JP6593365B2 - めっき用セル及びそのセルを備えるめっき装置 - Google Patents

めっき用セル及びそのセルを備えるめっき装置 Download PDF

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Description

本発明は、めっき用セル及びそのセルを備えるめっき装置に関する。
めっき装置として、めっき液が貯留されためっき用セル内に被めっき物を入れ、めっき用セルを回転させて外周部に設けられたリング状のカソード電極に被めっき物を接触させ、被めっき物に電気めっきを行う遠心めっき装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図9を参照して、従来の遠心めっき装置300の一例について説明する。
遠心めっき装置300は、めっき用セル310と、めっき用セル310を外側から囲う容器320と、めっき用セル310内に挿入されたアノード電極330と、垂直軸線Jを中心にめっき用セル310を回転させる回転装置340とを備える。めっき用セル310は、円板状の底板311、リング状の多孔体312、リング状のカソード電極313、及び略円錐台状の蓋体314を有し、めっき液を貯留する収容部315を構成している。底板311は、回転装置340の回転軸341に接続されている。多孔体312は、底板311の外周部に設けられ、収容部315内のめっき液を容器320に排出する。カソード電極313は、多孔体312の上に設けられる。垂直軸線Jに沿う平面で切ったカソード電極313の断面形状は矩形状である。より詳細には、カソード電極313の内周面313aは、垂直軸線Jに平行な面である。
特許第3328216号公報
ところで、遠心めっき装置300では、めっき用セル310の回転によって被めっき物の集合体である被めっき物群350が径方向外側に移動し、多孔体312及びカソード電極313の内側に堆積する。この場合、図9に示すとおり、カソード電極313の内周面313aの下端部(底板311側の端部)における被めっき物群350の堆積厚さは、カソード電極313の内周面313aの上端部(蓋体314側の端部)における被めっき物群350の堆積厚さよりも厚くなる。このため、カソード電極313の下端部に対向する被めっき物群350の径方向内側の領域Rの被めっき物は、めっきされにくい。その結果、被めっき物のめっき厚さにばらつきが生じるおそれがある。なお、被めっき物群350の堆積厚さは、垂直軸線Jに沿う平面で切っためっき用セル310の断面視において、カソード電極313の内周面313aに対して径方向内側に被めっき物が堆積した厚さtrである。
本発明の目的は、被めっき物のめっき厚さのばらつきを抑制するめっき用セル及びそのセルを備えるめっき装置を提供することにある。
上記課題を解決するめっき用セルは、めっき液を貯留可能かつ被めっき物群を収容可能であり、回転装置によって垂直軸線を中心に回転されるめっき用セルであって、底板と、電気的絶縁性を有し、前記底板の上面から上方に向かうにつれて前記垂直軸線と直交する径方向の外方に傾斜する第1傾斜面を有する駆け上がり部材と、前記垂直軸線に沿う方向において前記駆け上がり部材と隣り合うように配置され、上方に向かうにつれて前記径方向の外方に傾斜する第2傾斜面を有するカソード電極とを有する。
この構成によれば、めっき用セルが回転した状態において、駆け上がり部材を駆け上がる被めっき物群は、第1傾斜面によって被めっき物群の堆積厚さのばらつきが抑えられつつ、カソード電極に移動する。そしてカソード電極に移動した被めっき物群は、第2傾斜面によって被めっき物群の堆積厚さがさらに抑えられる。このように被めっき物群の堆積厚さのばらつきが抑制された状態で被めっき物にめっきされるため、被めっき物のめっき厚さのばらつきを抑制できる。ここで、被めっき物群は、被めっき物の集合体である。また、被めっき物群の堆積厚さは、垂直軸線に沿う平面で切っためっき用セルの断面視において、カソード電極の第2傾斜面に対して垂直方向に被めっき物が堆積した厚さである。
上記めっき用セルにおいて、前記第2傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度は、70°以上かつ85°以下であることが好ましい。
この構成によれば、第2傾斜面に堆積する被めっき物群の堆積厚さのばらつきを一層抑制できる。
上記めっき用セルにおいて、前記第1傾斜面に対する前記第2傾斜面の角度は、140°以上かつ155°以下であることが好ましい。
この構成によれば、被めっき物群が第1傾斜面から第2傾斜面に円滑に移動できる。
上記めっき用セルにおいて、前記第2傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度は、前記第1傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度よりも大きいことが好ましい。
