JP6593422B2 - 循環水式冷却設備及び循環水式冷却設備の腐食抑制方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水が高温化しやすい高熱負荷装置の熱交換器における腐食を抑制することのできる循環水式冷却設備、及び該循環水式冷却設備の腐食抑制方法に関する。
鉄鋼の製造プロセスでは、高温状態のままでミルにより鋼片を成形する圧延工程が行われる。圧延工程の前段では、鋼片を加熱炉に装入して所定の温度まで再加熱することがある。
これらのミルや加熱炉においては、大量の工水が主に設備や鋼板の冷却を目的として用いられている。具体的には、加熱炉の炉体の冷却用、加熱炉内で鋼片を支持するスキッドの冷却用及びミルの冷却用といった用途で工水が用いられている。その他にも、鋼片表面のスケールを除去するデスケーリング用でも工水が用いられている。
加熱炉やスキッドの冷却は、冷却水と熱源とが直接接触することのない間接冷却によって行われる。間接冷却では、冷却水と熱源との間に冷却水配管等の熱交換器が設けられる。間接冷却では、冷却水中の溶存酸素と熱交換器を構成する金属との間で酸化反応等が起こり、経時的に熱交換器の腐食が進行するという問題がある。特に、熱交換器に通水された後の冷却水を、開放式冷却塔等で冷却して再び熱源の冷却用に用いる循環水式冷却設備の場合、開放式冷却塔等において大気中の酸素が冷却水に吸収されるので、前述した熱交換器の腐食はより一層顕著になる。
上記の腐食が進行すると、冷却水配管等の熱交換器に穴あきが生じて水漏れを起こすことがある。水漏れは、冷却水の送水に際して著しいエネルギーロスを引き起こし、ひいては生産性が低下するという問題に繋がる。
また腐食が進行すると、熱交換器の内壁面に錆が蓄積するという問題もある。錆の発生によって熱交換器における熱源の冷却効率が低下し、ひいてはエネルギーロスや生産性の低下といった問題に繋がる。さらに腐食の程度が顕著な場合には、冷却水配管の内径が縮小し、冷却水の流量が低下して冷却能の低下を引き起こし、最悪の場合にはスキッドパイプの内部が完全に閉塞してしまうという問題が起こることもある。
上記問題点に対して、従来からいくつかの対策が提案されている。例えば、特許文献1には冷却水配管の内面に腐食防止膜を付着させる方法が開示されている。特許文献2には冷却水に消石灰を投入してランゲリア指数を制御する方法が開示されている。その他にも、冷却水配管の内面に防食ライニングを施す方法や、冷却水に防食薬剤を添加して冷却水の水質を制御する方法も知られている。
特開2011−106914号公報 特開2015−168875号公報
木下和夫、外2名、「塩素イオンを含む流動水中におけるポンプ用材料の腐食」、防食技術、1983年、vol.32、No.1、p.31−36
しかし、冷却水配管の内面に腐食防止膜を付着させる方法や、防食ライニングを施す方法では、予め冷却水配管に対して機械加工、めっき処理、又は化学洗浄処理等を実施する必要があり、初期コストが大きいという問題がある。さらに、腐食防止膜や防食ライニングの劣化に伴い防食効果が減少していくので、防食効果を長期間保つことが難しいという問題もある。
また、消石灰を投入して冷却水のランゲリア指数を適正値に管理する方法については、冷却水配管の外面に設けられた断熱層が脱落した場合に、局所的に水温が上昇することになり、水温上昇部近傍の冷却水配管内面に炭酸カルシウムの析出が発生して流路閉塞に到るという問題を引き起こす可能性がある。
さらに、防食薬剤を添加して冷却水の水質を改善する方法は、冷却水の全循環系統の中に製品である鋼板と冷却水とが直接接触する系統を有する場合、薬剤が鋼板の表面品質に悪影響を及ぼすことが懸念されることから、薬剤の使用が制約されるという問題がある。また、薬剤自体のコストが高いという問題もある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて想到されたものであり、高熱負荷装置の熱交換器における腐食を抑制することのできる循環水式冷却設備及び該循環水式冷却設備の腐食抑制方法に関する。
本発明の手段は、次の通りである。
[1]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備において、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記高熱負荷装置または前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段に、前記間接冷却および前記間接冷却後における前記鋼配管の腐食を防止するために冷却条件を変化させる腐食防止部を備えた循環水式冷却設備。
[2]前記腐食防止部は、前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する第2冷却器である[1]に記載の循環水式冷却設備。
