JP6591931B2 - 可搬式液化天然ガス供給設備 - Google Patents
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Description
上述したLNGサテライト設備の設置工事では、配管や機器の位置合わせに高い精度が要求される。上記設置工事では、液状のLNGを移送する配管やガス状の天然ガスを移送する配管などに、圧力計や流量計などの機器を介在させる。このとき、上記配管や機器を、液やガスが漏れないよう、位置合わせを高精度にして溶接しなければならない。
特許文献1は、屋外の据え付け場所において、短期間で正確にかつ安全に設置するのに適したLNGサテライト設備に関するものである。
特許文献1には以下の記載がある。
[0018]配管ユニット2は、貯槽ユニット1からのLNGを気化ユニット3に移送するためのLNG用配管21と、気化ユニット3から導出されるガス状の天然ガスを通すガス用配管22とを備えて構成されている。LNG用配管21には、安全弁211、緊急遮断弁212、および手動弁213が設けられている。詳細は後述するが、気化ユニット3を経て蒸発気化した天然ガスの温度が所定温度に満たない場合、緊急遮断弁212が閉止して、気化ユニット3へのLNGの導入を停止するようになっている。
[0024]図1に示すように、気化ユニット3は、LNGを蒸発気化するための気化器31と、LNG導入配管32と、ガス導出配管33とを備えて構成されている。気化器31は、底板311と、シェル状のハウジング312と、コイル状に巻かれた伝熱管313と、熱媒導入配管314と、熱媒オーバーフロー管315と、熱媒オーバーフロー管315に通じる熱媒導出配管316とを備えて構成されている。底板311とハウジング312との間には適宜のシール材(図示略)が介装されており、ハウジング312の内部の密閉状態が保たれるようになっている。
上記特許文献1では、設置時間をある程度短縮できるものの、依然として組立作業の多くを設置現場の屋外で行う必要がある。したがって、設置工事に手間がかかる問題は十分に解決されていない。
LNGサテライト設備は、全て同程度の規模ではない。つまり、ユーザーによる継続的なLNGの必要量に応じ、大規模のものや中小規模のものが設置される。つまり、貯槽や供給能力がユーザーに応じた規模となるよう設計するのである。
上記特許文献2は、天然ガス小規模貯蔵・供給施設であるサテライト基地が開示されている。
上記特許文献2には、つぎの記載がある。
[0019]ここでバルクコンテナ10は、図2に示すように、LNGを超低温に保持するための断熱構造を有する略楕円柱形上のバルク容器16を、鉄骨材で直方体形状に形成したラーメン構造のコンテナ本体34の内部に寝かせた状態で固定したものである。このバルク容器16は、従来のタンクローリー車のタンク部分(バルク容器)と同様の構造である。図からもわかるように、コンテナ本体34には鉄骨材の筋交いおよび垂直材が補強のために取り付けられている。バルク容器16はコンテナ本体34に内包されているが、その全体が覆われているわけではないので外部からその状態を観察することができる。その一方、バルク容器16がコンテナ本体によって保護されているので、バルクコンテナ10をトレーラー20に搭載して輸送している際に、トレーラー20が万一交通事故等にあったとしても、従来のバルク容器がむき出しになった状態のタンクローリー車と比べてバルク容器16が破損する危険性を少なくすることができる。
[0020]輸送されたバルクコンテナ10は、そのままサテライト基地24に一時的に設置される(図1参照)。設置されたバルクコンテナ10は、従来の各サテライト基地に建設されていたLNGタンク6を兼用するものである。したがって、従来のように各サテライト基地にLNGタンクを建設する必要がなくなり、サテライト基地の設備及び運転費用を低減することができる。
[0022]設置されたバルクコンテナ10はガス管26に接続され、バルク容器16内に貯蔵されたLNGはガス管26を通して加圧蒸発器およびLNG気化器8で気化された後に、バッファタンク9を介して需要家14の天然ガス利用設備28に供給される。
特許文献2に開示されたサテライト基地24では、加圧蒸発器、LNG気化器8およびバッファタンク9等の設備を工事により設置しなければならない。このようなサテライト基地24も特許文献1と同様に、基本的には貯蔵量3t以上の規模に準じた設計や構成が採用される。したがって設置工事には高精度が要求され、手間がかかるという問題は依然として解決しない。
上記特許文献3は、LNGサテライトの建設時間・コスト・設置スペース・撤去に関する問題点を解消し、搬送を簡便にして有効に再運用し続けるようにしたLNGモバイルサテライトシステムを開示する。
