JP6594803B2 - 天井化粧構造 - Google Patents
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Description
また、石綿ストレート屋根の改修に関する提案であるが、特許文献3には、その図6や図7等に示される吊り金具の溝部に天井材の側縁を挿入して天井を構築する方法が記載されている。
さらに、前記特許文献3の構造では、吊り金具の溝部は側方、即ち横方向が開口するものであるから、該溝部に天井材の側縁を挿入する操作は、天井材を押し上げた状態で横方向へ端縁を押し付けるという困難な作業を必要とするものであった。
したがって、この天井化粧構造では、天井方向へ押し上げるという簡易な操作にて天井化粧材を容易に且つ確実に固定することができ、しかも母屋上で屋根等の修復、改修工事を行っても、各種の金具類等の落下物を受支することができ、安全なものとなる。
また、前記天井化粧材は、室内側から凹状(上方へ凸状)の独特の化粧面を備える。
なお、後述する図示実施例では、この補助材を、型鋼と略対称状に成型した形状のものを用いているが、それに限定されるものではない。
この天井化粧材は、前述のように型鋼と該型鋼と隣り合う型鋼に取り付けられた補助材との間に取り付けられるものであるから、前記補助材を型鋼と略対称状に成型した形状のものを用いた場合には、後述する図示実施例のように左右対称状の部材として成形することができる。この場合には、部材の生産に関しても取付作業(取付方向の誤りを生じない)においても利点が大きいものとなる。
上記型鋼の中でもリップを有するC型鋼、リップZ型鋼が望ましい。なお、これらの型鋼は、下フランジが同一方向に延在するように配設して母屋を形成するが、一部にはこの型鋼同士を背中合わせに接続して用いるようにしてもよい。
この天井仕上げ材は、型鋼の長さ方向に連続する長尺状でもよいが、所定長さを有する定尺材を複数並列状に配設するものでもよく、意匠性を継続的に維持でき、前述の挙動を可能とする材料であれば、例えば金属板や硬質樹脂板等の単一材料にて構成されるものでもよいし、例えば有孔性の材料にボード状の材料を組み合わせた複数材料にて構成されるものでもよい。なお、前記金属板等に強度の向上を目的としてボード状の材料を組み合わせてもよいが、以降の複数材料にて構成される態様としては、有孔性材料とボード状材料とを組み合わせたものとする。
化粧面部は、専らボード状材料に任せることにより強度を向上することができ、押し込み片部や嵌合部は、専ら有孔性材料に任せるようにすればよい。言い換えれば、ボード状材料としては、化粧面部として必要な特性を有するものであれば、特にその材質を限定するものではなく、有孔性材料としては、押し込み片部や嵌合部として必要な特性を有するものであれば、特にその材質を限定するものではない。
また、この化粧面部は、屋根面等の修復又は改修作業に際し、各種の金具類や破片物等の不慮の落下物をも受支することができることが望ましいので、例えばパンチングメタルや金属製メッシュ材などの有孔性材料をこの天井化粧材の材料とするケースにおいても、有孔性材料を単一材料の天井化粧材とする場合には、その孔部は部材等が通過しにくいものとすればよく、有孔性材料を複数材料の一つとして用いる場合には、本質的にこの化粧面部を担当するボード状材料が部材等の通過を阻止するので、前記有孔性材料の孔部には制限はなくどのようなものでもよい。
なお、「取付状態では型鋼の下フランジ、補助材の横片部の上方に押し込まれる」という挙動は、取付時に弾性に抗して縮幅状に変形させて配設する必要があることを意味している。この天井化粧材を押し込むという操作により、左右の押し込み片部がそれぞれ型鋼の下フランジ、補助材の横片部に当接して達成されるものである。
したがって、パンチングメタルや金属製メッシュ材を単一材料の天井化粧材とする場合や、複合材料の有孔性材料として用いる場合にも、その孔部は部材等が通過しにくいものが望ましい。
前述のように天井化粧材を押し込んで配設するという操作により、この押し込み片部と当接している型鋼の下フランジ及び補助材の横片部より、縮幅状の変形圧力が加えられるので、最も外側へ拡開している押し込み片部の下端が型鋼の下フランジ(補助材の横片部)の上方に至った時点で応力が開放される(取付時の力が解除される)。
前述のように型鋼の下フランジの上方又は補助材の横片部の上方に位置させた押し込み片部には、取付時の力が解除されるが、この下端に延在する嵌合部を、型鋼の下フランジ(又は補助材の横片部)により安定に取り付けるためには、弾性的に係合するようにすることが望ましい。