この構成によれば、第2傾斜面と垂直軸線と直交する平面との成す角度が第1傾斜面と上記平面との成す角度よりも大きいことにより、めっき用セルが回転したときに第2傾斜面上に堆積した被めっき物群がめっき用セルの回転停止によって第2傾斜面から自重によって下方に移動するときに径方向の内方に移動しやすくなる。これにより、第1傾斜面よりも上方に位置する第2傾斜面に堆積した被めっき物群がめっき用セルの回転停止によって下方に移動するときに被めっき物群におけるめっきされた被めっき物とめっきされていない被めっき物とが攪拌されやすくなる。したがって、被めっき物群の各被めっき物に対してカソード電極によってめっきされる機会のばらつきを抑制できる。
また、第2傾斜面よりも下方に位置する第1傾斜面と垂直軸線と直交する平面との成す角度が第2傾斜面と上記平面との成す角度よりも小さいことにより、めっき用セルが回転するときに被めっき物群が第1傾斜面上を駆け上がりやすくなる。したがって、被めっき物群がカソード電極に堆積しやすくなる。
上記めっき用セルにおいて、前記第1傾斜面の上端縁の内径と、前記第2傾斜面の下端縁の内径とが互いに等しいことが好ましい。
この構成によれば、第1傾斜面と第2傾斜面との間において径方向の内方に突出する段差が形成されることを抑制できるため、第1傾斜面に接触している被めっき物が第2傾斜面に円滑に移動できる。
上記めっき用セルにおいて、前記第1傾斜面の上端縁と前記第2傾斜面の下端縁との間には、前記第1傾斜面の上端縁の前記径方向の位置と前記第2傾斜面の下端縁の前記径方向の位置のずれに起因する段差が形成され、前記段差の大きさは、前記被めっき物群を構成する被めっき物の最小寸法の1/2以下であることが好ましい。
この構成によれば、第1傾斜面と第2傾斜面との間において径方向の内方に突出する段差が小さいため、第1傾斜面に接触している被めっき物が段差を乗り越えて第2傾斜面に移動できる。したがって、被めっき物が第1傾斜面から第2傾斜面に円滑に移動できる。
上記めっき用セルにおいて、前記垂直軸線に沿う方向において前記カソード電極と隣り合うように配置される蓋体を有し、前記蓋体は、上方に向かうにつれて前記径方向の内方に傾斜する第3傾斜面を有することが好ましい。
この構成によれば、めっき用セルが回転した状態において、蓋体の第3傾斜面によって被めっき物群が第2傾斜面の上縁よりも上方に移動することを制限できる。また、めっき用セルが回転停止したとき、第2傾斜面の上縁に位置する被めっき物群が第3傾斜面によって、径方向の内方に移動しやすい。したがって、被めっき物群においてめっきされた被めっき物とめっきされていない被めっき物とが攪拌されやすくなる。
上記めっき用セルにおいて、前記第2傾斜面に対する前記第3傾斜面の角度は、130°以上かつ145°以下であることが好ましい。
この構成によれば、めっき用セルが回転した状態において、蓋体の第3傾斜面によって被めっき物群が第2傾斜面の上縁よりも上方に移動することを制限しやすくなる。
上記めっき用セルにおいて、前記第1傾斜面に対する前記第2傾斜面の角度と、前記第2傾斜面に対する前記第3傾斜面の角度とが互いに等しいことが好ましい。
この構成によれば、第2傾斜面の下縁における被めっき物群の堆積厚さと第2傾斜面の上縁における被めっき物群の堆積厚さとのばらつきを抑制できる。したがって、第2傾斜面に堆積した被めっき物群の堆積厚さのばらつきを一層抑制でき、被めっき物のめっき厚さのばらつきを一層抑制できる。
上記めっき用セルにおいて、前記第2傾斜面の上端縁の内径と、前記第3傾斜面の下端縁の内径とが互いに等しいことが好ましい。
この構成によれば、第2傾斜面と第3傾斜面との間に被めっき物が嵌まり込むことが抑制される。したがって、ロット間における被めっき物の混入を抑制できる。
上記めっき用セルにおいて、当該めっき用セルは、上方が開口し、前記めっき液は、前記めっき用セルの開口を通じて排出されることが好ましい。
従来のめっき装置300の多孔体312によるめっき液の排出では、被めっき物が微小なサイズの場合、多孔体312の孔に被めっき物が嵌まり込んでしまい、めっき液が排出されにくくなる場合がある。
その点、本めっき用セルによれば、めっき用セルの開口を通じてめっき液が排出されるため、すなわち従来のめっき装置300の多孔体312を設ける必要がないため、めっき用セルからめっき液を円滑に排出できる。
上記課題を解決するめっき装置は、上記めっき用セルと、前記めっき用セルの開口から挿入されるアノード電極と、前記めっき用セルを回転させる前記回転装置とを有する。
この構成によれば、上記めっき用セルの効果と同様の効果が得られる。
本発明のめっき用セル及びめっき装置によれば、被めっき物のめっき厚さのばらつきを抑制できる。
めっき装置の一実施形態について、同めっき装置を垂直軸線に沿う平面で切った断面図。 被めっき物の斜視図。 図1のカソード電極及びその周辺の拡大図。 めっき用セルの回転開始時の図1のカソード電極及びその周辺の拡大図。 めっき用セルが所定の回転速度で回転しているときの図1のカソード電極及びその周辺の拡大図。 めっき用セルの回転停止時の図1のカソード電極及びその周辺の拡大図。 第1比較例のめっき装置の一部分の断面図。 第2比較例のめっき装置の一部分の断面図。 従来例のめっき装置の一部分の断面図。
