次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(第1実施形態)
まず、図1を参照して第1実施形態の車両用危険回避装置の構成について説明する。
図1に示す車両用危険回避装置1は、車両に加わる衝撃に基づいて危険を回避する危険回避動作を行う装置である。具体的には、車両に加わる衝撃に基づいて、危険回避動作として強制的にブレーキを掛け、車両衝突時における2次的な衝突を回避する装置である。車両用危険回避装置1は、衝撃検出センサ10、11と、主マイクロコンピュータ12と、CANトランシーバ回路13と、副マイクロコンピュータ14と、ブレーキ制御部16とを備えている。
衝撃検出センサ10、11は、車両に加わる衝撃を検出する素子である。衝撃検出センサ10、11は、車両の所定位置に固定されている。
主マイクロコンピュータ12は、衝撃検出センサ10、11に接続され、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する素子である。主マイクロコンピュータ12は、主衝突判定部120を備えている。
主衝突判定部120は、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路13及び後述する総合判定部141に出力するブロックである。主衝突判定部120は、主マイクロコンピュータ12がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。主衝突判定部120は、衝撃検出センサ10、11の検出結果がともに車両衝突を示すレベルである場合、車両が衝突したと判定する。一方、衝撃検出センサ10、11のうち少なくともいずれかの検出結果が車両衝突を示すレベルに達していない場合、車両は衝突していないと判定する。主衝突判定部120は、実質的に、衝撃検出センサ10、11、CANトランシーバ回路13及び総合判定部141に接続されている。
CANトランシーバ回路13は、総合判定部141によって制御され、主衝突判定部120の判定結果を対応する信号に変換し、通信バス130に出力する回路である。具体的には、CAN(Controller Area Network)プロトコルに従って通信する回路である。本発明における出力部に相当するブロックである。CANトランシーバ回路13は、ブレーキ制御部16のID番号と主衝突判定部120の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス130に順次出力する。CANトランシーバ回路13の入力端は、実質的に、主衝突判定部120に接続されている。出力端は、通信バス130に接続されている。制御端は、実質的に、総合判定部141に接続されている。
副マイクロコンピュータ14は、衝撃検出センサ10、11に接続され、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主マイクロコンピュータ12とは別の素子である。また、主マイクロコンピュータ12に接続され、主衝突判定部120の判定結果と自らの判定結果に基づいて、車両が衝突したか否かを総合的に判定し、判定結果に基づいてCANトランシーバ回路13を制御する素子でもある。副マイクロコンピュータ14は、副衝突判定部140と、総合判定部141とを備えている。
副衝突判定部140は、主衝突判定部120とは独立して、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部141に出力するブロックである。副衝突判定部140は、主マイクロコンピュータ12とは別の副マイクロコンピュータ14がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。副衝突判定部140は、衝撃検出センサ10、11の検出結果がともに車両衝突を示すレベルである場合、車両が衝突したと判定する。一方、衝撃検出センサ10、11のうち少なくともいずれかの検出結果が車両衝突を示すレベルに達していない場合、車両は衝突していないと判定する。副衝突判定部140は、実質的に、衝撃検出センサ10、11及び総合判定部141に接続されている。
総合判定部141は、主衝突判定部120の判定結果と副衝突判定部140の判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定するブロックである。総合判定部141は、副マイクロコンピュータ14がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。総合判定部141は、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致した場合、主衝突判定部120の判定結果に誤りはないと判断する。そして、主衝突判定部120の判定結果がCANトランシーバ回路13において対応した信号に変換され出力されるようCANトランシーバ回路13を制御する。具体的には、CANトランシーバ回路13の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路13の出力動作を継続させる。一方、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致しない場合、主衝突判定部120の判定結果に誤りがあると判断する。そして、CANトランシーバ回路13から信号が出力されないようにCANトランシーバ回路13を制御する。具体的には、CANトランシーバ回路13に出力動作の停止を指示する。総合判定部141は、実質的に、主衝突判定部120、副衝突判定部140及びCANトランシーバ回路13に接続されている。
ブレーキ制御部16は、通信バス130を介してCANトランシーバ回路13に接続され、CANトランシーバ回路13の出力に基づいて危険を回避する危険回避動作を行うブロックである。具体的には、ブレーキの作動状態を制御し、危険回避動作として強制的にブレーキを掛けることによって車両衝突時における2次衝突を回避するブロックである。本発明の危険回避制御部に相当するブロックである。
ブレーキ制御部16は、CANトランシーバ回路13から車両が衝突していることを示す信号が出力されている場合、危険を回避する危険回避動作を行う。具体的には、CANトランシーバ回路13から通信バス130に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部120の判定結果に対応するデータが、車両が衝突していることを示すものである場合、2次的な衝突を回避するため強制的にブレーキを掛ける。