例えば押し込み片部と化粧面部との拡開角度を、後述する図2(c)に示す取付状態の角度αよりも拡開状に成形しておけば、その下端に設けられた嵌合部にも、弾性は作用するし、例えば嵌合部と折り返し片部との拡開角度も、取付状態の角度βよりも拡開状に成形ておいても、弾性は嵌合部に作用するので、何れかの態様又は両態様を採用して弾性的に係合させることが望ましい。
前記化粧カバーは、型鋼の下フランジ及び前記補助材の横片部を下方側から被覆する化粧面部を有するものであって、型鋼の長さ方向に連続する長尺状に形成される。また、この化粧カバーには、前記補助材と型鋼との取付を補助(強化)する構成を具備させてもよい。
さらに、この天井化粧構造は、室内側から見上げて凹状(上方へ凸状)の独特の化粧面を備える。
前記中央縦片部21は、前述のように取付状態において型鋼4のウエブ41に沿うものであり、この第1実施例では鉛直状の縦片状に形成した。
前記横片部22は、前述のように中央縦片部21の下端から前記下フランジ42とは逆方向に延在する。なお、この第1実施例における補助材2は、上下対称の部材であって、中央縦片部21の上端にも前記横片部22及び上向き片221に相当する上側横片部23及び下向き片231を有する構成である。
なお、図2(c)に示す天井化粧材1は、前記図1のように取り付けられた状態の天井化粧材1を抜き出して示した分解断面図であるから、実際の配設以前の天井化粧材1は、左右の押し込み片部12,13がもっと広く拡開している。即ち図中の拡開角度αより大きく成形されている。
即ち図中に一点鎖線にて下フランジ42の先端から延長させた補助垂線xをこの天井化粧材1の左方に位置する押し込み片部12に臨ませ、横片部22の先端から延長させた補助垂線yをこの天井化粧材1の右方に位置する押し込み片部13に臨ませているように、この天井化粧材1(実際はもっと広く拡開している天井化粧材1)を垂直方向に押し上げて取り付ける際に下フランジ42や横片部22の当接することにより、前記押し込み片部12,13がそれぞれ内側方向への弾性変形を受けることは明らかである。
同様にこの天井化粧材1の右側の押し込み片部13の下端に延設される嵌合部15は、前記補助材2の構成に応じて横片部22及び上向き片221に沿うL字状に形成した。
なお、前記嵌合部14,15には、それぞれ側方から上方へ向くL字状片16,17が延設されており、ビス1bを嵌合部14,15の縦片部(固定部14b,15b)に打ち込んでもその頭部をL字状片16,17が隠すことができる。
したがって、この天井化粧構造では、天井方向へ押し上げるという簡易な操作にて天井化粧材1を容易に且つ確実に型鋼4及び補助材2に固定することができ、しかも仮に、母屋上で屋根等の修復、改修工事を行っても、各種の金具類等の落下物をも化粧面部11や押し込み片部12,13にて受支できる。
さらに、前記天井化粧材1には、嵌合部14,15の下端に下方へ延在する固定部14b,15bを設けてビス1bにて固定したので、嵌合部14,15の固定がより強固に且つ確実なものとなった。
また、この第2実施例では、第1実施例におけるL字状片16,17に代えて外向き片16b,17bが設けられている。
また、この第3実施例では、第1実施例におけるL字状片16,17に代えて外向き片16c,17cが設けられている。
また、この第4実施例では、第1実施例におけるL字状片16,17に代えて外向き片16d,17dが設けられている。
そのため、前記第1,第2実施例では、天井化粧材1,1Bの化粧面部11,11bと押し込み片部12,13,12b,13bとの拡開角度を、取り付け状態の角度α,α'より大きく成形したが、これらの第3,第4実施例では、2カ所ずつ多い屈折角度において分散させて大きく成形するという態様を採ることができるという利点がある。
また、この化粧カバー8は、図示するように樋状に形成され、底面に相当する化粧面81の左右端を立ち上げて側面82,82とし、該側面82,82の上端をそれぞれ内側へ折曲して取付嵌合部83,83とした構成である。
そのため、この第5実施例では、化粧カバー8と前記天井化粧材1とが相まって天井全体の美観向上が果たされる。
そのため、前記有孔性材料9Aと前記ボード状材料9Bとを組み合わせた複合材料にて構成される天井化粧材1Fは、その化粧面部11fが有孔性材料9Aの化粧面部91とボード状材料9Bとの重合部分にて形成されている。
また、その施工に際しても、予め前記有孔性材料9Aと前記ボード状材料9Bとを一体的に組み付けて天井化粧材1Fとしておく工程を追加するだけでよく、それ以外は前記第1実施例の天井化粧構造と全く同様に施工することができる。
なお、この天井化粧構造に用いられる型鋼4'及び補助材2F、また天井化粧材1Gを形成するボード状材料9Bについて、前記第6実施例と全く同様であるから、図面に同一符号を付して説明を省略する。