以下、めっき装置の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、添付図面は、理解を容易にするために構成要素を拡大して示している場合がある。また、構成要素の寸法比率は、実際のものと、又は別の図面中のものと異なる場合がある。
図1に示すように、めっき装置1は、めっき用セル10、アノード電極20、回転装置30、供給配管40、容器50、及び制御装置60を備える。めっき用セル10は、めっき液を貯留可能である収容部として機能する。めっき用セル10には、被めっき物100(図2参照)の集合体(以下、「被めっき物群100A」)が投入されている。めっき用セル10は、上方が開口する開口部11を有する。アノード電極20は、めっき用セル10の開口部11からめっき用セル10内に挿入されている。供給配管40は、めっき用セル10の開口部11に挿入されている。めっき液は、めっき液が貯留されためっき貯槽(図示略)から供給配管40を通じてめっき用セル10内に供給される。容器50は、めっき用セル10を収容している。容器50は、めっき用セル10から排出されるめっき液を回収すると共に、排出配管51を通じてめっき液をめっき貯槽に排出する。
回転装置30は、めっき用セル10を垂直軸線Jまわりで回転させる。回転装置30は、めっき用セル10を支持する回転板31と、垂直軸線Jに沿って延び、回転板31と一体に回転する回転軸32と、回転軸32を回転させる駆動装置33とを備える。駆動装置33は、例えば電動モータと、電動モータの出力軸に連結され、電動モータの回転速度を減速させる減速機とを有する。減速機の出力部が回転軸32に連結されている。
制御装置60は、供給配管40を通じてめっき用セル10へのめっき液の供給、回転装置30によるめっき用セル10の回転及び停止、アノード電極20及びめっき用セル10のカソード電極14への通電等のめっき装置1の動作を制御する。
被めっき物100は、積層セラミックコンデンサ、サーミスタ、インダクタ、バリスタなどの電子部品である。被めっき物100の一例は、図2に示すように、例えば略直方体又は略立方体の基部101の両端に外部電極102が形成された積層セラミックコンデンサである。被めっき物100の長さLは0.1mmよりも大きく、かつ5mmよりも小さい(0.1mm<L<5mm)。被めっき物100の幅Wは0.05mmよりも大きく、かつ4mmよりも小さい(0.05mm<W<4mm)。被めっき物100の厚さtは、0.01mmよりも大きく、かつ4mmよりも小さい(0.05mm<t<4mm)。被めっき物100の一例は、その長さLが0.4mmであり、幅Wが0.2mmであり、厚さtが0.13mmである。
次に、図1及び図3を参照して、めっき用セル10の詳細な構成について説明する。なお、以降の説明において、垂直軸線Jと直交する方向を径方向と称する。
図1に示すように、めっき用セル10は、底板12、駆け上がり部材13、カソード電極14、及び蓋体15を備える。底板12、駆け上がり部材13、カソード電極14、及び蓋体15により囲まれた空間により、めっき液が貯留可能でありかつ被めっき物群100Aを収容可能な収容部が形成されている。蓋体15の上方が開口することによりめっき用セル10の開口部11が形成されている。底板12、駆け上がり部材13、カソード電極14、及び蓋体15は、垂直軸線Jと同心となるように配置されている。
底板12は、回転装置30の回転板31に取り付けられている。底板12は、樹脂材料などの電気的絶縁性の材料により、円板状に形成されている。底板12は、例えばボルトにより回転装置30の回転板31に固定されている。
駆け上がり部材13は、樹脂材料などの電気的絶縁性の材料により、円環状に形成されている。駆け上がり部材13は、底板12の上面12aにおける外周部に配置されている。駆け上がり部材13は、径方向内側に第1傾斜面13aを有する。第1傾斜面13aは、上方に向かうにつれて径方向の外方に傾斜している。すなわち第1傾斜面13aは、上方に向かうにつれて内径が大きくなる。駆け上がり部材13は、めっき用セル10の回転に伴い被めっき物群100Aを上方に移動させる。
カソード電極14は、垂直軸線Jに沿う方向において駆け上がり部材13と隣り合うように配置されている。より詳細には、カソード電極14は、駆け上がり部材13の上面13bに配置されている。カソード電極14は、円環状に形成されている。カソード電極14は、径方向内側に第2傾斜面14aを有する。カソード電極14は、アノード電極20と共に通電されることにより、被めっき物100の外部電極102(共に図2参照)をめっきする。なお、カソード電極14は、電気的絶縁性のリング状の接触部材における周方向の一部に1つ設けられてもよいし、周方向に間隔を空けて複数設けられてもよい。
蓋体15は、垂直軸線Jに沿う方向においてカソード電極14と隣り合うように配置されている。より詳細には、蓋体15は、カソード電極14の上面14bに配置されている。蓋体15は、樹脂材料などの電気的絶縁性の材料により形成されている。蓋体15は、上方に向けて縮径する円錐台状を有する。このため、蓋体15は、径方向内側に第3傾斜面15aを有する。第3傾斜面15aは、上方に向かうにつれて径方向の内方に傾斜している。すなわち第3傾斜面15aは、上方に向かうにつれて内径が小さくなる。これにより、蓋体15は、めっき液のせり上がりを抑制する。