[3]前記腐食防止部は、前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器である[1]に記載の循環水式冷却設備。
[4]前記腐食防止部は、前記高熱負荷装置の少なくとも一部である加熱炉における、並列に冷却水が供給される複数のスキッドである[1]に記載の循環水式冷却設備。
[5]前記腐食防止部は、さらに、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置を含む[2]〜[4]のいずれかに記載の循環水式冷却設備。
[6]前記腐食防止部は、鋼配管内の冷却水流速を測定する流速測定部と、前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器と、前記流速測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水流速が所望の冷却水流速になるように冷却水流量を調整する流量調整部と、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置と、を有する[1]に記載の循環水式冷却設備。
[7]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段において、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
[8]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段において、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
[9]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記高熱負荷装置の少なくとも一部は、加熱炉における複数のスキッドであり、前記複数のスキッドへそれぞれ並列に冷却水を供給する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
[10]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記冷却水の塩素イオン濃度が30ppm以下になるように管理する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
[11]冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、前記冷却水のランゲリア指数を−0.3〜+0.3の領域で管理する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
[12]冷却水の前記冷却は、高熱負荷装置に供給される冷却水の水温を20〜30℃の領域で管理する冷却である[7]に記載の腐食抑制方法。
[13]冷却水の前記加圧は、高熱負荷装置に供給される冷却水の冷却水流速を3m/s〜10m/sの範囲に管理する加圧であり、さらに、高熱負荷装置に供給される冷却水の塩素イオン濃度を30ppm以下の領域で管理する[8]に記載の腐食抑制方法。
本発明では、消石灰投入による炭酸カルシウムの析出や薬剤投入によるコスト増等の問題を防ぎつつ、高熱負荷装置の熱交換器における腐食を抑制することができる。
また、本発明では、配管の内面に腐食防止膜を付着させる方法や防食ライニングを施す方法と異なり、恒久的に高熱負荷装置の熱交換器における腐食を抑制することができる。
さらに、本発明では、特に腐食の起こりやすい高熱負荷装置に限定して対策を施せばよいので、設備の施工等に係るコストを低減することができる。
図1は、本発明に係る循環水式冷却設備のフロー図である。 図2は、従来例に係る循環水式冷却設備のフロー図である。 図3は、加熱炉における炉体の冷却設備の一例を示す一部断面図である。 図4は、加熱炉におけるスキッドの冷却設備の一例を示す断面図である。 図5は、従来例に係るスキッドにおける冷却水のフロー図である。 図6は、本発明に係るスキッドにおける冷却水のフロー図である。 図7は、実施例1における水温と腐食度との関係を示すグラフである。 図8は、実施例2における水温と腐食度との関係を示すグラフである。 図9は、冷却水の水温を所望の範囲に調整するための設備を模式的に示す図である。 図10は、冷却水の流速を所望の範囲に調整するための設備を模式的に示す図である。 図11は、冷却水の塩素イオン濃度を所望の範囲に調整するための設備を模式的に示す図である。 図12は、ランゲリア指数と腐食速度の関係およびランゲリア指数とCa析出量との関係を示す模式図である。 図13は、高熱負荷装置に供給される冷却水の温度、流速、塩素イオン濃度と、腐食速度との関係を示す模式図である。 図14は、冷却水の水温と腐食速度との関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
まず、図1を用いて本発明に係る循環水式冷却設備11について説明する。
