JP6596784B2 - 骨接合スクリューおよびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、骨接合スクリューおよびその製造方法に関するものである。
脊柱損傷(脊柱側彎症、脊椎すべり症、椎間板の断裂やずれ、椎間板変性症、椎骨骨折をはじめとする変形、疾病または外傷)の治療においては、脊椎にほぼ平行な脊椎ロッドと、椎骨の椎弓根に固定する椎弓根スクリューとを含む脊椎固定システムを使用して、脊椎を固定化することが行われる。
従来では、脊椎固定システムに使用されるスクリューの骨に対する固定力を高めるために、下記の先行技術文献等において、種々の形状が提案されている。
特許文献1には、骨組織への固定強度を高めるためにネジ谷部の底周辺に溝を設けることにより骨との接触面積を増加させる方法が示されている。
特許文献2においては、多条ネジにおいて、海綿骨内に固定される第1ネジ部と皮質骨内に固定される第1ネジ部を有し、第1ネジ部が第1ネジ部よりも細かいネジパターンであるスクリューが提案されている。
特許文献3においては、ネジ山高さが一定でスクリューの末端部においてテーパ―状に細くなり、複リード軸部を持つものが提案されている。このようにすることにより、挿入が容易で短時間の捩じ込みが可能になる。
特許文献4においては、遠位ネジ山部と近位ネジ山部を有し、近位ネジ山部のピッチは遠位ネジ山部のピッチ未満であることを特徴とするスクリューが開示されている。
特許文献1〜4に開示されている脊椎固定システム用のスクリューは、骨とスクリュー表面の接触面積を多くすることや、ネジ山のピッチを近位部と遠位部で差を持たせることにより、皮質骨と海綿骨での固定力を高めようとするものであり、また、遠位部の末端を細径にすることにより挿入を容易にしようとしたものである。
スクリューの骨に対する固定力を高めるためには、スクリューの挿入時において、骨とスクリュー表面が強く当接していることが好ましい。したがって、スクリューの固定力を高めるために、スクリュー先端側に向かうにつれて軸径が細くなっているテーパスクリュー形状を採用するのが、一般的な考え方である。
また、スクリューの骨に対する固定力を高めるためには、スクリューが骨と直接結合することが好ましい。椎弓根スクリューに用いられる材料は、一般的に、チタン金属やその合金であるため、スクリューと骨は直接結合することなく、術後の状況によっては、スクリューに弛みが生じる。このことは骨粗鬆症を伴う高齢者の患者に特に多くみられる。
そこで、スクリューの骨に対する固定力を高めるために、スクリュー表面に骨と直接結合(接合)する生体活性層を形成した骨接合スクリューが、下記の先行技術文献等に提案されている。
具体的には、非特許文献1、2において、椎弓根スクリューの固定力を高めるために、スクリュー表面に骨と直接結合するハイドロキシアパタイトなどをコーティングする方法が提案され、動物を使った試験でその効果が評価されている。整形外科の各種インプラントにハイドロキシアパタイトをコーティングすれば、周囲の骨と早期に結合することは臨床的にも示され、人工股関節や人工歯根等において実用に供されている。
また、非特許文献3において、チタン金属に対して、水酸化ナトリウム溶液を用いた化学処理を施した後、加熱処理すれば骨と結合することが見いだされ、方法は人工股関節のチタン金属多孔部に適用されて10年以上後も結合力はほとんど劣化することなく結合状態が維持されていることが示されている。なお、この非特許文献3に記載の化学処理と加熱処理は、基材表面にチタン酸ナトリウムを形成するものである。
また、特許文献5においては、二つの隣接する椎骨を固定するためのスクリュー、ロッド、プレートからなる脊椎固定システムであって、スクリュー、ロッドおよびプレートは高強度生体適合材料の基体部分と自然骨に類似した多孔部からなり、基体部分はハイドロキシアパタイトあるいはリン酸カルシウム等の生体活性材料で覆われていることを特徴とする骨伝導性の脊椎固定システムが開示されている。
特開2012−10835号公報 特表2009−527279号公報 特表2007−530216号公報 特表2013−526374号公報 特表2008−541852号公報
V.Vidyadhar, et al: Pedicle Screw Surface Coatings Improve Fixation in Nonfusion Spinal Constructs, SPINE Volume 34(2009), Number 4, pp 335-343. B. Sande´n, et al: Improved Bone-Screw Interface With Hydroxyapatite Coating, An In Vivo Study of Loaded Pedicle Screws in Sheep, SPINE Volume 26(2001), Number 24, pp 2673-2678. So, et al.:Clinical Orthopaedics and Related Research 471(2013)3847-3855.
本発明者らは、脊椎固定システムにおけるチタン合金製の椎弓根スクリューに、非特許文献3に記載の化学処理と加熱処理を改良した方法、すなわち、NaOH−CaCl−加熱−温水処理により生体活性を付与し、ビーグル犬の脊椎に刺入して脊椎骨とスクリューの固定力を調査した。以下では、NaOH−CaCl−加熱−温水処理を、単に、化学−加熱処理と呼ぶ。その結果、化学−加熱処理を施したスクリューの固定力は非処理のスクリューの固定力よりも1.5倍高いことが判明した。
しかし、骨に刺入後のスクリューでは、化学−加熱処理によってスクリュー表面に形成された処理層が部分的に剥がれていることや、剥がれずに残っていた処理層が潰れた状態であることが観察された。処理層が潰れてしまうと、処理層が構造的に脆くなるため、処理層が潰れていない場合と比較して、骨に対するスクリューの固定力が弱まってしまう。このため、スクリューに、安定かつ強固な固定力を発揮させるには、更なる改良が必要であることがわかった。
より詳細に説明すると、上記の化学−加熱処理は、NaOH溶液処理によりチタン合金表面に0.5〜1.5μmの厚さの針状相から成る処理層を形成し、それをCaCl溶液に浸漬すると、Caが処理層中のNaと置き換わり、その後の加熱処理により処理層の強度が強められ、さらに、その後の温水処理を施すことにより生体活性を生じるようにするものである。
しかし、スクリューを強度の高い皮質骨に捻じ込む場合のようにスクリューと骨の間に強いせん断応力が働くと、針状相から成る処理層が剥がれる問題が発生する。この状態は、スクリュー表面と骨の間で高い擦過力が働くことによって生じる。処理層が剥がれずに残った場合でも、スクリュー表面と骨の間で高い擦過力が働くことによって、処理層が潰れた状態となる。
なお、このような問題は、スクリュー本体部と生体活性層のそれぞれの材質に関わらず、スクリュー表面に生体活性層を形成したスクリューにおいて生じるものである。また、このような問題は、椎弓根スクリューに限らず、脊椎骨以外の骨に固定されるスクリュー、例えば、スクリュータイプの人工歯根などにおいても、同様に生じるものである。
本発明は上記点に鑑みて、スクリュー表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制して、安定かつ強固な固定力を発揮させることができる骨接合スクリューを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、先端から骨に刺入されるものであって、表面にねじ山(7)が形成された軸部(6)と、
軸部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
軸部は、ねじ山が形成された範囲(10)のうち軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)と、ねじ山が形成された範囲のうち第1ねじ部よりも軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)とを有し、
生体活性層は、針状相を有する層であり、軸部のうち少なくとも第2ねじ部に形成されており、
生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
第2ねじ部のねじ山は、軸部を骨に刺入した際に、第1ねじ部のねじ山が骨に形成したねじ溝(13)を進行するように構成されており、
ねじ山におけるねじ山の頂部(7a)からの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴としている。
ここで、請求項1に記載の「ねじ山におけるねじ山の頂部からの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細い」ことには、請求項2に記載のように、ねじ山の頂部の位置同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細い場合(D7a−2<D7a−1)と、ねじ山における頂部から等距離離れた位置同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細い場合(D7b−2<D7b−1)の少なくとも一方が含まれる。なお、請求項2に記載の発明では、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下である。
