JP6595433B2 - 波形発生回路 - Google Patents

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Description

本発明は、波形発生回路に関し、詳しくは、巻線トランスを用いた変圧回路であって、二次巻線側に出力されたパルス波形について、任意の極性のパルス波形のみを発生させることができる波形発生回路に関する。
従来から、巻線トランスを利用して変圧し、パルス状の高電圧を発生することができる波形発生回路が種々知られている。かかる波形発生回路は、一次巻線側にパルス状の電圧を印加し、これを変圧して、二次巻線側にてパルス状の高電圧を発生させる構成である。
上記のような波形発生回路の公知例として、特許文献1が挙げられる。
特許文献1に記載の技術は、「一次巻き線および二次巻き線を有する巻き線トランスと、正極性の複数のパルス電圧から成る正極側パルス列と、負極性の複数のパルス電圧から成る負極側パルス列とのうち少なくともいずれかを出力して、該一次巻き線に印加するパルス列出力回路と、該パルス列出力回路に制御信号を与える制御回路とを備え、該パルス列の該一次巻き線への印加に応じてパルス状の正極性の高電圧およびパルス状の負極性の高電圧のうち少なくともいずれかを該二次巻き線から出力する高圧電源であって、
前記パルス列出力回路は、前記正極側パルス列の各パルス電圧のパルス幅と該正極側パルス列において互いに隣り合うパルス電圧同士の間の幅であるパルス休止幅とのうちの少なくともいずれか一方と、前記負極側パルス列の各パルス電圧のパルス幅と該負極側パルス列において互いに隣り合うパルス電圧同士の間の幅であるパルス休止幅とのうちの少なくともいずれか一方とを、前記制御回路から与えられる制御信号に応じて調整可能に構成されており、
前記制御回路は、前記制御信号により、前記パルス列出力回路から出力される前記パルス列の各パルス電圧の前記パルス幅と前記パルス休止幅とのうちの少なくともいずれか一方を制御することにより、前記二次巻き線から出力される前記パルス状の高電圧の波高値を制御する構成の高圧電源」である。
上記技術の基本構成は、エイチブリッジとも呼称される回路構成であって、4つのトランジスタを2つ1組で使用し、電流の向きを変更するスイッチの役割を果たすものである。これにより、一次巻線に印加するパルス電圧の極性を切り替え、出力されるパルス状の高電圧の極性を制御することができる。
しかし、特許文献1に記載の技術では、一次巻線にパルス電流を供給すると、この一次巻線における電圧波形に、微分波形やリンギングといった過渡現象が発生し、これらの現象が、二次巻線側に出力されたパルス波形にも現れるといった問題があった。例えば、一次巻線側に正極性のパルス電圧を印加すると、このパルス電圧の立上り時には、二次巻線側で正極性のパルス波形を出力させることができるが、パルス電圧の立下り時に、逆極性である負極性のパルス波形をも発生させてしまうという問題があった。即ち、これらの問題により、二次巻線側に発生させた高電圧は、任意の極性のみならず、逆極性のパルス波形をも生じさせ、一方の極性のパルス波形のみを発生させることができないという問題があった。
かかる問題は、特に、従来の波形発生回路をイオン発生装置等に使用した場合で問題となる。イオン発生装置等は、出力するイオンの極性が重要であり、この極性を完全に制御したいという要望があるため、意図した極性のみならず、逆極性のパルス波形をも生じさせるという問題は極めて不都合となる。
特開2009−4177
そこで、本発明の課題は、巻線トランスを用いた波形発生回路について、二次巻線側から出力されるパルス波形の微分波形やリンギングといった過渡現象や、逆極性の発生を抑えることで、高い精度での極性制御を可能とすることを第一の課題とし、少ない入力電流で、高い波高値の出力パルス波形を得ることで、省エネルギーに貢献し得る波形発生回路を提供することを第二の課題とする。
上記本発明の課題は、下記の手段により達成される。
1.第1巻線と第2巻線の2つの巻線をセンタータップ接続した一次巻線と、二次巻線とを有する巻線トランスと、
前記センタータップに接続された電圧源と、
前記第1巻線に第1パルス電流を供給する第1電流供給回路と、
前記第2巻線に第2パルス電流を供給する第2電流供給回路とを備える構成であって、
前記第1巻線には、第1ダイオードと第1開閉器からなる直列回路が並列接続されると共に、前記第2巻線には、第2ダイオードと第2開閉器からなる直列回路が並列接続され、
前記第1ダイオードと第2ダイオードのそれぞれのアノード側が、前記電圧源に接続された構成であることを特徴とする波形発生回路。
2.第1パルス電流と第2パルス電流は、時間的に重複して供給されることがなく、
前記第1パルス電流が供給されている期間は、第1開閉器が開状態であり、該第1パルス電流は第1巻線に供給される構成であり、
前記第2パルス電流が供給されている期間は、第2開閉器が開状態であり、該第2パルス電流は第2巻線に供給される構成であること
を特徴とする前記1に記載の波形発生回路。
3.第1パルス電流が供給されていない期間は、第1開閉器が閉状態であり、第1ダイオードが順方向動作する場合にのみ、第1巻線に電圧を発生させない構成であり、
第2パルス電流が供給されていない期間は、第2開閉器が閉状態であり、第2ダイオードが順方向動作する場合にのみ、第2巻線に電圧を発生させない構成であること
を特徴とする前記2に記載の波形発生回路。
4.第1電流供給回路、第2電流供給回路、第1開閉器及び第2開閉器の動作を制御する制御回路が設けられ、
前記制御回路によって、第1電流供給回路又は第2電流供給回路から第1パルス電流又は第2パルス電流が供給される時間的タイミングが制御されると共に、
第1開閉器又は第2開閉器の開閉動作が制御される構成であること
を特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の波形発生回路。
5.第1パルス電流と第2パルス電流が、第1巻線と第2巻線に対して、次に掲げる(1)〜(3)の時系列で供給されることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の波形発生回路。