図3に示すように、カソード電極14の第2傾斜面14aは、上方に向かうにつれて径方向の外方に傾斜している。第2傾斜面14aと水平面(垂直軸線Jと直交する平面であり、カソード電極14の下面)との成す角度θcは、45°以下かつ90°未満であることが好ましい。角度θcは、70°以上かつ85°以下であることがより好ましい。本実施形態の角度θcは、75°である。角度θcは、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aと水平面との成す角度θrよりも大きい。角度θrは、45°以下であることが好ましい。
駆け上がり部材13の第1傾斜面13aに対するカソード電極14の第2傾斜面14aの角度θ1は、140°以上かつ155°以下であることが好ましい。カソード電極14の第2傾斜面14aに対する蓋体15の第3傾斜面15aの角度θ2は、130°以上かつ145°以下であることが好ましい。本実施形態の角度θ1及び角度θ2は、ともに140°である。言い換えれば、駆け上がり部材13の第1傾斜面13a、カソード電極14の第2傾斜面14a、及び蓋体15の第3傾斜面15aは、めっき用セル10を垂直軸線Jに沿う平面で切った断面視において、第2傾斜面14aの中央の垂線LNを中心とした線対称形状を有する。
駆け上がり部材13の第1傾斜面13aとカソード電極14の第2傾斜面14aとは滑らかに接続されることが好ましい。すなわち、第1傾斜面13aの上端縁と第2傾斜面14aの下端縁との間に段差が形成されていないことが好ましい。このため、第1傾斜面13aの上端縁の内径と、第2傾斜面14aの下端縁の内径とが互いに等しいことが好ましい。例えば、駆け上がり部材13とカソード電極14とを接合した後、機械加工により第1傾斜面13a及び第2傾斜面14aを同時に形成することにより、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aとカソード電極14の第2傾斜面14aとが滑らかに接続される構成を実現できる。
なお、上記段差は、第1傾斜面13aの上端縁の径方向の位置と、第2傾斜面14aの下端縁の径方向の位置とが互いにずれることにより形成されるものである。第1傾斜面13aの上端縁と第2傾斜面14aの下端縁との間に段差が形成されたとしても、その段差が被めっき物100(図2参照)の最小寸法の1/2以下であることが好ましい。本実施形態の被めっき物100の最小寸法が被めっき物100の厚さtの0.13mmであるため、段差の寸法は、65μm以下(好ましくは50μm以下)である。
カソード電極14の第2傾斜面14aと蓋体15の第3傾斜面15aとは滑らかに接続されることが好ましい。すなわち、第2傾斜面14aの上端縁と第3傾斜面15aの下端縁との間に段差が形成されていないことが好ましい。このため、第2傾斜面14aの上端縁の内径と第3傾斜面15aの下端縁の内径とが互いに等しいことが好ましい。なお、第2傾斜面14aの上端縁と第3傾斜面15aの下端縁との間の段差は、第2傾斜面14aの上端縁の径方向の位置と第3傾斜面15aの下端縁の径方向の位置とが互いにずれることにより形成されるものである。
次に、めっき装置1による被めっき物100へのめっき方法についてその作用と共に説明する。
図1に示すように、めっき液が貯留されためっき用セル10に多数の被めっき物100(図2参照)が投入される。めっき用セル10内の被めっき物群100Aは、その自重により底板12の中央部に堆積する。投入される被めっき物100の数は、例えば1000個〜200000個であり、任意に変更可能である。
次に、例えば作業者がめっき処理の開始ボタンを操作したことに基づいて、制御装置60は、回転装置30を制御すると共に、アノード電極20とカソード電極14との間に所定の電圧を印加する。制御装置60は、所定期間に亘ってめっき用セル10を所定の回転速度で回転させた後、めっき用セル10を停止する第1サイクルと、所定期間に亘ってめっき用セル10を所定の回転速度で逆回転させた後、めっき用セル10を停止する第2サイクルとを交互に繰り返し実行する。本実施形態の所定の回転速度は、第1サイクル及び第2サイクル共に300rpmである。なお、所定の回転速度は任意に変更可能である。また、第1サイクルの回転速度と第2サイクルの回転速度とを異なるようにしてもよい。また第1サイクル及び第2サイクルを交互に繰り返すことに代えて、複数回に亘り第1サイクルを実行した後、複数回に亘り第2サイクルを実行するようにしてもよい。また、第1サイクルの実行回数と第2サイクルの実行回数とを異なるようにしてもよい。
被めっき物群100Aは、めっき用セル10の回転開始に伴い、底板12に沿って径方向外側の駆け上がり部材13の第1傾斜面13aに向けて移動する。