本発明の骨接合スクリューが骨内に刺入されるとき、軸部の第1ねじ部が骨内に侵入することにより、骨内に第1ねじ部の形状に応じたねじ溝が形成され、そのねじ溝内を第2ねじ部が進行して行く。このとき、ねじ山の同じ位置同士で第1ねじ部と第2ねじ部の太さを比較すると、第2ねじ部が第1ねじ部よりも細いので、第2ねじ部のねじ山の表面と骨との間の接触は、無いか、もしくは、緩くなる。このため、第2ねじ部のねじ山の表面と骨との間に生じる擦過力を低減でき、第2ねじ部の表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制できる。
したがって、本発明によれば、骨接合スクリュー表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制して、骨接合スクリューに安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。このような技術的思想は、従来は骨との当接面を多くし、強固に固定しようとするスクリュー設計の思想とは全く逆のものであり、逆転の発想に近いものである。
請求項1、2に記載の発明においては、さらに、請求項3に記載の発明のように、隣り合うねじ山の間の谷底部(8)同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であること好ましい。
これによれば、ねじ山および谷底部のそれぞれの位置で、第2ねじ部が第1ねじ部よりも細いので、第2ねじ部のねじ山および谷底部の表面において、第2ねじ部の表面と骨との間の生じる擦過力を低減できる。この結果、第2ねじ部の表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制でき、骨接合スクリューに安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。
請求項4に記載の発明では、軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、先端から骨に刺入されるものであって、表面にねじ山(7)が形成された軸部(6)と、
軸部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
軸部は、ねじ山が形成された範囲(10)のうち軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)と、ねじ山が形成された範囲のうち第1ねじ部よりも軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)とを有し、
生体活性層は、針状相を有する層であり、軸部のうち少なくとも第2ねじ部に形成されており、
生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
隣り合うねじ山の間の谷底部(8)同士で、第1ねじ部と第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部は第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴としている。
本発明の骨接合スクリューが骨内に刺入されるとき、軸部の第1ねじ部が骨内に侵入することにより、骨内に第1ねじ部の形状に応じたねじ溝が形成され、第2ねじ部の谷底部は、第1ねじ部の谷底部に応じた太さの穴を進行する。このとき、谷底部同士で第1ねじ部と第2ねじ部の太さを比較すると、第2ねじ部が第1ねじ部よりも細いので、第2ねじ部の谷底部の表面と骨との間の接触は、無いか、もしくは、緩くなる。このため、第2ねじ部の谷底部の表面と骨との間に生じる擦過力を低減でき、第2ねじ部の表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制できる。
したがって、本発明によれば、骨接合スクリュー表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制して、骨接合スクリューに安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4に記載の発明において、第2ねじ部は、第1ねじ部と比較して、軸部の軸方向において軸部を占める範囲が広いことを特徴としている。
このように、第2ねじ部の範囲を広く設定することで、軸部の一部において生体活性層による骨結合力を発揮させることができなくても、軸部の広範囲において生体活性層による骨結合力(骨接合力)を発揮させることができる。これにより、骨接合スクリュー全体において、より安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の発明において、
軸部は、ねじ山が形成された範囲のうち第2ねじ部よりも軸部の後端側部位に位置する第3ねじ部(15)を有し、
第3ねじ部のねじ山は、軸部を骨に刺入した際に、第1ねじ部のねじ山が骨に形成するねじ溝を進行する構成となっており、
ねじ山におけるねじ山の頂部(7a)からの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部と第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部は第1ねじ部よりも太い、または、第1ねじ部と同じ太さであることを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の発明において、隣り合うねじ山の間の谷底部同士で、第1ねじ部と第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部は第1ねじ部よりも太い、または、第1ねじ部と同じ太さであることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明では、請求項1〜5に記載の発明において、
軸部は、ねじ山が形成された範囲のうち第2ねじ部よりも軸部の後端側部位に位置する第3ねじ部(15)を有し、
隣り合うねじ山の間の谷底部(8)同士で、第1ねじ部と第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部は第1ねじ部よりも太い、または、第1ねじ部と同じ太さであることを特徴としている。
スクリュー挿入の初期においてスクリュー表面と骨の当接の仕方が弱いと、スクリューの初期固定力の低下が心配される。そこで、請求項6、7、8に記載のように、第1ねじ部よりも太い、もしくは、第1ねじ部と同じ太さの第3ねじ部を有することが好ましい。
これによれば、第3ねじ部の表面と骨との当接の仕方が強くなるので、スクリュー刺入時の初期固定力を高めることができる。
また、請求項9に記載の発明では、請求項1〜5に記載の発明において、
軸部は、軸部のうち第2ねじ部よりも軸部の後端側に位置し、ねじ山が形成されていない後端側部(6c)を有し、
後端側部は、第1ねじ部のねじ山とねじ山との間の谷底部(8)よりも太い、または、第1ねじ部の谷底部と同じ太さであることを特徴としている。
これによれば、後端側部の表面と骨との当接の仕方が強くなるので、請求項6〜8に記載の発明と同様に、スクリュー刺入時の初期固定力を高めることができる。
請求項10に記載の発明では、
軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、先端から骨に刺入される軸部(6)と、
軸部のうち表面にねじ山(7)が形成された範囲であるねじ部(10)と、
ねじ部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
生体活性層は、針状相を有する層であり、
生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
ねじ部は、ねじ山の頂部(7a)の位置で測定されるねじ部の直径について、ねじ部の軸方向先端側に位置する先端側部位(11)の前記直径(D7a−1)よりも、前記先端側部位の軸方向後端側に続く後端側部位(12)の前記直径(D7a−2)の方が小さいという関係(D7a−2<D7a−1)を有し、かつ、前記先端側部位と前記後端側部位の直径差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴としている。
本発明の骨接合スクリューが骨内に刺入されるとき、ねじ部の先端側部位が骨内に侵入することにより、骨内にねじ部の先端側部位の形状に応じたねじ溝が形成され、そのねじ溝内をねじ部の後端側部位が進行して行く。このとき、ねじ部は、ねじ山の頂部(7a)の位置で測定されるねじ部の直径について、先端側部位(11)の前記直径(D7a−1)よりも後端側部位(12)の前記直径(D7a−2)の方が小さいという関係(D7a−2<D7a−1)を有しているので、ねじ部の後端側部位のねじ山の表面と骨との間の接触は、無いか、もしくは、緩くなる。このため、ねじ部の後端側部位のねじ山の表面と骨との間に生じる擦過力を低減でき、ねじ部の後端側部位の表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制できる。