(1)第1パルス電流の立下りと、第2パルス電流の立上りが連続的であること
(2)第2パルス電流の立下りと、第1パルス電流の立上りが連続的であること
(3)上記(1)と(2)の組み合わせ
6.前記1〜5のいずれかに記載の波形発生回路を搭載したことを特徴とするイオン発生装置。
前記1に示す発明は、一次巻線を構成する第1巻線と第2巻線の2つの巻線をセンタータップ接続し、2つの電流源(第1電流供給回路と第2電流供給回路)を設けた構成であり、第1巻線と第2巻線のそれぞれに、第1ダイオードと第1開閉器の直列回路、第2ダイオードと第2開閉器の直列回路が並列接続された構成である。
一次巻線にダイオードが並列接続されていない従来の構成では、一次巻線における電圧波形に、微分波形やそのリンギング波形が現れる。また、入力されたパルス電流の立上り時に正極性のパルス電圧が生じた場合、パルス電流の立下り時には逆極性である負極性のパルス電圧が生じ、その結果、二次巻線側に出力されるパルス電圧にも、この逆極性の波形が生ずるという問題がある。即ち、従来の構成では、意図しないパルス電圧の発生が問題となる。
本発明では、この意図しないパルス電圧を発生させないため、入力されたパルス電流の立上り時には、電流が巻線に供給されてパルス電圧を発生させるが、そのパルス発生後(入力パルスが発生していない時間)は、巻線に電圧を発生させないために、並列接続されたダイオードを順方向動作させる構成である。この構成であれば、意図しないパルス電圧が発生する時間には、巻線に電圧が発生しないので、意図しないパルス電圧が発生しない。かかる作用を応用して、意図しないパルス電圧の発生を防止することができる。
更に、各ダイオードには、開閉器が設けられ、この開閉器の開閉によって、巻線に電流を供給させるか、ダイオードを有効にするか否かを選択できる構成である。開閉器の開閉といった簡易な手段で、巻線における電圧の発生有無を制御でき、この構成により、出力されるパルス電圧の極性を高い精度で制御することができる。
上述のとおり、意図しないパルス電圧の発生を防止できれば、二次巻線側においても、意図しないパルスの発生、即ち、逆極性のパルス波形は発生しないので、二次巻線側から出力される高圧パルスの極性を高い精度で制御することができる。
前記2に示す発明は、前記1の回路構成において、パルス電流の供給時間と、開閉器の開閉動作を具体的に限定している。まず、第1パルス電流と第2パルス電流が供給される時間的タイミングについて、これらが時間的に重複して供給されない旨の限定がされている。
また、第1開閉器の開閉動作について、第1パルス電流が供給されている期間は開状態とされる構成であり、この場合、第1パルス電流は第1巻線に流れる構成である。また、第2開閉器の開閉動作について、第2パルス電流が供給されている期間は開状態とされる構成であり、この場合、第2パルス電流は第2巻線に流れる構成である。
第1パルス電流が供給されていない期間について、第1開閉器の開閉動作に限定はないが、少なくとも、第2パルス電流が供給されている期間については第1開閉器は閉状態とされる。また同様に、第2パルス電流が供給されていない期間について、第2開閉器の開閉動作に限定はないが、少なくとも、第1パルス電流が供給されている期間については第2開閉器は閉状態とされる。
詳しくは後述するが、前記2に示す発明の構成によって、第1パルス電流の発生によって生じる意図しないパルス電圧の発生は、第2ダイオードによって防止することができ、第2パルス電流の発生によって生じる意図しないパルス電圧の発生は、第1ダイオードによって防止することができる。
前記3に示す発明は、前記2の構成に加えて、第1パルス電流又は第2パルス電流が供給されていない期間において、第1開閉器又は第2開閉器の開閉動作を限定している。詳しくは、第1開閉器の開閉動作について、第1パルス電流が供給されていない期間は閉状態とされる構成であり、第2開閉器の開閉動作について、第2パルス電流が供給されていない期間は閉状態とされる構成である。
第1開閉器が閉状態の場合には、第1ダイオードが順方向動作するときに、第1巻線に生じようとする電圧を発生させない構成である。即ち、第1パルス電流が供給されていない期間でも、第2パルス電流が供給されている期間であれば、一次巻線における誘導電流の発生により、第1巻線にも電圧が発生し得るが、前記3に示す発明ではこの誘導電流を第1ダイオードで消費することができるので、この第1巻線に発生し得る電圧を発生させない構成である。
同じく、第2開閉器が閉状態の場合には、第2ダイオードが順方向動作するときに、第2巻線に生じようとする電圧を発生させない構成である。即ち、第2パルス電流が供給されていない期間でも、第1パルス電流が供給されている期間であれば、一次巻線における誘導電流の発生により、第2巻線にも電圧が発生し得るが、前記3に示す発明ではこの誘導電流を第2ダイオードで消費することができるので、この第2巻線に発生し得る電圧を発生させない構成である。
よって、前記3に示す発明の構成によって、第1パルス電流の発生によって生じる意図しないパルス電圧の発生は、第2ダイオードによって防止することができ、第2パルス電流の発生によって生じる意図しないパルス電圧の発生は、第1ダイオードによって防止することができる。
前記4に示す発明では、第1電流供給回路、第2電流供給回路、第1開閉器及び第2開閉器の動作を集中制御でき、パルス電流の供給タイミングと開閉器の開閉動作を制御でき、パルス電流が流れる方向を巻線側とダイオード側とで制御することができる。
前記5に示す発明によれば、第1パルス電流と第2パルス電流のタイミングを規定することによって、二次巻線側から出力されるパルス電圧波形の波高値を高くすることができる。この構成により、少ない入力電流で、高い波高値の出力パルス波形を得ることができ、省エネルギーに貢献し得る波形発生回路を提供することができる。
前記6に示す発明によれば、波形発生回路にて発生させるパルス状の高電圧の極性や波高値が制御されているので、イオンの極性や発生量が制御されたイオン発生装置を得ることができる。