一方、CANトランシーバ回路13から車両が衝突していないことを示す信号が出力されている場合、及び、CANトランシーバ回路13から信号が出力されていない場合、危険回避動作を行わない。具体的には、CANトランシーバ回路13から通信バス130に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部120の判定結果に対応するデータが、車両が衝突していないことを示すものである場合、2次的な衝突を回避する必要がないため強制的にはブレーキを掛けない。また、CANトランシーバ回路13からブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータが出力されていない場合、判定結果に誤りがあると判断し強制的にはブレーキを掛けない。
次に、図1及び図2を参照して第1実施形態の車両用危険回避装置の動作について説明する。
図1に示す主衝突判定部120は、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する。具体的には、衝撃検出センサ10、11の検出結果がともに車両衝突を示すレベルである場合、車両が衝突したと判定する。一方、衝撃検出センサ10、11のうち少なくともいずれかの検出結果が車両衝突を示すレベルに達していない場合、車両は衝突していないと判定する。そして、判定結果をCANトランシーバ回路13及び総合判定部141に出力する。副衝突判定部140は、主衝突判定部120とは独立して、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する。具体的には、衝撃検出センサ10、11の検出結果がともに車両衝突を示すレベルである場合、車両が衝突したと判定する。一方、衝撃検出センサ10、11のうち少なくともいずれかの検出結果が車両衝突を示すレベルに達していない場合、車両は衝突していないと判定する。そして、判定結果を総合判定部141に出力する。
総合判定部141は、図2に示すように、ステップS100において、主衝突判定部120の判定結果と副衝突判定部140の判定結果を取得する。そして、ステップS101において、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致しているか否かを判定する。
ステップS101において、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致していると判定した場合、総合判定部141は、主衝突判定部120の判定結果に誤りはないと判断する。そして、ステップS102において、CANトランシーバ回路13の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路13の出力動作を継続させる。CANトランシーバ回路13は、ブレーキ制御部16のID番号と主衝突判定部120の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス130に順次出力する。ブレーキ制御部16は、CANトランシーバ回路13から通信バス130に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部120の判定結果に対応するデータが衝突していることを示すものである場合、2次的な衝突を回避するため強制的にブレーキを掛ける。CANトランシーバ回路13から通信バス130に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部120の判定結果に対応するデータが衝突していないことを示すものである場合、2次的な衝突を回避する必要がないため強制的にはブレーキを掛けない。
一方、ステップS101において、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致していないと判定した場合、総合判定部141は、主衝突判定部120の判定結果に誤りがあると判断し、ステップS103において、CANトランシーバ回路13に出力動作の停止を指示する。CANトランシーバ回路13は、シリアルデータの出力を停止する。ブレーキ制御部16は、CANトランシーバ回路13からブレーキ制御部16のID番号を有するシリアルデータが出力されないため、判定結果に誤りがあると判断し強制的にはブレーキを掛けない。
次に、第1実施形態の車両用危険回避装置の効果について説明する。
第1実施形態によれば、主衝突判定部120の判定結果が、車両が衝突したとするものであり、かつ、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致した場合、衝突したことを示す信号がCANトランシーバ回路13から出力される。また、主衝突判定部120の判定結果が、車両が衝突していないとするものであり、かつ、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致した場合、衝突していないことを示す信号がCANトランシーバ回路13から出力される。さらに、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致しない場合、CANトランシーバ回路13から信号が出力されない。ブレーキ制御部16は、CANトランシーバ回路13から衝突したことを示す信号が出力されている場合、危険回避動作を行い、CANトランシーバ回路13から衝突していないことを示す信号が出力されている場合、及び、CANトランシーバ回路13から信号が出力されていない場合、危険回避動作を行わない。そのため、主衝突判定部120の判定結果が、車両が衝突したとするものであり、かつ、副衝突判定部140の判定結果が主衝突判定部120の判定結果と一致した場合に危険回避動作が行われることになる。つまり、複数の判定部120、140の判定結果に基づいて総合的に判定した上で危険回避動作が行われる。従って、誤判定によって誤って危険回避動作が行われるような事態を抑えることができる。
第1実施形態によれば、出力部であるCANトランシーバ回路13は、出力動作の停止を指示された場合、信号を出力しない。総合判定部141は、CANトランシーバ回路13から信号が出力されないようにする場合、CANトランシーバ回路13に出力動作の停止を指示する。そのため、CANトランシーバ回路13に出力動作の停止することで、CANトランシーバ回路13から信号が出力されないようにすることができる。つまり、CANトランシーバ回路13に出力動作の停止することで、危険回避動作を行わないようにすることができる。つまり、強制的にはブレーキが掛からないようにすることができる。
第1実施形態によれば、車両用危険回避装置1は、出力部として、CANプロトコルに従って通信するCANトランシーバ回路13を備えている。CANプロトコルは、車両に搭載された様々な電子装置の通信プロトコルとして広く用いられている。そのため、それらの電子装置を危険回避制御部として用いることができる。