したがって、本発明によれば、骨接合スクリュー表面に形成した生体活性層の潰れや剥離を抑制して、骨接合スクリューに安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。このような技術的思想は、従来は骨との当接面を多くし、強固に固定しようとするスクリュー設計の思想とは全く逆のものであり、逆転の発想に近いものである。
請求項11に記載の発明では、請求項1〜10に記載の発明において、軸部は、金属で構成され、金属またはセラミックスを用いた溶射法によって軸部の表面に形成された多孔質層(16)を備え、生体活性層は、多孔質層の表面に形成されていることを特徴としている。
これによれば、多孔質層が生体活性を有するので、スクリューの骨への刺入後において、多孔質層の孔に早期に骨が侵入することにより、アンカー効果が高まり、スクリューと骨の固着力を高めることができる。
請求項12に記載の発明では、請求項11に記載の発明において、軸部は、チタンまたはチタン合金で構成され、多孔質層は、チタンまたはチタン合金で構成され、生体活性層は、カルシウム欠損チタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されていることを特徴としている。具体的には、このような構成を採用できる。
請求項13に記載の発明では、請求項1〜10に記載の発明において、軸部は、チタンまたはチタン合金で構成され、生体活性層は、カルシウム欠損チタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されていることを特徴としている。具体的には、このような構成を採用できる。
請求項14に記載の発明では、
機械加工によって軸部の表面にねじ山(7)が形成されたスクリューを準備する準備工程(S1)と、
軸部のねじ山が形成された範囲のうち軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)をマスク材で覆い、軸部のねじ山が形成された範囲のうち第1ねじ部よりも軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)をマスク材から露出させた状態で、エッチング処理することにより、第2ねじ部を減径させる減径工程(S2)と、
軸部のうち少なくとも第2ねじ部の表面に、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層を形成する生体活性層形成工程(S3)とを順に行うことを特徴としている。
これによれば、請求項1または4に記載の骨接合スクリューを製造することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における脊椎固定システムを示す斜視図である。 第1実施形態におけるスクリューの側面図である。 骨に刺入した状態における第1実施形態のスクリューおよび骨の断面図である。 第1実施形態におけるスクリューの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施形態の製造方法で製造したスクリューの効果を確認した実験内容を説明するための図である。 図5に示す方法にて一部を減径させたスクリューの写真および減径量の測定結果を示す図である。 第1実施形態の製造方法で製造したスクリューの効果を確認した実験結果を示す図である。 骨に刺入した状態における第2実施形態のスクリューおよび骨の断面図である。 骨に刺入した状態における第3実施形態のスクリューおよび骨の断面図である。 第4実施形態におけるスクリューの側面図である。 第5実施形態におけるスクリューの側面図である。 第6実施形態におけるスクリューの側面図である。 第7実施形態におけるスクリューの側面図である。 第8実施形態におけるスクリューの側面図である。 第9実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。 他の実施形態におけるスクリューの側面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本実施形態は、本発明の骨接合スクリューを、脊柱の損傷を治療する場合に脊椎固定術に用いられる脊椎固定システム1の椎弓根スクリューに適用したものである。
図1に示すように、脊椎固定システム1は、脊椎ロッド2と、スクリュー3とを備えている。スクリュー3は、脊椎ロッド2を保持するとともに、椎骨4の椎弓根に埋め込まれるものである。脊椎ロッド2およびスクリュー3は、チタン合金または純チタンで構成されている。脊椎固定システム1は、椎骨4に埋め込んだスクリュー3の頭部5に、脊椎ロッド2を保持させることで、椎骨4同士を固定する。このように、スクリュー3は、脊椎を固定するための脊椎固定システム1の一部として用いられるものである。
図2に示すように、スクリュー3は、頭部5と軸部6とを備えている。頭部5は、脊椎ロッド2を保持する保持部5aを有している。軸部6は、一方向を軸方向として延びており、軸方向における先端6aと後端6bとを有している。軸部6の後端6bが頭部5と連なっている。軸部6は、先端6aから骨に刺入される。軸部6は、外周面に螺旋状のねじ山7が形成されている。
軸部6のうち、ねじ山7が形成された範囲がねじ部10である。本実施形態では、軸部6のうち先端6a側の円錐形状部を除く軸方向全範囲がねじ部10を構成している。
ねじ部10は、軸部6の先端6a側部位に位置する第1ねじ部11と、第1ねじ部11よりも軸部6の後端6b側部位に位置する第2ねじ部12とを有している。本実施形態では、第1ねじ部11は、ねじ部10のうち先端6aから2つのねじ山7が形成された部分であり、第2ねじ部11は、ねじ部10のうち残りのねじ山7が形成された部分である。
本実施形態のねじ部10は、一条ねじである。第2ねじ部12のねじ山7は、第1ねじ部11のねじ山7と連続しており、第1ねじ部11のねじ山7と同じねじ山ピッチを有している。なお、ねじ山ピッチとは、軸方向で隣り合うねじ山同士の距離である。このため、図3に示すように、第2ねじ部12のねじ山7は、軸部6を骨4に刺入した際に、第1ねじ部11が骨4に形成するねじ溝13を進行する。
そして、ねじ部10の直径を、第1ねじ部11と第2ねじ部12で比較したとき、第2ねじ部12の方が第1ねじ部よりも細くなっている。なお、この直径は、軸部6の軸方向に垂直な方向での寸法である。本明細書では、ねじ部の直径をねじ部の太さと呼んでいる。また、軸部6の軸方向に垂直な方向におけるねじ部のねじ山先端間の距離をねじ部の外径と呼び、軸部6の軸方向に垂直な方向におけるねじ部の谷底間の距離をねじ部の内径と呼ぶ。ここで、図3に示すように、ねじ山7は、頂部7aと傾斜部7bとを有している。傾斜部7bは、ねじ山7のうち頂部7aを除く部分であって、軸方向に対して傾斜している部分である。また、軸部6のうち軸方向で隣り合うねじ山7の間の部位が谷底部8である。ねじ山7の頂部7aでのねじ部10の直径(ねじ部10の外径)同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部の直径よりも小さい(D7a−2<D7a−1)。ねじ山7の傾斜部7bのうち頂部7aから軸方向一側に等距離離れた位置でのねじ部10の直径同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部の直径よりも小さい(D7b−2<D7b−1)。したがって、ねじ山7におけるねじ山7の頂部7aからの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12は第1ねじ部11よりも細くなっている。さらに、ねじ山7の谷底部8でのねじ部10の直径(ねじ部10の内径)同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部の直径よりも小さくなっている(D8−2<D8−1)。
なお、ねじ部10の外径については、次のように、言い換えることもできる。すなわち、ねじ部10は、ねじ山7の頂部7aの位置で測定されるねじ部10の直径について、ねじ部10の軸方向先端側に位置する先端側部位11の直径D7a−1よりも先端側部位11の軸方向後端側に続く後端側部位12の直径D7a−2の方が小さいという関係(D7a−2<D7a−1)を有している。第1ねじ部11がねじ部10の先端側部位に対応し、第2ねじ部12がねじ部10の後端側部位に対応している。
このように、本実施形態では、第1ねじ部11と第2ねじ部12において、ねじ山7の頂部7a同士、傾斜部7b同士、谷底部8同士のように、ねじ形状の対応する部分同士を比較したとき、第2ねじ部12の方が第1ねじ部11よりもねじ部10の直径が小さくなっている。すなわち、ねじ山7の頂部7aから谷底部8に至る範囲の全部において、第1ねじ部11と第2ねじ部12とを相互に比較したときに、第2ねじ部12は第1ねじ部11よりも細くなっている。
第1ねじ部11と第2ねじ部12の各位置での直径差は、0.02mm以上0.08mm以下(20〜80μm)とすることが好ましい。後述の実験結果の説明の通り、0.02mm以上とすることで、得られる発明の効果を高められ、0.08mm以下とすることで、スクリューの強度低下を抑制しつつ、生体活性層を介しての骨との結合期間の長期化を抑制できるからである。なお、第1ねじ部11と第2ねじ部12の直径差は、ねじ山7の頂部7a同士での直径差と谷底部8同士での直径差とが同じであっても、異なっていてもよい。