そして図4に示すように、被めっき物群100Aは、めっき用セル10の回転速度の上昇に伴い、その遠心力により駆け上がり部材13の第1傾斜面13aを駆け上がる、つまり第1傾斜面13aに沿って斜め上方へと移動する。このとき、被めっき物群100Aは、遠心力によって第1傾斜面13aの全面に亘って分散されて層状に堆積する。ここで、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aの水平面と成す角度θrが45°以下であることにより、被めっき物100の遠心力のうち第1傾斜面13aに沿う分力が被めっき物100の自重よりも大きくなる。したがって、被めっき物群100Aが第1傾斜面13aを駆け上がりやすくなる。
そして図5に示すように、被めっき物群100Aは、めっき用セル10の回転速度がさらに上昇して所定の回転速度になった状態において、その遠心力により駆け上がり部材13の第1傾斜面13aからカソード電極14の第2傾斜面14aを駆け上がる、つまり第2傾斜面14aに沿って斜め上方へと移動する。このとき、被めっき物群100Aは、遠心力によって第2傾斜面14aの全面に亘って分散されて層状に堆積し、カソード電極14に向かって押し付けられる。また第2傾斜面14aの上端縁よりも上方に移動しようとする被めっき物群100Aの一部は、蓋体15の第3傾斜面15aによりその移動が規制される。ここで、カソード電極14の第2傾斜面14aが75°以上かつ85°以下であることにより、被めっき物100の遠心力のうち第2傾斜面14aに沿う分力が被めっき物100の自重よりも小さくなる。したがって、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aを駆け上がった被めっき物群100Aの勢いを第2傾斜面14aによって弱めている。これにより、第2傾斜面14aの上端縁に被めっき物群100Aが過度に堆積することを抑制できる。
このような被めっき物群100Aの動きにより、図5に示すとおり、カソード電極14の第2傾斜面14aの全面における被めっき物群100Aの堆積厚さtgが概ね等しくなる。なお、被めっき物群100Aの堆積厚さtgは、第2傾斜面14aと直交する方向(図3における垂線LNに沿う方向)において第2傾斜面14aに対して被めっき物100が堆積した厚さである。
上述のように、図1に示すアノード電極20とカソード電極14との間に所定の電圧が印加される。これにより、第2傾斜面14aに堆積する被めっき物100の外部電極102(共に図2参照)がめっきされる。カソード電極14に対する被めっき物群100Aの堆積厚さtgがカソード電極14の全面に亘ってほぼ等しいため、被めっき物100のめっき厚さのばらつきが小さくなる。
めっき用セル10の回転を停止すると、図6に示すように、カソード電極14の第2傾斜面14aの上部に堆積した被めっき物群100A(二点鎖線)は、その自重により下方に移動する。このとき、第2傾斜面14aと径方向との成す角度θcが大きいため、第2傾斜面14aの上部に堆積した被めっき物群100A(二点鎖線)は径方向内側に移動しつつ下方に移動する。このため、被めっき物群100Aにおいて、めっきされた被めっき物100(図2参照)とめっきされていない被めっき物100とが攪拌されやすい。その後、被めっき物群100A(実線)のように底板12及び駆け上がり部材13の下部に堆積する。
さらに、第2サイクルにおいて、第1サイクルの回転方向と逆方向にめっき用セル10を回転させることにより、めっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100とが攪拌されやすい。したがって、被めっき物群100Aに含まれる全ての被めっき物100をカソード電極14に接触させ、被めっき物100の外部電極102(図2参照)をめっきする。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)例えば、図7に示す第1比較例のめっき用セル200では、円板状の底板210の上面211の外周端部にカソード電極220が配置されている。カソード電極220の上面221には、リング状の多孔体230が配置され、多孔体230の上面231には、円錐台状の蓋体240が配置されている。カソード電極220は、径方向内側に傾斜面222を有する。傾斜面222は、径方向の外方に向かうにつれて上方に傾斜している。
めっき用セル200が回転したとき、その回転速度が速い場合、被めっき物群100A(一点鎖線)は、カソード電極220の傾斜面222を駆け上がったうえで、多孔体230及び蓋体240の下部まで移動する。このため、被めっき物群100Aは、カソード電極220の上部、多孔体230、及び蓋体240の下部に亘って堆積する。すなわち、被めっき物群100Aは、カソード電極220の下部に堆積しない場合がある。これにより、カソード電極220の下部自体がめっきされてしまい、被めっき物100の外部電極102(共に図2参照)がめっきされない状態となる場合がある。その結果、被めっき物100にめっきする効率が低下するおそれがある。