第1実施形態によれば、車両用危険回避装置1は、危険回避制御部として、ブレーキの作動状態を制御し、危険回避動作として強制的にブレーキを掛けるブレーキ制御部16を備えている。そのため、車両衝突時における2次衝突を回避することができる。
第1実施形態によれば、主衝突判定部120は、主マイクロコンピュータ12がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。副衝突判定部140は、主マイクロコンピュータ12とは別の副マイクロコンピュータ14がプログラムによって処理を行うことによって構成されている。総合判定部141は、副マイクロコンピュータ14がプログラムによって処理を行うことによって構成されている。そのため、主衝突判定部120、副衝突判定部140及び総合判定部141を小型化することができる。また、判定基準等を容易に変更することできる。そのため、主衝突判定部120、副衝突判定部140及び総合判定部141の汎用性を向上させることができる。
第1実施形態では、車両用危険回避装置1が危険回避制御部としてブレーキ制御部16を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。図3に示すように、ブレーキ制御部16に代えて、危険回避動作として、ハイブリッド車両に搭載された高圧電源からの電力供給を強制的に遮断することによって車両衝突時における感電事故を回避する電源遮断制御部17を備えていてもよい。この場合、CANトランシーバ回路13は、電源遮断制御部17のID番号と主衝突判定部120の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス130に順次出力するようにすればよい。
第1実施形態では、主衝突判定部120が、主マイクロコンピュータ12がプログラムに従って処理を行うことによって構成され、副衝突判定部140が、主マイクロコンピュータ12とは別の副マイクロコンピュータ14がプログラムによって処理を行うことによって構成され、総合判定部141が、副マイクロコンピュータ14がプログラムによって処理を行うことによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図4に示すように、主衝突判定部120は、ハードウェアで構成され、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する主衝突判定回路121であってもよい。副衝突判定部140は、ハードウェアで構成され、衝撃検出センサ10、11の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主衝突判定回路121とは別の副衝突判定回路142であってもよい。総合判定部141は、ハードウェアで構成され、主衝突判定回路121及び副衝突判定回路142の判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定する総合判定回路143であってもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用危険回避装置は、第1実施形態の車両用危険回避装置がCANトランシーバ回路を制御することでCANトランシーバ回路から信号が出力されないようにするのに対して、主衝突判定部の動作を停止させることでCANトランシーバ回路から信号が出力されないようにしたものである。
まず、図5を参照して第2実施形態の車両用危険回避装置の構成について説明する。図5に示すように、車両用危険回避装置2は、衝撃検出センサ20、21と、主マイクロコンピュータ22と、CANトランシーバ回路23と、副マイクロコンピュータ24と、ブレーキ制御部26とを備えている。
衝撃検出センサ20、21は、第1実施形態の衝撃検出センサ10、11と同一の素子であり、同様に構成されている。
主マイクロコンピュータ22は、衝撃検出センサ20、21に接続され、衝撃検出センサ20、21の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する素子である。主マイクロコンピュータ22は、主衝突判定部220を備えている。
主衝突判定部220は、総合判定部241によって制御され、衝撃検出センサ20、21の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路23及び総合判定部241に出力するブロックである。主衝突判定部220は、主マイクロコンピュータ22がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。主衝突判定部220は、衝撃検出センサ20、21の検出結果がともに車両衝突を示すレベルである場合、車両が衝突したと判定する。一方、衝撃検出センサ20、21のうち少なくともいずれかの検出結果が車両衝突を示すレベルに達していない場合、車両は衝突していないと判定する。主衝突判定部220は、動作の停止を指示された場合、判定結果を出力しない。主衝突判定部220は、実質的に、衝撃検出センサ20、21、CANトランシーバ回路23及び総合判定部241に接続されている。
CANトランシーバ回路23は、主衝突判定部220の判定結果を対応する信号に変換し、通信バス230に出力するブロックである。本発明における出力部に相当するブロックである。CANトランシーバ回路23は、主衝突判定部220が判定結果を出力した場合、ブレーキ制御部26のID番号と主衝突判定部220の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス230に順次出力する。一方、主衝突判定部220が判定結果を出力しない場合、シリアルデータを出力しない。CANトランシーバ回路23の入力端は、実質的に、主衝突判定部220に接続されている。出力端は、通信バス230に接続されている。
副マイクロコンピュータ24は、衝撃検出センサ20、21に接続され、衝撃検出センサ20、21の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主マイクロコンピュータ22とは別の素子である。また、主マイクロコンピュータ22に接続され、主衝突判定部220の判定結果と自らの判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定し、判定結果に基づいて主衝突判定部220を制御する素子でもある。副マイクロコンピュータ24は、副衝突判定部240と、総合判定部241とを備えている。
副衝突判定部240は、第1実施形態の副衝突判定部140と同一のブロックであり、同様に構成されている。
