JP6595815B2 - 偏波解析装置、及び偏波解析方法 - Google Patents
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Description
電気光学効果を有する非線形光学結晶を角速度ωで回転させる回転機構と、
回転する前記非線形光学結晶に楕円偏光した電磁波を導く第1光学系と、
前記電磁波の前記非線形光学結晶への入射と同期して、プローブ光を前記非線形光学結晶に入射する第2光学系と、
前記非線形光学結晶を透過したプローブ光を検出信号として検出する検出器と、
前記検出信号を、
S(τ)=f(Ω)[A'1(Ω)cos(θ(Ω)−3φ)
+iB'1(Ω)sin(θ(Ω)−3φ)]exp(−iΩτ)
の解析式で解析して、前記電磁波の楕円率と旋光角を求める解析部、
とを有し、
前記解析式中のΩは前記電磁波の角周波数、A'1は前記電磁波の電場ベクトルの軌跡を表わす楕円の長軸方向の長さ、B'1は前記楕円の短軸方向の長さ、θは前記プローブ光の偏光方向に対する前記長軸方向の角度、φは前記プローブ光の偏光方向に対する前記非線形光学結晶のa軸の角度、τは前記プローブ光と前記電磁波の相対遅延、f(Ω)は前記非線形光学結晶の複素屈折率の関数であり、
前記非線形光学結晶は、z−カットの六方晶、z−カットの三方晶、または(111)面の閃亜鉛鉱型結晶であることを特徴とする。
ここで、Ωは計測する楕円偏光の電磁波の角周波数、φは入射プローブ光の偏光方向に対する非線形光学結晶(この例ではGaSe結晶13)のa軸の角度である。GaSe結晶13は角速度ωで回転しているので、角度φはωtで変化する。
<関係式の導出>
次に、検出される電気光学信号、すなわち式(2)の導出手順を説明する。まず、座標系(x,y,z)と座標系(X,Y,Z)を、式(8)と式(9)で定義する。
図5は、式(8)の説明に用いる結晶軸の定義を示す。GaSe等の六方晶は底面が正六角形の結晶構造を持つので、一般に、底面の正六角形内にベクトルaとベクトルbをとる。ベクトルaとベクトルbを含む面と垂直な方向(高さ方向)にベクトルcをとる。非線形光学の計算で用いる座標系はデカルト座標系(直交座標系)が一般的であるため、ベクトルaと同じ面内でベクトルaと直交する軸を決定する。ベクトルaの向きをx方向とすると、これに直交する向きをy方向とする。y方向は、ベクトルcとベクトルaのベクトル積(外積)で表される、ベクトル(c×a)で表記される。
式(10)における角度θ(Ω)は、図2を参照して説明したように、角周波数Ωで偏波面が回転する楕円偏の光電磁波の電場の長軸方向とX方向がなす角である。角度θ(Ω)が求めたい旋光角θに相当する。A'1(Ω)は長軸方向の電場振幅、B'1(Ω)は短軸方向の電場振幅である。式(11)におけるω2は、プローブ光の角周波数である。
ここでは、E1(Z,t)、E2(Z,t)などの具体的な値と詳細な計算手順は省略する。式(12)、(13)を用いて、GaSe結晶13中で発生する角周波数ω3=ω2±Ωの非線形分極は、式(14)で記述される。
と表すことができる。ここでは、波長(周波数)の異なるプローブ光と電磁波の結晶中の進行速度の違いが考慮されている。換言すると、GaSe結晶13のプローブ光に対する屈折率と電磁波に対する屈折率の差が考慮されている。したがって、位相整合条件がそろわない場合でも、正しく解析することができる。また、kR(ω3)は複素波数kハット(ω3)の実数部(real part)である。これで結晶中に発生する電場E3が得られる。非線形光学結晶の通過後(l=Z)は、トータルの電場
が空気中を伝搬していく。このうち、電磁波の電場E1は、近赤外から離れており検出器15で検知できないと仮定して、以降はE1を無視する。上述のように、検出器15で1/4波長板を通し、ウォラストンプリズム(WP)等の光学素子で電場を互いに直交する2つの成分に分離し、バランス検出法で差分信号ΔIを検出する。1/4波長板通過後の電場
式(22)において、expの項を含む3×3の行列は、1/4波長板による位相付加を表わす。sign(ω3)は、角周波数ω3の成分と角周波数−ω3の成分が1/4波長板通過後も複素共役になるために付けている。すなわち、複素共役になることで、すべての周波数成分を合成した電場の時間波形が実数になるようにしている。計算を進めると、式(23)、(24)となる。
式(29)は、式(2)と等価である。測定実験で信号S(τ)を検出て、式(29)から角周波数成分3ωの周波数解析を行うことで、係数であるf(Ω)A'1、f(Ω)B'1、および[θ(Ω)−3φ0]を決定することができる。
となる。これを式(14)に代入して計算すると、d22=−d(ω3;Ω,ω3−Ω)とおけば、同じ手順で式(29)と同じ式を得ることができる。なお、z−カットのLiNbO3結晶の場合、d15、d31、d33は最終的な式には現れない。すなわち、点群3m(3回回映)に属するLiNbO3は、z−カットの場合、式(2)の解析式に影響するテンソル成分は、GaSe結晶と同等になる。
<(111)面の閃亜鉛鉱型結晶の使用>
上記の構成と手法は、GaSe結晶やLiNbO3結晶だけでなく、(111)面の閃亜鉛鉱型結晶にも適用することができる。<111>方向に配向する閃亜鉛鉱型結晶は、3回の回転対称性を有し、(110)面の閃亜鉛鉱型結晶を用いる特許文献1の解析式では、電界強度(振幅)と偏波の方向(位相)を求めることができない。