上記特許文献3には、つぎの記載がある。
特許文献3に開示されたLNGモバイルサテライトシステムは、液化天然ガスをLNG貯槽1から取り出す際のLNG貯槽1内の加圧に関して考慮されていない。したがって、天然ガスの消費量が増大してLNG貯槽1内の圧力が低下すると十分な液化天然ガスを取り出せなくなる。また、設置型のLNG貯槽1ではなく、タンクローリなどから液化天然ガスの供給を受ける場合は、タンク内の加圧設備をもつタンクローリでなければ供給を受けられないおそれがある。したがって、上記特許文献3に記載された技術では、液化天然ガスの供給を受ける貯留タンクのタイプに制限が課されるという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためつぎの目的をもってなされたものである。
設置工事を簡略化して工期を短縮でき、液化天然ガスの供給を受ける貯留タンクのタイプに制限を課さない可搬式液化天然ガス供給設備を提供する。
貯留タンクから供給を受けた液化天然ガスを気化して天然ガスを得る気化手段と、
上記気化手段で得られた天然ガスを天然ガス使用設備に対して供給するための供給手段と、
上記液化天然ガスを気化して上記貯留タンクに戻すことにより、上記貯留タンクに対して上記液化天然ガスを取り出すときの圧力を付与するための加圧手段と、
上記気化手段および上記加圧手段を搬送可能な第1のユニットにする第1ユニット化手段と、
上記供給手段を搬送可能な第2のユニットにする第2ユニット化手段と、を備え、
上記第1のユニットには、
上記貯留タンクから上記気化手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れるための第1の受入口と、
上記貯留タンクから上記加圧手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れるための第2の受入口と、
上記加圧手段から天然ガスを上記貯留タンクに対して戻すための送出口と、
が設けられ、
上記第1のユニットには、
上記第1の受入口、上記第2の受入口および上記送出口を備えた配管系統が、
複数設けられている。
上記第2のユニットは、
上記第1の受入口、第2の受入口および送出口に対してパージガスを供給するパージガス供給手段を備えている。
上記供給手段は、
上記気化手段で得られた天然ガスを一時的に貯留するバッファタンクを含む。
上記供給手段は、
上記気化手段で得られた天然ガスを減圧する減圧手段を含む。
上記気化手段は、貯留タンクから供給を受けた液化天然ガスを気化して天然ガスを得る。上記供給手段は、上記気化手段で得られた天然ガスを天然ガス使用設備に対して供給する。上記加圧手段は、上記液化天然ガスを気化して上記貯留タンクに戻すことにより、上記貯留タンクに対して上記液化天然ガスを取り出すときの圧力を付与する。
第1は、LNGの取り出しを貯留タンクの内圧だけに頼ると、貯留タンク内のLNGがなくなる前に取り出せなくなって、つぎのLNGを補充しなければならなくなる。本発明は第1のユニットに加圧手段を備えているので、貯留タンク内のLNGがなくなるまで取り出してから、つぎのLNGを補充すればよい。
第2は、LNGの取り出しを貯留タンクの内圧だけに頼ると、貯留タンク内からLNGを取り出す内圧が、環境温度の影響を受ける。たとえば、夏場は貯留タンク内からLNGを取り出しやすく、冬場は貯留タンク内からLNGを取り出しにくい。本発明は第1のユニットに加圧手段を備えているので、貯留タンク内のLNGを環境温度の影響をうけずに安定して取り出すことができる。
したがって、本発明の可搬式液化天然ガス供給設備は、加圧手段をもたない貯留タンクから液化天然ガスの供給を受けることができ、液化天然ガスの供給を受ける貯留タンクのタイプに制限を課さないのである。
上記第1の受入口は、上記貯留タンクから上記気化手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れる。上記第2の受入口は、上記貯留タンクから上記加圧手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れる。上記送出口は、上記加圧手段から天然ガスを上記貯留タンクに対して戻す。