循環式冷却設備11は、第1冷却器2と被冷却装置群12とを備える。具体的には、第1冷却器2にて冷却された冷却水は、送水ポンプ3によって高架水槽4に収容され、次いで工場における複数の被冷却装置からなる被冷却装置群12へと送水される。使用後に高温化した冷却水は、沈殿池等の水処理設備1にて凝集・沈殿等の前処理を施された後に第1冷却器2へと戻る。第1冷却器2としては、開放式冷却塔及び閉鎖式冷却塔等を用いることができる。尚、水処理設備1、第1冷却器2、送水ポンプ3、及び高架水槽4等を総称して、循環水処理場13と称する。なお、冷却水は鋼配管を通る。
被冷却装置群12の少なくとも一部には、高熱負荷装置12aが含まれる。高熱負荷装置12aでは、冷却水が比較的高温になるまで熱源との熱交換が行われ、且つ熱源は冷却水による間接冷却を受ける。一例として、高熱負荷装置12aでは、熱交換後の出側の冷却水の温度が50℃〜60℃程度まで達する。尚、前述した間接冷却では、冷却水が熱源と直接接触せずに、冷却水の通る冷却水配管等の熱交換器を介して冷却水と熱源との間で熱交換が行われる。なお、「高温」とは上記の通り、50℃〜60℃が例示されるが、本発明では50℃以上を高温とする。
このような高熱負荷装置12aの一例として、加熱炉の炉体7と、スキッド8とが挙げられる。
まず、炉体7の冷却設備について説明する。具体的には、図3のように、加熱炉の炉壁21の外側に水冷ジャケット22が設けられ、該水冷ジャケット22の内側に冷却水配管23が敷設される。図3では、加熱炉のみ部分的に断面を示している。鋼配管である冷却水配管23内を冷却水が通水することで、熱源(炉壁21)と冷却水とが間接的に熱交換を行い、炉壁21を形成する鉄板が高温化しすぎることが防止される。また、炉体へのスラブの装入及び抽出を行うための扉に用いられる鉄板についても、図3と同様の機構にて間接冷却が行われる。
次に、スキッド8の冷却設備について説明する。スキッド8は、加熱炉において鋼板の下面を支持する部材である。図4では、スキッド8を鋼板の長手方向と垂直な面で切断した断面図を示す。図4のように、スキッド8はスキッドパイプ8aとスキッドレール8bとを備える。スキッドパイプ8aは、鋼板の長手方向に延在する筒状部材であり、図示していないが鋼板の幅方向に複数本設けられる。スキッドパイプ8aの外周には、炉内の高温雰囲気からスキッドパイプ8aの母材を保護するための耐火断熱材8cが設けられる。スキッドレール8bは、断熱材の上側に突出し、鋼板の下面と直接接触する。スキッドレール8bは、鋼板の長手方向に延在し、鋼板を線状に支持することができる。尚、スキッドレール8bの代わりに、鋼板を点状に支持するスキッドボタンが用いられることもある。
高温の鋼板と接することにより、スキッド8も高温となる。スキッドパイプ8aの内側に冷却水を通水することによって、スキッドパイプ8aの管壁等を介して、熱源(例えばスキッドレール8b)と冷却水との間で熱交換が起こる。
上述のように、高熱負荷装置12aでは、冷却水配管23やスキッドパイプ8aの壁面等を介して、冷却水が50〜60℃といった高温になるまで熱交換が行われる。冷却水配管23やスキッドパイプ8aは、通常、鋼及び銅等の金属によって形成される。冷却水が上述のように高温となる条件下では、冷却水配管23やスキッドパイプ8aの内面が腐食しやすい。
ここまでは、図2に示す従来設備と同様である。上記の通り、冷却水の水温が高温になると鋼配管の腐食の問題が生じる。このため、間接冷却および間接冷却後における鋼配管の腐食を防止するために、冷却条件を変化させる腐食防止部が必要になる。本発明は、高熱負荷装置または第1冷却器と高熱負荷装置の間に腐食防止部を有する。鋼の腐食は、冷却水の水温のみならず、冷却水の流速、冷却水の塩素イオン濃度、冷却水のランゲリア指数等の影響を受ける。腐食防止部とは、鋼の腐食に影響を与える条件を、腐食が起きにくい条件に変化させる部である。例えば、冷却水の水温に関しては低温の方が鋼の腐食を抑えられるため、冷却水を冷却する冷却器が腐食防止部になる。より具体的に一例を示すと下記の通りである。
高熱負荷装置12aにおいて、冷却水は比較的径の小さい冷却水配管23やスキッドパイプ8a内を通り、流速0〜0.5m/s、圧力0〜0.3kg/cm程度で通水されている。本発明者らの検討によると、このような高熱負荷装置12aにおける鋼配管の腐食を防止するには、高熱負荷装置12aへ供給される冷却水の温度を低下させること、及び/又は冷却水の流速を上げることが有効であることが見出された。
