについてファイル共有を行う依頼を前記第一のネットワークに接続された端末装置から受け入れた場合に、前記サービス提供装置の前記記憶領域に記憶される特定ファイルにアクセスするための特定ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行う特定ファイルリンク情報生成要求部と、前記要求に応じて前記サービス提供装置により生成された特定ファイルリンク情報を前記サービス提供装置から取得する特定ファイルリンク情報取得部と、を備え、前記特定ファイルは、前記第一の記憶部に記憶されている前記指定ファイルと同期して前記記憶領域に記憶されるファイルであるものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記特定ファイルリンク情報取得部により取得された特定ファイルリンク情報を前記ファイル共有の依頼元の端末装置へ送信させる特定ファイルリンク情報送信制御部を更に備えるものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記第一の記憶部に記憶されているファイルを前記サービス提供装置に送信して前記記憶領域に記憶させるファイルアップロード部を更に備え、前記特定ファイルは、前記ファイルアップロード部によって前記サービス提供装置の前記記憶領域に記憶された前記指定ファイルであるものを含む。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記ファイルアップロード部は、前記指定ファイルについては、他のファイルよりも優先的に前記記憶領域に記憶させるよう制御するものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記ファイル共有を行う依頼を受け入れた場合に、前記第一の記憶部に記憶されている前記指定ファイルと同じ種別の仮ファイルを前記サービス提供装置に送信して前記記憶領域に記憶させる仮ファイルアップロード部と、前記記憶領域に記憶された前記仮ファイルを前記指定ファイルに置き換える制御を行うファイル置換制御部と、を更に備え、前記特定ファイルリンク情報生成要求部は、前記仮ファイルアップロード部によって前記記憶領域に記憶された前記仮ファイルにアクセスするための仮ファイルリンク情報を前記特定ファイルリンク情報として、当該特定ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行うものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記仮ファイルは、ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報を含むものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記第一の記憶部に記憶されているファイルを前記サービス提供装置に送信して前記記憶領域に記憶させるファイルアップロード部と、前記ファイル共有を行う依頼を受け入れた場合に、ファイル共有の作業が進行中であることを示す情報を含む仮ファイルを前記記憶領域に記憶させる仮ファイルアップロード部と、前記仮ファイルアップロード部によって前記記憶領域に記憶された前記仮ファイルにアクセスするための仮ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行う仮ファイルリンク情報生成要求部と、前記仮ファイルリンク情報の生成の要求に応じて前記サービス提供装置により生成された仮ファイルリンク情報を前記サービス提供装置から取得する仮ファイルリンク情報取得部と、前記仮ファイルアップロード部によって前記記憶領域に記憶された仮ファイルを、前記特定ファイルリンク情報取得部により取得された特定ファイルリンク情報を含む仮ファイルに更新する仮ファイル更新部と、を更に備えるものである。
開示されたネットワークストレージ装置は、前記第一のネットワークを介して複数の端末装置と通信可能に構成され、前記複数の端末装置毎に前記第一の記憶部に記憶されるデータへのアクセス権限が設定可能であるものを含む。
開示されたファイル共有支援方法は、第一のネットワークを介して端末装置と通信可能に構成され、前記端末装置から前記第一のネットワークを介して送信されたファイルが記憶される第一の記憶部を有し、かつ、第二のネットワークを介してサービス提供装置と通信可能に構成されるネットワークストレージ装置、の前記第一の記憶部に記憶されているファイルのうちの任意の指定ファイルについてファイル共有を行う依頼を前記第一のネットワークに接続された端末装置から受け入れた場合に、前記サービス提供装置の前記ネットワークストレージ装置に対して割り当てられた記憶領域に記憶される特定ファイルにアクセスするための特定ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行う特定ファイルリンク情報生成要求ステップと、前記要求に応じて前記サービス提供装置により生成された特定ファイルリンク情報を前記サービス提供装置から取得する特定ファイルリンク情報取得ステップと、を備え、前記特定ファイルは、前記第一の記憶部に記憶されている前記指定ファイルと同期して前記記憶領域に記憶されるファイルであるものである。
開示されたファイル共有支援プログラムは、第一のネットワークを介して端末装置と通信可能に構成され、前記端末装置から前記第一のネットワークを介して送信されたファイルが記憶される第一の記憶部を有し、かつ、第二のネットワークを介してサービス提供装置と通信可能に構成されるネットワークストレージ装置、の前記第一の記憶部に記憶されているファイルのうちの任意の指定ファイルについてファイル共有を行う依頼を前記第一のネットワークに接続された端末装置から受け入れた場合に、前記サービス提供装置の前記ネットワークストレージ装置に対して割り当てられた記憶領域に記憶される特定ファイルにアクセスするための特定ファイルリンク情報の生成の要求を前記サービス提供装置に対して行う特定ファイルリンク情報生成要求ステップと、前記要求に応じて前記サービス提供装置により生成された特定ファイルリンク情報を前記サービス提供装置から取得する特定ファイルリンク情報取得ステップと、をコンピュータに実行させるためのものであって、前記特定ファイルは、前記第一の記憶部に記憶されている前記指定ファイルと同期して前記記憶領域に記憶されるファイルである。