このため、たとえばつぎのような運用が可能となる。LNGを供給するときは、まず1基目の可搬式の貯留タンクを第1の配管系統に属する第1の受入口および第2の受入口に接続する。1基目の貯留タンクが残り少なくなったとき、2基目の可搬式の貯留タンクを運搬してきて第2の配管系統に属する第1の受入口および第2の受入口に接続し、LNGの供給を開始する。空になった1基目の貯留タンクは接続を解除し、一次基地に戻ってLNGを補充する。そして、2基目の貯留タンクが残り少なくなったとき、1基目の可搬式の貯留タンクを運搬してきて第1の配管系統に属する第1の受入口および第2の受入口に接続し、再びLNGの供給を開始する。このように運用することにより、貯留タンクの交換のせいでLNGの供給が一時的に停止するという不都合を防止できる。
このため、上記第1の受入口、第2の受入口および送出口にそれぞれ接続されるフレキシブルホースなどの接続配管内にパージガスを供給することができる。上記貯留タンクを交換するとき、あらかじめ上記接続配管内をパージガスで満たしてから、上記接続配管の接続を解除することができる。このようにすることにより、接続配管の接続を解除したときに、天然ガスが周囲に飛び出すのを防止でき、安全性を確保できる。このようなパージガス供給手段をユニット化して設置することにより、設置工事の手間を大幅に簡略化し、設置工事を簡略化して工期を短縮できる。
図1および図2は、本発明の前提となる可搬式液化天然ガス供給設備を示す形態である。図1は主として外観構造を示す平面図である。図2は主として配管構造を示す。
本形態の可搬式液化天然ガス供給設備100は、貯留タンク1から液化天然ガスの供給を受け、供給を受けた液化天然ガスを気化し、得られた天然ガスを天然ガス使用設備(図示していない)に供給する。この例では、上記貯留タンク1は、牽引車2で牽引可能なコンテナ型のトレーラー3に搭載されている。
上記貯留タンク1は、コンテナ台に搭載され、搬送可能なコンテナ型のトレーラー3を構成している。上記貯留タンク1は、低温の液化天然ガスを貯留するために、真空断熱タイプのものを使うことができる。
上記第1のユニット21は、第1ユニット化手段23により、上記気化手段11および上記加圧手段12が搬送可能にユニット化されて構成されている。
上記気化手段11は、貯留タンク1から供給を受けた液化天然ガスを気化して天然ガスを得る。
上記加圧手段12は、液化天然ガスを気化して上記貯留タンク1に戻すことにより、上記貯留タンク1に対して上記液化天然ガスを取り出すときの圧力を付与する。
上記第2のユニット22は、第2ユニット化手段24により、上記供給手段13およびパージガス供給手段17が搬送可能にユニット化されて構成されている。
上記供給手段13は、上記気化手段11で得られた天然ガスを天然ガス使用設備に対して供給する。この例では、上記供給手段13は、バッファタンク15と減圧手段16とを含んで構成される。
上記バッファタンク15は、上記気化手段11で気化された上記天然ガスを一時的に貯留する。上記バッファタンク15は、第1のガス受入路41aによって第1のガス受入口41と接続され、上記気化手段11で気化された上記天然ガスが導入される。上記バッファタンク15には、バッファタンク15内の天然ガスを天然ガス使用設備に供給するための供給路18が接続されている。この供給路18に減圧手段16が設けられている。
上記減圧手段16は、上述したように上記供給路18に設けられ、上記気化手段11で得られた天然ガスを減圧する。上記減圧手段16は、この例では、上記バッファタンク15に一時的に貯留された上記天然ガスを天然ガス使用設備に対して供給するために減圧する。上記減圧手段16を介して天然ガス使用設備に対して供給する天然ガスの供給圧力は、例えば0.1MPa程度に設定される。
上記パージガス供給手段17は、上記第1の受入口27、第2の受入口28および送出口29に対してパージガスを供給する。
本形態の可搬式液化天然ガス供給設備100は、第1のユニット21と第2のユニット22を工場などの屋内で作製し、完成した第1のユニット21と第2のユニット22をそのままユーザーの敷地まで搬送して設置する。現場では、設置した第1のユニット21と第2のユニット22同士を接続する作業だけを行う。
本形態は、つぎの効果を奏する。
第1は、LNGの取り出しを貯留タンク1の内圧だけに頼ると、貯留タンク1内のLNGがなくなる前に取り出せなくなって、つぎのLNGを補充しなければならなくなる。本形態は第1のユニット21に加圧手段12を備えているので、貯留タンク1内のLNGがなくなるまで取り出してから、つぎのLNGを補充すればよい。
第2は、LNGの取り出しを貯留タンク1の内圧だけに頼ると、貯留タンク1内からLNGを取り出す内圧が、環境温度の影響を受ける。たとえば、夏場は貯留タンク1内からLNGを取り出しやすく、冬場は貯留タンク1内からLNGを取り出しにくい。本形態は第1のユニット21に加圧手段12を備えているので、貯留タンク1内のLNGを環境温度の影響をうけずに安定して取り出すことができる。