例えば、非特許文献1では、塩素イオン濃度が25ppm存在する淡水中における鉄鋼の腐食は、流速0.5m/sでピークとなることが見出されている(非特許文献1のFig.6(a)等)。また、0〜0.5m/sという流速条件下では、鉄鋼材料の腐食反応は酸素の量に律速されており、流速の増加とともに侵食度も増加することが開示されている(非特許文献1における「3.1 塩素イオン濃度25ppmの場合」の欄)。つまり、流速が約0.5m/sとなっている高熱負荷装置12aでは、鉄鋼の腐食速度は著しく大きく、水中の溶存酸素の攪拌速度が律速要因となって鉄鋼の腐食速度が決定されている。この条件下では、鉄の腐食速度は酸素の拡散速度よりも著しく大きいので、腐食面に供給された酸素は直ちに消費される。結果として、鉄鋼の腐食速度は、鋼表面に到達する酸素の量、すなわち酸素の拡散速度に依存する。
また、高温の水は低温の水に比べて、酸素拡散速度が大きいという性質がある。これにより、流速が約0.5m/sである高熱負荷装置12aの配管中では、水温が上昇すればするほど酸素の拡散速度が上がり、ひいては腐食が促進されることになる。
図2に示される従来例と異なり、本発明では図1に示すように、第1冷却器2及び高架水槽4の後段であって高熱負荷装置12aの前段に、少なくとも高熱負荷装置12aへ供給される冷却水を選択的に冷却する第2冷却器9、及び/又は少なくとも高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧し、冷却水の流速を上昇させる加圧器10を備える。尚、図1ではこれら2機とも図示しているが、いずれか1機のみを設けるのであってもよい。また、好ましい冷却条件と加圧条件は以下の通りである。
具体的には、第2冷却器9を用いて、高熱負荷装置12aの前段における冷却水の温度を、20℃〜30℃程度にすることが好ましい。図1では、高架水槽4からの冷却水の系統が、高熱負荷装置12a側の系統と、それ以外の系統(図1におけるミル冷却設備5及びデスケーリング設備6を含む系統)とに分岐した後の位置(分岐部の後段)に、第2冷却器9を設けることで、高熱負荷装置12aに供給する冷却水の温度を、それ以外の系統と異なり選択的に小さくすることができる。これにより、高熱負荷装置12aにおける冷却水配管23やスキッドパイプ8aの内面における溶存酸素の供給を抑制して、腐食速度をより低減させることができる。尚、第2冷却器9としては、開放式冷却塔及び閉鎖式冷却塔等を用いることができる。なお、上記の分岐は必須ではない。
具体的には、加圧器10を用いて、高熱負荷装置12aの前段における冷却水の流速を、3m/s〜10m/sとし、併せて冷却水の塩素イオン濃度を30ppm以下にすることが好ましい。また、図1のように分岐部の後段に加圧器10を設けることで、高熱負荷装置12aに供給される冷却水のみを選択的に高流速化させることができる。冷却水を高流速化する、つまり高熱負荷装置12aにおける流速を0.5m/s超とすることによって、多量の溶存酸素を供給することができ、冷却水配管23及びスキッドパイプ8aの内面に緻密な酸化皮膜を形成させることができる。これにより、自己防食がなされ、冷却水配管23やスキッドパイプ8a等における腐食速度を低減させることができる。なお、上記の分岐は必須ではない。
以上の通り、腐食防止部の一例として、第1冷却器の後段であって且つ高熱負荷装置の前段に配置された、高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する第2冷却器や、第1冷却器の後段であって且つ高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器が挙げられる。
このように冷却水を調整することが有効であることから、図9に示す通り、第2冷却器9を有する循環水式冷却設備では、鋼配管内の冷却水の水温を測定する水温測定部14と、高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する上記第2冷却器9と、水温測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の水温が所望の水温になるように第2冷却器の冷却条件を調整する冷却条件調整部15と、を有することが好ましい。本実施形態において、水温測定部14は、温度計等の温度測定手段から構成され、被冷却装置群12を構成するミル冷却設備5、デスケーリング設備6、炉体7およびスキッド8の直下に設けられる。本実施形態において、冷却条件調整部15は、水温測定部14の近傍に配置されるバルブである。バルブの開閉により、ミル冷却設備5、デスケーリング設備6、炉体7およびスキッド8に入る冷却水の流量を調整できる。温度が低い設備に入る冷却水の流量を少なくし、温度が高い設備に入る冷却水の流量を多くすることで、温度調整ができるため、各部から排出される冷却水の温度が20〜30℃になるように温度管理を行うことができる。