本発明に係る波形発生回路の一実施例を示す概略回路図 ダイオードが接続されていない構成の概略回路図 図2の回路構成における入力及び出力波形図 ダイオードが第1巻線にのみ並列接続された構成の概略回路図 図4の回路構成における入力及び出力波形図 図4の回路構成に開閉器が加えられた構成の概略回路図 図6の回路構成における入力及び出力波形図 本発明に係る図1の回路構成における入力及び出力波形図 一次巻線に供給されたパルス電流と第1巻線に発生したパルス電圧の関係を説明するための概略波形図(一次巻線に供給されたパルス電流が連続的である場合) 一次巻線に供給されたパルス電流と第2巻線に発生したパルス電圧の関係を説明するための概略波形図(一次巻線に供給されたパルス電流が連続的である場合)
本発明は、パルス電流を供給すると、巻線トランスの作用によって変圧され、高電圧のパルス電圧を出力することができる波形発生回路に関する。この波形発生回路は、特にイオン発生装置に用いることができる。尚、本願において、イオン発生装置とは、イオナイザー、静電気除去装置、除電器等を含む概念である。
本発明に係る波形発生回路(以下、単に「波形発生回路」という。)1の一実施例を示す概略回路図を、図1に示す。波形発生回路1は、図1に示されるように、少なくとも、一次巻線2と二次巻線3とからなる巻線トランスと、センタータップ4と、電圧源5と、第1電流供給回路6と、第2電流供給回路7によって構成される。
そして、一次巻線2は、第1巻線L1と、第2巻線L2からなり、この第1巻線L1と第2巻線L2のそれぞれに、第1ダイオードD1と第1開閉器S1からなる直列回路、又は、第2ダイオードD2と第2開閉器S2からなる直列回路が、並列接続された構成である。また、図1に示される波形発生回路1は、第1電流供給回路6、第2電流供給回路7、第1開閉器S1及び第2開閉器S2を制御する制御回路8が設けられた構成である。
巻線トランスは、一次巻線2と二次巻線3によって構成される。一次巻線2は、巻数が略等しい2つの巻線がセンタータップ接続された構成であり、2つの巻線のうち、第1電流供給回路6に接続された側を第1巻線L1とし、第2電流供給回路7に接続された側を第2巻線L2とする。
電圧源5は、一次巻線2への電流供給源であり、センタータップ4に接続される。
第1電流供給回路6は、一次巻線2を構成する第1巻線L1に対して、第1のパルス状の電流(以下、「第1パルス電流」という。)を供給する回路であり、第2電流供給回路7は、一次巻線2を構成する第2巻線L2に対して、第2のパルス状の電流(以下、「第2パルス電流」という。)を供給する回路である。
尚、第1電流供給回路6と第2電流供給回路7には、パルス電流の発生を制御、特にパルス電流を発生させる時間的タイミングや、パルス幅、パルス列配置又は電流値を制御するための制御回路8が接続されることが好ましい。
第1ダイオードD1は、第1巻線L1に並列で接続され、第2ダイオードD2は、第2巻線L2に並列で接続される。
図1の概略回路図に示されるように、ダイオードDには、開閉器Sが直列に接続される。図1の実施例では、第1ダイオードD1には、第1開閉器S1が直列に接続されて直列回路を構成し、第2ダイオードD2には、第2開閉器S2が直列に接続されて直列回路を構成する。
第1開閉器S1が閉の場合には、ここに何らかの電流が供給されたとしても、第1ダイオードD1が順方向動作するときに、これと並列の第1巻線L1には電圧が発生しない。同じく、第2開閉器S2が閉の場合には、ここに何らかの電流が供給されたとしても、第2ダイオードD2が順方向動作するときに、これと並列の第2巻線L2には電圧が発生しない構成である。
他方、第1開閉器S1が開の場合には、第1巻線L1に電流が供給される。同じく、第2開閉器S2が開の場合には、第2巻線L2に電流が供給される構成である。
本発明は、ダイオードの特性を利用したものである。即ち、順方向に電圧がかかった場合には電流が流れるが、逆方向に電圧がかかった場合には電流が流れないという特性を利用したものである。このダイオードの特性を利用して、ダイオードが順方向に動作する場合にのみ、当該ダイオードと並列に接続された巻線に電圧が発生しないという効果、換言すれば、当該巻線における電圧の発生を防止できるという効果を得ることができる。
開閉器Sは、第1電流供給回路6又は第2電流供給回路7からのパルス電流の発生の有無により、開閉されることが好ましい。
第1巻線L1側を例にとって説明すれば、第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流のパルスが発生している時間(期間)には、第1開閉器S1は開となり、電流は第1巻線L1に流れる。
一方で、第1パルスのパルスが発生していない時間(期間)には、少なくとも、第2パルス電流が発生している期間は、第1開閉器S1は閉となり、この回路は第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しない構成である。
上記構成を詳述する。第2パルス電流が第2巻線L2に供給されることにより、同じ一次巻線の一部である第1巻線L1にも誘導電流が流れることになる。この誘導電流により、第1巻線L1に電圧が発生し、意図しないパルス電圧が出力される原因となる。そこで、本発明は、かかる場合に、第1ダイオードD1が順方向動作するときには誘導電流を消費し、第1巻線L1に電圧を発生させない構成とし、その結果、意図しないパルス電圧の発生を防ぐものである。
なお、第1パルスのパルスが発生していない時間(期間)について、第2パルス電流が供給されているか否かにかかわらず、第1開閉器S1を閉とする構成としてもよい。
次に、第2巻線L2側を例にとって説明すれば、第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流のパルスが発生している時間(期間)には、第2開閉器S2は開となり、電流は第2巻線L2に流れる。
一方で、第2パルスのパルスが発生していない時間(期間)には、少なくとも、第1パルス電流が発生している期間は、第2開閉器S2は閉となり、この回路は第2ダイオードD2が順方向動作する場合には、第2巻線L2には電圧が発生しない構成である。