総合判定部241は、主衝突判定部220の判定結果と副衝突判定部240の判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定するブロックである。総合判定部241は、副マイクロコンピュータ24がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。総合判定部241は、副衝突判定部240の判定結果が主衝突判定部220の判定結果と一致した場合、主衝突判定部220の判定結果に誤りはないと判断する。そして、主衝突判定部220の判定結果がCANトランシーバ回路23において対応した信号に変換され出力されるよう主衝突判定部220を制御する。具体的には、主衝突判定部220の動作の停止を指示しない。より具体的には、主マイクロコンピュータ22のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部220の動作を継続させる。一方、副衝突判定部240の判定結果が主衝突判定部220の判定結果と一致しない場合、主衝突判定部220の判定結果に誤りがあると判断する。そして、CANトランシーバ回路23から信号が出力されないように主衝突判定部220を制御する。具体的には、主衝突判定部220に動作の停止を指示する。より具体的には、主マイクロコンピュータ22のリセットを指示する。総合判定部241は、実質的に、主衝突判定部220及び副衝突判定部240に接続されている。
ブレーキ制御部26は、第1実施形態のブレーキ制御部16と同一のブロックであり、同様に構成されている。
次に、図5及び図6を参照して第2実施形態の車両用危険回避装置の動作について説明する。
図5に示す主衝突判定部220は、衝撃検出センサ20、21の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路23及び総合判定部241に出力する。副衝突判定部240は、主衝突判定部220とは独立して、衝撃検出センサ20、21の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部241に出力する。
総合判定部241は、図6に示すフローチャートに従って動作する。ステップS200、S201は、第1実施形態のステップS100、S101と同一である。
ステップS201において、副衝突判定部240の判定結果が主衝突判定部220の判定結果と一致していると判定した場合、総合判定部241は、主衝突判定部220の判定結果に誤りはないと判断する。そして、ステップS202において、主衝突判定部220の動作の停止を指示しない。具体的には、主マイクロコンピュータ22のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部220の動作を継続させる。図5に示すCANトランシーバ回路23は、ブレーキ制御部26のID番号と主衝突判定部220の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス230に順次出力する。ブレーキ制御部26は、CANトランシーバ回路23から通信バス230に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部26のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部220の判定結果に対応するデータが衝突したことを示すものである場合、2次的な衝突を回避するため強制的にブレーキを掛ける。CANトランシーバ回路23から通信バス230に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部26のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部220の判定結果に対応するデータが衝突していないことを示すものである場合、2次的な衝突を回避する必要がないため強制的にはブレーキを掛けない。
一方、図6に示すステップ201において、副衝突判定部240の判定結果が主衝突判定部220の判定結果と一致していないと判定した場合、総合判定部241は、主衝突判定部220の判定結果に誤りがあると判断し、ステップS203において、主衝突判定部220に動作の停止を指示する。具体的には、主マイクロコンピュータ22のリセットを指示する。図5に示すCANトランシーバ回路23は、主衝突判定部220が判定結果を出力しないため、シリアルデータを出力しない。ブレーキ制御部26は、CANトランシーバ回路23からブレーキ制御部26のID番号を有するシリアルデータが出力されないため、判定結果に誤りがあると判断し強制的にはブレーキを掛けない。
次に、第2実施形態の車両用危険回避装置の効果について説明する。
第2実施形態によれば、第1実施形態と同一構成を有することにより、その同一構成に対応した同様の効果を得ることができる。
第2実施形態によれば、主衝突判定部220は、動作の停止を指示された場合、判定結果を出力しない。CANトランシーバ回路23は、主衝突判定部220の判定結果が入力されない場合、信号を出力しない。総合判定部241は、CANトランシーバ回路23から信号が出力されないようにする場合、主衝突判定部220に動作の停止を指示する。その結果、主衝突判定部220に動作の停止を指示することで、CANトランシーバ回路23から信号が出力されないようにすることができる。つまり、強制的にはブレーキが掛からないようにすることができる。
なお、第2実施形態では、車両用危険回避装置2が危険回避制御部としてブレーキ制御部26を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。第1実施形態において変形形態として説明したように、ブレーキ制御部26に代えて、危険回避動作として、ハイブリッド車両に搭載された高圧電源からの電力供給を強制的に遮断することによって車両衝突時における感電事故を回避する電源遮断制御部を備えていてもよい。
第2実施形態では、主衝突判定部220、副衝突判定部240及び総合判定部241が、主マイクロコンピュータ22及び副マイクロコンピュータ24がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図7に示すように、主衝突判定部220、副衝突判定部240及び総合判定部241は、第1実施形態において変形形態として説明したように、ハードウェアで構成される主衝突判定回路221、副衝突判定回路242及び総合判定回路243であってもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用危険回避装置は、第1実施形態の車両用危険回避装置が主衝突判定部の判定結果と副衝突判定部の判定結果が一致しているか否かに基づいて総合的に判定するのに対して、副衝突判定部を2つにし、主衝突判定部の判定結果と2つの副衝突判定部の判定結果の多数決に基づいて総合的に判定するようにしたものである。