また、上記の通り、冷却水の流速を調整することが有効であることから、加圧器10を有する循環水式冷却設備では、図10に示す通り、鋼配管内の冷却水流速を測定する流速測定部16と、高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する上記加圧器10と、流速測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水流速が所望の冷却水流速になるように冷却水の流量を調整する流量調整部17と、を有することが好ましい。本実施形態において、流速測定部16は、流量計から構成され、被冷却装置群12を構成するミル冷却設備5、デスケーリング設備6、炉体7およびスキッド8の直下に設けられる。流量調整部17は、流速測定部16の近傍に配置されるバルブである。このバルブの開閉により、ミル冷却設備5、デスケーリング設備6、炉体7およびスキッド8に入る冷却水の流量を調整できる。例えば、炉体7を通る冷却水の流速が遅く、スキッド8を通る冷却水の流速が速い場合には、スキッド8の直下のバルブを閉側に変化させ、炉体7の直下のバルブを開側に変化させることで、流量調整により、流速調整ができるため、各部から排出される冷却水の流速を3m/s〜10m/sの範囲に管理することができる。また、流速の管理は、満水法によっても行うことができる。満水法とはバケツ等の定量容器に満水になるまでの排水時間を測定し流量を計測、配管径から流速を算出する方法である。
次に、高熱負荷装置12aの一例であるスキッド8における冷却水のフローについて説明する。なお、スキッド8の冷却水が通る部分が鋼配管に相当する。
図5には従来例として、A列〜F列までの6本のスキッドにおける冷却水のフロー図を示す。尚、これら複数のスキッドは、それぞれ鋼板の幅方向に配列されている。従来の設備では、高架水槽から供給された冷却水は、C列とD列のスキッドの間で分岐する。C列のスキッドパイプの内側を通水された冷却水は、次いでB列及びA列のスキッドパイプの内側を順に通水された後に、水処理設備1へ戻る。一方で、D列のスキッドパイプの内側を通水された冷却水は、次いでE列及びF列のスキッドパイプの内側を順に通水された後に、水処理設備1へ戻る。
このように、C列、B列、及びA列(又はD列、E列、F列)のスキッドパイプではそれぞれ直列に冷却水が通水されていく。これにより、冷却水が高架水槽4から水処理設備1へ戻るまでの通水距離、及びスキッドパイプの内側で熱交換を行う部分の長さが長くなるという問題がある。特に、下流側に位置するA列(又はF列)のスキッドパイプの内側では、比較的高温の冷却水が通水されることになり、腐食がより起こりやすい状態となる。
本発明では、図6に示すように、各スキッドパイプに並列に冷却水を供給することが好ましい。具体的には、高架水槽4から、スキッドパイプ毎に配管を分岐させて冷却水を供給する。A列〜F列のスキッドパイプにそれぞれ供給された冷却水は、それぞれのスキッドパイプの冷却に用いられた後に他のスキッドパイプの冷却用に再利用されることなく、水処理設備1へと戻される。このように冷却水を並列に供給することによって、冷却水が高架水槽4から水処理設備1へ戻るまでの通水距離、及びスキッドパイプの内側で熱交換を行う部分の長さを短くすることができる。よって、スキッドパイプの内側において冷却水温が高温化することを抑制し、溶存酸素の供給を抑制することでスキッドパイプの腐食速度を低減させることができる。
以上の通り、腐食防止部の一例として、高熱負荷装置に含まれる加熱炉における、並列に冷却水が供給される複数のスキッドを挙げることができる。
尚、上記においてはスキッドの冷却設備における冷却水の冷却系統を並列化、細分化させることについて説明してきたが、同様の思想を炉体の冷却設備についても応用することができる。すなわち、加熱炉の周囲に配された冷却水配管を並列に分岐させることで細分化し、それぞれの冷却系統の通水距離及び熱交換する部分の長さを短くすることによって、冷却水配管における腐食を抑制することができる。
また、冷却水の塩素イオン濃度が高いと、鋼が腐食するため、図11に示すように、冷却水の塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置18も腐食防止部として挙げられる。塩素イオン濃度は、30ppm以下にすることが好ましい。塩素イオン濃度を30ppm以下に管理するために、例えば、定期的に採水を行い、塩素イオン濃度を測定する方法がある。
また、冷却水の流速を3m/s〜10m/sにする流速管理を行う場合には、冷却水の塩素イオン濃度を低くすることが重要であるため、鋼配管内の冷却水流速を測定する流速測定部16と、高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する上記加圧器10と、流速測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水流速が所望の冷却水流速になるように流量を調整する流量調整部17と、を有する設備の場合には、この設備が、さらに、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる上記脱塩素装置18を有することが特に好ましい。