第1巻線L1の場合と同様だが、上記構成を詳述する。第1パルス電流が第1巻線L1に供給されることにより、同じ一次巻線の一部である第2巻線L2にも誘導電流が流れることになる。この誘導電流により、第2巻線L2に電圧が発生し、意図しないパルス電圧が出力される原因となる。そこで、本発明は、かかる場合に、第2ダイオードD2が順方向動作するときに誘導電流を消費し、第2巻線L2に電圧を発生させない構成とし、その結果、意図しないパルス電圧の発生を防ぐものである。
なお、第2パルスのパルスが発生していない時間(期間)について、第1パルス電流が供給されているか否かにかかわらず、第2開閉器S2を閉とする構成としてもよい。
制御回路8は、第1電流供給回路6、第2電流供給回路7、第1開閉器S1及び第2開閉器S2の動作を集中制御するものである。制御回路8で、これらを集中制御できれば、第1パルス電流と第2パルス電流を供給する時間的タイミングを制御すると共に、第1開閉器と第2開閉器の開閉動作を同時に制御でき、パルス電流を巻線側(第1巻線又は第2巻線)に流すのか又はダイオード(第1ダイオードD1又は第2ダイオード)を有効にするか否かを選択し制御することができる。
制御回路8の構成に限定はなく、第1電流供給回路6と第2電流供給回路7を制御し、
第1パルス電流と第2パルス電流を供給する時間的タイミングを制御でき、第1開閉器S1と第2開閉器S2の開閉動作を制御できる構成であればよい。
図1に示される回路構成により得られる作用効果については、後述する。
<図2に示される回路構成について>
波形発生回路1の動作を説明するため、先ず、図2に示される概略回路図の動作について説明する。図2に示される概略回路図は、本発明の実施例である図1と異なり、一次巻線2の第1巻線L1又は第2巻線L2に、ダイオードDが接続されていない構成であり、従来から知られた構成である。図2の回路構成であっても、巻線トランスの作用により、二次巻線3側から高圧のパルス波形を出力することができる。
しかし、図2に示される回路構成では、一次巻線2にパルス電流を供給した際、一次巻線2における電圧波形に、微分波形やそのリンギング波形といった意図しない波形が現れるという問題がある。また、入力されたパルス電流の立上り時に正極性のパルス電圧が生じた場合、パルス電流の立下り時には逆極性である負極性のパルス電圧が生じ、その結果、二次巻線3側に出力されるパルス電圧にも、この逆極性の波形が生ずるという問題がある。即ち、従来の構成では、これらの意図しないパルス電圧の発生が問題となる。
図3は、図2に示される回路構成において、(a)第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流I(1)、(b)第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流I(2)、(c)第1巻線L1における電圧波形V(L1)、(d)第2巻線L2における電圧波形V(L2)、(e)二次巻線3から出力されるパルス電圧V(out)の波形の関係を説明するための概略波形図である。
図3に示されるように、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給されると、第2巻線L2に電流が流れ、トランスの鉄心に磁束が生ずる影響により、第1巻線L1にも電流が流れる。よって、第1巻線L1にも電圧が発生する。第1巻線L1における電圧V(L1)は、第2パルス電流I(2)の立上り時に正極性に振れ、リンギング等が現れた後、第
2パルス電流I(2)の立下り時に逆極性(負極)へ振れ、同じくリンギング等が現れる。
第2巻線L2における電圧V(L2)は、第2パルス電流I(2)の立上り時に、V(L1)とは逆極性の負極性に振れ、リンギング等が現れた後、第2パルス電流I(2)の立下り時に逆極性(正極)へ振れ、同じくリンギング等が現れる。
次に、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給されると、第1巻線L1における電圧V(L1)は、第1パルス電流I(1)の立上り時に負極性に振れ、リンギング等が現れ
た後、第1パルス電流I(1)の立下り時に逆極性(正極)へ振れ、同じくリンギング等が現れる。
第1パルス電流I(1)が供給されると、第1巻線L1に電流が流れ、トランスの鉄心に磁束が生ずる影響により、第2巻線L2にも電流が流れる。よって、第2巻線L2にも電圧が発生する。第2巻線L2における電圧V(L2)は、第1パルス電流I(1)の立上り時に、V(L1)とは逆極性の正極性に振れ、リンギング等が現れた後、第1パルス電流I(1)の立下り時に逆極性(負極)へ振れ、同じくリンギング等が現れる。
そして、二次巻線3から出力されるパルス電圧V(out)は、第2巻線L2における電圧V(L2)における波形と略同一の形状に現れる(波高値は異なる。)。
上述のとおり、従来の回路構成(図2)では、リンギングや、入力パルスの立下り時に逆極性へのパルス電圧が発生するという問題があることが分かる。
<図4に示される回路構成について>
続いて、図4に示される概略回路図の動作について説明する。
図4に示される概略回路図は、図2に示される回路構成に比して、第1巻線L1にのみ第1ダイオードD1が並列接続された構成である。第1ダイオードD1に開閉器Sは接続されておらず、この第1ダイオードD1は常時接続された状態である。
図5は、図4に示される回路構成において、(a)第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流I(1)、(b)第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流I(2)、(c)第1巻線L1における電圧波形V(L1)、(d)第2巻線L2における電圧波形V(L2)、(e)二次巻線3から出力されるパルス電圧V(out)の波形の関係を説明するための概略波形図である。
先ず、図5において、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給された場合について説明する。