<偏光計測の応用例>
図8は、実施形態の偏光計測の応用例を示す図である。この例では、偏光計測を材料内部の残留応力検査に応用する。たとえば、可視光は透過せず、中赤外から遠赤外の周波数領域の光が透過するプラスチック材31の内部応力検査を行う。
11 光源
12、21 非線形光学結晶(光源用)
13、29 非線形光学結晶(検出用)
14 モータ(回転機構)
15 検出器
16 解析部
17 物性判定部
18 プロセッサ
19a 電磁波用の光学系(第1の光学系)
19b プローブ光用の光学系(第2の光学系)
Claims (8)
- 電気光学効果を有する非線形光学結晶を角速度ωで回転させる回転機構と、
回転する前記非線形光学結晶に楕円偏光した電磁波を導く第1光学系と、
前記電磁波の前記非線形光学結晶への入射と同期して、プローブ光を前記非線形光学結晶に入射する第2光学系と、
前記非線形光学結晶を透過したプローブ光を検出信号として検出する検出器と、
前記検出信号を、
S(τ)=f(Ω)[A'1(Ω)cos(θ(Ω)−3φ)
+iB'1(Ω)sin(θ(Ω)−3φ)]exp(−iΩτ)
の解析式で解析して、前記電磁波の楕円率と旋光角を求める解析部、
とを有し、
前記解析式中のΩは前記電磁波の角周波数、A'1は前記電磁波の電場ベクトルの軌跡を表わす楕円の長軸方向の長さ、B'1は前記楕円の短軸方向の長さ、θは前記プローブ光の偏光方向に対する前記長軸方向の角度、φは前記プローブ光の偏光方向に対する前記非線形光学結晶のa軸の角度、τは前記プローブ光と前記電磁波の相対遅延、f(Ω)は前記非線形光学結晶の複素屈折率の関数であり、
前記非線形光学結晶は、z−カットの六方晶、z−カットの三方晶、または(111)面の閃亜鉛鉱型結晶であることを特徴とする偏波解析装置。 - 前記検出器は、前記プローブ光の互いに直交する光成分の強度差を前記検出信号として検出することを特徴とする請求項1に記載の偏波解析装置。
- 前記解析部は、前記検出信号から3ωの周波数成分を抽出し、前記楕円率と前記旋光角を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の偏波解析装置。
- 前記電磁波は、中赤外からテラヘルツ帯の電磁波であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の偏波解析装置。
- 前記第1光学系の所定の位置に配置される試料保持部と、
前記解析部の出力に接続され、前記楕円率と前記旋光角の少なくとも一方を用いて試料の物性を決定する物性判定部と、
をさらに有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の偏波解析装置。 - 前記物性判定部は、前記楕円率と前記旋光角に基づいて、屈折率異方性の物質の屈折率差を決定することを特徴とする請求項5に記載の偏波解析装置。
- 前記物性判定部は、前記旋光角の方向に基づいて、分子のキラリティを決定することを特徴とする請求項5に記載の偏波解析装置。
- 電気光学効果を有する非線形光学結晶を角速度ωで回転させ、
楕円偏光した電磁波を角速度ωで回転する前記非線形光学結晶に導き、
前記電磁波の前記非線形光学結晶への入射と同期して、プローブ光を前記非線形光学結晶に入射し、
前記非線形光学結晶を透過したプローブ光を検出信号として検出し、
前記検出信号を、
S(τ)=f(Ω)[A'1(Ω)cos(θ(Ω)−3φ)
+iB'1(Ω)sin(θ(Ω)−3φ)]exp(−iΩτ)
の解析式を用いて解析して、前記電磁波の楕円率と旋光角を求める、
工程を有し、
前記解析式中のΩは前記電磁波の角周波数、A'1は前記電磁波の電場ベクトルの軌跡を表わす楕円の長軸方向の長さ、B'1は前記楕円の短軸方向の長さ、θは前記プローブ光の偏光方向に対する前記長軸方向の角度、φは前記プローブ光の偏光方向に対する前記非線形光学結晶のa軸の角度、τは前記プローブ光と前記電磁波の相対遅延、f(Ω)は前記非線形光学結晶の複素屈折率の関数であり、
前記非線形光学結晶は、z−カットの六方晶、z−カットの三方晶、または(111)面の閃亜鉛鉱型結晶であることを特徴とする偏波解析方法。
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JP2015124617A JP6595815B2 (ja) | 2015-06-22 | 2015-06-22 | 偏波解析装置、及び偏波解析方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015124617A JP6595815B2 (ja) | 2015-06-22 | 2015-06-22 | 偏波解析装置、及び偏波解析方法 |
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JP2015124617A Active JP6595815B2 (ja) | 2015-06-22 | 2015-06-22 | 偏波解析装置、及び偏波解析方法 |
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