また、ランゲリア指数が低すぎると、Caが析出せず、鋼が腐食しやすくなる。また、ランゲリア指数が高すぎるとCaが析出し過ぎるため配管つまりの問題が生じる。このため、ランゲリア指数が特定の範囲に管理することが好ましい。ランゲリア指数を高くするための手段としては、アルカリ塩の添加、例えば、ソーダ塩(ソーダ灰、苛性ソーダ)の添加、カルシウム塩(消石灰)添加がある。また、ランゲリア指数を低くするための手段としては、酸添加、例えば、炭酸ガス、塩酸、硫酸等の添加がある。これらの手段を備えた設備とすることで、ランゲリア指数を所望の範囲に管理することができる。また、ランゲリア指数の好ましい範囲は、図12に示す通り、−0.3〜+0.3である。なお、ランゲリア指数とは、水中の溶存炭酸カルシウムの析出傾向であり、次式の平衡でどちらに傾くかで判断する。なお、図12は模式図である。
CaCO+H(スケール性)⇔Ca2++HCO3−(腐食性)
ランゲリア飽和指数(LSI) LSI=pH−pHs
ここでpH:実際の水のpH
pHs:採試水と固体の炭酸カルシウムが共存する平衡pH値
すなわち、実測値の水のpHから理論値の水のpHを差し引いて、その正負によりスケール生成か腐食性の傾向にあるかを推定するものであり、LSI>0のときスケール傾向となりLSI<0のとき腐食傾向といえる。
以下、本発明の効果について具体的に説明する。
本発明の循環水式冷却設備は、冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備であり、被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれる。このため、本発明は、上記の通り、間接冷却および間接冷却後における鋼配管の腐食の問題が生じる構成を有するが、冷却水の条件を鋼が腐食しにくい条件に変化させる腐食防止部を有するため、この問題を解消できる。
また、腐食防止部は、高熱負荷装置または第1冷却器と高熱負荷装置の間に設けられる。このため、腐食の起こりやすい箇所に限定して条件を変更すればよいため、対策コストを低減できる。
図13には、高熱負荷装置に供給される冷却水の温度、流速、塩素イオン濃度と、腐食速度との関係を示す模式図である(40℃の場合、30℃の場合については流速が速い領域でのグラフを省略したが、50℃と同様の傾向である)。流速および塩素イオン濃度が同じであれば、流速および塩素イオン濃度の具体的な値によらず、冷却水の温度と腐食との間に一定の傾向がある。また、水温と塩素イオン濃度が同じであれば、水温と塩素イオン濃度の具体的な値によらず、流速と腐食との間に一定の傾向がある。また、水温と流速が同じであれば、これらの具体的な値によらず、塩素イオン濃度と腐食との間に一定の傾向があることが分かる。このことから、高熱負荷装置に供給される冷却水の温度、流速、塩素イオン濃度いずれかの調整により、腐食を抑える効果は得られる。
高熱負荷装置に供給される冷却水の温度、流速、塩素イオン濃度いずれかの調整により、腐食を抑える効果が得られることから、冷却水の温度上昇による腐食は、冷却水の温度を抑えることで抑制できるといえる。したがって、第1冷却器の後段であって且つ高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する第2冷却器を腐食防止部としたり、高熱負荷装置の少なくとも一部である加熱炉における並列に冷却水が供給される複数のスキッドを腐食防止部としたりすることで、間接冷却やその間接冷却後の冷却水の温度を低くできるため、冷却水の高温化による腐食を抑えられる。
特に、上記第2冷却器と、並列に冷却水が供給される上記複数スキッドとの両方を備えれば、第2冷却器により、高温付加装置に供給される冷却水の温度を下げられ、さらに、上記スキッドにより冷却水を並列に供給することで高温付加装置において冷却水の温度が上がりにくくなる。このため、上記第2冷却器と、並列に冷却水が供給される上記複数スキッドとの両方を備えれば、鋼配管腐食抑制効果をさらに高めることができる。
また、許容できる腐食の程度によって、必要な冷却水の温度は異なるが、図14から、高熱負荷装置に供給される冷却水の水温が20〜30℃であることが鋼の腐食を抑える観点から好ましいことが分かる。鋼配管内の冷却水の水温を測定する水温測定部と、高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する上記第2冷却器と、水温測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の水温が所望の水温になるように第2冷却器の冷却条件を調整する冷却条件調整部と、を有する構成であれば、冷却水の水温が特定の範囲(例えば上記20〜30℃)になるように容易に管理することができる。