したがって、本形態の可搬式液化天然ガス供給設備100は、加圧手段12をもたない貯留タンク1から液化天然ガスの供給を受けることができ、液化天然ガスの供給を受ける貯留タンク1のタイプに制限を課さないのである。
図3は、本発明が適用された可搬式液化天然ガス供給設備を示す実施形態であり、主として配管構造を示す図である。
それ以外は、上記形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
LNGを供給するときは、まず1基目の可搬式の貯留タンク1を第1の配管系統に属する第1の受入口27および第2の受入口28に接続する。1基目の貯留タンク1が残り少なくなったとき、2基目の可搬式の貯留タンク1X(図示せず)を運搬してきて第2の配管系統に属する第1の受入口27Xおよび第2の受入口28Xに接続し、LNGの供給を開始する。空になった1基目の貯留タンク1は接続を解除し、一次基地に戻ってLNGを補充する。そして、2基目の貯留タンク1Xが残り少なくなったとき、1基目の可搬式の貯留タンク1を運搬してきて第1の配管系統に属する第1の受入口27および第2の受入口28に接続し、再びLNGの供給を開始する。このように運用することにより、貯留タンク1,1Xの交換のせいでLNGの供給が一時的に停止するという不都合を防止できる。
それ以外は、上記形態と同様の作用効果を奏する。
以上は本発明の特に好ましい実施形態について説明したが、本発明は図示した実施形態に限定する趣旨ではなく、各種の態様に変形して実施することができ、本発明は各種の変形例を包含する趣旨である。
2:牽引車
3:トレーラー
11:気化手段
11a:第1気化器
11b:第2気化器
12:加圧手段
12a:圧力調整弁
13:供給手段
15:バッファタンク
16:減圧手段
17:パージガス供給手段
17a:パージガスタンク
18:供給路
18a:供給口
21:第1のユニット
22:第2のユニット
23:第1ユニット化手段
24:第2ユニット化手段
27:第1の受入口
27X:第1の受入口
27a:第1の受入路
28:第2の受入口
28X:第2の受入口
28a:第2の受入路
29:送出口
29X:送出口
29a:送出路
30a:フレキシブルホース
30b:フレキシブルホース
30c:フレキシブルホース
31:第1の液体取出路
31a:第1の取出口
32:第2の液体取出路
32a:第2の取出口
33:加圧路
33a:加圧口
34:放出口
37:第1の導出口
37a:第1の導出路
38:第2の導出口
38a:第2の導出路
38b:減圧弁
39:パージガス受入口
39a:パージガス受入路
41:第1のガス受入口
41a:第1のガス受入路
42:第2のガス受入口
42a:第2のガス受入路
43:パージガス供給口
43a:パージガス供給路
43b:減圧弁
100:可搬式液化天然ガス供給設備
Claims (4)
- 貯留タンクから供給を受けた液化天然ガスを気化して天然ガスを得る気化手段と、
上記気化手段で得られた天然ガスを天然ガス使用設備に対して供給するための供給手段と、
上記液化天然ガスを気化して上記貯留タンクに戻すことにより、上記貯留タンクに対して上記液化天然ガスを取り出すときの圧力を付与するための加圧手段と、
上記気化手段および上記加圧手段を搬送可能な第1のユニットにする第1ユニット化手段と、
上記供給手段を搬送可能な第2のユニットにする第2ユニット化手段と、を備え、
上記第1のユニットには、
上記貯留タンクから上記気化手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れるための第1の受入口と、
上記貯留タンクから上記加圧手段に対して液化天然ガスの供給を受け入れるための第2の受入口と、
上記加圧手段から天然ガスを上記貯留タンクに対して戻すための送出口と、
が設けられ、
上記第1のユニットには、
上記第1の受入口、上記第2の受入口および上記送出口を備えた配管系統が、
複数設けられている
ことを特徴とする可搬式液化天然ガス供給設備。 - 上記第2のユニットは、
上記第1の受入口、第2の受入口および送出口に対してパージガスを供給するパージガス供給手段を備えている
請求項1記載の可搬式液化天然ガス供給設備。 - 上記供給手段は、
上記気化手段で得られた天然ガスを一時的に貯留するバッファタンクを含む
請求項1または2記載の可搬式液化天然ガス供給設備。 - 上記供給手段は、
上記気化手段で得られた天然ガスを減圧する減圧手段を含む
請求項1〜3のいずれか一項に記載の可搬式液化天然ガス供給設備。
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