第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給されると、第1巻線L1における電圧V(L1)は、第2パルス電流I(2)の立上り時に正極性に振れる。しかし、図3において現
れたリンギングや逆極性パルスは発生しない。第1巻線L1には、第1ダイオードD1が並列に常時接続されおり、この第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しない。よって、第2パルス電流I(2)の立上り時に現れた正極性へのパルスは、第2巻線L2に流れた電流によって発生したものである。
一方で、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給された場合に、第2巻線L2における電圧V(L2)は、第2パルス電流I(2)の立上り時に負極性に振れるが、図3にお
いて現れたリンギングや逆極性パルスは発生しない。これは、第2巻線L2にはダイオードが接続されていないので電流が流れ、第2パルス電流I(2)の立上り時に、パルス電圧が発生するが、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1側に現れる電圧が発生しない。これにより、図3においては現れたリンギングが、図5では発生しない。第2パルス電流I(2)の立下り時における逆極性パルスは、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、図3において第1巻線L1に発生していた電圧が発生しない。
上述のような作用によって、第2巻線L2におけるリンギングや逆極性パルスが、第1巻線L1に並列接続された第1ダイオードD1によって消滅したことになる。
次に、図5において、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合について説明する。
第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合、第1巻線L1における電圧V(L1)及び第2巻線L2における電圧V(L2)共に、出力が現れない。これは、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1に電圧が発生しないためである。第1巻線L1に電圧が発生しないので、第2巻線L2にも電圧が発生しない。
<図6に示される回路構成について>
続いて、図6に示される概略回路図の動作について説明する。
図6に示される概略回路図は、図4に示される回路構成に対して、第1開閉器S1が加えられた構成である。この第1開閉器S1は、第1ダイオードD1に直列接続されている。
図6に示される回路構成では、第1開閉器S1が閉の場合には、第1ダイオードD1が順方向動作するときに、第1巻線L1には電圧が発生しない構成である。一方で、第1開閉器S1が開の場合には、第1巻線L1に電流が流れる構成である。
第1開閉器S1は、第1電流供給回路6からパルス電流が発生されているか否かにより
、開閉される構成である。詳しくは、第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流のパルスが発生している期間は、第1開閉器S1は開状態となり、電流は第1巻線L1に流れる。一方で、第1パルス電流のパルスが発生していない時間には、第1開閉器S1は閉状態となり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合に、第1巻線L1には電圧が発生しない構成である。
図7は、図6に示される回路構成において、(a)第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流I(1)、(b)第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流I(2)、(c)第1巻線L1における電圧波形V(L1)、(d)第2巻線L2における電圧波形V(L2)、(e)二次巻線3から出力されるパルス電圧V(out)の波形の関係を説明するための概略波形図である。
図7に示されるように、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給されると、第1巻線L1における電圧V(L1)は、第2パルス電流I(2)の立上り時に正極性に振れるが
、図5の場合と同様に、リンギングや逆極性パルスは発生しない。
ここでは、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が発生していないので、第1開閉器S1は閉であり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しない。よって、第2パルス電流I(2)の立上り時に現れた正極性へのパルスは、第2巻線L2に流れた電流によって発生したものである。
一方で、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給された場合に、第2巻線L2における電圧V(L2)は、入力パルス電流I(2)の立上り時に負極性に振れるが、図3にお
いて現れたリンギングや逆極性パルスが発生しない。これは、第2巻線L2にはダイオードが接続されていないので電流が流れ、第2パルス電流I(2)の立上り時に、パルス電圧が発生するが、第1巻線L1側に現れる成分が第1ダイオードD1が順方向動作する場合に電圧が発生しない。これにより、図3においては現れたリンギングが、図7には発生しない。第2パルス電流I(2)の立下り時における逆極性パルスは、図3において第1巻線L1に発生していた電圧が、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には発生しない。
上述のような作用によって、第2巻線L2におけるリンギングや逆極性パルスが、第1巻線L1に並列接続された第1ダイオードD1によって消滅したことになる。ここまでは、図4に示される回路構成における、図5に示される概略波形図と同様である。