また、図3に示すように、ねじ部10の全域において、軸部6の表面に、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層14が形成されている。生体活性層14は、カルシウム欠損チタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されている。なお、カルシウム欠損チタン酸カルシウムの「カルシウム欠損」とは、チタン酸カルシウム層におけるカルシウム濃度が表面から内部に向かうにつれて減少していることを意味する。
次に、上記した構成のスクリュー3の製造方法について説明する。以下では、図4のフローチャートおよび図2のスクリュー3を参照しながら説明する。
スクリュー3は、図4に示すように、準備工程S1と、減径工程S2と、生体活性層形成工程S3とを順に行うことで製造される。
準備工程S1は、スクリューを準備する工程である。この工程では、機械加工によって製造されたチタン合金製または純チタン製のスクリューを準備する。準備するスクリューは、ねじ部10の太さが上記した第1ねじ部11と第2ねじ部12の関係を満たさず、生体活性層14を備えていない点を除き、図2に示すスクリュー3と同じものである。
減径工程S2は、準備したスクリュー3のねじ部10のうち第2ねじ部12の形成予定領域を減径させる工程である。この工程では、まず、ねじ部10のうち先端側に位置する第1ねじ部11をマスク材で覆い、ねじ部10のうち第1ねじ部11の後端側に連なる第2ねじ部12をマスク材から露出させた状態とする。この状態で、スクリュー3に対してエッチング処理を施す。すなわち、スクリュー3を腐食液に浸漬することにより、第2ねじ部12の表層を溶解除去して、第2ねじ部12を減径させる。このとき、腐食液として、例えば、塩酸と硫酸の混酸を用いることができる。また、腐食液への浸漬時間によって減径量が決まるので、所望の減径量となるように、浸漬時間を設定する。浸漬後、スクリュー3を覆っていたマスク材をはがす。
生体活性層形成工程S3は、減径工程S2後のスクリュー3に対して、生体活性処理を施すことで、軸部6の表面に生体活性層14を形成する工程である。
生体活性処理としては、非特許文献3や特許第5499347号公報に記載の生体活性処理を採用することができる。
具体的には、NaOH水溶液にスクリュー3を浸漬する。これにより、軸部6の表面にチタン酸水素ナトリウムの処理層が形成される。この処理層は、ナトリウム濃度が表面から内部に向かうにつれて減少している。
続いて、CaCl水溶液にスクリュー3を浸漬する。これにより、浸漬後の処理層は、チタン酸水素カルシウムで構成される。この処理層では、カルシウム濃度が表面から内部に向かうにつれて減少している。
続いて、スクリュー3を乾燥雰囲気中400〜800℃で加熱する。これにより、加熱後の処理層は、チタン酸カルシウムで構成される。
その後、スクリュー3を60℃以上の温水または水蒸気で処理する。これにより、軸部6の表面にチタン酸カルシウムで構成された生体活性層14が形成される。
なお、上記した生体活性処理において、スクリュー3のNaOH水溶液への浸漬と、浸漬後のスクリュー3の400〜800℃での加熱のみを行うことにより、チタン酸ナトリウムで構成された生体活性層14が形成される。
このようにして、上記した構造のスクリュー3が製造される。なお、本実施形態では、ねじ部10の全域に生体活性層14を形成したが、ねじ部10のうち少なくとも第2ねじ部12の表面に生体活性層14を形成すればよい。第1ねじ部11の表面の生体活性層14については、スクリュー3を骨内に刺入したときに剥離する可能性があるからである。
以上説明したように、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7におけるねじ山7の頂部7aからの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12は第1ねじ部11よりも細くなっている(D7a−2<D7a−1、D7b−2<D7b−1)。さらに、谷底部8の位置同士で比較したときも、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部の直径よりも小さくなっている(D8−2<D8−1)。
図3に示すように、本実施形態のスクリュー3を骨4に刺入したとき、先端側の第1ねじ部11が骨4に侵入することにより、骨4に第1ねじ部11の形状に応じたねじ穴が形成され、そのねじ穴内を第2ねじ部12が進行して行く。すなわち、第2ねじ部12のねじ山7は、第1ねじ部11のねじ山7によって形成されたねじ溝13を進行する。第2ねじ部12の谷底部8は、第1ねじ部11の谷底部8に応じた太さの穴を進行する。
このとき、第2ねじ部12は、ねじ山7の頂部7aから谷底部8に至る範囲の全部において、第1ねじ部11よりも細いので、第2ねじ部12の表面と骨4との間に隙間が生じるか、もしくは、第2ねじ部12の表面と骨4との間の接触が緩くなる。このため、本実施形態のスクリュー3によれば、第2ねじ部12の表面と骨4との間に生じる擦過力を低減でき、第2ねじ部12の表面に形成された生体活性層14が潰れたり、剥離したりすることを抑制できる。
したがって、本実施形態のスクリュー3によれば、生体活性層14の潰れや剥離を抑制して、スクリュー3に安定かつ強固な固定力を発揮させることができる。すなわち、本実施形態のスクリュー3を骨4に刺入した場合、刺入直後から2週間以上経過すれば、スクリュー3表面の生体活性層14によって、スクリュー3の周辺を骨が取り囲むようにスクリュー3と骨が結合し、骨4からスクリュー3を引き抜く抵抗は大きくなり、スクリュー3の脱転を防ぐことができる。
また、本実施形態のスクリュー3は、第2ねじ部12が、第1ねじ部11と比較して、6軸部の軸方向において軸部を占める範囲が広くなっている。このように、第2ねじ部12の範囲を広く設定することで、軸部6の広範囲において生体活性層14による骨結合力(骨接合力)を発揮させることができる。
また、本実施形態のスクリュー3は、スクリュー3の刺入直後においては、図3に示すように、第2ねじ部12の表面と骨4との間に隙間が生じた状態もしくは両者の接触が緩い状態となるが、第1ねじ部11によって初期固定力を確保することで、スクリュー3の刺入直後における固定力不足の問題を回避できる。
ここで、本実施形態の製造方法で製造したスクリュー3の効果を確認した実験結果を説明する。
[減径量の確認試験]
図5に示すように、脊椎固定システムに使用するTi−6Al−4V合金製のスクリュー31を用意し、軸部6の先端側部分をマスク材としてのフッ素樹脂製のシート32により保護した状態で、スクリュー31を66.3%HSO+10.6%HCl溶液に所定時間浸漬した。そして、シート32で覆った部分と覆っていない部分のねじ山高さを測定した。なお、用意したスクリュー31は、円錐形状の先端部を除く軸方向全域において、ねじ部の形状が同じものである。また、スクリュー31を浸漬した溶液については、溶液温度を70℃とし、浸漬時間を30分、60分、120分とし、それぞれのときのねじ山高さを測定した。ねじ山高さとは、谷底部8を基準としたねじ山7の高さ(軸部6の軸方向に垂直な方向における谷底部8からねじ山7の頂部7aまでの距離)を意味する。
図6に、一例として、浸漬時間を120分としたときの浸漬後のスクリュー3の写真と、そのスクリュー3のねじ山高さを表面粗さ計により測定した結果とを示す。図6に示すように、軸部6のうち先端側部分のシート32で覆った部分のねじ山高さは454μmであるのに対して、シート32で覆っていない部分(混酸で腐食された部分)のねじ山高さは424μmであった。すなわち、軸部6のうちシート32で覆っていない部分は、ねじ山高さの減少量が30μm(軸部6の減径量が直径で60μm)である。
同様のことを、異なる浸漬時間に対して調べた結果、浸漬時間が30分のときでは、ねじ山高さの減少量は8μm程度(軸部6の減径量は直径で16μm程度)であり、浸漬時間が60分のときでは、ねじ山高さの減少量は17μm程度(軸部6の減径量は直径で34μm程度)であることがわかった。
なお、この減径加工は、ねじ部表面に対する酸処理であるので、ねじ山高さだけでなく、谷径(谷底部における軸部6の直径)も減少している。
[生体活性層の剥離防止評価]
実施例1では、上記した減径量の確認試験と同様に、Ti−6Al−4V合金製のスクリューを用意し、スクリュー先端部の2山程度をシートで保護して、他の部分を露出させたまま66.3%HSO+10.6%HCl溶液に60分間浸漬して、先端部を除く残部を減径させた。そして、このスクリューに対して、NaOH−CaCl−加熱−温水処理(化学−加熱処理)を施した。
実施例2では、実施例1において浸漬時間を30分とし、比較例1では、実施例1において浸漬時間を30分とし、それ以外は実施例1と同様に、スクリューに対して各処理を施した。
化学−加熱処理の処理条件は以下の通りである。
・NaOH:95℃の5M NaOH溶液に24h浸漬
・CaCl:40℃の100mM CaCl溶液に24h浸漬
・加熱:大気中で600℃−1hの加熱、炉冷
・温水:80℃の純水に24h浸漬
実施例1、実施例2および比較例1の試料を牛の腰椎にねじ込み、直ちに抜去した後、表面の処理層の残存状態を観察した。その結果を図7に示す。