また、図13から、不動態化領域に入るまで流速を速くすれば、腐食の程度を抑えられる。即ち、冷却水の温度上昇による腐食は、高熱負荷装置に供給される冷却水の流速によって調整できることが分かる。したがって、第1冷却器の後段であって且つ高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器により、冷却水の温度上昇による腐食を抑えることができる。また、加圧器があれば、酸素拡散律速領域で、流速を低くして腐食を抑えるか、不動態化領域に入るまで流速を速くして、腐食を抑えるかの選択をすることができる。このため、例えば、塩素イオン濃度は高い場合には、酸素拡散律速領域で、流速を低くして腐食を抑え、塩素イオン濃度が低い場合には、不動態化領域に入るまで流速を速くして、腐食を抑えるという選択を行える。
また、図13に示す通り、冷却水の塩素イオン濃度を30ppm以下に抑えれば、冷却水の流速を高めることが有効である。したがって、第1冷却器の後段であって且つ高熱負荷装置の前段に配置された、少なくとも高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器を備えるとともに、さらに、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置を備えることで、より効果的に鋼配管の腐食を抑えることができる。
上記の加圧器を用いる対策と、第2冷却器を設ける対策とを併用することができる。また、上記の加圧器を用いる対策と、並列に冷却水を供給する上記スキッドの対策とも併用できる。これらを併用することでより高い腐食防止効果が得られる。なお、上記の加圧器を用いる対策と、第2冷却器を設ける対策と、並列に冷却水を供給する上記スキッドの対策の全てを施せばさらに高い効果が得られる。
上記のランゲリア指数が低すぎると、Caが析出せず、鋼が腐食しやすくなる。また、ランゲリア指数が高すぎるとCaが析出し過ぎるため配管つまりの問題が生じる。図12に示す通り、ランゲリア指数を特定の範囲に調整すれば、適度にCaが析出して、鋼の腐食が抑えられるとともに、配管詰まりの問題も生じない。
また、ランゲリア指数を用いる対策を、上記の加圧器を用いる対策、第2冷却器を設ける対策及び並列に冷却水を供給する上記スキッドの対策の少なくとも1つと併用すれば、さらに、腐食防止効果を高められる。
以下の実施例により、冷却水の水温が腐食速度に及ぼす影響を評価した。
(実施例1)
製鉄所内の異なる環水(冷却塔内の冷却水)系統A〜Dから採取した試料水中にSS400を加工した試験片を2日間浸漬し、試験前後の質量差から腐食速度(MDD)を求めた。試料水は、恒温水槽により水温の固定管理が可能であり、スターラーを用いて攪拌により流速を付与することが可能となっている。試験では、流速を全て0.6m/sに固定し、水温を変化させた。
結果を図7に示す。図7のように、水温が50℃の場合よりも30℃の場合の方の腐食速度が小さく、高熱負荷装置の前段に第2冷却器を設けることの有用性が示された。
(実施例2)
製鉄所内の異なるスキッド冷却系統A〜Dで使用される冷却水を用いて、実施例1と同様の実験を行った。冷却水に浸漬させる試験片としては、それぞれの冷却系統におけるスキッドと同様の組成の金属片を用いた。
結果を図8に示す。図8の結果では、総じて水温が高い条件よりも低い条件の方が、腐食速度が小さく、高熱負荷装置の前段に第2冷却器を設けることの有用性が示された。
(実施例3)
実施例1の第2冷却器を加圧器に変更した以外は、実施例1と同様に実験を行った。実施例1と同様の評価したところ、加圧器を設けることの有用性が示された。
(実施例4)
図9に示すように、水温測定部と、冷却条件調整部とを設けた以外は実施例1と同様の設備を用いて、高熱負荷装置に供給される水温が20〜30℃になるように管理した。その結果、優れた腐食防止効果が安定して得られた。
(実施例5)
実施例3の設備に、図10に示すように、流速測定部と、流速測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水流速が所望の冷却水流速になるように流量を調整する流量調整部と、をさらに設け、図11に示す冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置をさらに設けた設備とし、高熱負荷装置に供給される冷却水の冷却水流速を3m/s〜10m/sの範囲になるように管理し、高熱負荷装置に供給される冷却水の塩素イオン濃度を30ppm以下の領域で管理した。その結果、優れた腐食防止効果が安定して得られた。
(実施例6)
カルシウム塩添加という方法で、高熱負荷装置に供給される冷却水のランゲリア指数を種々変更して実験を行った。その結果、ランゲリア指数が−0.3〜+0.3の範囲にあれば、腐食防止効果と配管詰まり防止効果の両立ができることが確認された。
1 水処理設備
2 第1冷却器
3 送水ポンプ
4 高架水槽
5 ミル冷却設備
6 デスケーリング設備
7 炉体
8 スキッド
8a スキッドパイプ
8b スキッドレール
8c 耐火断熱材
9 第2冷却器
10 加圧器
11 循環水式冷却設備
12 被冷却装置群
12a 高熱負荷装置
13 循環水処理場
14 水温測定部