一方、めっき用セル200の回転速度が遅い場合、被めっき物群100A(二点鎖線)は、カソード電極220の傾斜面222の上部まで駆け上がる被めっき物100が少ない。その結果、傾斜面222の上部における被めっき物群100Aの堆積厚さと、傾斜面222の下部における被めっき物群100Aの堆積厚さとが異なる。このため、被めっき物100の外部電極102へのめっき厚さにばらつきが生じる場合がある。加えて、めっき用セル200では、その回転が停止したとき、被めっき物群100Aが傾斜面222に沿って移動するのみであり、被めっき物群100Aにおけるめっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100との攪拌が難しい。
また例えば、図8に示す第2比較例のめっき用セル250では、円板状の底板260の上面261の外周端部に第1傾斜部270が配置され、第1傾斜部270の上面271にリング状のカソード電極280が配置されている。またカソード電極280の上面281には、第2傾斜部290が配置されている。第1傾斜部270は、径方向内側に第1傾斜面272を有する。第1傾斜面272は、径方向の外方に向かうにつれて上方に傾斜している。カソード電極280の内周面282は、めっき用セル250の回転中心となる垂直軸線Jに沿った形状である。第2傾斜部290は、径方向内側に第2傾斜面291を有する。第2傾斜面291は、径方向の内方に向かうにつれて上方に傾斜している。
めっき用セル250が回転したとき、カソード電極280の内周面282が垂直軸線Jに沿った形状であるため、被めっき物100の遠心力によってカソード電極280の内周面282の上部に移動しにくい。これにより、カソード電極280の内周面282の上部における被めっき物群100Aの堆積厚さは、内周面282の下部における被めっき物群100Aの堆積厚さよりも小さくなる。このため、被めっき物100の外部電極102(共に図2参照)へのめっき厚さにばらつきが生じる場合がある。
このような第1比較例及び第2比較例に対して、本実施形態のめっき用セル10は、第1傾斜面13aを有する駆け上がり部材13と第2傾斜面14aを有するカソード電極14とを備える。これにより、めっき用セル10の回転に伴い駆け上がり部材13を駆け上がる被めっき物群100Aは、第1傾斜面13aによって第1傾斜面13aに堆積する被めっき物群100Aの堆積厚さのばらつきが抑えられつつ、カソード電極14に移動する。そしてカソード電極14に移動した被めっき物群100Aは、被めっき物100の遠心力によって第2傾斜面14aの全面に亘って移動すると共に被めっき物群100Aの堆積厚さtgがさらに抑えられる。このように第2傾斜面14aにおける被めっき物群100Aの堆積厚さtgのばらつきが抑制された状態で被めっき物100の外部電極102にめっきされるため、被めっき物100のめっき厚さのばらつきを抑制できる。
加えて、底板12とカソード電極14との間に駆け上がり部材13が配置されるため、底板12とカソード電極14との間の距離が大きくなる。めっき用セル10が回転停止したとき、カソード電極14から駆け上がり部材13及び底板12に向けて被めっき物100が移動する距離が長くなるため、被めっき物群100Aにおけるめっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100とが攪拌されやすい。
(2)本願発明者らは、めっき用セル10が回転したときに垂直軸線Jに平行する面に堆積する被めっき物群100Aには傾斜角度が存在することを見出した。より詳細には、本願発明者らは、垂直軸線Jに平行する面の下部の被めっき物群100Aの堆積厚さが垂直軸線Jに平行する面の上部の被めっき物群100Aの堆積厚さよりも厚くなることを見出した。具体的には、本願発明者らは、めっき用セル10が所定の回転速度で回転したときに垂直軸線Jに平行する面に堆積する被めっき物群100Aの傾斜角度が70°以上かつ85°以下の範囲であることを見出した。なお、被めっき物群100Aの傾斜角度は、例えば垂直軸線Jに平行する面の下部の被めっき物群100Aの堆積厚さと、垂直軸線Jに平行する面の上部の被めっき物群100Aの堆積厚さとによって演算できる。
そこで、本実施形態では、カソード電極14の第2傾斜面14aと、垂直軸線Jと直交する平面である水平面との成す角度θcが70°以上かつ85°以下に設定されている。これにより、めっき用セル10が所定の回転速度で回転したときの被めっき物群100Aの傾斜角度と、第2傾斜面14aとが概ね平行する。このため、第2傾斜面14aにおける被めっき物群100Aの堆積厚さtgのばらつきを一層抑制できる。したがって、被めっき物100のめっき厚さのばらつきを一層抑制できる。
(3)駆け上がり部材13の第1傾斜面13aとカソード電極14の第2傾斜面14aとの間の角度θ1が140°以上かつ155°以下であることにより、被めっき物群100Aが第1傾斜面13aから第2傾斜面14aに円滑に移動できる。したがって、被めっき物群100Aが第2傾斜面14aに堆積しやすくなる。