次に、図7において、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合について説明する。
第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合、第1開閉器S1は開状態となり、電流は第1巻線L1に流れ、ここで電圧が発生する。これにより、トランスの鉄心に磁束が生じるので、第2巻線L2にも電圧が発生する。
図7に示されるように、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合、第1巻線L1における電圧V(L1)及び第2巻線L2における電圧V(L2)は、第1パルス電流I(1)の立上り時にパルスが発生し、その後にリンギング等の意図しない波形が生じている。また、第1パルス電流I(1)の立下り時には、立上り時とは逆極性のパルスが生じ、ここまでは図3に示される波形図と同様である。これは、電流が第1巻線L1に流れているためである。
一方で、第1パルス電流I(1)の立下り時に、立上り時とは逆極性のパルスが生じるが、その後にリンギング等の意図しない波形が発生していない点は、図3の波形とは異なる。これは、第1パルス電流I(1)の立下りにより、第1開閉器S1は閉となり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1に電圧が発生しないためである。
<図1に示される本発明の一実施例を示す回路構成について>
最後に、本発明の一実施例である回路構成(図1)について説明する。
図1に示される概略回路図は、第1巻線L1には第1ダイオードD1が、第2巻線L2には第2ダイオードD2がそれぞれ並列接続された構成である。また、第1ダイオードD1には第1開閉器S1が、第2ダイオードD2には第2開閉器S2がそれぞれ直列接続された構成である。
図1に示される回路構成では、第1開閉器S1が閉状態の場合には、第1ダイオードD1が順方向動作するときに、これと並列の第1巻線L1には電圧が発生しない構成である。他方、第1開閉器S1が開状態の場合には、第1巻線L1に電流が流れる構成である。
同様に、第2開閉器S2が閉状態の場合には、第2ダイオードD2が順方向動作するときに、これと並列の第2巻線L2には電圧が発生しない構成である。他方、第2開閉器S2が開状態の場合には、第2巻線L2に電流が流れる構成である。
第1開閉器S1又は第2開閉器S2は、第1電流供給回路6又は第2電流供給回路7からのパルス電流の発生の有無により、開閉される構成である。詳しくは、第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流のパルスが発生している時間は、第1開閉器S1は開となり、電流は第1巻線L1に流れる。一方で、第1パルス電流のパルスが発生していない時間には、第1開閉器S1は閉となり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合に、第1巻線L1には電圧が発生しない構成である。
同様に、第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流のパルスが発生している時間は、第2開閉器S2は開となり、電流は第2巻線L2に流れる。一方で、第2パルス電流のパルスが発生していない時間には、第2開閉器S1は閉となり、第2ダイオードD2が順方向動作する場合に、第2巻線L2には電圧が発生しない構成である。
図8は、図1に示される回路構成において、(a)第1電流供給回路6から供給される第1パルス電流I(1)、(b)第2電流供給回路7から供給される第2パルス電流I(2)、(c)第1巻線L1における電圧波形V(L1)、(d)第2巻線L2における電圧波形V(L2)、(e)二次巻線3から出力されるパルス電圧V(out)の波形の関係を説明するための概略波形図である。
図8に示されるように、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給された場合における第1巻線L1における電圧V(L1)と第2巻線L2における電圧V(L2)の波形は、図7に示される波形と略同じである。
ここでは、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が発生していないので、第1開閉器S1は閉であり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しない。一方の第2巻線L2は、第2パルス電流の発生により第2開閉器は開となり、電流は第2巻線L2に流れる。
この状態は、図6の回路構成において、第2電流供給回路7から第2パルス電流I(2)が供給された場合と同じであるため、図8の波形は、図7の波形と略同じとなる。
次に、図8において、第1電流供給回路6から第1パルス電流I(1)が供給された場合について説明する。
ここでは、第1パルス電流I(1)の発生により、第1開閉器S1が開となり、電流は第1巻線L1に流れる。一方の第2巻線は、第2パルス電流I(2)が発生していないので、第2開閉器S2は閉であり、第2ダイオードD2が順方向動作する場合には、第2巻線L2には電圧が発生しない。
第1パルス電流I(1)の立上り時において、第1巻線L1における電圧V(L1)は負極性に
振れる。一方で、リンギング等の意図しない波形は発生しない。これは、第2ダイオードD2が順方向動作する場合には、第2巻線L2において電圧が発生しないためである。
次に、第1パルス電流I(1)の立下り時においては、第1巻線L1における電圧V(L1)が
発生しない。これは、入力パルス電流I(1)の立下りにより、第1開閉器S1は閉となり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しないためである。
第1パルス電流I(1)の立上り時において、第2巻線L2における電圧V(L2)は正極性に
振れる。これは、第2巻線には第2ダイオードD2により電流が流れず電圧も発生しないが、第1巻線L1に電流が流れたことにより、トランスの鉄心に磁束が生ずる影響により、第2巻線L2にも電流が流れ、これにより、第2巻線L2にも電圧が発生したものである。一方で、リンギング等の意図しない波形は発生しない。これは、第1巻線L1においてもリンギング等の意図しない波形が発生していないためである。