図7に示すように、比較例1の浸漬時間が0分(酸処理無し)のスクリューでは、処理層が押し潰された状態となっている部分と、処理層が剥離された部分とが観察され、押し潰されていない処理層は観察されなかった。なお、図7の比較例1における最下段の拡大図は、処理層が押し潰された部分を示している。
これに対して、実施例2の浸漬時間が30分のスクリューでは、減軽した部分において、ところどころに、押し潰されていない処理層が残っているのが観察された。実施例1の浸漬時間が60分のスクリューでは、減軽した部分のほぼ全面において、押し潰されていない処理層が観察された。
これらの結果より、実施例1、2は発明の効果が得られることが確認された。ただし、30分の混酸浸漬(減径量は直径で0.016mm)よりも、60分の混酸浸漬(減径量は直径で0.034mm)の方が、良好な状態の生体活性層が十分に残存していたことから、高い効果が得られることがわかる。このため、減径量は直径で0.016mmよりも大きいことが好ましく、例えば、0.02mm以上とすることが好ましい。
なお、減径量が直径で0.034mmよりも大きいと生体活性層の残存はより確実になるが、減径しすぎると、スクリューの強度低下をおこすとともに、生体活性層を介して骨と結合するまでの期間が長くなるため、好ましくない。このため、減径量は直径で0.08mm以下とすることが好ましい。
以上のように先端部よりもそれに続く部分を減径することにより、減径された部分では骨との擦過が少なくなり、表面の生体活性層は保存されることになる。したがって、スクリューと骨の結合はより安定し、結合力も強固になることが期待される。
なお、本実施形態では、機械加工されたスクリューに対してエッチング処理を施すことで、第1ねじ部11と第2ねじ部12の太さに差を設けたが(減径工程S2)、スクリューの機械加工時に第1ねじ部11と第2ねじ部12の太さに差を設けてもよい。実用的には、スクリューの機械加工時に先端とそれに続くところの山谷形状に、例えば、20μm程度の差を設ければよい。なお、機械加工によって第1ねじ部11と第2ねじ部12の太さに差を設ける場合、機械加工の寸法誤差(精度)よりも大きな差を持たせるように設計することが好ましい。例えば、機械加工での寸法誤差が±0.03mmの場合、直径差を0.03mm以上に設定することが好ましい。
また、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7の頂部7aの位置同士で第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも細いことと(D7a−2<D7a−1)、ねじ山7の傾斜部7bのうち頂部7aから軸方向一側に等距離離れた位置同士で第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも細いこと(D7b−2<D7b−1)の両方を満たす形状であったが、どちらか一方のみを満たす形状であってもよい。
また、本実施形態のスクリュー3の製造方法において、減径工程S2と生体活性層形成工程S3との間に、スクリュー3の軸部6の表面に対して、ショットブラスト等の処理によって凹凸を形成する工程を追加してもよい。この場合、軸部6の表面に凹凸を設けることにより、軸部6の表面積が増加し、生体活性層14の表面積が増加するため、スクリュー3と骨4との固着力が高まる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態のスクリュー3において、第1ねじ部11と第2ねじ部12の寸法関係を変更したものである。
図8に示すように、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7の頂部7aでの直径同士および傾斜部7bでの直径同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部11の直径よりも小さく(D7a−2<D7a−1、D7b−2<D7b−1)、ねじ山7の谷底部8での直径同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径と第1ねじ部11の直径は同じである(D8−2=D8−1)。なお、このような寸法関係を有するスクリュー3は、機械加工等によって製造可能である。
このように、本実施形態では、ねじ山7におけるねじ山7の頂部7aからの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12は第1ねじ部11よりも細くなっている(D7a−2<D7a−1、D7b−2<D7b−1)。本実施形態においても、第2ねじ部12のうち第1ねじ部11よりも細い部分では、スクリュー3が骨4に刺入された状態のとき、第2ねじ部12の表面と骨4との間の接触は、無いか、もしくは、緩くなる。このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様に効果を奏する。
なお、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7の頂部7aの位置同士で第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも細いことと(D7a−2<D7a−1)、ねじ山7の傾斜部7bのうち頂部7aから軸方向一側に等距離離れた位置同士で第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも細いこと(D7b−2<D7b−1)の両方を満たす形状であったが、どちらか一方のみを満たす形状であってもよい。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態のスクリュー3において、第1ねじ部11と第2ねじ部12の寸法関係を変更したものである。
図9に示すように、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7の頂部7aでの直径同士および傾斜部7bでの直径同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径と第1ねじ部11の直径は同じであり(D7a−2=D7a−1、D7b−2=D7b−1)、谷底部8での直径同士を比較したとき、第2ねじ部12の直径の方が第1ねじ部11の直径よりも小さい(D8−2<D8−1)。なお、このような寸法関係を有するスクリュー3は、機械加工等によって製造可能である。
このように、本実施形態では、谷底部8の位置同士で、第1ねじ部11と第2ねじ部12のそれぞれの太さを比較したときに、第2ねじ部12の方が第1ねじ部11よりも細くなっている(D8−2<D8−1)。本実施形態においても、第2ねじ部12のうち第1ねじ部11よりも細い部分では、スクリュー3が骨4に刺入された状態のとき、第2ねじ部12の表面と骨4との間の接触は、無いか、もしくは、緩くなる。このため、本実施形態においても、第1実施形態と同様に効果を奏する。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態のスクリュー3に対して、第2ねじ部12の形状を変更するとともに、ねじ部10内に第3ねじ部15を設定したものである。
図10に示すように、本実施形態のスクリュー3では、第1ねじ部11は、ねじ部10のうち先端6aから1つのねじ山7が形成されている部分であり、第2ねじ部11は、ねじ部10のうち先端6aから2〜9番目のねじ山7が形成されている部分である。そして、本実施形態のスクリュー3では、第2ねじ部12の形状が、第2ねじ部12の外径D7a−2および内径D8−2が後端6bに近づくにつれて徐々に小さくなる逆テーパ形状となっている。ただし、本実施形態においても、第1ねじ部11と第2ねじ部12の寸法関係は、第1実施形態と同じ寸法関係を満たしている(D7a−2<D7a−1、D7b−2<D7b−1、D8−2<D8−1)。したがって、本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。このように、第2ねじ部12の太さは、第2ねじ部12内で均一でなくてもよい。
さらに、本実施形態のスクリュー3では、軸部6は、第2ねじ部12よりも軸方向後端6b側に位置する第3ねじ部15を有している。本実施形態では、第3ねじ部15は、ねじ部10のうち後端6bから1〜4番目のねじ山7が形成されている部分である。第3ねじ部15のねじ山7は、第2ねじ部12のねじ山7を介して、第1ねじ部11のねじ山7と連続しており、第1ねじ部11のねじ山7と同じねじ山ピッチを有している。このため、第3ねじ部15のねじ山7も、第2ねじ部12と同様に、軸部6を骨4に刺入した際に、第1ねじ部11が骨4に形成するねじ溝13を進行する。
そして、ねじ部10の直径を、第1ねじ部11と第3ねじ部15で比較したとき、第3ねじ部15の方が第1ねじ部よりも太くなっている。具体的には、ねじ山7の頂部7aでのねじ部10の直径同士を比較したとき、第3ねじ部15の直径の方が第1ねじ部の直径よりも大きい(D7a−3>D7a−1)。ねじ山7の傾斜部7bのうち頂部7aから軸方向一側に等距離離れた位置でのねじ部10の直径同士を比較したとき、第3ねじ部15の直径の方が第1ねじ部の直径よりも大きい。したがって、ねじ山7におけるねじ山7の頂部7aからの軸方向距離が同じ位置同士で、第1ねじ部11と第3ねじ部15のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部15は第1ねじ部11よりも太くなっている。さらに、ねじ山7の谷底部8でのねじ部10の直径同士を比較したとき、第3ねじ部15の直径の方が第1ねじ部の直径よりも大きい(D8−3>D8−1)。