(4)カソード電極14の第2傾斜面14aと、垂直軸線Jと直交する平面である水平面との成す角度θcが駆け上がり部材13の第1傾斜面13aと水平面との成す角度θrよりも大きい。これにより、めっき用セル10の回転に伴い第2傾斜面14aに堆積した被めっき物群100Aがめっき用セル10の回転停止によって第2傾斜面14aからその自重によって下方に移動するとき、その移動速度が速い。このため、第2傾斜面14aに堆積した被めっき物群100Aは、第2傾斜面14aに沿って下方に移動するのではなく、第2傾斜面14aから径方向の内方に離れた状態で下方に移動する。これにより、第2傾斜面14aに堆積した被めっき物群100Aがめっき用セル10の回転停止によって下方に移動するときに、被めっき物群100Aにおけるめっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100とが攪拌されやすくなる。したがって、被めっき物群100Aの各被めっき物100に対してカソード電極14によってめっきされる機会のばらつきを抑制できる。
また、第2傾斜面14aよりも下方に位置する第1傾斜面13aと、垂直軸線Jと直交する平面である水平面との成す角度θrが第2傾斜面14aと水平面との成す角度θcよりも小さいことにより、めっき用セル10が回転するときに被めっき物群100Aが第1傾斜面13aを駆け上がりやすくなる。したがって、被めっき物群100Aがカソード電極14に堆積しやすくなる。
(5)蓋体15の第3傾斜面15aが径方向の内方に向かうにつれて上方に傾斜していることにより、被めっき物群100Aがカソード電極14の第2傾斜面14aの上端縁よりも上方に移動することを制限できる。また、めっき用セル10が回転停止したとき、第2傾斜面14aの上端縁に位置する被めっき物群100Aが第3傾斜面15aによって径方向の内方に移動しやすい。したがって、被めっき物群100Aにおけるめっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100とが攪拌されやすくなる。
(6)カソード電極14の第2傾斜面14aと蓋体15の第3傾斜面15aとの間の角度θ2が130°以上かつ145°以下であることにより、めっき用セル10が回転した状態において、第3傾斜面15aによって被めっき物群100Aが第2傾斜面14aの上端縁よりも上方に移動することを制限しやすくなる。加えて、第2傾斜面14aの上端縁における被めっき物群100Aの堆積厚さtgが過度に大きくなることを抑制できる。
(7)駆け上がり部材13の第1傾斜面13aとカソード電極14の第2傾斜面14aとの間の角度θ1と、第2傾斜面14aと蓋体15の第3傾斜面15aとの間の角度θ2とは互いに等しい。これにより、カソード電極14の第2傾斜面14aの下端縁における被めっき物群100Aの堆積厚さtgと第2傾斜面14aの上端縁における被めっき物群100Aの堆積厚さtgとのばらつきを抑制できる。したがって、第2傾斜面14aにおける被めっき物群100Aの堆積厚さtgのばらつきを一層抑制でき、被めっき物100のめっき厚さのばらつきを一層抑制できる。
(8)めっき用セル10は上方が開口し、めっき液はめっき用セル10の開口を通じて排出される。このようにめっき用セル10は、従来のめっき装置300のように多孔体312を設ける必要がないため、めっき用セル10からめっき液を円滑に排出できる。
加えて、外部電極102同士がめっきによって接合された複数の被めっき物100や規定寸法よりも小さい被めっき物100のような不良品は、浮力が大きくなりやすく、めっき液の液面付近に移動しやすい。このため、めっき用セル10の回転によってめっき液とともに不良品の被めっき物がめっき用セル10の開口から排出されやすくなる。
(9)駆け上がり部材13の第1傾斜面13aの上端縁の内径と、カソード電極14の第2傾斜面14aの下端縁の内径とが互いに等しい。これにより、第1傾斜面13aの上端縁よりも第2傾斜面14aの下端縁が径方向の内方に位置することによる段差の形成が抑制される。したがって、めっき用セル10の回転に伴い第1傾斜面13aから第2傾斜面14aに円滑に移動することができる。また第2傾斜面14aの下端縁よりも第1傾斜面13aの上端縁が径方向の内方に位置することによる段差の形成が抑制される。したがって、めっき用セル10の回転停止にともない第2傾斜面14aに堆積した被めっき物100が段差上に残ることが抑制される。したがって、めっき用セル10の回転停止に伴う被めっき物群100Aにおけるめっきされた被めっき物100とめっきされていない被めっき物100との攪拌効率の低下を抑制できる。
また、第1傾斜面13aと第2傾斜面14aとの間に段差が形成されたとしても、その段差が被めっき物100の最小寸法の1/2以下である。これにより、被めっき物100は、めっき用セル10の回転に伴い第1傾斜面13aから段差を乗り越えて第2傾斜面14aに移動できる。まためっき用セル10の回転停止に伴い第2傾斜面14aから段差を乗り越えて第1傾斜面13aに移動できる。
(10)カソード電極14の第2傾斜面14aの上端縁の内径と、蓋体15の第3傾斜面15aの下端縁の内径とが等しいことにより、第2傾斜面14aと第3傾斜面15aとの間に被めっき物100が嵌まり込むことが抑制される。したがって、ロット間における被めっき物の混入を抑制できる。