次に、第1パルス電流I(1)の立下り時においては、第2巻線L2における電圧V(L2)が
発生しない。これは、第2巻線L2には電流が流れていないことに加え、第1パルス電流I(1)の立下りにより第1開閉器S1も閉となり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しないためである。
上述した作用により、第1巻線L1の電圧V(L1)における意図しない波形は、第2巻線
L2側の第2ダイオードD2によって消滅し、第2巻線L2の電圧V(L2)における意図し
ない波形は、第1巻線L1側の第1ダイオードD1によって消滅することになる。
かかる作用効果により、波形発生回路1は、一次巻線2における微分波形やリンギングといった過渡現象や、逆極性パルスの発生といった意図しない波形の発生を抑えることができる。そして、一次巻線2側で意図しない波形の発生を抑えることによって、二次巻線3から出力される波形についても、微分波形やリンギングといった過渡現象や、逆極性パルスの発生といった意図しない波形の発生を抑えることができる。
<第1パルス電流と第2パルス電流を連続的に供給する構成について>
本発明に係る波形発生回路1を用いて、第1パルス電流と第2パルス電流を一次巻線2に供給する時間的なタイミングを調整することで、二次巻線3から出力される出力パルス電圧について、約2倍の波高値を出力することができる。
第1パルス電流と第2パルス電流を一次巻線2に供給するタイミングについて、時系列で表すと次のようになる。
(1)第1パルス電流の立下りと、第2パルス電流の立上りが連続的であること
(2)第2パルス電流の立下りと、第1パルス電流の立上りが連続的であること
(3)上記(1)と(2)の組み合わせ
上記(1)は、後述する図9(a)において、左側に示される波形であり、上記(2)は、後述する図9(a)において、右側に示される波形であり、上記(3)は、上記(1)と(2)が任意の順で供給されることを示すものである。
上記(1)〜(3)における「連続的」とは、先のパルス電流の立下りと後のパルス電流の立上りとが実質的に連続している状態をいい、厳密に連続していることを限定する意味ではない。即ち、先のパルス電流の立下りの後、時間差をおいて後のパルス電流の立上りが始まること、及び、先のパルス電流が立ち下がり終わる前に、後のパルス電流の立上りが始まること、を許容する意味であり、先のパルス電流の立下りによって生ずる出力パ
ルス電圧の波形と、後のパルス電流の立上りによって生ずる出力パルス電圧の波形との加算によって生ずる出力パルス電圧の波形の波高値が、先のパルス電流の立上り又は後のパルス電流の立下りによって生じた出力パルス電圧の波形の波高値よりも高くなるタイミングであればよい。
第1パルス電流と第2パルス電流を一次巻線2に供給するタイミングについて、二次巻線3から出力されるパルス電圧を基準として、効果が得られる範囲を規定すると、次のとおりである。
(A)第1パルス電流の立下りによって二次巻線から出力されたパルス状の高電圧と、第2パルス電流の立上りによって二次巻線から出力されたパルス状の高電圧とが、時間的に重複して発生すること
(B)第2パルス電流の立下りによって二次巻線から出力されたパルス状の高電圧と、第1パルス電流の立上りによって二次巻線から出力されたパルス状の高電圧とが、時間的に重複して発生すること
(C)上記(A)と(B)の組み合わせ
上記(A)のタイミングでは、負極性に波高値が高いピークが生じ、上記(B)のタイミングでは、正極性に波高値が高いピークが生じる構成であり、上記(C)は、上記(A)と(B)が任意の順で供給されることを示すものである。
上記のタイミングについて換言すれば、先のパルス電流の立下りによって生ずる出力パルス電圧の波形と、後のパルス電流の立上りによって生ずる出力パルス電圧の波形との加算によって生ずる出力パルス電圧の波形の波高値が、先のパルス電流の立上り又は後のパルス電流の立下りによって生じた出力パルス電圧の波形の波高値よりも高くなるタイミングであればよい。
図9は、第1パルス電流と第2パルス電流とが、一次巻線2に対して時間的に連続して供給された場合における、出力パルス電圧との関係が表わされた概略説明図である。図9では、例として、第1巻線L1におけるパルス電圧の波形を示す。
図9(a)には、第1パルス電流又は第2パルス電流の波形が示され、図9(b)には、第1パルス電流によって第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形が示され、図9(c)には、第2パルス電流によって第1巻線L1に発生した出力パルス電圧の波形が示され、図9(d)には、上記図9(b)と(c)の電圧が加算された第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形が示されている。
先ず、図9(b)について説明する。
図9(b)は、第1パルス電流によって第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形を示している。図9(b)に示されるように、第1パルス電流の供給により、第1開閉器S1は開になるので、第1巻線L1に電流が供給され、第1パルス電流の立上り時に、第1巻線L1には負極性のパルスが発生する。図3では、この立上り時のパルスに続いて、リンギング等の意図しない波形が発生しているが、ここでは、上述のとおり、第1パルス電流が発生し、第2パルス電流が発生していない状態であるため、第2開閉器S2は閉であり、第2ダイオードD2が順方向動作する場合には、第2巻線L2には電圧が発生しないので、この意図しない波形は発生しない。