15 冷却条件調整部
16 流速測定部
17 流量調整部
18 脱塩素装置
21 炉壁
22 水冷ジャケット
23 冷却水配管

Claims (11)

  1. 冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備において、
    前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、
    前記高熱負荷装置に、及び/又は前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段に、前記間接冷却および前記間接冷却後における前記鋼配管の腐食を防止するために冷却条件を変化させる腐食防止部を備え、
    前記腐食防止部は、前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段で、高熱負荷装置側の系統とそれ以外の系統とが分岐した後の位置に配置された、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する第2冷却器、及び/又は少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器を含む循環水式冷却設備。
  2. 前記腐食防止部は、さらに前記高熱負荷装置の少なくとも一部である加熱炉における、並列に冷却水が供給される複数のスキッドを含む請求項1に記載の循環水式冷却設備。
  3. 前記腐食防止部は、さらに、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置を含む請求項1又は2に記載の循環水式冷却設備。
  4. 前記腐食防止部は、前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する加圧器を含み、鋼配管内の冷却水流速を測定する流速測定部と前記流速測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水流速が所望の冷却水流速になるように冷却水流量を調整する流量調整部と、冷却水に含まれる塩素イオン濃度を低下させる脱塩素装置と、をさらに有する請求項1又は2に記載の循環水式冷却設備。
  5. 前記腐食防止部は、前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する第2冷却器を含み、鋼配管内の冷却水温度を測定する水温測定部と、前記水温測定部の測定結果に基づいて鋼配管内の冷却水温度が所望の冷却水温度になるように冷却水流量を調整する冷却条件調整部と、をさらに有する請求項1又は2に記載の循環水式冷却設備。
  6. 冷却水によって冷却を受ける被冷却装置群と、前記被冷却装置群から戻された冷却水を冷却した後に前記被冷却装置群へと供給する第1冷却器と、を備えた循環水式冷却設備の腐食抑制方法であって、
    前記被冷却装置群の少なくとも一部には、鋼配管を通る冷却水と被冷却装置との間で熱交換器を介した間接冷却が行われ、熱交換後の冷却水の水温が高温となる高熱負荷装置が含まれ、
    前記第1冷却器の後段であって且つ前記高熱負荷装置の前段で、高熱負荷装置側の系統とそれ以外の系統とが分岐した後の位置において、少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を冷却する、及び/又は少なくとも前記高熱負荷装置へ供給される冷却水を加圧する循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
  7. 記高熱負荷装置の少なくとも一部は、加熱炉における複数のスキッドであり、
    前記複数のスキッドへそれぞれ並列に冷却水を供給する請求項6に記載の循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
  8. 記冷却水の塩素イオン濃度が30ppm以下になるように管理する請求項6又は7に記載の循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
  9. 記冷却水のランゲリア指数を−0.3〜+0.3の領域で管理する請求項6又は7に記載の循環水式冷却設備の腐食抑制方法。
  10. 冷却水の前記冷却は、高熱負荷装置に供給される冷却水の水温を20〜30℃の領域で管理する冷却である請求項6又は7に記載の腐食抑制方法。
  11. 前記高熱負荷装置へ供給される冷却水は加圧され、
    冷却水の前記加圧は、高熱負荷装置に供給される冷却水の冷却水流速を3m/s〜10m/sの範囲に管理する加圧であり、
    さらに、高熱負荷装置に供給される冷却水の塩素イオン濃度を30ppm以下の領域で管理する請求項6又は7に記載の腐食抑制方法。
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