まず、図8を参照して第3実施形態の車両用危険回避装置の構成について説明する。
図8に示すように、車両用危険回避装置3は、衝撃検出センサ30、31と、主マイクロコンピュータ32と、CANトランシーバ回路33、副マイクロコンピュータ34、35と、ブレーキ制御部36とを備えている。
衝撃検出センサ30、31、主マイクロコンピュータ32及びCANトランシーバ回路33は、第1実施形態の衝撃検出センサ10、11、主マイクロコンピュータ12及びCANトランシーバ回路13と同一のものであり、同様に構成されている。
副マイクロコンピュータ34は、衝撃検出センサ30、31に接続され、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主マイクロコンピュータ32とは別の素子である。また、主マイクロコンピュータ32及び副マイクロコンピュータ35に接続され、主衝突判定部320の判定結果と、自らの判定結果と、副マイクロコンピュータ35の判定結果とに基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定し、判定結果に基づいてCANトランシーバ回路33を制御する素子でもある。副マイクロコンピュータ34は、副衝突判定部340と、総合判定部341とを備えている。
副衝突判定部340は、第1実施形態の副衝突判定部140と同一のブロックであり、同様の構成されている。
総合判定部341は、主衝突判定部320の判定結果と副衝突判定部340の判定結果と、副衝突判定部350の判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定するブロックである。総合判定部341は、副マイクロコンピュータ34がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。総合判定部341は、主衝突判定部320が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、331aのうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数より多い場合、主衝突判定部320の判定結果に誤りはないと判断する。そして、主衝突判定部320の判定結果がCANトランシーバ回路33において対応する信号に変換され出力されるようCANトランシーバ回路33を制御する。具体的には、CANトランシーバ回路33の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路33の出力動作を継続させる。一方、主衝突判定部320が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、350のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数以下である場合、主衝突判定部320の判定結果に誤りがあると判断する。そして、CANトランシーバ回路33から信号が出力されないようにCANトランシーバ回路33を制御する。具体的には、CANトランシーバ回路33に出力動作の停止を指示する。また、主衝突判定部320が、車両が衝突していないと判定した場合、主衝突判定部320の判定結果がCANトランシーバ回路33において対応した信号に変換され出力されるようCANトランシーバ回路33を制御する。具体的には、CANトランシーバ回路33の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路33の出力動作を継続させる。総合判定部341は、実質的に、主衝突判定部320、副衝突判定部340、350及びCANトランシーバ回路33に接続されている。
副マイクロコンピュータ35は、衝撃検出センサ30、31に接続され、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主マイクロコンピュータ32及び副マイクロコンピュータ34とは別の素子である。副マイクロコンピュータ35は、副衝突判定部350を備えている。
副衝突判定部350は、主衝突判定部320及び副衝突判定部340とは独立して、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部341に出力するブロックである。副衝突判定部350は、主マイクロコンピュータ32及び副マイクロコンピュータ34とは別の副マイクロコンピュータ35がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。副衝突判定部350は、実質的に、衝撃検出センサ30、31及び総合判定部341に接続されている。
ブレーキ制御部36は、第1実施形態のブレーキ制御部16と同一のブロックであり、同様に構成されている。
次に、図8及び図9を参照して第3実施形態の車両用危険回避装置の動作について説明する。
図8に示す主衝突判定部320は、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路33及び総合判定部341に出力する。副衝突判定部340は、主衝突判定部320とは独立して、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部341に出力する。副衝突判定部350は、主衝突判定部320及び副衝突判定部340とは独立して、衝撃検出センサ30、31の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部341に出力する。
総合判定部341は、図9に示すように、ステップS300において、主衝突判定部320の判定結果と副衝突判定部340、350の判定結果を取得する。そして、ステップS301において、主衝突判定部320の判定結果が衝突したとするものであるか否かを判定する。ステップS301において、主衝突判定部320の判定結果が衝突したとするものであると判定した場合、総合判定部341は、ステップS302において、副衝突判定部340の判定結果が衝突したとするものであるか否かを判定する。ステップS302において、副衝突判定部340の判定結果が衝突したとするものでないと判定した場合、総合判定部341は、ステップS303において、副衝突判定部350の判定結果が衝突したとするものであるか否かを判定する。