続いて、第1パルス電流の立下り時に、第1巻線L1には正極性のパルスが発生する。図8においては、この立下り時のパルスは、第1巻線L1及び第2巻線L2のいずれにも電流が流れないため発生しない。しかし、ここでは、図9(a)に示されるように、第1パルス電流の立下りと、第2パルス電流の立上りが連続しており、第1パルス電流の供給が終えると略同時に、第2パルス電流の供給が開始され、これにより、第2巻線L2に電流が供給される。よって、図9(b)に示されるように、第1パルス電流の立下り時に、第1巻線L1には正極性のパルスが発生するのである。
次に、図9(c)について説明する。
図9(c)は、第2パルス電流によって第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形を示している。図9(c)に示されるように、第2パルス電流の供給により、第2開閉器S2は開になるので、第2巻線L2に電流が供給され、第2パルス電流の立上り時に、第1巻線L1には第2巻線L2とは逆極性である正極性のパルスが発生する。図3では、この立上り時のパルスに続いて、リンギング等の意図しない波形が発生しているが、ここでは、上述のとおり、第2パルス電流が発生し、第1パルス電流が発生していない状態であるため、第1開閉器S1は閉であり、第1ダイオードD1が順方向動作する場合には、第1巻線L1には電圧が発生しないので、この意図しない波形は発生しない。
続いて、第2パルス電流の立下り時に、第1巻線L1にはパルスが発生しない。図8の説明でも記載したとおり、立下り時のパルスは、第1巻線L1及び第2巻線L2のいずれにも電流が流れないため発生しない。
最後に、図9(d)について説明する。
図9(d)は、図9(b)と(c)の電圧が加算された第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形を示している。上述のとおり、第1パルス電流の立下りと、第2パルス電流の立上りは連続的であるが、この時の第1巻線L1には、第1パルス電流によって正極性のパルスが生じ(図9(b)参照)、第2パルス電流によっても正極性のパルスが生じている(図9(b)参照)。これらの正極性パルスは加算され、約2倍の波高値を有する正極性のパルス電圧を発生させることができる。
図9では、第1巻線L1に発生したパルス電圧の波形について説明したが、第2巻線L2に発生するパルス電圧の波形を図10に示す。第2巻線L2に発生するパルス電圧の波形は、図3、5、7又は8にも示されるように、第1巻線L1とは逆極性であるが対称の形状をした波形である。
二次巻線3から出力されるパルス電圧は、同じく図3、5、7又は8にも示されるように、第2巻線に発生するパルス電圧の波形と略同じである(波高値は異なる。)。
これらの特定を利用すれば、二次巻線3から出力されるパルス電圧について、本来得られる波高値に対して、約2倍の波高値を得ることができる。
本発明に係る波形発生回路1をイオン発生装置に搭載すれば、意図しない逆極性のイオンが発生することを防止でき、逆極性のパルス発生による影響を最小限に抑制することができる。
1 波形発生回路
2 一次巻線
L1 第1巻線
L2 第2巻線
3 二次巻線
4 センタータップ
5 電圧源
6 第1電流供給回路
7 第2電流供給回路
8 制御回路
D ダイオード
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
S 開閉器
S1 第1開閉器
S2 第2開閉器

Claims (6)

  1. 第1巻線と第2巻線の2つの巻線をセンタータップ接続した一次巻線と、二次巻線とを有する巻線トランスと、
    前記センタータップに接続された電圧源と、
    前記第1巻線に第1パルス電流を供給する第1電流供給回路と、
    前記第2巻線に第2パルス電流を供給する第2電流供給回路とを備える構成であって、
    前記第1巻線には、第1ダイオードと第1開閉器からなる直列回路が並列接続されると共に、前記第2巻線には、第2ダイオードと第2開閉器からなる直列回路が並列接続され、
    前記第1ダイオードと第2ダイオードのそれぞれのアノード側が、前記電圧源に接続された構成であることを特徴とする波形発生回路。
  2. 第1パルス電流と第2パルス電流は、時間的に重複して供給されることがなく、
    前記第1パルス電流が供給されている期間は、第1開閉器が開状態であり、該第1パルス電流は第1巻線に供給される構成であり、
    前記第2パルス電流が供給されている期間は、第2開閉器が開状態であり、該第2パルス電流は第2巻線に供給される構成であること
    を特徴とする請求項1に記載の波形発生回路。
  3. 第1パルス電流が供給されていない期間は、第1開閉器が閉状態であり、第1ダイオードが順方向動作する場合にのみ、第1巻線に電圧を発生させない構成であり、
    第2パルス電流が供給されていない期間は、第2開閉器が閉状態であり、第2ダイオードが順方向動作する場合にのみ、第2巻線に電圧を発生させない構成であること
    を特徴とする請求項2に記載の波形発生回路。
  4. 第1電流供給回路、第2電流供給回路、第1開閉器及び第2開閉器の動作を制御する制御回路が設けられ、
    前記制御回路によって、第1電流供給回路又は第2電流供給回路から第1パルス電流又は第2パルス電流が供給される時間的タイミングが制御されると共に、
    第1開閉器又は第2開閉器の開閉動作が制御される構成であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波形発生回路。
  5. 第1パルス電流と第2パルス電流が、第1巻線と第2巻線に対して、次に掲げる(1)〜(3)の時系列で供給されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の波形発生回路。
    (1)第1パルス電流の立下りと、第2パルス電流の立上りが連続的であること
    (2)第2パルス電流の立下りと、第1パルス電流の立上りが連続的であること
    (3)上記(1)と(2)の組み合わせ
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の波形発生回路を搭載したことを特徴とするイオン発生装置。
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