各位置における第3ねじ部15と第1ねじ部11の直径差は、例えば、0.02〜0.1mmである。なお、第3ねじ部15と第1ねじ部11の直径差は、ねじ山7の頂部7a同士での直径差と谷底部8同士での直径差とが同じであっても、異なっていてもよい。
このように、本実施形態では、ねじ山7の頂部7aから谷底部8に至る範囲の全部において、第1ねじ部11と第3ねじ部15とを相互に比較したときに、第3ねじ部15は第1ねじ部11よりも太くなっている。これによれば、スクリュー3が骨4に刺入された状態のとき、第3ねじ部15の表面と第1ねじ部11によって形成されたねじ溝13の当接の仕方が強くなるので、スクリュー3刺入時の初期固定力を高めることができる。骨4とスクリュー3の固定力が高まることにより、脊椎固定術後の不具合が減少し、患者のQOL(生活の質:quality of life)を高めることができる。
なお、本実施形態では、第3ねじ部15は第1ねじ部11よりも太いものであったが、第3ねじ部15は第1ねじ部11と同じ太さであってもよい。
また、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7におけるねじ山7の頂部7aからの軸方向距離が同じ位置同士で第1ねじ部11と第3ねじ部15のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部15が第1ねじ部11よりも太いことと、谷底部8の位置同士で第1ねじ部11と第3ねじ部15のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部15が第1ねじ部11よりも太いことの両方を満たす形状であったが、どちらか一方のみを満たす形状であってもよい。
また、本実施形態のスクリュー3は、ねじ山7の頂部7aの位置同士で第1ねじ部11と第3ねじ部15のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部15が第1ねじ部11よりも太いことと、ねじ山7の傾斜部7bのうち頂部7aから軸方向一側に等距離離れた位置同士で第1ねじ部11と第3ねじ部15のそれぞれの太さを比較したときに、第3ねじ部15が第1ねじ部11よりも太いことの両方を満たす形状であったが、どちらか一方のみを満たす形状であってもよい。
これらの場合であっても、本実施形態と同様に、スクリュー3刺入時の初期固定力を高められるという効果を奏する。
(第5実施形態)
本実施形態は、第4実施形態のスクリュー3に対して、主に第3ねじ部15の形状を変更したものである。
図11に示すように、本実施形態のスクリュー3は、第1ねじ部11および第2ねじ部12については、第1実施形態と同じ構造となっている。
そして、本実施形態のスクリュー3では、第3ねじ部15は、軸部6の直径が後端6bに近づくにつれて徐々に大きくなるテーパ形状の軸部6の外面に対して、均一の高さのねじ山7が形成されている。このため、第3ねじ部15は、谷底部8での太さが第1ねじ部11の谷底部8の太さと同じ部分(D8−3=D8−1)および第1ねじ部11の谷底部8の太さよりも太い部分(D8−4>D8−1)を有している。さらに、第3ねじ部15は、ねじ山7の頂部7aでの太さが第1ねじ部11のねじ山7の頂部7aでの太さと同じ部分(D7a−3=D7a−1)および第1ねじ部11のねじ山7の頂部7aの太さよりも太い部分(D7a−4>D7a−1)を有している。
このため、本実施形態においても、第4実施形態と同様の効果を奏する。このように、第3ねじ部15の太さは、第3ねじ部15内で均一でなくてもよい。
(第6実施形態)
本実施形態は、第5実施形態のスクリュー3に対して、主に第3ねじ部15の形状を変更したものである。
図12に示すように、本実施形態のスクリュー3は、第2ねじ部12から第3ねじ部15にかけて、ねじ山7’が追加されている。ねじ部10のうちねじ山7とねじ山7’の両方が形成されている部分は、二条ねじとなっている。ねじ部10のうちねじ山7とねじ山7’の両方が形成されている部分は、第1ねじ部11と比較して、ねじ山ピッチが小さくなっている。これにより、スクリュー3刺入時の初期固定力が高められる。
なお、追加されたねじ山7’は、第1ねじ部11のねじ山7とは連続しておらず、軸部6を骨4に刺入した際に、第1ねじ部11のねじ山7が骨4に形成するねじ溝13を進行するものではない。このため、本実施形態においては、第2ねじ部12のねじ山7’は、生体活性層14の剥離防止の効果を奏するものではない。
また、本実施形態のスクリュー3では、第3ねじ部15の形状が、外径および内径が段階的に大きくなる形状となっている。具体的には、第3ねじ部15の前半部分における外径と内径が、それぞれ、第1ねじ部の外径と内径よりも大きくなっている(D7a−3>D7a−1、D8−3>D8−1)。さらに、第3ねじ部15の後半部分における外径と内径は、それぞれ、第3ねじ部15の前半部分における外径と内径よりも大きくなっている(D7a−4>D7a−3、D8−4>D8−3)。
このように、第3ねじ部15の太さは、第1ねじ部13の太さよりも太いので、本実施形態においても、第4実施形態と同様に、スクリュー3刺入時の初期固定力を高められるという効果を奏する。
なお、本実施形態では、第3ねじ部15の前半部分における外径と内径が、それぞれ、第1ねじ部の外径と内径よりも大きくなっていたが、第1ねじ部の外径と内径と同じであってもよい(D7a−3=D7a−1、D8−3=D8−1)。
(第7実施形態)
本実施形態は、第5実施形態のスクリュー3の形状を、第3ねじ部15のねじ山7を省略した形状に変更したものである。
図13に示すように、本実施形態のスクリュー3では、軸部6は、第2ねじ部12よりも軸部6の後端6b側に位置し、ねじ山7が形成されていない後端側部6cを有している。この後端側部6cは、軸部6の直径が後端6bに近づくにつれて徐々に大きくなるテーパ形状である。このため、後端側部6cは、その太さが第1ねじ部11の谷底部8の太さと同じ部分(D8−3=D8−1)および第1ねじ部11の谷底部8の太さよりも太い部分(D8−4>D8−1)を有している。
このように、軸部6のうちねじ山7が形成されていない部分6cの太さを、第1ねじ部11の太さ以上としてもよい。本実施形態においても、第4実施形態と同様に、スクリュー3刺入時の初期固定力を高められるという効果を奏する。なお、第4、第6実施形態のスクリュー3においても、同様に、第3ねじ部15のねじ山7を省略した形状に変更してもよい。
(第8実施形態)
本実施形態は、第5実施形態のスクリュー3に対して、多孔質層16を追加したものである。
図14に示すように、本実施形態のスクリュー3は、第3ねじ部15の表面にチタンで構成された多孔質層16が形成されている。そして、この多孔質層16の内面および外面を含む全表面に、第1実施形態で説明した生体活性層14が形成されている。
ねじ部10の表面に多孔質層16を設けた上で、第1実施形態で説明した生体活性処理を施すことにより、多孔質層16の外面および多孔質層16の孔を構成する面を含む多孔質層16の表面が骨と固着する能力(生体活性)を有するようになる。これにより、スクリュー3を骨4へ刺入した状態のときに、多孔質層16の孔に早期に骨が侵入し、アンカー効果が高まり、スクリュー3と骨4の固着力(接合力)を高めることができる。
多孔質層16は、溶射法によって形成されるものである。溶射法の種類としては、例えば、溶射材としての純チタン粉末を、プラズマスプレ−する方法やコールドスプレーする方法が挙げられる。具体的な溶射方法の例としては、同じ材質の粉末で異なる粒径の粉末を混合して溶射する方法が挙げられる。例えば、粒径100μmの粉末と粒径20μmの粉末を適当な比率で混ぜて溶射することで、多孔質層16を形成できる。このとき、混合される異なる粒径の粉末の粒径比と混合比の設定によって、多孔質層16の気孔率と気孔径の大きさを任意に設定できる。
なお、溶射法としてプラズマスプレー法を用いる場合、溶射粉の温度が高いため、基材の強度低下が起こる可能性がある。このため、プラズマスプレー法よりも溶射粉の温度が低いコールドスプレー法を用いる方が好ましい。この場合、コールドスプレー後に強度低下が起こらない温度で加熱処理して、多孔質層を基材に対して拡散接合させるとよい。具体的には、チタン合金で構成されているスクリュー3の軸部6の表面上に、コールドスプレーでチタン粉末を堆積させて多孔質層16を形成した後、850℃以下の温度で加熱処理するとよい。
なお、本実施形態では、多孔質層16の形成の際に、溶射材としてチタンを用いたが、チタン合金を用いてもよい。要するに、チタンまたはチタン合金で構成されているスクリュー3の軸部6に対して、チタンまたはチタン合金で構成された多孔質層16を形成すればよい。多孔質層16を形成する材料が、軸部6の材質と同じもしくは軸部6を構成する元素を含んでいることで、多孔質層16と軸部6との結合力が高まるからである。
(第9実施形態)
本実施形態は、第1実施形態のスクリュー3に対して、第8実施形態で説明した多孔質層16を追加したものである。