(変形例)
上記実施形態に関する説明は、本発明のめっき用セル及びめっき装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明のめっき用セル及びめっき装置は、例えば以下に示される上記実施形態の変形例、及び相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
・上記実施形態において、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aは、径方向の外方に向かうにつれて上方に湾曲状に傾斜してもよい。
・上記実施形態において、底板12と駆け上がり部材13とが一体に形成されてもよい。この場合、底板12の上面12aと駆け上がり部材13の第1傾斜面13aの下端縁との繋ぎ目にR形状の面取りを形成してもよい。
・上記実施形態において、駆け上がり部材13の第1傾斜面13aと、垂直軸線Jと直交する平面である水平面との成す角度θrは、カソード電極14の第2傾斜面14aと水平面との成す角度θcに等しくてもよい。
・上記実施形態において、蓋体15から第3傾斜面15aを省略してもよい。第3傾斜面15aを省略した蓋体15の形状の一例は、円筒状である。
・上記実施形態において、被めっき物100のサイズが大きい場合、めっき用セル10は、めっき液をめっき用セル10の外部に排出するための多孔体をさらに備えてもよい。多孔体は、例えばカソード電極14と蓋体15との間に配置される。
1…めっき装置、10…めっき用セル、12…底板、13…駆け上がり部材、13a…第1傾斜面、14…カソード電極、14a…第2傾斜面、15…蓋体、15a…第3傾斜面、20…アノード電極、30…回転装置、100…被めっき物、100A…被めっき物群、J…垂直軸線、θc…第2傾斜面と、垂直軸線と直交する平面との成す角度、θr…第1傾斜面と、垂直軸線と直交する平面との成す角度、θ1…第1傾斜面に対する第2傾斜面の角度、θ2…第2傾斜面に対する第3傾斜面の角度。

Claims (8)

  1. めっき液を貯留可能かつ被めっき物群を収容可能であり、回転装置によって垂直軸線を中心に回転されるめっき用セルであって、
    底板と、
    電気的絶縁性を有し、前記底板の上面から上方に向かうにつれて前記垂直軸線と直交する径方向の外方に傾斜する第1傾斜面を有する駆け上がり部材と、
    前記垂直軸線に沿う方向において前記駆け上がり部材と隣り合うように配置され、上方に向かうにつれて前記径方向の外方に傾斜する第2傾斜面を有するカソード電極と
    前記垂直軸線に沿う方向において前記カソード電極と隣り合うように配置され、上方に向かうにつれて前記径方向の内方に傾斜する第3傾斜面を有する蓋体と、を有し、
    前記第2傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度は、前記第1傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度よりも大きく、
    前記第1傾斜面に対する前記第2傾斜面の角度は、140°以上かつ155°以下であり、
    前記第2傾斜面に対する前記第3傾斜面の角度は、130°以上かつ145°以下である
    めっき用セル。
  2. 前記第2傾斜面と、前記垂直軸線と直交する平面との成す角度は、70°以上かつ85°以下である
    請求項1に記載のめっき用セル。
  3. 前記第1傾斜面の上端縁の内径と、前記第2傾斜面の下端縁の内径とが互いに等しい
    請求項1又は2に記載のめっき用セル。
  4. 前記第1傾斜面の上端縁と前記第2傾斜面の下端縁との間には、前記第1傾斜面の上端縁の前記径方向の位置と前記第2傾斜面の下端縁の前記径方向の位置のずれに起因する段差が形成され、
    前記段差の大きさは、前記被めっき物群を構成する被めっき物の最小寸法の1/2以下である
    請求項1〜のいずれか一項に記載のめっき用セル。
  5. 前記第1傾斜面に対する前記第2傾斜面の角度と、前記第2傾斜面に対する前記第3傾斜面の角度とが互いに等しい
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のめっき用セル。
  6. 前記第2傾斜面の上端縁の内径と、前記第3傾斜面の下端縁の内径とが互いに等しい
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のめっき用セル。
  7. 当該めっき用セルは、上方が開口した開口部を有し
    前記めっき液は、前記開口部を通じて排出される
    請求項1〜のいずれか一項に記載のめっき用セル。
  8. 請求項7に記載のめっき用セルと、
    前記開口部から挿入されるアノード電極と、
    前記めっき用セルを回転させる前記回転装置と
    を有するめっき装置。
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