ステップS303において、副衝突判定部350の判定結果が衝突したとするものでないと判定した場合、総合判定部341は、主衝突判定部320が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、350のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数以下であり、主衝突判定部320の判定結果に誤りがあると判断する。そして、ステップS304において、CANトランシーバ回路33の出力動作の停止を指示する。図8に示すCANトランシーバ回路33は、シリアルデータの出力を停止する。ブレーキ制御部36は、CANトランシーバ回路33からブレーキ制御部36のID番号を有するシリアルデータが出力されないため、判定結果に誤りがあると判断し強制的にはブレーキを掛けない。
一方、図9に示すステップS301において、主衝突判定部320の判定結果が衝突したとするものでないと判定した場合、総合判定部341は、主衝突判定部320が衝突していないと判定したと判断する。そして、ステップS305において、CANトランシーバ回路33の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路33の出力動作を継続させる。図8に示すCANトランシーバ回路33は、ブレーキ制御部36のID番号と衝突していないとする主衝突判定部320の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス330に順次出力する。ブレーキ制御部36は、CANトランシーバ回路33から通信バス330に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部36のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部320の判定結果に対応するデータが衝突していないことを示すものであることから、2次的な衝突を回避する必要がないため強制的にはブレーキを掛けない。
また、図9に示すステップS302において、副衝突判定部340の判定結果が衝突したとするものであると判定した場合、ステップS303において、副衝突判定部350の判定結果が衝突したとするものであると判定した場合、総合判定部341は、主衝突判定部320が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、350のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数より多いと判断する。つまり、衝突したとする主衝突判定部320の判定結果に誤りはないと判断する。そして、ステップS305において、CANトランシーバ回路33の出力動作の停止を指示しない。つまり、CANトランシーバ回路33の出力動作を継続させる。図8に示すCANトランシーバ回路33は、ブレーキ制御部36のID番号と主衝突判定部320の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス330に順次出力する。ブレーキ制御部36は、CANトランシーバ回路33から通信バス330に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部36のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部320の判定結果に対応するデータが衝突したことを示すものであることから、2次的な衝突を回避するため強制的にブレーキを掛ける。
次に、第3実施形態の車両用危険回避装置の効果について説明する。
第3実施形態によれば、第1実施形態と同一構成を有することにより、その同一構成に対応した同様の効果を得ることができる。
第3実施形態によれば、主衝突判定部320の判定結果が、車両が衝突したとするものであり、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、350のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数より多い場合、衝突したことを示す信号がCANトランシーバ回路33から出力される。また、主衝突判定部320の判定結果が、車両が衝突したとするものであり、かつ、主衝突判定部320及び全ての副衝突判定部340、350のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数以下である場合、CANトランシーバ回路33から信号が出力されない。さらに、主衝突判定部320が、車両が衝突していないとするものである場合、副衝突判定部340、350の判定結果に関係なくCANトランシーバ回路33から信号が出力されない。ブレーキ制御部36は、CANトランシーバ回路33から衝突したことを示す信号が出力されている場合、危険回避動作を行い、CANトランシーバ回路33から衝突していないことを示す信号が出力されている場合、及び、CANトランシーバ回路33から信号が出力されていない場合、危険回避動作を行わない。つまり、複数の判定部320、340、350の判定結果に基づいて総合的に判定した上で危険回避動作が行われる。従って、誤判定によって誤って危険回避動作が行われるような事態を抑えることができる。
なお、第3実施形態では、車両用危険回避装置3が危険回避制御部としてブレーキ制御部36を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。第1実施形態において変形形態として説明したように、ブレーキ制御部36に代えて、危険回避動作として、ハイブリッド車両に搭載された高圧電源からの電力供給を強制的に遮断することによって車両衝突時における感電事故を回避する電源遮断制御部を備えていてもよい。
第3実施形態では、主衝突判定部320、副衝突判定部340、350及び総合判定部341が、主マイクロコンピュータ32及び副マイクロコンピュータ34、35がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図10に示すように、主衝突判定部320、副衝突判定部340、350及び総合判定部341は、第1実施形態において変形形態として説明したように、ハードウェアで構成される主衝突判定回路321、副衝突判定回路342、351及び総合判定回路343であってもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用危険回避装置は、第3実施形態の車両用危険回避装置がCANトランシーバ回路を制御することでCANトランシーバ回路から信号が出力されないようにするのに対して、主衝突判定部の動作を停止させることでCANトランシーバ回路から信号が出力されないようにしたものである。
まず、図11を参照して第4実施形態の車両用危険回避装置の構成について説明する。
図11に示すように、車両用危険回避装置4は、衝撃検出センサ40、41と、主マイクロコンピュータ42と、CANトランシーバ回路43、副マイクロコンピュータ44、45と、ブレーキ制御部46とを備えている。