図15に示すように、本実施形態のスクリュー3は、第2ねじ部12の表面に多孔質層16が形成されている。そして、この多孔質層16の内面および外面を含む全表面に、第1実施形態で説明した生体活性層14が形成されている。本実施形態のスクリュー3では、多孔質層16が形成された状態で、第1ねじ部11と第2ねじ部12の太さを比較したときに、第1実施形態と同様に、第2ねじ部12は第1ねじ部11よりも細くなっている(D7a−2<D7a−1、D7b−2<D7b−1、D8−2<D8−1)。
本実施形態によれば、第2ねじ部12を第1ねじ部11よりも細くしているので、スクリュー3の刺入時において、第2ねじ部12の表面に形成された多孔質層16および多孔質層16の表面に形成された生体活性層14の損傷や剥離を防止できる。さらに、多孔質層16に生体活性層14を形成しているので、スクリュー3の刺入後において、スクリュー3と骨4の固着力を高めることができる。
なお、第1ねじ部11と第2ねじ部12の寸法関係を、第2、第3実施形態と同様に変更してもよい。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
(1)上記各実施形態において、第1ねじ部11、第2ねじ部12の形成範囲を変更してもよい。同様に、第3ねじ部15や多孔質層16の形成範囲を変更してもよい。
(2)上記各実施形態では、第2ねじ部12のねじ山7と第1ねじ部11のねじ山7とが連続していたが、第1ねじ部11のねじ山7によって形成されたねじ溝13に、第2ねじ部12のねじ山7が進行していく構成となっていれば、第2ねじ部12のねじ山7と第1ねじ部11のねじ山7とが連続していなくてもよい。
(3)第7、8実施形態では、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも太いという関係を有するスクリュー3において、軸部6の表面に多孔質層16を形成し、多孔質層16の表面に生体活性層14を形成したが、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも太いという関係を有さないスクリュー3において、軸部6の表面に多孔質層16を形成し、多孔質層16の表面に生体活性層14を形成してもよい。この場合でも、第7実施形態等と同様に、スクリュー3と骨4の固着力を高められるという効果を奏する。このようなスクリューとしては、図16、17、18、19、20に示すものが挙げられる。
図16に示すスクリュー3は、軸部6の椎弓根外領域(Extra-pedicle area)23にはねじ山7が形成されておらず、軸部6の椎弓根領域(Pedicle area)22、椎体領域(vertebral body area)21にねじ山7が形成されている。ここで、軸部6の椎弓根外領域23、椎弓根領域22および椎体領域21とは、それぞれ、スクリュー3の椎骨への刺入後において、椎骨の椎弓根外領域、椎弓根領域および椎体領域に固定される部位である。椎骨の椎弓根外領域および椎弓根領域は、 皮質骨で構成される領域(cortical zone)であり、椎骨の椎体領域は、海綿骨(cancellouszone)で構成される領域である。ねじ山7は、図16の例では一条ねじを構成しているが、二条ねじ等の多条ねじを構成していてもよい。そして、軸部6のうち椎弓根外領域23のみに、多孔質層16が形成されており、この多孔質層16の表面に生体活性層が形成されている。なお、軸部6の椎弓根外領域23、椎弓根領域22および椎体領域21の全部に、生体活性層が形成されていてもよい。
図17に示すスクリュー3は、図16に示すスクリュー3において、軸部6の椎弓根外領域23の形状を、軸部6の後端6bに近づくにつれて直径が徐々に大きくなる逆テーパ形状に変更したものであり、その他の構成は図16に示すスクリュー3と同じである。
図18に示すスクリュー3は、図17に示すスクリュー3において、軸部6の椎弓根外領域23にもねじ山7を形成したものであり、その他の構成は図17に示すスクリュー3と同じである。
図19に示すスクリュー3は、軸部6の椎弓根外領域23および椎弓根領域22にねじ山7が形成されており、軸部6の椎体領域21にねじ山7が形成されていない。ねじ山7は、一条ねじを構成している。なお、ねじ山7は、二条ねじ等の多条ねじを構成していてもよい。そして、軸部6のうち椎体領域21のみに、多孔質層16が形成されており、この多孔質層16の表面に生体活性層が形成されている。なお、軸部6の椎弓根外領域23、椎弓根領域22および椎体領域21の全部に、生体活性層が形成されていてもよい。
図20に示すスクリュー3は、ねじ山7、7’が二条ねじを構成している点が、図19に示すスクリュー3と異なるものであり、その他の構成は図19に示すスクリュー3と同じである。なお、ねじ山7、7’は、4条ねじ等の他の多状ねじを構成していてもよい。図20に示すスクリュー3は、図19に示すスクリュー3と比較して、ねじ山7、7’のピッチが小さいので、スクリュー3刺入時の初期固定力が高められる。
(4)第4〜第7実施形態では、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも太いという関係を有するスクリュー3において、第3ねじ部15を第1ねじ部11よりも太くしたが、第2ねじ部12が第1ねじ部11よりも太いという関係を有さないスクリュー3において、軸部6の後端6b側のねじ部を先端側のねじ部よりも太くしてもよい。この場合でも、第4実施形態等と同様に、スクリュー3刺入時の初期固定力を高められるという効果を奏する。このようなスクリューとしては、図21、22、23に示すものが挙げられる。
図21に示すスクリュー3は、軸部6の椎弓根外領域23、椎弓根領域22および椎体領域21の全部にねじ山7が形成されている。椎弓根外領域23、椎弓根領域22のねじ山7、7’は、二条ねじを構成し、椎体領域21のねじ山7は一条ねじを構成している。なお、椎弓根外領域23、椎弓根領域22のねじ山7、7’が四条ねじを構成し、椎体領域21のねじ山7が二条ねじを構成していてもよい。軸部6の椎弓根外領域23、椎弓根領域22および椎体領域21の全部に、生体活性層が形成されている。
そして、軸部6の椎弓根外領域23でのねじ山7の高さが、椎弓根領域22および椎体領域21でのねじ山7の高さよりも高くなっている。すなわち、軸部6の椎弓根外領域23での外径(D7a−4、D7a−3)が、軸部6の椎弓根領域22の外径(D7a−2)および椎体領域21での外径(D7a−1)よりも大きくなっている。具体的には、軸部6の椎弓根外領域23での外径が、2段階で大きくなっている(D7a−4>D7a−3>D7a−1=D7a−2)。なお、ここでいう外径とは、ねじ山7の頂部7aにおける軸部6の直径である。また、椎骨の椎弓根領域(Pedicle area)は、神経組織が近接しているため、軸部6の椎弓根領域22の外径(D7a−2)を変化させず、椎体領域21での外径(D7a−1)と同じとしている。
図22に示すスクリュー3は、図21に示すスクリュー3において、軸部6の椎弓根外領域23におけるねじ山7、7’を除く部分の形状を、軸部6の後端6bに近づくにつれて直径が徐々に大きくなる逆テーパ形状に変更したものであり、その他の構成は図21に示すスクリュー3と同じである。
図23に示すスクリュー3は、図21に示すスクリュー3において、軸部6の椎弓根外領域23の後端6bに最も近い3つのねじ山7、7’のピッチPを、椎弓根外領域23内の他のねじ山7、7’のピッチPよりも小さくしたものであり、その他の構成は、図21に示すスクリューと同じである。これにより、スクリュー3の椎骨への刺入の際に、最後の三捻りをすることにより、後端6bに最も近い3つのねじ山7、7’よりも先端6a側の他のねじ山7、7’は、スクリュー3の刺入方向とは逆向きの力が働き、骨組織に密着する(やや食い込む)と考える。なお、後端6bに最も近い3つのねじ山7、7’のピッチPは、骨組織を破壊しない程度に設定する。
(5)上記各実施形態では、図2に示す形状のスクリュー3について説明したが、スクリュー3の形状は、図2に示す形状に限られず、他の形状に変更してもよい。
(6)上記各実施形態では、スクリュー3は、軸部6の本体が純チタンまたはチタン合金で構成され、生体活性層14がチタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されていたが、軸部6の本体および生体活性層14が他の材料で構成されていてもよい。例えば、スクリュー3は、軸部6の本体が純チタンまたはチタン合金で構成され、生体活性層14がハイドロキシアパタイトや他のリン酸カルシウムで構成されていてもよい。また、スクリュー3は、軸部6の本体がチタンおよびチタン合金を除く他の金属セラミックスで構成され、生体活性層14がハイドロキシアパタイトや他のリン酸カルシウムで構成されていてもよい。
(7)第8実施形態等では、チタンまたはチタン合金で構成されたスクリュー3の軸部6に対して、チタンまたはチタン合金で構成された多孔質層16を形成したが、チタンおよびチタン合金以外の他の金属で構成されたスクリュー3の軸部6に対して、チタンおよびチタン合金以外の他の金属で構成された多孔質層16を形成してもよい。例えば、コバルトクロム合金で構成されたスクリュー3の軸部6に対して、コバルトクロム合金で構成された多孔質層16を形成してもよい。
また、第8実施形態等では、金属で構成された軸部6の表面に対して、金属を用いた溶射法によって多孔質層16を形成したが、金属で構成された軸部6の表面に対して、セラミックスを用いた溶射法によって多孔質層16を形成してもよい。