そのため、前記有孔性材料9Cと前記ボード状材料9Bとを組み合わせた複合材料にて構成される天井化粧材1Gは、その化粧面部11gが有孔性材料9Cの化粧面部91cとボード状材料9Bとの重合部分にて形成されている。
なお、図中、符号9dにて示す帯状材は、有孔性材料9Cの下端に取り付けられ、型鋼4'の下フランジ42の上向き片421の上端に係合させてビス止め(ビス1b)前の仮固定を行うものである。
なお、この天井化粧構造は、略中央及び左右の端部に型鋼4"が配設され、その上面にコンクリートパネル(野地材)6'が配設され、図示しない屋根材が更にその上面に敷設されている構成であって、型鋼4"と隣り合う型鋼4"に取り付けられた補助材2Hとの間は、左右にそれぞれ一箇所ずつ存在するが、該箇所にそれぞれ天井化粧材1Hを配設する構成である。
そして、中央の型鋼4"の裏面側に上端に延在する被覆片84を左右に設けた化粧カバー材8Aが配設され、左右の端部の型鋼4"の裏面側には、左右の何れか一方のみに被覆片84を形成した化粧カバー8Bを配している。なお、図9(b)における左側の型鋼4"の裏面側に配設した化粧カバーについては、符号8B'を付しているが、図9(d)の右側に示す化粧カバー8Bと左右逆に配設しているだけの相違である。
そのため、前記有孔性材料9Cと前記ボード状材料9Bとを組み合わせた複合材料にて構成される天井化粧材1Gは、その化粧面部11gが有孔性材料9Cの化粧面部91cとボード状材料9Bとの重合部分にて形成されている。
なお、化粧カバー8A,8B,8B'の被覆片84は、有孔性材料9Dの押し込み片部92d,93dの裏面側に沿い、仮に各種の金具類等の落下物が押し込み片部92d,93dを通り抜けることがあったとしても更なる下方への落下を防止するものである。
まず、左右方向を示す図10(a)に示した有孔性材料9D'の化粧面部91dの前端及び後端には、折り上げ片911dが設けられ、ボード状材料9Eの前端及び後端を保持している。
また、左右の側端には、コンクリートパネル(野地材)6'から化粧カバー8B(又は8B')までを覆う断面コ字状の化粧カバー8Cが配設されている。
次に、前後方向を示す図10(b)に示すように、有孔性材料9D'の化粧面部91dの上面側に配設するボード状材料9E,9E間に断面ハット状の連絡材8Eを配してもよく、またボード状材料9Eの前端及び後端に、有孔性材料9D'の化粧面部91dと共に銜え込むように保持する保持材8Dを配設して一体化させるようにしてもよい。
11,11b〜11d 化粧面部
12,12b〜12d押し込み片部
13,13b〜13d 押し込み片部
14,14b〜14d 嵌合部
15,15b〜15d 嵌合部
2,2F,2H 補助材
21 中央縦片部
22 横片部
221 上向き片
4 型鋼
41 ウエブ
42 下フランジ
421 上向きリップ
5 屋根材
6 木毛セメント板
7 フックボルト
8,8A,8B 化粧カバー
81 化粧面
9A,9C,9D 有孔性材料(天井化粧材)
9B,9E ボード状材料(天井化粧材)
91,91c 化粧面部
92,92c,92d押し込み片部
93,93c,93d 押し込み片部
94,94c 嵌合部
95,95c 嵌合部
Claims (4)
- 少なくともウエブ、下フランジを有する複数の型鋼からなる母屋に対し、各型鋼に背中合わせ状に補助材を取り付け、型鋼と該型鋼と隣り合う型鋼に取り付けられた補助材との間に天井化粧材を取り付けた天井化粧構造であって、
前記補助材は、取付状態において型鋼のウエブに取り付けられる中央縦片部と、該中央縦片部の下端から前記下フランジとは逆方向に延在する横片部とを有し、
前記天井化粧材は、下面側が化粧面となる化粧面部と、該化粧面部の左右からそれぞれ下方へ延在して少なくとも取付状態では型鋼の下フランジ、補助材の横片部の上方に押し込まれる押し込み片部と、該押し込み片部の下端に延設される嵌合部と、を有し、
それぞれの型鋼に前記補助材を取り付け、間隔を隔てて突き合わされた前記型鋼の下フランジと前記補助材の横片部との間に、前記天井化粧材を弾性に抗して押し込んで配設することにより、前記嵌合部を前記型鋼の下フランジ、前記補助材の横片部に弾性的に嵌合させてなることを特徴とする天井化粧構造。 - 天井化粧材は、化粧面部の前端及び後端を折り上げ又は折り下げていることを特徴とする請求項1に記載の天井化粧構造。
- 天井化粧材は、嵌合部の下端に下方へ延在する固定部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の天井化粧構造。
- 型鋼の下フランジ及び補助材の横片部を下方側から被覆する化粧カバーを設けていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の天井化粧構造。
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