衝撃検出センサ40、41は、第3実施形態の衝撃検出センサ30、31と同一の素子であり、同様に構成されている。
主マイクロコンピュータ42は、衝撃検出センサ40、41に接続され、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する素子である。主マイクロコンピュータ42は、主衝突判定部420を備えている。
主衝突判定部420は、総合判定部441によって制御され、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路43及び総合判定部441に出力するブロックである。主衝突判定部420は、主マイクロコンピュータ42がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。主衝突判定部420は、動作の停止を指示された場合、判定結果を出力しない。主衝突判定部420は、実質的に、衝撃検出センサ40、41、CANトランシーバ回路43及び総合判定部441に接続されている。
CANトランシーバ回路43は、主衝突判定部420の判定結果を対応する信号に変換し、通信バス430に出力するブロックである。本発明における出力部に相当するブロックである。CANトランシーバ回路43は、主衝突判定部420が判定結果を出力した場合、ブレーキ制御部46のID番号と主衝突判定部420の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス430に順次出力する。一方、主衝突判定部420が判定結果を出力しない場合、シリアルデータを出力しない。CANトランシーバ回路43の入力端は、実質的に、主衝突判定部420に接続されている。出力端は、通信バス430に接続されている。
副マイクロコンピュータ44は、衝撃検出センサ40、41に接続され、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定する、主マイクロコンピュータ42とは別の素子である。また、主マイクロコンピュータ42及び副マイクロコンピュータ45に接続され、主衝突判定部420の判定結果と、自らの判定結果と、副マイクロコンピュータ45の判定結果とに基づいて、車両が衝突したか否かを総合的に判定し、判定結果に基づいて主衝突判定部420を制御する素子でもある。副マイクロコンピュータ44は、副衝突判定部440と、総合判定部441とを備えている。
副衝突判定部440は、第3実施形態の副衝突判定部340と同一のブロックであり、同様に構成されている。
総合判定部441は、主衝突判定部420の判定結果と副衝突判定部440の判定結果と、副衝突判定部440の判定結果に基づいて車両が衝突したか否かを総合的に判定するブロックである。総合判定部441は、副マイクロコンピュータ44がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている。総合判定部441は、主衝突判定部420が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部420及び全ての副衝突判定部440、450のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数より多い場合、主衝突判定部420の判定結果に誤りはないと判断する。そして、主衝突判定部420の判定結果がCANトランシーバ回路43において対応する信号に変換され出力されるよう主衝突判定部420を制御する。具体的には、主衝突判定部420の動作の停止を指示しない。より具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部420の動作を継続させる。一方、主衝突判定部420が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部420及び全ての副衝突判定部440、450のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数以下である場合、主衝突判定部420の判定結果に誤りがあると判断する。そして、CANトランシーバ回路43から信号が出力されないように主衝突判定部420を制御する。具体的には、主衝突判定部420の動作の停止を指示する。より具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示する。また、主衝突判定部420の判定結果が、車両が衝突していないと判定した場合、主衝突判定部420の判定結果がCANトランシーバ回路43において対応した信号に変換され出力されるよう主衝突判定部420を制御する。具体的には、主衝突判定部420の動作の停止を指示しない。より具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部420の動作を継続させる。総合判定部441は、実質的に、主衝突判定部420、副衝突判定部440、450及びCANトランシーバ回路43に接続されている。
ブレーキ制御部46は、第3実施形態のブレーキ制御部36と同一のブロックであり、同様に構成されている。
次に、図11及び図12を参照して第4実施形態の車両用危険回避装置の動作について説明する。
図11に示す主衝突判定部420は、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果をCANトランシーバ回路43及び総合判定部441に出力する。副衝突判定部440は、主衝突判定部420とは独立して、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部441に出力する。副衝突判定部450は、主衝突判定部420及び副衝突判定部440とは独立して、衝撃検出センサ40、41の検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定し、判定結果を総合判定部441に出力する。
総合判定部441は、図12に示すフローチャートに従って動作する。ステップS400〜S403は、第3実施形態のステップS300〜S303と同一である。
ステップS403において、副衝突判定部450の判定結果が衝突したとするものでないと判定した場合、総合判定部441は、主衝突判定部420が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部420及び全ての副衝突判定部440、431aのうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数以下であり、主衝突判定部320の判定結果に誤りがあると判断する。そして、ステップS404において、主衝突判定部420に動作の停止を指示する。具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示する。図11に示すCANトランシーバ回路43は、主衝突判定部420が判定結果を出力しないため、シリアルデータを出力しない。ブレーキ制御部46は、CANトランシーバ回路43からブレーキ制御部46のID番号を有するシリアルデータが出力されないため、判定結果に誤りがあると判断し強制的にはブレーキを掛けない。