(8)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
3 スクリュー
6 軸部
7 ねじ山
7a ねじ山の頂部
7b ねじ山の傾斜部
8 谷底部
10 ねじ部(ねじ山が形成された範囲)
11 第1ねじ部
12 第2ねじ部
13 骨のねじ溝
14 生体活性層
15 第3ねじ部

Claims (14)

  1. 軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、前記先端から骨に刺入されるものであって、表面にねじ山(7)が形成された軸部(6)と、
    前記軸部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
    前記軸部は、前記ねじ山が形成された範囲(10)のうち前記軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)と、前記ねじ山が形成された範囲のうち前記第1ねじ部よりも前記軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)とを有し、
    前記生体活性層は、針状相を有する層であり、前記軸部のうち少なくとも前記第2ねじ部に形成されており、
    前記生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
    前記第2ねじ部のねじ山は、前記軸部を骨に刺入した際に、前記第1ねじ部のねじ山が骨に形成したねじ溝(13)を進行するように構成されており、
    前記ねじ山における前記ねじ山の頂部(7a)からの軸方向距離が同じ位置同士で、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第2ねじ部は前記第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴とする骨接合スクリュー。
  2. 前記ねじ山の頂部(7a)同士で、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第2ねじ部は前記第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の骨接合スクリュー。
  3. 隣り合う前記ねじ山の間の谷底部(8)同士で、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第2ねじ部は前記第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の骨接合スクリュー。
  4. 軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、前記先端から骨に刺入されるものであって、表面にねじ山(7)が形成された軸部(6)と、
    前記軸部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
    前記軸部は、前記ねじ山が形成された範囲(10)のうち前記軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)と、前記ねじ山が形成された範囲のうち前記第1ねじ部よりも前記軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)とを有し、
    前記生体活性層は、針状相を有する層であり、前記軸部のうち少なくとも前記第2ねじ部に形成されており、
    前記生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
    隣り合う前記ねじ山の間の谷底部(8)同士で、前記第1ねじ部と前記第2ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第2ねじ部は前記第1ねじ部よりも細く、かつ、前記それぞれの太さの差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴とする骨接合スクリュー。
  5. 前記第2ねじ部は、前記第1ねじ部と比較して、前記軸部の軸方向において前記軸部を占める範囲が広いことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  6. 前記軸部は、前記ねじ山が形成された範囲のうち前記第2ねじ部よりも前記軸部の後端側部位に位置する第3ねじ部(15)を有し、
    前記第3ねじ部のねじ山は、前記軸部を骨に刺入した際に、前記第1ねじ部のねじ山が骨に形成するねじ溝を進行する構成となっており、
    前記ねじ山における前記ねじ山の頂部(7a)からの軸方向距離が同じ位置同士で、前記第1ねじ部と前記第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第3ねじ部は前記第1ねじ部よりも太い、または、前記第1ねじ部と同じ太さであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  7. 隣り合う前記ねじ山の間の谷底部同士で、前記第1ねじ部と前記第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第3ねじ部は前記第1ねじ部よりも太い、または、前記第1ねじ部と同じ太さであることを特徴とする請求項6に記載の骨接合スクリュー。
  8. 前記軸部は、前記ねじ山が形成された範囲のうち前記第2ねじ部よりも前記軸部の後端側部位に位置する第3ねじ部(15)を有し、
    隣り合う前記ねじ山の間の谷底部(8)同士で、前記第1ねじ部と前記第3ねじ部のそれぞれの太さを比較したときに、前記第3ねじ部は前記第1ねじ部よりも太い、または、前記第1ねじ部と同じ太さであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  9. 前記軸部は、前記軸部のうち前記第2ねじ部よりも前記軸部の後端側に位置し、前記ねじ山が形成されていない後端側部(6c)を有し、
    前記後端側部は、前記第1ねじ部のねじ山とねじ山との間の谷底部(8)よりも太い、または、前記第1ねじ部の谷底部と同じ太さであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  10. 軸方向における先端(6a)と後端(6b)とを有し、前記先端から骨に刺入される軸部(6)と、
    前記軸部のうち表面にねじ山(7)が形成された範囲であるねじ部(10)と、
    前記ねじ部の表面に形成され、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層(14)とを備え、
    前記生体活性層は、針状相を有する層であり、
    前記生体活性層の厚さは、0.0005mm以上0.0015mm以下であり、
    前記ねじ部は、前記ねじ山の頂部(7a)の位置で測定される前記ねじ部の直径について、前記ねじ部の軸方向先端側に位置する先端側部位(11)の前記直径(D7a−1)よりも、前記先端側部位の軸方向後端側に続く後端側部位(12)の前記直径(D7a−2)の方が小さいという関係(D7a−2<D7a−1)を有し、かつ、前記先端側部位と前記後端側部位の直径差は、0.02mm以上0.08mm以下であることを特徴とする骨接合スクリュー。
  11. 前記軸部は、金属で構成され、
    金属またはセラミックスを用いた溶射法によって前記軸部の表面に形成された多孔質層(16)を備え、
    前記生体活性層は、前記多孔質層の表面に形成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  12. 前記軸部は、チタンまたはチタン合金で構成され、
    前記多孔質層は、チタンまたはチタン合金で構成され、
    前記生体活性層は、カルシウム欠損チタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されていることを特徴とする請求項11に記載の骨接合スクリュー。
  13. 前記軸部は、チタンまたはチタン合金で構成され、
    前記生体活性層は、カルシウム欠損チタン酸カルシウムまたはチタン酸ナトリウムで構成されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の骨接合スクリュー。
  14. 請求項1または4に記載の骨接合スクリューの製造方法において、
    機械加工によって軸部の表面にねじ山(7)が形成されたスクリューを準備する準備工程(S1)と、
    前記軸部の前記ねじ山が形成された範囲のうち前記軸部の所定部位に位置する第1ねじ部(11)をマスク材で覆い、前記軸部の前記ねじ山が形成された範囲のうち前記第1ねじ部よりも前記軸部の後端側部位に位置する第2ねじ部(12)を前記マスク材から露出させた状態で、エッチング処理することにより、前記第2ねじ部を減径させる減径工程(S2)と、
    前記軸部のうち少なくとも前記第2ねじ部の表面に、骨と結合する生体活性能を有する生体活性層を形成する生体活性層形成工程(S3)とを順に行うことを特徴とする骨接合スクリューの製造方法。
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