一方、図12に示すステップS401において、主衝突判定部420の判定結果が衝突したとするものでないと判定した場合、総合判定部441は、主衝突判定部420が衝突していないと判定したと判断する。そして、ステップS405において、主衝突判定部420の動作の停止を指示しない。具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部420の動作を継続させる。図11に示すCANトランシーバ回路43は、ブレーキ制御部46のID番号と衝突していないとする主衝突判定部420の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス430に順次出力する。ブレーキ制御部46は、CANトランシーバ回路43から通信バス430に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部46のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部420の判定結果に対応するデータが衝突していないことを示すものであることから、2次的な衝突を回避する必要がないため強制的にはブレーキを掛けない。
また、図12に示すステップS402において、副衝突判定部440の判定結果が衝突したとするものであると判定した場合、ステップS403において、副衝突判定部450の判定結果が衝突したとするものであると判定した場合、総合判定部441は、主衝突判定部420が、車両が衝突したと判定し、かつ、主衝突判定部420及び全ての副衝突判定部440、450のうち、車両が衝突したと判定した判定部の数が、車両が衝突していないと判定した判定部の数より多いと判断する。つまり、衝突したとする主衝突判定部420の判定結果に誤りはないと判断する。そして、ステップS405において、主衝突判定部420の動作の停止を指示しない。具体的には、主マイクロコンピュータ42のリセットを指示しない。つまり、主衝突判定部420の動作を継続させる。図11に示すCANトランシーバ回路43は、ブレーキ制御部46のID番号と主衝突判定部420の判定結果に対応するデータをシリアルデータとして通信バス430に順次出力する。ブレーキ制御部46は、CANトランシーバ回路43から通信バス430に出力されたシリアルデータのうち、ブレーキ制御部46のID番号を有するシリアルデータであって、主衝突判定部420の判定結果に対応するデータが衝突したことを示すものであることから、2次的な衝突を回避するため強制的にブレーキを掛ける。
次に、第4実施形態の車両用危険回避装置の効果について説明する。
第4実施形態によれば、第3実施形態と同一構成を有することにより、その同一構成に対応した同様の効果を得ることができる。
第4実施形態によれば、主衝突判定部420は、動作の停止を指示された場合、判定結果を出力しない。CANトランシーバ回路43は、主衝突判定部420の判定結果が入力されない場合、信号を出力しない。総合判定部441は、CANトランシーバ回路43から信号が出力されないようにする場合、主衝突判定部420に動作の停止を指示する。その結果、主衝突判定部420に動作の停止を指示することで、CANトランシーバ回路43から信号が出力されないようにすることができる。つまり、強制的にはブレーキが掛からないようにすることができる。
なお、第4実施形態では、車両用危険回避装置4が危険回避制御部としてブレーキ制御部46を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。第3実施形態において変形形態として説明したように、ブレーキ制御部46に代えて、危険回避動作として、ハイブリッド車両に搭載された高圧電源からの電力供給を強制的に遮断することによって車両衝突時における感電事故を回避する電源遮断制御部を備えていてもよい。
第4実施形態では、主衝突判定部420、副衝突判定部440、450及び総合判定部441が、主マイクロコンピュータ42及び副マイクロコンピュータ44、45がプログラムに従って処理を行うことによって構成されている例を挙げているが、これに限られるものではない。図13に示すように、主衝突判定部420、副衝突判定部440、450及び総合判定部441は、第3実施形態において変形形態として説明したように、ハードウェアで構成される主衝突判定回路421、副衝突判定回路442、451及び総合判定回路443であってもよい。
また、第1〜第4実施形態では、車両用危険回避装置が2つの衝撃検出センサを備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。車両用危険回避装置は、3つ以上の衝撃検出センサを備えていてもよい。主衝突判定部及び副衝突判定部が、これらの衝撃検出センサの検出結果に基づいて車両が衝突したか否かを判定すればよい。
第1及び第2実施形態では、車両用危険回避装置が1つの副衝突判定部を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。車両用危険回避装置は、2つ以上の副衝突判定部を備えていてもよい。この場合、副衝突判定部は、副衝突判定部毎に設けられた主マイクロコンピュータとは別の副マイクロコンピュータがプログラムによって処理を行うことによって構成されていればよい。そして、総合判定部が、主衝突判定部の判定結果と全ての副衝突判定部の判定結果に基づいて第1及び第2実施形態と同様にして判定すればよい。この場合、主衝突判定部、副衝突判定部及び総合判定部は、第1実施形態において変形形態として説明したように、ハードウェアで構成されていてもよい。
第3及び第4実施形態では、車両用危険回避装置が2つの副衝突判定部を備えている例を挙げているが、これに限られるものではない。車両用危険回避装置は、3つ以上の副衝突判定部を備えていてもよい。この場合、副衝突判定部は、副衝突判定部毎に設けられた主マイクロコンピュータとは別の副マイクロコンピュータがプログラムによって処理を行うことによって構成されていればよい。そして、総合判定部が、主衝突判定部の判定結果と全ての副衝突判定部の判定結果に基づいて第3及び第4実施形態と同様にして判定すればよい。この場合、主衝突判定部、副衝突判定部及び総合判定部は、第3実施形態において変形形態として説明したように、ハードウェアで構成されていてもよい。